JP2004331830A - 水溶性ポリエステル組成物 - Google Patents

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JP2004331830A JP2003130042A JP2003130042A JP2004331830A JP 2004331830 A JP2004331830 A JP 2004331830A JP 2003130042 A JP2003130042 A JP 2003130042A JP 2003130042 A JP2003130042 A JP 2003130042A JP 2004331830 A JP2004331830 A JP 2004331830A
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Abstract

【課題】接着性、耐ブロッキング性に優れ、異物が少なく、基材フィルムのコーティング剤に好適なポリエステル組成物を提供すること。
【解決手段】カルボン酸成分がテレフタル酸成分30〜90モル%、スルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸1〜40モル%、炭素数5〜10の直鎖状脂肪族ジカルボン酸成分0〜30モル%であり、グリコール成分が主としてエチレングリコールおよび/またはジエチレングリコールからなるポリエステル組成物において、最大径が1μm以上の異物の含有量が1000個/ml(ポリマー2重量%水溶液)である水溶性ポリエステル組成物とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水溶性ポリエステル組成物に関するものである。特に、接着性、耐ブロッキング性、帯電防止性等に優れ、磁気記録材料、各種写真材料、包装材料、電気絶縁材料、一般工業用材料に使用される基材フィルムのコーティング剤に好適な水溶性ポリエステル組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルは優れた物理的、化学的特性を有しており、フィルム、繊維、シートなどの材料として広く使用されている。
【0003】
特に、ポリエステルフィルムは耐熱性、耐溶剤性、機械的特性において優れた性質を有するために、磁気記録材料、各種写真材料、包装材料、電気絶縁材料、一般工業材料等多くの用途に用いられている。
【0004】
しかしながら、一般にポリエステル自体が不活性で接着性に乏しいため、フィルム表面に種々の被覆物、例えば磁性体塗料、ケミカルマット塗料、ジアゾ感光塗料、ゼラチン組成物、ヒートシール性付与組成物、インキなどを塗布あるいは印刷する際には、該被覆物との接着性を良好とするためにフィルム表面にコロナ放電あるいはプラズマ等の物理的な処理やアルカリあるいはアミン類の化学薬品を使用した化学的な処理をする方法、さらには、易接着性物質をコーティングする方法などが用いられている。しかし、物理的あるいは化学的な表面処理方法は工程が煩雑となり、コストアップになるばかりでなく、十分な接着性が得られない。一方、易接着性物質をコーティングする方法はポリエステルフィルムの製造工程内で実施でき、コスト面で有利であり、かつ、種々の被覆物に対応できる接着性物質を選択することが可能である。さらに、ポリエステルフィルムの取扱い性、フィルム製造時の作業性の点から接着性物質として、種々の水分散あるいは水溶性共重合ポリエステルが提案されてきた。
【0005】
従来の水分散性あるいは水溶性共重合ポリエステルは、エステル形成性スルホン酸金属塩化合物、ポリエチレングリコールあるいは脂肪族ジカルボン酸成分等を併用し、用途、目的に応じて、水分散あるいは水溶性向上及び接着性、帯電防止性、耐ブロッキング性などの機能が付与されている。
【0006】
特許文献1〜4には、水溶性、接着性に加え、耐ブロッキング性、帯電防止性などの特性の改良を行った例が記載されているが、水溶液にした際の微細な異物については特に言及されておらず、実施例においても三酸化アンチモンをSb金属として200ppm以上使用している。この場合、重合反応中に三酸化アンチモンが還元されて生成するアンチモン金属の結晶などが数μm以上に成長し、異物化しているものと推定される。
【0007】
さらに、特許文献1〜4においては、チタン化合物を触媒として使用することが可能である旨の記載も見受けられるが、実施例のように添加量が多すぎると、加水分解により酸化チタン、水酸化チタンなどの水不溶性物質が数μm以上に成長もしくは凝集体を形成することがある。
【0008】
他方、特許文献5においてはチタン化合物、アンチモン化合物、アルカリ土類金属化合物、リン化合物を適量添加することで、アンチモン金属の析出や、内部粒子の生成量を抑制する旨の記載があるが、ポリエステルが水溶性ではないため、有機溶媒に対して不溶性の物質を定量しているに過ぎない。
【0009】
【特許文献1】特許第3044960号公報
【0010】
【特許文献2】特許第3128889号公報
【0011】
【特許文献3】特許第3132083号公報
【0012】
【特許文献4】特許第3289330号公報
【0013】
【特許文献5】特許第3081104号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点を解消せしめ、接着性、耐ブロッキング性などに優れ、一般工業材料、磁気材料などに使用される基材フィルムのコーティング剤として好適な水溶性ポリエステル組成物を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するための本発明は、全カルボン酸成分に対してテレフタル酸成分が30〜90モル%、スルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸成分が1〜40モル%、炭素数4〜10の直鎖状脂肪族ジカルボン酸成分が0〜30モル%であり、かつ、スルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸成分と炭素数4〜10の直鎖状脂肪族ジカルボン酸成分の合計量が10〜70モル%であり、グリコール成分としてエチレングリコールおよび/またはジエチレングリコールを含み、