JP2004334508A - 検認装置および検認システム - Google Patents
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Abstract
【課題】紙ベースでの検認処理を行うことにより電子データの検認処理が自動的になされる効率的な検認処理を可能とする検認装置を得ること。
【解決手段】検認対象物である電子データに対して電子検認を行う電子検認システムに接続され、電子データの印刷書類に対して印影印刷による印影検認処理を実行する検認装置であって、電子データの印刷書類に対して印影印刷を行う印影印刷部と、印影印刷部による印影印刷の完了を検知して、電子検認を実行する旨の電子検認指示情報を形成する電子検認指示情報形成部とを備える。
【選択図】 図8
【解決手段】検認対象物である電子データに対して電子検認を行う電子検認システムに接続され、電子データの印刷書類に対して印影印刷による印影検認処理を実行する検認装置であって、電子データの印刷書類に対して印影印刷を行う印影印刷部と、印影印刷部による印影印刷の完了を検知して、電子検認を実行する旨の電子検認指示情報を形成する電子検認指示情報形成部とを備える。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、企業内業務や行政業務などの分野に広く利用可能な検認装置および検認システムに関し、特に紙ベースでの人間系での検認行為を行うことにより検認対象物の電子データ情報が自動的に電子検認されることを可能とする検認装置および検認システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の文書・図面類は、ワープロなどのOAツールやCADなどの作図ツールを用いてコンピュータにより電子的に作成されることがほとんどであり、従来の紙を「正」とした文書・図面類の管理から、電子データを「正」とした管理に移行しつつある。
【0003】
これに伴い、文書・図面類の「正」を保証する検認行為そのものも電子検認ワークフローなどで電子化されることが多くなっている。しかしながら、検認対象物が複数ページにわたる場合や、複数の検認対象物を相互に確認・照査しながら検認する場合は、電子検認ワークフローなどでコンピュータディスプレイの管面上に表示される検認対象物の確認・照査が困難なため、従来通り検認対象物を紙に印刷して紙ベースで確認・照査を行い、紙上に印影検認する方法がとられる。
【0004】
この場合、紙ベースで検認した後、検認対象物の電子データ対して改めて検認権限者が電子検認操作を行い、検認対象物の電子データに対して電子検認するのが従来の一般的な方法である。
【0005】
上記の方法では、検認した書類も、電子データも、いずれも「正」となり得るが、最近は前述したように紙ベースの検認は検認エビデンスとして暫定期間だけ保管され、あくまで恒久保管・利用する「正」は、電子検認された電子データとすることが多くなりつつある。
【0006】
そこで、このような紙ベースでの認証や電子認証に関する技術としては、例えば紙ベースでの認証と電子認証のどちらでも利用可能な認証書留を提供する技術があり、従来の紙ベースの認証書類も含めて電子化した際の認証書類の発行と認証されていることを保証することを目的とした技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−62803号公報(第5頁−第6頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の紙ベースでの印影検認と電子検認との併用では、検認権限者の検認行為そのものが重複作業となり、通常の職印・上長印鑑の印判による印影検認の2倍以上の手間と時間がかかることになり、タイムリーな検認行為が阻害される。
【0009】
また、上記の結果として、兼任権限者である上級マネージャーなどは多数の検認対象物の検認行為がこなせないため、電子検認操作を代行者へ委嘱することが多く見受けられる。この代行者による検認操作は、代行経費を新たに生じるだけでなく、検認権限者本人による確実な電子検認の保証性が希薄になるとともに、検認された書類の内容と電子検認された電子データの一致性も不確実なものとなる。
【0010】
そして、特許文献1では、人間系での被認証物に対する認証行為を対象とせず、認証結果物としての認証書類の発行と検証を対象としており、上述した問題を解決する技術は提案されていない。
【0011】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、紙ベースでの検認処理を行うことにより電子データの検認処理が自動的になされる効率的な検認処理を可能とする検認装置を得ることを目的としている。また、この検認装置を利用した効率的な検認処理を実現する検認システムを得ることを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためこの発明にかかる検認装置は、検認対象物である電子データに対して電子検認を行う電子検認システムに接続され、電子データの印刷書類に対して印影印刷による印影検認処理を実行する検認装置であって、電子データの印刷書類に対して印影印刷を行う印影印刷部と、印影印刷部による印影印刷の完了を検知して、電子検認を実行する旨の電子検認指示情報を形成する電子検認指示情報形成部とを備えることを特徴とする。
【0013】
この発明に係る検認装置によれば、検認対象物である電子データの印刷書類に対して印影印刷を行うと、印影印刷の完了を検知して電子検認を実行する旨の電子検認指示情報を形成し、外部の電子検認システムに出力する。そして、電子検認指示情報を受け取った電子検認システムにおいては、検認対象物の電子データに対して電子検認、すなわち検認対象物の電子データに電子検認データを埋め込む、または関連づける処理を自動的に行う。
【0014】
これにより、印影印刷による紙ベースでの検認処理を行うことにより、紙ベースの印影印刷による検認と、電子データにおける電子検認とを一括して行うことができる。
【0015】
したがって、この発明に係る検認装置は、紙ベースの印影印刷による検認と、電子データにおける電子検認とを一括して行うことを可能とする。これにより、紙ベースの印影印刷による検認と電子データへの電子検認という重複する検認行為に関わる無駄な手間と時間を無くし、簡便且つタイムリーな検認処理を可能とするものである。
【0016】
なお、本発明における検認装置においては、電子検認システムは発明の範囲外であり、本発明は市販の電子文書・図面管理システムなどの電子検認機能を利用して上述した効果を実現するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる検認装置および検認システムの好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は上記の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0018】
図1は、本実施の形態に係る検認システムの全体構成を示す構成図である。本検認システムは、検認対象物である文書・図面類の電子データを保持する電子データ記憶ユニット、および電子データ記憶ユニットに保持された電子データに対して電子検認を行う電子検認ユニットとしての機能を実現する電子検認サーバ装置(以下、サーバと称する)100と、検認実行者が検認対象物である電子データを印刷した検認書類に印影印刷を行う電子検認ユニットとして検認装置200とを備えている。
【0019】
ここで、サーバ100は、汎用のコンピュータ装置により構成され、検認装置200及びプリンタなどの他の周辺機器500に接続するためのネットワークインターフェースを備える。サーバ100と検認装置200とは、各種情報の伝送路であるケーブル300により情報伝達可能に接続されている。また、サーバ100と周辺機器500とは、ネットワーク400を介して接続されている。
【0020】
本システムにおいては、検認対象物である文書・図面類の検認書類および電子データを検認する検認実行者は、上記のサーバ100および検認装置200を操作して検認処理を行う。
【0021】
図2は、検認対象物である電子データを印刷した検認書類31を示す。検認書類31においては、サーバ100が管理する検認対象物の電子データや検認権限者を特定する認識情報(以下、認識IDと称する。)33、すなわち電子データ認識IDや検認権限者IDが検印欄32の近傍に印刷されている。
【0022】
