JP2004337353A - 液体の加温用容器及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】必要な部品はシートのみであり、1工程で製造できる蛇行流路を備えた加温用容器を提供する。
【解決手段】同形の2枚のフィルム3を外形が揃うように重ね、金型内に配置して型締めし、両フィルム3,3の間に樹脂を注入し、外枠部4と、仕切り部5と、管通路7を有する継手部8を該樹脂でフィルム3と一体に成形する。2枚のフィルム3,3の間には、交互に櫛歯状に並んだ複数の仕切り部5と外枠部4によって液体の蛇行流路6が区画される。使用時には、加温用容器1は加温器の熱板に挟まれ、2本の継手部8には輸液チューブの継手が差し込まれる。加温用容器1は重力で流入する液体の圧力で膨らみ、フィルム3は熱板に広い面積で密着し、液体は加温されて継手部8から容器1外に流下していく。部品としては2枚のフィルム3,3を要するのみであり、後は所定の金型を用いて一工程で蛇行流路6を有する加温用容器1が製造できる。
【選択図】図1
【解決手段】同形の2枚のフィルム3を外形が揃うように重ね、金型内に配置して型締めし、両フィルム3,3の間に樹脂を注入し、外枠部4と、仕切り部5と、管通路7を有する継手部8を該樹脂でフィルム3と一体に成形する。2枚のフィルム3,3の間には、交互に櫛歯状に並んだ複数の仕切り部5と外枠部4によって液体の蛇行流路6が区画される。使用時には、加温用容器1は加温器の熱板に挟まれ、2本の継手部8には輸液チューブの継手が差し込まれる。加温用容器1は重力で流入する液体の圧力で膨らみ、フィルム3は熱板に広い面積で密着し、液体は加温されて継手部8から容器1外に流下していく。部品としては2枚のフィルム3,3を要するのみであり、後は所定の金型を用いて一工程で蛇行流路6を有する加温用容器1が製造できる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、点滴液、血液のような非経口性液体をヒータで所定の温度に加温するために用いられる加温用容器と、その製造方法に関するものである。特に、本発明に係る加温用容器は、2枚のシートの外縁を継手部と一体に成形封止するとともに、外枠の内方には外枠と一体の仕切りを成形して蛇行流路を構成し、該蛇行流路を液体が流下する間にヒータで加温されるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
患者の体内に注入される血液その他の非経口性液体は、鮮度及び活性を保つために一般に約4℃の低温で貯蔵される。これを患者に注入する際には、患者の肉体的負担を軽減するために、当該液体の温度を加温して患者の体温に近い36℃乃至38℃にするのが一般的である。
【0003】
輸血の場合を例にとれば、輸血用血液が保存された樹脂製の貯蔵バッグと、血液の加温器と、輸血針を輸液チューブで接続し、貯蔵バッグをポールに吊るす。貯蔵バッグ内の血液は、位置エネルギーによって加温器に送られて36℃乃至38℃に加温され、輸血針を介して患者に輸血される。
【0004】
前記加温器は、血液が流下する蛇行流路が形成された加温バッグと、この加温バッグを挟持して蛇行流路内の血液を両面から加温する加温器本体とからなる。加温バッグとしては、例えば下記特許文献1に開示されたような構造のものが知られている。
【0005】
図13は、この種の加温バッグ100の一例を示す平面図である。この加温バッグ100を製造するには、まず略同一外形の2枚のフィルムを重ね、対向する2つの辺の各一部分を残して全周を加熱融着して外周縁101を形成し、また外周縁101の内方においても2枚のフィルムを加熱融着して仕切り部102を形成して蛇行流路103を構成する。次に、外周縁101の融着しなかった部分に管104を差し込み、再度当該差し込み部分を加熱融着する。なお、加熱融着の代わりに接着剤を用いても良い。
【0006】
この加温バッグ100を製造する他の方法としては、まず、略同一外形の2枚のフィルムを重ね、対向する2つの辺の各一部分において2枚のフィルムの間にそれぞれ管104を配置しておく。次に、フィルムの全周を加熱融着して外周縁101を形成し、また外周縁101の内方においても2枚のフィルムを加熱融着して仕切り部102を形成して蛇行流路103を構成する。
【0007】
【特許文献1】
実開平7−21057号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の加温バッグ100によれば、製造工程が少なくとも2工程となるため製造手順が複雑であった。またバッグの本体であるフィルムとは別部品として管も必要になるなど、複数種類の部品を用意する必要があるという煩雑さがあった。更に従来の加温バッグ100は単にフィルムを2枚重ねた物であり、バッグの剛性が低く、加温バッグ100の加温器への装置が行ないずらい等、取扱い上の問題もあった。
【0009】
本発明は以上の問題点を解決するためになされたものであり、必要な部品はシートのみであり、1工程で製造される蛇行流路を備えた加温用容器と、その製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された液体の加温用容器は、重ねられた2枚のフィルムの外枠部と、該外枠部の内方にあって前記2枚のフィルムの間に所定パターンの流路を形成する仕切り部と、前記外枠部を貫通して前記流路内と外界とを連通させる貫通路が形成された継手部とが、同一の樹脂材料によって前記2枚のフィルムとともに一体に成形されてなるものである。
【0011】
請求項2に記載された液体の加温用容器は、請求項1記載の液体の加温用容器において、前記仕切り部が、前記外枠部に一体に結合された基端と前記流路内に配置された先端を有する所定の幅を備えた長体状であり、前記先端は前記幅よりも大きい寸法を直径とする円形の少なくとも一部分で構成された形状であることを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載された液体の加温用容器は、請求項1記載の液体の加温用容器において、蓋部材で前記継手部の貫通路が密閉されたことを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載された液体の加温用容器の製造方法は、
液体の加温用容器の流路を区画する外枠部と仕切り部に対応するパターンが形成された一対の金型内に2枚のフィルムを重ねて収納し、貫通路を有する継手部を形成するためのコア部材を前記2枚のフィルムの間に配置し、前記金型を型締めして前記金型内に樹脂材料を射出することにより、
重ねられた2枚のフィルムの外枠部と、該外枠部の内方で前記2枚のフィルムの間に流路を区画する仕切り部と、前記継手部とが、前記樹脂材料によって前記2枚のフィルムとともに一体に成形されてなる液体の加温用容器を製造するものである。
【0014】
請求項5に記載された液体の加温用容器の製造方法は、請求項4記載の液体の加温用容器の製造方法において、前記樹脂材料が、重ねられた前記2枚のフィルムの片側から供給され、前記2枚のフィルムに溶け込んで一体に溶着することを特徴としている。
【0015】
請求項6に記載された液体の加温用容器の製造方法は、請求項5記載の液体の加温用容器の製造方法において、前記フィルムが、前記金型の型締め動作に連動して前記金型に対して間欠的に供給される帯状フィルムであり、前記帯状フィルムの幅が、前記流路の幅よりも大きく、前記外枠部の幅よりも小さいことを特徴としている。
【0016】
請求項7に記載された液体の加温用容器の製造方法は、請求項4記載の液体の加温用容器の製造方法において、前記金型内に空気の流入を許容するとともに、前記金型から空気を吸引することにより、前記2枚のフィルムを前記一対の金型の各々の内面に貼り付かせ、前記樹脂材料を前記2枚のフィルムの間に供給することにより前記2枚のフィルムを前記樹脂材料で一体に溶着することを特徴としている。
【0017】
請求項8に記載された液体の加温用容器の製造方法は、請求項7記載の液体の加温用容器の製造方法において、前記フィルムが、前記金型の型締め動作に連動して前記金型に対して間欠的に供給される帯状フィルムであり、前記金型には、前記帯状フィルムを供給する方向と平行な前記帯状フィルムの側縁と対応する位置に、前記樹脂材料を前記金型内に射出するためのゲートが形成されており、成形時には、前記金型内に空気の流入を許容するとともに、前記ゲートにおいて空気を金型外に吸引することにより、前記2枚のフィルムを前記一対の金型の各々の前記ゲートの内面に貼り付かせ、前記樹脂材料を前記ゲートから前記2枚のフィルムの間に供給することにより前記2枚のフィルムを前記樹脂材料で一体に溶着することを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
(1) 実施の形態における加温用容器の構造
