JP2004333452A - 糖化タンパク質測定用試験片 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくともプロテアーゼおよび糖化アミノ酸に作用する酵素を含有する試験片及びタンパク質を測定する試験片を用いて糖化タンパク質割合を測定する。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、診療の現場で、正確、簡便かつ迅速に試料中の糖化タンパク質を測定するための試験片、試験片の製造方法、試験片を用いた試験用具、及びそれを用いた糖化タンパク質の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
糖尿病の診断及び管理及びおよび予防を行う上で糖化タンパク質及び糖化脂質の測定は非常に重要である。中でも糖化ヘモグロビン、糖化アルブミンは血糖コントロール状態を正確に反映することから臨床の現場でなくてはならない指標として多用されている。これらの糖化タンパク質、糖化脂質の定量法としては、通常電気泳動法、イオン交換クロマトグラフィ法、アフィニティクロマトグラフィ法、免疫法及び酵素法などが知られている。近年では大量検体を迅速、大量、正確、安価に測定できることから酵素法が多用され始めている。酵素法としては糖化たんぱく質に存在するケトアミンを測定する方法がもっとも多く用いられており、本発明者等もケトアミンオキシダーゼを用いた糖化アルブミンの測定方法を開発してきた(特許文献1、2、3)。
【0003】
これまで知られている高分子中のケトアミンを測定する方法は大型の生化学自動分析計を用いた方法が主流である。しかし生化学自動分析装置は高価であり、少量の検体しか分析する必要のない診療所や中小規模の病院では使用することは困難である。そこで安価、簡便に高分子中のケトアミンを測定する装置が望まれている。これまで糖化ヘモグロビン及び糖化アルブミンの診療現場で安価に測定できる酵素法を用いた装置は知られていない。
また、これまでプロテアーゼを試験片に保持させてタンパク質を分解し、その分解断片を測定した例もない。
【0004】
特許文献1) 特開2001−54398号公報
特許文献2) 特開2001−204495公報
特許文献3) WO 02/061119公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、診療の現場で、酵素を用いて正確、簡便、安価に糖化タンパク質を測定するための少なくともプロテアーゼを含有する新規な試験片、試験片の製造方法、試験用具、及びそれを用いた糖化タンパク質の測定方法を提供することにある。さらに詳しくは、臨床生検査、特に糖化ヘモグロビン、糖化アルブミンの測定に有用な試験片、試験片の製造方法、試験用具、それを用いた糖化タンパク質の測定方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
一般的な酵素例えばグルコースオキシダーゼ等は乾燥した試験片上に保持されていても、サンプル中の水分で溶解されて直ぐに反応を開始できる。これは基質が低分子であり、溶解直後でも比較的簡単に基質と結合し酵素反応を行えるからだと考えられる。一方プロテアーゼは基質がタンパク質等の高分子であり、溶解直後簡単に基質を断片化できるとは通常考えにくい。本発明者らの検討によると、やはり想像していたとおり溶解直後のプロテアーゼ反応はほとんど反応が進まないことが分かった。
【0007】
そこで本発明者らはこのプロテアーゼ試験片の条件検討を鋭意検討の結果、意外にも、ある一定量以上のプロテアーゼ量が存在すれば液系とほぼ同じ速度で反応が進行することを見出した。更に本発明者らは、糖化アミノ酸に作用する酵素を同時に試験片に保持させても糖化アミノ酸に作用する酵素がプロテアーゼとの共存により失活することなく糖化タンパク質が定量できること、タンパク定量試薬を含ませた試験片と組み合わせることで糖化タンパク質割合が簡便に測定できること、試験片は特に溶媒等を用いなくとも液体の試料をしみこませるだけで酵素等が溶解し即座に反応が進行すること、試験片の発色は光学反射層を利用した反射光の測定により簡便に行えることを見出し本発明の完成に至った。
【0008】
すなわち、本発明は、次の試験片、その製造方法、それを使用する試験用具及びそれを用いた糖化タンパク質の測定方法に関する;
1) 少なくともプロテアーゼを含有する糖化タンパク質測定用試験片。
2) 少なくともプロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含有する糖化タンパク質測定用試験片。
3) 試験片1cm2あたりのプロテアーゼ含有量が5U以上であることを特徴とする1)または2)の試験片。
4) 試験片1cm2あたりの糖化アミノ酸に作用する酵素の含有量が10mU以上であることを特徴とする2)または3)のいずれかに記載の試験片。
【0009】
5) 少なくともプロテアーゼを含有する溶液に試験片を浸し、乾燥することを特徴とする糖化タンパク質測定用試験片の製造方法。
