JP2004341256A - 現像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像剤の円滑な流れを妨げることがなく、しかも現像後に回転現像スリーブに残留した現像剤を剥離する効果が高い現像装置を提供することである。
【解決手段】現像剤を収容し、感光体11の表面に臨む開口部を有するハウジング14と、このハウジング14内に収容され、前記開口部にて感光体11と対向した回転現像スリーブ12と、この回転現像スリーブ12に内蔵され、現像主極N1と、この現像主極N1よりも現像スリーブ12の回転方向下流側に位置し現像剤を引き剥がすための搬送磁極N2,N3とを有する複数の固定磁石とを備え、搬送磁極N2によって形成される現像剤引き剥がし位置Pから現像スリーブ12の回転方向上流側でかつ搬送磁極N2の磁界の及ぶ領域内のハウジング14内壁面に磁性体16を設けた現像装置である。
【選択図】 図1
【解決手段】現像剤を収容し、感光体11の表面に臨む開口部を有するハウジング14と、このハウジング14内に収容され、前記開口部にて感光体11と対向した回転現像スリーブ12と、この回転現像スリーブ12に内蔵され、現像主極N1と、この現像主極N1よりも現像スリーブ12の回転方向下流側に位置し現像剤を引き剥がすための搬送磁極N2,N3とを有する複数の固定磁石とを備え、搬送磁極N2によって形成される現像剤引き剥がし位置Pから現像スリーブ12の回転方向上流側でかつ搬送磁極N2の磁界の及ぶ領域内のハウジング14内壁面に磁性体16を設けた現像装置である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、印刷機等の画像形成装置において、像担持体の表面に形成された静電潜像を現像するための現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、画像形成装置に用いられる現像装置では、撹拌部材により撹拌された現像剤が、内部に固定磁石を配置した回転現像スリーブの表面に、磁力や表面の凹凸などによって担持され、現像位置まで搬送される。この現像位置では、露光プロセスによって感光体(像担持体)の表面に形成された静電潜像が、回転現像スリーブ表面に担持され搬送されてきた現像剤によって現像(顕像化)される。
【0003】
現像後、回転現像スリーブの表面に残留した現像剤は、引き剥がし位置において剥離される。剥離された現像剤は、回転現像スリーブの近傍に配置された撹拌部材により撹拌され、再利用される。通常、上記の引き剥がし位置では、現像後に回転現像スリーブの表面に残留した現像剤は、前記固定磁石のうち引き剥がし位置に対応する位置に設けられた隣り合う同極性の2つの磁極間で生じる反発磁界により剥離されるか、あるいは固定磁石の磁極が近傍に設けられていない未磁界帯において剥離される。
【0004】
ところが、固定磁石の反発磁界や未磁界帯による作用だけでは現像剤を回転現像スリーブの表面から完全に剥離するのが困難な場合がある。剥離されずに回転現像スリーブの表面に残った現像剤は、そのまま再び現像位置まで搬送されてしまう。このような場合には回転現像スリーブに担持される現像剤の量が不均一となり、現像ムラや現像剤の帯電量が不均一になることによる画像カブリ等の問題が発生する。また、現像剤が回転現像スリーブ表面から剥離されずに長時間残留すると、現像剤が劣化して画像濃度が低下したり、回転現像スリーブ表面の現像剤が融着して現像装置の寿命が短くなることもある。さらに、近年では、現像剤が小粒径化しており、このような小粒径の現像剤は、大粒径の現像剤に比べて単位重量当たりの帯電量が相対的に大きくなり、回転現像スリーブ表面への静電吸着力が増大するため、剥離がより困難になる。
【0005】
そこで、上記問題の対策として、特許文献1には、同極性の2つの磁極(第1,第2の磁極)を有する固定磁石を内部に配置した回転現像スリーブと、この回転現像スリーブに対向して配置された撹拌部材との間で、かつ第1の磁極と第1,第2の磁極間の磁束密度が最小となる位置との間に回転現像スリーブに対向して配置された磁性部材を有する現像装置が提案されている。また、特許文献2には、現像位置よりも下流側の現像剤搬送経路外に、現像剤に直接接触しない状態で磁性部材が配置された現像装置が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−194962号公報