本発明に係る液体の加温用容器の構造の一例を図1及び図2を参照して説明する。図1はこの加温用容器1の平面図、図2はこの加温用容器1を加温器2に装着した状態の断面図である。
【0019】
この加温用容器1では、同じ角丸略矩形状の樹脂製の2枚のフィルム3を外形が揃うように重ね、両フィルム3,3の外縁部の間に樹脂を注入して両フィルム3,3を融着一体化し、外枠部4を形成している。
【0020】
フィルム3としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、塩化ビニール等が採用できる。また、その厚さは、内部の液体による圧力に耐え得ることが必要であり、具体的には、輸液バッグの規格により300mHgの圧力に耐え得る厚さが必要である。更にカートリッジの取扱い時に爪で引っかく等のおそれもあるので安全率を見込むと0.08mm以上が必要となる。また、加温における熱伝導を考慮すると、0.3mm以下であることが好ましい。
【0021】
次に、外枠部4の内方においては、2枚のフィルム3,3の間に複数の仕切り部5を前記樹脂材料で形成し、前記外枠部4とともに液体の蛇行流路6を区画している。この仕切り部5は、外枠部4の内側に配置された所定幅の長体状の部材であって、両フィルム3,3に融着一体化しており、その基端は外枠部4に一体化している。
【0022】
図2に示すように、仕切り部5は断面が略円形であり、上下のフィルム3,3が仕切り部5の周囲に巻き付いて融着し、一体化している。仕切り部5と仕切り部5の間の蛇行流路6においては、重ねられた2枚のフィルムは分離したままである。
【0023】
仕切り部5の先端5aは、前記幅よりも大きい寸法を直径とする円形の一部で構成された形状である。すなわち、仕切り部5は外枠部4から内方に延設されて先端5aが円形に膨らんだ形状となっている。
【0024】
この仕切り部5は、矩形の外枠部4の短辺と平行となるように2つの長辺から交互に延設されて櫛歯状のパターンで配置されており、これによって液体の流路は、直線状の流路に比べて距離が長い蛇行流路6となり、この蛇行流路6を流下する十分な時間で液体が適温に加温される。
【0025】
上述したように仕切り部5の先端5aを本体の幅よりも大きい直径の円形とした理由は次のとおりである。まず、仕切り部5の先端5aが本例のように拡大円形でなく、本体部と同一幅であったとすると、フィルム3と仕切り部5の融着部分に次に示すように強度上の問題が生じる可能性がある。
【0026】
まず、蛇行流路6内に加温された液体が流れるとフィルム3には圧力が加わり、フィルム3と外枠部4の間やフィルム3と仕切り部5の間には、外枠部4や仕切り部5から該フィルム3を引き剥がす方向の力が加わる。液体が流れる蛇行流路6の屈曲部分 (カーブ)において、仕切り部5の先端5aは内側になり、外枠部4や先端5a以外の仕切り部5は外側になる。ここで蛇行流路6の屈曲部分におけるフィルム3との融着長さを考えると、蛇行流路6の外側に沿った周長は内側のそれよりも長いので、蛇行流路6においてフィルム3に加わる力は、蛇行流路6の外側では外枠部4等との長い融着部分で十分に耐えることができる。しかし、蛇行流路6の内側では細い仕切り部5の先端との短い融着部分のみで耐えなければならず、単位長さ当たりに加わる圧力が高くなるので、外側との比較では相対的に強度が弱く剥離する危険性がある。
【0027】
しかし、本例では、前述したように仕切り部5の先端5aを本体側の幅よりも大きな直径の円形としたので、フィルム3との融着長さは外側ほどではないが、十分に長くなり、フィルム3に加わる力に耐えて剥離が生じるおそれはなくなった。仕切り部5の先端5aを拡大円形としてのは、このような理由によるものであるから、フィルム3との融着長さを大きくすることができるのであれば、仕切り部5の先端5aの形状は必ずしも本例のように円形に限る必要はなく、例えば本体部の幅よりも大きな楕円形や角型等でもよい。
【0028】
次に、外枠部4の2つの短辺には、外枠部4を貫通する貫通路7を備えた前記樹脂材料からなる継手部8が前記外枠部4と一体に設けられている。
【0029】
本例では、2つの継手部8の各貫通路7は、前記樹脂材料からなる容易に破壊可能な薄い隔離壁9によって閉塞されている。図2は加温用容器1の使用中を示す図なので、隔離壁9はすでに撤去され、図中では想像線で示している。この隔離壁9によって、この加温用容器1の内部の蛇行流路6は外界から隔離されるので、使用時にこれを突き破って実際に貫通させるまでは、内部の無菌状態乃至清浄状態が確実に保持される利点がある。
【0030】
本例の加温用容器1を例えば輸血用に使用するには、血液の出入り口となる2本の継手部8の各隔離壁9を突き破って、それぞれ輸液チューブの継手を差し込む。本例では、ルアーテーパとルアーロックを有する継手10と、カテーテル継手11を接続する。これらの継手10,11は輸血用血液が保存された樹脂製の貯蔵バッグと、輸血針に接続されている。貯蔵バッグはポールに吊るす。そして、加温用容器1を加温器2にセットして加温する。加温用容器1は血液の流入により膨らみ、フィルム3が熱板12に広い面積で密着し、血液は36℃乃至38℃に加温されて継手部8から容器1外に流下し、輸血針を介して患者に輸血される。
【0031】
詳細は図示しないが、加温器2はヒンジ構造で開閉可能とされた本体と蓋体を有しており、本体と蓋体にはそれぞれヒータを備えた熱板12が設けられている。図2に示すように、加温器2にセットされた加温用容器1は本体と蓋体の熱板12,12に挟持される。
【0032】
図2に示すように、仕切り部5は断面が略円形であり、上下のフィルム3,3が仕切り部5の周囲に巻き付いて融着・一体化しているが、仕切り部5と仕切り部5の間の蛇行流路6では重ねられた2枚のフィルム3,3は分離したままなので、内部に液体が導入されて加温されれば内圧が生じ、蛇行流路6のフィルム3,3は膨らみ、外から押さえなければ仕切り部5や外枠部4の厚さ以上の厚さになりうる。本例では、加温器2の熱板12,12で挟んで加温する場合に、一対の熱板12,12の間隔を、外枠部4や仕切り部5の厚さと同等か、又はこれにフィルム3の2枚分の厚さを加えた程度とする。このようにすれば、図2に示すように蛇行流路6のフィルム3は熱板12に広い面積で密着するので熱の伝導効率が高くなる。本例において、加温用容器1の厚さを1.6mmとした場合には、加温用容器1の成形も良好に行なうことができ、上記の条件で加温器2に装着した場合の熱の伝導性にも優れた結果が得られた。
【0033】
なお、加温用容器1内の液体の流量が少ない場合、圧力が低下し加温用容器1が充分に膨らまないこともある。この場合の伝熱効率は低下するが、極端に流量が減少しない限り伝熱効率は低下しないので、本例の構造で実用上の問題は無いといえる。
【0034】
以上説明したように、この加温用容器1は、2枚のフィルム3,3の間に同一の樹脂材料を注入して外枠部4及び仕切り部5を成形して蛇行流路6を区画するとともに、この蛇行流路6を外界に連通させる継手部8も該樹脂材料で形成し、これら樹脂材料からなる部分を2枚のフィルム3とともに一体に成形したものである。
【0035】
従って、この加温用容器1を製造するには、予め製造しておくべき部品としては2枚のフィルム3,3を要するのみであり、後は所定の蛇行流路6のパターンが形成された金型を用いて樹脂材料を射出すればよい。従って、外枠部4や仕切り部5や継手部8が強固に一体化された蛇行流路6を有する丈夫な加温用容器1が、金型による成形の一工程のみで迅速かつ容易に製造できる。
更に加温用容器1は外枠部4や仕切り部5を有するので剛性が高く、加温器本体への取付け等の取扱いが行ない易い。
【0036】
以上説明した実施の形態の加温用容器1の構造は、2枚のフィルム3,3の間に樹脂材料を射出するものであったが、重ねた2枚のフィルム3,3の一方の側に樹脂材料を射出しても略同様の構造を得ることができる。その場合には、樹脂材料は一方のフィルム3を溶融して他方のフィルム3に溶け込み、両フィルム3,3を一体化する。このような構造は射出成形時の樹脂温度を通常よりも高くしてフィルム3の溶融を促進することで得られる。
【0037】
(2) 実施の形態における加温用容器の製造方法
次に、本発明に係る液体の加温用容器の製造方法を図3〜図12を参照して説明する。
これらの実施の形態は、いずれも金型の上型と下型の間に装着するフィルム3を2枚重ねとし、2枚重ねのフィルム3,3間に該加温用容器の外部に連通する貫通路7の形状に対応するコアピン又はそれに代わる部材を( 液体出口用と入口用の)2本差し込んだ状態で樹脂材料を射出成形し、この樹脂材料の熱で2枚のフィルム3と樹脂材料からなる外枠部4、仕切り部5、継手部8を同時に形成・溶着させるものである。
【0038】
