JP2004331155A - 液体の貯蔵・運搬用容器およびそれを用いた液体の貯蔵・運搬方法 - Google Patents

液体の貯蔵・運搬用容器およびそれを用いた液体の貯蔵・運搬方法 Download PDF

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Yasuo Sakai
井 靖 男 坂
Kenichi Okamura
村 賢 一 岡
Kunihiko Iwahara
原 邦 彦 岩
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Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Abstract

【課題】容器本体に収納した被収納物質が、貯蔵・運搬の際に、酸化、変色、固化、腐敗、潮解など品質が劣化することがない品質劣化防止機能に優れた液体の貯蔵・運搬用容器およびそれを用いた液体の貯蔵・運搬方法を提供する。
【解決手段】被収容物質を収容する容器本体と、容器本体の上部に設けた開閉自在な蓋部材と、蓋部材の裏側に、該蓋部材に着脱自在に装着した品質劣化防止剤収納容器と、品質劣化防止剤収納容器に交換可能に収納した品質劣化防止剤とを備え、品質劣化防止剤収納容器に、容器本体の内部と品質劣化防止剤収納容器の内部とを連通する連通孔が形成されていることを特徴とする液体の貯蔵・運搬用容器である。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体の貯蔵・運搬用容器およびそれを用いた液体の貯蔵・運搬方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、産業の発達とともに多様化する物流のために、資源保護および廃棄物処理の観点から、洗浄可能で再使用可能なプラスチック製の運搬容器内に、例えば、石油、塗料、食用油、アミノ酸などの液体、固体、小麦粉などの粉粒体などの被収容物質を収容して、貯蔵・運搬する方法が行われている。
【0003】
しかしながら、このような被収容物質は、貯蔵・運搬の際に、空気中の酸素などの影響によって酸化したり、変色したり、臭いがついたり、固化したり、さらには、湿気、水分などによって、腐敗、潮解などが発生してしまい、その品質が劣化することがある。
【0004】
このため従来より、特許文献1に開示されるように、錠剤などの容器においては、容器の蓋の裏側に乾燥剤や脱酸素剤を収容する収容部分を固着して、錠剤が水分などによって、潮解するのを防止することが行われている。
【0005】
しかしながら、このような錠剤用容器では、脱酸素剤を収容する収容部分を固着しているので、脱酸素剤の機能が低下した場合には、脱酸素剤を交換することは不可能であり、繰り返し使用することができないものである。
【0006】
また、従来、上記したようなプラスチック製の運搬容器では、いずれも、このような被収容物質の劣化を防止する機能を有していないのが実情である。
【0007】
例えば、リジンなどのアミノ酸を国内物流、海外物流のために、プラスチック製の運搬容器内に収納して、貯蔵・運搬することが考えられるが、リジンは溶液状の場合、酸素に触れると黒色に変色してしまい、商品価値が低下することになる。
【0008】
このため、このようなリジン溶液を収容したプラスチック容器内に、ガス透過性のフィルムに封入した脱酸素剤を直接、投入することが考慮されるが、本発明者等の実験によれば、均一に脱酸素効果が得られず、変色が生じてしまうという問題があった。
【0009】
また、脱酸素剤を装着したキャップで容器を密封して液体食品を保存する方法も知られている(特許文献2参照)。しかし、この方法を用いても、経時的にあるいは振動などによる液体食品の付着により、品質劣化防止機能が低下するという問題がある。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−97438号公報
【特許文献2】
特開平5−305960号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような現状に鑑み、容器本体に収納した被収納物質が、貯蔵・運搬の際に、酸化、変色、固化、腐敗、潮解など品質が劣化することがない品質劣化防止機能に優れた液体の貯蔵・運搬用容器およびそれを用いた液体の貯蔵・運搬方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、品質劣化防止剤の品質劣化防止機能が劣化した場合にも、品質劣化防止剤を交換可能で、繰り返し使用することが可能な品質劣化防止機能を備えた液体の貯蔵・運搬用容器およびそれを用いた液体の貯蔵・運搬方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述したような従来技術における課題および目的を達成するために発明されたものであって、本発明の液体の貯蔵・運搬用容器は、液体の被収容物質を収容する容器本体と、
前記容器本体の上部に設けた開閉自在な蓋部材と、
前記蓋部材の裏側に、該蓋部材に着脱自在に装着した品質劣化防止剤収納容器と、
前記品質劣化防止剤収納容器に交換可能に収納した品質劣化防止剤とを備え、
前記品質劣化防止剤収納容器に、容器本体の内部と品質劣化防止剤収納容器の内部とを連通する連通孔が形成されていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の液体の貯蔵・運搬方法は、被収容物質を収容する容器本体と、
前記容器本体の上部に設けた開閉自在な蓋部材と、
前記蓋部材の裏側に、該蓋部材に着脱自在に装着した品質劣化防止剤収納容器と、
前記品質劣化防止剤収納容器に交換可能に収納した品質劣化防止剤とを備え、
