JP2004338398A - インクカートリッジ - Google Patents

インクカートリッジ Download PDF

Info

Publication number
JP2004338398A
JP2004338398A JP2004129773A JP2004129773A JP2004338398A JP 2004338398 A JP2004338398 A JP 2004338398A JP 2004129773 A JP2004129773 A JP 2004129773A JP 2004129773 A JP2004129773 A JP 2004129773A JP 2004338398 A JP2004338398 A JP 2004338398A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic member
liquid supply
slit
supply needle
ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004129773A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyomitsu Kudo
清光 工藤
Junji Shimoda
準二 下田
Akira Tsujimoto
明 辻本
Satoshi Kudo
諭 工藤
Toru Suzuki
亨 鈴木
Koichi Komata
好一 小俣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2004129773A priority Critical patent/JP2004338398A/ja
Publication of JP2004338398A publication Critical patent/JP2004338398A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】 インク漏れの発生を防止することができ、かつ、ジョイント時の液体供給針の挿入力を低減させることが可能なインクカートリッジを提供する。
【解決手段】 インクジェットヘッドに対して供給されるインクを貯留するインク貯留部と、インクジェットヘッドにインクを供給する経路の始端に配された液体供給針21が挿抜されるスリットを備えた弾性部材11と、該弾性部材11が取り付けられるケース15と、を備えたインクカートリッジにおいて、ケース15の端部に対して弾性部材11を取り付けるために用いられ、液体供給針21が通過する開口を備えた押さえ板31を有しており、弾性部材11はケース15の内部に位置する本体部と、該本体部より大きな径の支持固定部11cとを備え、押さえ板31とケース15の端部とによって、支持固定部11cを挟持して弾性部材11が取り付けられている構成を採用する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、液体を供給するのに利用されるジョイント構造体およびインクジェットプリンタで使用されるインクカートリッジに関するものである。
デジタルカメラやデジタルビデオ、さらにはデジタルカメラ付携帯電話などデジタル撮影機器の普及に伴い、撮影した画像をその場で出力することを可能にするモバイルプリンタの需要が高まっている。このようなニーズに対応するため、インクジェット方式を利用したプリンタが提案されている。その一例として、キャリッジに搭載されて走査するタイプのインクジェットヘッドに対して、インクの補給が必要なときにのみ、インクジェットヘッドが特定領域に移動して、インクカートリッジと連結し、インクの補給を行い、インク補給が完了すると、インクカートリッジとの連結を解消する間欠インク補給方式(以下では、便宜的にピットインという表現を用いる)を利用したプリンタの実現化に向けた開発が行われている(特許文献1、特許文献2)。
ピットイン方式が利用されたプリンタにおけるインク供給動作および印字動作は概ね以下の通りである。
インクジェットヘッド側の液体供給針とインクカートリッジ側のジョイント部を構成する弾性部材とが接続可能な位置で連結され、インクジェットヘッドがインクタンクから記録シート1枚に記録するためのインクを補充した後、連結を解除し、その後、印字を行なうという動作を繰り返す。もちろんインクの供給量は記録シート1枚分に限られず、プリンタの用途やヘッドが備えるサブインクタンクの容量を調整することで自由に設定できるものである。このようなインク供給のためのピットイン動作は、インクカートリッジのインクタンクに収納されたインクが供給できなくなるまで繰り返される(ピットイン動作の回数は、インクタンクに収納されたインク量によって異なり、およそ十数回〜100回程度である。)。ピットイン動作が実行されるたびに、弾性部材は液体供給針の挿抜がなされるため、弾性部材に挿抜耐久性能が要求される。
図26に、ジョイント部の構造の一例として、特許文献3で開示された構成を示す。
この構成は、弾性部材11に筒状部材の挿入方向にスリット12を設け、スリット12手前にはくぼみ部11fを設けている。弾性部材11のスリット12は非連結状態では閉鎖した状態が維持できるように、弾性部材11の直径より小さいケース15の開口内に圧縮挿入されることで、弾性部材11の周11b方向からスリット12を閉じる方向の緊縮力を受けている。
弾性部材11の劣化を防ぐために必要と考えられる条件の1つとしては、少ない変形でかつ低い挿抜抵抗による挿通を達成することである。
この例では、くぼみ部11fにより液体供給針21はスリット12に案内され、あらかじめ設けられているスリット12によって、スリット12が設けられていない場合に比べ、少ない抵抗で、かつ決められた貫通位置で弾性部材11を貫通することができ、弾性部材11の無駄な変形ストレスを極力軽減でき、弾性部材11の損傷を軽減することを可能にしている。
特開2000−334982号公報 特開2003−246077号公報 特開2002−307722号公報
しかし、ケース15に収納された弾性部材11はケース15から取れることがないようにすること、あるいは弾性部材11の周囲やスリット12からのインク漏れを発生させない、などの理由からケース15によって、周11b方向から弾性部材11の中心に向かって大きな緊縮力によって締め付けられており、弾性部材11にスリットを設けた効果を十分に享受できていなかった。特に小型のモバイルプリンタでは、弾性部材11と液体供給針21との挿抜動作に使用できるモータが小型となってしまい、駆動トルクを低減させざるを得ない。このような状況下では、弾性部材11と液体供給針21との挿抜力と弾性部材11のケース15に対する取付け形態を適切にすることが課題の1つである。
ところで、インクジェット記録装置では、カラー記録が一般的になっており、複数色のインクジェットヘッドにより液滴を重ね合わせることによりカラー画像を形成するタイプのものが普及している。一般に、カラー記録を行う場合、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3原色、あるいはこれらの3原色にブラック(Bk)を含めた4色に対応する4種類のインクジェットヘッド及びインクカートリッジが使用される。従来のプリンタ構成の一例では、各色別に設けられたインクカートリッジの弾性部材で構成されたジョイント部が、インクジェット記録装置に固定されたインク供給用の針状管に対して、相互の位置を調整しつつ挿入し、装着する形態が採用されている。
これに対して、上述したピットイン式を採用するような小型化されたプリンタでは、インクタンクに複数のインクを収納して、複数のジョイント部を同時に接続・離間する構成を採用する例がある。このような場合、同時に複数のジョイント部全てにおいて位置精度を得る必要があるが、精度を得るために調整が必要な個所が多く、特にピットイン動作の繰り返し精度を得ることが難しかった。上記理由により、インクカートリッジのジョイント部とヘッドの連結部との位置決め精度が低下すると、これらの接続の際にインクカートリッジのジョイント部を構成する弾性接続部の耐久性を低下させ、繰り返して接続している間にインクカートリッジのインク漏れ信頼性の低下を引き起こしてしまう場合がある。さらに、ヘッドとタンクにそれぞれ複数のジョイント部を有する場合に、それぞれを精度良く製造することが容易でないため、高価な製造装置を必要とし少量生産品ではコストがかかりすぎる。またジョイント部のレイアウトが多少変わるとそのために製造に新しい装置が必要になる。インクジェット装置内でジョイント部を接続する際のアライメント機構が複雑になり、インクジェット装置の小型化・低価格化が難しいといった課題がある。
そこで、本発明は、上記課題を改善する目的で提案されたもので、スリットを有した弾性部材のケースに対する取付け構成を工夫し、ピットイン動作時の弾性部材と液体供給針との挿抜性を改善することにより、弾性部材の取付け状態の信頼性高め、インク漏れの発生を抑制するとともに、インクカートリッジの着脱時に必要な荷重を低減させ、高信頼性と高性能の双方を満足したインクカートリッジを提供することを目的とする。
また、弾性部材の構成およびケースの構造を改善することにより、液体供給針を弾性部材に対して挿入する際の弾性部材の伸びを規制し、貫通時の負荷の低減や貫通動作の安定性を得ることにより安定したインク供給性能を満足させるインクカートリッジを提供することを目的とする。また、液体供給針を弾性部材から抜く際、抜き方向に弾性部材がめくれないような弾性部材周りの構成を採用することにより、液体供給針と弾性部材との挿抜性能を安定させるインクカートリッジを提供することを目的とする。これによりインク漏れに対して高い信頼性を満足するインクタンクを提供することを目的とする。
さらに、液体供給針を弾性部材のスリットに対して精度高く導くことを可能にし、弾性部材や液体供給針の接触部分に対して不要な破損が生じないような導入部構造を備えたインクタンクを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明のインクカートリッジは、インクジェットヘッドに対して供給されるインクを貯留するインク貯留部と、インクジェットヘッドにインクを供給する経路の始端に配された管部材が挿抜されるスリットを備えた弾性部材と、該弾性部材が取り付けられるケースと、を備えたインクカートリッジにおいて、ケースの端部に対して弾性部材を取り付けるために用いられ、管部材が通過する開口を備えた押さえ部材を有しており、弾性部材はケースの内部に位置する本体部と、該本体部より大きな径の支持固定部とを備え、押さえ部材とケースの端部とによって、支持固定部を挟持して弾性部材が取り付けられていることを特徴とする。
上記の通りの本発明のインクカートリッジの弾性部材は、スリット方向に発生する緊縮力を利用して保持されているのではなく弾性部材の支持固定部が押さえ部材とケースの端部とによって挟持されることにより保持されている。このため、スリット方向に発生する緊縮力は、スリットからのインク漏れの抑制に寄与さえすればよい。すなわち、本発明のインクカートリッジの弾性部材は、インク漏れの発生を防止することができ、かつ弾性部材の全周をケースに嵌合させる構成に比べてその内部応力を抑制できるので管部材の挿入荷重を低く抑えることができる。
