JP2004335593A - 放熱シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱伝導性充填材を配合したポリオレフィンエラストマー放熱シート(1)であって、放熱シートから発生する有機揮発ガス発生量が単位表面積あたり1000μg/cm2以下、腐食性揮発ガス発生量が単位表面積あたり10μg/cm2以下、前記シートの熱伝導率が0.5〜20W/m・Kの範囲であり、かつ柔軟性を有する。この熱伝導性充填材を配合したポリオレフィンエラストマー層(1)の片面表層にオルガノハイドロジェンポリシロキサンを架橋させた薄膜硬化層(2)を一体化して形成するのが好ましい。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発熱性部品の放熱冷却構造に使用される放熱シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、発熱体から熱を取り除くことがさまざまな分野で問題になっている、特に電子機器、パソコンなどの各種の電子デバイスにおいて、発熱性の電子部品やその他の部品(以下発熱性部品と呼ぶ)から熱を取り除くことが重要な問題となっている。これらの発熱性部品は部品の温度が上昇するにつれてその部品が誤動作をおこしたり、故障の要因にもなっている。従来、基板上に実装された発熱性部品などの放熱冷却構造の一部に使用される放熱シートは、下記特許文献1〜3に示す放熱シートや熱伝導性材料などが提案されている。
【0003】
電子機器の筐体構造上、放熱シートから揮発する有機揮発性ガスが電子部品の機能に与える影響を無視出来る発熱性部品の放熱冷却構造の電子機器内部の筐体構造にはシリコーンポリマーに熱伝導性充填材が配合された放熱シートが多く使われている。その代表例として下記特許文献1〜3などが挙げられるがこれら放熱シートは発熱性部品からの発熱により放熱シートに含まれる低分子シロキサンが揮発するという問題がある。オルガノポリシロキサンの低分子体が揮発し電気接点等に付着しシリカ(SiO2)あるいはカーボランダム(SiC)となり導通不良や接点の磨耗を引き起こすシリコーントラブルを誘発するので、電子機器の筐体構造上、密封構造をとらざるを得ない電子機器の放熱シートとして使用するのに適さない。これら密封構造をとらざるを得ない電子機器の放熱材料としては熱伝導性エポキシ系接着材などの有機揮発性ガスの発生が少ない放熱材料が従来使われている。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−166755号公報
【特許文献2】
特開平2−196453号公報
【特許文献3】
特開平6−155517号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、発熱性部品は近年ますます小型化し、処理速度も高速化しており発熱量が多くなり放熱シートは高熱伝導率化が進んでいる。特に電子機器の筐体構造上、密封構造をとらざるを得ない電子機器内部の発熱性部品の冷却対策は近年きわめて困難になってきている、これら発熱性部品の放熱材料としては熱伝導性エポキシ系接着材などが多く使われているが、これらの材料はペースト状で施工が非常に困難であり且つ硬化に時間が長く掛かり組み立て工程に多くの時間を取られるなどの問題がある。
【0006】
本発明は前記従来の問題を解決するため、電子機器の筐体構造上、密封構造をとらざるを得ない電子機器内部の発熱性部品用の放熱材料として使用でき、放熱シートから発生する有機揮発ガス及び腐食性揮発ガスの発生が少なく、且つ発熱性部品に加わる荷重を低減できる放熱シートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の放熱シートは、熱伝導性充填材を配合したポリオレフィンエラストマー放熱シートであって、前記放熱シートから発生する有機揮発ガス発生量が単位表面積あたり1000μg/cm2以下、腐食性揮発ガス発生量が単位表面積あたり10μg/cm2以下、前記シートの熱伝導率が0.5〜20W/m・Kの範囲であり、かつ柔軟性を有することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記のポリオレフィンエラストマーは有機揮発性ガス発生の原因となるポリオレフィンエラストマー製造時に用いる溶剤や目的のポリマーにする為のモノマーまたはオリゴマーその他の低分子添加剤などが極力残留していない放熱シートを得るものである。