JP2004328958A - 電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】より高い信頼性で、電源装置の過電圧保護を行う。
【解決手段】メイン電源部とサブ電源部を備え、かつ、電源トランスを備える電源装置として、サブ電源部では、電源トランスの二次巻線に得られる交流電圧のレベルに応じたサブ側検出用電圧を生成する。マイクロコンピュータは、サブ側検出用電圧のレベルを検出して、正常範囲外であると判別した場合に、メイン電源部の動作をオン/オフするためのメインスイッチがオン状態となることを禁止設定する。
【選択図】 図3
【解決手段】メイン電源部とサブ電源部を備え、かつ、電源トランスを備える電源装置として、サブ電源部では、電源トランスの二次巻線に得られる交流電圧のレベルに応じたサブ側検出用電圧を生成する。マイクロコンピュータは、サブ側検出用電圧のレベルを検出して、正常範囲外であると判別した場合に、メイン電源部の動作をオン/オフするためのメインスイッチがオン状態となることを禁止設定する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電源装置に関するものであり、特に、商用交流電源が所定レベルとなるように変換する電源用トランスを備えるような電源回路について、回路保護のための構成が負荷された電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種電子機器に備えられる電源装置として、商用交流電源を入力して所要のレベルに安定化された直流電源電圧を得るようにされたものがある。
このような電源装置としてはスイッチングコンバータを備えたものが知られている。このスイッチングコンバータを備えた電源装置では、例えば商用交流電源に対して整流平滑回路を接続して直流入力電圧を生成する。そして、この直流入力電圧をスイッチングコンバータ(DC−DCコンバータ)によりスイッチングして安定化制御を行い、最終的に安定化された直流電源電圧を出力するようにされる。そして、このようなスイッチングコンバータを備える構成では、スイッチング動作の異常などに対応した保護回路を備えることが広く行われている(例えば特許文献1)参照。
【0003】
また、商用交流電源を入力する電源装置として、商用交流電源に対していわゆる電源トランスを備えたものが知られている。
このような構成の電源装置では、電源トランスの一次側に入力される商用交流電源を、例えば最終的に必要とされる直流電源電圧レベルに対応して設定された交流電圧レベルに変換して二次側から出力する。そして、二次側においては、この交流電圧から直流電源電圧を生成するようにされる。この場合にも、直流電源電圧は、必要に応じて安定化される。
このような構成では、スイッチングコンバータを備える場合と比較すると、電源トランスを備える分、回路規模は大きくなり、また、電力変換効率の点でも不利となる。反面、スイッチングコンバータを備えた構成よりも低コストで構成することができ、また、ノイズにも有利であることから、現在でも電子機器の種別、用途等に応じて広く採用されている。
【0004】
上記したような電源トランスを備える構成の電源装置において、例えば交流入力電圧についての許容範囲を越えるレベル上昇や電源トランスの巻線の短絡などに対応して回路を保護するための構成としては、単純に、商用交流電源ライン及び電源トランスの二次巻線に接続される整流回路の整流電流経路内などにヒューズを直列に挿入することが一般的である。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−134936号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにして、電源トランスを備える電源装置においては、ヒューズにより回路保護を図ることが行われる場合があるが、この場合、ヒューズによる保護動作の信頼性は非常に低い。つまり、例えば実際には、或る原因によって、過電圧または過電流となったときに、ヒューズが溶融して断線する前に、部品素子に耐圧を越える電圧が印加されたり、また、許容以上の電流が流れるなどして破壊されてしまう場合も生じていたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、上記した課題を考慮して、例えば電源トランスを備える構成を採る電源装置についても、高い信頼性で過電圧、過電流に対する回路保護が行えるようにすることを目的として、電源装置として次のように構成する。
つまり、一次巻線に入力された商用交流電源により、負荷に供給すべきメイン電源電圧の生成に利用されるべきメイン電源用交流電圧が二次巻線に励起されるメイン電源用トランスと、一次巻線に入力された商用交流電源により、メイン電源電圧が供給される負荷よりも軽い負荷に供給すべきサブ電源電圧の生成に利用されるべきサブ電源用交流電圧が二次巻線に励起されるサブ電源用トランスと、サブ電源用交流電圧のレベルに応じたサブ側検出用電圧を生成して出力するサブ側検出用電圧出力手段と、メイン電源用トランスの一次巻線と接続される側の商用交流電源のラインに挿入されて、オン/オフが切り換えられるメイン電源用スイッチと、所定の検出タイミングで、サブ側検出用電圧のレベルを検出するサブ側検出手段と、サブ側検出手段の所定の検出結果に応じて、メイン電源用スイッチがオン状態となることを禁止設定する制御手段とを備えて構成することとした。
【0008】
上記構成によると、本発明の電源装置は、共通の商用交流電源に対してメイン電源電圧を生成するメイン電源と、サブ電源電圧を生成するサブ電源とを備えており、一次側に商用交流電源を入力して二次側からレベル変換して出力する電源トランスとして、メイン電源側はメイン用電源トランスを備え、サブ電源側はサブ用電源トランスを備えている。
この構成の下で、サブ電源側において、サブ電源用トランスの二次巻線に得られる交流電圧のレベルに応じたサブ側検出用電圧が生成され、このサブ側検出用電圧の検出結果に応じては、メイン電源側をオン/オフするための、メイン電源用スイッチがオン状態となることを禁止するように設定するための制御が実行されるようになっている。
この構成において、サブ側検出用電圧は、サブ電源用トランスの二次巻線に得られる交流電圧のレベルに応じたものであるが、この交流電圧レベルは、一次側の商用交流電源レベルに応じたものである。従って、サブ側検出用電圧によっては、商用交流電源レベルを間接的に検出できることになる。
また、商用交流電源をサブ側検出用電圧によって検出するということは、メイン電源側に商用交流電源が供給されずにメイン電源が動作していないときでも、商用交流電源レベルの検出が可能とされていることになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態としての電源装置の構成例を示している。この図に示す実施の形態としての電源装置は、電源回路とマイクロコンピュータとを組み合わせた構成とされる。実施の形態の電源回路は、例えば、少なくとも、オーディオ信号を増幅するためのアンプ回路を備える電子機器に搭載されるもので、商用交流電源を入力して動作する。そして、メイン電源部とサブ電源部(スタンバイ電源部)とを備える。メイン電源部は、上記アンプ回路側に対して供給すべき直流電源電圧を生成して出力する。サブ電源部はマイクロコンピュータなどのスタンバイ時おいて動作させるべき部品、回路に対して供給すべき直流電源電圧を生成して出力する。なお、マイクロコンピュータは、電子機器の全体制御を行う。
【0010】
この電源装置は、商用交流電源ACを入力するためのACプラグ25を備える。ACプラグ25を、例えば家庭内のACコンセントに差し込むことで、電源装置に商用交流電源ACが投入されることになる。
【0011】
この場合、ACプラグ25の一方のプラグ端子25aと接続される側の商用交流電源のラインは、メイン電源部100の入力段となる、メイン側セレクタ1の端子t1と接続される。また、分岐して、サブ電源部200の入力段となる、サブ側セレクタ11の端子t1とも接続される。
ACプラグ25の他方のプラグ端子25bと接続される側の商用交流電源のラインは、メインスイッチ(メイン電源用スイッチ)21を介して、メイントランス2の一次巻線N1の一端と接続される。また、分岐して、サブトランス12の一次巻線N11の一端と接続される。
【0012】
上記メイン側セレクタ1とサブ側セレクタ11は、共に、端子t1が、端子t2,t3,t4に対して択一的に接続されるようにして切り換えが行われるようになっている。また、この端子切り換えは、手動操作によって、連動して行われるようになっている。
なお、以降において、メイン側セレクタ1とサブ側セレクタ11とを、一括して説明する場合には、電圧セレクタ1,11のようにして記述する場合がある。
【0013】
メイントランス2は、一次巻線N1と、二次巻線N2が巻装されており、一次巻線N1側には商用交流電源ACが入力されることで、二次巻線N2には、一次巻線N1との巻線比に応じて商用交流電源ACのレベルが変換されるようにして、交流電圧が励起される。
ここで、一次巻線N1には、所定の巻数の位置に対して2つのタップ出力が設けられている。そして、ACプラグのプラグ端子25b側と接続されている端部ではない、もう一方の端部と、2つのタップ出力は、それぞれ、メイン側セレクタ1の端子t2,t3,t4と接続される。
【0014】
同様にして、サブトランス12は、一次巻線N11と、二次巻線N12が巻装されており、一次巻線N11側には商用交流電源ACが入力される。そして、二次巻線N12には、一次巻線N11との巻線比に応じて商用交流電源ACのレベルが変換されるようにして交流電圧が励起される。
このサブトランス12の一次巻線N11にも、所定の巻数の位置に対して2つのタップ出力が設けられている。そして、ACプラグのプラグ端子25b側と接続されている端部ではない、もう一方の端部と、2つのタップ出力が、それぞれ、サブ側セレクタ11の端子t2,t3,t4と接続される。
【0015】
商用交流電源ACの定格レベルは、例えば地域に応じて、100V系、220V系、240V系に分けられる。電圧セレクタ1,11(メイン側セレクタ1、サブ側セレクタ11)は、このような地域に応じて異なるとされる、商用交流電源ACの入力レベルに応じて切り換えを行うために設けられる。
例えば、商用交流電源ACが100V系の場合には、電圧セレクタ1,11について、端子t1に端子t4が接続されるように切り換えを行う。また、220V系の場合には、端子t1に端子t3が接続されるように切り換える、240V系の場合には、端子t1に端子t2が接続されるように切り換える。
電圧セレクタ1,11の切り換えが行われれば、AC100V系に対応しているときには、メイントランス2の一次巻線N1に対する二次巻線N2の巻線比、及びサブトランス12の一次巻線N11に対する二次巻線N12の巻線比は、一番大きい所定値が得られる。そして、AC220V系に対応しているときには、これより小さな所定の巻線比が得られる。AC240V系に対応しているときには、これよりさらに小さな所定の巻線比が得られる。
このような巻線比の変更が行われることで、異なる商用交流電源ACの入力レベルに対して、メイントランス2及びサブトランス12のそれぞれの二次巻線N2,N12において、ほぼ一定の所要の交流電圧が得られることになる。
【0016】
メイン電源部100において、上記メイントランス2の二次巻線N2に得られた交流電圧は、ブリッジ整流回路Di1及び平滑コンデンサC1から成る全波整流回路によって整流平滑化されることで、平滑コンデンサC1の両端電圧として直流電圧E1が得られる。
この直流電圧E1は、メイントランス2の二次巻線N2に得られる交流電圧の等倍に対応したレベルを有している。また、安定化されていない電圧であるから、二次巻線N2の交流電圧のレベル変動に対応してレベルが変化する。また、メイントランス2の二次巻線N2に得られる交流電圧は、一次側の商用交流電源ACのレベル変動に応じてレベルが変化する。従って、直流電圧E1も商用交流電源ACのレベル変動に応じてレベルが変化するものである。
【0017】
この直流電圧E1に対しては、メイン側検出回路3が備えられる。このメイン側検出回路3は、図示するようにして、平滑コンデンサC1に対して直列接続された分圧抵抗R1−R2と、例えば抵抗R2に対して並列に接続されたコンデンサC3とにより形成される。そして、分圧抵抗R1−R2により直流電圧E1を分圧して得られる電圧レベルが、メイン側検出用電圧となる。分圧抵抗R1−R2の分圧点は、マイクロコンピュータ30のモニタポートMON1と接続されている。つまり、このメイン側検出用電圧は、マイクロコンピュータ30のモニタポートMON1に対して入力される。
【0018】
また、直流電圧E1は、リミッタ/リップルフィルタ4に対して入力される。
リミッタ/リップルフィルタ4は、入力された直流電圧E1が予め設定された許容レベル以上にまで上昇した場合において、この許容レベルよりも高いレベルとならないように制限する。また、直流電圧E1には、例えば商用交流電源ACの周期に応じたリップルが重畳されているのであるが、このリップルを除去する。
このリミッタ/リップルフィルタ4の出力は、平滑コンデンサC2に供給される。
これにより、平滑コンデンサC2の両端電圧となる直流電圧E2は、直流電圧E1について許容レベル以内の変動に制限し、また、リップルを除去して得られた直流電圧となる。
【0019】
ここで、図2に、リミッタ/リップルフィルタ4の回路構成例を示す。図示するようにして、リミッタ/リップルフィルタ4は、主として、リミッタ回路部41、リップルフィルタ回路部42、及びチャージポンプ回路43とから成る。
リミッタ回路部41においては、先ず、ダイオードD23及び平滑コンデンサC24から成る半波整流回路に直流電圧E1が入力され、これにより、平滑コンデンサC24の両端電圧として直流電圧E1に対応するレベルの直流電圧を得る。そして、この直流電圧E1は、分圧抵抗R31−R32により分圧される。この分圧抵抗R31−R32はバイポーラのトランジスタQ11のベースに接続されており、これにより、トランジスタQ11のベースバイアス電圧が得られる。
トランジスタQ11のコレクタは、平滑コンデンサC1の正極端子と接続されていることで、直流電圧E1をVccとして入力している。エミッタは、抵抗R33を介してアースと接続される。つまり、トランジスタQ11を備えるエミッタフォロワが形成されている。抵抗R33は、後述するリップル回路フィルタ41のエミッタ抵抗として共用される。
そのうえで、トランジスタQ11のベースとアース間には、ツェナーダイオードZD3とコンデンサC21の並列回路が接続されている。
【0020】
このような構成によるリミッタ回路部41においては、例えば直流電圧E1が所定の許容レベル以上に上昇したのに応じて、コンデンサC24の両端電圧レベルも上昇することになる。これにより、ツェナーダイオードZD3には逆方向電圧が印加されて導通することになる。ツェナーダイオードZD3が導通すれば、ツェナーダイオードZD3と並列接続されたコンデンサC21の両端電圧の上昇が制限され、トランジスタQ11のベースバイアス電圧も制限されることになる。これにより、トランジスタQ11のコレクタとアース間の電位(E1a)も制限される。