図3は、図2における検認欄近傍を拡大して表示している。図3においては、認識ID33は検印欄32の近傍に符号化された情報として2次元バーコードとして印刷されている。この2次元バーコードで印刷された認識ID33は、バーコードリーダーにより読み取る。なお、ここでは、認識ID33を2次元バーコードを利用して印刷しているが、本発明においては、認識ID33の印刷形式はこれに限定されることなく、通常のバーコードやテキスト形式により印刷することも可能である。認識ID33がテキスト形式で表示された場合には、光学式文字読み取り装置(OCR:Optical Character Reader)により読み取る。
【0023】
但し、2次元バーコードとして印刷することにより、通常のバーコードやテキスト形式で印刷する場合と比べてより多くの情報を印刷することが可能であり、また、外部から印刷した情報内容を認識されにくい。このため、認識ID33は、セキュリティの観点からは2次元バーコードで印刷することが好ましい。
【0024】
図4は、検認装置200の一例を示す斜視図である。検認装置200は、印判装置110、認識ID読み取り装置120、位置制御インジケータ130、検認制御インジケータ140、指紋読み取り装置150、スペーサ160、取っ手部170及び検認装置200内部に配されたサーバ100とのインターフェース機能を含む検認装置200の制御機能(図示せず。)から構成され、サーバ100に接続されている。
【0025】
また、検認装置200には、図5に示すように印判装置110の外周部にスペーサ160が備えられている。この検認装置200は、従来と同様に検認書類31の検印欄32に対して印影を印刷する。
【0026】
印判装置110は、通常の印判装置と同様の印判機能を有し、検認書類31の検印欄32に対して検印となる検認権限者の印影を印刷する。認識ID読み取り装置120は、検認書類31の検印欄32の近傍に印刷された認識ID33を読み取り、ここで読み取られた認識ID33は、サーバ100に対して送信される。
【0027】
位置制御インジケータ130は、印影検認を行う際に、検認書類31の検印欄32に印刷された認識ID33の位置と認識ID読み取り装置120の位置とが該認識ID33の読み取りに際して適切な位置関係にあり、認識ID33を正常に読みとれているか否かを表示するものである。
【0028】
印影印刷を行う際に、認識ID33の位置と認識ID読み取り装置120の位置とが適正な位置関係にある場合、すなわち、認識ID読み取り装置120が認識ID33を正常に読み取れている場合には位置制御インジケータ130は、例えば青色に点灯する。
【0029】
また、適正な位置関係にない場合、すなわち認識ID33の位置と認識ID読み取り装置120の位置とがずれており、認識ID読み取り装置120が認識ID33を正常に読み取れていない場合には、位置制御インジケータ130は、例えば赤色に点灯する。
【0030】
このように、位置制御インジケータ130を異なる色で点灯させることにより、認識ID読み取り装置120で認識ID33を正常に読み取れているか否かを簡便に検認実行者に知らせることが可能である。なお、これらは、検認装置200の制御機能により制御される。
【0031】
検認制御インジケータ140は、後述するように読み取った認識ID33によりサーバ100において検認書類31が検認対象物であると認証され、検認実行者が検認権限者と認証され、且つ本人認証性が得られて、検認処理、すなわち印影印刷が許可されているか否かを表示するものである。
【0032】
例えば、後述するようにサーバ100において電子データ認証、検認実行者認証および本人認証がなされた場合には、サーバ100から電子データ認証情報、検認実行者認証情報および本人認証情報が検認装置200に戻される。この場合には、検認処理、すなわち印影印刷検認が許可されているものとして検認制御インジケータ140は、例えば青色に点灯する。
【0033】
また、これらの3つの情報の代わりにエラー情報が入力された場合には、検認処理、すなわち印影印刷が許可されていないものとして検認制御インジケータ140は、例えば赤色に点灯する。
【0034】
このように、検認制御インジケータ140を異なる色で点灯させることにより、印影検認が許可されているか否かを簡便に検認実行者に知らせることが可能である。なお、これらは、検認装置200の制御機能により制御される。
【0035】
指紋読み取り装置150は、検認装置200の取っ手部170の外周面に配され、検認実行者が検認装置200を持った際に検認実行者の例えば親指の指紋を読み取るものである。ここで読み取られた検認実行者の指紋は、検認装置200の制御機能を介して検認実行者指紋情報としてサーバ100に対して送信される。
【0036】
スペーサ160は、印影印刷動作を規制するロック機構として機能するものである。通常は、スペーサ160の一部が印判装置110の印判面115から突出した状態とされており、検認装置200を検認書類31に押し当てても印判面115が検認書類31から離間した状態となるため、印影印刷をすることができない。
【0037】
そして、スペーサ160は例えば電磁的によりロックされており、所定のロック解除信号が入力された場合のみロック状態が解除されて、検認書類31に対して印影印刷をすることができるようになされている。これにより、所定の条件を満足してロック解除信号が入力されないと検認処理、すなわち検認書類31に対する印影印刷を行うことができない。なお、ロック機構は特に限定されるものではなく、機械式等、種々の手法を用いることが可能である。
【0038】
また、検認装置200には、図示しないセンサ機構(図示せず。)を備えている。このセンサ機構は、印影印刷の完了を検知するためのものであり、このセンサ機構において印影印刷の完了を検知すると、検認装置200の制御機能において電子検認を実行する旨の電子検認指示情報を形成し、サーバ100に対して出力するようになされている。このようなセンサ部は、例えば印判面やスペーサ160に感圧センサなどを配置することにより容易に実現することができる。
【0039】
また、検認装置200の制御機能は、上述した各装置の実行全体を司り、また、各種情報の入出力、サーバ100とのインターフェース機能を有するものである。また、後述するように電子検認を実行する旨の電子検認指示情報を形成し、サーバ100に対する出力を行う。
【0040】
また、後述する電子データ認証情報、検認実行者認証情報および本人認証情報がサーバ100から入力された場合のみ、上述した印影印刷動作を規制するロック機構を解除して印影印刷が可能な状態にする。
【0041】
図6は、サーバ100を構成するコンピュータ装置の概略構成の一例を示すブロック図である。このコンピュータ装置は、入力装置1、表示装置2、CPU(Central Processing Unit:中央処理ユニット)3、メモリ4、記憶装置5、媒体駆動装置6、ネットワークインターフェース7及びバス8を備えて構成されている。
【0042】
ここで、入力装置1はキーボード、マウス、タッチパネル、スキャナ等により構成され、情報の入力に使用される。この入力装置1により、システムへのログイン、本システムへの電子データの登録操作などを行う。表示装置2は、種々の出力情報や入力装置1からの入力された情報などを表示出力させる。CPU3は、種々のプログラムを動作させる。メモリ4は、プログラム自身を保持し、またそのプログラムがCPU3によって実行されるときに一時的に作成される情報等を保持する。記憶装置5は、プログラムやプログラム実行時の一時的な情報等を保持する。媒体駆動装置6は、プログラムやデータ等を記憶した記録媒体を装着してそれらを読み込み、メモリ4または記憶装置5へ格納するのに用いられる。また、直接データの入出力やプログラム実行するのに使ってもよい。ネットワークインターフェース7は、コンピュータ装置とネットワーク400とを接続するためのものである。バス8は、上記各部を接続する。
【0043】
図7は、本検認システムにおけるサーバ100の機能構成を示すブロック図である。サーバ100は、制御部10、電子データ登録部20、電子データ認証部30、検認実行者認証部40、電子検認部50および入出力部60の機能を備えて構成されており、これらはコンピュータプログラムとして記憶装置5に記憶され、メモリ4へロードされ、CPU3により実行する。また、入出力部60は、ネットワークインターフェース7を通じて、検認装置200及び他の周辺機器との情報の送受信を行う。
【0044】
また、サーバ100は、データベース80(電子データ記憶部82、検認権限者情報管理記憶部84)を記憶装置5に保持する。
【0045】
電子データ記憶部82は、検認対象となる文書や図面類の電子データを保持・管理する。ここで、本システムにおいては、この電子データ記憶部82に保持された電子データが、検認処理終了後に「正」として保持、管理される。
