JP2004333990A - 基板圧着方法、基板圧着装置及び圧着による接合基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】大型の基板を分割することによって、接合基板の生産効率を向上させると共に、上下の基板間のアライメント精度を高め、かつプレス時におけるシールパスの発生をより確実に防止できるようにする。
【解決手段】定盤12上に設置された下部プレス板10には1枚の下基板1が載置され、この下基板1に対して2分割した上基板2のうちの1枚を第2のロボットハンド31の吸着板33で下基板1の上部に移動させて、アライメント用光学系34によりアライメントして、下基板1上に重ね合わせ、上部プレス板11を下降させて、加熱下で加圧することにより上基板2を接合させ、次いで下基板1を1ピッチ分送り、他の1枚の上基板2を下基板1上に対してアライメントした上で重ね合わせて、上部プレス板11により上基板2に加熱・加圧して、接合基板4を得る。
【選択図】 図4
【解決手段】定盤12上に設置された下部プレス板10には1枚の下基板1が載置され、この下基板1に対して2分割した上基板2のうちの1枚を第2のロボットハンド31の吸着板33で下基板1の上部に移動させて、アライメント用光学系34によりアライメントして、下基板1上に重ね合わせ、上部プレス板11を下降させて、加熱下で加圧することにより上基板2を接合させ、次いで下基板1を1ピッチ分送り、他の1枚の上基板2を下基板1上に対してアライメントした上で重ね合わせて、上部プレス板11により上基板2に加熱・加圧して、接合基板4を得る。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネル、プラズマディスプレイパネル、ELディスプレイパネル等のパネル式のディスプレイ装置として用いられる上下2枚の基板の重ね合せて圧着したディスプレイパネル用の接合基板の圧着方法及び圧着装置に関するものであり、特に多数の接合基板を同時に形成するために、上下2枚の基板の間が位置ずれすることなく正確に重ね合せて圧着できる方法および装置と、これら2枚の基板を接合させたディスプレイ用接合基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、カラーTFT(Thin Film Transistor)液晶パネルは、TFT基板とカラーフィルタとからなる上下2枚の基板を接合したものからなり、両基板間には液晶が封入されている。これら2枚の接合基板間に液晶封入領域を形成するために、TFT基板とカラーフィルタとの間に液晶封入領域の区画壁となるシール材を介装して、所定のギャップを持たせるようにして重ね合せて、シール材を硬化させる。これが液晶セルであって、この液晶セルの液晶封入領域に液晶を充填すると共に、基板にドライバIC等を搭載した回路基板が接続される。
【0003】
ところで、前述した液晶セルを製造するに当って、製造効率を上げるために、上下の基板を重ね合せて、シール材を硬化させるまでは、複数の液晶セルが形成された大判の基板を用い、シール材を加熱により完全に硬化させた後に、この基板を分割するようにしている。即ち、上下の基板のうち、例えば下基板に液晶注入口の部位を欠落させた方形枠状の液晶封入空間を区画形成するシール材のパターンを縦横に複数箇所設けておき、この下基板に対して上基板をアライメントし、次いでこれら上下の基板を重ね合せ、次いで重ね合せた基板をプレス手段によって上下から加圧することにより両基板間に所定のギャップを形成し、かつシール材を加熱することにより硬化させる。
【0004】
正確なギャップ形成を行うために、当初においてはシール材の厚みをこのギャップ分の寸法より大きくなし、プレスによる圧着時に重ね合せ基板に作用する加圧力によってシール材を圧縮する。また、圧着時にはシール材を加熱させることから、シール材に含まれる溶剤が熱の作用で気化することになる。このために、重ね合せ基板に形成されるシール材により囲まれた液晶封入空間の圧力が上昇する。シール材は、後に液晶を封入するための液晶注入口を開口させているので、この液晶封入空間内の圧力は液晶注入口から開放されることになる。しかしながら、プレス時に急激な加圧及び加熱を行うと、液晶注入口からの排気が円滑に行なわれず、未硬化のシール材に過大な圧力が作用して、このシール材による区画壁が破壊される、所謂シールパスが発生することになる。
【0005】
そこで、このシールパスの発生を防止するために、プレス時に重ね合せた基板を減圧空間内に位置させることによって、液晶封入空間内等からの排気を促進するようにしたものは、従来から知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−214589号公報(第5頁〜第7頁、図3〜図7)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述したようにすれば、上下の基板をプレスして圧着する時のシールパスの発生を抑制するのに有効ではあるが、シール材のパターンがより複雑になると、つまり基板のサイズを大きくする場合や、小型の液晶セルを多数形成しようとする場合等には、減圧によっても特に中央部に位置する液晶封入空間等からの排気が十分には行われず、やはりシールパスの発生を防止できないこともある。
【0008】
また、圧着前の段階で、上下の基板をアライメントするが、このアライメントは極めて正確に行わなければならない。両基板間のアライメントのために、それぞれの基板の所定の位置にアライメントマークが設けられるが、上下の基板に形成されるアライメントマークはそれぞれ独立に印刷手段等で付されるために、このアライメントマークを付ける位置に多少の誤差が生じることを防止できない。そして、重ね合せる基板のサイズが大きくなればなるほど、上下の基板間での各アライメントマークの位置における誤差が大きくなる。その結果、アライメントマーク同士が正確に一致していたとしても、上下の基板間の重ね合せの精度が十分でなくなる。特に、液晶セル等のディスプレイパネルの高解像度に伴うファインピッチ化が進む状況下では、アライメントマークの位置のずれが僅かでも生じていると、製品としての品質低下を来たすことになる。
【0009】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、大型の基板を分割することによって、接合基板の生産効率を向上させると共に、上下の基板間のアライメント精度を高め、かつプレス時におけるシールパスの発生をより確実に防止できるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、上基板と下基板との間にシール材に囲まれた表示領域が縦横に複数存在する基板間を加熱すると共に、その間に所定のギャップが形成されるように加圧することにより圧着する方法であって、1枚の下基板に対して複数に分割された上基板を、この下基板と概略同じ形状になるようにすることをその特徴とするものである。
