JP2004340041A - 燃料ポンプを含む燃料噴射装置 - Google Patents
燃料ポンプを含む燃料噴射装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004340041A JP2004340041A JP2003138124A JP2003138124A JP2004340041A JP 2004340041 A JP2004340041 A JP 2004340041A JP 2003138124 A JP2003138124 A JP 2003138124A JP 2003138124 A JP2003138124 A JP 2003138124A JP 2004340041 A JP2004340041 A JP 2004340041A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel
- fuel injection
- command
- time
- injector
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
Landscapes
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
【課題】プランジャ式燃料ポンプによる燃料の供給圧力変動の影響の小なる燃料噴射装置を提供する。
【解決手段】クランクパルス信号に基づいて得られるクランク角が基準クランク角に達した時点から所定時間経過後に、燃料ポンプの駆動を開始し、該燃料ポンプ駆動開始時点より所定時間経過後に、インジェクタの駆動を開始する。
【選択図】 図3
【解決手段】クランクパルス信号に基づいて得られるクランク角が基準クランク角に達した時点から所定時間経過後に、燃料ポンプの駆動を開始し、該燃料ポンプ駆動開始時点より所定時間経過後に、インジェクタの駆動を開始する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プランジャ式燃料ポンプを含む内燃エンジンの燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃エンジンの燃料タンクから燃料を吸い上げてインジェクタや気化器に圧送する燃料ポンプには、例えばプランジャ式燃料ポンプがある(例えば、特開平8−114179号公報参照)。
プランジャ式燃料ポンプは、磁性体のピストンを有する筒状のプランジャと、そのプランジャのピストンを燃料吐出方向に付勢するバネと、励磁されているときにピストンを燃料吸引方向に移動させるコイルと、コイルを断続的に励磁させる発振回路とを備えている。発振回路に電源電圧が供給されると、コイルの励磁が発振回路によって断続的に実行されてプランジャピストンの燃料吸引方向への移動とバネの付勢によるプランジャピストンの燃料吐出方向への移動とが交互に行われて、その往復運動がポンプ作用となって燃料が吐出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなプランジャ式燃料ポンプを用いた内燃エンジンの燃料噴射装置においては、イグニッションスイッチがオンとなると、燃料ポンプが予め定められた周波数によって周期的に駆動される。インジェクタへ圧送される燃料は、プランジャピストンの往復運動によって圧力変動を起こすので、インジェクタの開弁時間を一定にした場合でも圧力変動により燃料噴射量も変動してしまい、燃焼状態が不安定になるという問題点があった。
【0004】
そこで、本発明は、プランジャ式燃料ポンプによる燃料の供給圧力変動の影響の小なる燃料噴射装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料ポンプを含む燃料噴射装置は、内燃エンジンに燃料を噴射するインジェクタと、前記インジェクタに前記燃料を供給するプランジャ式燃料ポンプと、燃料噴射指令に応じて前記インジェクタを噴射駆動するインジェクタ駆動手段と、ポンプ駆動指令に応じて前記燃料ポンプを駆動するポンプ駆動手段と、前記インジェクタ駆動手段とポンプ駆動手段とに前記燃料噴射指令及び前記ポンプ駆動指令を供給する制御手段とを含む燃料噴射装置であって、前記制御手段は、前記内燃エンジンのエンジンサイクル毎のクランク角度位置が所定基準位置に達したことを検出すると第1計時指令を発する検出手段と、前記第1計時指令に応じて所定の燃料ポンプ駆動開始遅延時間の計時を開始し、前記燃料ポンプ駆動開始遅延時間の計時を終了すると第2計時指令を発するポンプ駆動指令手段と、前記第2計時指令が発せられた後に所定の燃料噴射開始遅延時間の計時を開始し、前記燃料噴射開始遅延時間の計時を終了すると前記燃料噴射指令を発する燃料噴射指令手段と、からなることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明によるプランジャ式燃料ポンプを用いた燃料噴射装置を含む車載4サイクル内燃エンジンのエンジン制御システムを示している。
