JP2004335984A - 放電灯始動装置と放電灯点灯装置及び照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】放電灯始動用の高圧パルスを発生させるためのパルストランスをシールドケース内に収容した放電灯始動装置において、組立作業性を悪化させずに小型化を維持しつつ、高電圧化に対応するためにパルス発生能力を向上させる。
【解決手段】少なくとも略柱状の第1のコア1と、第1のコア1を囲む複数のコア2,3と、第1のコア1に巻回されるコイル4,5と、該コア1,2,3を収納するシールドケース6とを備えた放電灯始動装置であって、複数のコア2,3の少なくとも一部はシールドケース6の内面に配置されており、第1のコア1と、第1のコア1の柱軸方向に配置され第1のコア1に面する第2のコア2との距離dを所定値以下とした。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも略柱状の第1のコア1と、第1のコア1を囲む複数のコア2,3と、第1のコア1に巻回されるコイル4,5と、該コア1,2,3を収納するシールドケース6とを備えた放電灯始動装置であって、複数のコア2,3の少なくとも一部はシールドケース6の内面に配置されており、第1のコア1と、第1のコア1の柱軸方向に配置され第1のコア1に面する第2のコア2との距離dを所定値以下とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電灯始動装置と放電灯点灯装置及び照明装置に関するものであり、自動車用ヘッドランプの主にHIDランプの始動・点灯に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平10−74643号公報
【0003】
近年、自動車用ヘッドランプの分野においては、高輝度、長寿命、省エネルギーの観点から、HIDランプは非常に商品価値が高く、新車搭載時の半分以上に普及する状況である。しかし、自動車用ヘッドランプは従来ハロゲンランプであり、点灯回路を持たなかったため、HIDランプ点灯回路による、重量増加及び占有容積の増加を回避するために、小型化が要求され、点灯回路をいかにコンパクトにするかという課題があった。この課題を解決するために、特許第3090448号に示されるように、放電灯始動装置(イグナイタ)とソケットを一体化し、小型化するという技術が提案されている。このイグナイタとソケットを一体化した商品(イグナイタソケット)は、コンパクトながら高電圧(25KV)を発生させるために、イグナイタソケット内に収容されているパルストランスには非常に工夫が凝らされており、パルストランスをいかにコンパクトにするかという提案として、コアに直接巻線を巻くという手段が用いられていた。
【0004】
また、昨今の環境対策の一環として、HIDランプにも水銀レスのランプが考案されており、この種のランプを始動させるために放電電圧を向上させる必要性があり、特願2002−373188に示すように、パルストランスに複数のコア(以下ヨークコアという)を追加し、パルス電圧を上げるような考案がある。この従来例を図12に示す。図中、1は第1のコア、23はヨークコアであり、両者で磁気回路を形成している。第1のコア1は高抵抗のフェライトコアによって柱状に形成されている。一方、ヨークコア23はL字状に屈曲したような形状のフェライトにより構成されており、ヨークコア23の一辺が第1のコア1の柱軸方向の一端面と対向し、他辺が第1のコア1の側周部と対向するように配置されている。
【0005】
第1のコア1には2次巻線5が直接巻回されており、そのうえに、1次巻線4が巻回されている。2次巻線5は、絶縁被膜で覆われた断面が平角状の導体線からなる平角導線であり、図12の例では、ボビン(絶縁体)を介することなく、第1のコア1の側周部のほぼ全周に亘って1層にエッジワイズ巻にして巻装されている。1次巻線4は、高耐圧被覆41を持つ断面円状の導体線40であり、2次巻線5上の低圧側に寄せて巻装され、2次巻線5との間の絶縁を確保するようになっている。HVは2次巻線5の高圧側の端子である。
【0006】
樹脂モールド部9は、第1のコア1と、その側周部に巻装される2次巻線5と、この2次巻線5の上に巻装される1次巻線4の各層とを固定するものであり、例えば不飽和ポリエステル樹脂などが使用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図12の従来例では、パルストランス7内にL字状のヨークコア23を貼り付けたものをイグナイタソケット内に配置しており、トランス製造時に、コアの保持および絶縁封止作業時の位置決め等に非常な労力がかかっていた。すなわち、図12の従来例を商品として具体化した場合、第1のコア1とヨークコア23を位置固定するために、例えば破線24で示すような範囲内にポッティング等の処理を施す必要があった。また、このポッティング時に位置ずれを回避するために、ずれ防止治具等で第1のコア1とヨークコア23をポッティング硬化の間中、固定しておく必要があった。
【0008】
