JP2004340954A - 脳画像データ処理システム、方法、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

脳画像データ処理システム、方法、プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 健常者および患者の脳画像データを多数集めることが困難な臨床施設であっても、高価な脳ファントムを用いることなく人工脳標本を作成することができ、結果的にノーマルデータベースを利用することが可能な脳画像データ処理システム等を提供する。
【解決手段】 第1の条件を満たした施設において取得された健常者の脳画像のデータベースから、脳画像データの各ピクセルまたはボクセル毎の標準偏差を求め、第2の条件を満たした他の施設において取得された少なくとも健常者1例の脳画像データにつき、ピクセルまたはボクセル毎の平均値(1例の場合は当該1例の値を平均値とする)を求める。上記他の施設の任意の健常者のデータ(平均値)に上記第1の条件を満たした施設の健常者標本の標準偏差を融合した人工脳標本を作成し、上記他の施設における被験者の脳画像データを上記人工脳標本を用いることにより統計的解析処理を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被験者の脳機能を診断するために人工脳標本を用いて脳画像データの処理をコンピュータに実行させる脳画像データ処理システム等に関し、特に異なる施設の異なる撮像機器により取得された脳画像データの処理をコンピュータに実行させる脳画像データ処理システム等に関する。
近年、医学の進歩と共に画像診断はめざましく進歩している。患者等に大きな負担をかけずに、身体内の様子を画像として捕らえ正確な診断を行なうための画像診断機、例えば、X線断層写真撮影機(Computer Tomography : CT)、磁気共鳴映像機(Magnetic Resonance Imaging : MRI)、超音波診断機および放射線診断機等は、現在の医療の現場において必須のものとなっている。上述の画像診断機を用いた画像診断は、患者の病気の早期診断、治療法の選択、治療効果の予測および判定などの機能情報を提供するものとして広く用いられている。
核医学の臨床の場においては、患者体内に放射性同位元素(ラジオアイソトープ、Radio Isotope : RI)を導入し、そこから発せられるγ線を利用する単光子放出コンピュータ断層撮影(Single Photon Emission Computed Tomography : SPECT)および陽電子放出断層撮影(Positron Emission Tomography : PET)がそれぞれの装置を用いることで利用されている。上述の様な医用画像処理装置においては、収集したデータから画像再構成および画像解析等の様々な画像処理ができるように各種のコンピュータ・プログラムが用意されている。
最近では、脳領域において各患者の脳画像データを定位脳座標系標準脳図譜上に変換した後に、更に健常者の脳画像データベースと比較することにより、血流あるいは代謝低下部位を客観的に、より正確に抽出することが試みられている。現在では標準脳座標系統計解析法として臨床にも応用されようとしている。具体的には、各患者の脳画像を“座標により解剖学的な位置が同定できる”標準脳の形に合わせこむことにより、大きさや形が異なる複数人の脳画像を同一に扱うことが可能となり、各患者間の比較を同一ピクセルまたは3次元的にはボクセル同士で行なえるようになった。更に、各患者の脳画像データを健常者の脳画像データを蓄積したデータベース(以下、脳画像の「ノーマルデータベース」という)と比較することにより、異常部位を客観的に統計学的解析手法を用いて抽出することが可能となってきている。このような方法として、SPM法(Statistical Parametric Mapping)、3D−SSP法(Three-Dimensional Stereotactic Surface Projections)が知られている。これらの方法はPET画像上の活性領域を検出する目的で開発されたものであるが、その後、SPECT画像において局所脳血流の分析試験にも応用されるようになった。
標準脳座標系統計解析法は、画像の全ピクセルまたはボクセルを対象に解析を行なうため、脳全体を注目対象にでき、解析者による結果の違いがでないという利点がある。一方、臨床診断における応用を考慮した場合、複数の健常者データと1人の患者データとを用いたn対1の統計学的な解析となる。つまり、この場合、複数の健常者データを収集した標準脳画像のノーマルデータベースを構築することが必要かつ最も重要な要素となる。しかし、各年齢別および性別について画像診断装置、収集条件、処理方法等を統一させた健常者の脳機能画像データを集めることは、倫理的に困難であるだけでなく、経済的な負担が非常に大きいため、通常の臨床施設または一般臨床病院では事実上不可能であるという問題があった。
上述の問題を解決するために、非特許文献1および非特許文献2に記載された脳血流SPECTの画像統計解析法(easy Z-score Imaging System : eZIS)が開発された。上記非特許文献に記載されているように、eZISでは(1)各施設の撮像機器で、脳の形をした人工的な脳標本である脳ファントム(phantom)を通常行われている脳血流SPECT収集条件で撮像し、(2)脳画像のノーマルデータベースを作成した病院等において当該ノーマルデータベースを作成した時と同じ撮像機器および収集条件で同じ脳ファントムを撮像し、(3)各施設で撮像された脳ファントム画像とノーマルデータベースを作成した病院で撮像された脳ファントム画像との相違をピクセルまたはボクセル毎に計算して補正マトリクスを作成し、(4)当該補正マトリクスを用いて、各施設における撮像機器および収集条件等による脳画像データの差を補正するという方法を用いている。
新しい脳血流SPECTの画像統計解析法(easyZ-score Imaging System : eZIS)の有用性、松田博史著、月刊インナービジョン、2002年11月号 脳血流SPECTの健常者画像データベースの共有化と3次元脳血流統計解析法(eZIS)の有用性、松田博史、水村直共著、2002年7月改定、第一ラジオアイソトープ研究所発行
上述のように、eZISを用いることにより各施設における撮像機器および収集条件等による脳画像データの差を補正することができるようになった。この結果、各施設間で脳画像のノーマルデータベースを利用することが可能となった。
しかし、脳ファントムは極めて高価であるため、各施設で脳ファントムを準備することは実質的に困難であるという問題があった。さらに、脳ファントムが入手できたとしても操作が煩雑であり、誰でも操作できるというわけではなかった。加えて、脳ファントムは模型であるため放射線の吸収線や散乱線を正確に補正できない等の理由により、すべての施設で対応可能というわけではなかった。
そこで、本発明の目的は、上記問題を解決するためになされたものであり、健常者および患者の脳画像データを多数集めることが困難な臨床施設であっても、高価な脳ファントムを用いることなく人工的な脳標本を作成することができ、結果的にノーマルデータベースを利用することが可能な脳画像データ処理システム等を提供することにある。
この発明の脳画像データ処理システムは、異なる施設の異なる撮像機器により取得された脳画像データの処理をコンピュータに実行させる脳画像データ処理システムであって、第1の施設のコンピュータは、当該施設における複数の健常者に対し第1の条件下で第1の撮像機器により取得された脳画像データに定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行う第1正規化手段と、前記第1正規化手段で解剖学的正規化が行われた脳画像データを第1の施設の健常者脳画像データベースに記録する第1脳画像データ記録手段と、前記第1の施設の健常者脳画像データベースに記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の平均値を求める第1平均値算出手段と、前記第1平均値算出手段で求められた平均値を用いて、前記第1の施設の健常者脳画像データベースに記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の標準偏差を求める標準偏差算出手段とを備え、第2の施設のコンピュータは、当該施設における少なくとも1名の健常者に対し第1の条件と異なる第2の条件下で第1の撮像機器と異なる第2の撮像機器により取得された脳画像データに定