また、本発明のインクカートリッジは、弾性部材が、支持固定部のさらに外側に延在して設けられた外縁部を備え、該外縁部はケースの端部の外側周囲に位置するように構成されているものであってもよい。
また、本発明のインクカートリッジは、弾性部材の本体部の径が、弾性部材の本体部が位置するケースの内部の径より小さいものであってもよい。
また、本発明のインクカートリッジは、弾性部材の本体部の外周の一部であって、スリットの延在する方向に対して交差する位置に、本体部の外側に突出した2つの第1突起部を備えるものであってもよいし、あるいは弾性部材の本体部の外周の一部であって、スリットの延在する方向に対して交差する位置に、本体部の外側に突出した2つの第1突起部と、スリットの延在する位置に、本体部の外側に突出した2つの第2突起部を備えるものであってもよい。
また、本発明のインクカートリッジは、押さえ部材の開口部の開口径が、弾性部材の管部材の挿入方向に向かって縮径して形成された円錐状凹部の最外部の開口径以下であり、かつ弾性部材の本体部の径より小さいものであってもよい。
また、本発明のインクカートリッジは、ケースの内部には、弾性部材の本体部の内方端面に対向した位置にケースの内径が縮径された段差部を有しており、内方端面と段差部との間には間隙を有しているものであってもよい。
また、本発明のインクカートリッジは、弾性部材が管部材の挿入方向に向かって縮径する円錐状凹部を有しており、押さえ部材が、弾性部材の円錐状凹部内に向かって縮径した円錐形状の凹部を有するものであってもよい。この場合、押さえ部材は、管部材と同等の材料で構成されているものであってもよく、特に、押さえ部材は、管部材と同類の金属製であってもよい。
また、本発明のインクカートリッジは、弾性部材に形成されたスリットは、管部材の入口側から出口側に至る途中にスリット幅が短い部分を有しているものであってもよく、特に、短い部分のスリット幅は、管部材の外径より小さいものであってもよい。
本発明によれば、インク漏れの発生を防止することができ、かつ、ジョイント時の液体供給針の挿入力を低減させることが可能なインクカートリッジとすることができる。
次に、本発明が適用される実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本実施形態のインクジェット記録装置の印字に寄与する主要な構成を抜き出して示す概略斜視図であり、図2は本実施形態のインクカートリッジの概略斜視図であり、図3は本実施形態における液体吐出ヘッドの概略斜視図である。
図1に示すインクジェット記録装置は、液体吐出ヘッド20の往復移動(主走査)と、記録用シートSの所定ピッチごとの搬送(副走査)とを繰り返しつつ、これらの動きと同期させながら液体吐出ヘッド20(図3参照)から選択的にインクを吐出させ、記録用シートSに付着させることで、文字や記号、画像等を形成するシリアル型の記録装置である。液体吐出ヘッド20は、2本のガイドレール(不図示)に摺動自在に支持され不図示のモータ等の駆動手段によりガイドレールに沿って往復走査される。記録用シートMは、搬送ローラ32により、液体吐出ヘッド20のインク吐出面に対面し、かつ、インク吐出面との距離を一定に維持するように、液体吐出ヘッド20の移動方向と交差する方向(例えば、直交する方向である矢印C方向)に搬送される。液体吐出ヘッド20から吐出されたインクによって記録がなされた記録用シートSは排紙ローラ33によって装置外に排出される。
本実施形態のインクカートリッジ10はインクY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の3色のインクをそれぞれ収納する3つのインク袋(不図示)を収納し、それぞれのインク袋はジョイント部材11に連通している。
液体吐出ヘッド20は、液体を吐出させる液体吐出部(不図示)と、液体吐出部に供給するインクを貯蔵するインク貯蔵室(不図示)を有する。インク貯蔵室は、Y、M、Cのインクをそれぞれ収納する3つの室に分けられており、各室は液体吐出ヘッド20の下面側から下方に延びた3本の液体供給針21にそれぞれ連通している。
本実施形態のインクジェット記録装置はインクカートリッジ10を回転軸100周りに回転駆動させる駆動源(不図示)を有し、インクカートリッジ10はその回転駆動によりジョイント部材11側が略上下方向(図1中矢印A方向)に昇降可能となっている。
次に、本実施形態のインク供給方法について説明する。本実施形態のインクジェット記録装置におけるインク供給方法は、上述したピットイン方式の供給形態である。
記録動作時に矢印B方向に往復走査される液体吐出ヘッド20の液体供給針21とインクカートリッジ10とが干渉しないようにインクカートリッジ10のジョイント部材11側は降下している。
インクを吐出して記録を行うことにより液体吐出ヘッド20内のインク貯蔵室のインク残量が一定量以下になると、液体吐出ヘッド20は、ホームポジション(図1のP位置)に戻る。
インク残量が一定量以下となった液体吐出ヘッド20がホームポジションに戻ると、インクカートリッジ10内のインク袋に収納されているインクを液体吐出ヘッド20に供給するためのインク供給動作が開始される。すなわち、駆動源がインクカートリッジ10を回転軸100周りに回転駆動させ、これにより、液体供給針21がジョイント部材11の、後述するスリット12に挿入される。
次に、吸引ポンプ(不図示)が液体吐出ヘッド20の一部に連結され、インク貯蔵室内を減圧する。この減圧により、インクカートリッジ10のインク袋内のインクが液体吐出ヘッド20内のインク貯蔵室へと供給される。液体吐出ヘッド20のインク貯蔵室には満タン弁が配されており、満タンになるとそれ以上のインクは供給されない構造となっている。
ピットイン供給の回数は、記録デューティやインク袋の容量、インク貯蔵室の容量によって異なるが、本実施形態のインクジェット記録装置では、インク袋を各色4.2ml、インク貯蔵室を各色0.45ml、記録デューティ25%、一枚記録毎にピットイン供給を行う想定で、約30回のピットイン動作が行われることとなる。
(第1の実施形態)
次に、第1の実施形態のインクカートリッジ10のジョイント部材11の構造と、ジョイント部材11と液体吐出ヘッド20の液体供給針21との関係について説明する。
図4は本実施形態のジョイント部材と液体供給針の関係を説明するための図であり、図4(a)は概略断面図、図4(b)は図4(a)に対して90度回転させた概略断面図、図4(c)はジョイント部材の概略上面図、図4(d)はジョイント部材と液体供給針の概略上面図である。なお、図4(b)では各部断面のハッチングは省略している。
液体吐出ヘッド20の液体供給針21は、材質はSUS304であり、外径d4がφ0.5mm、内径d3がφ0.3mmのパイプ形状である。バレル処理や化学研磨などの条件によって液体供給針21表面の状態が異なるが、外径エッジ22と内径エッジ23を有した形状となる。
ジョイント部材11は、開口部14およびスリット12が形成された被挿入部11aと、ジョイント部材11の外周部分となる外縁部11bと、被挿入部11aと外縁部11bとを上部側で繋ぐ支持固定部11cとを有する断面形状が略M字形状の弾性部材からなる。ジョイント部材11は弾力性があり、変形が容易であるゴム部材を使用することが望ましく、本実施形態では、塩素化ブチルゴムを用いている。
スリット12は開口部14側から被挿入部11aの下面側まで切り込まれたスリット状の貫通穴であり、液体供給針21が挿入されていない状態では、自らの内部応力により閉じた状態にある。
被挿入部11aに形成された開口部14は、上面11d側の開口14aが円形で、上面11d側から下方に向けて窄まり最下面13が矩形形状である、断面形状が図4(a)、(b)に示すように、開口14aと最下面13とが傾斜面11fで繋がった円錐台形状の凹部として形成されている。最下面13はスリット12が形成された方向を長手方向とする矩形形状となっている。
各部の寸法は、開口部14の開口14aの径d5がφ1.4mm、最下面13の幅L1×長さL2が0.2mm×0.7mm、スリット12の長さLは最下面13の長さL2と同じ0.7mmである。このように開口部14の開口14aの径d5は液体供給針21の外径d4より大きく、最下面13の幅L1は液体供給針21の外径d4より小さくしてその間を傾斜面11fで繋げた円錐台凹形状としている。液体供給針21およびジョイント部材11を上面からみると、図4(d)に示すように、液体供給針21の外径とジョイント部材11の最下面13の投影形状が交差する交差部13bを有する関係となっている。
ジョイント部材11は、ケース15に設けられた支持部15aの上面11d上に、支持固定部11cの下面11c1が当接するようにして置かれ、さらに支持固定部11cの上面11d側から押さえ板31によって圧力を加えて押し潰し量t1だけ押し潰されるようにして、ケース15と押さえ板31との間で挟持されている。被挿入部11aの外径d1は、ケース15の支持部15aの内径d2よりも小さく、これにより液体供給針21がスリット12に挿入されることで被挿入部11aが外周方向に変形して膨らんでも被挿入部11aが支持部15aに当接してしまわない隙間60が形成されている。すなわち、被挿入部11aが支持部15aに押しつけられることで支持部15aから反力を受けてスリット12を押し拡げる力が増加してしまわないようにしている。
一方、被挿入部11aの下面(内方端面)11eとケース15の底面15bとの間にも隙間61が形成されているが、液体供給針21がスリット12に挿入された際には、被挿入部11aの下面11eはケース15の底面15bに当接して被挿入部11aが支持される。
また、ジョイント部材11の、被挿入部11aの部分11a’と支持固定部11cの部分11c’とは、液体供給針21の挿入方向において同一面内にない、すなわち、スリット12が形成されている部分11a’の最下面13と支持固定部11cの下面11c1を距離Sだけ離して配置している(図4(b)参照)。さらに、ケース15と押さえ板31とによって支持固定部11cの部分11c’を挟持する力の方向を液体供給針21をスリット12に挿入する方向と略同一方向となるようにしている。このような構成とすることで支持固定部11cの部分11c’を挟持することで発生する内部応力がスリット12の締め付け方向(図4中矢印a方向)に加わらない。このため、液体供給針21を挿入するための挿入力はジョイント部材11のスリット12を押し拡げる力のみとなり、通常のケースに嵌め込むことでスリットの締め付け方向に圧力を加えているものと比較して、挿入力は格段に小さくなり、本体駆動系の負荷を低減することができる。しかも、支持固定部11cの部分11c’を挟持する構成としたことで、確実にジョイント部材をケース15に対して押圧取り付けすることができ、ジョイント部からのインク漏れの課題も良好に改善できる。
次に、液体供給針がジョイント部材のスリットへ挿入される過程について説明する。
図5(a)〜(e’)は本実施形態の液体供給針がジョイント部材のスリットへ挿入される過程を説明するための図であり、図5(a)〜(e)は、図4(a)に示した概略断面図であり、図5(a’)〜(e’)は、図4(b)に示した概略断面図である。
図5(a)、図5(a’)は、液体供給針21がジョイント部材11の直上にある状態を示す。ピットイン供給をする指令(フラグ)がたつと、液体吐出ヘッド20はホームポジションに戻り、図の状態となる。