6) 少なくともプロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含有する溶液に試験片を浸し、乾燥することを特徴とする糖化タンパク質測定用試験片の製造方法。
7) 少なくともプロテアーゼを含有する試験片を使用した糖化タンパク質測定用試験用具。
8) 少なくともプロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含有する試験片を使用した糖化タンパク質測定用試験用具。
9) 少なくともプロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含有する試験片及びタンパク質発色試薬を含有する試験片を使用した糖化タンパク質測定用試験用具。
10) 光学測定用の孔を有することを特徴とする7)〜9) のいずれかに記載の試験用具。
【0010】
11)真中のシートに溝が形成され、その溝が毛細管となるように積層された3層のシートよりなり、その最上のシートに測定孔が形成され、測定孔の下で真中のシートの溝の上にプロテアーゼまたはプロテアーゼと糖化アミノ酸に作用する酵素を含有させた試験片が存在している糖化蛋白質測定用検出器具。
12) 少なくともプロテアーゼを含有する試験片を用いた糖化タンパク質の測定方法。
13) 少なくともプロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含有する試験片を用いた糖化タンパク質の測定方法。
14) 少なくともプロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含有する試験片及びタンパク質発色試薬を含有する試験片を用いた糖化タンパク質の割合の測定方法。
15) 試験片の酵素反応を試料中の水分によって行うことを特徴とする12)〜14) のいずれかに記載の測定方法。
16) 試験片の発色を反射光を用いて測定することを特徴とする12)〜15) のいずれかに記載の測定方法。
17) 糖化タンパク質がアルブミン若しくはヘモグロビンの糖化物であることを特徴とする12)〜16) のいずれかに記載の測定方法。
【0011】
本発明によると、診療の現場で、酵素を用いて正確、簡便、安価に糖化タンパク質を測定することができる。さらに詳しくは、臨床生検査において、特に糖化ヘモグロビン、糖化アルブミンの測定に有用な試験片、試験片の製造方法、試験用具、それを用いた測定方法を提供することができる。
【0012】
以下、本発明の構成及び好ましい形態について更に詳しく説明する。
本発明に用いることができるプロテアーゼはタンパク質、例えばアルブミンやヘモグロビンに作用して糖化アミノ酸若しくは糖化アミノ酸を含むペプチドを切り出すプロテアーゼであればいかなるプロテアーゼを用いても良い。また、酵素は目的とする活性が発現すれば精製物であっても粗精製物であっても良い。
【0013】
本発明に使用し得るプロテアーゼの好ましい例としては、例えばトリプシン(Tripsin)、キモトリプシン(Chymotripsin)等の動物由来のプロテアーゼ、パパイン(Papain)、ブロメライン(Bromelain)等の植物由来のプロテアーゼ、微生物由来のプロテアーゼ等が挙げられる。
微生物由来のプロテアーゼの例としては、ズブチリシン(Subtilisin)等に代表されるバチルス(Bacillus)属由来プロテアーゼ、プロテアーゼタイプ−XIII(シグマ社製)等に代表されるアスペルギルス(Aspergillus)由来プロテアーゼ、PD酵素(キッコーマン社製)等に代表されるペニシリウム(Penicillium)由来プロテアーゼ、プロナーゼ(Pronase) 等に代表されるストレプトマイセス(Streptomyces)由来プロテアーゼ、エンドプロテイナーゼLys−c(シグマ社製)等に代表されるリソバクター(Lysobacter)由来プロテアーゼ、プロテイナーゼA(Proteinase A;シグマ社製) 等に代表される酵母(Yeast)由来プロテアーゼ、プロテイナーゼK(Proteinase K;シグマ社製)等に代表されるトリチラチウム(Tritirachium)由来プロテアーゼ、アミノペプチダーゼT(Aminopeptidase T;ベーリンガー・マンハイム社製)等に代表されるサーマス(Thermus)由来プロテアーゼ、エンドプロテイナーゼAsp−N(EndoproteinaseAsp−N;和光純薬社製)等に代表されるシュードモナス(Pseudomonus)由来、リジルエンドペプチダーゼ(Lysylendopeputidase和光純薬社製)等に代表されるアクロモバクター(Achromobacter)由来プロテアーゼが挙げられる。これらの具体的な例は1例に過ぎず、なんら限定されるものではない。
【0014】
また測定対象が糖化アルブミンある場合にはバチルス属及びストレプトマイセス属の微生物由来プロテアーゼがヒトアルブミンに対する作用が大きいためより好ましく、また測定対象が糖化ヘモグロビンである場合にはバチルス属、アスペルギルス属、ストレプトマイセス属、トリチラチウム属由来のプロテアーゼがヒトヘモグロビンに対する作用が大きいため好ましい。
