JP2004339590A - 表面処理装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】冶具により垂直状態に保持された板状或いはシート状被処理物を浸漬により表面処理する際、極薄基材の四辺を固定、保持することなく、また被処理物の機械的損傷を与えることなく、表面に充分な液流を供給し、且つ比較的狭い幅の処理槽での処理を可能とすることで液循環流量の低下、動力エネルギーの低下、及び全体液量の低下を実現させ、所定の化学処理を省力的、効果的に行う。
【構成】搬送梁又はハンガーに取り付けられた冶具を用いて被処理物(2)を垂直状態に保持して浸漬により表面処理する表面処理装置において、処理槽(1)に入る被処理物(2)の上方から処理液をほぼ垂直に流す手段(3)と、この流れを下方に吸引するための手段とを有するように構成する。
【選択図】 図1
【構成】搬送梁又はハンガーに取り付けられた冶具を用いて被処理物(2)を垂直状態に保持して浸漬により表面処理する表面処理装置において、処理槽(1)に入る被処理物(2)の上方から処理液をほぼ垂直に流す手段(3)と、この流れを下方に吸引するための手段とを有するように構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板等の板状或いはシート状被処理物を垂直に懸架して搬送しながら化成処理、めっき処理等の化学的表面処理を行うための装置に関する。特に被処理物における厚みが非常に薄く、従来技術ではその表面処理のための搬送や処理が難しい場合でも容易に脱泡、化成処理、硫酸銅めっき等を施すことができるものである。
【0002】
【従来の技術】
板状或いはシート状の被処理物を垂直に懸架して搬送する化成処理及びめっき処理装置においては、四角の枠状冶具の内側に被処理物を取り付けて、又は被処理物の上方をクランプすることで被処理物を保持し、フライトバー又はキャリアバーと呼ばれる搬送梁に懸架して処理槽へ上方から投入し、浸漬処理が行われる。この際、被処理物はその取り付けられた冶具のいかんに限らず、通常装備される空気利用の液撹拌装置や液循環吐出装置による上昇流によって左右に煽られて、投入時の垂直状態を維持できず、左右の揺れを生じながら所定位置に下降・投入される。そのため、処理槽内の壁や内容物と被処理物が衝突することを避けることができるように、処理槽の幅は或る程度広く設計する必要があった。そして、生産量を増加させる要因であり処理サイクルの一因でもある投入速度が速ければ速いほど、その揺れ幅も大きくなるので、生産性向上のためには生産装置全体の長さを長くしなければならず、投資金額の増加だけでなく設置面積の増大となっていた。
【0003】
一方、25μmmtとか50μmmtといった極薄の基材を表面処理する場合、通電接点を必要とする電気めっきのみならず、一般の化成処理においても、前述した下降・投入時に上昇流によって力学的に作用する下方から上方への力により基材は容易に折れ曲がって製品不良となる。そこで従来は、基材の四辺を何らかの冶具で保持する必要があった。更にこの冶具に付着する処理液の空中での垂れによる不良も多発していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来において通常装備される空気利用の液撹拌装置や液循環吐出装置による上昇流である流れは、被処理物と液の境界層のイオン拡散を早めたり発熱を冷却することで処理時間を短縮化し、処理効率を向上できるという目的を有している。してみると、この境界層の液交換は上昇流である必要はなく、下降流であっても同じ効果を奏するものである。
【0005】
電気めっきの場合、電気分解による発熱が被処理物表面の液に滞留すると、熱によって電気抵抗が増加し、電圧の上昇、電流線のバラツキに付随しためっき厚のバラツキにつながることが知られている。この発熱を速やかに奪うことができる高速な液交換によって同じ処理性能においても高電流密度化が可能となることも周知の事実である。それゆえ従来からも、より速い流速が求められていた。
【0006】
しかしながら、前述した従来技術の幅広い垂直式浸漬型処理槽では、かかるエネルギー(毎時あたり流量)は通過面積(槽幅X長さ)X液流速で算出されるように、毎時当たりの流量を増大させ、包括的にポンプ容量の増大を招き、電気動力消費の無駄となるものである。
【0007】