【0046】
検認権限者情報管理記憶部84は、電子データ記憶部82に保持され、検認待ち状態となっている所定の電子データにアクセスして検認処理を実行可能な検認権限者の情報(検認権限者情報)を保持、管理する。検認権限者情報としては、例えばユーザIDやパスワード、氏名、所属、電話番号などの種々のユーザデータが登録、保持されている。また、検認権限者情報管理記憶部84には、電子データを検認可能な検認権限者の指紋情報も登録、保持されている。
【0047】
制御部10は、検認装置200及びその他の周辺機器500からの種々の情報、要求を入出力部60で受け、その要求を各処理部で処理した結果を、入出力部60を経て要求元の検認装置200やその他の周辺機器500へ送り出すまでの全体を制御する。
【0048】
電子データ登録部20は、検認を必要とする文書、図面類の電子データを登録する。これらの電子データの内容は、電子データ記憶部82に格納される。
【0049】
電子データ認証部30は、検認装置200の認識ID読み取り装置120で読み取られてサーバ100に送出された電子データ認識IDに基づいて電子データ記憶部82に保持された電子データを照合して、検認対象となる電子データを特定し、認証する。そして、電子データが認証した場合には、電子データ認証情報を形成する。この電子データ認証情報は、制御部10を介して入出力部60から検認装置200へ出力される。
【0050】
検認実行者認証部40は、検認実行者が入力装置1により入力した検認実行者情報と、検認装置200の認識ID読み取り装置120で読み取られてサーバ100に送出された検認権限者IDとを照合する。そして、検認実行者情報と検認権限者IDとが一致した場合のみ、検認実行者が検認権限者であると認証し、検認実行者が検認権限者であると認証した旨の検認実行者認証情報を形成する。ここで形成された検認実行者認証情報は、制御部10を介して入出力部60から検認装置200へ出力される。
【0051】
また、検認実行者の認証に失敗した場合、すなわち、検認実行者情報と検認権限者情報とが一致しない場合には、エラー情報を形成する。形成されたエラー情報は、制御部10を介して入出力部60から検認装置200へ出力される
【0052】
さらに、検認実行者認証部40では、指紋読み取り装置150で読み取った検認実行者指紋情報と検認権限者情報管理記憶部84に保持されている検認権限者の指紋情報とを照合する。そして、検認実行者の指紋と検認権限者の指紋情報とが一致した場合のみ、検認権限者として認証された検認実行者が確実に検認権限者本人であるという本人性を認証し、検認実行者の本人性を認証した旨の本人認証情報を形成する。ここで形成された本人認証情報は、制御部10を介して入出力部60から検認装置200へ出力される。
【0053】
また、本人認証に失敗した場合、すなわち検認実行者の指紋と検認権限者の指紋情報とが一致しない場合には、エラー情報を形成する。形成されたエラー情報は、制御部10を介して入出力部60から検認装置200へ出力される。
【0054】
電子検認部50は、入出力部60を経て検認装置200からの電子検認を実行する旨の電子検認指示情報が入力されると、検認対象物である電子データに対して電子認証、すなわち、検認対象物の電子データに電子検認データを埋め込む、または関連づける処理を自動的に行う。
【0055】
入出力部60は、ケーブル300、ネットワーク400を介して検認装置200及び他の周辺機器500からの種々の情報、要求を受信する。また、各処理部で作成された結果をケーブル300を介して検認装置200へ戻し、各種の情報をネットワーク400を介して周辺機器500へ送信する。
【0056】
図8は、本実施の形態に係る検認システムにおいて実行される処理のフローチャートである。以下、図8を参照しながら本実施の形態に係る検認システムにおける実行フローを説明する。
【0057】
まず、検認を必要とする検認対象物である文書・図面類を、検印欄を含んだ形式でコンピュータを利用して電子的に作成し、該検認対象物を電子データとしてサーバ100に登録する(S101)。また、このとき、検認対象物の電子データや検認権限者情報を特定する固有の認識ID33を登録する。電子データの登録は電子データ登録部20により処理され、電子データ記憶部82に格納される。また、認識ID33は、検認権限者情報管理記憶部84に格納される。
【0058】
次に、作成者はサーバ100に登録した検認対象物となる電子データをサーバ100からプリンタにより検認書類31として印刷する(S102)。このとき、検認書類31の検印欄32の近傍に、サーバ100が管理する検認対象物の電子データや検認権限者情報を特定する認識ID33を印刷する。認識ID33は、電子データ記憶部82及び検認権限者情報管理記憶部84を参照して、符号化された情報としてテキストで、または2次元バーコードなどのバーコードで検認書類31に印刷する。
【0059】
次に、作成者は、検認書類31を検認権限者へ提出して検認申請を行う(S103)。検認権限者は、紙ベースで提出された検認書類31の内容を確認・照査(S104)する。
【0060】
検認権限者は、検認書類31の確認・照査の結果、問題がある場合(No)には、作成者に対して検認対象物の修正、再作成等の指示を出し、作成者は、検認対象物の修正、再作成等を行う。
【0061】
また、検認権限者は、検認書類31の確認・照査の結果、問題がない場合(Yes)には、検認処理を行う。検認処理を行うために、検認実行者である検印権限者は、まずサーバ100の入力装置1から検認実行者情報、例えば個人IDとパスワードを入力して検認システムにアクセスして検認装置200を起動し(S116、S117)、検認装置200の所有者本人であることの個人認証を行う(S118)。検認装置200は、個人固有の印判装置であるため、検認装置200と検認実行者の照合が必要となるためである。ここで、個人認証に失敗した場合には、表示装置2にエラー表示が表示される(S119)。
【0062】
次に、検認装置200の印判面115を検認書類31の検印欄32に合わせて押し当てる(S105)。なお、この時点では、検認装置200の有する印影印刷動作を規制するロック機構、すなわちスペーサ160により、該検認装置200の印判面115が直接検認書類31の紙面に接触することはなく、印判面115は紙面から所定の距離だけ離間した状態とされている。
【0063】
ここで、検認装置200の認識ID読み取り装置120は、検印欄32近傍に印刷された認識ID33である電子データ認識IDと検認権限者IDを読み取る(S106)。そして、検認装置200は、認識IDを正常に読み取れたか否かを位置制御インジケータ130に表示する。認識ID読み取り装置120が認識ID33を正常に読み取れている場合には位置制御インジケータ130は、例えば青色に点灯する(S107)。
【0064】
また、認識ID読み取り装置120が認識ID33を正常に読み取れていない場合には、位置制御インジケータ130は、エラー表示として例えば赤色に点灯し、読み取り位置の変更などによる再読み取りを促す。
【0065】
また、本人認証を一層厳密に行う場合ために、検認装置200に設けられた指紋読み取り装置により検認実行者の例えば親指の指紋を読み取り(S108)、検認実行者の本人認証を検認の都度、実施する。すなわち、検認実行者が検認装置200を持ち上げた際に、取っ手部170に設けられた指紋読み取り装置150が検認実行者の指紋を読み取る。ここで読み取られた検認実行者の指紋は、検認装置200の制御機能を介して検認実行者指紋情報として、認識ID33である電子データ認識情報、検認実行者情報とともにサーバ100に対して送信される(S109)。
【0066】
サーバ100の電子データ認証部30では、検認装置200から入力された電子データ認識IDに基づいて、電子データ記憶部82に保持された電子データを照合して検認対象となる電子データを特定し、認証する(S110)。そして、電子データを認証した場合には、電子データ認証情報を形成し、制御部10を介して入出力部60から検認装置200へ出力する。これにより、印影検認される内容と電子検認される電子データの整合性を保証することができ、信頼性の高い検認を実現可能である。
【0067】
また、電子データの認証に失敗した場合には、エラー情報を形成し、該エラー情報を制御部10を介して入出力部60から検認装置200へ出力する。
【0068】
また、サーバ100の検認実行者認証部40では、まず、検認実行者により入力された検認実行者情報、例えば個人IDとパスワードと、認識ID読み取り装置120で読み取られた検認権限者IDとを照合する(S110)。そして、検認実行者情報と検認権限者IDとが一致した場合のみ、検認実行者が検認権限者であると認証し、検認実行者を検認権限者であると認証した旨の検認実行者認証情報を形成する。これにより、正当な検認実行者のみが検認処理を実行可能とする検認実行者の本人性を保証することができ、信頼性の高い検認を可能とする。