ポリオレフィンエラストマーには多くの種類が市販されており、それらから適宜選択して使用できる、好ましいのはイソブチレン誘導体ポリマーである、さらにイソブチレン誘導体ポリマーは架橋させる為、末端に官能基を導入したものを使用することが好ましい。官能基としてはビニル基,水酸基、アリル基(CH2CH=CH2−)などがあり架橋剤はそれら官能基と反応する官能基を有するものを使用する。とくにアリル基によって末端封鎖したものが好ましい。ポリオレフィンは無溶剤で液状であるものが好ましい。液状のポリオレフィンは石油系溶媒中で製造される場合が多いため必ず残留溶剤が存在する、さらに溶剤以外にも低分子の未反応物である残留原料も残留溶剤同様に有機揮発性ガスの発生源となる、よって蒸留あるいは減圧吸引で残留溶剤,残留原料を除去することが必要である。
【0009】
前記放熱シートの上下面の少なくても片面表層部に、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを架橋させた薄膜硬化層を結合一体化させたことが好ましい。前記のポリオレフィンエラストマーは柔軟で、それ自体の取り扱い性は必ずしも良好ではないが、少なくても片面表層部に薄膜硬化層を形成することにより、ハンドリング性が向上する。例えばつきたてのお餅はべたべたで取り扱いにくいが、少し時間が経過すると表面に薄い皮が張り、手でも持てる状態になるのと良く似ている。
【0010】
薄膜硬化層の厚みは0.002〜0.5mmの範囲であることが好ましく、放熱シートの厚みは0.1〜10mmであることが好ましい。未加硫コンパウンドが存在する放熱シートの場合にはシート厚みが薄いと薄膜硬化層を形成するために塗布したオルガノハイドロジェンポリシロキサンが未加硫にしようとするコンパウンドにまで浸透し架橋させてしまうため厚みは、0.25〜10mmであることが好ましい。
【0011】
薄膜硬化層はシリコーン原子に直接結合している水素原子が1分子中に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンが好適に使用される。また、ポリオレフィンとの相溶性を向上させるためオルガノハイドロジェンポリシロキサンを変性してもよい。さらにオルガノハイドロジェンポリシロキサン液にフィラーなども適宜添加してもよい。
【0012】
薄膜硬化層の形成方法は、樹脂フィルム上にあらかじめオルガノハイドロジェンポリシロキサンを薄く均一に塗布しておき、得られたオルガノハイドロジェンポリシロキサン層面を内側に配置してその少なくとも1枚の樹脂フィルムの間にコンパウンドを充填し、前記オルガノハイドロジェンポリシロキサン層をコンパウンドの表面に転写して分離することが不可能な状態で一体化成形するのが好ましい。成形方法としてはプレス成形,コーティング成形,カレンダー成形などがありコンパウンドの性状によりどの加工方法にするかは任意に選択できる。さらに成型は無溶剤で加工することが好ましい、溶剤がアウトガスの発生原因となるためである。また、塵埃付着防止のためクリーンルームで成形されるのが好ましい。
【0013】
樹脂フィルム上にオルガノハイドロジェンポリシロキサンを塗布するにはナイフコーター,バーコーター,グラビアコーター,多段ロールコーターなどの装置がありそれらのどれを方法を用いてもよい。
【0014】
コンパウンドはポリオレフィン100重量部に対して熱伝導性フィラー50〜3000重量部添加されることが好ましい。このコンパウンドを加硫状態する場合は架橋剤としてオルガノハイドロジェンポリシロキサンを添加し、未加硫状態にしたい場合はオルガノハイドロジェンポリシロキサンを添加しない。また、加硫の程度を調節したい場合はオルガノハイドロジェンポリシロキサンの添加量を調整すれば達成できる。また、ゲル化剤や増粘剤を添加してもよい。未加硫コンパウンドの粘度は30万Cp〜2百万Cpの範囲であることが好ましい。
