JP2004329604A - 洗濯機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータの制御応答性を向上させると共に、モータの起動時の騒音を低減する。
【解決手段】本発明の洗濯機の制御装置1は、洗濯または脱水運転用のモータ2をベクトル制御する機能を有するインバータ装置と、モータ2の相電流を検出する検出機能と、検出結果に基づいてモータの相電流を制御する電流制御機能とを備え、モータ2の始動時に所定の位置決め制御を実行するように構成されたものにおいて、位置決め制御を実行するときに、電流制御を行わずに、電圧制御を行うように制御したものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯または脱水運転用のモータをベクトル制御する機能を備えた洗濯機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
全自動洗濯機の洗濯または脱水運転用のモータを制御する技術の一例として、特許文献1に記載された装置が知られている。この構成においては、上記モータとしてDCブラシレスモータを使用すると共に、このDCブラシレスモータを電圧制御式のインバータ装置により駆動制御するようにしている。この構成の場合、インバータ装置によりDCブラシレスモータの回転速度を自由に制御することができることから、洗浄性能等を向上させることができた。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−44983号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1の構成は、DCブラシレスモータに印加する電圧を制御する方式であるため、モータの回転速度に対してモータのトルク出力を制御することができないことから、回転速度等の制御応答性がよくないという問題点があった。
【0005】
これに対して、本出願人は、特願2002−27691を先に出願している。この出願の洗濯機においては、モータの相電流を検出すると共に、その検出した相電流に基づいてモータをベクトル制御(電流制御)することにより、モータのトルクを正確に制御するように構成されている。この構成によれば、モータの回転速度等の制御応答性を改善することができる。
【0006】
さて、上記電流制御方式の制御装置によって洗濯機のモータを実際に制御してみたところ、モータの起動時の騒音の大きさが、前記した電圧制御方式の制御装置による制御の場合よりも、大きくなることがわかった。そこで、本発明者らは、電流制御方式を実行すると、モータの起動時の騒音が大きくなる原因を追究してみた。その結果、次のようなことがわかった。
【0007】
即ち、電流制御方式の場合、モータの電流を検出する電流検出部において小さな電気的ノイズが発生し、この小さな電気的ノイズが比例制御によってフィードバックされるときに増幅され、この増幅されたノイズがモータの駆動電流にのってしまうために、モータが振動すると考えられた。この結果、「ザー」というような騒音が発生してしまうと推定された。特に、洗濯機を使用する家庭は、静かな環境であることが多く、また、洗濯機に使用されるモータは、開放型モータであることが多いことから、モータの起動時の騒音が大きいと、ユーザーに悪い感じを与えるおそれがあった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、モータの制御応答性を向上させることができると共に、モータの起動時の騒音を低減することができる洗濯機の制御装置を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、モータの始動時における所定の位置決め制御を実行するときに、電流制御を行わずに、電圧制御を行うように制御したので、モータの制御応答性を向上させることができると共に、モータの起動時の騒音を低減することができる。
【0010】
請求項2の発明においては、前記モータが所定の回転速度に立ち上がるまでの間、強制転流動作を実行する機能を備えると共に、前記強制転流動作時には、電流制御を行わずに、電圧制御を行うように制御した。この構成によれば、モータの起動時の騒音をより一層低減することができる。
【0011】