本発明は、冶具により垂直状態に保持された板状或いはシート状被処理物を浸漬により表面処理する際、被処理物の上方から処理液をほぼ垂直に流すことにより、極薄基材の四辺を固定、保持することなく、また被処理物の機械的損傷を与えることなく、表面に充分な液流を供給し、且つ比較的狭い幅の処理槽での処理を可能とすることで液循環流量の低下、動力エネルギーの低下、及び全体液量の低下を実現させ、所定の化学処理を省力的、効果的に行うことを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明にしたがい、搬送梁又はハンガーに取り付けられた冶具を用いて被処理物を垂直状態に保持して浸漬により表面処理する表面処理装置において、処理槽に入る被処理物の上方から処理液をほぼ垂直に流す手段と、この流れを下方に吸引するための手段とを有するように構成することによって、解決できる。
【0009】
被処理物を浸漬により表面処理する処理槽において、処理槽の上両側に位置するオーバーフロ−装置(溢流装置)から処理液を左右ほぼ同量で溢れさせると、液は重力によりほぼ垂直に下方へ流れることになる。この溢流のほぼ中心部へ被処理物を昇降手段により下降させてやると、被処理物はこの溢流のほぼ中心部へ呑み込まれ、左右に振れることなく下限位置まで下降できる。被処理物が左右に振れることがないので処理槽は最低限度の幅で運営可能となる。従来のように下降中に、上昇するエアー撹拌の泡に煽られて左右に振れ、処理槽内容物と干渉することもない。下降停止後も液は上方から下方へ連続的に流れ、被処理物表面の境界層の液交換に寄与することができる。液は処理槽の底に位置する排出口から重力により自然に排出されるか、又はポンプ等の吸引手段により強制的に外部へ排出される。
【0010】
この下降流のある浸漬槽の両壁内側に陽極を配置すると槽幅の狭い電気めっき処理も可能となる。この際、被処理物の脱落等による両極間の短絡防止の目的で被処理物の両側に保護板となるガイドを設けたり、そのガイド板に突起を設けて下降流がその突起に当たることによりプリント配線基板の貫通孔めっき処理に配慮した水平方向の液の流れや振動を起こす装置を更に具備することは有効である。
【0011】
上記表面処理とは例えば化成処理や電気めっきである。化成処理とは、例えば電気めっきの前処理である脱脂、苛性洗い、エッチング、触媒化、活性化、還元、無電解化学銅めっき、酸洗、無電解ニッケル、無電解置換金めっき等の電気分解を伴わない処理を云う。また電気めっきとは、プリント配線基板の製造工程に用いられる硫酸銅電気めっき、電気錫めっき、電気はんだめっき、電気ニッケルめっき、電気金めっき処理等を云う。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を例示的な構成において説明する。当然ながら、本発明の内容は以下の例に限定されるものではない。
【0013】
図1に、本発明の適用例である処理装置の構成を概略的に示す。処理槽1の上部にオーバーフロー装置3を配備する。このオーバーフロー装置3は処理槽上方で両側に、溢流を起こすダムであったり、下降流を起こすノズルであったりする。オーバーフロー装置3と接続して循環系を形成する管理槽4から、給液ポンプ5を用いて液を汲み上げてオーバーフロー装置3に供給すると、図示の例ではダムから溢れた液が処理槽1へ落ち込み、処理槽内で下降流を作る。この下降流の流速、流量は、オーバーフロー装置3と管理槽4の間に配された給液調整弁6と排液調整弁9を調整することで決定される。
【0014】
図2に示すように液の呑み込み口の逆分水嶺が形成されることが望ましく、更にオーバーフロー装置の下部は被処理物搬送用のガイドとして供され得るように、上部に比べて狭い間隔で形成されているのがよい。このガイド部には孔が多数配されている。このガイド部は棒を格子状に組み合わせて構成されていてもよい。本装置を電気めっきに適用する場合には、このガイド部を挟んで被処理物1と反対の位置に陽極(図示せず)が配置されることになる。
【0015】
処理槽1からの排液については、図1aに示すようにポンプ等の吸引手段8を用いて強制的に外部へ排出させることも考えられるが、図1bに示すように液が処理槽1の底に位置する排出口7から重力作用により自然に排出させるようにしてもよい。
【0016】
図2に示すように、被処理物2が、キャリアバー22(図3参照)に取り付けられたクランプ冶具21により垂直状態に保持され、キャリア搬送手段24(図4参照)等の搬送手段により処理槽1の上方から下降される。この際、被処理物2が極薄の厚みであると、空気抵抗や風により当該比処理物2は左右に揺れるが、オーバーフロー装置3領域内の概ね上記逆分水嶺付近に下降されると、その液の流れに呑み込まれて処理槽1の中心付近に矯正されることになる。このような事態は垂直流が存在する限り自然な現象である。
【0017】
電気めっきの場合は陽極からの電流流線分布、発熱による温度分布等、電気抵抗の違いの要因によりめっき厚みが変化する。よってこれを是正するために本装置においても図3に示すように揺動装置23を備えて、被処理物2を上下、又は左右に動かして均一化を図ることが有効である。