【特許文献2】
特開2000−214683号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の現像装置では、現像剤搬送経路上に磁性部材が配置されているので、現像剤の円滑な流れを妨げることになり、回転現像スリーブの表面に十分な量の現像剤を担持させることができず、かえって画像の劣化を招くという問題がある。また、特許文献2に記載の現像装置では、現像剤搬送経路外に磁性体が配置されているので、回転現像スリーブの表面から磁性体までの間隔が大きくなりすぎて、現像剤を剥離する効果が十分に得られないという問題がある。
【0008】
したがって、本発明の目的は、現像剤の円滑な流れを妨げることがなく、しかも現像後に回転現像スリーブに残留した現像剤を剥離する効果が高い現像装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の現像装置は、以下の構成からなる。
(1) 現像剤を収容し、像担持体の表面に臨む開口部を有するハウジングと、このハウジング内に収容され、前記開口部にて前記像担持体と対向した回転現像スリーブと、この回転現像スリーブに内蔵され、現像主極と、この現像主極よりも現像スリーブの回転方向下流側に位置し現像剤を引き剥がすための搬送磁極とを有する複数の固定磁石とを備えた現像装置であって、前記搬送磁極によって形成される現像剤引き剥がし位置から前記現像スリーブの回転方向上流側でかつ搬送磁極の磁界の及ぶ領域内の前記ハウジング内壁面に磁性体を設けたことを特徴とする現像装置。
(2) 前記搬送磁極が、前記回転現像スリーブの回転方向に沿って隣り合う同極性の2つの磁極からなり、前記磁性体が、2つの前記搬送磁極のうち前記回転現像スリーブの回転方向上流側の搬送磁極に対向する前記ハウジングの内壁面に設けられている(1)記載の現像装置。
(3) 前記磁性体が前記ハウジングの内壁面に貼り付けられた磁性金属板である(1)または(2)記載の現像装置。
(4) 前記磁性体が、前記回転現像スリーブの下方に位置し現像剤に接触する前記ハウジング内壁面に設けられている(1)〜(3)のいずれかに記載の現像装置。
(5) 前記磁性体の表面が前記ハウジングの内壁面と略同一面である(1)〜(4)のいずれかに記載の現像装置。
【0010】
前記(1)記載の現像装置によれば、現像剤引き剥がし位置から上流側でかつ搬送磁極の磁界の及ぶ領域内のハウジング内壁面に磁性体が設けられているので、搬送磁極の磁界に誘導されて前記磁性体に反対磁性の磁極が生じ、現像剤の回転現像スリーブへの吸着力を低減させることができる。これにより、搬送磁極による現像剤引き剥がし効果と、磁性体に生じる反対磁性の磁極による引き剥がし効果とが相まって、回転現像スリーブに残留した現像剤を剥離する効果を高めることができる。この現像装置では、磁性体をハウジングの内壁面に設けているので、高い現像剤引き剥がし効果を得ることができると共に、現像剤の流れが妨げられない。
【0011】
前記(2)記載の現像装置では、同極性の2つの搬送磁極により生じる反発磁界によって磁束密度が最小となる位置である現像剤引き剥がし位置が形成されている。また、磁性体は、2つの搬送磁極のうち上流側の搬送磁極に対向するハウジング内壁面、すなわち搬送磁極に近接する領域に設けられている。搬送磁極に近接するこの領域には搬送磁極の磁界が及びやすいので、前記磁性体の反対磁性の磁極による引き剥がし効果もより大きくなり、回転現像スリーブからの現像剤の剥離効果をより高めることができる。
【0012】
前記(3)記載の現像装置によれば、前記内壁面に磁性金属板を貼り付けるだけで簡単に磁性体を配置することができる。
【0013】
前記(4)記載の現像装置によれば、磁性体が回転現像スリーブの下方に位置し現像剤に接触するハウジング内壁面に設けられているため、上記したような磁性体を配置することによる現像剤の剥離効果に加えて、現像剤の自重による剥離効果も得られるので、現像剤がより剥離しやすくなる。
【0014】
前記(5)記載の現像装置によれば、磁性体の表面をハウジング内壁面と略同一面としているので、現像剤の流れをより円滑にすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は本実施形態にかかる現像装置を示す概略断面図である。
【0016】
