JP2004333044A - 空気調和システム - Google Patents
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Abstract
【課題】湿度調整を適切に行うことができる空気調和システムを提供する。
【解決手段】空気調和システム100は、室内Rの空気調和を行うm(m≧2)台の室内ユニット1,2,3,4を備える空気調和システムであって、室内ユニット1,2,3,4のうち少なくともn(1≦n≦m−1)台の室内ユニット1,3,4は暖房機能を有する。また、n台の室内ユニット1,3,4の暖房能力の合計は、空間内の暖房負荷に対して必要とされる必要暖房能力を満たしている。そして、少なくともm−n台の室内ユニット2は加湿機能を有し、m−n台の室内ユニット2は、湿度に基づいた制御が行われる加湿運転モードにて加湿運転を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】空気調和システム100は、室内Rの空気調和を行うm(m≧2)台の室内ユニット1,2,3,4を備える空気調和システムであって、室内ユニット1,2,3,4のうち少なくともn(1≦n≦m−1)台の室内ユニット1,3,4は暖房機能を有する。また、n台の室内ユニット1,3,4の暖房能力の合計は、空間内の暖房負荷に対して必要とされる必要暖房能力を満たしている。そして、少なくともm−n台の室内ユニット2は加湿機能を有し、m−n台の室内ユニット2は、湿度に基づいた制御が行われる加湿運転モードにて加湿運転を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の室内ユニットを備え、空間内の空気調和を行う空気調和システムがよく使用されている。この空気調和システムには、室内の温度調整と湿度調整との両方を行うものがある。このような空気調和システムは、各室内ユニットが温度調整機能と湿度調整機能との両方を有することが多く、各室内ユニットにおいて室内の温度調整と湿度調整とが同時に行われる(特許文献1参照)。例えば、各室内ユニットが熱交換器と室内ファンと加湿器とをそれぞれ有する空気調和システムがある。熱交換器は通過する空気と熱交換を行うことによって室内へと送られる空気の温度を調整する。室内ファンは、熱交換器を通り室内へと送られる空気の流れを生成する。加湿器は室内へと送られる空気を加湿する。このような空気調和システムでは、室内ファンによって空気の流れが生成され、この空気の流れは、室内熱交換器によって温度調整されると共に加湿器によって加湿される。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−129692
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような空気調和システムでは、各室内ユニットは温度調整を中心に運転されることが多く、湿度調整が適切に行われない場合が生じる。上記の例で言えば、各室内ユニットは温度調整と共に湿度調整を行うが、各室内ユニットが温度調整のためにサーモオフ状態となることがある。サーモオフ状態では室内ファンが停止されるため、加湿された空気が室内へと送られなくなる。このため、室内の湿度調整が不十分になる。特に、パソコンなどの機器からの発熱が多いオフィスでは、空気調和機への暖房負荷が小さいため、サーモオフ状態が持続されることが多い。このため、適切な加湿量が確保されず、湿度調整が適切に行われない場合が生じる。
【0005】
本発明の課題は、湿度調整を適切に行うことができる空気調和システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の空気調和システムは、所定の空間内の空気調和を行うm(m≧2)台の室内ユニットを備える空気調和システムであって、室内ユニットのうち少なくともn(1≦n≦m−1)台の室内ユニットは暖房機能を有する。また、n台の室内ユニットの暖房能力の合計は、空間内の暖房負荷に対して必要とされる必要暖房能力を満たしている。そして、少なくともm−n台の室内ユニットは加湿機能を有し、m−n台の室内ユニットは、湿度に基づいた制御が行われる加湿運転モードにて加湿運転を行う。なお、暖房能力とは、空間内に単位時間当たりに加えることができる熱量であり、室内ユニットの機種選定時に参照されるものである。
【0007】
この空気調和システムでは、少なくともm−n台の室内ユニットが、湿度に基づいた制御が行われる加湿運転モードにて加湿運転を行う。このため、例えば、他の室内ユニットがサーモオフ状態となっていても、少なくともm−n台の室内ユニットによって適切に加湿運転を行うことができる。これにより、湿度調整を適切に行うことができる。また、この空気調和システムでは、必要暖房能力を満たすn台を超えるm台の室内ユニットが備えられており、暖房能力の観点からは余剰なm−n台の室内ユニットが、加湿運転モードにて加湿運転を行うことができる。従って、m−n台の室内ユニットが加湿運転モードにて加湿運転を行っても、n台の室内ユニットによって暖房が十分に行われる。このため、システムが無駄なく効果的に構成される。
【0008】
請求項2に記載の空気調和システムは、請求項1に記載の空気調和システムであって、m台の室内ユニットは冷房機能を有する。そして、m台の室内ユニットの冷房能力の合計は、空間内の冷房負荷に対して必要とされる必要冷房能力を満たす。なお、冷房能力とは、空間内から単位時間当たりに除去できる熱量であり、室内ユニットの機種選定時に参照されるものである。
【0009】
この空気調和システムでは、m台の室内ユニットの冷房能力の合計は、必要冷房能力を満たす。一般に、冷房と暖房とを行う室内ユニットにおいて、冷房能力を基準にして室内ユニットが選定されると、暖房能力に余剰が生じることが多い。特に、パソコンなどの機器からの発熱が多いオフィスでは、空気調和機への暖房負荷が小さいため、冷房能力と比べて暖房能力に余剰が生じることが多い。そして、この空気調和システムでは、他の室内ユニットが暖房運転を行うと共に、少なくともm−n台の室内ユニットが加湿運転モードにて加湿運転を行うことができる。従って、システムが無駄なく効果的に構成されると共に湿度調整を適切に行うことができる。
【0010】
請求項3に記載の空気調和システムは、請求項2に記載の空気調和システムであって、n台の室内ユニットは、暖房運転と冷房運転とを行う冷暖房ユニットである。また、m−n台の室内ユニットは、冷房運転と加湿運転とを行う冷加湿ユニットである。
この空気調和システムでは、m台の室内ユニットのうち、n台が冷暖房ユニットであり、m−n台が冷加湿ユニットである。このため、冬などの暖房シーズンには、必要暖房能力を満たす冷暖房ユニットによって暖房運転を賄うと共に、冷加湿ユニットによって加湿運転をすることができる。これにより、湿度が低下しやすい暖房シーズンにおいて、空間内を適切な湿度に維持することができる。また、冷房シーズンには、冷暖房ユニットと冷加湿ユニットとの両方で冷房運転を行うことができる。これにより、冷房シーズンにおいて、空間内を適切な温度に維持することができる。
【0011】
請求項4に記載の空気調和システムは、所定の空間内の空気調和を行う空気調和システムであって、冷暖房ユニット群と冷加湿ユニット群とを備える。冷暖房ユニット群は、暖房運転と冷房運転とを行う1又は複数の冷暖房ユニットを含み、第1冷房能力と第1暖房能力とを有する。冷加湿ユニット群は、冷房運転と加湿運転とを行う1又は複数の冷加湿ユニットを含み、第2冷房能力を有する。そして、第1冷房能力と第2冷房能力とを合計した合計冷房能力は、空間内の冷房負荷に対して必要とされる必要暖房能力を満たしている。また、第1暖房能力は、空間内の暖房負荷に対して必要とされる必要暖房能力を満たしている。そして、冷加湿ユニットの加湿運転は、湿度に基づいた制御が行われる加湿運転モードにて行われる。
【0012】
この空気調和システムでは、冷加湿ユニットが、湿度に基づいた制御が行われる加湿運転モードにて加湿運転を行う。このため、冷暖房ユニットがサーモオフ状態となっていても、冷加湿ユニットによって適切に加湿運転を行うことができる。これにより、湿度調整を適切に行うことができる。また、この空気調和システムでは、冷暖房ユニット群の第1冷房能力と冷加湿ユニット群の第2冷房能力とを合計した合計冷房能力は、必要冷房能力を満たす。また、冷暖房ユニット群の第1暖房能力は、必要暖房能力を満たす。従って、必要暖房能力は冷暖房ユニットによって満たされており、暖房能力の観点からは余剰な冷加湿ユニットが加湿運転モードにて加湿運転を行うことができる。このため、冷加湿ユニットが加湿運転モードにて加湿運転を行っても、冷暖房ユニットによって暖房が十分に行われる。このように、この空気調和システムでは、システムが無駄なく効果的に構成される。
【0013】
請求項5に記載の空気調和システムは、請求項3または4に記載の空気調和システムであって、冷暖房ユニットは、空間内の温度に基づいて暖房運転に関する制御を行う。また、冷加湿ユニットは、加湿運転モードにおいては、空間内の湿度に基づいて加湿運転に関する制御を行う。
この空気調和システムでは、冷暖房ユニットは、空間内の温度に基づいて暖房運転に関する制御を行うのに対して、冷加湿ユニットは、加湿運転モードにおいて空間内の湿度に基づいて加湿運転に関する制御を行う。一般に、暖房運転が行われる場合には、室内の湿度が低下し易い。しかし、この空気調和システムでは、冷暖房ユニットによって空間内が適切に暖房され、冷加湿ユニットによって空間内が適切に加湿される。これにより、この空気調和システムでは、暖房時において、温度と湿度とを適切に調整することができる。
【0014】
請求項6に記載の空気調和システムは、請求項3から5のいずれかに記載の空気調和システムであって、冷暖房ユニットは、空間内の温度に基づいて冷房運転に関する制御を行う。また、冷加湿ユニットは、空間内の温度に基づいて冷房運転に関する制御を行う。
この空気調和システムでは、冷暖房ユニットと冷加湿ユニットとは、空間内の温度に基づいて冷房運転に関する制御を行う。従って、加湿の必要性が低い冷房時には、冷暖房ユニットと冷加湿ユニットとの両方で冷房運転を適切に行うことができ、効果的に冷房運転を行うことができる。
【0015】
請求項7に記載の空気調和システムは、請求項3から6のいずれかに記載の空気調和システムであって、冷暖房ユニットは、第1室内ファンと第1制御部とを有する。第1室内ファンは、空気を空間内へと送る。第1制御部は、暖房運転においては、空間内の温度に基づいて第1室内ファンを制御する。また、冷加湿ユニットは、第2室内ファンと第2制御部とを有する。第2室内ファンは、空気を空間内へと送る。第2制御部は、加湿運転モードにおいては、空間内の湿度に基づいて第2室内ファンを制御する。
【0016】
この空気調和システムでは、冷暖房ユニットの第1制御部は、暖房運転においては、空間内の温度に基づいて第1室内ファンを制御する。また、冷加湿ユニットの第2制御部は、加湿運転モードにおいては、空間内の湿度に基づいて第2室内ファンを制御する。このため、冷暖房ユニットによって室内を適切に暖房することができ、且つ、冷加湿ユニットによって室内を適切に加湿することができる。
【0017】
請求項8に記載の空気調和システムは、請求項7に記載の空気調和システムであって、第1制御部は、冷房運転においては、空間内の温度に基づいて第1室内ファンを制御する。また、第2制御部は、冷房運転においては、空間内の温度に基づいて第2室内ファンを制御する。
この空気調和システムでは、冷暖房ユニットの第1制御部と、冷加湿ユニットの第2制御部とは、冷房運転においては、空間内の温度に基づいて第1室内ファンおよび第2室内ファンを制御する。従って、加湿の必要性が低い冷房時には、冷暖房ユニットと冷加湿ユニットとの両方で冷房運転を適切に行うことができ、効果的に冷房運転を行うことができる。
【0018】
請求項9に記載の空気調和システムは、請求項1から3のいずれかに記載の空気調和システムであって、少なくとも1台の室内ユニットが暖房運転を行っている場合に、m−n台の室内ユニットは、加湿運転モードにて加湿運転を行う。
この空気調和システムでは、少なくとも1台の室内ユニットが暖房運転を行っている場合に、m−n台の室内ユニットが、自動的に加湿運転モードにて加湿運転を行う。このため、この空気調和システムでは、湿度が低下しがちな暖房運転時において空間内の湿度を適切に調整することができる。
【0019】
請求項10に記載の空気調和システムは、請求項3から8のいずれかに記載の空気調和システムであって、検知手段をさらに備える。検知手段は、冷暖房ユニットが暖房運転を行っているか又は冷房運転を行っているかを検知する。そして、冷加湿ユニットは、冷暖房ユニットが暖房運転を行っていると検知された場合には、加湿運転モードにて加湿運転を行い、冷暖房ユニットが冷房運転を行っていると検知された場合には、冷房運転を行う。
【0020】
この空気調和システムでは、冷暖房ユニットが暖房運転を行っているか又は冷房運転を行っているかが検知手段によって検知される。そして、冷加湿ユニットは、冷暖房ユニットが暖房運転を行っている場合には、加湿運転モードにて加湿運転を行う。これにより、湿度が低下しがちな暖房運転時において空間内の湿度を適切に調整することができる。また。冷加湿ユニットは、冷暖房ユニットが冷房運転を行っている場合には、冷房運転を行う。これにより、加湿の必要性が低い冷房運転においては、冷加湿ユニットは冷暖房ユニットと共に冷房運転を行う。以上のように、この空気調和システムでは、冷暖房ユニットが暖房運転を行っている場合と冷房運転を行っている場合との両方の場合において、冷加湿ユニットを効率よく機能させることができる。
【0021】
請求項11に記載の空気調和システムは、請求項3から8のいずれかに記載の空気調和システムであって、冷暖房ユニットと冷加湿ユニットとは、熱交換器をそれぞれ有する。熱交換器は、冷媒が循環する冷凍サイクルの一部を構成し、冷媒の循環の方向が変わることにより蒸発器としての役割と凝縮器としての役割とが切り換わる。
【0022】
この空気調和システムでは、冷暖房ユニットの熱交換器と冷加湿ユニットの熱交換器とを含む冷凍サイクルを流れる冷媒の循環の方向が変わることにより、冷房と暖房とが切り替わる。そして、このような冷媒の切り替わりがある冷凍サイクルでは、冷房能力と暖房能力との間に差が生じやすい。従って、冷房能力を基準に冷暖房ユニットが選定されると、暖房能力に余剰が生じることが多い。このため、冷加湿ユニットが加湿運転モードにて加湿運転を行う本発明がより効果的である。
【0023】
請求項12に記載の空気調和システムは、請求項11に記載の空気調和システムであって、冷加湿ユニットは、加湿部をさらに有する。加湿部は、通過する空気に水分を放出して空気を加湿する。そして、冷加湿ユニットは、熱交換器によって加熱された空気を加湿部に通すことによって加湿運転を行う。
