JP2004329639A - 放電装置及び空気浄化装置 - Google Patents

放電装置及び空気浄化装置 Download PDF

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Toshio Tanaka
利夫 田中
Kenkichi Kagawa
謙吉 香川
Kanji Mogi
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Abstract

【課題】ストリーマ放電を行う放電装置の放電音を低減し、ひいては民生用の空気浄化装置にも該放電装置を適用可能としてその性能向上を図る。
【解決手段】ストリーマ放電を行う複数の放電ユニット(40A,40B) を用いるとともに、各ユニット(40A,40B) で時間的に交互に等間隔で放電を起こすことにより、放電ユニット(40A,40B) の全体の放電周波数が個別の放電ユニット(40A,40B) の放電周波数よりも高周波化されるようにする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電装置及び空気浄化装置に関し、特に、ストリーマ放電の放電音を低減するための技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、空気中に含まれる臭気成分や有害成分を除去ないし低減する空気浄化装置において、放電装置を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1の空気浄化装置は、放電によって生成される低温プラズマ中の反応性の高い物質(電子、イオン、オゾン、ラジカルなどの活性種)を、触媒の存在下で被処理空気中の有害物質や臭気物質と反応させることによって、これらの物質を分解除去するように構成されている。
【0003】
上記特許文献1には、放電装置に種々の放電方式を採用できることが記載されており、そのうちの一つとして、ストリーマ放電が挙げられている。ストリーマ放電は、比較的低い電力で強い分解能力が得られる放電方式であり、工場などで大規模にガスの分解や脱臭を行うのに適している。
【0004】
一方、ストリーマ放電は、比較的大きな放電音を伴うため、民生用の空気浄化装置に適用するには不向きと考えられている。これに対し、ストリーマ放電の放電音を低減することが可能になれば、民生用などの小型の空気浄化装置にもストリーマ放電を適用できるため、その高い分解能力を生かして空気浄化装置の性能向上を図ることが可能になると考えられる。
【0005】
放電と触媒とを組み合わせた空気浄化装置において放電音を低減するための技術としては、複数の放電装置間で印加電圧の位相をずらして放電音を低減することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2には、位相調整器を有する並列の電気回路を設けて単に印加電圧の位相をずらすだけで、放電音やノイズを低減できると記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−336653号公報
【特許文献2】
特開2002−238984号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献2に記載のように単に印加電圧の位相をずらすだけでは、実際には放電音のピークが分散するだけで、十分に放電音を低減することは困難であり、放電音の発生レベルそのものは低減できないと考えられる。また、位相調整器を用いた電気回路では、例えば90°の位相のずれを狙っていても、電気回路自体の精度のばらつきにより位相のずれにもばらつきが生じやすい。したがって、放電音のピークを分散することに関しても、その分散度合いにばらつきが生じ、これも音の低減性能を安定させるのには妨げになると考えられる。
【0008】
本発明は、このような観点から創案されたものであり、その目的は、ストリーマ放電を行う放電装置の放電音を低減し、ひいては民生用の空気浄化装置にも該放電装置を適用可能としてその性能向上を図ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ストリーマ放電を行う複数の放電ユニット(40A,40B) を用いるとともに、各ユニット(40A,40B) で時間的に交互に等間隔で放電を起こすことにより、放電の周波数を高周波数域にシフトするようにしたものである。
【0010】
具体的に、請求項1に記載の発明は、放電電極及び対向電極に所定の放電電圧を印加することによりストリーマ放電を行う放電装置を前提としている。
【0011】
