JP2004333854A - 現像剤収納容器および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】現像剤収納容器30の容器本体31は、軸線方向一端面部33aに、画像形成装置に搭載される状態で本体側連結部83に軸線L31まわりの回転駆動力を伝達可能に係合される突起片37が形成されるとともに、軸線方向一端面部33aに、現像剤を補給するための補給孔45および前記補給孔45の周縁部に着脱可能に装着される蓋部材46が設けられ、蓋部材46は、突起片37に本体側連結部が係合される状態で本体側連結部によって覆われる位置に設けられる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられるトナーを収納するトナー収納容器、および前記トナー収納容器が着脱可能に装着される画像形成装置に関する。
【0002】
本明細書において、用語「略垂直」は、完全な垂直と大略的に垂直とを含むものとする。
【0003】
【従来の技術】
図30(1)は、第1の従来技術であるトナーボトル1を示す断面図であり、図30(2)は、前記トナーボトル1を示す斜視図である。トナーボトル1は、大略的に有底円筒状に形成され、トナーを収納する収納空間2が設けられる。トナーボトル1には、半径方向内方に突出して、軸線方向一端部3から軸線方向他端部4に向かって軸線L1を中心として螺旋状に延びる突起片5が設けられる。トナーボトル1の軸線方向他端部4には、残余の部分よりも内径の小さい孔が形成される開口部6が設けられ、収納空間2とトナーボトル1の外空間とは連通している。
【0004】
トナーボトル1は、図示しない画像形成装置本体に、軸線L1が水平方向に平行となるようにして、前記開口部6を画像形成装置本体に設けられるトナー供給口に連結する。この状態で、画像形成装置本体に設けられる駆動部からの駆動力によって、トナーボトル1を軸線L1まわりに回転させると、収納空間2に収納されるトナーは、突起片5によって開口部6に送られて、開口部6からトナー供給口に供給される(たとえば特許文献1参照)。
【0005】
図31は、第2の従来技術である現像剤供給容器10を示す斜視図である。現像剤供給容器10は、両端が閉じた円筒状に形成され、トナーを収納する収納空間が設けられる。現像剤供給容器10には、半径方向内方に突出して、軸線方向一端部11から軸線方向中央部12に向かって軸線L10を中心として螺旋状に延びる第1突起片13と、半径方向内方に突出して、軸線方向他端部14から軸線方向中央部12に向かって軸線L10を中心として螺旋状に延びる第2突起片15とが設けられる。現像剤供給容器10の軸線方向中央部12には、半径方向に貫通し、収納空間と現像剤供給容器10の外空間とを連通する貫通孔16が形成される。
【0006】
現像剤供給容器10は、図示しない画像形成装置本体に、軸線L10が水平方向に平行となるようにして、軸線方向中央部12が、上方に開口するようにして画像形成装置本体に設けられるトナー供給口に臨むようにして、画像形成装置本体に連結する。この状態で、画像形成装置本体に設けられる駆動部からの駆動力によって、現像剤供給容器10を軸線L10まわりに回転させる。これによって現像剤供給容器10の収納空間に収納されるトナーは、各突起片13,15によって軸線方向中央部12に送られて、貫通孔16がトナー供給口に臨む位置に配置されると、トナーは、貫通孔16を介してトナー供給口に供給される(たとえば特許文献2参照)。
【0007】
図32は、第3の従来技術であるトナーカートリッジ20を示す斜視図である。トナーカートリッジ20は、両端が閉じた円筒状に形成され、トナーを収納する収納空間が設けられる。トナーカートリッジ20の軸線方向中央部21には、軸線方向に延びて半径方向に貫通し、収納空間とトナーカートリッジ20の外空間とを連通する貫通孔22が形成される。
【0008】
トナーカートリッジ20は、図示しない画像形成装置本体に、軸線L25が水平方向に平行となるようにして、軸線方向中央部が、上方に開口するようにして画像形成装置本体に設けられるトナー供給口に臨むようにして、画像形成装置本体に連結する。この状態で、画像形成装置本体に設けられる駆動部からの駆動力によって、トナーカートリッジ20を軸線L25まわりに回転させる。これによってトナーカートリッジ20の収納空間に収納されるトナーは、貫通孔22がトナー供給口に臨む位置に配置されると、トナーは、貫通孔22を介してトナー供給口に供給される(たとえば特許文献3参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−20705号公報
【特許文献2】
特開平8−339115号公報
【特許文献3】
特開平6−348127号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
近年、プリンタ装置および複写装置などの画像形成装置は、大量の印刷を高速にすることが要望されている。たとえば1分間に50枚以上の記録紙に画像を形成可能な高速型の画像形成装置には、一度に最大999枚の記録紙に画像を形成することができるものもある。このような画像形成装置では、印刷部数の設定によっては、999枚を超える連続印刷が行われることもある。このような高速型の画像形成装置では、トナーの収納容量が非常に大きなトナーカートリッジが要求され、たとえば約1400グラムのトナーを収納可能なトナーカートリッジもある。
【0011】
さらにトナーカートリッジにおいてトナーを収納する収納空間にトナーが存在している状態で、トナーカートリッジが長期間放置されると、通常粉体であるトナーが前記収容空間において凝集するパッキングが生じて、ついにはブロック化してしまうこともある。近年、記録紙に画像を形成するときの高画質化のためのトナー粒子の小粒径化、および環境問題対策のための低温定着による低融点化などによって、トナーカートリッジを放置することによるトナーの凝集化の傾向が顕著になっている。
【0012】
前述の図30に示す第1の従来技術のトナーボトル1、図31に示す第2の従来技術の現像剤供給容器10および図32に示す第3の従来技術のトナーカートリッジ20の、軸線方向一端面部および軸線方向他端面部の少なくともいずれかは、軸線に垂直に延びる平面状に形成されている。これによって利用者は、このようなトナーボトル1、現像剤供給容器10およびトナーカートリッジ20を、軸線が水平面に垂直になるようにして容易に立設することができる。このような状態で、トナーボトル1、現像剤供給容器10およびトナーカートリッジ20が放置されると、トナー層の下部がトナー層の上部から圧縮されて、ブロック化する危険性が極めて高くなる。
【0013】
また第1の従来技術のトナーボトル1では、画像形成装置に搭載される駆動手段とは、開口部6において連結されるので、トナーボトル1の開口部6の形状および画像形成装置の駆動手段の構造が極めて複雑となっている。第2の従来技術の現像剤供給容器10および第3の従来技術のトナーカートリッジ20では、それらの軸線方向一端部に現像剤供給容器10およびトナーカートリッジ20と同軸にして連結される平歯車が設けられる。このような構造では、前記現像剤供給容器10およびトナーカートリッジ20を画像形成装置に搭載するときに、軸線方向にスライド変位させながら、駆動手段側の歯車に確実に噛合させる必要があり、このように確実に噛合させることに手間がかかる恐れがある。
【0014】
したがって本発明の目的は、複雑な機構および構造を有することなく、画像形成装置の駆動手段に係合できるとともに、水平面に対して容器本体の軸線が略垂直となるように立設して放置されることを防止できる現像剤収納容器、および前記現像剤収納容器を着脱可能にして搭載する画像形成装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、画像形成に用いられる現像剤が収納される筒状の容器本体を備え、画像形成装置に着脱自在に搭載され、容器本体が画像形成装置に設けられる駆動手段によって軸線まわりに回転駆動されて、現像剤を画像形成装置に供給する現像剤収納容器であって、
容器本体は、軸線方向一端面部に、画像形成装置に搭載される状態で駆動手段に軸線まわりの回転駆動力を伝達可能に係合される係合部が形成されるとともに、軸線方向一端面部に、現像剤を補給するための開閉自在な補給部が形成され、補給部は、係合部に駆動手段が係合される状態で駆動手段によって覆われる位置に設けられることを特徴とする現像剤収納容器である。
【0016】
本発明に従えば、容器本体は、軸線方向一端面部に、画像形成装置に搭載される状態で駆動手段に軸線まわりの回転駆動力を伝達可能に係合される係合部が形成される。これによって現像剤収納容器が画像形成装置に搭載されると、係合部が、画像形成装置の駆動手段に係合されて、容器本体には、駆動手段から軸線まわりの回転駆動力が伝達されて、軸線まわりに回転することができる。このように利用者は、容器本体の係合部を画像形成装置の駆動手段に係合させるだけでよいので、現像剤収納容器を容器本体が回転駆動力を伝達可能とする状態に容易にすることができる。また容器本体は、軸線方向一端面部に、現像剤を補給するための開閉自在な補給部が形成される。現像剤収納容器に現像剤を補給するときには、容器本体の補給部を開けた状態にして、容器本体内に現像剤を補給することができる。現像剤収納容器を保管するとき、および現像剤収納容器を画像形成装置に搭載するときには、容器本体の補給部を閉じた状態にすることで、補給部から収納される現像剤が漏れ出ることなく、保管および画像形成装置への搭載を行うことができる。また補給部は、係合部が駆動手段に係合される状態で駆動手段によって覆われる位置に設けられるので、現像剤収納容器が画像形成装置に搭載されて、係合部が駆動手段に係合される状態で、利用者は補給部を操作することができない。これによって現像剤収納容器が画像形成装置に搭載されている状態で、利用者が誤って補給部を開けてしまうことを確実に防止することができる。
【0017】
また本発明は、係合部は、軸線方向に突出する突起片を有し、この突起片は、補給部よりも軸線方向へ突出して形成されることを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、係合部は、軸線方向に突出する突起片を有し、この突起片は、補給部よりも軸線方向へ突出して形成されるので、補給部が、係合部の画像形成装置の駆動手段への係合を阻害することを防止できるとともに、補給部が、駆動手段に当接して破損することを防止することができる。
【0019】
また本発明は、係合部は、軸線方向に突出する突起片を有し、この突起片は、先細状に形成されることを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、係合部は、軸線方向に突出する突起片を有し、この突起片は、先細状に形成されるので、現像剤収納容器の容器本体の軸線方向一端部が水平面に当接し、前記水平面と容器本体の軸線とが略垂直となるようにして、現像剤収納容器が立設することを防止することができる。したがって現像剤収納容器は、水平面と容器本体の軸線とが略垂直となるようにして現像剤収納容器を立設させた状態で保管することができないので、現像剤収納容器は、たとえば容器本体の軸線を水平面に平行となるようにして保管される。これによって保管時に、現像剤収納容器に収納される現像剤が、自重によって凝集することを可及的に防止することができる。
【0021】
また本発明は、係合部は、軸線方向に突出する複数の突起片を有し、各突起片は、少なくとも1つの突起片の突出量が、他の突起片の突出量と異なることを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、係合部は、軸線方向に突出する複数の突起片を有し、各突起片は、少なくとも1つの突起片の突出量が、他の突起片の突出量と異なるので、現像剤収納容器の容器本体の軸線方向一端部が水平面に当接し、前記水平面と容器本体の軸線とが略垂直となるようにして、現像剤収納容器が立設することを防止することができる。したがって現像剤収納容器は、水平面と容器本体の軸線とが略垂直となるようにして現像剤収納容器を立設させた状態で保管することができないので、現像剤収納容器は、たとえば容器本体の軸線を水平面に平行となるようにして保管される。これによって保管時に、現像剤収納容器に収納される現像剤が、自重によって凝集することを可及的に防止することができる。
