JP2004330924A - ハイブリッド車の運転モード遷移制御装置 - Google Patents

ハイブリッド車の運転モード遷移制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】運転者による瞬時の加速要求に対し、トルク段差のない滑らかなトルクの繋がりによりエンジン停止モードからエンジン使用モードへのモード遷移を達成することができるハイブリッド車の運転モード遷移制御装置を提供すること。
【解決手段】エンジン1と少なくとも1つのモータとが連結される変速機構と、前記エンジン1と変速機構との間に設けられ、締結によりエンジンと変速機構とを連結するエンジンクラッチECと、運転モードの切り替え時、切り替え前のモードから切り替え後のモードへの遷移制御を行う運転モード遷移制御手段と、を有するハイブリッド車の運転モード遷移制御装置において、運転者操作によりエンジン使用モードを選択するモード選択スイッチ29を設け、前記運転モード遷移制御手段は、発進時、運転者によりエンジン使用モードの選択操作が行われると、該エンジン使用モード選択操作を開始条件としてエンジン1を始動させる手段とした。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン停止モードとエンジン使用モードとを有するハイブリッド車において、これらのモード間のモード遷移を滑らかに行うためのモード遷移シーケンス制御を行う運転モード遷移制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ハイブリッド変速機を搭載した車両で、エンジンが停止している状態からの発進時においては、エンジンクラッチをスリップさせ、クラッチ入力回転数が略一定となるようにクラッチのトルク伝達容量を制御し、発生トルクとクラッチの伝達トルクを略等しくすることでトルクの落ち込みがない状態で発進することを可能としている(例えば、特許文献1の段落0011参照)。
【0003】
また、発進時のエンジン始動のタイミングとして、アクセルの踏み込みが検知されると、モータのトルクにより左右の車輪へトルクが伝達され、エンジンに所定のトルクが発生した段階でエンジンクラッチを接続してモータ及びエンジンのトルクにより左右の車輪へトルクが伝達されると記述されている(例えば、特許文献1の段落0005参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−263383号公報。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のハイブリッド車の運転モード遷移制御装置にあっては、瞬時にモータ走行(エンジン停止モード)とハイブリット走行(エンジン使用モード)を切替なければならない急発進の走行において、アクセルの踏み込みが検知されてからエンジンを始動しても瞬時に所定のトルクを得ることできないため、モータ走行でエンジンが所定のトルクに到達するまで待つか、もしくは、待たずにエンジンクラッチをスリップさせハイブリット走行に遷移させても、伝達トルクは所定のトルク以下のため、それらのトルクのタイムラグにより過渡的に乗り心地に違和感を生じるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、運転者による瞬時の加速要求に対し、トルク段差のない滑らかなトルクの繋がりによりエンジン停止モードからエンジン使用モードへのモード遷移を達成することができるハイブリッド車の運転モード遷移制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、
エンジンと少なくとも1つのモータとが連結される変速機構と、締結によりエンジンと変速機構とを連結するエンジンクラッチと、運転モードの切り替え遷移制御を行う運転モード遷移制御手段と、を有するハイブリッド車の運転モード遷移制御装置において、
運転者操作によりエンジン使用モードを選択する運転モード選択手段を設け、
前記運転モード遷移制御手段は、発進時、運転者によりエンジン使用モードの選択操作が行われると、該エンジン使用モード選択操作を開始条件としてエンジンを始動させることを特徴とする手段とした。
【0008】
【発明の効果】
よって、本発明のハイブリッド車の運転モード遷移制御装置にあっては、運転モード遷移制御手段において、発進時、運転者によりエンジン使用モードの選択操作が行われると、該エンジン使用モード選択操作を開始条件としてエンジンを始動させるため、運転モード選択による事前のエンジン始動となり、運転者による瞬時の加速要求に対し、トルク段差を発生させない滑らかなトルクの繋がりによりエンジン停止モードからエンジン使用モードへのモード遷移を達成することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のハイブリッド車の運転モード遷移制御装置を実現する実施の形態を、図面に示す第1実施例及び第2実施例に基づいて説明する。
【0010】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
【0011】
[ハイブリッドシステム構成]
図1は第1実施例のハイブリッド車の運転モード遷移制御装置が適用されたハイブリッドシステムを示す全体図である。
【0012】
ハイブリッド駆動系は、図1に示すように、エンジン1と、同軸多層モータ2(第1モータジェネレータと第2モータジェネレータ)と、ラビニョウ型複合遊星歯車列3(差動歯車機構)と、出力ギヤ4(出力部材)と、カウンターギヤ5と、ドライブギヤ6と、ディファレンシャル7と、ドライブシャフト8,8と、を有して構成されている。
【0013】
前記エンジン1のエンジン出力軸10と、前記ラビニョウ型複合遊星歯車列3の第2リングギヤR2との間に、締結によりエンジン出力軸10と第2リングギヤR2とを連結するエンジンクラッチECが設けられている。このエンジンクラッチECは、油圧多板クラッチ等により構成されている。
【0014】
