JP2004330767A - ガラス飛散防止用フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガラスの表面に貼り付けることによって当該ガラスの飛散を防ぐためのガラス飛散防止用フィルム1であって、透明の樹脂フィルムからなるベース層11と、ベース層11の一方の表面に設けられた粘着層12と、ベース層11の他方の表面に設けられた透光性を有する画像層16とを有してなる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガラス飛散防止用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、玄関や窓のガラスを割れにくくし、また割れた場合でも破片が飛散するのを防ぐために、ガラス飛散防止用フィルムが用いられている。
【0003】
ガラス飛散防止用フィルムは、透明の樹脂フィルムからなるベース層と、ベース層の表面に設けられた粘着層とを有し、粘着層によりガラスの表面に貼り付けることによってその飛散を防止する。
【0004】
【非特許文献1】
インターネット〔URL … http://www.kenyusya.com/film/tokusei.htm〕
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のガラス飛散防止用フィルムの多くは、その存在を意識させないために透明である。また、完全に透明なガラスを曇りガラスに変身させて向こう側を見え難くするために、スモークとなっているものもある。
【0006】
いずれにしても、従来のガラス飛散防止用フィルムは、ガラスの飛散防止のみが目的であって、ガラス飛散防止用フィルム自体の存在は周囲の人になるべく分からないように構成されている。
【0007】
本発明は、ガラスの飛散防止の機能のみでなく、装飾または広告宣伝という新しい機能と価値を付加したガラス飛散防止用フィルムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るガラス飛散防止用フィルムは、ガラスの表面に貼り付けることによって当該ガラスの飛散を防ぐためのガラス飛散防止用フィルムであって、透明の樹脂フィルムからなるベース層と、前記ベース層の一方の表面に設けられた粘着層と、前記ベース層の他方の表面に設けられた透光性を有する画像層とを有してなる。
【0009】
また、透明の樹脂フィルムからなるベース層と、前記ベース層の一方の表面に設けられた粘着層と、前記粘着層の表面に設けられた剥離層と、前記ベース層の他方の表面に設けられた受像層と、前記受像層の表面に設けられた半透明の乳白層と、前記乳白層の表面に設けられた画像層とを有してなる。
【0010】
好ましくは、前記乳白層および前記画像層は、前記ベース層の表面の一部のみに設けられており、前記ベース層の中の前記画像層の存在する部分は、透過光または反射光のいずれによっても画像として表示され、前記ベース層の中の前記画像層の存在しない部分は、向こう側が透けて見える。
【0011】
また、前記画像層は、インクを用いて印刷を行うことによって形成される。
本発明に係る他のガラス飛散防止用フィルムは、透明の樹脂フィルムからなるベース層と、前記ベース層の一方の表面に設けられた粘着層と、前記粘着層の表面に設けられた剥離層と、前記ベース層の他方の表面に設けられた透明な受像層と、前記受像層の表面に設けられた画像層とを有してなる。
【0012】
好ましくは、前記受像層は、シリカおよびバインダーとしての合成樹脂を含有して形成される。
また、ガラス飛散防止用フィルムの表面に、視差によって立体画像を観察することのできる圧縮画像が形成されてなる。
【0013】
その場合に、前記圧縮画像は、裏面から見たときに正常に見える画像とすると、ガラスなどに貼りつけて裏面から見たときに正常な立体画像として観察することができる。
【0014】
本発明において、透明とは、向こう側の景色が見える程度以上に透明であることをいう。半透明とは、向こう側の景色は見えないが光は透過可能であるか、または向こう側の景色が見えてもはっきりとは見えない程度に光が透過可能であることをいう。
【0015】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕
