JP2004328402A - サイト状態監視方法及びサイト状態監視装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】伝送経路を切り換える際のトラブル発生点の特定をオペレータが速やかに行い得るようにする。
【解決手段】一のサイトと二のサイトの間の伝送路を構成する際に、前記一及び二のサイト並びに一のサイトと二のサイトの間に介在する他のサイトの状態を監視するサイト状態監視方法であって、前記各サイトへの機器制御指示に対応して各サイトから順次に返送される応答を文字列または図形で表示することにより、オペレータに視覚化して提示するユーザインターフェース(110)を該オペレータの端末上に表示する工程を含む。
【選択図】 図6
【解決手段】一のサイトと二のサイトの間の伝送路を構成する際に、前記一及び二のサイト並びに一のサイトと二のサイトの間に介在する他のサイトの状態を監視するサイト状態監視方法であって、前記各サイトへの機器制御指示に対応して各サイトから順次に返送される応答を文字列または図形で表示することにより、オペレータに視覚化して提示するユーザインターフェース(110)を該オペレータの端末上に表示する工程を含む。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の拠点(本明細書では「サイト」という)からなる映像情報伝送ネットワークに適用するサイト状態監視方法及びサイト状態監視装置に関する。詳しくは、放送素材の生成サイトや放送素材の利用サイト及びその間に含まれる中継サイトに設置された各種機器の動作監視を集中的に行うサイト状態監視方法及びサイト状態監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図12は、テレビジョン放送素材等の映像情報伝送ネットワークを示す概念図である。(a)は、たとえば、契約局や中継車などの放送素材の生成ポイント1と、その生成ポイント1から受け取った放送素材を利用(たとえば、送出のための利用)する放送局などの利用ポイント2とによって構成された、いわゆるPoint to Point型の映像情報伝送ネットワークである。
【0003】
Point to Point型の映像情報伝送ネットワークとしては、たとえば、特許文献1に記載された「テレビ放送システム及び方法」などが知られている。この公知システムは、「大きなTVネットワークが、それ自身の遠隔局(上記の生成ポイント1に相当する。)の機器を制御し、任意の特定の遠隔局のローカルなTV受信地域に向けてローカルに製作された番組を、任意の要求される時刻に、任意の継続時間の間、放送することを可能」(同文献第6頁)とするためのものであり、遠隔局の機器は、コンテスタジオ(TVネットワークの中央放送スタジオのこと。上記の利用ポイント2に相当する。)のオペレータが、そのオペレータの制御コンソール上のキーを押下することによって制御される(同文献同頁)。
【0004】
この公知システムにおいて、遠隔局は複数(1〜N)であり、それぞれの遠隔局は、電話網、衛星データリンク、衛星無線または光通信媒体などの伝送路を介して、適宜にコンテスタジオに接続され、コンテスタジオとの間で通信を行うことができるようになっている(同文献第1図)。
【0005】
コンテスタジオは、遠隔局の監視ユニット(遠隔局TV監視装置;同文献第1図)を備える。この監視ユニットは、任意の遠隔局の全ての機器を遠隔制御し、かつ、監視することができる。また、この監視ユニットは、遠隔局から間欠的に送られてくる動作状況やエラーの報告をハードディスクに記録するとともに紙に印刷する。さらに、コンテスタジオのオペレータは、監視ユニットを用いて、任意の遠隔局のエラー状態を素早く認識し、エラーを修正するために必要な動作をとることができる(同文献第11−12頁)。
【0006】
この公知システムでは、複数の生成ポイント1(遠隔局1〜N)の各々と、利用ポイント2(コンテスタジオ)とが一対一に対応するため、生成ポイント1や利用ポイント2及びそのポイント間の伝送経路中に障害が発生しても、障害の検出や障害の原因特定に特別困難な技術を要しない。
【0007】
これに対して、(b)は、複数のサイト(便宜的にサイトA〜サイトG)からなる映像情報伝送ネットワークである。各サイトは、たとえば、世界各国の主要都市などに配置される。各サイトは、中核サイトからの制御により、放送素材の生成サイトになったり、放送素材の利用サイトになったり、又は、放送素材の中継サイトになったりすることができる。今、サイトFを中核サイトとし、このサイトFからの制御により、サイトAが放送素材の生成サイトとして動作し、サイトDが放送素材の中継サイトとして動作し、サイトGが放送素材の利用サイトとして動作するものと仮定する。
【0008】
このような場合、各サイトに設置された機器 ・・・・ サイト間やサイト内の伝送経路を変更するためのルーティングスイッチ、放送素材の伝送データ量を削減するため圧縮装置(たとえば、MPEGエンコーダ)、その伸張装置(同MPEGデコーダ)、サイト間の伝送プロトコル(たとえば、ATM)に対応したデータ変換装置など ・・・・ がすべて正常に動作していれば、サイトAで生成された放送素材は、支障なく中継サイト(サイトD)を経由してサイトGに伝送される。
【0009】
このように、(b)に示された映像情報伝送ネットワークは、中核サイトからの制御により、各サイトの役割を任意に変更して、あるサイトから他のサイトへの放送素材の伝送経路設定を柔軟且つ臨機応変に行うことができる点で、上記(a)のPoint to Point型よりも優れているが、システムの複雑化を否めず、各サイトや伝送経路途中に障害が発生した場合は、その障害発生箇所や原因の特定に長い時間と困難を伴うという問題点があった。
【0010】
そこで、本件出願人は、先に、このような複数のサイトから構成される映像情報伝送ネットワークに適用して好適な「サイト状態監視方法」を提案している(特願2001−104433号/出願日:平成13年4月3日)。
【0011】
この提案の技術は、ネットワーク上に散在するすべてのサイトをオブジェクトにして表示する第1のグラフィカルユーザインターフェースと、各サイトごとにそのサイトに設けられた機器をオブジェクトにして表示する第2のグラフィカルユーザインターフェースとを用いて、各サイトの状態監視を行うようにしたものであり、詳細には、前記第1のグラフィカルユーザインターフェース及び第2のグラフィカルユーザインターフェースは、各オブジェクトの色または各オブジェクト間を結ぶ線の色をサイト状態もしくは機器状態に応じて変更するというものである。
【0012】
これによれば、中核サイトに設置された端末で、第1のグラフィカルユーザインターフェースと第2のグラフィカルユーザインターフェースとを表示してそれをオペレータが監視し、それらのグラフィカルユーザインターフェース上の各オブジェクトの色または各オブジェクト間を結ぶ線の色を確認することにより、サイト状態もしくは機器状態をリアルタイムに把握することができ、障害の発生検知とその原因特定を速やかに行うことができる。
【0013】
【特許文献1】
特表2002−509665号公報(第6−12頁、第1図)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記提案の技術にあっては、サイト状態もしくは機器状態をビジュアルに表示し、障害の発生検知とその原因特定を速やかに行うことができる点で有益であるが、伝送経路を切り換える際のユーザインターフェースに着目した場合、次の点で改善すべき余地があった。
【0015】
図13(a)は、伝送経路切り換えの概念図である。この図において、サイトAは放送素材の生成サイト、サイトGは放送素材の利用サイト、サイトD、B、Eは中継サイトである。今、実線で結ばれたサイトA、D、Gからなる伝送経路を第1回線と称し、波線で結ばれたサイトA、B、E、Gからなる伝送経路を第2回線と称することにすると、この図においては、中核サイト(たとえば、サイトG)は、各サイトA、B、D、E、Gの機器を遠隔制御して所望の回線(第1回線または第2回線)を選択し、もしくは、ある回線から他の回線へと任意に切り換えることができる。
【0016】