そして、この放電装置は、それぞれが放電電極及び対向電極を有する複数の放電ユニット(40A,40B) を備え、各放電ユニット(40A,40B) が時間的に交互に等間隔で放電を行うことにより、放電ユニット(40A,40B) の全体の放電周波数が放電ユニット(40A,40B) の個別の放電周波数よりも高周波化されるように構成されていることを特徴としている。
【0012】
この請求項1の発明では、各放電ユニット(40A,40B) においてストリーマ放電が時間的に交互に等間隔で発生するため、放電ユニット(40A,40B) の全体の周波数は、個別の放電ユニット(40A,40B) における放電の周波数に対し、放電ユニット(40A,40B) の個数倍に高周波化される。したがって、放電の周波数を高周波数域にシフトすることができ、それによって、放電を可聴域を超える周波数で、もしくは人間の耳に聞こえにくい周波数で行わせることが可能となる。
【0013】
これに対し、単に可聴域を超える周波数の高周波電源を用いて放電の周波数を高周波側にシフトし、放電が可聴域を越えるような周波数で発生するように制御することは困難である。これは、ストリーマ放電の場合は、単に可聴域を越える高周波電源を用いても放電の周波数が電源の周波数に一致するとは限らず、放電の周波数が電源の周波数よりも小さくなって可聴域の範囲内となってしまうことがあるためである。そこで、その理由について、図3を参照して以下に説明する。
【0014】
図3(a),(b),(c)には、ストリーマ放電のメカニズムを示している。まず、図3(a)に示すように、ストリーマ放電時は、放電電極(51)と対向電極(52)の間の空間で電離が生じ、電離がプラス側(放電電極側)からマイナス側(対向電極側)へ進むことでリーダー(電子、プラスイオンの流れ)(53)が進展する。その際、電子(54)の移動速度が速いのに対してプラスイオン(55)の移動速度は遅いため、図3(b)に示すように電子(54)の移動が終わってもプラスイオン(55)が空間に残存してプラス電極(51)回りの電場が弱くなる状態が起こり、この間は放電が発生しない状態が起こる。その後、空間のプラスイオン(55)がすべて移動するとプラス電極(51)回りの電場が回復し、図3(c)に示すように再び電離が生じてリーダー(53)が進展する。以上のことから、ストリーマ放電を行う放電装置(40)では、放電はプラスイオン(55)が電場に発生してから消滅するまでよりも速いサイクルでは行われないことが分かる。
【0015】
つまり、従来の放電装置(40)では、可聴域を超える周波数で放電電圧を与えても、放電の周波数は通常はそれよりも小さくなる。そして、上述の放電の周波数が音の周波数となるため、放電音の周波数が可聴域の範囲内になってしまう。
【0016】
一方、請求項1の本発明では、可聴域内の周波数の電源を用いても、複数の放電ユニット(40A,40B) で時間的に交互に等間隔で放電を起こすことにより、可聴域を超える周波数で放電が生じる状態を実現できる。このため、放電音の低減が可能となる。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の放電装置(40)において、2つの放電ユニット(40A,40B) を備え、各放電ユニット(40A,40B) が時間的に交互に等間隔で放電を行うことにより、放電ユニット(40A,40B) の全体の放電周波数が放電ユニット(40A,40B) の個別の放電周波数の2倍に高周波化されるように構成されていることを特徴としている。
【0018】
この請求項2の発明では、放電ユニット(40A,40B) の個数を2つにし、それぞれが交互に等間隔で放電するようにしているので、放電ユニット(40A,40B) の全体の放電周波数は、放電ユニット(40A,40B) の個別の放電周波数の2倍となる。このため、例えば個別の放電ユニット(40A,40B) に対する印加電圧の周波数を10kHzにすると、全体の放電周波数は20kHzとなり、ほぼ可聴域の音の周波数を超えることになる。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の放電装置(40)において、第1の放電ユニット(40A) の放電電極である第1電極(41)と、第2の放電ユニット(40B) の対向電極である第2電極(42)と、第1の放電ユニット(40A) の対向電極と第2の放電ユニット(40B) の放電電極とが共用化された第3電極(43)とを備え、第1電極(41)と第2電極(42)との距離を二分する位置に第3電極(43)が配置されていることを特徴としている。
【0020】
