JP2004340722A - ポリアミノ酸担体 - Google Patents

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Abstract

【課題】検体中の微量の標的抗体を検出するために、低分子抗原(ペプチド)の活性を損なうことなく担体に結合させることができれば、医療分野における各種疾病等の迅速かつ簡便な診断に使用することができる。
【解決手段】側鎖にアミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基若しくは水酸基から選択される反応基を有する、単一若しくは2ないし4種類のアミノ酸から選択されるアミノ酸残基からなるポリアミノ酸、及び前記反応基の全部又は一部に、架橋構造を介して又は介さずに結合しているジオール構造若しくはアミノアルコール構造とからなるペプチド結合用ポリアミノ酸担体を提供する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、免疫反応を利用した標的抗体を検出する分野において、水不溶性担体に低分子抗原を固相化させるために使用するポリアミノ酸担体に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療分野において、生体成分から特定の物質を検出もしくは定量する方法として抗原抗体反応を利用した免疫測定法が広く利用されている。抗原抗体反応に基づく免疫測定法は、特異性が高くかつ検出感度も高いため、臨床検査の重要な手段の一つとなっている。この免疫測定法には、酵素免疫測定法(EIA)、放射免疫測定法(RIA)、免疫比濁法(TIA)などが知られている。
【0003】
これらの測定法を実施するにあたり、被測定物質に対する抗体又は抗原をマイクロタイタープレート、メンブレンフィルター、ビーズなどの水不溶性の固相に結合して使用するが、高感度で安定性の高い診断薬を製造するには抗体又は抗原を上記の水不溶性固相に効率的かつ安定性よく結合させることは非常に重要な技術である。水不溶性の固相としては、例えば、マイクロタイター法に用いられる担体として、ポリスチレン又はその共重合体の粒子である人工担体が開発されている(特開昭58−209984号、特開昭62−118256号)。合成高分子による人工担体は、化学的、物理的に均質かつ安定であり、大量生産も可能であるという利点を有する。さらに、ゼラチンと水溶性多糖類とからなる水不溶性の人工担体(特開昭57−153658号、特開昭57−160465号)、及びポリアミノ酸と水溶性多糖類とからなる水不溶性の人工担体(特開平2−103470号、特開平6−130060号)等が開示されている。しかし、製造工程が多段階にわたり複雑であるため、低分子抗原を結合させた各種担体を製造することは困難である。
【0004】
上記のような水不溶性の固相(担体)に抗原又は抗体を結合させる方法には、主に物理吸着、共有結合等による方法が知られている(「固定化酵素」千畑一郎編 講談社サイエンティフィク(1986)第9−45頁参照)。共有結合による方法に比べ、物理吸着法は簡便であり、かつ、吸着させる抗原又は抗体の活性を損なうことがないという利点を有する。しかしながら、抗原が低分子である場合、水不溶性固相との相互作用が弱いため、抗原を物理吸着させることは困難であった。
【0005】
従来、上記の問題点を解決するため、低分子抗原をキャリア蛋白質(高分子担体)に、架橋剤又はカップリング剤を使用して共有結合させる方法が知られている(特開昭56−71023号)。この方法に用いるキャリア蛋白質としては、例えば、ウシの血清アルブミン、ヒトの血清アルブミン、卵のアルブミン、ポリリジン等を用いることができる。しかしながら、ウシの血清アルブミン、ヒトの血清アルブミン、卵のアルブミン等の天然由来の蛋白質を担体として用いた場合、生体成分中の免疫グロブリンの一部がキャリア蛋白質に対して反応性を示す場合があり、このような非特異的反応を低下させる必要があった。
【0006】
上記のキャリア蛋白質に、低分子の抗原を共有結合させる方法としては、従来から行われているハプテン抗原の作製法(「酵素免疫測定法」蛋白質核酸酵素 別冊31(1987)第28−33頁)、ハプテンの酵素標識法(「酵素免疫測定法」蛋白質核酸酵素 別冊31(1987)第46−50頁)を適用することができ、例えば抗原に存在する官能基を活性化する方法、キャリア蛋白質に存在する官能基を活性化する方法、抗原及びキャリア蛋白質の双方に反応性を有する2価架橋剤を用いる方法等が知られている。しかしながら、抗原の官能基を活性化する場合、抗原自体の活性が消失したり、抗原が複数の官能基をあわせもっていると抗原−抗原分子間での結合又は重合反応が起きたりという問題が指摘されている。また、2価の反応基を持つ架橋剤としてはグルタルアルデヒドが繁用されている。グルタルアルデヒドは中性水溶液中では簡単な操作により反応を行うことができるという利点を有するが、抗原あるいはキャリア蛋白質単独で重合反応を起こしやすく、結合効率が悪いという欠点を持つ。一方、キャリア蛋白質の官能基を活性化して抗原と結合させる方法には、過ヨウ素酸酸化法が知られている(特開平8−114592号)。この方法は、キャリア蛋白質のジオール構造を過ヨウ素酸で酸化し、生じたアルデヒドを利用して、抗原のアミノ基と結合させるものである。この方法は、キャリア蛋白質と抗原との結合効率が良く、官能基の活性化による抗原自身の活性の低下を防ぐことができる。しかしながら、分子中にジオール構造を十分に持たないポリリジンのようなキャリア蛋白質では利用することができない。
【0007】
【特許文献1】特開昭56−71023号公報
【0008】
【特許文献2】特開平8−114592号公報
【0009】
【特許文献3】特開昭58−209984号公報
【0010】
【特許文献4】特開昭62−118256号公報
【0011】
【特許文献5】特開昭57−153658号公報
【0012】
【特許文献6】特開昭57−160465号公報
【0013】
【特許文献7】特開平2−103470号公報
【0014】
【特許文献8】特開平6−130060号公報
【0015】
【非特許文献1】「固定化酵素」千畑一郎編 講談社サイエンティフィク(1986)第9−45頁
【0016】
【非特許文献2】「酵素免疫測定法」蛋白質核酸酵素 別冊31(1987)第28−33頁