本発明は上述のような点に鑑みてなされたものであり、放電灯始動用の高圧パルスを発生させるためのパルストランスをシールドケース内に収容した放電灯始動装置において、組立作業性を悪化させずに小型化を維持しつつ、高電圧化に対応するためにパルス発生能力を向上させることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記の課題を解決するために、図1に示すように、少なくとも略柱状の第1のコア1と、第1のコア1を囲む複数のコア2,3と、第1のコア1に巻回されるコイル4,5と、該コア1,2,3を収納するシールドケース6と、を備えた放電灯始動装置であって、複数のコア2,3の少なくとも一部はシールドケース6の内面に配置されており、第1のコア1と、第1のコア1の柱軸方向に配置され第1のコア1に面する第2のコア2と、の距離dを所定値以下としたことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の要部構成を示す断面図である。図中、6はシールドケース、7はパルストランス、2,3はヨークコア、8は電子部品である。パルストランス7の構成は、図12の従来例におけるヨークコア23を除いた構成と同じである。すなわち、第1のコア1の周囲に2次巻線5を巻回し、その外周に1次巻線4を巻回し、その周囲を樹脂モールド部9で充填したものである。一点鎖線で示した電子部品8は、図6の回路におけるパルストランス7を除いた他の電子部品(インダクタL1,L2、コンデンサC1,C2、放電ギャップGなど)を示す。
【0011】
ヨークコア2,3は、図12の従来例におけるL字型ヨークコア23を2分割したものであり、図2に示すように、シールドケース6の内壁面に接着剤10で貼り付けられている。このシールドケース6は、図4に示すように、イグナイタソケット11のランプ装着部12とは反対側に装着されたシールド部材である。上述のパルストランス7や電子部品8は、イグナイタソケット11のケースボディ13側に設けられており、ケースボディ13とシールドケース6を一体化すると、図1および図3のような位置関係でケースボディ13側のパルストランス7とシールドケース6側のヨークコア2,3とが相対的に位置決めされる。ケースボディ13とシールドケース6は精度良く組み付けられるので、結果的にパルストランス7とヨークコア2,3の位置関係も安定する。パルストランス7の第1のコア1とその柱軸方向に対向するヨークコア2との相対距離dは、最大2mmまでとする。
【0012】
図1に示すように、第1のコア1とヨークコア2,3により、パルストランス7の1次巻線4と2次巻線5を囲む磁気回路が形成され、これにより高電圧パルスを安定して発生させることができる。上述のように、第1のコア1とヨークコア2の隙間dは最大で2mm以下であるとき、最も磁路形成状態が良い。それ以上、離れた場合、ヨークコア2,3の有無によるパルス電圧への影響は無くなる。なお、この隙間dは完全な空間とすることは不必要であり、フェライト材料以外の樹脂等が充填されていても良い。
【0013】
このように、本実施の形態では、パルストランス7を収容したイグナイタソケット11のケースボディ13に、前加工にてヨークコア2,3を取り付けられたシールドケース6を組み付けることにより従来例と同等の磁気回路が構成されるので、組立作業性を悪化させずに小型化を維持しつつ、高電圧化に対応するためにパルス発生能力を向上させることができる。
【0014】
図5は上記イグナイタソケット11を用いた放電灯点灯装置の回路図である。車載用のバッテリー15より成るDC12Vの直流電源にはインバータ16が接続されている。インバータ16からイグナイタソケット11には中間ハーネス17を介して−400V、800V、0Vの電圧が供給されている。
【0015】
図6はイグナイタソケット11の内部構成を示す回路図である。L1とL2はインダクタである。C1とC2はコンデンサである。Gは放電ギャップである。イグナイタソケット11のランプ装着部12に放電灯DLが装着されていると、コンデンサC2が約1200Vに充電され、放電ギャップGを介してパルストランス7の1次巻線4にパルス状の電流が流れて、パルストランス7の2次巻線5に高電圧が発生し、コンデンサC1を介して放電灯DLに高電圧が印加されて、放電灯DLが絶縁破壊され、点灯する。なお、放電灯DLが点灯した後はインバータ16からイグナイタソケット11に数十Vの低周波交流電圧が供給されて、高電圧の発生は停止される。
【0016】
本実施の形態を自動車用ヘッドランプに展開した場合の構造を図7に例示する。図中、11はイグナイタソケット、16はインバータ、161はDC12V電源供給口、17は中間ハーネス、18は灯体ハウジング、19は反射板、20は灯体レンズ、21は光軸調整ねじ、22はランプ交換用キャップである。
【0017】
なお、パルストランス7は、コア1に図1、図3のように直接2次巻線5を巻回されても良いし、ボビンのようなものを用いて巻回されても良く、その上に、1次巻線4を巻回した上に、絶縁材料9にて封止することにより性能を確保する。樹脂封止前のパルストランス7の外観を図11に示す。図3及び図11に示すように、巻回されるコア1の断面形状は楕円にすることにより、真円に比べて、同じコア断面積を確保したときにイグナイタソケット11の厚さ方向で有利となる。つまり、図7に示すように、イグナイタソケット11の背面にランプ交換用のキャップ22が配置されており、このキャップ22の直近の位置までエンジンルーム部品があるため、厚さ方向を極力小さくすることにより灯体自体の小型化が可能になる。
【0018】