この空気調和システムでは、冷加湿ユニットは、熱交換器によって加熱された空気を加湿部に通すことによって加湿運転を行う。暖房運転が行われている場合には、冷加湿ユニットの熱交換器を通る空気は加熱される。そして、加熱された暖かい空気が加湿部を通ることによって、加湿部の水分が空気中に放出されて加湿される。また、この空気調和システムでは、冷暖房ユニットによって暖房能力が満たされている。このため、冷加湿ユニットの熱交換器を通る空気を加湿用に用いても、暖房能力が不足する恐れが少ない。このように、この空気調和システムでは、システムが無駄なく効果的に構成されている。
【0024】
請求項13に記載の空気調和システムは、請求項1から3のいずれかに記載の空気調和システムであって、m−n台の室内ユニットの加湿能力の合計は、空間内の加湿に求められる所定の必要加湿能力を満たしている。また、n台の室内ユニットは加湿機能を有さない。
この空気調和システムでは、m−n台の室内ユニットの加湿能力の合計は必要加湿能力を満たしており、また、n台の室内ユニットは加湿機能を有さない。すなわち、加湿機能が、m−n台の室内ユニットに集約されている。そして、加湿機能が集約されたm−n台の室内ユニットが加湿運転モードにおいて加湿運転を行う。このため、他の室内ユニットに加湿機能を付加するための加湿ユニットなどを備えさせる必要が無い。従って、この空気調和システムでは、コスト安くシステムを構成することができる。
【0025】
請求項14に記載の空気調和システムは、請求項4から12のいずれかに記載の空気調和システムであって、冷加湿ユニットの加湿能力の合計は、空間内の加湿に求められる所定の必要加湿能力を満たしている。また、冷暖房ユニットは、加湿機能を有さない。
この空気調和システムでは、冷加湿ユニットの加湿能力の合計は必要加湿能力を満たしており、また、冷暖房ユニットは加湿機能を有さない。すなわち、加湿機能が、冷加湿ユニットの室内ユニットに集約されている。そして、加湿機能が集約された冷加湿ユニットが、加湿運転モードにおいて加湿運転を行う。このため、冷暖房ユニットに加湿機能を持たすための加湿ユニットなどを備えさせる必要が無い。従って、コスト安くシステムを構成することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
[空気調和システムの全体構成]
本発明の一実施形態が採用された空気調和システム100を図1に示す。
この空気調和システム100は、室外ユニット5に対して複数の室内ユニット1−4が接続されており、同一室内Rの空気調和を複数の室内ユニット1−4によって行う。以下、例として室外ユニット5に対して4台の室内ユニット1−4が接続される空気調和システム100を示すが、室外ユニット5および室内ユニットの数はこれに限られるものではない。
【0027】
この空気調和システム100は、室外ユニット5と4台の室内ユニット1−4と水配管6とコントローラ8などを備える。室外ユニット5は、空気調和システム100が配置された建物の屋上等の外部に配置される。4台の室内ユニット1−4は、同一の室内Rの天井近傍に配置されており、室内Rの空気調和を共同で行う。各室内ユニット1−4は冷媒配管7及び室外機通信線により、室外ユニット5と接続されている。また、室内ユニット1−4には、冷房と暖房とを主として行う第1室内ユニット1、第3室内ユニット3および第4室内ユニット4と、室内Rの冷房と加湿とを主として行う第2室内ユニット2とがある。コントローラ8は、室内Rの側壁などに配置され、冷房運転または暖房運転の別や温度、湿度、風量などの室内の空調運転の設定を行う。
【0028】
本空気調和システム100の冷媒回路および構成の概略を図2に示す。冷媒回路は、1台の室外ユニット5と、室外ユニット5に並列に接続された第1室内ユニット1、第2室内ユニット2、第3室内ユニット3および第4室内ユニット4により構成されている。
[室外ユニットの構成]
室外ユニット5は、室外熱交換器51、圧縮機52、四路切換弁53、アキュムレータ54、吐出管サーミスタ56、室外制御部57(図3参照)などを備えている。
【0029】
室外熱交換器51、圧縮機52、四路切換弁53およびアキュムレータ54は、室内ユニット1−4との間で冷媒回路を構成しており、四路切換弁53は、冷房時と暖房時とで冷媒の流れを切換える。
吐出管サーミスタ56は、圧縮機52の吐出側に取り付けられており、圧縮機52の吐出側の吐出管温度を検知する。
【0030】
室外制御部57は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、各種インターフェイスなどにより構成されている。室外制御部57は、図3に示すように、吐出管サーミスタ56が接続されており、吐出管サーミスタ56の検知信号が入力される。また、室外制御部57には、圧縮機52、四路切換弁53なども接続されており、運転中の各種条件に応じて圧縮機52の運転周波数を制御することによって、空調運転の制御を行う。
【0031】
[室内ユニットの構成]
室内ユニット1,3,4は、それぞれ冷房機能および暖房機能を有する冷暖房ユニットであり、冷暖房ユニット群G1を構成している。冷暖房ユニットは、冷房および暖房を行うユニットである。室内Rには、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3および第4室内ユニット4の3台が備えられている。また、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3および第4室内ユニット4はそれぞれ所定の暖房能力および冷房能力を有している。
【0032】
第2室内ユニット2は、室内Rの冷房と加湿とを行う冷加湿ユニットであり、冷加湿ユニット群G2を構成している。また、第2室内ユニット2は、所定の冷房能力と加湿能力とを有している。
ここで、冷暖房ユニット群G1を構成する室内ユニット1,3,4の暖房能力の合計および冷房能力の合計を第1暖房能力および第1冷房能力とそれぞれ定義する。また、冷加湿ユニット群G2を構成する室内ユニット2の冷房能力の合計および加湿能力の合計を第2冷房能力および合計加湿能力とそれぞれ定義する。すなわち、本実施形態では、第1暖房能力および第1冷房能力は、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3および第4室内ユニット4の各暖房能力の合計および各冷房能力の合計である。また、第2冷房能力および合計加湿能力は、第2室内ユニット2の冷房能力および加湿能力である。そして、第1暖房能力は、室内Rの暖房負荷に対して必要な必要暖房能力を満たしている。また、第1冷房能力と第2冷房能力とを合計した合計冷房能力は、室内Rの冷房負荷に対して必要な必要冷房能力を満たしている。さらに、合計加湿能力は、室内Rに対して必要な必要加湿能力を満たしている。
【0033】
なお、暖房能力とは、室内Rに単位時間当たりに加えることができる熱量であり、室内ユニットの機種選定時に参照されるものである。冷房能力とは、冷房能力とは、室内Rから単位時間当たりに除去できる熱量であり、室内ユニットの機種選定時に参照されるものである。暖房能力および冷房能力は、例えば、JISB8616に示される条件で測定され、通常、kWで示される。また、冷房負荷は、室内などの冷房を行う場合に室内ユニットが除去しなければならない熱量であり、暖房負荷は、室内などの暖房を行う場合に室内ユニットが供給しなければならない熱量である。これらは、室内ユニットの設置環境によって定まる負荷である。冷房負荷と暖房負荷とは、室内ユニットが配置される建物の構造による熱の出入りや、在室者の人数や照明などによる室内で発生する熱などを考慮して算出される。加湿能力とは、単位時間当たりに加湿できる水分の量であり、通常、kg/hで示される。必要加湿能力は、室内Rの換気量、室内Rの目標絶対湿度、室外の絶対湿度などから算出される。
【0034】
〈第1室内ユニット、第3室内ユニットおよび第4室内ユニットの構成〉
第1室内ユニット、第3室内ユニットおよび第4室内ユニットは、上述したように、冷房と暖房とを行うユニットであり、室内Rの温度に基づいて暖房運転や冷房運転に関する制御を行う。
第1室内ユニット1は、第1室内熱交換器11、第1電動弁12、第1室内ファン13、第1室内ファンモータ14、第1室温サーミスタ15、第1通信線81(図3参照)、第1室内制御部16(図3参照)等を有している。
【0035】
第1室内熱交換器11と第1電動弁12とは、直列に接続されており、室外ユニット5との間で冷媒回路を構成している。第1室内熱交換器11は通過する空気と間で熱交換を行い、室内Rへ送られる空気の温度調整を行う。第1室内熱交換器11は、冷凍サイクルを循環する冷媒の循環の方向が変わることにより、蒸発器としての役割と凝縮器としての役割とが切り替わる。これにより、冷暖房の切り替えが行われる。第1電動弁12は、第1室内熱交換器11に流れる冷媒量を調整する。
【0036】
第1室内ファン13は、第1室内ファンモータ14によって駆動される。第1室内ファン13は、第1室内ユニット1が配置されている室内Rの空気を第1室内ユニット1の内部に取り込み、第1室内熱交換器11により熱交換が行われた空気を室内Rへと送る。従って、第1室内ファン13は、暖房時には第1室内熱交換器11によって暖められた空気を室内Rへと送り、冷房時には第1室内熱交換器11によって冷やされた空気を室内Rへと送る。
【0037】
第1室温サーミスタ15は、第1室内ユニット1の内部に取り込まれる空気が通る吸込み口近傍に設けられており、室内Rの温度を検知して第1室内制御部16へと検知信号を送信する。
第1通信線81は、図3に示すように、コントローラ8と第1室内制御部16とを接続しており、コントローラ8に入力された空調運転の設定に関する信号を第1室内制御部16へと伝送する。この空調運転の設定は、例えば、冷房運転を行う指令、暖房運転を行う指令、設定温度、風量、風向などである。
【0038】
第1室内制御部16は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、各種インターフェイスなどにより構成されている。第1室内制御部16は、第1通信線81によってコントローラ8と接続されており、コントローラ8から空調運転の設定に関する信号を受ける。また、第1室内制御部16は、第1電動弁12、第1室内ファンモータ14、第1室温サーミスタ15と接続されており、第1室温サーミスタ15の検知信号が入力される。また、第1室内制御部16は、第1電動弁12や第1室内ファンモータ14に制御信号を送信して室内Rの温度調整を行う。
【0039】
室外制御部57と第1室内制御部16との間には、室外機通信線85が設けられており、この室外機通信線85を介して第1室内ファンモータ14等への制御信号などの各種信号の送受信が可能となっている。
また、室外制御部57と第1室内制御部16とは、室内Rの温度調整のために、室内Rの温度に基づいて、サーモオフ動作やサーモオン動作を行わせる。サーモオフ動作では、室外制御部57は、圧縮機52の運転を停止させる。また、第1室内制御部16は、第1室内ファンモータ14の出力を最低レベルに落として、第1室内ファン13の運転を必要最小限とする。サーモオン動作にでは、室外制御部57は、圧縮機52を再起動させる。第1室内制御部16は、第1室内ファンモータ14の出力制御を通常の制御に戻す。
【0040】
第3室内ユニット3は、第3室内熱交換器31、第3電動弁32、第3室内ファン33、第3室内ファンモータ34、第3室温サーミスタ35、第3通信線83(図3参照)、第3室内制御部36(図3参照)等を有している。また、第4室内ユニット4は、第4室内熱交換器41、第4電動弁42、第4室内ファン43、第4室内ファンモータ44、第4室温サーミスタ45、第4通信線84(図3参照)、第4室内制御部46(図3参照)等を有している。第3室内ユニット3および第4室内ユニット4の各構成部品は、第1室内ユニット1が有する構成部品と同様である。また、第3室内ユニット3および第4室内ユニット4も第1室内ユニット1と同様に、室外ユニット5と接続されており、第1室内ユニット1と同様に、サーモオン動作やサーモオフ動作を行う。
【0041】
〈第2室内ユニットの構成〉
図4(a)に第2室内ユニット2の斜視図を示す。第2室内ユニット2は、加湿に特化したユニットであり、室内Rの湿度調整を一台で行うことができる加湿性能を有する。第2室内ユニット2は、暖房シーズンには加湿運転を行い、冷房シーズンには冷房運転を行う。第2室内ユニット2では、他の室内ユニット1,3,4の運転状態に応じて運転モードが切り替わる。他の室内ユニット1,3,4の運転状態とは暖房運転または冷房運転であり、第2室内ユニット2は、他の室内ユニット1,3,4が暖房運転を行っている時には湿度調整モード(加湿運転モード)となり、加湿運転を行う。また、第2室内ユニット2は、他の室内ユニット1,3,4が冷房運転を行っている時には温度調整モードとなり、冷房運転を行う。なお、湿度調整モードとは、室内Rの湿度に基づいて第2室内ユニットが制御される運転モードであり、室内Rの温度調整よりも湿度調整が優先して行われる。温度調整モードとは室内Rの温度に基づいて第2室内ユニットが制御される運転モードである。
【0042】
第2室内ユニット2は、第2室内熱交換器21、第2電動弁22、第2室内ファン23、第2室内ファンモータ24、第2室温サーミスタ25、湿度センサ26、加湿エレメント27、給排水弁28、第2通信線82(図3参照)、第2室内制御部29(図3参照)等を有している。
第2室内熱交換器21と第2電動弁22とは、直列に接続されており、室外ユニット5との間で冷媒回路を構成している。第2室内熱交換器21は、通過する空気との間で熱交換を行い、空気の温度調整を行う。第2室内熱交換器21は、冷凍サイクルを循環する冷媒の循環の方向が変わることにより、蒸発器としての役割と凝縮器としての役割とが切り替わる。冷房運転時には、第2室内熱交換器21が蒸発器として機能する。また、加湿運転時には、第2室内熱交換器21が凝縮器として機能する。加湿運転時には、第2室内熱交換器21によって暖められた空気が加湿エレメント27を通ることによって加湿される。第2電動弁22は、第2室内熱交換器21に流れる冷媒量を調整する。
【0043】
第2室内ファン23は、第2室内ファンモータ24によって駆動される。図4(b)に第2室内ユニット2の側面図を示す。第2室内ファン23は、第2室内ユニット2が配置されている室内Rの空気を吸込み口20aから第2室内ユニット2の内部に取り込み、第2室内熱交換器21により熱交換が行われた空気や加湿エレメント27によって加湿された空気を吹出し口20bから吹き出す。吹出し口20bから吹き出された空気は、ダクトDを通って室内Rへと送られる。第2室内ファン23は、加湿時には、第2室内熱交換器21により暖められ加湿エレメント27によって加湿された空気を室内Rへと送る。また、第2室内ファン23は、加湿時ではなくかつ冷房時には、第2室内熱交換器21により冷やされ加湿されない空気を室内Rへと送る。
【0044】
第2室温サーミスタ25は、第2室内ユニット2の内部に取り込まれる空気が通る吸込み口近傍に設けられており、室内Rの温度を検知して第2室内制御部29へと検知信号を送信する(図2および図3参照)。