【0023】
また本発明は、容器本体は、軸線方向他端面部は、中央部が周縁部に比べて軸線方向へ突出して形成されることを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、容器本体は、軸線方向他端面部は、中央部が周縁部に比べて軸線方向へ突出して形成されるので、現像剤収納容器の容器本体の軸線方向他端面部が水平面に当接し、前記水平面と容器本体の軸線とが略垂直となるようにして、現像剤収納容器が立設することを防止することができる。したがって現像剤収納容器は、水平面と容器本体の軸線とが略垂直となるようにして現像剤収納容器を立設させた状態で保管することができないので、現像剤収納容器は、たとえば容器本体の軸線を水平面に平行となるようにして保管される。これによって保管時に、現像剤収納容器に収納される現像剤が、自重によって凝集することを可及的に防止することができる。
【0025】
また本発明は、容器本体は、軸線方向他端部の外周部が粗面状に形成されることを特徴とする。
【0026】
本発明に従えば、容器本体は、軸線方向他端部の外周部が粗面状に形成されるので、利用者は、容器本体の粗面状に形成される軸線方向他端部の外周部を把持することによって、容器本体を安定して把持して、現像剤収納容器を画像形成装置に着脱することができる。
【0027】
また本発明は、容器本体は、少なくとも軸線方向他端部が、透光性を有することを特徴とする。
【0028】
本発明に従えば、容器本体は、少なくとも軸線方向他端部が、透光性を有するので、利用者は、容器本体の軸線方向他端部を見ることによって、収納されている現像剤の量を容易に確認することができる。
【0029】
また本発明は、前述の現像剤収納容器を着脱可能にして搭載することを特徴とする画像形成装置である。
【0030】
本発明に従えば、画像形成装置は、前述の作用を達成する現像剤収納容器を着脱可能にして搭載することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態の現像剤収納容器30を示す斜視図である。図2は、現像剤収納容器30を示す正面図である。図3は、現像剤収納容器30を示す左側面図である。現像剤収納容器30は、容器本体31および支持部材32を含んで構成される。容器本体31は、略円筒状に形成され、電子写真方式の画像形成に用いるトナーなどの現像剤が収納される。支持部材32は、容器本体31を、その軸線L31まわりに回転自在にして支持する。現像剤収納容器30は、たとえば1400グラムの現像剤を収納可能である。以後、容器本体31の軸線L31を、回転軸線L31と表記することがある。
【0032】
図4は、容器本体31を示す正面図である。図5は、容器本体31を示す左側面図である。図6は、容器本体31を示す右側面図である。容器本体31は、第1容器部33、第2容器部34および第3容器部35を含んで構成される。容器本体31の軸線L31方向の長さ寸法A31は、たとえば458ミリメートルであってもよい。
【0033】
第1容器部33は、有底円筒状に形成される。第1容器部33の軸線方向の長さ寸法A33は、たとえば160ミリメートルであってもよい。第1容器部33は、図4に示すように、その内周部に、半径方向内方に向かって突出するとともに、軸線方向一端部である底部33aから軸線方向他端部である開口端部33bに向かって螺旋状に延びる第1突起片36が設けられる。第1突起片36は、詳細に述べると、第1容器部33の底部33aから見て、底部33aから開口端部33bに向かうにつれて、第1容器部33の軸線L33を中心にして反時計回りに回転するように延びる螺旋状に延びて形成される。
【0034】
軸線方向一端面部である第1容器部33の底部33aには、係合部および補給部が形成される。係合部は、先細状に形成され、軸線方向に突出する複数の、本実施の形態では、2個の突起片37を有する。補給部は、第1容器部33の底部33aの中央部に、回転軸線L31方向に貫通し、第1容器部33の軸線L33と同軸の円形状に開口する補給孔45と、前記補給孔45の形状に対応して形成され、補給孔45の周縁部に着脱可能な蓋部材46とを含む。蓋部材45は、補給孔45との間のシールを達成した状態で、容器本体31の回転によって離脱しないようにして装着される。蓋部材46を補給孔45から離脱させることで、容器本体31の内空間と外空間とが連通し、この状態で、現像剤を容器本体31に補給することができる。
【0035】
突起片37は、詳細に述べると、補給孔45よりも半径方向外方に、互いに第1容器部33の軸線L33に関して対称な位置に配置される。また突起片37は、補給孔45および蓋部材46よりも軸線方向へ突出して形成される。突起片37は、さらに詳細に述べると、図5に示すように、第1容器部33の底部33aから見て回転軸線L31を中心とする時計回りの回転方向である回転方向R上流側部分37aは、周方向に垂直に延びる平面を有するように形成される。また突起片37の回転方向R下流側部分は、回転方向R下流側に向かうにつれて軸線方向他端部側に傾斜するように形成される。一方の突起片37の回転方向R上流側部分37aの平面と、他方の突起片37の回転方向R上流側部分37aの平面とは、軸線を含む同一の仮想平面上に存在する。また各突起片37を、前記仮想平面に垂直かつ軸線を含む前記仮想平面とは異なる仮想平面に投影した形状は、大略的に直角三角形状である。突起片37の底部33aの残余の部分からの軸線L33方向への突出量A37は、たとえば8ミリメートルであってもよい。
【0036】
このような各突起片37は、後述する画像形成装置70に搭載される状態で、画像形成装置70に設けられる本体側連結部83(図28参照)に軸線まわりの回転駆動力を伝達可能に係合される。また現像剤を補給するための補給部は、開閉自在であり、各突起片37に本体側連結部83が係合される状態で本体側連結部83によって覆われる位置に設けられる。
【0037】
また第1容器部33の底部33aにおいて外周面と端面とが連通する面33cは、図4に示すように、開口端部33bから底部33aに向かうにつれて半径方向内方に傾斜するような曲面状に形成される。
【0038】
第2容器部34は、有底円筒状に形成される。第2容器部34の軸線方向の長さ寸法A34は、たとえば210ミリメートルであってもよい。第2容器部34は、図4に示すように、その内周部に、半径方向内方に向かって突出するとともに、軸線方向他端部である底部34aから軸線方向一端部である開口端部34bに向かって螺旋状に延びる第2突起片39が設けられる。第2突起片39は、詳細に述べると、第2容器部34の底部34aから見て、底部34aから開口端部34bに向かうにつれて、第2容器部34の軸線L34を中心にして時計回りに回転するように延びる螺旋状に延びて形成される。すなわち第2突起片39は、第1突起片36とは逆向きに延びて形成される。第1容器部33の第1突起片36および第2容器部34の第2突起片39のピッチA1は、たとえば30ミリメートルであってもよい。また第1突起片36および第2突起片39の内周部の残余の部分からの半径方向内方への突出量A2は、たとえば6ミリメートルであってもよい。
【0039】
軸線方向他端面部である第2容器部34の底部34aは、中央部が周縁部に比べて軸線方向へ突出して形成される。詳細に述べると、第2容器部34の底部34aの端面34cは、その中心部が開口端部34bから底部34aに向かう方向に突出するような部分球面状に形成される。第2容器部34の開口端部34bの端面から底部34a寄りに間隔をあけた位置における外周部には、半径方向外方に突出して案内突起片40が、周方向に間隔をあけて複数個、本実施の形態では2個設けられる。案内突起片40の軸線方向の寸法は、たとえば2.5ミリメートルであってもよい。
【0040】
また容器本体31は、少なくとも第2容器部34の外周部が、粗面状に形成される。詳細に述べると、図4に示すように、第2容器部の軸線方向他端部に、半径方向に突出し、周方向に延び、軸線方向に間隔をあけて配置される複数の把持突起片から成る把持部82が、周方向に間隔をあけて、複数個形成される。容器本体31は、少なくとも第2容器部34が、透光性を有する。第2容器部34の少なくとも底部34aが、透明の樹脂から成るようにしてもよく、また少なくとも底部34aが、透光性を有する程度に、残余の部分よりも薄く成型するようにしてもよい。
【0041】
第2容器部34の軸線方向の長さ寸法A34は、第1容器部33の軸線方向の長さ寸法A33よりも長く、たとえば30ミリメートル以上長く設定される。前述したように、第1容器部33の軸線方向の長さ寸法A33は、たとえば150ミリメートルであってもよく、第2容器部34の軸線方向の長さ寸法A34は、たとえば215ミリメートルであってもよい。また第1容器部33の第1突起片36を除く内周部の内径D33、および第2容器部33の第2突起片39を除く内周部の内径D34は、たとえば105ミリメートルであってもよい。
【0042】
図7は、第3容器部35を示す斜視図である。図8は、第3容器部35付近を拡大して示す正面図である。図9(1)は、図8の切断面線S91−S91から見た断面図であり、図9(2)は、図4の切断面線S92−S92から見た断面図である。図4も併せて参照する。第3容器部35は、大略的に円筒状に形成される。第3容器部35は、詳細に述べると、その外周部の軸線方向中間部には、半径方向内方に陥没する凹部である第1凹部41および第2凹部42が設けられるとともに、第1凹部41に形成され、現像剤を排出するための排出孔43が設けられる。第3容器部35の軸線方向の長さ寸法A35は、たとえば80ミリメートルであってもよい。第1凹部41および第2凹部42を除く第3容器部35の内径D35は、残余の部分である第1容器部33および第2容器部34の内径D33,D34よりも大きく形成される。第1凹部41および第2凹部42を除く第3容器部35の内径D35は、たとえば110ミリメートルであってもよい。
【0043】
第1凹部41は、回転方向Rに延びて形成されるとともに、回転方向Rの寸法A41に比べて軸線方向の寸法W41が小さく形成され、回転方向R下流側の端部に回転方向Rと交差する端壁部41aを有する。排出孔43は、第1凹部41の回転方向下流側の端壁部41aの一部に形成される。第2凹部42は、回転方向Rに延びて形成されるとともに、回転方向Rの寸法A42に比べて軸線方向の寸法W42が小さく形成され、第1凹部41から第3容器部35の周方向に間隔をあけて設けられる。第1凹部41の回転方向Rの寸法A41は、第1凹部41および第2凹部42を除く第3容器部35の外周長の4分の1以上、2分の1未満であることが望ましい。第1凹部41の回転方向Rの寸法A41は、たとえば120ミリメートルであってもよく、軸線方向の寸法W41は、たとえば30ミリメートルであってもよい。また第2凹部43の回転方向Rの寸法A42は、たとえば30ミリメートルであってもよく、軸線方向の寸法W42は、たとえば120ミリメートルであってもよい。
【0044】
第1凹部41は、詳細に述べると、底壁部41b、第1側壁部41cおよび第2側壁部41dをさらに有する。第1凹部41の底壁部41bは、回転方向Rに延び、その回転方向R下流側端部が端壁部41aの半径方向内方部分に連通し、回転方向R上流側端部が、第1凹部41と第2凹部42との間であって第1凹部41および第2凹部42を除く第3容器部35の外周部に滑らかに連通する。第1凹部41の底壁部41bの回転方向R下流側端部と回転方向R上流側端部との間の回転方向R中央部は、第1凹部41および第2凹部42を除く第3容器部35よりも半径方向内方に配置され、大略的に第3容器部35の軸線L35を軸線とする部分円筒形状に形成される。第1凹部41の底壁部41bの回転方向R中央部の外周部の曲率半径は、たとえば49ミリメートルであってもよい。
