JP2004337178A - 脂肪含有種実破砕物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 一般過程で汎用されているペーパーフィルターなどを用いた器具で調製可能なココア様抽出飲料に好適な食材を提供する。
【解決手段】 粒径100μm以下の破砕片の含有量が5質量%以下である脂肪含有種実破砕物。
【選択図】なし

Description

本発明は、嗜好品抽出飲料を調製するための脂肪含有種実破砕物、及び該破砕物を用いて製造される嗜好品抽出飲料に関する。より詳しくは、一般家庭で汎用されているペーパーフィルターや、お茶バッグなどを利用して簡便に抽出飲料を調製することの出来る脂肪含有種実破砕物及び該飲料に関する。
近年、家庭で愛飲される嗜好性飲料としてレギュラーコーヒーの普及が目覚しい。レギュラーコーヒーは、コーヒー豆を細かく挽いたものに湯などを注いで得られる抽出液を、フィルターなどを用いて回収して調製されるものである。また、この様な調製方法で得られる嗜好性飲料としては、紅茶や緑茶などの茶葉飲料、麦茶などの穀茶など種々多様である。
これらに対して、カカオ豆、アーモンドなどの種実からは、上記の抽出ろ過方法では適当な飲料を得ることは困難である。これらの種実は、種実重量の40%以上もの脂肪を含んでいるため、コーヒー豆の様に抽出の際に種実を細かくしようとするとペースト状になってしまい、湯などによる抽出を妨げるからである。そのため、これらの種実を原料とする飲料としては、種実の粉砕物を湯などに懸濁させた懸濁液タイプ飲料が好まれている。その代表例が、カカオ豆を粉末にしたココアパウダーを湯や牛乳に懸濁させて飲む、通常のココアである。
この懸濁液タイプ飲料には、その調製の際、湯などに粉末を加えてこれを激しく攪拌する必要がある上に、時間の経過と共に粉末が沈殿し易いという傾向が認められる。そのため、良好な飲料とするために粉末の分散性を向上させる工夫が試みられている。
一方、レギュラーコーヒーの普及に伴い、その調製用として使い捨てのペーパーフィルターを用いたコーヒーメーカーやコーヒードリッパーも一般家庭に広く普及している。また、好みの茶葉をバッグに詰めて手軽に茶を楽しむことも広まってきている。そのため、コーヒーや茶と同様に、簡便にココア様の抽出飲料を調製できれば大変好都合である。
しかし、ココア用に調製される通常のカカオ豆の粉末は、懸濁液を調製するという必要から大変細かい粉末であるので、フィルターやバッグを用いて抽出処理を行っても直ちに目詰まりを起こし、抽出飲料を調製することは出来ない。従って、一般家庭に普及している汎用のペーパーフィルターや抽出用バッグなどを用いても目詰まりすることなく、簡便にココア様の抽出飲料を調製することの出来る、新しい飲料用食材、並びに該飲料の開発が望まれていた。
本発明者らは、ココアパウダーの調製工程の一つである種実の磨砕工程を経ずに搾油を行って得られる塊状物から破砕物を調製し、さらにその破砕物に含まれる粒径100μm以下の破砕片の含有量を一定の値以下とすることで、ペーパーフィルターなどを用いた際に迅速に抽出することのできる脂肪含有種実破砕物が調製できることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、粒径100μm以下の破砕片の含有量が5質量%以下である脂肪含有種実破砕物、並びに当該破砕物を用いた嗜好品抽出飲料の製造方法を提供する。
本発明者らは、種実あるいは粗砕した種実から磨砕工程を経ずに搾油を行って得られる塊状物を破砕して、適当な溶媒を用いてペーパーフィルター上で迅速に抽出することのできる脂肪含有種実破砕物を開発した。