前記品質劣化防止剤収納容器に、容器本体の内部と品質劣化防止剤収納容器の内部とを連通する連通孔が形成されている液体の貯蔵・運搬用容器を用いて、
その容器本体内に液体の被収容物質を収容するとともに、
前記蓋部材を前記容器本体の上部に閉蓋し、
この状態で貯蔵・運搬用容器を運搬することを特徴とする。
【0015】
このように構成することによって、容器本体内に被収容物質を収容するとともに、品質劣化防止剤収納容器内に品質劣化防止剤を収容して、蓋部材の裏側に品質劣化防止剤収納容器を装着して、この蓋部材を容器本体の上部に閉蓋し、この状態で貯蔵・運搬用容器を運搬するだけで、貯蔵・運搬中に、この品質劣化防止剤収納容器に形成した連通孔を介して、例えば、容器本体内に残存する酸素が、品質劣化防止剤収納容器内に浸入して、脱酸素剤などの品質劣化防止剤に接触することによって、脱酸素剤によって除去されるので、容器本体内に収納した被収容物質が劣化することがない。
【0016】
しかも、この品質劣化防止剤収納容器内に品質劣化防止剤の機能が低下したり、繰り返し貯蔵・運搬に使用する際には、蓋部材を容器本体から開蓋して、蓋部材の裏側に装着した品質劣化防止剤収納容器を蓋部材から取り外すことによって、品質劣化防止機能が劣化した品質劣化防止剤を新しい品質劣化防止剤、または、容器本体内に収容する被収容物質の種類に応じた品質劣化防止剤に、簡単に交換することができ極めて便利で、繰り返しの使用が可能である。
【0017】
また、本発明では、前記連通孔が、前記品質劣化防止剤収納容器の側部に形成されていることを特徴とする。
【0018】
このように、連通孔が品質劣化防止剤収納容器の側部に形成されていることによって、品質劣化防止剤収納容器の側部に形成した連通孔を介して、例えば、容器本体内に残存する酸素が、品質劣化防止剤収納容器内に浸入し易く、脱酸素剤などの品質劣化防止剤に接触し易いので、品質劣化防止効率が向上することになる。
【0019】
また、本発明では、前記連通孔が、前記品質劣化防止剤収納容器の底部に形成されていることを特徴とする。
【0020】
このように、連通孔が品質劣化防止剤収納容器の底部に形成されていることによって、品質劣化防止剤収納容器の底部に形成した連通孔を介して、例えば、容器本体内に残存する酸素が、品質劣化防止剤収納容器内に浸入し易く、脱酸素剤などの品質劣化防止剤に接触し易いので、品質劣化防止効率が向上することになる。
【0021】
しかも、この場合には、品質劣化防止剤収納容器の底部に形成した連通孔が水抜孔としても機能することになるので、運搬中など振動によって、連通孔を介して品質劣化防止剤収納容器内に浸入した被収容物質が容器本体内に落下して、品質劣化防止剤収納容器内に残存することがないので、品質劣化防止剤の品質劣化防止機能が損なわれることがない。
【0022】
また、本発明では、前記品質劣化防止剤収納容器の側部に複数個の連通孔が形成されているとともに、
前記連通孔が、前記品質劣化防止剤収納容器の高さ位置が相違する位置に形成されていることを特徴とする。
【0023】
このように複数の連通孔が、品質劣化防止剤収納容器の高さ位置が相違する位置に形成されていることによって、品質劣化防止剤収納容器の側部に形成した連通孔を介して、例えば、容器本体内に残存する酸素が、品質劣化防止剤収納容器内に均一に浸入し易く、脱酸素剤などの品質劣化防止剤に接触し易いので、品質劣化防止効率がさらに向上することになる。
【0024】
しかも、この場合、容器本体内に収容した収容物質の液面レベルが異なっても、品質劣化防止剤収納容器の高さ位置が相違する位置に連通孔が形成されているので、常にいずれかの連通孔によって、上記した品質劣化防止機能が維持されることになる。
【0025】
また、本発明は、前記品質劣化防止剤収納容器の側部に複数個の連通孔が形成されているとともに、
前記連通孔が、前記品質劣化防止剤収納容器の側部の周囲位置が相違する位置に形成されていることを特徴とする。
【0026】
このように複数の連通孔が、品質劣化防止剤収納容器の側部の周囲位置が相違する位置に形成されていることによって、品質劣化防止剤収納容器の側部に形成した連通孔を介して、例えば、容器本体内に残存する酸素が、品質劣化防止剤収納容器内に均一に浸入し易く、脱酸素剤などの品質劣化防止剤に接触し易いので、品質劣化防止効率がさらに向上することになる。
【0027】
しかも、この場合、貯蔵運搬の際に液体の貯蔵・運搬用容器が傾いたとしても、連通孔が、品質劣化防止剤収納容器の側部の周囲位置が相違する位置に形成されているので、常にいずれかの連通孔によって、上記した品質劣化防止機能が維持されることになる。
【0028】
また、本発明では、前記蓋部材には、前記容器本体内部の圧力が一定以上になると、容器本体内部の圧力を減圧する圧力調整機構が設けられていることを特徴とする。
【0029】
このように構成することによって、容器本体内部の圧力が一定以上になると、蓋部材に設けられた圧力調整機構によって減圧され、容器本体内が常に一定圧力以下に維持され、品質劣化防止剤による品質劣化防止機能が作用し、品質劣化が防止されやすい。
【0030】
また、本発明では、前記液体の被収容物質が、アミノ酸溶液であることを特徴とする。
【0031】
また、本発明では、前記アミノ酸溶液が、リジン、またはその塩類であることを特徴とする。
【0032】
このように、本発明によれば、貯蔵・運搬の際に、容器本体に収容したアミノ酸溶液、例えば、リジン、またはその塩類が、酸素の作用によって酸化して、褐色に変色(褐変)して、商品価値が劣化するのを防止することができる。
【0033】
さらに、本発明では、前記品質劣化防止剤が、脱酸素剤、または、乾燥剤であることを特徴とする。
【0034】