【0045】
第1凹部41の第1側壁部41cは、第1凹部41の軸線方向一端部側に配置され、回転方向Rに延び、その回転方向R下流側端部が端壁部41aの軸線方向一端部に連通し、その半径方向内方部分が底壁部41bの軸線方向一端部に連通し、その半径方向外方部分が第1凹部41および第2凹部42を除く第3容器部35の軸線方向一端部の外周部に連通する。第1凹部41の第2側壁部41dは、第1凹部41の軸線方向他端部側に配置され、回転方向Rに延び、その回転方向R下流側端部が端壁部41aの軸線方向他端部に連通し、その半径方向内方部分が底壁部41bの軸線方向他端部に連通し、その半径方向外方部分が第1凹部41および第2凹部42を除く第3容器部35の軸線方向他端部の外周部に連通する。第1凹部の第1側壁部41cおよび第2側壁部41dは、底壁部41bから半径方向外方に立設するようにして設けられ、底壁部41bと第1側壁部41cとは垂直であり、また底壁部41bと第2側壁部41dとは垂直である。
【0046】
排出孔43は、第1凹部41の端壁部41aの軸線方向中間部であって、半径方向外方寄りに、軸線方向を長手方向とする長方形状に開口して形成される。したがって排出孔43は第1凹部41の端壁部41aにおいて、第1凹部41の底壁部41bの回転方向R下流側端部よりも半径方向外方寄り、かつ第1側壁部41cの回転方向R下流側端部よりも軸線方向他端部寄り、かつ第2側壁部41dの回転方向R下流側端部よりも軸線方向一端部寄りで開口している。さらに詳細に述べると、排出孔43の半径方向外方側の面は、第1凹部41の回転方向R下流側の、第1凹部41および第2凹部42を除く第3容器部35の内周面に滑らかに連通している。
【0047】
第2凹部42は、詳細に述べると、底壁部42b、第1側壁部42cおよび第2側壁部42dを有する。第2凹部42の底壁部42bは、回転方向Rに延び、その回転方向R上流側端部および回転方向R下流側端部が、第1凹部41と第2凹部42との間であって第1凹部41および第2凹部42を除く第3容器部35の外周部に滑らかに連通する。第2凹部42の底壁部42bの回転方向R下流側端部と回転方向R上流側端部との間の回転方向R中央部は、第1凹部41および第2凹部42を除く第3容器部35よりも半径方向内方に配置され、大略的に第3容器部35の軸線L35を軸線とする部分円筒形状に形成される。第2凹部42の底壁部42bの回転方向R中央部の外周部の曲率半径は、たとえば49ミリメートルであってもよい。
【0048】
第2凹部42の第1側壁部42cは、第2凹部42の軸線方向一端部側に配置され、回転方向Rに延び、その半径方向内方部分が底壁部42bの軸線方向一端部に連通し、その半径方向外方部分が第1凹部41および第2凹部42を除く第3容器部35の軸線方向一端部の外周部に連通する。第2凹部42の第2側壁部42dは、第2凹部42の軸線方向他端部側に配置され、その半径方向内方部分が底壁部42bの軸線方向他端部に連通し、その半径方向外方部分が第1凹部41および第2凹部42を除く第3容器部35の軸線方向他端部の外周部に連通する。第2凹部の第1側壁部42cおよび第2側壁部42dは、底壁部42bから半径方向外方に立設するようにして設けられ、底壁部42bと第1側壁部42cとは垂直であり、また底壁部42bと第2側壁部42dとは垂直である。
【0049】
第3容器部35の第1凹部41および第2凹部42を除く軸線方向一端部および軸線方向他端部の外周部には、図8に示すように、半径方向外方に突出する複数の排出案内片44が、周方向に互いに間隔をあけて、周方向に等間隔に配置され設けられる。第3容器部35の軸線方向一端部に設けられる排出案内片44は、詳細に述べると、軸線方向他端部から軸線方向一端部に向かうにつれて回転方向Rに傾斜している。また第3容器部35の軸線方向他端部に設けられる排出案内片44は、詳細に述べると、軸線方向一端部から軸線方向他端部に向かうにつれて回転方向Rに傾斜している。第3容器部35の第1凹部41および第2凹部42を除く外周部からの、排出案内片44の半径方向外方への突出量は、たとえば1ミリメートルであってもよい。また前記排出案内片44の長手方向寸法は、24ミリメートルであってもよく、排出案内片44の長手方向と第3容器部36の幅方向との成す角度ψは、たとえば30度であってもよい。
【0050】
容器本体31は、第3容器部35の軸線方向一端部と第1容器部33の開口端部33bとが連結され、第3容器部35の軸線方向他端部と第2容器部34の開口端部34bとが連結されるようにして一体成型される。このような容器本体31は、たとえばポリエチレンなどの合成樹脂をブロー成型することによって製造されるようにしてもよい。これによって容器本体31を容易に製造することができるとともに、現像剤収納容器30の構成部品を少なくすることができる。
【0051】
第1容器部33の底部33aは、容器本体31の軸線方向一端部33aとなり、第2容器部34の底部34aは、容器本体31の軸線方向他端部34aとなる。このように第1容器部33、第2容器部34および第3容器部35の各軸線L33,L34,L35が同軸になるようにして連結されて、容器本体31が形成される。またこの状態では、第3容器部35は容器本体31の軸線方向両端部33a,34aを除く軸線方向中間部に配置される。したがって第3容器部35の第1容器凹部41、第2容器凹部42および排出孔43は、容器本体31の軸線方向両端部33a,34aを除く軸線方向中間部に配置される。容器本体31の軸線L31は、第1容器部33の軸線L33、第2容器部34の軸線L34および第3容器部35の軸線L35から成る。
【0052】
図10は、支持部材32を示す正面図である。図11は、支持部材32を示す右側面図である。支持部材32は、大略的に円筒状に形成され、前述のように構成される容器本体31の少なくとも第3容器部35を含む部分を、半径方向外方から全周にわたって支持する内周部48を有する。内周部48は、軸線L32を中心とする円筒内周面を有する。支持部材32は、軸線L32に平行な仮想平面上に、少なくとも3点以上の当接部49aを有する支持台49を含む。支持台49の当接部49aは、たとえば軸線L32に平行な方向を長手方向とする2つの長方形状の平面に形成されてもよい。この支持台49の当接部49aを水平面に当接させることによって、支持部材32の内周部48の軸線L48を、前記水平面に平行にして配置することができる。支持部材32の軸線方向の長さ寸法A32は、第3容器部35の軸線方向の長さ寸法A35よりも大きく設定される。支持部材32の軸線方向の長さ寸法A32は、たとえば100ミリメートルであってもよい。
【0053】
支持台49を水平面状に設置した状態で、支持部材32には、その上部に、一水平方向一方向である第1水平方向一方向F1に突出する排出部50が形成される。排出部50における支持部材32の軸線方向中間部には、前記第1水平方向一方向F1に沿って貫通し、支持部材の軸線L32に平行な方向に延びる長円状に開口する導通孔51が形成される。導通孔51の長手方向の内径は、容器本体31の第1凹部41の軸線方向の寸法W41および第2凹部42の軸線方向の寸法W42以上に設定される。
【0054】
支持部材32の排出部50には、導通孔51の第1水平方向一方向F1下流側の開口を開状態および閉状態に切換えるシャッタ部65が設けられる。シャッタ部65は、シャッタ65aおよびシャッタ案内部65bを含む。シャッタ案内部65bは、前記第1水平方向に垂直な水平方向である第2水平方向に延び、第2水平方向一方向B1上流側端部には、導通孔51が開口している。シャッタ65aは、シャッタ案内部65bに第2水平方向一方向B1および前記第2水平方向一方向B1とは逆向きの第2水平方向他方向B2にスライド変位自在にして支持される。
【0055】
シャッタ65aは、シャッタ案内部65bに沿ってスライド変位することで、図10の2点鎖線で示される、導通孔51の第1水平方向一方向F1下流側の開口を閉状態にする閉位置P1、および導通孔51の第1水平方向一方向F1下流側の開口を開状態にする開位置P2に配置可能である。またシャッタ65aは、閉位置P1よりも第2水平方向他方向B2下流側にスライド変位することを規制されるとともに、シャッタ案内部65bの第2水平方向一方向B1下流側端部から第2水平方向一方向B1にスライド変位することを規制される。すなわち開位置P2は、閉位置P1よりも第2水平方向一方向B1下流側かつシャッタ案内部65bの第2水平方向一方向B1下流側端部よりも第2水平方向一方向B1上流側である。このようにシャッタ65aは、閉位置P1に配置される状態で第2水平方向一方向B1にスライド変位することで開位置P2に配置され、開位置P2に配置される状態で第2水平方向他方向B2にスライド変位することで閉位置P1に配置される。
【0056】
また支持部材32には、導出手段である導出部材38および封止手段である封止シート66が設けられる。導出部材38は、たとえばポリエチレンテレフタレート(略称:PET)などの高分子樹脂から成り、可撓性および弾発性を有するシート状に形成され、基端部で、換言すれば支持部材32の内周部、詳細には、支持部材32の導通孔51の第1水平方向一方向F1上流側端部に臨む部分に設けられる。封止シート66は、たとえばポリエチレンなどから成る柔軟性を有するシート状に形成され、基端部で支持部材32の導通孔51の第1水平方向一方向F1上流側端部に臨む部分に設けられる。導出部材38の基端部は、封止シート66の基端部の上面部に積層される。導出部材38および封止シート66のさらに詳細な説明は後述する。
【0057】
また支持部材32には、半径方向外方に突出する2個の連結突起部52が形成される。一方の連結突起部52は、支持台49を水平面状に設置した状態で、排出部50よりも上方に配置され、他方の連結突起部52は、軸線L32に関して、前記一方の連結突起部52とは対称の位置に配置される。また支持部材32には、支持台49を水平面状に設置した状態で、排出部50よりも下方に配置され、第1水平方向一方向F1に突出して、軸線L32に平行に延びる第1案内片53が形成される。さらに支持部材32には、支持台49を水平面状に設置した状態で、排出部50よりも上方に配置され、第1水平方向一方向F1とは逆の方向である第1水平方向他方向F2に突出して、軸線L32に平行に延びる第2案内片54が形成される。
【0058】
図12は、支持部材32を示す分解右側面図である。支持部材32は、水平面に設置している状態で、軸線L32を通り、第1水平方向一方向F1に向うにつれて上方に傾斜する仮想平面で2分割可能であり、詳細には、前記仮想平面よりも下方の第1支持部55と、前記仮想平面よりも上方の第2支持部56とに分割可能である。第1支持部55は、支持部材32における、第1案内片53、排出部50、各連結突起部52の一方の部分52a、支持台49および内周部48の第1案内片53側の部分48aを含む。第2支持部56は、支持部材32における、第2案内片54、各連結突起部52の他方の部分52bおよび内周部48の支持台49側の部分48aを含む。
【0059】
第1支持部55と第2支持部56とは、ねじ部材57によって着脱可能に連結される。詳細には、第1支持部55の各連結突起部52の一方の部分52aと、第2支持部56の各連結突起部52の他方の部分52bとがねじ部材57によって連結される。これによって容器本体31を支持させるときに、支持部材32を予め分割しておき、分割された支持部材32を、容器本体31の第1および第2凹部41,42および排出孔43を含む部分を、半径方向外方から支持することで、容器本体31を全周にわたって支持することができ、このような組立作業を容易に行うことができる。
【0060】