破砕物に存する粒径の小さい破砕片の含有量は、当該破砕物を用いた飲料の抽出時間と効率に対して重要な意義を有する。例えば、粒径の小さい破砕片が多く存在すれば、溶媒との接触面積が増加して抽出効率が良くなる反面、抽出時にペーパーフィルターが目詰まりを起こし、抽出液を回収することができないか、あるいは抽出完了までに長時間を要する。したがって、粒径の小さい破砕片を少なくすることで抽出時間を大幅に短縮することが可能となる。本発明は、破砕物中の粒径の小さい破砕片、特に粒径が100μm以下の破砕片の含有量を一定の値以下とすることで、抽出時間と効率を制御した破砕物である。
カカオ豆を例にすれば、通常ココアパウダーを製造する際には、カカオ豆から種皮と胚芽を除去したカカオニブスをボールミルなどを用いて磨砕してから、これをプレス機例えばバッチ式油圧プレス機などを用いて圧搾する。本発明では、この磨砕を行わず、カカオ豆あるいはカカオニブスに圧搾処理を行って塊状物を調製する。この様に、本発明では、脂肪含有種実をそのままあるいは種皮や胚芽を除いたり幾つかの破片とする程度に粗砕した脂肪含有種実を用いることができる。
搾油は、脂肪含有量が塊状物重量当り30%以下であればよいが、10〜24質量%程度となるように調節することが好ましい。脂肪は多すぎると溶媒による抽出効率を損ね、また粒径100μm以下の破砕片が他の破砕片の表面に付着しやすくなり、その後の破砕物の製造効率に影響を与える。一方、脂肪が少なすぎても、塊状物を破砕して得られる破砕片の大きさに影響を与える可能性がある。
本発明での搾油方法は、脂肪含有種実を対象に行う公知の方法であれば特に制限はないが、溶媒を用いた抽出法は残留溶媒の除去が困難であり、塊状物に加える後の工程も考慮すれば、超臨界炭酸ガス抽出法又は圧搾法の利用が好ましく、そのうち圧搾法が特に好ましい。加える圧力としては使用機器のゲージ読みで約200〜800kg/cmであればよいが、この値は圧力を保持する時間との関連で当業者が任意に変化させることができる。搾油時は品温を80〜120℃とすることが好ましい。
この様にして得た塊状物から、これを例えばハンマーやミルなどを用いて破砕することで、概ね所望の大きさを有する破砕片を簡便に得ることが出来る。
この様にして得た破砕片に対して、10乃至35メッシュサイズの篩を、好ましくは1種類だけを用いて篩分けをし、各篩上に残存する破砕片を回収して、本発明の破砕物とすることができる。この篩分けによって、ペーパーフィルターなどを用いた抽出に支障のない破砕片、具体的には粒径100μm以下の破砕片の含有量を5質量%以下、好ましくは4質量%以下、特に好ましくは3.5質量%以下とすることができる。
また、破砕片、特に好ましくは篩上に残存する破砕片を、適当な媒体でフラッシングすることで、より効果的に本発明の破砕物を調製することができる。本発明に言うフラッシングとは、破砕片に適当な媒体を短時間接触させて、該破砕片の表面を清掃する操作を意味する。例えば、適量の水、湯、ゴムなどの固形樹脂又は圧搾空気などを用いて、破砕片の表面などに付着している粒径100μm以下の破砕片を除去することができる。また、静電気的に粒径100μm以下の破砕片を誘引除去する方法も有効である。
なお、本発明の破砕物においては、100μm以下の破砕片の含有量は実質的に0であっても良く、この場合には、ティーバッグやお茶バッグなどを用いた飲料の抽出時に沈殿物が殆ど発生しないという利点を有するものとなる。
この様に、本発明の破砕物は、10メッシュサイズ乃至35メッシュサイズの篩上に残存する破砕片からなるものであるが、10メッシュサイズ又は24メッシュサイズの篩上に残存する程度の大きさを有する破砕片を中心としたものがより好ましい。また、例えば48メッシュの篩上に残存する破砕片を用いても、この破砕片に対して先に示したフラッシングを行えば、本発明の破砕物を調製することができる。