【0018】
処理槽1の側面を示す図3から理解できるように、本例では、被処理物2を複数のキャリアバー22にそれぞれ取り付け、一時に多数の被処理物を処理可能とすることで生産性の向上を図っている。更に図4に示すように、複数の、図示の例では2個のオーバーフロー装置3を並列させ、対応するキャリアバー22、クランプ冶具21をキャリア搬送装置24に取り付け、被処理物を複数列一時に搬送することで生産量の倍増を図ることも有効である。
【0019】
本システムをプリント基板の回路形成用硫酸銅電気めっき処理プロセスに適用した場合、薬剤によるクリーナー処理、ソフトエッチング処理、触媒化処理、無電解化学銅処理、水洗処理、酸洗処理等のめっき前処理から継続して、硫酸銅電気めっき処理、及び水洗処理、防錆処理等のめっき後処理までの全プロセスに適用可能である。
【0020】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、搬送梁又はハンガーに取り付けられた冶具を用いて被処理物を垂直状態に保持して浸漬により表面処理する表面処理装置において、処理槽に入る被処理物の上方から処理液をほぼ垂直に流す手段と、この流れを下方に吸引するための手段とを有するように構成することで、従来のエアー撹拌装置や大型の液循環装置を必要とせず、被処理物を狭い幅の処理槽に下降、投入でき、投入後の液中においても被処理物は左右に振れることなく、高速の流速で境界層の液交換が可能である。
【0021】
本システムをプリント基板の回路形成用硫酸銅電気めっき処理プロセスに適用した場合、生産ライン全体の設置長さを低減でき、全体液量の低減、更に動力の省エネ化に有効で、得られるメリットは大きい。
【0022】
また、本システムをポリイミド材等のフィルム状プリント基板の回路形成用硫酸銅電気めっき処理プロセスに適用した場合、従来非常に多くの労力を要した極薄基材の冶具付けが上方をクランプするだけで可能となり、無人冶具付け装置の採用も可能となり得る。手作業で取り付けた極薄基材は、その取付不良により製品歩留まりの大きな一因となっていたが、本システムの採用により歩留まり向上が大いに期待できる。
【0023】
また、従来の四角枠状冶具の内側に極薄厚の被処理物を取り付けていた場合と比較し、上方だけをクランプして搬送、処理が可能となる本発明をもってすればこの冶具に付着する処理液持ち出し量が大幅に低減し、給水量、廃水処理コストの大幅な削減が可能で、またこの冶具からの液垂れによる空中反応よる不良も低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面処理装置の構成を説明する概略図であり、図1(a)は処理槽からの排液を強制的に行う構成を示し、図1(b)は排液を重力に委ねる構成を示す。
【図2】オーバーフロー装置の詳細図である。
【図3】図1に係る表面処理装置中の処理槽の側面概略図である。
【図4】被処理物の多重搬送を説明する図である。
【符号の説明】
1 処理槽
2 被処理物
3 オーバーフロー装置
4 管理装置
5 給液ポンプ
6 給液調整弁
7 排出口
8 排出ポンプ
9 排液調整弁
21 クランプ冶具
22 キャリアバー
23 揺動装置
24 キャリア搬送装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板等の板状或いはシート状被処理物を垂直に懸架して搬送しながら化成処理、めっき処理等の化学的表面処理を行うための装置に関する。特に被処理物における厚みが非常に薄く、従来技術ではその表面処理のための搬送や処理が難しい場合でも容易に脱泡、化成処理、硫酸銅めっき等を施すことができるものである。
【0002】
【従来の技術】
板状或いはシート状の被処理物を垂直に懸架して搬送する化成処理及びめっき処理装置においては、四角の枠状冶具の内側に被処理物を取り付けて、又は被処理物の上方をクランプすることで被処理物を保持し、フライトバー又はキャリアバーと呼ばれる搬送梁に懸架して処理槽へ上方から投入し、浸漬処理が行われる。この際、被処理物はその取り付けられた冶具のいかんに限らず、通常装備される空気利用の液撹拌装置や液循環吐出装置による上昇流によって左右に煽られて、投入時の垂直状態を維持できず、左右の揺れを生じながら所定位置に下降・投入される。そのため、処理槽内の壁や内容物と被処理物が衝突することを避けることができるように、処理槽の幅は或る程度広く設計する必要があった。そして、生産量を増加させる要因であり処理サイクルの一因でもある投入速度が速ければ速いほど、その揺れ幅も大きくなるので、生産性向上のためには生産装置全体の長さを長くしなければならず、投資金額の増加だけでなく設置面積の増大となっていた。
