JP2004328901A - 半導体集積回路及びそれを用いた電圧昇圧方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】クロック入力信号により昇圧されたDC電圧を出力するラッチアップ等の寄生動作のない半導体集積回路及びそれを用いた電圧昇圧方法を実現する。
【解決手段】電圧昇圧回路は、ダイオード接続されたトランジスタTR1及び容量C1からなる第1昇圧回路部1a、ダイオード接続されたトランジスタTR2及び容量C2からなる第2昇圧回路部1b、ダイオード接続されたトランジスタTRN−1及び容量CN−1からなる第(n−1)昇圧回路部1c、ダイオード接続されたトランジスタTRNからなる第n昇圧回路部1d、及びカウンタ3、4から構成されたチャージポンプ昇圧回路2を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】電圧昇圧回路は、ダイオード接続されたトランジスタTR1及び容量C1からなる第1昇圧回路部1a、ダイオード接続されたトランジスタTR2及び容量C2からなる第2昇圧回路部1b、ダイオード接続されたトランジスタTRN−1及び容量CN−1からなる第(n−1)昇圧回路部1c、ダイオード接続されたトランジスタTRNからなる第n昇圧回路部1d、及びカウンタ3、4から構成されたチャージポンプ昇圧回路2を有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路に係わり、特にクロック信号により昇圧されたDC電圧を出力する半導体集積回路及びそれを用いた電圧昇圧方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体製造技術の進歩に伴い、半導体集積回路の微細化、高集積化及び多機能化が進み、半導体集積回路内部の電源電圧は低電圧化の方向にある。一方、
半導体集積回路の多機能化に伴い高電圧電源を含め各種電源の内蔵化も進んでいる。例えば、FLASH、EEPROM等の不揮発性メモリ、液晶等の表示素子制御用ドライバICにおいては、10V以上の高電圧が必要とされている。
【0003】
この高電圧を発生させるためには、従来のコイル等を用いたAC−ACコンバータに代わって、ノイズ発生が少なく、電力効率に優れ、且つ回路の面積の少ないDC−DCコンバータが多用されている。
【0004】
このDC−DCコンバータには、電圧昇圧回路としてチャージポンプ昇圧回路、及びスイッチドキャパシタ昇圧回路が用いられている。
【0005】
この種の電圧昇圧回路としては、図15乃至17に示すものが知られている(例えば、非特許文献1及び2参照。)。
【0006】
図15はDickson型チャージポンプ昇圧回路の構成を示す回路図、図16はこの昇圧回路に入力されるクロック信号波形を示す図、図17はこの昇圧回路の出力信号波形を示す図である。
【0007】
図15に示すように、この昇圧回路は、ダイオード接続されたトランジスタTR1及び容量C1からなる第1昇圧回路部101a、ダイオード接続されたトランジスタTR2及び容量C2からなる第2昇圧回路部101b、ダイオード接続されたトランジスタTRN−1及び容量CN−1からなる第(n−1)昇圧回路部101c、及びダイオード接続されたトランジスタTRNからなる第n昇圧回路部101dから構成されたチャージポンプ昇圧回路102と、容量C1及び容量CN−1等に接続されたクロック信号入力端子Ckと容量C2等に接続され、且つクロック信号Ckの反転クロック信号が供給される反転クロック信号入力端子Cknと、第1昇圧回路部101aのトランジスタTR1に接続された電源端子Vddと、第n昇圧回路部のトランジスタTRNの出力側に設けられた出力端子Voutと、この出力端子Vout及び接地端子105との間に設けられた容量Cxとから構成されている。
【0008】
なお、このチャージポンプ昇圧回路102のトランジスタTR1、トランジスタTR2、トランジスタRN−1、及びトランジスタTRNは、すべてNchMOSFETから構成され、且つ各トランジスタTR1、TR2、RN−1、及びTRNの基板電位は、すべて接地端子105に接地されている。
【0009】
そして、図16に示すように、このチャージポンプ昇圧回路102にクロック信号Ckと反転クロック信号Cknが与えられることにより、クロック信号がロー(Low)の時に、各昇圧回路部の容量に電荷が充電(Charge)され、クロック信号がハイ(High)の時に、各昇圧回路部の容量に充電された電荷が放電(Discharge)される。
【0010】
その結果、図17に示すように、このチャージポンプ昇圧回路102においては、出力電圧Voutは、クロック信号が入力される前の電源電圧Vddから、クロック信号が各昇圧回路部に入力され、このクロック信号により各昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後に所定の高電圧まで昇圧される。
【0011】
また、別の電圧昇圧回路としては、スイッチドキャパシタ昇圧回路が知られている(特許文献1参照。)。
【0012】
スイッチドキャパシタ昇圧回路は、複数のNchMOSFET、又は複数のPchMOSFET、或いはNchMOSFET及びPchMOSFETからなる複数のMOSFETと容量の多段構成で構成される。
【0013】
【非許文献1】
Jongshin Shin、他3名、「IE3 J. Solid−State Circuits」、Vol.35、No.8,(米国)、Aug.2000、p.1227−1230、(Fig.1)
【0014】
【非許文献2】
山添孝徳、「電子情報通信学会論文誌C」、Vol.J86−C、No.4、電子情報通信学会、2003年4月、p.478−479、(図1)
【0015】
【特許文献1】
特開2001−291829号公報(16頁、図24)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上述した電圧昇圧回路おいては、電源Vddが高電位、或いは昇圧回路部の段数が多いほど出力電圧が高電圧になり、それに伴い放電(Discharge)時に放電される電荷も多くなる。
【0017】
この電荷は電圧昇圧回路を含む半導体集積回路の基板へ貫通電流として流れ、基板電位の上昇をもたらし、電圧昇圧回路以外の回路部分、例えばCMOS回路部において、寄生サイリスタ、或いは寄生トランジスタ等の寄生動作による誤動作、或いは破壊現象を発生させる。
【0018】
この寄生動作を防止、又は抑制する目的で、従来は電圧昇圧回路の出力部分に占有面積の大きなショットキーバリアダイオ−ドを設けたり、或いは、半導体集積回路の製造プロセスに寄生動作防止層、例えば高濃度埋め込み層、高濃度拡散層、又は誘電体層等を形成するために新規プロセスを追加している。
【0019】
しかし、ショットキーバリアダイオ−ドを設けたり、新規プロセスを追加することにより半導体集積回路の面積増大や、コストが上昇するという問題点を有している。
【0020】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ショットキーバリアダイオ−ドを使用せず、且つ新規プロセスを追加せずに半導体集積回路のチップ面積増大を抑制しつつ、クロック入力信号により昇圧されたDC電圧を出力するラッチアップ等の寄生動作の発生を抑えた半導体集積回路及びそれを用いた電圧昇圧方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の一態様の半導体集積回路は、クロック信号が供給されるクロック信号入力端子と、このクロック信号と逆位相の反転クロック信号が供給される反転クロック信号入力端子と、前記クロック信号により、昇圧電圧を出力する複数の第1の昇圧回路と前記反転クロック信号により、昇圧電圧を出力する複数の第2の昇圧回路とを交互に縦続接続した昇圧回路と、後段の昇圧回路部に供給するクロック信号を前段の昇圧回路部のクロック信号より所定時間だけ遅延させる第1の遅延手段と、後段の昇圧回路部に供給する反転クロック信号を前段の昇圧回路部の反転クロック信号より所定時間だけ遅延させる第2の遅延手段とを具備したことを特徴とする。
【0022】
更に、上記目的を達成するために、本発明の一態様の半導体集積回路を用いた電圧昇圧方法は、複数の電源発生回路と、クロック信号及びこのクロック信号とは逆位相の反転クロック信号により、昇圧電圧を出力する容量及びトランジスタを備えた複数の昇圧回路部を縦続接続する昇圧回路を有する半導体集積回路の電圧昇圧方法であって、前記複数の電源発生回路を順次所定電圧まで昇圧するステップと、前記電源発生回路の出力電圧が安定し所定時間経過後に、前記後段の昇圧回路に、前段に供給される前記クロック信号及び反転クロック信号より所定時間だけ遅延させた前記クロック信号及び反転クロック信号を入力させ、前記昇圧回路部の出力電圧を逐次昇圧させて前記昇圧回路の出力電圧を所定電圧まで昇圧するステップとを具備し、前記昇圧回路の出力電圧が安定し所定時間経過後に、前記電源発生回路及び前記昇圧回路以外の素子及び回路を動作させることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0024】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態の半導体集積回路について、図面を参照して説明する。図1は電圧昇圧回路の回路図である。本実施の形態は、本発明をDickson型チャージポンプ昇圧回路に適用した例で、ラッチアップ等の寄生動作を解消するためにカウンタを設けて昇圧回路ごとにクロック入力信号の入力時間を遅延させている。
【0025】
図1に示すように、本実施の形態の電圧昇圧回路では、ダイオード接続されたトランジスタTR1及び容量C1からなる第1昇圧回路部1a、ダイオード接続されたトランジスタTR2及び容量C2からなる第2昇圧回路部1b、ダイオード接続されたトランジスタTRN−1及び容量CN−1からなる第(n−1)昇圧回路部1c、ダイオード接続されたトランジスタTRNからなる第n昇圧回路部1d、及びカウンタ3、4から構成されたチャージポンプ昇圧回路2を有する。
【0026】
また、クロック信号が供給されるクロック信号入力端子CKには、カウンタ3が接続され、このカウンタ3の一つの出力が第1昇圧回路部1aの容量C1に与えられ、他の出力が第(n−1)昇圧回路部1cの容量CN−1に与えられる。クロック信号CKの反転クロック信号が供給される反転クロック信号入力端子CKNには、カウンタ4が接続され、一つの出力が第2昇圧回路部1bの容量C2に与えられ、他の出力が図示略の昇圧回路部に与えられる。
【0027】
第1昇圧回路部1aのトランジスタTR1には、高電位側電源端子VDDが接続され、第n昇圧回路部1dのトランジスタTRNの出力側には、出力電圧端子VOUTが接続され、またトランジスタTRNの出力側には容量CXを介して低電位側電源端子VSSが接続されている。
【0028】
そして、このチャージポンプ昇圧回路2は、n段の昇圧回路部から構成され、トランジスタTR1、トランジスタTR2、トランジスタRN−1、及びトランジスタTRNは、すべてNchMOSFETで構成され、各トランジスタTR1,TR2,TRN−1、及びTRNの基板電位は、すべて低電位側電源端子VSSに接続されている。
【0029】
次に、カウンタ3、4に入力されるクロック信号、及びカウンタ3、4から出力されるクロック信号について説明する。
【0030】
図2は、カウンタ3、4に供給されるクロック入力信号波形を示す図である。
【0031】
まず、図2に示すように、クロック信号CK及び反転クロック信号CKNが、それぞれ、カウンタ3及び4に一旦入力される。
【0032】
そして、カウンタ3からA点に出力された、クロック信号CKと同じサイクルタイムのクロック信号CKAが第1昇圧回路部1aに入力され、カウンタ4からB点に出力された、クロック信号CKNとは時間T1だけ遅延されたクロック信号CKBが第2昇圧回路部1bに入力される。続いて、カウンタ3からC点に出力された、クロック信号CKとは時間T1×(n−2)だけ遅延されたクロック信号CKCが第(n−1)昇圧回路部1cに入力される。
【0033】
ここで、クロック信号がロー(Low)の時に、各昇圧回路部の容量に電荷が充電(Charge)され、クロック信号がハイ(High)の時に、各昇圧回路部の容量に充電された電荷が放電(Discharge)される。
【0034】
