JP2004335357A - ガス放電表示装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】このガス放電表示装置は、一対のガラス基板が対向配置され、一方のガラス基板の内表面に複数の走査電極及び維持電極が平行に形成され、他方のガラス基板2の内表面に走査電極及び維持電極に直交する複数のアドレス電極11が平行に形成され、これらアドレス電極11間に隔壁が形成され、これら隔壁により画成されたそれぞれの凹部7aが放電セル7とされ、さらに、各凹部7aの長手方向の一端部が傾斜部Gにて凹部7aの底面と傾斜する傾斜面21とされ、この傾斜面21上には、アドレス電極11に接続する接続用電極23が形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス放電表示装置及びその製造方法に係り、特に、高精細化、高輝度化を図るためのプラズマディスプレイ等の表示装置に好適に用いられ、しかも、放電セル内の電極とその外側の端子部との間に接続不良や断線等の不具合が生じる虞が無く、表示面の信頼性の向上、製造工程における歩留まりの向上、製造コストの低減等を図ることが可能な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハイビジョン用の大画面、高画質の表示デバイスとしてプラズマディスプレイ(PDP:ガス放電表示装置)が注目されている。
このプラズマディスプレイは、1対の透明基板をシール材を介して対向配置し、一方の透明基板の内表面に複数のストライプ状の第1の電極を形成するとともに、他方の透明基板の内表面に前記第1の電極に直交する複数のストライプ状の第2の電極を形成し、これら第2の電極間に隔壁を形成し、これら隔壁により画成された凹部を放電セルとした構造のもので、従来の液晶ディスプレイ等に比べて、高階調表示が可能であり、色再現性、高速応答性に優れ、しかも、対角30インチ以上の大画面を比較的安価に実現することできるという様々な特徴を有する。
【0003】
図6は、従来の面放電型電極構造を有するAC型プラズマディスプレイ(AC−PDP)を示す部分分解斜視図である。
このプラズマディスプレイ100は、2枚のガラス基板(透明基板)101、102が互いに対向配置され、前面側のガラス基板102の内表面(ガラス基板101に対向する側の一主面)には、インジウム添加酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、SnO2等の透明導電材料からなるストライプ状の複数の走査電極(透明電極)104A及び維持電極104Bが互いに平行に形成され、これら走査電極104A及び維持電極104Bは透明な誘電体層103により覆われ、さらにこの誘電体層103は、MgO等からなる透明な保護膜(図示略)により覆われている。上記の走査電極104A及び維持電極104Bは、交互に配置されている。
【0004】
一方、背面側のガラス基板101の内表面(ガラス基板102に対向する側の一主面)には、ガス放電を行う空間である放電セル107を形成するために、上述した走査電極104A及び維持電極104Bと交差する方向に、所定の高さを有する複数の隔壁108がストライプ状に形成され、これらの隔壁108、108、…により凹部107aが形成され、これら隔壁108、108及び凹部107aにより囲まれた領域がガス放電を行う空間である溝状の放電セル107とされている。また、隔壁108はガラス基板101と一体形成されている。
それぞれの凹部107aには、上述した走査電極104A及び維持電極104Bに直交するストライプ状のAg箔、AgペーストあるいはCr−Cu−Cr積層膜等の導電材料からなるアドレス電極106が形成され、これらアドレス電極106、…は反射率の高い誘電体層105で覆われ、この誘電体層105上には、3原色である赤(R)、緑(G)、青(B)のうちいずれかの色を発光する蛍光体109が積層されている。
【0005】
背面側のガラス基板101の内表面(一主面)は、図7に示すように、表示面となる表示部Dと、この表示部Dの周囲をシールガラス等のシール材により封着してなるシール部Sと、このシール部Sの外側に形成された端子部Tの3つの領域により構成され、表示部Dを構成する放電セル107の各凹部107a及びアドレス電極106はシール部Sまで延在して形成されている。