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行う第2正規化手段と、前記第2正規化手段で解剖学的正規化が行われた脳画像データを第2の施設の健常者脳画像データベースに記録する第2脳画像データ記録手段と、前記第2正規化手段における健常者が複数の場合、前記第2の施設の健常者脳画像データベースに記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の平均値を求め、前記第2正規化手段における健常者が1名の場合、前記第2の施設の健常者脳画像データベースに記録された該1名の脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の値を平均値とする第2平均値算出手段と、前記第2平均値算出手段で求められた平均値および前記標準偏差算出手段で求められた標準偏差を有する人工脳画像データと、被験者に対し第2の条件下で第2の撮像機器により取得された脳画像データについて定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行った脳画像データとを比較する統計的解析処理を行う統計的解析処理手段と、前記統計的解析処理手段で行われた統計的解析処理を表示部に表示する表示処理手段とを備えたことを特徴とする。
ここで、この発明の脳画像データ処理システムにおいて、前記標準偏差算出手段は、前記第1の施設の健常者脳画像データベースに記録された各ピクセル又はボクセル毎の脳画像データを用いて、統計的リサンプリング法(好適にはブートストラップ法であるがジャックナイフ法等であってもよい)により脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の標準偏差を求めることができる。
ここで、この発明の脳画像データ処理システムにおいて、前記標準偏差算出手段における統計的リサンプリング法はブートストラップ法とすることができる。
この発明の脳画像データ処理方法は、異なる施設の異なる撮像機器により取得された脳画像データの処理をコンピュータに実行させる脳画像データ処理方法であって、第1の施設のコンピュータが、当該施設における複数の健常者に対し第1の条件で第1の撮像機器により取得された脳画像データに定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行う第1正規化ステップと、前記第1正規化ステップで解剖学的正規化が行われた脳画像データを第1の施設の健常者脳画像データベースに記録する第1脳画像データ記録ステップと、前記第1の施設の健常者脳画像データベースに記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の平均値を求める第1平均値算出ステップと、前記第1平均値算出ステップで求められた平均値を用いて、前記第1の施設の健常者脳画像データベースに記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の標準偏差を求める標準偏差算出ステップと、第2の施設のコンピュータが、当該施設における少なくとも1名の健常者に対し第1の条件と異なる第2の条件下で第1の撮像機器と異なる第2の撮像機器により取得された脳画像データに定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行う第2正規化ステップと、前記第2正規化ステップで解剖学的正規化が行われた脳画像データを第2の施設の健常者脳画像データベースに記録する第2脳画像データ記録ステップと、前記第2正規化ステップにおける健常者が複数の場合、前記第2の施設の健常者脳画像データベースに記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の平均値を求め、前記第2正規化ステップにおける健常者が1名の場合、前記第2の施設の健常者脳画像データベースに記録された該1名の脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の値を平均値とする第2平均値算出ステップと、前記第2平均値算出ステップで求められた平均値および前記標準偏差算出ステップで求められた標準偏差を有する人工脳画像データと、被験者に対し第2の条件下で第2の撮像機器により取得された脳画像データについて定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行った脳画像データとを比較する統計的解析処理を行う統計的解析処理ステップと、前記統計的解析処理ステップで行われた統計的解析処理を表示部に表示する表示処理ステップとを備えたことを特徴とする。
ここで、この発明の脳画像データ処理方法において、前記標準偏差算出ステップは、前記第1の施設の健常者脳画像データベースに記録された各ピクセル又はボクセル毎の脳画像データを用いて、統計的リサンプリング法(好適にはブートストラップ法であるがジャックナイフ法等であってもよい)により脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の標準偏差を求めることができる。
ここで、この発明の脳画像データ処理方法において、前記標準偏差算出ステップにおける統計的リサンプリング法はブートストラップ法とすることができる。
この発明の脳画像データ処理プログラムは、異なる施設の異なる撮像機器により取得された脳画像データの処理をコンピュータに実行させる脳画像データ処理プログラムであって、コンピュータを、施設における少なくとも1名の健常者に対し所定の条件下で所定の撮像機器により取得された脳画像データに定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行う正規化手段、前記正規化手段で解剖学的正規化が行われた脳画像データを前記施設の健常者脳画像データベースに記録する脳画像データ記録手段、前記正規化手段における健常者が複数の場合、前記施設の健常者脳画像データベースに記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の平均値を求め、前記正規化手段における健常者が1名の場合、前記施設の健常者脳画像データベースに記録された該1名の脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の値を平均値とする平均値算出手段、前記平均値算出手段で求められた平均値と、前記施設と異なる他の施設のコンピュータにより、当該他の施設における複数の健常者に対し前記所定の条件と異なる他の条件下で前記所定の撮像機器と異なる他の撮像機器により取得された脳画像データに定位脳座標系を用いた解剖学的正規化が行われ、当該解剖学的正規化が行われた脳画像データであって当該他の施設の健常者脳画像データベースに記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の平均値を求められ、当該平均値を用いて前記他の施設の健常者脳画像データベースに記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎に求められた標準偏差とを有する人工脳画像データと、被験者に対し前記所定の条件下で前記所定の撮像機器により取得された脳画像データについて定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行った脳画像データとを比較する統計的解析処理を行う統計的解析処理手段、前記統計的解析処理手段で行われた統計的解析処理を表示部に表示する表示処理手段として機能させるためのプログラムである。
ここで、この発明のプログラムにおいて、前記標準偏差算出手段は、前記第1の施設の健常者脳画像データベースに記録された各ピクセル又はボクセル毎の脳画像データを用いて、統計的リサンプリング法(好適にはブートストラップ法であるがジャックナイフ法等であってもよい)により脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の標準偏差を求めることができる。
ここで、この発明のプログラムにおいて、前記標準偏差算出手段における統計的リサンプリング法はブートストラップ法とすることができる。
この発明の記録媒体は、上記本発明のいずれかのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