この請求項3の発明では、第1電極(41)と第3電極(43)との間と、第3電極(43)と第2電極(42)との間の両方でストリーマ放電が発生する。そして、この構成においても、それぞれの電極間でのストリーマ放電が時間的に交互に等間隔で発生することにより、全体としての放電の周波数が個別の放電ユニット(40A,40B) の放電周波数よりも高周波化される。
【0021】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の放電装置(40)において、第1電極(41)に所定の高位電圧が印加され、第2電極(42)に所定の低位電圧が印加され、第3電極(43)には、該高位電圧と低位電圧の中間値を基準として規則的な振幅及び周波数で周期変動する電圧が印加されることを特徴としている。
【0022】
この請求項4の発明では、第3電極(43)の印加電圧が、第1電極(41)の高位電圧と第2電極(42)の低位電圧の中間値を基準として規則的な振幅及び周波数で周期変動する際に、高位側になったときと低位側になったときに、第1電極(41)との間または第2電極(42)との間で放電を発生させることができる。そして、第3電極(43)への印加電圧の低位側のピークと高位側のピークで放電が発生するようにしておくと、放電を確実に交互に等間隔で発生させ、放電ユニット(40A,40B) 全体の放電周波数を個別の放電ユニット(40A,40B) の放電周波数に対して正確に2倍にすることができる。
【0023】
また、請求項5に記載の発明は、被処理空気の流れる空気通路(25)と、該空気通路(25)に配置されるとともにストリーマ放電を行う放電装置(40)とを備えた空気浄化装置(10)を前提としている。そして、この空気浄化装置(10)は、上記放電装置(40)が請求項1から4のいずれか1に記載の放電装置(40)により構成されていることを特徴としている。
【0024】
この請求項5の発明では、放電装置(40)によるストリーマ放電で発生するプラズマ中の反応性の高い物質(電子、イオン、オゾン、ラジカルなどの活性種)を用いることによって、被処理空気中の有害物質や臭気物質が分解除去される。また、必要に応じて触媒も用いて、上記の反応性の高い物質を触媒の存在下で被処理空気中の有害物質や臭気物質と反応させることによって、これらの物質を分解除去するようにしてもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
図1は、この実施形態に係る空気浄化装置(10)の分解斜視図である。この空気浄化装置(10)は、一般家庭や小規模補店舗などで用いることのできる民生用の空気浄化装置である。
【0027】
この空気浄化装置(10)は、一端が開放された箱形のケーシング本体(21)と、その開放端面に装着される前面プレート(22)とからなるケーシング(20)を備えている。ケーシング(20)の前面プレート(22)側の両側面には空気吸込口(23)が形成されている。また、ケーシング本体(21)には、前面プレート(22)に対向する背板に空気吹出口(24)が形成されている。ケーシング(20)内には、被処理空気の流れる空気通路(25)と、該空気通路(25)に被処理空気を流通させるためのファン(図示せず)と、空気浄化を行う各種の機能部品(30)とが配置されている。
【0028】
上記機能部品(30)には、前面プレート(22)側から順に、プレフィルタ(31)、イオン化部(32)、メインの集塵フィルタ(33)、放電装置(40)、そして触媒構造体(34)が含まれている。
【0029】
プレフィルタ(31)は、空気中に含まれる比較的大きな塵埃を捕集するフィルタである。イオン化部(32)は、プレフィルタ(31)を通過した比較的小さな塵埃を帯電させ、該塵埃を、その下流側に配置されている集塵フィルタ(33)(静電フィルタ)により捕集するためのものである。
【0030】
集塵フィルタ(33)のさらに下流側には、ストリーマ放電を行う放電装置(40)と触媒構造体(34)とが配置されている。触媒構造体(34)は、例えばハニカム構造の基材の表面に触媒を担持したものである。この触媒には、放電によって生成される低温プラズマ中の反応性の高い物質をさらに活性化し、空気中の有害成分や臭気成分の分解を促進するものが用いられる。
【0031】
次に、上記放電装置(40)について説明する。
【0032】
放電装置(40)は、概略構成図である図2(a)に示すように、第1の放電ユニット(40A) と第2の放電ユニット(40B) とを備えている。この放電装置(40)は、第1の放電ユニット(40A) の放電電極である第1電極(41)と、第2の放電ユニット(40B) の対向電極である第2電極(42)と、第1の放電ユニット(40A) の対向電極と第2の放電ユニット(40B) の放電電極とが共用化された第3電極(43)とを備えている。そして、上記第3電極(43)は、上記第1電極(41)と第2電極(42)のちょうど中間となる位置(両電極(41,42) の距離を二分する位置)に配置されている。つまり、第1電極(41)と第3電極(43)との距離(L1)と、第3電極(43)と第2電極(42)との距離(L2)とは等しい寸法に定められている。