このように、本発明では、品質劣化防止剤が、脱酸素剤、または、乾燥剤のいずれの場合にあっても、その品質劣化防止効率が良好で、繰り返しの使用が可能である。
【0035】
また、本発明では、前記品質劣化防止剤が、ガス透過性のフィルムに封入されていること特徴とする。
【0036】
このように構成することによって、例えば、品質劣化防止剤が酸化鉄などの脱酸素剤の場合に、酸素が透過して脱酸素作用を発揮できるとともに、液体を透過しないので、品質劣化防止剤が液体と接触して固化するなど劣化するのを防止することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
【0038】
図1は、本発明の液体の貯蔵・運搬用容器の実施例を示す斜視図、図2は、図1の液体の貯蔵・運搬用容器の分解斜視図、図3は、図1の液体の貯蔵・運搬用容器の容器本体の断面図、図4は、図1の液体の貯蔵・運搬用容器の品質劣化防止剤収納容器を装着した状態の蓋部材の斜視図、図5は、図4の液体の貯蔵・運搬用容器の品質劣化防止剤収納容器を装着した状態の蓋部材の底面方向から見た斜視図、図6は、図4の品質劣化防止剤収納容器の上面図、図7は、図4の品質劣化防止剤収納容器の底面図、図8は、図4の品質劣化防止剤収納容器の断面図、図9は、図4の品質劣化防止剤収納容器の側面図、図10は、図1の液体の貯蔵・運搬用容器の蓋部材を示す部分拡大図、図11は、図1の液体の貯蔵・運搬用容器の蓋部材と品質劣化防止剤収納容器との装着状態を示す部分拡大断面図、図12は、図1の液体の貯蔵・運搬用容器の使用方法を説明する概略図、図13は、本発明で使用する品質劣化防止剤の別の実施例の縦断面図である。
【0039】
図1および図2において、10は全体で本発明の液体の貯蔵・運搬用容器を示している。
【0040】
液体の貯蔵・運搬用容器10は、底部に略矩形板状の合成樹脂製のパレット12を備えており、このパレット12の上部に金属製の外装ゲージ14が取り付けられている。
【0041】
そして、この外装ゲージ14で画成される空間16に、合成樹脂製の容器本体18が収容され、この状態で、外装ゲージ14の上部を、合成樹脂製のトップフレーム20で固定することによって液体の貯蔵・運搬用容器10が構成されている。
【0042】
図1および図2に示したように、パレット12には、前後方向の側面21、22を貫通するように、フォークリフト挿通孔24、26が形成されているとともに、左右方向の側面28、30にも、フォークリフト挿通孔31、32が形成されている。これにより、フォークリフトでの移動・運搬が容易なように構成されている。
【0043】
また、パレット12には、図2に示したように、その前方上面に、排出口用溝部34が前方に傾斜するテーパー面となるように形成されている。この排出口用溝部34によって、後述する排出バルブ56を設置するスペースが形成されるとともに、洗浄用排水、雨水などがこの排出口用溝部34を介して排出され、洗浄用排水、雨水などが溜まりにくい構造となっている。
【0044】
また、パレット12の上面の側周部には、図2に示したように、外装ゲージ取り付け用溝36が形成されている。そして、この外装ゲージ取り付け用溝36に、外装ゲージ14の下端の下部枠部材38を嵌合することによって、外装ゲージ14をパレット12の上面に着脱自在に装着できるようになっている。
【0045】
図1および図2に示したように、外装ゲージ14は、横方向枠部材40と縦方向枠部材42とを格子状に連結したゲージ形状である。なお、縦方向枠部材42を二重に配置したダブルワイヤー構造で、その構造強度が強化されており、これにより、外部の衝撃から容器本体18を保護するようになっている。
【0046】
また、図2に示したように、外装ゲージ14の下方のコーナー部にはそれぞれ、合成樹脂製のコーナー補強パッド44が取り付けられており、これによって、外部の衝撃から容器本体18の底部のコーナー部分を保護するようになっている。
【0047】
さらに、図1および図2に示したように、外装ゲージ14の前面には、金属製の板部材からなるクリンチプレート46が固着されている。このクリンチプレート46を用いて、内容物表示など様々なマーキングができるように構成されている。
【0048】
なお、このクリンチプレート46の下端には、略トンネル開口部形状の排出バルブアクセス用切欠部48が設けられており、これによって、後述する排出バルブ56にアクセスが可能なように構成されている。
【0049】
また、図1および図2に示したように、トップフレーム20の中心には、後述するように、蓋部材60にアクセスするための開口部50が形成されたフレーム形状である。そして、このトップフレーム20は、詳細には図示しないが、液体の貯蔵・運搬用容器10を段積みできるように、パレット12の下面と嵌合する凹凸部が形成された構成となっている。
【0050】
一方、図2に示したように、容器本体18は、ブロー成形によって、排出口52から、上部の充填口54まで一体成形された構造であり、これによって、液漏れなどが防止できるようになっている。
【0051】
また、容器本体18の排出口52には、例えば、ピストン式などの公知の排出バルブ56が着脱自在に装着できるようになっている。なお、図中、58は操作ハンドルを示している。
【0052】
なお、容器本体18の内部の底面は、図示しないが、排出口52に向かって傾斜したテーパー面となっており、これにより容器本体18の内部に収容した被収容物質Bが、容器本体18の排出口52から、容器本体18の内部に残留することなく、排出できるようになっている。
【0053】
図2、図10、および図11に示したように、容器本体18の上面の充填口54には、蓋部材60が着脱自在に取り付けられている。
【0054】
