JP2004330190A - 被覆材料、特に被覆粉末用のスプレー器具 - Google Patents

Abstract

【課題】 僅かの単位時間当たり形成空気量を用いて、被覆材料スプレー流に対する影響、被覆品質、及び被覆に必要な被覆材料量で、一様に良好な又は向上した効率を実現すること。
【解決手段】 被覆材料、特に被覆粉末のためのスプレー器具は、被覆材料をスプレーするためのスプレー出口（４）、スプレー噴流（８）を形成するための多数の穴（１４）の形の形成空気出口（１０）並びにスプレー噴流（８）及び／又は形成空気流（１１）の流れ吸い込み作用によって囲繞空気を貫通吸い込むための、スプレー出口（４）と穴（１４）の半径方向間の囲繞空気通路（５０）を有している。
【選択図】 図１

Description

本発明は、請求項１の前提部分による、被覆材料、特に被覆粉末用のスプレー器具に関する。

特に、本発明は被覆材料を静電帯電するための高圧電極を少なくとも一つ有するスプレー器具に関する。しかしながら本発明は、被覆材料を静電帯電するためには構成されていないスプレー器具にも使用できる。

この種のスプレー器具は、米国特許第4,324,361号、ドイツ国特許出願公開第DE-A1-34 12 694号、米国特許第4,505,430号、米国特許第4,196,465号、米国特許第4,347,984号及び米国特許第6,189,804号で知られている。
米国特許第4,324,361号明細書 ドイツ国特許出願公開第DE-A1-34 12 694号明細書 米国特許第4,505,430号明細書 米国特許第4,196,465号明細書 米国特許第4,347,984号明細書 米国特許第6,189,804号明細書 ヨーロッパ特許第EP-B1-0 767 005号明細書 ヨーロッパ特許第EP-B1-0 744 998号明細書 ドイツ国特許第DE-C2-34 31 785号明細書

形成空気出口として環状隙間を備えたスプレー器具においては、隙間を構成する二つの部分の間で隙間の長手方向において複数位置で隙間が支持されると、それ自身が製作上の技術的原因によって等しい大きさに形成されないという不具合がある。そして環状隙間の代わりに穴が使用されると、特に穴が形成される本体が複数穴位置に沿って分割されていないと、そのときはこの不具合が発生しない。例えばヨーロッパ特許第EP-B1-0 767 005号、ヨーロッパ特許第EP-B1-0 744 998号及びドイツ国特許第DE-C2-34 31 785号がこのようなスプレー器具を示している。

本発明によって、僅かの単位時間当たり形成空気量を用いて、被覆材料スプレー流に対する影響に関し、被覆品質に関し、及び被覆に必要な被覆材料量に関し、一様に良好な又は向上した効率を実現するという課題が解決されるものである。

この課題は、本発明によれば請求項１の特徴によって解決される。
これに依れば、本発明は、被覆材料管路、被覆対象物に被覆材料をスプレーするために被覆材料管路の下流端部にあるスプレー出口、及び被覆材料の流路とスプレー出口の近くをその流路から離れてぐるりと回って延び、更に被覆材料スプレー噴流を囲繞する形成空気流を圧縮空気で生成するように構成された形成圧縮空気用形成空気出口を有し、その形成空気出口は、被覆材料の流路の回りにこれから離れて分布配置され且つ前方に向かって被覆材料スプレー流に向いている多数の穴を通って本体の中に形成されている、被覆材料、特に被覆粉末用のスプレー器具であって、囲繞空気通路が穴に対して間隔を有して半径方向内向きに偏倚しており、その囲繞空気通路は、穴が内部に形成されている本体の後方にある囲繞空気流入位置から、穴が内部に形成されている本体の前方にある空気流出位置まで延びており、並びにその囲繞空気通路が被覆材料の流路の回りにこの流路から離れて、一体的又は複数の開口の形で延びていて、その結果、被覆材料スプレー噴流の流れ吸い込み作用及び／又は形成空気流の流れ吸い込み作用によって、囲繞空気が後方の空気流入位置から前方の空気流出位置へ囲繞空気通路を通って吸い込み可能であることを特徴とするスプレー器具に関する。
本発明の別の特徴が下位の請求項に含まれている。