各アドレス電極106は引き出し電極111により端子部Tの接続端子112に接続され、これらの接続端子112により外部の制御部や電源に電気的に接続されている。
そして、これらガラス基板101、102を互いに対向させて、各放電セル107、107、…の内部に147nmのXe共鳴放射光を利用するNe−Xe、He−Xe等の放電ガスを封入した状態で、表示部Dの周囲のシール部Sをシールガラス等のシール材により封着した構成になっている。
【0006】
このプラズマディスプレイ100では、例えば、サンドブラスト法により平板状のガラス基板101の表面を切削して凹部107aを形成し、次いで、フォトリソグラフィ法によりAgシート等の導電材料をパターニングして凹部107aにアドレス電極106を形成し、その後、Agペーストをアドレス電極106と接続端子112との間に塗布することにより、引き出し電極111を形成する方法が採られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−43804号公報
【特許文献2】
特開2001−325888号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のプラズマディスプレイ100では、フォトリソグラフィ法により導電材料をパターニングしてアドレス電極106を形成し、その後、このアドレス電極106と接続端子112との間の垂直面に引き出し電極111を形成するという方法を採っていたため、アドレス電極106と引き出し電極111との間に隙間や接続不良の部分が生じ易く、したがって、接続不良や断線等の不具合が生じる虞があるという問題点があった。
この様な不具合が生じた場合、表示面に部分的に表示されない箇所が生じ、表示面の高精細化及び信頼性を低下させる要因になる。
また、製造工程において上記の様な不具合が発生した場合、製造工程における歩留まりが低下し、製造コストの上昇を招くこととなる。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、放電セル内の電極と、この電極を外方に引き出す電極との間に接続不良や断線等の不具合が生じる虞が無く、表示面の信頼性の向上、製造工程における歩留まりの向上、製造コストの低減等を図ることができるガス放電表示装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は次のようなガス放電表示装置及びその製造方法を採用した。
すなわち、本発明の請求項1記載のガス放電表示装置は、1対の透明基板が互いに対向配置され、これらの透明基板のうち一方の透明基板の一主面に複数のストライプ状の第1の電極が互いに平行に形成されるとともに、他方の透明基板の対向する側の一主面に前記第1の電極に直交する複数のストライプ状の第2の電極が互いに平行に形成され、これら第2の電極それぞれの間には隔壁が形成され、これら隔壁により画成されたそれぞれの凹部が放電セルとされ、これら放電セルの外側に複数の前記第2の電極と接続する接続端子が形成されてなるガス放電表示装置において、前記凹部の長手方向の少なくとも一端部に、該凹部の底面に対して傾斜する傾斜面を形成し、該傾斜面に前記第2の電極と前記接続端子とを接続する接続用電極を形成してなることを特徴とする。
【0011】
このガス放電表示装置では、放電セルの一部を構成する凹部の長手方向の少なくとも一端部に、該凹部の底面に対して傾斜する傾斜面を形成し、該傾斜面に前記第2の電極と前記接続端子とを接続する接続用電極を形成したことにより、この接続用電極と前記第2の電極との間の接続が確実なものとなり、これらの電極間に接続不良や断線等の不具合が生じる虞が無くなる。これにより、表示面の信頼性が向上する。
また、接続用電極と前記第2の電極との間の接続が確実なものとなるので、製造工程における歩留まりが向上し、製造コストの低減が容易になる。
【0012】
請求項2記載のガス放電表示装置は、請求項1記載のガス放電表示装置において、前記接続端子が形成された透明基板の一主面に、該接続端子を収納する溝または凹所を形成してなることを特徴とする。
【0013】
このガス放電表示装置では、前記接続端子が形成された透明基板の一主面に、該接続端子を収納する溝または凹所を形成したことにより、接続端子の位置ずれ等が無くなり、この接続端子と前記接続用電極との間の接続が確実なものとなる。