湿度センサ26は、第2室内ユニット2の内部に取り込まれる空気が通る吸込み口近傍に設けられており、室内Rの湿度を検知して第2室内制御部29へと検知信号を送信する。
【0045】
加湿エレメント27は、室内Rの湿度調整を行う。加湿エレメント27は、水配管6から水を受け取り、通過する空気に水分を放出する。水配管6は、水源である水道等に接続されており、水源から加湿エレメント27へと水を搬送する。この加湿エレメント27は、第2室内ユニット2にのみ備えられており、他の第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4には配置されていない。また、水配管6も第2室内ユニット2にのみ接続されており、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4には接続されていない。
【0046】
給排水弁28は、水配管6と加湿エレメント27との間に設けられ、加湿エレメント27へと供給される水や加湿エレメント27から排水される水の量を調整する。給排水弁28は、第2室内制御部29と接続されており、第2室内制御部29によって制御される。
第2通信線82は、図3に示すように、コントローラ8と第2室内制御部29とを接続しており、コントローラ8に入力された空調運転の設定に関する信号を第2室内制御部29へと伝送する。この空調運転の設定は、例えば、冷房運転を行う指令、暖房運転を行う指令、設定湿度などである。
【0047】
第2室内制御部29は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、各種インターフェイスなどにより構成されている。第2室内制御部29は、第2通信線82によってコントローラ8と接続されており、コントローラ8から空調運転の設定に関する信号を受ける。第2室内制御部29は、第2通信線82によって伝送される信号によって、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4が暖房運転を行っているのか冷房運転を行っているのかを検知することができる。また、第2室内制御部29は、第2電動弁22、第2室内ファン23、第2室温サーミスタ25、湿度センサ26、給排水弁28等と接続されており、第2室温サーミスタ25や湿度センサ26の検知信号が入力される。また、室外制御部57と第2室内制御部29との間には、室外機通信線85が設けられており、この室外機通信線85を介して第2電動弁22の制御信号などの各種信号の送受信が可能となっている。第2室内制御部29は、第2通信線82を介してコントローラ8から暖房運転の指令信号を受けると、湿度調整モードとなり加湿運転を行う。すなわち、第2室内制御部29は、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3および第4室内ユニット4が暖房運転を行う場合に、加湿運転を行う。第2室内制御部29は、加湿運転時には、室内Rの温度調整を目的とせず室内Rの湿度調整を最優先にして各構成部品の制御を行う。具体的には、第2室内制御部29は、湿度調整モードにおいては、第1室内ユニット1等のように室内Rの温度に基づくサーモオン動作やサーモオフ動作を行わず、湿度センサ26が検知した室内Rの湿度に基づいて第1室内ファンモータ14と給排水弁28とを制御する。また、第2室内制御部29は、第2通信線82を介してコントローラ8から冷房運転の指令信号を受けると、温度調整モードとなり冷房運転を行う。すなわち、第2室内制御部29は、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3および第4室内ユニット4が冷房運転を行う場合に、これらと共に冷房運転を行う。第2室内ユニット2は、温度調整モードにおいては、第1室内ユニット1等と同様に、室内Rの温度に基づくサーモオン動作やサーモオフ動作を行い室内の冷房を行う。
【0048】
[室内ユニットの動作]
次に、この空気調和機システム100における室内ユニット1−4の冷暖房時の動作を説明する。
〈暖房運転時の動作〉
この空気調和システム100では、暖房運転時には第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4は室内Rの温度調整を行い、第2室内ユニット2は室内Rの湿度調整を行う。
【0049】
第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4は、コントローラ8から暖房運転の指令信号を受けると、暖房運転を行う。第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4は、暖房運転中、サーモオン動作およびサーモオフ動作を繰り返して室内Rの温度を設定温度に近づける制御を行う。この制御では、第1室内ユニット1は、第1室温サーミスタ15によって室内Rの室温を検知する。第1室内ユニット1の第1室内制御部16は、検知された室内Rの温度が一定値まで上昇したと判断すると、サーモオフとするように制御を行う。サーモオフ状態になると、圧縮機52の運転が停止され且つ第1室内ファンモータ14の出力が最低レベルに落とされて第1室内ファン13の運転が必要最小限とされる。サーモオフ後に室内Rの温度が低下すると、第1室内制御部16は、サーモオンとする。サーモオン状態になると、圧縮機52が再起動され第1室内ファンモータ14の出力制御も通常の制御に戻されて、暖房運転が復帰する。
【0050】
このように第1室内ユニット1が室内Rの温度に基づいてサーモオンおよびサーモオフを繰り返して暖房運転を行うことによって、室内Rの温度調整が行われる。第3室内ユニット3、第4室内ユニット4についても同様である。
第2室内ユニット2は、コントローラ8から第2通信線82を介して暖房運転の指令信号を受けると、湿度調整モードとなり加湿運転を行う。この場合、第1室内ユニット1等が室内Rの温度調整を行っている間、第2室内ユニット2は、第1室内ユニット1等のサーモオン・サーモオフから独立して加湿運転を行う。加湿運転時には、第2室内ユニット2は、湿度センサ26が検知した室内Rの湿度に基づいて、室内Rの加湿を行う。第2室内ユニット2の第2室内制御部29は、室内Rの湿度に基づいて、第2室内ファンモータ24の出力や給排水弁28を制御して室内Rの湿度を設定湿度へと近づける。加湿運転時には、給排水弁28により加湿エレメント27への給水が行われ、第2室内ファンモータ24によって駆動された第2室内ファン23により、加湿空気が生成される。この加湿空気は、室内Rから第2室内ユニット2内に吸い込まれ、第2室内熱交換器21および加湿エレメント27を通ることによって加湿され、室内Rへと吹き出される空気である。なお、この加湿運転時においても第2室内熱交換器21と空気との間で熱交換が行われ空気が暖められるが、これは暖房を目的とするものではなく加湿を目的とするものである。
【0051】
以上のように、この空気調和システム100では、暖房時には、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4が暖房を行い、第2室内ユニット2が加湿を行う。このため、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4には、第2室内ユニット2が備えるような加湿エレメント27は備えられていない。また、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4には、第2室内ユニット2に接続されているような水配管6は接続されていない。
【0052】
〈冷房運転〉
冷房運転時には、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4および第2室内ユニット2が室内の冷房を行う。
第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4は、コントローラ8から冷房運転の指令信号を受けると、冷房運転を行う。第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4は、冷房運転中、上記の暖房運転中と同様に、サーモオンおよびサーモオフを切り換えて室内Rの温度を設定温度に近づける制御を行う。
【0053】
また、第2室内ユニット2も、コントローラ8から冷房運転の指令信号を受けると、温度調整モードとなり第1室内ユニット1等と同様に冷房運転を行う。この場合、第2室内制御部29は、給排水弁28を閉め、第1室内ユニット1等と同様に、室内温度に基づいてサーモオンおよびサーモオフを切り換えて室内Rの温度を設定温度に近づける制御を行う。
【0054】
以上のように、この空気調和システム100では、冷房時には、第1室内ユニット1、第2室内ユニット2、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4が共同で室内Rの冷房を行う。
[特徴]
(1)
同一の室内Rに複数の室内ユニットを分散して設置する空気調和システムにおいては、従来、各室内ユニットに加湿モジュールを組み合わせて暖房負荷処理と加湿とを同時に行うことが一般的である。しかし、室内Rに配置されるパソコン等の機器からの発熱量が多いオフィスなどでは、暖房負荷が少ないことが多い。従って、室内ユニットにおいてサーモオフ状態が持続することがある。この場合、各室内ユニットで室内ファンの駆動が低く抑えられるため、加湿された空気の吹出しも抑えられる。これにより、加湿量が不足する恐れがある。
【0055】
しかし、この空気調和システム100では、第2室内ユニット2が第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4から独立して室内Rの加湿を行う。すなわち、室内Rの温度に基づいてサーモオフおよびサーモオンを繰り返す第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4の制御とは別に、第2室内ユニット2が室内Rの湿度に基づいて第2室内ファン23を駆動して室内Rの加湿を行う。このため、この空気調和システム100では、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4が暖房運転を行っている場合においても、第2室内ユニット2によって必要な加湿量が確保される。これにより、暖房負荷に関わらず、所定の加湿性能が発揮される。
【0056】
(2)
同一の室内Rに複数の室内ユニットを分散して設置する空気調和システムにおいては、分散させた各室内ユニットに、それぞれ加湿のための水を供給する水配管6が必要となる。しかし、複数の室内ユニットが設けられていれるため、従来の空気調和システムでは、各室内ユニットのそれぞれに水配管が必要となり、水配管の施工コストが増大する恐れがある。
【0057】
しかし、この空気調和システム100では、第1室内ユニット1、第2室内ユニット2、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4のすべてが加湿機能を有するのではなく、第2室内ユニット2のみが加湿機能を有しており、水配管6は第2室内ユニット2のみに接続される。このため、すべての室内ユニット1−4に水配管6を接続する場合と比べて、水配管6の施工が簡略化される。これにより、水配管6の施工コストの増大が抑えられる。
【0058】
また、加湿エレメント27が第2室内ユニット2に集約されているため、複数の室内ユニット1−4に加湿モジュールを付する場合よりも、機器のコストや工事費用が低減する。
(3)
この空気調和システム100では、第2室内ユニット2は、加湿だけではなく冷房も行うことができる。このため、第2室内ユニット2は、暖房シーズンには加湿を行い、冷房シーズンには冷房を行うことができる。
【0059】
また、必要暖房能力は、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3および第4室内ユニット4の暖房能力によって満たされており、第2室内ユニット2が暖房運転を行わなくても室内Rの温度を適切に維持することができる。また、必要冷房負荷は、第1室内ユニット1、第2室内ユニット、第3室内ユニット3および第4室内ユニット4によって満たされており、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3および第4室内ユニット4だけではなく第2室内ユニット2も冷房運転を行うことにより、室内Rの温度を適切に維持することができる。
【0060】
上述したように、パソコン等の機器からの発熱量が多いオフィスなどでは、暖房負荷が少ないことが多い。従って、冷房能力を基準に室内ユニット1,2,3,4が選定されても、第2室内ユニット2を除く室内ユニット1,3,4によっても十分に必要暖房能力が満たされる。このため、暖房運転時において、第2室内ユニット2が湿度調整モード(加湿運転モード)にて加湿運転を行っても、暖房能力が不足することがほとんど無い。このように、この空気調和システム100では、システムの構成に無駄がなく、安価にシステムが構成される。
【0061】
(4)
同一の室内Rに複数の室内ユニットを分散して設置する空気調和システムにおいては、従来、各室内ユニットに加湿モジュールを組み合わせて暖房と加湿とを同時に行うことが一般的である。しかし、室内Rに配置されるパソコン等の機器からの発熱量が多いオフィスなどでは、暖房負荷が少ないことが多い。従って、室内ユニットにおいてサーモオフ状態が持続することがある。特に、複数の室内ユニットが同じように暖房と加湿とを同時に行うと、全ての室内ユニットにおいてサーモオフ状態が持続してしまう。この場合、すべての室内ユニットにおいて室内ファンの駆動が低く抑えられるため、加湿された空気の吹出しも抑えられる。これにより、加湿量が不足する恐れがある。
【0062】
しかし、この空気調和システム100では、第2室内ユニット2は他の室内ユニット1,3,4の運転状態に応じて、加湿運転を冷房運転とを切り換える。従って、他の室内ユニット1,3,4が暖房を行っている場合において空気調和システム100の加湿能力を第2室内ユニット2によって確保することができる。これにより、この空気調和システム100では、必要な加湿性能を発揮することができる。
【0063】
[他の実施形態]
(1)
上記の実施形態では、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4は加湿機能を有していないが、加湿機能を有してもよい。この場合においても、水配管6の施工コスト削減の効果を除く他の効果については上記と同様に奏することができる。
【0064】
(2)
上記の実施形態では、加湿運転時において、第2室内ユニット2は、暖房を行わずに加湿のみを行っているが、必要に応じて加湿と暖房とを併せて行ってもよく、暖房のみを行ってもよい。この場合、第2室内ファン23は、加湿時ではなくかつ暖房時には、第2室内熱交換器21により暖められ加湿されない空気を室内Rへと送る。
【0065】
(3)