本発明の脳画像データ処理システム等によれば、まず第1の条件を満たした施設において取得された健常者の脳画像のデータベース(脳画像のノーマルデータベース)から、脳画像データの各ピクセルまたはボクセル毎の標準偏差を求め、第2の条件を満たした他の施設において取得された健常者1例の脳画像データにつき、ピクセルまたはボクセル毎の平均値を求める。次に上記他の施設の任意の健常者のデータ(平均値)に上記第1の条件を満たした施設の健常者標本の標準偏差を融合した人工脳標本により、上記他の施設における被験者の脳画像データの統計的解析処理を行う。以上により、上記他の施設における被験者の脳画像データの取得条件(第2の条件)とは異なる第1の条件で得られた脳画像のノーマルデータベースにおける健常者の脳画像データを対比対象として、当該被験者の脳機能を診断することができる。このため、健常者および患者の脳画像データを多数集めることが困難な臨床施設であっても、高価な脳ファントムを用いることなく人工脳標本を作成することができ、結果的にノーマルデータベースを利用することが可能な脳画像データ処理システム等を提供することができるという効果がある。さらに、上記他の施設における、臨床施設特有の専門性を利用した脳画像データベースの作成を行うことができる。作成が困難であった小児や稀な変性疾患等の症例の少ない脳画像データベースを構築することによって、疾患別人口脳座標標本の作成等に応用することができるという効果がある。
以下、本発明の実施例について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の概要は以下の通りである。
(1)まず所定の脳画像データの撮像機器および取得条件(第1の条件)を満たした施設において取得された健常者の脳画像データに定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行い、健常者の脳画像のデータベース(脳画像のノーマルデータベース)に記録する。次に当該脳画像のノーマルデータベースに記録された脳画像データの各ピクセルまたはボクセル毎の標準偏差を求める。
(2)所定の脳画像データの撮像機器および取得条件(第2の条件)を満たした他の施設において取得された健常者1例の脳画像データに定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行い、当該脳画像データにつき、ピクセルまたはボクセル毎の平均値を求める。
(3)上記(2)で求められた平均値と上記(1)で求められた標準偏差とを有する人工脳画像データ(人工脳標本)を作成する。
(4)上記第2の条件を満たした上記他の施設における被験者の脳画像データに解剖学的正規化を行ったものと上記(3)で求められた人工脳画像データとを比較し、統計的解析処理を行う。当該人工脳標本を比較対照群として用いることが本願発明の特徴的な点である。以上により、当該被験者の脳画像データの取得条件(第2の条件)とは異なる第1の条件で得られた脳画像のノーマルデータベースにおける健常者の脳画像データを対比対象として、当該被験者の脳機能を診断することができる。
上記の統計的解析処理において上述のような特性を有する人工脳標本を用いることの妥当性については、本願発明者により鋭意研究されることにより検証された。
上述の定位脳座標系を用いた解剖学的正規化および統計的解析処理には、上記のSPM法または3D−SSP法を用いて行なうことが好適である。解剖学的正規化とは各個人の脳の解剖学的な相違を無くすため、標準脳に位置、大きさおよび局所の変形を行うことをいう。SPECTまたはPETの場合、一般的に(1)SPECTまたはPET画像内の脳の正中矢状断面を同定し、(2)同断面内の4つの基準点(前頭極、脳梁全部下端、視床下端および後頭極)から基準線となるAC−PCline(前後連・後交連を結ぶ線)を同定し、(3)標準脳(Talairach atlas)の座標系へ移動し、(4)線形、非線形変換を行って当該標準脳に変形させることにより行われる。統計的解析処理における比較対照群のピクセルまたはボクセル(画素)データとしては、健常者群または同一疾患群から選ばれる群を用いるのが好適である。
以下、本発明の画像処理システム等について具体的に説明する。図1は、本発明の画像処理システムを示す。図1において、符号10は施設N(第1の施設)20および施設X(第2の施設)40を含む画像処理システムの全体を示す。施設N20において、符号24は本発明の脳画像データ処理プログラムを実行するパーソナル・コンピュータ(以下、「PC」という)等の画像処理装置(第1の施設のコンピュータ)、26は施設N20において脳画像データを撮像/取得する撮像機器、28は複数の健常者の脳画像データを記録した脳画像のノーマルデータベースである。符号30は画像処理装置24が実行する本発明の脳画像データ処理プログラムを機能単位に示すブロック図、32は施設N20における複数の健常者に対し第1の条件下で撮像機器26により取得された脳画像データに定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行う第1正規化部(第1正規化手段)、34は第1正規化部32で解剖学的正規化が行われた脳画像データを施設N20の脳画像のノーマルデータベース28(第1の施設の健常者脳画像データベース)に記録する第1脳画像データ記録部(第1脳画像データ記録手段)、36は施設N20の脳画像のノーマルデータベース28に記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の平均値を求める第1平均値算出部(第1平均値算出手段)、38は第1平均値算出部38で求められた平均値を用いて、脳画像のノーマルデータベース28に記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の標準偏差を求める標準偏差算出部(標準偏差算出手段)である。
続いて図1に示される施設X40において、符号44は本発明の脳画像データ処理プログラムを実行する画像処理装置(第2の施設のコンピュータ)、44は画像処理装置44との間の入出力を行うPC等の端末、46は施設X40において脳画像データを撮像/取得する撮像機器、48は少なくとも1例の健常者の脳画像データを記録した脳画像データベースである。符号50は画像処理装置44が実行する本発明の脳画像データ処理プログラムを機能単位に示すブロック図、52は施設X40における1例の健常者に対し第2の条件下で撮像機器46により取得された脳画像データに定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行う第2正規化部(第2正規化手段)、54は第2正規化部52で解剖学的正規化が行われた脳画像データを施設X40の脳画像データベース48(第2の施設の健常者脳画像データベース)に記録する第2脳画像データ記録部(第2脳画像データ記録手段)、56は施設X40の脳画像データベース48に記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の平均値を求める第2平均値算出部(第2平均値算出手段)、58は第2平均値算出部56で求められた平均値および標準偏差算出部38で求められた標準偏差を有する人工脳画像データと、被験者に対し第2の条件下で撮像機器46により取得された脳画像データについて定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行った脳画像データとを比較する統計的解析処理を行う統計的解析処理部(統計的解析処理手段)、60は統計的解析処理部58で行われた統計的解析処理をPC等の端末44の表示部45に表示する表示処理部(表示処理手段)である。
施設N20における標準偏差算出部38から施設X40における統計的解析処理部58への点線で示されるように、施設X40で用いる人工脳画像データの標準偏差は施設N20における標準偏差算出部38で求められた標準偏差を用いる。統計解析処理は、例えば以下の式1で求められる統計解析結果を全ピクセル(3次元の場合はボクセル)に対して行う。
統計解析結果=(人工脳標本平均ピクセル値−被験者ピクセル値)/
人工脳標本標準偏差 (式1)
ここで、人工脳標本標準偏差には上述のように施設N20における標準偏差算出部38で求められた標準偏差を用いる。
図2は、本発明の脳画像データ処理プログラムまたは方法の流れをフローチャートで示す。図2において、符号Nで示される点線で囲まれたステップS10からS16までのブロックは施設N20における処理を示し、符号Xで示される点線で囲まれたステップS20からS30までのブロックは施設X40における処理を示す。