【0014】
請求項3記載のガス放電表示装置の製造方法は、1対の透明基板が互いに対向配置され、これらの透明基板のうち一方の透明基板の一主面に複数のストライプ状の第1の電極が互いに平行に形成されるとともに、他方の透明基板の対向する側の一主面に前記第1の電極に直交する複数のストライプ状の第2の電極が互いに平行に形成され、これら第2の電極それぞれの間には隔壁が形成され、これら隔壁により画成されたそれぞれの凹部が放電セルとされ、これら放電セルの外側に複数の前記第2の電極と接続する接続端子が形成されてなるガス放電表示装置の製造方法であって、サンドブラスト法の粉末噴射用ノズルの中心軸と周縁部との切削量の差を用いて、前記凹部の長手方向の少なくとも一端部に、該凹部の底面に対して傾斜する傾斜面を形成することを特徴とする。
【0015】
このガス放電表示装置の製造方法では、サンドブラスト法の粉末噴射用ノズルの中心軸と周縁部との切削量の差を用いて、前記凹部の長手方向の少なくとも一端部に、該凹部の底面に対して傾斜する傾斜面を形成することにより、透明基板の一主面に所定形状の傾斜面を容易に形成する。
【0016】
請求項4記載のガス放電表示装置の製造方法は、請求項3記載のガス放電表示装置の製造方法において、前記粉末噴射用ノズルを前記透明基板上にて所定の距離移動させ、この透明基板上に前記凹部及び前記傾斜面を形成することを特徴とする。
【0017】
このガス放電表示装置の製造方法では、前記粉末噴射用ノズルを前記透明基板上にて所定の距離移動させ、この透明基板上に前記凹部及び前記傾斜面を形成することにより、1回の操作により、透明基板の一主面に凹部及び傾斜面が同時にかつ容易に形成される。
【0018】
請求項5記載のガス放電表示装置の製造方法は、請求項3記載のガス放電表示装置の製造方法において、前記粉末噴射用ノズルの前記透明基板上の移動距離を段階的に変化させ、この透明基板上に前記凹部及び前記傾斜面を形成することを特徴とする。
【0019】
このガス放電表示装置の製造方法では、前記粉末噴射用ノズルの前記透明基板上の移動距離を段階的に変化させ、この透明基板上に前記凹部及び前記傾斜面を形成することにより、透明基板の一主面に所定形状の凹部及び傾斜面が同時にかつ容易に形成される。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明のガス放電表示装置及びその製造方法の一実施の形態について図面に基づき説明する。
ここでは、ガス放電表示装置として面放電型電極構造のAC型プラズマディスプレイ(AC−PDP)を例に採り説明する。
図1は本実施形態のAC型プラズマディスプレイ(AC−PDP)を示す部分分解斜視図、図2は同プラズマディスプレイの背面側のガラス基板を示す断面図である。なお、図1及び図2に示すプラズマディスプレイは一例であり、本発明はこのプラズマディスプレイに限定されるものではない。
【0021】
このプラズマディスプレイ1は、2枚のガラス基板(透明基板)2、3が互いに対向配置され、前面側のガラス基板3の内表面(ガラス基板2に対向する側の一主面)には、インジウム添加酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、SnO2等の透明導電材料からなるストライプ状の複数の走査電極(透明電極)4A及び維持電極4Bが互いに平行に形成され、これら走査電極4A及び維持電極4Bは透明な誘電体層5により覆われ、さらにこの誘電体層5は、MgO等からなる透明な保護膜(図示略)により覆われている。上記の走査電極4A及び維持電極4Bは、交互に配置されている。
【0022】
一方、背面側のガラス基板2の内表面(ガラス基板3に対向する側の一主面)には、ガス放電を行う空間である放電セル7を形成するために、上述した走査電極4A及び維持電極4Bの延在方向と交差する方向に、所定の高さを有する複数の隔壁8がストライプ状に形成され、これらの隔壁8、8、…により挟まれる領域が凹部7aとされ、これら隔壁8、8及び凹部7aにより囲まれた空間領域がガス放電を行う空間である溝状の放電セル7とされている。
【0023】
