JP2004337310A - 脱臭剤用活性炭の製造方法および脱臭剤用活性炭 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の脱臭剤用活性炭の製造方法は、活性炭を酸化剤で処理する酸化工程と、酸化剤で処理された活性炭に臭素化合物を添着させる添着工程と、を有することを特徴とする。また、本発明の脱臭剤用活性炭は、この製造方法を用いて製造された脱臭剤用活性炭である。本発明の脱臭剤用活性炭の製造方法により製造された脱臭剤用活性炭は、硫黄を含む臭気物質に対する高い吸着性能を長時間にわたって発揮できる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱臭剤用活性炭の製造方法および脱臭剤用活性炭に関し、詳しくは、硫黄を含む臭気物質の浄化を行うことができる臭素化合物が添着された脱臭剤用活性炭の製造方法および脱臭剤用活性炭に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の環境問題への関心の高まりにともない、廃棄物の処理は、負荷を低減した後に環境へ排出することでなされている。このような処理を行う施設(装置)のひとつとして、下水処理場がある。
【0003】
下水処理場には、廃水の処理を行うだけでなく、廃水自身および廃水の処理時に生じる悪臭の浄化が求められている。そして、一般的には、悪臭の浄化は、多孔質体に臭気物質を吸着させることで行われている。
【0004】
そして、多孔質体には、活性炭に薬剤を添着した脱臭剤用活性炭が広く用いられている。薬剤が添着すると、臭気物質は添着した薬剤と化学的に反応して脱臭剤用活性炭に吸着されるようになる。すなわち、臭気物質の吸着性能は、薬剤の添着により大幅に向上する。そして、活性炭に吸着される薬剤を変更することで、脱臭剤用活性炭が吸着する臭気物質を選択することができる。
【0005】
たとえば、臭素化合物を添着することで、脱臭剤用活性炭は硫化メチルや二硫化メチルといった硫黄を含む臭気物質を吸着浄化する。
【0006】
活性炭への臭素化合物の添着は、臭素化合物の水溶液を調製し、活性炭にこの水溶液を浸漬させる方法や、臭素ガス(Br2)を活性炭に吸着させる方法により行われていた。(特許文献1参照。)
しかしながら、臭素化合物を添着した活性炭においては、添着した臭素化合物に対する吸着性能が十分に得られているとは言えなかった。さらに、臭素ガスを吸着させる方法においては、臭素ガスは、毒性が強いため取り扱いに多大なコストが要求されていた。
【0007】
【特許文献1】
特開平2001−129392号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、臭気物質の吸着性能にすぐれた臭素化合物を添着した脱臭剤用活性炭の製造方法および脱臭剤用活性炭を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明者は、活性炭の吸着性能の低下が臭素化合物が活性炭と反応を生じることにより生じることを発見し、活性炭を酸化剤で処理した後に臭素化合物を添着させる製造方法とすることで上記課題を解決できることを見出した。
【0010】
すなわち、本発明の脱臭剤用活性炭の製造方法は、活性炭を酸化剤で処理する酸化工程と、酸化剤で処理された活性炭に臭素化合物を添着させる添着工程と、を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の脱臭剤用活性炭は、上述の製造方法を用いて製造された脱臭剤用活性炭であり、活性炭を酸化剤で処理する酸化工程と、酸化剤で処理された活性炭に臭素化合物を添着させる添着工程と、を施してなることを特徴とする。
【0012】
本発明の脱臭剤用活性炭の製造方法により製造された脱臭剤用活性炭は、硫黄を含む臭気物質に対する吸着性能が高くなっている。
