JP2004331651A - 外用剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】皮膚刺激の少ない外用の血行促進剤又は皮膚刺激の少ない外用の脂肪分解促進剤、ならびに皮膚刺激の少ない、血行促進作用又は脂肪分解促進作用のある皮膚外用剤を提供する。
【解決する手段】外用血行促進剤又は外用脂肪分解促進剤については、有効成分としてノナン酸バニリルを用いる。また外用組成物としてはノナン酸バニリルを血行促進効果又は外用脂肪分解促進剤を発揮する態様で用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、外用の血行促進剤及び外用の脂肪分解促進剤に関する。より詳細には、本発明は皮膚刺激の少ない外用の血行促進剤及び外用の脂肪分解促進剤に関する。さらには外用組成物に関する。
従来より、カプサイシン、ジンゲロール、及びショウガロール等の化合物にはその末梢血管拡張作用に基づいて優れた血行促進作用があることが知られており、これらの化合物並びに当該化合物を含む、例えば唐辛子末、唐辛子チンキ、唐辛子エキス、及び生姜エキス等の植物の加工物は、血行促進剤として広く応用されている(例えば、特許文献1等参照のこと)。
しかしながら、これらカプサイシンなどの化合物は強い皮膚刺激性を有しており、この刺激性を低減するために使用量を減少すると血行促進効果が低下するという問題を有している。このため、従来より皮膚刺激性を低減しながらも優れた血行促進作用を有する薬剤の開発が求められており、例えば、特定のフェニルシクロアルキルエーテル誘導体、メトキシフェニルアルキルエーテル誘導体、並びにメトキシ基置換フェニルアルコキシアルキルエーテル誘導体がこうした目的を達成し得る血行促進剤として提案されている(例えば、特許文献2〜4等参照のこと)。
特開昭57−9729号公報 特開2001−213717号公報 特開2001−316317号公報 特開2001−322931号公報 特開2002−114676号公報 特開2001−26538号公報 特開平11−246478号公報
本発明の目的は、良好な血行促進作用を有しながらも皮膚への刺激性が少ない新規の外用血行促進剤、及び良好な脂肪分解促進作用を有しながらも皮膚への刺激性が少ない新規の外用脂肪分解促進剤を提供することである。さらに、本発明は皮膚刺激性が少なく良好な血行促進作用及び脂肪分解促進作用を有する外用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、日夜鋭意研究を重ねていたところ、カプサイシノイド様化合物であるノナン酸バニリルが外用で優れた血行促進効果及び優れた脂肪分解促進効果を発揮し、しかも皮膚に対する刺激性が少ないことを見いだした。そして当該ノナン酸バニリルは、その免疫賦活作用、エネルギー代謝活性作用、肥満抑制作用、体脂肪蓄積抑制作用、アドレナリン分泌促進作用、並びに血中グルコース増加作用等に基づいて、従来より食品や経口薬剤等の経口摂取される用途が提案されているものの(例えば、特許文献5〜7等参照のこと)、皮膚に対する低刺激性並びに外用剤としての用途は知られていないことを確認し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記に掲げるものである:
項1.ノナン酸バニリルを有効成分とする外用血行促進剤。
項2.ノナン酸バニリルを有効成分とする外用脂肪分解促進剤。
項3.項1記載の外用血行促進剤を含有する外用組成物。
項4.項2記載の外用脂肪分解促進剤を含有する外用組成物。
項5.皮膚化粧料、頭皮化粧料、入浴剤、医薬外用剤または点眼剤である項3又は項4に記載する外用組成物。
(1)外用血行促進剤
本発明の外用血行促進剤は、下式:
Figure 2004331651
で示されるノナン酸バニリルを有効成分として含有することを特徴とする。
当該ノナン酸バニリルは公知の化合物であり、常法に従って調製することができる。具体的には、例えばノナン酸クロライドとバニリルアルコール(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジルアルコール)を出発原料として用いて、慣用の方法に従ってエステル化反応させることによって容易に調製することができる。具体的には、後述する参考例に記載する方法に従って製造することができる。但し、かかる方法に制限されるものではない。