前記同軸多層モータ2は、モータ室13内に配置され、モータ&ギヤケース9に固定され、コイルを巻いた固定電機子としてのステータSと、前記ステータSの外側に配置し、図外の永久磁石を埋設したアウターロータORと、前記ステータSの内側に配置し、図外の永久磁石を埋設したインナーロータIRと、を同軸上に配置することで構成されている。
そして、前記同軸多層モータ2を構成するインナーロータIRに、第1モータジェネレータ出力軸11が連結され、前記同軸多層モータ2を構成するアウターロータORに、第2モータジェネレータ出力軸12が連結されている。
以下、「ステータS+インナーロータIR」を、第1モータジェネレータMG1といい、「ステータS+アウターロータOR」を、第2モータジェネレータMG2という。
【0015】
前記ラビニョウ型複合遊星歯車列3は、ギヤ室14内に配置され、互いに噛み合う第1ピニオンP1と第2ピニオンP2を支持する共通キャリヤCと、第1ピニオンP1に噛み合う第1サンギヤS1と、第2ピニオンP2に噛み合う第2サンギヤS2と、第1ピニオンP1に噛み合う第1リングギヤR1と、第2ピニオンP2に噛み合う第2リングギヤR2と、の5つの回転要素を有する。
そして、前記第2リングギヤR2とエンジン出力軸10とをエンジンクラッチECを介して連結している。前記第1サンギヤS1と第1モータジェネレータ出力軸11とを連結している。前記第2サンギヤS2と第2モータジェネレータ出力軸12とを連結している。前記共通キャリヤCに出力ギヤ4を連結している。前記第1サンギヤS1とモータ&ギヤケース9との間の位置にハイブレーキHBを配置している。前記第1リングギヤR1とモータ&ギヤケース9との間の位置にローブレーキLBを配置している。
【0016】
前記ラビニョウ型複合遊星歯車列3は、対角関係でみた2つのダブルピニオン型遊星歯車(共線図上でS−R−CまたはC−R−Sの配列)と、平行関係でみた2つのシングルピニオン型遊星歯車(共線図上でS−C−RまたはR−C−Sの配列)とを持つ構成である。このため、ラビニョウ型複合遊星歯車列3に連結されるエンジン1と第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2と出力ギヤ4との4つの回転要素は、図2に示す共線図上において、第1モータジェネレータMG1、エンジン1(ENG)、出力ギヤ4(Out)、第2モータジェネレータMG2の回転速度順になるように連結される。
ここで、「共線図」とは、遊星歯車のギヤ比を考える場合、式により求める方法に代え、より簡単で分かりやすい作図により求める方法で用いられる速度線図であり、縦軸に各回転要素の回転数(回転速度)をとり、横軸にリングギヤ、キャリヤ、サンギヤを、間隔がサンギヤとリングギヤの歯数比になるように配置したものである。
【0017】
前記ハイブレーキHBは、共線図上で第1モータジェネレータMG1の回転速度軸と一致する位置に配置され、締結により変速比をオーバードライブ側のハイ変速比に固定する。
【0018】
前記ローブレーキ17は、共線図上で出力ギヤ4の回転速度軸と第2モータジェネレータMG2の回転速度軸との間の位置に配置され、締結により変速比をアンダードライブ側のロー変速比に固定する。
【0019】
前記出力ギヤ4からの出力回転及び出力トルクは、カウンターギヤ5→ドライブギヤ6→ディファレンシャル7を経過し、ドライブシャフト8,8から図外の駆動輪へ伝達される。
【0020】
ハイブリッド制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ21と、スロットルバルブアクチュエータ22と、モーターコントローラ23と、インバータ24と、バッテリ25と、ハイブリッドコントローラ26と、アクセル開度センサ27と、車速センサ28と、モード選択スイッチ29(運転モード選択手段)と、エンジン回転数センサ30と、第1モータジェネレータ回転数センサ31と、第2モータジェネレータ回転数センサ32と、油圧コントロールユニット33と、を有して構成されている。
【0021】
前記エンジンコントローラ21は、アクセル開度センサ27からのアクセル開度情報とエンジン回転数センサ30からのエンジン回転数情報を入力し、ハイブリッドコントローラ26からの指令に応じてエンジン回転数NeとエンジントルクTeを制御する指令をスロットルバルブアクチュエータ22へ出力する。
【0022】
前記モータコントローラ23は、レゾルバによる両モータジェネレータ回転数センサ31,32からの回転数情報を入力し、第1モータジェネレータMG1の回転数N1及びトルクT1と、第2モータジェネレータMG2の回転数N2及びトルクT2と、をそれぞれ独立に制御する指令をインバータ24へ出力する。
【0023】
前記インバータ24は、前記同軸多層モータ3のステータSのコイルに接続され、モータコントローラ23からの指令により、インナーロータIRへの駆動電流とアウターロータORへの駆動電流とを複合させた複合電流を作り出す。このインバータ24にはバッテリ25が接続されている。
【0024】
前記油圧ユニット33は、ハイブリッドコントローラ26からの指令を受け、エンジンクラッチECとハイブレーキHBとローブレーキLBの締結制御及び解放制御を行う。
【0025】
前記ハイブリッドコントローラ26は、車速センサ28からの車速情報やエンジンコントローラ21からのアクセル開度情報及びエンジン回転数情報を入力して所定の演算処理を行う。そして、エンジンコントローラ21と、モータコントローラ23と、油圧ユニット33に対し演算処理結果にしたがって制御指令を出力する。
【0026】
なお、ハイブリッドコントローラ26とエンジンコントローラ21、および、ハイブリッドコントローラ26とモータコントローラ23とは、それぞれ双方向通信線により接続されている。
【0027】
図3はモード選択スイッチ29の構成を示す。エンジン使用モードへのモード選択スイッチ29としては、
▲1▼ON/OFFスイッチ29−1としてセンタコンソール前面もしくはステアリングコラムによる運転モードを選択する構成、