【0069】
形成した検認実行者認証情報は、制御部10を介して入出力部60から検認装置200へ出力する。また、検認実行者認証に失敗した場合、すなわち、検認実行者情報と検認権限者情報とが一致しない場合には、エラー情報を形成し、制御部10を介して入出力部60から検認装置200へ出力する。
【0070】
また、サーバ100の検認実行者認証部40では、次に指紋読み取り装置150で読み取った検認実行者指紋情報と検認権限者情報管理記憶部84に保持されている検認権限者の指紋情報とを照合する(S110)。そして、検認実行者の指紋と検認権限者の指紋情報とが一致した場合のみ、検認実行者の本人性を認証し、検認実行者の本人性を認証した旨の本人認証情報を形成する。これにより、検認権限者として認証された検認実行者が確実に検認権限者本人であるという本人性を保証することができるため、更に厳密に検認実行者の本人性を保証することができ、より信頼性の高い検認を可能とする。
【0071】
形成した本人認証情報は、制御部10を介して入出力部60から検認装置200へ出力する。また、本人認証に失敗した場合、すなわち検認実行者の指紋と検認権限者の指紋情報とが一致しない場合には、エラー情報を形成し、制御部10を介して入出力部60から検認装置200へ出力する。
【0072】
検認装置200では、電子データ認証情報、検認実行者認証情報および本人認証情報を受け取った場合には、検認準備が整った旨の、すなわち印影印刷が許可された旨の表示として検認制御インジケータ140を例えば青色に点灯する(S111)。また、これと同時に、ロック解除信号を生成し、スペーサ160のロック状態を解除する。ここで初めて検認装置200は検認書類31に対して印影印刷が実行可能な状態となる。これにより、所定の条件を満たさない限り検認処理が行えないため、信頼性の高い検認を実現できる。
【0073】
また、検認装置200は、前述の3つの認証情報の代わりにエラー情報を受け取った場合には、検認準備が整えられなかった旨の、すなわち印影印刷が許可されなかった旨のエラー表示として検認制御インジケータ140を例えば赤色に点灯する(S120)。
【0074】
検認実行者は、検認準備が整ったことを確認して、すなわち検認制御インジケータが青色に点灯していることを確認して、検認装置200を押し下げることで印判装置110により、例えば図9に示すように検認書類31の検印欄32に検認実行者(検認権限者)の印影34を印刷する。
【0075】
また、検認装置200の押し下げと同時に、検認装置200のセンサ機構により印影印刷の完了を検知し、検認装置200の制御機能において電子検認を実行する旨の電子検認指示情報を形成し、サーバ100に対して出力する(S113)。すなわち、電子検認実行のための情報がサーバ100に対して送出される。
【0076】
サーバ100では、電子検認指示情報を受信すると、電子検認部50において検認対象物の電子データに対して電子検認処理、すなわち検認対象物の電子データに電子検認データを埋め込む、または関連づける処理を自動的に行う(S114)。
【0077】
そして、電子検認が終了するとサーバ100では電子検認終了情報が形成され、検認装置200に戻される。検認装置200では、電子検認終了情報を受けて検認処理の終了を検認実行者(検認権限者)に通知する(S115)。検認処理終了の通知は、例えば検認制御インジケータ140を青色点滅させる方法や、ビープ音を複数回鳴らすなど、種々の手法を用いることができる。
【0078】
なお、上記においては、電子データ記憶ユニットと電子検認ユニットとをサーバ100にて実現しているが、本発明はこれに限定されることなく、上記の機能を実現可能な種々な手法を用いることが可能である。すなわち、電子検認ユニットとしては、市販の電子文書・図面管理システムなどの電子検認機能を利用して実現することが可能である。
【0079】
以上において説明したように、上述した検認システムは、紙ベースの印判による印影検認を行うことにより電子検認を自動的に実施するものである。したがって、検認実行者は、印影検認という検認処理行為を実行するだけで、紙ベースの印影印刷による検認と電子データにおける電子検認とを一括して行うことが可能である。
【0080】
したがって、この検認システムによれば、検認実行者は、紙ベースの印影印刷による検認と電子データへの電子検認という重複する検認行為から開放され、簡便且つタイムリーに検認処理を実行することが可能である。そして、重複する検認行為により発生していた無駄な手間と時間を他の業務等に有効に活用することが可能である。
【0081】
また、この検認システムによれば、正当な検認権限者のみが検認処理行為を実行可能とすることができるため、正当な検認権限者本人による確実な検認が保証され、信頼性の高い検認が保証される。また、これにより代行者が不要となるため代行費用が発生することもない。
【0082】
そして、上記の検認システムによれば、印影検認される書類の内容と電子検認される電子データとの一致性が認証された場合のみ検認処理行為を実行可能とすることができるため、紙ベースでの検認内容と電子検認された電子データの整合性が保証された信頼性の高い検認を実現可能である。
【0083】
なお、本発明に係る検認装置は、従来公知の電子文書・図面管理システムなどの電子検認機能やデータベース機能を利用して上述したような効果を実現するものである。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、紙ベースの印影印刷による検認と、電子データにおける電子検認とを一括して行うことを可能とするため、紙ベースの印影印刷による検認と電子データへの電子検認という重複する検認行為に関わる無駄な手間と時間を無くし、簡便で効率的な、且つタイムリーな検認処理を実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る検認システムの全体構成の一例を示す構成図である。
【図2】検認対象物である電子データを印刷した検認書類を示す図である。
【図3】図2における検認欄近傍を拡大して表示した図である。
【図4】検認装置の一例を示す斜視図である。
【図5】検認装置の一例を示す正面図である。
【図6】サーバを構成するコンピュータ装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図7】検認システムにおけるサーバの機能構成を示すブロック図である。
【図8】検認システムにおいて実行される処理のフローチャートである。
【図9】検認書類の検印欄に印影印刷がなされた状態を示す図である。
【符号の説明】
1 入力装置、2 表示装置、3 CPU、4 メモリ、5 記憶装置、6 媒体駆動装置、7 ネットワークインターフェース、8 バス、10 制御部、20 電子データ登録部、30 電子データ認証部、40 検認実行者認証部、50 電子検認部、60 入出力部、80 データベース、82 電子データ記憶部、84 検認権限者情報管理記憶部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、企業内業務や行政業務などの分野に広く利用可能な検認装置および検認システムに関し、特に紙ベースでの人間系での検認行為を行うことにより検認対象物の電子データ情報が自動的に電子検認されることを可能とする検認装置および検認システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の文書・図面類は、ワープロなどのOAツールやCADなどの作図ツールを用いてコンピュータにより電子的に作成されることがほとんどであり、従来の紙を「正」とした文書・図面類の管理から、電子データを「正」とした管理に移行しつつある。
【0003】
これに伴い、文書・図面類の「正」を保証する検認行為そのものも電子検認ワークフローなどで電子化されることが多くなっている。しかしながら、検認対象物が複数ページにわたる場合や、複数の検認対象物を相互に確認・照査しながら検認する場合は、電子検認ワークフローなどでコンピュータディスプレイの管面上に表示される検認対象物の確認・照査が困難なため、従来通り検認対象物を紙に印刷して紙ベースで確認・照査を行い、紙上に印影検認する方法がとられる。
【0004】
この場合、紙ベースで検認した後、検認対象物の電子データ対して改めて検認権限者が電子検認操作を行い、検認対象物の電子データに対して電子検認するのが従来の一般的な方法である。