【0011】
ここで、上基板の分割数は2枚以上とするが、その分割数は任意である。分割された上基板は下基板に対して縦横の2方向に並べるようにすることもできるが、下基板における一方向、特に下基板の長手方向に2乃至3枚、若しくはそれ以上の枚数並べるようにする方が上基板の供給方式等が単純化できるので望ましい。また、プレスによる圧着は、予め下基板の全面に及ぶように全ての上基板を重ね合わせ、然る後に全体をプレスするようにしても良いが、アライメント後の位置ずれ防止等の観点からは、上基板を1枚ずつ順次接合させるようにするのが望ましい。
【0012】
従って、より具体的には、本発明は、シール材に囲まれた表示領域が縦横に複数存在する下基板に上基板を加熱下で加圧することにより圧着する方法であって、1枚の下基板を下部プレス部材上に載置し、複数枚に分割された1枚の上基板を前記下基板の所定の位置にアライメントして、上下のプレス部材間で熱圧着し、下部プレス部材上の下基板を前記上基板の長さに相当する距離だけピッチ送りさせて、他の上基板を前記下基板に対してアライメントし、上下のプレス部材により熱圧着するようになし、この工程を下基板に対して上基板が概略同じ形状となるまで繰り返すことをその特徴としている。
【0013】
さらに、本発明における装置発明としては、上基板と下基板との間にシール材に囲まれた表示領域が縦横に複数存在する基板間に所定のギャップが形成されるようにして、上下のプレス部材間で加熱・加圧することにより圧着させる基板圧着装置であって、前記上基板は、一方向に複数枚並べることによって前記下基板と概略同じ形状となるように分割された分割上基板を用い、前記下基板はピッチ送り手段によって、前記下部プレス部材上を前記分割上基板の並び方向の寸法毎にピッチ送りさせるようになし、前記分割上基板を前記下基板の上部位置で、アライメント手段によって、この下基板への接合領域との間でアライメントするようになし、前記ピッチ送り手段により前記下基板をピッチ送りする間に、複数枚の分割上基板を上部プレス手段で前記下基板の各々の接合領域に順次接合させる構成としたことをその特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態においては、カラーTFT型の液晶パネルを構成する液晶セルの製造について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、カラーTFT型以外の液晶セルや、プラズマディスプレイ用,EL用の表示パネル等にも適用可能なものである。
【0015】
まず、図1に上下に重ね合わせられる基板の一例を示す。同図において、1は下基板、2は上基板である。ここで、上基板2は下基板1の1/2の大きさを有する分割基板を構成するものであり、下基板1に対して、その長手方向に分割された2枚の上基板2が横並びにして重ね合わせられることになる。なお、上基板2は3以上に分割することもできる。
【0016】
下基板1には、シール材3のパターンが形成されている。シール材3のパターンとしては、液晶封入領域を区画形成するセル構成用のシール材3aと、液晶セル毎に切断する際における補強用のシール材3bとなる。セル構成用のシール材3aは一部が欠落した方形枠状となっており、このシール材3aのパターンは下基板1の縦横に多数形成されている。カラーTFT液晶パネルを構成することから、下基板1には各々の液晶封入領域内にTFTが形成される。また、上基板2は、カラーフィルタを構成するものであり、下基板1の液晶封入領域に対応する各領域にカラーフィルタが形成されている。
【0017】
2枚の上基板2は下基板1に対して順次1枚づつ重ね合わせて、加熱下で加圧することによって下基板1と上基板2との間に、図2に示したように、シール材3をある程度圧縮させて同図に仮想線で示したように、セルギャップGを形成するようにして熱硬化させた接合基板4が形成される。そして、この接合基板4は、さらに加熱炉内に導入されて、シール材3が完全に硬化するまで加熱される。その後に、接合基板4を液晶封入空間毎に切断することによって所定数の液晶セルが製造される。
【0018】
次に、図3及び図4に下基板1と上基板2とを重ね合せて、セルギャップGを形成するようにプレスする圧着装置の概略構成を示す。これらの図中において、10,11は上下のプレス板であって、下部プレス板10は下基板1と同じか、またはそれより多少大きいものであり、また上部プレス板11は上基板2と同じか、またはそれより多少大きい寸法を有する。つまり、上部プレス板11は下部プレス板10の概略半分の大きさで、後述する下基板1の移動方向の前方(図3における右半分)に位置している。なお、上部プレス板11は下部プレス板10と概略同じ形状とすることもできる。そして、上下のプレス板10,11を概略同形状とすれば、同形状の下基板と上基板とをプレスすることもでき、また上基板2を分割するにしても、同時に分割された複数の上基板2を同時にプレスすることができる。
【0019】
上部プレス板11は下部プレス板10に対して近接・離間する方向に昇降可能となっている。また、これら両プレス板10,11にはヒータが内蔵されており、このヒータによりプレス板10,11が所定の温度にまで加熱されるようになっている。また、これらプレス板10,11は1回のプレス後には温度を低下させる必要があることから、好ましくは冷却手段を備えている。そして、これらヒータ及び冷却手段によって、両プレス板10,11は基板の圧着開始から終了までの温度管理を厳格に行えるようになっている。さらに、下部プレス板10は、プレス時にはその前半分のみを加熱することから、前半分と後半分とをそれぞれ独立に加熱及び冷却できるようになし、その間に断熱部材を介在させる構成とするのが望ましい。
【0020】
図4において、下基板1は矢印A方向から圧着装置における下部プレス板10上に搬入して、この下基板1が所定の位置となるように位置決めされる。そして、上基板2は図4の矢印B方向から搬入されて、下基板1に対してアライメントした状態にして接合し、次いで上部プレス板11を下降させて、所定の圧力を作用させることにより、所定のシールギャップを形成するようになし、またこれら両プレス板10,11を加熱することによってシール材3を熱硬化させるように圧着される。その後、下基板1が矢印C方向に1ピッチ分、つまり上基板2の幅に相当する分だけピッチ送りされて、再び矢印B方向からもう1枚の上基板2が搬入されて、下基板1に対してアライメントして接合させて圧着される。これによって、1枚の下基板1に対して2枚の上基板2が接合された接合基板4が形成されて、圧着装置から排出されるようになっている。