請求項3の発明においては、前記モータが所定の回転速度に立ち上がるまでの間、強制転流動作を実行する機能を備えると共に、前記強制転流動作時には、電流制御の比例ゲインを小さくし、前記モータが所定の回転速度に達した後は、電流制御の比例ゲインを大きくするように構成した。この構成によっても、モータの起動時の騒音をより一層低減することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施例について、図1ないし図4を参照しながら説明する。まず、図1は本実施例の洗濯機の制御装置1の電気的構成を示すブロック図である。この洗濯機の制御装置1は、洗濯または脱水運転用のモータ2をベクトル制御(電流制御手段)する機能を有するインバータ装置としての機能を実現している。上記洗濯または脱水運転用のモータ2は、例えばアウタロータ形の3相のDCブラシレスモータであり、周知構成のモータである。
【0013】
上記モータ2及び上記洗濯機の制御装置1を組み込む洗濯機としては、縦軸形の全自動洗濯機(例えば特願2002−27691参照)や、縦軸形の全自動洗濯乾燥機や、横軸形のドラム式全自動洗濯乾燥機等が好ましく、それぞれ周知構成の洗濯機を適宜用いれば良い。ここでは、洗濯機の具体的構成については、図示及び説明を省略する。
【0014】
さて、上記制御装置1の機能ブロック構成を示す図1において、(α,β)は、三相のブラシレスモータ2の各相に対応する電機角120度間隔の三相(UVW)座標系を直交変換した直交座標径を示すものである。また、(d,q)は、ブラシレスモータ2のロータの回転に伴って回転している2次磁束の座標系を示すものである。
【0015】
洗濯機の運転全般を制御する制御用のマイクロコンピュータ(マイコン)3から出力された目標速度指令ωref は、被減算値として減算器4に与えられるように構成されている。また、減算器4には、エスティメータ(Estimator)5によって検出されたブラシレスモータ2の検出速度ωが減算値として与えられる。そして、減算器4の減算結果は、速度PI制御部6に与えられる。
【0016】
速度PI制御部6は、目標速度指令ωref と検出速度ωとの差分量に基づいてPI制御を行い、q軸電流指令値Iqrefとd軸電流指令値Idrefとを生成して、切換えスイッチ7q,7dの一方の固定接点7qa,7daにそれぞれ与えるように構成されている。切換えスイッチ7q,7dの他方の固定接点7qb,7dbには、電流制御初期パターン出力部8によって出力される起動用の電流指令値Iqs,Idsが与えられる。そして、切換えスイッチ7q,7dの可動接点7qc,7dcは、減算器9、10の被減算値用の入力端子に接続されている。尚、上記各切換えスイッチ7q,7dは、制御用マイコン3によって切換え制御されるように構成されている。
【0017】
尚、洗いまたは濯ぎ運転時には、d軸電流指令値Idrefは“0”に設定され、脱水運転時には、弱め界磁制御を行うため、d軸電流指令値Idrefは所定値に設定される。
【0018】
上記減算器9、10には、αβ/dq変換部11より出力されるq軸電流値Iq,d軸電流値Idが減算値として夫々与えられており、各減算結果は、電流PI制御部12q,12dに夫々与えられている。
【0019】
そして、電流PI制御部12q,12dは、q軸電流指令値Iqrefとd軸電流指令値Idrefとの差分量に基づいてPI制御を行い、q軸電圧指令値Vq及びd軸電圧指令値Vdを生成して、切換えスイッチ13q,13dの一方の固定接点13qa,13daにそれぞれ与える。切換えスイッチ13q,13dの他方の固定接点13qb,13dbには、電圧制御初期パターン出力部(電圧制御手段)14によって出力される起動用の電圧指令値Vqs,Vdsが与えられている。そして、切換えスイッチ13q,13dの可動接点13qc,13dcは、dq/αβ変換部15の入力端子に接続されている。尚、切換えスイッチ13q,13dは、制御用マイコン3によって切換え制御されるように構成されている。
【0020】
上記dq/αβ変換部15には、エスティメータ5によって検出されたブラシレスモータ2における2次磁束の回転位相角(ロータ位置角)θが与えられており、その回転位相角θに基づいて電圧指令値Vd,Vqを電圧指令値Vα,Vβに変換するように構成されている。