なお、カウンタ3及び4にてクロック信号を時間T1だけ各昇圧回路部ごとに遅延させているが、この時間T1は昇圧回路以外の回路部分のラッチアップ等の寄生サイリスタ動作がターンオンからターンオフし寄生動作が終了するまでの時間よりも長く設定するのがよい。例えばこの時間T1は、設計ルールによっても異なるが、100μs以上が好ましい。
【0035】
次に、チャージポンプ昇圧回路2の出力特性について、図3を参照して説明する。図3は、チャージポンプ昇圧回路2の出力波形を示す図である。
【0036】
図3に示すように、出力電圧VOUTは、クロック信号が入力される前のVDD(電源電圧)から、時間T1ごとに遅延されたクロック信号が各昇圧回路部に入力され、このクロック信号により各昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後に所定の高電圧まで昇圧される。
【0037】
ここで、昇圧後の出力電圧VOUTは、
VOUT=(VDD−Vth)×n+VDD・・・・・・・・(1)
と求めることができる。なお、VthはNchMOSFETの閾値電圧、nは昇圧回路の段数である。
【0038】
そして、従来における所定の高電圧まで昇圧される時間に対して、遅延する時間(T)は、
T=(T1−t)×(n−2)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
と求めることができる。なお、tは各昇圧回路部が昇圧されるまでの時間である。
【0039】
上述したように、本実施の形態の半導体集積回路では、カウンタ3及び4によりクロック入力信号を時間T1だけ順次遅延させて各昇圧回路部にそれぞれクロック信号を入力し、この入力信号により各昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後に所定の高電圧まで昇圧されるので、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作による素子及び回路の誤動作又は破壊が発生しない。
【0040】
更に、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作防止用として、新たにショットキーバリアダイオ−ドを設ける必要がなく、且つ新規プロセスを追加しないので、チップ面積増大、及び半導体集積回路のコストを従来よりも抑制できる。
【0041】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係わる半導体集積回路について、図面を参照して説明する。図4はクロック入力信号波形を示す図、図5は出力信号波形を示す図である。
【0042】
本実施の形態では、第1の実施の形態のクロック入力信号の入力方法を変更した点で異なり、それ以外の回路構成等については同一であり、以下異なる点のみ説明する。
【0043】
即ち、クロック信号の入力方法としては、図4に示すように、まず、第1昇圧回路部1aにはクロック信号CKが、第2昇圧回路部1bにはクロック信号CKNがそれぞれ入力される。次に、第3昇圧回路部にはカウンタ3により時間T2だけ遅延されたクロック信号CKが、第4昇圧回路部にはカウンタ4により時間T2だけ遅延されたクロック信号CKNがそれぞれ入力される。続いて、第(n−1)昇圧回路部1cにはカウンタ3により時間T2×(n−2)/2だけ遅延されたクロック信号CKが入力される。
【0044】
ここで、カウンタ3及び4にてクロック信号を時間T2だけ各昇圧回路ごとに遅延させているが、この時間T2は第1の実施の形態と同様に昇圧回路以外の回路部分のラッチアップ等の寄生サイリスタ動作がターンオンからターンオフし寄生動作が終了するまでの時間よりも長く設定するのがよい。例えば、この時間T2は、設計ルールによっても異なるが、100μs以上が好ましい。
【0045】
そして、図5に示すように、出力電圧VOUTは、クロック信号が入力される前のVDD(電源電圧)から、時間T2ごとに遅延されたクロック信号が各昇圧回路部に入力され、このクロック信号により各昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後に所定の高電圧まで昇圧される。
【0046】
そして、従来における所定の高電圧まで昇圧される時間に対して、遅延する時間(T)は、
T=(T1−t1)×(n−2)/2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
と求めることができる。なお、t1は2つの昇圧回路部が昇圧されるまでの時間である。上記遅延時間(T)は、第1の実施の形態の時間(T1−t)×(n−2)よりも短くすることができる。
【0047】
ここで、カウンタ3及び4によりクロック信号を逐次遅延させる各昇圧回路部の数を2つに設定しているが、適宜変更してもよい。
【0048】
上述したように、本実施の形態の半導体集積回路では、カウンタ3及び4によりクロック入力信号を時間T1だけ順次遅延させて各昇圧回路部にそれぞれクロック信号を入力し、この入力信号により各昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後に所定の高電圧まで昇圧されるので、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作による素子及び回路の誤動作又は破壊が発生しない。
【0049】
そして、クロック入力信号を遅延させる回数を第1の実施の形態よりも少なくしているので、所定の高電圧まで昇圧される時間が第1の実施の形態よりも短くできる。
【0050】
更に、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作防止用として、新たにショットキーバリアダイオ−ドを設ける必要がなく、且つ新規プロセスを追加しないので、チップ面積増大、及び半導体集積回路のコストの上昇を従来よりも抑制できる。
【0051】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態に係わる半導体集積回路について、図6を参照して説明する。図6は昇圧回路の回路図である。
【0052】
本実施の形態では、第1の実施の形態のカウンタ3,4の代わりに遅延回路13,14を用いた点で異なり、それ以外の構成については同一であり、同一部分には同一符号を付して、以下異なる点のみ説明する。
【0053】
図6に示すように、本実施の形態の昇圧回路では、第1昇圧回路部1aの容量C1は、クロック信号入力端子CKに直接接続され、第(N−1)昇圧回路部1cの容量CN−1は、遅延回路14を介してクロック信号入力端子CKに接続されている。また、第2昇圧回路部1bの容量C2は、遅延回路14を介して反転クロック信号入力端子CKNに接続されている。
【0054】
そして、このチャージポンプ昇圧回路12に設けられた各遅延回路13,14は、各昇圧回路部11b、11cごとに所定の時間(t2)だけクロック入力信号を順次遅延させる目的で設けている。即ち、第2昇圧回路部11bには時間(t2)だけ、第3昇圧回路部には時間(t2×2)だけ、第(n−1)昇圧回路部11cには時間(t2×(n−2))だけそれぞれ遅延回路によりクロック入力信号を遅延させている。
【0055】
ここで、この時間(t2)は、第1の実施の形態と同様に昇圧回路以外の回路部分のラッチアップ等の寄生サイリスタ動作がターンオンからターンオフし寄生動作が終了するまでの時間よりも長く設定するのがよい。
【0056】
そして、ここでは、遅延回路13,14としては、サイズの大きなMOSFET等のゲートを多段構成にして、大きな容量を形成してクロック入力信号を遅延させているが、抵抗又は容量からなる遅延素子を遅延回路13、14の代わりに用いてもよい。
【0057】
上述したように、本実施の形態の半導体集積回路では、遅延回路によりクロック信号を時間(t2)だけ順次遅延させて各昇圧回路部にそれぞれクロック信号を入力し、この入力信号により各昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後に所定の高電圧まで昇圧されるので、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作による素子及び回路の誤動作又は破壊が発生しない。
【0058】
更に、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作防止用として、新たにショットキーバリアダイオ−ドを設ける必要がなく、且つ新規プロセスを追加しないので、チップ面積増大、及び半導体集積回路のコストの上昇を従来よりも抑制できる。
【0059】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態に係わる半導体集積回路について、図7を参照して説明する。図7は昇圧回路の回路図である。
【0060】
本実施の形態では、第1の実施の形態のカウンタの代わりに分周回路を用いた点で異なり、それ以外の回路構成については同一であり、同一部分に同一符号を付し、以下異なる点のみ説明する。
【0061】
図7に示すように、本実施の形態の昇圧回路では、第1昇圧回路部1aの容量C1は、クロック信号入力端子CKに直接接続され、第(N−1)昇圧回路部1cの容量CN−1は、分周回路24を介してクロック信号入力端子CKに接続されている。また、第2昇圧回路部21bの容量C2は、分周回路23を介して反転クロック信号入力端子CKNに接続されている。
【0062】
そして、このチャージポンプ昇圧回路22内の分周回路23,24は、各昇圧回路部1a,21b、21cごとに入力されるクロック入力信号の周波数を順次低下させ、各昇圧回路部が所定の電圧まで昇圧する時間を遅延させるために設けている。即ち、第1昇圧回路部1aには基準のクロック入力信号(周波数f)が、第2昇圧回路部21bには周波数f/10のクロック入力信号が、第3昇圧回路部には周波数f/20のクロック入力信号が、第(n−1)昇圧回路部21cには周波数f/((n−2)×10)のクロック入力信号が、それぞれ入力され、分周回路により各昇圧回路部が所定の電圧まで昇圧する時間を遅延させている。
【0063】
ここで、基準のクロック入力信号(周波数f)に対して1/10づつ周波数を低下させ、各昇圧回路部の容量に電荷が充電(Charge)させるためのクロック信号のロー(Low)の時間(t3)、及び各昇圧回路部の容量に充電された電荷が放電(Discharge)させるためのクロック信号のハイ(High)の時間(t3)を長くしているが、この時間(t3)を第1の実施の形態と同様に昇圧回路以外の回路部分のラッチアップ等の寄生サイリスタ動作がターンオンからターンオフし寄生動作が終了するまでの時間よりも長く設定するのがよい。
【0064】
上述したように、本実施の形態の半導体集積回路では、分周回路によりクロック入力信号のハイ(High)及びロー(Low)の時間(t3)を順次長くさせて各昇圧回路部にそれぞれクロック信号を入力し、この入力信号により各昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後に所定の高電圧まで昇圧されるので、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作による素子及び回路の誤動作又は破壊が発生しない。
【0065】
更に、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作防止用として、新たにショットキーバリアダイオ−ドを設ける必要がなく、且つ新規プロセスを追加しないので、チップ面積増大、及び半導体集積回路のコストの上昇を従来よりも抑制できる。
【0066】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態に係わる半導体集積回路について、図面を参照して説明する。図8は液晶パネル制御ドライバICの回路ブロック図である。
【0067】
図8に示すように、本実施の形態の液晶パネル制御ドライバIC55では、クロック信号を発生するクロック発生回路51と、このクロック発生回路51から発生したクロック信号を受け、このクロック信号を制御するクロック制御回路52a、52b、52c、52dと、制御されたクロック信号を受け、内蔵電源用として種々の電圧を発生するDC−DCコンバータ53a、53b、53c、53dと、このDC−DCコンバータの出力電圧を液晶パネル等に外部出力するための出力端子54a、54b、54c、54dと、図示していないがこのDC−DCコンバータ53a、53b、53c、53dから発生した種々の電圧を用いて動作する各種集積回路から構成されている。