たとえば、第1回線から第2回線に切り換える場合、中核サイトは、サイトA、D、Gの接続を解除した後、サイトA、B、E、Gの接続(第2回線の構成)を行うが、特に、第2回線の構成を行う際に、上流サイトの接続完了報告を待ってから下流サイトの接続を行い、これを順次に繰り返すことによって、最終的に所望回線を構成する。
【0017】
さて、このような伝送切り換えを行う際のユーザインターフェースとしては、たとえば、中核サイトの制御コンソール上に、第1回線から第2回線への切り換えを指示するためのボタンを設けておくことが考えられる。このようにすると、オペレータは、ボタンを操作するだけで、ワンタッチで第1回線から第2回線へと伝送経路を切り換えることができる。
【0018】
しかしながら、複数の中継サイトを経由する回線を構成する場合、まれにではあるが、途中の中継サイトでトラブルが発生することがある。このような場合、トラブルサイト以降の下流側の伝送経路が構成されないため、たとえば、トラブルサイトを迂回した新たな回線を構成するなどのエラー対策を講じなければならないところ、そのためには、トラブルサイトを速やかに特定する何らかのユーザインターフェースが必要になるが、上記の既提案技術では、この点の検討が不十分であり、改善の余地があった。
【0019】
すなわち、図13(b)に示すように、仮にサイトEでトラブルが発生した場合は、ある時間(各サイトA、B、E、Gの接続時間の合計予測時間)を経過してもなおサイトGでサイトAからのデータを受信できない場合に、どこかのサイトにトラブルが発生しているものと推測し、各サイトの動作モニター画面を順次に開いて最終的にトラブルサイト(サイトE)を特定し、迂回回線(たとえば、サイトE′)を選択するが、この方法はきわめて非効率である。“ある時間”待たなければトラブルの発生を知ることができないし、しかも、トラブルサイトに到達するまでの間に無駄な時間(各サイトの動作モニター画面を順次に開いて異常の有無を調べるために必要な時間)を浪費するからである。
【0020】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、伝送経路を切り換える際のトラブル発生点の特定をオペレータが速やかに行い得るようにすることにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一のサイトと二のサイトの間の伝送路を構成する際に、前記一及び二のサイト並びに一のサイトと二のサイトの間に介在する他のサイトの状態を監視するサイト状態監視方法であって、前記各サイトへの機器制御指示に対応して各サイトから順次に返送される応答を文字列または図形で表示することにより、オペレータに視覚化して提示するユーザインターフェースを該オペレータの端末上に表示する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明は、一のサイトと二のサイトの間の伝送路を構成する際に、前記一及び二のサイト並びに一のサイトと二のサイトの間に介在する他のサイトの状態を監視するサイト状態監視装置であって、前記各サイトへの機器制御指示に対応して各サイトから順次に返送される応答を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された応答を文字列または図形で表示するためのユーザインターフェースを生成する生成手段と、前記ユーザインターフェースをオペレータの端末上に表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
好ましくは、本発明は、前記ユーザインターフェースは、任意のサイトでトラブルが発生したときに、通常とは異なる態様で表示を行うコントロールを含むことを特徴とする。
本発明では、一のサイトと二のサイトの間の伝送路を構成する際に、それらのサイトを含む各サイトの動作状態が逐一、ユーザインターフェースに表示される。したがって、仮に、伝送経路中のどこかのサイトでトラブルが発生した場合でも、その状況を速やかに把握することができるから、迂回回線の構成等、所要の対策を遅滞なく講じることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明における様々な細部の特定ないし実例および数値や文字列その他の記号の例示は、本発明の思想を明瞭にするための、あくまでも参考であって、それらのすべてまたは一部によって本発明の思想が限定されないことは明らかである。また、周知の手法、周知の手順、周知のアーキテクチャおよび周知の回路構成等(以下「周知事項」)についてはその細部にわたる説明を避けるが、これも説明を簡潔にするためであって、これら周知事項のすべてまたは一部を意図的に排除するものではない。かかる周知事項は本発明の出願時点で当業者の知り得るところであるので、以下の説明に当然含まれている。
【0023】
1.映像情報伝送ネットワークの概念構成
図1は、映像情報ネットワークの概念構成図である。この構成図は、前出(図12(b))の映像情報伝送ネットワークにおけるいくつかのサイト(便宜例として、サイトA、サイトB、サイトC及びサイトDとする)と、そのサイト間のデータ伝送経路を模式化して示すものである。ここで、サイトAは放送素材の生成サイトであり、サイトDは放送素材の利用サイトである。また、サイトBとサイトCは中継サイトであり、さらに、各サイトをコントロールする中核サイトは、便宜上、サイトDであるものとする。
【0024】
サイトA(放送素材の生成サイト)は、たとえば、現用系/予備系の2系統のベースバンドハイビジョンテレビ放送信号(HDTV−1、HDTV−2)と、同2系統のベースバンド標準テレビジョンテレビ放送信号(SDTV−1、SDTV−2)とを生成し、それぞれを圧縮して一つの信号にマルチプレクスした後、ネットワークの伝送プロトコル(便宜的にATM)に対応したデータ形式に変換して高速ネットワーク回線10に出力するための各種機器を備える。
【0025】
すなわち、図示の例においては、サイトA(放送素材の生成サイト)は、ハイビジョンテレビジョン放送信号用の圧縮装置として機能する2系統のMPEGエンコーダ(略号:HD_ENC_P/HD_ENC_S;末尾の“P”はPrimaryの略で現用系を表し、“S”はSecondaryの略で予備系を表す。以下同様とする。)11、12と、標準テレビジョン放送信号用の圧縮装置として機能する2系統のMPEGエンコーダ(略号:SD_ENC_P/SD_ENC_S)13、14と、2系統のマルチプレクサ(略号:MPX_P/MPX_S)15、16と、プロトコル変換用のネットワークインターフェース装置(略号:NIU)17と、それら各装置間の信号切り換えを行うためのルーティングスイッチ装置(略号:TS_SW)18と、サイト内機器の動作監視(ローカル監視)を行うと共にそのローカル監視情報をインターネット等のネットワーク19を介して中核サイト(サイトD)の出力するローカル監視端末20とを備える。
【0026】
サイトB及びサイトC(放送素材の中継サイト)は、サイトAとサイトDの間の中継点に位置し、少なくとも、伝送データの中継を行うための機器(たとえば、不図示のATMルータなど)を備えると共に、サイト内機器の動作監視(ローカル監視)を行い、そのローカル監視情報をインターネット等のネットワーク19を介して中核サイト(サイトD)に出力するローカル監視端末21、22を備える。
【0027】
サイトD(放送素材の利用サイト)は、最終中継サイト(図ではサイトC)から高速ネットワーク回線23を介して伝送されたデータを受け取り、それをデマルチプレクスして、各々2系統(現用系/予備系)のMPEGハイビジョン放送信号と標準テレビジョン放送信号に分離し、各信号をデコードしてベースバンドのハイビジョン放送信号(HDTV−1、HDTV−2)と標準テレビジョン放送信号(SDTV−1、SDTV−2)を再生するための各種機器を備える。
【0028】