斯くして得られるノナン酸バニリルは、皮膚や粘膜等に経皮適用ないし経粘膜適用した場合に良好な血行促進効果を発揮し、しかも皮膚等に対して刺激性が抑制されて、刺激性を感じないか若しくは低減されてなるという外用血行促進剤として適した特性を備えている。
このようなノナン酸バニリルは、外用血行促進剤の有効成分として有効に利用することができる。なお、本発明の外用血行促進剤はノナン酸バニリルを有効成分とするものであればよく、本発明の効果を損なわない限り、他の成分を含有することを妨げるものではない。
例えばかかる他の成分としては、本発明の有効成分と同様に皮膚への刺激性がなく血行促進効果を有する各種の植物エキスを挙げることができる(特開平9−268118号公報、特開平10−226621号公報等参照)。具体的な植物エキスとしては、ユズ、シナノキ、ボダイジュ、イチョウ、マロニエ、ブッチャーブルーム等を挙げることができる。また、添加剤や希釈剤として、多価アルコール等のアルコール類、油性成分、無機粉体、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、香料、色素などを例示することができる。
本発明の外用血行促進剤に含まれるノナン酸バニリルの割合は、本発明の効果を奏することを限度として特に制限されないが、例えば0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上を例示することができる。なお、本発明の外用血行促進剤はノナン酸バニリルだけからなるものであってもよく、ゆえにノナン酸バニリルの割合の上限は100重量%である。
(2)外用脂肪分解促進剤
上記ノナン酸バニリルはまた、皮膚や粘膜等に経皮適用ないし経粘膜適用した場合に良好な脂肪分解促進効果を発揮し、しかも皮膚等に対して刺激性が抑制されて、刺激性を感じないか若しくは微弱な外用脂肪分解促進剤として適した特性を備えている。
本発明の脂肪分解促進剤は、ノナン酸バニリルを有効成分とするものであればよく、本発明の効果を損なわない限り、他の成分を含有することができる。例えば、かかる成分としては、ノナン酸バニリルと同様に脂肪分解促進作用を有する又は増強するものを使用してもよい。このような成分として、キサンチン誘導体、βアドレナリン作用興奮薬、α2アドレナリン作用抑制薬等を挙げることができる。また、添加剤や希釈剤としては、(1)で述べたものと同様のものを使用することができる。
ノナン酸バニリルを本発明の脂肪分解促進剤に使用する場合には、脂肪分解促進剤中に含まれるノナン酸バニリルの割合は、脂肪分解促進効果を奏することを限度として特に制限されないが、例えば0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上を例示することができる。なお、本発明の外用脂肪分解促進剤はノナン酸バニリルだけからなるものであってもよく、ゆえにノナン酸バニリルの割合の上限は100重量%である。
(3)外用組成物(血行促進)
上記ノナン酸バニリルは、血行促進を目的もしくは作用とする外用組成物の成分として使用することもできる。ここでいう外用組成物の例としては、例えば末梢血行障害に起因する例えばしもやけ、冷え性、手足のしびれ、むくみ、レイノー症、肩や首のこり、及び抜け毛(頭髪)等の各種疾患や病態(症状)に対する予防及び治療用の皮膚外用剤、血行を促進することで病態の改善を促進するための皮膚外用剤〔例えば、筋肉痛等のように血行不全が少なからず病態の改善の妨げになっているような疾患や病態(症状)の改善のための皮膚外用剤〕、または血行を促進して有効成分の経皮吸収性や薬効を促す作用を有する皮膚外用剤などの外用医薬組成物;眼の充血や疲れ目の抑制または改善作用を有する点眼剤、または眼の血行を促進して有効成分の経皮吸収性や薬効促進を促す作用を有する点眼剤;頭皮の血行を促進する作用を有する頭皮化粧料、または頭皮の血行を促進して有効成分の頭皮吸収性を促す作用を有する頭皮化粧料;血行を促進して温感作用または代謝を促す作用を有する皮膚化粧料、血行を促進して有効成分の経皮吸収性を促す作用を有する皮膚化粧料等を例示することができる。