ここから、インクジェット記録装置の駆動源によりインクカートリッジ10が回動を開始し、ジョイント部材11は図中矢印A’方向へ移動し、液体供給針21が開口部14内に進入し、図5(b)に示すように、液体供給針21の外径エッジ22がジョイント部材11の傾斜面11fに対して斜めに当接する。このとき、図5(b’)の断面図においては液体供給針21とジョイント部材11とは接する部分はない。この進入の際、液体供給針21とジョイント部材11の位置ずれを生じたとしても、開口14aの径d5と液体供給針21の外径d4との差分だけ位置ずれの誤差を吸収することができる。
ジョイント部材11の矢印A’方向への移動が進むと、液体供給針21の外径エッジ22は傾斜面11f上を滑動してスリット12へと誘導され、液体供給針21の挿入力によってスリット12を徐々に開いていく(図5(c)、図5(c’))。液体供給針21がジョイント部材11を下方に押しながらスリット12を開き始めることで弾性部材からなるジョイント部材11は矢印A’方向と逆向きに延び、被挿入部11aの下面11eはケース15の底面15bに当接して被挿入部11aが支持された状態となる。
さらにジョイント部材11の矢印A’方向への移動が進むと、液体供給針21はジョイント部材11のスリット12を矢印D方向に押し拡げながら徐々に挿入される(図5(d)、図5(d’))。すなわち、液体供給針21は、スリット12を押し拡げながら挿入されるため、液体供給針21の外径エッジ22および内径エッジ23がジョイント部材11に略直角に接することはない。よって、外径エッジ22および内径エッジ23を起点にして起こるジョイント部材の削れ、亀裂などの発生を防止することができる。
また、上述したように、本実施形態のジョイント部材11は、被挿入部11aの最下面13と支持固定部11cの下面11c1を距離Sだけ離した形状であり、ジョイント部材11とインクカートリッジ10のケース15の関係においては、支持固定部11cの部分11c’を挟持する力の方向と液体供給針21のスリット12への挿入方向とを略同一方向にし、さらには、被挿入部11aと支持部15aとの間に隙間60が形成されている。このため、液体供給針21をスリット12に挿入する際に必要な挿入力は、ジョイント部材11のスリット12を押し拡げる力のみとなる。
さらにジョイント部材11の矢印A’方向への移動が進むと、液体供給針21はジョイント部材11を貫通し、ジョイント動作が完了する(図5(e)、図5(e’))。この状態で、インクカートリッジのインク袋内のインクが液体吐出ヘッドのインク貯蔵室内へ供給される。本実施形態の場合、ジョイント部材11を挟持することで発生する圧力はスリット12への締め付け方向へは加わらないため、このような圧力により被挿入部11aが変形し、スリット12に微小な開口部が生じることによるインク漏れを生じることがない。
以上説明したように、本実施形態によれば、液体供給針21をスリット12に挿入する際に液体供給針21とジョイント部材11の位置ずれが生じても、開口14aの径d5と液体供給針21の外径d4との差分だけ位置ずれの誤差を吸収し、開口部14に進入した液体供給針21の外径エッジ22を傾斜面11fに沿わせてスリット12まで誘導することができる。これにより、液体供給針21とスリット12との位置合わせにおける多少の位置精度のずれが許容されるので、高精度な位置合わせを可能にする構成が不要となり、よって、その製造方法も簡易なもので済む。
また、本実施形態によれば、液体供給針21は、スリット12を押し拡げながら挿入されるため、液体供給針21の外径エッジ22および内径エッジ23がジョイント部材11に略直角に接することに起因するジョイント部材11の削れ、亀裂などを生じることがない。これにより、ジョイント部材11からのインク漏れの発生を防止することができ、ジョイント動作の信頼性を大幅に向上させることができる。
さらに、本実施形態のジョイント部材11は、被挿入部11aと支持固定部11cとを同一面内とせず、かつ支持固定部11cを挟持する力の方向と液体供給針21の挿入方向とを略同一方向にし、さらには、被挿入部11aが支持部15aに当接しない構成となっているため、液体供給針21をスリット12に挿入する際に必要な挿入力は、ジョイント部材11のスリット12を押し拡げる力のみとなる。これにより、ジョイント部材をケースに嵌め込むことでスリットの締め付け方向に圧力を加えているジョイント部材に液体供給針を挿入する挿入力と比較して、本実施形態の場合、必要とする挿入力は格段に小さくて済み、よって、本体駆動系の負荷が低減し装置を小型化することができる。また、ジョイント部材11を挟持することで発生する圧力がスリット12への締め付け方向へは加わらないため、液体供給針21がジョイント部材11を貫通した状態においても、被挿入部11aが変形することでスリット12に微小な開口部が生じてインク漏れを起こすこともない。
(第2の実施形態)
図6は本実施形態のジョイント部材と液体供給針の関係を説明するための図であり、図6(a)は概略断面図、図6(b)は図6(a)に対して90度回転させた概略断面図、図6(c)はジョイント部材の概略上面図、図6(d)はジョイント部材と液体供給針の概略上面図である。
本実施形態の説明は、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明し、第1の実施形態と同様の点についての説明は省略するものとし、また、説明に用いる符号は、第1の実施形態と同じ部材については、第1の実施形態で用いた符号により説明する。
本実施形態のジョイント部材51は、最下面53が円形であり、その径d6が液体供給針21の外径d4より小さく、また、このような最下面53を有する。また、スリット52は傾斜面51fから切り込まれているため端部52aが傾斜面51fに位置するものとなっている。本実施形態のジョイント部材51の各部寸法は、開口54aの径d5がφ1.4mm、最下面53の径d6がφ0.2mm、スリット52の長さLが0.7mmである。
以上のように最下面53の形状が異なる以外は本実施形態のジョイント部材51は第1の実施形態のジョイント部材11と同様である。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、液体供給針21をスリット52に挿入する際に高精度な位置合わせを可能にする構成が不要となり、よって、その製造方法も簡易なもので済む。また、液体供給針21の外径エッジ22および内径エッジ23によるジョイント部材51の削れや亀裂を発生しにくいため、ジョイント部材51からのインク漏れの発生を防止することができ、ジョイント動作の信頼性を大幅に向上させることができる。また、ジョイント部材51をケース15に対して取り付けるのに、ジョイント部材の支持固定部(図4中の符号11cの部分11c’)をケース15と押さえ板31とによって挟持することにより、発生する内部応力がスリット12の締め付け方向に加わることなく確実に取り付けることができる。さらに、このような取付け構成としたことで、液体供給針21をスリット52に挿入する際に必要な挿入力が、ジョイント部材51のスリット52を押し拡げる力のみであるため、本体駆動系の負荷が低減し装置を小型化することができる。また、液体供給針21がジョイント部材51を貫通した状態においても、被挿入部51aが変形することでスリット52に微小な開口部が生じてインク漏れを起こすこともない。
(第3の実施形態)
図7は本実施形態のジョイント部材と液体供給針の関係を説明するための図であり、図7(a)は概略断面図、図7(b)は図7(a)に対して90度回転させた概略断面図、図7(c)はジョイント部材の概略上面図、図7(d)はジョイント部材と液体供給針の概略上面図である。
本実施形態の説明も、第2の実施形態と同様に、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明し、第1の実施形態と同様の点についての説明は省略するものとし、また、説明に用いる符号は、第1の実施形態と同じ部材については、第1の実施形態で用いた符号により説明する。
液体供給針71は、材質がSUS304であり、外形φ0.5mm、内径φ0.3mmのパイプ形状で先端71aが球面形状になっている。また、外周面にφ0.2mmの横穴開口部24が1つ形成されている。
ジョイント部材61は、第1の実施形態のジョイント部材11の最下面13、あるいは第2の実施形態の最下面53に相当する平面部がない、断面形状が円錐状の開口部64が形成されており、その頂部となる最下点16を横断するようにスリット12が形成されている。
以上のように、本実施形態の構成は、液体供給針71の先端形状、およびジョイント部材61の断面形状が異なる以外は第1の実施形態と同様である。
本実施形態の場合、液体供給針71がエッジのない球面形状の先端71aであるため、液体供給針71がスリット62を押し拡げながらスリット62内に挿入される際、あるいは液体供給針71の先端71aが開口部64の傾斜面61fを滑動してスリット62まで誘導される際に、ジョイント部材61の削れや亀裂がより生じにくいものとなっている。
液体供給針71によるインクの供給は、液体供給針71の横穴開口部24がジョイント部材61を突き抜けて下面61eから露出する位置まで差し込まれてからなされる。
以上、本実施形態によれば、第1および第2の実施形態と同様に、液体供給針71をスリット62に挿入する際に高精度な位置合わせを可能にする構成が不要となり、よって、その製造方法も簡易なもので済む。また、液体供給針71の球面形状の先端71aであるため、ジョイント部材61の削れや亀裂を発生しにくく、よって、ジョイント部材61からのインク漏れの発生を防止することができ、ジョイント動作の信頼性を大幅に向上させることができる。また、ジョイント部材61をケース15に対して取り付けるのに、ジョイント部材の支持固定部(図4中の符号11cの部分11c’)をケース15と押さえ板31とによって挟持することにより、発生する内部応力がスリット12の締め付け方向に加わることなく確実に取り付けることができる。そのため、液体供給針71をスリット62に挿入する際に必要な挿入力が、ジョイント部材61のスリット62を押し拡げる力のみであるため、本体駆動系の負荷が低減し、装置を小型化することができる。また、液体供給針71がジョイント部材61を貫通した状態においても、被挿入部61aが変形することでスリット52に微小な開口部が生じてインク漏れを起こすこともない。
(第4の実施形態)
図8は本実施形態のジョイント部材と液体供給針の関係を説明するための図であり、図8(a)は概略断面図、図8(b)は図8(a)に対して90度回転させた概略断面図、図8(c)はジョイント部材の概略上面図である。
本実施形態の説明も、上述した実施形態と異なる点についてのみ説明し、上述した実施形態と同様の点についての説明は省略するものとし、また、説明に用いる符号も、上述した実施形態と同じ部材については、上述した実施形態で用いた符号により説明する。
本実施形態は、図8に示すようにジョイント部材81に円錐形状の開口部ではなく平面形状であり、この平面81aにスリット82が形成されており、このスリット82に第3の実施形態で示した先端が球面形状であり、側面に、インク供給用の横穴開口部24が1つ形成されている液体供給針71が挿入される構成となっている。