2重量%水溶液としたときに存在する最大径が1μm以上の異物数が1,000個/ml以下である水溶性ポリエステル組成物を特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の水溶性ポリエステル組成物は、全カルボン酸成分に対してテレフタル酸成分が30〜90モル%、スルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸成分が1〜40モル%、炭素数4〜10の直鎖状脂肪族ジカルボン酸成分が0〜30モル%であり、かつ、スルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸成分と炭素数4〜10の直鎖状脂肪族ジカルボン酸成分の合計量が10〜70モル%であり、グリコール成分としてエチレングリコールおよび/またはジエチレングリコールを含み、2重量%水溶液としたときに存在する最大径が1μm以上の異物数が1,000個/ml以下である水溶性ポリエステル組成物である。この水溶性とは、試料(ポリエステル)2gを水98g中に入れ、80℃、2時間攪拌溶解して冷却後、2μフィルターで濾過した場合に濾上物が無いかもしくはほとんど認められないことを意味する。
【0017】
上記のテレフタル酸成分としては、全カルボン酸成分に対して30〜90モル%共重合することが重要であり、さらには水溶性、耐ブロッキング性、接着性などの点から35〜98モル%であることが好ましい。テレフタル成分が30モル%未満であると接着性、水溶性は向上するものの、耐ブロッキング性、耐溶剤性などが不十分となることがあり、90モル%を超えると耐ブロッキング性、耐溶剤性は向上するものの水溶性、接着性が不十分となることがある。
【0018】
上記のスルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、2−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,6−ジカルボン酸など化合物、およびこれらのアルキルエステルが挙げられ、これらの化合物のスルホン酸基部分がスルホン酸アルカリ金属塩であっても構わない。
【0019】
このようなスルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸成分の共重合量としては全カルボン酸成分に対して1〜40モル%とすることが重要であり、さらには水溶性の点から5〜35モル%とすることが好ましい。スルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸成分の含有量が1モル%未満である場合、接着性、水溶性、帯電防止性が不十分となることがあり、40モル%を超えると、耐ブロッキング性、耐溶剤性が不十分となることがある。
【0020】
また、上記のテレフタル酸やスルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸以外にも芳香族ジカルボン酸成分を共重合しても構わない。例えば、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、およびこれらのエステル形成性誘導体などを挙げることができるが、接着性、水溶性の点からイソフタル酸またはそのエステル形成性誘導体であることが好ましく、その共重合量としては全カルボン酸成分に対して20〜40モル%であることが好ましい。
【0021】
また、炭素数4〜10の直鎖状脂肪族ジカルボン酸成分としては、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、およびこれらのエステル化物などが挙げられる。炭素数が4未満の場合、ポリエステルの耐熱性、耐ブロッキング性が不十分となることがあり、10を超えると耐溶剤性が不十分となりやすい。
【0022】
このような直鎖状脂肪族ジカルボン酸の共重合量は0〜30モル%であることが重要であり、さらには水溶性、接着性の点から5〜25モル%であることが好ましく、脂肪族ジカルボン酸成分が30モル%を超えると耐ブロッキング性、耐溶剤性が不十分となることがある。
【0023】
スルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸成分と炭素数が4〜10の直鎖状脂肪族ジカルボン酸の合計量が全カルボン酸成分に対して10〜70モル%であることが重要であり、水溶性の点から12〜65モル%であることが好ましい。
【0024】
上記合計量が10モル%未満である場合、水溶性が不十分となることがあり、70モル%を超えると耐ブロッキング性、耐溶剤性が不十分となることがある。
【0025】
これらのジカルボン酸成分の他に、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸などを本発明の効果を妨げない範囲で共重合しても構わない。中でもイソフタル酸が水溶性、耐溶剤性の点から好ましく、共重合量としても全ジカルボン酸成分に対して40モル%以下の範囲であれば本発明の効果を妨げないため、好ましい。特に20〜40モル%とすることで水溶性、耐溶剤性が向上するため好ましい。
【0026】
グリコール成分としては、耐溶剤性、耐ブロッキング性の点から、エチレングリコールおよび/またはジエチレングリコールを含んでいることが重要である。エチレングリコールの共重合量としては、全グリコール成分に対して60〜100モル%であることが耐溶剤性、耐ブロッキング性などの点から好ましい。また、ジエチレングリコールの共重合量としては、水溶性、接着性などの点から0〜40モル%であることが好ましく、さらには10〜40モル%であることが好ましい。
【0027】
