JP2004330020A - 破砕処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】破砕処理装置10は、円筒形の外周面に複数の破砕刃36を設けた破砕ロータ34と、破砕ロータの外側に位置し、当該破砕ロータに形成された破砕刃と協働して処理物を破砕する固定破砕板30と、破砕ロータの軸と連結され、これを正転/逆転にて回転駆動するモータと、モータを駆動および制御する駆動手段とを有する。側方から投入される処理物を受理するよう、破砕室の側面の一方に開口部15が設けられ、開口部15に、両側および上側に壁を有し、かつ、下側の少なくとも一部に穴62が形成された連結部14が取り付けられる。固定破砕板30は、開口部15に対向するように配置され、破砕ロータ34が、開口部15と固定破砕板30との間に配置される。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械加工などにより発生した切粉や、種々の廃棄物などを短時間で破砕処理する破砕処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、機械加工などにより多量に発生した切粉などの破砕対象物(処理物)を、切断して減容処理する破砕処理装置が知られている。このような破砕処理装置においては、回転筒体にその軸線から半径方向に螺旋状、或いは、所定間隔で形成された回転刃と、ケーシングに、上記回転刃と対向するように配置された固定刃とにより、切粉などの破砕対象物を切断している。
【0003】
【特許文献1】特開2000−334321号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の破砕処理装置においては、先端が鋭利な回転刃および固定刃が、回転筒体の回転により接近したときに、その隙間に入った破砕対象物を切断している。したがって、切粉など破砕対象物切断時に、ワークやピットなどの異物が混入するなど過負荷により、回転刃や固定刃が欠損ないし破損する場合がある。刃の欠損は、切断力の低下を招くため、刃の交換が必要となる。
同様に、従来の破砕処理装置においては、固定刃および回転刃により切粉を切断しているため、使用にしたがって、双方の刃先が「鈍り」、これが、切断力の低下を招いていた。このように、従来の破砕対象物を切断するタイプの破砕処理装置においては、特に刃のメンテナンス回数や費用が、無視できないほど大きいという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明者は、先端の鋭利な固定刃および回転刃を用いて破砕対象物を切断するのではなく、回転体の周囲に形成された突起状の破砕刃に、破砕対象物を引掛け、回転体の外側に配置された外側円筒に開けられた穴と協働して、破砕対象物を折り曲げ或いは引き延ばし、その繰り返しによって、破砕対象物を細かくする装置を提案している(特許文献1)。これにより、刃の欠損や破損のおそれを著しく小さくでき、かつ、刃の磨耗があっても処理能力がそれほど悪化しないような破砕処理装置を提供することができた。
【0006】
しかしながら、破砕対象物に含まれる異物、たとえば、ワークの破片などが、固定刃および回転刃の間に挟まり、モータに過負荷を与えることでモータを損傷する可能性や、異物により固定刃が破損するおそれもある。このため、破砕対象物以外の異物を、破砕することなく適切に排出することが求められる。
【0007】
本発明は、ワークなどの異物を適切に装置外に排出することができる破砕処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、円筒形の外周面に複数の破砕刃を設けた破砕ロータと、前記破砕ロータの外側に位置し、当該破砕ロータに形成された破砕刃と協働して処理物を破砕する固定破砕部材であって、複数の穴が形成された固定破砕部材と、前記破砕ロータの軸と連結され、前記破砕ロータを正転/逆転にて回転駆動するモータと、当該モータを駆動および制御する駆動手段とを有する破砕処理装置において、前記破砕処理装置が、側方から投入される処理物を受理するよう、破砕室の側面の一方に開口部を有し、前記開口部に、処理物を搬送する搬送手段と連結された連結部であって、両側および上側に壁を有し、かつ、下側の少なくとも一部に穴が形成された連結部が取り付けられ、前記固定破砕部材が、前記開口部に対向するように配置されるとともに、前記破砕ロータが、前記開口部と前記固定破砕部材との間に配置されたことを特徴とする破砕処理装置により達成される。