すなわち、図示の例においては、サイトD(放送素材の利用サイト)は、プロトコル変換用のネットワークインターフェース装置(略号:NIU)24と、2系統のデマルチプレクサ(略号:DEMPX_P/DEMPX_S)25、26と、ハイビジョンテレビジョン放送信号用の伸張装置として機能する2系統のMPEGデコーダ(略号:HD_DEC_P/HD_DEC_S)27、28と、標準テレビジョン放送信号用の伸張装置として機能する2系統のMPEGデコーダ(略号:SD_DEC_P/SD_DEC_S)29、30と、それら各装置間の信号切り換えを行うためのルーティングスイッチ装置(略号:TS_SW)31と、サイト内機器の動作監視(ローカル監視)を行うと共に、自サイト以外の他サイトから送られてきたローカル監視情報に基づいてそれら他サイトの動作監視(リモート監視)も行うローカル/リモート監視端末(端末、サイト状態監視装置)32とを備える。
【0029】
図2は、リモート端末20〜22及びローカル/リモート監視端末32の概念構成図である。以下、ローカル/リモート監視端末32で代表して説明する。ローカル/リモート監視端末32は、特に限定しないが、たとえば、IBM PC/AT互換アーキテクチャのコンピュータである。同アーキテクチャのコンピュータにおけるハードウェア構成は、概略的に、CPU(受信手段、生成手段、表示手段)32a、RAM32b、ディスクコントローラ32c、ディスク装置32d、ディスプレイコントローラ32e、ディスプレイ装置32f、キーボードコントローラ32g、キーボード装置32h、ポインティングデバイス装置32i、ネットワーク用インターフェース32j、自サイト内各機器用インターフェース32k、メインバス32m、バスインターフェース32n及び内部バス32pなどを有する。
【0030】
ローカル/リモート監視端末32は、ディスク装置32dにあらかじめ格納されたオペレーティングシステムや各種のアプリケーションプログラムなどのソフトウェアリソースを、RAM32bにロードしてCPU32aで実行することにより、そのソフトウェアリソースと上記の各ハードウェアリソースとの有機的結合によって様々な処理機能を実現する。
【0031】
機能の一つは、自サイト及び他サイトに設置された各機器の状態監視を行う機能である。すなわち、ローカル/リモート監視端末32は、当該機能により、
▲1▼ 自サイト内各機器用インターフェース32kを介して自サイトの各機器(NIU24、DEMPX_P25、DEMPX_S26、HD_DEC_P27、HD_DEC_S28、SD_DEC_P29、SD_DEC_S30、TS_SW31など)の動作制御、及び、動作情報の収集、並びに、それらの自サイト機器の状態監視を行うことができると共に、
▲2▼ ネットワーク用インターフェース32jを介して他サイトのローカル監視端末20と他サイトの各機器(たとえば、放送素材の生成サイトであるサイトAのHD_ENC_P11、HD_ENC_S12、SD_ENC_P13、SD_ENC_S14、MPX_P15、MPX_S16、NIU17、TS_SW18や、放送素材の中継サイトであるサイトB、Cの伝送データ中継機器など)の動作制御、及び、動作情報の収集、並びに、それらの他サイト機器の状態監視を行うことができるものであり、且つ、
▲3▼ 上記の動作制御、動作情報の収集、及び、状態監視の各機能を実現するためのユーザインターフェース、たとえば、図4の全体ネットワーク構成表示用GUI画面50及び図5の伝送経路切り換え用GUI画面70並びに図6(b)のステータスメッセージ画面110参照)をディスプレイ装置32fに表示することができるものである。
【0032】
図3は、中核サイト(サイトD)に設置されたローカル/リモート監視端末32と、放送素材の生成サイト(サイトA)や放送素材の中継サイト(サイトB、サイトC)に設置されたそれぞれのローカル監視端末20、21、22のアプリケーション構造図である。ローカル/リモート監視端末32は、自サイト及び他サイト内の各機器32〜36(サイトDにあってはNIU24、DEMPX_P25、DEMPX_S26、HD_DEC_P27、HD_DEC_S28、SD_DEC_P29、SD_DEC_S30、TS_SW31など、サイトAにあってはHD_ENC_P11、HD_ENC_S12、SD_ENC_P13、SD_ENC_S14、MPX_P15、MPX_S16、NIU17、TS_SW18など、サイトBやサイトCにあっては伝送データ中継機器など)に対応した複数のデバイスコントローラ37〜39と、それらのデバイスコントローラ37〜39を制御して自サイト内及び他サイト内各機器32〜36の動作状態の情報を収集すると共に、その収集情報を他サイトのローカル監視端末(たとえば、サイトAのローカル監視端末20など)に配信するホストプログラム40と、ホストプログラム40で収集した情報をビジュアルに表示するグラフィカルユーザインターフェース部41とを有する。
【0033】
放送素材の生成サイト(図示の例ではサイトA)のローカル監視端末20は、ローカル/リモート監視端末32から配信された情報を受け取るホストプログラム42と、その配信情報をビジュアルに表示するグラフィカルユーザインターフェース部43とを有する。また、放送素材の中継サイト(図示の例ではサイトBやサイトC)に設置されたローカル監視端末21、22も、放送素材の生成サイト(図示の例ではサイトA)のローカル監視端末20と同様の構成、すなわち、ローカル/リモート監視端末32から配信された情報を受け取るホストプログラム42と、その配信情報をビジュアルに表示するグラフィカルユーザインターフェース部43とを有する。
【0034】
ローカル/リモート監視端末32のデバイスコントローラ37〜39と他サイト(図ではサイトA)の各機器35、36との間の通信は、たとえば、IETF(Internet Engineering Task Force)で標準化されたTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)ネットワーク環境での管理プロトコルの一つであるSNMP(Simple Network Management Protocol)によって行う。
【0035】
SNMP部44は、上記SNMPの「SNMPマネージャ」として機能するものである。SNMP部44は、他サイト内各機器35、36に実装された「SNMPエージェント」からのSNMP−TRAPを受付けてデバイスコントローラ37〜39に通知し、この通知を受けたデバイスコントローラ37〜39は、SNMP−TRAP発生元の機器との間でMIB(Management Information Base)と呼ばれる管理情報を交換し、当該機器の動作情報を収集する。SNMP部44は、ホストプログラム40の一機能(ホストプログラム40の実装機能)であってもよいが、ホストプログラム40の負荷を軽減する点で、図示のようにホストプログラム40から分離独立させておく方が好ましい。
【0036】
2.ユーザインターフェースの構成
<全体ネットワーク構成表示用GUI画面>
図4は、ローカル/リモート監視端末32のディスプレイ装置32fに表示されるGUI(グラフィカルユーザインターフェース)画面を示す図である。図示のGUI画面は、グラフィカルユーザインターフェース部41によって提供されるいくつかのGUI画面のうちの一つ(以下「全体ネットワーク構成表示用GUI画面50」という)である。この全体ネットワーク構成表示用GUI画面50は、縦横固定サイズ又は可変サイズのウィンドウオブジェクト51の上端にタイトルバーオブジェクト52を配置すると共に、タイトルバーオブジェクト52の下にクライアントエリアオブジェクト53を配置した一般的なウィンドウレイアウト構成を有している。
【0037】
クライアントエリアオブジェクト53は、監視対象伝送ネットワークの全体構成をビジュアルに表示するための領域として用いられる。すなわち、このクライアントエリアオブジェクト53は、監視対象伝送ネットワークを構成するすべてのサイトを表す図形(矩形オブジェクト54〜58)を適当な場所に配置し、且つ、各々の矩形オブジェクト54〜58の間をデータ伝送経路を表す直線オブジェクト59〜69で接続することにより、監視対象伝送ネットワークの実際の構成を模式化して表示する。たとえば、左端の矩形オブジェクト54は“サイトA”を表し、左から2番目の矩形オブジェクト55は“サイトB”を表し、中央の矩形オブジェクト56は“サイトC”を表し、右から2番目の矩形オブジェクト57は“サイトD”を表し、右端の矩形オブジェクト58は“サイトE”を表している。
