JP2004337422A - 把持鉗子 - Google Patents

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Abstract

【課題】生態組織などの把持対象を確実に把持することができる把持鉗子を提供する。
【解決手段】把持鉗子1は、体腔内に挿入されるシース2に、基端31,41を連結部材5で操作ワイヤ6に連結した一対の把持片3,4を突出可能、または進退可能に収容した構成を有する。把持片3は、第一湾曲部35および第二湾曲部36によりスリーブ8と当接するタイミングを調整されており、第一湾曲部35により把持片4よりも早いタイミングで閉じる始め、第二湾曲部36により把持片4よりも早いタイミングで完全に閉じるようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡のチャンネルを通じて体腔に導入される把持鉗子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、体腔内に処置具を導入し、生体組織や結石などを把持したり、摘出したりする把持鉗子が知られている(特許文献1、特許文献2参照)。
例えば、特許文献2に開示されている把持鉗子は、爪上部を形成した把持片を連結管で操作ワイヤに連結する。操作ワイヤは外套管内に挿通されており、外套管の先端には、把持片が挿通するガイド孔が穿設された先端チップが固定されている。先端チップの外表面には、爪状部に対応して形成した収納溝が設けられており、把持片を閉じたときに爪状部が引っかかることを防止する。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第4418692号明細書抜粋
【特許文献2】
実開昭62−19156号公報(第2頁、第3頁、第1図、第3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献2に開示されている把持鉗子は、左右から同時に閉じる把持片の位置と把持対象の位置とを確認しながら把持することは困難であるため、把持対象の脱落を防止することが難しかった。
また、このような把持鉗子は、把持対象となる生体組織などを爪状部の間に挟み込むことがあった。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するもので、その目的は、生体組織などの把持対象を確実に把持することができる把持鉗子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供している。
請求項1に係る発明は、シース内に挿通した操作ワイヤに複数の把持片を連結し、シースの先端から突出して開く把持片を、前記操作ワイヤの後退時に前記シース内に引き込んで、前記把持片と前記シースとを当接させることで前記把持片を閉じるように構成した把持鉗子において、前記操作ワイヤの後退時に引き込まれる各把持片が前記シースに当接するタイミングを異ならせる開閉調整部を備えることを特徴とする把持鉗子とした。
【0007】
この発明に係る把持鉗子は、把持片とシースとが当接するタイミングを開閉調整部にて異ならせている。このため、把持片を閉じるときには、一方の把持片が、他方の把持片よりも早いタイミングでシースに当接し、相対的にシースに押圧されるようにして閉じる。他方の把持片は、一方の把持片よりも遅いタイミングでシースに当接するので、一方の把持片よりも所定のタイミングだけ遅れて閉じる。なお、把持片が3つ以上の場合には、少なくとも2つの把持片のタイミングが異なるようにする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の把持鉗子において、前記開閉調整部を前記把持片に備えることを特徴とする。この発明に係る把持鉗子は、把持片に開閉調整部を形成することで、シースと把持片とが当接するタイミングを異ならせている。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の把持鉗子において、前記開閉調整部を前記シースに備えることを特徴とする。この発明に係る把持鉗子は、シースに開閉調整部を形成することで、シースと把持片とが当接するタイミングを異ならせている。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項2に記載の把持鉗子において、前記開閉調整部は、前記把持片に形成した湾曲部または幅広部あるいは肉厚部であることを特徴とする。