【0021】
下部プレス板10は定盤12上に設置されており、X,Y,θ方向に、つまり同一水平面内で相互に直交する方向び回転方向に微小移動させることができるようになっている。このために、定盤12には電動モータ等からなる位置調整用アクチュエータ13X1,13X2及び13Yが設けられており、また下部プレス板10は定盤12に対して適宜箇所に設けたフローティング支持部材14を介して連結されている。位置調整用アクチュエータ13X1,13X2は下部プレス板10の長辺部分を押動するものであり、また位置調整用アクチュエータ13Yは下部プレス板10の短辺を押動するものである。従って、これら3箇所設けたアクチュエータを適宜作動させることによって、定盤12上において、下部プレス板10の水平方向において、相互に直交する方向(X,Y方向)及び回転方向(θ方向)に位置調整を行うことができるようになっている。これによって、下部プレス板10上に載置した下基板1を上基板2に倣うようにアライメントすることができるようになる。
【0022】
上部プレス板11は定盤12に立設した4本のガイドロッド15に沿って昇降可能に取り付けられており、これらのガイドロッド15の先端には支持板16が取り付けられている。そして、この支持板16と上部プレス板11が装着されている昇降板11aとの間には、この上部プレス板11を昇降駆動し、かつ重ね合わせた基板1,2間に所定の加圧力を作用させるためのジャッキ等からなるプレス駆動部材17が設けられている。
【0023】
また、定盤12の内部には基板昇降手段18が設けられている。この基板昇降手段18は、所定のストロークだけ上下動する昇降板19に多数の支持ピン20を立設したものから構成される。支持ピン20は、図5からも明らかなように、ピン本体20aの先端にばね等の弾性部材20bを介して先端部20cを装着することによって、接合基板4が載置される先端部20cは首振り自在となっている。ここで、基板昇降手段18の支持ピン20は、定盤12及び下部プレス板10に穿設したピン挿通孔21(図3)内に挿通されており、これら各支持ピン20の先端は下部プレス板10の表面とほぼ同じ高さ位置と、この下部プレス板10の表面から所定量上方に突出して、下基板1を下部プレス板10からリフトさせることができるようになっている。しかも、支持ピン20は定盤12の位置から図4の矢印C方向の前方側に1ピッチ分(上基板2の1枚分)の範囲にも及んでおり、これによって下基板1に最初の上基板2を接合した後、次の上基板2を接合させる際に、この下基板1を下支えできるようになっている。なお、下部プレス板を上部プレス板と同じサイズにする場合には、支持ピンを下部プレス板の後方側にもう1ピッチ分設けるようにする。一方、上基板を3分割する場合には、前方にさらにもう1ピッチ分設ける。
【0024】
下基板1及び上基板2の圧着装置への搬入及び下基板1のピッチ送り、さらには接合基板4の搬出を行うために、第1,第2,第3のロボットハンド30,31,32が設けられている。第1のロボットハンド30は下基板1を圧着装置の下部プレス板10上に搬入し、また1ピッチ分の送りを行うためのものである。この第1のロボットハンド30は下基板1の下面に当接するようになっている。また、第3のロボットハンド32は、接合基板4を次の工程に搬出するためのものである。そして、これら第1のロボットハンド30による下基板1の搬入及びピッチ送りと、第3のロボットハンド32による接合基板4の搬出とを行う際には、下基板1は基板昇降手段18によって下部プレス板10から持ち上げられるようになっている。そして、これら第1,第3のロボットハンド30,32は下基板1を安定した状態でハンドリングするために、この下基板1を吸着保持するようになっている。
【0025】
一方、第2のロボットハンド31は上基板2を下部プレス板10上に載置された下基板1上の位置に搬入して、その間でアライメントを行わせて、下基板1の上に載置するためのものである。そして、上基板2には、その下側の面にカラーフィルタが形成されているので、第2のロボットハンド31による上基板2のハンドリングは、それらの上面を真空吸着することにより行うようにしており、このために第2のロボットハンド31の下面には吸着板33が設けられている。さらに、この吸着板33の上面には、アライメント用光学系34が4箇所設けられている。そして、図1から明らかなように、下基板1には、8箇所のアライメントマークM1が設けられており、分割された2枚の上基板2にはそれぞれ4箇所のアライメントマークM2が設けられている。
【0026】
従って、上基板2を下基板1に対して位置合せする際には、下基板1の前方側における4箇所のアライメントマークM1と上基板2のアライメントマークM2との間の位置ずれをアライメント用光学系34で検出し、またもう1枚の上基板2を下基板1に対してアライメントする際には、アライメント用光学系34でこの下基板1の後方側における4箇所のアライメントマークM1と上基板2のアライメントマークM2との位置ずれを検出する。そして、上基板2の下基板1に対する位置ずれがあると、定盤12に設けた位置調整用アクチュエータ13X1,13X2及び13Yを適宜駆動することによって、相互の位置ずれを調整するようにアライメントされることになる。そして、上基板2を下基板1にアライメントする際には、下基板1のうち上基板2が接合されている部分は下部プレス板10には支持されておらず、支持ピン20により支持されているので、アライメントのために下基板1を動かしたときに、この下基板1と支持ピン20とが擦れないようにする必要がある。支持ピン20において、先端部20cが弾性部材20bを介してピン本体20aに連結したのはこのためであり、下基板1の移動に伴って弾性部材20cが任意の方向に変形することになる。
【0027】
以上のように構成される圧着装置を用いて、下基板1に2枚の上基板2を接合する方法について、図6及び図7に基づいて説明する。図6は1枚目の上基板2を接合する状態が、また図7には2枚目の上基板2を接合する状態が示されている。そして、これらの図においては、分割された上基板2のうち、先に接合される上基板は2F、後に接合される上基板は2Sの符号を用いる。
【0028】