発明が、例としての好適な実施形態に基づき、図面と関連づけて以下に説明される。
図１、２は、発明の多くの可能な実施形態の内の一つのみを示している。

図１、２に示されたスプレー器具は、被覆粉末をスプレーするために構成されているが、その代わりに液状被覆材料をスプレーするためにも構成することが出来よう。

スプレー器具は、被覆材料管路２、被覆材料スプレー流８の形で被覆材料６を被覆対象物（図示無し）にスプレーするために被覆材料管路２の下流端部にあるスプレー出口４、及び形成圧縮空気１２のための形成空気出口１０を有し、形成空気出口１０は、スプレー出口８の近傍で被覆材料６の流路を囲んで且つその流路から離れて延びており、そして被覆材料スプレー流８を取り囲む形成空気流１１を形成圧縮空気１２によって生成するように構成されている。

形成空気出口１０は多数の穴１４によって構成され、これらの穴は穴に沿っては分割されていない本体１６を貫通して延び且つ被覆材料６の流路を取り囲んでこの流路から離れて分散配置されている。

図１、２の実施形態では、穴１４はそれぞれ、被覆材料６の流路の軸方向中心軸２０の回りに同心的に、相互間の等しい円周間隔１８を持って円環状に配設されている。穴は、スプレー流８の所定の断面形状を得るように、円環状の代わりに他の形状、例えば楕円形状又は多角枠体形状で軸方向中心軸２０の回りに配置されることも出来る。

穴１４間の円周間隔１８は小さいので、そこから流出する形成空気流２２は、好ましくは穴１４の直後でなおスプレー流８に衝突する前に、しかしながら遅くともスプレー流８との衝突点で、半径方向の膨張によって断面が環状の形成空気流に流れ集まる。

穴１４は、被覆材料のスプレー方向に視て前方を向いており、好ましくは軸方向中心軸２０に対して平行に、そして好ましくは前方を向いて示された正面内に形成されている。他の実施形態によれば、それらは軸方向の中心軸２０に対して傾斜して、その方向を向いても又はそれから遠ざかるようにも向いても配向することが出来る。軸方向の中心軸２０に対する穴１４の方向によって、そして圧縮空気１２の押し付け強さによって、スプレー流８の断面形状及び断面面積は調節されることが出来る。

被覆材料の流路の内部又は近傍で、少なくとも１個又は数個の電極、例えば２３、２４及び／又は２５がスプレー出口４に又は近くに配設され、これらは被覆材料６を静電帯電するために高電圧発生器２６に接続されている。高電圧発生器２６はスプレー器具の外側に、又は図１に従ってスプレー器具の内部に設けることが出来る。これは、例えば４ｋＶ乃至１５０ｋＶの範囲にある高定電圧を交流電圧から発生する。スプレー器具は、高電圧発生器２６に低電圧交流電圧を供給するための低電圧交流電圧接点２８、被覆材料管路２に被覆材料を供給するための被覆材料継手３０及び上流側で穴１４を相互連絡する分配管路３４へ形成圧縮空気１２を供給するための形成圧縮空気継手３２を持っている。

少なくとも１０以上、例えば少なくとも２０、３０、又は４０又は任意の多くの数、の穴１４がある。穴１４相互間の円周間隔１８は、軸方向の中心軸２０の回りの円周方向における穴１４の開口寸法３８よりも少なくとも比率で２以上大きい。しかしながら、比率は例えば５以上の値、例えば１０以上の値、のような大きい値を持つことが好ましい。各穴１４の開口断面は２．０ｍｍ²より小さく、例えば１．０ｍｍ²より小さく、又はなお好ましくは０．５ｍｍ²より小さく、又は０．３ｍｍ²より小さい。それによって単位時間当たりの最小限の形成空気流量を持って高速流で高エネルギーの形成空気流を各穴１４に生成し、そしてそれから高エネルギーの形成空気流１１を生成するために、技術的に実施可能に穴を出来るだけ小さくすることが目標である。そうすることによって、僅かな単位時間当たり空気量を用いて、スプレー流８の断面形状及び断面積に有効に影響を与えることができる。個々の穴１４が非常に小さい断面積を持つことによって、全ての穴１４が同じ大きさの断面を持ち且つ分配管路３４がその全長に亘って等しく維持された断面積値を持てば、全ての穴について等しい単位時間当たり形成空気流量が得られる。穴１４の小さい断面積は、分配管路３４の全長に亘って一様な空気圧分布を生ずる。全ての穴１４の断面積全体の和は、分配管路３４の流れ断面積よりも小さく、例えば半分の大きさである。

穴１４は好ましくはそれぞれ断面が円形形状の断面を有するが、例えば角形の断面形状の様な他の断面も持つことが出来る。穴１４は、それらが構成されている本体１６を製作するときに、本体製作プロセスの過程において、例えば本体１６を製作するためのダイカスト法及び穴１４の同時製作により形成されることが出来る。他の好ましい実施形態によれば、穴１４は本体１６への穴明けによって形成される。本体１６は剛な材料、例えば金属管又はプラスチック管から、又は弾性材料或いは可撓材料、例えばゴムやプラスチック、からなる管から例えば製作することが出来る。

図１、２は本体１６が管又は筒である実施形態を示しており、その中に穴１４が穿設されてその管内空間又は筒内空間が分配管路３４を形成している。本体１６は、ケーシング４０の一部分又はスプレー器具２のこのケーシング４０に固定されたケーシング部品とすることもでき、又は図１又は図２に従って付加的な本体１６とすることも出来る。この付加的な本体１６はケーシング４０に固定されているが、ケーシング４０に固定された別の部材、例えば、スプレー出口４を形成し又は含み且つケーシング４０に固定されている前側端部材４２に固定されることもできる。

好適な実施形態によれば、穴１４の出口端部は、スプレー出口４に対して上流側に偏倚して位置している。しかしながら、他の実施形態によれば、穴１４の出口端部は、スプレー出口４も存在する横手面内に、又はその横手面よりも下流側に存在することが出来る。本質的には、形成空気流１１が、スプレー出口４の近くでスプレー流８を取り囲むことによって、被覆材料粒が被覆材料流から半径方向外向きに、又は後ろ向きにスプレー器具の外周面へ漏れ出さないようにすることである。

穴１４は、所定の大きさにおいて、軸方向中心軸２０を中心とした外周方向に延びる隙間よりも実質的に大きい精度で製作することが出来る。更により少ない数の穴においては、熱影響と外側からの機械的な影響、例えば他の物体との衝突による衝撃、とによって寸法変化の危険がある。

穴１４を備えた本体１６は、１個又は数個の部材４４、好ましくは相互間に空間を持つウェブ、によってケーシング４０に直接又は中間部材を介して固定されるので、本体１６はケーシング４０によって担持される。

本発明の好適な実施形態によれば、囲繞空気通路５０は、穴１４に関して半径方向内向きに偏倚した間隔を有しており、これは、穴１４を持つ本体１６の後方の展延囲繞空気流入位置５２から本体１６の前方にある空気流出位置５４へ延びており、且つ被覆材料６の流路の回りにあり、この流路からは分離している１個又は数個のスリット又は他の開孔の形で延び、従って軸方向中心軸２０の囲りに延びていて、そのため後方の空気流入位置５２から前方の空気流出位置５４へ向かって囲繞空気通路５０を通る囲繞空気５６は、被覆材料スプレー流８の吸い込み作用、及び／又は形成圧縮空気噴流２２と形成空気流１１の吸い込み作用により貫通吸い込み可能である。この囲繞空気通路５０は、スプレー器具及び穴１４を含むその本体１６の外面への被覆材料粒子の逆流を防止する。従ってその部分の汚染が防止される。