また、これら以外の添加物として、ポリアルキレングリコールを添加することができ、水溶性、接着性の点から数平均分子量が300〜1,000であることが好ましい。より好ましくは数平均分子量が600〜1,000である。この場合、添加量は水溶性ポリエステル組成物に対して5〜20重量%であることが耐ブロッキング性、水溶性の点から好ましく、より好ましくは10〜15重量%である。さらに、ポリアルキレングリコールと共にヒンダートフェノール系酸化防止剤を水溶性ポリエステル組成物に対して0.05〜1重量%含有していることが好ましく、より好ましくは0.05〜1.5重量%である。また、ヒンダート系酸化防止剤の具体例としては、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアネート、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロシンアミド)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート]メタンなどが挙げられる。
【0028】
本発明の水溶性ポリエステル組成物には、異物低減の点からチタン化合物、アルカリ土類金属化合物、リン化合物を含み、チタン元素の含有量(重量)が0.1〜20ppm、アルカリ土類金属元素の含有量(重量)が10〜100ppm、リン元素の含有量(重量)が5〜30ppmであることが好ましい。上記化合物は、通常、触媒として用いられるもので、上記各元素がポリエステル中に残存することになる。
【0029】
チタン元素の含有量は好ましくは1〜10ppmである。チタン元素含有量が0.1ppm未満である場合、ポリエステルの重合反応性が著しく低下し、重合反応が遅延、頭打ちすることがあり、20ppmを超えるとチタン金属起因の異物が生成、成長しやすくなる。
【0030】
重合用触媒としてチタン化合物を用いる場合、式(I)〜(VI)で表される官能基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有していることが好ましい。この場合、チタン化合物としては、チタン酸化物でも構わない。
【0031】
【化7】
Figure 2004331830
【0032】
【化8】
Figure 2004331830
【0033】
【化9】
Figure 2004331830
【0034】
【化10】
Figure 2004331830
【0035】
【化11】
Figure 2004331830
【0036】
【化12】
Figure 2004331830
【0037】
(ただし、式(I)〜(VI)において、R〜Rはそれぞれ独立に以下に示すいずれかの基。
【0038】
水素
炭素数1〜30の有機基)
なお、上記の炭素数1〜30の有機基としては、その構造中にアルキル基、アルコキシ基、水酸基、カルボニル基、アセチル基、カルボキシル基、エステル基およびアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を含んでいることが好ましい。
【0039】
また、好ましい態様としては、チタン化合物としてこれら式(I)〜式(VI)で表される置換基の2種以上を含んでなるチタンジイソプロポキシビスアセチルアセトナートやチタントリエタノールアミネートイソプロポキシド等がある。
【0040】
なお、チタン化合物が置換基として式(I)〜式(III)で表される官能基を有し、式(I)〜式(III)におけるR〜Rが、それぞれ独立に水素または炭素数1〜30の有機基であると、置換基が立体障害になりPET主鎖を拘束し熱分解を抑制するため好ましい。
【0041】
また、式(I)〜式(III)におけるR〜Rの少なくとも1つの置換基が、水素であるか、または水酸基であるか、またはアルキル基、アルコキシ基、水酸基、カルボニル基、アセチル基、カルボキシル基、エステル基およびアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を含んでいる炭素数が1〜30の有機基である場合には、置換基が立体障害となりPET主鎖を拘束し好ましいが、さらに官能基が水酸基、カルボニル基、アセチル基、カルボキシル基などの極性基であると、PETのカルボニル基と親和性が良く、強い立体障害効果を発現できるためより好ましい。
【0042】
さらに、チタン化合物が置換基として式(I)で表される官能基を有し、式(I)におけるR〜Rの少なくとも1つの置換基が、水素であるか、またはアルキル基、カルボキシル基およびエステル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する炭素数1〜30の有機基であると、チタンと配位子の結合がより強固となり、上記の効果が強化され耐熱性が良好となる。
【0043】
また、チタン化合物が置換基として式(IV)で表される官能基を有し、式(IV)におけるRが炭素数1〜30の有機基であると、耐熱性の点で好ましい。この場合、炭素数1〜30の有機基としては、その構造中にアルキル基、アルコキシ基、水酸基、カルボニル基、アセチル基、カルボキシル基、エステル基およびアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を含んでいることが好ましい。
【0044】
具体的には、式(I)で表される基としては、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、ブトキシド、2−エチルヘキソキシド等のアルコキシ基、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等を主骨格とするヒドロキシ多価カルボン酸などの官能基が挙げられる。
【0045】
また、式(II)で表される基としては、アセチルアセトン等のβ−ジケトン系化合物、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のケトエステル系化合物を主骨格とする官能基が挙げられる。
【0046】
また、式(III)で表される基としては、フェノキシ、クレシレイト、サリチル酸等を主骨格とする官能基が挙げられる。
【0047】
また、式(IV)で表される基としては、ラクテート、ステアレート等のアシレート基、フタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ヘミメリット酸、ピロメリット酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、シクロヘキサンジカルボン酸またはそれらの無水物等の多価カルボン酸系化合物、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、カルボキシイミノ二酢酸、カルボキシメチルイミノ二プロピオン酸、ジエチレントリアミノ五酢酸、トリエチレンテトラミノ六酢酸、イミノ二酢酸、イミノ二プロピオン酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二プロピオン酸、メトキシエチルイミノ二酢酸等の含窒素多価カルボン酸を主骨格とする官能基が挙げられる。