【0017】
【非特許文献3】「酵素免疫測定法」蛋白質核酸酵素 別冊31(1987)第46−50頁
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
検体中の微量の標的抗体を検出するために、低分子抗原の活性を損なうことなく担体に結合させることができれば、医療分野における各種疾病等の迅速かつ簡便な診断に使用することが可能となる。
【0019】
従って、本発明の目的は、低分子抗原であるペプチドを高効率で、しかもペプチドの活性を損なうことなく結合できるポリアミノ酸担体を提供することである。また、本発明の目的は、前記ポリアミノ酸担体にペプチドを結合させたペプチド結合担体の製造方法、及び該方法によって製造されるペプチド結合ポリアミノ酸担体を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定のアミノ酸残基を有するポリアミノ酸及び特定の反応基を有するポリアミノ酸担体を用いることにより、ペプチドの抗原性を損なわずにポリアミノ酸担体に結合させることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0021】
具体的には、本発明のペプチド結合用ポリアミノ酸担体は、ポリアミノ酸担体の側鎖にアミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基若しくは水酸基から選択される反応基を有する、単一若しくは2ないし4種類のアミノ酸から選択されるアミノ酸残基からなるポリアミノ酸、及び前記反応基の全部又は一部に、架橋構造を介して又は介さずに結合している、ジオール構造若しくはアミノアルコール構造とからなる、ことを特徴とする。また、本発明は、前記ポリアミノ酸担体にペプチドを結合させたペプチド結合担体の製造方法、及び該方法によって製造されたペプチド結合ポリアミノ酸担体を提供する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の説明のために、好ましい実施形態に関して詳述する。
【0023】
(1)ポリアミノ酸担体
▲1▼アミノ酸
本発明のポリアミノ酸担体に使用するアミノ酸の具体例としては、グリシン、アラニン、バリン、ノルバリン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、セリン、スレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン等の中性アミノ酸;アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸;リジン、オルニチン、アルギニン、ヒスチジン等の塩基性アミノ酸が挙げられる。
【0024】
ポリアミノ酸担体を構成するアミノ酸は、その側鎖に、反応基、例えば、アミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基、又は水酸基を有することが好ましい。
【0025】
好ましくは、アミノ基を有するアミノ酸は、アスパラギン、グルタミン、プロリン、トリプトファン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、オルニチンである。
【0026】
好ましくは、カルボキシル基を有するアミノ酸は、アスパラギン酸、グルタミン酸である。
【0027】
好ましくは、スルフヒドリル基を有するアミノ酸は、システインである。
【0028】
好ましくは、水酸基を有するアミノ酸(ヒドロキシアミノ酸)は、セリン、スレオニンである。
【0029】
より好ましくは、本発明のポリアミノ酸担体に使用するアミノ酸は、リジン、オルニチンである。最も好ましくは、リジンである。
【0030】
また、上記アミノ酸は、グリシン以外の場合、少なくとも一つの不斉炭素原子をもち、光学的に活性であり、D形、L形に区別されるが、本発明のおいては、これらの形を区別することなく使用することができる。
【0031】
さらに、本発明のポリアミノ酸担体に使用されるアミノ酸は、その側鎖の反応基を適当な保護基で保護されたアミノ酸誘導体であってもよい。本明細書において「アミノ酸」と言及するときは、このようなアミノ酸誘導体も含む。保護基は、アミノ酸の反応基を保護するために使用可能な化合物であれば、特に限定されないが、例えば、アミノ酸の水酸基にはt−ブチル(t−Bu)基、ベンジル(Bzl)基等、アミノ基にはt−ブトキシカルボニル(Boc)基、ベンジルオキシカルボニル(Z)基、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基等が使用できる。
【0032】
▲2▼ポリアミノ酸
本発明のポリアミノ酸担体に使用するポリアミノ酸は、典型的には、前記アミノ酸又はアミノ酸誘導体から選択される単一又は2ないし4種類のアミノ酸残基により構成される。
【0033】
ポリアミノ酸が単一アミノ酸から構成される場合には、側鎖にアミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基又は水酸基から選択される反応基を有するアミノ酸が使用される。ポリアミノ酸が2から4種類のアミノ酸から構成される場合には、側鎖にアミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基若しくは水酸基から選択される反応基を有するアミノ酸を含むランダムポリマー又は2ないし4種類のアミノ酸残基で構成される単位(リジン−アラニン等)の繰り返し構造からなるポリマーを使用することができる。2ないし4種類のアミノ酸からなるランダムポリマーとして、より好ましくは、リジンと中性アミノ酸(アラニン、フェニルアラニン、セリン、トリプトファン、チロシン)からなるランダムポリマー、オルニチンと中性アミノ酸(ロイシン、セリン、トリプトファン、チロシン)からなるランダムポリマー、グルタミン酸と中性アミノ酸(アラニン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシン)からなるランダムポリマー又はアルギニンと中性アミノ酸(セリン、トリプトファン、チロシン、プロリン、スレオニン)からなるランダムポリマー等が使用できる。さらに、リジンとグルタミン酸からなるランダムポリマー又はリジンとグルタミン酸と中性アミノ酸(アラニン、チロシン)からなるランダムポリマー等が使用できる。