図2に示されるように、画像処理装置24は、まず施設N20における複数の健常者に対し第1の条件で撮像機器26により取得された脳画像データに定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行う(第1正規化ステップ。ステップS10)。次に、第1正規化ステップ(ステップS10)で解剖学的正規化が行われた脳画像データを施設N20の脳画像のノーマルデータベース28に記録する(第1脳画像データ記録ステップ。ステップS12)。続いて、施設N20の脳画像のノーマルデータベース28に記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の平均値を求める(第1平均値算出ステップ。ステップS14)。第1平均値算出ステップ(ステップS14)で求められた平均値を用いて、脳画像のノーマルデータベース28に記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の標準偏差を求める(標準偏差算出ステップ。ステップS16)。
続いて図2に示されるように、画像処理装置44は、施設X40における少なくとも1名の健常者に対し、第1の条件と異なる第2の条件下で撮像機器26と諸特性の異なる撮像機器46により取得された脳画像データに定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行う(第2正規化ステップ。ステップS20)。次に、第2正規化ステップ(ステップS20)で解剖学的正規化が行われた脳画像データを施設X40の脳画像データベース48に記録する(第2脳画像データ記録ステップ。ステップS22)。続いて施設X40の脳画像データベース48に記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の平均値を求める(第2平均値算出ステップ。ステップS24)。第2平均値算出ステップ(ステップS24)で求められた平均値および標準偏差算出ステップ(ステップS16)で求められた標準偏差を有する人工脳画像データと、被験者に対し第2の条件下で撮像機器48により取得された脳画像データについて定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行った脳画像データとを比較する統計的解析処理を行う(統計的解析処理ステップ。ステップS28)。統計的解析処理ステップ(ステップS28)で行われた統計的解析処理をPC等の端末44の表示部45に表示する(表示処理ステップ。ステップS30)。
上述の画像処理システム10、画像処理プログラムまたは方法で用いられる健常者のデータは、次に示すカテゴリ(要件)を満たすものが好適である。これらの要件の他に、性別、年齢、労働環境または人種等のカテゴリを用いてもよい。
(1)Mini Mental State Examination(MMSE)、長谷川式簡易知能評価スケール改訂版(HDS−R)正常である。
(2)Wechsler Memory Scale-Revised(WMS−R),Wechsler Adult Intelligence
Scale=Revised(WAIS−R)正常である。
(3)MRIで年齢相応の高信号が白質にT2強調画像でみられるのみである。
(4)高血圧、糖尿病などの脳血管障害の危険因子がない。
上述の第1正規化ステップ(ステップS10)における施設N20の複数の健常者の脳画像データは、例えば次のように取得し、解剖学的正規化を行うことができる。第1脳画像データ記録ステップ(ステップS12)、第1平均値算出ステップ(ステップS14)および標準偏差算出ステップ(ステップS16)も含めて示す。
(1)第1の条件により上記カテゴリをクリアした健常者と思われる複数の被験者に薬剤を投与し、撮像機器26により撮像および再構成処理を行ない、脳SPECT画像データを作成する。
(2)(1)で作成した脳SPECT画像データおよび他の検査により健常者を決定する。
(3)(2)で決定したn例の健常者の脳SPECT画像データを撮像機器26から画像処理装置24へ転送する。
(4)転送したn例の脳SPECT画像データを“Analyze format”という画像データ形式に変換する。
(5)(4)で作成したn例の脳SPECT画像データ(個人特有の形をした脳SPECT画像データ)各々を標準脳座標系へ変換する。
(6)(5)で作成した脳画像データに対して平滑化(スムーシング)処理とカウントの正規化(例:全脳の平均カウントが1になるように脳画像データに1つのscale factorを乗じる)を行ない、健常者の脳画像データ(脳画像標本)を脳画像のノーマルデータベース28上に作成する(第1脳画像データ記録ステップ。ステップS12)。平滑化処理とは正規分布の平滑化フィルタをかけることをいう。
(7)(6)で作成されたn例の脳表抽出画像データから画素(ピクセルまたはボクセル)毎の平均値と標準偏差とを求め、平均値脳画像データと標準偏差脳画像データとを一組とした健常者の脳画像データを作成する(第1平均値算出ステップ(ステップS14)、標準偏差算出ステップ(ステップS16))。
上述の施設N20の複数の健常者の脳画像データは、3D−SSP法により例えば次のように取得することができる。第1平均値算出ステップ(ステップS14)および標準偏差算出ステップ(ステップS16)も含めて示す。
(1)第1の条件により、健常者と思われる複数の被験者に対し撮像機器26により撮像および再構成処理を行ない、脳SPECT画像データを作成する。
(2)(1)で作成した脳SPECT画像データおよび他の検査により健常者を決定する。
(3)(2)で決定したn例の健常者の脳SPECT画像データを撮像機器26から画像処理装置24へ転送する。
(4)転送したn例の脳SPECT画像データを“3D−SSP用のformat”という画像データ形式に変換する。
(5)(4)で作成したn例の脳SPECT画像データ(個人特有の形をした脳SPECT画像データ)各々を標準脳座標系へ変換する。
(6)(5)で作成されたn例の脳画像データに対して脳表抽出処理を行ない、上述のカウントの正規化を行う。
(7)(6)で作成されたn例の脳表抽出画像データから画素(ピクセルまたはボクセル)毎の平均値と標準偏差とを求め、平均値脳画像データと標準偏差脳画像データとを一組とした健常者の脳画像データを作成する(第1平均値算出ステップ(ステップS14)、標準偏差算出ステップ(ステップS16))。
上述の第2正規化ステップ(ステップS20)における施設X40の1例の健常者の脳画像データは、例えば次のように取得し、解剖学的正規化を行うことができる。第2平均値算出ステップ(ステップS24)も含めて示す。
(1)第2の条件によりカテゴリをクリアした健常者と思われる1例の被験者に薬剤を投与し、撮像機器46により撮像および再構成処理を行ない、脳SPECT画像データを作成する。
(2)(1)で作成した脳SPECT画像データおよび他の検査により健常者を決定する。
(3)(2)で決定した1例の健常者の脳SPECT画像データを撮像機器46から画像処理装置44へ転送する。
(4)転送した1例の脳SPECT画像データを“Analyze format”という画像データ形式に変換する。
(5)(4)で作成した1例の脳SPECT画像データ(個人特有の形をした脳SPECT画像データ)各々を標準脳座標系へ変換する。
(6)(5)で作成した脳画像データに対して平滑化(スムーシング)処理とカウントの正規化を行ない、健常者の脳画像データ(脳画像標本)を脳画像データベース48上に作成する(第2脳画像データ記録ステップ。ステップS22)。
(7)(6)で作成された1例の脳表抽出画像データから画素(ピクセルまたはボクセル)毎の平均値を求め、平均値脳画像データを作成する(第2平均値算出ステップ(ステップS14))。
上述の統計的解析処理ステップ(ステップS28)における施設X40の被験者の脳画像データは、例えば次のように取得し、解剖学的正規化を行うことができる。
(1)第2の条件により、被験者に薬剤を投与し、撮像機器46により撮像および再構成処理を行ない、脳SPECT画像データを作成する。
(2)被験者の上記脳SPECT画像データを撮像機器46から画像処理装置44へ転送する。
(3)転送した被験者の脳SPECT画像データを“Analyze format”という画像データ形式に変換する。
(4)(3)で作成した被験者の脳SPECT画像データ(個人特有の形をした脳SPECT画像データ)を標準脳座標系へ変換する。
(5)(4)で作成した脳画像データに対して平滑化(スムーシング)処理とカウントの正規化を行ない、被験者の脳画像データを作成する。
以下、本発明の脳画像データ処理システム等における実験例を挙げて説明する。
実験例1.