【0003】
一方、25μmmtとか50μmmtといった極薄の基材を表面処理する場合、通電接点を必要とする電気めっきのみならず、一般の化成処理においても、前述した下降・投入時に上昇流によって力学的に作用する下方から上方への力により基材は容易に折れ曲がって製品不良となる。そこで従来は、基材の四辺を何らかの冶具で保持する必要があった。更にこの冶具に付着する処理液の空中での垂れによる不良も多発していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来において通常装備される空気利用の液撹拌装置や液循環吐出装置による上昇流である流れは、被処理物と液の境界層のイオン拡散を早めたり発熱を冷却することで処理時間を短縮化し、処理効率を向上できるという目的を有している。してみると、この境界層の液交換は上昇流である必要はなく、下降流であっても同じ効果を奏するものである。
【0005】
電気めっきの場合、電気分解による発熱が被処理物表面の液に滞留すると、熱によって電気抵抗が増加し、電圧の上昇、電流線のバラツキに付随しためっき厚のバラツキにつながることが知られている。この発熱を速やかに奪うことができる高速な液交換によって同じ処理性能においても高電流密度化が可能となることも周知の事実である。それゆえ従来からも、より速い流速が求められていた。
【0006】
しかしながら、前述した従来技術の幅広い垂直式浸漬型処理槽では、かかるエネルギー(毎時あたり流量)は通過面積(槽幅X長さ)X液流速で算出されるように、毎時当たりの流量を増大させ、包括的にポンプ容量の増大を招き、電気動力消費の無駄となるものである。
【0007】
本発明は、冶具により垂直状態に保持された板状或いはシート状被処理物を浸漬により表面処理する際、被処理物の上方から処理液をほぼ垂直に流すことにより、極薄基材の四辺を固定、保持することなく、また被処理物の機械的損傷を与えることなく、表面に充分な液流を供給し、且つ比較的狭い幅の処理槽での処理を可能とすることで液循環流量の低下、動力エネルギーの低下、及び全体液量の低下を実現させ、所定の化学処理を省力的、効果的に行うことを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明にしたがい、搬送梁又はハンガーに取り付けられた冶具を用いて被処理物を垂直状態に保持して浸漬により表面処理する表面処理装置において、処理槽に入る被処理物の上方から処理液をほぼ垂直に流す手段と、この流れを下方に吸引するための手段とを有するように構成することによって、解決できる。
【0009】
被処理物を浸漬により表面処理する処理槽において、処理槽の上両側に位置するオーバーフロ−装置(溢流装置)から処理液を左右ほぼ同量で溢れさせると、液は重力によりほぼ垂直に下方へ流れることになる。この溢流のほぼ中心部へ被処理物を昇降手段により下降させてやると、被処理物はこの溢流のほぼ中心部へ呑み込まれ、左右に振れることなく下限位置まで下降できる。被処理物が左右に振れることがないので処理槽は最低限度の幅で運営可能となる。従来のように下降中に、上昇するエアー撹拌の泡に煽られて左右に振れ、処理槽内容物と干渉することもない。下降停止後も液は上方から下方へ連続的に流れ、被処理物表面の境界層の液交換に寄与することができる。液は処理槽の底に位置する排出口から重力により自然に排出されるか、又はポンプ等の吸引手段により強制的に外部へ排出される。
【0010】
この下降流のある浸漬槽の両壁内側に陽極を配置すると槽幅の狭い電気めっき処理も可能となる。この際、被処理物の脱落等による両極間の短絡防止の目的で被処理物の両側に保護板となるガイドを設けたり、そのガイド板に突起を設けて下降流がその突起に当たることによりプリント配線基板の貫通孔めっき処理に配慮した水平方向の液の流れや振動を起こす装置を更に具備することは有効である。
【0011】
上記表面処理とは例えば化成処理や電気めっきである。化成処理とは、例えば電気めっきの前処理である脱脂、苛性洗い、エッチング、触媒化、活性化、還元、無電解化学銅めっき、酸洗、無電解ニッケル、無電解置換金めっき等の電気分解を伴わない処理を云う。また電気めっきとは、プリント配線基板の製造工程に用いられる硫酸銅電気めっき、電気錫めっき、電気はんだめっき、電気ニッケルめっき、電気金めっき処理等を云う。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を例示的な構成において説明する。当然ながら、本発明の内容は以下の例に限定されるものではない。
【0013】