【0015】
熱伝導性フィラーは金属酸化物が好ましく代表例として酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,酸化亜鉛などがありどれを用いてもよい。さらに2種類以上を適宜混合して添加してもよい。
【0016】
添加するフィラーには表面処理をしてもよく、表面処理にはシランカップリング剤,チタンカップリング剤,アルミニウムカップリング剤を使用する、ただし未反応のカップリング剤がアウトガスの発生原因となるため溶剤などでカップリング剤処理を施した後で流し落とすことが好ましい。
【0017】
電磁波シールド効果を付与するには金属粉,フェライト粉末などを選択し電磁波吸収特性を得たい周波数帯に応じて適宜選択される。添加するフィラーの種類は一種類又は二種類以上を混合して適宜使用してよい。
【0018】
コンパウンドの粘度を下げるため可塑剤を添加してもよい、可塑剤は主材となるポリオレフィンと同様のポリオレフィンが好ましく、さらにポリオレフィンと反応して主材と化学的に結合するものが好ましいが非反応性の可塑剤でもよい。可塑剤は製造時に用いる溶剤が極力残留していないことが好ましい。
【0019】
難燃剤は公知の物質を用いてもよい、好ましくは水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウムに代表される金属水酸化物が最も好ましい。又、不燃性ガスを発生して酸素を遮断することによる効果が発生する難燃性が付与されるがこのような難燃剤はアウトガスや腐食性ガスの発生原因となるので使用しない。
【0020】
抗酸化剤は公知の物質を用いてもよい、ヒンダードフェノール類が最も好ましい。ヒンダードフェノール類は添加する金属酸化物の影響で分解されやすくアウトガスや腐食性ガスの発生原因となる。そのため添加量は抗酸化の効果が発揮される必要最小量にする必要がある。
【0021】
静電気対策としてゴムに導電性を付与してもよい。静電気対策フィラーは導電性のある物質が使用され、カーボン,グラファイトなどが好ましい。
【0022】
離型紙はフッ素化合物で処理されているものが好ましく、シリコーン系離型剤は避ける。シリコーン化合物に含まれる低分子シロキサンがアウトガスの発生原因となるからである。フロロシリコーン化合物で処理されている塗布品も同様に使用しないのが好ましい。
【0023】
さらにシート状の補強材を埋設成形させてもよい。シート状の補強材としては隙間のある織布,不織布いずれを用いてもよい。材質は硝子,プラスチック,金属などがありそのいずれを使用してもよい。硝子,プラスチック繊維状に金属めっきを施したものでもよい。補強材はプライマー処理することが好ましい。
【0024】
有機ガス測定方法は測定試料を加熱して発生したガスをGC−MSで定量定性するのが好ましく、腐食性ガスは超純水による抽出液をイオンクロマトグラフで定量定性するのが好ましい。
【0025】
以下図面を用いて本発明の好ましい例を説明する。図1は熱伝導性充填材を配合したポリオレフィンエラストマー層1の片面表層にオルガノハイドロジェンポリシロキサンを架橋させた薄膜硬化層2を一体化して形成した断面図である。図2は同ポリオレフィンエラストマー層1の両面表層に薄膜硬化層2,2’を一体化して形成した断面図である。図3は同ポリオレフィンエラストマー層1の片面表層にメッシュ状補強クロス材からなるシート状補強層3を形成し、その外側に薄膜硬化層2を一体化して形成した断面図である。
【0026】
【実施例】
以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
【0027】