この発明に係る把持鉗子は、開閉調整部として把持片に湾曲部または幅広部あるいは肉厚部を形成し、開閉調整部の形状や、位置などにより把持片とシースとが当接するタイミングを異ならせる。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項3に記載の把持鉗子において、前記開閉調整部は、前記シースに形成した突起部またはスリットであることを特徴とする。この発明に係る把持鉗子は、開閉調整部としてシースに突起部またはスリットを形成し、開閉調整部の形状や、位置などにより把持片とシースとが当接するタイミングを異ならせる。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の把持鉗子において、先に閉じる前記把持片の長さよりも後から閉じる前記把持片の長さの方が長いことを特徴とする。この発明に係る把持鉗子は、把持片を順番に閉じるときに、後から閉じる把持片の先端が、先に閉じた把持片の先端と把持対象との間に入ることはない。
【0013】
請求項7に係る発明は、シース内に挿通した操作ワイヤに連結した把持片を前記シースに対して進退させて把持対象を把持する把持鉗子において、前記操作ワイヤの進退に伴って前記シースに対して進退する第一把持片と、前記操作ワイヤの進退に伴って前記シースに対して進退すると共に、前記シースに当接して開閉する第二把持片とを備えることを特徴とする把持鉗子とした。
【0014】
この発明に係る把持鉗子は、把持片を閉じるときには、第二把持片がシースに当接し、相対的にシースに押圧されるようにして閉じる。このため、この把持鉗子は、進退移動のみをする第一把持片に対して、第二把持片が接近するように閉じる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の第一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本実施形態における把持鉗子が閉じた状態を示す側部断面図であり、図2(a)は図1のI−I線断面図、図2(b)は図1のA矢視図である、また、図3は把持鉗子が開いた状態を示す側部断面図である。
【0016】
本実施形態の把持鉗子は、軟性の内視鏡治療装置の鉗子チャンネルに挿入されて体腔内に導入され、生体組織や結石などの把持、摘出に用いられる。図1に示す把持鉗子1は、体腔内に挿入されるシース2に、基端31,41を連結部材5で操作ワイヤ6に連結した一対の把持片3,4を突出可能、または進退可能に収容した構成を有する。
【0017】
シース2は、図示しない手元操作部に接続される可撓性のコイルシース7と、コイルシース7の先端に固定され、コイルシース7よりも硬質のシースであるスリーブ8とからなる。スリーブ8は、コイルシース7との固定箇所から先端の開口を形成する端部8aに至る間にピン9が装着されている。図1のI−I線断面図である図2(a)に示すように、断面視におけるピン9の位置は、把持片3,4に平行で、スリーブ8の中心を通る位置である。
【0018】
図1および図3に示すように、把持片3は、操作ワイヤ6に連結される基端31から把持部32までの間で2箇所曲げ加工を行って成形されている。1つ目の曲げ加工は、操作ワイヤ6に連結される基端31に連なる腕部33を把持片4から離間する方向に滑らかに曲げて腕部34を形成するもので、この湾曲部分を第一湾曲部35とする。2つの目の曲げ加工は、腕部34を把持片4からさらに離間する方向に滑らかに曲げて把持部32を形成するもので、この湾曲部分を第二湾曲部36とする。また、把持部32の先端は、開閉方向の内側に向けて折り曲げられて、爪部37を形成している。この爪部37は、把持対象を手繰り寄せる際に用いたり、把持片3,4の後退時に把持対象が把持部32,42から脱落することを防止したりするものである。
【0019】
第一湾曲部35により形成される腕部34は、図3に示す把持片3の開時に、スリーブ8と当接して把持片3の開度を調整する機能を担う。このため、第一湾曲部35の曲げ量および折り曲げ位置は、必要される把持片3の開度に応じた量および位置となる。また、把持片3が閉じるときには、腕部34が最初に当接することで把持片3が閉じ始める。このことから、第一湾曲部35は、把持片3が閉じ始めるタイミングを決定する開閉調整部である。
【0020】