図1に示すように、この現像装置は、磁性現像剤を収容し、感光体(像担持体)11の表面に臨む開口部を有するハウジング14と、このハウジング14内に収容され、感光体11の表面に形成された静電潜像を現像するために前記開口部にて感光体11に対向した回転現像スリーブ12と、この回転現像スリーブ12に内蔵され、外方に向かって現像主極N1,搬送磁極N2,搬送磁極N3,磁極S1,磁極S2が形成された固定磁石と、ハウジング14内に収容され、現像後に回転現像スリーブ12の表面に残留し現像剤引き剥がし位置Pにおいて剥離される現像剤を受け取って撹拌するために回転現像スリーブ12の近傍に配置された撹拌スクリュー(撹拌部材)13と、静電潜像を現像する現像位置Dに搬送される現像剤の層厚を規制する厚さ規制ブレード15とを備えている。
【0017】
ハウジング14内に収容され、矢印方向に回転する撹拌スクリュー13により撹拌された現像剤は、回転現像スリーブ12側に搬送され、その表面に磁力の作用で吸着し担持される。担持された現像剤は、矢印方向に回転する回転現像スリーブ12により搬送され、磁極S1と対向する厚さ規制ブレード15によって所定の厚さに規制されると共に帯電した後、現像主極N1に対向する現像位置Dにおいて矢印方向に回転する感光体11の表面に形成された静電潜像を現像しトナー像を形成する。
【0018】
回転現像スリーブ12の表面に担持された現像剤のうち現像位置Dにおいて使用されずに残留した現像剤は、担持されたままハウジング14内に戻され、回転現像スリーブ12の回転方向に沿って隣り合う同極性の搬送磁極N2と搬送磁極N3との反発磁界により形成された現像剤引き剥がし位置Pにおいて回転現像スリーブ12の表面から剥離される。この引き剥がし位置Pは、磁束密度が最小となる位置である。剥離された現像剤は、撹拌スクリュー13の方へ送られ、現像剤補給口17から補給された現像剤と混合・撹拌されて再利用される。
【0019】
本実施形態では、磁性体16が、搬送磁極N2,N3のうち回転現像スリーブ12の回転方向上流側の磁極、すなわち搬送磁極N2に対向するハウジング14の内壁面に設けられている。磁性体16は回転現像スリーブ12の下方に位置し、回転現像スリーブ12の軸方向に対して略平行でかつ回転現像スリーブ12の軸方向の長さとほぼ等しい長さにわたって配置されている。
【0020】
回転現像スリーブ12の表面と磁性体16の表面とは近接して対向しており、これらの間隔は0.5〜5mm、好ましくは0.5〜1.0mmであるのがよい。前記間隔が0.5未満になると、現像剤の円滑な流れを阻害するおそれがある。一方、前記間隔が5mmを超えると、剥離磁極N2の磁界が磁性体16に及びにくくなるため回転現像スリーブ12の表面に残留した現像剤を剥離する効果が十分に得られないおそれがある。
【0021】
磁性体16の表面は、ハウジング14の内壁面から過度に隆起したり陥没したりしていないのがよく、好ましくはハウジング14の内壁面と略同一面であるのがよい。このように略同一面に配置するには、例えば予めハウジング14の内壁面に凹部を設けておき、この凹部に板状の磁性体16を嵌合させればよい。磁性体16は凹部に接着剤などにより固定する。
【0022】
図2は、本発明の現像装置における引き剥がし位置Pを拡大した概略図である。図2に示すように、磁性体16をハウジング14の内壁面に設けることにより、搬送磁極N2の磁界の影響で磁性体16の表層部に反対磁性の磁極であるS極が誘導される。これにより、搬送磁極N2,N3により生じる反発磁界による引き剥がし効果と、磁性体16に誘導されるS極による引き剥がし効果とが相まって、現像剤18の回転現像スリーブ12表面への吸着力をより低減させて剥離効果をより高めることができる。なお、Mは磁力線を表す。
【0023】
吸着力が低減して回転現像スリーブ12の表面から剥離した現像剤18は、磁性体16または撹拌スクリュー13の方へ移動する。磁性体16の表面に移動した現像剤18は、磁性体16の表面に留まることなく回転現像スリーブ12の持つ現像剤搬送力により撹拌スクリュー13の方へ移動する。
【0024】
磁性体16の材質としては、SUS430などの磁性ステンレス鋼や、鉄、ニッケル、コバルトまたはこれらの合金等を使用することができ、特に鉄などの弱磁性体が好ましい。また、回転現像スリーブ12が高速で回転する場合には、磁性体16として磁力の弱い磁石を用いることもできる。磁性体16の表面粗さRzは3.0μm以下であるのが好ましい。
【0025】
現像剤としては、一成分磁性現像剤およびトナーと磁性キャリアからなる二成分磁性現像剤のいずれも使用可能である。