【0048】
また、式(V)で表される基としては、アニリン、フェニルアミン、ジフェニルアミン等を主骨格とする官能基が挙げられる。
【0049】
中でも式(I)及び/または式(IV)で表される基が含まれていることがポリマーの熱安定性及び色調の観点から好ましい。
【0050】
上記以外の重合触媒に用いられるチタン化合物としては、主たる金属元素がチタン及びケイ素からなる複合酸化物や超微粒子酸化チタンを挙げることができる。重合反応性の点からは、これらは、アモルファスの粒子で、かつ平均粒子径として1μm未満であることが好ましく、さらには100nm以下であることが好ましい。平均粒子径が1μmを超えると、フィルムにコーティングした際に粗大突起となりやすい。
【0051】
また、本発明の水溶性ポリエステル組成物に含まれるアルカリ土類金属化合物としては、酢酸塩、蓚酸塩などを挙げることができ、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸ストロンチウム、蓚酸マグネシウム、蓚酸カルシウムなどを挙げることができる。この中でも、マグネシウム化合物であることが内部粒子を生成しにくく、異物低減の点から好ましい。
【0052】
このようなアルカリ土類金属化合物の含有量としては、水溶性ポリエステル組成物に対して、アルカリ土類金属元素として10〜100ppm(重量基準)であることが好ましく、さらには15〜60ppmであることが色調、異物低減の点から好ましい。10ppm未満であるとエステル交換反応、重合反応が遅延し、生産性が低下することがあり、100ppmを超えるとリン化合物と反応してリン酸塩を生成し、異物化しやすくなる。
【0053】
さらに、本発明の水溶性ポリエステル組成物はリン化合物を含んでいることが好ましい。このリン化合物は、ポリエステルの製造過程で添加することが多い。このようなリン化合物としてはリン酸系、亜リン酸系、ホスホン酸系、ホスフィン酸系、ホスフィンオキサイド系、亜ホスホン酸系、亜ホスフィン酸系、ホスフィン系のいずれか1種または2種であることが好ましい。具体的には、例えば、リン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリフェニル等のリン酸系、亜リン酸、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル等の亜リン酸系、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、イソプロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、トリルホスホン酸、キシリルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アントリルホスホン酸、2−カルボキシフェニルホスホン酸、3−カルボキシフェニルホスホン酸、4−カルボキシフェニルホスホン酸、2,3−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,4−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,6−ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,4−ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,4−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,5−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,6−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,4,5−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,4,6−トリカルボキシフェニルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチルエステル、メチルホスホン酸ジエチルエステル、エチルホスホン酸ジメチルエステル、エチルホスホン酸ジエチルエステル、フェニルホスホン酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸ジエチルエステル、フェニルホスホン酸ジフェニルエステル、ベンジルホスホン酸ジメチルエステル、ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、ベンジルホスホン酸ジフェニルエステル、リチウム(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)、ナトリウム(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)、マグネシウムビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)、カルシウムビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)、ジエチルホスホノ酢酸、ジエチルホスホノ酢酸メチル、ジエチルホスホノ酢酸エチル等のホスホン酸系化合物、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、メチルホスフィン酸、エチルホスフィン酸、プロピルホスフィン酸、イソプロピルホスフィン酸、ブチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、トリルホスフィン酸、キシリルホスフィン酸、ビフェニリルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ジメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジプロピルホスフィン酸、ジイソプロピルホスフィン酸、ジブチルホスフィン酸、ジトリルホスフィン酸、ジキシリルホスフィン酸、ジビフェニリルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アントリルホスフィン酸、2−カルボキシフェニルホスフィン酸、3−カルボキシフェニルホスフィン酸、4−カルボキシフェニルホスフィン酸、2,3−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,4−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,5−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,6−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、3,4−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、3,5−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,3,4−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、2,3,5−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、2,3,6−トリカルボキフェニルホスフィン酸、2,4,5−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、2,4,6−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、ビス(2−カルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(3−カルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(4−カルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3−ジカルボキルシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,4−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,5−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,6−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(3,5−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3,4−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3,5−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3,6−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,4,5−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、及びビス(2,4,6−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、メチルホスフィン酸メチルエステル、ジメチルホスフィン酸メチルエステル、メチルホスフィン酸エチルエステル、ジメチルホスフィン酸エチルエステル、エチルホスフィン酸メチルエステル、ジエチルホスフィン酸メチルエステル、エチルホスフィン酸エチルエステル、ジエチルホスフィン酸エチルエステル、フェニルホスフィン酸メチルエステル、フェニルホスフィン酸エチルエステル、フェニルホスフィン酸フェニルエステル、ジフェニルホスフィン酸メチルエステル、ジフェニルホスフィン酸エチルエステル、ジフェニルホスフィン酸フェニルエステル、ベンジルホスフィン酸メチルエステル、ベンジルホスフィン酸エチルエステル、ベンジルホスフィン酸フェニルエステル、ビスベンジルホスフィン酸メチルエステル、ビスベンジルホスフィン酸エチルエステル、ビスベンジルホスフィン酸フェニルエステル等のホスフィン酸系、トリメチルホスフィンオキサイド、トリエチルホスフィンオキサイド、トリプロピルホスフィンオキサイド、トリイソプロピルホスフィンオキサイド、トリブチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド系、メチル亜ホスホン酸、エチル亜ホスホン酸、プロピル亜ホスホン酸、イソプロピル亜ホスホン酸、ブチル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸等の亜ホスホン酸系、メチル亜ホスフィン酸、エチル亜ホスフィン酸、プロピル亜ホスフィン酸、イソプロピル亜ホスフィン酸、ブチル亜ホスフィン酸、フェニル亜ホスフィン酸、ジメチル亜ホスフィン酸、ジエチル亜ホスフィン酸、ジプロピル亜ホスフィン酸、ジイソプロピル亜ホスフィン酸、ジブチル亜ホスフィン酸、ジフェニル亜ホスフィン酸等の亜ホスフィン酸系、メチルホスフィン、ジメチルホスフィン、トリメチルホスフィン、メエルホスフィン、ジエチルホスフィン、トリエチルホスフィン、フェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のホスフィン系が挙げられ、これらのいずれか1種または2種であることが好ましい。特に熱安定性及び色調改善の観点から、リン酸系及び/またはホスホン酸系であることが好ましい。
【0054】
リン化合物の含有量としては、リン元素として水溶性ポリエステル組成物に対して5〜30ppmであることが好ましく、好ましくは7〜20ppmである(いずれも重量基準)。リンの含有量が5ppm未満である場合、ポリエステルの耐熱性、色調、耐ブロッキング性が低下することがあり、30ppmを超えると重合反応を遅延させたり、リン酸金属塩を生成して異物化しやすくなる。
【0055】