【0068】
DC−DCコンバータ53a、53bは、高速バス、高速RAM、グラフィック処理用等の比較的低電圧動作するデジタル集積回路用の電源として用い、一方、
DC−DCコンバータ53cは、液晶パネル表示用トランジスタ、例えばTFTのゲートをオンさせるための+(正)高電圧を発生するための電源として用い、DC−DCコンバータ53dは、液晶パネル表示用トランジスタ、例えばTFTのゲートをオフさせるための−(負)高電圧を発生するための電源として用いる。
【0069】
そして、DC−DCコンバータ53dは、−(負)高電圧を発生するための昇圧回路としてスイッチドキャパシタ昇圧回路を用いている。
【0070】
次に、−(負)高電圧を発生するための昇圧回路について図9を参照して説明する。図9は、−(負)高電圧を発生するための昇圧回路の回路図である。
【0071】
図9に示すように、この昇圧回路では、第1昇圧回路部31a、第2昇圧回路部31b、第3昇圧回路部31c、第4昇圧回路部31d、第5昇圧回路部31e、及びカウンタ33、34から構成されている。
【0072】
カウンタ33は、クロック信号が供給されるクロック信号入力端子CK1に接続され、各出力が第1昇圧回路部31a、第2昇圧回路部31b、第3昇圧回路部31c、第4昇圧回路部31d、第5昇圧回路部31eに与えられる。また、カウンタ34は、反転クロック信号が供給される反転クロック信号入力端子CKN1に接続され、各出力が第1昇圧回路部31a、第2昇圧回路部31b、第3昇圧回路部31c、第4昇圧回路部31d、第5昇圧回路部31eに与えられる。
【0073】
更に、各昇圧回路部31a、31b,31c,31d,31eは、低電位側電源端子VSS及び負電源端子−VDDに接続され、第5昇圧回路部31eの出力側(−VDD)と低電位側電源VSSとの間に容量CXが設けられている。
【0074】
次に、スイッチドキャパシタ昇圧回路32を構成する昇圧回路の具体的な回路構成について、図10を参照して説明する。図10は、昇圧回路の具体的な岐路構成を示す回路図である。
【0075】
図10に示すように、各昇圧回路部31a、31b、31c、31d、31eでは、低電位側電源VSSに設けられたトランジスタTR11と、低電位側電源VSSと負電源−VDDの間に設けられた容量C11及びトランジスタTR13と、容量C11及びトランジスタTR13間と低電位側電源VSSの間に設けられたTR12から構成されている。なお、各トランジスタTR11、TR12、TR13は、すべてNchMOSFETからなる。
【0076】
そして、クロック信号CK1がトランジスタTR11及びトランジスタTR13のゲートに入力され、反転クロック信号CKN1がトランジスタTR12のゲートに入力される。
【0077】
トランジスタTR11及びトランジスタTR13がクロック入力信号のハイ(High)の時にオンし、且つトランジスタTR12がクロック入力信号のロー(Low)の時にオフした場合に、容量C11に電荷が充電(Charge)される。一方、トランジスタTR11及びトランジスタTR13がクロック入力信号のロー(Low)の時にオフし、且つトランジスタTR12がクロック入力信号のハイ(High)の時にオンした場合に、容量C11に電荷が放電(Discharge)される。
【0078】
次に、カウンタ33、34に入力されるクロック信号、及びカウンタ33、34から出力されるクロック信号について図11を参照して説明する。図11は、クロック入力信号波形を示す図である。
【0079】
図11に示すように、クロック信号CK1及び反転クロック信号CKN1が、それぞれ、カウンタ33及び34に一旦入力される。
【0080】
そして、カウンタ33からa点に出力されたクロック信号CK1と同じサイクルタイムのクロック信号CKa、及びカウンタ34からb点に出力されたクロック信号CKN1と同じサイクルタイムのクロック信号CKbが第1昇圧回路部31aに入力される。また、カウンタ33からc点に出力された、クロック信号CK1とは時間T3だけ遅延されたクロック信号CKc、及びカウンタ34からd点に出力された、クロック信号CKN1とは時間T3だけ遅延されたクロック信号CKdが第2昇圧回路部31aに入力される。
【0081】
更に、このステップを繰り返して、カウンタ33からe点に出力された、クロック信号CK1とは時間T3×4だけ遅延されたクロック信号CKe、及びカウンタ34からf点に出力された、クロック信号CKN1とは時間T3×4だけ遅延されたクロック信号CKfが第5昇圧回路部31eに入力される。
【0082】
ここで、クロック信号CK1、CKa、CKc、CKeがハイ(High)で、且つクロック信号CKN1、CKb、CKd、CKfがロー(Low)の充電時間Tcで、各昇圧回路部の容量に電荷が充電(Charge)され、クロック信号CK1、CKa、CKc、CKeがロー(Low)で、且つクロック信号CKN1、CKb、CKd、CKfがハイ(High)の放電時間Tdで各昇圧回路部の容量に蓄積された電荷が放電(Discharge)される。
【0083】
なお、カウンタ33及びカウンタ34にてクロック入力信号を時間T3だけ各昇圧回路ごとに遅延させているが、この時間T3は昇圧回路以外の回路部分のラッチアップ等の寄生サイリスタ動作がターンオンからターンオフし寄生動作が終了するまでの時間よりも長く設定するのがよい。例えば、この時間T3は、設計ルールによっても異なるが、100μs以上が好ましい。
【0084】
そして、各昇圧回路に入力される2つのクロック信号の内、一方のクロック信号のデューティ比を変更(HighとLowの時間の割合を50%づつから一方の割合を増やすこと)して、各昇圧回路の充電時間Tcと放電時間Tdの間に一定の間隔を設けてもよい。
【0085】
次に、液晶パネル制御ドライバIC55の内蔵電源昇圧シーケンスについて、図12を参照して説明する。図12は、液晶パネル制御ドライバIC55の内蔵電源昇圧シーケンスを示す図である。
【0086】
図12に示すように、まず、Liイオン2次電池等の外部電源からDC−DCコンバータ53aを用いて高電位側電源VDDを発生させる。高電位側電源VDDの電圧が安定し所定時間経過後に、この高電位側電源VDDからDC−DCコンバータ53bを用いて負電源―VDDを発生させる。
【0087】
次に、負電源―VDDの電圧が安定し所定時間経過後に、この負電源―VDD及びスイッチドキャパシタ昇圧回路32を用いて、時間T3ごとに遅延されたクロック信号を各昇圧回路部に入力し、このクロック信号により各昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後にスイッチドキャパシタ昇圧回路32の出力電圧VOUTは−(負)高電源VGLまで昇圧される。
【0088】
続いて、この−(負)高電源VGLが安定し所定時間経過後(時間(T4))に、高電位側電源VDD及びDC−DCコンバータ53cを用いて+(正)高電源VGHを発生させる。
【0089】
液晶パネル制御ドライバIC55の内蔵電源発生回路が動作を開始し、高電位側電源VDD、負電源―VDD、−(負)高電源VGL、及び+(正)高電源VGHの電位がすべて安定するまでの時間(t4)が経過後に、液晶パネル制御ドライバIC55の各種機能を開始させる。
【0090】
ここで、−(負)高電源VGLを発生させた後に、+(正)高電源VGHを発生しているが、−(負)高電源VGL及び+(正)高電源VGHの発生の順序を代えてもよく、また、液晶パネル制御ドライバIC55の内蔵電源発生回路が動作を開始してから液晶パネル制御ドライバIC55の各種機能を開始させるまでの時間(t5)としては、200ms以上がよい。
【0091】
上述したように、本実施の形態の半導体集積回路では、−(負)高電源VGL発生回路にカウンタ33及びカウンタ34によりクロック入力信号を時間T3だけ順次遅延させて、第1乃至第5昇圧回路部にそれぞれクロック信号を入力し、この入力信号により第1乃至第5昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後に−(負)高電源VGLまで高電圧に昇圧されるスイッチドキャパシタ昇圧回路32を用いているので、この−(負)高電源VGLを発生させる期間においては、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作による素子及び回路の誤動作又は破壊が発生しない。
【0092】
そして、高電位側電源VDDを発生させてから高電位側電源VDDの電圧が安定し所定時間経過後に、次に、負電源―VDDを発生させ負電源―VDDの電圧が安定し所定時間経過後に、続いて、−(負)高電源VGLを発生させ−(負)高電源VGLが安定し所定時間経過後に、+(正)高電源VGHを発生させているので、内蔵電源発生回路間の相互干渉が抑制され、すべての内蔵電源発生回路が動作を開始し、発生したすべての電圧が安定する時間経過後に各種機能を動作させているので、各種機能の誤動作及び液晶パネル等の外部素子の誤動作も抑制することができる。
【0093】
更に、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作防止用として、新たにショットキーバリアダイオ−ドを設ける必要がなく、且つ新規プロセスを追加しないので、チップ面積増大、及び半導体集積回路のコストの上昇を従来よりも抑制できる。
【0094】
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態に係わる半導体集積回路について、図13を参照して説明する。図13は昇圧回路の回路図である。
【0095】
本実施の形態では、第5の実施の形態のスイッチドキャパシタ昇圧回路に接続する低電位側電源VSS及び負電源−VDDに代えて高電位側電源VDD及び低電位側電源VSSを接続して、+(正側)高電圧を発生するようにした点で異なり、それ以外の回路構成については同一であり、同一部分には同一符号を付し、以下異なる点のみ説明する。
【0096】
図13に示すように、本実施の形態の昇圧回路では、各第1昇圧回路部31a、第2昇圧回路部31b、第3昇圧回路部31c、第4昇圧回路部31d、第5昇圧回路部31eに高電位側電源VDD及び低電位側電源VSSを接続し、且つ出力端子VOUTを高電位側電源VDD側に設ける。
【0097】
なお、カウンタ33,34の接続、カウンタ33、34に入力されるクロック信号、及びカウンタ33、34から出力されるクロック信号、及び第1乃至第5昇圧回路部の昇圧ステップは第5の実施の形態と同じである。
【0098】
次に、液晶パネル制御ドライバICの内蔵電源昇圧シーケンスについて、図14を参照して説明する。図14は、液晶パネル制御ドライバICの内蔵電源昇圧シーケンスを示す図である。
【0099】
図14に示すように、まず、Liイオン2次電池等の外部電源からDC−DCコンバータ53aを用いて高電位側電源VDDを発生させる。高電位側電源VDDの電圧が安定し所定時間経過後に、この高電位側電源VDDからDCDCコンバータ53bを用いて負電源―VDDを発生させる。
【0100】
次に、負電源―VDDの電圧が安定し所定時間経過後に、この負電源―VDD及びスイッチドキャパシタ昇圧回路32を用いて、時間T3ごとに遅延されたクロック信号を各昇圧回路部に入力し、このクロック信号により各昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後にスイッチドキャパシタ昇圧回路32の出力電圧VOUTは−(負)高電源VGLまで昇圧される。
【0101】
続いて、この−(負)高電源VGLが安定し所定時間経過後(時間(T4))に、高電位側電源VDD及びスイッチドキャパシタ昇圧回路42を用いて、時間T3ごとに遅延されたクロック信号を各昇圧回路部に入力し、このクロック信号により各昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後にスイッチドキャパシタ昇圧回路42の出力電圧VOUTは+(正)高電源VGLまで昇圧される。
【0102】
液晶パネル制御ドライバIC55の内蔵電源発生回路が動作を開始し、高電位側電源VDD、負電源―VDD、−(負)高電源VGL、及び+(正)高電源VGHの電位がすべて安定するまでの時間(t5)が経過後に、液晶パネル制御ドライバIC55の各種機能を開始させる。