【0038】
また、左端の矩形オブジェクト54と左から2番目の矩形オブジェクト55との間が2本の直線オブジェクト59、60で接続されており、これにより、サイトA−B間が2系統のデータ伝送経路で接続されていることを表している。同様に、左から2番目の矩形オブジェクト55と中央の矩形オブジェクト56との間が2本の直線オブジェクト61、62で接続されており、これにより、サイトB−C間が2系統のデータ伝送経路で接続されていることを表し、中央の矩形オブジェクト56と右から2番目の矩形オブジェクト57との間が3本の直線オブジェクト63〜65で接続されており、これにより、サイトC−D間が3系統のデータ伝送経路で接続されていることを表し、右から2番目の矩形オブジェクト57と右端の矩形オブジェクト58との間が4本の直線オブジェクト66〜69で接続されており、これにより、サイトD−E間が4系統のデータ伝送経路で接続されていることを表している。なお、以上のサイト間接続レイアウトに特段の意味はない。説明の便宜のための一例に過ぎない。
【0039】
<伝送経路切り換え用GUI画面>
図5は、ローカル/リモート監視端末32のディスプレイ装置32fに表示されるGUI(グラフィカルユーザインターフェース)画面を示す図である。図示のGUI画面は、グラフィカルユーザインターフェース部41によって提供されるいくつかのGUI画面のうちの他の一つ(以下「伝送経路切り換え用GUI画面70」という)である。この伝送経路切り換え用GUI画面70は、縦横固定サイズ又は可変サイズのウィンドウオブジェクト71の上端にタイトルバーオブジェクト72を配置すると共に、タイトルバーオブジェクト72の下にクライアントエリアオブジェクト73を配置した一般的なウィンドウレイアウト構成を有している。
【0040】
クライアントエリアオブジェクト73は、伝送路の“現況構成表示”兼“切り換え制御”パネルとして用いられるものであり、特に、現況構成の確認と切り換え操作を“直感的”に行うことができるようにそのデザインに工夫が凝らされているものである。
【0041】
すなわち、このクライアントエリアオブジェクト73は、監視対象伝送ネットワークを構成するすべてのサイト(便宜的にサイトA〜サイトE)を表す文字オブジェクトまたは任意形状の図形オブジェクト(以下、サイトオブジェクト74〜78という。)を上端付近(または下端付近でもよい)に横一列に並べて配置すると共に、構成可能な全ての回線名(便宜的に第1回線と第2回線)を表す文字オブジェクトまたは任意形状の図形オブジェクト(以下、回線名オブジェクト79、80という。)を左端付近(または右端付近でもよい)に縦に並べて配置し、さらに、利用可能な信号種別(便宜的にHD:ハイビジョンテレビ放送信号とSD:標準テレビジョンテレビ放送信号)を表す文字オブジェクトまたは任意形状の図形オブジェクト(以下、信号種別オブジェクト81、82という。)を右端付近(または左端付近でもよい)に縦に並べて配置する。
【0042】
サイトオブジェクト74〜78の各々からは、個別の縦線オブジェクト83〜87が引き出されており、また、回線名オブジェクト79、80の各々と信号種別オブジェクト81、82の各々との間には、個別の横線オブジェクト88、89が引かれている。
【0043】
そして、縦線オブジェクト83〜87と横線オブジェクト88、89との各交差点には、ユーザイベント受付領域90(88)、91(88)、92(88)、93(88)、94(88)、95(89)、96(89)、97(89)、98(89)、99(89)が設けられており、これらの領域に対するユーザ操作、たとえば、ポインティングデバイス装置32iのダブルクリック操作に応答して、所定のイベント(以下「伝送経路切り換えイベント」という。)を発生するようになっている。なお、各領域符号の括弧付き添え字内の数字は、その領域上の横線オブジェクトの符号を表している。たとえば、ユーザイベント受付領域90(88)、91(88)、92(88)、93(88)、94(88)は、いずれも上段の横線オブジェクト88の上に設定されたものものであり、また、ユーザイベント受付領域95(89)、96(89)、97(89)、98(89)、99(89)は、いずれも下段の横線オブジェクト89の上に設定されたものものである。
【0044】
ユーザイベント受付領域90(88)、91(88)、92(88)、93(88)、94(88)、95(89)、96(89)、97(89)、98(89)、99(89)の一つをクリックすると、伝送経路切り換えイベントが発生する。そして、そのイベントに応答して、伝送経路の切り換え制御(図10参照)が実行されると共に、当該クリック位置の交差点に回線構成を示す所定形状(図では円形)の図形オブジェクト(以下、回線構成オブジェクト100、101という。)が表示される。
【0045】
図6(a)は、伝送経路の切り換え操作例を示す図である。ここでは、便宜的にサイトBで使用されていた第1回線をサイトCに切り換える時の様子を例示している。この例において、切り換え操作前は、サイトB直下の交差点に回線オブジェクト100が表示されているが、切り換え先のサイトC直下のユーザイベント受付領域92(88)をクリックすることにより、当初の回線オブジェクト100が消え、新たに当該ユーザイベント受付領域92(88)に回線オブジェクト100′が表示される。かかる回線オブジェクト100の消滅と回線オブジェクト100′の新規表示は、あたかも、回線構成ポイントが移動した如き感覚でユーザに受け止められるから、直感性に優れた伝送経路切り換えユーザインターフェースを提供することができる。
【0046】
さて、先にも説明したとおり、とりわけ複数の中継サイトを経由した伝送経路を構成する場合、途中のサイトでトラブルが発生することがある。このため、トラブルの早期発見と対策(迂回経路の構築等)は重要である。この点において、上記の「伝送経路切り換えユーザインターフェース(伝送経路切り換え用GUI画面70)」だけでは不十分である。伝送経路を切り換えている最中の状況表示(特にトラブル表示)がまったく考慮されていないからである。
【0047】
そこで、本実施の形態では、伝送経路を切り換えている最中、以下にその詳細を説明する別画面(以下「ステータスメッセージ画面」という。)を表示する。
【0048】
<ステータスメッセージ画面>
図6(b)は、ローカル/リモート監視端末32のディスプレイ装置32fに表示されるステータスメッセージ画面110(ユーザインターフェース)を示す図である。図示のステータスメッセージ画面110は、グラフィカルユーザインターフェース部41によって提供されるいくつかのGUI画面のうちのさらに他の一つである。ステータスメッセージ画面110は、縦横固定サイズのウィンドウオブジェクト111の上端にタイトルバーオブジェクト112を配置すると共に、タイトルバーオブジェクト112の下にクライアントエリアオブジェクト113を配置したウィンドウレイアウト構成を有している。
【0049】
ウィンドウオブジェクト111には作業固定属性(またはポップアップ属性)が設定されており、ステータスメッセージ画面110を表示中、他の画面(たとえば、伝送経路切り換え用GUI画面70等)を選択できないように(つまり、フォーカスを移動できないように)なっている。これは、伝送経路を切り換えている最中に、誤って他の伝送経路の切り換え操作を行わないようにするための安全対策である。
【0050】
クライアントエリアオブジェクト113には、たとえば、現在の状況を文字等(図示の例では“伝送経路切り換え中です.....”)でユーザに告知するための主メッセージエリア114、その他の告知メッセージ(図示の例では“お待ち下さい”)を表示するための予備メッセージエリア115、切り換え中の詳細経過情報(図示の例では“サイト*切り換え中”;*はサイト記号A、B、C、・・・・を示す。)を文字等で告知する詳細経過情報メッセージエリア116(コントロール)、及び、伝送経路切り換え進捗状況表示用グラフィックオブジェクト(図ではプログレスバーコントロール)117(コントロール)などが適当にレイアウトされている。
【0051】