【0005】
上記の方法では、検認した書類も、電子データも、いずれも「正」となり得るが、最近は前述したように紙ベースの検認は検認エビデンスとして暫定期間だけ保管され、あくまで恒久保管・利用する「正」は、電子検認された電子データとすることが多くなりつつある。
【0006】
そこで、このような紙ベースでの認証や電子認証に関する技術としては、例えば紙ベースでの認証と電子認証のどちらでも利用可能な認証書留を提供する技術があり、従来の紙ベースの認証書類も含めて電子化した際の認証書類の発行と認証されていることを保証することを目的とした技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−62803号公報(第5頁−第6頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の紙ベースでの印影検認と電子検認との併用では、検認権限者の検認行為そのものが重複作業となり、通常の職印・上長印鑑の印判による印影検認の2倍以上の手間と時間がかかることになり、タイムリーな検認行為が阻害される。
【0009】
また、上記の結果として、兼任権限者である上級マネージャーなどは多数の検認対象物の検認行為がこなせないため、電子検認操作を代行者へ委嘱することが多く見受けられる。この代行者による検認操作は、代行経費を新たに生じるだけでなく、検認権限者本人による確実な電子検認の保証性が希薄になるとともに、検認された書類の内容と電子検認された電子データの一致性も不確実なものとなる。
【0010】
そして、特許文献1では、人間系での被認証物に対する認証行為を対象とせず、認証結果物としての認証書類の発行と検証を対象としており、上述した問題を解決する技術は提案されていない。
【0011】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、紙ベースでの検認処理を行うことにより電子データの検認処理が自動的になされる効率的な検認処理を可能とする検認装置を得ることを目的としている。また、この検認装置を利用した効率的な検認処理を実現する検認システムを得ることを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためこの発明にかかる検認装置は、検認対象物である電子データに対して電子検認を行う電子検認システムに接続され、電子データの印刷書類に対して印影印刷による印影検認処理を実行する検認装置であって、電子データの印刷書類に対して印影印刷を行う印影印刷部と、印影印刷部による印影印刷の完了を検知して、電子検認を実行する旨の電子検認指示情報を形成する電子検認指示情報形成部とを備えることを特徴とする。
【0013】
この発明に係る検認装置によれば、検認対象物である電子データの印刷書類に対して印影印刷を行うと、印影印刷の完了を検知して電子検認を実行する旨の電子検認指示情報を形成し、外部の電子検認システムに出力する。そして、電子検認指示情報を受け取った電子検認システムにおいては、検認対象物の電子データに対して電子検認、すなわち検認対象物の電子データに電子検認データを埋め込む、または関連づける処理を自動的に行う。
【0014】
これにより、印影印刷による紙ベースでの検認処理を行うことにより、紙ベースの印影印刷による検認と、電子データにおける電子検認とを一括して行うことができる。
【0015】
したがって、この発明に係る検認装置は、紙ベースの印影印刷による検認と、電子データにおける電子検認とを一括して行うことを可能とする。これにより、紙ベースの印影印刷による検認と電子データへの電子検認という重複する検認行為に関わる無駄な手間と時間を無くし、簡便且つタイムリーな検認処理を可能とするものである。
【0016】
なお、本発明における検認装置においては、電子検認システムは発明の範囲外であり、本発明は市販の電子文書・図面管理システムなどの電子検認機能を利用して上述した効果を実現するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる検認装置および検認システムの好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は上記の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0018】
図1は、本実施の形態に係る検認システムの全体構成を示す構成図である。本検認システムは、検認対象物である文書・図面類の電子データを保持する電子データ記憶ユニット、および電子データ記憶ユニットに保持された電子データに対して電子検認を行う電子検認ユニットとしての機能を実現する電子検認サーバ装置(以下、サーバと称する)100と、検認実行者が検認対象物である電子データを印刷した検認書類に印影印刷を行う電子検認ユニットとして検認装置200とを備えている。
【0019】
ここで、サーバ100は、汎用のコンピュータ装置により構成され、検認装置200及びプリンタなどの他の周辺機器500に接続するためのネットワークインターフェースを備える。サーバ100と検認装置200とは、各種情報の伝送路であるケーブル300により情報伝達可能に接続されている。また、サーバ100と周辺機器500とは、ネットワーク400を介して接続されている。
【0020】
本システムにおいては、検認対象物である文書・図面類の検認書類および電子データを検認する検認実行者は、上記のサーバ100および検認装置200を操作して検認処理を行う。
【0021】
図2は、検認対象物である電子データを印刷した検認書類31を示す。検認書類31においては、サーバ100が管理する検認対象物の電子データや検認権限者を特定する認識情報(以下、認識IDと称する。)33、すなわち電子データ認識IDや検認権限者IDが検印欄32の近傍に印刷されている。
【0022】
図3は、図2における検認欄近傍を拡大して表示している。図3においては、認識ID33は検印欄32の近傍に符号化された情報として2次元バーコードとして印刷されている。この2次元バーコードで印刷された認識ID33は、バーコードリーダーにより読み取る。なお、ここでは、認識ID33を2次元バーコードを利用して印刷しているが、本発明においては、認識ID33の印刷形式はこれに限定されることなく、通常のバーコードやテキスト形式により印刷することも可能である。認識ID33がテキスト形式で表示された場合には、光学式文字読み取り装置(OCR:Optical Character Reader)により読み取る。
【0023】
但し、2次元バーコードとして印刷することにより、通常のバーコードやテキスト形式で印刷する場合と比べてより多くの情報を印刷することが可能であり、また、外部から印刷した情報内容を認識されにくい。このため、認識ID33は、セキュリティの観点からは2次元バーコードで印刷することが好ましい。
【0024】
図4は、検認装置200の一例を示す斜視図である。検認装置200は、印判装置110、認識ID読み取り装置120、位置制御インジケータ130、検認制御インジケータ140、指紋読み取り装置150、スペーサ160、取っ手部170及び検認装置200内部に配されたサーバ100とのインターフェース機能を含む検認装置200の制御機能(図示せず。)から構成され、サーバ100に接続されている。
【0025】
また、検認装置200には、図5に示すように印判装置110の外周部にスペーサ160が備えられている。この検認装置200は、従来と同様に検認書類31の検印欄32に対して印影を印刷する。
【0026】
印判装置110は、通常の印判装置と同様の印判機能を有し、検認書類31の検印欄32に対して検印となる検認権限者の印影を印刷する。認識ID読み取り装置120は、検認書類31の検印欄32の近傍に印刷された認識ID33を読み取り、ここで読み取られた認識ID33は、サーバ100に対して送信される。
【0027】
位置制御インジケータ130は、印影検認を行う際に、検認書類31の検印欄32に印刷された認識ID33の位置と認識ID読み取り装置120の位置とが該認識ID33の読み取りに際して適切な位置関係にあり、認識ID33を正常に読みとれているか否かを表示するものである。
【0028】
印影印刷を行う際に、認識ID33の位置と認識ID読み取り装置120の位置とが適正な位置関係にある場合、すなわち、認識ID読み取り装置120が認識ID33を正常に読み取れている場合には位置制御インジケータ130は、例えば青色に点灯する。
【0029】
また、適正な位置関係にない場合、すなわち認識ID33の位置と認識ID読み取り装置120の位置とがずれており、認識ID読み取り装置120が認識ID33を正常に読み取れていない場合には、位置制御インジケータ130は、例えば赤色に点灯する。