薄膜硬化層を作成するための樹脂フィルムは以下のように作成した。架橋剤(CR−100,鐘淵化学工業株式会社)をn−ヘキサンで20倍に希釈しこの溶液をナイフコートでポリプロピレンフィルム上に塗工し80℃で15分熱風乾燥させ得た。補強材はポリエステルメッシュ(C33 A2−100E11:厚み0.16mm,ユニチカグラスファイバー株式会社)にプライマーD(東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社)を処理したものを使用した。
【0028】
コンパウンドは以下のように作成した。ポリイソブチレンの両末端をアリル基(CH2CH=CH2−)によって封鎖したポリマーからなるポリオレフィンエラストマー100重量部(EP200A,鐘淵化学工業株式会社製)に対して酸化アルミニウム500重量部(AL30 昭和電工株式会社製)架橋剤(CR−100,鐘淵化学工業株式会社製)3重量部,鉄黒2重量部,抗酸化剤(スミライザーBP−101,住友化学工業製),硬化剤(白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体)25μl,遅延剤(ジメチルマレート)25μlを添加して混練りして得た。
【0029】
【実施例1】
架橋剤(CR−100,鐘淵化学工業株式会社)をn−ヘキサンで20倍に希釈しこの溶液をナイフコートでポリプロピレンフィルム上に塗工し80℃で15分熱風乾燥させて得たポリプロピレンフィルム上にコンパウンドを流し込み、さらにフッ素離型処理を施した樹脂フィルムを載せ、100℃、30分の条件でプレス成型し、厚さ0.5mmのシートを得た。
【0030】
【実施例2】
フッ素離型処理を施した樹脂フィルム上に補強材を置きコンパウンドを流し込みさらにフッ素離型処理を施した樹脂フィルムを載せ100℃、30分の条件でプレス成型し、厚さ0.5mmのシートを得た。
【0031】
【実施例3】
架橋剤(CR−100,鐘淵化学工業株式会社)をn−ヘキサンで20倍に希釈しこの溶液をナイフコートでポリプロピレンフィルム上に塗工し80℃で15分熱風乾燥させて得たポリプロピレンフィルム上に補強材を置き、コンパウンドを流し込みさらにフッ素離型処理を施したフィルムを載せ100℃、30分の条件でプレス成型し、厚さ0.5mmのシートを得た。
【0032】
【実施例4】
未加硫コンパウンドが存在する放熱シートは以下のように作成した。コンパウンドはポリオレフィンエラストマー100重量部(EP200A,鐘淵化学工業株式会社製)に対して酸化アルミニウム500重量部(AL30 昭和電工株式会社製)架橋剤(CR−100,鐘淵化学工業株式会社製)0.5重量部,鉄黒2重量部,抗酸化剤(スミライザーBP−101,住友化学工業製),硬化剤(白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体)25μl,遅延剤(ジメチルマレート)25μlを添加して混練りして得た。前記で示した架橋剤塗布のポリプロピレンフィルム上にコンパウンドを流し込み、さらに架橋剤塗布のポリプロピレンフィルムを載せ100℃、30分の条件でプレス成型し、厚さ0.5mmのシートを得た。
【0033】
【実施例5】
電磁波付与品は以下のように作成した。薄膜硬化層作成するための樹脂フィルムは以下のように作成した。
【0034】
架橋剤(CR−100,鐘淵化学工業株式会社)をn−ヘキサンで20倍に希釈しこの溶液をナイフコートでポリプロピレンフィルム状に塗工し80℃で15分熱風乾燥させて得た。補強材はポリエステルメッシュ(C33 A2−100E11:厚み0.16mmt,ユニチカグラスファイバー株式会社)にプライマーD(東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社)で処理したものを使用した。コンパウンドは以下のように作成した。ポリオレフィンエラストマー100重量部(EP200A,鐘淵化学工業株式会社製)に対して酸化アルミニウム450重量部(AL30,昭和電工株式会社製),粒径3μmのマンガン−亜鉛フェライト250重量部(戸田工業社製),架橋剤4重量部(CR−100,鐘淵化学工業株式会社製),鉄黒2重量部,硬化剤(白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体)25μl,遅延剤(ジメチルマレート)25μl,抗酸化剤(スミライザーBP−101,住友化学工業製)を添加して混練りしコンパウンドにした。