【0013】
【発明の実施の形態】
(脱臭剤用活性炭の製造方法)
本発明の脱臭剤用活性炭の製造方法は、活性炭を酸化剤で処理する酸化工程と、酸化剤で処理された活性炭に臭素化合物を添着させる添着工程と、を有する。
【0014】
すなわち、本発明の脱臭剤用活性炭の製造方法は、臭素化合物を添着させる前に酸化剤で活性炭の処理を行っている。酸化剤で活性炭の処理を行うことで、活性炭が添着した臭素化合物と反応しなくなり、十分な吸着性能が得られなくなっていた。
【0015】
さらに詳しくは、活性炭に添着した臭素化合物は、Br中間体による酸化反応により硫黄を含む臭気物質を分解浄化している。この分解浄化を行うBr中間体は非常に不安定である。従来の活性炭の表面に臭素化合物が直接添着している活性炭においては、Br中間体が活性炭と反応(還元反応)を生じることで臭気物質を十分に分解できなくなっていた。
【0016】
本発明の製造方法は、臭素化合物を添着させる前に酸化剤で処理をしていることから、活性炭の還元性が低下した状態で臭素化合物を添着させている。すなわち、本発明により製造された脱臭剤用活性炭は、活性炭の還元性が低下することにより、Br中間体が活性炭により分解されなくなっている。この結果、本発明により製造された脱臭剤用活性炭は、高い浄化性能を発揮する。さらに、本発明により製造された脱臭剤用活性炭は、添着した臭素化合物の分解が抑えられていることから、長期間にわたって高い浄化性能を発揮できる。
【0017】
酸化工程は、活性炭の還元性を酸化剤により低下させる工程であり、活性炭の還元性を低下できる処理であれば、その処理方法は、特に限定されない。また、酸化剤も溶くに限定されるものではなく、硝酸、硫酸、塩酸等の酸を用いることができる。
【0018】
酸化工程は、活性炭を酸溶液で洗浄する工程であることが好ましい。なお、酸溶液とは、酸水溶液等の酸の溶解した溶解液を含む溶液を示す。また、洗浄とは、活性炭の表面に酸溶液を接触させる処理を示す。活性炭を酸溶液で洗浄することで活性炭の還元性を低下させることができる。そして、酸化剤が溶液であることから、活性炭の表面の全面に酸化剤が接触できる。すなわち、活性炭の還元性をムラなく低下させることができる。さらに、酸溶液は、取り扱いが容易であるため、処理コストの上昇を抑えることができる。
【0019】
酸化工程は、酸溶液との処理後に活性炭を乾燥させる乾燥工程を有することが好ましい。乾燥工程において乾燥させることで、その後の添着工程における臭素化合物の添着をムラを生じさせることなく行うことが可能となる。
【0020】
酸溶液は、硝酸水溶液であることが好ましい。酸溶液として硝酸水溶液を用いることで、活性炭の還元性を低下させることができる。硝酸水溶液の濃度は、特に限定されるものではないが、濃度が過剰に高くなると溶液の取り扱いが困難になる。硝酸水溶液の濃度は、0.3Nであることが好ましい。
【0021】
添着工程は、活性炭に臭素化合物を添着させる工程であり、活性炭に臭素化合物を添着させることができる処理であれば、その処理方法は、特に限定されない。すなわち、従来公知の手段により添着を行うことができる。臭素化合物の水溶液を調製し、この水溶液中に活性炭を浸漬する工程であることが好ましい。
【0022】
臭素化合物は、活性炭100重量部に対して臭素換算で1〜30重量部で添着されることが好ましい。1重量部未満では添着の効果が得られず、30重量部を超えると臭素化合物が活性炭に添着しにくくなる。
【0023】
また、臭素化合物も従来公知の化合物を用いることができる。たとえば、臭化水素、臭化カリウムをあげることができる。
【0024】
本発明の製造方法において、活性炭は、通常の脱臭剤用活性炭の製造に用いられる活性炭を用いることができる。活性炭は、BET比表面積が50〜2000m2/gであることが好ましい。また、活性炭の原料は、限定されるものではなく、ヤシ、石炭など従来公知の材質からの活性炭を用いることができる。