【0030】
このように、位置制御インジケータ130を異なる色で点灯させることにより、認識ID読み取り装置120で認識ID33を正常に読み取れているか否かを簡便に検認実行者に知らせることが可能である。なお、これらは、検認装置200の制御機能により制御される。
【0031】
検認制御インジケータ140は、後述するように読み取った認識ID33によりサーバ100において検認書類31が検認対象物であると認証され、検認実行者が検認権限者と認証され、且つ本人認証性が得られて、検認処理、すなわち印影印刷が許可されているか否かを表示するものである。
【0032】
例えば、後述するようにサーバ100において電子データ認証、検認実行者認証および本人認証がなされた場合には、サーバ100から電子データ認証情報、検認実行者認証情報および本人認証情報が検認装置200に戻される。この場合には、検認処理、すなわち印影印刷検認が許可されているものとして検認制御インジケータ140は、例えば青色に点灯する。
【0033】
また、これらの3つの情報の代わりにエラー情報が入力された場合には、検認処理、すなわち印影印刷が許可されていないものとして検認制御インジケータ140は、例えば赤色に点灯する。
【0034】
このように、検認制御インジケータ140を異なる色で点灯させることにより、印影検認が許可されているか否かを簡便に検認実行者に知らせることが可能である。なお、これらは、検認装置200の制御機能により制御される。
【0035】
指紋読み取り装置150は、検認装置200の取っ手部170の外周面に配され、検認実行者が検認装置200を持った際に検認実行者の例えば親指の指紋を読み取るものである。ここで読み取られた検認実行者の指紋は、検認装置200の制御機能を介して検認実行者指紋情報としてサーバ100に対して送信される。
【0036】
スペーサ160は、印影印刷動作を規制するロック機構として機能するものである。通常は、スペーサ160の一部が印判装置110の印判面115から突出した状態とされており、検認装置200を検認書類31に押し当てても印判面115が検認書類31から離間した状態となるため、印影印刷をすることができない。
【0037】
そして、スペーサ160は例えば電磁的によりロックされており、所定のロック解除信号が入力された場合のみロック状態が解除されて、検認書類31に対して印影印刷をすることができるようになされている。これにより、所定の条件を満足してロック解除信号が入力されないと検認処理、すなわち検認書類31に対する印影印刷を行うことができない。なお、ロック機構は特に限定されるものではなく、機械式等、種々の手法を用いることが可能である。
【0038】
また、検認装置200には、図示しないセンサ機構(図示せず。)を備えている。このセンサ機構は、印影印刷の完了を検知するためのものであり、このセンサ機構において印影印刷の完了を検知すると、検認装置200の制御機能において電子検認を実行する旨の電子検認指示情報を形成し、サーバ100に対して出力するようになされている。このようなセンサ部は、例えば印判面やスペーサ160に感圧センサなどを配置することにより容易に実現することができる。
【0039】
また、検認装置200の制御機能は、上述した各装置の実行全体を司り、また、各種情報の入出力、サーバ100とのインターフェース機能を有するものである。また、後述するように電子検認を実行する旨の電子検認指示情報を形成し、サーバ100に対する出力を行う。
【0040】
また、後述する電子データ認証情報、検認実行者認証情報および本人認証情報がサーバ100から入力された場合のみ、上述した印影印刷動作を規制するロック機構を解除して印影印刷が可能な状態にする。
【0041】
図6は、サーバ100を構成するコンピュータ装置の概略構成の一例を示すブロック図である。このコンピュータ装置は、入力装置1、表示装置2、CPU(Central Processing Unit:中央処理ユニット)3、メモリ4、記憶装置5、媒体駆動装置6、ネットワークインターフェース7及びバス8を備えて構成されている。
【0042】
ここで、入力装置1はキーボード、マウス、タッチパネル、スキャナ等により構成され、情報の入力に使用される。この入力装置1により、システムへのログイン、本システムへの電子データの登録操作などを行う。表示装置2は、種々の出力情報や入力装置1からの入力された情報などを表示出力させる。CPU3は、種々のプログラムを動作させる。メモリ4は、プログラム自身を保持し、またそのプログラムがCPU3によって実行されるときに一時的に作成される情報等を保持する。記憶装置5は、プログラムやプログラム実行時の一時的な情報等を保持する。媒体駆動装置6は、プログラムやデータ等を記憶した記録媒体を装着してそれらを読み込み、メモリ4または記憶装置5へ格納するのに用いられる。また、直接データの入出力やプログラム実行するのに使ってもよい。ネットワークインターフェース7は、コンピュータ装置とネットワーク400とを接続するためのものである。バス8は、上記各部を接続する。
【0043】
図7は、本検認システムにおけるサーバ100の機能構成を示すブロック図である。サーバ100は、制御部10、電子データ登録部20、電子データ認証部30、検認実行者認証部40、電子検認部50および入出力部60の機能を備えて構成されており、これらはコンピュータプログラムとして記憶装置5に記憶され、メモリ4へロードされ、CPU3により実行する。また、入出力部60は、ネットワークインターフェース7を通じて、検認装置200及び他の周辺機器との情報の送受信を行う。
【0044】
また、サーバ100は、データベース80(電子データ記憶部82、検認権限者情報管理記憶部84)を記憶装置5に保持する。
【0045】
電子データ記憶部82は、検認対象となる文書や図面類の電子データを保持・管理する。ここで、本システムにおいては、この電子データ記憶部82に保持された電子データが、検認処理終了後に「正」として保持、管理される。
【0046】
検認権限者情報管理記憶部84は、電子データ記憶部82に保持され、検認待ち状態となっている所定の電子データにアクセスして検認処理を実行可能な検認権限者の情報(検認権限者情報)を保持、管理する。検認権限者情報としては、例えばユーザIDやパスワード、氏名、所属、電話番号などの種々のユーザデータが登録、保持されている。また、検認権限者情報管理記憶部84には、電子データを検認可能な検認権限者の指紋情報も登録、保持されている。
【0047】
制御部10は、検認装置200及びその他の周辺機器500からの種々の情報、要求を入出力部60で受け、その要求を各処理部で処理した結果を、入出力部60を経て要求元の検認装置200やその他の周辺機器500へ送り出すまでの全体を制御する。
【0048】
電子データ登録部20は、検認を必要とする文書、図面類の電子データを登録する。これらの電子データの内容は、電子データ記憶部82に格納される。
【0049】
電子データ認証部30は、検認装置200の認識ID読み取り装置120で読み取られてサーバ100に送出された電子データ認識IDに基づいて電子データ記憶部82に保持された電子データを照合して、検認対象となる電子データを特定し、認証する。そして、電子データが認証した場合には、電子データ認証情報を形成する。この電子データ認証情報は、制御部10を介して入出力部60から検認装置200へ出力される。
【0050】
検認実行者認証部40は、検認実行者が入力装置1により入力した検認実行者情報と、検認装置200の認識ID読み取り装置120で読み取られてサーバ100に送出された検認権限者IDとを照合する。そして、検認実行者情報と検認権限者IDとが一致した場合のみ、検認実行者が検認権限者であると認証し、検認実行者が検認権限者であると認証した旨の検認実行者認証情報を形成する。ここで形成された検認実行者認証情報は、制御部10を介して入出力部60から検認装置200へ出力される。
【0051】
また、検認実行者の認証に失敗した場合、すなわち、検認実行者情報と検認権限者情報とが一致しない場合には、エラー情報を形成する。形成されたエラー情報は、制御部10を介して入出力部60から検認装置200へ出力される
【0052】
さらに、検認実行者認証部40では、指紋読み取り装置150で読み取った検認実行者指紋情報と検認権限者情報管理記憶部84に保持されている検認権限者の指紋情報とを照合する。そして、検認実行者の指紋と検認権限者の指紋情報とが一致した場合のみ、検認権限者として認証された検認実行者が確実に検認権限者本人であるという本人性を認証し、検認実行者の本人性を認証した旨の本人認証情報を形成する。ここで形成された本人認証情報は、制御部10を介して入出力部60から検認装置200へ出力される。
