JP2004332020A - 被削性に優れた析出硬化型ステンレス鋼 - Google Patents
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Abstract
【課題】被削性に最も適した組織を得ることで被削性が大幅に改善された析出硬化型ステンレス鋼を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.005〜0.030%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.1〜0.7%、Ni:5〜6%、Cr:15〜17%、Mo:0.5〜1.5%、Cu:2〜5%、Nb:0.10〜0.40%、N:0.005〜0.030%、残部Feおよび不可避的不純物からなり、700〜800℃で15分〜20時間保持後室温まで冷却する一段時効処理を行った後、600〜680℃で15分〜20時間保持後室温まで冷却する二段時効処理を行うことを特徴とする被削性に優れた析出硬化型ステンレス鋼。
【選択図】 図1
【解決手段】質量%で、C:0.005〜0.030%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.1〜0.7%、Ni:5〜6%、Cr:15〜17%、Mo:0.5〜1.5%、Cu:2〜5%、Nb:0.10〜0.40%、N:0.005〜0.030%、残部Feおよび不可避的不純物からなり、700〜800℃で15分〜20時間保持後室温まで冷却する一段時効処理を行った後、600〜680℃で15分〜20時間保持後室温まで冷却する二段時効処理を行うことを特徴とする被削性に優れた析出硬化型ステンレス鋼。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被削性に優れた析出硬化型ステンレス鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、SUS630系のマルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼は、強度、靱性および耐食性を兼ね備えた材料であり、固溶化熱処理後に析出硬化熱処理を施し、目的に合った強度を付与して用いられる。これらの特徴を活かし、建築構造部材、ボルト等の締結材、海洋環境で用いられる船舶用シャフト類、プラスチック金型等の幅広い分野で使用されている。さらなる特徴は、通常固溶化熱処理状態で供給された素材を所定の形状に加工した後、比較的低温の析出硬化熱処理で硬化できる点で、熱処理コストが低く、歪みや酸化等も殆んど問題にならないことである。しかし、上記材料は、固溶化熱処理状態で硬さが高く、機械加工性が極めて悪い。析出硬化熱処理ではさらに硬さが増して加工性が低下する。
【0003】
上述したSUS630系のマルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼を改良するために、Oを添加するとともに、C、Nを低減して固溶化熱処理硬さを低下させて被削性を改善する鋼として特開平10−306351号公報(特許文献1)が開示されている。また、特開平5−331600号公報(特許文献2)では、C、Nを低減して固溶化熱処理硬さを低下させ、かつマルテンサイト中にオーステナイト相を10〜30%含有させて被削性を改善する鋼が提案されている。また、特開平4−2745号公報(特許文献3)では、Sを0.05〜0.15%添加して硫化物を分散させて被削性を改善する鋼が提案されている。さらに、特開昭52−30212号公報(特許文献4)のように、快削元素であるSeを0.05〜0.30%添加してセレン化物を鋼中に分散させることで、被削性を改善する方法が提案されている。
【0004】
【引用文献】
(1)特許文献1(特開平10−306351号公報)
(2)特許文献2(特開平5−331600号公報)
(3)特許文献3(特開平4−2745号公報)
(4)特許文献4(特開昭52−30212号公報)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1は、C、N低減による固溶化熱処理硬さ低下とO添加によりある程度の被削性向上は認められるが、固溶化熱処理状態での範囲に限ったものであり、時効処理の繰り返しによる更なる被削性改善の可能性までは考慮されていない。また、特許文献2は、C+Nの低減とNb、V、Tiの添加により固溶化熱処理硬さを低下させ、オーステナイト相を10〜30%含有したマルテンサイト相にすることで機械加工性を改善するものである。ただし、オーステナイト相に着目したとはいえ、特許文献2で示されるその量は高々30%であり、後述するように、オーステナイト量を最大にして、かつマルテンサイト相を低歪み化することで被削性を改善することを目的とした本発明とは思想的に異なるものである。