【0015】
プロテアーゼの活性測定法はカゼインフォリン法を用いた。活性の定義は、1分間−37℃において1μgのチロシンに相当する発色を1Uとした。
また本発明のプロテアーゼの使用に関しては、プロテアーゼを単独で使用することはもちろんであるが、他のエンドプロテアーゼ、または他のエキソプロテアーゼを同時に使用しても良い。
【0016】
プロテアーゼを含む試薬の試験片への保持は、プロテアーゼを含む液状の試薬を作成し、その液に試験片を例えば室温好ましくは冷蔵にて、0.1分〜1日、好ましくは1分から8時間程度浸し、乾燥させればよい。乾燥方法は常圧、減圧条件で行えば良く、温度は例えば 4℃〜60℃で1分〜2日程度行えばよいが、好ましくは酵素類が失活しにくい 4℃〜40℃程度が好ましい。乾燥のスピードを早める方法としては風を当てる、湿度の低い環境を選ぶ等の方法があるが、一般的には湿度の低い冷暗所で乾燥させれば十分である。
【0017】
プロテアーゼを含む試薬を試験片に保持させる場合の、プロテアーゼを含む液状試薬中のプロテアーゼ濃度は125U/ml以上の濃度の試薬1mlに5cm×5cmの試験片を浸す程度で良く、この場合全ての試薬が吸収されたとすると試験片1cm2あたりのプロテアーゼ含有量は5U以上となる。またプロテアーゼの濃度は試験片1cm2あたりのプロテアーゼ含有量は5U以上であればいくらでも良いが、バッククラウンドの上昇やコストを考えると試験片1cm2あたりのプロテアーゼ含有量は10KU以下が好ましい。
【0018】
プロテアーゼを含む液状試薬の pHは、使用するプロテアーゼの至適 pHを考慮し、反応が効率よく進行するように pHを選択すればよい。例えばプロテアーゼにプロテアーゼタイプXXVII (シグマ社製)を用いた場合には、プロテアーゼタイプXXVIIは pH7〜10付近で蛋白質分解活性が強いことから反応のpHは7 〜10を選択できる。
【0019】
本発明に使用しうる試験片としては、シート状の物であればどの様な試験片を用いても良いが、例えば紙、プラスチックシート、不織布等が用いることができる。またその性質としては吸水性に富み十分なプロテアーゼ量を保持できる物であれば何れの物を用いても良い。
また、試験片の厚みとしては0.1mmから2mm程度であれば良く、0.2mm〜1mm程度が好ましく、実際に1試料を測定するためには0.001cm2〜5cm2の面積があれば良く、より好ましく0.005cm2〜2cm2程度である。
【0020】
本発明に使用しうる糖化アミノ酸に作用する酵素としては、糖化アミノ酸のケトアミン構造を認識して作用するデヒドロゲナーゼ、キナーゼ、オキシダーゼ等があげられるが、もっとも安価に大量に入手できるオキシダーゼが好ましい。
【0021】
また、糖化アミノ酸に作用する酵素としては、糖化アミノ酸又は糖化アミノ酸を含むペプチドのごとき低分子糖化アミンに良好に作用する酵素であれば如何なるものを用いても良いが、目的とする測定対象がヘモグロビンA1cである場合はαアミノ基が糖化されたアミノ酸に効率的に作用する酵素が好ましく、αアミノ基が糖化されたアミノ酸に特異的に作用しεアミノ基が糖化されたアミノ酸には実質的に作用しない酵素が最も好ましい。
【0022】
また一般にαアミノ基ミノ基が糖化されたアミノ酸に特異的に作用しεアミノ基が糖化されたアミノ酸には実質的に作用しない酵素は安定性が悪いことから、安定性の高いεアミノ基及びαアミノ基が糖化された糖化アミノ酸両方に良く作用する酵素を用いて測定しても良く、さらに安定性が高いεアミノ基が糖化されたアミノ酸に特異的に作用する酵素を用いてεアミノ基が糖化されたアミノ酸のみを消去し、安定性の高いεアミノ基及びαアミノ基が糖化された糖化アミノ酸両方に良く作用する酵素を用いてαアミノ基が糖化されたアミノ酸のみを測定しても良い。
【0023】
一方目的とする測定対象が糖化アルブミンある場合はεアミノ基が糖化されたアミノ酸に効率的に作用する酵素が好ましく、εアミノ基が糖化されたアミノ酸に特異的に作用しαアミノ基が糖化されたアミノ酸には実質的に作用しない酵素が最も好ましい。
【0024】
また安定性の高いεアミノ基及びαアミノ基が糖化された糖化アミノ酸両方に良く作用する酵素を用いて測定しても良く、さらにαアミノ基が糖化されたアミノ酸に特異的に作用する酵素を用いてαアミノ基が糖化されたアミノ酸のみを消去し、安定性の高いεアミノ基及びαアミノ基が糖化された糖化アミノ酸両方に良く作用する酵素を用いてαアミノ基が糖化されたアミノ酸のみを測定しても良い。
【0025】