本実施の形態によれば、ヨークコアの取り付けによりパルス電圧の発生能力が向上する効果がある。また、第1のコアとヨークコアが所定の位置関係に保たれるため、発生するパルス電圧が安定する。さらに、パルストランスとしては、成形封止時に第1のコアのみを封止すれば良いため、余計な固定手段のための治具、部品等が削減され、大型化が防止される。これにより、組付け作業性が向上し、小型化を維持できる。
【0019】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2を図8に示す。本実施の形態では、シールドケース6の内壁面にヨークコア2,3を位置決めするための凹所62,63を設けたものであり、その他の構成は実施の形態1と同様である。ヨークコア2,3の固定手段としては、図2に示したように、単に接着剤10で固定するだけでも良いが、更に位置決めを確実なものにするために、図8に示すように、ヨークコア2,3の輪郭に沿った凹所62,63を設けることにより、ヨークコア2,3の位置ずれが防止され、且つ作業時の位置決めがしやすい利点がある。
【0020】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3を図9に示す。本実施の形態では、樹脂封止されたパルストランス7’を回路基板に固定し、図6に示されるLC回路や放電ギャップのような電子部品8’,8”を実装後、配線した後、樹脂封止されたパルストランス7’の周囲にヨークコア2’,3’を例えば接着剤等により貼り付けたものである。この場合、図4に示すケースボディ13の側にヨークコア2’,3’が貼り付けられるので、シールドケース6の前加工は不要となる。
【0021】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4を図10に示す。本実施の形態では、図4に示すケースボディ13とシールドケース6の間に配置される内カバー14にヨークコア3”を貼り付けたものである。上述の実施の形態1〜4は任意に組み合わせて実施しても良く、要するに、シールドケース6の内側にパルストランス7の第1のコア1と共に磁気回路を構成するように複数のヨークコアを配置すれば良い。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、少なくとも略柱状の第1のコアと、第1のコアを囲む複数のコアと、第1のコアに巻回されるコイルと、該コアを収納するシールドケースと、を備えた放電灯始動装置であって、複数のコアの少なくとも一部はシールドケースの内面に配置されており、第1のコアと、第1のコアの柱軸方向に配置され第1のコアに面する第2のコアと、の距離を所定値以下としたものであるから、パルス発生能力を向上させて高電圧化に対応することができ、組立作業性を悪化させずに小型化を維持できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のシールドケースの横断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1のシールドケースの斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1のシールドケースの縦断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1のイグナイタソケットの分解斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態1のイグナイタソケットの外部配線を示す回路図である。
【図6】本発明の実施の形態1のイグナイタソケットの内部構成を示す回路図である。
【図7】本発明の実施の形態1のイグナイタソケットを用いたヘッドランプの断面図である。
【図8】本発明の実施の形態2のシールドケースの内壁面の斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態3の要部構成を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態4の要部構成を示す斜視図である。
【図11】本発明に用いるパルストランスの斜視図である。
【図12】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 第1のコア
2 ヨークコア
3 ヨークコア
4 1次巻線
5 2次巻線
6 シールドケース
7 パルストランス
8 電子部品
9 樹脂モールド部
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電灯始動装置と放電灯点灯装置及び照明装置に関するものであり、自動車用ヘッドランプの主にHIDランプの始動・点灯に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平10−74643号公報
【0003】
近年、自動車用ヘッドランプの分野においては、高輝度、長寿命、省エネルギーの観点から、HIDランプは非常に商品価値が高く、新車搭載時の半分以上に普及する状況である。しかし、自動車用ヘッドランプは従来ハロゲンランプであり、点灯回路を持たなかったため、HIDランプ点灯回路による、重量増加及び占有容積の増加を回避するために、小型化が要求され、点灯回路をいかにコンパクトにするかという課題があった。この課題を解決するために、特許第3090448号に示されるように、放電灯始動装置(イグナイタ)とソケットを一体化し、小型化するという技術が提案されている。このイグナイタとソケットを一体化した商品(イグナイタソケット)は、コンパクトながら高電圧(25KV)を発生させるために、イグナイタソケット内に収容されているパルストランスには非常に工夫が凝らされており、パルストランスをいかにコンパクトにするかという提案として、コアに直接巻線を巻くという手段が用いられていた。