また、特許文献3もMnSの分散により被削性を改善する点で優れているが、延靱性と硬さのバランスにおいて十分と言うことが出来ない。さらに、特許文献4の方法では、セレン化物は巨大な介在物として存在することから、延性、靱性を悪化させる。従って、構造用強度部材として使用される場合には、このような手段による快削鋼化は適当とは言えない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述したような問題を解消するために、発明者らは鋭意検討を進めた結果、本発明のように、低C、Nで、Moを含有するマルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼に、700〜800℃で炭窒化物の析出およびCuの過時効を目的とした一段時効処理を行い、続けて逆変態オーステナイト量が最大となる600〜680℃に再度加熱する二段時効処理を行うことで、被削性に最も適した組織を得ることが出来ることを見出した。すなわち、被削性に最も適した組織を得ることで被削性が大幅に改善された析出硬化型ステンレス鋼を提供するものである。
【0007】
その発明の要旨とするところは、
(1)質量%で、C:0.005〜0.030%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.1〜0.7%、Ni:5〜6%、Cr:15〜17%、Mo:0.5〜1.5%、Cu:2〜5%、Nb:0.10〜0.40%、N:0.005〜0.030%、残部Feおよび不可避的不純物からなり、700〜800℃で15分〜20時間保持後室温まで冷却する一段時効処理を行った後、600〜680℃で15分〜20時間保持後室温まで冷却する二段時効処理を行うことを特徴とする被削性に優れた析出硬化型ステンレス鋼。
【0008】
(2)前記(1)に加えて、O:0.001〜0.050%、S:0.001〜0.050%、Se:0.001〜0.050%、Te:0.001〜0.050%、Ca:0.001〜0.010%、の1種または2種以上を含有させたことを特徴とする被削性に優れた析出硬化型ステンレス鋼。
(3)前記(1)または(2)に加えて、Ti:0.01〜0.40%、V:0.01〜0.40%、W:0.01〜0.40%、の1種または2種以上を含有させたことを特徴とする被削性に優れた析出硬化型ステンレス鋼。
【0009】
(4)前記(1)〜(3)に加えて、Al:0.001〜0.100%、B:0.001〜0.100%、Mg:0.001〜0.100%、REM:0.001〜0.100%、の1種または2種以上を含有させたことを特徴とする被削性に優れた析出硬化型ステンレス鋼。
(5)前記(1)に記載の時効処理前に900〜1100℃で10分〜6時間保持後室温まで冷却する固溶化熱処理を行うことを特徴とする被削性に優れた析出硬化型ステンレス鋼である。
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のマルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼の熱処理組織は次のように変化する。すなわち、固溶化熱処理状態においてはマルテンサイト相に微量の残留オーステナイト相が残存した組織である。400℃以上の温度で時効処理を行なうとCu−rich相が微細に析出して硬化すると共にマルテンサイト相から逆変態オーステナイト相が生成し始める。硬さは時効温度480℃付近で最高になり、これ以上の温度では次第に硬さを減じる。オーステナイトは時効温度650℃付近で逆変態オーステナイトが最大となるがこれ以上の高温では冷却中に再度マルテンサイト変態を始めるため減少する。
【0011】
そこで、発明者らは鋭意研究を進めた結果、マルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼の切削加工に際して、組織の硬さが出来るだけ低いことに加えて、以下のように組織制御を行なった場合に飛躍的に改善されることを見出した。▲1▼本発明のマルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼は、靱性および耐食性の点からNiを5〜6%含有しており、焼入性が非常に良いため、オーステナイト化する固溶化熱処理温度から徐冷した場合でも、マルテンサイト変態を起こし硬化してしまう。しかしながら、被削性に及ぼす組織の影響に関しては、マルテンサイト組織の中でも、格子歪みの少ないマルテンサイトの方が切削加工に適していることが判明した。従って、比較的低温から焼入れてCやNの固溶量が少ない低歪みマルテンサイト組織とするのが良い。
【0012】