特異性の点から、最も好ましいケトアミン構造を認識する酵素の例としては、εアミノ基が糖化されたアミノ酸には作用しないαアミノ基糖化アミノ酸特異的な酵素、例えばフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD):コリネバクテリウム(Corynebacterium) 属由来(FERM P−8245)があげられる。一方εアミノ基及びαアミノ基が糖化された糖化アミノ酸両方に良く作用する酵素であり安定性が高い酵素としてはギベレラ(Gibberella)属またはアスペルギルス(Aspergillus) 属(例えばIFO−6365、−4242、−5710等)由来フルクトサミンオキシダーゼ、カンジダ(Candida )属由来フルクトシルアミンデグリカーゼ、ペニシリウム(Penicillium) 属(例えばIFO−4651、−6581、−7905、−5748、−7994、−4897、−5337等)由来フルクトシルアミノ酸分解酵素、フサリウム(Fusarium)属(例えばIFO−4468、−4471、−6384、−7706、−9964、−9971、−31180、−9972 等)由来、アクレモニウム(Acremonium)属由来又はデブリオマイゼス(Debaryomyces)属由来ケトアミンオキシダーゼ等のケトアミン構造を認識する酵素が挙げられ、さらに好ましい例としてはプロテアーゼと共存した状態でも十分な活性を有する、遺伝子組み替えケトアミンオキシダーゼ(旭化成社製)が挙げられる。
【0026】
αアミノ基が糖化されたアミノ酸には作用しないが、εアミノ基糖化アミノ酸特異的な酵素としては、遺伝子改変で作成された遺伝子改変ケトアミンオキシダーゼ(旭化成社製)が挙げられる。
【0027】
糖化アミノ酸に作用する酵素の活性は糖化Zリジン若しくは糖化バリン(ハシバらの方法に従って合成、精製した。(Hashiba H,J.Agric.Food Chem.24:70,1976))より、37℃、1分間に1μmolの過酸化水素を生成する酵素量を1U定義した。
【0028】
プロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含む試薬の試験片への保持は、前記プロテアーゼを含む試薬の試験片への保持と同じ方法を用いればよい。乾燥のスピードを早める方法も同様である。
【0029】
また、プロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含む試薬を試験片に保持させる場合の、プロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含む試薬液中のプロテアーゼ濃度、糖化アミノ酸に作用する酵素の濃度はそれぞれ125U/ml以上、250mU/ml以上の濃度の試薬1mlに5cm×5cmの試験片を浸す程度で良く、この場合全ての試薬が吸収させたとすると試験片1cm2あたりのプロテアーゼ含有量は5U以上、糖化アミノ酸に作用する酵素の量は10mU以上となる。またプロテアーゼの濃度は試験片1cm2あたりのプロテアーゼ含有量は5U以上であればいくらでも良いが、バッククラウンドの上昇やコストを考えると試験片1cm2あたりのプロテアーゼ含有量は10KU以下が好ましい。糖化アミノ酸に作用する酵素の濃度は1cm2あたり10mU以上であればいくらでも良いが、コストを考えると試験片1cm2あたりのプロテアーゼ含有量は50U以下が好ましい。
【0030】
プロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含む液状試薬のpHは、使用するプロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素の至適pHを考慮し、反応が効率よく進行するように pHを選択すればよい。例えばプロテアーゼにプロテアーゼタイプXXVII (シグマ社製)を用いた場合には、プロテアーゼタイプXXVIIは pH7〜10付近で蛋白質分解活性が強いことから反応の pHは7 〜10が好ましく、糖化アミノ酸に作用する酵素として遺伝子改変ケトアミンオキシダーゼ(旭化成社製)を用いた場合には最大活性の50%以上の活性を示す領域が pH6.5〜10と広く、反応の pHは6.5〜10が好ましく、両者を比較すると pH7〜10が選択できる。
また、プロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含有する試験片には反応を色に変える発色系の試薬を同時に保持させておくと検出がしやすい。
【0031】
検出を助ける発色系の試薬成分としては、例えば糖化アミノ酸に作用する酵素としてデヒドロゲナーゼを用いた場合には例えば補酵素であるNAD等を用いることができ、その場合は生成される還元型補酵素である還元型NADをその極大吸収波長域である340nm付近の波長で検出すればよい。また各種ジアフォラーゼ、またはフェナジンメトサルフェート等の電子キャリアー及びニトロテトラゾリウム、WST−1、WST−8(以上同人化学研究所社製)に代表される各種テトラゾリウム塩等の発色試薬を用いる事もでき、生じた還元型補酵素を色に変換して検出してもよい。またこれ以外の公知の方法により直接、間接的に測定してもよい。
またオキシダーゼを用いた場合、例えばケトアミンオキシダーゼを用いた場合には反応により過酸化水素及びグルコソンが生成し、過酸化水素及びグルコソンを検出できる公知の成分を用いることができる。