一般に市販のコーヒーメーカーはドリップ部分に500mlの湯を注ぐのにおおむね約6分から7分を要する。上述の範囲の大きさを有する破砕片であれば、湯などを用いた抽出効率に優れると共に汎用のペーパーフィルターを用いても数分で抽出液は回収されるという利点を併有するのである。一方、抽出部にプールできる容量にもよるが、48メッシュの篩上に残存した細かな破砕片をそのまま用いると、通常のコーヒーメーカーでは、抽出液が下部の容器に回収される前にドリップ容器から溢れ出る結果となる。
本明細書に言う汎用のペーパーフィルターとは、一般に市販されているレギュラーコーヒー用のフィルターであればよい。その通気性を、通気度計を用いたJIS規格の通気測定値として表すならば、300ccの空気が通過する時間は概ね0.8秒〜1秒である。また、抽出用バッグも一般に市販されているものが使用でき、例えばカップタイプのダブルチャンバーパック、ティーポット用ティーバッグ、麦茶の冷水抽出にしばしば用いられるいわゆるお茶バッグなどが用いられる。なお、その材質は紙製、布製のいずれでもよい。
本発明の破砕物は、この様な種類の抽出用バッグに詰めた形態とすることができる。この場合、破砕物の充填量や注ぐべき溶媒の量、温度などは、消費者の嗜好に応じて容易に決定される。
本発明の破砕物の調製工程において、ココアパウダーの調製工程で行われるアルカリ処理や焙煎処理は本発明においても好ましい処理である。アルカリ処理並びに焙煎処理により、最終的に得られる飲料の色調と風味の嗜好性を更に向上させることが出来る。本発明ではこれらの工程を加えることにより、最終的に得られる飲料の風味を良好なものとすることができる。アルカリ処理や焙煎処理を行う時期としては、ココアパウダーの調製と同様に設定することが出来、その順序に特に制限はない。
本発明の飲料は、上述の脂肪含有種実破砕物に飲用可能な溶媒、好適には水、湯、牛乳、豆乳、あるいは酒類を加えて抽出液を調製することにより、製造することができる。この様な抽出液は、従来の懸濁液であるココアに特有のこってり感や粉っぽさがなく、さらにココアのような沈殿の発生がほとんどないか、あるいは僅かである。その為、ココアのように攪拌する必要がなく、さっぱりとしたココアの風味や香りを手軽に楽しむことができ、嗜好品抽出飲料として極めて有益である。
本発明の飲料を湯で調製するときは、コーヒーや紅茶、緑茶などの茶と同様にペーパーなどのフィルターや適当な抽出用バッグに本発明の脂肪含有種実破砕物を置き、これに湯を接触させればよい。脂肪含有種実破砕物と用いる湯の量比や抽出時間などは、嗜好にあわせて適宜調整することができる。また、湯の代わりに温めた牛乳や酒類などを用いてもよい。
また、冷水や牛乳を用いて、室温又はそれ以下の温度で数時間以上をかけて抽出液を調製することもできる。特に、本発明の脂肪含有種実破砕物は牛乳による抽出との相性がよく、従来のココアとは異なるチョコレートの香りを伴った乳飲料を楽しむことができる。
さらに、本発明の脂肪含有種実破砕物は、ココアに比べて脂肪含有量が少なく、また抽出して飲料を調製することから、飲料に含まれる脂肪分がココアに比べて少ないために、カロリーの低いココア風味の飲料を提供することができる。
この様に、本発明の破砕物を基に調製される飲料は、味、香り、風味、口当たりなど多くの面でこれまでにない新たなテクスチャーを有する、嗜好性の高い新規な飲料である。