把持部32は、把持片4と協働して、その内面で把持対象を把持するものである。また、図1に示すように把持部32の外面がスリーブ8に当接すると把持片3は、完全に閉じた状態となる。開いた状態から把持片3が閉じる過程において、把持部32がスリーブ8と当接するタイミングは、第二湾曲部36の形成位置、および曲げ量により決まる。このことから、第二湾曲部36は、把持片3が完全に閉じるタイミングを決定する開閉調整部である。
【0021】
把持片4は、操作ワイヤ6に連結される基端41に連なる腕部43を把持片3から離間する方向に滑らかに曲げて把持部42を形成している。把持部42を形成する湾曲部45は、開いた状態から把持片4をスリーブ8内に引き戻すときに把持部42とスリーブ8とが当接するタイミングを決定するもので、把持片4が完全に閉じるタイミングを決定する開閉調整部である。湾曲部45の位置は、把持片3において同様の役割を担う第二湾曲部36の位置よりも先端寄りの位置、言い換えると基端41から離れた位置である。また、把持部42の先端は、開閉方向の内側に折り曲げられて爪部44を形成している。爪部44は、把持対象を手繰り寄せる際に用いたり、把持片3,4の後退時に把持対象が把持部32,42から脱離することを防止したりする。
【0022】
なお、図1と、図1のA矢視図である図2(b)とに示すように、把持片3と把持片4とを閉じたときに、把持片4の爪部44と、把持片3の爪部37とが噛み合わず、爪部44が爪部37よりも所定量だけ突出するように、把持片4を把持片3よりも長くしてある。爪部37と爪部44との間に間隔を設けているのは、把持対象が爪部37,44の間に挟まってしまうことを防止するためである。また、脱落防止の観点からは、爪部37,44は大きい方が良いので、爪部37,38の位置を前後するようにずらしている。なお、把持片3は、爪部37を有しなくても良い。この場合は、爪部44が把持対象の手繰り寄せや、脱落防止に利用される。同様に、把持片3のみが爪部37を有しても良い(以下、各把持片について同じ)。
【0023】
次に、この把持鉗子1による把持動作を、図1から図4を用いて説明する。
まず、軟性の内視鏡と共に、図1に示す把持鉗子1を体腔内に導入する。導入時は、操作ワイヤ6が図示しない手元操作部側に引き出されているので、把持片3,4はシース2内に引き込まれるようにして収容されている。
【0024】
軟性のコイルシース7を操作して、把持対象に臨む位置まで把持鉗子1の先端を移動させたら、操作ワイヤ6を把持対象に向けて押し込む。これにより、基端31,41が操作ワイヤ6に連結された把持片3,4は、把持対象に向けて送り出され、図3に示すように把持片3,4の先端が、把持片3,4自身のバネ力によって広がり、さらにスリーブ8のピン9により広げられて、シース2の外で離間するようにして開く。開いた状態における把持片3,4の爪部37,44間の距離は数mmであるので、そのまま把持鉗子1を前進させると把持片3と把持片4との間に把持対象(図2の生体組織B1)を位置させることができる。
【0025】
この状態で、操作ワイヤ6を引き戻すと、操作ワイヤ6に連結されている把持片3および把持片4も引き戻される。このとき、把持片3の腕部34は、スリーブ8の端部8aに当接しているので、これに相対的に押圧されることになる。腕部34を作用する力は、把持片3を開閉方向の内側、つまり生体組織B1に向かう方向に作用するので、把持片3が閉じ始める。一方、把持片4は、この段階ではスリーブ8の端部8aには当接していないので、そのまま後退する。把持片4がスリーブ8の端部8aに当接して閉じ始めるのは、把持片3の第一湾曲部35の曲げ量に相当する距離だけ、さらに操作ワイヤ6が引かれたときである。
【0026】
把持片4に先駆けて閉じ始めた把持片3は、第二湾曲部36がスリーブ8の端部8aに当接するまでは、ほぼ一定の割合で閉じ続け、第二湾曲部36が端部8aに当接し始めたら、閉じる角度を増大させる。そして、図4(a)に示すように、把持部32と端部8aとが当接したときに把持片3が閉じる。一方、把持片3より遅れて閉じ始める把持片4は、腕部43が端部8aに当接する間は、ほぼ一定の割合で閉じ続け、把持片3が閉じ終わった後に、湾曲部45を経て、図4(b)に示すように把持部42と端部8aとが当接したときに閉じる。把持片3,4を閉じ終えたら、生体組織B1の把持が完了するので、その後はコイルシース7を生体組織B1ごと後退させて摘出するなどの処置を行う。
【0027】