【0021】
また、リップル回路フィルタ41は、パワーMOS−FETによるトランジスタQ13と、バイポーラのトランジスタQ12、及び分圧抵抗R34−R35,R36、及び抵抗R33を備えている。
トランジスタQ13のドレインは、トランジスタQ11のコレクタと接続される。ソースは、平滑コンデンサC2の正極端子と接続される。ゲートは、チャージポンプ回路43の出力と接続される。
トランジスタQ12のコレクタは、トランジスタQ13のゲートと接続される。エミッタは、エミッタ抵抗R33を介してアースと接続される。ベースは、分圧抵抗R34−R35,R36の接続点と接続される。分圧抵抗R34−R35,R36は、平滑コンデンサC2に対して並列に接続される。つまり、トランジスタQ12のベース電圧は、分圧抵抗R34−R35,R36により直流電圧E2を分圧して得られる電圧となる。
【0022】
チャージポンプ回路43は、トランジスタQ13の適正なゲート電圧を得るために、所定レベルの直流電圧をゲートに重畳するために設けられる。
チャージポンプ回路43には、交流電圧源VAがカップリングコンデンサC22を介して入力される。本実施の形態の電源装置が搭載される電子機器は、例えばDVDなどのメディアドライブを備えている。このメディアドライブのための電源供給は、ここでは図示していないが、チョッパ方式によるスイッチングレギュレータによって行われる。この場合の交流電圧源VAは、このスイッチングレギュレータにおけるスイッチング出力を利用することができる。
【0023】
カップリングコンデンサC22を介しチャージポンプ回路43に入力された交流電圧源VAは、ダイオードD21,D22、抵抗R37、コンデンサC23、及びツェナーダイオードZD4から成る全波整流回路によって整流されて直流電圧に変換される。このチャージポンプ回路43の出力である直流電圧が、電位E1aのラインと、トランジスタQ13のゲート間に挿入されることで、ドレイン電圧よりも高い適正なゲート電位が得られる。
【0024】
この構成では、トランジスタQ12のコレクタに流れる電流に応じて、トランジスタQ13のゲート電位がコントロールされることになる。つまり、直流電圧E2のレベル変動に応じてコントロールされることになるが、これによっては、直流電圧E2に現れるリップルをキャンセルするようにして、ドレイン−ソース間を流れる電流量をコントロールしていることになる。
このような動作から、リミッタ/リップルフィルタ4としては、直流電圧E1について許容レベル以内の変動に制限し、また、リップルを除去して得られた直流電圧E2を平滑コンデンサC2の両端電圧として得ていることが分かる。
【0025】
図1に説明を戻す。
上記のようにして得られた直流電圧E2は、負荷であるアンプ回路5に対して動作電源として供給されることになる。
ここで、これまでの説明から理解されるように、直流電圧E2は安定化されているものではなく、所定の許容レベル範囲内で変動する。このため、アンプ回路5は、この変動する直流電圧E2により動作することになる。
しかしながら、直流電圧E2が供給されるアンプ回路5は、オーディオ信号を音声としてスピーカから出力するための増幅を行う回路である。そして、このアンプ回路5の実際としては、直流電源が或る程度変動したとしても、この影響による出力音声の変化は、聴感上ではほとんど感じられないため、特に問題にはならない。つまり、本実施の形態では、アンプ回路5に電源供給を行うメイン電源部100については、このような特質を利用して、安定化回路を省略しているということがいえる。これにより、例えば低コスト化を促進しているものである。
【0026】
続いて、サブ電源部200における、サブトランス12の二次側の構成について説明する。
サブトランス12の二次巻線N12に得られた交流電圧は、ブリッジ整流回路Di2により整流される。このブリッジ整流回路Di2の整流出力は、ダイオードD1を介して、平滑コンデンサC11を充電する。これにより、平滑コンデンサC11の両端電圧として、安定化前の直流電圧E11が得られる。
なお、ダイオードD11は、後述するようにして、同じブリッジ整流回路Di2の整流出力によって充電される平滑コンデンサC15の両端電圧である直流電圧E13のレベルが、上記直流電圧E11の変化に影響されないようにするために挿入される。
【0027】
平滑コンデンサC11の両端電圧である直流電圧E11は、サブトランス12の二次巻線N12に得られた交流電圧を整流平滑化して得られたものであり、安定化前の直流電圧である。また、サブ電源部11の負荷としては、マイクロコンピュータ30の直流電源の他、リモートコントローラからの操作コマンドの受信回路、及びリレー駆動のための回路であり、これらの負荷に供給すべき電源が確保できればよい。これに対して、メイン電源部100の負荷はアンプ回路5であり、アンプ回路5は、オーディオ信号をスピーカにより音声として出力するだけの多くの電流量を必要とする重い負荷である。つまり、サブ電源部200側では、メイン電源部100側ほどの電力供給能力は要求されない。このため、サブ電源部200に流れる電流は、メイン電源部100と比較して遥かに少ない。また、サブトランス12の二次巻線N12に得られる交流電圧は、メイントランス2の二次巻線N2に得られる交流電圧よりも低く設定されている。
このため、直流電圧E11について安定化するのにあたり、ここでは、三端子レギュレータ15を用いることとしている。つまり、この場合の直流電圧E11は、例えば三端子レギュレータによって安定化しても、問題になるほどの電力損失は生じないものである。
【0028】
三端子レギュレータ15の出力は平滑コンデンサC12に供給される。これにより、平滑コンデンサC12の両端電圧としては、所定レベルに安定化された直流電圧E12が得られる。この直流電圧E12は、マイクロコンピュータ30の電源入力ポートVddに供給される。マイクロコンピュータ30は、この電源入力ポートVddに入力された直流電圧E12を動作電源とする。
【0029】
また、ブリッジ整流回路Di2の整流出力は、分岐しており、平滑コンデンサC15も充電する。これにより、平滑コンデンサC15の両端電圧としても、安定化されない直流電圧E13が得られる。
この直流電圧E13は、マイクロコンピュータ30が検出すべき、サブ側検出用電圧を生成し、また、商用交流電源ACにACプラグ25が差し込まれることによって、商用交流電源ACが投入されるのに応じて、マイクロコンピュータ30をリセットするためのリセット電圧を生成するために用いられる。
【0030】
つまり、直流電圧E13が得られる平滑コンデンサC15に対しては、サブ側検出回路13が接続される。
サブ側検出回路13は、平滑コンデンサC15に対して、分圧抵抗R11−R12と、例えば抵抗R12に対して並列に接続されたコンデンサC13とにより形成される。そして、分圧抵抗R11−R12により直流電圧E13を分圧して得られる電圧レベルが、サブ側検出用電圧となる。このサブ側検出用電圧は、マイクロコンピュータ30のモニタポートMON2に対して入力される。
【0031】
また、リセット回路14は、平滑コンデンサC15に対して並列に接続される、抵抗R13−R14の直列回路と、抵抗R14に対して並列に接続されるコンデンサC14、ツェナーダイオードZD1とから成る。この回路では、商用交流電源ACが投入され、平滑コンデンサC15の両端電圧として直流電圧E13が発生するのに応じて、抵抗R13−R14により分圧された電位により、コンデンサC14への充電を行う。そして、この充電動作によって得られるコンデンサC14の両端電圧としては、ツェナーダイオードZD1によりほぼ一定となるように制御される。このようにして得られたコンデンサC14の両端電圧としての低圧の直流電圧は、リセット電圧として、マイクロコンピュータ30のリセットポートRESETに入力されることになる。
【0032】
マイクロコンピュータ30は、本実施の形態の電源装置が備えられる電子機器のシステム制御を実行するもので、例えば内部に記憶されたプログラムに従って動作する。
マイクロコンピュータ30は、各種の機能に応じた制御を実行するために複数のポートを備えるが、ここでは、これらのポートのうち、主として電源回路に関して必要とされるポートを示している。
図示しているポートのうち、電源入力ポートVdd、モニタポートMON1、モニタポートMON2、及びリセットポートRESETは、前述したとおりである。
【0033】
スイッチコントロールポートON/OFFは、メインスイッチ21のオン/オフをコントロールするためのオン/オフ信号が出力されるポートである。このオン/オフ信号に応じて、リレー駆動回路22が、リレーRYの導通/非導通の状態をコントロールするのに応じて、メインスイッチ21のオン/オフコントロールが行われることになる。
【0034】
リレーRYは、直流電圧E1のライン(平滑コンデンサC11の正極端子)と、リレー駆動回路22のトランジスタQ1のコレクタ間に挿入される。
リレー駆動回路22は、トランジスタQ1、抵抗R21,R22、ダイオードD11、及びツェナーダイオードZD2を備える。トランジスタQ1のエミッタは、アースに接続される。ベースはベース電流制限用の抵抗R21を介して、マイクロコンピュータ30のスイッチコントロールポートON/OFFと接続される。抵抗R22はベース−エミッタ間抵抗である。ダイオードD1、ツェナーダイオードZD2は図示する方向により、リレーRYに対して並列に接続される。
【0035】
マイクロコンピュータ30が、メインスイッチ21をオンとするためには、オン信号として、スイッチコントロールポートON/OFFから所定レベルの正極性の直流電圧(Hレベルの信号)を出力する。このオン信号により、リレー駆動回路22のトランジスタQ1にはベース電流が流れてコレクタ電流が流れ、リレーRYが導通する。リレーRYは、導通して通電しているときにはメインスイッチ21をオンとする。これにより、メイントランス2に対して商用交流電源ACが入力され、メイン電源部100が動作することになる。
【0036】
ここで、サブ電源部200側には、商用交流電源のラインにスイッチは挿入されていない。このため、ここまでの説明から理解されるように、ACプラグ25がコンセントに差し込まれて商用交流電源ACが投入された状態では、商用交流電源ACがサブ電源部200側に供給され、直流電圧E12,E13が得られることとなって、マイクロコンピュータ30には電源供給が行われて起動可能な状態が得られている。つまり、いわゆるスタンバイ状態となっている。マイクロコンピュータ30は、このスタンバイ状態の下で、上記のようにしてメインスイッチ21をオフからオンに切り換える制御を実行することで、メイン電源部100のオン/オフコントロールを行うことができるようになっている。
【0037】
これに対して、メインスイッチ21をオフとするためには、マイクロコンピュータ30は、オフ信号として、スイッチコントロールポートON/OFFからの電圧出力を負極性に反転させるか停止させる。つまり、Lレベルを出力する。このオフ信号により、リレー駆動回路22のトランジスタQ1にはベース電流が流れなくなってオフとなり、リレーRYが非導通となる。リレーRYは、非導通のときにはメインスイッチ21をオフとする。これにより、メイントランス2に対する商用交流電源ACの供給は行われなくなり、メイン電源部100は動作しない。
【0038】
ここで、本実施の形態の電源装置が搭載される電子機器は、フロントパネルに配置されるキーなどの操作子の他、リモートコントローラによる操作が可能に構成されている。そして、例えばスタンバイ状態では、マイクロコンピュータ30と共に、リモートコントローラから送信されてくる操作コマンドを受信、デコードするための受信回路も動作可能な状態となるように電源供給されている。
これに対応して、この図では、マイクロコンピュータ30のポートとして、コマンド入力ポートCMDも示されている。このコマンド入力ポートCMDには、上記フロントパネルの操作子に対する操作に応じて出力される操作コマンド、及び上記受信回路により受信、デコードされた操作コマンドが入力される。つまり、フロントパネルの操作子及びリモートコントローラに対する操作に応じた操作コマンドが入力される。
上記したマイクロコンピュータ30によるメインスイッチ21のオン/オフコントロールの動作は、このコマンド入力ポートCMDに入力された、メイン電源部100をオン/オフするための操作コマンドに応じて行うことができる。
【0039】
さらに、この図では、マイクロコンピュータ30に接続されたスタンバイインジケータ31を示している。このスタンバイインジケータ31は、例えば発光ダイオードから成り、電子機器の筐体に表出するようにして設けられている。マイクロコンピュータ30は、このスタンバイインジケータ31を駆動して発光状態を制御することができる。例えばスタンバイ状態にあるときには、スタンバイインジケータ31の点灯を継続させるように駆動して、これにより、スタンバイ状態であることを示す。また、例えば何らかの異常状態が発生したときには、スタンバイインジケータ31を所定パターンにより点滅させるように駆動し、これにより、異常な状態が電子機器に発生していることを示す。
なお、この図では、スタンバイインジケータ31としての発光ダイオードがマイクロコンピュータ30に直接的に接続されている状態として示されているが、例えばマイクロコンピュータ30が、発光ダイオードを駆動する駆動回路をコントロールするように構成されていてもよいものである。
【0040】
ここで、電源回路に入力される商用交流電源ACは、必ずしも定格レベルで定常的に一定なのではなく変動することが分かっている。そして、上記構成による電源回路では、このような商用交流電源ACのレベル変動は、メイン電源部100においてはメイントランス2の二次側のレベル変動を生じる。ここで、特に電圧レベルが上昇するようにして変動したとすれば、その電圧上昇分に応じた部品素子への電圧印加、及び電流増加となるために、部品素子への負担が増えることになる。
このようなことを考慮して、定格電圧に対する所定範囲内の電圧変動に対しては、メイン電源部100の適正動作が保証されるように、メイン電源部100についての設計が行われている。
【0041】
しかしながら、上記した動作保証範囲を越える程度にまで商用交流電源ACのレベルが上昇する場合がある。
例えば或る国においては、電源供給設備から家屋までの配電経路が非常に長いような地域がある。このような地域では、例えば、日中などの地域全体の電力消費が多くて負荷が重いとされる時間帯では、家屋に供給される商用交流電源の電圧レベルが低下しているのであるが、夜間になって地域全体の電力消費が少なくなると商用交流電源レベルは大幅に上昇するようなときがある。そして、このときに電源回路の動作保証範囲を越えるようなレベルにまでいたることがある。