図1は本発明に係るガラス飛散防止用フィルム1の例を示す正面図、図2はガラス飛散防止用フィルム1の断面図である。
【0016】
図1に示すように、ガラス飛散防止用フィルム1には、画像FGを表示する画像層16が設けられている。図1において、画像FGは、人の写真画像FG1と、宣伝広告のためのイラスト画像FG2とを含む。
【0017】
図2において、ガラス飛散防止用フィルム1は、透明の樹脂フィルムからなるベース層11、ベース層11の一方の表面に設けられた粘着層12、粘着層12の表面に設けられた剥離層13、ベース層11の他方の表面に設けられた受像層14、受像層14の表面に設けられた半透明の乳白層15、乳白層15の表面に設けられた画像層16、および、画像層16を保護する保護層17を有する。
【0018】
ベース層11は、ポリエステル樹脂をフィルム状に形成したものであり、数十〜数百μm程度の厚さである。ベース層11は、1枚のフィルムからなる単層のものでもよく、また、複数枚のフィルムを接着剤により接着して積層した多層のものでもよい。単層の場合には、例えば、25〜100μm程度であり、多層の場合には、100〜400μm程度である。多層の場合に、ポリエステル樹脂以外の材料からなるフィルムを積層してもよい。紫外線をカットするためのフィルムを積層し、またはそのような機能を付与するようにポリエステル樹脂に紫外線吸収剤を添加剤として入れてもよい。また、ポリエステル樹脂以外の樹脂を用いることも可能である。ベース層11は、可視光線の透過率が高いもの、例えば透過率80%以上のものが好ましいが、用途によってはそれより低くてもよく、例えばスモークになったものでもよい。
【0019】
粘着層12は、ガラスに対する粘着性の良好な材料からなり、例えばアクリル酸エステル共重合体などが用いられる。粘着層12の形成に当たって、1平方メートル当たり20〜30g程度の量がベース層11に塗布される。剥離層13は、ガラス飛散防止用フィルム1の使用前において粘着層12を保護するものであり、使用時に粘着層12から剥離する。剥離層13として、例えばポリエステル樹脂の薄いフィルムが用いられる。
【0020】
これら、ベース層11、粘着層12、および剥離層13で構成される積層体(以下「飛散防止積層体」ということがある)には、「ガラス飛散防止用フィルム」「防犯防災フィルム」または「セキュリティフィルム」などとして市販されているものを用いてもよい。なお、JIS−A−5759で規定される飛散防止性能試験に適合するものが好ましい。
【0021】
受像層14は、ベース層11の表面に印刷を行うために設けられる。受像層14を設けることにより、印刷時におけるインクが受像層14にしみ込み、印刷したインクが流れ難くなる。これによって、画像FGが綺麗に印刷できる。受像層14は、飛散防止積層体に含めてもよく、または後述の画像表示積層体に含めてもよい。また、ベース層11の表面が印刷に適したものであれば、受像層14を省略することも可能である。
【0022】
乳白層15は、透光性のある乳白色の層であり、例えば乳白色の乳剤をベース層11に塗布、印刷、またはコーティングすることによって形成される。そのような乳剤として、例えば、溶剤にチタンホワイトまたはシリカなどの顔料を適当な量だけ溶解させた薄いインクを用いることができる。
【0023】
乳白層15の存在によって、ベース層11の側から入射してくる照明のための光が透過可能であり、透過した照明光によって画像層16の画像が明るく鮮明に表示される。また、画像層16の側から入射してくる照明のための光が乳白層15の表面によって反射可能であり、反射した照明光によって画像層16の画像が明るく鮮明に表示される。つまり、乳白層15の存在によって、反射光および透過光のいずれによっても画像層16の画像が鮮明に表示される。このような乳白層15それ自体の機能は公知である。
【0024】
画像層16は、インクジェットプリンタにより、不透明なインクを用いて印刷することにより形成される。なお、例えば、C,M,Y,Kの各カラー成分のドットによる網点画像として印刷される。画像層16に形成する画像FGとして、写真画像、CGによる画像、イラスト画像、線画像、文字による画像など、種々の画像を適用することができる。不透明なインクとは、完全不透明なインクではなく、光の一部が透過可能なインクをいう。
【0025】