【0026】
なお、本発明では、上記実施形態で使用した磁性体16に代えて、図3に示すようにハウジング14の内壁面に磁性金属板16’を貼り付けてもよい。この場合、磁性金属板16’の厚さは0.05〜0.5mm、好ましくは0.05〜0.1mmであるのがよい。磁性金属板16’を用いる場合は、ハウジング14の内壁面に凹部を設けなくてもよい。
【0027】
また、上記実施形態では、磁性体が回転現像スリーブの下方に位置する場合について説明したが、回転現像スリーブが逆方向に回転する場合には、引き剥がし位置が回転現像スリーブの上方になるので、それに合わせて磁性体も回転現像スリーブの上方のハウジング内壁面に配置すればよい。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、現像剤引き剥がし位置から上流側でかつ搬送磁極の磁界の及ぶ領域内のハウジング内壁面に磁性体が設けられているので、搬送磁極による現像剤引き剥がし効果と、磁性体に生じる反対磁性の磁極による引き剥がし効果とが相まって、回転現像スリーブに残留した現像剤を剥離する効果を高めることができる。しかも、磁性体をハウジングの内壁面に設けているので、現像剤の流れが妨げられない。これにより、高品質な画像を得ることができると共に、現像装置の耐用年数を長くすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる現像装置を示す断面図である。
【図2】図1の現像装置における引き剥がし位置Pを拡大した断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態にかかる現像装置を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
11 感光体(像担持体)
12 回転現像スリーブ
13 撹拌スクリュー
14 ハウジング
15 厚さ規制ブレード
16,16’ 磁性体
17 現像剤補給口
18 現像剤
D 現像位置
P 引き剥がし位置
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、印刷機等の画像形成装置において、像担持体の表面に形成された静電潜像を現像するための現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、画像形成装置に用いられる現像装置では、撹拌部材により撹拌された現像剤が、内部に固定磁石を配置した回転現像スリーブの表面に、磁力や表面の凹凸などによって担持され、現像位置まで搬送される。この現像位置では、露光プロセスによって感光体(像担持体)の表面に形成された静電潜像が、回転現像スリーブ表面に担持され搬送されてきた現像剤によって現像(顕像化)される。
【0003】
現像後、回転現像スリーブの表面に残留した現像剤は、引き剥がし位置において剥離される。剥離された現像剤は、回転現像スリーブの近傍に配置された撹拌部材により撹拌され、再利用される。通常、上記の引き剥がし位置では、現像後に回転現像スリーブの表面に残留した現像剤は、前記固定磁石のうち引き剥がし位置に対応する位置に設けられた隣り合う同極性の2つの磁極間で生じる反発磁界により剥離されるか、あるいは固定磁石の磁極が近傍に設けられていない未磁界帯において剥離される。
【0004】
ところが、固定磁石の反発磁界や未磁界帯による作用だけでは現像剤を回転現像スリーブの表面から完全に剥離するのが困難な場合がある。剥離されずに回転現像スリーブの表面に残った現像剤は、そのまま再び現像位置まで搬送されてしまう。このような場合には回転現像スリーブに担持される現像剤の量が不均一となり、現像ムラや現像剤の帯電量が不均一になることによる画像カブリ等の問題が発生する。また、現像剤が回転現像スリーブ表面から剥離されずに長時間残留すると、現像剤が劣化して画像濃度が低下したり、回転現像スリーブ表面の現像剤が融着して現像装置の寿命が短くなることもある。さらに、近年では、現像剤が小粒径化しており、このような小粒径の現像剤は、大粒径の現像剤に比べて単位重量当たりの帯電量が相対的に大きくなり、回転現像スリーブ表面への静電吸着力が増大するため、剥離がより困難になる。
【0005】