【0004】
また、昨今の環境対策の一環として、HIDランプにも水銀レスのランプが考案されており、この種のランプを始動させるために放電電圧を向上させる必要性があり、特願2002−373188に示すように、パルストランスに複数のコア(以下ヨークコアという)を追加し、パルス電圧を上げるような考案がある。この従来例を図12に示す。図中、1は第1のコア、23はヨークコアであり、両者で磁気回路を形成している。第1のコア1は高抵抗のフェライトコアによって柱状に形成されている。一方、ヨークコア23はL字状に屈曲したような形状のフェライトにより構成されており、ヨークコア23の一辺が第1のコア1の柱軸方向の一端面と対向し、他辺が第1のコア1の側周部と対向するように配置されている。
【0005】
第1のコア1には2次巻線5が直接巻回されており、そのうえに、1次巻線4が巻回されている。2次巻線5は、絶縁被膜で覆われた断面が平角状の導体線からなる平角導線であり、図12の例では、ボビン(絶縁体)を介することなく、第1のコア1の側周部のほぼ全周に亘って1層にエッジワイズ巻にして巻装されている。1次巻線4は、高耐圧被覆41を持つ断面円状の導体線40であり、2次巻線5上の低圧側に寄せて巻装され、2次巻線5との間の絶縁を確保するようになっている。HVは2次巻線5の高圧側の端子である。
【0006】
樹脂モールド部9は、第1のコア1と、その側周部に巻装される2次巻線5と、この2次巻線5の上に巻装される1次巻線4の各層とを固定するものであり、例えば不飽和ポリエステル樹脂などが使用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図12の従来例では、パルストランス7内にL字状のヨークコア23を貼り付けたものをイグナイタソケット内に配置しており、トランス製造時に、コアの保持および絶縁封止作業時の位置決め等に非常な労力がかかっていた。すなわち、図12の従来例を商品として具体化した場合、第1のコア1とヨークコア23を位置固定するために、例えば破線24で示すような範囲内にポッティング等の処理を施す必要があった。また、このポッティング時に位置ずれを回避するために、ずれ防止治具等で第1のコア1とヨークコア23をポッティング硬化の間中、固定しておく必要があった。
【0008】
本発明は上述のような点に鑑みてなされたものであり、放電灯始動用の高圧パルスを発生させるためのパルストランスをシールドケース内に収容した放電灯始動装置において、組立作業性を悪化させずに小型化を維持しつつ、高電圧化に対応するためにパルス発生能力を向上させることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記の課題を解決するために、図1に示すように、少なくとも略柱状の第1のコア1と、第1のコア1を囲む複数のコア2,3と、第1のコア1に巻回されるコイル4,5と、該コア1,2,3を収納するシールドケース6と、を備えた放電灯始動装置であって、複数のコア2,3の少なくとも一部はシールドケース6の内面に配置されており、第1のコア1と、第1のコア1の柱軸方向に配置され第1のコア1に面する第2のコア2と、の距離dを所定値以下としたことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の要部構成を示す断面図である。図中、6はシールドケース、7はパルストランス、2,3はヨークコア、8は電子部品である。パルストランス7の構成は、図12の従来例におけるヨークコア23を除いた構成と同じである。すなわち、第1のコア1の周囲に2次巻線5を巻回し、その外周に1次巻線4を巻回し、その周囲を樹脂モールド部9で充填したものである。一点鎖線で示した電子部品8は、図6の回路におけるパルストランス7を除いた他の電子部品(インダクタL1,L2、コンデンサC1,C2、放電ギャップGなど)を示す。
【0011】
ヨークコア2,3は、図12の従来例におけるL字型ヨークコア23を2分割したものであり、図2に示すように、シールドケース6の内壁面に接着剤10で貼り付けられている。このシールドケース6は、図4に示すように、イグナイタソケット11のランプ装着部12とは反対側に装着されたシールド部材である。上述のパルストランス7や電子部品8は、イグナイタソケット11のケースボディ13側に設けられており、ケースボディ13とシールドケース6を一体化すると、図1および図3のような位置関係でケースボディ13側のパルストランス7とシールドケース6側のヨークコア2,3とが相対的に位置決めされる。ケースボディ13とシールドケース6は精度良く組み付けられるので、結果的にパルストランス7とヨークコア2,3の位置関係も安定する。パルストランス7の第1のコア1とその柱軸方向に対向するヨークコア2との相対距離dは、最大2mmまでとする。
【0012】