【0021】
dq/αβ変換部15が出力する電圧指令値Vα,Vβは、αβ/UVW変換部16に与えられる。このαβ/UVW変換部16は、電圧指令値Vα,Vβを三相の電圧指令値Vu,Vv,Vwに変換して出力する機能を有している。これら電圧指令値Vu,Vv,Vwは、PWM形成部17に与えられるように構成されている。
【0022】
上記PWM形成部17は、電圧指令値Vu,Vv,Vwに基づいて16kHzの搬送波(三角波)を変調した各相のPWM信号Vup(+,−) ,Vvp(+,−) ,Vwp(+,−) をインバータ回路18に出力するように構成されている。PWM信号Vup〜Vwpは、例えばモータ2の各相巻線2u,2v,2w(図2参照)に正弦波状の電流が通電されるように正弦波に基づいた電圧振幅に対応するパルス幅の信号として出力されるものである。
【0023】
また、インバータ回路18は、図2に示すように、例えば6個のIGBT(スイッチング素子)19a〜19fを三相ブリッジ接続して構成されており、下アーム側のIGBT19d,19eのエミッタは、夫々電流検出用のシャント抵抗(電流検出手段)20u,20vを介してグランドに接続されている。また、両者の共通接続点は、増幅・バイアス回路21u,21vを介して図1に示すA/D変換部22に接続されている。尚、シャント抵抗20u,20vの抵抗値は0.1Ω程度である。
【0024】
この場合、トルク制御を行うためのモータ2の各相(U,V,W)に流れる電流を上記シャント抵抗20u,20vにより検出している。即ち、下側のIGBT19d〜19fがオンのときのシャント電流はモータ巻線の電流にそれぞれ等しいため、その瞬間にA/D変換部22にて読み取るように構成している。尚、W相の電流に関しては、U,V相の電流に基づいて間接的に推定を行うことができる。
【0025】
また、上記増幅・バイアス回路21は、オペアンプなどを含んで構成されており、シャント抵抗20の端子電圧を増幅すると共にその増幅信号の出力範囲が正側に収まるように(例えば、0〜+5V)バイアスを与えるように構成されている。そして、増幅・バイアス回路21u,21vの出力端子は、ダイオード23u,23vを介して過電流検知部24の入力端子に共通に接続されている。
【0026】
過電流検知部24は、増幅・バイアス回路21u,21vの出力信号レベルを参照して何れかの相に過電流が流れたことを検出すると、過電流検出信号を制御部25(制御用マイコン3と後述するDSP26を含む構成)に出力してインバータ回路18によるモータ2の駆動を停止させるように構成されている。
【0027】
また、インバータ回路18には、100Vの交流電源27を、ダイオードブリッジで構成される全波整流回路28及び直列接続された2個のコンデンサ29a,29bにより倍電圧全波整流した約280Vの直流電圧が印加されるように構成されている。
【0028】
再び図1を参照して、A/D変換部22は、増幅・バイアス回路21u,21vの出力信号をA/D変換した電流データIu,IvをUVW/αβ変換部30に出力する。UVW/αβ変換部30は、電流データIu,IvからW相の電流データIwを推定し、三相の電流データIu,Iv,Iwを次の(1)式に従って直交座標系の2軸電流データIα,Iβに変換する機能を有している。
【0029】
【数1】
Figure 2004329604
そして、UVW/αβ変換部30は、2軸電流データIα,Iβをαβ/dq変換部11に出力する。αβ/dq変換部11は、ベクトル制御時にはエスティメータ5よりモータ2のロータ位置角θを得ることで、次の(2)式に従って2軸電流データIα,Iβを回転座標系(d,q)上のd軸電流値Id,q軸電流値Iqに変換する機能を有している。
【0030】
【数2】
Figure 2004329604
そして、αβ/dq変換部11は、d軸電流値Id,q軸電流値Iqを、前述したようにエスティメータ5及び減算器9,10に出力するように構成されている。
【0031】
エスティメータ5は、d軸電流値Id,q軸電流値Iqに基づいてモータ2のロータ位置角θ及び回転速度ωを推定し、各部に出力する。ここで、モータ2は、起動時には直流励磁が行われてロータの回転位置が初期化(初期位置に位置決め)された後、起動パターンが印加されて強制転流が行われる。この起動パターンの印加による強制転流時においては、位置角θは推定するまでもなく明らかである。