内燃エンジンの吸気管1には、スロットル弁2が設けられ、スロットル弁2の開度に応じた量の吸入空気が吸気管1を介してエンジン本体3の吸入ポートに供給されるようになっている。エンジン本体3の吸気ポート近傍の吸気管1には、燃料噴射用のインジェクタ4が設けられている。インジェクタ4には、燃料タンク6から燃料供給管7が接続されている。燃料供給管7の途中には、プランジャ式燃料ポンプ8が設けられている。燃料ポンプ8は、例えば、特開平8−114179号公報に開示された構成を有しており、後述のECU(電子制御ユニット)10による駆動指令に応じて作動して、燃料タンク6内の燃料を吸入側の燃料供給管7を介して吸い込み、インジェクタ4に吐出側の燃料供給管7を介して圧送する。インジェクタ4は、ECU10による駆動によって燃料を吸気管内に噴射する。
【0007】
また、エンジン本体3には点火プラグ11が固着されており、点火プラグ11は点火装置12に接続されている。点火装置12はECU10からの点火指令に応じて点火プラグ11に高電圧を与えてシリンダ内で火花放電を起こすのである。
ECU10は、図2に示すように、入力インターフェース回路20と、回転数カウンタ21と、CPU(中央演算ユニット)22と、メモリ23と、インジェクタ駆動手段24と、燃料ポンプ駆動手段25と、を備えている。インジェクタ駆動手段24は、燃料噴射指令手段を含み、インジェクタ4に接続されている。同様に、燃料ポンプ駆動手段25は、ポンプ駆動指令手段を含み、燃料ポンプ8に接続されている。インジェクタ駆動手段24の燃料噴射指令手段は、CPU22からの指令に応じてインジェクタ駆動時間Toutに対応するインジェクタ駆動信号Siを発生し、これによりインジェクタ4からToutの時間幅だけ燃料が噴射される。同様に、燃料ポンプ駆動手段25のポンプ駆動指令手段は、CPU22からの指令に応じて燃料ポンプ駆動時間Tpumpに対応する燃料ポンプ駆動信号Spを発生し、これにより燃料ポンプ8はTpumpの時間幅だけ駆動される。
【0008】
入力インターフェース回路20には、エンジン冷却水温を検出する水温センサ26、吸気管1内の負圧を検出する吸気圧センサ27及び排気管13に設けられ排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ28等のエンジンパラメータ検出手段が接続されている。
回転数カウンタ21には、クランク角センサ29が接続されている。クランク角センサ29は、エンジン本体3のクランク軸3aが所定の角度(例えば15度)だけ回転する毎にクランクパルスを発生する。これらのクランクパルスは、例えば、クランクの回転に対する基準位置パルス及び燃料ポンプの駆動における基準タイミング(クランク角θst)に対応する所定基準タイミングパルスPstを含んでいる。また、クランクの回転と同期する回転体3bの近傍にカム角センサ30が設けられており、例えば、代表気筒(多気筒の場合には基準気筒、単気筒の場合にはそれ自身)のピストンの圧縮上死点を示すTDC信号を発し、更には、クランク軸3aが720度回転する毎に基準位置信号を発して、これらをCPU22へ供給する。
【0009】
回転数カウンタ21は、クランク角センサ29から出力されるクランクパルスによってリセットされてクロック発生器(図示せず)から出力されたクロックパルスを計数し、そのクロックパルス発生数を計数することによりエンジン回転数Neを示す信号を発生する。
CPU22には、入力インターフェース回路20からセンサ26〜28による冷却水温、吸気管内負圧及び酸素濃度の各検出情報が供給され、回転数カウンタ21からエンジン回転数の情報が供給され、クランク角センサ29からTDC信号及び基準位置信号が供給される。また、メモリ23には、CPU22の動作を司るプログラムやこのプログラムによって処理される諸データが記憶される。