【0034】
上記の単一又は2ないし4種類のアミノ酸により構成されたポリアミノ酸は、天然のタンパク質のアミノ酸配列には見出されにくいものである。このような人工的な配列が生体内に侵入し抗体の産生を誘起する可能性は、通常極めて低いと考えられる。よって、血清、血漿等の生体成分中には本発明のポリアミノ酸担体に対する抗体がほとんど存在しないため、ウシ血清アルブミン等の天然由来の蛋白質からなる担体と異なり、免疫測定において担体に対する非特異的反応が実質的に生じない又は大幅に軽減されることとなる。本発明のポリアミノ酸担体に使用するポリアミノ酸は、前記構造を有するものであれば特に限定はされないが、側鎖の反応基と架橋構造又はアミノアルコール構造との結合の容易さから、ポリアミノ酸がリジン残基又はオルニチン残基を含んでいることが好ましい。
【0035】
本発明のポリアミノ酸担体に使用するポリアミノ酸は、一般的な合成方法、例えば、前記アミノ酸のN−炭酸無水物を乳化重合又は不均一重合する方法(特開平9−151250号)等で製造することができる。また、市販されているポリアミノ酸(例えば、ポリ−L−リジン MW30,000−70,000又はMW150,000−300,000等(シグマ社))を使用することも可能である。
【0036】
本発明のポリアミノ酸担体に使用するポリアミノ酸の分子量は、ポリアミノ酸を合成するための重合条件、例えば、溶媒、触媒、重合温度、反応時間等を変化させることによって、調節することができる。前記ポリアミノ酸の分子量は、好ましくは粘度平均分子量1,000〜300,000、より好ましくは粘度平均分子量8,000〜300,000である。
【0037】
また、本発明のポリアミノ酸担体は、構成するアミノ酸の側鎖にある反応基と架橋構造、及び/又は、架橋構造とジオール構造若しくはアミノアルコール構造がアミド結合によって結合していることが好ましい。あるいは、前記反応基とジオール構造若しくはアミノアルコール構造が、架橋構造を介さずに、直接、アミド結合によって結合していてもよい。
【0038】
本願明細書において、「ジオール構造若しくはアミノアルコール構造」には、酸化によってアルデヒド基を生成できる化学構造を有する化合物が含まれる。ここで、「ジオール構造」とは、2個の水酸基が2個の相異なる炭素原子に結合している構造をいう。また、「アミノアルコール構造」とは、同一分子内にアミノ基とアルコール性の水酸基を有する構造であり、隣り合う2個の炭素原子の一方にアミノ基を有し、他方にアルコール性の水酸基を有する構造が好ましい。本発明のペプチド結合用ポリアミノ酸担体は、「ジオール構造若しくはアミノアルコール構造」の酸化処理によってアルデヒド基を生成し、当該アルデヒド基部分にペプチドを結合させることが可能である。
【0039】
本発明において使用する「ジオール構造若しくはアミノアルコール構造」を有する化合物は、さらに、架橋構造と、あるいはポリアミノ酸担体を構成するアミノ酸の側鎖にある反応基と直接、結合できるような基を有することが望ましい。例えば、架橋構造又は反応基(以下、「架橋構造等」という場合がある。)がアミノ基を有する場合、「ジオール構造若しくはアミノアルコール構造」を有する化合物はカルボキシル基を有し、架橋構造等とアミド結合を形成することが好ましい。架橋構造等がカルボキシル基を有する場合には、「ジオール構造若しくはアミノアルコール構造」を有する化合物はアミノ基を有し、架橋構造等とアミド結合を形成できることが好ましい。「ジオール構造若しくはアミノアルコール構造」を有する化合物は、好ましくはヒドロキシアミノ酸、最も好ましくは、セリン残基、スレオニン残基である。
【0040】
本願明細書において、「架橋構造」とは、本発明のポリアミノ酸を構成するアミノ酸又はアミノ酸誘導体の側鎖にある反応基と、アルデヒド基を生成させるためのジオール構造若しくはアミノアルコール構造とを連結するための架橋剤の構造である。
【0041】
本発明において使用される架橋剤は、前記反応基とジオール構造若しくはアミノアルコール構造とを結合させ得る化合物である。好ましくは、架橋構造の一方の末端がカルボキシル基及び他の末端がアミノ基からなる化合物、又は架橋構造の両端がアミノ基である化合物(ジアミノ化合物)である。例えば、架橋構造の一方の末端がカルボキシル基及び他の末端がアミノ基からなる化合物で、かつ、前記反応基がアミノ基の場合、架橋構造中のカルボキシル基は前記反応基とアミド結合を形成し、そして架橋構造中のアミノ基は、好ましくはカルボキシル基を有するジオール構造若しくはアミノアルコール構造とアミド結合をする。あるいは、架橋構造の両端がアミノ基である化合物(ジアミノ化合物)で、かつ、前記反応基がカルボキシル基の場合、架橋構造中のもう一方のアミノ基は、好ましくはカルボキシル基を有するジオール構造若しくはアミノアルコール構造とアミド結合を形成する。好ましい架橋構造は、γ−アミノ酪酸(GABA)又はエチレンジアミンである。
【0042】
また、架橋構造は、1又はそれより多くの、及び同種又は異種の前記化合物を直鎖状又は分枝鎖状に結合した架橋剤からなっていてもよい。一方、本発明の目的であるように、担体に結合された場合の低分子抗原の活性が損なわなければ、上述した架橋構造はなくてもよく、ポリアミノ酸担体の反応基にジオール構造若しくはアミノアルコール構造が結合してもよい。
【0043】
また、本発明のポリアミノ酸担体は、架橋構造を介して又は介さずに、ジオール構造若しくはアミノアルコール構造と結合している反応基が、好ましくは、側鎖の反応基のうち3%ないし30%であり、より好ましくは、5%ないし20%である。
【0044】
上記の本発明のポリアミノ酸担体は、下記の製造方法によって調製されるが、より具体的には、後述する実施例1及び2に従って調製することができる。
【0045】
(2)ポリアミノ酸担体の製造方法
本発明のポリアミノ酸担体の製造方法は、使用するアミノ酸の反応基、ジオール構造若しくはアミノアルコール構造を有する化合物、及び架橋剤の種類に応じて当業者が適当な方法で用いることができる。本発明のポリアミノ酸担体の製造方法の好ましい態様を以下に示すが、本発明のポリアミノ酸担体の特徴を有する限り、その製造方法は限定されない。
【0046】