そこで、上記問題の対策として、特許文献1には、同極性の2つの磁極(第1,第2の磁極)を有する固定磁石を内部に配置した回転現像スリーブと、この回転現像スリーブに対向して配置された撹拌部材との間で、かつ第1の磁極と第1,第2の磁極間の磁束密度が最小となる位置との間に回転現像スリーブに対向して配置された磁性部材を有する現像装置が提案されている。また、特許文献2には、現像位置よりも下流側の現像剤搬送経路外に、現像剤に直接接触しない状態で磁性部材が配置された現像装置が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−194962号公報
【特許文献2】
特開2000−214683号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の現像装置では、現像剤搬送経路上に磁性部材が配置されているので、現像剤の円滑な流れを妨げることになり、回転現像スリーブの表面に十分な量の現像剤を担持させることができず、かえって画像の劣化を招くという問題がある。また、特許文献2に記載の現像装置では、現像剤搬送経路外に磁性体が配置されているので、回転現像スリーブの表面から磁性体までの間隔が大きくなりすぎて、現像剤を剥離する効果が十分に得られないという問題がある。
【0008】
したがって、本発明の目的は、現像剤の円滑な流れを妨げることがなく、しかも現像後に回転現像スリーブに残留した現像剤を剥離する効果が高い現像装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の現像装置は、以下の構成からなる。
(1) 現像剤を収容し、像担持体の表面に臨む開口部を有するハウジングと、このハウジング内に収容され、前記開口部にて前記像担持体と対向した回転現像スリーブと、この回転現像スリーブに内蔵され、現像主極と、この現像主極よりも現像スリーブの回転方向下流側に位置し現像剤を引き剥がすための搬送磁極とを有する複数の固定磁石とを備えた現像装置であって、前記搬送磁極によって形成される現像剤引き剥がし位置から前記現像スリーブの回転方向上流側でかつ搬送磁極の磁界の及ぶ領域内の前記ハウジング内壁面に磁性体を設けたことを特徴とする現像装置。
(2) 前記搬送磁極が、前記回転現像スリーブの回転方向に沿って隣り合う同極性の2つの磁極からなり、前記磁性体が、2つの前記搬送磁極のうち前記回転現像スリーブの回転方向上流側の搬送磁極に対向する前記ハウジングの内壁面に設けられている(1)記載の現像装置。
(3) 前記磁性体が前記ハウジングの内壁面に貼り付けられた磁性金属板である(1)または(2)記載の現像装置。
(4) 前記磁性体が、前記回転現像スリーブの下方に位置し現像剤に接触する前記ハウジング内壁面に設けられている(1)〜(3)のいずれかに記載の現像装置。
(5) 前記磁性体の表面が前記ハウジングの内壁面と略同一面である(1)〜(4)のいずれかに記載の現像装置。
【0010】
前記(1)記載の現像装置によれば、現像剤引き剥がし位置から上流側でかつ搬送磁極の磁界の及ぶ領域内のハウジング内壁面に磁性体が設けられているので、搬送磁極の磁界に誘導されて前記磁性体に反対磁性の磁極が生じ、現像剤の回転現像スリーブへの吸着力を低減させることができる。これにより、搬送磁極による現像剤引き剥がし効果と、磁性体に生じる反対磁性の磁極による引き剥がし効果とが相まって、回転現像スリーブに残留した現像剤を剥離する効果を高めることができる。この現像装置では、磁性体をハウジングの内壁面に設けているので、高い現像剤引き剥がし効果を得ることができると共に、現像剤の流れが妨げられない。
【0011】
前記(2)記載の現像装置では、同極性の2つの搬送磁極により生じる反発磁界によって磁束密度が最小となる位置である現像剤引き剥がし位置が形成されている。また、磁性体は、2つの搬送磁極のうち上流側の搬送磁極に対向するハウジング内壁面、すなわち搬送磁極に近接する領域に設けられている。搬送磁極に近接するこの領域には搬送磁極の磁界が及びやすいので、前記磁性体の反対磁性の磁極による引き剥がし効果もより大きくなり、回転現像スリーブからの現像剤の剥離効果をより高めることができる。
【0012】
前記(3)記載の現像装置によれば、前記内壁面に磁性金属板を貼り付けるだけで簡単に磁性体を配置することができる。
【0013】
前記(4)記載の現像装置によれば、磁性体が回転現像スリーブの下方に位置し現像剤に接触するハウジング内壁面に設けられているため、上記したような磁性体を配置することによる現像剤の剥離効果に加えて、現像剤の自重による剥離効果も得られるので、現像剤がより剥離しやすくなる。