上記の実施形態では、第2室内ユニット2は冷房と加湿とを行うことができるが、暖房と除湿とを行うものであってもよい。この場合、冷房時の第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4のサーモオン、サーモオフの影響を受けずに除湿が行われる。
【0066】
(4)
上記の実施形態では、複数の室内ユニット1,2,3,4の全てが同一空間の空気調和を共同で行っているが、空気調和システム1を構成する全ての室内ユニット1,2,3,4が同一空間の空気調和を行うことに限られるものではない。複数の室内ユニット1,2,3,4の一部が異なる空間の空気調和を行ってもよい。例えば、第1室内ユニット1、第2室内ユニット2、第3室内ユニット3が同一の室内Rの空気調和を行い、第4室内ユニット4が別室の空気調和を行ってもよい。
(5)
上記の実施形態では、第2通信線82が信号を伝送することによって、第1室内ユニット1等が暖房運転を行っているのか冷房運転を行っているのかが検知されているが、第2通信線82のような有線ではなく、無線によって信号が送信されてもよい。
【0067】
また、上記の実施形態では、第2通信線82はコントローラ8と第2室内ユニット2の第2室内制御部29とを接続しており、第2通信線82を介してコントローラ8から第2室内制御部29へと信号が伝送されている。しかし、第1室内ユニット1の第1室内制御部16と第2室内ユニット2の第2室内制御部29とを直接接続する通信線によって、第2室内制御部29へと信号が伝送されてもよい。これによっても、第1室内ユニット1等が暖房運転を行っているのか冷房運転を行っているのかが検知されることが可能である。
【0068】
さらに、第1室内ユニット1等が暖房運転を行っているのか冷房運転を行っているのかを検知する手段は、第2通信線82や無線などによって伝送される信号に限られるものではない。例えば、第2室温サーミスタ25によって検知される室内温度などによって、第1室内ユニット1等が暖房運転を行っているのか冷房運転を行っているのかが検知されてもよい。
【0069】
(6)
上記の実施形態では、第2室内ユニット2の第2室内制御部29は加湿運転において室内Rの湿度に基づいて第1室内ファンモータ14と給排水弁28とを制御しているが、室内Rの湿度に基づいて制御されるものはこれらに限られない。例えば、第2電動弁22やフラップ(図示せず)などが室内Rの湿度に基づいて制御されてもよい。
【0070】
(7)
上記の実施形態では、第2室内ユニット2の第2室内制御部29が運転モードの選択を行っているが、コントローラ8が第2室内ユニット2の運転モードを選択してもよい。この場合、コントローラ8は選択した運転モードや具体的な設定などを示す制御信号を第2通信線82を介して第2室内制御部29へと送る。
【0071】
(8)
上記の実施形態では、第2室内ユニット2は、第1室内ユニット1等の運転状態に応じて自動的に湿度調整モードと温度調整モードとの切り替えが行われているが、手動で切り替えが行われてもよい。例えば、コントローラ8から手動で第2室内ユニット2の運転モードが切り換えられてもよい。
【0072】
また、運転モードの切り換えは、他の全ての室内ユニッ1,3,4が運転している場合に限らず、その一部の室内ユニットの運転状態に応じて運転モードが切り替わってもよい。例えば、第1室内ユニット1と第3室内ユニット3とが暖房運転をしており、第4室内ユニット4が運転を休止している場合には、第1室内ユニット1と第3室内ユニット3との運転状態に応じて、加湿運転や冷房運転が行われてもよい。
【0073】
(9)
上記の実施形態では、冷暖房ユニット群G1は3台の室内ユニット1,3,4によって構成されているが、冷暖房ユニット群G1を構成する室内ユニットの台数はこれに限られるものではない。また、上記の実施形態では、冷加湿ユニット群G2は、1台の室内ユニット2によって構成されているが、冷加湿ユニット群G2を構成する室内ユニットの台数はこれに限られるものではない。
【0074】
【発明の効果】
請求項1に記載の空気調和システムでは、少なくともm−n台の室内ユニットが、湿度に基づいた制御が行われる加湿運転モードにて加湿運転を行う。このため、例えば、他の室内ユニットがサーモオフ状態となっていても、少なくともm−n台の室内ユニットによって適切に加湿運転を行うことができる。これにより、湿度調整を適切に行うことができる。また、この空気調和システムでは、必要暖房能力を満たすn台を超えるm台の室内ユニットが備えられており、暖房能力の観点からは余剰なm−n台の室内ユニットが、加湿運転モードにて加湿運転を行うことができる。従って、m−n台の室内ユニットが加湿運転モードにて加湿運転を行っても、n台の室内ユニットによって暖房が十分に行われる。このため、システムが無駄なく効果的に構成される。
【0075】
請求項2に記載の空気調和システムでは、m台の室内ユニットの冷房能力の合計は、必要冷房能力を満たす。一般に、冷房と暖房とを行う室内ユニットにおいて、冷房能力を基準にして室内ユニットが選定されると、暖房能力に余剰が生じることが多い。特に、パソコンなどの機器からの発熱が多いオフィスでは、空気調和機への暖房負荷が小さいため、冷房能力と比べて暖房能力に余剰が生じることが多い。そして、この空気調和システムでは、他の室内ユニットが暖房運転を行うと共に、少なくともm−n台の室内ユニットが加湿運転モードにて加湿運転を行うことができる。従って、システムが無駄なく効果的に構成されると共に湿度調整を適切に行うことができる。
【0076】
請求項3に記載の空気調和システムでは、m台の室内ユニットのうち、n台が冷暖房ユニットであり、m−n台が冷加湿ユニットである。このため、冬などの暖房シーズンには、必要暖房能力を満たす冷暖房ユニットによって暖房運転を賄うと共に、冷加湿ユニットによって加湿運転をすることができる。これにより、湿度が低下しやすい暖房シーズンにおいて、空間内を適切な湿度に維持することができる。また、冷房シーズンには、冷暖房ユニットと冷加湿ユニットとの両方で冷房運転を行うことができる。これにより、冷房シーズンにおいて、空間内を適切な温度に維持することができる。
【0077】
請求項4に記載の空気調和システムでは、冷加湿ユニットが、湿度に基づいた制御が行われる加湿運転モードにて加湿運転を行う。このため、冷暖房ユニットがサーモオフ状態となっていても、冷加湿ユニットによって適切に加湿運転を行うことができる。これにより、湿度調整を適切に行うことができる。また、この空気調和システムでは、冷暖房ユニット群の第1冷房能力と冷加湿ユニット群の第2冷房能力とを合計した合計冷房能力は、必要冷房能力を満たす。また、冷暖房ユニット群の第1暖房能力は、必要暖房能力を満たす。従って、必要暖房能力は冷暖房ユニットによって満たされており、暖房能力の観点からは余剰な冷加湿ユニットが加湿運転モードにて加湿運転を行うことができる。このため、冷加湿ユニットが加湿運転モードにて加湿運転を行っても、冷暖房ユニットによって暖房が十分に行われる。このように、この空気調和システムでは、システムが無駄なく効果的に構成される。
【0078】
請求項5に記載の空気調和システムでは、冷暖房ユニットは、空間内の温度に基づいて暖房運転に関する制御を行うのに対して、冷加湿ユニットは、加湿運転モードにおいて空間内の湿度に基づいて加湿運転に関する制御を行う。一般に、暖房運転が行われる場合には、室内の湿度が低下し易い。しかし、この空気調和システムでは、冷暖房ユニットによって空間内が適切に暖房され、冷加湿ユニットによって空間内が適切に加湿される。これにより、この空気調和システムでは、暖房時において、温度と湿度とを適切に調整することができる。
【0079】
請求項6に記載の空気調和システムでは、冷暖房ユニットと冷加湿ユニットとは、空間内の温度に基づいて冷房運転に関する制御を行う。従って、加湿の必要性が低い冷房時には、冷暖房ユニットと冷加湿ユニットとの両方で冷房運転を適切に行うことができ、効果的に冷房運転を行うことができる。
請求項7に記載の空気調和システムでは、冷暖房ユニットの第1制御部は、暖房運転においては、空間内の温度に基づいて第1室内ファンを制御する。また、冷加湿ユニットの第2制御部は、加湿運転モードにおいては、空間内の湿度に基づいて第2室内ファンを制御する。このため、冷暖房ユニットによって室内を適切に暖房することができ、且つ、冷加湿ユニットによって室内を適切に加湿することができる。
【0080】
請求項8に記載の空気調和システムでは、冷暖房ユニットの第1制御部と、冷加湿ユニットの第2制御部とは、冷房運転においては、空間内の温度に基づいて第1室内ファンおよび第2室内ファンを制御する。従って、加湿の必要性が低い冷房時には、冷暖房ユニットと冷加湿ユニットとの両方で冷房運転を適切に行うことができ、効果的に冷房運転を行うことができる。
【0081】
請求項9に記載の空気調和システムでは、少なくとも1台の室内ユニットが暖房運転を行っている場合に、m−n台の室内ユニットが、自動的に加湿運転モードにて加湿運転を行う。このため、この空気調和システムでは、湿度が低下しがちな暖房運転時において空間内の湿度を適切に調整することができる。
請求項10に記載の空気調和システムでは、冷暖房ユニットが暖房運転を行っているか又は冷房運転を行っているかが検知手段によって検知される。そして、冷加湿ユニットは、冷暖房ユニットが暖房運転を行っている場合には、加湿運転モードにて加湿運転を行う。これにより、湿度が低下しがちな暖房運転時において空間内の湿度を適切に調整することができる。また。冷加湿ユニットは、冷暖房ユニットが冷房運転を行っている場合には、冷房運転を行う。これにより、加湿の必要性が低い冷房運転においては、冷加湿ユニットは冷暖房ユニットと共に冷房運転を行う。以上のように、この空気調和システムでは、冷暖房ユニットが暖房運転を行っている場合と冷房運転を行っている場合との両方の場合において、冷加湿ユニットを効率よく機能させることができる。
【0082】
請求項11に記載の空気調和システムでは、冷暖房ユニットの熱交換器と冷加湿ユニットの熱交換器とを含む冷凍サイクルを流れる冷媒の循環の方向が変わることにより、冷房と暖房とが切り替わる。そして、このような冷媒の切り替わりがある冷凍サイクルでは、冷房能力と暖房能力との間に差が生じやすい。従って、冷房能力を基準に冷暖房ユニットが選定されると、暖房能力に余剰が生じることが多い。このため、冷加湿ユニットが加湿運転モードにて加湿運転を行う本発明がより効果的である。
【0083】
請求項12に記載の空気調和システムでは、冷加湿ユニットは、熱交換器によって加熱された空気を加湿部に通すことによって加湿運転を行う。暖房運転が行われている場合には、冷加湿ユニットの熱交換器を通る空気は加熱される。そして、加熱された暖かい空気が加湿部を通ることによって、加湿部の水分が空気中に放出されて加湿される。また、この空気調和システムでは、冷暖房ユニットによって暖房能力が満たされている。このため、冷加湿ユニットの熱交換器を通る空気を加湿用に用いても、暖房能力が不足する恐れが少ない。このように、この空気調和システムでは、システムが無駄なく効果的に構成されている。
【0084】
請求項13に記載の空気調和システムでは、m−n台の室内ユニットの加湿能力の合計は必要加湿能力を満たしており、また、n台の室内ユニットは加湿機能を有さない。すなわち、加湿機能が、m−n台の室内ユニットに集約されている。そして、加湿機能が集約されたm−n台の室内ユニットが加湿運転モードにおいて加湿運転を行う。このため、他の室内ユニットに加湿機能を付加するための加湿ユニットなどを備えさせる必要が無い。従って、この空気調和システムでは、コスト安くシステムを構成することができる。
【0085】
請求項14に記載の空気調和システムでは、冷加湿ユニットの加湿能力の合計は必要加湿能力を満たしており、また、冷暖房ユニットは加湿機能を有さない。すなわち、加湿機能が、冷加湿ユニットの室内ユニットに集約されている。そして、加湿機能が集約された冷加湿ユニットが、加湿運転モードにおいて加湿運転を行う。このため、冷暖房ユニットに加湿機能を持たすための加湿ユニットなどを備えさせる必要が無い。従って、コスト安くシステムを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気調和システムの全体概略図。
【図2】空気調和システムの冷媒回路および構成の概略図。
【図3】空気調和機システムの制御ブロック図。
【図4】(a)第2室内ユニットの外観斜視図。
(b)第2室内ユニットの側面図。
【符号の説明】
1 第1室内ユニット(室内ユニット、冷暖房ユニット)
2 第2室内ユニット(室内ユニット、冷加湿ユニット)
3 第3室内ユニット(室内ユニット、冷暖房ユニット)
4 第4室内ユニット(室内ユニット、冷暖房ユニット)
11 第1室内熱交換器(熱交換器)
13 第1室内ファン
16 第1室内制御部(第1制御部)
21 第2室内熱交換器(熱交換器)
23 第2室内ファン
27 加湿エレメント(加湿部)
29 第2室内制御部(第2制御部)
82 第2通信線(検知手段)
100 空気調和システム
G1 冷暖房ユニット群
G2 冷加湿ユニット群
R 室内(空間内)
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の室内ユニットを備え、空間内の空気調和を行う空気調和システムがよく使用されている。この空気調和システムには、室内の温度調整と湿度調整との両方を行うものがある。このような空気調和システムは、各室内ユニットが温度調整機能と湿度調整機能との両方を有することが多く、各室内ユニットにおいて室内の温度調整と湿度調整とが同時に行われる(特許文献1参照)。例えば、各室内ユニットが熱交換器と室内ファンと加湿器とをそれぞれ有する空気調和システムがある。熱交換器は通過する空気と熱交換を行うことによって室内へと送られる空気の温度を調整する。室内ファンは、熱交換器を通り室内へと送られる空気の流れを生成する。加湿器は室内へと送られる空気を加湿する。このような空気調和システムでは、室内ファンによって空気の流れが生成され、この空気の流れは、室内熱交換器によって温度調整されると共に加湿器によって加湿される。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−129692
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような空気調和システムでは、各室内ユニットは温度調整を中心に運転されることが多く、湿度調整が適切に行われない場合が生じる。上記の例で言えば、各室内ユニットは温度調整と共に湿度調整を行うが、各室内ユニットが温度調整のためにサーモオフ状態となることがある。サーモオフ状態では室内ファンが停止されるため、加湿された空気が室内へと送られなくなる。このため、室内の湿度調整が不十分になる。特に、パソコンなどの機器からの発熱が多いオフィスでは、空気調和機への暖房負荷が小さいため、サーモオフ状態が持続されることが多い。このため、適切な加湿量が確保されず、湿度調整が適切に行われない場合が生じる。