本実施形態のジョイント部材81は、スリット82が平面81aに形成された簡単な形状であるため、ゴムの成形が簡素化され、コストダウンが可能となる。また、平面81aにインクが付着しても平面であるがゆえにインクたまりが発生することが少なくなる。
以上、本実施形態によれば、液体供給針71の球面形状の先端71aであるため、ジョイント部材81の削れや亀裂を発生しにくく、よって、ジョイント部材81からのインク漏れの発生を防止することができ、ジョイント動作の信頼性を大幅に向上させることができる。また、ジョイント部材81をケース15に対して取り付けるのに、ジョイント部材の支持固定部(図4中の符号11cの部分11c’)をケース15と押さえ板31とによって挟持することにより、発生する内部応力がスリット12の締め付け方向に加わることなく確実に取り付けることができる。したがって、液体供給針71をスリット82に挿入する際に必要な挿入力が、ジョイント部材81のスリット82を押し拡げる力のみであるため、本体駆動系の負荷が低減するため装置を小型化することができる。また、液体供給針71がジョイント部材81を貫通した状態においても、ジョイント部材81が変形することでスリット52に微小な開口部が生じてインク漏れを起こすこともない。
なお、第1から第4の実施形態で示した数値は一例であり、本発明はこれら数値に限定されるものではない。
以上説明したように本発明によれば、ジョイント部材は液体供給針の挿入方向と略直交する面で液体供給針と接することなく、液体供給針をスリット内に挿入させることができるため、略直角に接することに起因するジョイント部材の削れ、亀裂などを生じることがない。これにより、ジョイント部材からのインク漏れの発生を防止することができ、ジョイント動作の信頼性を大幅に向上させることができる。
以上に示した各実施形態では、弾性部材11の周面、タンク内方に面した内面はケース15と非接触状態とされ、自己の弾性によってスリットを閉鎖する構成であった。しかし、急激な環境変化など不足の事態において、まれにスリットからインクが滲んだり、漏れ出したりする場合が見受けられたため、これを改善する形態を検討した。以下、検討の結果の実施形態について説明する。
(第5の実施形態)
図9は、本実施形態のインクカートリッジの弾性部材11とケース15の関係を説明するための図であり、図9(a)は弾性部材11とケース15の断面図、図9(b)は弾性部材11のケース15に挿入される部分の外形形状とケース15の形状とを針挿入方向より投影した図(以下、投影図では弾性部材11の支持固定部11cは省略してある)であり、図9(c)は図9(a)、図9(b)の弾性部材11のケース15に挿入される部分の外形形状とケース15の形状とを重ねあわせた図である。
弾性部材11のケース15に挿入される部分の外形形状は、φ2.2の円とφ2.9の円弧を幅1mmとした2ヶ所の出張り部11gからなっており、中央には長さ0.3mmのスリット12が設けられている。また、φ2.9の円弧を1mmとした2ヶ所の出張り部11gは、スリット12の切り込みを方向と直交する方向に設けられている。また、ケース15の弾性部材11を挿入する部分の形状はφ2.6である。弾性部材11はケース15に挿入され、押さえ板とゴムケースに挟持されるが、弾性部材の2ヶ所の出張り部11gは、ケース15の形状からはみ出しているため、ケース15に嵌合される。弾性部材11のケース15に嵌め込まれる部分の厚みは1.4mmであり、ケース15の深さは1.5mmである。V1は弾性部材11のケース15に嵌合される部分の容積、V2はケース15の容積であり、それぞれV1は6.0mm3、V2は8.0mm3である。
このように、弾性部材11の出張り部11gがスリット12の切り込み方向と直交する方向に設けられ、かつ、ケース15に嵌合されることで、スリット12を締め付ける方向に弾性部材11が変形する。これにより、液体供給針の挿入時及び未挿入時のスリットからのインク漏れを防止することができる。本実施形態では、弾性部材11の出張り部11gがスリット12の切り込み方向と直交する方向に設けたが、直交する方向でなくとも、弾性部材がケースに押圧されることでスリットが閉じる方向に圧力が発生する構成であればよい。
また、弾性部材11のケース15に嵌め込まれる部分の容積が6.0mm3で、ケースの容積の8.0mm3より小さく、かつ、弾性部材のケースに押圧される部分が両サイドの2ヶ所であるため、全周が嵌合する構成と比較して弾性部材をケースに挿入することが容易であり、手作業もしくは簡易な製造装置で嵌め込むことができる。
また、弾性部材11の取付けは、ケース15と押さえ板31とによって行なわれており(図4および当該説明参照)、スリット方向に発生する緊縮力を利用して取り付けられているのではない。このため、スリット方向に発生する緊縮力は、スリットからのインク漏れの抑制に寄与さえすればよい。すなわち、本実施形態の弾性部材11は、弾性部材の全周をケースに嵌合させる構成に比べてその内部応力を抑制できるので液体供給針21の挿入荷重を低く抑えることができる。これにより、小型モータでの液体供給針21と弾性部材11の接続が可能となる。
上記本実施形態によれば、スリットを有する弾性部材に液体供給針を挿入して、インクカートリッジからインクジェット記録ヘッドにインクを供給するインクカートリッジにおいて、インク漏れの発生を防止するとともに、インクカートリッジの着脱時に必要な荷重を低減させ、高信頼性と高性能を実現する。さらに、製造コストを低減させ、安価なインクカートリッジを提供することができる。
(第6の実施形態)
図10は、本実施形態のインクカートリッジの弾性部材11とケース15の関係を説明するための図であり、図10(a)は弾性部材11とケース15の断面図、図10(b)は弾性部材11のケース15に挿入される部分の外形形状とケース15の形状とを針挿入方向より投影した図(以下、投影図では弾性部材11の支持固定部11cは省略してある)であり、図10(c)は図10(a)、図10(b)の弾性部材11のケース15に挿入される部分の外形形状とケース15の形状とを重ねあわせた図である。
本実施形態のインクカートリッジの主要な外部構成と内部構成は第5の実施形態と同等であるため、説明は省略する。
図10において、弾性部材11のケース15に挿入される部分の外形形状は、φ2.2の円とφ2.9の円弧を幅1mmとした2ヶ所の出張り部11gとφ2.7の円弧を幅1mmとした2ヶ所の出張り部11hとからなっており、中央には長さ0.3mmのスリット12が設けられている。また、φ2.9の円弧を1mmとした2ヶ所の出張り部11gはスリット12の切り込み方向と直交する位置に設けられており、φ2.7の円弧を幅1mmとした2ヶ所の出張り部11hはスリット12の切り込み方向の延長位置に設けられている。また、ケース15の弾性部材11を挿入する部分の形状はφ2.6である。弾性部材11はケース15に挿入され、押さえ板31(不図示)に挟持されて取り付けられるが、弾性部材11の4ヶ所の出張り部11g、11hは、ケース15の形状からはみ出しているため、ケース15に嵌合される。弾性部材11のゴム収納部15に嵌め込まれる部分の厚みは1.4mmであり、ゴム収納部15の深さは1.5mmである。
V3は弾性部材11のケース15に嵌合される部分の容積、V4はケース15の容積であり、それぞれV3は6.6mm3、V4は8.0mm3である。VL1、VL2はスリット12の切り込み方向と直交する位置に設けた弾性部材11のケース15に押圧される部分であり、VS1、VS2はスリット12の切り込み方向と直交する位置に設けた弾性部材11のケース15に押圧される部分以外の押圧される部分である。VL1とVL2の容積の和は0.42mm3であり、VS1とVS2の容積の和は0.14mm3である。
このように、スリット12の切り込み方向と直交する位置に設けた弾性部材11のケース15に押圧される部分の容積の和が、それ以外の押圧される部分の容積の和より大きく、かつ、ケースに嵌合されることで、スリット12を締め付ける方向に弾性部材11が変形する。これにより、液体供給針の挿入時及び未挿入時のスリットからのインク漏れを防止することができる。
また、弾性部材11のケース15に嵌め込まれる部分の容積が6.6mm3で、ケース15の容積の8.0mm3より小さいため、全周が嵌合する構成と比較して弾性部材をケースに挿入することが容易であり、手作業もしくは簡易な製造装置で嵌め込むことができる。
また、弾性部材11の取付けは、ケース15と押さえ板31とによって行なわれており(図4および当該説明参照)、スリット方向に発生する緊縮力を利用して取り付けられているのではない。このため、スリット方向に発生する緊縮力は、スリットからのインク漏れの抑制に寄与さえすればよい。すなわち、本実施形態の弾性部材11は、弾性部材の全周をケースに嵌合させる構成に比べてその内部応力を抑制できるので液体供給針21の挿入荷重を低く抑えることができる。これにより、小型モータでの液体供給針21と弾性部材11の接続が可能となる。
また、弾性部材11の4方向にケース15に押圧される部分11g、11hがあるため、弾性部材挿入後に弾性部材が傾くことがなく、ケース15に対して精度よく嵌合させることができる。すなわち、液体供給針の挿入時における弾性部材の位置精度のばらつきを低減させることができるので、液体供給針との接続時の挿入荷重を低減させることができるだけでなく、弾性部材が液体供給針によって削られてしまうといった問題も防止することができる。
以上、本実施形態によれば、スリットを有した弾性部材に液体供給針を挿入して、インクカートリッジからインクジェット記録ヘッドにインクを供給するインクカートリッジにおいて、インク漏れの発生を防止するとともに、インクカートリッジの着脱時に必要な荷重を低減させ、高信頼性と高性能を実現する。さらに、製造コストを低減させ、安価なインクカートリッジを提供することができる。
(第7の実施形態)
図11は、第7の実施形態のインクカートリッジにおける弾性部材11とケース15の関係を説明するための図である。図11は、いずれも、弾性部材11のケース15に挿入される部分の外形形状とケース15の形状とを針挿入方向より投影した図(以下、投影図では弾性部材11の支持固定部11cは省略してある)である。
図11(a)は、円形の弾性部材11に対してケース15の内周側に突起部15cを設けて、弾性部材11の両サイドの2ヶ所を押圧させている。
図11(b)は、長軸の長さがケース15の内径よりも長い楕円形の弾性部材11を円形のケース15に嵌め込ませることで、両サイドの2ヶ所を押圧させている。
図11(c)は、円形の弾性部材11を、内側の短辺の長さが弾性部材11の直径よりも短い長方形のケース15に嵌め込ませることで、弾性部材11の2方向を押圧させている。
図11(d)は、円形の弾性部材11を、内側の辺の長さが弾性部材11の直径よりも短い正方形のケース15に嵌め込ませることで、弾性部材11の4方向を押圧させている。
図11のいずれの構成においても、弾性部材11のケース15に嵌め込まれる部分の容積が、ケース15の容積より小さいため、全周が嵌合の構成と比較して弾性部材11をケース15に挿入することが容易であり、手作業もしくは簡易な製造装置で行うことができる。