【0053】
また、本人認証に失敗した場合、すなわち検認実行者の指紋と検認権限者の指紋情報とが一致しない場合には、エラー情報を形成する。形成されたエラー情報は、制御部10を介して入出力部60から検認装置200へ出力される。
【0054】
電子検認部50は、入出力部60を経て検認装置200からの電子検認を実行する旨の電子検認指示情報が入力されると、検認対象物である電子データに対して電子認証、すなわち、検認対象物の電子データに電子検認データを埋め込む、または関連づける処理を自動的に行う。
【0055】
入出力部60は、ケーブル300、ネットワーク400を介して検認装置200及び他の周辺機器500からの種々の情報、要求を受信する。また、各処理部で作成された結果をケーブル300を介して検認装置200へ戻し、各種の情報をネットワーク400を介して周辺機器500へ送信する。
【0056】
図8は、本実施の形態に係る検認システムにおいて実行される処理のフローチャートである。以下、図8を参照しながら本実施の形態に係る検認システムにおける実行フローを説明する。
【0057】
まず、検認を必要とする検認対象物である文書・図面類を、検印欄を含んだ形式でコンピュータを利用して電子的に作成し、該検認対象物を電子データとしてサーバ100に登録する(S101)。また、このとき、検認対象物の電子データや検認権限者情報を特定する固有の認識ID33を登録する。電子データの登録は電子データ登録部20により処理され、電子データ記憶部82に格納される。また、認識ID33は、検認権限者情報管理記憶部84に格納される。
【0058】
次に、作成者はサーバ100に登録した検認対象物となる電子データをサーバ100からプリンタにより検認書類31として印刷する(S102)。このとき、検認書類31の検印欄32の近傍に、サーバ100が管理する検認対象物の電子データや検認権限者情報を特定する認識ID33を印刷する。認識ID33は、電子データ記憶部82及び検認権限者情報管理記憶部84を参照して、符号化された情報としてテキストで、または2次元バーコードなどのバーコードで検認書類31に印刷する。
【0059】
次に、作成者は、検認書類31を検認権限者へ提出して検認申請を行う(S103)。検認権限者は、紙ベースで提出された検認書類31の内容を確認・照査(S104)する。
【0060】
検認権限者は、検認書類31の確認・照査の結果、問題がある場合(No)には、作成者に対して検認対象物の修正、再作成等の指示を出し、作成者は、検認対象物の修正、再作成等を行う。
【0061】
また、検認権限者は、検認書類31の確認・照査の結果、問題がない場合(Yes)には、検認処理を行う。検認処理を行うために、検認実行者である検印権限者は、まずサーバ100の入力装置1から検認実行者情報、例えば個人IDとパスワードを入力して検認システムにアクセスして検認装置200を起動し(S116、S117)、検認装置200の所有者本人であることの個人認証を行う(S118)。検認装置200は、個人固有の印判装置であるため、検認装置200と検認実行者の照合が必要となるためである。ここで、個人認証に失敗した場合には、表示装置2にエラー表示が表示される(S119)。
【0062】
次に、検認装置200の印判面115を検認書類31の検印欄32に合わせて押し当てる(S105)。なお、この時点では、検認装置200の有する印影印刷動作を規制するロック機構、すなわちスペーサ160により、該検認装置200の印判面115が直接検認書類31の紙面に接触することはなく、印判面115は紙面から所定の距離だけ離間した状態とされている。
【0063】
ここで、検認装置200の認識ID読み取り装置120は、検印欄32近傍に印刷された認識ID33である電子データ認識IDと検認権限者IDを読み取る(S106)。そして、検認装置200は、認識IDを正常に読み取れたか否かを位置制御インジケータ130に表示する。認識ID読み取り装置120が認識ID33を正常に読み取れている場合には位置制御インジケータ130は、例えば青色に点灯する(S107)。
【0064】
また、認識ID読み取り装置120が認識ID33を正常に読み取れていない場合には、位置制御インジケータ130は、エラー表示として例えば赤色に点灯し、読み取り位置の変更などによる再読み取りを促す。
【0065】
また、本人認証を一層厳密に行う場合ために、検認装置200に設けられた指紋読み取り装置により検認実行者の例えば親指の指紋を読み取り(S108)、検認実行者の本人認証を検認の都度、実施する。すなわち、検認実行者が検認装置200を持ち上げた際に、取っ手部170に設けられた指紋読み取り装置150が検認実行者の指紋を読み取る。ここで読み取られた検認実行者の指紋は、検認装置200の制御機能を介して検認実行者指紋情報として、認識ID33である電子データ認識情報、検認実行者情報とともにサーバ100に対して送信される(S109)。
【0066】
サーバ100の電子データ認証部30では、検認装置200から入力された電子データ認識IDに基づいて、電子データ記憶部82に保持された電子データを照合して検認対象となる電子データを特定し、認証する(S110)。そして、電子データを認証した場合には、電子データ認証情報を形成し、制御部10を介して入出力部60から検認装置200へ出力する。これにより、印影検認される内容と電子検認される電子データの整合性を保証することができ、信頼性の高い検認を実現可能である。
【0067】
また、電子データの認証に失敗した場合には、エラー情報を形成し、該エラー情報を制御部10を介して入出力部60から検認装置200へ出力する。
【0068】
また、サーバ100の検認実行者認証部40では、まず、検認実行者により入力された検認実行者情報、例えば個人IDとパスワードと、認識ID読み取り装置120で読み取られた検認権限者IDとを照合する(S110)。そして、検認実行者情報と検認権限者IDとが一致した場合のみ、検認実行者が検認権限者であると認証し、検認実行者を検認権限者であると認証した旨の検認実行者認証情報を形成する。これにより、正当な検認実行者のみが検認処理を実行可能とする検認実行者の本人性を保証することができ、信頼性の高い検認を可能とする。
【0069】
形成した検認実行者認証情報は、制御部10を介して入出力部60から検認装置200へ出力する。また、検認実行者認証に失敗した場合、すなわち、検認実行者情報と検認権限者情報とが一致しない場合には、エラー情報を形成し、制御部10を介して入出力部60から検認装置200へ出力する。
【0070】
また、サーバ100の検認実行者認証部40では、次に指紋読み取り装置150で読み取った検認実行者指紋情報と検認権限者情報管理記憶部84に保持されている検認権限者の指紋情報とを照合する(S110)。そして、検認実行者の指紋と検認権限者の指紋情報とが一致した場合のみ、検認実行者の本人性を認証し、検認実行者の本人性を認証した旨の本人認証情報を形成する。これにより、検認権限者として認証された検認実行者が確実に検認権限者本人であるという本人性を保証することができるため、更に厳密に検認実行者の本人性を保証することができ、より信頼性の高い検認を可能とする。
【0071】
形成した本人認証情報は、制御部10を介して入出力部60から検認装置200へ出力する。また、本人認証に失敗した場合、すなわち検認実行者の指紋と検認権限者の指紋情報とが一致しない場合には、エラー情報を形成し、制御部10を介して入出力部60から検認装置200へ出力する。
【0072】
検認装置200では、電子データ認証情報、検認実行者認証情報および本人認証情報を受け取った場合には、検認準備が整った旨の、すなわち印影印刷が許可された旨の表示として検認制御インジケータ140を例えば青色に点灯する(S111)。また、これと同時に、ロック解除信号を生成し、スペーサ160のロック状態を解除する。ここで初めて検認装置200は検認書類31に対して印影印刷が実行可能な状態となる。これにより、所定の条件を満たさない限り検認処理が行えないため、信頼性の高い検認を実現できる。
【0073】
また、検認装置200は、前述の3つの認証情報の代わりにエラー情報を受け取った場合には、検認準備が整えられなかった旨の、すなわち印影印刷が許可されなかった旨のエラー表示として検認制御インジケータ140を例えば赤色に点灯する(S120)。
【0074】
検認実行者は、検認準備が整ったことを確認して、すなわち検認制御インジケータが青色に点灯していることを確認して、検認装置200を押し下げることで印判装置110により、例えば図9に示すように検認書類31の検印欄32に検認実行者(検認権限者)の印影34を印刷する。