保護層17は、画像層16を保護するための透明の薄い膜である。保護層17は、適当な樹脂コーティングによって形成し、またはテフロン(登録商標)加工などによって形成してもよい。保護層17が存在することによって耐久性が向上する。しかし、使用目的または使用環境などによっては保護層17を省略することも可能である。
【0026】
さて、乳白層15、画像層16、および保護層17からなる積層体(以下「画像表示積層体」ということがある)は、ベース層11(または受像層14)の表面の全面ではなく、その表面の一部のみに設けられている。また、乳白層15は、画像層16と同じ表面形状であり、保護層17も画像層16と同じ表面形状である。つまり、乳白層15および保護層17は、画像層16を形成するための画像データと同じ画像データを用いて形成することにより、画像層16と同じ表面形状に形成される。
【0027】
したがって、例えば、画像表示積層体の形成に当たり、プリンタにより飛散防止積層体の表面に、画像データを用いて乳白層15を塗布しまたは印刷した後、飛散防止積層体の位置を元の位置(初期位置)に戻し、再度飛散防止積層体の送りを行って画像層16を印刷してもよい。同様にして保護層17を塗布してもよい。また、乳白層15の塗布を行いながら、乳白層15の塗布の直後に印刷を行って画像層16を形成してもよい。その場合に、さらにその直後に保護層17を塗布によって形成してもよい。後者による場合は、飛散防止積層体の1回の送りで画像表示積層体の全体を形成することができ、飛散防止積層体を印刷の初期位置に戻す必要がないので、画像表示積層体の形成を短時間で容易に行うことができる。その場合に、画像層16のためのインクタンクとは別に、乳白色のインクなどを収容しておくインクタンクを別途設けておけばよい。
【0028】
上に述べたように作成されたガラス飛散防止用フィルム1では、飛散防止積層体の表面のうちの画像表示積層体の存在する部分は、透過光または反射光のいずれによっても画像として表示され、飛散防止積層体の表面のうちの画像表示積層体の存在しない部分は、向こう側が透けて見えまたは可視光がほとんどそのまま透過する。
【0029】
すなわち、ガラス飛散防止用フィルム1の前面から(矢印M1の方向から)の照明を行えば、その光は保護層17を透過し、画像層16を透過して乳白層15によって一部が反射し、反射した光は再度画像層16を透過して前面側にいる観察者によって観察される。このように、画像層16に形成された画像FGを光が2回透過して観察者の眼に入るので、通常の反射光による観察と同じ状態となり、鮮明な画像が得られる。
【0030】
また、背面から(矢印M2の方向から)の照明を行えば、その光線が半透明の乳白層15、画像層16、および保護層17を透過して前面側にいる観察者の眼に入る。これによって、画像層16の画像FGが明るく見える。
【0031】
したがって、ガラス飛散防止用フィルム1を窓や玄関などのガラスに貼ることにより、ガラスの飛散防止が図られるとともに、画像表示積層体による画像表示が行われ、その内容に応じて装飾および宣伝広告が行われる。
【0032】
なお、乳白層15と受像層14との間に、画像層16と同じ画像による画像層を形成しておいてもよい。そのようにした場合には、背面からの照明によって2つの画像層を透過するので、反射光による場合と同様のコントラストで画像を表示することができる。
【0033】
上の実施形態において、画像層16を印刷により形成したが、印刷ではなく、写真焼付けによって形成してもよい。その場合には、画像層16として写真乳剤層を設けておき、その写真乳剤層に露光を行って画像を焼付け、現像および定着を行えばよい。受像層14は、ベース層11の表面の全面に設けるのでなく、画像層16と同じ表面形状としてもよい。
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態のガラス飛散防止用フィルム1Bについて説明する。
【0034】
図5は本発明に係る第2の実施形態のガラス飛散防止用フィルム1Bの断面図である。
図5において、ガラス飛散防止用フィルム1Bは、透明の樹脂フィルムからなるベース層11、ベース層11の一方の表面に設けられた粘着層12、粘着層12の表面に設けられた剥離層13、ベース層11の他方の表面に設けられた透明な受像層14B、受像層14Bの表面に設けられた画像層16、および、画像層16を保護する保護層17を有する。