【0103】
ここで、−(負)高電源VGLを発生させた後に、+(正)高電源VGHを発生しているが、−(負)高電源VGL及び+(正)高電源VGHの発生の順序を代えてもよい。
【0104】
上述したように、本実施の形態の半導体集積回路では、−(負)高電源VGL発生回路及び+(正)高電源VGH発生回路にカウンタ33及びカウンタ34によりクロック入力信号を時間T3だけ順次遅延させて、第1乃至第5昇圧回路部にそれぞれクロック信号を入力し、この入力信号により第1乃至第5昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後に−(負)高電源VGLに昇圧されるスイッチドキャパシタ昇圧回路32、及び+(正)高電源VGHに昇圧されるスイッチドキャパシタ昇圧回路42を用いているので、この−(負)高電源VGLを発生させる期間及び+(正)高電源VGHを発生させる期間においては、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作による素子及び回路の誤動作又は破壊が発生しない。
【0105】
そして、高電位側電源VDDを発生させてから高電位側電源VDDの電圧が安定し所定時間経過後に、次に、負電源―VDDを発生させ負電源―VDDの電圧が安定し所定時間経過後に、続いて、−(負)高電源VGLを発生させ−(負)高電源VGLが安定し所定時間経過後に、+(正)高電源VGHを発生させているので内蔵電源発生回路間の相互干渉を抑制され、すべての内蔵電源発生回路が動作を開始し、発生したすべての電圧が安定する時間経過後に各種機能を動作させているので、各種機能の誤動作及び液晶パネル等の外部素子の誤動作も抑制することができる。
【0106】
更に、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作防止用として、新たにショットキーバリアダイオ−ドを設ける必要がなく、且つ新規プロセスを追加しないので、チップ面積増大及び半導体集積回路のコストの上昇を従来よりも抑制できる。
【0107】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々、変更して実施してもよい。
【0108】
例えば、FLASH、EEPROM等の不揮発性メモリのデータ書き換え用電源発生回路、携帯電話、カメラ、及びPDA等の携帯機器用電源発生回路、液晶TV用電源発生回路に適用できる。
【0109】
更に、各種半導体メモリの内蔵電源発生回路としても適用できる。
【0110】
そして、第5及び第6の実施の形態では、各昇圧回路部に入力されるクロック信号をそれぞれ所定の時間だけ逐次遅延させて各昇圧回路部に入力しているが、複数の昇圧回路部ごとに所定の時間だけ逐次遅延させて各昇圧回路部に入力してもよい。
【0111】
また、第6の実施の形態では、各昇圧回路部に入力されるクロック信号をそれぞれ所定の時間だけ逐次遅延させて各昇圧回路部に入力し、順次各昇圧回路部を昇圧させて−(負)高電源VGL及び+(正)高電源VGHを発生させているが、−(負)高電源VGLの昇圧ステップで、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作による素子及び回路の誤動作及び破壊が抑制されていれば、−(負)高電源VGLの昇圧ステップを従来の方法(所定の時間だけ逐次遅延させない)にしてもよい。
【0112】
【発明の効果】
本発明によれば、クロック入力信号により昇圧されたDC電圧を出力するラッチアップ等の寄生動作のない半導体集積回路及びそれを用いた電圧昇圧方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる昇圧回路の回路図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係わる昇圧回路に供給するクロック入力信号波形を示す図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係わる昇圧回路の出力信号波形を示す図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係わる昇圧回路に供給するクロック入力信号波形を示す図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係わる昇圧回路の出力信号波形を示す図。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係わる昇圧回路の回路図。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係わる昇圧回路の回路図。
【図8】本発明の第5の実施の形態に係わる液晶パネル制御ドライバICの回路ブロック図。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係わる昇圧回路の回路図。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係わる昇圧回路の具体的な回路構成を示す回路図。
【図11】本発明の第5の実施の形態に係わる昇圧回路に供給するクロック入力信号波形を示す図。
【図12】本発明の第5の実施の形態に係わる内蔵電源昇圧シーケンスを示す図。
【図13】本発明の第6の実施の形態に係わる昇圧回路の回路図。
【図14】本発明の第6の実施の形態に係わる内蔵電源昇圧シーケンスを示す図。
【図15】従来の昇圧回路の回路図。
【図16】従来の昇圧回路のおけるクロック入力信号波形を示す図。
【図17】従来の昇圧回路の出力信号波形を示す図。
【符号の説明】
1a、101a、31a 第1昇圧回路部
1b、11b、21b、101b、31b 第2昇圧回路部
1c、11c、21c、101c 第(n−1)昇圧回路部
1d、101d 第n昇圧回路部
2、12、22、102 チャージポンプ昇圧回路
3、4、33、34 カウンタ
31c 第3昇圧回路部
31d 第4昇圧回路部
31e 第5昇圧回路部
32、42 スイッチドキャパシタ昇圧回路
51 クロック発生回路
52a、52b、52c、52d クロック制御回路
53a、53b、53c、53d DC−DCコンバータ
54a、54b、54c、54d 出力端子
55 液晶パネル制御ドライバIC
105 接地端子
C1、C1、C2、C2、CX、CX、C11、CN−1、CN−1 容量
CK、CK、CK1 クロック信号入力端子
CKN、CKN、CKN1 反転クロック信号入力端子CKA A点でのクロック信号
CKB B点でのクロック信号
CKC C点でのクロック信号
CKa a点でのクロック信号
CKb b点でのクロック信号
CKc c点でのクロック信号
CKd d点でのクロック信号
CKe e点でのクロック信号
CKf f点でのクロック信号
T1、T2、T3、T4 時間
Tc 充電時間(Charged Time)
Td 放電時間(Discharged Time)
TR1、TR1、TR2、TR2、TRN−1、TRN−1、TRN、TRN、TR11、TR12、TR13 トランジスタ
VDD 高電位側電源端子
Vdd 電源端子
―VDD 負電源端子
VGH +(正)高電源
VGL −(負)高電源
VOUT、Vout 出力電圧端子
VSS 低電位側電源端子
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路に係わり、特にクロック信号により昇圧されたDC電圧を出力する半導体集積回路及びそれを用いた電圧昇圧方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体製造技術の進歩に伴い、半導体集積回路の微細化、高集積化及び多機能化が進み、半導体集積回路内部の電源電圧は低電圧化の方向にある。一方、
半導体集積回路の多機能化に伴い高電圧電源を含め各種電源の内蔵化も進んでいる。例えば、FLASH、EEPROM等の不揮発性メモリ、液晶等の表示素子制御用ドライバICにおいては、10V以上の高電圧が必要とされている。
【0003】
この高電圧を発生させるためには、従来のコイル等を用いたAC−ACコンバータに代わって、ノイズ発生が少なく、電力効率に優れ、且つ回路の面積の少ないDC−DCコンバータが多用されている。
【0004】
このDC−DCコンバータには、電圧昇圧回路としてチャージポンプ昇圧回路、及びスイッチドキャパシタ昇圧回路が用いられている。
【0005】
この種の電圧昇圧回路としては、図15乃至17に示すものが知られている(例えば、非特許文献1及び2参照。)。
【0006】
図15はDickson型チャージポンプ昇圧回路の構成を示す回路図、図16はこの昇圧回路に入力されるクロック信号波形を示す図、図17はこの昇圧回路の出力信号波形を示す図である。
【0007】
図15に示すように、この昇圧回路は、ダイオード接続されたトランジスタTR1及び容量C1からなる第1昇圧回路部101a、ダイオード接続されたトランジスタTR2及び容量C2からなる第2昇圧回路部101b、ダイオード接続されたトランジスタTRN−1及び容量CN−1からなる第(n−1)昇圧回路部101c、及びダイオード接続されたトランジスタTRNからなる第n昇圧回路部101dから構成されたチャージポンプ昇圧回路102と、容量C1及び容量CN−1等に接続されたクロック信号入力端子Ckと容量C2等に接続され、且つクロック信号Ckの反転クロック信号が供給される反転クロック信号入力端子Cknと、第1昇圧回路部101aのトランジスタTR1に接続された電源端子Vddと、第n昇圧回路部のトランジスタTRNの出力側に設けられた出力端子Voutと、この出力端子Vout及び接地端子105との間に設けられた容量Cxとから構成されている。
【0008】
なお、このチャージポンプ昇圧回路102のトランジスタTR1、トランジスタTR2、トランジスタRN−1、及びトランジスタTRNは、すべてNchMOSFETから構成され、且つ各トランジスタTR1、TR2、RN−1、及びTRNの基板電位は、すべて接地端子105に接地されている。
【0009】
そして、図16に示すように、このチャージポンプ昇圧回路102にクロック信号Ckと反転クロック信号Cknが与えられることにより、クロック信号がロー(Low)の時に、各昇圧回路部の容量に電荷が充電(Charge)され、クロック信号がハイ(High)の時に、各昇圧回路部の容量に充電された電荷が放電(Discharge)される。
【0010】
その結果、図17に示すように、このチャージポンプ昇圧回路102においては、出力電圧Voutは、クロック信号が入力される前の電源電圧Vddから、クロック信号が各昇圧回路部に入力され、このクロック信号により各昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後に所定の高電圧まで昇圧される。
【0011】
また、別の電圧昇圧回路としては、スイッチドキャパシタ昇圧回路が知られている(特許文献1参照。)。
【0012】
スイッチドキャパシタ昇圧回路は、複数のNchMOSFET、又は複数のPchMOSFET、或いはNchMOSFET及びPchMOSFETからなる複数のMOSFETと容量の多段構成で構成される。
【0013】
【非許文献1】
Jongshin Shin、他3名、「IE3 J. Solid−State Circuits」、Vol.35、No.8,(米国)、Aug.2000、p.1227−1230、(Fig.1)
【0014】
【非許文献2】
山添孝徳、「電子情報通信学会論文誌C」、Vol.J86−C、No.4、電子情報通信学会、2003年4月、p.478−479、(図1)
【0015】
【特許文献1】
特開2001−291829号公報(16頁、図24)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上述した電圧昇圧回路おいては、電源Vddが高電位、或いは昇圧回路部の段数が多いほど出力電圧が高電圧になり、それに伴い放電(Discharge)時に放電される電荷も多くなる。
【0017】
この電荷は電圧昇圧回路を含む半導体集積回路の基板へ貫通電流として流れ、基板電位の上昇をもたらし、電圧昇圧回路以外の回路部分、例えばCMOS回路部において、寄生サイリスタ、或いは寄生トランジスタ等の寄生動作による誤動作、或いは破壊現象を発生させる。
【0018】