本発明のポリアミノ酸担体の製造方法は、例えば、側鎖中の反応基としてアミノ基を有するポリアミノ酸、アミノアルコール構造を有するヒドロキシアミノ酸、及び各末端にカルボキシル基/アミノ基をもつ2価の架橋剤を出発原料として用いる場合には、下記の工程:
(i)ヒドロキシアミノ酸のアミノ基及び水酸基を保護すること;
(ii)保護されたヒドロキシアミノ酸のカルボキシル基を活性化すること;
(iii)架橋剤のアミノ基と活性化したヒドロキシアミノ酸のカルボキシル基とを反応させ、アミド結合を形成させること;
(iv)(iii)の化合物中の架橋剤構造由来のカルボキシル基を活性化すること;
(v)ポリアミノ酸のアミノ基と(iv)の化合物中の架橋剤由来のカルボキシル基と反応させ、アミド結合を形成させること;そして
(vi)(i)で保護されたヒドロキシアミノ酸のアミノ基及び水酸基を脱保護すること;
を含む。
【0047】
(i)−(iii)の工程と、(iv)−(v)の工程は、順序を逆にして、(iv)−(v)の工程を先に行ってもよい。
【0048】
ここで、(i)の工程のヒドロキシアミノ酸のアミノ基及び水酸基の保護は、一般的な方法、例えば、生化学実験講座第1巻、タンパク質の化学IV、化学修飾とペプチド合成、p.270、成田耕造ら、東京化学同人(1977年)に従って行うことができるが、市販品を用いてもよい。ヒドロキシアミノ酸のアミノ基を保護するための試薬としては、Boc基、Z基、Fmoc基等を使用することができる。また、ヒドロキシアミノ酸残基の水酸基を保護するための試薬としては、t−Bu基、Bzl基等を使用することができる。一方、保護されたヒドロキシアミノ酸残基の脱保護には、トリフルオロ酢酸(TFA)、無水フッ化水素、HBr/酢酸、ピペリジン/DMF、水酸化ナトリウム水溶液等の酸又はアルカリ溶液を使用することができる。
【0049】
工程(ii)及び(iv)のカルボキシル基の活性化には、例えば、スクシンイミドエステル基、p−ニトロフェニル基を使用することができる。
【0050】
工程(iii)及び(v)のアミド結合を形成させる反応は、公知の方法を用いて行うことができる。例えば、DMF、ジオキサン、DMSO等の溶媒中、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン等の弱アルカリの存在下で、通常、室温で1−24時間反応させる。
【0051】
他の側面として、本発明の製造方法によって、架橋構造を有しないポリアミノ酸担体を製造するためには、(iii)及び(iv)の工程を省略することによって達成し得る。
【0052】
さらに他の側面として、本発明の製造方法によって、架橋構造を1より多く導入する場合には、(iii)及び(iv)の工程を繰り返すことによって達成し得る。
【0053】
また、本発明のポリアミノ酸担体の製造方法は、例えば、側鎖中の反応基としてカルボキシル基を有するポリアミノ酸、アミノアルコール構造を有するヒドロキシアミノ酸残基、及び両末端にアミノ基をもつ架橋剤を用いる場合には、下記の工程:
(i)ヒドロキシアミノ酸のアミノ基及び水酸基を保護すること;
(ii)ヒドロキシアミノ酸のカルボキシル基を活性化すること;
(iii)架橋剤のアミノ基と活性化したヒドロキシアミノ酸中のカルボキシル基とを反応させ、アミド結合を形成させること;
(iv)縮合剤を用いてポリアミノ酸中のカルボキシル基と(iii)の化合物中の架橋剤構造由来のアミノ基とを反応させ、アミド結合を形成させること;そして
(v)(i)で保護されたヒドロキシアミノ酸のアミノ基及び水酸基を脱保護すること;
を含む。
【0054】
ここで、前記工程(iv)で使用される縮合剤は、アミド結合を形成可能な試薬であれば、特に限定されないが、例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸(WSC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等を使用することができる。
【0055】
他の好ましい態様として、本発明のポリアミノ酸担体の製造方法によれば、架橋構造を介して又は介さずに、ジオール構造若しくはアミノアルコール構造と結合している反応基の導入パーセントが異なるポリアミノ酸担体を製造することができるが、これは、上記の工程(iii)において生成した化合物の使用量を加減することによって達成される。
【0056】
上記ポリアミノ酸担体の製造は、公知の方法(例えば、Mezoら、J.Control.Release,63,81−95(2000))に基づいて行うことができる。
【0057】
(3)ペプチドを結合したポリアミノ酸担体とその製造方法
本発明は、上述したポリアミノ酸担体にペプチドを結合させることを含むペプチド結合担体の製造方法、及び該方法によって製造されるペプチド結合ポリアミノ酸担体に関する。本発明のペプチド結合用ポリアミノ酸担体は、「ジオール構造若しくはアミノアルコール構造」を有することを特徴とする。先ず、これらの構造を酸化処理してアルデヒド基を生成し、次いで、当該アルデヒド基部分にペプチドを結合させることが可能である。
【0058】
▲1▼製造方法
限定されるわけではないが、本発明のペプチド結合担体の製造方法は、例えば、下記の工程:
(i)ポリアミノ酸担体のジオール構造若しくはアミノアルコール構造を酸化処理によってアルデヒド基を生成すること;
(ii)一方、所期のペプチドのN末端にあらかじめヒドラジノ基を導入すること;そして
(iii)(i)のポリアミノ酸担体と(ii)のペプチドとを結合させること
を含む。
【0059】
本発明のペプチド結合担体の製造方法に従えば、ジオール構造若しくはアミノアルコール構造からアルデヒド基を生成させるための酸化処理は特に限定されないが、例えば、過ヨウ素酸酸化法を用いることができる。
【0060】
また、本発明のポリアミノ酸担体に結合されるペプチドには、検体中の標的抗体に対する抗原を用いることができる。このような抗原の大きさは、特に限定されないが、標的抗体に対する抗原のエピトープを少なくとも1つ含むペプチドであることが好ましい。本願明細書において、「ペプチド」というときは、2個以上のアミノ酸残基がアミド結合によって結合したものをいう。本発明によれば、使用されるペプチドは、アミノ酸残基が3個以上あればよく、好ましくは3−50個、より好ましくは10−20個である。
【0061】