このようなレベルの商用交流電源が、例えば本実施の形態の電源回路のメイン電源部100にそのまま入力されたとすると、メイン電源部100における部品素子に許容以上の電圧印加若しくは電流が流れるなどして破壊される可能性が生じてくる。
【0042】
なお、前述もしたように、サブ電源部200側に要求される負荷に対する電源供給能力は、メイン電源部100よりも低く、従って、サブ電源部200に流れる電流量もメイン電源部100と比較しては、非常に少ない。このため、メイン電源部100の動作保証範囲を越えるようなレベルの商用交流電源ACが入力されたとしても、これに応じてサブ電源部200に流れる電流量の増加も非常に少ない。従って、サブ電源部200側では、部品素子が破壊されることなく、正常な動作が保証される。
【0043】
このようにして、本実施の形態の電源回路については、メイン電源部100の動作保証範囲を越える商用交流電源ACのレベル上昇が生じたとされる場合に、この状態を検出してメイン電源部100を保護する必要がある。
【0044】
また、本実施の形態の電源回路では、電子機器の使用地域の商用交流電源ACの定格レベルに応じて、手動操作によって電圧セレクタ1,11を切り換えるようにされている。
しかしながら、この操作を誤って、使用地域の商用交流電源ACの定格レベルに対応していない電圧セレクタ1,11の切り換え設定を行った場合には、メイントランス2の二次巻線N2に、メイン電源部100の動作保証範囲を越える程度の高いレベルの交流入力電圧が生じる場合がある。
例えば、電圧セレクタ1,11をAC100Vに対応して端子t4と端子t1とを接続したときの一次巻線と二次巻線の巻線比が、メイントランス2の二次巻線N2に得られる交流電圧レベルが商用交流電源ACに対して最も大きくなる。メイン側セレクタ1において、このAC100Vに対応した端子切り換えを設定した状態で、AC220V系またはAC240Vの商用交流電源ACが入力されると、このときにメイントランス2の二次側に得られる交流電圧レベルは、保証動作範囲を越えてしまう場合がある。
【0045】
つまり、本実施の形態では、上記したような電圧セレクタ1,11についての切り換え設定が間違った状態で商用交流電源ACが入力されることによるメイン電源部100の破壊を防止するための保護を行う必要もある。
【0046】
そこで、本実施の形態では、先に図1及び図2により説明した電源装置の構成の下で、商用交流電源ACの過大レベル、及び電圧セレクタ1,11についての誤設定に対応したメイン電源部100の保護を、次のようにして行うようにされる。
図3は、メイン電源部100を保護するために、マイクロコンピュータ30が実行する処理動作を示している。この図を参照して、メイン電源部100を保護するための電源装置としての動作を説明する。
【0047】
この図3に示す処理は、ACコンセントに対して、電源装置のACプラグ25が差し込まれることで、商用交流電源ACが電源装置に投入されるところから開始されている。
商用交流電源ACが電源装置に投入されると、先に説明した図1の構成から分かるように、サブ電源部200側において安定化された直流電圧E12が生成されてマイクロコンピュータ30の電源入力ポートVddに入力される。これにより、マイクロコンピュータ30は電源供給を受けて、起動が可能な状態が得られることになる。また、サブ電源部200では、直流電圧E13も立ち上がるので、リセット回路14においてリセット電圧が発生し、マイクロコンピュータ30のリセットポートRESETに入力される。
【0048】
マイクロコンピュータ30は、ステップS101として示すように、上記リセットポートRESETにリセット電圧が入力されるのに応じて、自身をリセットするための処理を実行し、続くステップS102の処理によって起動する。
なお、商用交流電源ACの投入によって起動したときには、マイクロコンピュータ30は、メインスイッチ21についてはオフ状態としたままとなるようにしている。つまり、スイッチコントロールポートON/OFFからはLレベルの出力を継続させている。
【0049】
そして、起動後においてはステップS103として示すように、現在モニタポートMON2に入力されている電圧レベルを検出する。
ここで、モニタポートMON2に入力されるのは、サブ側検出回路13により生成されたサブ側検出用電圧であるが、このサブ側検出用電圧は、サブトランス12の二次巻線N12に得られる交流電圧を整流平滑化して生成される。これは、下記の意味を持つ。
1つには、サブトランス12の二次巻線N12に得られる交流電圧は、商用交流電源ACのレベル変化に対応して変化する。従って、上記交流電圧を元に生成されるサブ側検出用電圧は、商用交流電源ACのレベルを示していることになる。
また、連動切り換えされる電圧セレクタ1,11の切り換えが設定が誤っていることで、サブトランス12の二次側において、入力される商用交流電源ACの定格レベルに対応していない異常レベルの電圧が発生している状態である場合、このような電圧レベルの状態も示していることになる。
また、サブ側検出用電圧は、サブトランス12の二次巻線N12に得られる交流電圧を整流平滑化して得られる安定化されない直流電圧E13を分圧して得られるが、メイン電源部100側の直流電圧E1も、メイントランス2の二次巻線N2に得られる交流電圧を整流平滑化して得られる安定化されない直流電圧である。従って、サブ側検出用電圧は、メイン電源部100側に商用交流電源ACを入力したとされる場合に得られる直流電圧E1のレベルにも対応していることになる。
このことから、サブ側検出用電圧を検出することによっては、メイン電源部100の二次側における電圧状態として、商用交流電源ACのレベル変化に応じたレベル変化、及びメイン側セレクタ1の切り換えの誤設定による異常電圧の発生の有無を検出できることになる。
【0050】
そして、マイクロコンピュータ30は、次のステップS104において、モニタポートMON2に入力されたサブ側検出用電圧の検出結果として、このサブ側検出用電圧のレベルが所定の正常レベルの範囲内であるか否かについて判別する。つまり、サブ側検出用電圧のレベルについて、例えばメイン電源部100に商用交流電源ACを入力させたとした場合に、メイン電源部100の二次側において得られる電圧レベルとして、メイン電源部100の動作を保証する範囲内とされるレベルにあるか否かを判別する。
【0051】
ここで、上記ステップS104において判別基準となる正常レベルの範囲内の具体例について説明しておく。
本実施の形態の電源装置として、メイン電源部100については、商用交流電源ACの定格レベルに対して、±10%で完全に動作保証が得られるように設計しているが、結果的に、上限として+30%までは正常な動作が保証できる性能を有している。この+30%を越えると正常な動作が保証できなくなり、回路が破壊される可能性がでてくる。そこで、ステップS104における正常レベルの範囲として、上限値は商用交流電源ACの定格レベルの+30%に対応したサブ側検出用電圧のレベルを設定している。
なお、本実施の形態の実際としては、上記正常レベルの範囲として、下限についても設定しているが、ここでは、説明を簡単にするために、正常レベルの範囲としては上限のみが設定されていることとして以降の説明は行っていくこととする。正常レベルの範囲としての下限値の具体例、及びこの下限値を設定することの必要性については後述する。
【0052】
そして、ステップS104において、正常レベルの範囲外であるとして否定結果が得られた場合には、ステップS113の処理に進む。
ステップS113では、メイン電源部100をオンとすることについて禁止とするモードを設定する。これにより、以降において、例えばメイン電源部をオンとするための操作に応じて、マイクロコンピュータ30のコマンド入力ポートCMDに対して、メイン電源をオンとするための操作コマンドが入力されたとしても、マイクロコンピュータ30は、このコマンドの応答を無効とする。つまり、メインスイッチ21をオフからオンに切り換えるための制御は実行しない。
【0053】
ステップS104において、正常レベルの範囲外であるとの判別結果が得られたということは、商用交流電源ACのレベルがメイン電源部100の動作保証範囲を越えて過大となっている、若しくは、電圧セレクタ1,11の切り換えが誤設定されていることで、メイン側セレクタ1の二次側においては、メイン電源部100の動作保証範囲を越えた電圧が生じることになる、ということに対応する。
そこで、上記ステップS113の処理によって、メインスイッチ21がオンとはならないように制御することで、メイン電源部100には商用交流電源ACが投入されないことになって、メイン電源部100が破壊されないように保護されることになる。
【0054】
そして、上記ステップS113の処理と共に、続くステップS114の処理として、スタンバイインジケータ31を点滅させるための制御を実行する。スタンバイインジケータ31が点滅している状態は、本実施の形態の電源装置が搭載される電子機器において、何らかの異常が発生していることを示す。ユーザは、スタンバイインジケータ31が点滅している状態を見ることで、電子機器に異常が発生していることを認識することができる。
【0055】
ステップS115として示しているように、ステップS113及びS114の処理によって得られる、メイン電源部100のオンを禁止し、また、スタンバイインジケータ31を点滅させる動作は、商用交流電源ACの入力が停止されるまで継続される。つまり、商用交流電源ACが入力されていても、この状態を維持することで、メイン電源部100を保護し、また、スタンバイインジケータ31の点滅により、動作の異常を通知し続ける。
そして、例えばユーザがACプラグ25をACコンセントから抜いて、商用交流電源ACの供給を停止させ、マイクロコンピュータ30が動作を停止したときに、スタンバイインジケータ31も点滅を停止して非点灯の状態となる。
例えば、本実施の形態の電源装置が搭載される電子機器の取扱説明書には、スタンバイインジケータ31の点滅が示す動作異常の原因可能性を列記している。ユーザは、この取扱説明書の内容を見て、可能なものについては動作異常の原因を解決できる。例えば、取扱説明書には、電圧セレクタ1,11の切り換えの誤設定が原因の1つとして記載されているので、実際に原因が電圧セレクタ1,11の切り換えの誤設定であった場合には、ユーザは、電圧セレクタ1,11を正しく設定し直して、動作異常の原因を解消できることになる。
【0056】
また、ステップS104において正常レベルの範囲内であるとして肯定結果が得られた場合には、ステップS105以降の処理に進む。
ステップS105においては、メイン電源部100をオンとすることについて許可するモードを設定する。これにより、以降において、例えばコマンド入力ポートCMDに対してメイン電源部100をオンとするためのコマンドが入力された場合には、マイクロコンピュータ30は、これに応答して、メイン電源部100をオンとするための処理(オン信号出力)を実行できることになる。
【0057】
そして、次のステップS106においては、コマンド入力ポートCMDに対してメイン電源部100をオンとするためのコマンドが入力されるのを待機している。このステップS106が実行されているときは、いわゆるスタンバイモードといわれているモード状態であり、サブ電源部200から供給される電源電圧によってマイクロコンピュータ30(及びリモートコントローラからの操作コマンドの受信回路)は動作可能な状態とされているが、メイン電源部100はオフとされている状態である。また、実際においては、このステップS106の処理を実行しているとされるマイクロコンピュータ30は、スリープモードの状態にあり、低消費電力の状態である。
そして、コマンド入力ポートCMDにメイン電源部100をオンとするための操作コマンドが入力されると、例えばマイクロコンピュータ30は、スリープモードから通常モードに復帰した上で、ステップS107の処理に進む。
【0058】
続くステップS107→ステップS108によっては、先のステップS103→S104と同様にして、モニタポートMON2に入力されているサブ側検出用電圧のレベルを検出して、正常レベルの範囲内であるか否かについて判別する。
例えば商用交流電源ACの投入時においてステップS103→S104の処理によって、サブ側検出用電圧のレベルが正常範囲内であった、つまり、商用交流電源ACの入力レベルが適正であり、電圧セレクタ1,11の切り換え設定が適正であったとしても、この後のメイン電源部100をオンとするときにも、この正常な状態であるとは限らない。そこで、メイン電源部100をオンとして起動させるときにも、ステップS107→ステップS108によるサブ側検出用電圧が正常レベル範囲内であるか否かの確認を行うものである。
【0059】
ステップS108において、正常レベル範囲内ではないとして否定結果が得られた場合には、ステップS113に進む。これにより、メイン電源部100をオンとすることについて禁止とする設定モードとなるが、この場合には、既にメインスイッチ21はオンとされて、メイン電源部100はオンの状態にある。従って、ここでのステップS113の禁止設定処理としては、先ず、メインスイッチ21をオフとするための制御を実行する。つまり、スイッチコントロールポートON/OFFから出力されていたHレベルのオン信号を、Lレベルのオフ信号に切り換える。これにより、メイン電源部100には商用交流電源ACが供給されないこととなって、回路の保護が図られることになる。また、このステップS113の処理としては、先に説明したようにして、以降におけるメイン電源部100をオンとするための操作コマンドをキャンセルするようにも設定されることになる。
そして、ステップS113の処理を実行すると、この場合にも、ステップS114の処理を実行して、スタンバイインジケータ31を点灯させて異常の通知を行う。
【0060】
これに対して、ステップS108において、正常レベルの範囲内であるとの判別結果が得られた場合には、現在、商用交流電源ACのレベルは適正であり、また、電圧セレクタ1,11の切り換え設定も正しい状態であることになる。そこで、この場合には、ステップS109に進んで、メインスイッチ21をオンとするための処理を実行する。つまり、スイッチコントロールポートON/OFFから、Hレベルのオン信号を出力する。
これにより、メイン電源部100に商用交流電源ACが投入されて、メイン電源部100がオン状態となって動作することになる。そして、以降においては、メイン電源部100がオンとされている状態での通常モードにおける各種動作を実行するようにされる。
【0061】
そして、メイン電源部100がオンとされている状態での通常モードの下では、ステップS110〜ステップS112に示す処理が実行される。
先ず、ステップS110により一定時間が経過するのを待機した後、ステップS11により、モニタポートMON1に入力される電圧レベルを検出する。
そして、次のステップS112により、このモニタポートMON1に入力される電圧レベルが、正常レベルの範囲内であるか否かについて判別するようにされる。