【0035】
ベース層11、粘着層12、剥離層13、画像層16、および保護層17の構成および機能については、上に述べた第1の実施形態の場合と同様である。
受像層14Bは、透明であり、他の点では上に述べた受像層14と同じ機能を有する。つまり、受像層14Bの上に画像層16を印刷したときに、画像層16のインクが受像層14Bにしみ込み、印刷したインクが流れ難くなる。これにより、インクの滲みが防止され、画像FGが綺麗に印刷できる。
【0036】
受像層14Bは、例えば、無機充填剤であるシリカ、および合成樹脂によって透明に形成される。シリカおよび合成樹脂は、溶媒とともに、ベース層11の表面に塗布し、印刷し、またはコーティングすることによって形成される。ここで、シリカは、画像層16を印刷したときのインクを吸収するためのものであり、合成樹脂は、シリカをベース層11に強固に固定するためのバインダーの働きをする。受像層14Bの塗布重量は、1平方メートル当たり9〜14g程度である。
【0037】
シリカは、多孔質であり、湿式ゲル法により製造される合成非晶質シリカが適する。湿式ゲル法によれば、一次平均粒径が30nm以下のコロイダルシリカを得ることができる。一般に、ゲル法により得られるシリカは沈降法により得られるシリカに比べ一次粒径が小さく、比表面積が大きい。したがって、湿式ゲル法シリカにより形成された受像層14Bは透明性に優れ、その表面にインクによって画像層16を形成する際にインクの浸透が速く吸収能力に優れるため、インクがすぐ乾き、鮮明な画像を得ることができる。
【0038】
バインダーのための合成樹脂として、例えばポリエステル樹脂(固体ポリマー樹脂)が用いられる。ポリエステル樹脂を用いると、ベース層11にポリエチレンテレフタレート(PET)のようなポリエステル樹脂を用いた場合に受像層14Bを強固に形成することができる。また、ベース層11に用いられる樹脂の種類に応じて、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、その他種々の樹脂を使用することができる。
【0039】
なお、ポリエステル樹脂を溶解する溶媒として、ジメチルケトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、ブチルメチルケトン、エチルプロピルケトン等の脂肪族ケトン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、蟻酸ブチル、酢酸エチル、酢酸プロピル等の低級カルボン酸と低級アルコールとのエステル、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、およびこれらを適宜組み合わせた混合溶媒が挙げられる。受像層14Bを短時間で形成したい場合には、蒸発潜熱が小さく揮発しやすいエチルメチルケトン(MEK)のような溶媒を使用するとよい。
【0040】
受像層14Bとして、インクの吸収性の良好な材料であれば、シリカ以外の無機充填剤を使用することができる。また、上に述べたシリカおよび合成樹脂以外の他の成分または材料を含んでもよい。
【0041】
受像層14Bは、ベース層11の表面全体に形成してもよく、またベース層11の表面の画像層16が形成される部分にのみ形成してもよい。画像層16が印刷される部分にのみ受像層14Bを形成する場合には、グラビア印刷等の一般的な印刷方法を用いて受像層14Bを印刷することができる。
【0042】
このような受像層14Bの上に、画像層16を例えばインクジェットプリンタによって形成する。その場合に用いるインクとして、上に述べたように、不透明な顔料インクを用いて印刷することにより形成される。顔料インクを用いることにより、紫外線による色の劣化が少なく、鮮やかな色彩の画像を長期間維持することができる。また、インクとして染料インクを用いてもよい。染料インクを用いた場合は、顔料インクよりも光の透過性がよい。
【0043】
このようなガラス飛散防止用フィルム1Bは、ビルや家の窓または玄関などのガラスに貼って使用される。ガラスに貼ることにより、ガラスの飛散防止が図られるとともに、画像層16による画像表示が行われ、その内容に応じてインテリアの一部となり、装飾としての機能または宣伝広告の機能が発揮される。画像層16の画像FGは、室内および室外のいずれからも見ることが可能である。