【0014】
前記(5)記載の現像装置によれば、磁性体の表面をハウジング内壁面と略同一面としているので、現像剤の流れをより円滑にすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は本実施形態にかかる現像装置を示す概略断面図である。
【0016】
図1に示すように、この現像装置は、磁性現像剤を収容し、感光体(像担持体)11の表面に臨む開口部を有するハウジング14と、このハウジング14内に収容され、感光体11の表面に形成された静電潜像を現像するために前記開口部にて感光体11に対向した回転現像スリーブ12と、この回転現像スリーブ12に内蔵され、外方に向かって現像主極N1,搬送磁極N2,搬送磁極N3,磁極S1,磁極S2が形成された固定磁石と、ハウジング14内に収容され、現像後に回転現像スリーブ12の表面に残留し現像剤引き剥がし位置Pにおいて剥離される現像剤を受け取って撹拌するために回転現像スリーブ12の近傍に配置された撹拌スクリュー(撹拌部材)13と、静電潜像を現像する現像位置Dに搬送される現像剤の層厚を規制する厚さ規制ブレード15とを備えている。
【0017】
ハウジング14内に収容され、矢印方向に回転する撹拌スクリュー13により撹拌された現像剤は、回転現像スリーブ12側に搬送され、その表面に磁力の作用で吸着し担持される。担持された現像剤は、矢印方向に回転する回転現像スリーブ12により搬送され、磁極S1と対向する厚さ規制ブレード15によって所定の厚さに規制されると共に帯電した後、現像主極N1に対向する現像位置Dにおいて矢印方向に回転する感光体11の表面に形成された静電潜像を現像しトナー像を形成する。
【0018】
回転現像スリーブ12の表面に担持された現像剤のうち現像位置Dにおいて使用されずに残留した現像剤は、担持されたままハウジング14内に戻され、回転現像スリーブ12の回転方向に沿って隣り合う同極性の搬送磁極N2と搬送磁極N3との反発磁界により形成された現像剤引き剥がし位置Pにおいて回転現像スリーブ12の表面から剥離される。この引き剥がし位置Pは、磁束密度が最小となる位置である。剥離された現像剤は、撹拌スクリュー13の方へ送られ、現像剤補給口17から補給された現像剤と混合・撹拌されて再利用される。
【0019】
本実施形態では、磁性体16が、搬送磁極N2,N3のうち回転現像スリーブ12の回転方向上流側の磁極、すなわち搬送磁極N2に対向するハウジング14の内壁面に設けられている。磁性体16は回転現像スリーブ12の下方に位置し、回転現像スリーブ12の軸方向に対して略平行でかつ回転現像スリーブ12の軸方向の長さとほぼ等しい長さにわたって配置されている。
【0020】
回転現像スリーブ12の表面と磁性体16の表面とは近接して対向しており、これらの間隔は0.5〜5mm、好ましくは0.5〜1.0mmであるのがよい。前記間隔が0.5未満になると、現像剤の円滑な流れを阻害するおそれがある。一方、前記間隔が5mmを超えると、剥離磁極N2の磁界が磁性体16に及びにくくなるため回転現像スリーブ12の表面に残留した現像剤を剥離する効果が十分に得られないおそれがある。
【0021】
磁性体16の表面は、ハウジング14の内壁面から過度に隆起したり陥没したりしていないのがよく、好ましくはハウジング14の内壁面と略同一面であるのがよい。このように略同一面に配置するには、例えば予めハウジング14の内壁面に凹部を設けておき、この凹部に板状の磁性体16を嵌合させればよい。磁性体16は凹部に接着剤などにより固定する。
【0022】
図2は、本発明の現像装置における引き剥がし位置Pを拡大した概略図である。図2に示すように、磁性体16をハウジング14の内壁面に設けることにより、搬送磁極N2の磁界の影響で磁性体16の表層部に反対磁性の磁極であるS極が誘導される。これにより、搬送磁極N2,N3により生じる反発磁界による引き剥がし効果と、磁性体16に誘導されるS極による引き剥がし効果とが相まって、現像剤18の回転現像スリーブ12表面への吸着力をより低減させて剥離効果をより高めることができる。なお、Mは磁力線を表す。
【0023】
吸着力が低減して回転現像スリーブ12の表面から剥離した現像剤18は、磁性体16または撹拌スクリュー13の方へ移動する。磁性体16の表面に移動した現像剤18は、磁性体16の表面に留まることなく回転現像スリーブ12の持つ現像剤搬送力により撹拌スクリュー13の方へ移動する。