蓋部材60は、図8〜図11に示したように、蓋部材本体62と、蓋部材の中央部分に着脱自在に装着され、圧力調整機構を構成する圧力調整弁部材64とを備えている。これにより、容器本体18の内部の圧力が一定以上になると、容器本体18の内部の圧力を減圧することができるようになっている。
【0055】
具体的には、図10および図11に示したように、容器本体18の上面の充填口54には、充填口フランジ66が突設されており、この充填口54のフランジ66の外周部に雄螺子68が形成されている。
【0056】
一方、蓋部材本体62の内周部には、雌螺子70が形成されており、この蓋部材本体62の内周部の雌螺子70を、充填口54のフランジ66の外周部に雄螺子68に螺合することによって、着脱自在に蓋部材60を、容器本体18の上面の充填口54に装着して充填口54を開閉することができるようになっている。
【0057】
なお、図10および図11中、72は、蓋部材60の取り付けの際に、蓋部材本体62の内部に形成した充填口54のフランジ66を支持する内部フランジ、74は、蓋部材60を密封するためのO−リングである。
【0058】
蓋部材本体62の中央部分には、圧力調整弁部材用開口部76が形成され、圧力調整弁部材用開口部76の周囲に形成したフランジ78に雌螺子80が形成されている。
【0059】
一方、圧力調整弁部材64には、外周フランジ部82の外周部に雄螺子84が形成されており、この圧力調整弁部材64の外周部の雄螺子84を、蓋部材本体62の圧力調整弁部材用開口部76の外周フランジ78の雌螺子80に螺合することによって、圧力調整弁部材64を蓋部材本体62に着脱自在に装着することができるようになっている。
【0060】
これによって、容器本体18内に収容した被収容物質の種類などに応じて、その許容圧力に応じた圧力調整弁部材64に交換したり、圧力調整弁部材64が故障したりした場合に新しい圧力調整弁部材64と交換することができるようになっている。
【0061】
また、図10および図11に示したように、圧力調整弁部材64の外周フランジ部82の内側には、圧力調整弁支持部86が延設されており、この圧力調整弁支持部86に、圧力調整弁88が取り付けられている。
【0062】
なお、圧力調整弁88の構造としては、特に限定されるものではなく、容器本体18の内部の圧力が一定以上になると、容器本体18の内部の圧力を外部に開放して減圧にする構成のものであればよく、公知の圧力調整弁が使用可能である。
【0063】
なお、図中、63は、この圧力調整用開口部を着脱自在にシールするシーリングキャップである。
【0064】
さらに、図5〜図11に示したように、蓋部材60の裏側、すなわち、容器本体18の内部に位置する側に、品質劣化防止剤収納容器90が着脱自在に装着されている。
【0065】
すなわち、品質劣化防止剤収納容器90は、略有底筒状の品質劣化防止剤収納容器本体92を備えており、この品質劣化防止剤収納容器本体92の上部の外周に、雄螺子94が形成されている。
【0066】
一方、蓋部材本体62の内部フランジ72の内側には、雌螺子96が形成されており、品質劣化防止剤収納容器本体92の雄螺子94を、蓋部材本体62の内部フランジ72の雌螺子96に螺合することによって、蓋部材60の裏側に、品質劣化防止剤収納容器90を着脱自在に装着することができるようになっている。
【0067】
なお、この実施例では、蓋部材60の裏側に、品質劣化防止剤収納容器90を着脱自在に装着する方法として、螺子による螺子結合を用いたが、スナップフィット形式で着脱自在に装着するなど公知の結合方法が使用可能である。
【0068】
また、図5、図6、および図9に示したように、品質劣化防止剤収納容器90の品質劣化防止剤収納容器本体92の側部98に、容器本体18の内部と品質劣化防止剤収納容器90の内部とを連通する側部連通孔100が形成されている。
【0069】
この側部連通孔100は、この実施例では、品質劣化防止剤収納容器本体92の側部98の周囲に一定間隔離間して複数個形成されている。
【0070】
すなわち、この実施例では、側部連通孔100は、品質劣化防止剤収納容器本体92の側部98の上方の高さ位置に形成された上段連通孔100aと、中間の高さ位置に形成された中段連通孔100bと、下方の高さ位置に形成された下段連通孔100cとから構成されている。なお、この実施例では、上段連通孔100aは、上下に2段に形成されている。
【0071】
この実施例では、上段連通孔100aと、下段連通孔100cはそれぞれ、図9の一点鎖線で示したように、品質劣化防止剤収納容器本体92の側部98の周囲に中心角度α(この実施例では36°)づつ離間して、同じ中心角度位置に配置されている。一方、図9の一点差線で示したように、中段連通孔100bは、上段連通孔100aと、下段連通孔100cの間の中心角度β(この実施例では、中間の18°)に位置するように配置されている。
【0072】
なお、このような中心角度αとしては、品質劣化防止剤112による品質劣化防止効果を考慮すれば、15〜60°、好ましくは、30〜50°とするのが望ましい。また、このような中心角度βとしては、品質劣化防止剤112による品質劣化防止効果を考慮すれば、15〜60°、好ましくは、30〜50°とするのが望ましい。
【0073】
このように複数の側部連通孔100(上段連通孔100a、中段連通孔100b、下段連通孔100c)が、品質劣化防止剤収納容器90の高さ位置が相違する位置に形成されていることによって、これらの側部連通孔100を介して、例えば、容器本体18内に残存する酸素が、品質劣化防止剤収納容器90内に均一に浸入し易く、脱酸素剤などの品質劣化防止剤112に接触し易いので、品質劣化防止効率がさらに向上することになる。
【0074】
しかも、この場合、容器本体18内に収容した被収容物質の液面レベルが異なっても、品質劣化防止剤収納容器90の高さ位置が相違する位置に連通孔100が形成されているので、常にいずれかの側部連通孔100によって、上記した品質劣化防止機能が維持されることになる。