(1)施設N20において、上述のカテゴリをクリアした健常者と思われる健常者標本作成用のデータを下記の収集および撮像条件並びに再構成処理条件(第1の条件)を同一にして収集した。
収集および撮像条件:
・カメラ機種、コリメータ、エネルギウィンド、サンプリング角度、収集方向、収集時間、収集マトリクス、収集拡大率、ピクセルサイズ。
再構成処理条件:
・前処理フィルタ、再構成フィルタ、散乱線除去、吸収補正。
(2)他方、診断しようとする施設X40において、(1)と同様に健常者の脳画像データを作成した。ただし、収集および撮像条件並びに再構成処理条件は、施設X40が通常実施している条件(第2の条件)で行なった。
(3)施設N20で作成した健常者標本から各ピクセルまたはボクセル毎の標準偏差を求める。
(4)施設X40で作成した健常者標本から各ピクセルまたはボクセル毎の平均値を求める。
(5)(3)で求められた標準偏差と(4)で求められた平均値とを各ピクセルまたはボクセル毎に融合(fusion)して人工脳標本を作成する。ここで融合とは、施設X40における人工脳標本の標準偏差として施設N20で求められた標準偏差を用いることをいう。
実験例2.
本願発明者らは、施設N20と施設X40とにおいて、異なる撮像機器26および46で撮像された以下の脳画像データを用いて、本発明の脳画像処理システム等の妥当性を検証した。
施設N20:上述のカテゴリをクリアした健常者に対し薬剤として99mTc−ECD(「ニューロライト(登録商標)注射液第一」第一ラジオアイソトープ研究所(登録商標)製)を用いた20例の脳画像データ。
施設X40:上述のカテゴリをクリアした健常者に対し薬剤として99mTc−ECD(「ニューロライト(登録商標)注射液第一」第一ラジオアイソトープ研究所(登録商標)製)を用いた15例の脳画像データ。および、被検者に対し薬剤として99mTc−ECD(「ニューロライト(登録商標)注射液第一」第一ラジオアイソトープ研究所(登録商標)製)を用いた1例の脳画像データ。
検証項目.
(1)施設X40の被検者と同一の施設X40の健常者標本(脳画像データベース48の15例)とを用いて統計解析処理を行う(図3参照)。
(2)施設X40の被検者と異なる施設N20の健常者標本(脳画像のノーマルデータベース28の20例)とを用いて統計解析処理を行う(図4参照)。
(3)施設X40の被検者と、同一の施設X40の任意の健常者データAに異なる施設N20の健常者標本(脳画像のノーマルデータベース28の20例)の標準偏差を融合させた人工脳標本Aとを用いて統計解析を行う(図5参照)。
(4)施設X40の被検者と、同一の施設X40の任意の健常者データBに異なる施設N20の健常者標本(脳画像のノーマルデータベース28の20例)の標準偏差を融合させた人工脳標本Bとを用いて統計解析を行う(図6参照)。
解析結果.
結果はRENDER表示方法とスライス画像にて、確率密度としてP値=0.05(P<0.5。ここでnはカテゴリー数)を用いて統計学的異常値を示した(図3ないし図6参照)。図3ないし図6に示されるように、本脳画像データ処理システム等の表示処理部60は統計的解析処理の結果を確率密度Pが所定の値以下の部分の面積を他の部分と識別可能に、例えば1色で表示することができる。図3は、施設X40の被検者に対し同一の施設X40の健常者標本を対照群として統計解析処理をした「同条件」の結果、すなわち正しい統計解析処理結果を示す。図3(A)はRENDER表示(脳表投影表示。3次元)を示しており、図3(A)の上段の左側から、各々脳の下面(Inferior)、右側面(R-lateral)、後面(Posterior)、左内側面(L-medial)の表示を示し、図3(A)の下段の左側から、各々脳の上面(Superior)、左側面(L-lateral)、前面(Anterior)、右内側面(R-medial)の表示を示す。図3(A)に示されているように、両側頭頂皮質に血流低下部位(脳中の一部暗い部分)が見られた。図3(B)はTransaxial像表示(2次元)を示しており、図3(B)の7×5個の表示は図中左上から右下へ向かって、脳の上から下へ体軸に対して平行にスライスした画像解析結果の表示を示す。図3(B)にも示されているように、両側頭頂皮質に血流低下部位(脳中の一部暗い部分)が見られた。
図4は、施設X40の被検者に対し異なる施設N20の健常者標本を対照群として統計解析処理をした「異条件」の結果、すなわち本発明の脳画像データ処理方法等を適用しないで解析した統計解析処理結果を示す。図4(A)は図3(A)と同様のRENDER表示を示し、図4(B)は図3(B)と同様のTransaxial像表示を示す。各表示部分は図3(A)、(B)と同様の表示結果等を示すため説明は省略する。図4(A)および(B)に示されているように、両側頭頂皮質の血流低下部位はほぼ一致している。しかし、図4(A)の下面(Inferior)のP1で示される箇所、上面(Superior)のP2で示される箇所および前面(Anterior)のP3で示される箇所を図3(A)の対応する箇所と比較すると明らかなように、左側頭葉および後頭葉等に擬陽性の統計的異常値が示されている。
図5は、施設X40の任意の健常者Aのデータ(平均値)に施設N20の健常者標本の標準偏差を融合した人工脳標本により解析した「融合条件」の結果、すなわち本発明の脳画像データ処理方法等を適用して解析した統計解析処理結果を示す。図5(A)は図3(A)等と同様のRENDER表示を示し、図5(B)は図3(B)等と同様のTransaxial像表示を示す。各表示部分は図3(A)、(B)等と同様の表示結果等を示すため説明は省略する。図5(A)および(B)に示されているように、両側頭頂皮質の血流低下部位は図1の血流低下部位と一致していることが明瞭である。以上の結果より、本願発明の脳画像データ処理方法等は臨床に充分応用可能であることが示された。
図6は、施設X40の任意の健常者Bのデータ(平均値)に施設N20の健常者標本の標準偏差を融合した人工脳標本により解析した「融合条件」の結果、すなわち本発明の脳画像データ処理方法等を適用して解析した統計解析処理結果を示す。図6(A)は図3(A)等と同様のRENDER表示を示し、図6(B)は図3(B)等と同様のTransaxial像表示を示す。各表示部分は図3(A)、(B)等と同様の表示結果等を示すため説明は省略する。図6(A)および(B)に示されているように、健常者のデータ(平均値)を入れ替えた場合でも、両側頭頂皮質の血流低下部位は図1の血流低下部位と一致していることが明瞭である。以上の結果より、本願発明の脳画像データ処理方法等は臨床に充分応用可能であることが示された。
以上説明したように、本発明の実施例1によれば、まず第1の条件を満たした施設において取得された健常者の脳画像のデータベース(脳画像のノーマルデータベース)から、脳画像データの各ピクセルまたはボクセル毎の標準偏差を求め、第2の条件を満たした他の施設において取得された健常者1例の脳画像データにつき、ピクセルまたはボクセル毎の平均値を求める。次に上記他の施設の任意の健常者のデータ(平均値)に上記第1の条件を満たした施設の健常者標本の標準偏差を融合した人工脳標本により、上記他の施設における被験者の脳画像データの統計的解析処理を行う。以上により、上記他の施設における被験者の脳画像データの取得条件(第2の条件)とは異なる第1の条件で得られた脳画像のノーマルデータベースにおける健常者の脳画像データを対比対象として、当該被験者の脳機能を診断することができる。このため、健常者および患者の脳画像データを多数集めることが困難な臨床施設であっても、高価な脳ファントムを用いることなく人工脳標本を作成することができ、結果的にノーマルデータベースを利用することが可能な脳画像データ処理システム等を提供することができる。