【0024】
磁性体16の材質としては、SUS430などの磁性ステンレス鋼や、鉄、ニッケル、コバルトまたはこれらの合金等を使用することができ、特に鉄などの弱磁性体が好ましい。また、回転現像スリーブ12が高速で回転する場合には、磁性体16として磁力の弱い磁石を用いることもできる。磁性体16の表面粗さRzは3.0μm以下であるのが好ましい。
【0025】
現像剤としては、一成分磁性現像剤およびトナーと磁性キャリアからなる二成分磁性現像剤のいずれも使用可能である。
【0026】
なお、本発明では、上記実施形態で使用した磁性体16に代えて、図3に示すようにハウジング14の内壁面に磁性金属板16’を貼り付けてもよい。この場合、磁性金属板16’の厚さは0.05〜0.5mm、好ましくは0.05〜0.1mmであるのがよい。磁性金属板16’を用いる場合は、ハウジング14の内壁面に凹部を設けなくてもよい。
【0027】
また、上記実施形態では、磁性体が回転現像スリーブの下方に位置する場合について説明したが、回転現像スリーブが逆方向に回転する場合には、引き剥がし位置が回転現像スリーブの上方になるので、それに合わせて磁性体も回転現像スリーブの上方のハウジング内壁面に配置すればよい。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、現像剤引き剥がし位置から上流側でかつ搬送磁極の磁界の及ぶ領域内のハウジング内壁面に磁性体が設けられているので、搬送磁極による現像剤引き剥がし効果と、磁性体に生じる反対磁性の磁極による引き剥がし効果とが相まって、回転現像スリーブに残留した現像剤を剥離する効果を高めることができる。しかも、磁性体をハウジングの内壁面に設けているので、現像剤の流れが妨げられない。これにより、高品質な画像を得ることができると共に、現像装置の耐用年数を長くすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる現像装置を示す断面図である。
【図2】図1の現像装置における引き剥がし位置Pを拡大した断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態にかかる現像装置を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
11 感光体(像担持体)
12 回転現像スリーブ
13 撹拌スクリュー
14 ハウジング
15 厚さ規制ブレード
16,16’ 磁性体
17 現像剤補給口
18 現像剤
D 現像位置
P 引き剥がし位置
Claims (5)
- 現像剤を収容し、像担持体の表面に臨む開口部を有するハウジングと、
このハウジング内に収容され、前記開口部にて前記像担持体と対向した回転現像スリーブと、
この回転現像スリーブに内蔵され、現像主極と、この現像主極よりも現像スリーブの回転方向下流側に位置し現像剤を引き剥がすための搬送磁極とを有する複数の固定磁石とを備えた現像装置であって、
前記搬送磁極によって形成される現像剤引き剥がし位置から前記現像スリーブの回転方向上流側でかつ搬送磁極の磁界の及ぶ領域内の前記ハウジング内壁面に磁性体を設けたことを特徴とする現像装置。 - 前記搬送磁極が、前記回転現像スリーブの回転方向に沿って隣り合う同極性の2つの磁極からなり、前記磁性体が、2つの前記搬送磁極のうち前記回転現像スリーブの回転方向上流側の搬送磁極に対向する前記ハウジングの内壁面に設けられている請求項1記載の現像装置。
- 前記磁性体が前記ハウジングの内壁面に貼り付けられた磁性金属板である請求項1または2記載の現像装置。
- 前記磁性体が、前記回転現像スリーブの下方に位置し現像剤に接触する前記ハウジング内壁面に設けられている請求項1〜3のいずれかに記載の現像装置。
- 前記磁性体の表面が前記ハウジングの内壁面と略同一面である請求項1〜4のいずれかに記載の現像装置。
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-
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- 2003-05-15 JP JP2003137946A patent/JP2004341256A/ja active Pending
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