【0025】
活性炭は、ヨウ素吸着量が小さいことが好ましい。活性炭のヨウ素吸着量は細孔径/比表面積によって異なるが、同じ活性炭であっても表面状態が変化すれば吸着量も変化する。本発明の製造方法においては、ヨウ素の吸着量を小さくすることで、所望の性能の活性炭を製造できる。好ましくは、ヨウ素吸着量は1030ml/g以下である。
【0026】
本発明の脱臭剤用活性炭の製造方法は、臭素化合物を添着させる前に酸化剤で処理をしていることから、活性炭の還元性が低下した状態で臭素化合物を添着させている。すなわち、本発明により製造された脱臭剤用活性炭は、活性炭の還元性が低下することにより、Br中間体が活性炭により分解されなくなっている。この結果、本発明により製造された脱臭剤用活性炭は、高い浄化性能を発揮する。
【0027】
(脱臭剤用活性炭)
本発明の脱臭剤用活性炭は、活性炭を酸化剤で処理する酸化工程と、酸化剤で処理された活性炭に臭素化合物を添着させる添着工程と、を施してなる。すなわち、本発明の脱臭剤用活性炭は、上述の製造方法により製造された脱臭剤用活性炭である。
【0028】
本発明の脱臭剤用活性炭は、臭素化合物を添着させる前に酸化剤で処理をしていることから、活性炭の還元性が低下した状態で臭素化合物を添着している。すなわち、本発明の脱臭剤用活性炭は、活性炭の還元性が低下することにより、Br中間体が活性炭により分解されなくなっている。この結果、本発明の脱臭剤用活性炭は、長期間にわたって高い浄化性能を発揮する。
【0029】
酸化工程は、活性炭の還元性を酸化剤により低下させる工程であり、活性炭の還元性を低下できる処理であれば、その処理方法は、特に限定されない。また、酸化剤も溶くに限定されるものではなく、硝酸、硫酸、塩酸等の酸を用いることができる。
【0030】
酸化工程は、活性炭を酸溶液で洗浄する工程であることが好ましい。なお、酸溶液とは、酸水溶液等の酸の溶解した溶解液を含む溶液を示す。また、洗浄とは、活性炭の表面に酸溶液を接触させる処理を示す。活性炭を酸溶液で洗浄することで活性炭の還元性を低下させることができる。そして、酸化剤が溶液であることから、活性炭の表面の全面に酸化剤が接触できる。すなわち、活性炭の還元性をムラなく低下させることができる。さらに、酸溶液は、取り扱いが容易であるため、処理コストの上昇を抑えることができる。
【0031】
酸化工程は、酸溶液との処理後に活性炭を乾燥させる乾燥工程を有することが好ましい。乾燥工程において乾燥させることで、その後の添着工程における臭素化合物の添着をムラを生じさせることなく行うことが可能となる。
【0032】
酸溶液は、硝酸水溶液であることが好ましい。酸溶液として硝酸水溶液を用いることで、活性炭の還元性を低下させることができる。硝酸水溶液の濃度は、特に限定されるものではないが、濃度が過剰に高くなると溶液の取り扱いが困難になる。硝酸水溶液の濃度は、0.3Nであることが好ましい。
【0033】
添着工程は、活性炭に臭素化合物を添着させる工程であり、活性炭に臭素化合物を添着させることができる処理であれば、その処理方法は、特に限定されない。すなわち、従来公知の手段により添着を行うことができる。臭素化合物の水溶液を調製し、この水溶液中に活性炭を浸漬する工程であることが好ましい。また、臭素化合物も従来公知の化合物を用いることができる。たとえば、臭化水素、臭化カリウムをあげることができる。
【0034】
活性炭は、通常の脱臭剤用活性炭の製造に用いられる活性炭を用いることができる。活性炭は、BET比表面積が50〜2000m2/gであることが好ましい。また、活性炭の原料は、限定されるものではなく、ヤシ、石炭など従来公知の材質からの活性炭を用いることができる。
【0035】
