JP2004329186A - 還元性ジュース及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ジュースに−180℃〜90℃の水素ガスを0.1気圧〜500気圧に加圧して溶解せしめ、その後常圧に戻すことにより還元性のジュースを得る。
この還元性のジュースは非常に低い還元性を有しているので、何らの健康問題を引き起こすことなく、還元性のジュースとして日常的に摂取することができる。
Description
【発明が属する技術分野】
この出願の発明は、新規なジュース及びその製造方法に関する。更に詳しくは、この出願の発明は、水素含有ジュースに関しpHが9.0以下でありながら酸化還元電位の低い新規な水素含有ジュース及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、生活習慣的にジュースを飲用するものであるが、そのジュースを酸化還元という立場から検証する考え方はない。通常いろいろな方法でジュースを飲用し、日常の生活の中に取り入れているのであるが、その摂取するジュースの酸化還元電位を問題視し、ジュースに還元電位を持たせようとする考え方はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、発明者は、還元性のジュースを得るべくいろいろな実験を重ねた結果、ジュースに加圧下で常温ないし冷却した水素ガスを平衡状態となるまで溶解させ、この状態で加圧圧力を取り除いて常圧に戻すと、ジュースに溶解していた水素ガスの一剖分が気化するとはいえ、通常の溶解度の数倍ないし数千倍近い水素ガスが溶解していること、この溶解した水素ガスはほとんど気化することなく安定して溶解しているため、非常に低い酸化還元電位を有することを見出し、本願発明を完成するに至ったのである。
【0004】
すなわち、本発明は、十分な還元性を有するジュース及びその製造方法を提供することを目的とする。本発明のかかる目的は以下の構成により達成し得る。
【0005】
本発明の一態様によれば、常圧下で酸化還元電位が−50mv以下のジュースが提供される。この還元性のジュースはこれまでに飲用に供されてきたジュースと違い、十分に低い−50mv以下の酸化還元電位を有しているため、何らの健康問題を引き起こすこともなく、還元性のジュースとして日常的に摂取することができることになる。
【0006】
また、本発明の別の態様によれば、ジュースに−180℃〜90℃の水素ガスを0.1気圧〜500気圧に加圧して溶解せしめ、常圧に戻すことにより得られた還元性のジュース及びその製造方法が提供される。
【0007】
また、かかる態様においては、pHが9.0以下において酸化還元電位が−50mv以下の還元性のジュースを提供することが可能となる。
【0008】
なお、本発明における還元性のジュースの製造に際し、水素ガスの温度の上限を90℃としたのは、水素ガスは通常水素ガスボンベ内に入れられて供給されるが、室外に放置されていた水素ガスボンベの温度が太陽光により90℃となることはよくあることであり、この程度の水素ガスでも十分にジュースに溶解させることができるが、あまり温度が高いものではジュースの温度の著しい上昇につながって溶解度が減少するので好ましくないためである。水素ガスの温度の下限を−180℃としたのは、水素ガスは−253℃以下に冷却された液体水素の形で供給される場合もあるが、この液体水素を気化させてジュースに溶解させる際、もとのジュースの温度、水素ガスの供給圧力及び流量にも依存するが、実験的にジュースが凝固しないように溶解させ得る温度を確認して限定したものである。しかしながら、得られる還元性のジュースは最終的には常圧に戻されるものであるから、経済性及びエネルギー効率の観点からは、液体水素の有する低温を他の目的に利用して、ジュースに溶解させる際の水素温度は0℃以上となしたほうがよい。
【0009】
なお、ジュースに水素ガスを溶解させる際の圧力は0.1気圧〜500気圧(ゲージ圧)とする。圧力が高ければ高いほどジュースに溶解する水素ガス量は多くなるが、得られる還元性のジュースは最終的には常圧に戻されるものであるから、あまり圧力が高くても常圧に戻した際に気化してしまう水素量が多くなるために経済的及びエネルギー的には無駄になる。好ましくは0.1気圧〜10気圧、更に好ましくは1気圧〜6気圧が使用される。
【0010】
このとき、ジュースへの水素ガスの溶解割合は、水素ガスを溶解させた際の温度及び圧力により変化するが、常圧に戻した際に約0.001〜0.5wt%程度が安定して溶解している。常圧下における水素ガスのジュースへの溶解度は約2ml/100ml(約1.8×10−4wt%)であるから、本発明で得られる還元性のジュース中の水素ガス量は単に常圧下で水素ガスを溶解させた場合と比すると約5〜2500倍もの水素ガスが溶解していることになる。
【0011】
このように多量の水素ガスが安定的にジュース中に溶解していることの理由は、水素ガスの一部分は過飽和状態で溶解していると考えることはできるが、それだけでは溶解水素ガス量が多すぎるために説明ができない。詳細な理由は今後の研究に待つ必要はあるが、本発明者は以下のような現象が生じているものと推定した。
【0012】