この寄生動作を防止、又は抑制する目的で、従来は電圧昇圧回路の出力部分に占有面積の大きなショットキーバリアダイオ−ドを設けたり、或いは、半導体集積回路の製造プロセスに寄生動作防止層、例えば高濃度埋め込み層、高濃度拡散層、又は誘電体層等を形成するために新規プロセスを追加している。
【0019】
しかし、ショットキーバリアダイオ−ドを設けたり、新規プロセスを追加することにより半導体集積回路の面積増大や、コストが上昇するという問題点を有している。
【0020】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ショットキーバリアダイオ−ドを使用せず、且つ新規プロセスを追加せずに半導体集積回路のチップ面積増大を抑制しつつ、クロック入力信号により昇圧されたDC電圧を出力するラッチアップ等の寄生動作の発生を抑えた半導体集積回路及びそれを用いた電圧昇圧方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の一態様の半導体集積回路は、クロック信号が供給されるクロック信号入力端子と、このクロック信号と逆位相の反転クロック信号が供給される反転クロック信号入力端子と、前記クロック信号により、昇圧電圧を出力する複数の第1の昇圧回路と前記反転クロック信号により、昇圧電圧を出力する複数の第2の昇圧回路とを交互に縦続接続した昇圧回路と、後段の昇圧回路部に供給するクロック信号を前段の昇圧回路部のクロック信号より所定時間だけ遅延させる第1の遅延手段と、後段の昇圧回路部に供給する反転クロック信号を前段の昇圧回路部の反転クロック信号より所定時間だけ遅延させる第2の遅延手段とを具備したことを特徴とする。
【0022】
更に、上記目的を達成するために、本発明の一態様の半導体集積回路を用いた電圧昇圧方法は、複数の電源発生回路と、クロック信号及びこのクロック信号とは逆位相の反転クロック信号により、昇圧電圧を出力する容量及びトランジスタを備えた複数の昇圧回路部を縦続接続する昇圧回路を有する半導体集積回路の電圧昇圧方法であって、前記複数の電源発生回路を順次所定電圧まで昇圧するステップと、前記電源発生回路の出力電圧が安定し所定時間経過後に、前記後段の昇圧回路に、前段に供給される前記クロック信号及び反転クロック信号より所定時間だけ遅延させた前記クロック信号及び反転クロック信号を入力させ、前記昇圧回路部の出力電圧を逐次昇圧させて前記昇圧回路の出力電圧を所定電圧まで昇圧するステップとを具備し、前記昇圧回路の出力電圧が安定し所定時間経過後に、前記電源発生回路及び前記昇圧回路以外の素子及び回路を動作させることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0024】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態の半導体集積回路について、図面を参照して説明する。図1は電圧昇圧回路の回路図である。本実施の形態は、本発明をDickson型チャージポンプ昇圧回路に適用した例で、ラッチアップ等の寄生動作を解消するためにカウンタを設けて昇圧回路ごとにクロック入力信号の入力時間を遅延させている。
【0025】
図1に示すように、本実施の形態の電圧昇圧回路では、ダイオード接続されたトランジスタTR1及び容量C1からなる第1昇圧回路部1a、ダイオード接続されたトランジスタTR2及び容量C2からなる第2昇圧回路部1b、ダイオード接続されたトランジスタTRN−1及び容量CN−1からなる第(n−1)昇圧回路部1c、ダイオード接続されたトランジスタTRNからなる第n昇圧回路部1d、及びカウンタ3、4から構成されたチャージポンプ昇圧回路2を有する。
【0026】
また、クロック信号が供給されるクロック信号入力端子CKには、カウンタ3が接続され、このカウンタ3の一つの出力が第1昇圧回路部1aの容量C1に与えられ、他の出力が第(n−1)昇圧回路部1cの容量CN−1に与えられる。クロック信号CKの反転クロック信号が供給される反転クロック信号入力端子CKNには、カウンタ4が接続され、一つの出力が第2昇圧回路部1bの容量C2に与えられ、他の出力が図示略の昇圧回路部に与えられる。
【0027】
第1昇圧回路部1aのトランジスタTR1には、高電位側電源端子VDDが接続され、第n昇圧回路部1dのトランジスタTRNの出力側には、出力電圧端子VOUTが接続され、またトランジスタTRNの出力側には容量CXを介して低電位側電源端子VSSが接続されている。
【0028】
そして、このチャージポンプ昇圧回路2は、n段の昇圧回路部から構成され、トランジスタTR1、トランジスタTR2、トランジスタRN−1、及びトランジスタTRNは、すべてNchMOSFETで構成され、各トランジスタTR1,TR2,TRN−1、及びTRNの基板電位は、すべて低電位側電源端子VSSに接続されている。
【0029】
次に、カウンタ3、4に入力されるクロック信号、及びカウンタ3、4から出力されるクロック信号について説明する。
【0030】
図2は、カウンタ3、4に供給されるクロック入力信号波形を示す図である。
【0031】
まず、図2に示すように、クロック信号CK及び反転クロック信号CKNが、それぞれ、カウンタ3及び4に一旦入力される。
【0032】
そして、カウンタ3からA点に出力された、クロック信号CKと同じサイクルタイムのクロック信号CKAが第1昇圧回路部1aに入力され、カウンタ4からB点に出力された、クロック信号CKNとは時間T1だけ遅延されたクロック信号CKBが第2昇圧回路部1bに入力される。続いて、カウンタ3からC点に出力された、クロック信号CKとは時間T1×(n−2)だけ遅延されたクロック信号CKCが第(n−1)昇圧回路部1cに入力される。
【0033】
ここで、クロック信号がロー(Low)の時に、各昇圧回路部の容量に電荷が充電(Charge)され、クロック信号がハイ(High)の時に、各昇圧回路部の容量に充電された電荷が放電(Discharge)される。
【0034】
なお、カウンタ3及び4にてクロック信号を時間T1だけ各昇圧回路部ごとに遅延させているが、この時間T1は昇圧回路以外の回路部分のラッチアップ等の寄生サイリスタ動作がターンオンからターンオフし寄生動作が終了するまでの時間よりも長く設定するのがよい。例えばこの時間T1は、設計ルールによっても異なるが、100μs以上が好ましい。
【0035】
次に、チャージポンプ昇圧回路2の出力特性について、図3を参照して説明する。図3は、チャージポンプ昇圧回路2の出力波形を示す図である。
【0036】
図3に示すように、出力電圧VOUTは、クロック信号が入力される前のVDD(電源電圧)から、時間T1ごとに遅延されたクロック信号が各昇圧回路部に入力され、このクロック信号により各昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後に所定の高電圧まで昇圧される。
【0037】
ここで、昇圧後の出力電圧VOUTは、
VOUT=(VDD−Vth)×n+VDD・・・・・・・・(1)
と求めることができる。なお、VthはNchMOSFETの閾値電圧、nは昇圧回路の段数である。
【0038】
そして、従来における所定の高電圧まで昇圧される時間に対して、遅延する時間(T)は、
T=(T1−t)×(n−2)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
と求めることができる。なお、tは各昇圧回路部が昇圧されるまでの時間である。
【0039】
上述したように、本実施の形態の半導体集積回路では、カウンタ3及び4によりクロック入力信号を時間T1だけ順次遅延させて各昇圧回路部にそれぞれクロック信号を入力し、この入力信号により各昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後に所定の高電圧まで昇圧されるので、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作による素子及び回路の誤動作又は破壊が発生しない。
【0040】
更に、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作防止用として、新たにショットキーバリアダイオ−ドを設ける必要がなく、且つ新規プロセスを追加しないので、チップ面積増大、及び半導体集積回路のコストを従来よりも抑制できる。
【0041】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係わる半導体集積回路について、図面を参照して説明する。図4はクロック入力信号波形を示す図、図5は出力信号波形を示す図である。
【0042】
本実施の形態では、第1の実施の形態のクロック入力信号の入力方法を変更した点で異なり、それ以外の回路構成等については同一であり、以下異なる点のみ説明する。
【0043】
即ち、クロック信号の入力方法としては、図4に示すように、まず、第1昇圧回路部1aにはクロック信号CKが、第2昇圧回路部1bにはクロック信号CKNがそれぞれ入力される。次に、第3昇圧回路部にはカウンタ3により時間T2だけ遅延されたクロック信号CKが、第4昇圧回路部にはカウンタ4により時間T2だけ遅延されたクロック信号CKNがそれぞれ入力される。続いて、第(n−1)昇圧回路部1cにはカウンタ3により時間T2×(n−2)/2だけ遅延されたクロック信号CKが入力される。
【0044】
ここで、カウンタ3及び4にてクロック信号を時間T2だけ各昇圧回路ごとに遅延させているが、この時間T2は第1の実施の形態と同様に昇圧回路以外の回路部分のラッチアップ等の寄生サイリスタ動作がターンオンからターンオフし寄生動作が終了するまでの時間よりも長く設定するのがよい。例えば、この時間T2は、設計ルールによっても異なるが、100μs以上が好ましい。
【0045】
そして、図5に示すように、出力電圧VOUTは、クロック信号が入力される前のVDD(電源電圧)から、時間T2ごとに遅延されたクロック信号が各昇圧回路部に入力され、このクロック信号により各昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後に所定の高電圧まで昇圧される。
【0046】
そして、従来における所定の高電圧まで昇圧される時間に対して、遅延する時間(T)は、
T=(T1−t1)×(n−2)/2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
と求めることができる。なお、t1は2つの昇圧回路部が昇圧されるまでの時間である。上記遅延時間(T)は、第1の実施の形態の時間(T1−t)×(n−2)よりも短くすることができる。
【0047】
ここで、カウンタ3及び4によりクロック信号を逐次遅延させる各昇圧回路部の数を2つに設定しているが、適宜変更してもよい。
【0048】
上述したように、本実施の形態の半導体集積回路では、カウンタ3及び4によりクロック入力信号を時間T1だけ順次遅延させて各昇圧回路部にそれぞれクロック信号を入力し、この入力信号により各昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後に所定の高電圧まで昇圧されるので、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作による素子及び回路の誤動作又は破壊が発生しない。
【0049】
そして、クロック入力信号を遅延させる回数を第1の実施の形態よりも少なくしているので、所定の高電圧まで昇圧される時間が第1の実施の形態よりも短くできる。
【0050】
更に、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作防止用として、新たにショットキーバリアダイオ−ドを設ける必要がなく、且つ新規プロセスを追加しないので、チップ面積増大、及び半導体集積回路のコストの上昇を従来よりも抑制できる。
【0051】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態に係わる半導体集積回路について、図6を参照して説明する。図6は昇圧回路の回路図である。
【0052】
本実施の形態では、第1の実施の形態のカウンタ3,4の代わりに遅延回路13,14を用いた点で異なり、それ以外の構成については同一であり、同一部分には同一符号を付して、以下異なる点のみ説明する。
【0053】