▲2▼析出硬化熱処理温度近辺で生じる逆変態オーステナイトは、それ自体の硬さは低いが、マルテンサイトラス間に層状に析出するので、組織全体の硬さを増加させ、被削性を減じる。従って、体積率で少なくとも30%以上の逆変態オーステナイトを析出させて、オーステナイトどうしを連結させる必要がある。▲3▼析出硬化状態での被削性は良くない。従って、過時効処理により析出硬化元素であるCuを粗大化させ、硬化能を失わせた状態で切削するのが良い。このようなことから、先ず700〜800℃で炭窒化物の析出およびCuの過時効を目的とした一段時効処理を行い、続けて逆変態オーステナイト量が最大となる600〜680℃に再度加熱する二段時効処理を行うことで、被削性に最も適した組織を得ることが出来るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る成分組成の限定理由を述べる。
C:0.005〜0.030%
Cは、強度を高める基本的な元素である。しかし、0.005%未満ではその効果は十分でなく、また、0.030%を超えると固溶化熱処理後の硬さが上昇することから、その範囲を0.005〜0.030%とした。
Si:0.1〜0.5%
Siは、脱酸剤として有効であるが、しかし、0.1%未満ではその効果は十分でなく、また、0.5%を超えると耐食性が劣化し、固溶化熱処理後の硬さが上昇することから、その範囲を0.1〜0.5%とした。
【0014】
Mn:0.1〜0.7%
Mnは、Siと同様に、脱酸剤として有効であるが、しかし、0.1%未満ではその効果は十分でなく、また、0.7%を超えると耐食性が劣化することから、その範囲を0.1〜0.7%とした。
Ni:5〜6%
Niは、耐食性と靱性を改善する基本元素であり、5%以上必要である。しかし、6%を超える添加は残留オーステナイトが増加することから、その上限を6%とした。
【0015】
Cr:15〜17%
Crは、表面に保護性の酸化皮膜を形成し耐食性を付与する基本元素であり、15%以上必要である。しかし、17%を超える添加は残留オーステナイトが増加する。従って、その範囲を15〜17%とした。
Mo:0.5〜1.5%
Moは、耐食性および靱性を改善する元素であり、0.5%以上必要である。しかし、1.5%を超えると固溶化熱処理後の硬さが上昇し、δフェライト生成により冷間加工性が劣化するため、その範囲を0.5〜1.5%とした。
【0016】
Cu:2〜5%
Cuは、析出硬化させるための必須元素である.そのためには、2%必要である。しかし、5%を超えると熱間加工性が劣化するため、その範囲を2〜5%とした。
Nb:0.10〜0.40%
Nbは、C,Nと反応して炭窒化物を生成し、析出硬化熱処理後の硬さを上昇させる効果がある。そのためには、それぞれ、0.10%必要である。しかし、過剰な添加は熱間加工性を劣化させることから、その上限を0.40%と定めた。
【0017】
N:0.005〜0.030%
Nは、結晶粒の粗大化防止に有効な元素である。しかし、0.005%未満ではその効果が十分でなく、また、0.030%を超えると固溶化熱処理後の硬さが上昇するので、その上限を0.030%とした。
O:0.001〜0.050%、S:0.001〜0.050%、Se:0.001〜0.050%、Te:0.001〜0.050%、Ca:0.001〜0.010%、の1種または2種以上
O,S,Se,Te,Caは、いずれも被削性を改善する快削元素として有効である。しかし、各下限未満では効果が十分でなく、また、上限を超える添加は、熱間加工性を劣化させることから、各々の上限を定めた。
【0018】
Ti:0.01〜0.40%、V:0.01〜0.40%、W:0.01〜0.40%、の1種または2種以上
Ti,V,Wは、いずれも、C,Nと反応して炭窒化物を生成し、析出硬化熱処理後の硬さを上昇させる効果がある。そのためには、それぞれ、0.10%必要である。しかし、それぞれの上限を超える添加は熱間加工性を劣化させることから、その上限を0.40%と定めた。
【0019】
Al:0.001〜0.100%、B:0.001〜0.100%、Mg:0.001〜0.100%、REM:0.001〜0.100%、の1種または2種以上
Al,B,Mg,REMは、いずれも熱間加工性を改善する元素として有効である。それぞれ、0.001%必要である。しかし、各上限を超える添加をしても、その効果は飽和することから、各上限を定めた。
【0020】
900〜1100℃保持後急冷による固溶化熱処理
固溶化熱処理は、組織を均一化し、炭窒化物を固溶させるために行われる。900℃未満では炭窒化物の固溶が不十分で析出硬化熱処理後の特性が十分に発揮できず、1100℃を超えると残留オーステナイトが増加すると共に硬さが上昇することから、その範囲を900〜1100℃とした。
【0021】
【実施例】
(実施例1)
表1に示す化学成分組成のA鋼を100kg真空溶解炉にて溶解した後インゴットに鋳造し、鍛伸後、各種熱処理を行い、各種試験に供した。
(1)熱処理
▲1▼固溶化熱処理:920〜1060℃保持後水冷
▲2▼一段時効処理:400〜900℃保持後空冷