本発明の脳画像データ処理方法等において、標準偏差算出ステップ(ステップS16)は、施設N10(第1の施設)の脳画像のノーマルデータベース28(健常者脳画像データベース)に記録された各ピクセル又はボクセル毎の脳画像データを用いて、統計的リサンプリング法(好適にはブートストラップ法であるがジャックナイフ法等であってもよい)により脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の標準偏差を求めることができる。統計的リサンプリング法はノンパラメトリックな統計的推測における手法である。ジャックナイフ法は統計的リサンプリング法の1つの手法であり、n個の標本の中からn−1個のサブサンプルを取り出し、対応する統計量を計算して推測の精度を上げるものである。ブートストラップ法も統計的リサンプリング法の1つの手法である。
本発明の脳画像データ処理方法等のシミュレーション方法として次のような方法を用いた。すなわち標本群を12例とし、その素を200例の中から無作為に1個ずつ抽出し、12行程繰り返すことにより12例の標本群を決定した。その12例の標本群を用い、12例そのままの特性と上記ブートストラップ法でリサンプリングした特性とを比較した。ブートストラップ法は以下の手順により行なった。但し、本発明の脳画像データ処理方法等のシミュレーション方法におけるブートストラップ法は以下に示される手順に限定されるものではなく、パラメトリック・ブートストラップ法、ノンパラメトリック・ブートストラップ法、セミパラメトリック・ブートストラップ法、ブートストラップ−t法、ブートストラップ反復法等を用いることもできる。
手順.
(1)上述のようにして決定された12例の標本群(データ)から無作為に1例のデータを取り出して記録し、データを元に戻す(復元抽出)。
(2)上記(1)の操作を12回繰り返して1つの群とする。この操作を200回実施して、n=12の群を200個作る。
(3)各群毎に中央値を求める。
(4)各群毎に算出された中央値の平均値を求め、その標準偏差を算出する。
以上のように、統計量の分布又は構造等が明示的に求まらない場合でも適用可能なブートストラップ法を用いることにより、標本群の正規化を人工的に補完することができ、アプリオリな事象を検証する際の1種の過誤と2種の過誤とのバランスを調整し、相互正審率を向上させることができる。
図7は、本発明の実施例1または3(後述)を実現するための本発明のコンピュータ・プログラムを実行する画像処理装置44のコンピュータの内部回路70を示すブロック図である。画像処理装置24のコンピュータの内部回路についても同様に示されるため、画像処理装置44側についてのみ説明し画像処理装置24側については説明を省略する。図7に示されるように、後述のCPU72、ROM74、RAM76、画像制御部78、コントローラ86、入力制御部90および外部インタフェース(Interface : I/F)部92はバス82に接続されている。図7において、上述の本発明のコンピュータ・プログラムは、ROM74、ディスク84aまたはCD−ROM84n等の記録媒体(脱着可能な記録媒体を含む)に記録されている。このコンピュータ・プログラムは、ROM74からバス82を介し、またはディスク84a若しくはCD−ROM84n等の記録媒体からコントローラ86を経由してバス82を介しRAM76へロードされる。画像制御部78は脳画像データをVRAM80へ送出し、表示部45はVRAM80から送出された脳画像データに基づいて脳画像を表示するディスプレイ等の表示装置である。VRAM80は表示部45の一画面分のデータ容量に相当する容量を有している画像メモリである。入力操作部88は画像処理装置44に入力を行うためのマウス、テンキー等の入力装置であり、入力制御部90は入力操作部88と接続され入力制御等を行う。外部I/F部92は、例えばインターネット等の外部の通信網(不図示)と接続する際のインタフェース機能を有している。施設N20における画像処理装置24の標準偏差算出部38で求められた標準偏差は、インターネット等の通信網を介して施設X40における画像処理装置44の統計解析処理部58で利用することができる。あるいは施設N20における画像処理装置24の脱着可能な記録媒体84n等に標準偏差を記録しておき、当該記録媒体84n等を施設X40の画像処理装置44のコントローラ86に接続することにより、画像処理装置44の統計解析処理部58で利用することもできる。
上述のようにCPU72が本発明のコンピュータ・プログラムを実行することにより、本発明の目的を達成することができる。当該コンピュータ・プログラムは上述のようにCD−ROM84n等の記録媒体の形態でコンピュータCPU72に供給することができ、当該コンピュータ・プログラムを記録したCD−ROM84n等の記録媒体も同様に本発明を構成することになる。当該コンピュータ・プログラムを記録した記録媒体としては上述された記録媒体の他に、例えばメモリ・カード、メモリ・スティック、DVD、光ディスク、FD等を用いることができる。
上述の実施例1における脳画像のノーマルデータベース28には、年齢別等のカテゴリで10ないし20例と統計学的には非常に少ないという難点があった。本実施例3では、人工脳標本に統計学的リサンプリング法、特に上述のブートストラップ法を適用する点に特徴がある。統計学的リサンプリングによる数百回から数万回の演算シミュレーションによって当該回数分の統計量を得ることができ、当該統計量からパラメータ特性を推定することにより、上述の難点を解消することができる。この結果、正審率を向上させることができる脳画像データ処理システムを提供することができる。
本実施例3においも実施例1と同様に、施設N20の標準偏差算出部38を用いて脳画像のノーマルデータベース28に記録された脳画像データの各ピクセルの標準偏差を予め用意しておく。ここで、上述のようにブートストラップ法を適用して標準偏差を求めておく。施設X40は当該標準偏差を用いて施設X40の人工脳座標標本を作成することができる。
次に、施設N20における健常者の少数標本データより平均と標準偏差とを予測した実際の適用例を示す。図8は、ブートストラップ法による予測結果の例を度数分布(正規分布)により示す。図8に示されるように、全範囲は0.82から1.18まで、表示範囲は0.85から1.15までとした。20例の上記標本データを用いてブートストラップ法により20,000回試行した。
図9は、上記20例の標本データから無作為に抽出した1例の平均値と、図8に示されるように得られたデータから作成した標準偏差とを融合した人工脳座標を用いて、比較症例を統計解析処理した結果を示す。図9は図3(A)と同様のRENDER表示を示し、各表示部分は図3(A)と同様の表示結果等を示すため説明は省略する。
図10は、ブートストラップ法による予測結果の例を度数分布(ワイブル(Weibull)分布)により示す。図10に示されるように、全範囲は0.62から1.07まで、表示範囲は0.65から1.06までとした。20例の上記標本データを用いてブートストラップ法により20,000回試行した。
図11は、上記20例の標本データから無作為に10例を抽出し平均値を計算したデータと、図10に示されるように得られたデータから作成した標準偏差とを融合した人工脳座標を用いて、比較症例を統計解析処理した結果を示す。図11は図3(A)と同様のRENDER表示を示し、各表示部分は図3(A)と同様の表示結果等を示すため説明は省略する。