【0010】
図3は、CPU22が所定クロックに同期して実行する燃料噴射タイミング制御ルーチンを示すフローチャートである。燃料噴射タイミング制御ルーチンにおいては、クランク角センサ29からのクランクパルスによってクランクの基準位置を検知すると、まず、回転数カウンタ21の計数値に基づいてエンジン回転数Neを読み取る(ステップS1)。次に、このエンジン回転数Neに応じて、エンジンサイクル毎の燃料噴射時間Tout、燃料ポンプ駆動開始遅延時間Tp及び燃料噴射開始遅延時間Tfを設定する(ステップS2)。例えば、燃料噴射時間Toutは、次の算出式を用いて設定される。
【0011】
Tout=Ti×K02
ここで、Tiは、エンジン回転数と吸気管内負圧とに応じて、メモリ23に予め記録されたデータテーブルからのデータマップ検索により決定される空燃比基準制御値を表す基本燃料噴射時間であり、K02は、酸素濃度センサ28の出力信号に基づく空燃比フィードバック制御において算出された空燃比補正係数である。なお、燃料噴射時間Toutは、加速補正や減速補正等の各種の補正を加えて決定され得る。また、燃料ポンプ駆動開始遅延時間Tp及び燃料噴射開始遅延時間Tfは、直前のエンジンサイクルにおける燃料噴射時のエンジン回転数Neに基づいて、メモリ23に予め記録されたデータテーブルからのデータマップ検索により設定される。
【0012】
次に、ステップS2で設定された燃料噴射時間Toutに応じて燃料ポンプ駆動時間Tpumpをメモリ23からのデータマップ検索により設定する(ステップS3)。続いて、クランク角センサ29からのクランクパルスに基づいてクランク角の現在値θを検知し(ステップS4)、クランク角の現在値θが所定基準タイミングクランク角θstか否かを判別する(ステップS5)。クランクパルスPstが到来してクランク角の現在値がθstであると判断した場合は、タイマーをリセットし(ステップS6)、計時を開始する(ステップS7)。続いて、タイマーの経過時間がステップS2で設定された燃料ポンプ駆動開始遅延時間Tpだけ経過したか否かを判別する(ステップS8)。タイマー経過時間がTpに達していない場合は、ステップS7に戻って計時を継続する。タイマー経過時間がTpに達した場合は、燃料ポンプ駆動手段25のポンプ駆動指令手段からポンプ駆動指令を出力する(ステップS9)。
【0013】
次に、再びタイマーをリセットし(ステップS10)、計時を開始する(ステップS11)。続いて、タイマーの経過時間がステップS2で設定された燃料噴射開始遅延時間Tfだけ経過したか否かを判別する(ステップS12)。タイマー経過時間がTfに達していない場合は、ステップS11に戻って計時を継続する。タイマー経過時間がTfに達した場合は、インジェクタ駆動手段24の燃料噴射指令手段から燃料噴射指令を出力し(ステップS13)、ルーチンを終了する。
【0014】
ステップS5において、クランク角の現在値θが所定基準タイミングクランク角θstでないと判断した場合は、そのままルーチンを終了する。
図4は、図3に示されたルーチンの実行によるクランク角センサ信号、燃料ポンプ駆動タイミング、燃料圧力及び燃料噴射タイミングの時間的関係を示している。まず時刻t1において、クランク角の所定基準タイミングパルスPstが到来する。この時刻t1は、クランク角θstに対応する燃料噴射タイミング制御ルーチンの所定基準タイミングである。時刻t2は、燃料ポンプ8の駆動開始タイミングであり、燃料噴射タイミング制御ルーチンにおいて設定された燃料ポンプ駆動開始遅延時間Tpだけ時刻t1より遅れている。よって、燃料ポンプ8は、時刻t2から時間Tpump後の時刻t5まで、例えば所定周波数にて駆動される。時刻t3は、インジェクタ4の駆動開始タイミングであり、燃料噴射タイミング制御ルーチンにおいて設定された燃料噴射開始遅延時間Tfだけ時刻t2より遅れている。よって、インジェクタ4は、時刻t3から時間Tout後の時刻t4まで開弁駆動される。
【0015】
図3に示された燃料噴射タイミング制御ルーチンを実行することによって、燃料ポンプ8は、常にクランクの所定基準タイミング角度θstから燃料ポンプ駆動開始遅延時間Tpだけ遅れたクランク角度で駆動を開始し、インジェクタ4は、常に燃料ポンプの駆動開始クランク角度から燃料噴射開始遅延時間Tfだけ遅れたクランク角度、すなわちクランクの所定基準タイミング角度θstから時間(Tp+Tf)だけ遅れたクランク角度で駆動を開始する。また、時刻t2からt3までの経過時間すなわち燃料噴射開始遅延時間Tfは、燃料圧送ラグに相当し、燃圧の上昇がこの時間内に十分に行われるようにTfを設定する。