なお、本発明に使用されるペプチドは特に限定されず、天然産のペプチド、遺伝子工学的手法により組換えDNAから発現されたペプチド、化学合成したペプチド、あるいは蛋白質の酵素処理によって生成したペプチドの何れでもよい。例えば、本願明細書中の実施例3では、HIV−2外皮タンパク質gp36由来のアミノ酸配列を有する、12mer及び18merのアミノ酸残基からなるHIV−2 gp36合成ペプチドを使用した。
【0062】
さらに、本発明は、ポリアミノ酸担体に生成されたアルデヒド基と、前記ペプチド中のアミノ基を結合させることを特徴とする。この結合には、該ポリアミノ酸担体へペプチドの結合効率、ペプチドの活性を損なわないこと、及びペプチドへの抗体の反応性等を考慮して、ペプチド中の側鎖ではなくN末端のアミノ基を使用することが好ましい。または、アミノ基を有するアミノ酸をペプチドのN末端若しくはC末端に結合し、該アミノ酸を使用することが好ましい。
【0063】
より好ましくは、ポリアミノ酸担体のアルデヒド基とペプチドのアミノ基の選択的結合性を高めるため、ぺプチドの末端にあらかじめヒドラジノ基を導入したペプチドを調製し、使用する。最も好ましくは、後述する実施例2に示すように、ヒドラジノ基の導入のために使用される試薬として、ε−アミノ基にヒドラジノ基を有するヒドラジノベンゾイルリジンを用いる。
【0064】
▲2▼ペプチド結合ポリアミノ酸担体
本発明のペプチド結合ポリアミノ酸担体は、固相に結合させることにより抗体又は抗原を測定するための免疫測定試薬として用いることができる。前記固相としては、ポリスチレン、ポリエチレン、セファロース等の材質からなるプレート、ビーズ、メンブレンなどが使用できる。これらの固相は、緩衝液中に溶解したペプチド結合ポリアミノ酸担体と接触させることにより、その表面にポリアミノ酸担体を物理吸着できる固相である。緩衝液としては、ペプチド結合ポリアミノ酸担体が安定に存在でき、固相への吸着が阻害されないpHが中性からアルカリ性の条件であれば、一般的な緩衝液、例えばリン酸緩衝液、トリス−HCl緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水が使用できる。このように本発明のペプチド結合ポリアミノ酸担体は、穏和な条件で固相に結合させることができるので、ペプチドの抗原性を損なうことなく簡便に免疫測定に供することができる。
【0065】
このようなペプチド結合ポリアミノ酸担体が吸着した固相からなる免疫測定試薬は、サンドイッチ法、競合法等の公知の免疫測定法に使用することができる。例えば、ヒトについての抗HIV−1抗体を測定する場合には、HIV−1由来のペプチド断片または合成ペプチドを結合したポリアミノ酸担体を固相に吸着させた免疫測定試薬に、検体又は希釈した検体を接触させ、第1の免疫複合体を形成させた後、固相を洗浄し、続いて、標識抗ヒトIgG抗体をこの免疫複合体と接触させ、生じた第2の免疫複合体を検出することによって、検体中の抗HIV−1抗体を検出することができる。
【0066】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0067】
実施例1.セリン化ポリリジン(SpK1)の合成
(a)Nα−t−ブトキシカルボニル−O−t−ブチル−L−セリル−γ−アミノ酪酸(1)の合成
アミノアルコール構造を有するセリンと架橋剤としてγ−アミノ酪酸(GABA)を用いて、標記の架橋構造を有するセリンを合成した(スキーム1)。市販されているセリンのアミノ基及び水酸基があらかじめ保護されているセリンを使用した。
【0068】
α−t−ブトキシカルボニル−O−t−ブチル−L−セリン2.61g、N−ヒドロキシコハク酸イミド1.27gをN,N−ジメチルフォルムアミド(以下、DMFという。)に溶解し、氷冷下、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩2.11gを加え、室温で終夜攪拌した。
【0069】
反応液に酢酸エチルと水を加え、よく攪拌して分液した。水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせて、5%クエン酸水溶液、水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させた。
【0070】
酢酸エチルを溜去し、残渣をDMFに溶解し、GABA1.03gと炭酸水素ナトリウム0.84gを水に溶解して加え、終夜攪拌した。
【0071】
反応液に酢酸エチルと水を加え、6N塩酸でpHを約3として分液した。水相を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル相を合わせて水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
【0072】
酢酸エチルを溜去すると結晶化した。n−ヘキサンを加えて結晶を濾取した。収量2.77g(80%)
(b)Nα−t−ブトキシカルボニル−O−t−ブチル−L−セリル−γ−アミノ酪酸 N−コハク酸イミドエステル(2)
上記で調製した化合物(1)のカルボキシル基をスクシンイミドエステルで活性化した(スキーム1)。
【0073】
化合物(1)1.04g、N−ヒドロキシコハク酸イミド0.38gをDMFに溶解し、氷冷下1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.63gを加え、室温で終夜攪拌した。
反応液に水と酢酸エチルを加え、よく攪拌して分液した。水相を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル相を合わせて5%クエン酸水溶液、水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥した。
【0074】
酢酸エチルを溜去すると結晶化した。n−ヘキサンを加えて結晶を濾取した。収量1.21g(91%)
スキーム1
【0075】
【化1】
Figure 2004340722
【0076】
(c)ポリリジン{Boc−セリン(t−ブチル)−γ−アミノ酪酸}(3)上記で製造した化合物(2)とポリリジンとをペプチド結合させて、標記化合物(3)を得た(スキーム2)。
【0077】
ポリリジン(シグマ社製No.P2636、MW(粘度)30,300)20mgを0.1M炭酸水素ナトリウム水溶液1mlに溶解し、化合物(2)8.9mgをDMF200μlに溶解して加え、室温で3時間攪拌した。反応液に酢酸100μlを加えて透析チューブに移し、水に対して室温3時間透析した後、凍結乾燥した。収量22.0mg