【0032】
ベクトル制御の開始以降は、エスティメータ5が起動されてモータ2のロータ位置角θ及び回転速度ωが推定される。この場合、エスティメータ5がαβ/dq変換部11に出力するロータ位置角θn とすると、エスティメータ5は、電流値Id,Iqに基づいてベクトル演算により推定したロータ位置角θn−1 とその一周期前に推定したロータ位置角θn−2 との相関に基づいてロータ位置角θn を推定するように構成されている。
【0033】
尚、以上の構成において、インバータ回路18,増幅・バイアス回路21,ダイオード23及び過電流検知部24を除く構成は、主にDSP(Digital Signal Processer)26のソフトウエアによって実現されている機能である。そして、その制御周期は、1m秒以下になるように設定されている。また、DSP26にベクトル制御を開始させたり目標速度指令ωref を与えることは、制御用のマイコン3によって行われる。
【0034】
次に、本実施例の作用について、図3及び図4も参照して説明する。図3は、主に制御用のマイコン3による概略的な制御内容を示すフローチャートである。上記マイコン3は、例えば洗い運転(すすぎ運転)または脱水運転を開始させる場合、モータ2の起動処理を実行する(図3のステップS1〜S5)。
【0035】
具体的には、まず、図3のステップS1において、モータ2のロータの位置決め制御(処理)を開始する。この場合、マイコン3によって、切替えスイッチ13q,13dの可動接点13qc,13dcを固定接点13qb,13dbに接続することにより、電圧制御初期パターン出力部14により、直流励磁用の初期パターンの電圧指令値がdq/αβ変換部15へ与えられる。
【0036】
これにより、ステップS2の処理が実行され、直流励磁用の電圧がインバータ主回路18からモータ2の巻線に出力される。この構成の場合、出力電圧を、例えば0Vから80Vまで2秒間で直線的に増加させるように構成されている。即ち、このような直線的な出力電圧がインバータ主回路18から出力されるために必要な電圧指令値が、直流励磁用の初期パターンの電圧指令値として前記電圧制御初期パターン出力部14からdq/αβ変換部15へ与えられるように構成されている。
【0037】
そして、上述した直流励磁の実行により、モータ2のロータの回転位置が初期化されて位置決めされる(ステップS3)。このような位置決め制御は、図4において(1)で示す期間の制御であり、この期間においては、モータ2の回転数(回転速度)は0rpm、d軸電流は実線A1で示すように変化し、q軸電流は0Aとなる。
【0038】
続いて、ステップS4へ進み、強制転流制御が開始される。この場合、マイコン3によって、切替えスイッチ7q,7dの可動接点7qc,7dcを固定接点7qb,7dbに接続することにより、電流制御初期パターン出力部8により、強制転流用の電流指令値が減算器9、10へ与えられるように構成されている。尚、切替えスイッチ13q,13dについては、その可動接点13qc,13dcを固定接点13qa,13daに接続することにより、電流PI制御部12q,12dからのq軸電圧指令値Vq及びd軸電圧指令値Vdがdq/αβ変換部15へ与えられるように構成されている。
【0039】
これにより、モータ2が強制転流されて、回転を開始し、回転速度(回転数)が徐々に上昇していく。この構成の場合、ステップS5に示すように、モータ2の回転数を0rpmから例えば30rpmまで(即ち、出力周波数を0rpmから30rpmに相当する周波数まで)例えば3秒間で直線的に増加させながら、d軸電流を例えば7A(予め決められた一定値)に固定するようにPI制御する(即ち、電流制御する)構成となっている。尚、q軸電流は0Aに固定される。
【0040】
つまり、このようなd軸電流及びq軸電流が得られる強制転流制御を実行するために必要な電流指令値が、強制転流用の初期パターンの電流指令値として前記電流制御初期パターン出力部8から減算器9、10へ与えられるように構成されている。
【0041】
そして、上記した強制転流制御は、図4において(2)で示す期間の制御であり、この期間においては、モータ2の回転数(回転速度)は0rpmから30rpmまで上昇し、d軸電流は実線A1で示すようにほぼ7Aに保持され、q軸電流は0Aとなっている。