【0016】
このように、燃料ポンプをクランクの所定の基準タイミング位置検知時刻より所定の時間だけ遅らせて駆動し、インジェクタをプランジャ式燃料ポンプの駆動開始時刻より更に所定の時間だけ遅らせて駆動することにより、常にクランクの所定基準位置から所望の時間だけ経過した時点での燃料噴射が可能となり、かつ燃料の圧力変動の影響を受けない燃料噴射が可能となる。また、インジェクタの噴射に同期する燃料ポンプ駆動時間Tpumpだけ燃料ポンプを駆動するので、ポンプ駆動のための消費電力を低減させることが可能となる。
【0017】
なお、上記した実施例においては、インジェクタ4は、吸気管1に設けられて吸気管1内に噴射する形態であるが、エンジン本体3のシリンダ内に直接噴射する形態でも良い。また、複数の気筒の内燃エンジンにおいては、気筒毎に設けられたインジェクタによって燃料を噴射する方式と単一のインジェクタによって全気筒に対して燃料を噴射する方式とがあるが、いずれの装置についても本発明を適用することができる。
【0018】
【発明の効果】
以上の如く、本発明のプランジャ式燃料ポンプを含む燃料噴射装置によれば、インジェクタへ圧送される燃料に圧力変動があってもエンジン気筒内の安定した燃焼が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したエンジン制御システムを示す概略図である。
【図2】図1で示されたシステム中のECUの構成を示すブロック図である。
【図3】燃料噴射タイミング制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】クランク角センサ信号、燃料ポンプ駆動タイミング、燃料圧力及び燃料噴射タイミングの時間的関係を示す図である。
【符号の説明】
1 吸気管
2 スロットル弁
3 エンジン本体
4 インジェクタ
6 燃料タンク
7 燃料供給管
8 燃料ポンプ
10 ECU
【発明の属する技術分野】
本発明は、プランジャ式燃料ポンプを含む内燃エンジンの燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃エンジンの燃料タンクから燃料を吸い上げてインジェクタや気化器に圧送する燃料ポンプには、例えばプランジャ式燃料ポンプがある(例えば、特開平8−114179号公報参照)。
プランジャ式燃料ポンプは、磁性体のピストンを有する筒状のプランジャと、そのプランジャのピストンを燃料吐出方向に付勢するバネと、励磁されているときにピストンを燃料吸引方向に移動させるコイルと、コイルを断続的に励磁させる発振回路とを備えている。発振回路に電源電圧が供給されると、コイルの励磁が発振回路によって断続的に実行されてプランジャピストンの燃料吸引方向への移動とバネの付勢によるプランジャピストンの燃料吐出方向への移動とが交互に行われて、その往復運動がポンプ作用となって燃料が吐出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなプランジャ式燃料ポンプを用いた内燃エンジンの燃料噴射装置においては、イグニッションスイッチがオンとなると、燃料ポンプが予め定められた周波数によって周期的に駆動される。インジェクタへ圧送される燃料は、プランジャピストンの往復運動によって圧力変動を起こすので、インジェクタの開弁時間を一定にした場合でも圧力変動により燃料噴射量も変動してしまい、燃焼状態が不安定になるという問題点があった。
【0004】
そこで、本発明は、プランジャ式燃料ポンプによる燃料の供給圧力変動の影響の小なる燃料噴射装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料ポンプを含む燃料噴射装置は、内燃エンジンに燃料を噴射するインジェクタと、前記インジェクタに前記燃料を供給するプランジャ式燃料ポンプと、燃料噴射指令に応じて前記インジェクタを噴射駆動するインジェクタ駆動手段と、ポンプ駆動指令に応じて前記燃料ポンプを駆動するポンプ駆動手段と、前記インジェクタ駆動手段とポンプ駆動手段とに前記燃料噴射指令及び前記ポンプ駆動指令を供給する制御手段とを含む燃料噴射装置であって、前記制御手段は、前記内燃エンジンのエンジンサイクル毎