活性炭は、ヨウ素吸着量が小さいことが好ましい。好ましくは、ヨウ素吸着量は1030ml/g以下である。
【0036】
本発明の吸着剤用活性炭は、pHが低いほど好ましい。pHが低いほど活性炭上で、添着した臭素化合物のBr中間体が発生しやすいためである。吸着剤用活性炭のpHは2.5以下であることが好ましく、pHが2.3以下であることがより好ましい。
【0037】
なお、吸着剤用活性炭のpHは、活性炭を試料を3±0.1gで秤量し、100mlビーカーに投入し、さらに、純水100mlを加え、電熱器上で加熱した。このビーカーを攪拌することなしに5分間沸騰させた後に冷却した。室温にまで冷却したら、純水を加えて100mlとし、よく攪拌した後に水溶液のpHを測定し、この値を活性炭のpHとした。
【0038】
本発明の脱臭剤用活性炭は、臭素化合物を添着させる前に酸化剤で処理をしていることから、活性炭の還元性が低下した状態で臭素化合物を添着している。すなわち、本発明の脱臭剤用活性炭は、活性炭の還元性が低下することにより、Br中間体が活性炭により分解されなくなっている。この結果、本発明の脱臭剤用活性炭は、高い浄化性能を発揮する。
【0039】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0040】
本発明の実施例として、脱臭剤用活性炭を製造した。なお、以下の実施例において脱臭剤用活性炭となる活性炭は、φ4mm、BET比表面積が1100m2/g、ヨウ素吸着量が1050ml/gの石炭系のペレット状の活性炭が用いられた。
【0041】
(実施例1)
まず、0.3Nの硝酸水溶液を調製した。
【0042】
つづいて、硝酸水溶液1200ml中に800gの活性炭を浸漬した。硝酸水溶液中への活性炭の浸漬は、活性炭を水溶液に投入した後に完全に浸漬するまで十分に攪拌を行った後に、1時間保持した。
【0043】
保持後、濾過を行い活性炭を取りだした。取り出された活性炭は、排水のpHが6.0以上となるまで水洗した。その後、乾燥炉をにより、水分が5%以下になるまで80℃で乾燥させた。
【0044】
ここで、乾燥後の活性炭の水分量、充填密度、ベンゼン吸着量、ヨウ素吸着量およびpHを測定した。測定結果を表1に示した。
【0045】
水分量の測定は、試料約10gを重量既知の平形秤量瓶に量り取り、秤量瓶中で試料が均等な厚さとなるように拡げた後に栓をし、10mg単位まで正確に重量を秤量した。つづいて、栓を取り、秤量瓶および栓を乾燥機中に投入し、115±5℃で3時間乾燥させた。乾燥後、デシケーター内で冷却し、栓をした後に重量を測定した。乾燥の前後における重量の変化量を水分量とした。
【0046】
充填密度の測定は、試料を充填密度測定装置に入れ、100〜133秒かけて100mlの試料をメスシリンダーに量りとった。試料の入ったメスシリンダーおよび試料の入っていないメスシリンダーの重量を0.1g単位まで測定した。両重量から試料の重量を測定し、充填密度を算出した。
【0047】
ベンゼン吸着量の測定は、あらかじめ1mg単位まで重量を測定した吸着試験用U字管に、試料約10gを投入し、全体の重量を測定する。25℃±0.5℃に調整したベンゼン吸着試験装置にU字管をセットし、乾燥したベンゼンの飽和蒸気もしくは1/10に希釈したベンゼンガスを通気させ、容器の重量変化が5mg以内になるまで継続する。このときの重量増加から吸着量を算出する。
【0048】
ヨウ素吸着量の測定は、粉砕した試料0.5gを量り取り、100mlの褐色共栓付き三角フラスコに投入し、さらに、0.05ml/lのヨウ素溶液50mlを投入した。振とう機を用いて室温で15分間振とうした後に、50mlの沈殿管に移し入れ、遠心分離器で沈殿させる。分離後の上澄み液10mlを分取し、0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し、溶液の(ヨウ素の)黄色が薄くなったら、指示薬である1wt%でんぷん溶液を1ml加え、青色が消えるまで滴定を続け、滴定量から吸着量を算出した。