本発明で使用される脂肪含有種実は、生の種実にその重量当り40%程度以上の脂肪が含まれているものを意味し、例えばカカオ豆、アーモンド、ピーナッツ、マカダミアナッツ、カシューナッツ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、くるみ、松の実などが挙げられる。中でも飲料を調製する上で愛用されている種実はカカオ豆及びアーモンドである。また、カカオ豆は、アルカリ処理の有無は本発明において問わない。
種実の粗砕は、予備ローストしたものを冷却し、例えばインパクトクラッシャーやロールミルを用いて行うことが出来るが、この工程は省略してもよい。また、搾油に使用し得る機器としては、例えばバッチ式の油圧プレス機、スクリュープレス型のエクストルーダーなどが挙げられる。
アルカリ処理におけるアルカリの種類、処理時の濃度、処理温度、処理時間などは、当業者がその経験に基づき、もしくは一般的に利用されている条件を採用するなど、任意に定める事が出来る。例えば、種実、塊状物あるいは破砕片に炭酸カリウムなどのアルカリ剤2〜4質量%を含む水溶液を加え、70〜100℃で数時間加温及び撹拌することで行い得る。
得られた脂肪含有種実破砕物は、これをそのまま使用してもよく、またティーバッグなどの適当な抽出用包装体に一定量を詰めて、紅茶ティーバッグと同様に用いてもよい。また、いわゆるドリップパック(例えば特開2000−34795号公報、特開平11−178720号公報、特開平10−314034号公報など)に充填して使用することもできる。
(1)破砕物の調製
粗砕して種皮と胚芽を除去したカカオニブス1Kgを、森永製菓株式会社製熱風ロースターを用いて熱風温度を135〜240℃に段階的に変化させて、総計100分間焙煎した。焙煎したニブスを磨砕することなくそのまま森永製菓株式会社製ココアプレス機にかけて、95℃、700Kg/cmのゲージ圧力下で搾油を行い、脂肪含有量が15質量%の塊状物を得た。この塊状物を、ミルを通じて破砕した。得られる破砕片を24メッシュの篩にかけ、同篩上に残存する破砕片を回収して破砕物を調製した。
(2)粒径100μm以下の破砕片の含有量の測定
(1)の破砕片2.5gを60℃の水125mlに懸濁して軽く数回撹拌(約30秒間)した後、48メッシュの篩を通過する微粉末を含む懸濁液を回収した。この懸濁液10mlを100、000×g、1時間、4℃の条件で遠心分離して沈殿を回収し、約10mlの純水を加えて懸濁後、再度同じ条件で遠心して、沈殿を洗浄した。洗浄後回収された沈殿を、予め重量を測定した乾燥重量測定用のアルミ缶に移し、70℃で一夜予備乾燥した。このアルミ缶をさらに135℃±2℃、2時間の条件で加熱し、放冷後の総重量を測定し、当該測定値からアルミ缶の重量を減じて、懸濁液中の微粉末の重量を算出した。
なお、この際、各ステップにおける実験誤差を補正するために、標準物質として(1)の方法で製造した破砕片を48メッシュの篩にかけ、この篩を通過した微粉末を用いて上記条件と同じ重量測定方法を行い、本発明の破砕片に含まれている微粉末の測定重量を補正した。この補正後の上記懸濁液125ml中の微粉末の総重量は、73.1±11.5mgであった。
さらに、上記懸濁液の60mlを株式会社セイシン企業製LMS−30型レーザー回析・散乱式粒度分布測定装置に供し、懸濁液中に含まれる微粉末の粒度分布測定を行った。なお、測定は3回行いその平均値を求めた。その結果、上記の懸濁液中の微粉末には、粒径100μm以下の破砕片が全体の99.3±0.5質量%含まれていた。この測定結果の一例を図1に示す。
以上から、実施例1の破砕物に含まれている粒径100μm以下の破砕片は72.6±11.4mgで、実施例1の破砕物全体に対して粒径100μm以下の破砕片が含まれている割合は2.90±0.46質量%であった。