▲2▼セレクタのレンジ位置29−2による運転モードを選択する構成、
▲3▼イグニッションキーの再イグニッションによる運転モードを選択する構成、等が用いられる。
【0028】
[ハイブリッドシステムの特徴点]
(1)同軸多層モータの採用
モータジェネレータとして2ロータ・1ステータの同軸多層モータ2を採用したことで、アウターロータ磁力線とインナーロータ磁力線とに2つの磁力線が作られ、コイル及びインバータ24を2つのインナーロータIRとアウターロータORに対し共用できる。そして、インナーロータIRに対する電流とアウターロータORに対する電流を重ね合わせた複合電流を1つのコイルに印加することにより、2つのロータIR,ORをそれぞれ独立に制御することができる。つまり、外観的には、1つの同軸多層モータ2であるが、モータ機能とジェネレータ機能の異種または同種の機能を組み合わせたものとして使える。
よって、例えば、それぞれにロータとステータを持つ2個の独立したモータジェネレータを設ける場合に比べ、コスト(部品点数低減、インバータ電流定格低減、磁石低減)・サイズ(同軸構造による小型化、インバータサイズ低減)・効率(鉄損低減・インバータ損失低減)の面で有利にすることができる。
また、複合電流制御のみで(モータ+ジェネレータ)の使い方に限らず、(モータ+モータ)や(ジェネレータ+ジェネレータ)の使い方も可能であるというように、高い選択自由度を持つため、例えば、第1実施例のように、ハイブリッド車の駆動源に同軸多層モータ2を採用した場合、これら多数の選択肢の中から車両状態に応じて最も効果的、或いは、効率的な組み合わせを選択することができる。
【0029】
(2)ラビニョウ型複合遊星歯車列の採用
第1実施例装置のように、エンジンと第1モータジェネレータと第2モータジェネレータと出力部材との4要素を有するハイブリッド駆動系には、4要素を連結するために少なくとも4つの回転要素を有するものであれば様々な差動歯車機構を採用することができる。
しかし、多数の差動歯車機構が考えられる中で、差動歯車機構の動的な動作を簡易的に表せる剛体レバーモデルを導入でき、かつ、軸方向寸法が短くなりコンパクトな差動歯車機構とすることができるという理由により、ラビニョウ型複合遊星歯車列3を採用した。
すなわち、ラビニョウ型複合遊星歯車列3は、2列の遊星歯車の幅寸法でありながら、4つの遊星歯車の組み合わせを実現しているため、例えば、4つの遊星歯車を軸方向に配列するのに比べて大幅に軸方向寸法が短縮される。
【0030】
(3)ハイブリッド駆動系への適用
ハイブリッド駆動系に対し同軸多層モータ2とラビニョウ型複合遊星歯車列3を適用した場合、下記に列挙するメリットがある。
▲1▼互いに同軸構造であるため、同軸多層モータ2の出力軸11,12と、ラビニョウ型複合遊星歯車列3の両サンギヤS1,S2とを、例えば、スプライン嵌合にて簡単に連結できるというように、組み合わせ相性が非常に良く、スペース・コスト・重量の面で極めて有利である。
▲2▼同軸多層モータ2の一方を放電(モータ)として用い、他方を発電(ジェネレータ)として用いた場合、1つのインバータ24を介してモータ電流を制御することも可能であり、バッテリ25からの持ち出しを少なくすることができる。例えば、ダイレクト配電運転モードの場合、理論上、バッテリ25からの持ち出しをゼロにすることができる。
▲3▼同軸多層モータ2の両方を放電(モータ)として用いた場合、駆動範囲を広くとることができる。すなわち、2つのモータパワーを掛け合わせた値がパワー最大値(一定値)以下の全ての領域を駆動可能範囲とし、一方のモータが小パワーで、他方のモータが大パワーという組み合わせで用いることもできる。
【0031】
次に、作用を説明する。
【0032】
[運転モード選択によるモード遷移制御処理]
図4は第1実施例のハイブリッドコントローラ26にて実行される運転モード選択によるモード遷移制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(運転モード遷移制御手段)。
【0033】
ステップS11では、発進時か否かが判断され、Yesの場合はステップS12へ移行し、Noの場合はステップS20へ移行する。ここで、「発進時」か否かの判断は、例えば、車速が設定車速以下かどうかにより判断する。
【0034】
ステップS12では、運転者によるモード選択スイッチ29への操作によりエンジン使用モードが選択されているか否かが判断され、Yesの場合はステップS13へ移行し、Noの場合はステップS18へ移行する。
【0035】
ステップS13では、エンジン1が停止しているか否かが判断され、Yesの場合はステップS14へ移行し、Noの場合はステップS18へ移行する。
【0036】
ステップS14では、第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG1とローブレーキLBのうち2つを用いた変速により、その時の出力軸回転数を維持させながら、エンジンクラッチECのラビニョウ型複合遊星歯車列3側(第2リングギヤR2)の回転数を0にし、ステップS15へ移行する。
【0037】
ステップS15では、モード解放されているエンジンクラッチECを締結し、ステップS16へ移行する。
【0038】
ステップS16では、第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG1とローブレーキLBのうち2つを用いた変速により、エンジン1をアイドル回転数まで上げて始動し、ステップS17へ移行する。
【0039】
ステップS17では、ステップS16にてエンジン始動のために締結したエンジンクラッチECを解放し、ステップS18へ移行する。
【0040】
ステップS18では、運転状況に応じて自動的に選択された運転モード、あるいは、モード選択スイッチ29により選択された運転モードを得る制御が実行され、リターンへ移行する。
【0041】