なお、“プログレスバーコントロール”とは、棒グラフのような外観を有する汎用のコントロール部品である。棒のことをプログレスバーまたは単にバーという。バーの長さはプログラムで逐一制御できる。たとえば、図示の例に用いられているプログレスバーコントロールは、そのバー117aの長さを最小値(0%)から最大値(100%)までの間で任意に変化させることができる。具体的には、切り換え対象伝送経路中のサイト数を分母、切り換え完了サイト数を分子とする100分率表示でバー117aの長さを可変表示する。
【0052】
今、切り換え対象伝送経路中のサイト数を便宜的に“5”とするとき、切り換え制御開始直後では、切り換え完了サイト数が“0”であるから、バー117aの長さは最小(0%)であるが、切り換え完了サイト数が“1”になると、バー117aの長さは“1/5×100〔%〕”(=20%)となり、切り換え完了サイト数が“2”になると、バー117aの長さは“2/5×100〔%〕”(=40%)となる。さらに、切り換え完了サイト数が“3”になると、バー117aの長さは“3/5×100〔%〕”(=60%)となり、切り換え完了サイト数が“4”になると、バー117aの長さは“4/5×100〔%〕”(=80%)となり、最終的に、切り換え完了サイト数が“5”になると、バー117aの長さは“5/5×100〔%〕”(=100%)となる。したがって、かかる「伝送経路切り換え進捗状況表示用グラフィックオブジェクト117」を一瞥するだけで、伝送経路の切り換え進捗具合を直感的に把握することができる。
【0053】
さて、伝送経路を切り換えている最中に、途中のどこかのサイトでトラブルが発生した場合、プログレスバーコントロール(伝送経路切り換え進捗状況表示用グラフィックオブジェクト117)のバー117aは、その時点の長さを保持して停止するため、この「バー117aの長さ変化の停止」状態を以てトラブルの発生を知ることも可能であるが、確実さに欠けるきらいがある。バー117aの長さは、上記例示の場合、0%→20%→40%→60%→80%→100%と段階的に変化するため、非トラブル発生時でも各段階で多少の停止状態を生じ、この停止状態(切り換え制御中の正当な停止状態)と、トラブルに伴う停止状態とを正確に区別できないからである。
【0054】
そこで、本実施の形態においては、オペレータに対して積極的にトラブルの発生を告知するために、たとえば、予備メッセージエリア115に“トラブルが発生しました!”などのメッセージを表示する。なお、そのメッセージをブリンク(点滅)させたり、警告色で表示したり、警告音を発したりすれば、なお確実な告知を行うことができるので望ましい。
【0055】
かかるトラブル発生時において、詳細経過情報メッセージエリア116には、その時点の詳細情報、たとえば、“サイトA切り換え中”などのメッセージが表示されている、したがって、本実施の形態のステータスメッセージ画面110によれば、上記の告知メッセージ(“サイトA切り換え中”)から、どのサイト(この場合はサイトA)でトラブルが発生しているのかを正しく知ることができる。
【0056】
なお、上記の説明では、プログレスバー(伝送経路切り換え進捗状況表示用グラフィックオブジェクト117)を用いて伝送経路切り替えの進捗状況を表示すると共に、その詳細経過情報を、詳細経過情報メッセージエリア116に表示しているが、この態様に限定されない。
【0057】
図7は、他の構成を有する伝送経路切り換え用GUI画面70の要部レイアウト図である。(a)は伝送経路切り換え中の表示状態図、(b)はトラブル発生時の表示状態図である。(a)において、クライアントエリアオブジェクト113には、図6(b)と同様の、たとえば、現在の状況を文字等(図示の例では“伝送経路切り換え中です.....”)でユーザに告知するための主メッセージエリア114、及び、その他の告知メッセージ(図示の例では“お待ち下さい”)を表示するための予備メッセージエリア115が設けられている他、この例に特有の構成要素として、伝送経路の切り換え進捗具合と、その詳細経過を同時に表示するためのイメージコントロール120(コントロール)が設けられている。
【0058】
イメージコントロール120は、伝送経路を構成する各サイトを模した複数の任意形状(以下「矩形」とする。)オブジェクト120a〜120dを含み、それぞれの矩形オブジェクト120a〜120dの間に配置された矢印記号によって、矩形オブジェクト120a〜120d同士(つまり、伝送経路を構成する各サイト同士)の前後関係が明示されている。
【0059】
今、切り換え対象伝送経路中のサイトを便宜的に“サイトa”、“サイトb”、“サイトc”、“サイトd”の4サイトとし、回線接続の順番を“サイトa”→“サイトb” →“サイトc” →“サイトd”とすると、左端の矩形オブジェクト120aはサイトaを表し、左から二番目の矩形オブジェクト120bはサイトbを表し、左から三番目の矩形オブジェクト120cはサイトcを表し、右端の矩形オブジェクト120dはサイトdを表す。
【0060】
それぞれの矩形オブジェクト120a〜120dの前面には、各サイトを明示する文字列等(図示の例の場合“a”、“b”、“c”、“d”)が表示されており、且つ、それぞれの矩形オブジェクト120a〜120dは、切り換え制御過程における少なくとも四つの状態(切り換え前/切り換え中/切り換え完了/トラブル発生)に対応した表示色(たとえば、切り換え前→白/切り換え中→黄色/切り換え完了→緑/トラブル発生→赤)に変化するようになっている。
【0061】
図面上では“色”を表現できないため、便宜的に、黄色をクロスハッチング、緑色を左下がりハッチング、赤色を黒色で表すことにすると、図7(a)の表示例においては、左側二つの矩形オブジェクト120a、120bが左下がりハッチング(つまり緑色)、左端から三番目の矩形オブジェクト120cがクロスハッチング(つまり黄色)、右端の矩形オブジェクト120dが白色になっている。したがって、オペレータは、現在、サイトaとサイトbが切り換えを完了し、さらに、サイトcが切り換え中であって、サイトdが切り換え待ちであり、且つ、どこにもトラブルが発生していないことを一目で判断することができる。
【0062】
一方、図7(b)の表示例においては、左端から三番目の矩形オブジェクト120cが黒色(つまり赤色)になっている。この赤色はトラブル発生を示す警告色である。したがって、オペレータは、現在、サイトcに何らかのトラブルが発生していることを一目で判断することができる。なお、トラブル発生の告知をより確実に行うために、トラブル発生サイト(図示の例では“サイトc”を示す矩形オブジェクト120c)の警告色(赤色)をブリンクさせたり、同時に警告音を発したり、また、主メッセージエリア114または予備メッセージエリア115の一方もしくはその双方に任意の警告文字を表示させたり、それらをブリンクさせたりしてもよい。
【0063】
このように、ステータスメッセージ画面110のレイアウトや動作については、様々な態様が考えられる。要は、伝送路切り換え中の進捗状況やその詳細情報を、オペレータに対して直感的に与えることができるものであればよい。たとえば、アニメーション画面を使ってもよいし、合成音声等でその状況を告知するようにしてもよい。
【0064】
3.伝送路切り換え中の情報収集
図8は、ステータスメッセージ画面110において、伝送路切り換え中の進捗状況やその詳細情報を得るための通信概念図である。この図において、“HOST”とは、中核サイトに設置されたローカル/リモート監視端末32上のホストプログラム40(図3参照)のことであり、“DC”とは、同ローカル/リモート監視端末32上のデバイスコントローラ37〜39のことである。また、“TS_SW等”とは、伝送切り換え対象サイトのルーティングスイッチ装置やATMルータなどのことである。
【0065】
今、サイトa→サイトb→サイトc・・・・の順番で伝送経路の切り換えを行う場合を考える。HOSTは、まず、切り換え順最初のサイト(サイトa)のTS_SW等に対してそのTS_SW等に対応したDC経由で「切り換え指示」を出力する。そして、その指示を受けたTS_SW等は、切り換え制御を実行し、切り換えを完了するとDC経由でHOSTに「切り換え完了応答」を返す。
【0066】