つまり、先のステップS103→S104、及びステップS107→S108の処理によっては、サブ電源部200側にて得られるサブ用検出電圧を検出して正常レベル範囲内か否かの判別を行っていたのであるが、ここでは、メイン電源部100側にて得られるメイン用検出電圧を検出して判別を行うようにされている。
【0062】
そして、ステップS112において、正常レベルの範囲内であることが判別された場合には、ステップS110の処理に戻る。つまり、メイン用検出電圧が正常レベルの範囲内である限りは、このステップS110〜S112の処理が繰り返し実行される。
これに対して、ステップS112により正常レベルの範囲内でないことが判別された場合には、ステップS113以降の処理に進む。これにより、これまでオンとされていたメイン電源部100はオフとなる。
【0063】
このステップSS110以降の処理は、メイン電源部100の起動中において生じたとされる商用交流電源ACのレベル変動や、電圧セレクタ1,11の不用意な誤った切り換えなどによって、メイン電源部100に動作保証範囲外の電圧が生じていないかどうかを監視している動作となる。
【0064】
前述もしたように、メイン側検出回路3にて生成されるメイン用検出電圧は、メイン電源部100側におい得られる安定化されない直流電圧E1を分圧して得られるものである。従って、メイン電源部100が起動中にあって直流電圧E1が得られている状態では、この直流電圧E1から得られるメイン用検出電圧により、異常を監視することができるわけである。
【0065】
本実施の形態の構成では、メイン電源部100の起動中においても、サブ用検出電圧により異常監視を行うことは可能である。しかしながら、実際のサブ電源部200においては、メイン電源部100が起動されると、この影響を受けて電圧変動を生じるので、サブ用検出電圧の元となる直流電圧E13も変動する。このため、メイン電源部100の起動中におけるサブ用検出電圧は、信頼性が若干落ちる。
そこで、本実施の形態では、メイン電源部100の起動中においては、サブ用検出電圧に代えて、メイン用検出電圧を検出して異常監視を行うようにしている。メイン用検出電圧は、起動中にあるメイン電源部100の直流電圧E1から得られるものであるから、メイン用検出電圧を監視することは、ほぼ直接メイン電源部100の直流電圧E1の状態を監視していることと同等であり、高い信頼性が確保できるものである。
【0066】
図1に示した電源回路の構成の下で、上記図3に示したマイクロコンピュータ30の処理が実行されることで、本実施の形態では、例えば商用交流電源ACが過大レベルとなっているときや、電圧セレクタ1,11の切り換え設定が誤っていることによって生じる過大電圧入力に対して、メイン電源部100側を保護することが可能とされている。
例えば従来の構成を、図1に示した回路に対応させたとすると、サブ側検出用電圧及びメイン用検出電圧を生成するサブ側検出回路13及びメイン側検出回路3は設けられておらず、従って、マイクロコンピュータ30にも、サブ側検出用電圧及びメイン用検出電圧を検出して、異常を監視する機能は与えられていなかったものである。これに代えて従来としては、例えば、図1において矢印A,Bで示す、メイントランス2の二次巻線N2の両端と、ブリッジ整流回路Di1の入力側とのライン間に対して、ヒューズを直列に挿入していた。また、矢印Cにより示す商用交流電源ACのラインに対して、直列にヒューズを挿入していたものである。
しかしながら、このようなヒューズによる保護回路では、過大入力によってヒューズが溶断して商用交流電源ACの供給が停止されるまでの時間に誤差が生じており、必ずしも確実に保護できることを保証することが難しかった。
これに対して本実施の形態では、電源回路において電源トランス(メイントランス2、サブトランス12)の二次側において検出用電圧を生成するための回路部(メイン側検出回路3、サブ側検出回路13)を設け、この検出用電圧に基づいてマイクロコンピュータ30がメインスイッチ21のオン/オフについての許可/禁止設定を行うことで、電源回路における異常状態に応じて、確実に保護動作を実行させることが可能とされている。
具体的には、先にも説明したように、例えば商用交流電源ACの定格レベルの+30%以上に対応したサブ側検出用電圧又はメイン側検出用電圧のレベルとなると、保護動作がはたらくようにされている。
さらに、本実施の形態では、メイン電源部100に商用交流電源を投入していない状態においても、サブ電源部200側にて得られるサブ側検出用電圧により、異常状態を検知して、メイン電源を保護するという動作が得られていることになる。換言すれば、商用交流電源ACをメイン電源部100に入力させた上でのメイン電源部100の状態を検出しなくとも、メイン電源部100に商用交流電源ACを投入したときの状態を推定して、回路保護を行うことができているものであり、この点でも、回路保護に関して高い信頼性が得られている。
また、本実施の形態としては、電圧監視と回路保護のためのメインスイッチのオン/オフコントロールについて、例えば電源回路内で完結した電圧監視回路、保護回路を設けるのではなく、マイクロコンピュータ30のソフトウェア的な処理として電圧監視及び回路保護動作を実行させる構成となっている。これによっても、動作の信頼性が確保される。また、監視回路、保護回路を電源回路内で完結するかたちで設ける場合には、相応の部品点数が必要になるから、電源回路の基板サイズの小型軽量化、及びコストダウンを図ることが可能となる。
【0067】
ところで、これまでの説明においては、商用交流電源ACの定格レベルに対応する正常レベル範囲として、上記のようにして上限値(商用交流電源ACの定格レベルに対して+30%)のみを設定していることとして説明を行った。しかしながら、本実施の形態の電源装置の実際としては、上記正常レベル範囲として下限値も設定される。
一般的なこととして、電源回路では、例えば回路部内の短絡や負荷短絡などの短絡の状態が生じる可能性がある。このような短絡にも対応して回路が保護されることが好ましい。そこで、本実施の形態では、上記した構成により、このような短絡に対応した回路保護も行うようにされる。
【0068】
メイン電源部100を例にとると、メイン電源部100のメイントランス2の二次側において、短絡が生じたとすると、二次側で生成される直流電圧E1の電圧レベルが降下する。従って、短絡の状態を判定するのには、直流電圧E1を元とするメイン用検出電圧の検出レベルが短絡に対応したとされるレベルにまで低下したことを判別すればよい。同様にして、サブ電源部200側においても、サブ用検出電圧の検出レベルが短絡に対応したとされるレベルにまで低下したことを判別すればよい。
そこで、図3におけるステップS104、S108における判別基準となる正常レベルの範囲として、上限値に加えて、短絡に対応するレベル低下を考慮して設定した下限値を設定することで、短絡状態であることを判別して回路保護動作を実行させることができる。また、ステップS110においても、同様にして、正常レベルの範囲として、短絡に対応するレベル低下を考慮して設定した下限値を設定して、短絡に対応した回路保護動作を実行させることができる。また、このような短絡に対応した回路保護の構成を採ることで、安全規格のための短絡試験対策のための回路としても利用することができる。
上記正常レベル範囲の下限値の具体例としては、例えば実際の実験結果などに応じて、商用交流電源ACの定格レベルの−50%に対応したメイン用検出用電圧、サブ用検出電圧のレベルを設定することとしている。但し、この正常レベル範囲の下限値、および先に説明した上限値の具体値は、あくまでも一例であり、実際の電源回路の仕様などに応じて適切な値が設定されるべきものである。
【0069】
図4のフローチャートには、マイクロコンピュータ30が実行すべき、電源回路保護のための処理動作としての他の例を示している。なお、図3と同じ処理には、同一のステップ番号を付している。
この図4において、ステップS101〜ステップS114までの処理は、先に図3により説明したのと同様の処理であり、ここでの説明は省略する。
【0070】
図3に示した処理では、ステップS115として示したように、ステップS113によりメイン電源部100をオンとすることを禁止する設定とされ、ステップS114によりスタンバイインジケータを点滅させた後は、商用交流電源ACの供給を停止させるまで、この状態が継続された。つまり、通常のマイクロコンピュータ30の動作モードに復帰させるためには、一旦ACプラグを抜き、商用交流電源ACが適正レベルのときにACプラグ25を再度差し込む、あるいは、電圧セレクタ1,11を正しく切り換えてから、ACプラグ25を再度差し込むことになる。
【0071】
これに対して、図4に示す処理では、一旦、メイン電源部100のオンを禁止設定するモードに入ったとしても、例えば、商用交流電源ACが適正レベルに戻るなどして、電源回路の安全な動作が保証される状態となった場合には、自動的に通常のモードに復帰できるように構成されている。
このために、図4に示す処理では、図3のステップS115の処理に代えて、ステップS115−1の処理を実行するようにされる。つまり、ステップS113→S114の処理を経た後において、一定時間が経過するのを待機する。そして、一定時間が経過したとされると、ステップS103の処理に進むようにされる。
【0072】
この処理によれば、メイン電源部100のオンを禁止設定するモードの下で、一定時間ごとにステップS103→S104の処理によって、サブ用検出電圧が正常レベル範囲内であるか否かについての判定が行われる。そして正常レベル範囲外であれば、再び、ステップS113以降の処理が実行されることで、メイン電源部100のオンを禁止設定するモードが継続されることになる。
これに対して、正常レベル範囲内であることが判別されれば、ステップS104以降の処理に進むことになって、マイクロコンピュータ30は、メイン電源部100のオンを禁止設定するモードから、通常のモードに自動的に復帰することになる。
【0073】
なお、電源装置の構成は必要に応じて適宜変更されて構わない。例えば、リミッタ/リップルフィルタ4に代えて、DC−DCコンバータなどが備えられる構成も考えられる。また、図1及び図2に示した各回路部の構成の詳細としても、実際に応じて適宜変更されればよいものである。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の電源装置は、共通の商用交流電源に対してメイン電源電圧を生成するメイン電源部と、サブ電源電圧を生成するサブ電源部とを備える。サブ電源部は、メイン電源部よりも軽負荷に対応する。そして、商用交流電源を一次側に入力して二次側からレベル変換して出力する電源トランスとして、メイン電源部側はメイン用電源トランスを備え、サブ電源側はサブ用電源トランスを備えている。そのうえで、サブ電源部側において、サブ電源用トランスの二次巻線に得られる交流電圧のレベルに応じたサブ側検出用電圧が生成され、このサブ側検出用電圧のレベルを検出するようにしている。サブ側検出用電圧は、サブ電源用トランスの二次巻線に得られる交流電圧のレベルに応じたものであるが、この交流電圧レベルは、一次側の商用交流電源レベルに応じたものである。
さらに、メイン電源用トランスの一次巻線と接続される側の商用交流電源のラインには、メイン電源部の動作をオン/オフするためのメイン電源用スイッチが挿入されるが、上記したサブ側検出用電圧のレベルの検出結果に応じては、メイン電源用スイッチがオン状態となることを禁止するように設定するための制御が実行される。
【0075】
このような構成であれば、サブ電源側に商用交流電源が供給されて動作している状態でありさえすれば、上記サブ側検出用電圧のレベルとして、異常とされる商用交流電源のレベルに対応しているようなときには、メイン電源用スイッチがオンとならないようにすることができる。つまり、メイン電源部側に商用交流電源ACを供給させないようにして、メイン電源部を保護することが可能となる。
そして、このような保護動作は、メイン電源部に商用交流電源を入力させていない状態であっても、事前に、商用交流電源が異常レベルであることを検知して、メイン電源部を確実に保護しているということになるものであり、従来のヒューズに依存した保護機能と比較すれば、メイン電源部を高い信頼性で保護することが可能とされているものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としての電源装置の構成例を示す回路図である。
【図2】実施の形態の電源装置におけるリミッタ/リップルフィルタの構成例を示す回路図である。
【図3】マイクロコンピュータが実行する電源回路保護のための処理を示すフローチャートである。
【図4】マイクロコンピュータが実行する電源回路保護のための処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 メイン側セレクタ、2 メイントランス、3 メイン側検出回路、4 リミッタ/リップルフィルタ、5 アンプ回路、11 サブ側セレクタ、12 サブトランス、13 サブ側検出回路、14 リセット回路、15 三端子レギュレータ、21 メインスイッチ、22 リレー駆動回路、25 ACプラグ、30 マイクロコンピュータ、31 スタンバイインジケータ、41 リミッタ回路、42 リップルフィルタ回路、43 チャージポンプ回路、100 メイン電源部、200 サブ電源部、Di1,Di2 ブリッジ整流回路、C1,C2,C11,C12,C15 平滑コンデンサ
【発明の属する技術分野】
本発明は電源装置に関するものであり、特に、商用交流電源が所定レベルとなるように変換する電源用トランスを備えるような電源回路について、回路保護のための構成が負荷された電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種電子機器に備えられる電源装置として、商用交流電源を入力して所要のレベルに安定化された直流電源電圧を得るようにされたものがある。
このような電源装置としてはスイッチングコンバータを備えたものが知られている。このスイッチングコンバータを備えた電源装置では、例えば商用交流電源に対して整流平滑回路を接続して直流入力電圧を生成する。そして、この直流入力電圧をスイッチングコンバータ(DC−DCコンバータ)によりスイッチングして安定化制御を行い、最終的に安定化された直流電源電圧を出力するようにされる。そして、このようなスイッチングコンバータを備える構成では、スイッチング動作の異常などに対応した保護回路を備えることが広く行われている(例えば特許文献1)参照。
【0003】
また、商用交流電源を入力する電源装置として、商用交流電源に対していわゆる電源トランスを備えたものが知られている。
このような構成の電源装置では、電源トランスの一次側に入力される商用交流電源を、例えば最終的に必要とされる直流電源電圧レベルに対応して設定された交流電圧レベルに変換して二次側から出力する。そして、二次側においては、この交流電圧から直流電源電圧を生成するようにされる。この場合にも、直流電源電圧は、必要に応じて安定化される。