ステップS19では、ハイブリッド走行(エンジン使用モードでの走行)からモータ走行(エンジン停止モード)に遷移したか否かが判断され、Yesの場合はステップS20へ移行し、Noの場合はステップS18へ移行する。
【0042】
ステップS20では、ハイブリッド走行にて締結されているエンジンクラッチECが解放され、ステップS21へ移行する。
【0043】
ステップS21では、ハイブリッド走行からモータ走行への選択がモード選択スイッチ29により選択か否かが判断され、Yesの場合はステップS18へ移行し、Noの場合はステップS22へ移行する。
【0044】
ステップS22では、エンジン1を停止し、ステップS18へ移行する。
【0045】
[運転モードについて]
第1実施例の場合、運転の定常モードとして、エンジン1を停止し両モータジェネレータMG1,MG2の少なくとも一方を駆動源として使用する「エンジン停止モード」と、エンジン1を駆動源として使用する「エンジン使用モード」と、を有する。
そして、「エンジン停止モード」としては、両モータジェネレータMG1,MG2を駆動源として使用する『EVモード』と、ローブレーキLBを締結したままで2つのモータジェネレータMG1,MG2のみで走行する『EV−LBモード』と、ハイブレーキHBを締結したままで第2モータジェネレータMG2のみで走行する『EV−HBモード』と、を有する。
【0046】
また、「エンジン使用モード」としては、エンジン1と両モータジェネレータMG1,MG2を駆動源として使用する『E−iVTモード』と、ローブレーキLBを締結したままでエンジン1で走行、または、ローブレーキLBを締結したままでエンジン1と少なくとも一方のモータジェネレータMG1,MG2で走行する『LBモード』と、ハイブレーキHBを締結したままでエンジン1と第2モータジェネレータMG2で走行する『HBモード』と、を有する。
【0047】
そして、運転モード遷移制御とは、車両状態(例えば、車速)と、目標駆動力(例えば、アクセル開度と車速から演算)と、バッテリ充電状態と、から燃費最適な推奨モードを選択し、現在選択されているモードから推奨モードへモード遷移を行うとき、または、モード選択スイッチ29への操作により現在選択されているモードから選択モードへモード遷移を行うとき、モード受け渡しのために必要な制御をいう。
【0048】
この運転モード遷移制御では、エンジン1及び両モータジェネレータMG1,MG2の動作点を受け渡す制御を必要とするだけではなく、「エンジン停止モード」から「エンジン使用モード」へのモード遷移を行う場合には、エンジン始動制御を行わなければならないし、逆に、「エンジン使用モード」から「エンジン停止モード」へのモード遷移を行う場合には、エンジン停止制御を行わなければならない。さらに、必要に応じてハイブレーキHBやローブレーキLBの締結解放制御を行わなければならない。
【0049】
ここで、「エンジン停止モード」から「エンジン使用モード」へのモード遷移を行う場合には、下記の手順によりエンジン1が始動される。
▲1▼変速により第2リングギヤR2の回転数をゼロにする。
▲2▼エンジンクラッチECを接続する。
▲3▼変速によりエンジン1のクランク軸回転数を上げ、エンジン1を始動する。
【0050】
また、「エンジン使用モード」から「エンジン停止モード」へのモード遷移を行う場合には、下記の手順によりエンジン1が停止される。
▲1▼エンジンクラッチECを解放する。
▲2▼必要に応じてエンジン1を停止する。
【0051】
[E−iVTモード]
運転モードの代表例である『E−iVTモード(ダイレクト配電走行モードという。)』について説明する。『E−iVTモード』とは、エンジン1の動作点を最適燃費によるエンジン回転数NeとエンジントルクTeとし、第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2の動作点を、一方を放電とし他方を発電として用い、両者MG1,MG2の収支がゼロとなるようにそれぞれの回転数N1,N2とトルクT1,T2を決めて制御する走行モードをいう。
【0052】
モータ動作点(N1,T1,N2,T2)は、エンジン回転数Ne、出力軸回転数No、エンジントルクTeを入力し、
N1=Ne+α(Ne−No) …(1)
N2=No−β(Ne−No) …(2)
To=T1+T2+Te …(3)
N1・T1+N2・T2=Pb …(4)
αT1+To=(1+β)T2 …(5)
但し、N1,T1:第1モータジェネレータMG1の回転数とトルク
N2,T2:第2モータジェネレータMG2の回転数とトルク
α,β:遊星歯車の歯数比
であらわされる(1)〜(5)の式(E−iVTバランス式)において、(4)式のバッテリパワーPbを、Pb=0として、連立運動方程式を解くことにより算出する。
【0053】
よって、ダイレクト配電走行モードでの共線図は、図2に示すようになり、理論上はバッテリ負荷をゼロとし、良好な燃費性能を確保しながら、第1モータジェネレータMG1の回転数N1と、第2モータジェネレータMG2の回転数N2とを制御することにより、アンダードライブからオーバードライブまでの広い変速比を達成することができる。さらに、ダイレクト配電走行モードでは、下記に列挙するようなメリットを持つ。
▲1▼モータ動作点(第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2の回転数N1,N2とトルクT1,T2)をバランス式により簡単に計算できる。
▲2▼モータパワー(=モータ通過パワー)が「ゼロ」となる変速比が2点(例えば、1/変速比=約0.6の近傍と、1/変速比=約1.5の近傍)ある。
▲3▼ロー側ほどモータトルクが大きくなる。つまり、電気的な最ロー側変速比は、モータトルクT1,T2によって決定される。
▲4▼エンジン1が低出力時には、モータトルクT1,T2及び回転数N1,N2の両面で制限を受けることがなく、変速レンジを非常にワイドにとることができる。
【0054】
[走行時]