隔壁8、8、…は、ガラス基板2とは異なる別部材により構成されていてもよいが、プラズマディスプレイ1の製造工程を簡略化するために、図1に示すように、ガラス基板2と一体形成されていることが望ましい。
各放電セル7内、すなわち凹部7aの底面には、上述した走査電極4A及び維持電極4Bに直交しかつ凹部7aの底面に沿う帯状のアドレス電極(第2の電極)11が形成され、これらアドレス電極11、11、…は反射率の高い誘電体層12で覆われ、各誘電体層12上には、3原色である赤(R)、緑(G)、青(B)のうちいずれかの色を発光する蛍光体13が積層されている。
【0024】
これらのアドレス電極11、11、…は、凹部7a内に、少なくとも導電性粒子と、ガラスフリットと、水と、バインダー樹脂と、分散剤を含有するスラリー(導電性液状物質)を充填し、次いで、所定時間静置することにより上記の導電性粒子を沈降させ、次いで、所定の温度で所定時間熱処理し、この沈降した導電性粒子同士を互いに接合させることにより得られる。
【0025】
上記の導電性粒子としては、例えば、平均粒径が0.05〜5.0μm、好ましくは0.1〜2.0μmの、Ag粒子あるいはAg合金粒子が好適に用いられる。
また、ガラスフリットとしては、電極の特性に影響を及ぼさないものであれば良く、例えば、平均粒径が0.1〜5.0μm、好ましくは0.1〜2.0μmの、硼珪酸鉛ガラス、硼珪酸亜鉛ガラス、硼珪酸ビスマスガラス等が好適に用いられる。
【0026】
これらのアドレス電極11、11、…は、上記の導電性粒子を沈降させる方法の他、Ag箔等のストライプ状の導電箔を貼り付ける方法、あるいはフォトリソグラフィ法によりAgシート等の導電性シートをパターニングする方法によっても形成することができる。
この導電箔等としては、例えば、厚みが1〜15μm、好ましくは2〜10μmのAg箔あるいはAg合金箔が好適に用いられる。
【0027】
このガラス基板2の内表面は、図2に示すように、表示面となる表示部Dと、この表示部Dの周囲をシールガラス等のシール材により封着してなるシール部Sと、このシール部Sの外側に形成された端子部Tと、シール部Sと端子部Tとの境界領域に設けられた傾斜部Gの4つの領域により構成されている。
表示部Dを構成する放電セル7の各凹部7aは、シール部Sまで延在して形成され、各凹部7aの長手方向の一端部は傾斜面21とされ、この傾斜面21の上端部は、端子部Tの内表面(一主面)に形成された溝22(または凹所)の底部の端に接続されている。
【0028】
この傾斜面21上には、放電セル7のアドレス電極11と幅及び厚みがほぼ等しい接続用電極23が形成され、この接続用電極23の下端部はアドレス電極11の一端部に接続されるとともに、その上端部は溝22内に形成された接続端子24に接続されている。
この傾斜面21は、サンドブラスト法のノズルの噴出形状を利用することにより、形成することができる。
【0029】
サンドブラスト法では、図3に示すように、粉末噴射用ノズル31を図中矢印方向に移動した場合に、その粉末噴射部32における単位時間当たりの切削量(切削レイト)は、中心軸Axの部分が最も高く、この中心軸Axから周縁部Rに向かって同心円状に低下するという特性を有している。そこで、この中心軸Axから周縁部Rに向かう切削レイトの差を利用して傾斜面21を形成する。
【0030】
この場合、このノズル31を、ガラス基板2上にて図中矢印方向に移動することにより、このノズル31の中心軸Axが通過した領域が均一な深さに切削された均一切削領域33となり、このノズル31が停止した場合に、このノズル31の中心軸Axから図中矢印方向の周縁部Rまでの領域が深さが徐々に変化する傾斜切削領域34となる。
したがって、図4に示すように、このノズル31をガラス基板2上の所定位置を図中矢印方向に往復移動させることにより、このガラス基板2上に凹部7a及び傾斜面21を同時に形成することができる。
【0031】
また、図5に示すように、ノズル31の移動距離を変化させることにより、ガラス基板2上に凹部7a及び傾斜面21を同時に形成することができる。
この場合、このノズル31の移動距離を通過数P1〜P3により変化させると、各通過数P1〜P3が重なった領域が均一な深さに切削された均一切削領域41となり、通過数P1〜P3が変化する領域が深さが徐々に変化する傾斜切削領域42となる。