このような構成では、スイッチングコンバータを備える場合と比較すると、電源トランスを備える分、回路規模は大きくなり、また、電力変換効率の点でも不利となる。反面、スイッチングコンバータを備えた構成よりも低コストで構成することができ、また、ノイズにも有利であることから、現在でも電子機器の種別、用途等に応じて広く採用されている。
【0004】
上記したような電源トランスを備える構成の電源装置において、例えば交流入力電圧についての許容範囲を越えるレベル上昇や電源トランスの巻線の短絡などに対応して回路を保護するための構成としては、単純に、商用交流電源ライン及び電源トランスの二次巻線に接続される整流回路の整流電流経路内などにヒューズを直列に挿入することが一般的である。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−134936号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにして、電源トランスを備える電源装置においては、ヒューズにより回路保護を図ることが行われる場合があるが、この場合、ヒューズによる保護動作の信頼性は非常に低い。つまり、例えば実際には、或る原因によって、過電圧または過電流となったときに、ヒューズが溶融して断線する前に、部品素子に耐圧を越える電圧が印加されたり、また、許容以上の電流が流れるなどして破壊されてしまう場合も生じていたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、上記した課題を考慮して、例えば電源トランスを備える構成を採る電源装置についても、高い信頼性で過電圧、過電流に対する回路保護が行えるようにすることを目的として、電源装置として次のように構成する。
つまり、一次巻線に入力された商用交流電源により、負荷に供給すべきメイン電源電圧の生成に利用されるべきメイン電源用交流電圧が二次巻線に励起されるメイン電源用トランスと、一次巻線に入力された商用交流電源により、メイン電源電圧が供給される負荷よりも軽い負荷に供給すべきサブ電源電圧の生成に利用されるべきサブ電源用交流電圧が二次巻線に励起されるサブ電源用トランスと、サブ電源用交流電圧のレベルに応じたサブ側検出用電圧を生成して出力するサブ側検出用電圧出力手段と、メイン電源用トランスの一次巻線と接続される側の商用交流電源のラインに挿入されて、オン/オフが切り換えられるメイン電源用スイッチと、所定の検出タイミングで、サブ側検出用電圧のレベルを検出するサブ側検出手段と、サブ側検出手段の所定の検出結果に応じて、メイン電源用スイッチがオン状態となることを禁止設定する制御手段とを備えて構成することとした。
【0008】
上記構成によると、本発明の電源装置は、共通の商用交流電源に対してメイン電源電圧を生成するメイン電源と、サブ電源電圧を生成するサブ電源とを備えており、一次側に商用交流電源を入力して二次側からレベル変換して出力する電源トランスとして、メイン電源側はメイン用電源トランスを備え、サブ電源側はサブ用電源トランスを備えている。
この構成の下で、サブ電源側において、サブ電源用トランスの二次巻線に得られる交流電圧のレベルに応じたサブ側検出用電圧が生成され、このサブ側検出用電圧の検出結果に応じては、メイン電源側をオン/オフするための、メイン電源用スイッチがオン状態となることを禁止するように設定するための制御が実行されるようになっている。
この構成において、サブ側検出用電圧は、サブ電源用トランスの二次巻線に得られる交流電圧のレベルに応じたものであるが、この交流電圧レベルは、一次側の商用交流電源レベルに応じたものである。従って、サブ側検出用電圧によっては、商用交流電源レベルを間接的に検出できることになる。
また、商用交流電源をサブ側検出用電圧によって検出するということは、メイン電源側に商用交流電源が供給されずにメイン電源が動作していないときでも、商用交流電源レベルの検出が可能とされていることになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態としての電源装置の構成例を示している。この図に示す実施の形態としての電源装置は、電源回路とマイクロコンピュータとを組み合わせた構成とされる。実施の形態の電源回路は、例えば、少なくとも、オーディオ信号を増幅するためのアンプ回路を備える電子機器に搭載されるもので、商用交流電源を入力して動作する。そして、メイン電源部とサブ電源部(スタンバイ電源部)とを備える。メイン電源部は、上記アンプ回路側に対して供給すべき直流電源電圧を生成して出力する。サブ電源部はマイクロコンピュータなどのスタンバイ時おいて動作させるべき部品、回路に対して供給すべき直流電源電圧を生成して出力する。なお、マイクロコンピュータは、電子機器の全体制御を行う。
【0010】
この電源装置は、商用交流電源ACを入力するためのACプラグ25を備える。ACプラグ25を、例えば家庭内のACコンセントに差し込むことで、電源装置に商用交流電源ACが投入されることになる。
【0011】
この場合、ACプラグ25の一方のプラグ端子25aと接続される側の商用交流電源のラインは、メイン電源部100の入力段となる、メイン側セレクタ1の端子t1と接続される。また、分岐して、サブ電源部200の入力段となる、サブ側セレクタ11の端子t1とも接続される。
ACプラグ25の他方のプラグ端子25bと接続される側の商用交流電源のラインは、メインスイッチ(メイン電源用スイッチ)21を介して、メイントランス2の一次巻線N1の一端と接続される。また、分岐して、サブトランス12の一次巻線N11の一端と接続される。
【0012】
上記メイン側セレクタ1とサブ側セレクタ11は、共に、端子t1が、端子t2,t3,t4に対して択一的に接続されるようにして切り換えが行われるようになっている。また、この端子切り換えは、手動操作によって、連動して行われるようになっている。
なお、以降において、メイン側セレクタ1とサブ側セレクタ11とを、一括して説明する場合には、電圧セレクタ1,11のようにして記述する場合がある。
【0013】
メイントランス2は、一次巻線N1と、二次巻線N2が巻装されており、一次巻線N1側には商用交流電源ACが入力されることで、二次巻線N2には、一次巻線N1との巻線比に応じて商用交流電源ACのレベルが変換されるようにして、交流電圧が励起される。
ここで、一次巻線N1には、所定の巻数の位置に対して2つのタップ出力が設けられている。そして、ACプラグのプラグ端子25b側と接続されている端部ではない、もう一方の端部と、2つのタップ出力は、それぞれ、メイン側セレクタ1の端子t2,t3,t4と接続される。
【0014】
同様にして、サブトランス12は、一次巻線N11と、二次巻線N12が巻装されており、一次巻線N11側には商用交流電源ACが入力される。そして、二次巻線N12には、一次巻線N11との巻線比に応じて商用交流電源ACのレベルが変換されるようにして交流電圧が励起される。
このサブトランス12の一次巻線N11にも、所定の巻数の位置に対して2つのタップ出力が設けられている。そして、ACプラグのプラグ端子25b側と接続されている端部ではない、もう一方の端部と、2つのタップ出力が、それぞれ、サブ側セレクタ11の端子t2,t3,t4と接続される。
【0015】
商用交流電源ACの定格レベルは、例えば地域に応じて、100V系、220V系、240V系に分けられる。電圧セレクタ1,11(メイン側セレクタ1、サブ側セレクタ11)は、このような地域に応じて異なるとされる、商用交流電源ACの入力レベルに応じて切り換えを行うために設けられる。
例えば、商用交流電源ACが100V系の場合には、電圧セレクタ1,11について、端子t1に端子t4が接続されるように切り換えを行う。また、220V系の場合には、端子t1に端子t3が接続されるように切り換える、240V系の場合には、端子t1に端子t2が接続されるように切り換える。
電圧セレクタ1,11の切り換えが行われれば、AC100V系に対応しているときには、メイントランス2の一次巻線N1に対する二次巻線N2の巻線比、及びサブトランス12の一次巻線N11に対する二次巻線N12の巻線比は、一番大きい所定値が得られる。そして、AC220V系に対応しているときには、これより小さな所定の巻線比が得られる。AC240V系に対応しているときには、これよりさらに小さな所定の巻線比が得られる。
このような巻線比の変更が行われることで、異なる商用交流電源ACの入力レベルに対して、メイントランス2及びサブトランス12のそれぞれの二次巻線N2,N12において、ほぼ一定の所要の交流電圧が得られることになる。
【0016】
メイン電源部100において、上記メイントランス2の二次巻線N2に得られた交流電圧は、ブリッジ整流回路Di1及び平滑コンデンサC1から成る全波整流回路によって整流平滑化されることで、平滑コンデンサC1の両端電圧として直流電圧E1が得られる。
この直流電圧E1は、メイントランス2の二次巻線N2に得られる交流電圧の等倍に対応したレベルを有している。また、安定化されていない電圧であるから、二次巻線N2の交流電圧のレベル変動に対応してレベルが変化する。また、メイントランス2の二次巻線N2に得られる交流電圧は、一次側の商用交流電源ACのレベル変動に応じてレベルが変化する。従って、直流電圧E1も商用交流電源ACのレベル変動に応じてレベルが変化するものである。
【0017】
この直流電圧E1に対しては、メイン側検出回路3が備えられる。このメイン側検出回路3は、図示するようにして、平滑コンデンサC1に対して直列接続された分圧抵抗R1−R2と、例えば抵抗R2に対して並列に接続されたコンデンサC3とにより形成される。そして、分圧抵抗R1−R2により直流電圧E1を分圧して得られる電圧レベルが、メイン側検出用電圧となる。分圧抵抗R1−R2の分圧点は、マイクロコンピュータ30のモニタポートMON1と接続されている。つまり、このメイン側検出用電圧は、マイクロコンピュータ30のモニタポートMON1に対して入力される。
【0018】
また、直流電圧E1は、リミッタ/リップルフィルタ4に対して入力される。
リミッタ/リップルフィルタ4は、入力された直流電圧E1が予め設定された許容レベル以上にまで上昇した場合において、この許容レベルよりも高いレベルとならないように制限する。また、直流電圧E1には、例えば商用交流電源ACの周期に応じたリップルが重畳されているのであるが、このリップルを除去する。
このリミッタ/リップルフィルタ4の出力は、平滑コンデンサC2に供給される。
これにより、平滑コンデンサC2の両端電圧となる直流電圧E2は、直流電圧E1について許容レベル以内の変動に制限し、また、リップルを除去して得られた直流電圧となる。
【0019】
ここで、図2に、リミッタ/リップルフィルタ4の回路構成例を示す。図示するようにして、リミッタ/リップルフィルタ4は、主として、リミッタ回路部41、リップルフィルタ回路部42、及びチャージポンプ回路43とから成る。
リミッタ回路部41においては、先ず、ダイオードD23及び平滑コンデンサC24から成る半波整流回路に直流電圧E1が入力され、これにより、平滑コンデンサC24の両端電圧として直流電圧E1に対応するレベルの直流電圧を得る。そして、この直流電圧E1は、分圧抵抗R31−R32により分圧される。この分圧抵抗R31−R32はバイポーラのトランジスタQ11のベースに接続されており、これにより、トランジスタQ11のベースバイアス電圧が得られる。
トランジスタQ11のコレクタは、平滑コンデンサC1の正極端子と接続されていることで、直流電圧E1をVccとして入力している。エミッタは、抵抗R33を介してアースと接続される。つまり、トランジスタQ11を備えるエミッタフォロワが形成されている。抵抗R33は、後述するリップル回路フィルタ41のエミッタ抵抗として共用される。
そのうえで、トランジスタQ11のベースとアース間には、ツェナーダイオードZD3とコンデンサC21の並列回路が接続されている。
【0020】
このような構成によるリミッタ回路部41においては、例えば直流電圧E1が所定の許容レベル以上に上昇したのに応じて、コンデンサC24の両端電圧レベルも上昇することになる。これにより、ツェナーダイオードZD3には逆方向電圧が印加されて導通することになる。ツェナーダイオードZD3が導通すれば、ツェナーダイオードZD3と並列接続されたコンデンサC21の両端電圧の上昇が制限され、トランジスタQ11のベースバイアス電圧も制限されることになる。これにより、トランジスタQ11のコレクタとアース間の電位(E1a)も制限される。
【0021】
また、リップル回路フィルタ41は、パワーMOS−FETによるトランジスタQ13と、バイポーラのトランジスタQ12、及び分圧抵抗R34−R35,R36、及び抵抗R33を備えている。
トランジスタQ13のドレインは、トランジスタQ11のコレクタと接続される。ソースは、平滑コンデンサC2の正極端子と接続される。ゲートは、チャージポンプ回路43の出力と接続される。
トランジスタQ12のコレクタは、トランジスタQ13のゲートと接続される。エミッタは、エミッタ抵抗R33を介してアースと接続される。ベースは、分圧抵抗R34−R35,R36の接続点と接続される。分圧抵抗R34−R35,R36は、平滑コンデンサC2に対して並列に接続される。つまり、トランジスタQ12のベース電圧は、分圧抵抗R34−R35,R36により直流電圧E2を分圧して得られる電圧となる。
【0022】
チャージポンプ回路43は、トランジスタQ13の適正なゲート電圧を得るために、所定レベルの直流電圧をゲートに重畳するために設けられる。
チャージポンプ回路43には、交流電圧源VAがカップリングコンデンサC22を介して入力される。本実施の形態の電源装置が搭載される電子機器は、例えばDVDなどのメディアドライブを備えている。このメディアドライブのための電源供給は、ここでは図示していないが、チョッパ方式によるスイッチングレギュレータによって行われる。この場合の交流電圧源VAは、このスイッチングレギュレータにおけるスイッチング出力を利用することができる。
【0023】
カップリングコンデンサC22を介しチャージポンプ回路43に入力された交流電圧源VAは、ダイオードD21,D22、抵抗R37、コンデンサC23、及びツェナーダイオードZD4から成る全波整流回路によって整流されて直流電圧に変換される。このチャージポンプ回路43の出力である直流電圧が、電位E1aのラインと、トランジスタQ13のゲート間に挿入されることで、ドレイン電圧よりも高い適正なゲート電位が得られる。
【0024】
この構成では、トランジスタQ12のコレクタに流れる電流に応じて、トランジスタQ13のゲート電位がコントロールされることになる。つまり、直流電圧E2のレベル変動に応じてコントロールされることになるが、これによっては、直流電圧E2に現れるリップルをキャンセルするようにして、ドレイン−ソース間を流れる電流量をコントロールしていることになる。
このような動作から、リミッタ/リップルフィルタ4としては、直流電圧E1について許容レベル以内の変動に制限し、また、リップルを除去して得られた直流電圧E2を平滑コンデンサC2の両端電圧として得ていることが分かる。