スキーム2
【0078】
【化2】
Figure 2004340722
【0079】
(d)ポリリジン{Boc−セリン(t−ブチル)−γ−アミノ酪酸、スクシニル}(4)
上記で製造した化合物(3)におけるポリリジンの未反応のアミノ基に無水コハク酸を反応させ、修飾した(スキーム3)。
【0080】
上記の化合物(3)10mgを1M炭酸水素ナトリウム水溶液1mlに溶解し、無水コハク酸25mgをDMF250μlに溶解して加え、室温で2時間攪拌した。反応液を透析チューブに移し、水に対し4℃で一夜透析した後、凍結乾燥した。収量13.7mg
(e)ポリリジン{セリン−γ−アミノ酪酸、スクシニル}(5)
上記で製造した化合物(4)を脱保護し、標記化合物(5)を得た(スキーム3)。
【0081】
化合物(4)の全量を水25μlとトリフルオロ酢酸500μlに溶解して、室温で1時間攪拌した。反応液に水を加えて凍結乾燥した。1M炭酸水素ナトリウム水溶液に溶解し、水に対して室温で3時間透析した後、凍結乾燥した。収量10.7mg
スキーム3
【0082】
【化3】
Figure 2004340722
【0083】
加水分解後のアミノ酸分析により、ポリリジンの反応基の中で、アミノアルコール構造が結合している反応基の割合を調べた。化合物(2)とポリリジンの反応基をモル比1:5で混合した場合には、ポリリジンの反応基4.6に対してアミノアルコール構造が1の割合で反応していた。
【0084】
(f)さらに、アミノアルコール構造と結合している反応基の割合が異なるポリリジン担体を調製するため、上記の化合物(2)とポリリジンの混合比を変化させて、同様の方法でセリン化ポリリジンを調製した。上記の化合物(2)とポリリジンの反応基のモル比が1:10で混合した場合には、ポリリジンの反応基9.6に対してアミノアルコール構造が1の割合で反応した。また、上記の化合物(2)とポリリジンの反応基のモル比が1:20で混合した場合には、ポリリジンの反応基19.2に対してアミノアルコール構造が1の割合で反応した。
【0085】
実施例2.セリン化ポリリジン(SpK2)の合成2
分子量の異なるポリリジンを用いて、上記実施例1と同様の方法でセリン化ポリリジン(SpK2)を調製した。ポリリジンは、シグマ社製No.P1399、MW(粘度)189,400を50 mg用いた。アミノアルコール構造と結合している反応基の割合が異なるポリリジン担体を調製するため、上記の化合物(2)とポリリジンの反応基のモル比が1:10で混合した場合には、ポリリジンの反応基9.9に対してアミノアルコール構造が1の割合で反応した。また、上記の化合物(2)とポリリジンの反応基のモル比が1:20で混合した場合には、ポリリジンの反応基20.2に対してアミノアルコール構造が1の割合で反応した。
【0086】
実施例3.ヒドラジノペプチドの合成
(1)4−(t−ブトキシカルボニルヒドラジノ)安息香酸の合成
4−ヒドラジノ安息香酸15.2gをアルゴン気流下、水50mlに縣濁し、水酸化ナトリウム4.8gを加えて溶解した。二炭酸ジ−t−ブチル26.2gを1,4−ジオキサン50mlに溶解して加えて、一夜攪拌した。減圧下に溶媒を約半分溜去し、水を加えて酢酸エチルで2回洗った。水相に酢酸エチルを加え、6N塩酸で中和し、分液した。もう一度酢酸エチルを加え、6N塩酸でpHを3に調整し、分液した。酢酸エチル相を合わせて、水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を溜去すると結晶が析出した。結晶を濾取し、酢酸エチルで洗った。収量16.9g(67%)
母液を濃縮すると結晶が析出した。濾取し酢酸エチルで洗浄した。収量4.8g。合わせて21.7g(86%)。
【0087】
(2)4−(t−ブトキシカルボニルヒドラジノ)安息香酸N−スクシンイミドエステルの合成
4−(t−ブトキシカルボニルヒドラジノ)安息香酸5.05gとN−ヒドロキシスクシンイミド2.53gをジメチルホルムアミド(以下DMF)に溶解し、氷冷下、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩4.22gを加え終夜攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗った。結晶が析出した。濾取し、五酸化二燐上で乾燥した。母液を濃縮し、析出した結晶を濾取し、五酸化二燐上で乾燥した。初めに析出した結晶と合わせて6.15g(88%)の表題化合物を得た。
【0088】
(3)Nα−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−Nε−(4−(t−ブトキシカルボニルヒドラジノ)ベンゾイル)−L−リジンの合成
α−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−L−リジン3.0gと炭酸水素ナトリウム0.65gを水とDMFに縣濁し、氷冷下、4−(t−ブトキシカルボニルヒドラジノ)安息香酸N−スクシンイミドエステル2.7gをDMFに溶解して加えた。室温で終夜攪拌した。反応液に酢酸エチルと水を加え、6N塩酸で酸性にし、分液した。水相を酢酸エチルで2回抽出し、酢酸エチル相を合わせて水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を溜去し、得られた油状の残渣を、減圧下に乾燥すると固化した。収量3.50g(75%)。
【0089】
(4)ヒドラジノ基を有するHIV−2gp36合成ペプチドの合成
HIV−2外皮タンパク質gp36より誘導される抗体を検出するための抗原ペプチドとして、HIV−2gp36のアミノ酸配列から11残基及び17残基を選択し、ペプチドの合成をおこなった。公知のFmoc法に従い、ペプチド合成機PSSM−8(島津製作所)を用いて、11残基及び17残基のアミノ酸を結合させ、最後にNα−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−Nε−(4−(t−ブトキシカルボニルヒドラジノ)ベンゾイル)−L−リジンを加えることにより、N末端のリジンにヒドラジノ基を有するHIV−2gp36合成ペプチドを作成した。
【0090】