図12は、上記20例の標本データから無作為に10例を抽出し、その10例の標本データを用いたブートストラップ法による予測結果の例を度数分布(ガンマ分布)により示す。図12に示されるように、全範囲は0.71から1.12まで、表示範囲は0.78から1.10までとした。上記10例の標本データを用いてブートストラップ法により20,000回試行した。
図13は、図12に示されるように得られたデータから作成した平均値と標準偏差とをそのまま使用した人工脳座標標本を用いて、比較症例を統計解析処理した結果を示す。図13は図3(A)と同様のRENDER表示を示し、各表示部分は図3(A)と同様の表示結果等を示すため説明は省略する。
以上説明したように、本発明の実施例3によれば、実施例1と同様に、施設N20の標準偏差算出部38を用いて脳画像のノーマルデータベース28に記録された脳画像データの各ピクセルの標準偏差を予め用意しておく。ここで、上述のようにブートストラップ法を適用して標準偏差を求める。施設X40は当該標準偏差を用いて施設X40の人工脳座標標本を作成することができる。この結果、施設X40では脳画像データベース48として健常者脳画像データベースだけではなく、他の施設N20における、臨床施設特有の専門性を利用した脳画像データベースの作成を行うことができる。本実施例3は、作成が困難であった小児や稀な変性疾患等の症例の少ない脳画像データベースを構築することによって、疾患別人口脳座標標本の作成等に応用することができる。
本発明の活用例として、健常者および患者の脳画像データを多数集めることが困難な臨床施設または高価な脳ファントムを用いることが困難な臨床施設における、人工脳標本の作成およびノーマルデータベースの利用に適用することができる。さらに、他の施設N20における、臨床施設特有の専門性を利用した脳画像データベースの作成を行うことができる。作成が困難であった小児や稀な変性疾患等の症例の少ない脳画像データベースを構築することによって、疾患別人口脳座標標本の作成等に適用することができる。
本発明の画像処理システムを示す図である。 本発明の脳画像データ処理プログラムまたは方法の流れを示すフローチャートである。 施設X40の被検者に対し同一の施設X40の健常者標本を対照群として統計解析処理をした「同条件」の結果、すなわち正しい統計解析処理結果を示す図である。 施設X40の被検者に対し異なる施設N20の健常者標本を対照群として統計解析処理をした「異条件」の結果、すなわち本発明の脳画像データ処理方法等を適用しないで解析した統計解析処理結果を示す図である。 施設X40の任意の健常者Aのデータ(平均値)に施設N20の健常者標本の標準偏差を融合した人工脳標本により解析した「融合条件」の結果、すなわち本発明の脳画像データ処理方法等を適用して解析した統計解析処理結果を示す図である。 施設X40の任意の健常者Bのデータ(平均値)に施設N20の健常者標本の標準偏差を融合した人工脳標本により解析した「融合条件」の結果、すなわち本発明の脳画像データ処理方法等を適用して解析した統計解析処理結果を示す図である。 本発明のコンピュータ・プログラムを実行する画像処理装置44等のコンピュータの内部回路70を示すブロック図である。 ブートストラップ法による予測結果の例を示す度数分布(正規分布)図である。 20例の標本データから無作為に抽出した1例の平均値と、図8に示されるように得られたデータから作成した標準偏差とを融合した人工脳座標を用いて、比較症例を統計解析処理した結果を示す図である。 ブートストラップ法による予測結果の例を示す度数分布(ワイブル(Weibull)分布)図である。 上記20例の標本データから無作為に10例を抽出し平均値を計算したデータと、図10に示されるように得られたデータから作成した標準偏差とを融合した人工脳座標を用いて、比較症例を統計解析処理した結果を示す図である。 上記20例の標本データから無作為に10例を抽出し、その10例の標本データを用いたブートストラップ法による予測結果の例を示す度数分布(ガンマ分布)図である。 図12に示されるように得られたデータから作成した平均値と標準偏差とをそのまま使用した人工脳座標を用いて、比較症例を統計解析処理した結果を示す図である。
符号の説明
10 画像処理システム、 20 施設N、 24,44 画像処理装置、 26,46 撮像機器、 28 脳画像のノーマルデータベース、 30,50 プログラム(ブロック図)、 32 第1正規化部、 34 第1脳画像データ記録部、 36 第1平均値算出部、 38 標準偏差算出部、 40 施設X、 45 表示部、 48 脳画像データベース、 52 第2正規化部、 54 第2脳画像データ記録部、 56 第2平均値算出部、 58 統計的解析処理部、 60 表示処理部、 70 内部回路、 72 CPU、 74 ROM、 76 RAM、 78 VRAM、 80 画像制御部、 82 バス、 84a ディスク、 84n CD−ROM、 86 コントローラ、 88 入力操作部、 90 入力制御部、 92 外部I/F部。

Claims (10)

  1. 異なる施設の異なる撮像機器により取得された脳画像データの処理をコンピュータに実行させる脳画像データ処理システムであって、
    第1の施設のコンピュータは、
    当該施設における複数の健常者に対し第1の条件下で第1の撮像機器により取得された脳画像データに定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行う第1正規化手段と、
    前記第1正規化手段で解剖学的正規化が行われた脳画像データを第1の施設の健常者脳画像データベースに記録する第1脳画像データ記録手段と、
    前記第1の施設の健常者脳画像データベースに記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の平均値を求める第1平均値算出手段と、
    前記第1平均値算出手段で求められた平均値を用いて、前記第1の施設の健常者脳画像データベースに記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の標準偏差を求める標準偏差算出手段とを備え、
    第2の施設のコンピュータは、
    当該施設における少なくとも1名の健常者に対し第1の条件と異なる第2の条件下で第1の撮像機器と異なる第2の撮像機器により取得された脳画像データに定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行う第2正規化手段と、
    前記第2正規化手段で解剖学的正規化が行われた脳画像データを第2の施設の健常者脳画像データベースに記録する第2脳画像データ記録手段と、
    前記第2正規化手段における健常者が複数の場合、前記第2の施設の健常者脳画像データベースに記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の平均値を求め、前記第2正規化手段における健常者が1名の場合、前記第2の施設の健常者脳画像データベースに記録された該1名の脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の値を平均値とする第2平均値算出手段と、