【0009】
本発明によれば、金属切粉などの処理物が搬送手段から破砕室に送り込まれる際に、処理物に含まれる異物、たとえば、チップやワークの破片は、連結部の下方に形成された穴から落下する。したがって、破砕室において、破砕ロータの破砕刃および固定破砕部材の間に異物が送り込まれる前に、これを一次的に除去することが可能となる。
【0010】
好ましい実施態様においては、前記駆動手段が、前記開口部を介して送り込まれた処理物を、破砕ロータの上部を通って固定破砕部材の側に送り込むように所定時間だけ正転するとともに、他の所定時間だけ逆転することを繰り返すようなシーケンスで作動し、かつ、過負荷を検出する検出回路を有し、当該過負荷の検出時に、前記駆動回路が、必要な時間モータを逆転するように構成されている。
【0011】
或いは、駆動手段は、前記開口部を介して送り込まれた処理物を、破砕ロータの上部を通って固定破砕部材の側に送り込むように正転し、かつ、過負荷を検出する検出回路を有し、当該過負荷の検出時に、前記駆動回路が、必要な時間モータを逆転するように構成されていても良い。
【0012】
これら実施態様によれば、破砕ロータの破砕刃および固定破砕部材の間に異物が送り込まれた場合であっても、過負荷が検出されて、モータが逆転し、異物を下の方向に戻す、つまり、開口部の方に戻す。これにより、当該異物を連結部の下方に形成された穴から落下させることが可能となる。
【0013】
また、別の好ましい実施態様においては、固定破砕部材の複数の穴が、ほぼ中央部および下部に形成される。
たとえば、固定破砕部材は、複数のほぼ平面状の固定破砕板を有し、前記破砕室において開口部と対向する壁の中央が突出するように前記固定破砕板が配置され、前記駆動手段の正転により回転駆動する破砕ロータの破砕刃に処理物を引掛けて送り込み、前記破砕刃と前記固定破砕板の孔との間で処理物を破砕し、当該孔から破砕された処理物を排出する。
【0014】
より好ましい実施態様においては、固定破砕板の破砕ローラと対向する面に、軸方向に延びる1以上の凹部が形成される。さらに、凹部が中央に向けて窪みが大きくなるように複数の段に形成されていても良い。このような構成を採用することにより、破砕ローラの軸を、固定破砕部材と近接して配置することができる。また、軸方向に凹部を設けて、面を多段に構成することにより、破砕ローラの破砕刃の先端と、固定破砕板との間で、処理物を破砕する面を大きくすることができる。このため、破砕効率をより高めることが可能となる。
【0015】
或いは、固定破砕部材の断面形状が円弧状であり、前記破砕室において開口部と対向する壁の中央が突出するように前記固定破砕部材が配置され、前記駆動手段の正転により回転駆動する破砕ロータの破砕刃に処理物を引掛けて送り込み、前記破砕刃と前記固定破砕板の孔との間で処理物を破砕し、当該孔から破砕された処理物を排出するように構成されていても良い。
【0016】
別の好ましい実施態様においては、連結部が、その下部において、破砕室の壁に連なり、かつ、下部に形成された穴に向かって下方に傾斜した舌部を有する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態につき説明を加える。図1および図2は、それぞれ、本発明の本実施の形態にかかる破砕処理装置の正面図および平面図、図3は、図1のA−A線断面図である。また、図4は、本実施の形態にかかる破砕処理装置の破砕室の詳細を示す断面図である
【0018】
図1に示すように、本実施の形態にかかる破砕処理装置10は、破砕部12、取り付け台16、モータ18および操作盤20を有している。取り付け台16の下部には、処理物収容箱22を配置することができ、処理装置10から排出される、破砕処理が施された処理物を収容することができる。また、図2および図3に示すように、破砕処理装置10の背面側の開口部15には、コイルコンベア(図示せず)に、その一端が連結された、上方に傾斜して配置されたパイプ100の他端に連結される連結部14が設けられている。
【0019】
図1および図2に示すように、破砕部12は、支持フレーム24、取り付け部26、固定破砕板取り付けフレーム28、固定破砕板30−1、30−2、および、破砕ロータ34を備えている。
【0020】
破砕機12の背面側部には開口部15が形成され、開口部15に取り付けられた連結部14には、開口部から背面側に延長された壁部(たとえば、符号60参照)が形成され、かつ、後に詳述するように下部に穴62が設けられている。連結部14の背面に、その一端が取り付けられたパイプ100の他端には、コイルコンベア(図示せず)が連結される。