ゆえに、本発明はノナン酸バニリルを含有する外用組成物を提供するものである。本発明の外用組成物は、ノナン酸バニリルを有効成分として別個単独に配合して調製してもよいし、またノナン酸バニリルを含む上記本発明の血行促進剤を外用組成物の有効成分として配合して調製することもできる。
外用組成物としては、具体的には上記の皮膚化粧料、頭皮化粧料、入浴剤(浴用剤)、外用医薬品、点眼剤等を挙げることができる。外用医薬品としては、例えば、本発明の目的及び効果を妨げないことを限度に、ノナン酸バニリル以外に他の薬効成分を含有してもよい各種軟膏、クリーム、ゲル、ローション、エアゾール剤、またはパップ剤等を挙げることができる。なお、軟膏剤とする場合には、油性基剤をベースとするもの、水中油型又は油中水型の乳化系基剤をベースとするもののいずれであっても良く、油性基剤としては、例えば、植物油、動物油、合成油、脂肪酸、エステル類、高級アルコール及び天然又は合成のグリセライド等が挙げられる。これらは製剤の形態に応じて常法に従って調製することができ、また常法に従って使用することができる。
ここで薬効成分としては、特に制限はなく、例えば、鎮痛消炎剤、鎮痒剤、殺菌消毒剤、収斂剤、皮膚軟化剤、ホルモン剤、温感付与剤、冷感付与剤、保湿剤等を必要に応じて適宜使用することができる。
また皮膚化粧料または頭皮化粧料は、種々の形態、例えば油中水型又は水中油型の乳化型(クリーム、乳液)、ペースト状、ジェル状、エアゾール状、固形等の油性又は水性の化粧料とすることができる。皮膚化粧料として具体的には、クリーム、乳液、化粧水、美容液、口紅、ファンデーション、ローション、マッサージ剤、皮膚洗浄剤(液体石鹸、固形石鹸)等を挙げることができる。また頭皮化粧料としては、頭皮に適用されるものであれば特に制限はなく、例えば、ヘアトニック、整髪料、ヘアスタイリング剤、シャンプー、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー、ヘアリンス、ヘアマッサージ剤、養毛剤、育毛剤等を挙げることができる。
入浴剤としては、水又は湯に添加することにより適用されるものであれば特に制限はなく、例えば、粉末状、細粒状の入浴剤を使用することもできるし、液状(水溶液、油中水型又は水中油型の乳化型)の入浴剤を使用することもできる。
さらに点眼剤は溶液の状態であっても、また眼軟膏のようにクリームやゲル等のようにペースト状態を有するものであってもよい。なお、これらの皮膚化粧料、頭皮化粧料並びに点眼剤は製品形態に応じて常法に従って調製することができ、また常法に従って使用することができる。
本発明の外用組成物における外用血行促進剤、具体的には、その有効成分であるノナン酸バニリルの含有量は、本発明の効果を奏することを限度として特に制限されない。下限として通常0.1重量%、好ましくは1重量%、より好ましくは10重量%を挙げることができる。上限も特に制限されず外用組成物の種類や目的、並びに形状に応じて適宜選択することができる。通常80重量%以下、好ましくは50重量%以下の割合を挙げることができる。
なお、本発明の外用組成物に配合する担体は、ノナン酸バニリルとの相溶性並びに安定性の点から、疎水性(無極性)の基剤または溶媒であることが望ましい。かかる基剤または溶媒としては、具体的にはワセリン(黄色ワセリン、白色ワセリン)、パラフィン、流動パラフィン、形質流動パラフィン、ミツロウ、サラシミツロウ、鯨ロウ、豚脂、牛脂、ラノリン(加水ラノリン、精製ラノリン)、オリーブ油、ゴマ油、ダイズ油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ラッカセイ油、ヒマシ油、スクワラン、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、イソステアリン酸、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、オレイン酸エステル、リノール酸エステル、及びリノレン酸エステルを例示することができる。
(4)外用組成物(脂肪分解促進)