図6に示すように、本実施の形態の昇圧回路では、第1昇圧回路部1aの容量C1は、クロック信号入力端子CKに直接接続され、第(N−1)昇圧回路部1cの容量CN−1は、遅延回路14を介してクロック信号入力端子CKに接続されている。また、第2昇圧回路部1bの容量C2は、遅延回路14を介して反転クロック信号入力端子CKNに接続されている。
【0054】
そして、このチャージポンプ昇圧回路12に設けられた各遅延回路13,14は、各昇圧回路部11b、11cごとに所定の時間(t2)だけクロック入力信号を順次遅延させる目的で設けている。即ち、第2昇圧回路部11bには時間(t2)だけ、第3昇圧回路部には時間(t2×2)だけ、第(n−1)昇圧回路部11cには時間(t2×(n−2))だけそれぞれ遅延回路によりクロック入力信号を遅延させている。
【0055】
ここで、この時間(t2)は、第1の実施の形態と同様に昇圧回路以外の回路部分のラッチアップ等の寄生サイリスタ動作がターンオンからターンオフし寄生動作が終了するまでの時間よりも長く設定するのがよい。
【0056】
そして、ここでは、遅延回路13,14としては、サイズの大きなMOSFET等のゲートを多段構成にして、大きな容量を形成してクロック入力信号を遅延させているが、抵抗又は容量からなる遅延素子を遅延回路13、14の代わりに用いてもよい。
【0057】
上述したように、本実施の形態の半導体集積回路では、遅延回路によりクロック信号を時間(t2)だけ順次遅延させて各昇圧回路部にそれぞれクロック信号を入力し、この入力信号により各昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後に所定の高電圧まで昇圧されるので、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作による素子及び回路の誤動作又は破壊が発生しない。
【0058】
更に、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作防止用として、新たにショットキーバリアダイオ−ドを設ける必要がなく、且つ新規プロセスを追加しないので、チップ面積増大、及び半導体集積回路のコストの上昇を従来よりも抑制できる。
【0059】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態に係わる半導体集積回路について、図7を参照して説明する。図7は昇圧回路の回路図である。
【0060】
本実施の形態では、第1の実施の形態のカウンタの代わりに分周回路を用いた点で異なり、それ以外の回路構成については同一であり、同一部分に同一符号を付し、以下異なる点のみ説明する。
【0061】
図7に示すように、本実施の形態の昇圧回路では、第1昇圧回路部1aの容量C1は、クロック信号入力端子CKに直接接続され、第(N−1)昇圧回路部1cの容量CN−1は、分周回路24を介してクロック信号入力端子CKに接続されている。また、第2昇圧回路部21bの容量C2は、分周回路23を介して反転クロック信号入力端子CKNに接続されている。
【0062】
そして、このチャージポンプ昇圧回路22内の分周回路23,24は、各昇圧回路部1a,21b、21cごとに入力されるクロック入力信号の周波数を順次低下させ、各昇圧回路部が所定の電圧まで昇圧する時間を遅延させるために設けている。即ち、第1昇圧回路部1aには基準のクロック入力信号(周波数f)が、第2昇圧回路部21bには周波数f/10のクロック入力信号が、第3昇圧回路部には周波数f/20のクロック入力信号が、第(n−1)昇圧回路部21cには周波数f/((n−2)×10)のクロック入力信号が、それぞれ入力され、分周回路により各昇圧回路部が所定の電圧まで昇圧する時間を遅延させている。
【0063】
ここで、基準のクロック入力信号(周波数f)に対して1/10づつ周波数を低下させ、各昇圧回路部の容量に電荷が充電(Charge)させるためのクロック信号のロー(Low)の時間(t3)、及び各昇圧回路部の容量に充電された電荷が放電(Discharge)させるためのクロック信号のハイ(High)の時間(t3)を長くしているが、この時間(t3)を第1の実施の形態と同様に昇圧回路以外の回路部分のラッチアップ等の寄生サイリスタ動作がターンオンからターンオフし寄生動作が終了するまでの時間よりも長く設定するのがよい。
【0064】
上述したように、本実施の形態の半導体集積回路では、分周回路によりクロック入力信号のハイ(High)及びロー(Low)の時間(t3)を順次長くさせて各昇圧回路部にそれぞれクロック信号を入力し、この入力信号により各昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後に所定の高電圧まで昇圧されるので、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作による素子及び回路の誤動作又は破壊が発生しない。
【0065】
更に、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作防止用として、新たにショットキーバリアダイオ−ドを設ける必要がなく、且つ新規プロセスを追加しないので、チップ面積増大、及び半導体集積回路のコストの上昇を従来よりも抑制できる。
【0066】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態に係わる半導体集積回路について、図面を参照して説明する。図8は液晶パネル制御ドライバICの回路ブロック図である。
【0067】
図8に示すように、本実施の形態の液晶パネル制御ドライバIC55では、クロック信号を発生するクロック発生回路51と、このクロック発生回路51から発生したクロック信号を受け、このクロック信号を制御するクロック制御回路52a、52b、52c、52dと、制御されたクロック信号を受け、内蔵電源用として種々の電圧を発生するDC−DCコンバータ53a、53b、53c、53dと、このDC−DCコンバータの出力電圧を液晶パネル等に外部出力するための出力端子54a、54b、54c、54dと、図示していないがこのDC−DCコンバータ53a、53b、53c、53dから発生した種々の電圧を用いて動作する各種集積回路から構成されている。
【0068】
DC−DCコンバータ53a、53bは、高速バス、高速RAM、グラフィック処理用等の比較的低電圧動作するデジタル集積回路用の電源として用い、一方、
DC−DCコンバータ53cは、液晶パネル表示用トランジスタ、例えばTFTのゲートをオンさせるための+(正)高電圧を発生するための電源として用い、DC−DCコンバータ53dは、液晶パネル表示用トランジスタ、例えばTFTのゲートをオフさせるための−(負)高電圧を発生するための電源として用いる。
【0069】
そして、DC−DCコンバータ53dは、−(負)高電圧を発生するための昇圧回路としてスイッチドキャパシタ昇圧回路を用いている。
【0070】
次に、−(負)高電圧を発生するための昇圧回路について図9を参照して説明する。図9は、−(負)高電圧を発生するための昇圧回路の回路図である。
【0071】
図9に示すように、この昇圧回路では、第1昇圧回路部31a、第2昇圧回路部31b、第3昇圧回路部31c、第4昇圧回路部31d、第5昇圧回路部31e、及びカウンタ33、34から構成されている。
【0072】
カウンタ33は、クロック信号が供給されるクロック信号入力端子CK1に接続され、各出力が第1昇圧回路部31a、第2昇圧回路部31b、第3昇圧回路部31c、第4昇圧回路部31d、第5昇圧回路部31eに与えられる。また、カウンタ34は、反転クロック信号が供給される反転クロック信号入力端子CKN1に接続され、各出力が第1昇圧回路部31a、第2昇圧回路部31b、第3昇圧回路部31c、第4昇圧回路部31d、第5昇圧回路部31eに与えられる。
【0073】
更に、各昇圧回路部31a、31b,31c,31d,31eは、低電位側電源端子VSS及び負電源端子−VDDに接続され、第5昇圧回路部31eの出力側(−VDD)と低電位側電源VSSとの間に容量CXが設けられている。
【0074】
次に、スイッチドキャパシタ昇圧回路32を構成する昇圧回路の具体的な回路構成について、図10を参照して説明する。図10は、昇圧回路の具体的な岐路構成を示す回路図である。
【0075】
図10に示すように、各昇圧回路部31a、31b、31c、31d、31eでは、低電位側電源VSSに設けられたトランジスタTR11と、低電位側電源VSSと負電源−VDDの間に設けられた容量C11及びトランジスタTR13と、容量C11及びトランジスタTR13間と低電位側電源VSSの間に設けられたTR12から構成されている。なお、各トランジスタTR11、TR12、TR13は、すべてNchMOSFETからなる。
【0076】
そして、クロック信号CK1がトランジスタTR11及びトランジスタTR13のゲートに入力され、反転クロック信号CKN1がトランジスタTR12のゲートに入力される。
【0077】
トランジスタTR11及びトランジスタTR13がクロック入力信号のハイ(High)の時にオンし、且つトランジスタTR12がクロック入力信号のロー(Low)の時にオフした場合に、容量C11に電荷が充電(Charge)される。一方、トランジスタTR11及びトランジスタTR13がクロック入力信号のロー(Low)の時にオフし、且つトランジスタTR12がクロック入力信号のハイ(High)の時にオンした場合に、容量C11に電荷が放電(Discharge)される。
【0078】
次に、カウンタ33、34に入力されるクロック信号、及びカウンタ33、34から出力されるクロック信号について図11を参照して説明する。図11は、クロック入力信号波形を示す図である。
【0079】
図11に示すように、クロック信号CK1及び反転クロック信号CKN1が、それぞれ、カウンタ33及び34に一旦入力される。
【0080】
そして、カウンタ33からa点に出力されたクロック信号CK1と同じサイクルタイムのクロック信号CKa、及びカウンタ34からb点に出力されたクロック信号CKN1と同じサイクルタイムのクロック信号CKbが第1昇圧回路部31aに入力される。また、カウンタ33からc点に出力された、クロック信号CK1とは時間T3だけ遅延されたクロック信号CKc、及びカウンタ34からd点に出力された、クロック信号CKN1とは時間T3だけ遅延されたクロック信号CKdが第2昇圧回路部31aに入力される。
【0081】
更に、このステップを繰り返して、カウンタ33からe点に出力された、クロック信号CK1とは時間T3×4だけ遅延されたクロック信号CKe、及びカウンタ34からf点に出力された、クロック信号CKN1とは時間T3×4だけ遅延されたクロック信号CKfが第5昇圧回路部31eに入力される。
【0082】
ここで、クロック信号CK1、CKa、CKc、CKeがハイ(High)で、且つクロック信号CKN1、CKb、CKd、CKfがロー(Low)の充電時間Tcで、各昇圧回路部の容量に電荷が充電(Charge)され、クロック信号CK1、CKa、CKc、CKeがロー(Low)で、且つクロック信号CKN1、CKb、CKd、CKfがハイ(High)の放電時間Tdで各昇圧回路部の容量に蓄積された電荷が放電(Discharge)される。
【0083】
なお、カウンタ33及びカウンタ34にてクロック入力信号を時間T3だけ各昇圧回路ごとに遅延させているが、この時間T3は昇圧回路以外の回路部分のラッチアップ等の寄生サイリスタ動作がターンオンからターンオフし寄生動作が終了するまでの時間よりも長く設定するのがよい。例えば、この時間T3は、設計ルールによっても異なるが、100μs以上が好ましい。
【0084】
そして、各昇圧回路に入力される2つのクロック信号の内、一方のクロック信号のデューティ比を変更(HighとLowの時間の割合を50%づつから一方の割合を増やすこと)して、各昇圧回路の充電時間Tcと放電時間Tdの間に一定の間隔を設けてもよい。
【0085】
次に、液晶パネル制御ドライバIC55の内蔵電源昇圧シーケンスについて、図12を参照して説明する。図12は、液晶パネル制御ドライバIC55の内蔵電源昇圧シーケンスを示す図である。
【0086】
図12に示すように、まず、Liイオン2次電池等の外部電源からDC−DCコンバータ53aを用いて高電位側電源VDDを発生させる。高電位側電源VDDの電圧が安定し所定時間経過後に、この高電位側電源VDDからDC−DCコンバータ53bを用いて負電源―VDDを発生させる。
【0087】