【0033】
第1電極(41)、第2電極(42)、及び第3電極(43)にはそれぞれメッシュ状の導電板が用いられている。また、第1電極(41)には第3電極(43)に向かって突出する針電極部(45)が設けられ、第3電極(43)には第2電極(42)に向かって突出する針電極部(46)が設けられている。
【0034】
第1電極(41)と第2電極(42)とには高圧の直流電源(47)が接続されている。この直流電源により、第1電極(41)には所定の高位電圧としてDC10kVが印加されている。一方、第2電極(42)はアースされており、所定の低位電圧として0Vに保持されている。
【0035】
第2電極(42)と第3電極(43)とには高圧の交流電源(またはパルス電源)(48)が接続されている。この交流電源(またはパルス電源)(48)により、第3電極(43)には、上記第1電極(41)への高位の印加電圧(10kV)と第2電極(42)への低位の印加電圧(0kV)との中間値である5kVを基準として、上下に1.5kV幅の規則的な振幅を有し、かつ10kHzの周波数で周期変動する放電電圧が印加されるようになっている。
【0036】
このようにすると、図2(b)に示すように第3電極(43)に印加される放電電圧の高位側のピークと低位側のピークで放電が発生するようにできる。その結果、放電はパルス状となり、かつ両放電ユニット(40A,40B) で時間的に交互に等間隔で発生する。したがって、各放電ユニット(40A,40B) が交互に等間隔で放電を行うことにより、放電ユニット(40A,40B) の全体の放電周波数は、放電ユニット(40A,40B) の個別の放電周波数の2倍に高周波化されることとなる。
【0037】
−運転動作−
次に、この空気浄化装置(10)の運転動作について説明する。
【0038】
装置の運転中は、図示しないファンが起動して、被処理空気である室内空気がケーシング(20)内の空気通路(25)を流通するととともに、イオン化部(32)及び放電部に通電される。
【0039】
ケーシング(20)内に導入された室内空気は、まずプレフィルタ(31)を通るときに比較的大きな塵埃が除去される。この空気は、さらにイオン化部(32)を通過するときに、該空気中の比較的小さな塵埃が帯電して下流側へ流れ、これらの塵埃が静電フィルタである集塵フィルタ(33)に捕集される。以上により、空気中の塵埃は、プレフィルタ(31)と集塵フィルタ(33)で概ね除去される。
【0040】
室内空気は、次に放電装置(40)の放電場を通過する。このとき、放電装置(40)ではストリーマ放電により低温プラズマが発生している。この低温プラズマが、反応性の高い物質(電子、イオン、オゾン、ラジカルなどの活性種)を含むため、触媒構造体(34)の触媒の存在下で、有害物質や臭気物質と活性種が効率よく反応して、これらの物質が分解除去される。このため、空気中の有害物質や臭気物質は、プラズマと触媒の相乗効果によって素早く分解される。
【0041】
その際、放電装置(40)においては、第1の放電ユニット(40A) における第1電極(41)と第3電極(43)との間と、第2の放電ユニット(40B) における第3電極(43)と第2電極(42)との間の両方でストリーマ放電が発生する。ストリーマ放電は、第3電極(43)に印加される放電電圧が低位側のピークになったとき及び高位側のピークになったときの両方において、第1電極(41)との間または第2電極(42)との間で発生する。したがって、可聴帯域内の10kHzの周波数の交流電圧(またはパルス電圧)を使っているにもかかわらず、放電はその倍でほぼ可聴帯域を越える周波数となる20kHzで発生する。つまり、両放電ユニット(40A,40B) において放電が正確に交互に等間隔で発生し、放電ユニット(40A,40B) の全体の放電周波数が個別の放電ユニット(40A,40B) の放電周波数に対して正確に2倍になる。
【0042】
このように、本実施形態では、それぞれの放電ユニット(40A,40B) でストリーマ放電が時間的に交互に等間隔で発生することによって、全体としての放電の周波数が個別の放電ユニット(40A,40B) の放電周波数の2倍に高周波化される結果、放電音を可聴域を超える領域で発生させることが可能となる。
【0043】
−実施形態の効果−
本実施形態では、このように可聴域を超える周波数領域で放電が発生するため、放電音を大幅に低減できる。このことは、従来の一般的なストリーマ放電において、単に可聴域を超える高周波数の放電電圧を用いた場合と比べても極めて高い効果を有する。