図示された実施形態において、全ての穴１４は、圧縮空気入口開口６２を備えた圧縮空気分配管路３４を介して互いに流れ的に連絡されている。図示しない実施形態によれば、そのような穴１４の２以上の群が、分配管路３４の１部分を介して互いに流れ的に連絡されており、その部分は流れ的に互いに分かれて且つ個々の圧縮空気入口開口６２を持っている。このことは、好ましくは全ての穴から等しい単位時間当たり圧縮空気量が流出する程度に穴１４から出る単位時間当たり圧縮空気量を細かく調整することを可能とし、そうでなければ他の実施形態により明らかに異なる単位時間当たり圧縮空気量が流出する。

両実施形態にとって、分配管路３４（又はその互いに分かれた部分）の開口断面及び穴１４の開口断面は、全ての穴１４から等しい単位時間当たり圧縮空気量が流出できように相互に調整される。穴１４から流出する単位時間当たりの圧縮空気量は、分配管路３４内での入口開口６２と当該穴１４との間の流れ抵抗によって左右される。最も近くに位置する穴１４から最遠に位置する穴１４へ向かう方向において、分配管路３４が減少し続ける抵抗を持って、或いは穴が圧縮空気入口開口６２からの増大する距離と共に増大し続ける開口断面積を持っても、それによって全ての穴１４について等しい単位時間当たり圧縮空気量が得られる。ここにおいて、入口開口６２から最も短い流路だけ離れている穴１４は最小の開口断面を持ち、そして最も遠い穴１４は最大の開口断面を有する。しかしながらこのような処置は、技術的にコストが高く、高価である。これらは本発明でも使用できる。しかしながら、本発明では、開口断面は前述したように小さいので、そのような処置が無くても全ての穴１４について、等しい大きさの単位時間当たり形成空気流量が得られる。

本発明の全ての実施形態は、被覆材料、特に粒状被覆材料用の全ての種類のスプレー器具、例えば、円流ノズル又は平板流ノズルの形のスプレー出口、円筒形状又は漏斗状形状を備え、衝撃体６０又は滞留体を備え又は備えていないスプレー器具に適しており、そして又そのスプレー出口４が回転体を備えており又はそれを貫通して形成されているスプレー器具にも適している。更に本発明は、少なくとも一つの高電圧電極２３、２４、２５でコロナ放電が発生するコロナスプレー器具にも、そして又スプレー被覆材料粒子の静電帯電が被覆材料管路２内のそれ自身の摩擦によって発生される所謂摩擦スプレー器具にも適している。

本発明は、スプレー流８の回りに形成圧縮空気の一様空気分布を得ることを可能とする。このために、少量の単位時間当たり圧縮空気量のみが必要とされる。本発明により生成される形成空気流１１は、以前はスプレー噴流としてスプレー雲の形を持っていたスプレー流８に安定した作用を及ぼす。このスプレー流８乃至スプレー雲は、被覆箱内の空気流に関して技術水準よりも本質的に感受性が小さい。これは、被覆対象物体の被覆粉末の塗布効率と被覆品質、例えば被覆一様性が本質的に向上されるという更なる効果を持っている。

この種のスプレー器具は、手動作業用グリップを備えていても、又機械装置によって、例えばロボット、昇降スタンド又は固定キャリア、によって保持される真直な又は曲がった自動操作のピストル形工具として構成されていてもスプレーガン又はスプレーピストルと普通呼ばれる。

