JP2004339625A - 耐炎性布帛 - Google Patents

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Eiichi Yoshino
榮一 吉野
Tadahiko Ishibashi
忠彦 石橋
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Abstract

【課題】耐炎繊維からなる種々の製品の原反として使用される耐炎性布帛に関し、コーティングによる目留加工を行わずに火花受けとして使用することができる耐炎性布帛を提供することを課題とする。
【解決手段】耐炎繊維を繻子織で織成して布帛が構成されていることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐炎繊維からなる種々の製品の原反として使用される耐炎性布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の耐炎性布帛は、耐炎繊維を平織や綾織で織成して構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような平織や綾織で織成された従来の耐炎性布帛では、高い密度が得られず、糸と糸とが交絡している折り目から小さい火の粉が貫通するという欠点があった。
【0004】
このため、このような平織や綾織で織成された耐炎性布帛は、火花受けとしては使用することができず、カーテンのような形態に加工して使用されていた。
【0005】
また、火花受けとして使用する場合には、コーティングをすることにより目留加工がなされており、結果として製造に手間がかかるとともに、製造コストも高くついていた。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、コーティングによる目留加工を行わずに火花受けとして使用することができる耐炎性布帛を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その課題を解決するための手段は、耐炎繊維を繻子織で織成して耐炎性布帛を構成したことである。
【0008】
耐炎性布帛の目付けは、150 〜2000g/mとすることが好ましい。150g/m未満であると、密度が低く、織目の粗い布帛となり、火花受けとして使用し難いものになるおそれがある一方で、2000g/mを超えると、繻子織物が織成されにくい状態となり、またコストも高くつくことになるからである。この観点からは、250 g/m〜1200g/mであることがより好ましく、400g/m〜800g/mであることがさらに好ましい。
【0009】
繻子織物の打ち込み本数は、縦糸35本〜70本、横糸25本〜60本とすることが好ましい。縦糸35本未満及び横糸25本未満であると、密度が低く、織目の粗い布帛となり、火花受けとして使用し難いものになるおそれがある一方で、縦糸70本、横糸60本を超えると、繻子織物が織成されにくい状態となり、またコストも高くつくことになるからである。この観点からは、縦糸42本〜55本、横糸32本〜45本であることがより好ましく、縦糸44本〜50本、横糸34本〜40本であることがさらに好ましい。
【0010】
また、密度を上げるために糸のテンションがかかるという繻子織りに要求される糸の強度を考慮すると、トウ紡績法で紡績された糸で耐炎性布帛を織成することが好ましい。
【0011】
耐炎繊維としては、たとえばポリアクリル繊維、セルロース繊維、又はピッチ繊維を前躯体として酸化処理されたような繊維を使用することができる。
【0012】
本発明の耐炎性布帛は、コーティングによる目留加工を行わずに火花受けとして使用することを意図するものであるが、必要に応じて少なくとも布帛の片面にコーティングすることを妨げるものではなく、コーティングすることでより耐炎性が向上するという利点がある。
【0013】
この場合のコーティング剤としては、金属水酸化物、酸化物、又はそれらの混合物、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、又はバーミキュライトのような粘土鉱物等を用いることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0015】