また、弾性部材11の全周がケース15に嵌合している構成でないため、弾性部材11の内部応力を抑制することが可能で、液体供給針の挿入荷重を低くすることができる。これにより、小型モータでの液体供給針と弾性部材11の接続が可能となる。
また、図11(a)、(b)、(c)においては、弾性部材11の突起部15c、長軸側、あるいはケース15の短辺がスリット12の切り込み方向と直交する位置に設けられ、かつ、ケース15に嵌合されることで、スリット12を締め付ける方向に弾性部材11が変形する。これにより、液体供給針の挿入時及び未挿入時のスリット12からのインク漏れを防止することができる。
また、図11(d)においては、スリット12の切り込み方向と直交する位置に設けた弾性部材11のケース15に押圧される部分の容積の和が、それ以外の押圧される部分の容積の和より大きく、かつ、ケース15に嵌合されることで、スリット12を締め付ける方向に弾性部材11が変形する。これにより、液体供給針の挿入時及び未挿入時のスリット12からのインク漏れを防止することができる。
また、図11(d)においては、弾性部材11の4方向にケース15に押圧される部分があるため、弾性部材11挿入後に弾性部材11が傾くことがなく、ケース15に対して精度よく嵌合させることができる。すなわち、液体供給針の挿入時における弾性部材11の位置精度のばらつきを低減させることができるので、液体供給針との接続時の挿入荷重を低減させることができるだけでなく、弾性部材11が液体供給針によって削られてしまうといった問題も防止することができる。
以上、本実施形態によれば、スリット12を有した弾性部材11に液体供給針を挿入して、インクカートリッジからインクジェット記録ヘッドにインクを供給するインクカートリッジにおいて、インク漏れの発生を防止するとともに、インクカートリッジの着脱時に必要な荷重を低減させ、高信頼性と高性能を実現する。さらに、製造コストを低減させ、安価なインクカートリッジを提供することができる。特に、ピットインインク供給方式を採用した小型のインクジェット記録装置に使用されるインクカートリッジにおいて、高信頼性と高性能の双方を満足させたインクカートリッジを提供することができる。
なお、本実施形態では、弾性部材11のケース15に挿入される部分の外形形状とケース15の形状とを針挿入方向より投影した二次元の図により発明の内容を説明したが、弾性部材11のケース15に押圧される部分は、弾性部材11の厚み方向(ケース15の深さ方向)にある構成においても、本発明の意図するところであるのはいうまでもない。
以上のような構成の弾性部材11から液体供給針21を抜く際、図12に示されるように、弾性部材11の液体供給針21の貫通側部分がスリット12内側へ巻き込まれ、弾性部材11の挿入側にめくれあがる(めくれ部分12a、12)場合がある。
このようなめくれが起こることにより、インクシール面であるスリット12での密着が行われず、インク漏れが発生したり、また、液体供給針21がスリット12を抜けた後、めくれが復元したとしても、本来貫通するスリットの厚み分のストローク(弾性部材11に対する液体供給針21の挿抜方向への移動量)に加えて、めくれあがる長さ分のストロークをとる必要が生じ、プリンタの大型化を招く結果となってしまう。
このような事態を招かないような条件を検討し、その実施形態について図面を参照して説明する。
(第8の実施形態)
図13は、本実施形態のインクカートリッジにおける、液体供給針が連結される弾性部材まわりの構成を示す、スリット幅と直角方向の断面図である。
本実施形態のインクカートリッジは、インクタンクからのインクLの漏れと未使用時のインクLの蒸発を防ぐためのシール部材である弾性部材11と、弾性部材11を挟持する開口窓φD1が形成された押さえ板31と、ケース15とを有する。
弾性部材11は、液体供給針21の挿通部であるスリット12と、スリット12へ液体供給針21を誘い込む開口径φD2の凹部11fと、液体供給針貫通側方向であるインクタンク内側方向へ突出した凸部11aを有している。本実施形態では、押さえ板31は、材質にSUS304を用いて、板厚を0.3mmとし、液体供給針21が貫通するためのφ1.6mmの開口窓(φD1)が開いている。液体供給針21は、外径がφ0.5mm、内径がφ0.3mm、材質はSUS304としている。ケース15の内径はφ2.6mmであり、材質はノリルである。弾性部材凹部11fの開口径(φD2)はφ1.5mm、凸部11aの外形はφ2.2mmの円筒形(φD)、挟持部厚みは0.7mmであり、材質は塩素化ブチルゴムである。この部品の選定においては、使用されるインクに耐えうるもので、かつシール部分からの蒸発が少ないものであればよく、かつ液体供給針21のジョイント時の挿入力が低いものが望ましい。
本実施形態では、上述したように弾性部材11の凸部11aの外径φ2.2mmよりも、押さえ板31の開口径φ1.6mmと狭め、開口径φ1.6mmに対して凹部11f径をφ1.5mmと概ね等しくしている。これにより、図13に示すように、液体供給針21の外径に押さえ板31の開口部が近くなるため、押さえ板31からの反発力が抜き方向と逆方向に発生しやすくなり、凸部25のスリット12への巻き込みは押さえられ、よってめくれは発生しない。このように本実施形態によれば、弾性部材11のめくれを生じさせることなく、液体供給針21を弾性部材11から安定して抜くことが可能となる。
(第9の実施形態)
図14は、本実施形態のインクカートリッジにおける、液体供給針が連結される弾性部材まわりの構成を示す、スリット幅と直角方向の断面図である。
本実施形態のインクカートリッジも第8の実施形態と同様に、インクタンクからのインクLの漏れと未使用時のインクLの蒸発を防ぐためのシール部材である弾性部材11と、弾性部材11を挟持する開口窓φD1が形成された押さえ板31と、ケース15とを有する。
弾性部材11は、液体供給針21の挿通部であるスリット12と、スリット12へ液体供給針21を誘い込む開口径φD2の凹部11fと、液体供給針21の貫通側方向であるインクタンク内側方向へ突出した凸部11aを有している。また、本実施形態では、押さえ板31の開口部は液体供給針21の挿入方向に向かって縮小し、凹部11fに近接するような概略ロート状の形状としている。
本実施形態では、ケース15の内径はφ2.6mmであり、材質はノリルである。押さえ板31は、材質にSUS304を用い、板厚を0.3mmとし、液体供給針21が貫通するためのφ1.6mmの開口窓(φD1)、最少径がφ0.6mmとなっている。液体供給針21は、外径がφ0.5mm、内径がφ0.3mm、材質はSUS304の中空パイプである。
弾性部材11の凹部11fの開口径(φD2)はφ2.0mm、凸部11aの外形はφ2.2mmの円柱形で、挟持部厚みは0.7mmであり、材質は塩素化ブチルゴムである。この部品の選定においては、使用されるインクに耐えうるもので、かつシール部分からの蒸発が少ないものであればよく、かつ液体供給針21のジョイント時の挿入力が低いものが望ましい。また、ケース15の内径φ2.6mmに対して、弾性部材11の凸部11aの最大幅の部分を2.85mmとし、しまり嵌め状態にすることでスリット12の密着力を上げ、インクシール性を向上させている。最大幅の部分はケース全周に対してではなく、幅はスリット12の幅の2倍程度で、スリット12の厚みと同等な高さの部分のみに設けており、液体供給針21の挿入力で約490N程度増した。
本実施形態では、押さえ板31の開口部をφ1.6mmからφ0.7mmの断面縮小形状とし、弾性部材11の凸部11aの外径φ2.2mmおよび弾性部材11の凹部11fの径φ1.5mmよりも小さくすることによって、液体供給針21の外径に押さえ板31の開口部が近くなるため、押さえ板31からの反発力が抜き方向と逆方向に発生しやすくなり、凸部11aのスリット12への巻き込みは押さえられ、めくれは発生しない。このとき、凹部11fに近接する押さえ板31の案内面31aの断面縮小部で規制されるため、弾性部材11の抜け方向の伸びはさらに減少できる。このように本実施形態によれば、液体供給針21を弾性部材11から安定して抜くことが可能となる。
以上により、弾性部材11からの液体供給針21の抜けを確実に行うことによって、液体供給針21もしくは弾性部材11を有するインクタンクの稼動領域を低減できるため、プリンタ本体の小型化が可能になる。また液体供給針21を抜く時に弾性部材11の凹部11aの表面に付着する微小インクの移動を、押さえ板31の開口部との表面張力により防止する効果もある。
ところで、ケースの構造によって、図15に示すように、液体供給針21を弾性部材11に挿入する際、液体供給針21がスリット12を貫通する前に弾性部材11全体が挿入方向に伸びてしまう状態となる場合がある。本来Saで示されるストロークで液体供給針21は弾性部材11を貫通すべきであるのに、装置上の規定のストロークSa+Sbではスリットを貫通せず、図15に示すような状態となるとインク供給不能となる場合がある。
一般的に弾性部材11としてゴムなどは他材質への貼りつき性が高く、本発明で使用するようにスリット12のような弾性部材どうしが常に密着している場合には、材質にもよるが、貼りつき性は特に高くなる。例えば、本件における上述したようなピットイン供給方式プリンタのように、未使用時には弾性部材11から液体供給針21が抜かれている構成に対して、ユーザが一度プリンタを使用してから、次に使用するまでの未使用期間が品質保持期限以上にも長期にわたる場合、弾性部材11のスリット12は貼りつき性が上がり、液体供給針21の装置上のストロークでは貫通しないまでに至るおそれがある。
このような事態を防止するのに適正なケースの構成について検討し、その実施形態について図面を参照して説明する。
(第10の実施形態)
図16は、本実施形態のインクカートリッジにおける、液体供給針が連結される弾性部材まわりの構成を示す、スリット幅と直角方向の断面図である。
本実施形態のインクカートリッジも、インクタンクからのインクLの漏れと未使用時のインクLの蒸発を防ぐためのシール部材である弾性部材11と、弾性部材11を挟持する開口窓φD1が形成された押さえ板31と、ケース15とを有する。
弾性部材11は、液体供給針21の挿通部であるスリット12と、液体供給針21貫通側に凸部11aと、スリット12を挟み込むようにして設けられた挟持部11gを備えて構成されている。また、ケース15は、挟持部11gの下面側に停止部15bを備えている。この停止部15bは、凸部11aに対向して、液体供給針21が弾性部材11スリット12を貫通する際に弾性部材11が弾性変形するのを規制するためのものである。なお、本実施形態では、スリット12へ液体供給針21を誘い込むための凹部11fを設けてある。
本実施形態では、弾性部材11のケース15部内径D3はφ2.6mmであり、材質はノリルであり、押さえ板31は、材質をSUS304、板厚を0.3mmとし、液体供給針21が貫通するためのφ1.6mmの開口窓を有している。さらに、液体供給針21は、外径がφ0.5mm、内径がφ0.3mm、材質はSUS304としている。