のクランク角度位置が所定基準位置に達したことを検出すると第1計時指令を発する検出手段と、前記第1計時指令に応じて所定の燃料ポンプ駆動開始遅延時間の計時を開始し、前記燃料ポンプ駆動開始遅延時間の計時を終了すると第2計時指令を発するポンプ駆動指令手段と、前記第2計時指令が発せられた後に所定の燃料噴射開始遅延時間の計時を開始し、前記燃料噴射開始遅延時間の計時を終了すると前記燃料噴射指令を発する燃料噴射指令手段と、からなることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明によるプランジャ式燃料ポンプを用いた燃料噴射装置を含む車載4サイクル内燃エンジンのエンジン制御システムを示している。
内燃エンジンの吸気管1には、スロットル弁2が設けられ、スロットル弁2の開度に応じた量の吸入空気が吸気管1を介してエンジン本体3の吸入ポートに供給されるようになっている。エンジン本体3の吸気ポート近傍の吸気管1には、燃料噴射用のインジェクタ4が設けられている。インジェクタ4には、燃料タンク6から燃料供給管7が接続されている。燃料供給管7の途中には、プランジャ式燃料ポンプ8が設けられている。燃料ポンプ8は、例えば、特開平8−114179号公報に開示された構成を有しており、後述のECU(電子制御ユニット)10による駆動指令に応じて作動して、燃料タンク6内の燃料を吸入側の燃料供給管7を介して吸い込み、インジェクタ4に吐出側の燃料供給管7を介して圧送する。インジェクタ4は、ECU10による駆動によって燃料を吸気管内に噴射する。
【0007】
また、エンジン本体3には点火プラグ11が固着されており、点火プラグ11は点火装置12に接続されている。点火装置12はECU10からの点火指令に応じて点火プラグ11に高電圧を与えてシリンダ内で火花放電を起こすのである。
ECU10は、図2に示すように、入力インターフェース回路20と、回転数カウンタ21と、CPU(中央演算ユニット)22と、メモリ23と、インジェクタ駆動手段24と、燃料ポンプ駆動手段25と、を備えている。インジェクタ駆動手段24は、燃料噴射指令手段を含み、インジェクタ4に接続されている。同様に、燃料ポンプ駆動手段25は、ポンプ駆動指令手段を含み、燃料ポンプ8に接続されている。インジェクタ駆動手段24の燃料噴射指令手段は、CPU22からの指令に応じてインジェクタ駆動時間Toutに対応するインジェクタ駆動信号Siを発生し、これによりインジェクタ4からToutの時間幅だけ燃料が噴射される。同様に、燃料ポンプ駆動手段25のポンプ駆動指令手段は、CPU22からの指令に応じて燃料ポンプ駆動時間Tpumpに対応する燃料ポンプ駆動信号Spを発生し、これにより燃料ポンプ8はTpumpの時間幅だけ駆動される。
【0008】
入力インターフェース回路20には、エンジン冷却水温を検出する水温センサ26、吸気管1内の負圧を検出する吸気圧センサ27及び排気管13に設けられ排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ28等のエンジンパラメータ検出手段が接続されている。
回転数カウンタ21には、クランク角センサ29が接続されている。クランク角センサ29は、エンジン本体3のクランク軸3aが所定の角度(例えば15度)だけ回転する毎にクランクパルスを発生する。これらのクランクパルスは、例えば、クランクの回転に対する基準位置パルス及び燃料ポンプの駆動における基準タイミング(クランク角θst)に対応する所定基準タイミングパルスPstを含んでいる。また、クランクの回転と同期する回転体3bの近傍にカム角センサ30が設けられており、例えば、代表気筒(多気筒の場合には基準気筒、単気筒の場合にはそれ自身)のピストンの圧縮上死点を示すTDC信号を発し、更には、クランク軸3aが720度回転する毎に基準位置信号を発して、これらをCPU22へ供給する。
【0009】
回転数カウンタ21は、クランク角センサ29から出力されるクランクパルスによってリセットされてクロック発生器(図示せず)から出力されたクロックパルスを計数し、そのクロックパルス発生数を計数することによりエンジン回転数Neを示す信号を発生する。
CPU22には、入力インターフェース回路20からセンサ26〜28による冷却水温、吸気管内負圧及び酸素濃度の各検出情報が供給され、回転数カウンタ21からエンジン回転数の情報が供給され、クランク角センサ29からTDC信号及び基準位置信号が供給される。また、メモリ23には、CPU22の動作を司るプログラムやこのプログラムによって処理される諸データが記憶される。