この場合のコアピン等は、上型と下型の間に配置されて金型の開閉動作に連動して同開閉方向と直交する方向に移動するスライドコアを使用してもよい。しかし継手部8にはねじ山を形成してあり、コアピンは回転させながら抜く必要があることから、コアピンをエアーシリンダ、モータ等で金型の開閉動作と独立に駆動する構造が望ましい。一方、成形の都度、貫通路7の形状に対応する蓋部材を金型内の所定位置に装着するインサート方式でもかまわない。蓋部材は継手部8、貫通路7の成形に係る部分はコアピンと同形状を有し、その後端が人の手で回転、取扱い可能なつまみ形状を有する。蓋部材は外枠部4等を射出成形する際に樹脂が金型内に流入した際の樹脂温度で溶融、一体化しない様、金属、セラミックス又は溶融温度の高い樹脂で形成する。例えばSUS、Al等の耐食性の高い金属、ポリカーボネート等の樹脂、一般的なセラミック材料が使用可能である。継手部8の貫通路7は蓋部材の外側を転写して螺接して成形され、蓋部材は加温器1に取り付けられた状態で完成する。そのため使用時に蓋部材を外すまで内部が密閉され成形後の異物侵入を防止できる。量産性や加温用容器内の衛生度の管理に関しては、スライドコア、エアシリンダ等を使用したほうが別部材を金型内に持込まないので有利である。型製作費を削減し、成形後の異物侵入防止を重視する場合には、蓋部材を成形の都度装着する方法が有利になる。
【0039】
▲1▼第1の製造方法…2枚のピース状フィルム3の片側に樹脂充填(図3、4)
図3は金型内での成形状態を示す断面図であり、図4は同平面図である。
【0040】
この金型において、固定側である上型31と可動側である下型32の間には、加温用容器1aの蛇行流路6を区画する外枠部4と仕切り部5に対応するパターンのキャビティ33が形成されている。上型31と下型32を開き、ピース状の2枚のフィルム3,3を金型のキャビティ33に対応した位置に重ねて配置する。フィルム3の外形寸法は、金型のキャビティの外枠部4に対応する部分よりも小さく、金型のキャビティ33の蛇行流路6に対応する部分よりも大きい。金型を型締めするとともにコアピン35を2枚のフィルム3,3の間の所定位置に装着し、図示しないゲートからキャビティ33内に樹脂材料を射出する。樹脂材料は、重ねられた2枚のフィルム3,3の一方を突き抜けて他方に溶着し、外枠部4と仕切り部5を形成し、またコアピン35の部分では一方のフィルム3の縁部を乗り越えてコアピン35の周囲を充填し、継手部8を形成する。所定の冷却時間が経過した後、コアピン35を抜いて型開きし、成形が完了した加温用容器1aを得る。この際、コアピン35の長さを流路部まで届かないよう調整すれば、図2の隔離壁9を形成できる。尚、図3ではフィルムと樹脂材料の位置関係を明示するため両者を溶融していない状態で示してある。以下の図6、図7、図8でも同様である。
【0041】
本方法のように、ピース状のフィルム3を用いる場合は、ロボットあるいは取り出し機を改造した自動機でフィルム3を金型内に装着する必要がある。
コアピン35の代わりに蓋部材を用いる場合も、蓋部材をロボット等で金型内に装着する必要がある。
【0042】
本方法においては、フィルム3の厚さを薄く設定し、充填する樹脂材料の温度を高く設定すれば、上述したように樹脂材料はフィルム3に溶け込んでフィルム3と一体化する。例えば、樹脂材料、フィルム3ともポリエチレンであり、フィルム3の厚さ0.08mm、樹脂材料の温度220℃であれば可能である。
【0043】
なお、本例の金型の構造について触れる。キャビティ33内に樹脂材料を射出するゲートの位置は、外枠部4の側面に設けたサイドゲートでもよいし、仕切り部5や外枠部4へのピンゲートでもよい。金型は2プレート構造でも3プレート構造でもよいが、ゲートを各仕切り部5の先端にそれぞれ配置することとすれば、数が増えるので(例えば10個)、金型構造はやや複雑になるが、フィルム3の溶融接合がより確実になる点で有利である。
【0044】
▲2▼第2の製造方法…2枚のピース状フィルム3の間に樹脂充填(図5)
図5は金型内での成形状態を示す断面図である。平面図は第1の方法と共通し、図4と同じである。
【0045】
この金型には、上型と下型のキャビティ33に相当する部分に、吸引孔37が形成され開口しており、成形時にエアを吸引できるようになっている。また、継手部8を成形するコアピン35の部分からはエアを送り込むことができるようになっている。その他の構成は第1の方法と同じである。
【0046】
上型31と下型32を開き、ピース状の2枚のフィルム3,3を金型のキャビティ33に対応した位置に重ねて配置する。金型を型締めするとともにコアピン35を2枚のフィルム3,3の間の所定位置に装着し、コアピン35から清浄なエアを吹き込みキャビティ33の金型面にフィルム3,3を近接させ、更に、吸引孔37からエアを吸引する。重ねられた2枚のフィルム3,3は、それぞれ上型31及び下型32のキャビティ33内に吸い付けられ、フィルム3,3間には空隙が生じる。ここで図示しないゲートからキャビティ33内に樹脂材料を射出する。樹脂材料は、重ねられた2枚のフィルム3,3の間の空隙を充填して外枠部4と仕切り部5を形成し、またコアピン35の周囲を充填して継手部8を形成する。所定の冷却時間が経過した後、コアピン35を抜いて型開きし、成形が完了した加温用容器1aを得る。
【0047】
第1の方法では、フィルム3が厚い場合等にフィルム3に対する樹脂材料の溶け込みが不十分となり、融着させた2枚のフィルム3,3が剥離する場合がありうる。かかる不都合が最も生じ易い箇所が、仕切り部5の先端である。ここは、射出される樹脂材料の流動末端であり、充填される樹脂材料の温度が低く、また加温用容器1aの加圧時に荷重が集中するためである。これを改善する手段としては、前述したように仕切り部5の先端5aの形状を拡大した円形にすることも挙げられるが、本方法のように重ねた2枚のフィルム3,3の間に樹脂材料を射出する構造とすることも効果がある。そこで、本方法は、2枚のフィルム3,3間に正確に樹脂を充填することを目的とし、固定側可動側の両方の型板31,32に吸引孔37を設け、金型の内部を吸引するとともに、清浄な空気をコアピン35の先端あるいは枠部外周から金型の内部に吹き込んで、フィルム3を型内壁に貼り付けるようにした。
【0048】
さらにコアピン35廻りのフィルム3も吸引することとすれば、コアピン35の装着やコアピン35が設けられたスライドコアの移動が容易になる。吸引孔37は、図では単純な孔としたが、例えばエジェクタピン孔に挿通したエジェクタピンに吸引孔37を形成したものでも同様の機能を果たせる。むしろ部品が共用できて都合が良い。この場合の型構造では、ゲート位置がフィルム3の無い外枠部4上に制約される。また、本方法では吸引でフィルム3を吸い付けて変形させ、フィルム3,3間に空間を設けるので、用い得るフィルム3は充分に柔軟なフィルムに制約される。
【0049】
また、本例では、成形に際して金型内に清浄化した空気を吹き込むので、成形された製品の内部からゴミを除去する効果も得られる。
【0050】
▲3▼第3の製造方法…2枚の連続フィルム3a,3aの片側に樹脂充填(図6、8、10、11、12)
図6は金型内での成形状態を示す断面図であり、図8は同平面図である。図10は連続フィルム3aによる成形状態とフィルムトリミングを示す平面図である。図11は本方法で用いる金型の型開き面での平面図であり、図12は同金型の側断面図である。
【0051】
本方法は、連続フィルム3aを使用して量産性を向上させた例である。本方法は、2枚重ねのフィルムの片側に樹脂充填を行なう点では、第1の方法と特徴が共通している。
図11に示すように、本方法で使用する金型は、固定側である上型31と、可動側である下型32からなり、両型31,32は開閉可能に構成されている。図12に示すように、連続フィルム3aは、成形される加温用容器1aの長手方向に対して直交する方向で両型31,32の間に入ってくる。図12に示すように、金型のキャビティ33を挟む両側の位置に連続フィルム3aを案内するためのローラ38を据え付け、ショット毎に連続フィルム3aを間欠的に送り込むことができる。
【0052】
図示しないが、2枚重ねの連続フィルム3aは、始めから2枚重ねられた連続フィルム3aのロールから供給してもよいし、1枚の連続フィルム3aのロールを2本用意し、各ロールから1枚の連続フィルム3aを引き出して金型内で2枚に重ねるようにしてもよい。
【0053】
そして、型締め後、樹脂材料は上型の充填口39から注入され、ゲート40から両型のキャビティ33内に射出されて成形が行なわれる。
【0054】
本例の加温用容器1aの継手部8に接続される継手のルアーテーパやルアーロックは、安全かつ確実に輸液管を接続するための機構であって、ISO594−1−1986、ISO594−2−1991等の医療器具の配管規格で規定されている。本例の加温用容器1aはなるべく薄いほうが伝熱効率が高いため、規格に規定されている継手の大きさに対し、連続フィルム3aはこれと干渉しないように継手部8の間に配置されている。
【0055】