【0005】
本発明の課題は、湿度調整を適切に行うことができる空気調和システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の空気調和システムは、所定の空間内の空気調和を行うm(m≧2)台の室内ユニットを備える空気調和システムであって、室内ユニットのうち少なくともn(1≦n≦m−1)台の室内ユニットは暖房機能を有する。また、n台の室内ユニットの暖房能力の合計は、空間内の暖房負荷に対して必要とされる必要暖房能力を満たしている。そして、少なくともm−n台の室内ユニットは加湿機能を有し、m−n台の室内ユニットは、湿度に基づいた制御が行われる加湿運転モードにて加湿運転を行う。なお、暖房能力とは、空間内に単位時間当たりに加えることができる熱量であり、室内ユニットの機種選定時に参照されるものである。
【0007】
この空気調和システムでは、少なくともm−n台の室内ユニットが、湿度に基づいた制御が行われる加湿運転モードにて加湿運転を行う。このため、例えば、他の室内ユニットがサーモオフ状態となっていても、少なくともm−n台の室内ユニットによって適切に加湿運転を行うことができる。これにより、湿度調整を適切に行うことができる。また、この空気調和システムでは、必要暖房能力を満たすn台を超えるm台の室内ユニットが備えられており、暖房能力の観点からは余剰なm−n台の室内ユニットが、加湿運転モードにて加湿運転を行うことができる。従って、m−n台の室内ユニットが加湿運転モードにて加湿運転を行っても、n台の室内ユニットによって暖房が十分に行われる。このため、システムが無駄なく効果的に構成される。
【0008】
請求項2に記載の空気調和システムは、請求項1に記載の空気調和システムであって、m台の室内ユニットは冷房機能を有する。そして、m台の室内ユニットの冷房能力の合計は、空間内の冷房負荷に対して必要とされる必要冷房能力を満たす。なお、冷房能力とは、空間内から単位時間当たりに除去できる熱量であり、室内ユニットの機種選定時に参照されるものである。
【0009】
この空気調和システムでは、m台の室内ユニットの冷房能力の合計は、必要冷房能力を満たす。一般に、冷房と暖房とを行う室内ユニットにおいて、冷房能力を基準にして室内ユニットが選定されると、暖房能力に余剰が生じることが多い。特に、パソコンなどの機器からの発熱が多いオフィスでは、空気調和機への暖房負荷が小さいため、冷房能力と比べて暖房能力に余剰が生じることが多い。そして、この空気調和システムでは、他の室内ユニットが暖房運転を行うと共に、少なくともm−n台の室内ユニットが加湿運転モードにて加湿運転を行うことができる。従って、システムが無駄なく効果的に構成されると共に湿度調整を適切に行うことができる。
【0010】
請求項3に記載の空気調和システムは、請求項2に記載の空気調和システムであって、n台の室内ユニットは、暖房運転と冷房運転とを行う冷暖房ユニットである。また、m−n台の室内ユニットは、冷房運転と加湿運転とを行う冷加湿ユニットである。
この空気調和システムでは、m台の室内ユニットのうち、n台が冷暖房ユニットであり、m−n台が冷加湿ユニットである。このため、冬などの暖房シーズンには、必要暖房能力を満たす冷暖房ユニットによって暖房運転を賄うと共に、冷加湿ユニットによって加湿運転をすることができる。これにより、湿度が低下しやすい暖房シーズンにおいて、空間内を適切な湿度に維持することができる。また、冷房シーズンには、冷暖房ユニットと冷加湿ユニットとの両方で冷房運転を行うことができる。これにより、冷房シーズンにおいて、空間内を適切な温度に維持することができる。
【0011】
請求項4に記載の空気調和システムは、所定の空間内の空気調和を行う空気調和システムであって、冷暖房ユニット群と冷加湿ユニット群とを備える。冷暖房ユニット群は、暖房運転と冷房運転とを行う1又は複数の冷暖房ユニットを含み、第1冷房能力と第1暖房能力とを有する。冷加湿ユニット群は、冷房運転と加湿運転とを行う1又は複数の冷加湿ユニットを含み、第2冷房能力を有する。そして、第1冷房能力と第2冷房能力とを合計した合計冷房能力は、空間内の冷房負荷に対して必要とされる必要暖房能力を満たしている。また、第1暖房能力は、空間内の暖房負荷に対して必要とされる必要暖房能力を満たしている。そして、冷加湿ユニットの加湿運転は、湿度に基づいた制御が行われる加湿運転モードにて行われる。
【0012】
この空気調和システムでは、冷加湿ユニットが、湿度に基づいた制御が行われる加湿運転モードにて加湿運転を行う。このため、冷暖房ユニットがサーモオフ状態となっていても、冷加湿ユニットによって適切に加湿運転を行うことができる。これにより、湿度調整を適切に行うことができる。また、この空気調和システムでは、冷暖房ユニット群の第1冷房能力と冷加湿ユニット群の第2冷房能力とを合計した合計冷房能力は、必要冷房能力を満たす。また、冷暖房ユニット群の第1暖房能力は、必要暖房能力を満たす。従って、必要暖房能力は冷暖房ユニットによって満たされており、暖房能力の観点からは余剰な冷加湿ユニットが加湿運転モードにて加湿運転を行うことができる。このため、冷加湿ユニットが加湿運転モードにて加湿運転を行っても、冷暖房ユニットによって暖房が十分に行われる。このように、この空気調和システムでは、システムが無駄なく効果的に構成される。
【0013】
請求項5に記載の空気調和システムは、請求項3または4に記載の空気調和システムであって、冷暖房ユニットは、空間内の温度に基づいて暖房運転に関する制御を行う。また、冷加湿ユニットは、加湿運転モードにおいては、空間内の湿度に基づいて加湿運転に関する制御を行う。
この空気調和システムでは、冷暖房ユニットは、空間内の温度に基づいて暖房運転に関する制御を行うのに対して、冷加湿ユニットは、加湿運転モードにおいて空間内の湿度に基づいて加湿運転に関する制御を行う。一般に、暖房運転が行われる場合には、室内の湿度が低下し易い。しかし、この空気調和システムでは、冷暖房ユニットによって空間内が適切に暖房され、冷加湿ユニットによって空間内が適切に加湿される。これにより、この空気調和システムでは、暖房時において、温度と湿度とを適切に調整することができる。
【0014】
請求項6に記載の空気調和システムは、請求項3から5のいずれかに記載の空気調和システムであって、冷暖房ユニットは、空間内の温度に基づいて冷房運転に関する制御を行う。また、冷加湿ユニットは、空間内の温度に基づいて冷房運転に関する制御を行う。
この空気調和システムでは、冷暖房ユニットと冷加湿ユニットとは、空間内の温度に基づいて冷房運転に関する制御を行う。従って、加湿の必要性が低い冷房時には、冷暖房ユニットと冷加湿ユニットとの両方で冷房運転を適切に行うことができ、効果的に冷房運転を行うことができる。
【0015】
請求項7に記載の空気調和システムは、請求項3から6のいずれかに記載の空気調和システムであって、冷暖房ユニットは、第1室内ファンと第1制御部とを有する。第1室内ファンは、空気を空間内へと送る。第1制御部は、暖房運転においては、空間内の温度に基づいて第1室内ファンを制御する。また、冷加湿ユニットは、第2室内ファンと第2制御部とを有する。第2室内ファンは、空気を空間内へと送る。第2制御部は、加湿運転モードにおいては、空間内の湿度に基づいて第2室内ファンを制御する。
【0016】
この空気調和システムでは、冷暖房ユニットの第1制御部は、暖房運転においては、空間内の温度に基づいて第1室内ファンを制御する。また、冷加湿ユニットの第2制御部は、加湿運転モードにおいては、空間内の湿度に基づいて第2室内ファンを制御する。このため、冷暖房ユニットによって室内を適切に暖房することができ、且つ、冷加湿ユニットによって室内を適切に加湿することができる。
【0017】
請求項8に記載の空気調和システムは、請求項7に記載の空気調和システムであって、第1制御部は、冷房運転においては、空間内の温度に基づいて第1室内ファンを制御する。また、第2制御部は、冷房運転においては、空間内の温度に基づいて第2室内ファンを制御する。
この空気調和システムでは、冷暖房ユニットの第1制御部と、冷加湿ユニットの第2制御部とは、冷房運転においては、空間内の温度に基づいて第1室内ファンおよび第2室内ファンを制御する。従って、加湿の必要性が低い冷房時には、冷暖房ユニットと冷加湿ユニットとの両方で冷房運転を適切に行うことができ、効果的に冷房運転を行うことができる。
【0018】
請求項9に記載の空気調和システムは、請求項1から3のいずれかに記載の空気調和システムであって、少なくとも1台の室内ユニットが暖房運転を行っている場合に、m−n台の室内ユニットは、加湿運転モードにて加湿運転を行う。
この空気調和システムでは、少なくとも1台の室内ユニットが暖房運転を行っている場合に、m−n台の室内ユニットが、自動的に加湿運転モードにて加湿運転を行う。このため、この空気調和システムでは、湿度が低下しがちな暖房運転時において空間内の湿度を適切に調整することができる。
【0019】
請求項10に記載の空気調和システムは、請求項3から8のいずれかに記載の空気調和システムであって、検知手段をさらに備える。検知手段は、冷暖房ユニットが暖房運転を行っているか又は冷房運転を行っているかを検知する。そして、冷加湿ユニットは、冷暖房ユニットが暖房運転を行っていると検知された場合には、加湿運転モードにて加湿運転を行い、冷暖房ユニットが冷房運転を行っていると検知された場合には、冷房運転を行う。
【0020】
この空気調和システムでは、冷暖房ユニットが暖房運転を行っているか又は冷房運転を行っているかが検知手段によって検知される。そして、冷加湿ユニットは、冷暖房ユニットが暖房運転を行っている場合には、加湿運転モードにて加湿運転を行う。これにより、湿度が低下しがちな暖房運転時において空間内の湿度を適切に調整することができる。また。冷加湿ユニットは、冷暖房ユニットが冷房運転を行っている場合には、冷房運転を行う。これにより、加湿の必要性が低い冷房運転においては、冷加湿ユニットは冷暖房ユニットと共に冷房運転を行う。以上のように、この空気調和システムでは、冷暖房ユニットが暖房運転を行っている場合と冷房運転を行っている場合との両方の場合において、冷加湿ユニットを効率よく機能させることができる。
【0021】
請求項11に記載の空気調和システムは、請求項3から8のいずれかに記載の空気調和システムであって、冷暖房ユニットと冷加湿ユニットとは、熱交換器をそれぞれ有する。熱交換器は、冷媒が循環する冷凍サイクルの一部を構成し、冷媒の循環の方向が変わることにより蒸発器としての役割と凝縮器としての役割とが切り換わる。
【0022】
この空気調和システムでは、冷暖房ユニットの熱交換器と冷加湿ユニットの熱交換器とを含む冷凍サイクルを流れる冷媒の循環の方向が変わることにより、冷房と暖房とが切り替わる。そして、このような冷媒の切り替わりがある冷凍サイクルでは、冷房能力と暖房能力との間に差が生じやすい。従って、冷房能力を基準に冷暖房ユニットが選定されると、暖房能力に余剰が生じることが多い。このため、冷加湿ユニットが加湿運転モードにて加湿運転を行う本発明がより効果的である。
【0023】
請求項12に記載の空気調和システムは、請求項11に記載の空気調和システムであって、冷加湿ユニットは、加湿部をさらに有する。加湿部は、通過する空気に水分を放出して空気を加湿する。そして、冷加湿ユニットは、熱交換器によって加熱された空気を加湿部に通すことによって加湿運転を行う。
この空気調和システムでは、冷加湿ユニットは、熱交換器によって加熱された空気を加湿部に通すことによって加湿運転を行う。暖房運転が行われている場合には、冷加湿ユニットの熱交換器を通る空気は加熱される。そして、加熱された暖かい空気が加湿部を通ることによって、加湿部の水分が空気中に放出されて加湿される。また、この空気調和システムでは、冷暖房ユニットによって暖房能力が満たされている。このため、冷加湿ユニットの熱交換器を通る空気を加湿用に用いても、暖房能力が不足する恐れが少ない。このように、この空気調和システムでは、システムが無駄なく効果的に構成されている。
【0024】
請求項13に記載の空気調和システムは、請求項1から3のいずれかに記載の空気調和システムであって、m−n台の室内ユニットの加湿能力の合計は、空間内の加湿に求められる所定の必要加湿能力を満たしている。また、n台の室内ユニットは加湿機能を有さない。
この空気調和システムでは、m−n台の室内ユニットの加湿能力の合計は必要加湿能力を満たしており、また、n台の室内ユニットは加湿機能を有さない。すなわち、加湿機能が、m−n台の室内ユニットに集約されている。そして、加湿機能が集約されたm−n台の室内ユニットが加湿運転モードにおいて加湿運転を行う。このため、他の室内ユニットに加湿機能を付加するための加湿ユニットなどを備えさせる必要が無い。従って、この空気調和システムでは、コスト安くシステムを構成することができる。
【0025】
請求項14に記載の空気調和システムは、請求項4から12のいずれかに記載の空気調和システムであって、冷加湿ユニットの加湿能力の合計は、空間内の加湿に求められる所定の必要加湿能力を満たしている。また、冷暖房ユニットは、加湿機能を有さない。
この空気調和システムでは、冷加湿ユニットの加湿能力の合計は必要加湿能力を満たしており、また、冷暖房ユニットは加湿機能を有さない。すなわち、加湿機能が、冷加湿ユニットの室内ユニットに集約されている。そして、加湿機能が集約された冷加湿ユニットが、加湿運転モードにおいて加湿運転を行う。このため、冷暖房ユニットに加湿機能を持たすための加湿ユニットなどを備えさせる必要が無い。従って、コスト安くシステムを構成することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
[空気調和システムの全体構成]
本発明の一実施形態が採用された空気調和システム100を図1に示す。
この空気調和システム100は、室外ユニット5に対して複数の室内ユニット1−4が接続されており、同一室内Rの空気調和を複数の室内ユニット1−4によって行う。以下、例として室外ユニット5に対して4台の室内ユニット1−4が接続される空気調和システム100を示すが、室外ユニット5および室内ユニットの数はこれに限られるものではない。
【0027】
この空気調和システム100は、室外ユニット5と4台の室内ユニット1−4と水配管6とコントローラ8などを備える。室外ユニット5は、空気調和システム100が配置された建物の屋上等の外部に配置される。4台の室内ユニット1−4は、同一の室内Rの天井近傍に配置されており、室内Rの空気調和を共同で行う。各室内ユニット1−4は冷媒配管7及び室外機通信線により、室外ユニット5と接続されている。また、室内ユニット1−4には、冷房と暖房とを主として行う第1室内ユニット1、第3室内ユニット3および第4室内ユニット4と、室内Rの冷房と加湿とを主として行う第2室内ユニット2とがある。コントローラ8は、室内Rの側壁などに配置され、冷房運転または暖房運転の別や温度、湿度、風量などの室内の空調運転の設定を行う。
【0028】