図1に示すように、第1のコア1とヨークコア2,3により、パルストランス7の1次巻線4と2次巻線5を囲む磁気回路が形成され、これにより高電圧パルスを安定して発生させることができる。上述のように、第1のコア1とヨークコア2の隙間dは最大で2mm以下であるとき、最も磁路形成状態が良い。それ以上、離れた場合、ヨークコア2,3の有無によるパルス電圧への影響は無くなる。なお、この隙間dは完全な空間とすることは不必要であり、フェライト材料以外の樹脂等が充填されていても良い。
【0013】
このように、本実施の形態では、パルストランス7を収容したイグナイタソケット11のケースボディ13に、前加工にてヨークコア2,3を取り付けられたシールドケース6を組み付けることにより従来例と同等の磁気回路が構成されるので、組立作業性を悪化させずに小型化を維持しつつ、高電圧化に対応するためにパルス発生能力を向上させることができる。
【0014】
図5は上記イグナイタソケット11を用いた放電灯点灯装置の回路図である。車載用のバッテリー15より成るDC12Vの直流電源にはインバータ16が接続されている。インバータ16からイグナイタソケット11には中間ハーネス17を介して−400V、800V、0Vの電圧が供給されている。
【0015】
図6はイグナイタソケット11の内部構成を示す回路図である。L1とL2はインダクタである。C1とC2はコンデンサである。Gは放電ギャップである。イグナイタソケット11のランプ装着部12に放電灯DLが装着されていると、コンデンサC2が約1200Vに充電され、放電ギャップGを介してパルストランス7の1次巻線4にパルス状の電流が流れて、パルストランス7の2次巻線5に高電圧が発生し、コンデンサC1を介して放電灯DLに高電圧が印加されて、放電灯DLが絶縁破壊され、点灯する。なお、放電灯DLが点灯した後はインバータ16からイグナイタソケット11に数十Vの低周波交流電圧が供給されて、高電圧の発生は停止される。
【0016】
本実施の形態を自動車用ヘッドランプに展開した場合の構造を図7に例示する。図中、11はイグナイタソケット、16はインバータ、161はDC12V電源供給口、17は中間ハーネス、18は灯体ハウジング、19は反射板、20は灯体レンズ、21は光軸調整ねじ、22はランプ交換用キャップである。
【0017】
なお、パルストランス7は、コア1に図1、図3のように直接2次巻線5を巻回されても良いし、ボビンのようなものを用いて巻回されても良く、その上に、1次巻線4を巻回した上に、絶縁材料9にて封止することにより性能を確保する。樹脂封止前のパルストランス7の外観を図11に示す。図3及び図11に示すように、巻回されるコア1の断面形状は楕円にすることにより、真円に比べて、同じコア断面積を確保したときにイグナイタソケット11の厚さ方向で有利となる。つまり、図7に示すように、イグナイタソケット11の背面にランプ交換用のキャップ22が配置されており、このキャップ22の直近の位置までエンジンルーム部品があるため、厚さ方向を極力小さくすることにより灯体自体の小型化が可能になる。
【0018】
本実施の形態によれば、ヨークコアの取り付けによりパルス電圧の発生能力が向上する効果がある。また、第1のコアとヨークコアが所定の位置関係に保たれるため、発生するパルス電圧が安定する。さらに、パルストランスとしては、成形封止時に第1のコアのみを封止すれば良いため、余計な固定手段のための治具、部品等が削減され、大型化が防止される。これにより、組付け作業性が向上し、小型化を維持できる。
【0019】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2を図8に示す。本実施の形態では、シールドケース6の内壁面にヨークコア2,3を位置決めするための凹所62,63を設けたものであり、その他の構成は実施の形態1と同様である。ヨークコア2,3の固定手段としては、図2に示したように、単に接着剤10で固定するだけでも良いが、更に位置決めを確実なものにするために、図8に示すように、ヨークコア2,3の輪郭に沿った凹所62,63を設けることにより、ヨークコア2,3の位置ずれが防止され、且つ作業時の位置決めがしやすい利点がある。
【0020】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3を図9に示す。本実施の形態では、樹脂封止されたパルストランス7’を回路基板に固定し、図6に示されるLC回路や放電ギャップのような電子部品8’,8”を実装後、配線した後、樹脂封止されたパルストランス7’の周囲にヨークコア2’,3’を例えば接着剤等により貼り付けたものである。この場合、図4に示すケースボディ13の側にヨークコア2’,3’が貼り付けられるので、シールドケース6の前加工は不要となる。
【0021】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4を図10に示す。本実施の形態では、図4に示すケースボディ13とシールドケース6の間に配置される内カバー14にヨークコア3”を貼り付けたものである。上述の実施の形態1〜4は任意に組み合わせて実施しても良く、要するに、シールドケース6の内側にパルストランス7の第1のコア1と共に磁気回路を構成するように複数のヨークコアを配置すれば良い。