【0032】
上記過酸化水素の量を検出できる成分としては、例えばパーオキシダーゼ等を用いて色素等を生成し、比色、発光、蛍光等に変換し検出すればよい。
過酸化水素の発色系は、パーオキシダーゼの存在下で4−アミノアンチピリン(4−AA)若しくは3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラゾン(MBTH)等のカップラーとフェノール等の色原体との酸化縮合により色素を生成するトリンダー試薬、パーオキシダーゼの存在下で直接酸化、呈色するロイコ型試薬(N−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−4,4−ビス(ジメチルアミノ)ビフェニルアミン(DA64)、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン(DA67);以上和光純薬社製等)等を用いることができる。
【0033】
本発明の少なくともプロテアーゼを含有する試験片の製造方法としては前記少なくともプロテアーゼを含む試薬の試験片への保持の方法を用いて試験片を少なくともプロテアーゼを含有する試薬に浸し、乾燥させればよい。また少なくともプロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含有する試験片の製造方法も同様に前記少なくともプロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含む試薬の試験片への保持の方法を用いて試験片を少なくともプロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含有する試薬に浸し、乾燥させればよい。
【0034】
少なくともプロテアーゼを含有する試験片を使用した試験用具としては、少なくともプロテアーゼを含有する試験片が構成要素に含まれていればいかなる試験用具を用いても良いが、例えば試料を一定量吸引しうる吸引部、少なくともプロテアーゼを含有する試験片、試験片の発色を光学的に検出するための孔等を含む物であってもよい。また光学的に検出を行う場合には、反射光の測定が一般的であり、光学反射層を試験片に張り合わせて用いると検出の感度が上がり好ましい。
【0035】
試料を一定量吸引しうる試験用具の構造としては、一定量を吸引して排出する仕組みを用いても良いが、最も簡便な方法はキャピラリーを用いて毛管現象で試料を吸引する方法である。試験用具へのキャピラリーの形成は公知の方法で行えば良いが、例えば厚さ0.01mm〜1mm、幅0.5mm〜10cm、長さ1mm〜10cm程度のフィルムを3枚使用し、真ん中のフィルムに1本の幅0.01mm〜1cmの溝を形成し、上下から溝の無いフィルムで挟むことによりキャピラリーを形成する方法などがある。フィルムはエタノールで希釈した5%蔗糖脂肪酸エステル等を塗布、全てを重ねた後に乾燥させれば簡単に貼り合わせる事ができる。
【0036】
この時上のフィルムに直径0.1mm〜80mmの円形の測定孔を開け、その真下、真中の溝を形成したフィルムとの間に試験片を、試験片の真中にキャピラリーが来るように、かつ試験片の中心と測定孔との中心が一致するようにセットすればよい。
【0037】
少なくともプロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含有する試験片を使用した試験用具、及び、少なくともプロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含有する試験片及びタンパク質発色試薬を含有する試験片を使用した試験用具についても少なくともプロテアーゼを含有する試験片を使用した試験用具と同様である。
【0038】
タンパク質発色試薬としては公知のタンパク質を測定する方法を用いた試薬であれば如何なるタンパク質発色試薬を用いても良いが、例えばタンパク質がアルブミンの場合にはブロモクレゾールグリーン(BCG)、ブロモクレゾールパープル(BCP)、ブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、又は2−(4−ヒドロキシベンゼンアゾ)安息香酸(HABA)等のアルブミン特異的な色素を用いるかアルブミン抗体を用いた発色試薬を用いればよい。
【0039】
試験片に保持させる前の溶液状態の試薬の例としては、例えばHABAを用いる場合、選択できるpHはpH3〜10であり、好ましくはpH4〜9である。HABAの濃度としては、0.001〜10%、好ましくは0.01〜5%であれば良い。この場合検出に用いる波長は480〜550nm付近である。また同様にBCPを用いる場合には、選択できるpHはpH4〜8、好ましくは4.5〜7.5であり、好ましくは着色を抑える界面活性剤、例えばBrij35等を0.01〜5%好ましくは0.05〜3%共存させれば良い。BCPの濃度としては0.0001〜0.2%、好ましくは0.0005〜0.1%であり、検出に用いることができる波長は600nm付近である。