【0021】
コイルコンベア(図示せず)は、中空のパイプや、上面が開放されたU字或いはV字の部材の長手方向に、コイルを配設し、上記パイプや部材の一端に配置されたモータによりコイルを回転させ、コイルの回転により推力を生じさせて、内部の処理物を所定の方向に送り込むことができるようになっている。したがって、本実施の形態においても、コイルコンベアに設けられた投入口から投入された処理物が、パイプ100に順次送り込まれることにより、パイプ100内の処理物が、破砕機12の背面の開口部15に向けて順次押し出されていく。これにより、破砕部12内の破砕室46に処理物を送り込むことができる。
【0022】
図3および図4により詳細に示すように、支持フレーム24の内側には、固定破砕板取り付けフレーム28が配置される。支持フレーム24の、回転破砕刃の軸方向両端の内壁に、破砕板取り付けフレーム28の外壁を整合させた上で、固定破砕板取り付けフレーム28は、取り付けボルト42により支持フレーム24に固定される。
【0023】
本実施の形態においては、固定破砕板取り付けフレーム28に、2つの固定破砕板30−1、30−2(以下、これらを総称して「固定破砕板30」とも称する。)が、側方で接するように横向きのV字状に取り付けられている。本実施の形態において、2つの固定破砕板30−1、30−2は、略90°の角度を持って取り付けられているが、この角度に限定されるものではない。
【0024】
図5に示すように、本実施の形態において、固定破砕板30は、刃物鋼の板状の部材であり、複数の長孔32を有する。本実施の形態において、長孔32は、軸方向に長径を有し、かつ、軸方向の複数の列に沿って配置されている。軸に垂直な方向に隣接する長孔32は、当該方向に、部分的に重複するような配置となっている。これは、後述するように、回転破砕刃36に引掛けられた処理物が、長孔32の周囲などに接触して、これにより、処理物が折り曲げられるような機会をより増やすために有効である。なお、長孔は、板状の部材を打ち抜くことにより形成することができる。
【0025】
また、図3に示すように、固定破砕板支持部40は、横向きのV字状の側面を有し、一方の固定破砕板30−1の端部の内面に、他方の固定破砕版30−2の側端面が整合した状態で、双方の固定破砕板30−1、30−2の外面が、固定破砕板支持部40の側面と密着するようになっている。これにより、2つの固定破砕板30−1、30−2を、一組の固定破砕部材として使うことができる。
【0026】
図6に示すように、本実施の形態において、破砕ロータ34には、中実な刃物鋼の筒体の外周を削り出すことにより、当該外周面に、円周方向に複数の連続する山型の破砕刃36が形成される。図3および図6から理解できるように、破砕刃36の断面形状は、正転(時計回り)方向(図6(b)の矢印X参照)、つまり、処理物の送り込み側に、破砕刃36の先端部分が向くようになっている。破砕刃36の破砕刃36の断面形状を、このように構成することにより、破砕ロータ34の正転時には、先端部分に、処理物が引っかかり易くなり、破砕ロータ34の回転に伴って、固定破砕板30の方に向けて移動される。
【0027】
また、破砕ロータ34の軸38の一端は、モータ18に連結されており、モータ18の作動に伴って回転駆動される。たとえば、破砕ロータ34の運転タクトは、正転(図3における時計回り)を45秒間、逆転(図3における反時計回り)を5秒間に設定されている。無論、操作盤20上のスイッチ等をオペレータが操作することにより、上記運転タクトは任意に調整することが可能である。また、本実施の形態において、モータ駆動回路(図示せず)にはショックリレーが接続されている。したがって、たとえば、チップやワークなどの異物が混入して、破砕刃34と固定破砕板30の内面との間に異物が挟まった状態となった場合など、過負荷により過電流がモータ駆動回路に流れた時には、ショックリレーがこれを検出し、5秒間、モータを逆転させるような設定となっている。この逆転させる時間も5秒に限定されるものではないことは言うまでもない。
【0028】
破砕ロータ34は、支持フレーム24および固定破砕板取り付けフレーム28のほぼ中央に設けられた穴を介して、その軸部38がモータの軸に連結できるようになっている。
【0029】