本例では2枚重ねの連続フィルム3aの片側から樹脂材料を射出しているので、樹脂材料を金型内に確実に充填させるために、使用する連続フィルム3aの幅には制約がある。すなわち、図6及び図8に示すように、連続フィルム3aの幅Aは、金型のキャビティ33の外枠部4の外形よりも小さく、金型のキャビティ33の蛇行流路6の外形よりも大きい。このような条件の幅寸法を有する連続フィルム3a(2枚重ね)を用い、金型を型締めするとともにコアピン35を2枚の連続フィルム3aの間の所定位置に装着し、連続フィルム3aの側縁に位置するゲート40からキャビティ33内に樹脂材料を射出すれば、樹脂材料は、重ねられた2枚のフィルム3,3の一方を突き抜けて他方に溶着し、外枠部4と仕切り部5を形成するとともに、コアピン35の部分では一方のフィルム3の縁部を乗り越えることができるのでコアピン35の周囲を確実に充填することができ、所期の形状の継手部8を確実に成形することができる。
本例のゲート位置は上記ゲート40を用いたサイドゲートの他、仕切り部5や外枠部4へのピンゲートでもよい。
【0056】
本方法のように連続フィルム3aを使用すれば、図10(a)に示すように連続フィルム3aから成形されて繋がった状態にある複数の加温用容器1aが、金型外に次々と送り出されてくる。そして、図10(b)に示すように、各成形品を連続フィルム3aから切り離してトリミングすれば、所期の加温用容器1aが得られる。
【0057】
第1の方法のようにピース状のフィルム3を使用する場合は、1ショットごとにロボットや自動取り出し機でフィルム3を所定の位置搬送して正確に位置決めする必要があるが、連続フィルム3aを用いた本方法によれば、プレス機と連続フィルム3aの間欠送り装置を適宜連動させれば、例えば10〜30秒/サイクルのスピードで容易に成形作業が行えるので、第1の方法に比べて確実に短いサイクルタイムで製造できる。
【0058】
▲4▼第4の製造方法…2枚の連続フィルム3aの間に樹脂充填(図7、8、9、10、11,12)
図7は金型内での成形状態を示す断面図であり、図8は同平面図である。図9はゲート付近での成形状態を示す断面図である。図10は連続フィルム3aによる成形状態とフィルムトリミングを示す平面図である。
【0059】
本方法も、第3の方法と同様、連続フィルム3aを使用して量産性を向上させた例である。金型は、図11及び図12に示した第3の方法と同様のものを使用できる。また本方法は、2枚重ねのフィルムの間に樹脂充填を行なう点では、第2の方法と特徴が共通している。
【0060】
本例は連続フィルム3aを用いているので、金型のゲート構造は、2枚の連続フィルム3a,3aの間に樹脂材料を充填できるように構成されている。すなわち、キャビティ内への樹脂の充填は、図12に示すように連続フィルム3aの側縁に相当する両サイドのゲート40で行なうが、その際、図9に示すように、ゲート40の近傍の吸引孔37を介して空気を吸引するとともに、清浄な空気をコアピン35の先端から金型内に吹き込むことにより、連続フィルム3aをキャビティ内面に貼り付かせ、重なった連続シート3a,3aの縁部を確実に開口させてコアピン35が確実に挿入できるようになっている。この場合、使用しうる連続フィルム3aには、吸引により変形し、金型内面に張り付いて間に空隙が生じ得る程度の柔軟性が要求される。
【0061】
本例では2枚重ねの連続フィルム3a,3aの間に樹脂材料を射出しているので、樹脂材料を金型内に確実に充填させるために、使用する連続フィルム3aの幅には特に制約はなく、図6及び図8に示すように、連続フィルム3aの幅は、金型のキャビティ33の外枠部4の外形よりも小さくてもよい(幅A)。しかし連続フィルム3a,3aの間にコアピン35が確実に挿入され、両フィルム間に樹脂材料を射出するには大きな方が望ましい(幅B)。いずれの寸法でも、樹脂材料は、重ねられた2枚の連続フィルム3a,3aの間に充填されて2枚の連続フィルム3a,3aを溶着し、外枠部4と仕切り部5を形成するとともに、コアピン35の周囲を確実に充填して所期の形状の継手部8を確実に成形することができる。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
1.2枚のフィルムを重ねた状態で1回の成形を行なうだけで、フィルムと一体化した外枠部、仕切り部、継手部を形成できる。従って、液体の加温用容器として必要な複雑な蛇行流路を有する容器を、樹脂とフィルムが一体化した丈夫な構造で容易に量産できる。
特に、液を流通させた場合に、外枠部と仕切り部の間にある2枚のフィルムが、外枠部と仕切り部の厚さよりも膨らんだ状態となるように構成すれば、加温器2で挟んで加温する場合の熱の伝導効率が高くなる。
さらに一度の成形で製品が完成するので流路内にゴミや細菌が付着するおそれが少なく衛生的である。特に、継手部に破壊可能な薄い隔離壁を同時に成形しておく、又は蓋部材を組込んで成形すれば、流路内を密閉した状態で製品を出荷することができ、使用するまで高度な清浄度を維持できる。
また、製造スペースが小さくてすみ、例えばクリーンブースでの製造が可能である。
【0063】
2.連続フィルムを用いれば射出成形によって連続して製作できるので、安定した製品が大量に低コストで成形できる。
【0064】
3.蛇行流路を構成するために複雑なパターンの仕切り部を設けているのでフィルムと仕切り部との接合部分は長くならざるを得ないが、射出成形でフィルムと樹脂の骨組みを一体化する構成なので、係る接合部分の長い構成であっても当該接合部分の信頼性が高く、伝熱効率の高い薄いフィルムを使用することができる。
【0065】
4.外枠部及び蛇行流路を構成する仕切り部が一体成形された樹脂からなり、相当の強度があるため、加温器に対する着脱時に熱板等にぶつけても衝撃に強く、耐久性・操作性に優れている。
【0066】
5.使用しないときは、省スペースで保管できる。
【0067】
6.継手部8が、外枠部や仕切り部と同一の樹脂で同時に成形されるので、後付け式継手に対し、品質管理が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施形態の加温用容器の平面図である。
【図2】図2は図1に示す加温用容器をヒータに装着した状態の断面図である。
【図3】図3は実施の形態の第1の製造方法における金型内での成形状態を示す断面図である。
【図4】図4は図3及び図5における型開き状態の平面図である。
【図5】図5は実施の形態の第2の製造方法における金型内での成形状態を示す断面図である。
【図6】図6は実施の形態の第3の製造方法における金型内での成形状態を示す断面図である。
【図7】図7は実施の形態の第4の製造方法における金型内での成形状態を示す断面図である。
【図8】図8は図6及び図7における型開き状態の平面図である。
【図9】図9は実施の形態の第4の製造方法におけるゲート付近での成形状態を示す図であり、図12の切断線イ−イにおける断面図である。
【図10】図10は連続フィルム3aを用いた実施の形態の第3及び第4の製造方法における型開き面での成形状態と成形後のフィルムトリミングを示す平面図である。
【図11】図11は実施の形態の第3及び第4の製造方法で用いる金型の型開き面での平面図である。
【図12】図12は実施の形態の第3及び第4の製造方法で用いる金型の側断面図である。
【図13】図13は、従来の加温用容器の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1,1a…加温用容器、3…フィルム、3a…連続フィルム、4…外枠部、
5…仕切り部、5a…仕切り部の先端、6…蛇行流路、7…貫通路、
8…継手部、9…隔離壁、
31…上型、32…下型、33…キャビティ、35…コアピン、
37…吸引孔、40…ゲート。
【発明の属する技術分野】
本発明は、点滴液、血液のような非経口性液体をヒータで所定の温度に加温するために用いられる加温用容器と、その製造方法に関するものである。特に、本発明に係る加温用容器は、2枚のシートの外縁を継手部と一体に成形封止するとともに、外枠の内方には外枠と一体の仕切りを成形して蛇行流路を構成し、該蛇行流路を液体が流下する間にヒータで加温されるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
患者の体内に注入される血液その他の非経口性液体は、鮮度及び活性を保つために一般に約4℃の低温で貯蔵される。これを患者に注入する際には、患者の肉体的負担を軽減するために、当該液体の温度を加温して患者の体温に近い36℃乃至38℃にするのが一般的である。
【0003】
輸血の場合を例にとれば、輸血用血液が保存された樹脂製の貯蔵バッグと、血液の加温器と、輸血針を輸液チューブで接続し、貯蔵バッグをポールに吊るす。貯蔵バッグ内の血液は、位置エネルギーによって加温器に送られて36℃乃至38℃に加温され、輸血針を介して患者に輸血される。