まず、第1のロボットハンド30によって、下基板1が上下のプレス板10,11間に搬入する。このときには、基板昇降手段18を構成する支持ピン20を上昇させておく。従って、第1のロボットハンド30により搬送される下基板1は、図6(a)に示したように、支持ピン20の上に載置される。そして、この第1のロボットハンド30が引き戻された後に、基板昇降手段18を作動させて、支持ピン20を下部プレス板10の表面より僅かに低い位置にまで引き下げる。これによって、下基板1は下部プレス板10上に載置される。
【0029】
次に、図6(b)に示したように、上基板2Fを第2のロボットハンド31の吸着板33により吸着保持させて、下部プレス板10上に載置されている下基板1の上部位置に配置させる。そして、この吸着板33に設けたアライメント用光学系34を用いて、上基板2F及び下基板1のアライメントマークM2,M1を検出して、その間における位置ずれの有無を検出し、相互の位置がずれておれば、位置調整用アクチュエータ13X1,13X2,13Yを作動させて、下部プレス板10の位置調整を行うことによって、上下の基板1,2F間をアライメントする。その後に、第2のロボットハンド31を下降させて、下基板1の半分の領域に上基板2Fを重ね合わせた後に、第2のロボットハンド31が引き戻される。これが図6(c)に示した状態である。
【0030】
ここで、下基板1は大判であるが、上基板2Fはその半分のサイズであるから、位置合せされるアライメントマークの間隔は比較的短いものであり、誤差の発生を最小限に抑制することができる。従って、上下の基板1,2F間を極めて正確に位置合わせできる。
【0031】
そして、プレス駆動部材17を作動させて、上部プレス板11を下降させて重ね合わせた基板1,2F間を加圧すると共に、両プレス板10,11を加熱することにより圧着が行われる。この圧着時には、シール材3が圧縮され、かつ加熱されることから、このシール材3が隔壁となって、基板1,2F間の空間、特に液晶封入空間内の圧力が上昇する。しかしながら、下基板1に対して上基板2Fは半分のサイズであるから、排気が迅速かつ円滑に行われることになり、シール材3が部分的に破壊されるシールパスが発生することはない。上部プレス板11による加圧はシール材3がセルギャップGとなるように圧縮され、かつその状態である程度熱硬化するまで継続される。これによって、下基板1の前半分の領域に上基板2が接合されたことになる。
【0032】
そこで、図7(a)に示したように、上部プレス板11を上昇させた後に、基板昇降手段18を作動させて、支持ピン20で下基板1を下部プレス板10から所定の高さだけ持ち上げる。その後に、第1のロボットハンド30(または第3のロボットハンド32)を作動させて、図7(b)に示したように、下基板1の下面に当接させて、前半分に上基板2Fを接合させた下基板1を持ち上げて、1ピッチ分だけ前進させる。つまり、下基板1において、既に上基板2Fが接合されている部位を下部プレス板10から前方側に送り出す。そして、第1のロボットハンド30を退避させて、基板昇降手段18の支持ピン20を引き下げて、下基板1を下部プレス板10上に載置する。このときには、上基板2Fが既に接合されている前方部位は、下部プレス板10から外れた位置となるが、この位置には支持ピン20が配置されているので、この支持ピン20により下部プレス板10の表面とほぼ同じ高さ位置に保持される。
【0033】
そして、第2のロボットハンド31によって分割されたもう1枚の上基板2Sが搬送されて、下基板1上に配置される。そして、これらの基板1,2Sに設けたアライメントマークM1,M2を基準として位置合せを行うようになし、両基板1,2Sのアライメントが行われる。このアライメント時には、下部プレス板10が微小移動するが、下基板1の前半分は支持ピン20における首振り自在な先端部20cに当接しているので、支持ピン20が下基板1と摺動して損傷する等のおそれはない。アライメントが行われると、図7(c)に示したように、上基板2Sが下基板1上に載置される。ここで、下基板1の前半分には上基板2Fが接合されているが、この前半分の上基板2Fと後半分の上基板2Sとの間には若干の隙間が形成されるようにする。そして、第2のロボットハンド31が引き戻された後に、図7(d)に示したように、上部プレス板11を下降させて、上基板2Sを下基板1に熱圧着させる。このときにも、両基板1,2S間において、シール材3の隔壁による圧力上昇が最小限に抑制されるので、シールパス等が発生することなく、迅速かつ円滑に熱圧着がなされる。これによって、接合基板4が得られる。
【0034】
以上により1枚の下基板1に対して2枚の上基板2F,2Sを接合させた接合基板4が形成される。そして、基板昇降手段18を作動させて、支持ピン20を上昇させることにより接合基板4を下部プレス板10から離間させる。そして、第3のロボットハンド32を作動させて、接合基板4が圧着装置から取り出される。
【0035】
前述した実施の形態では、上基板を2枚に分割したが、3枚乃至それ以上の分割数を有する場合には、前述した動作をさらに繰り返し行うようにする。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では下基板に対して複数枚に分割した上基板を重ね合せるようにしたので、大判の基板を接合するに当たって、上下の基板間のアライメントを極めて正確に行うことができると共に、上下のプレス部材間で両基板間を加熱下で加圧したときに、シール材が破壊されるシールパスの発生を防止できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す接合基板の接合前の状態を示す平面図である。
【図2】上下の基板間に形成されるセルギャップを示す説明図である。
【図3】基板圧着装置の構成説明図である。
【図4】図3の矢印方向Pから見た基板圧着装置を、基板の供給・排出機構と共に示す構成説明図である。
【図5】支持ピンの構成説明図である。
【図6】下基板に前方の上基板を接合する工程を示す工程説明図である。
【図7】下基板に後方の上基板を接合する工程を示す工程説明図である。
【符号の説明】
1 下基板 2,2F,2S 上基板
3 シール材 3a セル構成用のシール材
4 接合基板 10 下部プレス板
11 上部プレス板 12 常盤
13X1,13X2,13Y 位置調整用アクチュエータ
17 プレス駆動部材 20 支持ピン
30 第1のロボット 31 第2のロボット
32 第3のロボット 33 吸着板
34 アライメント用光学系