HOSTは、この応答を受け取ると、ステータスメッセージ画面110の表示を更新する。たとえば、図6(b)のステータスメッセージ画面110であれば、詳細経過情報の表示を更新すると共に、プログレスバーを1段長くする。または、図7(a)のステータスメッセージ画面110であれば、サイトaの矩形オブジェクト120aの表示色を黄色(切り換え中)から緑色(切り換え完了)に変更する。
【0067】
次に、HOSTは、切り換え次順サイト(サイトb)のTS_SW等に対してそのTS_SW等に対応したDC経由で「切り換え指示」を出力する。そして、その指示を受けたTS_SW等は切り換え制御を実行し、切り換えを完了するとDC経由でHOSTに「切り換え完了応答」を返す。
【0068】
HOSTは、この応答を受け取ると、上記と同様にステータスメッセージ画面110の表示を更新する。たとえば、図6(b)のステータスメッセージ画面110であれば、詳細経過情報の表示を更新すると共に、プログレスバーをさらに1段長くする。または、図7(a)のステータスメッセージ画面110であれば、サイトbの矩形オブジェクト120bの表示色を黄色(切り換え中)から緑色(切り換え完了)に変更する。
【0069】
このようにして、HOSTは、伝送経路切り換え対象の各サイトに対して、順次に「切り換え指示」の出力と、それに対する「切り換え完了応答」の受信を繰り返し、最終的に最後のサイトから「切り換え完了応答」を受信すると、たとえば、図6(b)のステータスメッセージ画面110であれば、プログレスバーの長さを100%にし、または、図7(a)のステータスメッセージ画面110であれば、最終サイト(サイトd)の矩形オブジェクト120dの表示色を黄色(切り換え中)から緑色(切り換え完了)に変更し、これらの状態変化を以てオペレータに対して伝送経路切り換えの正常終了を告知する。
【0070】
一方、いずれかのサイトでトラブルが生じた場合、そのサイトのTS_SW等は、上記の「切り換え完了応答」の代わりに、トラブル発生を示す「エラー応答」を返す。
【0071】
図9は、サイトcでトラブルが発生した場合の通信概念図である。この場合、HOSTは、サイトcからの「エラー応答」を受信し、所定のエラーイベントを発生して、たとえば、図6(b)のステータスメッセージ画面110であれば、詳細経過情報の表示を更新すると共に、プログレスバーをその時点の長さで停止する。または、図7(a)のステータスメッセージ画面110であれば、サイトcの矩形オブジェクト120cの表示色を黄色(切り換え中)から赤色(トラブル発生)に変更する。
【0072】
したがって、任意のサイトでトラブルが発生したときは、その状況が即座にステータスメッセージ画面110の表示に反映されるため、オペレータは、遅滞なくその状況(トラブル発生)を知ることができ、迂回回線の構成等、必要な処置を速やかに講じることができる。
【0073】
4.アルゴリズム
図10は、中核サイトに設置されたローカル/リモート監視端末32の動作プログラムの要部フローチャート(伝送経路切り換え制御)を示す図である。このフローチャートを開始すると、まず、切り換えGUI(伝送経路切り換え用GUI画面70;図5参照)を起動し(ステップS11)、当該画面の初期化(ステップS12)などを行った後、伝送経路切り換えイベントの発生の有無を判定する(ステップS13)。
【0074】
“伝送経路切り換えイベント”とは、伝送経路切り換え用GUI画面70(図5参照)のユーザイベント受付領域90(88)、91(88)、92(88)、93(88)、94(88)、95(89)、96(89)、97(89)、98(89)、99(89)に対するユーザ操作、たとえば、ポインティングデバイス装置32iのダブルクリック操作に応答して発生するイベントのことである。伝送経路切り換えイベントが発生していない場合は、次に、伝送経路切り換え用GUI画面70の終了操作(たとえば、同画面70のタイトルバーオブジェクト72の右端に配置された閉じるボタンをクリックする操作)が行われたか否かを判定し(ステップS14)、終了操作が行われていれば、伝送経路切り換え用GUI画面70を閉じて(ステップS15)フローチャートを終了する一方、終了操作が行われていなければ、ステップS13の処理(伝送経路切り換えイベント発生有無の判定)を繰り返す。
【0075】
そして、ステップS13で伝送経路切り換えイベントの発生を判定すると、次に、OKボタンとキャンセルボタン付の確認ダイアログを表示して、本当に伝送経路切り換えを行ってよいか否かをオペレータに問い合わせる(ステップS16)。キャンセルボタンが押されたときは、当該イベントを無視して、ステップS13の処理(伝送経路切り換えイベント発生有無の判定)を繰り返し、OKボタンが押されたときは、たとえば、図6(a)に示すような回線オブジェクト100→100′の移動制御と、図8に示すような通信制御とを含む切り換え制御を開始する(ステップS17)とともに、ステータスメッセージ表示処理を実行する(ステップS18)。
【0076】
図11は、ステータスメッセージ表示処理プログラムのフローチャートである。このフローチャートでは、まず、ステータスメッセージ画面110(図6(b)または図7参照)を表示し(ステップS18a)、次いで、DC経由で各サイトの切り換え経過情報を収集する(ステップS18b)。そして、収集した切り換え経過情報が最後のサイトの切り換え完了を示していれば、図10のフローチャートに戻り、そうでなければ、次に、その切り換え経過情報がエラーを示しているか否かを判定する(ステップS18d)。エラーがなければ正常経過メッセージを生成し(ステップS18e)、エラーがあればエラー表示メッセージを生成し(ステップS18f)、いずれの場合も、それらのメッセージを用いてステータスメッセージ画面110の表示を更新する(ステップS18g)。
【0077】
正常経過メッセージとは、たとえば、図6(b)のステータスメッセージ画面110であれば、“サイト*切り換え中”などの詳細経過情報やプログレスバーの長さ更新情報のことをいう。または、図7(a)のステータスメッセージ画面110であれば、任意サイト(たとえば、サイトc)の矩形オブジェクト120cの表示色を黄色(切り換え中)から緑色(切り換え完了)に変更するための情報のことをいう。
【0078】
また、エラー表示メッセージとは、たとえば、図6(b)のステータスメッセージ画面110であれば、“サイト*にトラブル発生”などの詳細経過情報やプログレスバーの長さ停止情報のことをいう。または、図7(b)のステータスメッセージ画面110であれば、エラーサイト(たとえば、サイトc)の矩形オブジェクト120cの表示色を黄色(切り換え中)から赤色(トラブル発生)に変更するための情報のことをいう。
【0079】
5.まとめ
以上のとおりであるから、本実施の形態においては、以下の効果を奏することができる。
(A)伝送経路切り換え操作の容易化と確実性の向上(伝送経路切り換え用GUI画面70):たとえば、図6(a)に示すように、サイトBで使用されていた第1回線をサイトCに切り換える際には、サイトC直下のユーザイベント受付領域92(88)をダブルクリックするだけでよい。切り換え操作をワンタッチで行うことができ、操作の容易化を図ることができる。加えて、サイトC直下のユーザイベント受付領域92(88)をクリックすると、当初の回線オブジェクト100が消え、新たに当該クリック位置(ユーザイベント受付領域92(88))に回線オブジェクト100′が表示されるが、このような回線オブジェクト100の消滅と回線オブジェクト100′の新規表示は、あたかも、回線構成ポイントが移動した如き感覚でユーザに受け止められるから、操作ミスのない直感性に優れた伝送経路切り換えユーザインターフェースを提供することができる。
【0080】
(B)伝送経路切り換え中のトラブル発生の早期把握(ステータスメッセージ画面110):伝送経路の切り換え中には、その進捗状況と詳細情報を表示するための別画面(ステータスメッセージ画面110)をオープンする。このステータスメッセージ画面110は、伝送経路中の各サイトの動作状態(切り換え前/切り換え中/切り換え完了/トラブル発生)を文字列または図形等で表示するための適切なコントロール、たとえば、主メッセージエリア114や予備メッセージエリア115などのテキストボックスコントロール、プログレスバーコントロール(伝送経路切り換え進捗状況表示用グラフィックオブジェクト117)、あるいは、伝送経路を構成する各サイトを模した複数の任意形状(以下「矩形」とする。)オブジェクト120a〜120dからなるイメージコントロール120を含む。オペレータは、これらのコントロールの表示から、伝送経路中の各サイトの動作状態をタイムロスなく正しく把握することができ、とりわけトラブル発生時の適切な対処を遅滞なくとることができる。