【0035】
【実施例5】
架橋剤(CR−100,鐘淵化学工業株式会社)をn−ヘキサンで20倍に希釈しこの溶液をナイフコートでポリプロピレンフィルム上に塗工し80℃で15分熱風乾燥させて得たポリプロピレンフィルム上にコンパウンドを流し込みさらにフッ素離型処理を施したフィルムを載せ100℃、30分の条件でプレス成型し、厚さ0.5mmのシートを得た。
【0036】
【実施例6】
フッ素離型処理を施した樹脂フィルム上に補強材を置きコンパウンドを流し込みさらにフッ素離型処理を施した樹脂フィルムを載せ100℃、30分の条件でプレス成型し、厚さ0.5mmtのシートを得た。
【0037】
【実施例7】
架橋剤(CR−100,鐘淵化学工業株式会社)をn−ヘキサンで20倍に希釈しこの溶液をナイフコートでポリプロピレンフィルム上に塗工し80℃で15分熱風乾燥させて得たポリプロピレンフィルム上に補強材を置きコンパウンドを流し込みさらにフッ素離型処理を施した樹脂フィルムを載せ100℃、30分の条件でプレス成型し、厚さ0.5mmのシートを得た。
【0038】
【比較例1】
ポリオレフィンエラストマー100重量部(EP200A,鐘淵化学工業株式会社製)に対して酸化アルミニウム500重量部(AL30 昭和電工株式会社製)架橋剤(CR−100,鐘淵化学工業株式会社製)3重量部,鉄黒2重量部,抗酸化剤(スミライザーBP−101,住友化学工業製),硬化剤(白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体)25μl,遅延剤(ジメチルマレート)25μlを添加して混練りしてコンパウンドを得た。次に2枚のフッ素離型処理をした樹脂フィルム間に挟んで100℃、30分の条件でプレス成型し、厚さ0.5mmのシートを得た。
【0039】
【比較例2】
ポリオレフィンエラストマー100重量部(EP200A,鐘淵化学工業株式会社製)に対して酸化アルミニウム450重量部(AL30,昭和電工株式会社製),粒径3μmのマンガン−亜鉛フェライト250重量部(戸田工業社製),架橋剤4重量部(CR−100,鐘淵化学工業株式会社製),鉄黒2重量部,硬化剤(白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体)25μl,遅延剤(ジメチルマレート)25μl,抗酸化剤(スミライザーBP−101,住友化学工業製)を添加して混練りしコンパウンドを得た。次にフッ素離型処理をした樹脂フィルムに挟んで100℃、30分の条件でプレス成型し、厚さ0.5mmのシートを得た。
【0040】
【比較例3】
ポリウレタン樹脂(U−217A/B,日本合成化工株式会社)50重量部ずつ計100重量部に対して酸化アルミニウム500重量部(AL30,昭和電工株式会社製),水酸化アルミニウム100重量部(H32I,昭和電工株式会社製),鉄黒2重量部,抗酸化剤(スミライザーBP−101,住友化学工業製)を添加して混練りしコンパウンドにした。次にフッ素離型処理をした樹脂フィルムでコンパウンドを挟んで70℃、10分の条件でプレス成型し、厚さ0.5mmのシートを得た。
【0041】
【比較例4】
シリコーンゲル100重量部(SH1886,東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社)に対して酸化アルミニウム500重量部(AL30,昭和電工株式会社製),水酸化アルミニウム100重量部(H32I,昭和電工株式会社製),鉄黒2重量部を添加して混練りしコンパウンドにした。
【0042】
次にフッ素離型処理をした樹脂フィルムでコンパウンドを挟んで100℃、30分の条件でプレス成型し、厚さ0.5mmのシートを得た。
【0043】