【0025】
図1に説明を戻す。
上記のようにして得られた直流電圧E2は、負荷であるアンプ回路5に対して動作電源として供給されることになる。
ここで、これまでの説明から理解されるように、直流電圧E2は安定化されているものではなく、所定の許容レベル範囲内で変動する。このため、アンプ回路5は、この変動する直流電圧E2により動作することになる。
しかしながら、直流電圧E2が供給されるアンプ回路5は、オーディオ信号を音声としてスピーカから出力するための増幅を行う回路である。そして、このアンプ回路5の実際としては、直流電源が或る程度変動したとしても、この影響による出力音声の変化は、聴感上ではほとんど感じられないため、特に問題にはならない。つまり、本実施の形態では、アンプ回路5に電源供給を行うメイン電源部100については、このような特質を利用して、安定化回路を省略しているということがいえる。これにより、例えば低コスト化を促進しているものである。
【0026】
続いて、サブ電源部200における、サブトランス12の二次側の構成について説明する。
サブトランス12の二次巻線N12に得られた交流電圧は、ブリッジ整流回路Di2により整流される。このブリッジ整流回路Di2の整流出力は、ダイオードD1を介して、平滑コンデンサC11を充電する。これにより、平滑コンデンサC11の両端電圧として、安定化前の直流電圧E11が得られる。
なお、ダイオードD11は、後述するようにして、同じブリッジ整流回路Di2の整流出力によって充電される平滑コンデンサC15の両端電圧である直流電圧E13のレベルが、上記直流電圧E11の変化に影響されないようにするために挿入される。
【0027】
平滑コンデンサC11の両端電圧である直流電圧E11は、サブトランス12の二次巻線N12に得られた交流電圧を整流平滑化して得られたものであり、安定化前の直流電圧である。また、サブ電源部11の負荷としては、マイクロコンピュータ30の直流電源の他、リモートコントローラからの操作コマンドの受信回路、及びリレー駆動のための回路であり、これらの負荷に供給すべき電源が確保できればよい。これに対して、メイン電源部100の負荷はアンプ回路5であり、アンプ回路5は、オーディオ信号をスピーカにより音声として出力するだけの多くの電流量を必要とする重い負荷である。つまり、サブ電源部200側では、メイン電源部100側ほどの電力供給能力は要求されない。このため、サブ電源部200に流れる電流は、メイン電源部100と比較して遥かに少ない。また、サブトランス12の二次巻線N12に得られる交流電圧は、メイントランス2の二次巻線N2に得られる交流電圧よりも低く設定されている。
このため、直流電圧E11について安定化するのにあたり、ここでは、三端子レギュレータ15を用いることとしている。つまり、この場合の直流電圧E11は、例えば三端子レギュレータによって安定化しても、問題になるほどの電力損失は生じないものである。
【0028】
三端子レギュレータ15の出力は平滑コンデンサC12に供給される。これにより、平滑コンデンサC12の両端電圧としては、所定レベルに安定化された直流電圧E12が得られる。この直流電圧E12は、マイクロコンピュータ30の電源入力ポートVddに供給される。マイクロコンピュータ30は、この電源入力ポートVddに入力された直流電圧E12を動作電源とする。
【0029】
また、ブリッジ整流回路Di2の整流出力は、分岐しており、平滑コンデンサC15も充電する。これにより、平滑コンデンサC15の両端電圧としても、安定化されない直流電圧E13が得られる。
この直流電圧E13は、マイクロコンピュータ30が検出すべき、サブ側検出用電圧を生成し、また、商用交流電源ACにACプラグ25が差し込まれることによって、商用交流電源ACが投入されるのに応じて、マイクロコンピュータ30をリセットするためのリセット電圧を生成するために用いられる。
【0030】
つまり、直流電圧E13が得られる平滑コンデンサC15に対しては、サブ側検出回路13が接続される。
サブ側検出回路13は、平滑コンデンサC15に対して、分圧抵抗R11−R12と、例えば抵抗R12に対して並列に接続されたコンデンサC13とにより形成される。そして、分圧抵抗R11−R12により直流電圧E13を分圧して得られる電圧レベルが、サブ側検出用電圧となる。このサブ側検出用電圧は、マイクロコンピュータ30のモニタポートMON2に対して入力される。
【0031】
また、リセット回路14は、平滑コンデンサC15に対して並列に接続される、抵抗R13−R14の直列回路と、抵抗R14に対して並列に接続されるコンデンサC14、ツェナーダイオードZD1とから成る。この回路では、商用交流電源ACが投入され、平滑コンデンサC15の両端電圧として直流電圧E13が発生するのに応じて、抵抗R13−R14により分圧された電位により、コンデンサC14への充電を行う。そして、この充電動作によって得られるコンデンサC14の両端電圧としては、ツェナーダイオードZD1によりほぼ一定となるように制御される。このようにして得られたコンデンサC14の両端電圧としての低圧の直流電圧は、リセット電圧として、マイクロコンピュータ30のリセットポートRESETに入力されることになる。
【0032】
マイクロコンピュータ30は、本実施の形態の電源装置が備えられる電子機器のシステム制御を実行するもので、例えば内部に記憶されたプログラムに従って動作する。
マイクロコンピュータ30は、各種の機能に応じた制御を実行するために複数のポートを備えるが、ここでは、これらのポートのうち、主として電源回路に関して必要とされるポートを示している。
図示しているポートのうち、電源入力ポートVdd、モニタポートMON1、モニタポートMON2、及びリセットポートRESETは、前述したとおりである。
【0033】
スイッチコントロールポートON/OFFは、メインスイッチ21のオン/オフをコントロールするためのオン/オフ信号が出力されるポートである。このオン/オフ信号に応じて、リレー駆動回路22が、リレーRYの導通/非導通の状態をコントロールするのに応じて、メインスイッチ21のオン/オフコントロールが行われることになる。
【0034】
リレーRYは、直流電圧E1のライン(平滑コンデンサC11の正極端子)と、リレー駆動回路22のトランジスタQ1のコレクタ間に挿入される。
リレー駆動回路22は、トランジスタQ1、抵抗R21,R22、ダイオードD11、及びツェナーダイオードZD2を備える。トランジスタQ1のエミッタは、アースに接続される。ベースはベース電流制限用の抵抗R21を介して、マイクロコンピュータ30のスイッチコントロールポートON/OFFと接続される。抵抗R22はベース−エミッタ間抵抗である。ダイオードD1、ツェナーダイオードZD2は図示する方向により、リレーRYに対して並列に接続される。
【0035】
マイクロコンピュータ30が、メインスイッチ21をオンとするためには、オン信号として、スイッチコントロールポートON/OFFから所定レベルの正極性の直流電圧(Hレベルの信号)を出力する。このオン信号により、リレー駆動回路22のトランジスタQ1にはベース電流が流れてコレクタ電流が流れ、リレーRYが導通する。リレーRYは、導通して通電しているときにはメインスイッチ21をオンとする。これにより、メイントランス2に対して商用交流電源ACが入力され、メイン電源部100が動作することになる。
【0036】
ここで、サブ電源部200側には、商用交流電源のラインにスイッチは挿入されていない。このため、ここまでの説明から理解されるように、ACプラグ25がコンセントに差し込まれて商用交流電源ACが投入された状態では、商用交流電源ACがサブ電源部200側に供給され、直流電圧E12,E13が得られることとなって、マイクロコンピュータ30には電源供給が行われて起動可能な状態が得られている。つまり、いわゆるスタンバイ状態となっている。マイクロコンピュータ30は、このスタンバイ状態の下で、上記のようにしてメインスイッチ21をオフからオンに切り換える制御を実行することで、メイン電源部100のオン/オフコントロールを行うことができるようになっている。
【0037】
これに対して、メインスイッチ21をオフとするためには、マイクロコンピュータ30は、オフ信号として、スイッチコントロールポートON/OFFからの電圧出力を負極性に反転させるか停止させる。つまり、Lレベルを出力する。このオフ信号により、リレー駆動回路22のトランジスタQ1にはベース電流が流れなくなってオフとなり、リレーRYが非導通となる。リレーRYは、非導通のときにはメインスイッチ21をオフとする。これにより、メイントランス2に対する商用交流電源ACの供給は行われなくなり、メイン電源部100は動作しない。
【0038】
ここで、本実施の形態の電源装置が搭載される電子機器は、フロントパネルに配置されるキーなどの操作子の他、リモートコントローラによる操作が可能に構成されている。そして、例えばスタンバイ状態では、マイクロコンピュータ30と共に、リモートコントローラから送信されてくる操作コマンドを受信、デコードするための受信回路も動作可能な状態となるように電源供給されている。
これに対応して、この図では、マイクロコンピュータ30のポートとして、コマンド入力ポートCMDも示されている。このコマンド入力ポートCMDには、上記フロントパネルの操作子に対する操作に応じて出力される操作コマンド、及び上記受信回路により受信、デコードされた操作コマンドが入力される。つまり、フロントパネルの操作子及びリモートコントローラに対する操作に応じた操作コマンドが入力される。
上記したマイクロコンピュータ30によるメインスイッチ21のオン/オフコントロールの動作は、このコマンド入力ポートCMDに入力された、メイン電源部100をオン/オフするための操作コマンドに応じて行うことができる。
【0039】
さらに、この図では、マイクロコンピュータ30に接続されたスタンバイインジケータ31を示している。このスタンバイインジケータ31は、例えば発光ダイオードから成り、電子機器の筐体に表出するようにして設けられている。マイクロコンピュータ30は、このスタンバイインジケータ31を駆動して発光状態を制御することができる。例えばスタンバイ状態にあるときには、スタンバイインジケータ31の点灯を継続させるように駆動して、これにより、スタンバイ状態であることを示す。また、例えば何らかの異常状態が発生したときには、スタンバイインジケータ31を所定パターンにより点滅させるように駆動し、これにより、異常な状態が電子機器に発生していることを示す。
なお、この図では、スタンバイインジケータ31としての発光ダイオードがマイクロコンピュータ30に直接的に接続されている状態として示されているが、例えばマイクロコンピュータ30が、発光ダイオードを駆動する駆動回路をコントロールするように構成されていてもよいものである。
【0040】
ここで、電源回路に入力される商用交流電源ACは、必ずしも定格レベルで定常的に一定なのではなく変動することが分かっている。そして、上記構成による電源回路では、このような商用交流電源ACのレベル変動は、メイン電源部100においてはメイントランス2の二次側のレベル変動を生じる。ここで、特に電圧レベルが上昇するようにして変動したとすれば、その電圧上昇分に応じた部品素子への電圧印加、及び電流増加となるために、部品素子への負担が増えることになる。
このようなことを考慮して、定格電圧に対する所定範囲内の電圧変動に対しては、メイン電源部100の適正動作が保証されるように、メイン電源部100についての設計が行われている。
【0041】
しかしながら、上記した動作保証範囲を越える程度にまで商用交流電源ACのレベルが上昇する場合がある。
例えば或る国においては、電源供給設備から家屋までの配電経路が非常に長いような地域がある。このような地域では、例えば、日中などの地域全体の電力消費が多くて負荷が重いとされる時間帯では、家屋に供給される商用交流電源の電圧レベルが低下しているのであるが、夜間になって地域全体の電力消費が少なくなると商用交流電源レベルは大幅に上昇するようなときがある。そして、このときに電源回路の動作保証範囲を越えるようなレベルにまでいたることがある。
このようなレベルの商用交流電源が、例えば本実施の形態の電源回路のメイン電源部100にそのまま入力されたとすると、メイン電源部100における部品素子に許容以上の電圧印加若しくは電流が流れるなどして破壊される可能性が生じてくる。
【0042】
なお、前述もしたように、サブ電源部200側に要求される負荷に対する電源供給能力は、メイン電源部100よりも低く、従って、サブ電源部200に流れる電流量もメイン電源部100と比較しては、非常に少ない。このため、メイン電源部100の動作保証範囲を越えるようなレベルの商用交流電源ACが入力されたとしても、これに応じてサブ電源部200に流れる電流量の増加も非常に少ない。従って、サブ電源部200側では、部品素子が破壊されることなく、正常な動作が保証される。
【0043】
このようにして、本実施の形態の電源回路については、メイン電源部100の動作保証範囲を越える商用交流電源ACのレベル上昇が生じたとされる場合に、この状態を検出してメイン電源部100を保護する必要がある。
【0044】
また、本実施の形態の電源回路では、電子機器の使用地域の商用交流電源ACの定格レベルに応じて、手動操作によって電圧セレクタ1,11を切り換えるようにされている。
しかしながら、この操作を誤って、使用地域の商用交流電源ACの定格レベルに対応していない電圧セレクタ1,11の切り換え設定を行った場合には、メイントランス2の二次巻線N2に、メイン電源部100の動作保証範囲を越える程度の高いレベルの交流入力電圧が生じる場合がある。
例えば、電圧セレクタ1,11をAC100Vに対応して端子t4と端子t1とを接続したときの一次巻線と二次巻線の巻線比が、メイントランス2の二次巻線N2に得られる交流電圧レベルが商用交流電源ACに対して最も大きくなる。メイン側セレクタ1において、このAC100Vに対応した端子切り換えを設定した状態で、AC220V系またはAC240Vの商用交流電源ACが入力されると、このときにメイントランス2の二次側に得られる交流電圧レベルは、保証動作範囲を越えてしまう場合がある。
【0045】
つまり、本実施の形態では、上記したような電圧セレクタ1,11についての切り換え設定が間違った状態で商用交流電源ACが入力されることによるメイン電源部100の破壊を防止するための保護を行う必要もある。
【0046】
そこで、本実施の形態では、先に図1及び図2により説明した電源装置の構成の下で、商用交流電源ACの過大レベル、及び電圧セレクタ1,11についての誤設定に対応したメイン電源部100の保護を、次のようにして行うようにされる。
図3は、メイン電源部100を保護するために、マイクロコンピュータ30が実行する処理動作を示している。この図を参照して、メイン電源部100を保護するための電源装置としての動作を説明する。
【0047】
この図3に示す処理は、ACコンセントに対して、電源装置のACプラグ25が差し込まれることで、商用交流電源ACが電源装置に投入されるところから開始されている。