【0081】
なお、本実施の形態の主要な機能は、マイクロコンピュータを含むハードウェアリソースと、OSや各種プログラムなどのソフトウェアリソースとの有機的結合によって機能的に実現されるものであるが、ハードウェアリソースおよびOSは汎用のものを利用できるから、本発明にとって欠くことのできない必須の事項は、実質的に、前記のグラフィカルユーザインターフェース(伝送経路切り換え用GUI画面70/ステータスメッセージ画面110)に集約されているということがいえる。したがって、本発明は、前記グラフィカルユーザインターフェースを実現するためのプログラムのすべてまたはその要部を包含し、さらに、それらのプログラムのすべて又は一部を格納した、フレキシブルディスク、光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体(それ自体が流通経路に乗るものはもちろん、ネットワーク上にあって記録内容だけを提供するものも含む)を包含する。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、一のサイトと二のサイトの間の伝送路を構成する際に、それらのサイトを含む各サイトの動作状態が逐一、ユーザインターフェースに表示される。したがって、仮に、伝送経路中のどこかのサイトでトラブルが発生した場合でも、その状況を速やかに把握することができるから、迂回回線の構成等、所要の対策を遅滞なく講じることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の映像情報ネットワークの概念構成図である。
【図2】リモート端末20〜22及びローカル/リモート監視端末32の概念構成図である。
【図3】アプリケーション構造図である。
【図4】全体ネットワーク構成表示用GUI画面50を示す図である。
【図5】伝送経路切り換え用GUI画面70を示す図である。
【図6】伝送経路の切り換え操作例を示す図である。
【図7】他の構成を有する伝送経路切り換え用GUI画面70の要部レイアウト図である。
【図8】伝送路切り換え中の進捗状況やその詳細情報を得るための通信概念図である。
【図9】サイトcでトラブルが発生した場合の通信概念図である。
【図10】伝送経路切り換え制御のフローチャートを示す図である。
【図11】ステータスメッセージ表示処理のフローチャートを示す図である。
【図12】映像情報伝送ネットワークの概念図である。
【図13】伝送経路切り換えの概念図である。
【符号の説明】
32……ローカル/リモート監視端末(端末、サイト状態監視装置)、32a……CPU(受信手段、生成手段、表示手段)、110……ステータスメッセージ画面(ユーザインターフェース)、116……詳細経過情報メッセージエリア(コントロール)、117……伝送経路切り換え進捗状況表示用グラフィックオブジェクト(コントロール)、120……イメージコントロール(コントロール)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の拠点(本明細書では「サイト」という)からなる映像情報伝送ネットワークに適用するサイト状態監視方法及びサイト状態監視装置に関する。詳しくは、放送素材の生成サイトや放送素材の利用サイト及びその間に含まれる中継サイトに設置された各種機器の動作監視を集中的に行うサイト状態監視方法及びサイト状態監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図12は、テレビジョン放送素材等の映像情報伝送ネットワークを示す概念図である。(a)は、たとえば、契約局や中継車などの放送素材の生成ポイント1と、その生成ポイント1から受け取った放送素材を利用(たとえば、送出のための利用)する放送局などの利用ポイント2とによって構成された、いわゆるPoint to Point型の映像情報伝送ネットワークである。
【0003】
Point to Point型の映像情報伝送ネットワークとしては、たとえば、特許文献1に記載された「テレビ放送システム及び方法」などが知られている。この公知システムは、「大きなTVネットワークが、それ自身の遠隔局(上記の生成ポイント1に相当する。)の機器を制御し、任意の特定の遠隔局のローカルなTV受信地域に向けてローカルに製作された番組を、任意の要求される時刻に、任意の継続時間の間、放送することを可能」(同文献第6頁)とするためのものであり、遠隔局の機器は、コンテスタジオ(TVネットワークの中央放送スタジオのこと。上記の利用ポイント2に相当する。)のオペレータが、そのオペレータの制御コンソール上のキーを押下することによって制御される(同文献同頁)。
【0004】
この公知システムにおいて、遠隔局は複数(1〜N)であり、それぞれの遠隔局は、電話網、衛星データリンク、衛星無線または光通信媒体などの伝送路を介して、適宜にコンテスタジオに接続され、コンテスタジオとの間で通信を行うことができるようになっている(同文献第1図)。
【0005】
コンテスタジオは、遠隔局の監視ユニット(遠隔局TV監視装置;同文献第1図)を備える。この監視ユニットは、任意の遠隔局の全ての機器を遠隔制御し、かつ、監視することができる。また、この監視ユニットは、遠隔局から間欠的に送られてくる動作状況やエラーの報告をハードディスクに記録するとともに紙に印刷する。さらに、コンテスタジオのオペレータは、監視ユニットを用いて、任意の遠隔局のエラー状態を素早く認識し、エラーを修正するために必要な動作をとることができる(同文献第11−12頁)。
【0006】
この公知システムでは、複数の生成ポイント1(遠隔局1〜N)の各々と、利用ポイント2(コンテスタジオ)とが一対一に対応するため、生成ポイント1や利用ポイント2及びそのポイント間の伝送経路中に障害が発生しても、障害の検出や障害の原因特定に特別困難な技術を要しない。
【0007】
これに対して、(b)は、複数のサイト(便宜的にサイトA〜サイトG)からなる映像情報伝送ネットワークである。各サイトは、たとえば、世界各国の主要都市などに配置される。各サイトは、中核サイトからの制御により、放送素材の生成サイトになったり、放送素材の利用サイトになったり、又は、放送素材の中継サイトになったりすることができる。今、サイトFを中核サイトとし、このサイトFからの制御により、サイトAが放送素材の生成サイトとして動作し、サイトDが放送素材の中継サイトとして動作し、サイトGが放送素材の利用サイトとして動作するものと仮定する。
【0008】
このような場合、各サイトに設置された機器 ・・・・ サイト間やサイト内の伝送経路を変更するためのルーティングスイッチ、放送素材の伝送データ量を削減するため圧縮装置(たとえば、MPEGエンコーダ)、その伸張装置(同MPEGデコーダ)、サイト間の伝送プロトコル(たとえば、ATM)に対応したデータ変換装置など ・・・・ がすべて正常に動作していれば、サイトAで生成された放送素材は、支障なく中継サイト(サイトD)を経由してサイトGに伝送される。
【0009】
このように、(b)に示された映像情報伝送ネットワークは、中核サイトからの制御により、各サイトの役割を任意に変更して、あるサイトから他のサイトへの放送素材の伝送経路設定を柔軟且つ臨機応変に行うことができる点で、上記(a)のPoint to Point型よりも優れているが、システムの複雑化を否めず、各サイトや伝送経路途中に障害が発生した場合は、その障害発生箇所や原因の特定に長い時間と困難を伴うという問題点があった。
【0010】
そこで、本件出願人は、先に、このような複数のサイトから構成される映像情報伝送ネットワークに適用して好適な「サイト状態監視方法」を提案している(特願2001−104433号/出願日:平成13年4月3日)。
【0011】