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、少なくとも略柱状の第1のコアと、第1のコアを囲む複数のコアと、第1のコアに巻回されるコイルと、該コアを収納するシールドケースと、を備えた放電灯始動装置であって、複数のコアの少なくとも一部はシールドケースの内面に配置されており、第1のコアと、第1のコアの柱軸方向に配置され第1のコアに面する第2のコアと、の距離を所定値以下としたものであるから、パルス発生能力を向上させて高電圧化に対応することができ、組立作業性を悪化させずに小型化を維持できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のシールドケースの横断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1のシールドケースの斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1のシールドケースの縦断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1のイグナイタソケットの分解斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態1のイグナイタソケットの外部配線を示す回路図である。
【図6】本発明の実施の形態1のイグナイタソケットの内部構成を示す回路図である。
【図7】本発明の実施の形態1のイグナイタソケットを用いたヘッドランプの断面図である。
【図8】本発明の実施の形態2のシールドケースの内壁面の斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態3の要部構成を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態4の要部構成を示す斜視図である。
【図11】本発明に用いるパルストランスの斜視図である。
【図12】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 第1のコア
2 ヨークコア
3 ヨークコア
4 1次巻線
5 2次巻線
6 シールドケース
7 パルストランス
8 電子部品
9 樹脂モールド部
Claims (8)
- 少なくとも略柱状の第1のコアと、第1のコアを囲む複数のコアと、第1のコアに巻回されるコイルと、該コアを収納するシールドケースと、を備えた放電灯始動装置であって、複数のコアの少なくとも一部はシールドケースの内面に配置されており、第1のコアと、第1のコアの柱軸方向に配置され第1のコアに面する第2のコアと、の距離を所定値以下としたことを特徴とする放電灯始動装置。
- 第1のコアは、略楕円柱状であることを特徴とする請求項1記載の放電灯始動装置。
- 所定値は略2mmであることを特徴とする請求項1又は2記載の放電灯始動装置。
- シールドケースの内面に配置されるコアは、接着部材にてシールドケースの内面に固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の放電灯始動装置。
- コアの部材はフェライトであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯始動装置。
- 前記第1のコアに巻回されるコイルが第1のコアに直接巻回されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の放電灯始動装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の放電灯始動装置に接続され、放電灯に電力を供給することを特徴とする放電灯点灯装置。
- 請求項7に記載された放電灯点灯装置を備え、放電灯からの光を配光させることを特徴とする照明装置。
Priority Applications (1)
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JP2003133652A JP2004335984A (ja) | 2003-05-12 | 2003-05-12 | 放電灯始動装置と放電灯点灯装置及び照明装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003133652A JP2004335984A (ja) | 2003-05-12 | 2003-05-12 | 放電灯始動装置と放電灯点灯装置及び照明装置 |
Publications (1)
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JP2004335984A true JP2004335984A (ja) | 2004-11-25 |
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Family Applications (1)
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JP2003133652A Pending JP2004335984A (ja) | 2003-05-12 | 2003-05-12 | 放電灯始動装置と放電灯点灯装置及び照明装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004335984A (ja) |
-
2003
- 2003-05-12 JP JP2003133652A patent/JP2004335984A/ja active Pending
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