【0044】
ここで、従来の一般的なストリーマ放電が可聴帯域を越える周波数では起こりにくいことを、図3を用いて、プラスイオン(55)が電場に発生してから消滅するまでのサイクルとの関係から再度説明する。
【0045】
つまり、図3(a)に示すように、ストリーマ放電時は、放電電極(51)と対向電極(52)の間の空間で電離が生じ、電離がプラス側(放電電極側)からマイナス側(対向電極側)へ進むことでリーダー(電子、プラスイオンの流れ)(53)が進展する。その際、電子(54)の移動速度が速いのに対してプラスイオン(55)の移動速度は遅いため、電子(54)の移動が終わってもプラスイオン(55)が空間に残存してプラス電極(51)回りの電場が弱くなる状態が起こり(図3(b))、この間は放電が発生しない状態が起こる。その後、空間のプラスイオン(55)がすべて移動するとプラス電極(51)回りの電場が回復し、再び電離が生じてリーダー(53)が進展する(図3(c))。
【0046】
以上のことから、従来の一般的なストリーマ放電では、単に可聴域を超える高周波数の放電電圧を用いても放電の周波数が通常はイオンの移動速度に制限されて小さくなり、放電音の周波数が可聴域の範囲内になってしまう。これに対して、本実施形態では高周波域へのシフトの度合いが遙かに大きいので、低騒音化に極めて高い効果を奏する。つまり、可聴域内の周波数(10kHz)の電源を用いているにも拘わらず、各放電ユニット(40A,40B) で時間的に交互に等間隔で放電を起こすことにより、ほぼ可聴域を超える周波数で放電が生じる状態を実現できる。このため、放電音の低減が可能となる。
【0047】
また、この実施形態では、ストリーマ放電を高周波数帯域で起こすことにより放電音を低減するようにした放電装置(40)を、民生用の空気浄化装置(10)に用いている。したがって民生用の空気浄化装置(10)の運転音を抑えながら、性能を高めることが可能となる。
【0048】
【発明のその他の実施の形態】
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0049】
例えば、上記実施形態では2つの放電ユニット(40A,40B) で放電が時間的に交互に等間隔で発生するようにしているが、放電ユニット(40A,40B) は3つ以上にしてもよい。その場合でも、全体の放電の周波数が個別の放電ユニット(40A,40B) の放電の周波数よりも高周波域にシフトされるため、低騒音化を実現することは可能である。
【0050】
また、上記実施形態では、放電装置(40)とともに低温プラズマで活性化する触媒(触媒構造体(34))を利用して空気中の有害物質や周期物質を分解するようにしているが、低温プラズマに含まれる種々の活性種自体がこれらの物質を分解する効果を有しているため、空気浄化装置(10)は場合によっては触媒を用いない構成にしてもよい。
【0051】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、複数の放電ユニット(40A,40B) が時間的に交互に等間隔で放電を行うことにより、放電ユニット(40A,40B) の全体の放電周波数が、個別の放電ユニット(40A,40B) の放電周波数に対して、放電ユニット(40A,40B) の個数倍に高周波化される。つまり、単に複数の放電ユニット(40A,40B) に対する印加電圧の周期を上述の特許文献1のような方法でずらすだけでは放電が交互に等間隔では起こり得ないことがあり、音の低減効果も低いのに対して、この発明では放電を確実に交互に等間隔で起こすようにしているので、可聴域を超える周波数もしくは人間の耳に聞こえにくい周波数で放電を起こすことが可能となる。したがって、従来と比較して放電音を大幅に低減できる。
【0052】
請求項2に記載の発明によれば、2つの放電ユニット(40A,40B) が時間的に交互に等間隔で放電を行うことにより、放電ユニット(40A,40B) の全体の放電周波数が個別の放電ユニット(40A,40B) の放電周波数の2倍に高周波化される。このため、個別の放電ユニット(40A,40B) に対する印加電圧の周波数を10kHzにすると、全体の放電周波数が20kHzとなり、ほぼ可聴周波数を超えることになる。これにより、構成が比較的簡単であるにも拘わらず、放電音を低減できる。
【0053】
請求項3に記載の発明によれば、2つの放電ユニット(40A,40B) を用いた場合に、第1の放電ユニット(40A) の対向電極と第2の放電ユニット(40B) の放電電極とが共用化された第3電極(43)を、第1の放電ユニット(40A) の放電電極である第1電極(41)と、第2の放電ユニット(40B) の対向電極である第2電極(42)との中間位置に配置することにより、構成を複雑にせずに、放電の周波数を高周波数域にシフトして放電音を低減することが可能となる。