次に、本実施の形態における固定破砕板30について説明する。固定破砕板30−1および30−2を下面で支持する固定破砕板支持部40は、固定破砕板取り付けフレーム28に固定され。固定破砕板取り付けフレーム28の移動に伴って、たとえば上下方向(図3の符号29参照)に動くことができる。これにより、破砕ロータ34と固定破砕板30との隙間を調整することができる。たとえば、固定破砕板取り付けフレーム28を矢印29の「a」方向にスライドさせることで、送り込み側において、固定破砕板30−1と回転破砕刃36との間隔を、比較的広げることができる。その一方、矢印「b」側にスライドさせれば、送り込み側の固定破砕板30−1と回転破砕刃36との間隔を狭めることができる。このようにして、処理物の材質、形状により最適な破砕状態になるように、破砕ロータ34と固定破砕板30との間隔を調節することができる。本実施の形態において、上記スライドは上下にそれぞれ5mmずつとなっている。
【0030】
また、前述したように、本実施の形態においては、破砕処理装置10の背面側に開口部15が設けられ、当該開口部15には連結部14が取り付けられている。連結部14は、
断面形状が、開口部15と合致するように矩形或いは長方形であり、かつ、上部および両側部には、開口部15の端、つまり、破砕室46の壁から延びる壁部60が形成される。これら壁部60の内側(内壁)は、破砕室46の内壁とほぼ滑らかに連なる。その一方、連結部14の下部には穴62が形成される。また、連結部14の下部においても、破砕室46の壁63に連なり、かつ、穴62に向かって下方に傾斜した舌部64が設けられる。穴62の下方には、異物収容箱66を配置することができる。
【0031】
このように構成された破砕処理装置10の使用について、以下に説明する。始動の際に、操作者は、操作盤20の始動スイッチを押して、モータ18を駆動し、破砕ロータ34を回転させる。このときに、運転タクトを調節しても良い。また、操作者は、コイルコンベア(図示せず)も作動して、コイルコンベアの投入口に、金属切粉などの処理物を投入する。
【0032】
投入された処理物は、コイルコンベア中を通り抜け、パイプ100に達する。コイルコンベアから処理物が順次送り込まれることにより、パイプ100中の処理物も、順次、破砕処理装置10の開口部15に向かって送られる。このようにして、処理物は、破砕処理装置10の破砕室46に送り込まれる。
【0033】
ここで、処理物である金属切粉は、互いに絡まりあった状態で、そのほとんどが、穴62から落下することなく破砕室46に送り込まれる。その一方、金属切粉に混入した異物、たとえば、チップやワークの破片は、切粉とは絡まっていないため、その重さにより、穴62から落下する。穴62の下部に、異物収容箱66を設置しておけば、落下した異物をその中に収容することができる。
【0034】
破砕室46において、処理物は、破砕ロータ34の破砕刃36の先端に引掛かり、破砕ロータ34の回転に伴って、送り込み側に向けて、順次送り込まれる。送り込まれた処理物は、固定破砕板30の長孔32の周囲などに接触することにより、引っ張られ、あるいは、折り曲げられ、場合によっては、引きちぎられる。モータの正転および逆転に伴って、上述した引っ張り、折り曲げ、引きちぎりが繰り返され、これにより、処理物が破砕される。破砕された処理物は、長孔32を通って落下し、破砕処理物収容箱22に収容される。
【0035】
より詳細には、本実施の形態においては、処理物は、破砕刃36の各々に引っかかり、或いは、隣接する破砕刃36の間に挟まった状態で、まず、固定破砕板30−1の側に送り込まれ、そこに形成された長孔32と接触することにより、小さな断片に破壊され、長孔32を通って落下する。同様に、固定破砕板30−2の側においても、さらに、長孔32と接触することで引っ張られ、また、折り曲げられる。したがって、回転破砕刃と固定破砕板との間で、処理物の切断は行われていないため、刃の破損等のおそれを著しく小さくすることが可能となる。
【0036】
本実施の形態において、チップの破片などの異物が、穴62から落下せず、破砕室46に到達した場合を考える。この場合に、異物の多くは、金属切粉とともに、送り込み側、つまり、固定破砕板30−1に向かって移動し、破砕刃36と固定破砕刃30−1との間に挟まれる。これにより、モータ18の回転が妨げられて、過電流がモータ駆動回路に流れるため、モータ18が逆転する。
【0037】