また、ノナン酸バニリルは、脂肪分解促進を目的もしくは作用とする外用組成物の成分として使用することもできる。ここでいう外用組成物としては、新陳代謝を促進し、肥満の改善、高脂血症の予防又は改善、体の全体又は部分を細くする、セルライトを除去するための外用医薬組成物、皮膚化粧料、入浴剤等を例示することができる。
皮膚化粧料としては、種々の形態、例えば油中水型又は水中油型の乳化型(クリーム、乳液)、ペースト状、ジェル状、エアゾール状、固形等の油性又は水性の化粧料とすることができる。より具体的には、クリーム、乳液、化粧水、美容液、口紅、ファンデーション、ローション、マッサージ剤、皮膚洗浄剤(液体石鹸、固形石鹸)等を挙げることができる。また、入浴剤としては、水又は湯に添加することにより適用されるものであれば特に制限はなく、例えば、粉末状、細粒状の入浴剤を使用することもできるし、液状(水溶液、油中水型又は水中油型の乳化型)の入浴剤を使用することもできる。
より詳細には、例えば、当該外用組成物を、痩せたい部分又は全身に、塗布、噴霧、貼付等することにより、脂肪の分解を促進することができる。
塗布する場合には、肌に擦り込むようにして塗布することにより、噴霧する場合には、噴霧した後に当該外用組成物を肌に擦り込むことにより、より高い脂肪分解促進効果を得ることができる。また、皮膚洗浄剤として使用する場合、体を洗浄しながら脂肪の分解を促進することができる。さらに、入浴剤として使用する場合には、お湯につかることで痩せることができる。お湯につかりながらマッサージを施すことにより、より高い脂肪分解促進効果を得ることができる。
本発明の外用組成物におけるノナン酸バニリルの含有量は、本発明の効果を奏することを限度として特に制限されない。下限として通常0.1重量%、好ましくは1重量%、より好ましくは10重量%を挙げることができる。上限も特に制限されず外用組成物の種類や目的、並びに形状に応じて適宜選択することができる。通常80重量%以下、好ましくは50重量%以下の割合を挙げることができる。なお、本発明の外用組成物に配合する担体は、上記(3)で示したものと同様のものが使用できる。
ノナン酸バニリルを有効成分とする本発明の外用血行促進剤、並びにノナン酸バニリルをその血行促進作用が発揮される態様で含有する本発明の外用組成物は、皮膚または眼に適用した場合に良好な血行促進効果を発揮する。また、ノナン酸バニリルを有効成分とする本発明の外用脂肪分解促進剤、並びにノナン酸バニリルをその脂肪分解促進作用が発揮される態様で含有する本発明の外用組成物は、皮膚に適用した場合に良好な脂肪分解促進効果を発揮する。さらに、皮膚などに対して刺激性が少ないという優れた特徴を備えている。
以下、本発明を実験例ならびに実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実験例などによって何ら制限されるものではない。
参考例1 ノナン酸バニリルの製造
文献Journal of Medicinal Chemistry 1993, Vol. 36, No. 16 p.2337の記載に従って、下記の方法によりノナン酸バニリルを製造した。
Figure 2004331651
4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジルアルコール(化合物(1))2g(14.5mmol) と酢酸エチル10mlを仕込み、トリエチルアミン2.9g(29mmol)を加えて氷冷した。そこにノナン酸クロライド5.1g(29mmol)の酢酸エチル20ml溶液を滴下し、撹拌して反応させた。得られた反応液をろ過後、ろ液を、洗浄液として2N-塩酸50ml、水、飽和塩化ナトリウムのそれぞれを用いて順次洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて脱水乾燥した。黄色い油状物質として3-メトキシ-4-ノナノイルオキシベンジルノナン酸エステル(化合物(2)) 2.3g(収率40.5%)を得た。