【0004】
前記加温器は、血液が流下する蛇行流路が形成された加温バッグと、この加温バッグを挟持して蛇行流路内の血液を両面から加温する加温器本体とからなる。加温バッグとしては、例えば下記特許文献1に開示されたような構造のものが知られている。
【0005】
図13は、この種の加温バッグ100の一例を示す平面図である。この加温バッグ100を製造するには、まず略同一外形の2枚のフィルムを重ね、対向する2つの辺の各一部分を残して全周を加熱融着して外周縁101を形成し、また外周縁101の内方においても2枚のフィルムを加熱融着して仕切り部102を形成して蛇行流路103を構成する。次に、外周縁101の融着しなかった部分に管104を差し込み、再度当該差し込み部分を加熱融着する。なお、加熱融着の代わりに接着剤を用いても良い。
【0006】
この加温バッグ100を製造する他の方法としては、まず、略同一外形の2枚のフィルムを重ね、対向する2つの辺の各一部分において2枚のフィルムの間にそれぞれ管104を配置しておく。次に、フィルムの全周を加熱融着して外周縁101を形成し、また外周縁101の内方においても2枚のフィルムを加熱融着して仕切り部102を形成して蛇行流路103を構成する。
【0007】
【特許文献1】
実開平7−21057号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の加温バッグ100によれば、製造工程が少なくとも2工程となるため製造手順が複雑であった。またバッグの本体であるフィルムとは別部品として管も必要になるなど、複数種類の部品を用意する必要があるという煩雑さがあった。更に従来の加温バッグ100は単にフィルムを2枚重ねた物であり、バッグの剛性が低く、加温バッグ100の加温器への装置が行ないずらい等、取扱い上の問題もあった。
【0009】
本発明は以上の問題点を解決するためになされたものであり、必要な部品はシートのみであり、1工程で製造される蛇行流路を備えた加温用容器と、その製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された液体の加温用容器は、重ねられた2枚のフィルムの外枠部と、該外枠部の内方にあって前記2枚のフィルムの間に所定パターンの流路を形成する仕切り部と、前記外枠部を貫通して前記流路内と外界とを連通させる貫通路が形成された継手部とが、同一の樹脂材料によって前記2枚のフィルムとともに一体に成形されてなるものである。
【0011】
請求項2に記載された液体の加温用容器は、請求項1記載の液体の加温用容器において、前記仕切り部が、前記外枠部に一体に結合された基端と前記流路内に配置された先端を有する所定の幅を備えた長体状であり、前記先端は前記幅よりも大きい寸法を直径とする円形の少なくとも一部分で構成された形状であることを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載された液体の加温用容器は、請求項1記載の液体の加温用容器において、蓋部材で前記継手部の貫通路が密閉されたことを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載された液体の加温用容器の製造方法は、
液体の加温用容器の流路を区画する外枠部と仕切り部に対応するパターンが形成された一対の金型内に2枚のフィルムを重ねて収納し、貫通路を有する継手部を形成するためのコア部材を前記2枚のフィルムの間に配置し、前記金型を型締めして前記金型内に樹脂材料を射出することにより、
重ねられた2枚のフィルムの外枠部と、該外枠部の内方で前記2枚のフィルムの間に流路を区画する仕切り部と、前記継手部とが、前記樹脂材料によって前記2枚のフィルムとともに一体に成形されてなる液体の加温用容器を製造するものである。
【0014】
請求項5に記載された液体の加温用容器の製造方法は、請求項4記載の液体の加温用容器の製造方法において、前記樹脂材料が、重ねられた前記2枚のフィルムの片側から供給され、前記2枚のフィルムに溶け込んで一体に溶着することを特徴としている。
【0015】
請求項6に記載された液体の加温用容器の製造方法は、請求項5記載の液体の加温用容器の製造方法において、前記フィルムが、前記金型の型締め動作に連動して前記金型に対して間欠的に供給される帯状フィルムであり、前記帯状フィルムの幅が、前記流路の幅よりも大きく、前記外枠部の幅よりも小さいことを特徴としている。
【0016】
請求項7に記載された液体の加温用容器の製造方法は、請求項4記載の液体の加温用容器の製造方法において、前記金型内に空気の流入を許容するとともに、前記金型から空気を吸引することにより、前記2枚のフィルムを前記一対の金型の各々の内面に貼り付かせ、前記樹脂材料を前記2枚のフィルムの間に供給することにより前記2枚のフィルムを前記樹脂材料で一体に溶着することを特徴としている。
【0017】
請求項8に記載された液体の加温用容器の製造方法は、請求項7記載の液体の加温用容器の製造方法において、前記フィルムが、前記金型の型締め動作に連動して前記金型に対して間欠的に供給される帯状フィルムであり、前記金型には、前記帯状フィルムを供給する方向と平行な前記帯状フィルムの側縁と対応する位置に、前記樹脂材料を前記金型内に射出するためのゲートが形成されており、成形時には、前記金型内に空気の流入を許容するとともに、前記ゲートにおいて空気を金型外に吸引することにより、前記2枚のフィルムを前記一対の金型の各々の前記ゲートの内面に貼り付かせ、前記樹脂材料を前記ゲートから前記2枚のフィルムの間に供給することにより前記2枚のフィルムを前記樹脂材料で一体に溶着することを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
(1) 実施の形態における加温用容器の構造
本発明に係る液体の加温用容器の構造の一例を図1及び図2を参照して説明する。図1はこの加温用容器1の平面図、図2はこの加温用容器1を加温器2に装着した状態の断面図である。
【0019】
この加温用容器1では、同じ角丸略矩形状の樹脂製の2枚のフィルム3を外形が揃うように重ね、両フィルム3,3の外縁部の間に樹脂を注入して両フィルム3,3を融着一体化し、外枠部4を形成している。
【0020】
フィルム3としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、塩化ビニール等が採用できる。また、その厚さは、内部の液体による圧力に耐え得ることが必要であり、具体的には、輸液バッグの規格により300mHgの圧力に耐え得る厚さが必要である。更にカートリッジの取扱い時に爪で引っかく等のおそれもあるので安全率を見込むと0.08mm以上が必要となる。また、加温における熱伝導を考慮すると、0.3mm以下であることが好ましい。
【0021】
次に、外枠部4の内方においては、2枚のフィルム3,3の間に複数の仕切り部5を前記樹脂材料で形成し、前記外枠部4とともに液体の蛇行流路6を区画している。この仕切り部5は、外枠部4の内側に配置された所定幅の長体状の部材であって、両フィルム3,3に融着一体化しており、その基端は外枠部4に一体化している。
【0022】
図2に示すように、仕切り部5は断面が略円形であり、上下のフィルム3,3が仕切り部5の周囲に巻き付いて融着し、一体化している。仕切り部5と仕切り部5の間の蛇行流路6においては、重ねられた2枚のフィルムは分離したままである。
【0023】
仕切り部5の先端5aは、前記幅よりも大きい寸法を直径とする円形の一部で構成された形状である。すなわち、仕切り部5は外枠部4から内方に延設されて先端5aが円形に膨らんだ形状となっている。
【0024】
この仕切り部5は、矩形の外枠部4の短辺と平行となるように2つの長辺から交互に延設されて櫛歯状のパターンで配置されており、これによって液体の流路は、直線状の流路に比べて距離が長い蛇行流路6となり、この蛇行流路6を流下する十分な時間で液体が適温に加温される。
【0025】
上述したように仕切り部5の先端5aを本体の幅よりも大きい直径の円形とした理由は次のとおりである。まず、仕切り部5の先端5aが本例のように拡大円形でなく、本体部と同一幅であったとすると、フィルム3と仕切り部5の融着部分に次に示すように強度上の問題が生じる可能性がある。
【0026】
まず、蛇行流路6内に加温された液体が流れるとフィルム3には圧力が加わり、フィルム3と外枠部4の間やフィルム3と仕切り部5の間には、外枠部4や仕切り部5から該フィルム3を引き剥がす方向の力が加わる。液体が流れる蛇行流路6の屈曲部分 (カーブ)において、仕切り部5の先端5aは内側になり、外枠部4や先端5a以外の仕切り部5は外側になる。ここで蛇行流路6の屈曲部分におけるフィルム3との融着長さを考えると、蛇行流路6の外側に沿った周長は内側のそれよりも長いので、蛇行流路6においてフィルム3に加わる力は、蛇行流路6の外側では外枠部4等との長い融着部分で十分に耐えることができる。しかし、蛇行流路6の内側では細い仕切り部5の先端との短い融着部分のみで耐えなければならず、単位長さ当たりに加わる圧力が高くなるので、外側との比較では相対的に強度が弱く剥離する危険性がある。