【0010】
図3は、CPU22が所定クロックに同期して実行する燃料噴射タイミング制御ルーチンを示すフローチャートである。燃料噴射タイミング制御ルーチンにおいては、クランク角センサ29からのクランクパルスによってクランクの基準位置を検知すると、まず、回転数カウンタ21の計数値に基づいてエンジン回転数Neを読み取る(ステップS1)。次に、このエンジン回転数Neに応じて、エンジンサイクル毎の燃料噴射時間Tout、燃料ポンプ駆動開始遅延時間Tp及び燃料噴射開始遅延時間Tfを設定する(ステップS2)。例えば、燃料噴射時間Toutは、次の算出式を用いて設定される。
【0011】
Tout=Ti×K02
ここで、Tiは、エンジン回転数と吸気管内負圧とに応じて、メモリ23に予め記録されたデータテーブルからのデータマップ検索により決定される空燃比基準制御値を表す基本燃料噴射時間であり、K02は、酸素濃度センサ28の出力信号に基づく空燃比フィードバック制御において算出された空燃比補正係数である。なお、燃料噴射時間Toutは、加速補正や減速補正等の各種の補正を加えて決定され得る。また、燃料ポンプ駆動開始遅延時間Tp及び燃料噴射開始遅延時間Tfは、直前のエンジンサイクルにおける燃料噴射時のエンジン回転数Neに基づいて、メモリ23に予め記録されたデータテーブルからのデータマップ検索により設定される。
【0012】
次に、ステップS2で設定された燃料噴射時間Toutに応じて燃料ポンプ駆動時間Tpumpをメモリ23からのデータマップ検索により設定する(ステップS3)。続いて、クランク角センサ29からのクランクパルスに基づいてクランク角の現在値θを検知し(ステップS4)、クランク角の現在値θが所定基準タイミングクランク角θstか否かを判別する(ステップS5)。クランクパルスPstが到来してクランク角の現在値がθstであると判断した場合は、タイマーをリセットし(ステップS6)、計時を開始する(ステップS7)。続いて、タイマーの経過時間がステップS2で設定された燃料ポンプ駆動開始遅延時間Tpだけ経過したか否かを判別する(ステップS8)。タイマー経過時間がTpに達していない場合は、ステップS7に戻って計時を継続する。タイマー経過時間がTpに達した場合は、燃料ポンプ駆動手段25のポンプ駆動指令手段からポンプ駆動指令を出力する(ステップS9)。
【0013】
次に、再びタイマーをリセットし(ステップS10)、計時を開始する(ステップS11)。続いて、タイマーの経過時間がステップS2で設定された燃料噴射開始遅延時間Tfだけ経過したか否かを判別する(ステップS12)。タイマー経過時間がTfに達していない場合は、ステップS11に戻って計時を継続する。タイマー経過時間がTfに達した場合は、インジェクタ駆動手段24の燃料噴射指令手段から燃料噴射指令を出力し(ステップS13)、ルーチンを終了する。
【0014】
ステップS5において、クランク角の現在値θが所定基準タイミングクランク角θstでないと判断した場合は、そのままルーチンを終了する。
図4は、図3に示されたルーチンの実行によるクランク角センサ信号、燃料ポンプ駆動タイミング、燃料圧力及び燃料噴射タイミングの時間的関係を示している。まず時刻t1において、クランク角の所定基準タイミングパルスPstが到来する。この時刻t1は、クランク角θstに対応する燃料噴射タイミング制御ルーチンの所定基準タイミングである。時刻t2は、燃料ポンプ8の駆動開始タイミングであり、燃料噴射タイミング制御ルーチンにおいて設定された燃料ポンプ駆動開始遅延時間Tpだけ時刻t1より遅れている。よって、燃料ポンプ8は、時刻t2から時間Tpump後の時刻t5まで、例えば所定周波数にて駆動される。時刻t3は、インジェクタ4の駆動開始タイミングであり、燃料噴射タイミング制御ルーチンにおいて設定された燃料噴射開始遅延時間Tfだけ時刻t2より遅れている。よって、インジェクタ4は、時刻t3から時間Tout後の時刻t4まで開弁駆動される。
【0015】