本空気調和システム100の冷媒回路および構成の概略を図2に示す。冷媒回路は、1台の室外ユニット5と、室外ユニット5に並列に接続された第1室内ユニット1、第2室内ユニット2、第3室内ユニット3および第4室内ユニット4により構成されている。
[室外ユニットの構成]
室外ユニット5は、室外熱交換器51、圧縮機52、四路切換弁53、アキュムレータ54、吐出管サーミスタ56、室外制御部57(図3参照)などを備えている。
【0029】
室外熱交換器51、圧縮機52、四路切換弁53およびアキュムレータ54は、室内ユニット1−4との間で冷媒回路を構成しており、四路切換弁53は、冷房時と暖房時とで冷媒の流れを切換える。
吐出管サーミスタ56は、圧縮機52の吐出側に取り付けられており、圧縮機52の吐出側の吐出管温度を検知する。
【0030】
室外制御部57は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、各種インターフェイスなどにより構成されている。室外制御部57は、図3に示すように、吐出管サーミスタ56が接続されており、吐出管サーミスタ56の検知信号が入力される。また、室外制御部57には、圧縮機52、四路切換弁53なども接続されており、運転中の各種条件に応じて圧縮機52の運転周波数を制御することによって、空調運転の制御を行う。
【0031】
[室内ユニットの構成]
室内ユニット1,3,4は、それぞれ冷房機能および暖房機能を有する冷暖房ユニットであり、冷暖房ユニット群G1を構成している。冷暖房ユニットは、冷房および暖房を行うユニットである。室内Rには、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3および第4室内ユニット4の3台が備えられている。また、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3および第4室内ユニット4はそれぞれ所定の暖房能力および冷房能力を有している。
【0032】
第2室内ユニット2は、室内Rの冷房と加湿とを行う冷加湿ユニットであり、冷加湿ユニット群G2を構成している。また、第2室内ユニット2は、所定の冷房能力と加湿能力とを有している。
ここで、冷暖房ユニット群G1を構成する室内ユニット1,3,4の暖房能力の合計および冷房能力の合計を第1暖房能力および第1冷房能力とそれぞれ定義する。また、冷加湿ユニット群G2を構成する室内ユニット2の冷房能力の合計および加湿能力の合計を第2冷房能力および合計加湿能力とそれぞれ定義する。すなわち、本実施形態では、第1暖房能力および第1冷房能力は、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3および第4室内ユニット4の各暖房能力の合計および各冷房能力の合計である。また、第2冷房能力および合計加湿能力は、第2室内ユニット2の冷房能力および加湿能力である。そして、第1暖房能力は、室内Rの暖房負荷に対して必要な必要暖房能力を満たしている。また、第1冷房能力と第2冷房能力とを合計した合計冷房能力は、室内Rの冷房負荷に対して必要な必要冷房能力を満たしている。さらに、合計加湿能力は、室内Rに対して必要な必要加湿能力を満たしている。
【0033】
なお、暖房能力とは、室内Rに単位時間当たりに加えることができる熱量であり、室内ユニットの機種選定時に参照されるものである。冷房能力とは、冷房能力とは、室内Rから単位時間当たりに除去できる熱量であり、室内ユニットの機種選定時に参照されるものである。暖房能力および冷房能力は、例えば、JISB8616に示される条件で測定され、通常、kWで示される。また、冷房負荷は、室内などの冷房を行う場合に室内ユニットが除去しなければならない熱量であり、暖房負荷は、室内などの暖房を行う場合に室内ユニットが供給しなければならない熱量である。これらは、室内ユニットの設置環境によって定まる負荷である。冷房負荷と暖房負荷とは、室内ユニットが配置される建物の構造による熱の出入りや、在室者の人数や照明などによる室内で発生する熱などを考慮して算出される。加湿能力とは、単位時間当たりに加湿できる水分の量であり、通常、kg/hで示される。必要加湿能力は、室内Rの換気量、室内Rの目標絶対湿度、室外の絶対湿度などから算出される。
【0034】
〈第1室内ユニット、第3室内ユニットおよび第4室内ユニットの構成〉
第1室内ユニット、第3室内ユニットおよび第4室内ユニットは、上述したように、冷房と暖房とを行うユニットであり、室内Rの温度に基づいて暖房運転や冷房運転に関する制御を行う。
第1室内ユニット1は、第1室内熱交換器11、第1電動弁12、第1室内ファン13、第1室内ファンモータ14、第1室温サーミスタ15、第1通信線81(図3参照)、第1室内制御部16(図3参照)等を有している。
【0035】
第1室内熱交換器11と第1電動弁12とは、直列に接続されており、室外ユニット5との間で冷媒回路を構成している。第1室内熱交換器11は通過する空気と間で熱交換を行い、室内Rへ送られる空気の温度調整を行う。第1室内熱交換器11は、冷凍サイクルを循環する冷媒の循環の方向が変わることにより、蒸発器としての役割と凝縮器としての役割とが切り替わる。これにより、冷暖房の切り替えが行われる。第1電動弁12は、第1室内熱交換器11に流れる冷媒量を調整する。
【0036】
第1室内ファン13は、第1室内ファンモータ14によって駆動される。第1室内ファン13は、第1室内ユニット1が配置されている室内Rの空気を第1室内ユニット1の内部に取り込み、第1室内熱交換器11により熱交換が行われた空気を室内Rへと送る。従って、第1室内ファン13は、暖房時には第1室内熱交換器11によって暖められた空気を室内Rへと送り、冷房時には第1室内熱交換器11によって冷やされた空気を室内Rへと送る。
【0037】
第1室温サーミスタ15は、第1室内ユニット1の内部に取り込まれる空気が通る吸込み口近傍に設けられており、室内Rの温度を検知して第1室内制御部16へと検知信号を送信する。
第1通信線81は、図3に示すように、コントローラ8と第1室内制御部16とを接続しており、コントローラ8に入力された空調運転の設定に関する信号を第1室内制御部16へと伝送する。この空調運転の設定は、例えば、冷房運転を行う指令、暖房運転を行う指令、設定温度、風量、風向などである。
【0038】
第1室内制御部16は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、各種インターフェイスなどにより構成されている。第1室内制御部16は、第1通信線81によってコントローラ8と接続されており、コントローラ8から空調運転の設定に関する信号を受ける。また、第1室内制御部16は、第1電動弁12、第1室内ファンモータ14、第1室温サーミスタ15と接続されており、第1室温サーミスタ15の検知信号が入力される。また、第1室内制御部16は、第1電動弁12や第1室内ファンモータ14に制御信号を送信して室内Rの温度調整を行う。
【0039】
室外制御部57と第1室内制御部16との間には、室外機通信線85が設けられており、この室外機通信線85を介して第1室内ファンモータ14等への制御信号などの各種信号の送受信が可能となっている。
また、室外制御部57と第1室内制御部16とは、室内Rの温度調整のために、室内Rの温度に基づいて、サーモオフ動作やサーモオン動作を行わせる。サーモオフ動作では、室外制御部57は、圧縮機52の運転を停止させる。また、第1室内制御部16は、第1室内ファンモータ14の出力を最低レベルに落として、第1室内ファン13の運転を必要最小限とする。サーモオン動作にでは、室外制御部57は、圧縮機52を再起動させる。第1室内制御部16は、第1室内ファンモータ14の出力制御を通常の制御に戻す。
【0040】
第3室内ユニット3は、第3室内熱交換器31、第3電動弁32、第3室内ファン33、第3室内ファンモータ34、第3室温サーミスタ35、第3通信線83(図3参照)、第3室内制御部36(図3参照)等を有している。また、第4室内ユニット4は、第4室内熱交換器41、第4電動弁42、第4室内ファン43、第4室内ファンモータ44、第4室温サーミスタ45、第4通信線84(図3参照)、第4室内制御部46(図3参照)等を有している。第3室内ユニット3および第4室内ユニット4の各構成部品は、第1室内ユニット1が有する構成部品と同様である。また、第3室内ユニット3および第4室内ユニット4も第1室内ユニット1と同様に、室外ユニット5と接続されており、第1室内ユニット1と同様に、サーモオン動作やサーモオフ動作を行う。
【0041】
〈第2室内ユニットの構成〉
図4(a)に第2室内ユニット2の斜視図を示す。第2室内ユニット2は、加湿に特化したユニットであり、室内Rの湿度調整を一台で行うことができる加湿性能を有する。第2室内ユニット2は、暖房シーズンには加湿運転を行い、冷房シーズンには冷房運転を行う。第2室内ユニット2では、他の室内ユニット1,3,4の運転状態に応じて運転モードが切り替わる。他の室内ユニット1,3,4の運転状態とは暖房運転または冷房運転であり、第2室内ユニット2は、他の室内ユニット1,3,4が暖房運転を行っている時には湿度調整モード(加湿運転モード)となり、加湿運転を行う。また、第2室内ユニット2は、他の室内ユニット1,3,4が冷房運転を行っている時には温度調整モードとなり、冷房運転を行う。なお、湿度調整モードとは、室内Rの湿度に基づいて第2室内ユニットが制御される運転モードであり、室内Rの温度調整よりも湿度調整が優先して行われる。温度調整モードとは室内Rの温度に基づいて第2室内ユニットが制御される運転モードである。
【0042】
第2室内ユニット2は、第2室内熱交換器21、第2電動弁22、第2室内ファン23、第2室内ファンモータ24、第2室温サーミスタ25、湿度センサ26、加湿エレメント27、給排水弁28、第2通信線82(図3参照)、第2室内制御部29(図3参照)等を有している。
第2室内熱交換器21と第2電動弁22とは、直列に接続されており、室外ユニット5との間で冷媒回路を構成している。第2室内熱交換器21は、通過する空気との間で熱交換を行い、空気の温度調整を行う。第2室内熱交換器21は、冷凍サイクルを循環する冷媒の循環の方向が変わることにより、蒸発器としての役割と凝縮器としての役割とが切り替わる。冷房運転時には、第2室内熱交換器21が蒸発器として機能する。また、加湿運転時には、第2室内熱交換器21が凝縮器として機能する。加湿運転時には、第2室内熱交換器21によって暖められた空気が加湿エレメント27を通ることによって加湿される。第2電動弁22は、第2室内熱交換器21に流れる冷媒量を調整する。
【0043】
第2室内ファン23は、第2室内ファンモータ24によって駆動される。図4(b)に第2室内ユニット2の側面図を示す。第2室内ファン23は、第2室内ユニット2が配置されている室内Rの空気を吸込み口20aから第2室内ユニット2の内部に取り込み、第2室内熱交換器21により熱交換が行われた空気や加湿エレメント27によって加湿された空気を吹出し口20bから吹き出す。吹出し口20bから吹き出された空気は、ダクトDを通って室内Rへと送られる。第2室内ファン23は、加湿時には、第2室内熱交換器21により暖められ加湿エレメント27によって加湿された空気を室内Rへと送る。また、第2室内ファン23は、加湿時ではなくかつ冷房時には、第2室内熱交換器21により冷やされ加湿されない空気を室内Rへと送る。
【0044】
第2室温サーミスタ25は、第2室内ユニット2の内部に取り込まれる空気が通る吸込み口近傍に設けられており、室内Rの温度を検知して第2室内制御部29へと検知信号を送信する(図2および図3参照)。
湿度センサ26は、第2室内ユニット2の内部に取り込まれる空気が通る吸込み口近傍に設けられており、室内Rの湿度を検知して第2室内制御部29へと検知信号を送信する。
【0045】
加湿エレメント27は、室内Rの湿度調整を行う。加湿エレメント27は、水配管6から水を受け取り、通過する空気に水分を放出する。水配管6は、水源である水道等に接続されており、水源から加湿エレメント27へと水を搬送する。この加湿エレメント27は、第2室内ユニット2にのみ備えられており、他の第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4には配置されていない。また、水配管6も第2室内ユニット2にのみ接続されており、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4には接続されていない。
【0046】
給排水弁28は、水配管6と加湿エレメント27との間に設けられ、加湿エレメント27へと供給される水や加湿エレメント27から排水される水の量を調整する。給排水弁28は、第2室内制御部29と接続されており、第2室内制御部29によって制御される。
第2通信線82は、図3に示すように、コントローラ8と第2室内制御部29とを接続しており、コントローラ8に入力された空調運転の設定に関する信号を第2室内制御部29へと伝送する。この空調運転の設定は、例えば、冷房運転を行う指令、暖房運転を行う指令、設定湿度などである。
【0047】
第2室内制御部29は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、各種インターフェイスなどにより構成されている。第2室内制御部29は、第2通信線82によってコントローラ8と接続されており、コントローラ8から空調運転の設定に関する信号を受ける。第2室内制御部29は、第2通信線82によって伝送される信号によって、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4が暖房運転を行っているのか冷房運転を行っているのかを検知することができる。また、第2室内制御部29は、第2電動弁22、第2室内ファン23、第2室温サーミスタ25、湿度センサ26、給排水弁28等と接続されており、第2室温サーミスタ25や湿度センサ26の検知信号が入力される。また、室外制御部57と第2室内制御部29との間には、室外機通信線85が設けられており、この室外機通信線85を介して第2電動弁22の制御信号などの各種信号の送受信が可能となっている。第2室内制御部29は、第2通信線82を介してコントローラ8から暖房運転の指令信号を受けると、湿度調整モードとなり加湿運転を行う。すなわち、第2室内制御部29は、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3および第4室内ユニット4が暖房運転を行う場合に、加湿運転を行う。第2室内制御部29は、加湿運転時には、室内Rの温度調整を目的とせず室内Rの湿度調整を最優先にして各構成部品の制御を行う。具体的には、第2室内制御部29は、湿度調整モードにおいては、第1室内ユニット1等のように室内Rの温度に基づくサーモオン動作やサーモオフ動作を行わず、湿度センサ26が検知した室内Rの湿度に基づいて第1室内ファンモータ14と給排水弁28とを制御する。また、第2室内制御部29は、第2通信線82を介してコントローラ8から冷房運転の指令信号を受けると、温度調整モードとなり冷房運転を行う。すなわち、第2室内制御部29は、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3および第4室内ユニット4が冷房運転を行う場合に、これらと共に冷房運転を行う。第2室内ユニット2は、温度調整モードにおいては、第1室内ユニット1等と同様に、室内Rの温度に基づくサーモオン動作やサーモオフ動作を行い室内の冷房を行う。