図1に、本発明の適用例である処理装置の構成を概略的に示す。処理槽1の上部にオーバーフロー装置3を配備する。このオーバーフロー装置3は処理槽上方で両側に、溢流を起こすダムであったり、下降流を起こすノズルであったりする。オーバーフロー装置3と接続して循環系を形成する管理槽4から、給液ポンプ5を用いて液を汲み上げてオーバーフロー装置3に供給すると、図示の例ではダムから溢れた液が処理槽1へ落ち込み、処理槽内で下降流を作る。この下降流の流速、流量は、オーバーフロー装置3と管理槽4の間に配された給液調整弁6と排液調整弁9を調整することで決定される。
【0014】
図2に示すように液の呑み込み口の逆分水嶺が形成されることが望ましく、更にオーバーフロー装置の下部は被処理物搬送用のガイドとして供され得るように、上部に比べて狭い間隔で形成されているのがよい。このガイド部には孔が多数配されている。このガイド部は棒を格子状に組み合わせて構成されていてもよい。本装置を電気めっきに適用する場合には、このガイド部を挟んで被処理物1と反対の位置に陽極(図示せず)が配置されることになる。
【0015】
処理槽1からの排液については、図1aに示すようにポンプ等の吸引手段8を用いて強制的に外部へ排出させることも考えられるが、図1bに示すように液が処理槽1の底に位置する排出口7から重力作用により自然に排出させるようにしてもよい。
【0016】
図2に示すように、被処理物2が、キャリアバー22(図3参照)に取り付けられたクランプ冶具21により垂直状態に保持され、キャリア搬送手段24(図4参照)等の搬送手段により処理槽1の上方から下降される。この際、被処理物2が極薄の厚みであると、空気抵抗や風により当該比処理物2は左右に揺れるが、オーバーフロー装置3領域内の概ね上記逆分水嶺付近に下降されると、その液の流れに呑み込まれて処理槽1の中心付近に矯正されることになる。このような事態は垂直流が存在する限り自然な現象である。
【0017】
電気めっきの場合は陽極からの電流流線分布、発熱による温度分布等、電気抵抗の違いの要因によりめっき厚みが変化する。よってこれを是正するために本装置においても図3に示すように揺動装置23を備えて、被処理物2を上下、又は左右に動かして均一化を図ることが有効である。
【0018】
処理槽1の側面を示す図3から理解できるように、本例では、被処理物2を複数のキャリアバー22にそれぞれ取り付け、一時に多数の被処理物を処理可能とすることで生産性の向上を図っている。更に図4に示すように、複数の、図示の例では2個のオーバーフロー装置3を並列させ、対応するキャリアバー22、クランプ冶具21をキャリア搬送装置24に取り付け、被処理物を複数列一時に搬送することで生産量の倍増を図ることも有効である。
【0019】
本システムをプリント基板の回路形成用硫酸銅電気めっき処理プロセスに適用した場合、薬剤によるクリーナー処理、ソフトエッチング処理、触媒化処理、無電解化学銅処理、水洗処理、酸洗処理等のめっき前処理から継続して、硫酸銅電気めっき処理、及び水洗処理、防錆処理等のめっき後処理までの全プロセスに適用可能である。
【0020】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、搬送梁又はハンガーに取り付けられた冶具を用いて被処理物を垂直状態に保持して浸漬により表面処理する表面処理装置において、処理槽に入る被処理物の上方から処理液をほぼ垂直に流す手段と、この流れを下方に吸引するための手段とを有するように構成することで、従来のエアー撹拌装置や大型の液循環装置を必要とせず、被処理物を狭い幅の処理槽に下降、投入でき、投入後の液中においても被処理物は左右に振れることなく、高速の流速で境界層の液交換が可能である。
【0021】
本システムをプリント基板の回路形成用硫酸銅電気めっき処理プロセスに適用した場合、生産ライン全体の設置長さを低減でき、全体液量の低減、更に動力の省エネ化に有効で、得られるメリットは大きい。
【0022】
また、本システムをポリイミド材等のフィルム状プリント基板の回路形成用硫酸銅電気めっき処理プロセスに適用した場合、従来非常に多くの労力を要した極薄基材の冶具付けが上方をクランプするだけで可能となり、無人冶具付け装置の採用も可能となり得る。手作業で取り付けた極薄基材は、その取付不良により製品歩留まりの大きな一因となっていたが、本システムの採用により歩留まり向上が大いに期待できる。
【0023】
また、従来の四角枠状冶具の内側に極薄厚の被処理物を取り付けていた場合と比較し、上方だけをクランプして搬送、処理が可能となる本発明をもってすればこの冶具に付着する処理液持ち出し量が大幅に低減し、給水量、廃水処理コストの大幅な削減が可能で、またこの冶具からの液垂れによる空中反応よる不良も低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面処理装置の構成を説明する概略図であり、図1(a)は処理槽からの排液を強制的に行う構成を示し、図1(b)は排液を重力に委ねる構成を示す。