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネル、プラズマディスプレイパネル、ELディスプレイパネル等のパネル式のディスプレイ装置として用いられる上下2枚の基板の重ね合せて圧着したディスプレイパネル用の接合基板の圧着方法及び圧着装置に関するものであり、特に多数の接合基板を同時に形成するために、上下2枚の基板の間が位置ずれすることなく正確に重ね合せて圧着できる方法および装置と、これら2枚の基板を接合させたディスプレイ用接合基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、カラーTFT(Thin Film Transistor)液晶パネルは、TFT基板とカラーフィルタとからなる上下2枚の基板を接合したものからなり、両基板間には液晶が封入されている。これら2枚の接合基板間に液晶封入領域を形成するために、TFT基板とカラーフィルタとの間に液晶封入領域の区画壁となるシール材を介装して、所定のギャップを持たせるようにして重ね合せて、シール材を硬化させる。これが液晶セルであって、この液晶セルの液晶封入領域に液晶を充填すると共に、基板にドライバIC等を搭載した回路基板が接続される。
【0003】
ところで、前述した液晶セルを製造するに当って、製造効率を上げるために、上下の基板を重ね合せて、シール材を硬化させるまでは、複数の液晶セルが形成された大判の基板を用い、シール材を加熱により完全に硬化させた後に、この基板を分割するようにしている。即ち、上下の基板のうち、例えば下基板に液晶注入口の部位を欠落させた方形枠状の液晶封入空間を区画形成するシール材のパターンを縦横に複数箇所設けておき、この下基板に対して上基板をアライメントし、次いでこれら上下の基板を重ね合せ、次いで重ね合せた基板をプレス手段によって上下から加圧することにより両基板間に所定のギャップを形成し、かつシール材を加熱することにより硬化させる。
【0004】
正確なギャップ形成を行うために、当初においてはシール材の厚みをこのギャップ分の寸法より大きくなし、プレスによる圧着時に重ね合せ基板に作用する加圧力によってシール材を圧縮する。また、圧着時にはシール材を加熱させることから、シール材に含まれる溶剤が熱の作用で気化することになる。このために、重ね合せ基板に形成されるシール材により囲まれた液晶封入空間の圧力が上昇する。シール材は、後に液晶を封入するための液晶注入口を開口させているので、この液晶封入空間内の圧力は液晶注入口から開放されることになる。しかしながら、プレス時に急激な加圧及び加熱を行うと、液晶注入口からの排気が円滑に行なわれず、未硬化のシール材に過大な圧力が作用して、このシール材による区画壁が破壊される、所謂シールパスが発生することになる。
【0005】
そこで、このシールパスの発生を防止するために、プレス時に重ね合せた基板を減圧空間内に位置させることによって、液晶封入空間内等からの排気を促進するようにしたものは、従来から知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−214589号公報(第5頁〜第7頁、図3〜図7)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述したようにすれば、上下の基板をプレスして圧着する時のシールパスの発生を抑制するのに有効ではあるが、シール材のパターンがより複雑になると、つまり基板のサイズを大きくする場合や、小型の液晶セルを多数形成しようとする場合等には、減圧によっても特に中央部に位置する液晶封入空間等からの排気が十分には行われず、やはりシールパスの発生を防止できないこともある。
【0008】
また、圧着前の段階で、上下の基板をアライメントするが、このアライメントは極めて正確に行わなければならない。両基板間のアライメントのために、それぞれの基板の所定の位置にアライメントマークが設けられるが、上下の基板に形成されるアライメントマークはそれぞれ独立に印刷手段等で付されるために、このアライメントマークを付ける位置に多少の誤差が生じることを防止できない。そして、重ね合せる基板のサイズが大きくなればなるほど、上下の基板間での各アライメントマークの位置における誤差が大きくなる。その結果、アライメントマーク同士が正確に一致していたとしても、上下の基板間の重ね合せの精度が十分でなくなる。特に、液晶セル等のディスプレイパネルの高解像度に伴うファインピッチ化が進む状況下では、アライメントマークの位置のずれが僅かでも生じていると、製品としての品質低下を来たすことになる。
【0009】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、大型の基板を分割することによって、接合基板の生産効率を向上させると共に、上下の基板間のアライメント精度を高め、かつプレス時におけるシールパスの発生をより確実に防止できるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、上基板と下基板との間にシール材に囲まれた表示領域が縦横に複数存在する基板間を加熱すると共に、その間に所定のギャップが形成されるように加圧することにより圧着する方法であって、1枚の下基板に対して複数に分割された上基板を、この下基板と概略同じ形状になるようにすることをその特徴とするものである。
【0011】
ここで、上基板の分割数は2枚以上とするが、その分割数は任意である。分割された上基板は下基板に対して縦横の2方向に並べるようにすることもできるが、下基板における一方向、特に下基板の長手方向に2乃至3枚、若しくはそれ以上の枚数並べるようにする方が上基板の供給方式等が単純化できるので望ましい。また、プレスによる圧着は、予め下基板の全面に及ぶように全ての上基板を重ね合わせ、然る後に全体をプレスするようにしても良いが、アライメント後の位置ずれ防止等の観点からは、上基板を1枚ずつ順次接合させるようにするのが望ましい。
【0012】
従って、より具体的には、本発明は、シール材に囲まれた表示領域が縦横に複数存在する下基板に上基板を加熱下で加圧することにより圧着する方法であって、1枚の下基板を下部プレス部材上に載置し、複数枚に分割された1枚の上基板を前記下基板の所定の位置にアライメントして、上下のプレス部材間で熱圧着し、下部プレス部材上の下基板を前記上基板の長さに相当する距離だけピッチ送りさせて、他の上基板を前記下基板に対してアライメントし、上下のプレス部材により熱圧着するようになし、この工程を下基板に対して上基板が概略同じ形状となるまで繰り返すことをその特徴としている。
【0013】