【0048】
[室内ユニットの動作]
次に、この空気調和機システム100における室内ユニット1−4の冷暖房時の動作を説明する。
〈暖房運転時の動作〉
この空気調和システム100では、暖房運転時には第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4は室内Rの温度調整を行い、第2室内ユニット2は室内Rの湿度調整を行う。
【0049】
第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4は、コントローラ8から暖房運転の指令信号を受けると、暖房運転を行う。第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4は、暖房運転中、サーモオン動作およびサーモオフ動作を繰り返して室内Rの温度を設定温度に近づける制御を行う。この制御では、第1室内ユニット1は、第1室温サーミスタ15によって室内Rの室温を検知する。第1室内ユニット1の第1室内制御部16は、検知された室内Rの温度が一定値まで上昇したと判断すると、サーモオフとするように制御を行う。サーモオフ状態になると、圧縮機52の運転が停止され且つ第1室内ファンモータ14の出力が最低レベルに落とされて第1室内ファン13の運転が必要最小限とされる。サーモオフ後に室内Rの温度が低下すると、第1室内制御部16は、サーモオンとする。サーモオン状態になると、圧縮機52が再起動され第1室内ファンモータ14の出力制御も通常の制御に戻されて、暖房運転が復帰する。
【0050】
このように第1室内ユニット1が室内Rの温度に基づいてサーモオンおよびサーモオフを繰り返して暖房運転を行うことによって、室内Rの温度調整が行われる。第3室内ユニット3、第4室内ユニット4についても同様である。
第2室内ユニット2は、コントローラ8から第2通信線82を介して暖房運転の指令信号を受けると、湿度調整モードとなり加湿運転を行う。この場合、第1室内ユニット1等が室内Rの温度調整を行っている間、第2室内ユニット2は、第1室内ユニット1等のサーモオン・サーモオフから独立して加湿運転を行う。加湿運転時には、第2室内ユニット2は、湿度センサ26が検知した室内Rの湿度に基づいて、室内Rの加湿を行う。第2室内ユニット2の第2室内制御部29は、室内Rの湿度に基づいて、第2室内ファンモータ24の出力や給排水弁28を制御して室内Rの湿度を設定湿度へと近づける。加湿運転時には、給排水弁28により加湿エレメント27への給水が行われ、第2室内ファンモータ24によって駆動された第2室内ファン23により、加湿空気が生成される。この加湿空気は、室内Rから第2室内ユニット2内に吸い込まれ、第2室内熱交換器21および加湿エレメント27を通ることによって加湿され、室内Rへと吹き出される空気である。なお、この加湿運転時においても第2室内熱交換器21と空気との間で熱交換が行われ空気が暖められるが、これは暖房を目的とするものではなく加湿を目的とするものである。
【0051】
以上のように、この空気調和システム100では、暖房時には、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4が暖房を行い、第2室内ユニット2が加湿を行う。このため、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4には、第2室内ユニット2が備えるような加湿エレメント27は備えられていない。また、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4には、第2室内ユニット2に接続されているような水配管6は接続されていない。
【0052】
〈冷房運転〉
冷房運転時には、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4および第2室内ユニット2が室内の冷房を行う。
第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4は、コントローラ8から冷房運転の指令信号を受けると、冷房運転を行う。第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4は、冷房運転中、上記の暖房運転中と同様に、サーモオンおよびサーモオフを切り換えて室内Rの温度を設定温度に近づける制御を行う。
【0053】
また、第2室内ユニット2も、コントローラ8から冷房運転の指令信号を受けると、温度調整モードとなり第1室内ユニット1等と同様に冷房運転を行う。この場合、第2室内制御部29は、給排水弁28を閉め、第1室内ユニット1等と同様に、室内温度に基づいてサーモオンおよびサーモオフを切り換えて室内Rの温度を設定温度に近づける制御を行う。
【0054】
以上のように、この空気調和システム100では、冷房時には、第1室内ユニット1、第2室内ユニット2、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4が共同で室内Rの冷房を行う。
[特徴]
(1)
同一の室内Rに複数の室内ユニットを分散して設置する空気調和システムにおいては、従来、各室内ユニットに加湿モジュールを組み合わせて暖房負荷処理と加湿とを同時に行うことが一般的である。しかし、室内Rに配置されるパソコン等の機器からの発熱量が多いオフィスなどでは、暖房負荷が少ないことが多い。従って、室内ユニットにおいてサーモオフ状態が持続することがある。この場合、各室内ユニットで室内ファンの駆動が低く抑えられるため、加湿された空気の吹出しも抑えられる。これにより、加湿量が不足する恐れがある。
【0055】
しかし、この空気調和システム100では、第2室内ユニット2が第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4から独立して室内Rの加湿を行う。すなわち、室内Rの温度に基づいてサーモオフおよびサーモオンを繰り返す第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4の制御とは別に、第2室内ユニット2が室内Rの湿度に基づいて第2室内ファン23を駆動して室内Rの加湿を行う。このため、この空気調和システム100では、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4が暖房運転を行っている場合においても、第2室内ユニット2によって必要な加湿量が確保される。これにより、暖房負荷に関わらず、所定の加湿性能が発揮される。
【0056】
(2)
同一の室内Rに複数の室内ユニットを分散して設置する空気調和システムにおいては、分散させた各室内ユニットに、それぞれ加湿のための水を供給する水配管6が必要となる。しかし、複数の室内ユニットが設けられていれるため、従来の空気調和システムでは、各室内ユニットのそれぞれに水配管が必要となり、水配管の施工コストが増大する恐れがある。
【0057】
しかし、この空気調和システム100では、第1室内ユニット1、第2室内ユニット2、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4のすべてが加湿機能を有するのではなく、第2室内ユニット2のみが加湿機能を有しており、水配管6は第2室内ユニット2のみに接続される。このため、すべての室内ユニット1−4に水配管6を接続する場合と比べて、水配管6の施工が簡略化される。これにより、水配管6の施工コストの増大が抑えられる。
【0058】
また、加湿エレメント27が第2室内ユニット2に集約されているため、複数の室内ユニット1−4に加湿モジュールを付する場合よりも、機器のコストや工事費用が低減する。
(3)
この空気調和システム100では、第2室内ユニット2は、加湿だけではなく冷房も行うことができる。このため、第2室内ユニット2は、暖房シーズンには加湿を行い、冷房シーズンには冷房を行うことができる。
【0059】
また、必要暖房能力は、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3および第4室内ユニット4の暖房能力によって満たされており、第2室内ユニット2が暖房運転を行わなくても室内Rの温度を適切に維持することができる。また、必要冷房負荷は、第1室内ユニット1、第2室内ユニット、第3室内ユニット3および第4室内ユニット4によって満たされており、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3および第4室内ユニット4だけではなく第2室内ユニット2も冷房運転を行うことにより、室内Rの温度を適切に維持することができる。
【0060】
上述したように、パソコン等の機器からの発熱量が多いオフィスなどでは、暖房負荷が少ないことが多い。従って、冷房能力を基準に室内ユニット1,2,3,4が選定されても、第2室内ユニット2を除く室内ユニット1,3,4によっても十分に必要暖房能力が満たされる。このため、暖房運転時において、第2室内ユニット2が湿度調整モード(加湿運転モード)にて加湿運転を行っても、暖房能力が不足することがほとんど無い。このように、この空気調和システム100では、システムの構成に無駄がなく、安価にシステムが構成される。
【0061】
(4)
同一の室内Rに複数の室内ユニットを分散して設置する空気調和システムにおいては、従来、各室内ユニットに加湿モジュールを組み合わせて暖房と加湿とを同時に行うことが一般的である。しかし、室内Rに配置されるパソコン等の機器からの発熱量が多いオフィスなどでは、暖房負荷が少ないことが多い。従って、室内ユニットにおいてサーモオフ状態が持続することがある。特に、複数の室内ユニットが同じように暖房と加湿とを同時に行うと、全ての室内ユニットにおいてサーモオフ状態が持続してしまう。この場合、すべての室内ユニットにおいて室内ファンの駆動が低く抑えられるため、加湿された空気の吹出しも抑えられる。これにより、加湿量が不足する恐れがある。
【0062】
しかし、この空気調和システム100では、第2室内ユニット2は他の室内ユニット1,3,4の運転状態に応じて、加湿運転を冷房運転とを切り換える。従って、他の室内ユニット1,3,4が暖房を行っている場合において空気調和システム100の加湿能力を第2室内ユニット2によって確保することができる。これにより、この空気調和システム100では、必要な加湿性能を発揮することができる。
【0063】
[他の実施形態]
(1)
上記の実施形態では、第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4は加湿機能を有していないが、加湿機能を有してもよい。この場合においても、水配管6の施工コスト削減の効果を除く他の効果については上記と同様に奏することができる。
【0064】
(2)
上記の実施形態では、加湿運転時において、第2室内ユニット2は、暖房を行わずに加湿のみを行っているが、必要に応じて加湿と暖房とを併せて行ってもよく、暖房のみを行ってもよい。この場合、第2室内ファン23は、加湿時ではなくかつ暖房時には、第2室内熱交換器21により暖められ加湿されない空気を室内Rへと送る。
【0065】
(3)
上記の実施形態では、第2室内ユニット2は冷房と加湿とを行うことができるが、暖房と除湿とを行うものであってもよい。この場合、冷房時の第1室内ユニット1、第3室内ユニット3、第4室内ユニット4のサーモオン、サーモオフの影響を受けずに除湿が行われる。
【0066】
(4)
上記の実施形態では、複数の室内ユニット1,2,3,4の全てが同一空間の空気調和を共同で行っているが、空気調和システム1を構成する全ての室内ユニット1,2,3,4が同一空間の空気調和を行うことに限られるものではない。複数の室内ユニット1,2,3,4の一部が異なる空間の空気調和を行ってもよい。例えば、第1室内ユニット1、第2室内ユニット2、第3室内ユニット3が同一の室内Rの空気調和を行い、第4室内ユニット4が別室の空気調和を行ってもよい。
(5)
上記の実施形態では、第2通信線82が信号を伝送することによって、第1室内ユニット1等が暖房運転を行っているのか冷房運転を行っているのかが検知されているが、第2通信線82のような有線ではなく、無線によって信号が送信されてもよい。
【0067】
また、上記の実施形態では、第2通信線82はコントローラ8と第2室内ユニット2の第2室内制御部29とを接続しており、第2通信線82を介してコントローラ8から第2室内制御部29へと信号が伝送されている。しかし、第1室内ユニット1の第1室内制御部16と第2室内ユニット2の第2室内制御部29とを直接接続する通信線によって、第2室内制御部29へと信号が伝送されてもよい。これによっても、第1室内ユニット1等が暖房運転を行っているのか冷房運転を行っているのかが検知されることが可能である。
【0068】
さらに、第1室内ユニット1等が暖房運転を行っているのか冷房運転を行っているのかを検知する手段は、第2通信線82や無線などによって伝送される信号に限られるものではない。例えば、第2室温サーミスタ25によって検知される室内温度などによって、第1室内ユニット1等が暖房運転を行っているのか冷房運転を行っているのかが検知されてもよい。
【0069】
(6)
上記の実施形態では、第2室内ユニット2の第2室内制御部29は加湿運転において室内Rの湿度に基づいて第1室内ファンモータ14と給排水弁28とを制御しているが、室内Rの湿度に基づいて制御されるものはこれらに限られない。例えば、第2電動弁22やフラップ(図示せず)などが室内Rの湿度に基づいて制御されてもよい。
【0070】
(7)
上記の実施形態では、第2室内ユニット2の第2室内制御部29が運転モードの選択を行っているが、コントローラ8が第2室内ユニット2の運転モードを選択してもよい。この場合、コントローラ8は選択した運転モードや具体的な設定などを示す制御信号を第2通信線82を介して第2室内制御部29へと送る。
【0071】
(8)
上記の実施形態では、第2室内ユニット2は、第1室内ユニット1等の運転状態に応じて自動的に湿度調整モードと温度調整モードとの切り替えが行われているが、手動で切り替えが行われてもよい。例えば、コントローラ8から手動で第2室内ユニット2の運転モードが切り換えられてもよい。
【0072】
また、運転モードの切り換えは、他の全ての室内ユニッ1,3,4が運転している場合に限らず、その一部の室内ユニットの運転状態に応じて運転モードが切り替わってもよい。例えば、第1室内ユニット1と第3室内ユニット3とが暖房運転をしており、第4室内ユニット4が運転を休止している場合には、第1室内ユニット1と第3室内ユニット3との運転状態に応じて、加湿運転や冷房運転が行われてもよい。
【0073】