また上記各化合物を上記の如く所定量含み、かつ、下式(1)、(2)を同時に満足していることも好ましい。
【0056】
0.5≦Ti/P≦1.5 ・・・(1)
3≦M/P≦10 ・・・(2)
(ここで、
Ti:単位重量あたりのチタン元素のモル数
P :単位重量あたりのリン元素のモル数
M :単位重量あたりのアルカリ土類金属元素のモル数)
好ましくは、下式(3)、(4)を同時に満足していることである。
【0057】
0.7≦Ti/P≦1.2 ・・・(3)
5≦M/P≦7 ・・・(4)
Ti/Pが0.5未満である場合、重合反応が進行しない、あるいは遅延するなど、生産性が低下することがあり、1.5を超えると水溶性ポリエステル組成物の耐熱性、耐ブロッキング性が低下することがある。また、M/Pが3未満である場合、エステル交換反応、重合反応などが遅延し、生産性が低下することがあり、10を超えるとポリエステル組成物の耐熱性、耐ブロッキング性が低下することがある。
【0058】
本発明の水溶性ポリエステル組成物は、2重量%水溶液とした場合に、最大径が1μm以上の異物が1,000個/ml以下であり、好ましくは500個/ml以下、特には100個/ml以下であることが好ましい。最大径が1μm以上の異物が混入していると、フィルムにコーティングした場合に粗大突起となることがある。異物の生成を抑制する方法としては、例えば、上記したように、触媒化合物として、チタン化合物、アルカリ土類金属化合物、リン化合物を、それぞれチタン元素として0.1〜20ppm、アルカリ土類金属元素として10〜100ppm、リン元素として5〜30ppmとする(いずれも重量基準)ことが挙げられる。さらには、添加順序として、チタン化合物、アルカリ土類金属化合物を添加後10分以上経過後にリン化合物を添加する方法、もしくは、リン化合物添加後、20分以上経過後にチタン化合物、アルカリ土類金属化合物を添加する方法などがあり、中でもリン化合物がリン酸エステルである場合は、リン酸エステル添加後5分〜30分の間を避けてチタン化合物、アルカリ土類金属化合物を添加する方法が有効であり、リン酸を使用する場合は、同時期を避けてチタン化合物、アルカリ土類金属化合物を添加する方法が有効である。
【0059】
【実施例】
以下本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。実施例中の特性は次のようにして測定した。
【0060】
A.共重合ポリエステルの極限粘度:[η]
o−クロロフェノール溶媒を用い、25℃で測定した。
【0061】
B.触媒金属の含有量
P元素、Ti元素については蛍光X線分析法(堀場製作所社製、MESA−500W型)にて測定した。
【0062】
Mg元素については原子吸光法にて測定を行った。
【0063】
C.水溶性ポリエステルの水溶性
水溶性ポリエステル2gを水98g中に入れ、80℃、2時間攪拌溶解して冷却後、2μフィルターで濾過する。溶解状態および濾上物量によって共重合ポリエステルの水溶性を判定した。
【0064】
◎:水溶液は透明であり、濾上物は認められなかった。
【0065】
○:水溶液は透明あるいは僅かに白濁しているが、濾上物はほとんど認められなかった。
【0066】
△:水溶液はやや白濁しており、濾上物が認められた。
【0067】
×:溶解しにくい、あるいは水溶液は強く白濁しており、多量の濾上物が認められた。
【0068】
D.ポリマー中の異物
水溶性の評価で◎、○だったものについて、水溶性ポリエステルの表面を0.1N塩酸、純水(1μmメンブレンフィルターで濾過済みのもの)で洗浄、乾燥後、2gを計量し、純水98g中にいれ、80℃、2時間攪拌溶解して冷却後、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(シスメックス(株))にて最大径が1.0μm以上の異物について写真撮影し評価した。また、ブランクとして、純水を目開き1μmのメンブレンフィルターで濾過したものを測定したところ、n=5で平均12個/mlの異物が検出された。ブランクとサンプルの異物の個数差で評価した。
【0069】
E.接着性
水溶性ポリエステルの水溶液を塗布し、接着層を設けたフィルム面にダイフェラコートVD1654{大日精化工業(株)製}100重量部とスミジュールN75{住友バイエル(株)製}1重量部からなる塗料を乾燥後の厚みが5μmになるようにバーコーターで塗布、100℃で5分間乾燥して被覆層を設けた。該被覆層面にセロハン粘着テープを貼り、線圧50kg/cmのニップロールを通過させた後、180度方向に急速に剥離する。その時のセロハン粘着テープに付着した被覆層の面積((セロハン粘着テープに付着した被覆層の面積/被覆層の面積)×100(%))を求めた。
【0070】
F.耐ブロッキング性
水溶性ポリエステルの水溶液を塗布し、接着層を設けたフィルムの接着層面同士を重ね合わせたもの(a)および接着層を設けたフィルムの接着層面に接着層を設けてないフィルム面を重ね合わせたもの(b)(重ね合わせ面積:3cm×4cm)に500g/12cmの加重をかけて50℃,85%RH中で24時間放置した後、重ね合わせ部の剪断応力をテンシロン引張り試験機を用い、引張速度20cm/分で測定した。
【0071】
(参考例)
触媒A.クエン酸キレートチタン化合物の合成方法
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた3Lのフラスコ中に温水(371g)にクエン酸・一水和物(532g、2.52モル)を溶解させた。この撹拌されている溶液に滴下漏斗からチタンテトライソプロポキシド(288g、1.00モル)をゆっくり加えた。この混合物を1時間加熱、還流させて曇った溶液を生成させ、これよりイソプロパノール/水混合物を減圧下で蒸留した。その生成物を70℃より低い温度まで冷却し、そしてその撹拌されている溶液にNaOH(380g、3.04モル)の32重量/重量%水溶液を滴下漏斗によりゆっくり加えた。得られた生成物をろ過し、次いでエチレングリコール(504g、80モル)と混合し、そして減圧下で加熱してイソプロパノール/水を除去し、わずかに曇った淡黄色の生成物(Ti含有量3.85重量%)を得た。
【0072】
触媒B.乳酸キレートチタン化合物の合成方法