図13は、図11の切断面線S13−S13から見た断面図である。図11も併せて参照する。支持部材32の内周部48の軸線方向一端部には、半径方向内方に突出して周方向全周にわたって延びる第1支持凸部58が設けられる。支持部材32の内周部48の軸線方向他端部には、半径方向内方に突出して周方向全周にわたって延びる第2支持凸部59が設けられる。また支持部材32の内周部48の軸線方向他端部には、前記第2支持凸部59よりも軸線方向他端部側に第2支持凸部59とは間隔をあけて、半径方向内方に突出して周方向全周にわたって延びる第3支持凸部60が設けられる。第2支持凸部59と第3支持凸部60との軸線方向の間隔は、容器本体31の第2容器部34の案内突起片40の軸線方向の寸法よりもわずかに大きく設定され、たとえば3ミリメートルであってもよい。
【0061】
第1支持凸部58および第2支持凸部59には、周方向に間隔をあけて等間隔に、半径方向内方に突出する支持突起片61が複数個ずつ、本実施の形態では4個ずつ形成される。前記支持突起片61の半径方向内方側の先端部は、円筒外周面状に湾曲する支持面を有する。第1支持凸部58および第2支持凸部59の各支持突起片61は、軸線L32を中心として各案内突起片40の先端部を通る仮想円の直径が、第1容器部33の外周部の外径および第2容器部34の案内突起片40を除く外周部の外径よりもわずかに大きく設定され、たとえば107ミリメートルであってもよい。第3支持凸部60の内径は、第2容器部34の案内突起片40を除く外周部の外径よりもわずかに大きく設定され、たとえば107ミリメートルであってもよい。
【0062】
支持部材32の内周部48の軸線方向一端部における第1支持凸部58の軸線方向他端部側に隣接して、半径方向外方に陥没して周方向全周にわたって延びる第1支持凹所67が設けられる。支持部材32の内周部48の軸線方向他端部における第2支持凸部59の軸線方向一端部側に隣接して、半径方向外方に陥没して周方向全周にわたって延びる第2支持凹所68が設けられる。また支持部材32の内周部48の軸線方向他端部の第2支持凸部59と第3支持凸部60との間に、半径方向外方に陥没して周方向全周にわたって延びる第3支持凹所69が設けられる。第1支持凹所67および第2支持凹所68の軸線方向の寸法は、たとえば7ミリメートルであってもよい。第3支持凹所69の軸線方向の寸法は、容器本体31の第2容器部34の案内突起片40の軸線方向寸法よりもわずかに大きく設定され、たとえば3ミリメートルであってもよい。
【0063】
図14(1)は、シール材47を示す正面図であり、図14(2)は、シール材47の周方向に垂直な断面を示す図である。シール手段であるシール材47は、柔軟性および弾発性を有する、たとえばシリコンゴムなどの合成樹脂から成る。シール材47は、図14(1)に示すように、大略的には円環状に形成される。シール材47は、図14(2)に示すように、基部47aおよび当接部47bを含む。シール材47の基部47aは、軸線L35を中心とする周方向に垂直な断面形状が長方形状にして形成される。シール材47の当接部47bは、基部47aの軸線方向一端部であって半径方向内方部から、軸線方向他端部から軸線方向一端部に向かうにつれて半径方向外方に傾斜するように突出する。
【0064】
シール材47の基部47aの内周部の直径は、容器本体31の第1容器部33の外周部および第2容器部34の案内突起片40を除く外周部の外径よりも小さく設定され、たとえば99ミリメートルであってもよい。またシール材47の基部47aおよび当接部47bの外周部の直径は、回転軸線L31を中心として容器本体31の第3容器部33の各排出案内片44の外周部を通る仮想円の直径と同等または前記仮想円の直径よりも大きく設定され、たとえば115ミリメートルであってもよい。またシール材47の軸線方向の寸法は、支持部材32の第1および第2支持凹所67,68の軸線方向の寸法以下に設定され、たとえば6ミリメートルであってもよい。
【0065】
図15は、現像剤収納容器30を組立てる状態を示す正面図である。図16は、図15の切断面線S16−S16から見た断面図である。現像剤収納容器30を組立てる前に、支持部材32を第1支持部55と第2支持部56とに分割しておく。またこのとき2つのシール材47のうち、一方のシール材47を第1容器部33の開口端部33bに密着して巻回するとともに、シール材47の基部47aを第3容器部35の軸線方向一端部の端面に密着させるようにして、容器本体31の第1容器部33に装着する。また他方のシール材47を第2容器部34の開口端部34bであって、案内突起片40よりも軸線方向一端部側に密着して巻回するとともに、シール材47の基部47aを第3容器部35の軸線方向他端部の端面に密着させるようにして、容器本体31の第2容器部34に装着する。
【0066】
第1支持部55と第2支持部56とによって、容器本体31の第3容器部35を含む部分を、半径方向外方から挟持する。この状態で、第1支持部55と第2支持部56とをねじ部材57とによって連結する。
【0067】
図17は、図3の切断面線S17−S17から見た断面図である。容器本体31が支持部材32によって支持されている状態では、容器本体31の軸線L31と支持部材32の内周部48の軸線L32とが、完全に、またはほぼ一致しており、容器本体31は、支持部材32に対して、軸線L31まわりに回転自在である。この状態で、支持部材32の支持台49を水平面に設置した場合、容器本体31の第1および第2容器部33,34は、水平面から離間しており、水平面と回転軸線L31とは平行となる。
【0068】
支持部材32において、詳細に述べると、第1支持凸部58の各支持突起片61が、第1容器部33の外周部に当接し、第2支持凸部59の各支持突起片61が、第2容器部34の案内突起片40を除く外周部に当接する。このように第1容器部33の外周部は、第1支持凸部58の各支持突起片61によって、周方向に等間隔をあけて大略的に4点支持されるとともに、第2支持凸部59の各支持突起片61によって、周方向に等間隔をあけて大略的に4点支持される。これによって第1容器部33の外周部と第1支持凸部58との間、および第2容器部34の外周部と第2支持凸部59との間における、容器本体31の回転に抗する摩擦力を極めて小さくすることができる。
【0069】
第1容器部33のシール材47は、支持部材32の第1支持凹所67に嵌り込み、シール材47の当接部47bは、第1支持凸部58の軸線方向他端面に全周にわたって弾発的に当接する。第2容器部34のシール材47は、支持部材32の第2支持凹所68に嵌り込み、シール材47の当接部47bは、第2支持凸部59の軸線方向一端面に全周にわたって弾発的に当接する。このような2つのシール材47によって、容器本体31の第1および第2凹部41,42および排出孔43ならびに支持部材32の導通孔51よりも容器本体31の軸線方向一端側および軸線方向他端側における容器本体31と支持部材32との間において、周方向全周にわたってシールが達成される。
【0070】
容器本体31の第2容器部34の案内突起片40は、支持部材32の第3支持凹所69に、支持部材32に対して軸線方向へのスライド変位を規制されて嵌り込む。これによって、容器本体31は、支持部材32に対して、軸線方向へのスライド変位が規制される。容器本体31の第3容器部35の各排出案内片44の外周部は、支持部材32の内周部48に当接する。このようにして支持部材32は、半径方向外方から全周にわたって、容器本体31の少なくとも第1凹部41を含む部分を回転軸線L31まわりに回転自在にして支持する。
【0071】
図18は、図2の切断面線S18−S18から見た断面図である。図19は、図18のセクションIXXを拡大して示す図である。図18および図19(1)は、容器本体31が支持部材32に対して初期状態にあるときの図である。導出部材38は、基端部38aで支持部材32の導通孔51の第1水平方向一方向F1上流側端部に臨む部分に設けられて回転方向R上流側へ延び、遊端部38bが容器本体31の第3容器部35の第1凹部41の少なくとも底壁部41bおよび第2凹部42の底壁部42bの外周面に弾発的に当接可能である。また導出部材38の遊端部38bは、容器本体31の第3容器部35の第1凹部41の少なくとも底壁部41bおよび第2凹部42の底壁部42bの外周面に対して90度を超える角度θを成して当接する。詳細には、前記角度θは、導出部材38の遊端部38bの上方に臨む面と各凹部41,42の底壁部41b,42bの外周面との成す角度である。
【0072】
封止シート66は、基端部66aで支持部材32の導通孔51の第1水平方向一方向F1上流側端部に臨む部分に設けられる。封止シート66の基端部66aを除く部分66bは、容器本体31が支持部材32に対して初期状態にあるとき、第1凹部41の少なくとも端壁部41aを覆うようにして、たとえば熱溶着などによって離脱可能に設けられる。このようにして初期状態では、排出孔43は封止シート66の基端部66aを除く部分66bによって塞がれる。これによって初期状態において、利用者がシャッタ部65のシャッタ65を開位置P2に誤って配置しても、導通孔51から容器本体31に収納される現像剤が不所望に排出されることを防止することができる。
【0073】
前記初期状態から容器本体31が回転軸線L31まわりに回転方向Rに回転されることによって、封止シート66の基端部66aを除く部分66bが第1凹部41の端壁部41aから離脱して、排出孔43が開放される。また第1凹部41の端壁部41aから離脱した封止シート66の基端部66aを除く部分66bは、図19(2)に示すように、支持部材32の導通孔51の回転方向R下流側で、容器本体31の第3容器部35と支持部材32の内周部48との間に配置される。これによって利用者が封止シート66を直接取除くことなく、容器本体31を回転することで、容易に排出孔43を開放させることができる。
【0074】
支持部材32の支持台49を水平面に設置して、現像剤が収納されている状態では、容器本体31の内空間は、現像剤で占められる現像剤層と、現像剤層よりも上方の気体で占められる気層との2層が形成される。容器本体31を、第1容器部33から第2容器部34を見て回転軸線L31を中心にして時計まわりに回転させる。このとき第1容器部33の現像剤層の現像剤は、第1突起片36によって回転軸線L31に沿って第1容器部33から第3容器部35に向かう第1搬送方向C1(図2参照)に搬送される。またこのとき第2容器部34の現像剤層の現像剤は、第2突起片39によって回転軸線L31に沿って第2容器部34から第3容器部35に向かう第2搬送方向C2(図2参照)に搬送される。このように容器本体31を回転軸線L31まわりに回転することによって、収納される現像剤を排出孔43に向けて搬送することができる。さらに第3容器部35において、第1搬送方向C1に向かう現像剤と、第2搬送方向C2に向かう現像剤とが互いに衝突して、これによって現像剤を攪拌することができる。
【0075】
現像剤が搬送されるときに現像剤には、第1および第2突起片36,39を含む第1および第2容器部33,34の内周部から第3容器部35に向かう力が与えられる。容器本体31に収納される現像剤の量が多いとき、第1および第2容器部33,34の内周部から第1および第2突起片36,39の半径方向内方への突出量A2以内に配置される現像剤は、容器本体21が回転することによって主に攪拌され、容器本体21内でバランスが保たれている。
【0076】
図20および図21は、容器本体31が回転軸線L31まわりの回転方向Rに回転しているときに、容器本体31の第3容器部35内の現像剤が支持部材32の導通孔51に導かれるまでの動作を説明するための図である。図7、図9および図17をも併せて参照する。容器本体31が支持部材32によって回転軸線L31まわりに回転自在に指示されている状態では、第3容器部31の第1凹部41と支持部材32の内周部48とに臨む第1保持空間62aが形成される。第1保持空間62aは、排出孔43を除いて大略的には閉じた空間となっており、排出孔43の回転方向R上流側に配置され、排出孔43を介して容器本体31内の空間に連通している。また第3容器部31の第2凹部41と支持部材32の内周部48とに臨む第2保持空間62bが形成される。第2保持空間62bは、大略的には閉じた空間となっている。