すなわち、常圧下でジュースに水素ガスを溶解させても、通常は何らの反応も生じない。しかしながら、加圧下で水素ガスをジュースに溶解させるとジュース中の酸素原子と水素ガスの水素原子とが近づき、両者間に水素結合が生じ、そのため、加圧下では水素ガスは従来予測されているよりも多量に溶解する。この一端生成した水素結合は常圧に戻しても幾分かは安定状態で残っているため、常圧下でも予測数量よりも数倍〜数千倍もの水素ガスが安定的に溶解しているものと推定される。
【0013】
本発明における還元性のジュースの製造にあたっては、周知の気液接触装置を使用することができ、バッチ式であっても連続流通式であっても適宜使用し得る。高圧で水素ガスを吸収させたジュースを常温常圧に戻したときに気化した水素ガスは、当然に回収して再利用することができる。以下、本発明の具体例により詳細に説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】
(実施例)
まず、ジュースの中から代表的なオレンジジュースを選択し実験を試みた。水素ガスを溶解させる前のオレンジジュースのpH及び酸化還元電位を測定した。その結果を表にまとめて示した。
【0015】
実施例として、60℃に熱したオレンジジュースに常温の水素ガスを入口圧力6気圧、出口圧力0.2気圧となるように調整し、気液接触装置を用い、計1リットルを200ml/分の割合で5分間流した。その後得られた還元性のオレンジジュースを40℃常圧下に保持し、酸化還元電位及びpHを測定した。その結果をまとめて表に示した。
【0016】
【表1】
この表の結果から、本発明の還元性のオレンジジュースはpHがほとんど変化しないにもかかわらず酸化還元電位が−501mvと非常に低い還元性を示しているのがわかる。
【0017】
【表2】
この表2の結果によれば、本発明に従って得られた還元性のオレンジジュースを密閉容器内に保存すると徐々に酸化還元電位の値が低下して約24時間〜48時間後に極小値をとった後、徐々に上降する傾向がみられた。特にこのような電位変化が生じる理由については現在のところまだ解明されていないが、後半の酸化還元電位の上昇については容器内への周囲空気の進入の影響も考えられなくないので、別途、密閉容器を開放した場合の酸化還元電位の経時変化を確認することとした。
【0018】
表1における酸化還元電位−501mvのオレンジジュースを室温下に放置し、経過時間と酸化還元電位及びpHの関係を測定した。その結果をまとめて表3に示す。
【0019】
【表3】
この表3の結果によれば、本発明に従って得られた還元性のオレンジジュースは開放容器にて保存するとpHに変化を及ぼさずに、酸化還元電位のみ上昇することがわかる。以上の表から推測するとオレンジジュース中に溶解していた水素ガスが気化してしまうというよりも、空気中の酸素が溶け込むことにより酸化還元電位が上昇すると考えられる。
【0020】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、常圧下で酸化還元電位が非常に低いジュースが得られるので、何ら健康問題を引き起こすことなく、日常的に摂取することができるようになる。
Claims (5)
- 常圧下で酸化還元電位が−50mv以下−2000mv以上であるジュース。
- 常圧下でpHが9.0以下で酸化還元電位が−50mv以下−2000mv以上であるジュース。
- ジュースに−180℃〜90℃の水素ガスを0.1気圧〜500気圧に加圧して溶解せしめ、常圧に戻すことにより得られたジュース。
- 以下の(1)及び(2)の行程からなるジュースの製造方法。
(1)ジュースに−180℃〜90℃の水素ガスを0.1気圧〜500気圧に加圧して溶解せしめる行程、
(2)前記(1)の行程で得られたジュースを常圧に戻す行程。 - 前記水素ガスをバッチ式又は連続流通式に供給することを特徴とする請求項4に記載のジュースの製造方法。
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JP2003162953A JP2004329186A (ja) | 2003-05-06 | 2003-05-06 | 還元性ジュース及びその製造方法 |
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WO2008026785A1 (fr) * | 2006-08-31 | 2008-03-06 | Shigeo Ohta | Agent améliorant le métabolisme lipidique contenant une molécule d'hydrogène |
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2003
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WO2008026785A1 (fr) * | 2006-08-31 | 2008-03-06 | Shigeo Ohta | Agent améliorant le métabolisme lipidique contenant une molécule d'hydrogène |
JPWO2008026785A1 (ja) * | 2006-08-31 | 2010-01-21 | 太田 成男 | 水素分子を含む脂質代謝改善剤 |
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