走行時には、図4のフローチャートにおいて、ステップS11→ステップS19へと進む流れとなり、ステップS19において、ハイブリッド走行からモータ走行へ遷移していないと判断された場合、ステップS19からステップS18へと進み、そのとき選択されている運転モードでの制御が実行される。
【0055】
一方、ハイブリッド走行からモータ走行へ遷移すると、図4のフローチャートにおいて、ステップS11→ステップS19→ステップS20→ステップS21へと進む流れとなり、ステップS21において、モード選択スイッチ29へのオフ操作等によるモータ走行への遷移であると判断された場合、ステップS21からステップS18へと進み、エンジンクラッチECを解放するだけでエンジン1は停止されないでアイドル回転数を保ったまま回転が維持される。
【0056】
一方、ステップS21において、推奨モードへの自動選択によるモータ走行への遷移であると判断された場合、ステップS21からステップS22へと進み、エンジンクラッチECの解放と共に、エンジン1も停止される。
【0057】
[発進時]
発進時であって、モード選択スイッチ29への操作がない、つまり、運転者による発進加速要求がない場合には、図4のフローチャートにおいて、ステップS11→ステップS12→ステップS18へと進む流れとなり、ステップS18では、そのとき選択されている運転モードでの制御が実行される。
【0058】
発進時であって、モード選択スイッチ29を操作、つまり、運転者による発進加速要求がある場合には、図4のフローチャートにおいて、ステップS11→ステップS12→ステップS13へと進む流れとなり、ステップS13では、エンジン1が停止か否かが判断され、例えば、前回の走行時において、ステップS11→ステップS19→ステップS20→ステップS21→ステップS18へと進む流れを経験し、エンジン1が既に回転を維持している場合には、ステップS13からステップS18へと進み、エンジン始動を行うことなく、選択されたエンジン使用モードでの制御が実行される。
【0059】
また、ステップS13でエンジン1が停止であると判断された場合には、ステップS13から、ステップS14→ステップS15→ステップS16→ステップS18へと進む流れとなる。つまり、エンジンクラッチECを締結するために第2リングギヤR2の回転数をゼロにする変速制御(ステップS14)、エンジンクラッチECの締結制御(ステップS15)、少なくとも一方のモータジェネレータMG1,MG2をスタータモータとして用いてエンジン1を始動する変速制御(ステップS16)、エンジンクラッチECの解放制御(ステップS17)、を経過してエンジン1が始動され、その後、ステップS17からステップS18へと進み、選択されたエンジン使用モードでの制御が実行される。
【0060】
[ローブレーキとモータの走行からの発進作用]
ローブレーキとモータの走行からの発進時であって、アクセルの踏み込み検知によりエンジンを始動させる従来技術では、図5のタイムチャートにおいて、アクセルの踏み込み検知時点であるt4の時点でエンジンが始動される。また、t4の時点からt5の時点までエンジンクラッチの滑り締結が継続されるが、エンジンの始動が遅いことで、出力トルク特性は、点線特性に示すように大きく変動し、運転者にモード遷移ショックを与えることになる。
【0061】
すなわち、ハイブリッド車で使用されるモータは、低回転で高トルクを発生し、回転の上昇に伴って発生トルクが急激に低下する。また、エンジンは、低回転側で発生トルクが低い特性となっている。このため、エンジンが停止している状態からの発進の際には、両者のトルク特性から、モータの発生トルクの急激な低下と、エンジンの発生トルクが低い領域とが重なり、一時的に出力トルクに落ち込みが生じる。このため、エンジンが停止している状態からの発進時において過渡的に乗り心地に違和感を生じる。
【0062】
これに対し、第1実施例装置にあっては、ローブレーキLBと両モータジェネレータMG1,MG2による走行からの発進時であって、図5のタイムチャートに示すように、t0の時点でモード選択スイッチ29を運転者が操作したときには、時点t0から時点t1までの間に、第2リングギヤR2の回転数をゼロにする変速制御が行われる(ステップS14)。
そして、t1の時点でエンジンクラッチECの締結制御が行われると共に(ステップS15)、少なくとも一方のモータジェネレータMG1,MG2をスタータモータとして用いてエンジン1を始動する変速制御が行われる(ステップS16)。
そして、t2の時点でエンジンクラッチECを解放する制御が行われる(ステップS17)。また、エンジンクラッチECを解放すると直ちにローブレーキLBを締結する制御が行われる(ステップS18)。
【0063】
よって、エンジントルクはt1の時点から上昇し、ローブレーキLBの締結により変速比がローギヤ比側に固定されることで、t2の時点から僅かに遅れた時点t3で出力トルクは上昇する。そして、ローブレーキLBと両モータジェネレータMG1,MG2とエンジン1による走行モードに移行するt4の時点でエンジンクラッチECを締結すると、実線の出力トルク特性に示すように滑らかなトルクの繋がりによるモード遷移となる。
【0064】
ちなみに、図6はローブレーキとモータの走行(EV−LBモード)からエンジン1を加えたLBモードに遷移する発進時おける駆動力特性を、走行モード毎の駆動力マップに重ね合わせた図である。第1実施例装置の場合、予めエンジン1を始動させておくことで、▲1▼→▲2▼→▲3▼と進んだ後、▲3▼→▲4▼への移行が滑らかである。これに対し、破線は、▲3▼の状態からエンジンクラッチを滑らせてエンジンをモータリングした従来技術の場合を示し、エンジンの始動が間に合わないことで、駆動力が駆動力線に沿って低下し、さらに、エンジンモータリングでエネルギーを使う分、斜線部で示した範囲まで駆動力が大きく下がる引き込み現象が発生してしまう。なお、斜線部のエネルギーでエンジンをモータリングする。
【0065】