弾性部材11の凹部11f開口径はφ1.5mm、凸部11aの外径Dはφ2.2mm、挟持部11gの厚みは0.7mmである。また、弾性部材11の液体供給針21挿入方向の高さは2.1mmであり、材質は塩素化ブチルゴムである。この部品の選定のおいては、使用されるインクに耐えうるもので、かつシール部分からの蒸発が少ないものであればよく、かつ液体供給針21のジョイント時の挿入力が低いものが望ましい。また、ケース15の内径φ2.6mmに対して、弾性部材凸部11aの最大幅の部分を2.85mmとし、しまり嵌め状態にすることでスリット12の密着力を上げ、インクシール性を向上させている。最大幅の部分はケース全周に対してではなく、その幅はスリット12の幅の2倍程度で、スリット12の厚みと同等な高さの部分のみに設けており、液体供給針21の挿入力で約490N程度増した。停止部15bの開口径はφ1.4mmであり、対向する凸部11aの平面部までの距離は0.1mm程度である。
本実施形態ではスリット12の貼りつき性を高めた弾性部材11に対して、液体供給針21の挿入性が厳しいと考えられる低温5℃/湿度10%の環境にて、弾性部材11のスリット12を貫通するストロークを確認したところ、4.1mmという装置上の規格に対して、最大でも3.5mm程度であり、貫通ストロークが不足しないことが確認された。
本実施形態において、弾性部材11の凸部11aの外径φ2.2mmに対して停止部15bの内径をφ1.4mmとし、凸部11aの平面部から停止部15bまでの隙間を0.1mmとしたところ、図17の概念図に示すように、弾性部材11に液体供給針21が挿入されても、停止部15bによって弾性部材11の伸びはSaで抑えられるとともに、停止部15bからの弾性部材11の反発力が液体供給針21をせん断する方向の力として働きやすくなる。これにより、液体供給針21は装置上の規定のストロークSa+Sbでスリット12を確実に貫通する。
このように本実施形態は、停止部15bを設けることによって、確実に弾性部材11のスリット12を液体供給針21が貫通し、弾性部材11の無駄な伸びを軽減できるため、貫通のためのストロークが不足することは無い。
以上により、弾性部材11のスリット12の液体供給針21の貫通を確実に行うによって、安定したインク供給性能が満足されるともに、液体供給針21もしくは弾性部材11を有するインクタンクの稼動領域を低減できるため、プリンタ本体の小型化が可能になる。
ところで、連結管を弾性部材のスリットに導くための構成として、弾性部材自体に傾斜面を設ける構成が提案されていたが、挿入の状態によって傾斜面で針を案内できずに、スリットでない個所で連結管が弾性部材に差し込まれ、連結が確実に行なわれない事態を招く可能性があり、連結時の案内の信頼性を高めるための構成を検討した。
(第11の実施形態)
図18は、本実施形態のインクカートリッジにおけるジョイント部付近に関して、弾性部材11を中心に穴の並び方向と平行な向きからの断面図である。
弾性部材11はケース15に挿入され、ケース15内で押さえ板(以下では、弾性部材固定部材とも表記する)31により固定されている。弾性部材固定部材31は、液体供給針21を弾性部材11に導くための開口を有しており、開口は弾性部材11にむかって径が小さくなるロート状形状の案内面31aを有して構成されている。
図19は、図18の3箇所のジョイント部分のうち1箇所に関して、弾性部材11とケース15、弾性部材固定部材31の組み付け前の状態を示す一部断面図である。弾性部材11およびケース15の内部は概ね円柱形上をしており、弾性部材11の直径はケース内部の直径よりも大きい寸法となっている。本実施形態では弾性部材11の直径を2.6mm、ケース15の内径を2.2mmとしている。
図20に示すように、この弾性部材11をケース15に組み込むことによって、弾性部材11の中心方向に圧縮応力が蓄積される。このことによって、非ジョイント時のインク漏れを防止することができる。なお、外部から弾性部材11の中心方向への圧縮力が集めやすいことから円柱状が望ましいが、所定の圧縮力が中心部に加われば四角形などの形状とすることもできる。
図21、図22は本実施形態の効果を説明するための図である。図21ではインクジェットヘッドに設けた液体供給針21の弾性部材11への挿入前、図22はインクジェットヘッドに設けた液体供給針21の弾性部材11への挿入後の状態をそれぞれ示す断面図である。
次に、図23(a)は液体供給針21を側面から荷重Pを加え変形させるモデルを示す。ヘッド側の液体供給針21の固定部根元を0とし、荷重を加えるポイントまでの距離をxとした。このポイントにおいて、初期の位置からの液体供給針21のたわみ量をσとし、xに対する荷重Pを測定した。液体供給針21は図23(b)に示すように外形d2、内径d1で示される中空の筒である。本実施形態では、液体供給針21の外径φ0.5mm、内径φ0.3mm、長さ15mmとし、材料としてSUSを使用した。
以上の条件における実測値を図23(c)に示す。結果は液体供給針21の挿入時に液体供給針21の側面から約3Nの荷重を付与することによって、液体供給針21の根元から3.5mmの位置まで液体供給針21を撓ませることができることを示す。ここで、弾性部材固定部材31に設けられた案内面31aによって、弾性部材11からずれた位置に液体供給針21が挿入された時に液体供給針21を撓ませて液体供給針21を案内することができる。このとき、案内面31aの材料を、液体供給針21と類似の材料にすることによって、数十回から数百回のジョイント接続時の液体供給針21による案内面31aの削れ、または案内面31aによる液体供給針21の劣化を防止することができる。
また、液体供給針21を撓ませて液体供給針21を案内する際に、案内面31aは液体供給針21と同じ荷重を受ける。上記のように案内面31aの材料を液体供給針21の材料と類似の材料にすることで、液体供給針21の当接による案内面31aの削れ、変形を防止することができる。ここで、数十回から数百回のジョイント接続時の液体供給針21による案内面31aの削れ、または案内面31aによる液体供給針21の劣化を防止するために、液体供給針21と案内面31aとの当接する角度は45°以下になるように案内面31aを設定してある。液体供給針21と案内面31aとが当接する角度は小さいほうが案内面31aや液体供給針21の劣化を防止することができるが、一定範囲に位置ずれした液体供給針21を案内するための液体供給針21の挿入量が増加してしまう。本実施形態ではカートリッジの小型化に鑑み、液体供給針21と案内面31aとの当接角度を約30°と設定した。
また、本実施形態によれば、複数の液体供給針21を一度にジョイントするような構成であっても、案内面31aによって各液体供給針21が案内されることから、図18に示されるように、案内面31aをそれぞれのジョイント部に設けることによって各々の液体供給針21がそれぞれ弾性部材11の中心に導かれる。本実施形態の構成によれば、インク種が増加したりジョイント部のレイアウトの変更があっても高価な新しい製造装置が不用となる。さらに、インクジェット装置内でジョイント部を接続する際の別のアライメント機構も単純または不用になり、インクジェット装置およびインクカートリッジの小型化・低価格化が可能になる。同時に複数の連結をする場合、すなわち、多数種のインクを含むインクタンクの連結に際して特に有効である。
液体供給針21を案内する斜面である案内面31aは、その機能上、経時的な変形や位置ズレを起こさないことが望ましい。このために、図20に示した状態で、案内面31aが弾性部材11の中心方向への圧縮に寄与しないように、すなわち案内面31aが弾性部材11からの反発力を受けないように、例えば上述した第1実施形態に示されるように、弾性部材11に固定支持部を設けて、押さえ板31とケース15とで挟持して固定されることがより望ましい。
また、案内された液体供給針21が弾性部材11に挿入されやすくするように本実施形態のインクカートリッジにおいては、この弾性部材11の中央部にスリット12が設けられている。スリット12が形成されている部分の厚みは0.5mmで、スリット12の長さは0.5mmとなっている。スリット12の長さは液体供給針21の外径と同等の長さがあるため、液体供給針21の中心が弾性部材11の中心に対して液体供給針21の径の約1/2位置ずれした状態で挿入されても、少なくとも液体供給針21の外形はスリット12にかかるので液体供給針21をスリット12へ導くことができる。また、液体供給針21の外形と略同等の長さのスリット12を設けることによって、ゴム弾性が低下する低温、例えば0℃の低温環境において液体供給針21と弾性部材11を接続した際、スリット12の周囲を無理に引き伸ばすことがなく、スリット12の裂けを防止することができる。
本実施形態によれば、スリット12を有した弾性部材11に液体供給針21を挿入して、インクカートリッジからインクジェットヘッドにインクを供給するインクカートリッジにおいて、特に、複数のジョイント部を同時に、かつ数十回〜数百回の繰り返しで接続するピットイン方式の記録装置に使用されるインクカートリッジにおいて、液体供給針21の挿入によるスリット12のダメージを防止または低減し、弾性部材11からのインク漏れの発生を防止することができる。また、インクカートリッジとインクジェットヘッドの接続時に特殊な位置決め手段を設けることなく高精度にジョイントすることができるため、ピットインインク供給方式を採用した小型で安価なインクジェット記録装置に使用されるインクカートリッジを提供することができる。
以上、本実施形態によれば、スリット12を有した弾性部材11に液体供給針21を挿入して、インクカートリッジからインクジェット記録ヘッドにインクを供給するインクカートリッジにおいて、特に、ピットインインク供給方式を採用した小型のインクジェット記録装置に使用されるインクカートリッジにおいて、インク漏れの発生を防止する高信頼性と低価格化、インクジェット装置の小型化を達成するインクカートリッジを提供することが可能になる。
なお、以上の各実施形態では、スリットは液体供給管の挿入側、内部、出口側で同じ径を有するストレートな切れ込み構成として説明してきたが、インクの漏れと挿抜力の観点で、以下に説明する構成とすることも好ましい。
(第12の実施形態)
図24は、本実施形態の弾性部材11の一例を説明するための図である。図24(a)は、弾性部材11を液体供給管挿入方向から見た図であり、図24(b)は図24(a)におけるA−A断面図、図24(c)は図24(a)におけるB−B断面図である。弾性部材11の中央部にはスリット12が設けられていることは上述した各実施形態と同等である。本実施形態では、弾性部材11に設けたスリット12の構成に特徴を有する。本実施形態のスリット12の厚みは0.5mmで、スリット12の長さは液体供給針21の挿入側の長さをL1、液体供給針21出口側の長さをL2、スリット12の内部のスリット長さが最も小さい部分の長さをL3としたとき、L1、L2は0.5mm、L3は0.3mmとなっている。また、本実施形態のインクジェット記録ヘッドに設けた液体供給針21の外径はφ0.5mmとなっている。
本実施形態の弾性部材11においては、スリット12の内部にスリット長さが0.3mmの部分を有するため、外径φ0.5mmの液体供給針21が挿入された際において、液体供給針21とスリット12との密閉力が高く、連結時のインク漏れを抑制できる。また、液体供給針21の挿入側のスリット12の長さは0.5mmで液体供給針21の外径と同等の長さがあるため、液体供給針21が弾性部材11に対して位置ずれした状態で挿入されても、液体供給針21をスリットへ導くことができる。また、液体供給針21の出口側のスリット長さは0.5mmで液体供給針21の外径と同等の長さがあるため、低温環境での接続の際に発生しやすい液体供給針21の出口側のスリット12の裂けを防止することができる。