さらに、本発明における装置発明としては、上基板と下基板との間にシール材に囲まれた表示領域が縦横に複数存在する基板間に所定のギャップが形成されるようにして、上下のプレス部材間で加熱・加圧することにより圧着させる基板圧着装置であって、前記上基板は、一方向に複数枚並べることによって前記下基板と概略同じ形状となるように分割された分割上基板を用い、前記下基板はピッチ送り手段によって、前記下部プレス部材上を前記分割上基板の並び方向の寸法毎にピッチ送りさせるようになし、前記分割上基板を前記下基板の上部位置で、アライメント手段によって、この下基板への接合領域との間でアライメントするようになし、前記ピッチ送り手段により前記下基板をピッチ送りする間に、複数枚の分割上基板を上部プレス手段で前記下基板の各々の接合領域に順次接合させる構成としたことをその特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態においては、カラーTFT型の液晶パネルを構成する液晶セルの製造について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、カラーTFT型以外の液晶セルや、プラズマディスプレイ用,EL用の表示パネル等にも適用可能なものである。
【0015】
まず、図1に上下に重ね合わせられる基板の一例を示す。同図において、1は下基板、2は上基板である。ここで、上基板2は下基板1の1/2の大きさを有する分割基板を構成するものであり、下基板1に対して、その長手方向に分割された2枚の上基板2が横並びにして重ね合わせられることになる。なお、上基板2は3以上に分割することもできる。
【0016】
下基板1には、シール材3のパターンが形成されている。シール材3のパターンとしては、液晶封入領域を区画形成するセル構成用のシール材3aと、液晶セル毎に切断する際における補強用のシール材3bとなる。セル構成用のシール材3aは一部が欠落した方形枠状となっており、このシール材3aのパターンは下基板1の縦横に多数形成されている。カラーTFT液晶パネルを構成することから、下基板1には各々の液晶封入領域内にTFTが形成される。また、上基板2は、カラーフィルタを構成するものであり、下基板1の液晶封入領域に対応する各領域にカラーフィルタが形成されている。
【0017】
2枚の上基板2は下基板1に対して順次1枚づつ重ね合わせて、加熱下で加圧することによって下基板1と上基板2との間に、図2に示したように、シール材3をある程度圧縮させて同図に仮想線で示したように、セルギャップGを形成するようにして熱硬化させた接合基板4が形成される。そして、この接合基板4は、さらに加熱炉内に導入されて、シール材3が完全に硬化するまで加熱される。その後に、接合基板4を液晶封入空間毎に切断することによって所定数の液晶セルが製造される。
【0018】
次に、図3及び図4に下基板1と上基板2とを重ね合せて、セルギャップGを形成するようにプレスする圧着装置の概略構成を示す。これらの図中において、10,11は上下のプレス板であって、下部プレス板10は下基板1と同じか、またはそれより多少大きいものであり、また上部プレス板11は上基板2と同じか、またはそれより多少大きい寸法を有する。つまり、上部プレス板11は下部プレス板10の概略半分の大きさで、後述する下基板1の移動方向の前方(図3における右半分)に位置している。なお、上部プレス板11は下部プレス板10と概略同じ形状とすることもできる。そして、上下のプレス板10,11を概略同形状とすれば、同形状の下基板と上基板とをプレスすることもでき、また上基板2を分割するにしても、同時に分割された複数の上基板2を同時にプレスすることができる。
【0019】
上部プレス板11は下部プレス板10に対して近接・離間する方向に昇降可能となっている。また、これら両プレス板10,11にはヒータが内蔵されており、このヒータによりプレス板10,11が所定の温度にまで加熱されるようになっている。また、これらプレス板10,11は1回のプレス後には温度を低下させる必要があることから、好ましくは冷却手段を備えている。そして、これらヒータ及び冷却手段によって、両プレス板10,11は基板の圧着開始から終了までの温度管理を厳格に行えるようになっている。さらに、下部プレス板10は、プレス時にはその前半分のみを加熱することから、前半分と後半分とをそれぞれ独立に加熱及び冷却できるようになし、その間に断熱部材を介在させる構成とするのが望ましい。
【0020】
図4において、下基板1は矢印A方向から圧着装置における下部プレス板10上に搬入して、この下基板1が所定の位置となるように位置決めされる。そして、上基板2は図4の矢印B方向から搬入されて、下基板1に対してアライメントした状態にして接合し、次いで上部プレス板11を下降させて、所定の圧力を作用させることにより、所定のシールギャップを形成するようになし、またこれら両プレス板10,11を加熱することによってシール材3を熱硬化させるように圧着される。その後、下基板1が矢印C方向に1ピッチ分、つまり上基板2の幅に相当する分だけピッチ送りされて、再び矢印B方向からもう1枚の上基板2が搬入されて、下基板1に対してアライメントして接合させて圧着される。これによって、1枚の下基板1に対して2枚の上基板2が接合された接合基板4が形成されて、圧着装置から排出されるようになっている。
【0021】
下部プレス板10は定盤12上に設置されており、X,Y,θ方向に、つまり同一水平面内で相互に直交する方向び回転方向に微小移動させることができるようになっている。このために、定盤12には電動モータ等からなる位置調整用アクチュエータ13X1,13X2及び13Yが設けられており、また下部プレス板10は定盤12に対して適宜箇所に設けたフローティング支持部材14を介して連結されている。位置調整用アクチュエータ13X1,13X2は下部プレス板10の長辺部分を押動するものであり、また位置調整用アクチュエータ13Yは下部プレス板10の短辺を押動するものである。従って、これら3箇所設けたアクチュエータを適宜作動させることによって、定盤12上において、下部プレス板10の水平方向において、相互に直交する方向(X,Y方向)及び回転方向(θ方向)に位置調整を行うことができるようになっている。これによって、下部プレス板10上に載置した下基板1を上基板2に倣うようにアライメントすることができるようになる。
【0022】
上部プレス板11は定盤12に立設した4本のガイドロッド15に沿って昇降可能に取り付けられており、これらのガイドロッド15の先端には支持板16が取り付けられている。そして、この支持板16と上部プレス板11が装着されている昇降板11aとの間には、この上部プレス板11を昇降駆動し、かつ重ね合わせた基板1,2間に所定の加圧力を作用させるためのジャッキ等からなるプレス駆動部材17が設けられている。
【0023】