【0054】
請求項4に記載の発明によれば、第1電極(41)に所定の高位電圧を印加するとともに第2電極(42)に所定の低位電圧を印加し、さらに第3電極(43)に両電圧の中間値を基準として規則的な振幅及び周波数で周期変動する電圧を印加するようにしているので、第3電極(43)の印加電圧が周期変動する際に高位側になったときと低位側になったときに、第1電極(41)との間または第2電極(42)との間で放電を発生させることができる。そして、第3電極(43)への印加電圧の低位側のピークと高位側のピークで放電を発生させることにより、放電を正確に交互かつ等間隔で起こすことができる。したがって、放電ユニット(40A,40B) の全体の放電周波数を個別の放電ユニット(40A,40B) の放電周波数に対して正確に2倍にすることができるため、周波数のばらつきがなくなり、高周波域へのシフトを確実にすることができる。
【0055】
また、請求項5に記載の発明によれば、ストリーマ放電を高周波数帯域で起こすことにより、放電装置(40)の放電音を低減することができるため、この放電装置(40)を民生用の空気浄化装置(10)に用いることが可能となる。したがって、民生用の空気浄化装置(10)の運転音を抑えながら、性能を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る空気浄化装置の分解斜視図である。
【図2】図2(a)は放電装置の概略構成図、図2(b)は放電状態図である。
【図3】図3(a)、図3(b)及び図3(c)はストリーマ放電のメカニズムを示す説明図である。
【符号の説明】
(10) 空気浄化装置
(20) ケーシング
(21) ケーシング本体
(22) 前面プレート
(23) 空気吸込口
(24) 空気吹出口
(25) 空気通路
(30) 機能部品
(31) プレフィルタ
(32) イオン化部
(33) 集塵フィルタ
(34) 触媒構造体
(40) 放電装置
(40A) 第1の放電ユニット
(40B) 第2の放電ユニット
(41) 第1電極
(42) 第2電極
(43) 第3電極
(45) 針電極部
(46) 針電極部
(47) 直流電源
(48) 交流電源(パルス電源)

Claims (5)

  1. 放電電極及び対向電極に所定の放電電圧を印加することによりストリーマ放電を行う放電装置であって、
    それぞれが放電電極及び対向電極を有する複数の放電ユニット(40A,40B) を備え、
    各放電ユニット(40A,40B) が時間的に交互に等間隔で放電を行うことにより、放電ユニット(40A,40B) の全体の放電周波数が個別の放電ユニット(40A,40B) の放電周波数よりも高周波化されるように構成されていることを特徴とする放電装置。
  2. 請求項1に記載の放電装置において、
    2つの放電ユニット(40A,40B) を備え、
    各放電ユニット(40A,40B) が時間的に交互に等間隔で放電を行うことにより、放電ユニット(40A,40B) の全体の放電周波数が放電ユニット(40A,40B) の個別の放電周波数の2倍に高周波化されるように構成されていることを特徴とする放電装置。
  3. 請求項2に記載の放電装置において、
    第1の放電ユニット(40A) の放電電極である第1電極(41)と、
    第2の放電ユニット(40B) の対向電極である第2電極(42)と、
    第1の放電ユニット(40A) の対向電極と第2の放電ユニット(40B) の放電電極とが共用化された第3電極(43)とを備え、
    第1電極(41)と第2電極(42)との距離を二分する位置に第3電極(43)が配置されていることを特徴とする放電装置。
  4. 請求項3に記載の放電装置において、
    第1電極(41)に所定の高位電圧が印加され、
    第2電極(42)に所定の低位電圧が印加され、
    第3電極(43)に、該高位電圧と低位電圧の中間値を基準として規則的な振幅及び周波数で周期変動する電圧が印加されるように構成されていることを特徴とする放電装置。
  5. 被処理空気の流れる空気通路(25)と、該空気通路(25)に配置されるとともにストリーマ放電を行う放電装置(40)とを備えた空気浄化装置であって、
    上記放電装置(40)が請求項1から4のいずれか1に記載の放電装置(40)により構成されていることを特徴とする空気浄化装置。
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