    前記第2平均値算出手段で求められた平均値および前記標準偏差算出手段で求められた標準偏差を有する人工脳画像データと、被験者に対し第2の条件下で第2の撮像機器により取得された脳画像データについて定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行った脳画像データとを比較する統計的解析処理を行う統計的解析処理手段と、
    前記統計的解析処理手段で行われた統計的解析処理を表示部に表示する表示処理手段とを備えたことを特徴とする脳画像データ処理システム。
  2. 請求項1記載の脳画像データ処理システムにおいて、前記標準偏差算出手段は、前記第1の施設の健常者脳画像データベースに記録された各ピクセル又はボクセル毎の脳画像データを用いて、統計的リサンプリング法により脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の標準偏差を求めることを特徴とする脳画像データ処理システム。
  3. 請求項2記載の脳画像データ処理システムにおいて、前記標準偏差算出手段における統計的リサンプリング法はブートストラップ法であることを特徴とする脳画像データ処理システム。
  4. 異なる施設の異なる撮像機器により取得された脳画像データの処理をコンピュータに実行させる脳画像データ処理方法であって、
    第1の施設のコンピュータが、
    当該施設における複数の健常者に対し第1の条件で第1の撮像機器により取得された脳画像データに定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行う第1正規化ステップと、
    前記第1正規化ステップで解剖学的正規化が行われた脳画像データを第1の施設の健常者脳画像データベースに記録する第1脳画像データ記録ステップと、
    前記第1の施設の健常者脳画像データベースに記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の平均値を求める第1平均値算出ステップと、
    前記第1平均値算出ステップで求められた平均値を用いて、前記第1の施設の健常者脳画像データベースに記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の標準偏差を求める標準偏差算出ステップと、
    第2の施設のコンピュータが、
    当該施設における少なくとも1名の健常者に対し第1の条件と異なる第2の条件下で第1の撮像機器と異なる第2の撮像機器により取得された脳画像データに定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行う第2正規化ステップと、
    前記第2正規化ステップで解剖学的正規化が行われた脳画像データを第2の施設の健常者脳画像データベースに記録する第2脳画像データ記録ステップと、
    前記第2正規化ステップにおける健常者が複数の場合、前記第2の施設の健常者脳画像データベースに記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の平均値を求め、前記第2正規化ステップにおける健常者が1名の場合、前記第2の施設の健常者脳画像データベースに記録された該1名の脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の値を平均値とする第2平均値算出ステップと、
    前記第2平均値算出ステップで求められた平均値および前記標準偏差算出ステップで求められた標準偏差を有する人工脳画像データと、被験者に対し第2の条件下で第2の撮像機器により取得された脳画像データについて定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行った脳画像データとを比較する統計的解析処理を行う統計的解析処理ステップと、
    前記統計的解析処理ステップで行われた統計的解析処理を表示部に表示する表示処理ステップとを備えたことを特徴とする脳画像データ処理方法。
  5. 請求項4記載の脳画像データ処理方法において、前記標準偏差算出ステップは、前記第1の施設の健常者脳画像データベースに記録された各ピクセル又はボクセル毎の脳画像データを用いて、統計的リサンプリング法により脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の標準偏差を求めることを特徴とする脳画像データ処理方法。
  6. 請求項5記載の脳画像データ処理方法において、前記標準偏差算出ステップにおける統計的リサンプリング法はブートストラップ法であることを特徴とする脳画像データ処理方法。
  7. 異なる施設の異なる撮像機器により取得された脳画像データの処理をコンピュータに実行させる脳画像データ処理プログラムであって、コンピュータを、
    施設における少なくとも1名の健常者に対し所定の条件下で所定の撮像機器により取得された脳画像データに定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行う正規化手段、
    前記正規化手段で解剖学的正規化が行われた脳画像データを前記施設の健常者脳画像データベースに記録する脳画像データ記録手段、
    前記正規化手段における健常者が複数の場合、前記施設の健常者脳画像データベースに記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の平均値を求め、前記正規化手段における健常者が1名の場合、前記施設の健常者脳画像データベースに記録された該1名の脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の値を平均値とする平均値算出手段、
    前記平均値算出手段で求められた平均値と、前記施設と異なる他の施設のコンピュータにより、当該他の施設における複数の健常者に対し前記所定の条件と異なる他の条件下で前記所定の撮像機器と異なる他の撮像機器により取得された脳画像データに定位脳座標系を用いた解剖学的正規化が行われ、当該解剖学的正規化が行われた脳画像データであって当該他の施設の健常者脳画像データベースに記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の平均値を求められ、当該平均値を用いて前記他の施設の健常者脳画像データベースに記録された脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎に求められた標準偏差とを有する人工脳画像データと、被験者に対し前記所定の条件下で前記所定の撮像機器により取得された脳画像データについて定位脳座標系を用いた解剖学的正規化を行った脳画像データとを比較する統計的解析処理を行う統計的解析処理手段、
    前記統計的解析処理手段で行われた統計的解析処理を表示部に表示する表示処理手段として機能させるためのプログラム。
  8. 請求項7記載のプログラムにおいて、前記標準偏差算出手段は、前記第1の施設の健常者脳画像データベースに記録された各ピクセル又はボクセル毎の脳画像データを用いて、統計的リサンプリング法により脳画像データの各ピクセル又はボクセル毎の標準偏差を求めることを特徴とするプログラム。
  9. 請求項8記載のプログラムにおいて、前記標準偏差算出手段における統計的リサンプリング法はブートストラップ法であることを特徴とするプログラム。
  10. 請求項7ないし9のいずれかに記載のプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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