実施例1と同じ方法で得た脂肪含有量が15質量%の塊状物を乳鉢で5分間破砕して破砕片を得た。この破砕片を10メッシュの篩にかけ、同篩上に残存する破砕片を回収して破砕物を調製した。実施例2の破砕物には、粒径100μm以下の破砕片が1.55±0.23質量%含まれていた。
実施例1と同じ方法で得た脂肪含有量が15質量%の塊状物を乳鉢で5分間破砕して破砕片を得た。この破砕片37gを95℃の湯250mlに懸濁し、軽く撹拌して48メッシュの篩を通し、さらに95℃の湯250mlを篩の上に残存している破砕片に注いで破砕片を洗浄した。洗浄された破砕片は、125℃のオーブン中に1時間放置して乾燥させた。オーブンから洗浄された破砕片を取り出し、室温で10分間冷却して湯洗浄破砕物を29g調製した。実施例3の湯洗浄破砕物には、粒径100μm以下の破砕片が0.27±0.06質量%含まれていた。
実施例1と同じ方法で得た脂肪含有量が15質量%の塊状物を乳鉢で5分間破砕して破砕片を得た。この破砕片30gを48メッシュの篩の上に移し、破砕片が吹き飛ばないように当該篩の上にPET製のカバーを設けた。当該カバーに設けた1ヶ所の穴からエアーガンで0.6MPa(6気圧程度)の圧縮空気を3分間吹き付けて破砕片を洗浄した。この際、圧縮空気で舞い上がる破砕片がPET製のカバーに接触して静電気が発生し、当該カバーの表面に粒径の小さい破砕片が付着していた。空気の吹き付けを止め、カバーを静かに除去して48メッシュの篩に残存する破砕片を回収し、空気洗浄破砕物を22.4g調製した。実施例4の空気洗浄破砕物には、粒径100μm以下の破砕片が1.92±0.31質量%含まれていた。
実施例1と同じ方法で得た破砕片(ミルで破砕しただけのもの)を10メッシュの篩にかけ、さらに24メッシュの篩にかけ、24メッシュの篩上に残存する破砕片を回収して破砕物を調製した。この破砕物28.4gを48メッシュの篩上に均等に広げ氷水に5秒間浸して撹拌した。氷水に浸す操作を合計3回繰り返して破砕物を洗浄した。洗浄した破砕物は、20℃で2日間乾燥させて冷水洗浄破砕物を26.1g調製した。実施例5の冷水洗浄破砕物には、粒径100μm以下の破砕片が2.29±0.34質量%含まれていた。
実施例1と同じ方法で得た脂肪含有量が15質量%の塊状物を乳鉢で5分間破砕して破砕片を得た。この破砕片を35メッシュの篩にかけ、同篩上に残存する破砕片を回収して破砕物を調製した。実施例6の破砕物には粒径100μm以下の破砕片が3.02±0.28質量%含まれていた。
リプトン社製ティーバッグを解体してバッグ内にある紅茶の葉を取り出し、代わりに実施例6で調製された破砕物2.2gをバッグ内に包含させた。破砕物を包含させたバッグを抽出用のティーカップに入れ、次いでカップに85℃の湯150mlを注ぎいれた。バッグを3回上下に振って、約2分間で抽出を終了させた。抽出液は、飲料として良好な風味を有していた。
複合繊維(ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリエステル)より成るスバル株式会社製お茶パック(9.5×7.0cm)に、実施例6で調製された破砕物12gを内包させた。破砕物を内包するパック1ヶを常温の水500mlに浸し、4℃で一夜抽出した。抽出液は、飲料として良好なコーヒー様又は麦茶様の風味を有していた。
実施例6で用いた破砕物12gを内包するパック2ヶを牛乳500mlに浸し、4℃で一夜抽出した。抽出液は、飲料として良好なチョコレート風味を有していた。適宜ガムシロップなどの甘味を添加することによってより飲みやすい飲料となった。
(比較例1)