したがって、このノズル31のガラス基板2上における移動距離を通過数P1〜P3により変化させることにより、所望の深さの凹部7aと傾斜面21を同時に形成することができる。
【0032】
この傾斜面21上に、例えば、Agペースト、Ag合金ペースト等の導電性ペーストを塗布することにより、接続用電極23を形成することができる。
また、溝22は、ドライフィルムレジスト等の耐サンドブラスト性を有するレジストを用いたサンドブラスト法、あるいはグラインダ等の研磨機や切削機を用いた切削法により形成することができる。
この溝22に、フォトリソグラフィ法によりAgシート、Ag箔等の導電材料をパターニングすることにより、接続端子24を形成することができる。
【0033】
そして、これらガラス基板2、3を互いに対向させ、シール材(図示せず)をガラス基板2、3の内表面に圧着して表示部D内の放電セル7を封着し、その後、各放電セル7、7、…内を真空状態として、各放電セル7、7、…内に147nmのXe共鳴放射光を利用するNe−Xe、He−Xe等の放電ガスを封入することにより、プラズマディスプレイ1を得ることができる。
【0034】
このプラズマディスプレイ1では、走査電極4A、…、維持電極4B、…およびアドレス電極11、11、…の一方の端部は、それぞれ外部に引き出されており、これらに接続された端子に選択的に電圧を印加することで、選択的に放電セル7、7、…内の走査電極4A及び維持電極4Bとアドレス電極11、11、…との間に放電を発生させ、この放電により放電セル7内の蛍光体13からの励起光を外部(観察者側)に表示するようになっている。なお、このときの発光面は、放電セル7に面した蛍光体13の表面部分となる。
【0035】
本実施形態のプラズマディスプレイ1によれば、放電セル7の各凹部7aの長手方向の一端部を傾斜面21とし、この傾斜面21上に、アドレス電極11及び接続端子24に接続される接続用電極23を形成したので、この接続用電極23とアドレス電極11との接続を確実なものとすることができる。したがって、これらの電極11、23間に接続不良や断線等の不具合が生じる虞が無くなり、表示面の信頼性を向上させることができる。
また、接続用電極23とアドレス電極11との接続が確実なものとなるので、製造工程における歩留まりを向上させることができ、製造コストの低減を図ることができる。
【0036】
本実施形態のプラズマディスプレイ1の製造方法によれば、ノズル31の粉末噴射部32の中心軸Axから周縁部Rに向かう切削レイトの差を利用し、ノズル31をガラス基板2上にて往復移動するので、このガラス基板2上に凹部7a及び傾斜面21を同時にかつ容易に形成することができる。
【0037】
以上、本発明の一実施の形態について図面に基づき説明してきたが、具体的な構成は上述した一実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計の変更等が可能である。
例えば、本実施形態では、傾斜面21上にAgペースト、Ag合金ペースト等の導電性ペーストを塗布することにより接続用電極23を形成することとしたが、フォトリソグラフィ法によりAgシート、Ag箔等の導電材料をパターニングすることにより接続用電極23を形成してもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明のガス放電表示装置によれば、放電セルを構成する凹部の長手方向の少なくとも一端部に、該凹部の底面に対して傾斜する傾斜面を形成し、該傾斜面に第2の電極と接続端子とを接続する接続用電極を形成したので、この接続用電極と前記第2の電極との間の接続を確実なものとすることができる。したがって、これらの電極間における接続不良や断線等の不具合を防止することができ、その結果、表示面の信頼性を向上させることができる。
また、接続用電極と前記第2の電極との間の接続が確実なものとなるので、製造工程における歩留まりを向上させることができ、製造コストの低減を図ることができる。
【0039】
また、前記接続端子が形成された透明基板の一主面に、該接続端子を収納する溝または凹所を形成すれば、接続端子の位置ずれ等を防止することができ、この接続端子と前記接続用電極との間の接続を確実なものとすることができる。
【0040】