【0075】
また、検認装置200の押し下げと同時に、検認装置200のセンサ機構により印影印刷の完了を検知し、検認装置200の制御機能において電子検認を実行する旨の電子検認指示情報を形成し、サーバ100に対して出力する(S113)。すなわち、電子検認実行のための情報がサーバ100に対して送出される。
【0076】
サーバ100では、電子検認指示情報を受信すると、電子検認部50において検認対象物の電子データに対して電子検認処理、すなわち検認対象物の電子データに電子検認データを埋め込む、または関連づける処理を自動的に行う(S114)。
【0077】
そして、電子検認が終了するとサーバ100では電子検認終了情報が形成され、検認装置200に戻される。検認装置200では、電子検認終了情報を受けて検認処理の終了を検認実行者(検認権限者)に通知する(S115)。検認処理終了の通知は、例えば検認制御インジケータ140を青色点滅させる方法や、ビープ音を複数回鳴らすなど、種々の手法を用いることができる。
【0078】
なお、上記においては、電子データ記憶ユニットと電子検認ユニットとをサーバ100にて実現しているが、本発明はこれに限定されることなく、上記の機能を実現可能な種々な手法を用いることが可能である。すなわち、電子検認ユニットとしては、市販の電子文書・図面管理システムなどの電子検認機能を利用して実現することが可能である。
【0079】
以上において説明したように、上述した検認システムは、紙ベースの印判による印影検認を行うことにより電子検認を自動的に実施するものである。したがって、検認実行者は、印影検認という検認処理行為を実行するだけで、紙ベースの印影印刷による検認と電子データにおける電子検認とを一括して行うことが可能である。
【0080】
したがって、この検認システムによれば、検認実行者は、紙ベースの印影印刷による検認と電子データへの電子検認という重複する検認行為から開放され、簡便且つタイムリーに検認処理を実行することが可能である。そして、重複する検認行為により発生していた無駄な手間と時間を他の業務等に有効に活用することが可能である。
【0081】
また、この検認システムによれば、正当な検認権限者のみが検認処理行為を実行可能とすることができるため、正当な検認権限者本人による確実な検認が保証され、信頼性の高い検認が保証される。また、これにより代行者が不要となるため代行費用が発生することもない。
【0082】
そして、上記の検認システムによれば、印影検認される書類の内容と電子検認される電子データとの一致性が認証された場合のみ検認処理行為を実行可能とすることができるため、紙ベースでの検認内容と電子検認された電子データの整合性が保証された信頼性の高い検認を実現可能である。
【0083】
なお、本発明に係る検認装置は、従来公知の電子文書・図面管理システムなどの電子検認機能やデータベース機能を利用して上述したような効果を実現するものである。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、紙ベースの印影印刷による検認と、電子データにおける電子検認とを一括して行うことを可能とするため、紙ベースの印影印刷による検認と電子データへの電子検認という重複する検認行為に関わる無駄な手間と時間を無くし、簡便で効率的な、且つタイムリーな検認処理を実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る検認システムの全体構成の一例を示す構成図である。
【図2】検認対象物である電子データを印刷した検認書類を示す図である。
【図3】図2における検認欄近傍を拡大して表示した図である。
【図4】検認装置の一例を示す斜視図である。
【図5】検認装置の一例を示す正面図である。
【図6】サーバを構成するコンピュータ装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図7】検認システムにおけるサーバの機能構成を示すブロック図である。
【図8】検認システムにおいて実行される処理のフローチャートである。
【図9】検認書類の検印欄に印影印刷がなされた状態を示す図である。
【符号の説明】
1 入力装置、2 表示装置、3 CPU、4 メモリ、5 記憶装置、6 媒体駆動装置、7 ネットワークインターフェース、8 バス、10 制御部、20 電子データ登録部、30 電子データ認証部、40 検認実行者認証部、50 電子検認部、60 入出力部、80 データベース、82 電子データ記憶部、84 検認権限者情報管理記憶部。
Claims (12)
- 検認対象物である電子データに対して電子検認を行う電子検認システムに接続され、前記電子データの印刷書類に対して印影印刷による印影検認処理を実行する検認装置であって、
前記電子データの印刷書類に対して印影印刷を行う印影印刷部と、
前記印影印刷部による印影印刷の完了を検知して、電子検認を実行する旨の電子検認指示情報を形成する電子検認指示情報形成部と
を備えることを特徴とする検認装置。 - 前記印刷書類に印刷された情報を読み取る情報読み取り部を備えること
を特徴とする請求項1に記載の検認装置。 - 前記情報が前記電子データを特定する電子データ認識情報であることを特徴とする請求項2に記載の検認装置。
- 前記情報が印影印刷可能な検認権限者を特定する検認権限者情報であることを特徴とする請求項2に記載の検認装置。
- 前記印影検認処理を実行する検認実行者の指紋を読み取る指紋読み取り部を備えることを特徴とする請求項1に記載の検認装置。
- 前記印影印刷部による印影印刷を規制するロック機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の検認装置。
- 検認対象物である電子データを保持する電子データ記憶部と、各種情報を入出力する入出力部とを備える電子データ記憶ユニットと、
前記電子データの印刷書類に対して印影印刷を行う印影印刷部と、前記印影印刷の完了を検知して電子検認を実行する旨の電子検認指示情報を形成する電子検認指示情報形成部と、各種情報を入出力する入出力部とを備え、印影印刷による印影検認処理を実行する印影検認ユニットと、
前記電子検認指示情報が入力されると前記電子データに対して電子検認処理を行う電子検認部と、各種情報を入出力する入出力部とを備え、電子検認処理を実行する電子検認ユニットとを備え、
前記各ユニットの入出力部が情報伝達可能に接続されていることを特徴とする検認システム。 - 前記印影検認ユニットが、前記印刷書類に印刷された情報を読み取る情報読み取り部を備えることを特徴とする請求項7に記載の検認システム。
- 前記情報が前記電子データを特定する電子データ認識情報であり、
前記電子検認ユニットが、前記情報読み取り部で読み取った前記電子データ認識情報に基づいて前記電子データ記憶ユニットに保持された検認対象となる電子データの特定、認証を行う電子データ認証部を備えること
を特徴とする請求項8に記載の検認システム。 - 前記情報が印影印刷可能な検認権限者を特定する検認権限者情報であり、
前記電子検認ユニットが、
前記印影印刷による印影検認を実行する検認実行者が検認実行者情報を入力する入力部と、
前記情報読み取り部で読み取った前記検認権限者情報と前記検認実行者情報とを照合して前記検認権限者情報と検認実行者情報とが一致した場合のみ前記印刷書類に対する印影印刷を許可する検認実行者認証部と
を備えることを特徴とする請求項8に記載の検認システム。 - 前記印影検認ユニットが、前記印影印刷による印影検認を実行する検認実行者の指紋を読み取る指紋読み取り部を備え、
前記電子検認ユニットが、
前記電子データを検認可能な検認権限者の指紋情報を管理する指紋管理部と、
前記指紋読み取り部で読み取った検認実行者の指紋と前記検認権限者の指紋情報とを照合して前記検認実行者の指紋と検認権限者の指紋情報とが一致した場合のみ前記印刷書類に対する印影印刷を許可する検認実行者認証部と、を備えること
を特徴とする請求項7に記載の検認システム。 - 前記印影検認ユニットが、印影印刷動作を規制するロック機構を備えることを特徴とする請求項7に記載の検認システム。
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JP2009140024A (ja) * | 2007-12-03 | 2009-06-25 | Sharp Corp | 捺印装置、捺印システム、捺印装置の制御方法、捺印プログラム、記録媒体 |
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2003
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