商用交流電源ACが電源装置に投入されると、先に説明した図1の構成から分かるように、サブ電源部200側において安定化された直流電圧E12が生成されてマイクロコンピュータ30の電源入力ポートVddに入力される。これにより、マイクロコンピュータ30は電源供給を受けて、起動が可能な状態が得られることになる。また、サブ電源部200では、直流電圧E13も立ち上がるので、リセット回路14においてリセット電圧が発生し、マイクロコンピュータ30のリセットポートRESETに入力される。
【0048】
マイクロコンピュータ30は、ステップS101として示すように、上記リセットポートRESETにリセット電圧が入力されるのに応じて、自身をリセットするための処理を実行し、続くステップS102の処理によって起動する。
なお、商用交流電源ACの投入によって起動したときには、マイクロコンピュータ30は、メインスイッチ21についてはオフ状態としたままとなるようにしている。つまり、スイッチコントロールポートON/OFFからはLレベルの出力を継続させている。
【0049】
そして、起動後においてはステップS103として示すように、現在モニタポートMON2に入力されている電圧レベルを検出する。
ここで、モニタポートMON2に入力されるのは、サブ側検出回路13により生成されたサブ側検出用電圧であるが、このサブ側検出用電圧は、サブトランス12の二次巻線N12に得られる交流電圧を整流平滑化して生成される。これは、下記の意味を持つ。
1つには、サブトランス12の二次巻線N12に得られる交流電圧は、商用交流電源ACのレベル変化に対応して変化する。従って、上記交流電圧を元に生成されるサブ側検出用電圧は、商用交流電源ACのレベルを示していることになる。
また、連動切り換えされる電圧セレクタ1,11の切り換えが設定が誤っていることで、サブトランス12の二次側において、入力される商用交流電源ACの定格レベルに対応していない異常レベルの電圧が発生している状態である場合、このような電圧レベルの状態も示していることになる。
また、サブ側検出用電圧は、サブトランス12の二次巻線N12に得られる交流電圧を整流平滑化して得られる安定化されない直流電圧E13を分圧して得られるが、メイン電源部100側の直流電圧E1も、メイントランス2の二次巻線N2に得られる交流電圧を整流平滑化して得られる安定化されない直流電圧である。従って、サブ側検出用電圧は、メイン電源部100側に商用交流電源ACを入力したとされる場合に得られる直流電圧E1のレベルにも対応していることになる。
このことから、サブ側検出用電圧を検出することによっては、メイン電源部100の二次側における電圧状態として、商用交流電源ACのレベル変化に応じたレベル変化、及びメイン側セレクタ1の切り換えの誤設定による異常電圧の発生の有無を検出できることになる。
【0050】
そして、マイクロコンピュータ30は、次のステップS104において、モニタポートMON2に入力されたサブ側検出用電圧の検出結果として、このサブ側検出用電圧のレベルが所定の正常レベルの範囲内であるか否かについて判別する。つまり、サブ側検出用電圧のレベルについて、例えばメイン電源部100に商用交流電源ACを入力させたとした場合に、メイン電源部100の二次側において得られる電圧レベルとして、メイン電源部100の動作を保証する範囲内とされるレベルにあるか否かを判別する。
【0051】
ここで、上記ステップS104において判別基準となる正常レベルの範囲内の具体例について説明しておく。
本実施の形態の電源装置として、メイン電源部100については、商用交流電源ACの定格レベルに対して、±10%で完全に動作保証が得られるように設計しているが、結果的に、上限として+30%までは正常な動作が保証できる性能を有している。この+30%を越えると正常な動作が保証できなくなり、回路が破壊される可能性がでてくる。そこで、ステップS104における正常レベルの範囲として、上限値は商用交流電源ACの定格レベルの+30%に対応したサブ側検出用電圧のレベルを設定している。
なお、本実施の形態の実際としては、上記正常レベルの範囲として、下限についても設定しているが、ここでは、説明を簡単にするために、正常レベルの範囲としては上限のみが設定されていることとして以降の説明は行っていくこととする。正常レベルの範囲としての下限値の具体例、及びこの下限値を設定することの必要性については後述する。
【0052】
そして、ステップS104において、正常レベルの範囲外であるとして否定結果が得られた場合には、ステップS113の処理に進む。
ステップS113では、メイン電源部100をオンとすることについて禁止とするモードを設定する。これにより、以降において、例えばメイン電源部をオンとするための操作に応じて、マイクロコンピュータ30のコマンド入力ポートCMDに対して、メイン電源をオンとするための操作コマンドが入力されたとしても、マイクロコンピュータ30は、このコマンドの応答を無効とする。つまり、メインスイッチ21をオフからオンに切り換えるための制御は実行しない。
【0053】
ステップS104において、正常レベルの範囲外であるとの判別結果が得られたということは、商用交流電源ACのレベルがメイン電源部100の動作保証範囲を越えて過大となっている、若しくは、電圧セレクタ1,11の切り換えが誤設定されていることで、メイン側セレクタ1の二次側においては、メイン電源部100の動作保証範囲を越えた電圧が生じることになる、ということに対応する。
そこで、上記ステップS113の処理によって、メインスイッチ21がオンとはならないように制御することで、メイン電源部100には商用交流電源ACが投入されないことになって、メイン電源部100が破壊されないように保護されることになる。
【0054】
そして、上記ステップS113の処理と共に、続くステップS114の処理として、スタンバイインジケータ31を点滅させるための制御を実行する。スタンバイインジケータ31が点滅している状態は、本実施の形態の電源装置が搭載される電子機器において、何らかの異常が発生していることを示す。ユーザは、スタンバイインジケータ31が点滅している状態を見ることで、電子機器に異常が発生していることを認識することができる。
【0055】
ステップS115として示しているように、ステップS113及びS114の処理によって得られる、メイン電源部100のオンを禁止し、また、スタンバイインジケータ31を点滅させる動作は、商用交流電源ACの入力が停止されるまで継続される。つまり、商用交流電源ACが入力されていても、この状態を維持することで、メイン電源部100を保護し、また、スタンバイインジケータ31の点滅により、動作の異常を通知し続ける。
そして、例えばユーザがACプラグ25をACコンセントから抜いて、商用交流電源ACの供給を停止させ、マイクロコンピュータ30が動作を停止したときに、スタンバイインジケータ31も点滅を停止して非点灯の状態となる。
例えば、本実施の形態の電源装置が搭載される電子機器の取扱説明書には、スタンバイインジケータ31の点滅が示す動作異常の原因可能性を列記している。ユーザは、この取扱説明書の内容を見て、可能なものについては動作異常の原因を解決できる。例えば、取扱説明書には、電圧セレクタ1,11の切り換えの誤設定が原因の1つとして記載されているので、実際に原因が電圧セレクタ1,11の切り換えの誤設定であった場合には、ユーザは、電圧セレクタ1,11を正しく設定し直して、動作異常の原因を解消できることになる。
【0056】
また、ステップS104において正常レベルの範囲内であるとして肯定結果が得られた場合には、ステップS105以降の処理に進む。
ステップS105においては、メイン電源部100をオンとすることについて許可するモードを設定する。これにより、以降において、例えばコマンド入力ポートCMDに対してメイン電源部100をオンとするためのコマンドが入力された場合には、マイクロコンピュータ30は、これに応答して、メイン電源部100をオンとするための処理(オン信号出力)を実行できることになる。
【0057】
そして、次のステップS106においては、コマンド入力ポートCMDに対してメイン電源部100をオンとするためのコマンドが入力されるのを待機している。このステップS106が実行されているときは、いわゆるスタンバイモードといわれているモード状態であり、サブ電源部200から供給される電源電圧によってマイクロコンピュータ30(及びリモートコントローラからの操作コマンドの受信回路)は動作可能な状態とされているが、メイン電源部100はオフとされている状態である。また、実際においては、このステップS106の処理を実行しているとされるマイクロコンピュータ30は、スリープモードの状態にあり、低消費電力の状態である。
そして、コマンド入力ポートCMDにメイン電源部100をオンとするための操作コマンドが入力されると、例えばマイクロコンピュータ30は、スリープモードから通常モードに復帰した上で、ステップS107の処理に進む。
【0058】
続くステップS107→ステップS108によっては、先のステップS103→S104と同様にして、モニタポートMON2に入力されているサブ側検出用電圧のレベルを検出して、正常レベルの範囲内であるか否かについて判別する。
例えば商用交流電源ACの投入時においてステップS103→S104の処理によって、サブ側検出用電圧のレベルが正常範囲内であった、つまり、商用交流電源ACの入力レベルが適正であり、電圧セレクタ1,11の切り換え設定が適正であったとしても、この後のメイン電源部100をオンとするときにも、この正常な状態であるとは限らない。そこで、メイン電源部100をオンとして起動させるときにも、ステップS107→ステップS108によるサブ側検出用電圧が正常レベル範囲内であるか否かの確認を行うものである。
【0059】
ステップS108において、正常レベル範囲内ではないとして否定結果が得られた場合には、ステップS113に進む。これにより、メイン電源部100をオンとすることについて禁止とする設定モードとなるが、この場合には、既にメインスイッチ21はオンとされて、メイン電源部100はオンの状態にある。従って、ここでのステップS113の禁止設定処理としては、先ず、メインスイッチ21をオフとするための制御を実行する。つまり、スイッチコントロールポートON/OFFから出力されていたHレベルのオン信号を、Lレベルのオフ信号に切り換える。これにより、メイン電源部100には商用交流電源ACが供給されないこととなって、回路の保護が図られることになる。また、このステップS113の処理としては、先に説明したようにして、以降におけるメイン電源部100をオンとするための操作コマンドをキャンセルするようにも設定されることになる。
そして、ステップS113の処理を実行すると、この場合にも、ステップS114の処理を実行して、スタンバイインジケータ31を点灯させて異常の通知を行う。
【0060】
これに対して、ステップS108において、正常レベルの範囲内であるとの判別結果が得られた場合には、現在、商用交流電源ACのレベルは適正であり、また、電圧セレクタ1,11の切り換え設定も正しい状態であることになる。そこで、この場合には、ステップS109に進んで、メインスイッチ21をオンとするための処理を実行する。つまり、スイッチコントロールポートON/OFFから、Hレベルのオン信号を出力する。
これにより、メイン電源部100に商用交流電源ACが投入されて、メイン電源部100がオン状態となって動作することになる。そして、以降においては、メイン電源部100がオンとされている状態での通常モードにおける各種動作を実行するようにされる。
【0061】
そして、メイン電源部100がオンとされている状態での通常モードの下では、ステップS110〜ステップS112に示す処理が実行される。
先ず、ステップS110により一定時間が経過するのを待機した後、ステップS11により、モニタポートMON1に入力される電圧レベルを検出する。
そして、次のステップS112により、このモニタポートMON1に入力される電圧レベルが、正常レベルの範囲内であるか否かについて判別するようにされる。
つまり、先のステップS103→S104、及びステップS107→S108の処理によっては、サブ電源部200側にて得られるサブ用検出電圧を検出して正常レベル範囲内か否かの判別を行っていたのであるが、ここでは、メイン電源部100側にて得られるメイン用検出電圧を検出して判別を行うようにされている。
【0062】
そして、ステップS112において、正常レベルの範囲内であることが判別された場合には、ステップS110の処理に戻る。つまり、メイン用検出電圧が正常レベルの範囲内である限りは、このステップS110〜S112の処理が繰り返し実行される。
これに対して、ステップS112により正常レベルの範囲内でないことが判別された場合には、ステップS113以降の処理に進む。これにより、これまでオンとされていたメイン電源部100はオフとなる。
【0063】
このステップSS110以降の処理は、メイン電源部100の起動中において生じたとされる商用交流電源ACのレベル変動や、電圧セレクタ1,11の不用意な誤った切り換えなどによって、メイン電源部100に動作保証範囲外の電圧が生じていないかどうかを監視している動作となる。
【0064】
前述もしたように、メイン側検出回路3にて生成されるメイン用検出電圧は、メイン電源部100側におい得られる安定化されない直流電圧E1を分圧して得られるものである。従って、メイン電源部100が起動中にあって直流電圧E1が得られている状態では、この直流電圧E1から得られるメイン用検出電圧により、異常を監視することができるわけである。
【0065】
本実施の形態の構成では、メイン電源部100の起動中においても、サブ用検出電圧により異常監視を行うことは可能である。しかしながら、実際のサブ電源部200においては、メイン電源部100が起動されると、この影響を受けて電圧変動を生じるので、サブ用検出電圧の元となる直流電圧E13も変動する。このため、メイン電源部100の起動中におけるサブ用検出電圧は、信頼性が若干落ちる。
そこで、本実施の形態では、メイン電源部100の起動中においては、サブ用検出電圧に代えて、メイン用検出電圧を検出して異常監視を行うようにしている。メイン用検出電圧は、起動中にあるメイン電源部100の直流電圧E1から得られるものであるから、メイン用検出電圧を監視することは、ほぼ直接メイン電源部100の直流電圧E1の状態を監視していることと同等であり、高い信頼性が確保できるものである。
【0066】
図1に示した電源回路の構成の下で、上記図3に示したマイクロコンピュータ30の処理が実行されることで、本実施の形態では、例えば商用交流電源ACが過大レベルとなっているときや、電圧セレクタ1,11の切り換え設定が誤っていることによって生じる過大電圧入力に対して、メイン電源部100側を保護することが可能とされている。