▲3▼二段時効処理:400〜900℃保持後空冷
(2)硬さ:鍛伸方向に垂直な断面の中周部、HRC
(3)オーステナイト量測定:X線回折装置でα(200),(211)強度に対するγ(220),(311)の強度比を求めて測定した。
(4)マルテンサイト格子定数:α(200)面による回折の最大ピーク位置から格子定数を推定した。
【0022】
(5)ドリル寿命試験:φ60mmに鍛伸後、上記熱処理を施したものについて、ドリル寿命試験を行なった。
試験条件
(a)ドリル:SKH51、φ5mm、ストレートシャンクツイストドリル
(b)周速:15m/min
(c)送り:0.03mm/rev
(d)穿孔深さ:15mm
(e)切削油:なし
(f)寿命判定:折損または溶損により穿孔不能となるまで
【0023】
【表1】
【0024】
先ず、表1に示すNo.Aの成分鋼を100kg真空溶解炉にて溶製し、φ20に鍛伸後、1040℃×30分保持後水冷の固溶化熱処理を行なった。この固溶化熱処理材に対して、一段時効処理として、400〜900℃×2時間保持後空冷の熱処理を施して、硬さ測定、オーステナイト量測定を行なった。次に、各温度の一段時効処理材について、再度400〜900℃×2時間保持後空冷の二段時効処理を施し、硬さ測定、オーステナイト量測定、格子定数測定を行なった。図1に一段時効処理材の硬さとオーステナイト量を示す。固溶化状態では硬さ約28HRCであるが、時効処理を施すとCu−rich相の微細析出により硬さが上昇し、時効温度480℃付近で最高硬さ44HRCに達する。時効温度がこれ以上になると硬さは次第に下がり900℃では固溶化状態と同程度の硬さになる。オーステナイト量は、固溶化状態では10%以下だが、時効温度500℃を超えると増加し650℃近辺で60%近くもの最大量になる。時効温度がこれ以上になると減少して800℃以上で10%以下になる。
【0025】
図2は、二段時効処理材の硬さとオーステナイト量を示す。一段時効処理温度が700〜800℃のとき、二段時効処理では時効温度の上昇に伴って硬さが図2(a)に示すように漸減する。一段時効処理温度が650では二段時効後の硬さは高いままで、850℃、900℃では再固溶したCuが二段時効により析出硬化するため硬さが高い。また、図2(b)に示すようにオーステナイト量は一段時効と同様に650℃近辺で最大となる。次いで、図3に時効処理によるマルテンサイト格子定数の変化を示す。固溶化状態よりも一段時効、さらに二段時効状態の方が格子定数が小さく、歪みの少ないマルテンサイトが生成していることが分かる。
【0026】
以上のことから、硬さが低く格子歪みの少ないマルテンサイトを生成させ、オーステナイトが多い組織とするためには、一段目に700〜800℃の時効処理を行い、次いで二段目に600〜680℃の時効処理を施す二段時効処理が有効であることが分かる。ここで、各時効処理状態についてドリル寿命試験を行なった。図4にドリル寿命に及ぼす一段時効処理および二段時効処理の影響を示す。図4(a)に示すように、一段時効処理では、ドリル寿命が最も長い固溶化状態および900℃時効状態でも寿命は10〜20穴と短寿命で、その中間の400〜800℃時効処理では析出硬化のためさらに寿命が短くなる。しかしながら、750℃で一段時効処理を施した後で図4(b)に示すように、二段時効処理を施すと、時効温度600〜680℃のときのドリル寿命が著しく改善される。
【0027】
(実施例2)
実施例1と同様にして、表2に示す成分組成の各種鋼に表3に示す各熱処理を施し、ドリル寿命試験に供した。その結果、本発明に属する二段熱処理を施したものは、本発明外の熱処理をしたものに比べて著しく優れたドリル寿命を示していることは分かる。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による700〜800℃で炭窒化物の析出およびCuの過時効を目的とした一段時効処理を行い、続けて逆変態オーステナイト量が最大となる600〜680℃に再度加熱する二段時効処理を行うことで、従来、機械加工が困難であったマルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼の被削性を大幅に改善し、強度、靱性および耐食性を保持したまま、被削性を飛躍的に向上させることが得られる極めて優れた効果を奏するものである
【図面の簡単な説明】
【図1】一段時効処理材の硬さとオーステナイト量を示す図である。
【図2】二段時効処理材の硬さとオーステナイト量を示す図である。
【図3】時効処理によるマルテンサイト格子定数の変化を示す図である。