【0075】
このように複数の側部連通孔100が、品質劣化防止剤収納容器の側部の周囲位置(中心角度)が相違する位置に形成されていることによって、これらの側部連通孔100を介して、例えば、容器本体18内に残存する酸素が、品質劣化防止剤収納容器90内に均一に浸入し易く、脱酸素剤などの品質劣化防止剤112に接触し易いので、品質劣化防止効率がさらに向上することになる。
【0076】
しかも、この場合、貯蔵運搬の際に液体の貯蔵・運搬用容器10が傾いたとしても、側部連通孔100が品質劣化防止剤収納容器90の側部98の周囲位置が相違する位置に形成されているので、常にいずれかの側部連通孔100によって、上記した品質劣化防止機能が維持されることになる。
【0077】
さらに、図5〜図7に示したように、品質劣化防止剤収納容器90の品質劣化防止剤収納容器本体92の底部102には、容器本体18の内部と品質劣化防止剤収納容器90の内部とを連通する底部連通孔104が形成されている。
【0078】
この実施例では、図6および図7に示したように、底部連通孔104は、点線で示したように、品質劣化防止剤収納容器本体92の底部102の周縁部近傍に形成された載置部106を貫通するように、中心角度γ(この実施例では、36°)づつ離間して配置されている。
【0079】
なお、このような中心角度γとしては、品質劣化防止剤112による品質劣化防止効果、水抜効果を考慮すれば、15〜60°、好ましくは、30〜50°とするのが望ましい。
【0080】
このように、底部連通孔104が品質劣化防止剤収納容器90の底部102に形成されていることによって、これらの底部連通孔104を介して、例えば、容器本体18内に残存する酸素が、品質劣化防止剤収納容器90内に浸入し易く、脱酸素剤などの品質劣化防止剤112に接触し易いので、品質劣化防止効率が向上することになる。
【0081】
しかも、この場合には、品質劣化防止剤収納容器90の底部102に形成した底部連通孔104が水抜孔としても機能することになるので、例えば、容器本体18内に収容した被収容物質が、運搬中など振動によって、連通孔を介して品質劣化防止剤収納容器90内に浸入した場合、該被収容物質を容器本体18内に落下させて、品質劣化防止剤収納容器90内に残存することがないので、品質劣化防止剤112の品質劣化防止機能が損なわれることがない。
【0082】
なお、この場合、これらの側部連通孔100(上段連通孔100a、中段連通孔100b、下段連通孔100c)、底部連通孔104の寸法、形状、配置位置は、容器本体18の内部に収容される被収容物質の種類、品質劣化防止剤収納容器90に収容される品質劣化防止剤112の種類に応じて、その劣化防止効果を考慮して、適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。
【0083】
また、図8に示したように、品質劣化防止剤収納容器本体92の底部102の内面は、中心部分から周縁部分に向かって傾斜したテーパー面108となっている。これにより、底部連通孔104が水抜き孔として機能し、品質劣化防止剤収納容器本体92の内部に浸入した被収容物質を容器本体18の内部に落下させて、品質劣化防止剤の品質劣化防止機能が損なわないようになっている。
【0084】
このように構成される品質劣化防止剤収納容器90の内部には、図3および図10および図11に示したように、品質劣化防止剤袋体110が着脱自在に交換可能に収容されている。
【0085】
この品質劣化防止剤袋体110の内部には、図11に示したように、その内部に品質劣化防止剤112が充填封入されている。
【0086】
この場合、品質劣化防止剤112としては、例えば、酸化鉄などの脱酸素剤、シリカゲル、酸化カルシウム、無水炭酸ナトリウムなどの乾燥剤が使用可能であり、特に限定されるものではない。なお、活性炭などの脱臭剤も、品質劣化防止剤と同様に用いることができる。
【0087】
また、この品質劣化防止剤袋体110は、ガス透過性を有し、液体を透過させない性質を有する素材であればいかなる素材からなる包材であってもよい。このような素材としては、ポリエチレンフィルムが好ましく、高密度ポリエチレンフィルムがさらに好ましく、高密度ポリエチレンからなる不織布であるのが特に好ましい。
【0088】
このように構成することによって、例えば、品質劣化防止剤112が酸化鉄などの脱酸素剤の場合に、酸素が透過して脱酸素作用を発揮できるとともに、液体が透過しないので、品質劣化防止剤が液体と接触して固化するなど劣化するのを防止することができる。
【0089】
さらに、この場合、品質劣化防止剤袋体110の内部に収容される品質劣化防止剤112を、図13に示したように。別の個装の袋体114に収容し、この袋体114を複数個用意して、品質劣化防止剤袋体110の内部に封入する二重構造にしてもよ良い。この場合には、品質劣化防止剤の接触面積が増え、劣化防止効果が向上することになる。
【0090】
また、容器本体18の内部に収容する被収容物質としては、液体であれば特に限定されるものではない。
【0091】
このような液体の収容物質としては、例えば、リジン、アルギニン、グルタミン酸などのアミノ酸、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドなどの核酸、大豆タンパク質などの植物性タンパク質、動物性タンパク質、各種酵素などのタンパク質などを水などの水性媒体に溶解して得られる溶液、石油、食用油などの油、液体状の塗料などが挙げられる。特に、保存中に品質劣化しやすい物質の溶液を用いるのが好適である。例えば、このような溶液としては、アミノ酸の水溶液が挙げられ、特に、リジンまたはその塩の水溶液が挙げられる。塩としては、塩酸が挙げられる。