次に、負電源―VDDの電圧が安定し所定時間経過後に、この負電源―VDD及びスイッチドキャパシタ昇圧回路32を用いて、時間T3ごとに遅延されたクロック信号を各昇圧回路部に入力し、このクロック信号により各昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後にスイッチドキャパシタ昇圧回路32の出力電圧VOUTは−(負)高電源VGLまで昇圧される。
【0088】
続いて、この−(負)高電源VGLが安定し所定時間経過後(時間(T4))に、高電位側電源VDD及びDC−DCコンバータ53cを用いて+(正)高電源VGHを発生させる。
【0089】
液晶パネル制御ドライバIC55の内蔵電源発生回路が動作を開始し、高電位側電源VDD、負電源―VDD、−(負)高電源VGL、及び+(正)高電源VGHの電位がすべて安定するまでの時間(t4)が経過後に、液晶パネル制御ドライバIC55の各種機能を開始させる。
【0090】
ここで、−(負)高電源VGLを発生させた後に、+(正)高電源VGHを発生しているが、−(負)高電源VGL及び+(正)高電源VGHの発生の順序を代えてもよく、また、液晶パネル制御ドライバIC55の内蔵電源発生回路が動作を開始してから液晶パネル制御ドライバIC55の各種機能を開始させるまでの時間(t5)としては、200ms以上がよい。
【0091】
上述したように、本実施の形態の半導体集積回路では、−(負)高電源VGL発生回路にカウンタ33及びカウンタ34によりクロック入力信号を時間T3だけ順次遅延させて、第1乃至第5昇圧回路部にそれぞれクロック信号を入力し、この入力信号により第1乃至第5昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後に−(負)高電源VGLまで高電圧に昇圧されるスイッチドキャパシタ昇圧回路32を用いているので、この−(負)高電源VGLを発生させる期間においては、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作による素子及び回路の誤動作又は破壊が発生しない。
【0092】
そして、高電位側電源VDDを発生させてから高電位側電源VDDの電圧が安定し所定時間経過後に、次に、負電源―VDDを発生させ負電源―VDDの電圧が安定し所定時間経過後に、続いて、−(負)高電源VGLを発生させ−(負)高電源VGLが安定し所定時間経過後に、+(正)高電源VGHを発生させているので、内蔵電源発生回路間の相互干渉が抑制され、すべての内蔵電源発生回路が動作を開始し、発生したすべての電圧が安定する時間経過後に各種機能を動作させているので、各種機能の誤動作及び液晶パネル等の外部素子の誤動作も抑制することができる。
【0093】
更に、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作防止用として、新たにショットキーバリアダイオ−ドを設ける必要がなく、且つ新規プロセスを追加しないので、チップ面積増大、及び半導体集積回路のコストの上昇を従来よりも抑制できる。
【0094】
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態に係わる半導体集積回路について、図13を参照して説明する。図13は昇圧回路の回路図である。
【0095】
本実施の形態では、第5の実施の形態のスイッチドキャパシタ昇圧回路に接続する低電位側電源VSS及び負電源−VDDに代えて高電位側電源VDD及び低電位側電源VSSを接続して、+(正側)高電圧を発生するようにした点で異なり、それ以外の回路構成については同一であり、同一部分には同一符号を付し、以下異なる点のみ説明する。
【0096】
図13に示すように、本実施の形態の昇圧回路では、各第1昇圧回路部31a、第2昇圧回路部31b、第3昇圧回路部31c、第4昇圧回路部31d、第5昇圧回路部31eに高電位側電源VDD及び低電位側電源VSSを接続し、且つ出力端子VOUTを高電位側電源VDD側に設ける。
【0097】
なお、カウンタ33,34の接続、カウンタ33、34に入力されるクロック信号、及びカウンタ33、34から出力されるクロック信号、及び第1乃至第5昇圧回路部の昇圧ステップは第5の実施の形態と同じである。
【0098】
次に、液晶パネル制御ドライバICの内蔵電源昇圧シーケンスについて、図14を参照して説明する。図14は、液晶パネル制御ドライバICの内蔵電源昇圧シーケンスを示す図である。
【0099】
図14に示すように、まず、Liイオン2次電池等の外部電源からDC−DCコンバータ53aを用いて高電位側電源VDDを発生させる。高電位側電源VDDの電圧が安定し所定時間経過後に、この高電位側電源VDDからDCDCコンバータ53bを用いて負電源―VDDを発生させる。
【0100】
次に、負電源―VDDの電圧が安定し所定時間経過後に、この負電源―VDD及びスイッチドキャパシタ昇圧回路32を用いて、時間T3ごとに遅延されたクロック信号を各昇圧回路部に入力し、このクロック信号により各昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後にスイッチドキャパシタ昇圧回路32の出力電圧VOUTは−(負)高電源VGLまで昇圧される。
【0101】
続いて、この−(負)高電源VGLが安定し所定時間経過後(時間(T4))に、高電位側電源VDD及びスイッチドキャパシタ昇圧回路42を用いて、時間T3ごとに遅延されたクロック信号を各昇圧回路部に入力し、このクロック信号により各昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後にスイッチドキャパシタ昇圧回路42の出力電圧VOUTは+(正)高電源VGLまで昇圧される。
【0102】
液晶パネル制御ドライバIC55の内蔵電源発生回路が動作を開始し、高電位側電源VDD、負電源―VDD、−(負)高電源VGL、及び+(正)高電源VGHの電位がすべて安定するまでの時間(t5)が経過後に、液晶パネル制御ドライバIC55の各種機能を開始させる。
【0103】
ここで、−(負)高電源VGLを発生させた後に、+(正)高電源VGHを発生しているが、−(負)高電源VGL及び+(正)高電源VGHの発生の順序を代えてもよい。
【0104】
上述したように、本実施の形態の半導体集積回路では、−(負)高電源VGL発生回路及び+(正)高電源VGH発生回路にカウンタ33及びカウンタ34によりクロック入力信号を時間T3だけ順次遅延させて、第1乃至第5昇圧回路部にそれぞれクロック信号を入力し、この入力信号により第1乃至第5昇圧回路部が逐次昇圧されて、所定時間後に−(負)高電源VGLに昇圧されるスイッチドキャパシタ昇圧回路32、及び+(正)高電源VGHに昇圧されるスイッチドキャパシタ昇圧回路42を用いているので、この−(負)高電源VGLを発生させる期間及び+(正)高電源VGHを発生させる期間においては、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作による素子及び回路の誤動作又は破壊が発生しない。
【0105】
そして、高電位側電源VDDを発生させてから高電位側電源VDDの電圧が安定し所定時間経過後に、次に、負電源―VDDを発生させ負電源―VDDの電圧が安定し所定時間経過後に、続いて、−(負)高電源VGLを発生させ−(負)高電源VGLが安定し所定時間経過後に、+(正)高電源VGHを発生させているので内蔵電源発生回路間の相互干渉を抑制され、すべての内蔵電源発生回路が動作を開始し、発生したすべての電圧が安定する時間経過後に各種機能を動作させているので、各種機能の誤動作及び液晶パネル等の外部素子の誤動作も抑制することができる。
【0106】
更に、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作防止用として、新たにショットキーバリアダイオ−ドを設ける必要がなく、且つ新規プロセスを追加しないので、チップ面積増大及び半導体集積回路のコストの上昇を従来よりも抑制できる。
【0107】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々、変更して実施してもよい。
【0108】
例えば、FLASH、EEPROM等の不揮発性メモリのデータ書き換え用電源発生回路、携帯電話、カメラ、及びPDA等の携帯機器用電源発生回路、液晶TV用電源発生回路に適用できる。
【0109】
更に、各種半導体メモリの内蔵電源発生回路としても適用できる。
【0110】
そして、第5及び第6の実施の形態では、各昇圧回路部に入力されるクロック信号をそれぞれ所定の時間だけ逐次遅延させて各昇圧回路部に入力しているが、複数の昇圧回路部ごとに所定の時間だけ逐次遅延させて各昇圧回路部に入力してもよい。
【0111】
また、第6の実施の形態では、各昇圧回路部に入力されるクロック信号をそれぞれ所定の時間だけ逐次遅延させて各昇圧回路部に入力し、順次各昇圧回路部を昇圧させて−(負)高電源VGL及び+(正)高電源VGHを発生させているが、−(負)高電源VGLの昇圧ステップで、ラッチアップ等の寄生サイリスタ動作及び寄生トランジスタ動作による素子及び回路の誤動作及び破壊が抑制されていれば、−(負)高電源VGLの昇圧ステップを従来の方法(所定の時間だけ逐次遅延させない)にしてもよい。
【0112】
【発明の効果】
本発明によれば、クロック入力信号により昇圧されたDC電圧を出力するラッチアップ等の寄生動作のない半導体集積回路及びそれを用いた電圧昇圧方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる昇圧回路の回路図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係わる昇圧回路に供給するクロック入力信号波形を示す図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係わる昇圧回路の出力信号波形を示す図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係わる昇圧回路に供給するクロック入力信号波形を示す図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係わる昇圧回路の出力信号波形を示す図。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係わる昇圧回路の回路図。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係わる昇圧回路の回路図。
【図8】本発明の第5の実施の形態に係わる液晶パネル制御ドライバICの回路ブロック図。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係わる昇圧回路の回路図。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係わる昇圧回路の具体的な回路構成を示す回路図。
【図11】本発明の第5の実施の形態に係わる昇圧回路に供給するクロック入力信号波形を示す図。
【図12】本発明の第5の実施の形態に係わる内蔵電源昇圧シーケンスを示す図。
【図13】本発明の第6の実施の形態に係わる昇圧回路の回路図。
【図14】本発明の第6の実施の形態に係わる内蔵電源昇圧シーケンスを示す図。
【図15】従来の昇圧回路の回路図。
【図16】従来の昇圧回路のおけるクロック入力信号波形を示す図。
【図17】従来の昇圧回路の出力信号波形を示す図。
【符号の説明】
1a、101a、31a 第1昇圧回路部
1b、11b、21b、101b、31b 第2昇圧回路部
1c、11c、21c、101c 第(n−1)昇圧回路部
1d、101d 第n昇圧回路部
2、12、22、102 チャージポンプ昇圧回路
3、4、33、34 カウンタ
31c 第3昇圧回路部
31d 第4昇圧回路部
31e 第5昇圧回路部
32、42 スイッチドキャパシタ昇圧回路
51 クロック発生回路
52a、52b、52c、52d クロック制御回路
53a、53b、53c、53d DC−DCコンバータ
54a、54b、54c、54d 出力端子
55 液晶パネル制御ドライバIC
105 接地端子
C1、C1、C2、C2、CX、CX、C11、CN−1、CN−1 容量
CK、CK、CK1 クロック信号入力端子
CKN、CKN、CKN1 反転クロック信号入力端子CKA A点でのクロック信号