また、定盤12の内部には基板昇降手段18が設けられている。この基板昇降手段18は、所定のストロークだけ上下動する昇降板19に多数の支持ピン20を立設したものから構成される。支持ピン20は、図5からも明らかなように、ピン本体20aの先端にばね等の弾性部材20bを介して先端部20cを装着することによって、接合基板4が載置される先端部20cは首振り自在となっている。ここで、基板昇降手段18の支持ピン20は、定盤12及び下部プレス板10に穿設したピン挿通孔21(図3)内に挿通されており、これら各支持ピン20の先端は下部プレス板10の表面とほぼ同じ高さ位置と、この下部プレス板10の表面から所定量上方に突出して、下基板1を下部プレス板10からリフトさせることができるようになっている。しかも、支持ピン20は定盤12の位置から図4の矢印C方向の前方側に1ピッチ分(上基板2の1枚分)の範囲にも及んでおり、これによって下基板1に最初の上基板2を接合した後、次の上基板2を接合させる際に、この下基板1を下支えできるようになっている。なお、下部プレス板を上部プレス板と同じサイズにする場合には、支持ピンを下部プレス板の後方側にもう1ピッチ分設けるようにする。一方、上基板を3分割する場合には、前方にさらにもう1ピッチ分設ける。
【0024】
下基板1及び上基板2の圧着装置への搬入及び下基板1のピッチ送り、さらには接合基板4の搬出を行うために、第1,第2,第3のロボットハンド30,31,32が設けられている。第1のロボットハンド30は下基板1を圧着装置の下部プレス板10上に搬入し、また1ピッチ分の送りを行うためのものである。この第1のロボットハンド30は下基板1の下面に当接するようになっている。また、第3のロボットハンド32は、接合基板4を次の工程に搬出するためのものである。そして、これら第1のロボットハンド30による下基板1の搬入及びピッチ送りと、第3のロボットハンド32による接合基板4の搬出とを行う際には、下基板1は基板昇降手段18によって下部プレス板10から持ち上げられるようになっている。そして、これら第1,第3のロボットハンド30,32は下基板1を安定した状態でハンドリングするために、この下基板1を吸着保持するようになっている。
【0025】
一方、第2のロボットハンド31は上基板2を下部プレス板10上に載置された下基板1上の位置に搬入して、その間でアライメントを行わせて、下基板1の上に載置するためのものである。そして、上基板2には、その下側の面にカラーフィルタが形成されているので、第2のロボットハンド31による上基板2のハンドリングは、それらの上面を真空吸着することにより行うようにしており、このために第2のロボットハンド31の下面には吸着板33が設けられている。さらに、この吸着板33の上面には、アライメント用光学系34が4箇所設けられている。そして、図1から明らかなように、下基板1には、8箇所のアライメントマークM1が設けられており、分割された2枚の上基板2にはそれぞれ4箇所のアライメントマークM2が設けられている。
【0026】
従って、上基板2を下基板1に対して位置合せする際には、下基板1の前方側における4箇所のアライメントマークM1と上基板2のアライメントマークM2との間の位置ずれをアライメント用光学系34で検出し、またもう1枚の上基板2を下基板1に対してアライメントする際には、アライメント用光学系34でこの下基板1の後方側における4箇所のアライメントマークM1と上基板2のアライメントマークM2との位置ずれを検出する。そして、上基板2の下基板1に対する位置ずれがあると、定盤12に設けた位置調整用アクチュエータ13X1,13X2及び13Yを適宜駆動することによって、相互の位置ずれを調整するようにアライメントされることになる。そして、上基板2を下基板1にアライメントする際には、下基板1のうち上基板2が接合されている部分は下部プレス板10には支持されておらず、支持ピン20により支持されているので、アライメントのために下基板1を動かしたときに、この下基板1と支持ピン20とが擦れないようにする必要がある。支持ピン20において、先端部20cが弾性部材20bを介してピン本体20aに連結したのはこのためであり、下基板1の移動に伴って弾性部材20cが任意の方向に変形することになる。
【0027】
以上のように構成される圧着装置を用いて、下基板1に2枚の上基板2を接合する方法について、図6及び図7に基づいて説明する。図6は1枚目の上基板2を接合する状態が、また図7には2枚目の上基板2を接合する状態が示されている。そして、これらの図においては、分割された上基板2のうち、先に接合される上基板は2F、後に接合される上基板は2Sの符号を用いる。
【0028】
まず、第1のロボットハンド30によって、下基板1が上下のプレス板10,11間に搬入する。このときには、基板昇降手段18を構成する支持ピン20を上昇させておく。従って、第1のロボットハンド30により搬送される下基板1は、図6(a)に示したように、支持ピン20の上に載置される。そして、この第1のロボットハンド30が引き戻された後に、基板昇降手段18を作動させて、支持ピン20を下部プレス板10の表面より僅かに低い位置にまで引き下げる。これによって、下基板1は下部プレス板10上に載置される。
【0029】
次に、図6(b)に示したように、上基板2Fを第2のロボットハンド31の吸着板33により吸着保持させて、下部プレス板10上に載置されている下基板1の上部位置に配置させる。そして、この吸着板33に設けたアライメント用光学系34を用いて、上基板2F及び下基板1のアライメントマークM2,M1を検出して、その間における位置ずれの有無を検出し、相互の位置がずれておれば、位置調整用アクチュエータ13X1,13X2,13Yを作動させて、下部プレス板10の位置調整を行うことによって、上下の基板1,2F間をアライメントする。その後に、第2のロボットハンド31を下降させて、下基板1の半分の領域に上基板2Fを重ね合わせた後に、第2のロボットハンド31が引き戻される。これが図6(c)に示した状態である。
【0030】
ここで、下基板1は大判であるが、上基板2Fはその半分のサイズであるから、位置合せされるアライメントマークの間隔は比較的短いものであり、誤差の発生を最小限に抑制することができる。従って、上下の基板1,2F間を極めて正確に位置合わせできる。
【0031】