また、図6には車速>0のモータ走行(EVモード)からエンジン1を加えたE−iVTモードに遷移する発進時おける駆動力特性を、走行モード毎の駆動力マップに重ね合わせた図も示している。第1実施例装置の場合、予めエンジン1を始動させておくことで、▲1▼→▲2▼’→▲3▼’と進んだ後、▲3▼’→▲4▼’への移行が滑らかである。これに対し、破線は、▲3▼’の状態からエンジンクラッチを滑らせてエンジンをモータリングした従来技術の場合を示し、エンジンの始動が間に合わず、駆動力が低下して駆動力の段差が発生してしまう。
【0066】
次に、効果を説明する。
第1実施例のハイブリッド車の運転モード遷移制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0067】
(1) エンジン1と少なくとも1つのモータとが連結される変速機構と、前記エンジン1と変速機構との間に設けられ、締結によりエンジンと変速機構とを連結するエンジンクラッチECと、運転モードの切り替え時、切り替え前のモードから切り替え後のモードへの遷移制御を行う運転モード遷移制御手段と、を有するハイブリッド車の運転モード遷移制御装置において、運転者操作によりエンジン使用モードを選択するモード選択スイッチ29を設け、前記運転モード遷移制御手段は、発進時、運転者によりエンジン使用モードの選択操作が行われると、該エンジン使用モード選択操作を開始条件としてエンジン1を始動させるため、運転者による瞬時の加速要求に対し、トルク段差のない滑らかなトルクの繋がりによりエンジン停止モードからエンジン使用モードへのモード遷移を達成することができる。
【0068】
(2) 前記変速機構を、エンジン1と第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2と出力ギヤ4との4要素が、共線図上で第1モータジェネレータMG1、エンジン1、出力ギヤ4、第2モータジェネレータMG2の回転速度順になるように連結されたラビニョウ型複合遊星歯車列3とし、前記運転モード遷移制御手段は、発進時、運転者によりエンジン使用モードの選択操作が行われると、該エンジン使用モード選択操作に基づき、前記第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2とを用いた変速により、出力回転数を維持しつつエンジンクラッチECのラビニョウ型複合遊星歯車列3側の回転数を0にし、前記エンジンクラッチECを締結し、前記第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2とを用いた変速によりエンジン1を始動させるため、共線図上の剛体レバーを2つのモータジェネレータMG1,MG2により動かす変速により、2つのモータジェネレータMG1,MG2をスタータモータとしてエンジン1を容易に始動させることができる。
【0069】
(3) 前記共線図上の出力ギヤ4の回転速度軸より第2モータジェネレータMG2側に配置され、締結によりロー側変速比に固定するローブレーキLBを設け、前記運転モード遷移制御手段は、発進時、運転者によりエンジン使用モードの選択操作が行われると、該エンジン使用モード選択操作に基づき、前記第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2とローブレーキLBの少なくとも何れか2つを用いた変速により、出力回転数を維持しつつエンジンクラッチECのラビニョウ型複合遊星歯車列3側の回転数を0にし、前記エンジンクラッチECを締結し、前記第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2とローブレーキLBの少なくとも何れか2つを用いた変速によりエンジン1を始動させるため、共線図上の剛体レバーを2つのモータジェネレータMG1,MG2とローブレーキLBの少なくとも何れか2つを用いた変速により、例えば、ローブレーキLBを締結して第1モータジェネレータMG1をスタータモータとしてエンジン1を容易に始動させることができる。
【0070】
(4) 前記運転モード遷移制御手段は、モード選択スイッチ29への操作に基づいてエンジン使用モードでの走行状態からエンジン停止モードでの走行状態へと切り替えるとき、前記エンジンクラッチECを切り離すだけで前記エンジン1は回転を維持しておくため、次の発進に備えてエンジン1を予め回転させておきことができる。
【0071】
(5) 前記第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2は、コイルを巻いた固定電機子としてのステータSと、ステータSの外側に配置し、永久磁石を埋設したアウターロータORと、ステータSの内側に配置し、永久磁石を埋設したインナーロータIRと、ステータSのコイルに接続され、インナーロータIRへの駆動電流とアウターロータORへの駆動電流とを複合させた複合電流を作り出すインバータ24と、該インバータ24に接続されたバッテリ25と、を備えた同軸多層モータ2としたため、それぞれにロータとステータを持つ2個の独立したモータジェネレータを設ける場合に比べ、コスト(部品点数低減、インバータ電流定格低減、磁石低減)・サイズ(同軸構造による小型化、インバータサイズ低減)・効率(鉄損低減・インバータ損失低減)の面で有利にすることができる。
【0072】
(6) 前記差動歯車機構を、互いに噛み合う第1ピニオンP1と第2ピニオンP2を支持する共通キャリヤCと、第1ピニオンP1に噛み合う第1サンギヤS1と、第2ピニオンP2に噛み合う第2サンギヤS2と、第1ピニオンP1に噛み合う第1リングギヤR1と、第2ピニオンP2に噛み合うリングギヤR2との5つの回転要素を有するするラビニョウ型複合遊星歯車列3とし、第2リングギヤR2とエンジン出力軸10とをエンジンクラッチECを介して連結し、第1サンギヤS1と第1モータジェネレータ出力軸11とを連結し、第2サンギヤS2と第2モータジェネレータ出力軸12とを連結し、共通キャリヤCに出力ギヤ4(Out)を連結することにより、共線図上で第1モータジェネレータMG1、エンジン1、出力ギヤ4、第2モータジェネレータMG2の回転速度順になるように連結し、ローブレーキLBを第1リングギヤR1をモータ&ギヤケース9に固定可能とする位置に配置したため、差動歯車機構の動的な動作を簡易的に表せる剛体レバーモデルを導入でき、かつ、軸方向寸法が短くなりコンパクトな差動歯車機構とすることができる。