【0092】
なお、この場合、リジン、またはその塩類からなるアミノ酸溶液を、貯蔵・運搬する際に、本発明の液体の貯蔵・運搬用容器を使用し、酸化鉄からなる脱酸素剤を品質劣化防止剤112と使用にすれば、後述する実施例1の結果から好適であることが判明している。
【0093】
このように構成される本発明の液体の貯蔵・運搬用容器10では、下記のように使用される。
【0094】
図3に示したように、液体の貯蔵・運搬用容器10の蓋部材60を、充填口54から取り外して、充填口54を介して、容器本体18内に被収容物質Bを収容する。
【0095】
一方、図11に示したように、品質劣化防止剤収納容器90の品質劣化防止剤収納容器本体92内に品質劣化防止剤112が封入された品質劣化防止剤袋体110を収容して、蓋部材60の裏側に品質劣化防止剤収納容器90を装着する。
【0096】
そして、この蓋部材60を、容器本体18の上部の充填口54に装着して閉蓋する。この状態で液体の貯蔵・運搬用容器10を運搬するようにすればよい。
【0097】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、上述した実施例では、図1に示したような構成の液体の貯蔵・運搬用容器10を用いたが、単に容器本体18のみを有する液体の貯蔵・運搬用容器にの場合にも適用することができるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0098】
【実施例】
実施例1
図5〜図11に示したような形状の品質劣化防止剤収納容器90(162φmm、高さ350mm)として、以下の(a)〜(c)の3種類の品質劣化防止剤収納容器90を用いた。すなわち、
(a)上部に一列の連通孔(100a)を有するもの(孔径5mm)、
(b)2列の連通孔(100aと100b)を有するもの(いずれの孔径も5mm)、
(c)3列の連通孔(100a、100bおよび100c)と底部に液抜き孔(104)を有するもの(いずれの孔径も5mm)、
の3種類のパターンの品質劣化防止剤収納容器90を用いた。
【0099】
そして、このような品質劣化防止剤収納容器90の内部に、外寸90×79×5mmの脱酸素剤(脱酸素剤112として、「サンソレス(商品名)」博洋社製を用いた)を20個、110×150mmの寸法のガス透過性フィルムに封入した脱酸素剤袋体110を収容した。該品質劣化防止剤収納容器90を、蓋部材60の裏側に装着した。
【0100】
図1に示したような、高密度ポリエチレン製の容器本体18(1000×1200×1166mm)内に、充填口54を介して、50%(W/V)のL−リジン水溶液(協和発酵工業社製)920Lを充填した。ここで、品質劣化防止剤収納容器90(a)〜(c)を有する容器を、それぞれ容器A〜Cとした。
【0101】
上記の蓋部材60で充填口54を閉蓋した後、容器A〜Cを揺らし、リジン水溶液が品質劣化防止剤収納容器90にかかるようにし、その後、室温で放置した。
【0102】
19日放置後、容器A〜C内のリジン水溶液をサンプリングして、分光光度計を用いて430nmでの透過率T(%)を常法に準じて測定した。結果を第1表に示す。
【0103】
なお、充填後のリジン水溶液の透過率は98.8%であった。
【0104】
また、実施例1において、品質劣化防止剤収納容器90に脱酸素剤112を収容しない以外は同様な操作を行い、これを比較例1とした。
【0105】
さらに、実施例1において、品質劣化防止剤収納容器90として、側部連通孔および底部液抜き孔を有さないものを用いる以外は同様な操作を行い、これを比較例2とした。結果を第1表に示す。
【0106】
【表1】
Figure 2004331155
【0107】
第1表から明らかな通り、脱酸素剤を使用しない場合(比較例1)に比べて、脱酸素剤を使用した場合(容器A〜Cおよび比較例2)は、透過率の低下が抑制されており、リジン水溶液の変色の進行が明らかに抑制されていた。
【0108】
品質劣化防止剤収納容器90に連通孔を設けた場合(容器A〜C)は、連通孔を設けない場合(比較例2)に比べて、明らかに変色の進行が抑制されており、さらに底部に液抜き孔を有する容器Cでは、液抜き孔を有さない容器AおよびBに比べて、変色が抑制される傾向が見られた。
【0109】
【発明の効果】
本発明によれば、容器本体内に液体の被収容物質を収容するとともに、品質劣化防止剤収納容器内に品質劣化防止剤を収容して、蓋部材の裏側に品質劣化防止剤収納容器を装着して、この蓋部材を容器本体の上部に閉蓋し、この状態で液体の貯蔵・運搬用容器を運搬するだけで、貯蔵・運搬中に、この品質劣化防止剤収納容器に形成した連通孔を介して、例えば、容器本体内に残存する酸素が、品質劣化防止剤収納容器内に浸入して、脱酸素剤などの品質劣化防止剤に接触することによって、脱酸素剤によって除去されるので、容器本体内に収納した被収容物質が劣化することがない。
【0110】
しかも、この品質劣化防止剤収納容器内に品質劣化防止剤の機能が低下したり、繰り返し貯蔵・運搬に使用する際には、蓋部材を容器本体から開蓋して、蓋部材の裏側に装着した品質劣化防止剤収納容器を蓋部材から取り外すことによって、品質劣化防止機能が劣化した品質劣化防止剤を新しい品質劣化防止剤、または、容器本体内に収容する被収容物質の種類に応じた品質劣化防止剤に、簡単に交換することができ極めて便利で、繰り返しの使用が可能である。
【0111】
また、本発明によれば、連通孔が品質劣化防止剤収納容器の側部に形成されているので、品質劣化防止剤収納容器の側部に形成した連通孔を介して、例えば、容器本体内に残存する酸素が、品質劣化防止剤収納容器内に浸入し易く、脱酸素剤などの品質劣化防止剤に接触し易いので、品質劣化防止効率が向上することになる。