一実施形態の耐炎性布帛は、ポリアクリル繊維を前躯体として酸化処理した耐炎繊維を用いて繻子織りで織成した。先ず、耐炎繊維から紡績糸を生産し、番手は2/11.31 とした。紡績は、トウ紡績法で行った。具体的には、2.2dtex X320k filament を原料としてトウ紡績法によりサイデル又はトウリアクター等で切断、ギル、粗紡、精紡、撚糸という工程を経てメートル番手2/11.31 の紡績糸を生産した。
【0016】
このような紡績糸を縦糸、横糸として繻子織りで布帛を織成した。布帛は、縦糸の本数が45本、横糸の本数が36本で、目付が650g/mとなるように織成した。
【0017】
上記のようにして得られた布帛にコーティングを施すことが可能である。コーティングの方法は、コーティン剤によっても異なるが、水酸化物又は酸化物をコーティングする場合には、シリコン樹脂をバインダーとする。シリコン樹脂は粘度が高いこともあり、ナイフコート法で実施する。
【0018】
両面コーティングする場合には、表裏それぞれをコーティングするので、2工程が必要となる。
【0019】
尚、シリコン樹脂をバインダーにしてコーティングする際、顔料を入れて緑、赤、空色等に着色することも可能である。一般に、この種の耐炎性布帛は灰色にコーティングされているが、緑、赤、空色等に着色すれば、耐炎性布帛を持参するような場合に、容易に識別することができる。
【0020】
一方、アクリル系樹脂やウレタン系樹脂は粘度が低いので、浸漬法でコーティングがなされる。バーミキュライトのような無機物も浸漬法でコーティングがなされる。いずれにしても、コーティング剤の粘度で方法を選択することができる。
【0021】
尚、上記実施形態では、ポリアクリル繊維を前躯体として酸化処理した耐炎繊維を用いたが、耐炎繊維の素材は該実施形態に限定されるものではなく、たとえばセルロース繊維、又はピッチ繊維を前躯体として酸化処理された繊維を用いることも可能である。
【0022】
また、布帛を構成する縦糸の本数、横糸の本数、目付の数値も該実施形態に限定されるものではない。ただし、火花受けとして使用するのに適した密度を有し、且つ繻子織物が織成されにくい状態となるのを避ける観点からは、耐炎性布帛の目付けは、上述のように150 〜2000g/mとすることが好ましく、250 〜1200g/mとすることがより好ましく、400 〜800g/mとすることがさらに好ましい。
【0023】
同様の観点からは、繻子織物の打ち込み本数は、縦糸35本〜70本、横糸25本〜60本とすることが好ましく、縦糸42本〜55本、横糸32本〜45本とすることがより好ましく、縦糸44本〜50本、横糸34本〜40本とすることがさらに好ましい。
【0024】
尚、本発明は、上記実施形態のように、トウ紡績法で紡績した糸を用いて布帛を織成することを主眼とするものではあるが、スフ紡績法で紡績した糸を用いて布帛を織成することを妨げるものではない。
【0025】
ただし、本発明のような繻子織りで織成された布帛の場合、次のような理由からスフ紡績法で紡績した糸に比べてトウ紡績法で紡績した糸を用いて布帛を織成することが非常に好ましい。
【0026】
すなわち、耐炎繊維はアクリル繊維を酸化しているため、合成繊維に比較して強度、伸度が非常に低い。そのためスフ紡績の場合はカードという工程で開織するが、この工程は針で糸を櫛けずるので単糸が切断し易く、紡績糸の強度が低い。そのため、その後の工程、たとえば織物の工程でテンションがかかりすぎると紡績糸が切れ易く、効率よく織成することができない。また、フライやネップが多いため、繻子織りで織成するのが比較的困難になり易い。
【0027】
これに対して、トウ紡績の場合は、カードプロセスのような工程がないため、原料の耐炎繊維が傷つきにくいので、紡績糸の強度が比較的大きくなる。そのため、繻子織りのようなテンションがかかる織物の生産にも耐えられることとなる。
【0028】
尚、スフ紡績法では、たとえば2.2dtex X51mmを原料として2インチ紡のプロセスで、カード、連条、粗紡、精紡、撚糸という工程を経て、メートル番手2/11.3の糸を生産する。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0030】
(火花受け試験)
上記のような耐炎性布帛に対して、JIS A1323の溶断火花に対する難燃性試験を行った。
【0031】
この試験は、ガス自動溶断機から噴出されるアセチレンガスによって鉄板を溶断し、その溶断の際に発生する火花が貫通するか否か等によって試験体である耐炎性布帛の耐炎性を測定する試験である。
【0032】