【0073】
(第2実施例)
この第2実施例は、スタータモータ33付きのエンジン1により例である。
すなわち、図7に示すように、エンジン1に始動のためのスタータモータ33が付設されている。尚、他の構成は、第1実施例の図1〜図3と同様であるので、説明を省略する。
【0074】
次に、作用を説明する。
【0075】
[運転モード選択によるモード遷移制御処理]
図8は第2実施例のハイブリッドコントローラ26にて実行される運転モード選択によるモード遷移制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(請求項4の運転モード遷移制御手段)。なお、ステップS11〜ステップS13及びステップS18〜ステップS22は、図4のフローチャートの対応するステップと同様であるので説明を省略する。
【0076】
ステップS23では、ステップS11での発進時判断と、ステップS12でのエンジン使用モード選択判断と、ステップS13でのエンジン1の停止判断と、に基づき、スタータモータ33によりエンジン1を始動し、ステップS18へ移行する。
【0077】
[発進時]
発進時であって、モード選択スイッチ29を操作、つまり、運転者による発進加速要求がある場合には、図4のフローチャートにおいて、ステップS11→ステップS12→ステップS13へと進む流れとなり、ステップS13では、エンジン1が停止か否かが判断され、例えば、前回の走行時において、ステップS11→ステップS19→ステップS20→ステップS21→ステップS18へと進む流れを経験し、エンジン1が既に回転を維持している場合には、ステップS13からステップS18へと進み、エンジン始動を行うことなく、選択されたエンジン使用モードでの制御が実行される。
【0078】
また、ステップS13でエンジン1が停止であると判断された場合には、ステップS13から、ステップS23→ステップS18へと進む流れとなる。つまり、ステップ23において、スタータモータ33によりエンジン1が始動され、ステップS18において、選択されたエンジン使用モードでの制御が実行される。なお、他の作用は第1実施例と同様であるので説明を省略する。
【0079】
次に、効果を説明する。
第2実施例のハイブリッド車の運転モード遷移制御装置にあっては、第1実施例の(1),(4),(5),(6)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0080】
(7) 前記エンジン1の始動を行うスタータモータ33を設け、前記運転モード遷移制御手段は、発進時、運転者によりエンジン使用モードの選択操作が行われると、エンジンクラッチECの解放とエンジン使用モード選択操作とを開始条件とし、スタータモータ33によりエンジン1を始動させるため、エンジンクラッチECの締結解放やエンジン締結のための変速制御やエンジン始動のための変速制御を行うことなく、スタータモータ33により容易にエンジン1を始動させることができる。
【0081】
以上、本発明のハイブリッド車の運転モード遷移制御装置を第1実施例及び第2実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0082】
例えば、第1実施例及び第2実施例では、変速機構として差動歯車機構による例を示したが、ベルト型無段変速機やトロイダル型無段変速機を適用したハイブリッド車にも適用できる。
【0083】
第1実施例及び第2実施例では、1エンジン・2モータの例を示したが、少なくとも1エンジン・1モータを搭載し、運転モードとしてエンジン停止モードとエンジン使用モードとを切り替えるハイブリッド車に適用することができる。
【0084】
第1実施例及び第2実施例では、第1モータジェネレータと第2モータジェネレータとして、共通ステータと2つのロータにより外観上は1つのモータジェネレータであるが、機能上は2つのモータジェネレータを達成する同軸多層モータ2の適用例を示したが、2つの独立したモータジェネレータを用いたものであっても良い。
【0085】
第1実施例及び第2実施例では、差動歯車機構として、ラビニョウ型複合遊星歯車列3の適用例を示したが、エンジンと第1モータジェネレータと第2モータジェネレータと出力部材との4要素を連結するため、少なくとも4つの回転要素を有する遊星歯車により構成される機構であれば、ラビニョウ型複合遊星歯車列3に限られることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のハイブリッド車の運転モード遷移制御装置が適用されたハイブリッドシステムを示す全体図である。
【図2】第1実施例装置におけるダイレクト配電走行モードでの共線図である。
【図3】第1実施例装置のモード選択スイッチを示す図である。
【図4】第1実施例装置のハイブリッドコントローラにて実行される運転モード選択によるモード遷移制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】第1実施例装置でのローブレーキとモータの走行からの発進のタイムチャートを示す図である。
【図6】第1実施例装置における発進時にエンジン使用モードを選択した場合の駆動力変化特性を重ね合わせた走行モード毎の駆動力マップを示す図である。
【図7】第2実施例のハイブリッド車の運転モード遷移制御装置が適用されたハイブリッドシステムを示す全体図である。
【図8】第1実施例装置のハイブリッドコントローラにて実行される運転モード選択によるモード遷移制御処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
2 同軸多層モータ(第1モータジェネレータと第2モータジェネレータ)
3 ラビニョウ型複合遊星歯車列(差動歯車機構)
4 出力ギヤ(出力部材)
5 カウンターギヤ
6 ドライブギヤ