実施例1と同じ方法で得た焙煎したカカオニブスを搾油することなくミルにかけ、破砕片を得た。破砕片は、冷却しながら10メッシュの篩にかけ、同篩上に残存する破砕片を回収して破砕物を調製した。比較品の破砕物には、粒径100μm以下の粒子が6.20±1.02質量%含まれていた。
(試験例1)
市販されている株式会社三洋産業製101号1〜2人用コーヒーフィルターペーパー(内表面積124.7cm)をコーヒードリップ容器に準備し、これに実施例1で調製された破砕物2.5gを加えた後、95℃の湯125mlを注いだ。フィルターに若干の目づまりを生じたが、2分39秒±14秒で抽出が完了した。抽出液は、室温にて冷却後、0.45μmのフィルター(倉敷紡績株式会社製GLクロマトディスク13A)でろ過した後、500nmで抽出効率を測定した。試験例1の抽出液の吸光度は、0.3426±0.037であった。
(試験例2)
実施例2の破砕物を用いて試験例1と同じ方法で抽出試験をした。その結果、抽出時間は、1分06秒±6秒で抽出が完了し、500nmの吸光度は、0.2049±0.013であった。
(試験例3)
実施例3の破砕物を用いて試験例1と同じ方法で抽出試験をした。その結果、抽出時間は、14.6秒±0.6秒で抽出が完了し、500nmの吸光度は、0.1403±0.030であった。
(試験例4)
実施例4の破砕物を用いて試験例1と同じ方法で抽出試験をした。その結果、抽出時間は、1分14秒±14秒で抽出が完了し、500nmの吸光度は、0.2340±0.029であった。
(試験例5)
実施例5の破砕物を用いて試験例1と同じ方法で抽出試験をした。その結果、抽出時間は、1分51秒±5秒で抽出が完了し、500nmの吸光度は、0.4152±0.049であった。
(試験例6)
実施例6の破砕物を用いて試験例1と同じ方法で抽出試験をした。その結果、抽出時間は、14.7秒±2.1秒で抽出が完了した。500nmの吸光度は0.4325±0.013であった。
(試験例7)
実施例2の破砕物2.5gをカップに量り取り、95℃の湯125mlを注ぎいれ、3分間抽出した。3分経過後、試験例1で用いたコーヒーフィルターペーパーを通して抽出液を得た。この抽出液の500nmの吸光度は、0.2964±0.011であった。
(試験例8)
実施例4の破砕物2.5gから、試験例7と同じ方法を用いて抽出液を得た。この抽出液の吸光度は、0.3700±0.054であった。
本発明品、特に実施例2又は実施例4の破砕物は、ペーパーフィルターを用いた濾過抽出よりも、溶媒に浸漬した抽出法のほうがより濃い飲料を提供することができるので、ドリップパックを含む抽出パック用として良好に用いることができる。
(比較試験1)
比較例1の破砕物を用いて試験例1と同じ方法で抽出試験をした。その結果、抽出時間は、3分49秒±9秒で抽出が完了し、500nmの吸光度は、0.2562±0.025であった。
(比較試験2)
カリタ社製103号ペーパーフィルターを用いたドリップ容器を準備し、これに実施例6で調製された破砕物5gを加えた後、95℃の湯250mlを注いだ。フィルターは目詰まりを起こすことなく抽出液が約7分で速やかに下部の容器に回収された。また、実施例2の破砕物5gを用いた場合では、抽出液は約3分40秒で回収された。これら本発明の破砕物から回収された抽出液には沈殿物は認められず、また飲料として良好な風味を有していた。
また、比較例1で調製した破砕物では、上記と同様の抽出条件による抽出が終了するまで30分以上かかり、ペーパーフィルターには微粉末と油脂が付着していた。
(比較試験3)