この試験用の装置は、ガイドレールを備えており、そのガイドレール上をスライドするようにガス自動溶断機を取り付け、そのガイドレールの所定位置に鉄板が配置されている。またガイドレールの下方に試験体である耐炎性布帛が配置される。そして、ガイドレール上でガス自動溶断機をスライドさせて移動させつつアセチレンガスで鉄板を溶断し、その溶断の際に下向きに発生する火花によって耐炎性布帛に発炎等が生ずるかが確認される。
【0033】
具体的には、次の3種の方法によって耐炎性の程度を判断する。
A種:厚さ9mmの火花発生用鋼板を溶断するとき、発生する火花に対し発 炎及び防火上有害な貫通孔がないこと。
B種:厚さ4.5mmの火花発生用鋼板を溶断するとき、発生する火花に対し 発炎及び防火上有害な貫通孔がないこと。
C種:厚さ3.2mmの火花発生用鋼板を溶断するとき、発生する火花に対し 発炎及び防火上有害な貫通孔がないこと。
【0034】
試験の結果、繻子織りで織成された上記実施例の耐炎性布帛の場合、最も強い火花が発生するA種の試験においても発炎が生ずることはなく、また防火上有害な貫通孔が生ずることもなかった。
これに対して、従来の平織で織成した耐炎性布帛の場合、A種の試験においても発炎こそ生じなかったものの、防火上有害な貫通孔が生じた。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、耐炎繊維からなる繻子織物で耐炎性布帛を構成したため、従来の平織や綾織で織成されたものに比べて高密度の耐炎性布帛が得られることとなる。
【0036】
従って、微細な火花であっても折り目の間隙から抜け出ることとがなく、火花受けとして好適に使用することができるという効果がある。
【0037】
この結果、従来のようにコーティングによる目留加工を行わなくとも火花受けとして使用することができ、製造が複雑化することなく、製造コストも高くつくことのない耐炎性布帛を提供することが可能となる。
【0038】
また、高密度且つ軽量でしかも柔軟であるので、凹凸面の上に敷設した場合でも、そのような凹凸面に沿って敷設することができるという効果がある。
【0039】
さらに、目付けを150〜2000g/mとした場合には、火花受けとして使用するのに適した細かさの密度及び織り組織を有するという効果がある。また、繻子織物の打ち込み本数が、縦糸35本〜70本、横糸25本〜60本とした場合には、密度及び織り組織が火花受けにより適したものになる。
【0040】
さらにトウ紡績法で紡績した糸で織成した場合には、織成時に密度を上げるために糸のテンションがかかるという繻子織りに要求される糸の強度等に適した織成を行うことができるという効果がある。
【0041】
さらに、縦糸が一面に並ぶように織成した場合には、布帛の表面が鏡面となり、火花が付着しにくいので、火花受けシートとして使用した場合の寿命が長くなるという効果がある。

Claims (7)

  1. 耐炎繊維を繻子織で織成して布帛が構成されていることを特徴とする耐炎性布帛。
  2. 布帛の目付けが150 〜2000g/mである請求項1記載の耐炎性布帛。
  3. 繻子織の打ち込み本数が、縦糸35〜70本、横糸25〜60本である請求項1又は2記載の耐炎性布帛。
  4. トウ紡績法で紡績された糸で織成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の耐炎性布帛。
  5. 耐炎繊維が、ポリアクリル繊維、セルロース繊維、又はピッチ繊維を前躯体として酸化処理された繊維である請求項1乃至4のいずれかに記載の耐炎性布帛。
  6. 少なくとも布帛の片面がコーティングされている請求項1乃至5のいずれかに記載の耐炎性布帛。
  7. コーティング剤が、金属水酸化物、酸化物、又はそれらの混合物、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、又はバーミキュライトである請求項6記載の耐炎性布帛。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008296370A (ja) * 2007-05-29 2008-12-11 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 耐火・耐熱性膜材料
JP2012512765A (ja) * 2008-12-18 2012-06-07 スネクマ タービンエンジン翼の製造方法

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