【0027】
しかし、本例では、前述したように仕切り部5の先端5aを本体側の幅よりも大きな直径の円形としたので、フィルム3との融着長さは外側ほどではないが、十分に長くなり、フィルム3に加わる力に耐えて剥離が生じるおそれはなくなった。仕切り部5の先端5aを拡大円形としてのは、このような理由によるものであるから、フィルム3との融着長さを大きくすることができるのであれば、仕切り部5の先端5aの形状は必ずしも本例のように円形に限る必要はなく、例えば本体部の幅よりも大きな楕円形や角型等でもよい。
【0028】
次に、外枠部4の2つの短辺には、外枠部4を貫通する貫通路7を備えた前記樹脂材料からなる継手部8が前記外枠部4と一体に設けられている。
【0029】
本例では、2つの継手部8の各貫通路7は、前記樹脂材料からなる容易に破壊可能な薄い隔離壁9によって閉塞されている。図2は加温用容器1の使用中を示す図なので、隔離壁9はすでに撤去され、図中では想像線で示している。この隔離壁9によって、この加温用容器1の内部の蛇行流路6は外界から隔離されるので、使用時にこれを突き破って実際に貫通させるまでは、内部の無菌状態乃至清浄状態が確実に保持される利点がある。
【0030】
本例の加温用容器1を例えば輸血用に使用するには、血液の出入り口となる2本の継手部8の各隔離壁9を突き破って、それぞれ輸液チューブの継手を差し込む。本例では、ルアーテーパとルアーロックを有する継手10と、カテーテル継手11を接続する。これらの継手10,11は輸血用血液が保存された樹脂製の貯蔵バッグと、輸血針に接続されている。貯蔵バッグはポールに吊るす。そして、加温用容器1を加温器2にセットして加温する。加温用容器1は血液の流入により膨らみ、フィルム3が熱板12に広い面積で密着し、血液は36℃乃至38℃に加温されて継手部8から容器1外に流下し、輸血針を介して患者に輸血される。
【0031】
詳細は図示しないが、加温器2はヒンジ構造で開閉可能とされた本体と蓋体を有しており、本体と蓋体にはそれぞれヒータを備えた熱板12が設けられている。図2に示すように、加温器2にセットされた加温用容器1は本体と蓋体の熱板12,12に挟持される。
【0032】
図2に示すように、仕切り部5は断面が略円形であり、上下のフィルム3,3が仕切り部5の周囲に巻き付いて融着・一体化しているが、仕切り部5と仕切り部5の間の蛇行流路6では重ねられた2枚のフィルム3,3は分離したままなので、内部に液体が導入されて加温されれば内圧が生じ、蛇行流路6のフィルム3,3は膨らみ、外から押さえなければ仕切り部5や外枠部4の厚さ以上の厚さになりうる。本例では、加温器2の熱板12,12で挟んで加温する場合に、一対の熱板12,12の間隔を、外枠部4や仕切り部5の厚さと同等か、又はこれにフィルム3の2枚分の厚さを加えた程度とする。このようにすれば、図2に示すように蛇行流路6のフィルム3は熱板12に広い面積で密着するので熱の伝導効率が高くなる。本例において、加温用容器1の厚さを1.6mmとした場合には、加温用容器1の成形も良好に行なうことができ、上記の条件で加温器2に装着した場合の熱の伝導性にも優れた結果が得られた。
【0033】
なお、加温用容器1内の液体の流量が少ない場合、圧力が低下し加温用容器1が充分に膨らまないこともある。この場合の伝熱効率は低下するが、極端に流量が減少しない限り伝熱効率は低下しないので、本例の構造で実用上の問題は無いといえる。
【0034】
以上説明したように、この加温用容器1は、2枚のフィルム3,3の間に同一の樹脂材料を注入して外枠部4及び仕切り部5を成形して蛇行流路6を区画するとともに、この蛇行流路6を外界に連通させる継手部8も該樹脂材料で形成し、これら樹脂材料からなる部分を2枚のフィルム3とともに一体に成形したものである。
【0035】
従って、この加温用容器1を製造するには、予め製造しておくべき部品としては2枚のフィルム3,3を要するのみであり、後は所定の蛇行流路6のパターンが形成された金型を用いて樹脂材料を射出すればよい。従って、外枠部4や仕切り部5や継手部8が強固に一体化された蛇行流路6を有する丈夫な加温用容器1が、金型による成形の一工程のみで迅速かつ容易に製造できる。
更に加温用容器1は外枠部4や仕切り部5を有するので剛性が高く、加温器本体への取付け等の取扱いが行ない易い。
【0036】
以上説明した実施の形態の加温用容器1の構造は、2枚のフィルム3,3の間に樹脂材料を射出するものであったが、重ねた2枚のフィルム3,3の一方の側に樹脂材料を射出しても略同様の構造を得ることができる。その場合には、樹脂材料は一方のフィルム3を溶融して他方のフィルム3に溶け込み、両フィルム3,3を一体化する。このような構造は射出成形時の樹脂温度を通常よりも高くしてフィルム3の溶融を促進することで得られる。
【0037】
(2) 実施の形態における加温用容器の製造方法
次に、本発明に係る液体の加温用容器の製造方法を図3〜図12を参照して説明する。
これらの実施の形態は、いずれも金型の上型と下型の間に装着するフィルム3を2枚重ねとし、2枚重ねのフィルム3,3間に該加温用容器の外部に連通する貫通路7の形状に対応するコアピン又はそれに代わる部材を( 液体出口用と入口用の)2本差し込んだ状態で樹脂材料を射出成形し、この樹脂材料の熱で2枚のフィルム3と樹脂材料からなる外枠部4、仕切り部5、継手部8を同時に形成・溶着させるものである。
【0038】
この場合のコアピン等は、上型と下型の間に配置されて金型の開閉動作に連動して同開閉方向と直交する方向に移動するスライドコアを使用してもよい。しかし継手部8にはねじ山を形成してあり、コアピンは回転させながら抜く必要があることから、コアピンをエアーシリンダ、モータ等で金型の開閉動作と独立に駆動する構造が望ましい。一方、成形の都度、貫通路7の形状に対応する蓋部材を金型内の所定位置に装着するインサート方式でもかまわない。蓋部材は継手部8、貫通路7の成形に係る部分はコアピンと同形状を有し、その後端が人の手で回転、取扱い可能なつまみ形状を有する。蓋部材は外枠部4等を射出成形する際に樹脂が金型内に流入した際の樹脂温度で溶融、一体化しない様、金属、セラミックス又は溶融温度の高い樹脂で形成する。例えばSUS、Al等の耐食性の高い金属、ポリカーボネート等の樹脂、一般的なセラミック材料が使用可能である。継手部8の貫通路7は蓋部材の外側を転写して螺接して成形され、蓋部材は加温器1に取り付けられた状態で完成する。そのため使用時に蓋部材を外すまで内部が密閉され成形後の異物侵入を防止できる。量産性や加温用容器内の衛生度の管理に関しては、スライドコア、エアシリンダ等を使用したほうが別部材を金型内に持込まないので有利である。型製作費を削減し、成形後の異物侵入防止を重視する場合には、蓋部材を成形の都度装着する方法が有利になる。
【0039】
▲1▼第1の製造方法…2枚のピース状フィルム3の片側に樹脂充填(図3、4)
図3は金型内での成形状態を示す断面図であり、図4は同平面図である。
【0040】
この金型において、固定側である上型31と可動側である下型32の間には、加温用容器1aの蛇行流路6を区画する外枠部4と仕切り部5に対応するパターンのキャビティ33が形成されている。上型31と下型32を開き、ピース状の2枚のフィルム3,3を金型のキャビティ33に対応した位置に重ねて配置する。フィルム3の外形寸法は、金型のキャビティの外枠部4に対応する部分よりも小さく、金型のキャビティ33の蛇行流路6に対応する部分よりも大きい。金型を型締めするとともにコアピン35を2枚のフィルム3,3の間の所定位置に装着し、図示しないゲートからキャビティ33内に樹脂材料を射出する。樹脂材料は、重ねられた2枚のフィルム3,3の一方を突き抜けて他方に溶着し、外枠部4と仕切り部5を形成し、またコアピン35の部分では一方のフィルム3の縁部を乗り越えてコアピン35の周囲を充填し、継手部8を形成する。所定の冷却時間が経過した後、コアピン35を抜いて型開きし、成形が完了した加温用容器1aを得る。この際、コアピン35の長さを流路部まで届かないよう調整すれば、図2の隔離壁9を形成できる。尚、図3ではフィルムと樹脂材料の位置関係を明示するため両者を溶融していない状態で示してある。以下の図6、図7、図8でも同様である。
【0041】
本方法のように、ピース状のフィルム3を用いる場合は、ロボットあるいは取り出し機を改造した自動機でフィルム3を金型内に装着する必要がある。
コアピン35の代わりに蓋部材を用いる場合も、蓋部材をロボット等で金型内に装着する必要がある。
【0042】