【図2】オーバーフロー装置の詳細図である。
【図3】図1に係る表面処理装置中の処理槽の側面概略図である。
【図4】被処理物の多重搬送を説明する図である。
【符号の説明】
1 処理槽
2 被処理物
3 オーバーフロー装置
4 管理装置
5 給液ポンプ
6 給液調整弁
7 排出口
8 排出ポンプ
9 排液調整弁
21 クランプ冶具
22 キャリアバー
23 揺動装置
24 キャリア搬送装置
Claims (3)
- 搬送梁又はハンガーに取り付けられた冶具を用いて被処理物を垂直状態に保持して浸漬により表面処理する表面処理装置において、
処理槽に入る被処理物の上方から処理液をほぼ垂直に流す手段と、この流れを下方に吸引するための手段とを有することを特徴とする表面処理装置。 - 上記処理液を垂直に流す処理槽内において、被処理物の両側に板状多孔板又は棒状ガイドが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の表面処理装置。
- 上記ガイドを挟んで被処理物と反対の位置に陽極を配置し、電気めっきを行うことを特徴とする請求項2に記載の表面処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003140356A JP2004339590A (ja) | 2003-05-19 | 2003-05-19 | 表面処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003140356A JP2004339590A (ja) | 2003-05-19 | 2003-05-19 | 表面処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004339590A true JP2004339590A (ja) | 2004-12-02 |
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ID=33529099
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003140356A Pending JP2004339590A (ja) | 2003-05-19 | 2003-05-19 | 表面処理装置 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2004339590A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009091597A (ja) * | 2007-10-03 | 2009-04-30 | Japan Envirotic Industry Co Ltd | 処理装置 |
KR20140027876A (ko) | 2012-08-27 | 2014-03-07 | 우에무라 고교 가부시키가이샤 | 표면 처리 장치 |
WO2015174204A1 (ja) * | 2014-05-12 | 2015-11-19 | 株式会社山本鍍金試験器 | めっき装置及び収容槽 |
US20180087140A1 (en) * | 2016-09-27 | 2018-03-29 | C. Uyemura & Co., Ltd. | Surface treating apparatus |
US10468274B2 (en) | 2015-03-24 | 2019-11-05 | Ebara Corporation | Substrate processing apparatus |
CN111424269A (zh) * | 2019-01-10 | 2020-07-17 | 上村工业株式会社 | 表面处理装置 |
-
2003
- 2003-05-19 JP JP2003140356A patent/JP2004339590A/ja active Pending
Cited By (22)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009091597A (ja) * | 2007-10-03 | 2009-04-30 | Japan Envirotic Industry Co Ltd | 処理装置 |
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