この把持鉗子1は、把持片3,4ごとに異なる位置に湾曲部を設けて、シース2の長さ方向において把持片3,4とシース2との当接タイミングを異ならせることで把持片3の閉じるタイミングと把持片4の閉じるタイミングとを異ならせた。したがって、先に閉じる把持片3の爪部37で把持対象を引っ掛けるなど、把持対象の位置決めを容易に行うことができる。なお、この場合の閉じるタイミングとは、閉じ始めるタイミングと、完全に閉じるタイミングとを含む。また、把持片3,4が閉じたときに、その先端部が噛み合わないので、把持対象が挟み込まれることはない。
【0028】
ここで、把持片3の第一湾曲部35を大きくするか、第一湾曲部35の形成位置を基端31側にすると、把持片3の閉じ始めるタイミングを把持片4よりもさらに早くすることができる。また、把持片4の第二湾曲部36の形成位置を基端31にすると、把持片3が閉じるタイミングを把持片4よりもさらに早くすることができる。一方、把持片4の湾曲部45の形成位置を先端側にすると、把持片4が閉じるタイミングを把持片3よりもさらに遅くすることができる。
【0029】
次に、本発明の第二実施形態について図5を参照しながら詳細に説明する。なお、前記第一実施形態と同一の構成要素には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
第二実施形態では、把持片ごとに閉じるタイミングを決定する開閉調整部をシース側に設けたことを特徴とするものである。
【0030】
まず、図5に示す把持鉗子51について説明する。
把持鉗子51は、コイルシース7の先端にスリーブ80が取り付けられたシース52に操作ワイヤ6を進退可能に挿通し、この操作ワイヤ6に連結部材5を介して把持片53と把持片54と連結した構成を有している。
【0031】
把持片53と把持片54は、連結部材5側の基端からシース52の長さ方向に沿って延びる腕部55,56と、把持部57,58と、腕部55,56と把持部57,58とを繋ぐ湾曲部59,60とをそれぞれ有し、把持部57,58の先端には爪部57a,58aが形成されている。湾曲部59,60の形成位置および曲げ量は、把持片53と把持片54とで同じであるが、爪部57a,58aは、前記実施形態と同様に噛み合わずに前後するようになっている。
【0032】
この把持鉗子51における開閉調整部は、スリーブ80の把持片53の配設側の内壁から、シース52の長さ方向の中心軸に向かって突出する突出部81である。この突出部81は、把持片53がスリーブ80に当接するタイミングを把持片54よりも早くする。突出部81は、スリーブ80の開口の端部80aに設けられており、開口からコイルシース7に向けて突出高さを減じるような傾斜面81aを備える。傾斜面81aは、把持片53が突出部81を越えてスリーブ80から出易くするものである。
【0033】
なお、本実施形態の連結部材5は、シース2の内径にほぼ一致する大きさにし、把持片53,54の基端をシース2の中央に保持できるようにすることが望ましい。これは、把持片53が突出部81に押圧される際に、把持片53が把持片54側に移動して把持片54が変形させられることを防止するためである。
【0034】
図5の把持鉗子51を閉じるときの作用について説明する。
操作ワイヤ6を押し出して開いた後に把持片53,54を閉じるときには、突出部81に当接する把持片53が最初に閉じ始める。これは、操作ワイヤ6が引かれることで把持片53が相対的に突出部81に押圧されることになるからである。そして、把持部57が突出部81に当接するときに把持片53が閉じる。
一方、突出部81が設けられていない側の把持片54は、突出部81の高さに相当する量だけ、操作ワイヤ6がさらに引き戻されたときに、スリーブ80の端部80aに当接して閉じ始める。そして、把持部58がスリーブ80の端部80aに当接するときに把持片54が閉じる。
【0035】
把持片54に先駆けて把持片53を閉じるように作用する突出部81は、必ずしもスリーブ80の端部80aに設けられている必要はない。把持片53をシース52内に収容したときに、その湾曲部59の位置に対応するスリーブ80の内壁よりも開口側であれば良い。また、傾斜面81aを設けずにステップ状の突出部でも良い。
【0036】
次に、図6に示す把持鉗子61について説明する。
把持鉗子61は、前記と同様の構成を有する把持片53と把持片54において、スリーブ82の切り欠き部83で把持片54の閉じるタイミングを把持片53の閉じるタイミングよりも遅らせることを特徴とする。
【0037】