【0044】
例えば、高層階にあるレストランの窓のガラスにガラス飛散防止用フィルム1Bを貼ることにより、室内からガラス越しに見える外の景色に加えて、画像層16による画像FGを見ることができる。画像FGとして、高層ビル群の画像、外の景色の遠景となるような山々の画像、雲や空の画像、窓の直ぐ外にあるような大樹の画像、人が舞っているようなイラスト画像、抽象的なカラー画像またはイラスト画像など、種々の画像を使用することができる。画像の異なるガラス飛散防止用フィルム1Bを貼り替えることにより、室内の雰囲気を変えることができる。
【0045】
その他、百貨店内のガラス仕切り、コンビニの外壁ガラス、病院や駅の構内、ホテルの大ガラス仕切りなどにも使用することができ、殺風景な場所であった場合でもガラス飛散防止用フィルム1Bを貼ることによって美しい画像で装飾することができる。
〔第3の実施形態〕
次に、第3の実施形態のガラス飛散防止用フィルム2について説明する。
【0046】
図3は第3の実施形態のガラス飛散防止用フィルム2を用いた表示システムHSの断面図、図4はフィルム21の正面図である。
図3において、窓や玄関などのガラスGLの一方の表面にはガラス飛散防止用フィルム2が貼られている。ガラス飛散防止用フィルム2には、4つ1組の圧縮画像a,b,c,dが連続的に形成されている。圧縮画像a,b,c,dは、レンチキュラーレンズを用いて両眼で観察したときに立体的に見ることのできる従来より公知の画像である。圧縮画像は半透明に形成され、透過光による照明によって観察することができる。
【0047】
ガラス飛散防止用フィルム2は、上に述べたガラス飛散防止用フィルム1のように、ベース層、粘着層、受像層、乳白層、画像層などによって構成することができる。例えば、ガラス飛散防止用フィルム2は、ガラスGLに貼りつける必要があるので、図3においてはベース層の上面に粘着層が設けられ、ベース層の下面に画像層が設けられる。その場合に、観察者は画像を裏側から(図3の上面から)見ることになるので、ベース層に画像を形成する際に、裏から見て正常に見える画像(逆像)を形成しておけばよい。もし逆像でない場合には、立体的な凹凸が逆に見えてしまうことになる。このように、表示システムHSにおいては、ガラス飛散防止用フィルム2の表面(図3の下面)に逆像である圧縮画像が形成されている。
【0048】
ガラスGLの他方の表面には、圧縮画像の長手方向に沿ったスリット22が設けられたフィルム21が貼られている。つまり、図4に示すように、フィルム21は、スリット22の部分が透明であり、それ以外の部分は不透明であり、多数の平行なスリット22が縦のストライプ状に設けられたものである。このようなフィルム21は、例えば透明なフィルムの表面に、スリット22以外の部分つまり黒い部分を印刷することによって作成することができる。スリット22同士の間隔(つまりピッチ)は、圧縮画像a,b,c,dの組ごとの間隔(つまりピッチ)と一致している。また、スリット22の幅寸法は、1つの圧縮画像a,b,c,dの幅寸法よりも狭く設定されており、観察者が1つのスリット22を通して1つ分の圧縮画像のみが見えるようになっている。なお、フィルム21には、その下面に粘着層が設けられている。
【0049】
したがって、フィルム21の側から観察者が見ると、スリット22を通して圧縮画像a,b,c,dのいずれかが見える。観察者の両眼の視差により、両眼にはそれぞれ異なった圧縮画像が見える。図の例では、一方の眼には圧縮画像bが見え、他方の眼には圧縮画像cが見える。つまり、ガラスGLの厚みを利用することにより、左右の眼で互いに異なる圧縮画像を見ることとなり、これによって画像を立体的に見せることができる。
【0050】
したがって、観察者は、窓や玄関に貼られたガラス飛散防止用フィルム2の画像を立体的に見ることができる。これにより、画像による装飾および宣伝広告を行うことができる。しかも、ガラス飛散防止用フィルム2によってガラスの飛散防止が図られる。
【0051】
上のガラス飛散防止用フィルム2において、圧縮画像の1組の画像の個数、画像の内容などは、種々のものを適用することができる。フィルム21としてガラス飛散防止用フィルムを用いてもよい。
【0052】