【図4】ドリル寿命に及ぼす一段時効処理および二段時効処理の影響を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、被削性に優れた析出硬化型ステンレス鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、SUS630系のマルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼は、強度、靱性および耐食性を兼ね備えた材料であり、固溶化熱処理後に析出硬化熱処理を施し、目的に合った強度を付与して用いられる。これらの特徴を活かし、建築構造部材、ボルト等の締結材、海洋環境で用いられる船舶用シャフト類、プラスチック金型等の幅広い分野で使用されている。さらなる特徴は、通常固溶化熱処理状態で供給された素材を所定の形状に加工した後、比較的低温の析出硬化熱処理で硬化できる点で、熱処理コストが低く、歪みや酸化等も殆んど問題にならないことである。しかし、上記材料は、固溶化熱処理状態で硬さが高く、機械加工性が極めて悪い。析出硬化熱処理ではさらに硬さが増して加工性が低下する。
【0003】
上述したSUS630系のマルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼を改良するために、Oを添加するとともに、C、Nを低減して固溶化熱処理硬さを低下させて被削性を改善する鋼として特開平10−306351号公報(特許文献1)が開示されている。また、特開平5−331600号公報(特許文献2)では、C、Nを低減して固溶化熱処理硬さを低下させ、かつマルテンサイト中にオーステナイト相を10〜30%含有させて被削性を改善する鋼が提案されている。また、特開平4−2745号公報(特許文献3)では、Sを0.05〜0.15%添加して硫化物を分散させて被削性を改善する鋼が提案されている。さらに、特開昭52−30212号公報(特許文献4)のように、快削元素であるSeを0.05〜0.30%添加してセレン化物を鋼中に分散させることで、被削性を改善する方法が提案されている。
【0004】
【引用文献】
(1)特許文献1(特開平10−306351号公報)
(2)特許文献2(特開平5−331600号公報)
(3)特許文献3(特開平4−2745号公報)
(4)特許文献4(特開昭52−30212号公報)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1は、C、N低減による固溶化熱処理硬さ低下とO添加によりある程度の被削性向上は認められるが、固溶化熱処理状態での範囲に限ったものであり、時効処理の繰り返しによる更なる被削性改善の可能性までは考慮されていない。また、特許文献2は、C+Nの低減とNb、V、Tiの添加により固溶化熱処理硬さを低下させ、オーステナイト相を10〜30%含有したマルテンサイト相にすることで機械加工性を改善するものである。ただし、オーステナイト相に着目したとはいえ、特許文献2で示されるその量は高々30%であり、後述するように、オーステナイト量を最大にして、かつマルテンサイト相を低歪み化することで被削性を改善することを目的とした本発明とは思想的に異なるものである。また、特許文献3もMnSの分散により被削性を改善する点で優れているが、延靱性と硬さのバランスにおいて十分と言うことが出来ない。さらに、特許文献4の方法では、セレン化物は巨大な介在物として存在することから、延性、靱性を悪化させる。従って、構造用強度部材として使用される場合には、このような手段による快削鋼化は適当とは言えない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述したような問題を解消するために、発明者らは鋭意検討を進めた結果、本発明のように、低C、Nで、Moを含有するマルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼に、700〜800℃で炭窒化物の析出およびCuの過時効を目的とした一段時効処理を行い、続けて逆変態オーステナイト量が最大となる600〜680℃に再度加熱する二段時効処理を行うことで、被削性に最も適した組織を得ることが出来ることを見出した。すなわち、被削性に最も適した組織を得ることで被削性が大幅に改善された析出硬化型ステンレス鋼を提供するものである。
【0007】
その発明の要旨とするところは、
(1)質量%で、C:0.005〜0.030%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.1〜0.7%、Ni:5〜6%、Cr:15〜17%、Mo:0.5〜1.5%、Cu:2〜5%、Nb:0.10〜0.40%、N:0.005〜0.030%、残部Feおよび不可避的不純物からなり、700〜800℃で15分〜20時間保持後室温まで冷却する一段時効処理を行った後、600〜680℃で15分〜20時間保持後室温まで冷却する二段時効処理を行うことを特徴とする被削性に優れた析出硬化型ステンレス鋼。
【0008】