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた2Lのフラスコ中に撹拌されているチタンテトライソプロポキシド(285g、1.00モル)に滴下漏斗からエチレングリコール(218g、3.51モル)を加えた。添加速度は、反応熱がフラスコ内容物を約50℃に加温するように調節された。その反応混合物を15分間撹拌し、そしてその反応フラスコに乳酸アンモニウム(252g、2.00モル)の85重量/重量%水溶液を加えると、透明な淡黄色の生成物(Ti含有量6.54重量%)を得た。
【0073】
触媒C.チタンアルコキシド化合物の合成方法
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた2Lのフラスコ中に撹拌されているチタンテトライソプロポキシド(285g、1.00モル)に滴下漏斗からエチレングリコール(496g、8.00モル)を加えた。添加速度は、反応熱がフラスコ内容物を約50℃に加温するように調節された。その反応フラスコに、NaOH(125g、1.00モル)の32重量/重量%水溶液を滴下漏斗によりゆっくり加えて透明な黄色の液体を得た(Ti含有量4.44重量%)。
【0074】
(実施例1)
テレフタル酸ジメチル28.3重量部、イソフタル酸ジメチル23.3重量部、アジピン酸ジメチル12.7重量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル7.5重量部、エチレングリコール37.3重量部、ジエチレングリコール17.5重量部および酢酸マグネシウム0.035重量部、酢酸リチウム0.3重量部を加え、常法に従いエステル交換反応せしめたのち、チタン化合物(触媒A)をTi元素としてポリマーに対し10ppm、ジエチルホスホノ酢酸エチル0.035重量部を添加した。次いで徐々に昇温、減圧にし、最終的に280℃、1mmHg以下で重縮合反応を行い、共重合ポリエステルを得た。ポリマーの吐出方法は、金属バットに直接吐出し(水には非接触)、インゴットとする方法で行った。得られた共重合ポリエステルの組成をNMR(13C−NMRスペクトル)により測定した結果、酸成分はテレフタル酸40モル%、イソフタル酸33モル%、アジピン酸20モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸7モル%、グリコール成分はエチレングリコール65モル%、ジエチレングリコール35モル%であった。また、極限粘度は0.65、原子吸光法により求めた金属含有量はMg39ppm、Li190ppmであった。
【0075】
得られた水溶性ポリエステルの水溶性を評価したところ、ほぼ透明性であり、フィルター濾上物も認められなかった。また、異物の評価を行ったところ、検知された1μm以上の異物は50個/mlであった。
【0076】
一方、平均粒子径0.3μmの二酸化ケイ素を0.2重量%含有した極限粘度0.60のポリエチレンテレフタレートを十分に乾燥した後、押し出し機に供給して290℃で溶融し、T型口金よりシート状に押し出し、30℃の冷却ドラムで冷却固化せしめ未延伸フィルムを得た。次いで未延伸フィルムを95℃に加熱して縦方向に3.4倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。さらに、この一軸延伸フィルムの片面に上記で得た水溶性ポリエステルの水溶液を二軸延伸後において塗布厚みが0.1μmとなるようにグラビアコート方式で塗布した。続いて100℃に加熱して横方向に3.5倍延伸し、200℃で熱処理して接着層を有する厚さ15μmのポリエステルフィルムを得た。
【0077】
得られたフィルムと、該フィルムに水溶性ポリエステル水溶液を塗布しない以外は全く同様にして得られたフィルムとを、表面最大突起高さ、表面平均粗さを比較したところ、ほとんど差が見られず、表面特性に優れたフィルムであった。
【0078】
(実施例2)
チタン化合物、リン化合物を表1に示す通りに変更した以外は実施例1と同様にして水溶性ポリエステルを得た。得られた水溶性ポリエステルの組成、および物性は表1の通りである。
【0079】
(実施例3)
テレフタル酸ジメチル63.2重量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル、13.8重量部、エチレングリコール46.1重量部、酢酸マグネシウム0.035重量部、酢酸リチウム0.3重量部、IRGANOX1010(チバスペシャリティケミカルズ(株)社製)0.1重量部を加え、常法に従いエステル交換反応せしめたのち、PEG600を15重量部、参考例の触媒BをTi元素としてポリマーに対し10ppm、ジエチルホスホノ酢酸エチルを0.035重量部を添加した。次いで徐々に昇温、減圧にし、最終的に280℃、1mmHg以下で重縮合反応を行い、水溶性ポリエステルを得た。ポリマーの吐出方法は、金属バットに直接吐出し(水には非接触)、インゴットとする方法で行った。得られた水溶性ポリエステルの組成、および物性は表1の通りである。
【0080】
得られた水溶性ポリエステルについて、実施例1と同様の方法で塗布し、評価を行った。
【0081】
(比較例1)
テレフタル酸ジメチル83.6重量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル17.4重量部、エチレングリコール61.0重量部および酢酸カルシウム0.1重量部、三酸化アンチモン0.03重量部を加え、常法に従いエステル交換反応せしめたのち、リン酸トリメチル0.05重量部を添加した。次いで徐々に昇温、減圧にし、最終的に280℃、1mmHg以下で重縮合反応を行い、水溶性ポリエステルを得た。ポリマーの吐出方法は、金属バットに直接吐出し(水には非接触)、インゴットとする方法で行った。得られた水溶性ポリエステルの組成をNMR(13C−NMRスペクトル)により測定した結果、酸成分はテレフタル酸88モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸12モル%、グリコール成分はエチレングリコール83モル%、ジエチレングリコール17モル%であった。また、極限粘度は0.55、原子吸光法により求めた金属含有量はCa220ppmであった。
【0082】