【0049】
pHの測定は、試料を3±0.1gで秤量し、100mlビーカーに投入し、さらに、純水100mlを加え、電熱器上で加熱した。このビーカーを攪拌することなしに5分間沸騰させた後に冷却した。室温にまで冷却したら、純水を加えて100mlとし、よく攪拌した後に水溶液のpHを測定し、この値を活性炭のpHとした。
【0050】
【表1】
【0051】
活性炭100重量部に対して、Br換算で30重量部の臭化水素(HBr)を含有する臭素水溶液を調製した。
【0052】
そして、この臭素水溶液に活性炭を浸漬して、吸水担持させ、乾燥させた。
【0053】
以上により、実施例1の脱臭剤用活性炭が製造された。
【0054】
製造された脱臭剤用活性炭の水分量、充填密度、ベンゼン吸着量、ヨウ素吸着量およびpHを測定し、測定結果を表2に示した。
【0055】
【表2】
【0056】
(実施例2)
硝酸のかわりに硫酸を用いた以外は実施例1と同様に脱臭剤用活性炭の製造を行った。
【0057】
なお、酸洗浄後の活性炭及び製造された脱臭剤用活性炭の水分量、充填密度、ベンゼン吸着量、ヨウ素吸着量およびpHを測定し、測定結果を表1および2にあわせて示した。
【0058】
(実施例3)
硝酸のかわりに塩酸を用いた以外は実施例1と同様に脱臭剤用活性炭の製造を行った。
【0059】
なお、酸洗浄後の活性炭及び製造された脱臭剤用活性炭の水分量、充填密度、ベンゼン吸着量、ヨウ素吸着量およびpHを測定し、測定結果を表1および2にあわせて示した。
【0060】
(実施例4)
硝酸水溶液の硝酸濃度を変化させた以外は、実施例1と同様に脱臭剤用活性炭の製造を行った。
【0061】
なお、本実施例において製造された脱臭剤用活性炭は、ヨウ素吸着量が990mg/gであった。
【0062】
(実施例5)
硝酸水溶液の硝酸濃度を変化させた以外は、実施例1と同様に脱臭剤用活性炭の製造を行った。
【0063】
なお、本実施例において製造された脱臭剤用活性炭は、ヨウ素吸着量が1020mg/gであった。
【0064】
(実施例6)
硝酸水溶液の硝酸濃度を変化させた以外は、実施例1と同様に脱臭剤用活性炭の製造を行った。
【0065】
なお、本実施例において製造された脱臭剤用活性炭は、ヨウ素吸着量が1040mg/gであった。
【0066】
(比較例1)
酸洗浄を行わない以外は、実施例1と同様に脱臭剤用活性炭の製造を行った。
【0067】
HBr添着前の活性炭および製造された脱臭剤用活性炭の水分量、充填密度、ベンゼン吸着量、ヨウ素吸着量およびpHを測定し、測定結果を表1および2にあわせて示した。
【0068】
(比較例2)
酸洗浄に変えて窒素処理を施した以外は、実施例1と同様に脱臭剤用活性炭の製造を行った。
【0069】
本比較例において活性炭に施された窒素処理を以下に示す。
【0070】
加熱雰囲気を調節可能な雰囲気炉内に活性炭を投入し、炉内に5L/minの流量でN2ガスを導入し続けた。この状態で、5℃/minの昇温速度で800℃まで昇温し、800℃で1時間保持した。保持後、N2ガス雰囲気下で放冷した。
【0071】
HBr添着前の活性炭および製造された脱臭剤用活性炭の水分量、充填密度、ベンゼン吸着量、ヨウ素吸着量およびpHを測定し、測定結果を表1および2にあわせて示した。
【0072】
(評価)
実施例及び比較例の脱臭剤用活性炭の評価として、硫化メチルの浄化を行い浄化率を測定した。
【0073】
硫化メチルの浄化は、脱臭剤用活性炭を内部に保持したカラム内に硫化メチルを含有した試験ガスを流通させ、カラムを通過した試験ガス中の硫化メチル濃度を測定して浄化率を得た。
【0074】
具体的には、まず、実施例あるいは比較例の脱臭剤用活性炭を円筒形のカラム内に6ml充填させた。このカラム内で脱臭剤用活性炭は、φ30mm、軸方向の長さ85mmの空間を占めている。