本発明のガス放電表示装置の製造方法によれば、サンドブラスト法の粉末噴射用ノズルの中心軸と周縁部との切削量の差を用いて、前記凹部の長手方向の少なくとも一端部に、該凹部の底面に対して傾斜する傾斜面を形成するので、透明基板の一主面に所定形状の傾斜面を容易に形成することができる。
【0041】
また、前記粉末噴射用ノズルを前記透明基板上にて所定の距離移動させることで、この透明基板上に前記凹部及び前記傾斜面を形成することとすれば、1回の操作により、透明基板の一主面に凹部及び傾斜面を同時にかつ容易に形成することができる。
【0042】
また、前記粉末噴射用ノズルの前記透明基板上の移動距離を段階的に変化させ、この透明基板上に前記凹部及び前記傾斜面を形成することとすれば、透明基板の一主面に所定形状の凹部及び傾斜面を同時にかつ容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のAC型プラズマディスプレイを示す部分分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態のAC型プラズマディスプレイの背面側のガラス基板を示す断面図である。
【図3】サンドブラスト法によりガラス基板上に凹部及び傾斜面を形成する方法を示す断面図である。
【図4】サンドブラスト法によりガラス基板上に凹部及び傾斜面を形成する他の方法を示す断面図である。
【図5】サンドブラスト法によりガラス基板上に凹部及び傾斜面を形成するさらに他の方法を示す断面図である。
【図6】従来のAC型プラズマディスプレイを示す部分分解斜視図である。
【図7】従来のAC型プラズマディスプレイの背面側のガラス基板を示す断面図である。
【符号の説明】
1 プラズマディスプレイ
2、3 ガラス基板(透明基板)
4A 走査電極(第1の電極)
4B 維持電極
5 誘電体層
7 放電セル
7a 凹部
8 隔壁
11 アドレス電極(第2の電極)
12 誘電体層
13 蛍光体
21 傾斜面
22 溝
23 接続用電極
24 接続端子
31 粉末噴射用ノズル
32 粉末噴射部
33 均一切削領域
34 傾斜切削領域
41 均一切削領域
42 傾斜切削領域
Claims (5)
- 1対の透明基板が互いに対向配置され、これらの透明基板のうち一方の透明基板の一主面に複数のストライプ状の第1の電極が互いに平行に形成されるとともに、他方の透明基板の対向する側の一主面に前記第1の電極に直交する複数のストライプ状の第2の電極が互いに平行に形成され、これら第2の電極それぞれの間には隔壁が形成され、これら隔壁により画成されたそれぞれの凹部が放電セルとされ、これら放電セルの外側に複数の前記第2の電極と接続する接続端子が形成されてなるガス放電表示装置において、
前記凹部の長手方向の少なくとも一端部に、該凹部の底面に対して傾斜する傾斜面を形成し、該傾斜面に前記第2の電極と前記接続端子とを接続する接続用電極を形成してなることを特徴とするガス放電表示装置。 - 前記接続端子が形成された透明基板の一主面に、該接続端子を収納する溝または凹所を形成してなることを特徴とする請求項1記載のガス放電表示装置。
- 1対の透明基板が互いに対向配置され、これらの透明基板のうち一方の透明基板の一主面に複数のストライプ状の第1の電極が互いに平行に形成されるとともに、他方の透明基板の対向する側の一主面に前記第1の電極に直交する複数のストライプ状の第2の電極が互いに平行に形成され、これら第2の電極それぞれの間には隔壁が形成され、これら隔壁により画成されたそれぞれの凹部が放電セルとされ、これら放電セルの外側に複数の前記第2の電極と接続する接続端子が形成されてなるガス放電表示装置の製造方法であって、
サンドブラスト法の粉末噴射用ノズルの中心軸と周縁部との切削量の差を用いて、前記凹部の長手方向の少なくとも一端部に、該凹部の底面に対して傾斜する傾斜面を形成することを特徴とするガス放電表示装置の製造方法。 - 前記粉末噴射用ノズルを前記透明基板上にて所定の距離移動させ、この透明基板上に前記凹部及び前記傾斜面を形成することを特徴とする請求項3記載のガス放電表示装置の製造方法。
- 前記粉末噴射用ノズルの前記透明基板上の移動距離を段階的に変化させ、この透明基板上に前記凹部及び前記傾斜面を形成することを特徴とする請求項3記載のガス放電表示装置の製造方法。
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