【0040】
また例えばタンパク質がヘモグロビンの場合には、例えばメトヘモグロビン法、シアンメトヘモグロビン法、アザイドメトヘモグロビン法、緑色発色団形成法またはオキシヘモグロビン法を用いた発色試薬が挙げられる。緑色発色団形成法とは緑色発色団形成試薬とヘモグロビンを反応させ、安定な生成物(緑色発色団)を形成する方法であり、緑色発色団は英国特許公開第2052056号公報に記述されるアルカリ性ヘマチンD−575と同様な吸収スペクトルを有する。
【0041】
試験片に保持させる前の溶液状態の試薬の例としては、オキシヘモグロビン法を用いる場合には、例えば界面活性剤、例えば少なくとも硫酸基を有する界面活性剤、及び/又は非イオン性界面活性剤、及び/又は両イオン性界面活性剤を好ましくは0.001〜10%の濃度で調整し、試験紙を作成し、540nm付近の吸収を測定すればよい。
【0042】
本発明に用いることができる測定方法としては、少なくともプロテアーゼを含有する試験片を用いた糖化タンパク質の測定方法、少なくともプロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含有する試験片を用いた糖化タンパク質の測定方法、少なくともプロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含有する試験片及びタンパク質発色試薬を含有する試験片を用いた糖化タンパク質割合の測定方法であれば如何なる測定方法を用いても良い。
【0043】
本発明に使用しうる試料としては、測定対象になる糖化タンパク質が血球中に存在する場合、たとえばヘモグロビンA1c若しくは糖化ヘモグロビン等を測定する場合には、全血、血球もしくは溶血操作を行った全血、血球を使用することができ、測定対象になる糖化タンパク質が血清中に存在する場合、たとえば糖化アルブミン等を測定する場合には、全血、血清、血漿を用いることができるが、診療現場で迅速に測定する目的から、全血を用いることが好ましい。
【0044】
また、血球中の糖化タンパク質を測定する場合に、試料として全血、血球を用いる場合には、測定をする前に、もしくは同時に効率的に溶血されることが望ましい。溶血の方法としては公知の方法、たとえば生理的浸透圧と異なる溶液と混合する方法や界面活性剤と混合するなどの方法を用いて行えばよい。
【0045】
一方、血清中の糖化タンパク質を測定する場合に、試料として全血を用いる場合には、測定をする前に血球分離をしておくことが望ましい。血球分離の方法としては膜を用いて血球を分離する方法が一般的である。
本発明の試験用具を用いて糖化タンパク質の測定を行うには、試験用具のキャピラリーの先端を試料に付け試料を吸引し、試験片の発色を光学的に測定すればよい。試験片は通常乾燥しているが、試料の水分により試薬成分が溶解し反応が自動的に進行する。反応の温度は通常室温であるが、保温機能を持たせ一定温度で反応を行わせると再現性が良くなる。
【0046】
反応の検出は試薬の発色した試験片に対して光をあて、その反射光を検出することが最も簡便であるが、これ以外の方法を用いても良い。例えば照射する光源としてはUVランプやハロゲンランプ等の通常の透過率測定に用いる光源はもちろんであるが、発行ダイオード、レーザーなどを使用することができる。光の照射角度は何れでも良いが、反射光の検出は検出面に対して垂直が好ましい。検出はフォトダイオードや市販の積分球等を用いれば簡便に行う事ができる。
【0047】
検出された反射光は、濃度既知の糖化タンパク質のものと比較することにより糖化タンパク質濃度に換算すれば良いが、一般的には試験紙のロットにより感度は一定であるから、ロット毎に濃度既知の糖化タンパク質濃度における感度を測定して換算できるようにしておけば良い。
【0048】
【発明の実施の形態】
ついで、本発明の実施例を詳しく述べるが、本発明は何らこれにより限定されるものではない。
【実施例1】
【0049】
厚さ0.4mm、50mm×50mmのろ紙(ワットマン社製クロマトグラフィ用ろ紙)に上記酵素濃度を変化させた糖化タンパク質検出試薬を室温にて5分間浸し、37℃2時間風乾し少なくともプロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含有する試験片を作製した。尚プロテアーゼの濃度を変化させる場合はケトアミンオキシダーゼの濃度を4000mU/mlに固定し、ケトアミンオキシダーゼの濃度を変化させる場合にはプロテアーゼ濃度は2000U/mlに固定した。
【0050】
【実施例2】
<試験用具の作成>
図1Aに示すように実施例1で作成した試験片を直径4mmの円状(5)に切り出した。厚さ0.03mmのポリエステルフィルム(1)〜(3)4mm×40mm 3枚を使用し、真中のフィルムに1本の幅0.5mmの溝(6)を形成し、上下から溝の無いフィルム(1)、(3)で挟むことによりキャピラリーを形成させた。この時上のフィルム(1)に直径1.6mmの円形の測定孔(4)を開け、その真下、真中の溝を形成したフィルムとの間に前記の試験片(5)を、試験片の真中に溝が来るように、かつ試験片の中心と測定孔との中心が一致するようにセットした。フィルムはエタノールで希釈した5%蔗糖糖脂肪酸エステルを塗布、全てを重ねた後に乾燥させることにより貼り合わせた(図1B参照)。