ついで、ピロリジンのエチレン溶液で処理して保護基(ノナノイル基)をはずし、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 展開溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル= 1/1)により精製し、ノナン酸バニリル(化合物(3)) 0.84g(収率19.8%)を得た。得られたノナン酸バニリルの1H-NMRデータを下記に示す。
1H NMR(300MHz CDCl3):δ0.9(3H, t, alkyl CH3), 1.25(12H, env, alkyl CH2), 2.35(2H, t, CH2CO), 3.85(3H, s, ArOCH3), 5.02(2H, s, ArCH2OCO), 5.9(1H, brs, ArOH), 6.85(3H, m, ArH)
上記で調製したノナン酸バニリル(99%以上)を用いて下記の試験(試験例1)を行った。
試験例1(血行促進効果)
ノナン酸バニリルを皮膚に適用した場合の血行促進効果を、下記に記載するようにラットを用いて評価した。なお、被験サンプルは実施例として参考例1で調製したノナン酸バニリル(実施例1)を用い、比較例としてノニル酸ワニリルアミド(東洋ファルマー社製・99%以上)の0.1重量%溶液(比較例1)、コントロールとしてエタノール/水混合溶液(1:1(w/w)の等量混合液)(コントロール1)を用いた。ここでノニル酸ワニリルアミドは、皮膚に対する血行促進作用が知られた化合物であり、陽性コントロールとして用いた。上記においてノニル酸ワニリルアミドの0.1重量%溶液はエタノール/水の等量混合液(1:1(w/w))で調製した溶液である。
ラット(雄性、9週齢)は、試験前日に予め電気シェーバー及び除毛クリームを用いて背部の毛を除いておいた。試験当日、上記ラットをエーテル麻酔して、レーザードップラー血流計を背部に装着し、被験サンプル塗布前の定常血流量を測定した。次に血流プローブを一旦はずし、背部に被験サンプルをそれぞれ10μL/cm2の割合で塗布した(各被験サンプルについて、5匹を対象として実施)。塗布後、背部塗布領域に再び血流プローブを貼り付け血流量を連続的に測定した。塗布15〜20分後の血流量から平均血流量を求め、先に測定しておいた定常血流量(100%)に対する相対値(%)を求めた。その結果を表1に示す。
Figure 2004331651
表1の結果からわかるように、ノナン酸バニリルを塗布した場合、陽性コントロールであるノニル酸ワニリルアミドと同様に塗布背部の血流量は有意に上昇していた。このことから、ノナン酸バニリルには、皮膚に適用することによって血流を上昇させ、血行を促進する効果があることが確認された。
試験例2(脂肪分解促進効果)
ノナン酸バニリルを皮膚に適用した場合の脂肪分解促進効果を、下記に記載するようにラットを用いて評価した。なお、被験サンプルは実施例として参考例1で調製したノナン酸バニリル(実施例1)を用い、比較例としてアミノフィリン(ICN社製 Cat. No. 190144)の2重量%溶液(比較例2)、コントロールとしてエタノール/水混合溶液(1:1(W/W)の等量混合液)(コントロール1)を用いた。ここでアミノフィリンは、皮膚適用で脂肪分解作用が知られた化合物であり、陽性コントロールとして用いた。上記においてアミノフィリンの2重量%溶液はエタノール/水の等量混合液(1:1(W/W))で調製した溶液である。
ラット(雄性、11週齢)は、試験前日に予め電気シェーバー及び除毛クリームを用いて腹部の毛を除いておいた。試験当日、上記ラットの腹部に被験サンプルを250μl、できるだけ広範囲に塗布し、塗布20分後にエーテル麻酔下で開腹の後、腹大静脈より採血を行った(各被験サンプルについて、5匹を対象として実施)。採取血から血清を分離し、血清中の遊離脂肪酸量をNEFA C-テストワコー(和光純薬)にて測定した。エタノール/水混合溶液(1:1(W/W)の等量混合液)(コントロール)に対するその相対値(%)を求めた。その結果を表2に示す。
Figure 2004331651
表2の結果からわかるように、ノナン酸バニリルを塗布した場合、陽性コントロールであるアミノフィリンと同様に血中の遊離脂肪酸量はエタノール/水混合溶液(1:1(W/W)の等量混合液)を塗布した場合に比べて有意に上昇していた。脂肪は分解されると遊離脂肪酸とグリセロールを生成するため、ノナン酸バニリルには、皮膚に適用することによって血中遊離脂肪酸濃度を上昇させ、脂肪を分解する効果があることが確認された。