【0112】
また、本発明によれば、連通孔が品質劣化防止剤収納容器の底部に形成されていることによって、品質劣化防止剤収納容器の底部に形成した連通孔を介して、例えば、容器本体内に残存する酸素が、品質劣化防止剤収納容器内に浸入し易く、脱酸素剤などの品質劣化防止剤に接触し易いので、品質劣化防止効率が向上することになる。
【0113】
しかも、この場合には、品質劣化防止剤収納容器の底部に形成した連通孔が水抜孔としても機能することになるので、運搬中など振動によって、連通孔を介して品質劣化防止剤収納容器内に浸入した場合、被収容物質が容器本体内に落下して、品質劣化防止剤収納容器内に残存することがないので、品質劣化防止剤の品質劣化防止機能が損なわれることがない。
【0114】
また、本発明によれば、複数の連通孔が、品質劣化防止剤収納容器の高さ位置が相違する位置に形成されていることによって、品質劣化防止剤収納容器の側部に形成した連通孔を介して、例えば、容器本体内に残存する酸素が、品質劣化防止剤収納容器内に均一に浸入し易く、脱酸素剤などの品質劣化防止剤に接触し易いので、品質劣化防止効率がさらに向上することになる。
【0115】
しかも、この場合、容器本体内に収容した収容物質の液面レベルが異なっても、品質劣化防止剤収納容器の高さ位置が相違する位置に連通孔が形成されているので、常にいずれかの連通孔によって、上記した品質劣化防止機能が維持されることになる。
【0116】
また、本発明によれば、複数の連通孔が、品質劣化防止剤収納容器の側部の周囲位置が相違する位置に形成されていることによって、品質劣化防止剤収納容器の側部に形成した連通孔を介して、例えば、容器本体内に残存する酸素が、品質劣化防止剤収納容器内に均一に浸入し易く、脱酸素剤などの品質劣化防止剤に接触し易いので、品質劣化防止効率がさらに向上することになる。
【0117】
しかも、この場合、貯蔵運搬の際に液体の貯蔵・運搬用容器が傾いたとしても、連通孔が、品質劣化防止剤収納容器の側部の周囲位置が相違する位置に形成されているので、常にいずれかの連通孔によって、上記した品質劣化防止機能が維持されることになる。
【0118】
また、本発明によれば、容器本体内部の圧力が一定以上になると、蓋部材に設けられた圧力調整機構によって減圧され、容器本体内が常に一定圧力以下に維持され、品質劣化防止剤による品質劣化防止機能が作用し、品質劣化が防止されやすい。
【0119】
また、本発明によれば、貯蔵・運搬の際に、容器本体に収容したアミノ酸溶液、例えば、リジン、またはその塩類の水溶液が、酸素の作用によって酸化して、褐色に変色(褐変)して、商品価値が劣化するのを防止することができる。
【0120】
さらに、本発明によれば、品質劣化防止剤が、脱酸素剤、脱臭剤、または、乾燥剤のいずれの場合にあっても、その品質劣化防止効率が良好で、繰り返しの使用が可能である。
【0121】
また、本発明によれば、品質劣化防止剤が、ガス透過性のフィルムに封入されているので、例えば、品質劣化防止剤が酸化鉄などの脱酸素剤の場合に、酸素が透過して脱酸素作用を発揮できるとともに、液体を透過しないので、品質劣化防止剤が液体と接触して固化するなど劣化するのを防止することができるなどの幾多の顕著で特有な作用効果を奏する極めて優れた発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の液体の貯蔵・運搬用容器の実施例を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1の液体の貯蔵・運搬用容器の分解斜視図である。
【図3】図3は、図1の液体の貯蔵・運搬用容器の容器本体の断面図である。
【図4】図4は、図1の液体の貯蔵・運搬用容器の品質劣化防止剤収納容器を装着した状態の蓋部材の斜視図である。
【図5】図5は、図4の液体の貯蔵・運搬用容器の品質劣化防止剤収納容器を装着した状態の蓋部材の底面方向から見た斜視図である。
【図6】図6は、図4の品質劣化防止剤収納容器の上面図である。
【図7】図7は、図4の品質劣化防止剤収納容器の底面図である。
【図8】図8は、図4の品質劣化防止剤収納容器の断面図である。
【図9】図9は、図4の品質劣化防止剤収納容器の側面図である。
【図10】図10は、図1の液体の貯蔵・運搬用容器の蓋部材を示す部分拡大図である。
【図11】図11は、図1の液体の貯蔵・運搬用容器の蓋部材と品質劣化防止剤収納容器との装着状態を示す部分拡大断面図である。
【図12】図12は、図1の液体の貯蔵・運搬用容器の使用方法を説明する概略図である。
【図13】図13は、本発明で使用する品質劣化防止剤の別の実施例の縦断面図である。
【符号の説明】
10 液体の貯蔵・運搬用容器
12 パレット
14 外装ゲージ
16 空間
18 容器本体
20 トップフレーム
21,22 側面
24 フォークリフト挿通孔
28、30 側面
31、32 フォークリフト挿通孔
34 排出口用溝部
36 外装ゲージ取り付け用溝
38 下部枠部材
40 横方向枠部材
42 縦方向枠部材
44 コーナー補強パッド
46 クリンチプレート
48 排出バルブアクセス用切欠部
50 開口部
52 排出口
54 充填口
56 排出バルブ
60 蓋部材
62 蓋部材本体
64 圧力調整弁部材
66 フランジ
68 雄螺子
70 雌螺子
72 内部フランジ
76 圧力調整弁部材用開口部
78 外周フランジ
80 雌螺子
82 外周フランジ部
84 雄螺子
86 圧力調整弁支持部
88 圧力調整弁
90 品質劣化防止剤収納容器
92 品質劣化防止剤収納容器本体
94 雄螺子
96 雌螺子
98 側部
100 側部連通孔
100a 上段連通孔
100b 中段連通孔
100c 下段連通孔
102 底部
104 底部連通孔
106 載置部