モータ18が逆転すると、挟まれていた異物は開口部15に向かって戻され、その重力により落下するため、穴62から落下する。本実施の形態において、破砕室46の下側の壁63に連なる舌部64は下方に傾斜しているため、破砕室46の下側に落下した異物も確実に穴62から落下させることが可能となる。また、本実施の形態においては、処理物が側方(図1においては背面)から送り込まれる。このため、処理物が異物を含んだ場合に、当該処理物は、上側の固定破砕板30−1の側に送り込まれる。したがって、モータ18が逆転したときに、異物が、固定破砕板30−1から離間して、破砕室46の下側に落下し得る。
【0038】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態においては、二つの固定破砕板30−1、30−2をV字状に取り付け、これを横向きにして利用している。これに対して、第2の実施の形態においては、断面形状がほぼ半円状の固定破砕部材130が利用されている。図7は、第2の実施の形態にかかる破砕処理装置の正面図、図8は、図7のB−B線断面図である。
【0039】
図7および図8に示すように、この実施の形態においては、固定破砕板取り付けフレーム128に、断面形状が半円状の固定破砕部材130が挟持され、かつ、固定破砕刃取り付けフレーム128を支持フレーム24に固定することにより、固定破砕部材130が取り付けられる。また、固定破砕部材130の両端は、ネジなどの取り付け部材により支持フレーム24に固定される。さらに、固定破砕部材130の両端にはテーパが形成され、破砕室46の内壁と連なるようになっている。
【0040】
第2の実施の形態にかかる固定破砕部材130にも孔132が形成されるが、第2の実施の形態において、孔132の形状はほぼ円形である。また、第2の実施の形態においては、孔132は、固定破砕部材130の中央部および下部に形成されている。固定破砕部材130の上側には穴が形成されず、この領域において、回転破砕刃134の正転により、処理物を、より破砕室146の狭い方(つまり、固定破砕部材130と破砕ロータ134の回転破砕刃136の間隔が狭くなる方)に誘導する、いわゆる「くさび効果」が生じる。
【0041】
この実施の形態においても、破砕処理装置110の背面側には開口部15が形成され、開口部15には連結部14が取り付けられている。また、連結部14の下部には穴62が形成されている。これらの構成は第1の実施の形態と同様である。また、連結部の一端には、コイルコンベア(図示せず)から連なるパイプ100の端部が連結されていることも、第1の実施の形態と同様である。
【0042】
図9(a)、(b)は、それぞれ、本実施の形態にかかる破砕ロータ134の正面図および側面図である。第2の実施の形態においては、破砕ロータ134の外周面には、90度の角度間隔で、回転破砕刃136が設けられている。それぞれの回転破砕刃136の断面形状において、正転方向に、その先端部分137が向くようになっている。また、刃の上側138は、破砕ロータの周とほぼ一致し、かつ、背面側139は、破砕ロータ134の周の接線と略一致するようになっている。
【0043】
破砕ロータ134およびその回転破砕刃136がこのような形状を有することにより、破砕ロータ134の正転時に、その先端に処理物を引っ掛け、かつ、固定破砕部材130と接近した際に、その上側および固定破砕部材130にて、処理物を折り曲げ、引きちぎることが可能となる。
【0044】
また、モータ18の作動は第1の実施の形態と同様である。このように構成された破砕処理装置においても、コイルコンベア(図示せず)を作動して、その投入口に金属切粉などの処理物を投入することにより、処理物がコイルコンベア、パイプ100および破砕処理装置110の開口部15を通って、破砕室46に送り込まれる。破砕室46において、処理物は破砕ロータ146の破砕刃136の先端に引掛かり、破砕ロータ134の回転に伴って、送り込み側に向けて順次送り込まれる。送り込まれた処理物は、固定破砕板30の孔132の周囲などに接触することにより、引っ張られ、あるいは、折り曲げられ、場合によっては、引きちぎられる。モータの正転および逆転によって、上記引っ張り、折り曲げ、引きちぎりが繰り返され、これにより、処理物が破砕される。破砕された処理物は、孔132を通って落下し、破砕処理物収容箱22に収容される。
【0045】
また、ワークやチップの破片などの異物が処理物に混入していた場合にも、一時的には、連結部14の下部に形成された穴62から落下する。また、穴62から落下せずに破砕室46に到達し、固定破砕部材130と破砕刃136との間に挟まった場合にも、第1の実施の形態と同様に、モータ18の逆転により、異物は開口部15に向かって戻され、その重力により落下するため、穴62から落下する。