【0042】
尚、本実施例のモータ2は、機械角1周期に対して電気角12周期になる構成であるので、強制転流30rpmは出力周波数150Hzに相当している。
【0043】
次に、ステップS6へ進み、強制転流制御をトルク制御(即ち、ベクトル制御)へ切り換える制御が実行される。この構成の場合、マイコン3によって、切替えスイッチ7q,7dの可動接点7qc,7dcを固定接点7qa,7daに接続することにより、速度PI制御部6からの電流指令値が減算器9、10へ与えられるようにする。そして、上記切換制御は、徐々に進められるように構成されている。
【0044】
具体的には、図4の(3)切換制御の期間に示すように、d軸電流を7Aから0Aに徐々に低下させるように電流制御(PI制御)すると共に、q軸電流を0Aから予め決められた値である例えば7Aに上昇させるように電流制御(PI制御)する。
【0045】
そして、この後は、ステップS7へ進み、現実の回転数と目標の回転数との差に基づいてq軸電流をPI制御するように構成されている。これにより、目標の回転数にすばやく応答させることができ、良好な制御応答性が得られる。このような回転数制御は、図4において(4)で示す期間の制御であり、この期間においては、モータ2の回転数(回転速度)は目標回転数になるように上昇していく。そして、d軸電流は実線A1で示すように0Aに保持され、q軸電流は現実の回転数と目標の回転数との差に基づいて加減される。尚、上記回転数制御領域で実行するベクトル制御(電流制御)の一つの例として、本出願人が先に出願した特願2002−27691に記載されている制御を用いることが好ましい。
【0046】
このような構成の本実施例によれば、モータ2の始動時における所定の位置決め制御を実行するときに、電流制御を行わずに、電圧制御を行うように制御(図3のステップS2参照)したので、モータ起動時(位置決め制御時)に電流制御の実行に伴って発生する騒音がなくなることから、モータ2の起動時の騒音を低減することができる。本発明者らの実測によると、騒音を5〜10dB程度低減できることを確認している。そして、上記実施例においては、位置決め制御以外は、モータ2を電流制御(ベクトル制御)するように構成したので、モータの制御応答性を向上させることができる。
【0047】
図5は、本発明の第2の実施例を示すフローチャートである。尚、第1の実施例(図3参照)と同一ステップには、同一ステップ番号を付している。この第2の実施例においては、モータ2の起動時において、位置決めを実行した後、強制転流制御を実行するときに、電流制御を行わずに、電圧制御を行うように制御した。
【0048】
具体的には、図5においてステップS1からステップS3までは、第1の実施例(図3参照)の処理と同じである。この後、ステップS104に進むと、強制転流制御が開始される。この第2の実施例の場合、強制転流制御を実行するときも、電流制御を行わずに、電圧制御を行うので、切替えスイッチ13q,13dの可動接点13qc,13dcを固定接点13qb,13dbに接続したままとし、電圧制御初期パターン出力部14により、強制転流用の電圧指令値をdq/αβ変換部15へ与えるように構成されている。尚、切替えスイッチ7q,7dについては、その可動接点7qc,7dcを固定接点7qa,7daに接続したままとしている。
【0049】
これにより、モータ2が強制転流されて、回転を開始し、回転速度(回転数)が徐々に上昇していく。この構成の場合、ステップS105に示すように、モータ2の回転数を0rpmから例えば30rpmまで(即ち、出力周波数を0rpmから30rpmに相当する周波数まで)例えば3秒間で直線的に増加させながら、出力電圧を例えば80Vに固定する、即ち、電圧制御するように構成されている。
【0050】
つまり、このような強制転流制御を実行するために必要な電圧指令値が、強制転流用の電圧指令値として前記電圧制御初期パターン出力部14からdq/αβ変換部15へ与えられるように構成されている。
【0051】