得られた水溶性ポリエステル2gを水100g中に入れ、80℃、2時間攪拌溶解して冷却後、2μフィルターで濾過し、水溶性ポリエステル水溶液を得た。得られた水溶性ポリエステル水溶液は異物が多く、塗布後のフィルムは塗布前に比べて、粗大突起数が増加しており、表面特性が低下していた。
【0083】
(実施例4、6)
実施例1と同様の方法で表1および2に示すように酸成分、グリコール成分および金属化合物の種類、量を変更し、ポリエステルおよびフィルムを得た。実施例4、6は本発明の範囲内のものでありフィルムの接着性、耐ブロッキング性ともに良好であった。
【0084】
(実施例5、比較例2、3)
実施例3と同様の方法で表2および3に示すように酸成分、グリコール成分および金属化合物の種類、量を変更し、ポリエステルおよびフィルムを得た。
【0085】
実施例5は本発明の範囲内のものであり、耐ブロッキング性は若干劣るものの、接着性が良好であった。
【0086】
一方、表3に示すように、比較例2は触媒にアンチモン化合物を使用し、かつ、脂肪族ジカルボン酸量が本発明の範囲外であり、フィルムの接着性は良好であるものの、耐ブロッキング性に劣り、異物量が多かった。また、比較例3はチタン金属量が本発明の範囲外であり、異物量が多かった。
【0087】
さらに、比較例1〜3においては、塗布後のフィルムは、塗布前のフィルムに比べ最大突起高さ、表面平均粗さともに大きくなっており、表面特性が塗布前のフィルムに比べて低下していた。
【0088】
【表1】
Figure 2004331830
【0089】
【表2】
Figure 2004331830
【0090】
【表3】
Figure 2004331830
【0091】
【発明の効果】
本発明によれば、接着性、耐ブロッキング性に優れ、かつ異物が少なく、磁気記録材料、各種写真材料、包装材料、電気絶縁材料、一般工業材料などに使用される基材フィルムのコーティング剤などに好適に用いることができ、特に磁気記録材料に使用される基材フィルムのコーティング剤に好適に用いられるポリエステル組成物を提供することができる。

Claims (10)

  1. 全カルボン酸成分に対してテレフタル酸成分が30〜90モル%、スルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸成分が1〜40モル%、炭素数4〜10の直鎖状脂肪族ジカルボン酸成分が0〜30モル%であり、かつ、スルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸成分と炭素数4〜10の直鎖状脂肪族ジカルボン酸成分の合計量が10〜70モル%であり、グリコール成分としてエチレングリコールおよび/またはジエチレングリコールを含み、2重量%水溶液としたときに存在する最大径が1μm以上の異物数が1,000個/ml以下である水溶性ポリエステル組成物。
  2. チタン化合物、アルカリ土類金属化合物およびリン化合物を含有し、チタン元素の含有量(重量)が0.1〜20ppm、アルカリ土類金属元素の含有量(重量)が10〜100ppm、リン元素の含有量(重量)が5〜30ppmであり、かつ、下記式(1)、(2)を満足する、請求項1に記載の水溶性ポリエステル組成物。
    0.5≦Ti/P≦1.5 ・・・(1)
    3≦M /P≦10 ・・・(2)
    (ここで、
    Ti:単位重量あたりのチタン元素のモル数
    P :単位重量あたりのリン元素のモル数
    M :単位重量あたりのアルカリ土類金属元素のモル数)
  3. 数平均分子量が300〜1,000のポリアルキレングリコールを水溶性ポリエステル組成物に対して5〜20重量%含有し、かつ、ヒンダートフェノール系酸化防止剤を水溶性ポリエステル組成物に対して0.05〜1重量%含有する、請求項1または2に記載の水溶性ポリエステル組成物。
  4. ポリエステルの構成単位として、イソフタル酸成分を全カルボン酸成分に対して20〜40モル%含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の水溶性ポリエステル組成物。
  5. ポリエステルの構成単位として、ジエチレングリコール成分を全グリコール成分に対して10〜40モル%含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の水溶性ポリエステル組成物。
  6. チタン化合物が以下に示す式(I)〜(VI)で表される官能基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有している、請求項1〜5のいずれかに記載の水溶性ポリエステル組成物。
    Figure 2004331830
    Figure 2004331830
    Figure 2004331830
    Figure 2004331830
    Figure 2004331830
    Figure 2004331830
    (ただし、式(I)〜(VI)において、R〜Rはそれぞれ独立に以下に示すいずれかの基。
    水素
    炭素数1〜30の有機基)
  7. 式(I)〜(III)のR〜Rがそれぞれ独立に水素または炭素数1〜30の有機基である、請求項6に記載の水溶性ポリエステル組成物。
  8. 式(I)〜(III)のR〜Rのうちの少なくとも1つが、水酸基、カルボニル基、アセチル基、カルボキシル基およびエステル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有する炭素数1〜30の有機基である、請求項6に記載の水溶性ポリエステル組成物。
  9. 式(I)のR〜Rのうちの少なくとも1つが、カルボキシル基またはエステル基を置換基として有する炭素数1〜30の有機基である、請求項8に記載の水溶性ポリエステル組成物。
  10. 式(IV)のRが炭素数1〜30の炭化水素基、または、水酸基、カルボニル基、アセチル基、カルボキシル基およびエステル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有する炭素数1〜30の有機基である、請求項6に記載の水溶性ポリエステル組成物。
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