図3に示された燃料噴射タイミング制御ルーチンを実行することによって、燃料ポンプ8は、常にクランクの所定基準タイミング角度θstから燃料ポンプ駆動開始遅延時間Tpだけ遅れたクランク角度で駆動を開始し、インジェクタ4は、常に燃料ポンプの駆動開始クランク角度から燃料噴射開始遅延時間Tfだけ遅れたクランク角度、すなわちクランクの所定基準タイミング角度θstから時間(Tp+Tf)だけ遅れたクランク角度で駆動を開始する。また、時刻t2からt3までの経過時間すなわち燃料噴射開始遅延時間Tfは、燃料圧送ラグに相当し、燃圧の上昇がこの時間内に十分に行われるようにTfを設定する。
【0016】
このように、燃料ポンプをクランクの所定の基準タイミング位置検知時刻より所定の時間だけ遅らせて駆動し、インジェクタをプランジャ式燃料ポンプの駆動開始時刻より更に所定の時間だけ遅らせて駆動することにより、常にクランクの所定基準位置から所望の時間だけ経過した時点での燃料噴射が可能となり、かつ燃料の圧力変動の影響を受けない燃料噴射が可能となる。また、インジェクタの噴射に同期する燃料ポンプ駆動時間Tpumpだけ燃料ポンプを駆動するので、ポンプ駆動のための消費電力を低減させることが可能となる。
【0017】
なお、上記した実施例においては、インジェクタ4は、吸気管1に設けられて吸気管1内に噴射する形態であるが、エンジン本体3のシリンダ内に直接噴射する形態でも良い。また、複数の気筒の内燃エンジンにおいては、気筒毎に設けられたインジェクタによって燃料を噴射する方式と単一のインジェクタによって全気筒に対して燃料を噴射する方式とがあるが、いずれの装置についても本発明を適用することができる。
【0018】
【発明の効果】
以上の如く、本発明のプランジャ式燃料ポンプを含む燃料噴射装置によれば、インジェクタへ圧送される燃料に圧力変動があってもエンジン気筒内の安定した燃焼が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したエンジン制御システムを示す概略図である。
【図2】図1で示されたシステム中のECUの構成を示すブロック図である。
【図3】燃料噴射タイミング制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】クランク角センサ信号、燃料ポンプ駆動タイミング、燃料圧力及び燃料噴射タイミングの時間的関係を示す図である。
【符号の説明】
1 吸気管
2 スロットル弁
3 エンジン本体
4 インジェクタ
6 燃料タンク
7 燃料供給管
8 燃料ポンプ
10 ECU
Claims (3)
- 内燃エンジンに燃料を噴射するインジェクタと、前記インジェクタに前記燃料を供給するプランジャ式燃料ポンプと、燃料噴射指令に応じて前記インジェクタを噴射駆動するインジェクタ駆動手段と、ポンプ駆動指令に応じて前記燃料ポンプを駆動するポンプ駆動手段と、前記インジェクタ駆動手段とポンプ駆動手段とに前記燃料噴射指令及び前記ポンプ駆動指令を供給する制御手段とを含む燃料噴射装置であって、
前記制御手段は、
前記内燃エンジンのエンジンサイクル毎のクランク角度位置が所定基準位置に達したことを検出すると第1計時指令を発する検出手段と、
前記第1計時指令に応じて所定の燃料ポンプ駆動開始遅延時間の計時を開始し、前記燃料ポンプ駆動開始遅延時間の計時を終了すると第2計時指令を発するポンプ駆動指令手段と、
前記第2計時指令が発せられた後に所定の燃料噴射開始遅延時間の計時を開始し、前記燃料噴射開始遅延時間の計時を終了すると前記燃料噴射指令を発する燃料噴射指令手段と、
からなることを特徴とする燃料噴射装置。 - 前記燃料ポンプ駆動開始遅延時間は、前記燃料噴射制御開始指令の発せられた1つのエンジンサイクルに対する直前のエンジンサイクルにおける前記燃料噴射指令の発令時における前記内燃エンジンのエンジン回転数に基づいて設定されることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射装置。
- 前記燃料噴射開始遅延時間は、前記燃料噴射制御開始指令の発せられた1つのエンジンサイクルに対する直前のエンジンサイクルにおける前記燃料噴射指令の発令時における前記内燃エンジンのエンジン回転数に基づいて設定されることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003138124A JP2004340041A (ja) | 2003-05-16 | 2003-05-16 | 燃料ポンプを含む燃料噴射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003138124A JP2004340041A (ja) | 2003-05-16 | 2003-05-16 | 燃料ポンプを含む燃料噴射装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004340041A true JP2004340041A (ja) | 2004-12-02 |