108 テーパー面
110 品質劣化防止剤袋体
112 品質劣化防止剤
114 袋体
B 被収容物質
α 中心角度
β 中心角度
γ 中心角度

Claims (20)

  1. 液体の被収容物質を収容する容器本体と、
    前記容器本体の上部に設けた開閉自在な蓋部材と、
    前記蓋部材の裏側に、該蓋部材に着脱自在に装着した品質劣化防止剤収納容器と、
    前記品質劣化防止剤収納容器に交換可能に収納した品質劣化防止剤とを備え、
    前記品質劣化防止剤収納容器に、容器本体の内部と品質劣化防止剤収納容器の内部とを連通する連通孔が形成されていることを特徴とする液体の貯蔵・運搬用容器。
  2. 前記連通孔が、前記品質劣化防止剤収納容器の側部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体の貯蔵・運搬用容器。
  3. 前記連通孔が、前記品質劣化防止剤収納容器の底部に形成されていることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の液体の貯蔵・運搬用容器。
  4. 前記品質劣化防止剤収納容器の側部に複数個の連通孔が形成されているとともに、
    前記連通孔が、前記品質劣化防止剤収納容器の高さ位置が相違する位置に形成されていることを特徴とする請求項2から3のいずれかに記載の液体の貯蔵・運搬用容器。
  5. 前記品質劣化防止剤収納容器の側部に複数個の連通孔が形成されているとともに、
    前記連通孔が、前記品質劣化防止剤収納容器の側部の周囲位置が相違する位置に形成されていることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の液体の貯蔵・運搬用容器。
  6. 前記蓋部材には、前記容器本体内部の圧力が一定以上になると、容器本体内部の圧力を減圧する圧力調整機構が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の液体の貯蔵・運搬用容器。
  7. 前記液体の被収容物質が、アミノ酸溶液であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の液体の貯蔵・運搬用容器。
  8. 前記アミノ酸溶液が、リジン、またはその塩類であることを特徴とする請求項7に記載の液体の貯蔵・運搬用容器。
  9. 前記品質劣化防止剤が、脱酸素剤、または、乾燥剤であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の液体の貯蔵・運搬用容器。
  10. 前記品質劣化防止剤が、ガス透過性のフィルムに封入されていること特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の液体の貯蔵・運搬用容器。
  11. 液体の被収容物質を収容する容器本体と、
    前記容器本体の上部に設けた開閉自在な蓋部材と、
    前記蓋部材の裏側に、該蓋部材に着脱自在に装着した品質劣化防止剤収納容器と、
    前記品質劣化防止剤収納容器に交換可能に収納した品質劣化防止剤とを備え、
    前記品質劣化防止剤収納容器に、容器本体の内部と品質劣化防止剤収納容器の内部とを連通する連通孔が形成されている液体の貯蔵・運搬用容器を用いて、
    その容器本体内に被収容物質を収容するとともに、
    前記蓋部材を前記容器本体の上部に閉蓋し、
    この状態で貯蔵・運搬用容器を運搬することを特徴とする液体の貯蔵・運搬方法。
  12. 前記連通孔が、前記品質劣化防止剤収納容器の側部に形成されていることを特徴とする請求項11に記載の液体の貯蔵・運搬方法。
  13. 前記連通孔が、前記品質劣化防止剤収納容器の底部に形成されていることを特徴とする請求項11から12のいずれかに記載の液体の貯蔵・運搬方法。
  14. 前記品質劣化防止剤収納容器の側部に複数個の連通孔が形成されているとともに、
    前記連通孔が、前記品質劣化防止剤収納容器の高さ位置が相違する位置に形成されていることを特徴とする請求項12から13のいずれかに記載の液体の貯蔵・運搬方法。
  15. 前記品質劣化防止剤収納容器の側部に複数個の連通孔が形成されているとともに、
    前記連通孔が、前記品質劣化防止剤収納容器の側部の周囲位置が相違する位置に形成されていることを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載の液体の貯蔵・運搬方法。
  16. 前記蓋部材には、前記容器本体内部の圧力が一定以上になると、容器本体内部の圧力を減圧する圧力調整機構が設けられていることを特徴とする請求項11から15のいずれかに記載の液体の貯蔵・運搬方法。
  17. 前記液体の被収容物質が、アミノ酸溶液であることを特徴とする請求項11から16のいずれかに記載の液体の貯蔵・運搬方法。
  18. 前記アミノ酸溶液が、リジン、またはその塩類であることを特徴とする請求項17に記載の液体の貯蔵・運搬方法。
  19. 前記品質劣化防止剤が、脱酸素剤、または、乾燥剤であることを特徴とする請求項11から18のいずれかに記載の液体の貯蔵・運搬方法。
  20. 前記品質劣化防止剤が、ガス透過性のフィルムに封入されていること特徴とする請求項11から19のいずれかに記載の液体の貯蔵・運搬方法。
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JP2008094492A (ja) * 2006-10-14 2008-04-24 Schuetz Gmbh & Co Kgaa 捩じ込み蓋

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