スリット長さが液体供給針21の挿入側から出口側まで同じであるストレートなスリット構成であっても好適な弾性部材構造を提供できるが、本実施形態のようにスリット内部の径が挿入側、出口側の径より短い構成となっていることは、上述のような効果を発揮することになる、より好ましい構成例となる。
上記本実施形態によれば、スリット12を有した弾性部材11に液体供給針21を挿入して、インクカートリッジからインクジェット記録ヘッドにインクを供給するインクカートリッジにおいて、液体供給針21の挿入時および未挿入時のインク漏れの発生を防止することができる。また、インクカートリッジとインクジェット記録ヘッドの接続時に必要な荷重を低減することで、ピットインインク供給方式を採用した小型のインクジェット記録装置に使用されるインクカートリッジを提供することができる。
(第13の実施形態)
図25は、本実施形態のジョイント部の概略斜視図である。ジョイント部は、弾性部材11と弾性部材11を受け入れる開口を備えたケース15と、弾性部材11をケース15に対して押圧取付けする取付け板31とによって構成される。
弾性部材11は、開口部14およびスリット12が形成された被挿入部11aと、ジョイント部材11の外周部分となる外縁部11bと、被挿入部11aと外縁部11bとを上部側で繋ぐ支持固定部11cとを有する断面形状が略M字形状の弾性体からなる。本実施形態では、塩素化ブチルゴムを用いている。
スリット12は開口部14側から被挿入部11aの下面側まで切り込まれたスリット状の貫通穴であり、液体供給針21が挿入されていない状態では、自らの内部応力により閉じた状態にある。また、後述のように弾性部材11の被挿入部11aの周囲に一部分出張り部11g、11hを設けて、スリット閉鎖状態の信頼性を確保している。
開口部14の径d5は液体供給針21の外径d4より大きく、最下面13の径は液体供給針21の外径d4より小さくしてその間を傾斜面11fで繋げた円錐凹形状としている。
弾性部材11は、ケース15に設けられた支持部15aの上面11d上に、支持固定部11cの下面11c1が当接するようにして置かれ、さらに支持固定部11cの上面11d側から押さえ板31によって圧力を加えて所定量の押し潰し量だけ押し潰されるようにして、ケース15と押さえ板31との間で挟持されている。
一方、被挿入部11aの下面11eとケース15の底面15bとの間にも隙間61が形成されているが、液体供給針21がスリット12に挿入された際には、被挿入部11aの下面11eはケース15の底面15bに当接し、底面15bが停止部として機能して被挿入部11aが支持され、不要な変形が防止される。
また、ケース15と押さえ板31とによって支持固定部11cの部分11c’を挟持する力の方向を液体供給針21をスリット12に挿入する方向と略同一方向となるようにしている。このような構成とすることで支持固定部11cの部分11c’を挟持することで発生する内部応力がスリット12の締め付け方向に加わらない。このため、液体供給針21を挿入するための挿入力はジョイント部材11のスリット12を押し拡げる力のみとなり、通常のケースに嵌め込むことでスリットの締め付け方向に圧力を加えているものと比較して、挿入力は格段に小さくなり、本体駆動系の負荷を低減することができる。しかも、支持固定部11cの部分11c’を挟持する構成としたことで、確実にジョイント部材をケース15に対して押圧取り付けすることができ、ジョイント部からのインク漏れの課題も良好に改善できる。
弾性部材11には、図10に示されているような出張り部11g、11h(11hは不図示)が設けられている。この例の弾性部材11の外形形状は、φ2.2の円とφ2.9の円弧を幅1mmとした2ヶ所の出張り部11gとφ2.7の円弧を幅1mmとした2ヶ所の出張り部11hとからなっており、中央には長さ0.3mmのスリット12が設けられている。また、φ2.9の円弧を1mmとした2ヶ所の出張り部11gはスリット12の切り込み方向と直交する位置に設けられており、φ2.7の円弧を幅1mmとした2ヶ所の出張り部11hはスリット12の切り込み方向の延長位置に設けられている。
なお上述のように、弾性部材11の取付けは、ケース15と押さえ板31とによって行なわれており(図4および当該説明参照)、スリット方向に発生する緊縮力を利用して取り付けられているのではない。このため、スリット方向に発生する緊縮力は、スリットからのインク漏れの抑制に寄与さえすればよい。すなわち、本実施形態の弾性部材11は、弾性部材の全周をケースに嵌合させる構成に比べてその内部応力を抑制できるので液体供給針21の挿入荷重を低く抑えることができる。これにより、小型モータでの液体供給針21と弾性部材11の接続が可能となる。
また、弾性部材11の4方向にケース15に押圧される出張り部分11g、11hがあるため、挿入された弾性部材11が傾くことがなく、ケース15に対して精度よく嵌合させることができる。すなわち、液体供給針21の挿入時における弾性部材の位置精度のばらつきを低減させることができるので、液体供給針との接続時の挿入荷重を低減させることができるだけでなく、弾性部材11が液体供給針21によって削られてしまうといった問題も防止することができる。
さらに、押さえ板31は、弾性部材11の開口14に対応した個所が液体供給針21の挿入方向に向かって縮小し、凹部11fに近接するような概略ロート状の案内面31aとして構成されている。
本実施形態では、ケース15内径はφ2.6mmであり、材質はノリルである。押さえ板31は、材質にSUS304を用い、板厚を0.3mmとし、液体供給針21が貫通するためのφ1.6mmの開口窓(φD1)、最小径がφ0.6mmとなっている。
弾性部材11の凹部11fにおける開口径(φD2)はφ2.0mm、凸部11aの外形はφ2.2mmの円柱形で、挟持部厚みは0.7mmであり、材質は塩素化ブチルゴムである。この部品の選定においては、使用されるインクに耐えうるもので、かつシール部分からの蒸発が少ないものであればよく、かつ液体供給針21のジョイント時の挿入力が低いものが望ましい。また、ケース15の内径φ2.6mmに対して、弾性部材11の凸部11aの最大幅の部分を2.85mmとし、しまり嵌め状態にすることでスリット12の密着力を上げ、インクシール性を向上させている。最大幅の部分はケース全周に対してではなく、幅はスリット12の幅の2倍程度で、スリット12の厚みと同等な高さの部分のみに設けており、液体供給針21の挿入力で約490N程度増した。
ここで、本実施形態ではカートリッジの小型化に鑑み、液体供給針21と案内面31aとの当接角度を約30°と設定した。
ケース15には、凸部11aに対向して、液体供給針21が弾性部材11スリット12を貫通する際に、弾性部材11が弾性変形することを規制する停止部15bを備えている。停止部15bの開口径はφ1.4mmであり、対向する凸部11aの平面部までの距離は0.1mm程度である。本実施形態ではスリット12の貼りつき性を上げた弾性部材11に対して、液体供給針21の挿入性が厳しいと考えられる低温5℃/湿度10%の環境にて、弾性部材11のスリット12を貫通するストロークを確認したところ、4.1mmという装置上の規格に対して、最大でも3.5mm程度であり、貫通ストロークが不足しないことが確認された。
以上より、本実施形態においては、弾性部材11の凸部11aの外径φ2.2mmに対して停止部15bの内径をφ1.4mmとし、凸部11aの平面部から停止部15bまでの隙間を0.1mmとしたところ、図17の概念図に示すように、弾性部材11に液体供給針21が挿入されても、停止部15bによって弾性部材11の伸びは抑えられるとともに、停止部15bからの弾性部材11の反発力が液体供給針21をせん断する方向の力として働きやすくなり、液体供給針21はスリット12を確実に貫通させることができる。
本発明が適用されるインクジェット記録装置の概略斜視図である。 本発明が適用されるインクカートリッジの概略斜視図である。 本発明が適用されるインクカートリッジが搭載されるプリンタに用いられるインクジェットヘッドの概略斜視図である。 本発明の第1の実施形態のジョイント部を示す構成図であり、(a)はジョイント部のスリットと直交する方向に切断した断面図、(b)はジョイント部のスリットと平行な方向に切断した断面図を、(c)はジョイント部の平面図、(d)はジョイント部に対して液体供給針を投影した状態をそれぞれ示す。 液体供給針がジョイント部材のスリットへ挿入される過程を示す図であり、(a)〜(e)はジョイント部のスリットと直交する方向に切断した方向から示す断面図、(a’)〜(e’)はジョイント部のスリットと平行な方向に切断した方向から示す断面図である。 本発明の第2の実施形態のジョイント部を示す構成図であり、(a)はジョイント部のスリットと直交する方向に切断した断面図、(b)はジョイント部のスリットと平行な方向に切断した断面図を、(c)はジョイント部の平面図、(d)はジョイント部に対して液体供給針を投影した状態を示す図をそれぞれ示す。 本発明の第3の実施形態のジョイント部を示す構成図であり、(a)はジョイント部のスリットと直交する方向に切断した断面図、(b)はジョイント部のスリットと平行な方向に切断した断面図を、(c)はジョイント部の平面図、(d)はジョイント部に対して液体供給針を投影した状態を示す図をそれぞれ示す。 本発明の第4の実施形態のジョイント部を示す構成図であり、(a)はジョイント部のスリットと直交する方向に切断した断面図、(b)はジョイント部のスリットと平行な方向に切断した断面図を、(c)はジョイント部の平面図、(d)はジョイント部に対して液体供給針を投影した状態を示す図をそれぞれ示す。 本発明の第5の実施形態のジョイント部を示す構成図であり、(a)は弾性部材とケースとを組み付ける前の状態、(b)は弾性部材を底面から見た概略図であり、ケースを上面からみた概略図、(c)は弾性部材とケースとを組み付けた状態を断面図と平面図である。 本発明の第6の実施形態のジョイント部を示す構成図であり、(a)は弾性部材とケースとを組み付ける前の状態、(b)は弾性部材を底面から見た概略図であり、ケースを上面からみた概略図、(c)は弾性部材とケースとを組み付けた状態を断面図と平面図である。 本発明の第7の実施形態のジョイント部を示す構成図であり、弾性部材の平面図、ケースの平面図、弾性部材とケースとを組み付けた状態を示す平面図によって表したもので、(a)〜(d)はそれぞれ各種の変形構成を示している。 ジョイント部における弾性部材のめくれ状態を概念的に示す概略断面図である。 本発明の第8の実施形態のジョイント部を示す概略断面図である。 本発明の第9の実施形態のジョイント部を示す概略断面図である。 ジョイント部における液体供給針が弾性部材を貫通しない状態を概念的に示す概略断面図である。 本発明の第10の実施形態のジョイント部を示す概略断面図である。 第10の実施形態を採用したジョイント部における液体供給針が弾性部材を貫通している状態を概念的に示す概略断面図である。 本発明の第11の実施形態のジョイント部を示す概略断面図である。 本発明の第11の実施形態のジョイント部の一部を部分的に分解して示す概略断面図である。 図19で示すジョイント部を組み付けた概略断面図である。 図20で示されるジョイント部に対して液体供給針を挿入する状態を示す概略断面図である。 図20で示されるジョイント部に対して液体供給針が挿入された状態を示す概略断面図である。 ジョイント部に対して挿入される液体供給針のたわみを説明する図であり、(a)はモデル図、(b)は管の断面図、(c)は管のたわみ量を示す図である。 本発明の第12の実施形態のジョイント部を示す概略断面図であり、(a)は平面図、(b)はスリットと平行な面で切断した断面図、(c)はスリットと直交する面で切断した断面図である。 本発明の第13の実施形態のジョイント部を示す概略斜視図である。 従来のインクカートリッジのジョイント部の一構成例を示す概略断面図である。