そして、プレス駆動部材17を作動させて、上部プレス板11を下降させて重ね合わせた基板1,2F間を加圧すると共に、両プレス板10,11を加熱することにより圧着が行われる。この圧着時には、シール材3が圧縮され、かつ加熱されることから、このシール材3が隔壁となって、基板1,2F間の空間、特に液晶封入空間内の圧力が上昇する。しかしながら、下基板1に対して上基板2Fは半分のサイズであるから、排気が迅速かつ円滑に行われることになり、シール材3が部分的に破壊されるシールパスが発生することはない。上部プレス板11による加圧はシール材3がセルギャップGとなるように圧縮され、かつその状態である程度熱硬化するまで継続される。これによって、下基板1の前半分の領域に上基板2が接合されたことになる。
【0032】
そこで、図7(a)に示したように、上部プレス板11を上昇させた後に、基板昇降手段18を作動させて、支持ピン20で下基板1を下部プレス板10から所定の高さだけ持ち上げる。その後に、第1のロボットハンド30(または第3のロボットハンド32)を作動させて、図7(b)に示したように、下基板1の下面に当接させて、前半分に上基板2Fを接合させた下基板1を持ち上げて、1ピッチ分だけ前進させる。つまり、下基板1において、既に上基板2Fが接合されている部位を下部プレス板10から前方側に送り出す。そして、第1のロボットハンド30を退避させて、基板昇降手段18の支持ピン20を引き下げて、下基板1を下部プレス板10上に載置する。このときには、上基板2Fが既に接合されている前方部位は、下部プレス板10から外れた位置となるが、この位置には支持ピン20が配置されているので、この支持ピン20により下部プレス板10の表面とほぼ同じ高さ位置に保持される。
【0033】
そして、第2のロボットハンド31によって分割されたもう1枚の上基板2Sが搬送されて、下基板1上に配置される。そして、これらの基板1,2Sに設けたアライメントマークM1,M2を基準として位置合せを行うようになし、両基板1,2Sのアライメントが行われる。このアライメント時には、下部プレス板10が微小移動するが、下基板1の前半分は支持ピン20における首振り自在な先端部20cに当接しているので、支持ピン20が下基板1と摺動して損傷する等のおそれはない。アライメントが行われると、図7(c)に示したように、上基板2Sが下基板1上に載置される。ここで、下基板1の前半分には上基板2Fが接合されているが、この前半分の上基板2Fと後半分の上基板2Sとの間には若干の隙間が形成されるようにする。そして、第2のロボットハンド31が引き戻された後に、図7(d)に示したように、上部プレス板11を下降させて、上基板2Sを下基板1に熱圧着させる。このときにも、両基板1,2S間において、シール材3の隔壁による圧力上昇が最小限に抑制されるので、シールパス等が発生することなく、迅速かつ円滑に熱圧着がなされる。これによって、接合基板4が得られる。
【0034】
以上により1枚の下基板1に対して2枚の上基板2F,2Sを接合させた接合基板4が形成される。そして、基板昇降手段18を作動させて、支持ピン20を上昇させることにより接合基板4を下部プレス板10から離間させる。そして、第3のロボットハンド32を作動させて、接合基板4が圧着装置から取り出される。
【0035】
前述した実施の形態では、上基板を2枚に分割したが、3枚乃至それ以上の分割数を有する場合には、前述した動作をさらに繰り返し行うようにする。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では下基板に対して複数枚に分割した上基板を重ね合せるようにしたので、大判の基板を接合するに当たって、上下の基板間のアライメントを極めて正確に行うことができると共に、上下のプレス部材間で両基板間を加熱下で加圧したときに、シール材が破壊されるシールパスの発生を防止できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す接合基板の接合前の状態を示す平面図である。
【図2】上下の基板間に形成されるセルギャップを示す説明図である。
【図3】基板圧着装置の構成説明図である。
【図4】図3の矢印方向Pから見た基板圧着装置を、基板の供給・排出機構と共に示す構成説明図である。
【図5】支持ピンの構成説明図である。
【図6】下基板に前方の上基板を接合する工程を示す工程説明図である。
【図7】下基板に後方の上基板を接合する工程を示す工程説明図である。
【符号の説明】
1 下基板 2,2F,2S 上基板
3 シール材 3a セル構成用のシール材
4 接合基板 10 下部プレス板
11 上部プレス板 12 常盤
13X1,13X2,13Y 位置調整用アクチュエータ
17 プレス駆動部材 20 支持ピン
30 第1のロボット 31 第2のロボット
32 第3のロボット 33 吸着板
34 アライメント用光学系
Claims (4)
- 上基板と下基板との間にシール材に囲まれた表示領域が縦横に複数存在する基板間を加熱すると共に、その間に所定のギャップが形成されるように加圧することにより圧着する方法であって、
1枚の下基板に対して複数に分割された上基板を、この下基板と概略同じ形状になるように圧着する
ことを特徴とする基板圧着方法。 - シール材に囲まれた表示領域が縦横に複数存在する下基板に上基板を加熱下で加圧することにより圧着する方法において、
1枚の下基板を下部プレス部材上に載置し、
複数枚に分割された1枚の上基板を前記下基板の所定の位置にアライメントして、上下のプレス部材間で熱圧着し、
下部プレス部材上の下基板を前記上基板の長さに相当する距離だけピッチ送りさせて、他の上基板を前記下基板に対してアライメントし、上下のプレス部材により熱圧着するようになし、
この工程を下基板に対して上基板が概略同じ形状となるまで繰り返す
ことを特徴とする基板圧着方法。 - 上基板と下基板との間にシール材に囲まれた表示領域が縦横に複数存在する基板間に所定のギャップが形成されるようにして、上下のプレス部材間で加熱・加圧することにより圧着させる基板圧着装置において、
前記上基板は、一方向に複数枚並べることによって前記下基板と概略同じ形状となるように分割された分割上基板を用い、
前記下基板はピッチ送り手段によって、前記分割上基板の並び方向の寸法毎にピッチ送りさせるようになし、
前記分割上基板を前記下基板の上部位置で、アライメント手段によって、この下基板への接合領域との間でアライメントし、
前記ピッチ送り手段により前記下基板をピッチ送りする間に、複数枚の分割上基板を上部プレス部材で前記下部プレス部材上の下基板の各々の接合領域に順次接合させる
構成としたことを特徴とする基板圧着装置。 - 請求項1または請求項2の方法により接合した下基板と、上基板とからなる接合基板を前記表示領域毎に切断することにより得られるディスプレイパネル用接合基板。
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