(9)
上記の実施形態では、冷暖房ユニット群G1は3台の室内ユニット1,3,4によって構成されているが、冷暖房ユニット群G1を構成する室内ユニットの台数はこれに限られるものではない。また、上記の実施形態では、冷加湿ユニット群G2は、1台の室内ユニット2によって構成されているが、冷加湿ユニット群G2を構成する室内ユニットの台数はこれに限られるものではない。
【0074】
【発明の効果】
請求項1に記載の空気調和システムでは、少なくともm−n台の室内ユニットが、湿度に基づいた制御が行われる加湿運転モードにて加湿運転を行う。このため、例えば、他の室内ユニットがサーモオフ状態となっていても、少なくともm−n台の室内ユニットによって適切に加湿運転を行うことができる。これにより、湿度調整を適切に行うことができる。また、この空気調和システムでは、必要暖房能力を満たすn台を超えるm台の室内ユニットが備えられており、暖房能力の観点からは余剰なm−n台の室内ユニットが、加湿運転モードにて加湿運転を行うことができる。従って、m−n台の室内ユニットが加湿運転モードにて加湿運転を行っても、n台の室内ユニットによって暖房が十分に行われる。このため、システムが無駄なく効果的に構成される。
【0075】
請求項2に記載の空気調和システムでは、m台の室内ユニットの冷房能力の合計は、必要冷房能力を満たす。一般に、冷房と暖房とを行う室内ユニットにおいて、冷房能力を基準にして室内ユニットが選定されると、暖房能力に余剰が生じることが多い。特に、パソコンなどの機器からの発熱が多いオフィスでは、空気調和機への暖房負荷が小さいため、冷房能力と比べて暖房能力に余剰が生じることが多い。そして、この空気調和システムでは、他の室内ユニットが暖房運転を行うと共に、少なくともm−n台の室内ユニットが加湿運転モードにて加湿運転を行うことができる。従って、システムが無駄なく効果的に構成されると共に湿度調整を適切に行うことができる。
【0076】
請求項3に記載の空気調和システムでは、m台の室内ユニットのうち、n台が冷暖房ユニットであり、m−n台が冷加湿ユニットである。このため、冬などの暖房シーズンには、必要暖房能力を満たす冷暖房ユニットによって暖房運転を賄うと共に、冷加湿ユニットによって加湿運転をすることができる。これにより、湿度が低下しやすい暖房シーズンにおいて、空間内を適切な湿度に維持することができる。また、冷房シーズンには、冷暖房ユニットと冷加湿ユニットとの両方で冷房運転を行うことができる。これにより、冷房シーズンにおいて、空間内を適切な温度に維持することができる。
【0077】
請求項4に記載の空気調和システムでは、冷加湿ユニットが、湿度に基づいた制御が行われる加湿運転モードにて加湿運転を行う。このため、冷暖房ユニットがサーモオフ状態となっていても、冷加湿ユニットによって適切に加湿運転を行うことができる。これにより、湿度調整を適切に行うことができる。また、この空気調和システムでは、冷暖房ユニット群の第1冷房能力と冷加湿ユニット群の第2冷房能力とを合計した合計冷房能力は、必要冷房能力を満たす。また、冷暖房ユニット群の第1暖房能力は、必要暖房能力を満たす。従って、必要暖房能力は冷暖房ユニットによって満たされており、暖房能力の観点からは余剰な冷加湿ユニットが加湿運転モードにて加湿運転を行うことができる。このため、冷加湿ユニットが加湿運転モードにて加湿運転を行っても、冷暖房ユニットによって暖房が十分に行われる。このように、この空気調和システムでは、システムが無駄なく効果的に構成される。
【0078】
請求項5に記載の空気調和システムでは、冷暖房ユニットは、空間内の温度に基づいて暖房運転に関する制御を行うのに対して、冷加湿ユニットは、加湿運転モードにおいて空間内の湿度に基づいて加湿運転に関する制御を行う。一般に、暖房運転が行われる場合には、室内の湿度が低下し易い。しかし、この空気調和システムでは、冷暖房ユニットによって空間内が適切に暖房され、冷加湿ユニットによって空間内が適切に加湿される。これにより、この空気調和システムでは、暖房時において、温度と湿度とを適切に調整することができる。
【0079】
請求項6に記載の空気調和システムでは、冷暖房ユニットと冷加湿ユニットとは、空間内の温度に基づいて冷房運転に関する制御を行う。従って、加湿の必要性が低い冷房時には、冷暖房ユニットと冷加湿ユニットとの両方で冷房運転を適切に行うことができ、効果的に冷房運転を行うことができる。
請求項7に記載の空気調和システムでは、冷暖房ユニットの第1制御部は、暖房運転においては、空間内の温度に基づいて第1室内ファンを制御する。また、冷加湿ユニットの第2制御部は、加湿運転モードにおいては、空間内の湿度に基づいて第2室内ファンを制御する。このため、冷暖房ユニットによって室内を適切に暖房することができ、且つ、冷加湿ユニットによって室内を適切に加湿することができる。
【0080】
請求項8に記載の空気調和システムでは、冷暖房ユニットの第1制御部と、冷加湿ユニットの第2制御部とは、冷房運転においては、空間内の温度に基づいて第1室内ファンおよび第2室内ファンを制御する。従って、加湿の必要性が低い冷房時には、冷暖房ユニットと冷加湿ユニットとの両方で冷房運転を適切に行うことができ、効果的に冷房運転を行うことができる。
【0081】
請求項9に記載の空気調和システムでは、少なくとも1台の室内ユニットが暖房運転を行っている場合に、m−n台の室内ユニットが、自動的に加湿運転モードにて加湿運転を行う。このため、この空気調和システムでは、湿度が低下しがちな暖房運転時において空間内の湿度を適切に調整することができる。
請求項10に記載の空気調和システムでは、冷暖房ユニットが暖房運転を行っているか又は冷房運転を行っているかが検知手段によって検知される。そして、冷加湿ユニットは、冷暖房ユニットが暖房運転を行っている場合には、加湿運転モードにて加湿運転を行う。これにより、湿度が低下しがちな暖房運転時において空間内の湿度を適切に調整することができる。また。冷加湿ユニットは、冷暖房ユニットが冷房運転を行っている場合には、冷房運転を行う。これにより、加湿の必要性が低い冷房運転においては、冷加湿ユニットは冷暖房ユニットと共に冷房運転を行う。以上のように、この空気調和システムでは、冷暖房ユニットが暖房運転を行っている場合と冷房運転を行っている場合との両方の場合において、冷加湿ユニットを効率よく機能させることができる。
【0082】
請求項11に記載の空気調和システムでは、冷暖房ユニットの熱交換器と冷加湿ユニットの熱交換器とを含む冷凍サイクルを流れる冷媒の循環の方向が変わることにより、冷房と暖房とが切り替わる。そして、このような冷媒の切り替わりがある冷凍サイクルでは、冷房能力と暖房能力との間に差が生じやすい。従って、冷房能力を基準に冷暖房ユニットが選定されると、暖房能力に余剰が生じることが多い。このため、冷加湿ユニットが加湿運転モードにて加湿運転を行う本発明がより効果的である。
【0083】
請求項12に記載の空気調和システムでは、冷加湿ユニットは、熱交換器によって加熱された空気を加湿部に通すことによって加湿運転を行う。暖房運転が行われている場合には、冷加湿ユニットの熱交換器を通る空気は加熱される。そして、加熱された暖かい空気が加湿部を通ることによって、加湿部の水分が空気中に放出されて加湿される。また、この空気調和システムでは、冷暖房ユニットによって暖房能力が満たされている。このため、冷加湿ユニットの熱交換器を通る空気を加湿用に用いても、暖房能力が不足する恐れが少ない。このように、この空気調和システムでは、システムが無駄なく効果的に構成されている。
【0084】
請求項13に記載の空気調和システムでは、m−n台の室内ユニットの加湿能力の合計は必要加湿能力を満たしており、また、n台の室内ユニットは加湿機能を有さない。すなわち、加湿機能が、m−n台の室内ユニットに集約されている。そして、加湿機能が集約されたm−n台の室内ユニットが加湿運転モードにおいて加湿運転を行う。このため、他の室内ユニットに加湿機能を付加するための加湿ユニットなどを備えさせる必要が無い。従って、この空気調和システムでは、コスト安くシステムを構成することができる。
【0085】
請求項14に記載の空気調和システムでは、冷加湿ユニットの加湿能力の合計は必要加湿能力を満たしており、また、冷暖房ユニットは加湿機能を有さない。すなわち、加湿機能が、冷加湿ユニットの室内ユニットに集約されている。そして、加湿機能が集約された冷加湿ユニットが、加湿運転モードにおいて加湿運転を行う。このため、冷暖房ユニットに加湿機能を持たすための加湿ユニットなどを備えさせる必要が無い。従って、コスト安くシステムを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気調和システムの全体概略図。
【図2】空気調和システムの冷媒回路および構成の概略図。
【図3】空気調和機システムの制御ブロック図。
【図4】(a)第2室内ユニットの外観斜視図。
(b)第2室内ユニットの側面図。
【符号の説明】
1 第1室内ユニット(室内ユニット、冷暖房ユニット)
2 第2室内ユニット(室内ユニット、冷加湿ユニット)
3 第3室内ユニット(室内ユニット、冷暖房ユニット)
4 第4室内ユニット(室内ユニット、冷暖房ユニット)
11 第1室内熱交換器(熱交換器)
13 第1室内ファン
16 第1室内制御部(第1制御部)
21 第2室内熱交換器(熱交換器)
23 第2室内ファン
27 加湿エレメント(加湿部)
29 第2室内制御部(第2制御部)
82 第2通信線(検知手段)
100 空気調和システム
G1 冷暖房ユニット群
G2 冷加湿ユニット群
R 室内(空間内)
Claims (14)
- 所定の空間内(R)の空気調和を行うm(m≧2)台の室内ユニット(1−4)を備える空気調和システムであって、
前記室内ユニット(1−4)のうち少なくともn(1≦n≦m−1)台の前記室内ユニット(1,3,4)は暖房機能を有し、n台の前記室内ユニット(1,3,4)の暖房能力の合計は前記空間内(R)の暖房負荷に対して必要とされる必要暖房能力を満たしており、
少なくともm−n台の前記室内ユニット(2)は加湿機能を有し、m−n台の前記室内ユニット(2)は湿度に基づいた制御が行われる加湿運転モードにて加湿運転を行う、
空気調和システム(100)。 - m台の前記室内ユニット(1−4)は冷房機能を有し、m台の前記室内ユニット(1−4)の冷房能力の合計は前記空間内(R)の冷房負荷に対して必要とされる必要冷房能力を満たす、
請求項1に記載の空気調和システム(100)。 - n台の前記室内ユニット(1,3,4)は、暖房運転と冷房運転とを行う冷暖房ユニットであり、
m−n台の前記室内ユニット(2)は、冷房運転と加湿運転とを行う冷加湿ユニットである、
請求項2に記載の空気調和システム(100)。 - 所定の空間内(R)の空気調和を行う空気調和システムであって、
暖房運転と冷房運転とを行う1又は複数の冷暖房ユニット(1,3,4)を含み、第1冷房能力と第1暖房能力とを有する冷暖房ユニット群(G1)と、
冷房運転と加湿運転とを行う1又は複数の冷加湿ユニット(2)を含み、第2冷房能力を有する冷加湿ユニット群(G2)と、
を備え、
前記第1冷房能力と前記第2冷房能力とを合計した合計冷房能力は、前記空間内(R)の冷房負荷に対して必要とされる必要暖房能力を満たしており、
前記第1暖房能力は、前記空間内(R)の暖房負荷に対して必要とされる必要暖房能力を満たしており、
前記冷加湿ユニット(2)の前記加湿運転は、湿度に基づいた制御が行われる加湿運転モードにて行われる、
空気調和システム(100)。 - 前記冷暖房ユニット(1,3,4)は、前記空間内(R)の温度に基づいて前記暖房運転に関する制御を行い、
前記冷加湿ユニット(2)は、前記加湿運転モードにおいては、前記空間内(R)の湿度に基づいて前記加湿運転に関する制御を行う、
請求項3または4に記載の空気調和システム(100)。 - 前記冷暖房ユニット(1,3,4)は、前記空間内(R)の温度に基づいて冷房運転に関する制御を行い、
前記冷加湿ユニット(2)は、前記空間内(R)の温度に基づいて冷房運転に関する制御を行う、
請求項3から5のいずれかに記載の空気調和システム(100)。 - 前記冷暖房ユニット(1)は、
空気を前記空間内(R)へと送る第1室内ファン(13)と、
前記暖房運転においては、前記空間内(R)の温度に基づいて前記第1室内ファン(13)を制御する第1制御部(16)と、
を有し、
前記冷加湿ユニット(2)は、
空気を前記空間内(R)へと送る第2室内ファン(23)と、
前記加湿運転モードにおいては、前記空間内(R)の湿度に基づいて前記第2室内ファン(23)を制御する第2制御部(29)と、
を有する、
請求項3から6のいずれかに記載の空気調和システム(100)。 - 前記第1制御部(16)は、前記冷房運転においては、前記空間内(R)の温度に基づいて前記第1室内ファン(13)を制御し、
前記第2制御部(29)は、前記冷房運転においては、前記空間内(R)の温度に基づいて前記第2室内ファン(23)を制御する、
請求項7に記載の空気調和システム(100)。 - 少なくとも1台の室内ユニット(1,3,4)が暖房運転を行っている場合に、m−n台の前記室内ユニット(2)は、前記加湿運転モードにて前記加湿運転を行う、
請求項1から3のいずれかに記載の空気調和システム(100)。 - 前記冷暖房ユニット(1,3,4)が前記暖房運転を行っているか又は前記冷房運転を行っているかを検知する検知手段(82)をさらに備え、
前記冷加湿ユニット(2)は、前記冷暖房ユニット(1,3,4)が前記暖房運転を行っていると検知された場合には、前記加湿運転モードにて前記加湿運転を行い、前記冷暖房ユニット(1,3,4)が前記冷房運転を行っていると検知された場合には、前記冷房運転を行う、
請求項3から8のいずれかに記載の空気調和システム(100)。 - 前記冷暖房ユニット(1)と冷加湿ユニット(2)とは、冷媒が循環する冷凍サイクルの一部を構成し前記冷媒の循環の方向が変わることにより蒸発器としての役割と凝縮器としての役割とが切り換わる熱交換器(11,21)をそれぞれ有する、
請求項3から8のいずれかに記載の空気調和システム(100)。 - 前記冷加湿ユニット(2)は、通過する空気に水分を放出して前記空気を加湿する加湿部(27)をさらに有し、前記熱交換器(17)によって加熱された空気を前記加湿部(27)に通すことによって前記加湿運転を行う、
請求項11に記載の空気調和システム(100)。 - m−n台の前記室内ユニット(2)の加湿能力の合計は、前記空間内(R)の加湿に求められる所定の必要加湿能力を満たしており、
n台の前記室内ユニット(1,3,4)は加湿機能を有さない、
請求項1から3のいずれかに記載の空気調和システム(100)。 - 前記冷加湿ユニット(2)の加湿能力の合計は、前記空間内(R)の加湿に求められる所定の必要加湿能力を満たしており、
前記冷暖房ユニット(1,3,4)は加湿機能を有さない、
請求項4から12のいずれかに記載の空気調和システム(100)。
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