【0046】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
たとえば、第1の実施の形態においては、破砕ロータ34は中実な筒体を削り出して製造されているがこれに限定されるものではない。鋳造により一体成型されても良い。また、第2の実施の形態にかかる破砕ロータ134についても同様である。また、破砕ロータの破砕刃の形状も上記実施の形態に限定されず、他の形状(たとえば、図10〜図13参照)であっても良い。
【0047】
さらに、前記実施の形態においては、破砕ロータ34、134の運転タクトは、正転45秒、逆転5秒、過負荷時の過電流検出後5秒となっているがこれに限定されるものではなく、処理物の状況や特性により最適な状態に変更しても良い。
また、前記実施の形態においては、破砕する処理物として金属切粉を例示したがこれに限定されず、他の処理物、たとえば、アルミなどを破砕することもできる。
【0048】
さらに、前記第1の実施の形態において、上部に位置する固定破砕板30−1の長穴32が、固定破砕板30−1の下部のみに形成されていても良い。
【0049】
また、前記第1の実施の形態において、固定破砕板30−1、30−2は、それぞれ、表面が平坦な金属板から形成されているがこれに限定されるものではない。図14は、本発明にかかる破砕処理装置のさらに他の例の断面図である。図14に示すように、この破砕処理装置210は、固定破砕板230−1、230−2、および、破砕ローラ134を除き、第1の実施の形態の破砕処理装置10と同様の構成を有している。この例にかかる破砕処理装置210の破砕ローラ134は、第2の実施の形態と同様の構成を有している。
【0050】
固定破砕板230−1、230−2において、それぞれ、破砕ローラ134と対向する面に、破砕ローラ134の軸方向に延びる凹部が設けられる。この例では、前記軸方向に垂直な方向に両端から中央に向けて、徐々に窪みが大きくなるように、つまり、破砕ローラ134と対向する表面と前記軸との距離が大きくなるように、第1の凹部234および第2の凹部236が設けられている。
【0051】
このような構成を採用することにより、破砕ローラ134の軸を、固定破砕板230−1および230−2と近接して配置することができる。また、軸方向に凹部を設けて、面を多段に構成することにより、破砕刃136の先端137と、固定破砕板230−1、230−2との間で、処理物を破砕する面を大きくすることができる。つまり、単一面ではなく、多段の面を作ることで、当該面の間(たとえば、第1の凹部234と第2の凹部236との間)の部分でも、処理物を破砕することができる。これにより、より効率的な破砕処理を実現することが可能となる。なお、上記例では、軸方向に2つの第1の凹部および第2の凹部を設けることにより、3段の面を構成しているが、段数はこれに限定されるものではない。
【0052】
さらに、前記実施の形態においては、コイルコンベアおよび傾斜したパイプを利用して、破砕処理装置に処理物を送り込んでいるが、このような構成に限定されるものではない。たとえば、コイルコンベアなどの搬送手段を、破砕処理装置の連結部に接続しても良い。この場合、コイルコンベアを傾斜させて配置しても良いし、破砕処理装置の連結部の壁に対して水平に配置しても良い。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、ワークなどの異物を適切に装置外に排出することができる破砕処理装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる破砕処理装置の正面図である。
【図2】図2は、第1の実施の形態にかかる破砕処理装置の平面図である。
【図3】図3は、図1のA−A線断面図である。
【図4】図4は、第1の実施の形態にかかる破砕処理装置の破砕室の詳細を示す断面図である。
【図5】図5は、第1実施の形態にかかる固定破砕刃を示す斜視図である。
【図6】図6は、第1の実施の形態にかかる破砕ロータを示す図であり、図6(a)は、正面図、図6(b)は、図6(a)のB−B線断面図である。
【図7】図7は、第2の実施の形態にかかる破砕処理装置の正面図である。
【図8】図8は、図7のB−B線断面図である。
【図9】図9(a)、(b)は、それぞれ、本実施の形態にかかる破砕ロータの正面図および側面図である。
【図10】図10(a)、(b)は、それぞれ、破砕ロータの他の例を示す正面図および側面図である。