【0077】
図20(1)に示す、排出孔43および第1保持空間62aが、容器本体31内の現像剤層63の上面63aよりも上方に配置される状態から、容器本体31が回転方向Rに回転して、図20(2)に示す、排出孔43および第1保持空間62aの回転方向R下流部が、容器本体31内の現像剤層63の上面63aよりも下方に配置される状態となると、容器本体31内の現像剤層63の現像剤が、矢符G1に示すように、排出孔43を介して第1保持空間62aの回転方向R下流部に流入する。
【0078】
前述したように、排出孔43は、第1凹部41の端壁部41aの軸線方向中間部であって、半径方向外方寄りに、軸線方向を長手方向とする長方形状に開口して形成される。したがって排出孔43は第1凹部41の端壁部41aにおいて、第1凹部41の底壁部41bの回転方向R下流側端部よりも半径方向外方寄り、かつ第1側壁部41cの回転方向R下流側端部よりも軸線方向他端部寄り、かつ第2側壁部41dの回転方向R下流側端部よりも軸線方向一端部寄りで開口している。
【0079】
たとえば前記端壁部41aに全体に排出孔43が開口する場合、現像剤は、容器本体31が回転方向Rに回転することによって、容器本体31の第1凹部41および支持部材32の内周部48に沿って密にして押出されるようにして、排出孔43から第1保持空間62aに排出される。このような状態で容器本体31がさらに回転方向Rに回転することによって、第1保持空間62aに保持されている現像剤は、容器本体31の第1凹部41および支持部材32の内周部48によって押圧されて、凝集してしまう危険性がある。本実施の形態では、前述のように、排出孔43は第1凹部41の端壁部41aの一部に形成される、換言すれば、排出孔43の開口面積が端壁部41aの面積よりも小さく形成されるので、現像剤は、第1保持空間62aにおける排出孔43付近において、拡散するようにして第1保持空間62aに排出される。これによって第2保持空間62aに排出される現像剤を粉体状にすることができるとともに、前述のような容器本体31の回転による現像剤の凝集を可及的に防止することができる。
【0080】
さらに排出孔43の半径方向外方側の面は、第1凹部41の回転方向R下流側の、第1凹部41および第2凹部42を除く第3容器部35の内周面に滑らかに連通している。これによって容器本体31に収納される現像剤の量が非常に少なくなっても、現像剤は、排出孔43を介して第1保持空間62aの回転方向R下流部に容易に流入することができる。
【0081】
図20(2)に示す状態から、さらに容器本体31が回転方向Rに回転すると、容器本体31内の現像剤層63の現像剤が、排出孔43を介して第1保持空間62aの回転方向R下流部に流入ながら、図21(1)に示す、排出孔43が容器本体31内の現像剤層63の上面63aよりも上方に配置され、第1保持空間62aが容器本体31内の現像剤層63の上面63aよりも下方に配置される状態となる。このような図21(1)に示す状態では、予め定める量の現像剤が、第1保持空間62aに保持される。このように第1保持空間62aに保持される現像剤の量は、たとえば6グラムであってもよい。
【0082】
図21(1)に示す状態から、さらに容器本体31が回転方向Rに回転すると、図21(2)に示す、支持部材32の導出部材38の遊端部38bが、第1保持空間62aに進入して、回転方向R上流側に延びて、第1凹部41の底壁部41bの外周面に対して90度を超える角度θを成して弾発的に当接しながら、当該外周面に対して摺動する状態となる。このとき導出部材38よりも回転方向R上流側の第1保持空間62aに保持されている現像剤は、容器本体31が回転方向Rに回転することによって、支持部材32に向かって流動する。
【0083】
導出部材38は、このように流動してきた現像剤、換言すれば容器本体31の排出孔43から排出された現像剤を、矢符G2に示すように、導出部材38の上面に沿って案内して導通孔51に導く。導出部材38は、現像剤を第1凹部41の底壁部41bの外周面から掻き取るようにして、当該外周面に対して摺動するので、第1保持空間62aに保持されていた現像剤を可及的に全て導通孔51に導くことができる。このように導通孔51に導かれた現像剤は、現像剤収納容器30の外部へと導かれて排出される。このように容器本体31が軸回転軸線L31まわりに回転方向Rに1回転する毎に、前述の予め定める量の現像剤が、外部に排出される。
【0084】
第3容器部31の第1および第2凹部41,42を除く部分と、支持部材32の内周部48とは、前述したように、容器本体31の回転軸線L31まわりの回転を阻止する摩擦力を低減するために、周方向全周にわたって全体的に当接していない。したがって前述のように第1保持空間62aに保持されている現像剤が、第1保持空間62aから漏れ出す可能性が全くないわけではない。前述のように、第3容器部35の第1凹部41および第2凹部42を除く軸線方向一端部および軸線方向他端部の外周部には、排出案内片44が設けられている。第3容器部35の軸線方向一端部に設けられる排出案内片44は、軸線方向他端部から軸線方向一端部に向かうにつれて回転方向Rに傾斜しており、第3容器部35の軸線方向他端部に設けられる排出案内片44は、軸線方向一端部から軸線方向他端部に向かうにつれて回転方向Rに傾斜しているので、万一、第1保持空間62aに保持されている現像剤が、回転軸線L32方向一方側および他方側に漏れ出た場合には、容器本体31が回転方向Rに回転しているときに、各排出案内片44によって、第3容器部35および支持部材32の軸線方向中間部に寄せ集めることができる。
【0085】
また前述のように第2保持空間62が形成されているので、万一、第1保持空間62aに保持されている現像剤が、第1保持空間62aの回転方向R上流部から漏れ出た場合、このように漏れ出た現像剤および各排出案内片44によって軸線方向中間部に寄せ集められた現像剤は、第2保持空間62に保持される。容器本体31が回転方向Rに回転すると、図21(1)に示す、支持部材32の導出部材38の遊端部38bが、第2保持空間62bに進入して、回転方向R上流側に延びて、第2凹部42の底壁部42bの外周面に対して90度を超える角度θを成して弾発的に当接しながら、当該外周面に対して摺動する状態となる。このとき導出部材38よりも回転方向R上流側の第2保持空間62bに保持されている現像剤は、容器本体31が回転方向Rに回転することによって、支持部材32に向かって流動して、導通孔51に導かれて、現像剤収納容器30の外部へと導かれて排出される。このように容器本体31が軸回転軸線L31まわりに回転方向Rに1回転する毎に、万一、第1保持空間62aから現像剤が漏れ出てたとしても、漏れ出た現像剤は第2保持空間62bによって保持されるので、前述の予め定める量の現像剤を、可及的に確実に外部に排出することができる。
【0086】
また前述のように、支持台49を水平面状に設置した状態で、支持部材32には、その上部に、一水平方向一方向である第1水平方向一方向F1に突出する排出部50が形成され、排出部50における支持部材32の軸線方向中間部には、前記第1水平方向一方向F1に沿って貫通し、支持部材の軸線L32に平行な方向に延びる長円状に開口する導通孔51が形成される。これによって容器本体31に満杯の現像剤が収納されているときでも、現像剤層63の上面63aが、導通孔51と同じ高さ、または導通孔51よりも下方に配置されるので、現像剤が容器本体31から導通孔51に不所望に流出することを確実に防止できる。
【0087】
図22は、現像剤収納容器30から排出される現像剤の量と時間との関係を示すグラフである。図22において、曲線H1は、容器本体31の第3容器部35の内径D35が、第1および第2容器部33,34の内径D33,D34以下に形成されている場合の、現像剤収納容器30から排出される現像剤の量と時間との関係を示す。また曲線H2は、容器本体31の第3容器部35の内径D35が、第1および第2容器部33,34の内径D33,D34よりも大きく形成されている場合の、現像剤収納容器30から排出される現像剤の量と時間との関係を示す。
【0088】
粉体状になった現像剤は、たとえば水平面に鋭利な山のように載置しても、すぐになだらかな山のようになってしまう性質がある。たとえば容器本体31の第3容器部35の内径D35が、第1および第2容器部33,34の内径D33,D34以下に形成されている場合、容器本体31の回転によって排出孔43に向けて搬送された現像剤は、容器本体31の回転が停止すると、排出孔43から離反するようになる。このような場合、容器本体31内に収納される現像剤の量が非常に少なくなったときには、容器本体31の回転が再開した直後に、充分な量の現像剤を排出孔43に向けて搬送することが困難となる。
【0089】
本実施の形態では、前述した図8に示すように、容器本体31の第3容器部34の内径は、残余の部分である第1および第2容器部33,34の内径D33,D34よりも大きく形成されるので、容器本体31内に収納される現像剤の量が非常に少なくなったとき、一旦、第3容器部35に搬送された現像剤が第3容器部35から離反することを可及的に防止することができる。これによって容器本体31内に収納される現像剤の量が非常に少なくなったときにも、容器本体31の回転が再開した直後に、充分な量の現像剤を排出孔43に向けて搬送することが可及的に可能となる。さらに容器本体31に収納される全ての現像剤を、外部に排出することが可及的に可能となる。
【0090】
曲線H1に示すように、容器本体31の第3容器部35の内径D35が、第1および第2容器部33,34の内径D33,D34以下に形成されている場合、容器本体31に収納されている現像剤の量が減少すると、現像剤の排出量は、それに鋭く対応して減少する。一方、曲線H2に示すように、容器本体31の第3容器部35の内径D35が、第1および第2容器部33,34の内径D33,D34よりも大きく形成されている場合、曲線H1に比べて、容器本体31に収納されている現像剤の量が減少しても、現像剤の排出量は、現像剤の量が零に近くなるまでは、ほぼ一定を保っている。したがって、本実施の形態の現像剤収納容器30は、より長時間にわたって安定した現像剤の排出が可能になる。
【0091】
以上のように本実施の形態の現像剤収納容器30によれば、支持部材32によって容器本体31を安定して支持しながら回転軸線L31まわりに回転することができる。現像剤が収納される従来技術のような円筒状の容器を、その軸線が水平面に対して垂直になるように立設して放置しておくと、容器の下方の現像剤が凝集する危険性がある。またこのような現像剤の凝集をできるだけ防ぐために、前記容器を、その軸線が水平面に対して平行になるように水平面に設置すると、前記容器が転がってしまう。本実施の形態の現像剤収納容器30では、支持部材32の支持台49を水平面に設置することで、容器本体31の軸線L31を水平面に平行に安定して配置することができる。また万一、現像剤収納容器30に収納される現像剤が部分的に凝集しても、たとえば利用者がシャッタ部65のシャッタ65aを閉位置P1に配置して容器本体31を回転させることによって、現像剤を容易に攪拌して粉体状にすることができる。
【0092】
また本実施の形態の現像剤収納容器30によれば、係合部の突起片37は、先細状に形成される、容器本体31の軸線方向他端面34cは、中央部が周縁部に比べて軸線方向へ突出する曲面状に形成される。これによって容器本体31の軸線方向両端部33a,34aのいずれかを水平面に設置して、軸線L31が水平面に略垂直になるようにして現像剤収納容器30を水平面に立設させようとしても、倒れやすくなっている。これによって利用者が現像剤収納容器30を軸線L31が水平面に略垂直になるようにして立設して放置することを防止して、収納される現像剤が凝集する要因を減らすことができる。
【0093】