ヒドラジノペプチドの構造
12残基の配列
Lys(HBz)−Asn−Ser−Trp−Gly−Cys−Ala−Phe−Arg−Gln−Val− Cys(配列番号1)
HBz =ヒドラジノベンゾイル
18残基の配列
Lys(HBz)−Gln−Asp−Gln−Ala−Arg−Leu−Asn−Ser−Trp−Gly−Cys−Ala−Phe−Arg−Gln−Val− Cys(配列番号2)
実施例4.セリン化ポリリジンとヒドラジノペプチドとの複合体の作製
上記実施例2で製造した、ポリリジンの反応基20.2に対してアミノアルコール構造が1の割合で反応した化合物(5)を過ヨウ素酸酸化し、上記実施例3で製造したヒドラジノペプチドを結合したペプチド結合ポリリジン担体を調製した(スキーム4)。
【0091】
化合物(5)2mgを10mM炭酸水素ナトリウム水溶液1mlに溶解し、100mM過ヨウ素酸ナトリウム水溶液40μlを加えて、室温で20分間攪拌した。反応液を10mM炭酸水素ナトリウム水溶液で平衡化したPD−10カラム(アマシャムバイオサイエンス社製)にかけて、同溶液で溶出した。最初の溶出液2.5mlは採取せず、続く2.0mlを回収した。この溶液にヒドラジノペプチドを10mM炭酸水素ナトリウム水溶液に溶解して(1mg/ml)加え、室温で3時間攪拌した。400mMヒドロキシアミン塩酸塩/1M炭酸水素ナトリウム水溶液10μlを加え、30分間撹拌した。酢酸20μlを加え、30分間撹拌した。酢酸20μlを加えて溶液のpHを約5として透析チューブに移し、水に対して4℃、一夜透析した後、凍結乾燥した。
【0092】
加水分解後のアミノ酸分析によりペプチドの導入率を調べたところ、ポリリジンの反応基20に対してペプチドを1の割合(ポリリジン担体上のアミノアルコール構造1に対して、ペプチドを約1の割合)で混合した場合には、ポリリジンの反応基45.5に対してペプチドが1の割合で反応した。また、ポリリジンの反応基40に対してペプチドを1の割合(ポリリジン担体上のアミノアルコール構造1に対して、ペプチドを約0.5の割合)で混合した場合には、ポリリジンの反応基62.5に対してペプチドが1の割合で反応した。
【0093】
スキーム4
【0094】
【化4】
Figure 2004340722
【0095】
参考例1.卵白アルブミンとヒドラジノペプチドとの複合体の作製
以下の実施例6において、本発明のペプチド結合ポリリジン担体による免疫反応と比較検討するために、上記実施例3で製造したヒドラジノペプチドを天然由来の蛋白質である卵白アルブミンに結合させた。
【0096】
卵白アルブミン4mgを1mlの水に溶解し、100mM過ヨウ素酸ナトリウム水溶液200μlを加え、室温で20分間攪拌した。反応液を1mM酢酸水溶液で平衡化したPD−10カラム(アマシャムバイオサイエンス社製)にかけて、同溶液で溶出した。最初の溶出液2.5mlを採取せず、続く2.0mlを回収した。
【0097】
この溶液2000μlに200mM炭酸ナトリウム水溶液20μlを加えた後、17残基の抗原ペプチドからなるヒドラジノペプチド0.64mgを0.1M炭酸水素ナトリウム水溶液に溶解(3mg/ml)して加え、室温で3時間攪拌した。反応液を透析チューブに移し、リン酸緩衝化食塩水(PBS)に対して、4℃で一夜透析し、2mlの溶液が得られた。BCA法(PIERCE社製)によるタンパク定量値は0.712mg/mlであった。
【0098】
実施例5.ペプチド結合ポリリジン担体によるHIV−2抗体の検出(1)
HIV−2外皮タンパク質gp36により誘導される抗体を検出するために、実施例1及び2で製造したペプチド結合ポリリジン担体を用いて簡易クロマトアッセイを行った。
【0099】
(1)材料
HIV−2gp36合成ペプチド12mer結合ポリリジン
HIV−2gp36合成ペプチド18mer結合ポリリジン
アルカリホスファターゼ標識HIV−2gp36合成ペプチド18mer
リン酸緩衝液:10mMリン酸緩衝液(0.1%BSA,0.05%SDS,3% sucrose)
基質液:5−Brome−4−chloro−3−indolyl−phosphate(ROCHE,USA)
HIV−2抗体陽性血清(Boston Biomedica Inc.,MA,USA)
HIV−2抗体陰性血清(Trina Inc.,Switzerland)
(2)実験方法及び結果
所定濃度に希釈した合成ペプチド結合ポリリジンを5×50mmに切断されたニトロセルロース膜ストリップ上に約0.75μl点着した。この試験ストリップを特許第3237540号に記載のイムノクロマト試験用具にセットした。検体として、HIV−2抗体陽性血清(PRF202−01、PRF202−05、PRF202−015)をHIV−2抗体陰性血清で希釈して用いた。特開平9−229938号に記載の方法に準じて免疫反応を行い、反応の有無を確認した。その結果を表1に示す。
【0100】
本発明の合成ペプチド結合ポリリジンをニトロセルロース膜上に固相化した場合、HIV−2抗体陽性血清はいずれも顕著な反応を示した。対照としてペプチドのみを固相化した場合は、反応は認められなかった。陰性対照のHIV−2抗体陰性血清での反応は検出されなかった。本発明の合成ペプチド結合ポリリジンは、担体の分子量、ペプチドの結合数及びペプチド長に関らず、ペプチドの抗原性が損なわれることなく免疫測定の固相抗原として有用であることが明らかとなった。
【0101】
【表1】
Figure 2004340722
【0102】
実施例6.ペプチド結合ポリリジン担体によるHIV−2抗体の検出(2)
HIV−2外皮タンパク質gp36により誘導される抗体を検出するために、上述した実施例1及び2によって製造したペプチド結合ポリリジン担体を用いて、イムノブロッティングアッセイを行った。本発明のペプチド結合ポリリジン担体の効果を検討するために調製したペプチド結合卵白アルブミンと比較した。
【0103】
(1)材料
HIV−2 gp36合成ペプチド 18mer
HIV−2 gp36ペプチド18mer結合オボアルブミン(OVA;Sigma Chamecal Co.St.Louis,USA)
HIV−2 gp36ペプチド18mer結合セリン化ポリリジン
炭酸緩衝液: 0.1M炭酸ナトリウム緩衝液、約pH9.0
リン酸緩衝液: 0.1Mリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、または0.05%Tween20(PBS−T)を含むもの