本発明によるスプレー器具を縮尺に基づかずに一部切断して示す。 矢印IIの方向に視た図１のスプレー器具の正面図を示す。

符号の説明

２…被覆材料管路
４…スプレー出口
６…被覆材料
８…被覆材料スプレー噴流
１０…形成空気出口
１１…形成空気流
１４…穴
１６…本体
１８…間隔
３４…分配管路
５０…囲繞空気通路
５２…流入位置
５４…流出位置
５６…繞空気

Claims (10)

1. 被覆材料管路（２）、被覆対象物に被覆材料（６）をスプレーするために被覆材料管路（２）の下流端部にあるスプレー出口（４）、及び被覆材料（６）の流路とスプレー出口（４）の近くをその流路から離れてぐるりと回って延び、更に被覆材料スプレー噴流（８）を囲繞する形成空気流（１１）を圧縮空気で生成するように構成された形成圧縮空気用形成空気出口（１０）を有し、形成空気出口（１０）は、被覆材料（６）の流路の回りにこれから離れて分布配置され且つ前方に向かって被覆材料スプレー流（８）に向いている多数の穴（１４）を通って本体（１６）中に形成されている、被覆材料（６）、特に被覆粉末用のスプレー器具であって、
   囲繞空気通路（５０）が穴（１４）に対して間隔を有して半径方向内向きに偏倚しており、その囲繞空気通路は、穴（１４）が内部に形成されている本体（１６）の後方にある囲繞空気流入位置（５２）から、穴（１４）が内部に形成されている本体（１６）の前方にある空気流出位置（５４）まで延びており、その囲繞空気通路が被覆材料（６）の流路の回りにこの流路から離れて、一体的又は複数の開口の形で延びていて、その結果、被覆材料スプレー噴流（８）の流れ吸い込み作用及び／又は形成空気流（１１）の流れ吸い込み作用によって、囲繞空気（５６）が後方の空気流入位置（５２）から前方の空気流出位置（５４）へ囲繞空気通路（５０）を通って吸い込み可能であることを特徴とするスプレー器具。
2. 本体（１６）が複数の穴（１４）に沿って分割されていないことを特徴とする請求項１に記載のスプレー器具。
3. 少なくとも１０以上の穴（１４）が設けられていることを特徴とする請求項１又は２に記載のスプレー器具。
4. 穴（１４）相互間の間隔（１８）が、被覆材料（６）の流路の回りの円周方向に視て、この円周方向における穴（１４）の開口寸法よりも、少なくとも比率で５以上、好ましくは少なくとも１０以上大きいことを特徴とする請求項１〜３の何れか１項に記載のスプレー器具。
5. 各穴（１４）の開口断面が、２．０ｍｍ²より小さく、好ましくは１．０ｍｍ²より小さく、又はなお好ましくは、０．５ｍｍ²より小さく又は０．３ｍｍ²より小さいことを特徴とする請求項１〜４の何れか１項に記載のスプレー器具。
6. 穴（１４）が円形断面を持っていることを特徴とする請求項１〜５の何れか１項に記載のスプレー器具。
7. 本体（１６）が、被覆材料（６）の流路をこれから離れて取り囲む管又は筒であり、そして穴（１４）がその管乃至筒の壁の内部に形成されていることを特徴とする請求項１〜６の何れか１項に記載のスプレー器具。
8. 穴（１４）の出口端部がスプレー出口（４）に対して上流側に偏倚して配置されていることを特徴とする請求項１〜７の何れか１項に記載のスプレー器具。
9. 全ての穴（１４）又は穴（１４）の群が、少なくとも一つの圧縮空気入口開口（６２）を有する圧縮空気分配管路（３４）にそれぞれ流れ的に連絡していることを特徴とする請求項１〜８の何れか１項に記載のスプレー器具。
10. 分配管路（３４）の開口断面及び穴（１４）の開口断面が互いに、全ての穴（１４）から等しい単位時間当たり圧縮空気量が流出できるように調整されていることを特徴とする請求項９に記載のスプレー器具。

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