切り欠き部83は、スリーブ82の開口側の端部82aの把持片54側に形成されている。切り欠き部83があることで、把持片54はその先端がスリーブ82から一部露出している。切り欠き部83の長さは、把持片54の把持部58の長さ以下で、切り欠き部83が長いほど把持片54が閉じるタイミングを遅らせることができる。なお、スリーブ82において、切り欠き部83を除く端部82aは、相対的に突出しており、把持片53の閉じるタイミングを把持片54よりも早くする機能を有することになるので、端部82aがシース2と把持片53,54とが当接するタイミングをスリーブ82(シース2)の径方向に異ならせる開閉調整部であると言える。
【0038】
図6の把持鉗子61を閉じるときの作用について説明する。
操作ワイヤ6を押し出して開いた後に把持片53,54を閉じるときには、スリーブ82の端部82aに当接する把持片53が最初に閉じ始める。このとき、把持片54は、切り欠き部83のためにスリーブ82に当接しないので、開いたままである。
【0039】
さらに操作ワイヤ6が引かれると、把持片53の把持部57がスリーブ80に当接し、把持片53が閉じる。この段階では、把持片54の腕部56がスリーブ82に当接するので把持片54は閉じ始めているが、切り欠き部83があることで把持部58とスリーブ82とは当接していない。その後、切り欠き部83の長さ分だけ遅れて把持片54の把持部58とスリーブ82とが当接し、把持片54が閉じる。
【0040】
次に、本発明の第三実施形態について図7を参照しながら詳細に説明する。なお、前記各実施形態と同一の構成要素には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
第三実施形態では、開閉調整部を把持片が備えることは前記第一実施形態と同じであるが、その形態が異なるものである。
【0041】
図7に示す把持鉗子71は、コイルシース7とスリーブ8とからなるシース2から突出可能、または進退可能な一対の把持片73,74を有している。
把持片73と把持片74は、対向する把持部75,76を有し、操作ワイヤ6に連結される基端から把持部75,76に至る間に、把持片73,74を開方向に湾曲させた湾曲部77,78を有している。この湾曲部77,78は、把持片73,74の進退方向において同じ位置に形成されているが、把持片73の湾曲部77は、把持片74の湾曲部78に比べて肉厚になっている。肉厚が異なるために、把持片73,74の進退時に湾曲部87と、湾曲部77とでは、異なるタイミングでスリーブ8に当接することになる。したがって、この湾曲部77は、把持片73,74がシース2と当接するタイミングを、シース2の長さ方向またはシース2の径方向に異ならせる開閉調整部(湾曲部もしくは突出部)として機能する。
【0042】
湾曲部77の肉厚は、把持片73の後退方向、つまり図7におけるスリーブ8側に増大させられている。さらに、湾曲部77の肉厚は、把持片73の開方向に増大させられている。したがって、把持片73,74を閉じるときには、この肉厚分だけ早いタイミングで把持片73がスリーブ8に当接するので、把持片73が把持片74よりも早く閉じる。湾曲部77は、把持片73の後退方向、または把持片73の開方向のどちらか一方のみにおいて、他方の湾曲部78よりも肉厚であっても良い。また、肉厚の差を利用してタイミングをずらして把持片73,74を閉じさせる開閉調整部は、把持片73,74を開かせたときにスリーブ8から突出する部分であって把持部75,76に至るまでの間であれば、湾曲部分77以外に形成した肉厚部分でも良い。
【0043】
図8に示す把持鉗子8は、コイルシース7とスリーブ8とからなるシース2から突出可能、または進退可能な一対の把持片83,84を有している。
把持片83,84は、図8(b)に示すように操作ワイヤ6に連結される基端から把持部85,86に至るまでの間に、把持片83,84を開方向に湾曲させる湾曲部分87,88を有している。図8(a)に示すように、把持片84において、湾曲部分88から把持部86までの幅は、ほぼ一定である。これに対して、把持片83の湾曲部分87は、スリーブ8内に収容可能ではあるが、把持片84の湾曲部分88よりも幅広になっている。スリーブ8が円形状を有するため、把持片83,84の進退時に、幅広の湾曲部87と、湾曲部88とは異なるタイミングでスリーブ8に当接することになる。したがって、この湾曲部87が、把持片83,84がシース2に当接するタイミングを異ならせる開閉調整部(幅広部)として機能する。
【0044】