これらの有機ガスと腐食性ガスの単位表面積の発生量と熱的性能さらに電磁波特性を示す。なお電磁波特性は誘電率で判断することにした。さらに腐食性ガスは無機物と有機物があり無機物は陰イオンとして有機物はそのものの定量とした。更に圧縮荷重値,硬度及び取り扱い性を以下の表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
上記表1より比較例1と比較して実施例1,2,3、比較例2と比べて実施例5,6,7は離型台紙から製品が取り扱い性は良好であった。また、実施例4は未加硫コンパウンドの存在のため圧縮荷重値がかなり低くなっている。それにもかかわらず取り扱い性は良好である。さらに実施例1〜7は比較例3,4と比べると有機ガス,腐食性ガスが少ない。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、ベース材料の高分子材料にポリオレフィンを使用し、少なくとも片面表層部を硬化させ、この薄膜硬化層を分離することが不可能な状態で一体化された放熱シートゴム状に硬化させた放熱シートとすることができる。この放熱シートは、発熱素子への荷重が低減でき、かつ取り扱い性が良好である。それに加えてフィラーの添加量で熱伝導率が0.5〜20W/m・Kにすることが可能で、放熱シートの単位表面積あたりの有機ガス発生量が1000μg以下であり、かつ単位表面積あたりの腐食性ガスが10μg以下にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における熱伝導性充填材を配合したポリオレフィンエラストマー層1の片面表層にオルガノハイドロジェンポリシロキサンを架橋させた薄膜硬化層2を一体化して形成した断面図である。
【図2】同、ポリオレフィンエラストマー層の両面表層に薄膜硬化層を一体化して形成した断面図である。
【図3】同、ポリオレフィンエラストマー層の片面表層にシート状補強層を形成し、その外側に薄膜硬化層を一体化して形成した断面図である。
【符号の説明】
1 ポリオレフィンエラストマー層
2,2’ 薄膜硬化層
3 シート状補強層
Claims (10)
- 熱伝導性充填材を配合したポリオレフィンエラストマー放熱シートであって、前記放熱シートから発生する有機揮発ガス発生量が単位表面積あたり1000μg/cm2以下、腐食性揮発ガス発生量が単位表面積あたり10μg/cm2以下、前記シートの熱伝導率が0.5〜20W/m・Kの範囲であり、かつ柔軟性を有することを特徴とする放熱シート。
- 前記放熱シートの上下面の少なくても片面表層部に、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを架橋させた薄膜硬化層を結合一体化させた請求項1に記載の放熱シート。
- 前記薄膜硬化層の厚さが0.002mm〜0.50mmの範囲である請求項2に記載の放熱シート。
- 前記薄膜硬化層が、フィルム表面にオルガノハイドロジェンポリシロキサンをコーティングさせた面から転写され、架橋されている請求項2または3に記載の放熱シート。
- 前記薄膜硬化層を一体化した放熱シートの厚みが、0.1〜10mmの範囲である請求項2〜4のいずれかに記載の放熱シート。
- 前記熱伝導性充填材を配合したポリオレフィンエラストマー放熱シートのいずれかの部分に、さらにシート状の補強材を一体化させた請求項1〜5のいずれかに記載の放熱シート。
- 前記シート状の補強材は、合成繊維及び天然繊維から選ばれる少なくとも1種類の繊維を用いた網目状構造体である請求項6に記載の放熱シート。
- 前記熱伝導性充填材を配合したポリオレフィンエラストマー放熱シートは、10〜1,000MHzの周波数帯における電磁波減衰率が4dB以上の電磁波吸収特性を有する請求項1に記載の放熱シート。
- 前記放熱シートの柔軟性はASTM D2240におけるショアーA硬度が5〜95の範囲である請求項1〜8のいずれかに記載の放熱シート。
- 前記放熱シートのポリオレフィンエラストマーが、ポリイソブチレンの末端をアリル基(CH2CH=CH2−)によって封鎖したポリマーである請求項1〜9のいずれかに記載の放熱シート。
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