実施例2の破砕物、実施例6の破砕物及び比較例1の破砕物各4gから、それぞれ95℃の湯100ml及びペーパーフィルターを用いて調製した熱水抽出飲料、さらに実施例6の破砕物4gから冷水100mlを用いて調製される冷水抽出飲料について、その成分分析を行った。
油脂分の分析は、エーテルによる液液抽出法を用い、ポリフェノールの分析はフォリンチオカルト(Folin−Ciocalteu)法を用いた。さらに、テオブロミン、カフェイン及びその他のフラボノイド類を波長274nmにおける吸光度で、色素類は波長500nmにおける吸光度で、それぞれ測定した。結果を表1に示す。ここで油脂の痕跡とは、分析誤差を考慮して10mg/100ml以下の値を意味する。
Figure 2004337178
その結果、油脂分は本発明及び比較例1からの湯抽出液いずれからもほとんど検出されなかった。これは、溶媒に抽出された油脂類がペーパーフィルターに付着するためと推察される。これに対して、本発明の冷水抽出飲料では少量の油脂分が検出された。
また、比較例からの湯抽出液には、本発明の湯抽出液あるいは冷水抽出液に比べて、ポリフェノール、フラボノイド類、色素類いずれも少なかった。このことは、比較例における破砕物に対する溶媒抽出が、所要時間が長いにもかかわらず、その効率が極めて悪いことを意味する。
(比較試験例4)
実施例8及び実施例9で調製した冷水抽出物飲料について、従来のココアと比較するため9名のパネラーによる風味評価試験を行った結果を表2にまとめた。
Figure 2004337178
この様に、本発明の破砕物から得られる抽出飲料は、飲料として嗜好性の高い
飲料である。
(比較試験例5)
実施例6で製造した破砕物を5g計り取り、予めカリタ社製103号ペーパーフィルターを設置したコーヒーメーカーの所定の位置に入れた後、250mlの熱水を用いて熱水抽出物(実施品)を得た。また、比較例1で製造した破砕物を5g計り取り、同様にコーヒーメーカーで250mlの熱水を用いて熱水抽出物(比較品)を得た。10人のパネラーに、上記実施品と比較品とを対比させた。その結果、9名のパネラーが、実施品が比較品に比べて味が濃いと答えた(1名は差がないとした)。濃いと回答したパネラーは、実施品はココアの味、香りともに比較品よりも優れており、比較品に関しては、味がしない、水っぽい、酸味を感じるなどの評価を下した。
(発明の効果)
本発明の破砕物を用いれば、特別な器具を要することなく、特に汎用のコーヒーメーカー、ペーパーフィルターあるいは抽出用バッグなどを利用して、カカオ豆の破砕物からの抽出液を飲料として楽しむことができる。
図1は、実施例1の破砕物に含まれる微粉末の粒度分布を示す。

Claims (6)

  1. 粒径100μmの破砕片の含有量が5質量%以下である、脂肪含有量が30重量%以下のカカオ豆破砕物。
  2. カカオ豆あるいは粗砕したカカオ豆を磨砕工程を経ずに搾油した後の塊状物を破砕して得た破砕物を、固体、液体もしくは気体またはそれらの2種以上を用いてフラッシングして粒径100μmの破砕片の含有量を5質量%以下とすることを特徴とする、請求項1に記載のカカオ豆破砕物の製造方法。
  3. 請求項1に記載のカカオ豆破砕物と飲用溶媒を接触させて抽出液を調製することを特徴とする、嗜好品抽出飲料の製造方法。
  4. 飲用溶媒が、水、湯、牛乳、豆乳、酒類及びそれらの2種以上の混合物よりなる群から選ばれる、請求項3に記載の嗜好品抽出飲料の製造方法。
  5. 請求項1に記載の破砕物を内包する抽出用バッグ。
  6. 抽出用バッグがダブルチャンバーバッグまたはティーポット用バッグである、請求項5に記載の抽出用バッグ。
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