本方法においては、フィルム3の厚さを薄く設定し、充填する樹脂材料の温度を高く設定すれば、上述したように樹脂材料はフィルム3に溶け込んでフィルム3と一体化する。例えば、樹脂材料、フィルム3ともポリエチレンであり、フィルム3の厚さ0.08mm、樹脂材料の温度220℃であれば可能である。
【0043】
なお、本例の金型の構造について触れる。キャビティ33内に樹脂材料を射出するゲートの位置は、外枠部4の側面に設けたサイドゲートでもよいし、仕切り部5や外枠部4へのピンゲートでもよい。金型は2プレート構造でも3プレート構造でもよいが、ゲートを各仕切り部5の先端にそれぞれ配置することとすれば、数が増えるので(例えば10個)、金型構造はやや複雑になるが、フィルム3の溶融接合がより確実になる点で有利である。
【0044】
▲2▼第2の製造方法…2枚のピース状フィルム3の間に樹脂充填(図5)
図5は金型内での成形状態を示す断面図である。平面図は第1の方法と共通し、図4と同じである。
【0045】
この金型には、上型と下型のキャビティ33に相当する部分に、吸引孔37が形成され開口しており、成形時にエアを吸引できるようになっている。また、継手部8を成形するコアピン35の部分からはエアを送り込むことができるようになっている。その他の構成は第1の方法と同じである。
【0046】
上型31と下型32を開き、ピース状の2枚のフィルム3,3を金型のキャビティ33に対応した位置に重ねて配置する。金型を型締めするとともにコアピン35を2枚のフィルム3,3の間の所定位置に装着し、コアピン35から清浄なエアを吹き込みキャビティ33の金型面にフィルム3,3を近接させ、更に、吸引孔37からエアを吸引する。重ねられた2枚のフィルム3,3は、それぞれ上型31及び下型32のキャビティ33内に吸い付けられ、フィルム3,3間には空隙が生じる。ここで図示しないゲートからキャビティ33内に樹脂材料を射出する。樹脂材料は、重ねられた2枚のフィルム3,3の間の空隙を充填して外枠部4と仕切り部5を形成し、またコアピン35の周囲を充填して継手部8を形成する。所定の冷却時間が経過した後、コアピン35を抜いて型開きし、成形が完了した加温用容器1aを得る。
【0047】
第1の方法では、フィルム3が厚い場合等にフィルム3に対する樹脂材料の溶け込みが不十分となり、融着させた2枚のフィルム3,3が剥離する場合がありうる。かかる不都合が最も生じ易い箇所が、仕切り部5の先端である。ここは、射出される樹脂材料の流動末端であり、充填される樹脂材料の温度が低く、また加温用容器1aの加圧時に荷重が集中するためである。これを改善する手段としては、前述したように仕切り部5の先端5aの形状を拡大した円形にすることも挙げられるが、本方法のように重ねた2枚のフィルム3,3の間に樹脂材料を射出する構造とすることも効果がある。そこで、本方法は、2枚のフィルム3,3間に正確に樹脂を充填することを目的とし、固定側可動側の両方の型板31,32に吸引孔37を設け、金型の内部を吸引するとともに、清浄な空気をコアピン35の先端あるいは枠部外周から金型の内部に吹き込んで、フィルム3を型内壁に貼り付けるようにした。
【0048】
さらにコアピン35廻りのフィルム3も吸引することとすれば、コアピン35の装着やコアピン35が設けられたスライドコアの移動が容易になる。吸引孔37は、図では単純な孔としたが、例えばエジェクタピン孔に挿通したエジェクタピンに吸引孔37を形成したものでも同様の機能を果たせる。むしろ部品が共用できて都合が良い。この場合の型構造では、ゲート位置がフィルム3の無い外枠部4上に制約される。また、本方法では吸引でフィルム3を吸い付けて変形させ、フィルム3,3間に空間を設けるので、用い得るフィルム3は充分に柔軟なフィルムに制約される。
【0049】
また、本例では、成形に際して金型内に清浄化した空気を吹き込むので、成形された製品の内部からゴミを除去する効果も得られる。
【0050】
▲3▼第3の製造方法…2枚の連続フィルム3a,3aの片側に樹脂充填(図6、8、10、11、12)
図6は金型内での成形状態を示す断面図であり、図8は同平面図である。図10は連続フィルム3aによる成形状態とフィルムトリミングを示す平面図である。図11は本方法で用いる金型の型開き面での平面図であり、図12は同金型の側断面図である。
【0051】
本方法は、連続フィルム3aを使用して量産性を向上させた例である。本方法は、2枚重ねのフィルムの片側に樹脂充填を行なう点では、第1の方法と特徴が共通している。
図11に示すように、本方法で使用する金型は、固定側である上型31と、可動側である下型32からなり、両型31,32は開閉可能に構成されている。図12に示すように、連続フィルム3aは、成形される加温用容器1aの長手方向に対して直交する方向で両型31,32の間に入ってくる。図12に示すように、金型のキャビティ33を挟む両側の位置に連続フィルム3aを案内するためのローラ38を据え付け、ショット毎に連続フィルム3aを間欠的に送り込むことができる。
【0052】
図示しないが、2枚重ねの連続フィルム3aは、始めから2枚重ねられた連続フィルム3aのロールから供給してもよいし、1枚の連続フィルム3aのロールを2本用意し、各ロールから1枚の連続フィルム3aを引き出して金型内で2枚に重ねるようにしてもよい。
【0053】
そして、型締め後、樹脂材料は上型の充填口39から注入され、ゲート40から両型のキャビティ33内に射出されて成形が行なわれる。
【0054】
本例の加温用容器1aの継手部8に接続される継手のルアーテーパやルアーロックは、安全かつ確実に輸液管を接続するための機構であって、ISO594−1−1986、ISO594−2−1991等の医療器具の配管規格で規定されている。本例の加温用容器1aはなるべく薄いほうが伝熱効率が高いため、規格に規定されている継手の大きさに対し、連続フィルム3aはこれと干渉しないように継手部8の間に配置されている。
【0055】
本例では2枚重ねの連続フィルム3aの片側から樹脂材料を射出しているので、樹脂材料を金型内に確実に充填させるために、使用する連続フィルム3aの幅には制約がある。すなわち、図6及び図8に示すように、連続フィルム3aの幅Aは、金型のキャビティ33の外枠部4の外形よりも小さく、金型のキャビティ33の蛇行流路6の外形よりも大きい。このような条件の幅寸法を有する連続フィルム3a(2枚重ね)を用い、金型を型締めするとともにコアピン35を2枚の連続フィルム3aの間の所定位置に装着し、連続フィルム3aの側縁に位置するゲート40からキャビティ33内に樹脂材料を射出すれば、樹脂材料は、重ねられた2枚のフィルム3,3の一方を突き抜けて他方に溶着し、外枠部4と仕切り部5を形成するとともに、コアピン35の部分では一方のフィルム3の縁部を乗り越えることができるのでコアピン35の周囲を確実に充填することができ、所期の形状の継手部8を確実に成形することができる。
本例のゲート位置は上記ゲート40を用いたサイドゲートの他、仕切り部5や外枠部4へのピンゲートでもよい。
【0056】
本方法のように連続フィルム3aを使用すれば、図10(a)に示すように連続フィルム3aから成形されて繋がった状態にある複数の加温用容器1aが、金型外に次々と送り出されてくる。そして、図10(b)に示すように、各成形品を連続フィルム3aから切り離してトリミングすれば、所期の加温用容器1aが得られる。
【0057】
第1の方法のようにピース状のフィルム3を使用する場合は、1ショットごとにロボットや自動取り出し機でフィルム3を所定の位置搬送して正確に位置決めする必要があるが、連続フィルム3aを用いた本方法によれば、プレス機と連続フィルム3aの間欠送り装置を適宜連動させれば、例えば10〜30秒/サイクルのスピードで容易に成形作業が行えるので、第1の方法に比べて確実に短いサイクルタイムで製造できる。
【0058】
▲4▼第4の製造方法…2枚の連続フィルム3aの間に樹脂充填(図7、8、9、10、11,12)
図7は金型内での成形状態を示す断面図であり、図8は同平面図である。図9はゲート付近での成形状態を示す断面図である。図10は連続フィルム3aによる成形状態とフィルムトリミングを示す平面図である。
【0059】
本方法も、第3の方法と同様、連続フィルム3aを使用して量産性を向上させた例である。金型は、図11及び図12に示した第3の方法と同様のものを使用できる。また本方法は、2枚重ねのフィルムの間に樹脂充填を行なう点では、第2の方法と特徴が共通している。
【0060】
本例は連続フィルム3aを用いているので、金型のゲート構造は、2枚の連続フィルム3a,3aの間に樹脂材料を充填できるように構成されている。すなわち、キャビティ内への樹脂の充填は、図12に示すように連続フィルム3aの側縁に相当する両サイドのゲート40で行なうが、その際、図9に示すように、ゲート40の近傍の吸引孔37を介して空気を吸引するとともに、清浄な空気をコアピン35の先端から金型内に吹き込むことにより、連続フィルム3aをキャビティ内面に貼り付かせ、重なった連続シート3a,3aの縁部を確実に開口させてコアピン35が確実に挿入できるようになっている。この場合、使用しうる連続フィルム3aには、吸引により変形し、金型内面に張り付いて間に空隙が生じ得る程度の柔軟性が要求される。