また本実施の形態の現像剤収納容器30によれば、支持部材32は、容器本体31の少なくとも第3容器部35を含む部分を、半径方向外方から全周にわたって支持している。さらに容器本体31と支持部材32との間に2つのシール材47が設けられて、前述のようにシールが達成されているので、容器本体31が回転しても、容器本体31と支持部材32との間から現像剤が漏出することを防止できる。
【0094】
また本実施の形態の現像剤収納容器30によれば、現像剤の排出量は、第1保持空間62aの容積と、容器本体31の回転速度に依存する。本実施の形態の現像剤収納容器30において、凹所は第1および第2凹所41,42の2個設け、第1凹所41だけに排出孔43を設ける構成としたけれども、これに限ることはない。たとえば、容器本体31の1回転あたりの現像剤の排出量を増やしたい場合には、第2凹所42を第1凹所41と同様の形状にして排出孔43を設ける構成としてもよい。また凹所の数および排出孔の数をさらに増やすようにしてもよい。
【0095】
図23は、本発明の第2の実施形態の現像剤収納容器の容器本体の第1容器部33を示す正面図である。図24は、第1容器部33を示す左側面図である。本実施の形態の現像剤収納容器は、係合部を除いては、前述の第1の実施形態の現像剤収納容器30と同様であるので、同様の構成に関しては詳細な説明を省略する。軸線方向一端面部である第1容器部33の底部33aには、係合部および補給部が形成される。係合部は、軸線方向に突出する複数の、本実施の形態では4個の突起片37a,37b,37c,37dを有し、各突起片37a〜37dは、少なくとも1つの突起片である第1突起片37aの突出量が、他の突起片である第2突起片37b、第3突起片37cおよび第4突起片37dの突出量と異なり、大きく突出している。
【0096】
補給部は、第1容器部33の底部33aの中央部に、回転軸線L31方向に貫通し、第1容器部33の軸線L33と同軸の円形状に開口する補給孔45と、前記補給孔45の形状に対応して形成され、補給孔45の周縁部に着脱可能な蓋部材46とを含む。蓋部材45は、補給孔45との間のシールを達成した状態で、容器本体31の回転によって離脱しないようにして装着される。蓋部材46を補給孔45から離脱させることで、容器本体31の内空間と外空間とが連通し、この状態で、現像剤を容器本体31に補給することができる。
【0097】
突起片37a〜37dは、詳細に述べると、補給孔45よりも半径方向外方に、互いに第1容器部33の軸線L33に関して対称な位置であって、周方向に等間隔をあけて配置される。また突起片37a〜37dは、補給孔45および蓋部材46よりも軸線方向へ突出して形成される。突起片37a〜37dは、さらに詳細に述べると、図24に示すように、軸線L33に垂直な断面形状が、略長方形に形成される。第1突起片37の底部33aの残余の部分からの軸線L33方向への突出量A37aは、たとえば10ミリメートルであってもよい。また第2〜第4突起片37b〜37dの底部33aの残余の部分からの軸線L33方向への突出量A37bは、たとえば7ミリメートルであってもよい。また第2〜第4突起片37b〜37dの補給孔45および蓋部材46からの軸線L33方向への突出量Δhは、たとえば5ミリメートルであってもよい。
【0098】
このような各突起片37は、画像形成装置に搭載される状態で、画像形成装置に設けられる本体側連結部に軸線まわりの回転駆動力を伝達可能に係合される。また現像剤を補給するための補給部は、開閉自在であり、各突起片37a〜37dに本体側連結部が係合される状態で本体側連結部によって覆われる位置に設けられる。
【0099】
図25は、本発明の実施の他の形態の画像形成装置70を示す断面図である。図26は、トナーホッパ72付近を拡大して示す断面図である。図27は、トナーホッパ72付近を拡大して示す平面図である。図25は、画像形成装置70の正面外装部71a側から見た断面図であり、理解を容易にするために、厚みを省略している。正面外装部71aとは、通常、利用者が画像形成装置70を利用するときに、利用者が臨んでいる部分である。背面外装部71bとは、画像形成装置70において、前記正面外装部71a側にいる利用者から見て、前記正面外装部71aに対して対して裏側に当たる部分である。また画像形成装置70は、水平面に設置されているとし、正面外装部71aから背面外装部71bに向かう方向である正背方向Eは、水平面に平行となる。
【0100】
プリンタ装置および複写装置などの電子写真記録方式の画像形成装置70は、前述の現像剤収納容器30および画像形成装置本体(以後、単に「装置本体」と表記することがある)71を含む。現像剤収納容器30は、装置本体71に備えられるトナーホッパ72に、装置本体71の正面外装部71aに設けられる開閉自在の容器着脱口(図示せず)を介して着脱可能にして装着される。また画像形成装置本体71は、正面外装部71aよりも背面外装部71b側に筐体正面部93が設けられ、厚み方向に貫通し現像剤収納容器30を挿通可能な開口部が形成される。また画像形成装置本体71は、背面外装部71bよりも正面外装部71a側に筐体背面部94が設けられる。筐体正面部93および筐体背面部94を含む筐体(全ては図示せず)によって、画像形成装置本体71の各種構成が保持される。本実施の形態の画像形成装置70は、第1の従来技術の画像形成装置2におけるトナーカートリッジ1をトナーホッパ−72に代えた構成であり、他の構成は第1の従来技術の画像形成装置2とほぼ同様であるので、同様の構成に関しては同一の参照符号を付す。
【0101】
トナーホッパ72は、ハウジング73、現像剤供給部74、攪拌部材75および供給ローラ76を備える。ハウジング73の内空間は、現像剤供給部74によって、少なくとも容器収容空間77と攪拌空間78とに分割される。容器収容空間77は、装置本体71の正面外装部71aに臨んで開放している。攪拌空間78は、大略的に閉じた空間である。現像剤収納容器30は、前記収納容器空間77に配置される。
【0102】
容器収容空間77に臨むハウジング73の上壁部73aには、現像剤収納容器30の支持部材32の第1案内片53が嵌入可能な、装置本体71の正背方向Eに延びる第1案内凹所79が形成される。第1案内凹所79は、現像剤収納容器30の支持部材32の第1案内片53が長手方向、換言すれば、装置本体71の正背方向Eに平行であって、正面外装部71aから背面外装部71bに向かう方向の装着方向E1および装着方向E1とは逆の方向である離脱方向E2に摺動可能にして嵌合可能である。また容器収容空間77に臨むハウジング73の前記上壁部73aに対向する下壁部73bには、現像剤収納容器30の支持部材32の第2案内片54が嵌入可能な、装置本体71の正背方向Eに延びる第2案内凹所80が形成される。第2案内凹所80は、現像剤収納容器30の支持部材32の第2案内片54が長手方向、換言すれば、装置本体71の装着方向E1および離脱方向E2に摺動可能にして嵌合可能である。
【0103】
現像剤供給部74は、ハウジング73の内空間を、容器収容空間77と攪拌空間78とに分割する板状の部材であり、その厚さ方向に貫通して、容器収容空間77と攪拌空間78とを連通する連通孔81が設けられる。また現像剤供給部74の連通孔81の下方には、容器収容空間77に突出する案内部材82が設けられる。
【0104】
図28は、本体側連結部83を拡大して示す斜視図である。装置本体71のモータなどの駆動源84からの現像剤収納容器30の容器本体31を回転するための駆動力は、歯車などの減速装置85を介して、本体側連結部83に伝達する。駆動手段は、駆動源84、減族装置85および本体連結部83を含む。本体側連結部83は、回転軸86、継手受部87およびばね部材88を含んで構成される。回転軸86は、その軸線L86が装置本体71の正背方向Eに平行にして、装置本体71の背面外装部71b側のハウジング73の背壁部となる筐体背面部94を厚さ方向に貫通して設けられる軸受部89に回転自在に挿通されて、その遊端部が容器収容空間77に配置される。
【0105】
継手受部87は、略円盤状に形成され、容器収容空間77に臨み、回転軸86と一体となって軸線L86まわりに回転自在にして、回転軸86の遊端部に連結される。継手受部87の筐体背面部94に臨む表面部とは逆の表面部87aの中央部には、回転軸86の軸線L86を軸線として筐体背面部94側に陥没し、現像剤収納容器30の蓋部材46が装着されている補給孔45が嵌入可能な補助凹所96が設けられる。また継手受部87の前記表面部87aの前記補助凹所96よりも半径方向外方には、互いに回転軸86の軸線L86をに関して対称な位置に配置されて、筐体背面部94側に陥没する複数、本実施の形態では2個の係合凹所90が形成される。これらの係合凹所90は、第1の実施形態の現像剤収納容器30の容器本体31の各突起片37に対応する形状となっており、容器本体31の各突起片37が係合凹所90に係合することで、容器本体31は、装置本体71に搭載される状態で本体側連結部83に軸線L31まわりの回転駆動力を伝達可能となる。
【0106】
また継手受部87は、回転軸86の遊端部から脱落することなく、回転軸86の軸線方向に変位自在である。また圧縮コイルばねなどで実現されるばね部材88は、筐体背面部94と継手受部87との間に配置され、回転軸86および継手受部87の回転を阻害することなく、継手受部87が筐体背面部94から離間する方向へのばね力を付勢する。現像剤収納容器30の容器本体31の突起片37を含む軸線方向一端部33aと、本体側連結部83の継手受部87とによって、カップリング構造が形成される。したがって容器本体31の突起片37は、本体側連結部83の継手受部87に着脱可能に連結することができる。
【0107】
図29は、現像剤収納容器30の突起片37を装置本体71の本体側連結部83の係合凹所90に係合させる動作を模式的に示す平面図である。まず現像剤収納容器30を装置本体71に装着するときは、図29(1)に示すように、現像剤収納容器30を、回転軸線L31と装着方向E1とを平行にして、装置本体71の正面外装部71aからトナーホッパ72の容器収納空間77に挿入する。このとき現像剤収納容器30の支持部材32の第1案内片53をハウジング73の第1案内凹所79に嵌合するとともに、支持部材32の第2案内片54をハウジング73の第2案内凹所80に嵌合して、支持部材32の装着方向E1および離脱方向E2を除く方向への変位を阻止する。これによって現像剤収納容器30の回転軸線L31と本体側連結部83の回転軸86の軸線L86とが同軸に配置される。この状態で、現像剤収納容器30を装着方向E1に変位させて、図29(2)に示すような、支持部材32の排出部50の導通孔51と現像剤供給部74の連通孔81とが連通する位置である装着位置に配置する。このとき本体側連結部83の継手受部87が容器本体31の突起片37によって装着方向E1に押圧されて縮退し、ばね部材88が圧縮される。
【0108】
トナーホッパ72には、現像剤収納容器30が装着位置に配置されている状態で、支持部材32が装着方向E1および離脱方向E2への変位の規制および規制の解除を行う規制部材が設けられる(図示せず)。現像剤収納容器30に収納されていた現像剤が全て排出されると、利用者は、前記規制部材による支持部材32への規制を解除して、現像剤収納容器30を離脱方向E2に変位させて、装置本体71から現像剤収納容器30を離脱する。
【0109】
トナーホッパ72の現像剤供給部74の容器収容空間77に臨む連通孔81の周囲には、現像剤収納容器30のシャッタ部65のシャッタ65aをスライド変位させるためのシャッタ変位手段が設けられる(図示せず)。現像剤収納容器30を、回転軸線L31と装着方向E1とを平行にして、装置本体71の正面外装部71aからトナーホッパ72の容器収納空間77に挿入するとき、シャッタ変位手段によって、閉位置P1に配置されていたシャッタ65aが第2水平方向一方向B1にスライド変位して、現像剤収納容器30が装着位置に配置されると、シャッタ65aは開位置P2に配置される。また装置本体71に装着されて装着位置に配置されている現像剤収納容器30を離脱方向E2に変位させて、装置本体71から現像剤収納容器30を離脱するとき、シャッタ変位手段によって、開位置P2に配置されていたシャッタ65aが第2水平方向他方向B2にスライド変位して、閉位置P1に配置される。