【0051】
【実施例3】
<糖化タンパク質の測定に及ぼすプロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素の濃度の影響>
<操作方法>
実施例2で作成した試験用具のキャピラリーの先端をルシカGA用キャリブレータH(旭化成社製)に浸し、室温にて反射光を20分間測定した。少なくともプロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含有する試験片を用いた試験用具を用いた場合の反射光の測定は積分球(日立U3010)を用い550nmの光を照射し、反射光を測定した。
プロテアーゼの濃度を変化させた場合の反応曲線を図2に、ケトアミンオキシダーゼ濃度を変化させた場合の反応曲線を図3に示す。
【0052】
図2から分かるようにプロテアーゼ濃度が50U/mlつまり試験片1cm2あたりプロテアーゼ含有量が2Uである場合には感度が得られなかった。一方125U/ml以上つまり試験片1cm2あたりプロテアーゼ含有量が5U以上である場合には感度が得られ、1000U/ml以上つまり試験片1cm2あたりプロテアーゼ含有量が40U以上で20分間でエンドポイント到達している反応曲線が得られた。よって試験片1cm2あたりプロテアーゼ含有量が5U以上であればこの試験片及び試験片を用いた測定用具を用いて糖化タンパク質を測定できることが明白であった。
【0053】
一方図3から分かるように糖化アミノ酸に作用する酵素であるケトアミンオキシダーゼ濃度が100mU/mlつまり試験片1cm2あたりプロテアーゼ含有量が4mUである場合には感度がえられなかったが、250mU/ml以上つまり試験片1cm2あたりのケトアミンオキシダーゼ含有量が10mU以上である場合には感度が得られ1000mU/ml以上つまり試験片1cm2あたりケトアミンオキシダーゼ含有量が40mU以上で20分間でエンドポイント到達している反応曲線が得られた。よって試験片1cm2あたり糖化アミノ酸に作用する酵素含有量が10mU以上であればこの試験片及び試験片を用いた測定用具を用いて糖化タンパク質を測定できることが明白であった。
【0054】
【実施例4】
<糖化アルブミンの測定>
血清試料として健常者5検体、糖尿病患者5検体を用いて糖化アルブミン割合の測定を行った。糖化アルブミン濃度及びアルブミン濃度はルシカGA用のキャリブレーター(旭化成社製)を用いて換算した。糖化アルブミン比率のHPLCを用いた測定はグリコアルブミン計を(GAA−2000;アークレイ社製)を使用した。
糖化アルブミンを測定する試験用具は実施例1及び2の試験用具において、プロテアーゼ2000U/ml、ケトアミンオキシダーゼ4000mU/mlの条件で作成されたものを用いた。
【0055】
アルブミン測定用試験片は下記の試薬を用い、実施例1と同じ方法で作成し、実施例2と同じ方法で試験用具とした。
<アルブミン測定試薬>
50mM クエン酸緩衝液 pH4.0
1% Briji35(和光純薬社製)
0.03% グロモクレゾールグリーン(和光純薬社製)
【0056】
糖化アルブミン測定用の試験用具の操作方法、検出方法は実施例3と同じ方法で行った。但しアルブミン測定試薬を含有する試験片を用いた試験用具を用いた場合の反射光の測定は波長630nmで光を照射し、反射光量を測定した。
別途キャリブレーターを測定し試料の糖化アルブミン濃度、アルブミン濃度を求めその値から糖化アルブミン割合を計算した。尚健常者血清1検体は5回測定し再現性を確認した。結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
表1に示すように、本発明の試験片、及び試験片を使用した試験用具を用いて測定した糖化アルブミン割合の測定結果はHPLC法と良く一致しており、本発明の測定方法、試験片、試験用具を用いて、正確に糖化アルブミン濃度、アルブミン濃度及び糖化アルブミン割合が測定されていることが明白であった。また健常者血清の5重測定のCVは5.3%であり良好な結果であった。
【0059】
【実施例5】
<糖化ヘモグロビンの測定>
1) 糖化ヘモグロビン濃度測定試験片、試験用具の作成
以下の試薬を用いて実施例1及び2に記載の方法を用いて試験片、試験用具を作成した。
【0060】
【0061】
2) ヘモグロビン濃度測定試験片、試験用具の作成
市販のヘモグロビン測定試薬、へモグロビンBテストワコー(和光純薬社製)を用いて実施例1及び2に記載の方法を用いて試験片、試験用具を作成した。尚本試験片の検出は540nmにて行った。また、測定の試料には健常者全血、糖尿病患者全血を用い、HPLCを用いたヘモグロビンA1cの測定はグリコヘモグロビン計(HLC723G7;アークレイ社製)を使用した。