(2)前記(1)に加えて、O:0.001〜0.050%、S:0.001〜0.050%、Se:0.001〜0.050%、Te:0.001〜0.050%、Ca:0.001〜0.010%、の1種または2種以上を含有させたことを特徴とする被削性に優れた析出硬化型ステンレス鋼。
(3)前記(1)または(2)に加えて、Ti:0.01〜0.40%、V:0.01〜0.40%、W:0.01〜0.40%、の1種または2種以上を含有させたことを特徴とする被削性に優れた析出硬化型ステンレス鋼。
【0009】
(4)前記(1)〜(3)に加えて、Al:0.001〜0.100%、B:0.001〜0.100%、Mg:0.001〜0.100%、REM:0.001〜0.100%、の1種または2種以上を含有させたことを特徴とする被削性に優れた析出硬化型ステンレス鋼。
(5)前記(1)に記載の時効処理前に900〜1100℃で10分〜6時間保持後室温まで冷却する固溶化熱処理を行うことを特徴とする被削性に優れた析出硬化型ステンレス鋼である。
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のマルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼の熱処理組織は次のように変化する。すなわち、固溶化熱処理状態においてはマルテンサイト相に微量の残留オーステナイト相が残存した組織である。400℃以上の温度で時効処理を行なうとCu−rich相が微細に析出して硬化すると共にマルテンサイト相から逆変態オーステナイト相が生成し始める。硬さは時効温度480℃付近で最高になり、これ以上の温度では次第に硬さを減じる。オーステナイトは時効温度650℃付近で逆変態オーステナイトが最大となるがこれ以上の高温では冷却中に再度マルテンサイト変態を始めるため減少する。
【0011】
そこで、発明者らは鋭意研究を進めた結果、マルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼の切削加工に際して、組織の硬さが出来るだけ低いことに加えて、以下のように組織制御を行なった場合に飛躍的に改善されることを見出した。▲1▼本発明のマルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼は、靱性および耐食性の点からNiを5〜6%含有しており、焼入性が非常に良いため、オーステナイト化する固溶化熱処理温度から徐冷した場合でも、マルテンサイト変態を起こし硬化してしまう。しかしながら、被削性に及ぼす組織の影響に関しては、マルテンサイト組織の中でも、格子歪みの少ないマルテンサイトの方が切削加工に適していることが判明した。従って、比較的低温から焼入れてCやNの固溶量が少ない低歪みマルテンサイト組織とするのが良い。
【0012】
▲2▼析出硬化熱処理温度近辺で生じる逆変態オーステナイトは、それ自体の硬さは低いが、マルテンサイトラス間に層状に析出するので、組織全体の硬さを増加させ、被削性を減じる。従って、体積率で少なくとも30%以上の逆変態オーステナイトを析出させて、オーステナイトどうしを連結させる必要がある。▲3▼析出硬化状態での被削性は良くない。従って、過時効処理により析出硬化元素であるCuを粗大化させ、硬化能を失わせた状態で切削するのが良い。このようなことから、先ず700〜800℃で炭窒化物の析出およびCuの過時効を目的とした一段時効処理を行い、続けて逆変態オーステナイト量が最大となる600〜680℃に再度加熱する二段時効処理を行うことで、被削性に最も適した組織を得ることが出来るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る成分組成の限定理由を述べる。
C:0.005〜0.030%
Cは、強度を高める基本的な元素である。しかし、0.005%未満ではその効果は十分でなく、また、0.030%を超えると固溶化熱処理後の硬さが上昇することから、その範囲を0.005〜0.030%とした。
Si:0.1〜0.5%
Siは、脱酸剤として有効であるが、しかし、0.1%未満ではその効果は十分でなく、また、0.5%を超えると耐食性が劣化し、固溶化熱処理後の硬さが上昇することから、その範囲を0.1〜0.5%とした。
【0014】
Mn:0.1〜0.7%
Mnは、Siと同様に、脱酸剤として有効であるが、しかし、0.1%未満ではその効果は十分でなく、また、0.7%を超えると耐食性が劣化することから、その範囲を0.1〜0.7%とした。
Ni:5〜6%
Niは、耐食性と靱性を改善する基本元素であり、5%以上必要である。しかし、6%を超える添加は残留オーステナイトが増加することから、その上限を6%とした。
【0015】
Cr:15〜17%
Crは、表面に保護性の酸化皮膜を形成し耐食性を付与する基本元素であり、15%以上必要である。しかし、17%を超える添加は残留オーステナイトが増加する。従って、その範囲を15〜17%とした。
Mo:0.5〜1.5%