図8(a)、図8(b)に示すように、把持片83,84が開いているときは、把持片83の湾曲部87とスリーブ8、および、把持片84の湾曲部88とスリーブ8とは、それぞれ離間している。
次に、操作ワイヤ6を引き戻すと、図9(a)、および、そのC−C線断面図である図9(b)に示すように、把持片83の湾曲部87の幅広部分がスリーブ8に当接する。湾曲部分87は、スリーブ8により相対的に閉方向に押圧されることになり、把持片83が閉じ始める。一方、把持片84の湾曲部88は、幅広な部分を有さず、スリーブ8には当接しないので、把持片84は開いたままである。
【0045】
さらに、操作ワイヤ6を引き戻すと、図10(a)、および、そのD−D線断面図である図10(b)に示すように、把持片83の把持部85がスリーブ8に当接し、把持片83が完全に閉じる。これに対して把持片84は、開いたままである。
そして、図11(a)、および、そのD−D線断面図である図11(b)に示すように、把持片83が完全に閉じた後に、把持片84の把持部86がスリーブ8に当接し、操作ワイヤ6の引き込みと、スリーブ8からの押圧とにより、把持片84が閉じる。
【0046】
次に、本発明の第四実施形態について図12を参照しながら詳細に説明する。なお、前記各実施形態と同一の構成要素には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
【0047】
図12に示すように、本実施形態の把持鉗子91は、体腔内に挿入されるシース2に、基端131,141を連結部材5で操作ワイヤ6に連結した一対の把持片93,94を突出可能、または進退可能に収容した構成を有し、操作ワイヤ6の進退に伴って第一把持片94が進退可能に、第二把持片93が進退および開閉可能にしたことを特徴とする。
【0048】
第一把持片94は、基端141からシース2の長さ方向に沿って略直線形状をなし、その先端に爪部44が形成された把持部142を備える。第一把持片94は、操作ワイヤ6の進退に伴ってシース2に対して進退し、シース2に当接することはない。第一把持片94の形状は、その進退時にシース2に当接しない形状であれば湾曲などしても良い。
【0049】
第二把持片93は、基端131からシース2の長さ方向に伸び、その先端に爪部37が形成された把持部132を備え、基端131から把持部132に至るまでの間に第一湾曲部135および第二湾曲部136を備える。第一湾曲部135は、基端131に連なる腕部133を第一把持片94から離間する方向に滑らかに曲げて腕部134を形成するものである。第二湾曲部136は、腕部134を第一把持片94からさらに離間する方向に滑らかに曲げて把持部132を形成するものである。この第二把持片93は、湾曲部135,136を備えることでシース2に当接可能になっている。
【0050】
ここで、この把持鉗子91の把持動作について説明する。
まず、操作ワイヤ6を押し込んで、シース2内に収容してある一対の把持片93,94をシース2から押し出すと、第一把持片94は、操作ワイヤ6と共にそのまま前進して先端がシース2から突出する。一方、第二把持片93は、操作ワイヤ6と共に前進して先端がシース2から突出すると共に、自己のバネ力により広がる。これにより、図12に示すように把持部132と把持部142とが離間し、把持鉗子91が開状態になる。
【0051】
開状態の把持鉗子91を閉じる場合には、操作ワイヤ6を引き戻す。第一把持片94は、操作ワイヤ6の後退と共にそのまま後退する。一方、第二把持片93は操作ワイヤ6の後退と共に後退するが、腕部134がシース2の端部8aに当接するので、端部8aにより相対的に押圧されて、第二把持片93が閉じ始める。さらに、操作ワイヤ6が引き戻されると、第二湾曲部136、把持部132がこの順番にシース2の端部8aに当接し、相対的に押圧され、第二把持片93が閉じる。
【0052】
このような把持鉗子91は、シース2に対して進退移動のみをする第一把持片94と、進退移動ともにシース2と協働して開閉動作を行う第二把持片93とを組み合わせることで、簡単な構成で、把持動作を実現している。特に、開閉動作を行わない第一把持片94で把持対象の位置を確認することが容易になる。
【0053】
なお、本発明は前記の各実施形態に限定されずに広く応用することが可能である。
例えば、把持片の数は、2つに限定されずに3つ以上であっても良い。この場合には、湾曲部や突出部、あるいは切り欠き部により把持片ごとに閉じるタイミングを設定する。すべての把持片の閉じるタイミングを異ならせても良いし、2つ以上の把持片が同じタイミングで閉じるようにしても良い。