【0061】
本例では2枚重ねの連続フィルム3a,3aの間に樹脂材料を射出しているので、樹脂材料を金型内に確実に充填させるために、使用する連続フィルム3aの幅には特に制約はなく、図6及び図8に示すように、連続フィルム3aの幅は、金型のキャビティ33の外枠部4の外形よりも小さくてもよい(幅A)。しかし連続フィルム3a,3aの間にコアピン35が確実に挿入され、両フィルム間に樹脂材料を射出するには大きな方が望ましい(幅B)。いずれの寸法でも、樹脂材料は、重ねられた2枚の連続フィルム3a,3aの間に充填されて2枚の連続フィルム3a,3aを溶着し、外枠部4と仕切り部5を形成するとともに、コアピン35の周囲を確実に充填して所期の形状の継手部8を確実に成形することができる。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
1.2枚のフィルムを重ねた状態で1回の成形を行なうだけで、フィルムと一体化した外枠部、仕切り部、継手部を形成できる。従って、液体の加温用容器として必要な複雑な蛇行流路を有する容器を、樹脂とフィルムが一体化した丈夫な構造で容易に量産できる。
特に、液を流通させた場合に、外枠部と仕切り部の間にある2枚のフィルムが、外枠部と仕切り部の厚さよりも膨らんだ状態となるように構成すれば、加温器2で挟んで加温する場合の熱の伝導効率が高くなる。
さらに一度の成形で製品が完成するので流路内にゴミや細菌が付着するおそれが少なく衛生的である。特に、継手部に破壊可能な薄い隔離壁を同時に成形しておく、又は蓋部材を組込んで成形すれば、流路内を密閉した状態で製品を出荷することができ、使用するまで高度な清浄度を維持できる。
また、製造スペースが小さくてすみ、例えばクリーンブースでの製造が可能である。
【0063】
2.連続フィルムを用いれば射出成形によって連続して製作できるので、安定した製品が大量に低コストで成形できる。
【0064】
3.蛇行流路を構成するために複雑なパターンの仕切り部を設けているのでフィルムと仕切り部との接合部分は長くならざるを得ないが、射出成形でフィルムと樹脂の骨組みを一体化する構成なので、係る接合部分の長い構成であっても当該接合部分の信頼性が高く、伝熱効率の高い薄いフィルムを使用することができる。
【0065】
4.外枠部及び蛇行流路を構成する仕切り部が一体成形された樹脂からなり、相当の強度があるため、加温器に対する着脱時に熱板等にぶつけても衝撃に強く、耐久性・操作性に優れている。
【0066】
5.使用しないときは、省スペースで保管できる。
【0067】
6.継手部8が、外枠部や仕切り部と同一の樹脂で同時に成形されるので、後付け式継手に対し、品質管理が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施形態の加温用容器の平面図である。
【図2】図2は図1に示す加温用容器をヒータに装着した状態の断面図である。
【図3】図3は実施の形態の第1の製造方法における金型内での成形状態を示す断面図である。
【図4】図4は図3及び図5における型開き状態の平面図である。
【図5】図5は実施の形態の第2の製造方法における金型内での成形状態を示す断面図である。
【図6】図6は実施の形態の第3の製造方法における金型内での成形状態を示す断面図である。
【図7】図7は実施の形態の第4の製造方法における金型内での成形状態を示す断面図である。
【図8】図8は図6及び図7における型開き状態の平面図である。
【図9】図9は実施の形態の第4の製造方法におけるゲート付近での成形状態を示す図であり、図12の切断線イ−イにおける断面図である。
【図10】図10は連続フィルム3aを用いた実施の形態の第3及び第4の製造方法における型開き面での成形状態と成形後のフィルムトリミングを示す平面図である。
【図11】図11は実施の形態の第3及び第4の製造方法で用いる金型の型開き面での平面図である。
【図12】図12は実施の形態の第3及び第4の製造方法で用いる金型の側断面図である。
【図13】図13は、従来の加温用容器の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1,1a…加温用容器、3…フィルム、3a…連続フィルム、4…外枠部、
5…仕切り部、5a…仕切り部の先端、6…蛇行流路、7…貫通路、
8…継手部、9…隔離壁、
31…上型、32…下型、33…キャビティ、35…コアピン、
37…吸引孔、40…ゲート。
Claims (8)
- 重ねられた2枚のフィルムの外枠部と、該外枠部の内方にあって前記2枚のフィルムの間に所定パターンの流路を形成する仕切り部と、前記外枠部を貫通して前記流路内と外界とを連通させる貫通路が形成された継手部とが、同一の樹脂材料によって前記2枚のフィルムとともに一体に成形されてなる液体の加温用容器。
- 前記仕切り部は、前記外枠部に一体に結合された基端と前記流路内に配置された先端を有する所定の幅を備えた長体状であり、前記先端が前記幅よりも大きい寸法を直径とする円形の少なくとも一部分で構成された形状であることを特徴とする請求項1記載の液体の加温用容器。
- 蓋部材で前記継手部の貫通路が密閉されたことを特徴とする請求項1記載の液体の加温用容器。
- 液体の加温用容器の流路を区画する外枠部と仕切り部に対応するパターンが形成された一対の金型内に2枚のフィルムを重ねて収納し、貫通路を有する継手部を形成するためのコア部材を前記2枚のフィルムの間に配置し、前記金型を型締めして前記金型内に樹脂材料を射出することにより、
重ねられた2枚のフィルムの外枠部と、該外枠部の内方で前記2枚のフィルムの間に流路を区画する仕切り部と、前記継手部とが、前記樹脂材料によって前記2枚のフィルムとともに一体に成形されてなる液体の加温用容器を製造する液体の加温用容器の製造方法。 - 前記樹脂材料が、重ねられた前記2枚のフィルムの片側から供給され、前記2枚のフィルムに溶け込んで一体に溶着することを特徴とする請求項4記載の液体の加温用容器の製造方法。
- 前記フィルムが、前記金型の型締め動作に連動して前記金型に対して間欠的に供給される帯状フィルムであり、
前記帯状フィルムの幅が、前記流路の幅よりも大きく、前記外枠部の幅よりも小さいことを特徴とする請求項5記載の液体の加温用容器の製造方法。 - 前記金型内に空気の流入を許容するとともに、前記金型から空気を吸引することにより、前記2枚のフィルムを前記一対の金型の各々の内面に貼り付かせ、
前記樹脂材料を前記2枚のフィルムの間に供給することにより前記2枚のフィルムを前記樹脂材料で一体に溶着することを特徴とする請求項4記載の液体の加温用容器の製造方法。 - 前記フィルムが、前記金型の型締め動作に連動して前記金型に対して間欠的に供給される帯状フィルムであり、
前記金型には、前記帯状フィルムを供給する方向と平行な前記帯状フィルムの側縁と対応する位置に、前記樹脂材料を前記金型内に射出するためのゲートが形成され、
成形時には、前記金型内に空気の流入を許容するとともに、前記ゲートにおいて空気を金型外に吸引することにより、前記2枚のフィルムを前記一対の金型の各々の前記ゲートの内面に貼り付かせ、
前記樹脂材料を前記ゲートから前記2枚のフィルムの間に供給することにより前記2枚のフィルムを前記樹脂材料で一体に溶着することを特徴とする請求項7記載の液体の加温用容器の製造方法。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009153703A (ja) * | 2007-12-26 | 2009-07-16 | Japan Pionics Co Ltd | 発熱袋 |
JP2011137693A (ja) * | 2009-12-28 | 2011-07-14 | Tosoh Corp | 液体容器およびそれを用いた自動分注装置 |
JP2013056481A (ja) * | 2011-09-08 | 2013-03-28 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 樹脂成形体、曲管射出成形用型及び曲管射出成形方法 |
US9833580B2 (en) | 2013-05-03 | 2017-12-05 | Yong Il Cho | Medical heating device having means for blocking flow of fluid |
-
2003
- 2003-05-15 JP JP2003137478A patent/JP2004337353A/ja active Pending
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