Moは、耐食性および靱性を改善する元素であり、0.5%以上必要である。しかし、1.5%を超えると固溶化熱処理後の硬さが上昇し、δフェライト生成により冷間加工性が劣化するため、その範囲を0.5〜1.5%とした。
【0016】
Cu:2〜5%
Cuは、析出硬化させるための必須元素である.そのためには、2%必要である。しかし、5%を超えると熱間加工性が劣化するため、その範囲を2〜5%とした。
Nb:0.10〜0.40%
Nbは、C,Nと反応して炭窒化物を生成し、析出硬化熱処理後の硬さを上昇させる効果がある。そのためには、それぞれ、0.10%必要である。しかし、過剰な添加は熱間加工性を劣化させることから、その上限を0.40%と定めた。
【0017】
N:0.005〜0.030%
Nは、結晶粒の粗大化防止に有効な元素である。しかし、0.005%未満ではその効果が十分でなく、また、0.030%を超えると固溶化熱処理後の硬さが上昇するので、その上限を0.030%とした。
O:0.001〜0.050%、S:0.001〜0.050%、Se:0.001〜0.050%、Te:0.001〜0.050%、Ca:0.001〜0.010%、の1種または2種以上
O,S,Se,Te,Caは、いずれも被削性を改善する快削元素として有効である。しかし、各下限未満では効果が十分でなく、また、上限を超える添加は、熱間加工性を劣化させることから、各々の上限を定めた。
【0018】
Ti:0.01〜0.40%、V:0.01〜0.40%、W:0.01〜0.40%、の1種または2種以上
Ti,V,Wは、いずれも、C,Nと反応して炭窒化物を生成し、析出硬化熱処理後の硬さを上昇させる効果がある。そのためには、それぞれ、0.10%必要である。しかし、それぞれの上限を超える添加は熱間加工性を劣化させることから、その上限を0.40%と定めた。
【0019】
Al:0.001〜0.100%、B:0.001〜0.100%、Mg:0.001〜0.100%、REM:0.001〜0.100%、の1種または2種以上
Al,B,Mg,REMは、いずれも熱間加工性を改善する元素として有効である。それぞれ、0.001%必要である。しかし、各上限を超える添加をしても、その効果は飽和することから、各上限を定めた。
【0020】
900〜1100℃保持後急冷による固溶化熱処理
固溶化熱処理は、組織を均一化し、炭窒化物を固溶させるために行われる。900℃未満では炭窒化物の固溶が不十分で析出硬化熱処理後の特性が十分に発揮できず、1100℃を超えると残留オーステナイトが増加すると共に硬さが上昇することから、その範囲を900〜1100℃とした。
【0021】
【実施例】
(実施例1)
表1に示す化学成分組成のA鋼を100kg真空溶解炉にて溶解した後インゴットに鋳造し、鍛伸後、各種熱処理を行い、各種試験に供した。
(1)熱処理
▲1▼固溶化熱処理:920〜1060℃保持後水冷
▲2▼一段時効処理:400〜900℃保持後空冷
▲3▼二段時効処理:400〜900℃保持後空冷
(2)硬さ:鍛伸方向に垂直な断面の中周部、HRC
(3)オーステナイト量測定:X線回折装置でα(200),(211)強度に対するγ(220),(311)の強度比を求めて測定した。
(4)マルテンサイト格子定数:α(200)面による回折の最大ピーク位置から格子定数を推定した。
【0022】
(5)ドリル寿命試験:φ60mmに鍛伸後、上記熱処理を施したものについて、ドリル寿命試験を行なった。
試験条件
(a)ドリル:SKH51、φ5mm、ストレートシャンクツイストドリル
(b)周速:15m/min
(c)送り:0.03mm/rev
(d)穿孔深さ:15mm
(e)切削油:なし
(f)寿命判定:折損または溶損により穿孔不能となるまで
【0023】
【表1】
【0024】
先ず、表1に示すNo.Aの成分鋼を100kg真空溶解炉にて溶製し、φ20に鍛伸後、1040℃×30分保持後水冷の固溶化熱処理を行なった。この固溶化熱処理材に対して、一段時効処理として、400〜900℃×2時間保持後空冷の熱処理を施して、硬さ測定、オーステナイト量測定を行なった。次に、各温度の一段時効処理材について、再度400〜900℃×2時間保持後空冷の二段時効処理を施し、硬さ測定、オーステナイト量測定、格子定数測定を行なった。図1に一段時効処理材の硬さとオーステナイト量を示す。固溶化状態では硬さ約28HRCであるが、時効処理を施すとCu−rich相の微細析出により硬さが上昇し、時効温度480℃付近で最高硬さ44HRCに達する。時効温度がこれ以上になると硬さは次第に下がり900℃では固溶化状態と同程度の硬さになる。オーステナイト量は、固溶化状態では10%以下だが、時効温度500℃を超えると増加し650℃近辺で60%近くもの最大量になる。時効温度がこれ以上になると減少して800℃以上で10%以下になる。
【0025】