例えば従来の構成を、図1に示した回路に対応させたとすると、サブ側検出用電圧及びメイン用検出電圧を生成するサブ側検出回路13及びメイン側検出回路3は設けられておらず、従って、マイクロコンピュータ30にも、サブ側検出用電圧及びメイン用検出電圧を検出して、異常を監視する機能は与えられていなかったものである。これに代えて従来としては、例えば、図1において矢印A,Bで示す、メイントランス2の二次巻線N2の両端と、ブリッジ整流回路Di1の入力側とのライン間に対して、ヒューズを直列に挿入していた。また、矢印Cにより示す商用交流電源ACのラインに対して、直列にヒューズを挿入していたものである。
しかしながら、このようなヒューズによる保護回路では、過大入力によってヒューズが溶断して商用交流電源ACの供給が停止されるまでの時間に誤差が生じており、必ずしも確実に保護できることを保証することが難しかった。
これに対して本実施の形態では、電源回路において電源トランス(メイントランス2、サブトランス12)の二次側において検出用電圧を生成するための回路部(メイン側検出回路3、サブ側検出回路13)を設け、この検出用電圧に基づいてマイクロコンピュータ30がメインスイッチ21のオン/オフについての許可/禁止設定を行うことで、電源回路における異常状態に応じて、確実に保護動作を実行させることが可能とされている。
具体的には、先にも説明したように、例えば商用交流電源ACの定格レベルの+30%以上に対応したサブ側検出用電圧又はメイン側検出用電圧のレベルとなると、保護動作がはたらくようにされている。
さらに、本実施の形態では、メイン電源部100に商用交流電源を投入していない状態においても、サブ電源部200側にて得られるサブ側検出用電圧により、異常状態を検知して、メイン電源を保護するという動作が得られていることになる。換言すれば、商用交流電源ACをメイン電源部100に入力させた上でのメイン電源部100の状態を検出しなくとも、メイン電源部100に商用交流電源ACを投入したときの状態を推定して、回路保護を行うことができているものであり、この点でも、回路保護に関して高い信頼性が得られている。
また、本実施の形態としては、電圧監視と回路保護のためのメインスイッチのオン/オフコントロールについて、例えば電源回路内で完結した電圧監視回路、保護回路を設けるのではなく、マイクロコンピュータ30のソフトウェア的な処理として電圧監視及び回路保護動作を実行させる構成となっている。これによっても、動作の信頼性が確保される。また、監視回路、保護回路を電源回路内で完結するかたちで設ける場合には、相応の部品点数が必要になるから、電源回路の基板サイズの小型軽量化、及びコストダウンを図ることが可能となる。
【0067】
ところで、これまでの説明においては、商用交流電源ACの定格レベルに対応する正常レベル範囲として、上記のようにして上限値(商用交流電源ACの定格レベルに対して+30%)のみを設定していることとして説明を行った。しかしながら、本実施の形態の電源装置の実際としては、上記正常レベル範囲として下限値も設定される。
一般的なこととして、電源回路では、例えば回路部内の短絡や負荷短絡などの短絡の状態が生じる可能性がある。このような短絡にも対応して回路が保護されることが好ましい。そこで、本実施の形態では、上記した構成により、このような短絡に対応した回路保護も行うようにされる。
【0068】
メイン電源部100を例にとると、メイン電源部100のメイントランス2の二次側において、短絡が生じたとすると、二次側で生成される直流電圧E1の電圧レベルが降下する。従って、短絡の状態を判定するのには、直流電圧E1を元とするメイン用検出電圧の検出レベルが短絡に対応したとされるレベルにまで低下したことを判別すればよい。同様にして、サブ電源部200側においても、サブ用検出電圧の検出レベルが短絡に対応したとされるレベルにまで低下したことを判別すればよい。
そこで、図3におけるステップS104、S108における判別基準となる正常レベルの範囲として、上限値に加えて、短絡に対応するレベル低下を考慮して設定した下限値を設定することで、短絡状態であることを判別して回路保護動作を実行させることができる。また、ステップS110においても、同様にして、正常レベルの範囲として、短絡に対応するレベル低下を考慮して設定した下限値を設定して、短絡に対応した回路保護動作を実行させることができる。また、このような短絡に対応した回路保護の構成を採ることで、安全規格のための短絡試験対策のための回路としても利用することができる。
上記正常レベル範囲の下限値の具体例としては、例えば実際の実験結果などに応じて、商用交流電源ACの定格レベルの−50%に対応したメイン用検出用電圧、サブ用検出電圧のレベルを設定することとしている。但し、この正常レベル範囲の下限値、および先に説明した上限値の具体値は、あくまでも一例であり、実際の電源回路の仕様などに応じて適切な値が設定されるべきものである。
【0069】
図4のフローチャートには、マイクロコンピュータ30が実行すべき、電源回路保護のための処理動作としての他の例を示している。なお、図3と同じ処理には、同一のステップ番号を付している。
この図4において、ステップS101〜ステップS114までの処理は、先に図3により説明したのと同様の処理であり、ここでの説明は省略する。
【0070】
図3に示した処理では、ステップS115として示したように、ステップS113によりメイン電源部100をオンとすることを禁止する設定とされ、ステップS114によりスタンバイインジケータを点滅させた後は、商用交流電源ACの供給を停止させるまで、この状態が継続された。つまり、通常のマイクロコンピュータ30の動作モードに復帰させるためには、一旦ACプラグを抜き、商用交流電源ACが適正レベルのときにACプラグ25を再度差し込む、あるいは、電圧セレクタ1,11を正しく切り換えてから、ACプラグ25を再度差し込むことになる。
【0071】
これに対して、図4に示す処理では、一旦、メイン電源部100のオンを禁止設定するモードに入ったとしても、例えば、商用交流電源ACが適正レベルに戻るなどして、電源回路の安全な動作が保証される状態となった場合には、自動的に通常のモードに復帰できるように構成されている。
このために、図4に示す処理では、図3のステップS115の処理に代えて、ステップS115−1の処理を実行するようにされる。つまり、ステップS113→S114の処理を経た後において、一定時間が経過するのを待機する。そして、一定時間が経過したとされると、ステップS103の処理に進むようにされる。
【0072】
この処理によれば、メイン電源部100のオンを禁止設定するモードの下で、一定時間ごとにステップS103→S104の処理によって、サブ用検出電圧が正常レベル範囲内であるか否かについての判定が行われる。そして正常レベル範囲外であれば、再び、ステップS113以降の処理が実行されることで、メイン電源部100のオンを禁止設定するモードが継続されることになる。
これに対して、正常レベル範囲内であることが判別されれば、ステップS104以降の処理に進むことになって、マイクロコンピュータ30は、メイン電源部100のオンを禁止設定するモードから、通常のモードに自動的に復帰することになる。
【0073】
なお、電源装置の構成は必要に応じて適宜変更されて構わない。例えば、リミッタ/リップルフィルタ4に代えて、DC−DCコンバータなどが備えられる構成も考えられる。また、図1及び図2に示した各回路部の構成の詳細としても、実際に応じて適宜変更されればよいものである。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の電源装置は、共通の商用交流電源に対してメイン電源電圧を生成するメイン電源部と、サブ電源電圧を生成するサブ電源部とを備える。サブ電源部は、メイン電源部よりも軽負荷に対応する。そして、商用交流電源を一次側に入力して二次側からレベル変換して出力する電源トランスとして、メイン電源部側はメイン用電源トランスを備え、サブ電源側はサブ用電源トランスを備えている。そのうえで、サブ電源部側において、サブ電源用トランスの二次巻線に得られる交流電圧のレベルに応じたサブ側検出用電圧が生成され、このサブ側検出用電圧のレベルを検出するようにしている。サブ側検出用電圧は、サブ電源用トランスの二次巻線に得られる交流電圧のレベルに応じたものであるが、この交流電圧レベルは、一次側の商用交流電源レベルに応じたものである。
さらに、メイン電源用トランスの一次巻線と接続される側の商用交流電源のラインには、メイン電源部の動作をオン/オフするためのメイン電源用スイッチが挿入されるが、上記したサブ側検出用電圧のレベルの検出結果に応じては、メイン電源用スイッチがオン状態となることを禁止するように設定するための制御が実行される。
【0075】
このような構成であれば、サブ電源側に商用交流電源が供給されて動作している状態でありさえすれば、上記サブ側検出用電圧のレベルとして、異常とされる商用交流電源のレベルに対応しているようなときには、メイン電源用スイッチがオンとならないようにすることができる。つまり、メイン電源部側に商用交流電源ACを供給させないようにして、メイン電源部を保護することが可能となる。
そして、このような保護動作は、メイン電源部に商用交流電源を入力させていない状態であっても、事前に、商用交流電源が異常レベルであることを検知して、メイン電源部を確実に保護しているということになるものであり、従来のヒューズに依存した保護機能と比較すれば、メイン電源部を高い信頼性で保護することが可能とされているものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としての電源装置の構成例を示す回路図である。
【図2】実施の形態の電源装置におけるリミッタ/リップルフィルタの構成例を示す回路図である。
【図3】マイクロコンピュータが実行する電源回路保護のための処理を示すフローチャートである。
【図4】マイクロコンピュータが実行する電源回路保護のための処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 メイン側セレクタ、2 メイントランス、3 メイン側検出回路、4 リミッタ/リップルフィルタ、5 アンプ回路、11 サブ側セレクタ、12 サブトランス、13 サブ側検出回路、14 リセット回路、15 三端子レギュレータ、21 メインスイッチ、22 リレー駆動回路、25 ACプラグ、30 マイクロコンピュータ、31 スタンバイインジケータ、41 リミッタ回路、42 リップルフィルタ回路、43 チャージポンプ回路、100 メイン電源部、200 サブ電源部、Di1,Di2 ブリッジ整流回路、C1,C2,C11,C12,C15 平滑コンデンサ
Claims (8)
- 一次巻線に入力された商用交流電源により、負荷に供給すべきメイン電源電圧の生成に利用されるべきメイン電源用交流電圧が二次巻線に励起されるメイン電源用トランスと、
一次巻線に入力された商用交流電源により、メイン電源電圧が供給される負荷よりも軽い負荷に供給すべきサブ電源電圧の生成に利用されるべきサブ電源用交流電圧が二次巻線に励起されるサブ電源用トランスと、
上記サブ電源用交流電圧のレベルに応じたサブ側検出用電圧を生成して出力するサブ側検出用電圧出力手段と、
上記メイン電源用トランスの一次巻線と接続される側の上記商用交流電源のラインに挿入されて、オン/オフが切り換えられるメイン電源用スイッチと、
所定の検出タイミングで、上記サブ側検出用電圧のレベルを検出するサブ側検出手段と、
上記サブ側検出手段の所定の検出結果に応じて、上記メイン電源用スイッチがオン状態となることを禁止設定する制御手段と、
を備えることを特徴とする電源装置。 - 上記サブ側検出手段は、上記商用交流電源が投入されるタイミングで上記サブ側検出用電圧のレベルを検出するようにされている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。 - 上記サブ側検出手段は、上記メイン電源用スイッチを、オフの状態からオンの状態に切り換えるべきタイミングで上記サブ側検出用電圧のレベルを検出するようにされている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。 - 上記サブ側検出手段は、上記制御手段により上記禁止設定がされた後において、所定タイミングで上記サブ側検出用電圧のレベルを検出するようにされており、
上記制御手段は、上記禁止設定がされた後の上記サブ側検出手段による所定の検出結果に応じて、上記メイン電源用スイッチがオン状態となることを許可設定するようにされている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。 - 上記サブ側検出手段は、
上記電源装置が搭載される電子機器に備えられ、プログラムに従って所要の動作を実行するマイクロコンピュータである、
ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。 - 上記制御手段は、
上記電源装置が搭載される電子機器に備えられ、プログラムに従って所要の動作を実行するマイクロコンピュータである、
ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。 - 上記メイン電源用交流電圧に応じたメイン側検出用電圧を生成して出力するメイン側検出用電圧出力手段と、
メイン電源用スイッチがオンとされている状態の下で、上記メイン側検出用電圧のレベルを検出するメイン側検出手段と、をさらに備えると共に、
上記制御手段は、上記メイン側検出手段の所定の検出結果に応じて、上記メイン電源用スイッチがオン状態となることを禁止設定するようにされている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。 - 上記メイン側検出手段は、
上記電源装置が搭載される電子機器に備えられ、プログラムに従って所要の動作を実行するマイクロコンピュータである、
ことを特徴とする請求項7に記載の電源装置。
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Cited By (2)
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JP2006345624A (ja) * | 2005-06-08 | 2006-12-21 | Sharp Corp | 制御電源回路の不足・過電圧保護回路 |
WO2020066648A1 (ja) * | 2018-09-26 | 2020-04-02 | ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 | 電子機器及び制御方法 |
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2003
- 2003-04-28 JP JP2003123554A patent/JP2004328958A/ja active Pending
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