【0062】
試料は以下の溶血試薬500μlおよび試料100μlを混合し37℃10分インキュベーションし溶血操作を行った。
R−1;溶血試薬
50mM トリス緩衝液 pH7.5
1% ポリオキシエチレンラウリルエーテル(和光純薬社製)糖化ヘモグロビン測定用の試験用具の操作方法、検出方法は実施例3と同じ方法で行ったが、糖化ヘモグロビン濃度を測定する試験用具の検出は730nmにて行った。
別途キャリブレーター(協和メデックス社)を測定し試料の糖化ヘモグロビン濃度、ヘモグロビン濃度を求めその値から糖化ヘモグロビン割合を計算した。尚健常者全血1検体は5回測定し再現性を確認した。結果を表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】
表2に示すように、本発明の試験片、及び試験片を使用した試験用具を用いて測定した糖化ヘモグロビン割合の測定結果はHPLC法と良く一致しており、本発明の測定方法、試験片、試験用具を用いて、正確に糖化ヘモグロビン濃度、ヘモグロビン濃度及び糖化ヘモグロビン割合が測定されていることが明白であった。また健常者全血の5重測定のCVは6.1%であり良好な結果であった。
【0065】
【発明の効果】
本発明の試験片、試験用具、それを用いた測定方法を用いることにより、診療現場で、正確、簡便かつ安価に糖化タンパク質、特に糖化ヘモグロビン、糖化アルブミを測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】A;実施例2の試験用具をそれぞれの部品に分解したときの部品の斜視図を示す。B;実施例2の試験用具の斜視図を示す。
【符号の説明】
(1)上フィルム
(2)真中の溝付きフィルム
(3)下フィルム
(4)測定孔
(5)試験片
(6)溝
【図2】本発明の実施例3に基づく糖化タンパク質の測定に於けるプロテアーゼ濃度の影響を示す。
【図3】本発明の実施例3に基づく糖化タンパク質の測定に於ける糖化アミノ酸に作用する酵素濃度の影響を示す。
Claims (17)
- 少なくともプロテアーゼを含有する糖化タンパク質測定用試験片。
- 少なくともプロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含有する糖化タンパク質測定用試験片。
- 試験片1cm2あたりのプロテアーゼ含有量が5U以上であることを特徴とする請求項1または2記載の試験片。
- 試験片1cm2あたりの糖化アミノ酸に作用する酵素の含有量が10mU以上であることを特徴とする請求項2または3に記載の試験片。
- 少なくともプロテアーゼを含有する溶液に試験片を浸し、乾燥することを特徴とする糖化タンパク質測定用試験片の製造方法。
- 少なくともプロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含有する溶液に試験片を浸し、乾燥することを特徴とする糖化タンパク質測定用試験片の製造方法。
- 少なくともプロテアーゼを含有する試験片を使用した糖化タンパク質測定用試験用具。
- 少なくともプロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含有する試験片を使用した糖化タンパク質測定用試験用具。
- 少なくともプロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含有する試験片及びタンパク質発色試薬を含有する試験片を使用した糖化タンパク質測定用試験用具。
- 光学測定用の孔を有することを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の試験用具。
- 真中のシートに溝が形成され、その溝が毛細管となるように積層された3層のシートよりなり、その最上のシートに測定孔が形成され、測定孔の下で真中のシートの溝の上にプロテアーゼまたはプロテアーゼと糖化アミノ酸に作用する酵素を含有させた試験片が存在している糖化蛋白質測定用検出器具。
- 少なくともプロテアーゼを含有する試験片を用いた糖化タンパク質の測定方法。
- 少なくともプロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含有する試験片を用いた糖化タンパク質の測定方法。
- 少なくともプロテアーゼ及び糖化アミノ酸に作用する酵素を含有する試験片及びタンパク質発色試薬を含有する試験片を用いた糖化タンパク質の割合の測定方法。
- 試験片の酵素反応を試料中の水分によって行うことを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載の測定方法。
- 試験片を発色させ、その反射光を用いて測定することを特徴とする請求項12〜15のいずれかに記載の測定方法。
- 糖化タンパク質がアルブミン若しくはヘモグロビンの糖化物であることを特徴とする請求項12〜16のいずれかに記載の測定方法。
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