【0110】
また現像剤収納容器30の支持部材32の排出部50の導通孔51の周囲、およびトナーホッパ72の現像剤供給部74の容器収容空間77に臨む連通孔81の周囲の、少なくともいずれかには、導通孔51から連通孔81に流下する現像剤が攪拌空間78以外に漏れ出ることを防止するためのシール材が設けられる(図示せず)。
【0111】
図27に示すように、装置本体71において、現像部200は、正背方向E中間部に配置される。これは装置本体71の感光体ドラム202が、装置本体71において正背方向E中間部に配置されているためである。また本体側連結部83ならびに攪拌部材75および供給ローラ76を回転するための駆動源84および減速装置85などの駆動部は、装置本体21において筐体背面部94と背面外装部71bとの間に配置される。したがって現像剤収納容器30が装着位置に配置されている状態で、現像剤収納容器30の支持部材32は、装置本体71の正背方向E中間部に配置される。現像剤収納容器30において、前述のように容器本体31の支持部材32から突起片37が形成される軸線方向一端部33aの端面までの長さ寸法は、支持部材32から軸線方向他端部34aの端面までの長さ寸法よりも小さく形成される。
【0112】
たとえば図30に示すような第1の従来技術のような、軸線方向他端部4に現像剤を排出するとともに駆動源に連結される開口部6が設けられるトナーボトル1の場合、前記開口部は、現像剤供給口付近、すなわち画像形成装置本体における正背方向中間部に配置される。この場合、従来のトナーボトルの軸線方向の寸法は、画像形成装置本体の正背方向中間部から正面部までの寸法に基づいて設定されるので、容器の容量を大きくすることが困難である。
【0113】
本実施の形態の画像形成装置70における現像剤収納容器30では、支持部材32は容器本体31の軸線方向中間部に配置されるので、画像形成装置本体71における装着位置に装着した状態で、支持部材32は、装置本体71における正背方向E中間部に配置される。これによって容器本体31を、装置本体71の正背方向E中間部から正面部まで伸ばすとともに、正背方向E中間部から背面まで伸ばして、従来のトナーボトル1に比べて容量を極めて大きくすることができる。本実施の形態では、図27に示すように、現像剤収納容器30の軸線方向他端部34aは、筐体正面部93よりも正面外装部71側に出っ張っている。
【0114】
また容器本体31の支持部材32から軸線方向一端部33aの端面までの長さ寸法を、支持部材32から軸線方向他端部34aの端面までの長さ寸法よりも小さくすることで、装置本体71の背面部において、容器本体31の軸線方向一端部33aの突起片37に連結される駆動源84および減速装置85を含む駆動部を設ける領域を確保することができる。このように現像剤収納容器30は、装置本体71内の空間を有効に利用して、かつ現像剤の収納量を可及的に大きくするという2つの比類ない効果を奏する。
【0115】
このように現像剤収納容器30が装着位置に配置されている状態で、駆動源84を駆動して、継手受部87を回転すると、継手受部87の係合凹所90と現像剤収納容器30の突起片37とが係合している状態では、そのまま容器本体31が回転軸線L31まわりに回転する。また、継手受部87の係合凹所90と現像剤収納容器30の突起片37とが係合していない状態では、継手受部87の係合凹所90と現像剤収納容器30の突起片37とが嵌合するまでは、しばらくの間、継手受部87だけが軸線L86まわりに角変位し、継手受部87の係合凹所90と現像剤収納容器30の突起片37とが係合すると、ばね部材88によるばね力が付勢されて、継手受部87の係合凹所90と現像剤収納容器30の突起片37とが密着するように係合して、容器本体31が回転軸線L31まわりに回転する。このように現像剤収納容器30の容器本体31が回転軸線L31まわりに回転することで、現像剤収納容器30に収納されている現像剤が、支持部材32の排出部50の導通孔51およびトナーホッパ72の現像剤供給部74の連通孔81を介して、攪拌空間78に供給されて収容される。
【0116】
現像剤収納容器30の突起片37は、補給孔45の周縁部に装着される蓋部材46よりも軸線方向へ突出して形成され、さらに本体側連結部83の継手受部87には蓋部材46が嵌入可能な補助凹所86が設けられるので、蓋部材46が、突起片37の本体側連結部83への係合を阻害することを防止できるとともに、蓋部材46が、本体側連結部83の継手受部87に当接して破損することを確実に防止することができる。また蓋部材46は、突起片37が本体側連結部83に係合される状態で継手受部87によって覆われる位置に設けられるので、現像剤収納容器30が装置本体71に搭載されて、突起片37が本体側連結部83に係合される状態で、利用者は蓋部材46を操作することができない。これによって現像剤収納容器30が装置本体71に搭載されている状態で、利用者が誤って蓋部材46を離脱してしまうことを確実に防止することができる。
【0117】
また、たとえば現像剤収納容器30の突起片37の代わりに本体側連結部83の継手受部87のような係合凹所とするとともに、本体側連結部83の継手受部87の係合凹所90の代わりに現像剤収納容器30のような突起片を設ける構成では、同様に互いに係合することはできる。しかしこのような場合、継手受部87の突起片と現像剤収納容器30の係合凹所とが係合していない状態では、継手受部87の突起片と現像剤収納容器30の係合凹所とが嵌合するまでの継手受部87だけが軸線L86まわりに角変位しているときに、継手受部87の突起片が現像剤収納容器30の係合凹所が形成される軸線方向一端面部を摺動する。このような継手受部87の突起片が現像剤収納容器30の軸線方向一端面部を摺動によって、現像剤収納容器30の軸線方向一端面部が継手受部87の突起片によって抉られるようにして破損する危険性がある。本実施の形態では、現像剤収納容器30の突起片37は、軸線方向へ突出して形成されるので、前述のような危険性を回避することができる。
【0118】
攪拌部材75および供給ローラ76は、互いに間隔をあけて装置本体71の正背方向Eに延び、攪拌空間78に配置される。攪拌部材75は、正背方向Eに平行な攪拌軸線L75まわりに回転自在であり、攪拌軸線L75方向に延びて可撓性を有する掻出部材91を有する。また攪拌部材75は、装置本体71に設けられる駆動源84からの駆動力によって、装置本体71の正面から見て攪拌軸線L75まわりの時計回り方向J1に回転する。供給ローラ76は、正背方向Eに平行な供給軸線L76まわりに回転自在であり、その外周面部は、たとえばスポンジなどの多孔質の樹脂から成る。また供給ローラ76は、装置本体71に設けられる駆動源84からの駆動力によって、装置本体71の正面から見て攪拌軸線L76まわりの反時計回り方向J2に回転する。
【0119】
トナーホッパ72の攪拌空間78に臨み、現像剤供給部74に連通し、装置本体21の正背方向Eに延び、攪拌部材75の攪拌軸線L75に垂直な断面形状が略U字状で、上方に開放する部分円筒内周面状に形成される攪拌壁部92が設けられる。現像剤は1箇所の連通孔81から攪拌空間78に供給されるけれども、前述のように現像剤収納容器30から排出される現像剤は、攪拌されるだけでなく気体とも混合されて微粉体状になり、極めて流動性が良好であるので、連通孔81から供給されただけでも、攪拌空間78において攪拌軸線L75方向に拡散する。攪拌空間78に収容された現像剤は、攪拌部材75による攪拌によって、攪拌空間78において攪拌軸線L75方向にさらに拡散する。
【0120】
攪拌部材75が回転すると、連通孔81から供給され攪拌空間78に収容される現像剤を攪拌するとともに、掻出部材91は、その遊端部が攪拌壁部92に当接しながら、攪拌空間78に収容される現像剤を掻き出して供給ローラ76に与える。したがって供給ローラ76には、その軸線L76方向にほぼ均一にして、微粉体状の現像剤が与えられる。また攪拌空間78に収容される現像剤の残量が少なくなっても、掻出部材91によって掻きとるようにして供給ローラ76に与えられるので、供給ローラ76に与えられずに攪拌空間78に残留する現像剤を、可及的に少なくすることができる。供給ローラ76に与えられた現像剤は、供給ローラ76の回転によって、良好な状態で現像部200に供給される。
【0121】
装置本体71は、現像部200、記録紙カセット201、感光体ドラム202、帯電部203、レーザ露光部204および定着部205をさらに含む。現像部200は、トナーホッパ72から供給される現像剤であるトナーと、予め用意されている磁性を有する粒子であるキャリアとを攪拌して2成分現像材を生成する。
【0122】
記録紙カセット201は、画像を形成すべき記録紙を保持する。感光体ドラム202は、外周部に感光体が設けられる円筒状のドラムであり、前記駆動部からの駆動力によって、その軸線まわりの矢符U3方向に回転する。帯電部203は、感光体ドラム202の感光体を帯電させて感光性を与える。レーザ露光部204は、帯電している感光体ドラム202の感光体をレーザ光像で露光して、感光体に静電潜像を形成する。
【0123】
現像部200は、2成分現像材を攪拌するとともに、静電潜像が形成された感光体ドラム202の感光体に2成分現像材を供給して現像して、静電潜像に対応するトナー像が形成される。感光体ドラム202は、記録紙カセット201からの給紙される記録紙に、感光体ドラム202のトナー像を転写する。定着部205は、トナー像が転写された記録紙のトナー像を記録紙に定着する。トナー像が定着されて画像が形成された記録紙は、排紙トレイ206に排出される。現像部4における2成分現像材のトナー濃度を一定にするために、トナーカートリッジ1の供給ローラ76は、その外周部がスポンジで形成されており、さらにその回転が制御されている。これによって供給ローラ76は、適量なトナーを微粉末の状態で現像部200に供給する。
【0124】
このような現像剤収納容器30の容器本体31、ならびにトナーホッパ72の攪拌部材75および供給ローラ76の制御について以下に簡単に述べる。トナーホッパ72の攪拌空間78に収容される現像剤(以後、「トナー」と表記することがある)が少なくなって来たことを、攪拌壁部92に設けられるトナー残量検出部95が検出すると、図示しない制御部は、駆動源84を制御して、現像剤収納容器30の容器本体31を回転して、トナーを攪拌空間78に供給させる。容器本体31を予め定める時間回転しても、トナー残量検出部95から攪拌空間78に収容されるトナーの量が満杯になっていないと検出されると、制御部は、容器本体31の回転を停止するとともに、図示しない表示部に現像剤収納容器30を交換することを意味するメッセージを表示して、利用者に報知する。この時点では、トナーホッパ72の攪拌空間78には、相当量の現像剤が収納されている。トナーホッパ72の攪拌空間78に現像剤が収容されているうちに、利用者は空になった現像剤収納容器30を装置本体71から離脱して、現像剤が収納されている新たな現像剤収納容器30を装置本体71に装着する。これによって画像形成装置70が記録紙に画像形成している途中であっても、画像形成に必要な現像剤はトナーホッパ72の攪拌空間78に収容されているので、画像形成作業を中断することなく装置本体71への現像剤の補給をすることができる。
【0125】
また本実施の形態では、装置本体71に現像剤を補給するときには、現像剤収納容器30だけを交換するだけでよく、利用者は、たとえば現像剤収納容器30の支持部材32と第2容器部34の把持部82とを把持して、突起片37が形成される第1容器部33から、装置本体71の筐体正面部93から装着方向E1に向けてトナーホッパ72の容器収容空間77に挿入するだけでよく、非常に簡便である。また装置本体71から現像剤収納容器30を離脱するときには、利用者は、現像剤収納容器30の第2容器部34を把持して、離脱方向E2に向けて引っ張り出すだけでよく、非常に簡便である。