7 ディファレンシャル
8,8 ドライブシャフト
9 モータ&ギヤケース
10 エンジン出力軸
11 第1モータジェネレータ出力軸
12 第2モータジェネレータ出力軸
13 モータ室
14 ギヤ室
EC エンジンクラッチ
HB ハイブレーキ
LB ローブレーキ
21 エンジンコントローラ
22 スロットルバルブアクチュエータ
23 モーターコントローラ
24 インバータ
25 バッテリ
26 ハイブリッドコントローラ
27 アクセル開度センサ
28 車速センサ
29 モード選択スイッチ(運転モード選択手段)
30 エンジン回転数センサ
31 第1モータジェネレータ回転数センサ
32 第2モータジェネレータ回転数センサ
33 スタータモータ

Claims (7)

  1. エンジンと少なくとも1つのモータとが連結される変速機構と、
    前記エンジンと変速機構との間に設けられ、締結によりエンジンと変速機構とを連結するエンジンクラッチと、
    運転モードの切り替え時、切り替え前のモードから切り替え後のモードへの遷移制御を行う運転モード遷移制御手段と、
    を有するハイブリッド車の運転モード遷移制御装置において、
    運転者操作によりエンジン使用モードを選択する運転モード選択手段を設け、
    前記運転モード遷移制御手段は、発進時、運転者によりエンジン使用モードの選択操作が行われると、該エンジン使用モード選択操作を開始条件としてエンジンを始動させることを特徴とするハイブリッド車の運転モード遷移制御装置。
  2. 請求項1に記載されたハイブリッド車の運転モード遷移制御装置において、
    前記変速機構を、エンジンと第1モータジェネレータと第2モータジェネレータと出力部材との4要素が、共線図上で第1モータジェネレータ、エンジン、出力部材、第2モータジェネレータの回転速度順になるように連結された差動歯車機構とし、
    前記運転モード遷移制御手段は、発進時、運転者によりエンジン使用モードの選択操作が行われると、該エンジン使用モード選択操作に基づき、前記第1モータジェネレータと第2モータジェネレータとを用いた変速により、出力部材回転数を維持しつつエンジンクラッチの差動歯車機構側の回転数を0にし、前記エンジンクラッチを締結し、前記第1モータジェネレータと第2モータジェネレータとを用いた変速によりエンジンを始動させることを特徴とするハイブリッド車の運転モード遷移制御装置。
  3. 請求項2に記載されたハイブリッド車の運転モード遷移制御装置において、
    前記共線図上の出力部材の回転速度軸より第2モータジェネレータ側に配置され、締結によりロー側変速比に固定するローブレーキを設け、
    前記運転モード遷移制御手段は、発進時、運転者によりエンジン使用モードの選択操作が行われると、該エンジン使用モード選択操作に基づき、前記第1モータジェネレータと第2モータジェネレータとローブレーキの少なくとも何れか2つを用いた変速により、出力部材回転数を維持しつつエンジンクラッチの差動歯車機構側の回転数を0にし、前記エンジンクラッチを締結し、前記第1モータジェネレータと第2モータジェネレータとローブレーキの少なくとも何れか2つを用いた変速によりエンジンを始動させることを特徴とするハイブリッド車の運転モード遷移制御装置。
  4. 請求項1に記載されたハイブリッド車の運転モード遷移制御装置において、
    前記エンジンの始動を行うスタータモータを設け、
    前記運転モード遷移制御手段は、発進時、運転者によりエンジン使用モードの選択操作が行われると、エンジンクラッチの解放とエンジン使用モード選択操作とを開始条件とし、スタータモータによりエンジンを始動させることを特徴とするハイブリッド車の運転モード遷移制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載されたハイブリッド車の運転モード遷移制御装置において、
    前記運転モード遷移制御手段は、前記運転モード選択手段への操作に基づいてエンジン使用モードでの走行状態からエンジン停止モードでの走行状態へと切り替えるとき、前記エンジンクラッチを切り離すだけで前記エンジンは回転を維持しておくことを特徴とするハイブリッド車の運転モード遷移制御装置。
  6. 請求項2ないし請求項5の何れか1項に記載されたハイブリッド車の運転モード遷移制御装置において、
    前記第1モータジェネレータと第2モータジェネレータは、コイルを巻いた固定電機子としてのステータと、ステータの外側に配置し、永久磁石を埋設したアウターロータと、ステータの内側に配置し、永久磁石を埋設したインナーロータと、ステータのコイルに接続され、インナーロータへの駆動電流とアウターロータへの駆動電流とを複合させた複合電流を作り出すインバータと、該インバータに接続されたバッテリと、を備えた同軸多層モータであることを特徴とするハイブリッド車の運転モード遷移制御装置。
  7. 請求項2ないし請求項6の何れか1項に記載されたハイブリッド車の運転モード遷移制御装置において、
    前記差動歯車機構を、互いに噛み合う第1ピニオンと第2ピニオンを支持する共通キャリヤと、第1ピニオンに噛み合う第1サンギヤと、第2ピニオンに噛み合う第2サンギヤと、第1ピニオンに噛み合う第1リングギヤと、第2ピニオンに噛み合う第2リングギヤとの5つの回転要素を有するラビニョウ型複合遊星歯車列とし、
    前記第2リングギヤとエンジン出力軸とをエンジンクラッチを介して連結し、前記第1サンギヤと第1モータジェネレータ出力軸とを連結し、前記第2サンギヤと第2モータジェネレータ出力軸とを連結し、前記共通キャリヤに出力部材を連結することにより、共線図上で第1モータジェネレータ、エンジン、出力部材、第2モータジェネレータの回転速度順になるように連結し、
    前記ローブレーキを、第1リングギヤをケースに固定可能とする位置に配置したことを特徴とするハイブリッド車の運転モード遷移制御装置。
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