上の実施形態において、ガラス飛散防止用フィルム1,1B,2の全体または各部の構成、寸法、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【0053】
また、飛散防止用フィルム1,1B,2は、ガラスの飛散防止のみではなく、ガラスの耐衝撃性を高めることによる破損防止、紫外線のカット、太陽熱のカット、または電磁波のシールドなどの目的のために用いることも可能である。それら種々の目的のために、各層の厚さ、層の構成、材料、透明度、色、添加剤などを適切に選択すればよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明のガラス飛散防止用フィルムによると、ガラスの飛散防止の機能のみでなく、装飾または広告宣伝という新しい機能と価値を付加したガラス飛散防止用フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガラス飛散防止用フィルムの例を示す正面図である。
【図2】ガラス飛散防止用フィルムの断面図である。
【図3】本発明に係る第3の実施形態のガラス飛散防止用フィルムを用いた表示システムの断面図である。
【図4】フィルムの正面図である。
【図5】本発明に係る第2の実施形態のガラス飛散防止用フィルムの断面図である。
【符号の説明】
1,1B,2 ガラス飛散防止用フィルム
11 ベース層
12 粘着層
13 剥離層
14,14B 受像層
15 乳白層
16 画像層
FG 画像
a,b,c,d 圧縮画像
Claims (8)
- ガラスの表面に貼り付けることによって当該ガラスの飛散を防ぐためのガラス飛散防止用フィルムであって、
透明の樹脂フィルムからなるベース層と、
前記ベース層の一方の表面に設けられた粘着層と、
前記ベース層の他方の表面に設けられた透光性を有する画像層と、
を有してなることを特徴とするガラス飛散防止用フィルム。 - 透明の樹脂フィルムからなるベース層と、
前記ベース層の一方の表面に設けられた粘着層と、
前記粘着層の表面に設けられた剥離層と、
前記ベース層の他方の表面に設けられた受像層と、
前記受像層の表面に設けられた半透明の乳白層と、
前記乳白層の表面に設けられた画像層と、
を有してなることを特徴とするガラス飛散防止用フィルム。 - 前記乳白層および前記画像層は、前記ベース層の表面の一部のみに設けられており、
前記ベース層の中の前記画像層の存在する部分は、透過光または反射光のいずれによっても画像として表示され、
前記ベース層の中の前記画像層の存在しない部分は、向こう側が透けて見える、
請求項2記載のガラス飛散防止用フィルム。 - 前記画像層は、インクを用いて印刷を行うことによって形成されている、
請求項2または3記載のガラス飛散防止用フィルム。 - 透明の樹脂フィルムからなるベース層と、
前記ベース層の一方の表面に設けられた粘着層と、
前記粘着層の表面に設けられた剥離層と、
前記ベース層の他方の表面に設けられた透明な受像層と、
前記受像層の表面に設けられた画像層と、
を有してなることを特徴とするガラス飛散防止用フィルム。 - 前記受像層は、シリカおよびバインダーとしての合成樹脂を含有して形成される、
請求項5記載のガラス飛散防止用フィルム。 - ガラスの表面に貼り付けることによって当該ガラスの飛散を防ぐためのガラス飛散防止用フィルムであって、
その表面に視差によって立体画像を観察することのできる圧縮画像が形成されてなる、
ことを特徴とするガラス飛散防止用フィルム。 - 前記圧縮画像は、裏面から見たときに正常に見える画像である、
請求項7記載のガラス飛散防止用フィルム。
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WO2014182150A1 (en) * | 2013-05-07 | 2014-11-13 | Kua Kee Chong | Method for producing a graphic representation on a film |
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- 2003-07-22 JP JP2003199911A patent/JP2004330767A/ja active Pending
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