HRPOウサギ抗マウスIgG(DAKO A/S,デンマーク)
HRPOウサギ抗ヒトIgG(DAKO A/S,デンマーク)
基質液: 1−クロロ4−ナフトール、0.01%過酸化水素水(自社製)
検体:
抗HIV−2 gp36モノクローナル抗体(富士レビオ社製)
HIV−2抗体陽性血清(Boston Biomedica Inc.,MA,USA)
HIV−2抗体陰性検体(Trina Inc.,Switzerland)
(2)実験方法及び結果
炭酸緩衝液で所定濃度に希釈した合成ペプチド、合成ペプチド結合OVA、あるいは合成ペプチド結合セリン化ポリリジンを、5×50mmに切断されたニトロセルロース膜ストリップ上に約2μl点着した。この試験ストリップをインキュベーターを用いて37℃で約15分間乾燥させた。試験ストリップを試験管に入れ、検体として、PBS−Tを用いて所定濃度に希釈したHIV−2モノクローナル抗体(陽性対照)、HIV−2抗体陽性血清またはHIV−2抗体陰性血清(陰性対照)を加えた。37℃で約30分間緩やかに撹拌しながらインキュベートした後、PBS−Tで3回洗浄した。
【0104】
次いで、PBS−Tで希釈したHRPOウサギ抗マウスIgGあるいはHRPOウサギ抗ヒトIgG液に試験ストリップを浸した。室温で30分間緩やかに撹拌しながらインキュベートした後、PBS−Tで3回洗浄した。
【0105】
その後、基質液を適量加えた。目視にて反応の有無を確認した。その結果を表2に示す。
【0106】
【表2】
Figure 2004340722
【0107】
合成ペプチドを固相化した場合、HIV−2モノクローナル抗体(陽性対照)、HIV−2抗体陽性血清又はHIV−2抗体陰性血清(陰性対照)のいずれの検体の場合も、検体中のHIV−2抗体は検出されなかった。合成ペプチド結合OVAを固相化した場合は、HIV2陽性血清で顕著に検出されるが、陰性対照であるHIV2陰性血清を使用している場合にも検出された。
【0108】
これに対し、本発明の合成ペプチド結合SpK(セリン化ポリリジン)を固相化した場合、HIV2陽性ヒト血清及び陽性対照のHIV−2モノクローナル抗体は顕著な反応性が観察されたのに対し、陰性対照のHIV2陰性血清は反応性が全く観察されなかった。
【0109】
また、合成ペプチド結合OVAではなくOVAを固相した場合も、陰性対照であるHIV2陰性血清に対して反応性がみられた。この結果は、OVAを担体として用いた場合には、血清に対して非特異的な反応があることを示す。一方、合成ペプチド結合SpKを担体として用いた場合には、OVAで見られる非特異的な結合(陰性対照のHIV2陰性血清に対する反応性)が見られないことを示している。
【0110】
【配列表】
Figure 2004340722
Figure 2004340722
【0111】
【発明の効果】
本発明により、ポリアミノ酸担体が提供され、該担体を用いたペプチド結合ポリアミノ酸担体の使用による検体中のペプチドに対する抗体の検出を非特異的な反応を抑制し、迅速かつ簡便に行うことが可能となった。したがって、該ポリアミノ酸担体は、医療分野において、各種疾患の診断等に有用であることが明らかになった。

Claims (13)

  1. 側鎖にアミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基若しくは水酸基から選択される反応基を有する、単一若しくは2ないし4種類のアミノ酸から選択されるアミノ酸残基からなるポリアミノ酸;及び
    前記反応基の全部又は一部に、架橋構造を介して又は介さずに結合しているジオール構造若しくはアミノアルコール構造
    とからなるペプチド結合用ポリアミノ酸担体。
  2. 単一若しくは2ないし4種類のアミノ酸から選択されるアミノ酸残基からなるポリアミノ酸がリジン又はオルニチン残基を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載のポリアミノ酸担体。
  3. 反応基と架橋構造、及び/又は、架橋構造とジオール構造若しくはアミノアルコール構造、あるいは、前記反応基とジオール構造若しくはアミノアルコール構造が、アミド結合によって結合している、請求項1又は2に記載のポリアミノ酸担体。
  4. 単一若しくは2ないし4種類のアミノ酸から選択されるアミノ酸残基からなるポリアミノ酸の粘度平均分子量が1,000〜300,000である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のポリアミノ酸担体。
  5. 前記反応基の5%ないし20%に、架橋構造を介して又は介さずに、ジオール構造若しくはアミノアルコール構造が結合していることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリアミノ酸担体。
  6. 架橋構造が、γ−アミノ酪酸またはエチレンジアミンを含む、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のポリアミノ酸担体。
  7. アミノアルコール構造を含む置換基がセリン又はスレオニンである、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のポリアミノ酸担体。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載のポリアミノ酸担体の、ジオール構造若しくはアミノアルコール構造を酸化し、該担体にペプチドを結合させることを含む、ペプチド結合ポリアミノ酸担体の製造方法。
  9. ペプチドが、末端にあらかじめヒドラジノ基を導入したペプチドである、請求項8に記載の製造方法。
  10. 末端にあらかじめヒドラジノ基を導入したペプチドが、末端にヒドラジノベンゾイルリジンを有したペプチドである、請求項9に記載の製造方法。
  11. 請求項8ないし10のいずれか1項に記載の製造方法を用いて製造された、ペプチド結合ポリアミノ酸担体。
  12. 請求項11に記載のペプチド結合ポリアミノ酸担体を固相に結合した免疫測定試薬。
  13. 請求項12に記載の免疫測定試薬を含む、免疫測定キット。
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