試験例3(皮膚刺激性)
ノナン酸バニリルの皮膚に対する刺激性を、下記に記載するようにラットを用いて評価した。なお、被験サンプルは実施例として参考例1で調製したノナン酸バニリル(実施例1)を用い、比較例としてノニル酸ワニリルアミド(東洋ファルマー社製・99%以上)の0.1重量%溶液(比較例1)、コントロールとしてエタノール/水混合溶液(1:1(w/w)の等量混合液)(コントロール1)を用いた。
ラット(雄性、10週齢)は、試験前日に予め電気シェーバー及び除毛クリームを用いて両腋部の毛を除いておいた。試験当日、上記ラットについて、一方の腋部に対して上記各被験サンプルを20μlずつ塗布し、他一方の腋部は何も処置しなかった(各被験サンプルについて、3匹を対象として実施)。塗布直後から塗布1時間までの間で、塗布した腋部側と無処理の腋部側への振り向き回数をそれぞれ計測し、塗布側振り向き回数から無処理側振り向き回数を差し引いた数値を求め、これを塗布による皮膚刺激性を判定する指標とした。その結果を表3に示す。
Figure 2004331651
その結果、表3に示すように、参考例1で調製したノナン酸バニリルはノニル酸ワニリルアミド(東洋ファルマー社製・99%以上)0.1%とほぼ同等の血行促進作用があるのに対し、皮膚に対する刺激性は約1/3に低減されており、皮膚に対する刺激性が極めて少ないことが判明した。
以上試験例1、試験例2及び試験例3の結果から、ノナン酸バニリルは皮膚への刺激性が少ない血行促進剤及び脂肪分解促進剤として有用であることがわかる。
実施例2
下記の処方に従って、軟膏状の皮膚外用医薬組成物(軟膏剤)を調製した。この軟膏剤は、皮膚に塗布することにより、血行促進剤としても脂肪分解促進剤としても使用することができる。
白色ワセリン 250.00g
ステアリルアルコール 220.00g
プロピレングリコール 120.00g
ラウリル硫酸ナトリウム 15.00g
パラオキシ安息香酸メチル 0.25g
パラオキシ安息香酸プロピル 0.15g
ノナン酸バニリル 10.00g
精製水 残 部
合 計 1000.00g。
実施例3
下記の処方に従って、クリーム状の皮膚化粧料を調製した。この皮膚化粧料は、皮膚に塗布することにより、血行促進剤としても脂肪分解促進剤としても使用することができる。
ステアリン酸 20g
ステアリルアルコール 70g
還元ラノリン 20g
スクワラン 50g
オクチルドデカノール 60g
ポリオキシエチレンセチルエーテル(25E.O.) 30g
親油型モノステアリン酸グリセリン 20g
ノナン酸バニリル 10g
香料 3g
防腐剤 適 量
酸化防止剤 適 量
プロピレングリコール 50g
精製水 残 部
合 計 1000g。
実施例4
下記の処方に従って、液状の消炎鎮痛剤(皮膚外用組成物:液剤)を調製した。この液剤は、皮膚に塗布することにより、より効果の高い消炎鎮痛剤として、また、脂肪分解促進作用を有する消炎鎮痛剤として使用することができる。
L−メントール 30g
アジピン酸ジイソプロピル 50g
プロピレングリコール 100g
ラウロマクロゴール 30g
精製水 270g
ノナン酸バニリル 10g
イソプロパノール 残 部
合 計 1000g。

Claims (4)

  1. ノナン酸バニリルを有効成分とする外用血行促進剤。
  2. ノナン酸バニリルを有効成分とする外用脂肪分解促進剤。
  3. 請求項1記載の外用血行促進剤又は請求項2記載の外用脂肪分解促進剤を含有する外用組成物。
  4. 皮膚化粧料、頭皮化粧料、入浴剤、医薬外用剤または点眼剤である請求項3に記載する外用組成物。
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JP2007145793A (ja) * 2005-02-01 2007-06-14 Ajinomoto Co Inc 血行促進外用剤及びこれを含有してなる皮膚毛髪用化粧料及び入浴剤
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