【0126】
また収納される現像剤を攪拌して凝集を防ぐためには、本実施の形態の現像剤収納容器30では、利用者が容器本体71を回転軸線L71まわりに回転するだけでよく、非常に容易である。また本実施の形態の現像剤収納容器30は、収納される現像剤の攪拌を行うための構成が、従来に比べて非常に簡単である。また現像剤収納容器30は、容器本体31と支持部材32との間がシールを達成しているとともに、現像剤収納容器30が装置本体71に装着位置において装着されている場合には、互いに連通する排出部50の導通孔51周囲および現像剤供給部74の連通孔81の周囲の少なくともいずれかシールを達成しているので、トナーホッパ72の容器収容空間77において現像剤が漏れ出ることが可及的に防止できる。したがって、利用者が現像剤収納容器30の交換をするときに、現像剤によって手が汚れることを可及的に防止することができる。また現像剤収納容器30は、大略的に円筒状であるので、細長い直方体状の梱包箱に収納することができるので、運搬および補間が極めて容易である。
【0127】
また現像剤収納容器30は、前述したように容器本体31を回転するための回転力をあまり大きくすること無く、さらに容器本体31の1回転あたりの現像剤の排出量が可及的に一定量である。これによって容器本体31の回転速度を高める必要が無く低速でも、トナーホッパ72の攪拌空間78への現像剤の供給が可能であり、容器本体31の1回転あたりの現像剤の排出量を可及的に一定にして、前記攪拌空間78に現像剤を供給可能であり、駆動源84のトルクを小さくででき、駆動源84を、たとえば小形のモータにすることができる。
【0128】
前述の実施の形態の現像剤収納容器30および画像形成装置70において、2成分現像の場合として扱ったけれども、トナーのみの現像システムでも適用可能である。
【0129】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、容器本体は、軸線方向一端面部に、画像形成装置に搭載される状態で駆動手段に軸線まわりの回転駆動力を伝達可能に係合される係合部が形成される。これによって現像剤収納容器が画像形成装置に搭載されると、係合部が、画像形成装置の駆動手段に係合されて、容器本体には、駆動手段から軸線まわりの回転駆動力が伝達されて、軸線まわりに回転することができる。このように利用者は、容器本体の係合部を画像形成装置の駆動手段に係合させるだけでよいので、現像剤収納容器を容器本体が回転駆動力を伝達可能とする状態に容易にすることができる。また容器本体は、軸線方向一端面部に、現像剤を補給するための開閉自在な補給部が形成される。現像剤収納容器に現像剤を補給するときには、容器本体の補給部を開けた状態にして、容器本体内に現像剤を補給することができる。現像剤収納容器を保管するとき、および現像剤収納容器を画像形成装置に搭載するときには、容器本体の補給部を閉じた状態にすることで、補給部から収納される現像剤が漏れ出ることなく、保管および画像形成装置への搭載を行うことができる。また補給部は、係合部が駆動手段に係合される状態で駆動手段によって覆われる位置に設けられるので、現像剤収納容器が画像形成装置に搭載されて、係合部が駆動手段に係合される状態で、利用者は補給部を操作することができない。これによって現像剤収納容器が画像形成装置に搭載されている状態で、利用者が誤って補給部を開けてしまうことを確実に防止することができる。
【0130】
また本発明によれば、係合部は、軸線方向に突出する突起片を有し、この突起片は、補給部よりも軸線方向へ突出して形成されるので、補給部が、係合部の画像形成装置の駆動手段への係合を阻害することを防止できるとともに、補給部が、駆動手段に当接して破損することを防止することができる。
【0131】
また本発明によれば、係合部は、軸線方向に突出する突起片を有し、この突起片は、先細状に形成されるので、現像剤収納容器の容器本体の軸線方向一端部が水平面に当接し、前記水平面と容器本体の軸線とが略垂直となるようにして、現像剤収納容器が立設することを防止することができる。したがって現像剤収納容器は、水平面と容器本体の軸線とが略垂直となるようにして現像剤収納容器を立設させた状態で保管することができないので、現像剤収納容器は、たとえば容器本体の軸線を水平面に平行となるようにして保管される。これによって保管時に、現像剤収納容器に収納される現像剤が、自重によって凝集することを可及的に防止することができる。
【0132】
また本発明によれば、係合部は、軸線方向に突出する複数の突起片を有し、各突起片は、少なくとも1つの突起片の突出量が、他の突起片の突出量と異なるので、現像剤収納容器の容器本体の軸線方向一端部が水平面に当接し、前記水平面と容器本体の軸線とが略垂直となるようにして、現像剤収納容器が立設することを防止することができる。したがって現像剤収納容器は、水平面と容器本体の軸線とが略垂直となるようにして現像剤収納容器を立設させた状態で保管することができないので、現像剤収納容器は、たとえば容器本体の軸線を水平面に平行となるようにして保管される。これによって保管時に、現像剤収納容器に収納される現像剤が、自重によって凝集することを可及的に防止することができる。
【0133】
また本発明によれば、容器本体は、軸線方向他端面部は、中央部が周縁部に比べて軸線方向へ突出して形成されるので、現像剤収納容器の容器本体の軸線方向他端面部が水平面に当接し、前記水平面と容器本体の軸線とが略垂直となるようにして、現像剤収納容器が立設することを防止することができる。したがって現像剤収納容器は、水平面と容器本体の軸線とが略垂直となるようにして現像剤収納容器を立設させた状態で保管することができないので、現像剤収納容器は、たとえば容器本体の軸線を水平面に平行となるようにして保管される。これによって保管時に、現像剤収納容器に収納される現像剤が、自重によって凝集することを可及的に防止することができる。
【0134】
また本発明によれば、容器本体は、軸線方向他端部の外周部が粗面状に形成されるので、利用者は、容器本体の粗面状に形成される軸線方向他端部の外周部を把持することによって、容器本体を安定して把持して、現像剤収納容器を画像形成装置に着脱することができる。
【0135】
また本発明によれば、容器本体は、少なくとも軸線方向他端部が、透光性を有するので、利用者は、容器本体の軸線方向他端部を見ることによって、収納されている現像剤の量を容易に確認することができる。
【0136】
また本発明によれば、画像形成装置は、前述の効果を達成する現像剤収納容器を着脱可能にして搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の現像剤収納容器30を示す斜視図である。
【図2】現像剤収納容器30を示す正面図である。
【図3】現像剤収納容器30を示す左側面図である。
【図4】容器本体31を示す正面図である。
【図5】容器本体31を示す左側面図である。
【図6】容器本体31を示す右側面図である。
【図7】第3容器部35を示す斜視図である。
【図8】第3容器部35付近を拡大して示す正面図である。
【図9】(1)は、図8の切断面線S91−S91から見た断面図であり、(2)は、図4の切断面線S92−S92から見た断面図である。
【図10】支持部材32を示す正面図である。
【図11】支持部材32を示す右側面図である。
【図12】支持部材32を示す分解右側面図である。
【図13】図11の切断面線S13−S13から見た断面図である。
【図14】(1)は、シール材47を示す正面図であり、(2)は、シール材47の周方向に垂直な断面を示す図である。
【図15】現像剤収納容器30を組立てる状態を示す正面図である。
【図16】図15の切断面線S16−S16から見た断面図である。
【図17】図3の切断面線S17−S17から見た断面図である。
【図18】図2の切断面線S18−S18から見た断面図である。
【図19】図18のセクションIXXを拡大して示す図である。
【図20】容器本体31が回転軸線L31まわりの回転方向Rに回転しているときに、容器本体31の第3容器部35内の現像剤が支持部材32の導通孔51に導かれるまでの動作を説明するための図である。
【図21】容器本体31が回転軸線L31まわりの回転方向Rに回転しているときに、容器本体31の第3容器部35内の現像剤が支持部材32の導通孔51に導かれるまでの動作を説明するための図である。
【図22】現像剤収納容器30から排出される現像剤の量と時間との関係を示すグラフである。
【図23】本発明の第2の実施形態の現像剤収納容器の容器本体の第1容器部33を示す正面図である。
【図24】第1容器部33を示す左側面図である。
【図25】本発明の実施の他の形態の画像形成装置70を示す断面図である。
【図26】トナーホッパ72付近を拡大して示す断面図である。
【図27】トナーホッパ72付近を拡大して示す平面図である。
【図28】本体側連結部83を拡大して示す斜視図である。
【図29】現像剤収納容器30の突起片37を装置本体71の本体側連結部83の係合凹所90に係合させる動作を模式的に示す平面図である。
【図30】(1)は、第1の従来技術であるトナーボトル1を示す断面図であり、(2)は、前記トナーボトル1を示す斜視図である。
【図31】第2の従来技術である現像剤供給容器10を示す斜視図である。
【図32】第3の従来技術であるトナーカートリッジ20を示す斜視図である。
【符号の説明】
30 現像剤収納容器
31 容器本体
37 突起片
45 補給孔
46 蓋部材
82 把持部
83 本体側連結部
84 駆動源
85 減速装置
86 回転軸
Claims (8)
- 画像形成に用いられる現像剤が収納される筒状の容器本体を備え、画像形成装置に着脱自在に搭載され、容器本体が画像形成装置に設けられる駆動手段によって軸線まわりに回転駆動されて、現像剤を画像形成装置に供給する現像剤収納容器であって、
容器本体は、軸線方向一端面部に、画像形成装置に搭載される状態で駆動手段に軸線まわりの回転駆動力を伝達可能に係合される係合部が形成されるとともに、軸線方向一端面部に、現像剤を補給するための開閉自在な補給部が形成され、補給部は、係合部に駆動手段が係合される状態で駆動手段によって覆われる位置に設けられることを特徴とする現像剤収納容器。 - 係合部は、軸線方向に突出する突起片を有し、この突起片は、補給部よりも軸線方向へ突出して形成されることを特徴とする請求項1記載の現像剤収納容器。
- 係合部は、軸線方向に突出する突起片を有し、この突起片は、先細状に形成されることを特徴とする請求項1または2記載の現像剤供給容器。
- 係合部は、軸線方向に突出する複数の突起片を有し、各突起片は、少なくとも1つの突起片の突出量が、他の突起片の突出量と異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の現像剤収納容器。
- 容器本体は、軸線方向他端面部は、中央部が周縁部に比べて軸線方向へ突出して形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の現像剤収納容器。
- 容器本体は、軸線方向他端部の外周部が粗面状に形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の現像剤収納容器。
- 容器本体は、少なくとも軸線方向他端部が、透光性を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の現像剤収納容器。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の現像剤収納容器を着脱可能にして搭載することを特徴とする画像形成装置。
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