【0075】
そして、硫化メチルを含有させた試験ガスを空間速度33333hr−1、線速度11.8cm/secの流速でカラム内に流した。試験ガスは、空気に硫化メチルを10ppmの割合となるように含有させたガスであり、カラム内へは、25℃、湿度60%の状態で供給された。
【0076】
カラムを通過した試験ガス中の硫化メチルの含有量を測定し、カラム通過前の含有量から脱臭剤用活性炭の硫化メチルの浄化率を求めた。浄化率の測定結果を図1および図2に示した。なお、硫化メチル量の測定は、ガスクロマトグラフ質量分析計(島津製作所製、GC−8AP)を用いて行われた。なお、分析条件は、カラム;β,β’−ODPN25%Chromosorb 60〜80メッシュ、φ3.0mm、長さ3000mm、温度;注入口/検出器:150℃、カラム:70℃で行われた。
【0077】
図1より、HBrの添着前に活性炭の酸洗浄を行った実施例1〜3の脱臭剤用活性炭は、比較例よりも高い浄化率を持っていることがわかる。また、各実施例の脱臭剤用活性炭は、時間が経過しても浄化率がほぼ維持されている。これに対して、比較例の脱臭剤用活性炭は、浄化時間がすすむにつれて浄化率が低下していき、120分後の浄化率は、浄化試験開始時より大幅に低下している。
【0078】
すなわち、各実施例の脱臭剤用活性炭は、硫化メチルに対する高い浄化率を長時間維持できている。
【0079】
また、図2より、実施例1および実施例4〜6の脱臭剤用活性炭は、いずれも比較例1よりも高い浄化率を持っていることがわかる。さらに、各実施例においては、ヨウ素吸着量が小さいほど浄化率が高くなっていることがわかる。
【0080】
【発明の効果】
本発明の脱臭剤用活性炭の製造方法は、臭素化合物を添着させる前に酸化剤で処理をしていることから、活性炭の還元性が低下した状態で臭素化合物を添着させている。すなわち、本発明により製造された脱臭剤用活性炭は、活性炭の還元性が低下することにより、Br中間体が活性炭により分解されなくなっている。この結果、本発明により製造された脱臭剤用活性炭は、浄化性能の低下が抑えられ、高い浄化性能を発揮する。さらに、本発明により製造された脱臭剤用活性炭は、臭気物質の除去を長時間行っても、十分に高い浄化性能が維持される効果を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜3および比較例の脱臭剤用活性炭の硫化メチルの浄化率を測定した結果を示した図である。
【図2】実施例1,4〜6の脱臭剤用活性炭の硫化メチルの浄化率を測定した結果を示した図である。
Claims (9)
- 活性炭を酸化剤で処理する酸化工程と、
該酸化剤で処理された該活性炭に臭素化合物を添着させる添着工程と、
を有することを特徴とする脱臭剤用活性炭の製造方法。 - 前記酸化工程は、前記活性炭を酸溶液で洗浄する工程である請求項1記載の脱臭剤用活性炭の製造方法。
- 前記酸化工程は、前記酸溶液との処理後に前記活性炭を乾燥させる乾燥工程を有する請求項2記載の脱臭剤用活性炭の製造方法。
- 前記酸溶液は、硝酸水溶液である請求項2記載の脱臭剤用活性炭の製造方法。
- 活性炭を酸化剤で処理する酸化工程と、
該酸化剤で処理された該活性炭に臭素化合物を添着させる添着工程と、
を施してなることを特徴とする脱臭剤用活性炭。 - 前記酸化工程は、前記活性炭を酸溶液で処理する工程である請求項5記載の脱臭剤用活性炭。
- 前記酸化工程は、前記酸溶液との処理後に前記活性炭を乾燥させる乾燥工程を有する請求項6記載の脱臭剤用活性炭。
- 前記酸溶液は、硝酸水溶液である請求項6記載の脱臭剤用活性炭。
- pHが2.5以下である請求項5記載の脱臭剤用活性炭。
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