図2は、二段時効処理材の硬さとオーステナイト量を示す。一段時効処理温度が700〜800℃のとき、二段時効処理では時効温度の上昇に伴って硬さが図2(a)に示すように漸減する。一段時効処理温度が650では二段時効後の硬さは高いままで、850℃、900℃では再固溶したCuが二段時効により析出硬化するため硬さが高い。また、図2(b)に示すようにオーステナイト量は一段時効と同様に650℃近辺で最大となる。次いで、図3に時効処理によるマルテンサイト格子定数の変化を示す。固溶化状態よりも一段時効、さらに二段時効状態の方が格子定数が小さく、歪みの少ないマルテンサイトが生成していることが分かる。
【0026】
以上のことから、硬さが低く格子歪みの少ないマルテンサイトを生成させ、オーステナイトが多い組織とするためには、一段目に700〜800℃の時効処理を行い、次いで二段目に600〜680℃の時効処理を施す二段時効処理が有効であることが分かる。ここで、各時効処理状態についてドリル寿命試験を行なった。図4にドリル寿命に及ぼす一段時効処理および二段時効処理の影響を示す。図4(a)に示すように、一段時効処理では、ドリル寿命が最も長い固溶化状態および900℃時効状態でも寿命は10〜20穴と短寿命で、その中間の400〜800℃時効処理では析出硬化のためさらに寿命が短くなる。しかしながら、750℃で一段時効処理を施した後で図4(b)に示すように、二段時効処理を施すと、時効温度600〜680℃のときのドリル寿命が著しく改善される。
【0027】
(実施例2)
実施例1と同様にして、表2に示す成分組成の各種鋼に表3に示す各熱処理を施し、ドリル寿命試験に供した。その結果、本発明に属する二段熱処理を施したものは、本発明外の熱処理をしたものに比べて著しく優れたドリル寿命を示していることは分かる。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による700〜800℃で炭窒化物の析出およびCuの過時効を目的とした一段時効処理を行い、続けて逆変態オーステナイト量が最大となる600〜680℃に再度加熱する二段時効処理を行うことで、従来、機械加工が困難であったマルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼の被削性を大幅に改善し、強度、靱性および耐食性を保持したまま、被削性を飛躍的に向上させることが得られる極めて優れた効果を奏するものである
【図面の簡単な説明】
【図1】一段時効処理材の硬さとオーステナイト量を示す図である。
【図2】二段時効処理材の硬さとオーステナイト量を示す図である。
【図3】時効処理によるマルテンサイト格子定数の変化を示す図である。
【図4】ドリル寿命に及ぼす一段時効処理および二段時効処理の影響を示す図である。
Claims (5)
- 質量%で、
C:0.005〜0.030%、
Si:0.1〜0.5%、
Mn:0.1〜0.7%、
Ni:5〜6%、
Cr:15〜17%、
Mo:0.5〜1.5%、
Cu:2〜5%、
Nb:0.10〜0.40%、
N:0.005〜0.030%
残部Feおよび不可避的不純物からなり、700〜800℃で15分〜20時間保持後室温まで冷却する一段時効処理を行った後、600〜680℃で15分〜20時間保持後室温まで冷却する二段時効処理を行うことを特徴とする被削性に優れた析出硬化型ステンレス鋼。 - 請求項1に加えて、
O:0.001〜0.050%、
S:0.001〜0.050%、
Se:0.001〜0.050%、
Te:0.001〜0.050%、
Ca:0.001〜0.010%
の1種または2種以上を含有させたことを特徴とする被削性に優れた析出硬化型ステンレス鋼。 - 請求項1または2に加えて、
Ti:0.01〜0.40%、
V:0.01〜0.40%、
W:0.01〜0.40%、
の1種または2種以上を含有させたことを特徴とする被削性に優れた析出硬化型ステンレス鋼。 - 請求項1〜3に加えて、
Al:0.001〜0.100%、
B:0.001〜0.100%、
Mg:0.001〜0.100%、
REM:0.001〜0.100%
の1種または2種以上を含有させたことを特徴とする被削性に優れた析出硬化型ステンレス鋼。 - 請求項1に記載の時効処理前に900〜1100℃で10分〜6時間保持後室温まで冷却する固溶化熱処理を行うことを特徴とする被削性に優れた析出硬化型ステンレス鋼。
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-
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- 2003-05-01 JP JP2003126686A patent/JP2004332020A/ja not_active Withdrawn
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