符号の説明
10 インクカートリッジ
11、51、61、81 ジョイント部材
11a、51a、61a 被挿入部
11b 外縁部
11c 支持固定部
11c1 部分
11d 上面
11e、61e 下面
11f、51f、61f 傾斜面
11g、11h 出張り部
12、52、62、82 スリット
13、53 最下面
13b 交差部
14a、54a 開口
14、64 開口部
15 ケース
15b 底面
15a 支持部
16 最下点
20 液体吐出ヘッド
21、71 液体供給針
22 外径エッジ
23 内径エッジ
24 横穴開口部
31 押さえ板
32 搬送ローラ
33 排紙ローラ
60、61 隙間
71a 先端
81a 平面
100 回転軸

Claims (12)

  1. インクジェットヘッドに対して供給されるインクを貯留するインク貯留部と、前記インクジェットヘッドにインクを供給する経路の始端に配された管部材が挿抜されるスリットを備えた弾性部材と、該弾性部材が取り付けられるケースと、を備えたインクカートリッジにおいて、
    前記ケースの端部に対して前記弾性部材を取り付けるために用いられ、前記管部材が通過する開口を備えた押さえ部材を有しており、
    前記弾性部材は前記ケースの内部に位置する本体部と、該本体部より大きな径の支持固定部とを備え、
    前記押さえ部材と前記ケースの端部とによって、前記支持固定部を挟持して前記弾性部材が取り付けられていることを特徴とするインクカートリッジ。
  2. 前記弾性部材は、前記支持固定部のさらに外側に延在して設けられた外縁部を備え、該外縁部は前記ケースの端部の外側周囲に位置するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクカートリッジ。
  3. 前記弾性部材の本体部の径は、前記弾性部材の本体部が位置する前記ケースの内部の径より小さいことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットカートリッジ。
  4. 前記弾性部材の本体部の外周の一部であって、前記スリットの延在する方向に対して交差する位置に、前記本体部の外側に突出した2つの第1突起部を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
  5. 前記弾性部材の本体部の外周の一部であって、前記スリットの延在する方向に対して交差する位置に、前記本体部の外側に突出した2つの第1突起部と、前記スリットの延在する位置に、前記本体部の外側に突出した2つの第2突起部を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
  6. 前記押さえ部材の開口部の開口径は、前記弾性部材の前記管部材の挿入方向に向かって縮径して形成された円錐状凹部の最外部の開口径以下であり、かつ前記弾性部材の本体部の径より小さいことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
  7. 前記ケースの内部には、前記弾性部材の本体部の内方端面に対向した位置に前記ケースの内径が縮径された段差部を有しており、前記内方端面と前記段差部との間には間隙を有していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
  8. 前記弾性部材は前記管部材の挿入方向に向かって縮径する円錐状凹部を有しており、前記押さえ部材は、前記弾性部材の前記円錐状凹部内に向かって縮径した円錐形状の凹部を有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
  9. 前記押さえ部材は、前記管部材と同等の材料で構成されていることを特徴とする請求項8に記載のインクカートリッジ。
  10. 前記押さえ部材は、前記管部材と同類の金属製であることを特徴とする請求項9に記載のインクカートリッジ。
  11. 前記弾性部材に形成されたスリットは、前記管部材の入口側から出口側に至る途中にスリット幅が短い部分を有していることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
  12. 前記短い部分のスリット幅は、前記管部材の外径より小さいことを特徴とする請求項11に記載のインクカートリッジ。
JP2004129773A 2003-04-25 2004-04-26 インクカートリッジ Pending JP2004338398A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004129773A JP2004338398A (ja) 2003-04-25 2004-04-26 インクカートリッジ

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003122006 2003-04-25
JP2004129773A JP2004338398A (ja) 2003-04-25 2004-04-26 インクカートリッジ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004338398A true JP2004338398A (ja) 2004-12-02

Family

ID=33543280

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004129773A Pending JP2004338398A (ja) 2003-04-25 2004-04-26 インクカートリッジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004338398A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007144809A (ja) * 2005-11-28 2007-06-14 Brother Ind Ltd インクカートリッジ
JP2007230089A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Seiko Epson Corp 液体収容カートリッジ
JP2013086431A (ja) * 2011-10-20 2013-05-13 Canon Inc 液体吐出ヘッドおよび供給路接続部材
JP2016221946A (ja) * 2015-05-29 2016-12-28 キヤノン株式会社 液体吐出装置及び液体吐出装置における装着機構
JP7427916B2 (ja) 2019-10-31 2024-02-06 セイコーエプソン株式会社 流路部材、流路ユニット、および、液体噴射装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007144809A (ja) * 2005-11-28 2007-06-14 Brother Ind Ltd インクカートリッジ
JP4661553B2 (ja) * 2005-11-28 2011-03-30 ブラザー工業株式会社 インクカートリッジ
JP2007230089A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Seiko Epson Corp 液体収容カートリッジ
JP2013086431A (ja) * 2011-10-20 2013-05-13 Canon Inc 液体吐出ヘッドおよび供給路接続部材
JP2016221946A (ja) * 2015-05-29 2016-12-28 キヤノン株式会社 液体吐出装置及び液体吐出装置における装着機構
JP7427916B2 (ja) 2019-10-31 2024-02-06 セイコーエプソン株式会社 流路部材、流路ユニット、および、液体噴射装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7556366B2 (en) Ink cartridge
EP1892103B1 (en) Ink tank
US7806523B2 (en) Liquid ejecting apparatus and liquid container holder thereof
US20050052511A1 (en) Liquid ejecting apparatus and liquid container holder thereof
JP4585797B2 (ja) 液体供給装置
US7438401B2 (en) Inkjet recording apparatus and ink cartridge
EP1839877A1 (en) Ink cartridges and inkjet printer
JP5064381B2 (ja) 第1、第2および第3のシールを規定する封止構成要素
EP0661160B1 (en) Ink jet cartridge and ink jet printer using it
KR20080027394A (ko) 액체 수용 용기
JP4873697B2 (ja) インクジェット記録装置
EP2772360A2 (en) Cartridge, liquid supply system, and liquid ejection apparatus
JP2009214548A (ja) インクカートリッジ
KR20020066227A (ko) 액체 분사 장치
JP2004338398A (ja) インクカートリッジ
JP4469686B2 (ja) 液体噴射装置
JP5007635B2 (ja) 液体検出ユニット及びそれを用いた液体収容容器並びに液体収容容器の製造方法及び分解方法
JP4403560B2 (ja) 液体噴射装置
US11198298B2 (en) Cartridge and liquid ejecting apparatus
EP2070705B1 (en) Liquid ejecting device, printing apparatus and liquid supplying method
JP3215022B2 (ja) インクタンク、インクタンクの製造方法およびインクジェット記録装置
US20050275671A1 (en) Duct connecting structure
JP2008302631A (ja) インクジェット記録装置
JP4959432B2 (ja) インク注入補助治具
WO2014024420A1 (ja) 液体収容容器および液体供給システム