また、把持片側の開閉調整部(例えば湾曲部36など)と、シース側の開閉調整部(例えば突出部81や、切り欠き部83)とを組み合わせて把持片ごとに閉じるタイミングを設定しても良い。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、把持片とシースとが当接するタイミングを開閉調整部にて異ならせることで、順番に把持片を閉じることが可能になる。したがって、把持対象を確実に把持することが可能になる。
請求項2または請求項3によれば、把持対象を確実に把持することが可能になる。また、把持片とシースとが当接するタイミングを容易に設定することができる。
請求項4または請求項5によれば、簡単な構成で把持対象を確実に把持することが可能になる。
請求項6によれば、把持片の先端どうしで把持対象を挟み込むことを防止できる。
請求項7によれば、第一把持片に向かって第二把持片を閉じることができるので、把持対象を確実に把持することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態における把持鉗子が閉じた状態を示す側部断面図である。
【図2】把持鉗子を示す図であり、図2(a)は図1のI−I線断面図、図2(b)は図1のA矢視図である。
【図3】把持鉗子が開いた状態を示す側部断面図である。
【図4】把持鉗子の動作を説明する図であり、図4(a)は一方の把持片が閉じた状態、図4(b)は両方の把持片が閉じた状態を示す。
【図5】本発明の第二実施形態における把持鉗子の側部断面図である。
【図6】本発明の第二実施形態における把持鉗子の側部断面図である。
【図7】本発明の第三実施形態における把持鉗子の側部断面図である。
【図8】本発明の第三実施形態における把持鉗子を示す図であり、図2(a)は正面図、図2(b)は側部断面図である。
【図9】把持鉗子を示す図であり、図9(a)は把持鉗子が開いた状態を示し、図9(b)は図9(a)のC−C線断面図である。
【図10】把持鉗子を示す図であり、図10(a)は一方の把持片が閉じた状態を示し、図10(b)は図10(a)のD−D線断面図である。
【図11】把持鉗子を示す図であり、図11(a)は把持片が閉じた状態を示し、図11(b)は図11(a)のE−E線断面図である。
【図12】本発明の第四実施形態における把持鉗子の側部断面図である。
【符号の説明】
1,51,61、71,81,91 把持鉗子
2 シース
3 把持片
4 把持片
6 操作ワイヤ
35 第一湾曲部(開閉調整部)
36 第二湾曲部(開閉調整部)
45 湾曲部(開閉調整部)
81 突出部
83 切り欠き部
77 湾曲部(開閉調整部)
87 湾曲部(開閉調整部)
93 第二把持片
94 第一把持片

Claims (7)

  1. シース内に挿通した操作ワイヤに複数の把持片を連結し、シースの先端から突出して開く把持片を、前記操作ワイヤの後退時に前記シース内に引き込んで、前記把持片と前記シースとを当接させることで前記把持片を閉じるように構成した把持鉗子において、
    前記操作ワイヤの後退時に引き込まれる各把持片が前記シースに当接するタイミングを異ならせる開閉調整部を備えることを特徴とする把持鉗子。
  2. 前記開閉調整部を前記把持片に備えることを特徴とする請求項1に記載の把持鉗子。
  3. 前記開閉調整部を前記シースに備えることを特徴とする請求項1に記載の把持鉗子。
  4. 前記開閉調整部は、前記把持片に形成した湾曲部または幅広部あるいは肉厚部であることを特徴とする請求項2に記載の把持鉗子。
  5. 前記開閉調整部は、前記シースに形成した突起部またはスリットであることを特徴とする請求項3に記載の把持鉗子。
  6. 先に閉じる前記把持片の長さよりも後から閉じる前記把持片の長さの方が長いことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の把持鉗子。
  7. シース内に挿通した操作ワイヤに連結した把持片を前記シースに対して進退させて把持対象を把持する把持鉗子において、
    前記操作ワイヤの進退に伴って前記シースに対して進退する第一把持片と、前記操作ワイヤの進退に伴って前記シースに対して進退すると共に、前記シースに当接して開閉する第二把持片とを備えることを特徴とする把持鉗子。
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