Family
ID=33527586
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003138124A Withdrawn JP2004340041A (ja) | 2003-05-16 | 2003-05-16 | 燃料ポンプを含む燃料噴射装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004340041A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018123695A (ja) * | 2017-01-30 | 2018-08-09 | 株式会社デンソー | 燃料噴射制御装置 |
-
2003
- 2003-05-16 JP JP2003138124A patent/JP2004340041A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018123695A (ja) * | 2017-01-30 | 2018-08-09 | 株式会社デンソー | 燃料噴射制御装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2005307916A (ja) | 内燃機関の燃料噴射制御装置 | |
TWI223028B (en) | Control system for plunger-type fuel pump | |
US7322342B2 (en) | Control device of in-cylinder direct-injection internal combustion engine | |
JP2577210B2 (ja) | 内燃機関の電子制御燃料噴射装置 | |
US5325835A (en) | Electronic fuel injection system for engine | |
JPH09177589A (ja) | 内燃機関の筒内噴射式燃料制御装置 | |
US7549409B2 (en) | Fuel supply amount control system and boat propulsion unit | |
JP2004340041A (ja) | 燃料ポンプを含む燃料噴射装置 | |
JP2004340042A (ja) | 燃料ポンプを含む燃料噴射装置 | |
JP3828221B2 (ja) | 内燃機関の筒内噴射式燃料制御装置及び方法 | |
JP2004340043A (ja) | 燃料ポンプを含む燃料噴射装置 | |
JP2005201185A (ja) | エンジンの制御装置 | |
JP2004353598A (ja) | 内燃エンジンの空燃比制御装置 | |
US9599085B2 (en) | Engine fuel injection device | |
JP2007224810A (ja) | 内燃機関の燃料噴射装置及び方法 | |
JP2008051000A (ja) | 燃料噴射制御装置および方法 | |
JPH0718357B2 (ja) | 内燃機関の燃料噴射制御装置 | |
JP2003328816A (ja) | 筒内噴射式内燃機関の始動時制御装置 | |
JP3699510B2 (ja) | 内燃機関の始動時燃料供給制御装置 | |
JP2917183B2 (ja) | 内燃機関の燃料噴射装置における始動制御装置 | |
JPH06185387A (ja) | 内燃機関の燃料噴射制御装置 | |
JP3326750B2 (ja) | 電子制御燃料噴射装置 | |
JP2006316655A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2016125351A (ja) | エンジンの回転停止位置制御装置 | |
JP2001050083A (ja) | 内燃機関の燃料噴射制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20070731 |