そして、上記した強制転流制御が完了すると、ステップS106へ進み、強制転流制御をトルク制御(即ち、ベクトル制御)へ切り換える制御が実行される。この構成の場合、マイコン3によって、切替えスイッチ13q,13dの可動接点13qc,13dcを固定接点13qa,13daに接続することにより、電流PI制御部12q,12dからのq軸電圧指令値Vq及びd軸電圧指令値Vdがdq/αβ変換部15へ与えられるように構成されている。
【0052】
そして、上記切換制御は、第1の実施例のステップS6と同様にして、徐々に進められるように構成されている(図4の(3)切換制御参照)。この後は、ステップS7へ進み、第1の実施例と同様にして、現実の回転数と目標の回転数との差に基づいてq軸電流をPI制御するように構成されている。
【0053】
尚、上述した以外の第2の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同じ構成となっている。従って、第2の実施例においても、第1の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第2の実施例によれば、強制転流制御を実行するときも、電流制御を行わずに、電圧制御を行うように制御したので、モータの起動時の騒音をより一層低減することができる。
【0054】
さて、上記第2の実施例においては、強制転流制御を実行するときに、電流制御を行わずに、電圧制御を行うように構成したが、これに限られるものではなく、強制転流制御を実行するときに、電流制御(PI制御)の比例ゲインを小さくする(例えば通常の比例ゲインの1/4にする)ように構成しても、同様の効果、即ち、モータ起動時の騒音低減という効果を得ることができる。そして、この構成の場合、モータが所定の回転速度(例えば30rpm)に達した後は、電流制御の比例ゲインを大きくする(例えば通常の比例ゲインに戻す)ように構成している。
【0055】
尚、上記第2の実施例の場合、強制転流制御時に電圧制御を実行するようにしたが、この電圧制御は、電流制御の比例ゲインを0にした構成、即ち、比例ゲインを極めて小さくした構成であるということも可能である。
【0056】
【発明の効果】
本発明は以上の説明から明らかなように、モータの始動時における所定の位置決め制御を実行するときに、電流制御を行わずに、電圧制御を行うように制御したので、モータの制御応答性を向上させることができると共に、モータの起動時の騒音を低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す洗濯機の制御装置のブロック図
【図2】インバータ回路を中心とする電気回路図
【図3】フローチャート
【図4】制御動作を説明するタイムチャート
【図5】本発明の第2の実施例を示す図3相当図
【符号の説明】
1は制御装置、2はモータ、3はマイクロコンピュータ、6は速度PI制御部、7q,7dは切換えスイッチ、8は電流制御初期パターン出力部、11はαβ/dq変換部、12q,12dは電流PI制御部、13q,13dは切換えスイッチ、14は電圧制御初期パターン出力部、18はインバータ回路、20u,20vはシャント抵抗、24は過電流検知部、25は制御部、26はDSP、27は交流電源、30はUVW/αβ変換部を示す。

Claims (3)

  1. 洗濯または脱水運転用のモータをベクトル制御する機能を有するインバータ装置と、前記モータの相電流を検出する検出機能と、その検出結果に基づいて前記モータの相電流を制御する電流制御機能とを備え、前記モータの始動時に所定の位置決め制御を実行するように構成された洗濯機の制御装置において、
    前記位置決め制御を実行するときには、電流制御を行わずに、電圧制御を行うように制御することを特徴とする洗濯機の制御装置。
  2. 前記モータが所定の回転速度に立ち上がるまでの間、強制転流動作を実行する機能を備えると共に、
    前記強制転流動作時には、電流制御を行わずに、電圧制御を行うように制御することを特徴とする請求項1記載の洗濯機の制御装置。
  3. 前記モータが所定の回転速度に立ち上がるまでの間、強制転流動作を実行する機能を備えると共に、
    前記強制転流動作時には、電流制御の比例ゲインを小さくし、
    前記モータが所定の回転速度に達した後は、電流制御の比例ゲインを大きくすることを特徴とする請求項1記載の洗濯機の制御装置。
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