CKB B点でのクロック信号
CKC C点でのクロック信号
CKa a点でのクロック信号
CKb b点でのクロック信号
CKc c点でのクロック信号
CKd d点でのクロック信号
CKe e点でのクロック信号
CKf f点でのクロック信号
T1、T2、T3、T4 時間
Tc 充電時間(Charged Time)
Td 放電時間(Discharged Time)
TR1、TR1、TR2、TR2、TRN−1、TRN−1、TRN、TRN、TR11、TR12、TR13 トランジスタ
VDD 高電位側電源端子
Vdd 電源端子
―VDD 負電源端子
VGH +(正)高電源
VGL −(負)高電源
VOUT、Vout 出力電圧端子
VSS 低電位側電源端子
Claims (21)
- クロック信号が供給されるクロック信号入力端子と、
このクロック信号と逆位相の反転クロック信号が供給される反転クロック信号入力端子と、
前記クロック信号により、昇圧電圧を出力する複数の第1の昇圧回路と前記反転クロック信号により、昇圧電圧を出力する複数の第2の昇圧回路とを交互に縦続接続した昇圧回路と、
後段の昇圧回路部に供給するクロック信号を前段の昇圧回路部のクロック信号より所定時間だけ遅延させる第1の遅延手段と、
後段の昇圧回路部に供給する反転クロック信号を前段の昇圧回路部の反転クロック信号より所定時間だけ遅延させる第2の遅延手段と、
を具備したことを特徴とする半導体集積回路。 - 前記昇圧回路は、2つ以上の前記第1及び第2の昇圧回路部をそれぞれ1単位として、前記第1及び第2の昇圧回路部の単位を交互に縦続接続し、且つ前記クロック信号及び前記反転クロック信号は、前記第1及び第2の昇圧回路部単位に供給することを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路。
- 前記第1及び第2の遅延手段は、カウンタ、遅延素子、又は遅延回路であることを特徴とする請求項1、又は2記載の半導体集積回路。
- クロック信号が供給されるクロック信号入力端子と、
このクロック信号と逆位相の反転クロック信号が供給される反転クロック信号入力端子と、
前記クロック信号により、昇圧電圧を出力する複数の第1の昇圧回路部と前記反転クロック信号により、昇圧電圧を出力する複数の第2の昇圧回路部とを交互に縦続接続した昇圧回路と、
後段の昇圧回路部に供給するクロック信号の周波数を前段の昇圧回路部のクロック信号の周波数より所定割合だけ低減させる第1の分周手段と、
後段の昇圧回路部に供給する反転クロック信号の周波数を前段の昇圧回路部の反転クロック信号の周波数より所定割合だけ低減させる第2の分周手段と、
を具備したことを特徴とする半導体集積回路。 - 前記昇圧回路部は、容量及びダイオード接続されたトランジスタを備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の半導体集積回路。
- 前記トランジスタは、NchMOSFETであることを特徴とする請求項4記載の半導体集積回路。
- クロック信号が供給されるクロック入力端子と、
このクロック信号とは逆位相の反転クロック信号が供給される反転クロック信号入力端子と、
このクロック信号及び反転クロック信号により、昇圧電圧を出力する容量及びトランジスタを備える複数の昇圧回路部を縦続接続する昇圧回路と、
後段の前記昇圧回路部に供給される前記クロック信号及び前記反転クロック信号を、それぞれ前段の昇圧回路部に供給される前記クロック信号及び前記反転クロック信号より所定時間だけ遅延させる第1及び第2の遅延手段と、
を具備したことを特徴とする半導体集積回路。 - 前記昇圧回路は、2つ以上の前記昇圧回路部をそれぞれ1単位として縦続接続し、且つ前記クロック信号及び前記反転クロック信号は、前記昇圧回路部単位に供給することを特徴とする請求項7記載の半導体集積回路。
- 前記第1及び第2の遅延手段は、カウンタ、遅延素子、又は遅延回路であることを特徴とする請求項7、又は8記載の半導体集積回路。
- クロック信号が供給されるクロック入力端子と、
このクロック信号とは逆位相の反転クロック信号が供給される反転クロック信号入力端子と、
このクロック信号及び反転クロック信号により、昇圧電圧を出力する容量及びトランジスタを備える複数の昇圧回路部を縦続接続する昇圧回路と、
後段の前記昇圧回路部に供給される前記クロック信号及び前記反転クロック信号の周波数を、それぞれ前段の昇圧回路部に供給される前記クロック信号及び前記反転クロック信号の周波数より所定割合だけ低減させる第1及び第2の分周手段と、
を具備したことを特徴とする半導体集積回路。 - 前記昇圧回路は、2つ以上の前記昇圧回路部をそれぞれ1単位として縦続接続し、且つ前記クロック信号及び前記反転クロック信号は、前記昇圧回路部単位に供給することを特徴とする請求項10記載の半導体集積回路。
- 前記トランジスタは、NchMOSFET、PchMOSFET、又はNchMOSFET及びPchMOSFETであることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の半導体集積回路。
- 複数の電源発生回路と、クロック信号及びこのクロック信号とは逆位相の反転クロック信号により、昇圧電圧を出力する容量及びトランジスタを備えた複数の昇圧回路部を縦続接続する昇圧回路を有する半導体集積回路の電圧昇圧方法であって、
前記複数の電源発生回路を順次所定電圧まで昇圧するステップと、
前記電源発生回路の出力電圧が安定し所定時間経過後に、前記後段の昇圧回路に、前段に供給される前記クロック信号及び反転クロック信号より所定時間だけ遅延させた前記クロック信号及び反転クロック信号を入力させ、前記昇圧回路部の出力電圧を逐次昇圧させて前記昇圧回路の出力電圧を所定電圧まで昇圧するステップと、
を具備し、前記昇圧回路の出力電圧が安定し所定時間経過後に、前記電源発生回路及び前記昇圧回路以外の素子及び回路を動作させることを特徴とする半導体集積回路の電圧昇圧方法。 - 前記昇圧回路は、2つ以上の前記昇圧回路部をそれぞれ1単位として縦続接続し、且つ前記クロック信号及び前記反転クロック信号を、前記昇圧回路部単位に供給して、この昇圧回路部単位で逐次昇圧することを特徴とする請求項13記載の半導体集積回路の電圧昇圧方法。
- 複数の電源発生回路と、クロック信号及びこのクロック信号とは逆位相の反転クロック信号により、昇圧電圧を出力する容量及びトランジスタを備えた複数の昇圧回路部を縦続接続する第1及び第2の昇圧回路を有する半導体集積回路の電圧昇圧方法であって、
前記複数の電源発生回路を順次所定電圧まで昇圧するステップと、
前記電源発生回路の出力電圧が安定し所定時間経過後に、前記第1の昇圧回路における後段の昇圧回路部に、前記前段の昇圧回路部に供給される前記クロック信号及び反転クロック信号より所定時間だけ遅延させた前記クロック信号及び反転クロック信号を入力させて、前記昇圧回路部の出力電圧を逐次昇圧させて前記第1の昇圧回路の出力電圧を所定の負電圧までする昇圧ステップと、
前記負電圧が安定し所定時間経過後に、前記第2の昇圧回路における後段の昇圧回路部に、前記前段の昇圧回路部に供給される前記クロック信号及び反転クロック信号より所定時間だけ遅延させた前記クロック信号及び反転クロック信号を入力させて、前記昇圧回路部の出力電圧を逐次昇圧させて前記第2の昇圧回路の出力電圧を所定の正電圧までする昇圧ステップと、
を具備し、前記第2の昇圧回路の出力電圧が安定し所定時間経過後に、前記電源発生回路及び前記昇圧回路以外の素子及び回路を動作させることを特徴とする半導体集積回路を用いた電圧昇圧方法。 - 前記第1及び第2昇圧回路は、2つ以上の前記昇圧回路部をそれぞれ1単位として縦続接続し、且つ前記クロック信号及び前記反転クロック信号は、前記昇圧回路部単位に供給することを特徴とする請求項15記載の半導体集積回路を用いた電圧昇圧方法。
- 複数の電源発生回路と、クロック信号により、昇圧電圧を出力する容量及びダイオード接続されたトランジスタを有する複数の第1の昇圧回路部と、前記クロック信号とは逆位相の反転クロック信号により、昇圧電圧を出力する容量及びダイオード接続されたトランジスタを有する複数の第2の昇圧回路部を交互に縦続接続した昇圧回路を有する半導体集積回路の電圧昇圧方法であって、
前記複数の電源発生回路を順次所定電圧まで昇圧するステップと、
前記電源発生回路の出力電圧が安定し所定時間経過後に、前記後段の昇圧回路部に、前記前段の昇圧回路部に供給される前記クロック信号、又は反転クロック信号より所定時間だけ遅延させた前記クロック信号、又は前記反転信号を入力させて、前記昇圧回路の出力電圧を逐次昇圧させて前記昇圧回路の出力を所定電圧まで昇圧するステップと、
を具備し、
前記昇圧回路の出力電圧が安定し所定時間経過後に、前記電源発生回路及び前記昇圧回路以外の素子及び回路を動作させることを特徴とする半導体集積回路を用いた電圧昇圧方法。 - 前記第1及び第2昇圧回路部は、2つ以上の前記昇圧回路部をそれぞれ1単位として縦続接続し、且つ前記クロック信号及び前記反転クロック信号は、前記昇圧回路部単位に供給することを特徴とする請求項17記載の半導体集積回路を用いた電圧昇圧方法。
- 複数の電源発生回路と、クロック信号により、昇圧電圧を出力する容量及びダイオード接続されたトランジスタを有する複数の第1の昇圧回路部と、前記クロック入力信号とは逆位相の反転クロック信号により、昇圧電圧を出力する容量及びダイオード接続されたトランジスタを有する複数の第2の昇圧回路部を交互に縦続接続した第1及び第2の昇圧回路を有する半導体集積回路の電圧昇圧方法であって、
前記複数の電源発生回路を順次所定電圧まで昇圧するステップと、
前記電源発生回路の出力電圧が安定し所定時間経過後に、前記第1の昇圧回路における後段の昇圧回路部に、前記前段の昇圧回路部に供給される前記クロック信号、又は反転クロック信号より所定時間だけ遅延させた前記クロック信号、又は反転クロック信号を入力し、前記第1の昇圧回路の各昇圧回路部の出力電圧を逐次昇圧させて前記第1の昇圧回路の出力電圧を所定の負電圧まで昇圧するステップと、
前記負電圧が安定し所定時間経過後に、前記第2の昇圧回路における後段の昇圧回路部に、前記前段の昇圧回路部に供給される前記クロック信号、又は反転クロック信号より所定時間だけ遅延させた前記クロック信号、又は反転クロック信号を入力し、前記第2の昇圧回路の各昇圧回路部の出力電圧を逐次昇圧させて前記第2の昇圧回路の出力電圧を所定の正電圧まで昇圧するステップと、
を具備し、前記第2の昇圧回路の出力電圧が安定し所定時間経過後に、前記電源発生回路及び前記昇圧電圧発生回路以外の素子及び回路を動作させることを特徴とする半導体集積回路を用いた電圧昇圧方法。 - 前記第1及び第2昇圧回路は、2つ以上の前記昇圧回路部をそれぞれ1単位として縦続接続し、且つ前記クロック信号及び前記反転クロック信号は、前記昇圧回路部単位に供給することを特徴とする請求項19記載の半導体集積回路を用いた電圧昇圧方法。
- 前記クロック信号を遅延させる手段としては、カウンタ、遅延素子、又は遅延回路を用いて前記クロック信号を所定の時間だけ逐次遅延させることを特徴とする請求項13乃至20のいずれか1項記載の半導体集積回路。
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JP2008211957A (ja) * | 2007-02-28 | 2008-09-11 | Sanyo Electric Co Ltd | チャージポンプ回路 |
US7612412B2 (en) | 2005-03-22 | 2009-11-03 | Seiko Epson Corporation | Semiconductor device and boost circuit |
JP2020530748A (ja) * | 2018-07-27 | 2020-10-22 | 北京小米移動軟件有限公司Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd. | 充電回路、端末、及び充電方法 |
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2003
- 2003-04-24 JP JP2003120362A patent/JP2004328901A/ja not_active Withdrawn
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