【図11】図11(a)、(b)は、それぞれ、破砕ロータの他の例を示す正面図および側面図である。
【図12】図12(a)、(b)は、それぞれ、破砕ロータの他の例を示す正面図および側面図である。
【図13】図13(a)、(b)は、それぞれ、破砕ロータの他の例を示す正面図および側面図である。
【図14】図14は、本発明にかかる破砕処理装置のさらに他の例の断面図である。
【符号の説明】
10 破砕処理装置
12 破砕部
14 連結部
15 開口部
16 取り付け台
18 モータ
20 操作盤
22 破砕処理物収容箱
24 支持フレーム
26 取り付け部
28 固定破砕板取り付けフレーム
30 固定破砕板
32 孔
34 破砕ロータ
36 破砕刃
38 回転軸
40 固定破砕板支持部
46 破砕室
Claims (9)
- 円筒形の外周面に複数の破砕刃を設けた破砕ロータと、前記破砕ロータの外側に位置し、当該破砕ロータに形成された破砕刃と協働して処理物を破砕する固定破砕部材であって、複数の穴が形成された固定破砕部材と、前記破砕ロータの軸と連結され、前記破砕ロータを正転/逆転にて回転駆動するモータと、当該モータを駆動および制御する駆動手段とを有する破砕処理装置において、
前記破砕処理装置が、側方から投入される処理物を受理するよう、破砕室の側面の一方に開口部を有し、前記開口部に、処理物を搬送する搬送手段と連結された連結部であって、両側および上側に壁を有し、かつ、下側の少なくとも一部に穴が形成された連結部が取り付けられ、
前記固定破砕部材が、前記開口部に対向するように配置されるとともに、前記破砕ロータが、前記開口部と前記固定破砕部材との間に配置されたことを特徴とする破砕処理装置。 - 前記駆動手段が、前記開口部を介して送り込まれた処理物を、破砕ロータの上部を通って固定破砕部材の側に送り込むように所定時間だけ正転するとともに、他の所定時間だけ逆転することを繰り返すようなシーケンスで作動し、かつ、過負荷を検出する検出回路を有し、当該過負荷の検出時に、前記駆動回路が、必要な時間モータを逆転するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の破砕処理装置。
- 前記駆動手段が、前記開口部を介して送り込まれた処理物を、破砕ロータの上部を通って固定破砕部材の側に送り込むように正転し、かつ、過負荷を検出する検出回路を有し、当該過負荷の検出時に、前記駆動回路が、必要な時間モータを逆転するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の破砕処理装置。
- 前記固定破砕部材の複数の穴が、ほぼ中央部および下部に形成されることを特徴とする請求項2または3に記載の破砕処理装置。
- 前記固定破砕部材が、複数のほぼ平面状の固定破砕板を有し、前記破砕室において開口部と対向する壁の中央が突出するように前記固定破砕板が配置され、
前記駆動手段の正転により回転駆動する破砕ロータの破砕刃に処理物を引掛けて送り込み、前記破砕刃と前記固定破砕板の孔との間で処理物を破砕し、当該孔から破砕された処理物を排出することを特徴とする請求項2ないし4の何れか一項に記載の破砕処理装置。 - 前記固定破砕板の破砕ローラと対向する面に、軸方向に延びる1以上の凹部が形成されたことを特徴とする請求項5に記載の破砕処理装置。
- 前記凹部が中央に向けて窪みが大きくなるように複数の段に形成されることを特徴とする請求項6に記載の破砕処理装置。
- 前記固定破砕部材の断面形状が円弧状であり、前記破砕室において開口部と対向する壁の中央が突出するように前記固定破砕部材が配置され、
前記駆動手段の正転により回転駆動する破砕ロータの破砕刃に処理物を引掛けて送り込み、前記破砕刃と前記固定破砕板の孔との間で処理物を破砕し、当該孔から破砕された処理物を排出することを特徴とする請求項2ないし4の何れか一項に記載の破砕処理装置。 - 前記連結部が、その下部において、破砕室の壁に連なり、かつ、下部に形成された穴に向かって下方に傾斜した舌部を有することを特徴とする請求項1ないし8の何れか一項に記載の破砕処理装置。
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CN106964437A (zh) * | 2017-05-03 | 2017-07-21 | 李润凤 | 一种文化传媒报刊废旧报刊高效处理设备 |
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