この提案の技術は、ネットワーク上に散在するすべてのサイトをオブジェクトにして表示する第1のグラフィカルユーザインターフェースと、各サイトごとにそのサイトに設けられた機器をオブジェクトにして表示する第2のグラフィカルユーザインターフェースとを用いて、各サイトの状態監視を行うようにしたものであり、詳細には、前記第1のグラフィカルユーザインターフェース及び第2のグラフィカルユーザインターフェースは、各オブジェクトの色または各オブジェクト間を結ぶ線の色をサイト状態もしくは機器状態に応じて変更するというものである。
【0012】
これによれば、中核サイトに設置された端末で、第1のグラフィカルユーザインターフェースと第2のグラフィカルユーザインターフェースとを表示してそれをオペレータが監視し、それらのグラフィカルユーザインターフェース上の各オブジェクトの色または各オブジェクト間を結ぶ線の色を確認することにより、サイト状態もしくは機器状態をリアルタイムに把握することができ、障害の発生検知とその原因特定を速やかに行うことができる。
【0013】
【特許文献1】
特表2002−509665号公報(第6−12頁、第1図)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記提案の技術にあっては、サイト状態もしくは機器状態をビジュアルに表示し、障害の発生検知とその原因特定を速やかに行うことができる点で有益であるが、伝送経路を切り換える際のユーザインターフェースに着目した場合、次の点で改善すべき余地があった。
【0015】
図13(a)は、伝送経路切り換えの概念図である。この図において、サイトAは放送素材の生成サイト、サイトGは放送素材の利用サイト、サイトD、B、Eは中継サイトである。今、実線で結ばれたサイトA、D、Gからなる伝送経路を第1回線と称し、波線で結ばれたサイトA、B、E、Gからなる伝送経路を第2回線と称することにすると、この図においては、中核サイト(たとえば、サイトG)は、各サイトA、B、D、E、Gの機器を遠隔制御して所望の回線(第1回線または第2回線)を選択し、もしくは、ある回線から他の回線へと任意に切り換えることができる。
【0016】
たとえば、第1回線から第2回線に切り換える場合、中核サイトは、サイトA、D、Gの接続を解除した後、サイトA、B、E、Gの接続(第2回線の構成)を行うが、特に、第2回線の構成を行う際に、上流サイトの接続完了報告を待ってから下流サイトの接続を行い、これを順次に繰り返すことによって、最終的に所望回線を構成する。
【0017】
さて、このような伝送切り換えを行う際のユーザインターフェースとしては、たとえば、中核サイトの制御コンソール上に、第1回線から第2回線への切り換えを指示するためのボタンを設けておくことが考えられる。このようにすると、オペレータは、ボタンを操作するだけで、ワンタッチで第1回線から第2回線へと伝送経路を切り換えることができる。
【0018】
しかしながら、複数の中継サイトを経由する回線を構成する場合、まれにではあるが、途中の中継サイトでトラブルが発生することがある。このような場合、トラブルサイト以降の下流側の伝送経路が構成されないため、たとえば、トラブルサイトを迂回した新たな回線を構成するなどのエラー対策を講じなければならないところ、そのためには、トラブルサイトを速やかに特定する何らかのユーザインターフェースが必要になるが、上記の既提案技術では、この点の検討が不十分であり、改善の余地があった。
【0019】
すなわち、図13(b)に示すように、仮にサイトEでトラブルが発生した場合は、ある時間(各サイトA、B、E、Gの接続時間の合計予測時間)を経過してもなおサイトGでサイトAからのデータを受信できない場合に、どこかのサイトにトラブルが発生しているものと推測し、各サイトの動作モニター画面を順次に開いて最終的にトラブルサイト(サイトE)を特定し、迂回回線(たとえば、サイトE′)を選択するが、この方法はきわめて非効率である。“ある時間”待たなければトラブルの発生を知ることができないし、しかも、トラブルサイトに到達するまでの間に無駄な時間(各サイトの動作モニター画面を順次に開いて異常の有無を調べるために必要な時間)を浪費するからである。
【0020】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、伝送経路を切り換える際のトラブル発生点の特定をオペレータが速やかに行い得るようにすることにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一のサイトと二のサイトの間の伝送路を構成する際に、前記一及び二のサイト並びに一のサイトと二のサイトの間に介在する他のサイトの状態を監視するサイト状態監視方法であって、前記各サイトへの機器制御指示に対応して各サイトから順次に返送される応答を文字列または図形で表示することにより、オペレータに視覚化して提示するユーザインターフェースを該オペレータの端末上に表示する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明は、一のサイトと二のサイトの間の伝送路を構成する際に、前記一及び二のサイト並びに一のサイトと二のサイトの間に介在する他のサイトの状態を監視するサイト状態監視装置であって、前記各サイトへの機器制御指示に対応して各サイトから順次に返送される応答を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された応答を文字列または図形で表示するためのユーザインターフェースを生成する生成手段と、前記ユーザインターフェースをオペレータの端末上に表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
好ましくは、本発明は、前記ユーザインターフェースは、任意のサイトでトラブルが発生したときに、通常とは異なる態様で表示を行うコントロールを含むことを特徴とする。
本発明では、一のサイトと二のサイトの間の伝送路を構成する際に、それらのサイトを含む各サイトの動作状態が逐一、ユーザインターフェースに表示される。したがって、仮に、伝送経路中のどこかのサイトでトラブルが発生した場合でも、その状況を速やかに把握することができるから、迂回回線の構成等、所要の対策を遅滞なく講じることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明における様々な細部の特定ないし実例および数値や文字列その他の記号の例示は、本発明の思想を明瞭にするための、あくまでも参考であって、それらのすべてまたは一部によって本発明の思想が限定されないことは明らかである。また、周知の手法、周知の手順、周知のアーキテクチャおよび周知の回路構成等(以下「周知事項」)についてはその細部にわたる説明を避けるが、これも説明を簡潔にするためであって、これら周知事項のすべてまたは一部を意図的に排除するものではない。かかる周知事項は本発明の出願時点で当業者の知り得るところであるので、以下の説明に当然含まれている。
【0023】
1.映像情報伝送ネットワークの概念構成
図1は、映像情報ネットワークの概念構成図である。この構成図は、前出(図12(b))の映像情報伝送ネットワークにおけるいくつかのサイト(便宜例として、サイトA、サイトB、サイトC及びサイトDとする)と、そのサイト間のデータ伝送経路を模式化して示すものである。ここで、サイトAは放送素材の生成サイトであり、サイトDは放送素材の利用サイトである。また、サイトBとサイトCは中継サイトであり、さらに、各サイトをコントロールする中核サイトは、便宜上、サイトDであるものとする。
【0024】
サイトA(放送素材の生成サイト)は、たとえば、現用系/予備系の2系統のベースバンドハイビジョンテレビ放送信号(HDTV−1、HDTV−2)と、同2系統のベースバンド標準テレビジョンテレビ放送信号(SDTV−1、SDTV−2)とを生成し、それぞれを圧縮して一つの信号にマルチプレクスした後、ネットワークの伝送プロトコル(便宜的にATM)に対応したデータ形式に変換して高速ネットワーク回線10に出力するための各種機器を備える。
【0025】
すなわち、図示の例においては、サイトA(放送素材の生成サイト)は、ハイビジョンテレビジョン放送信号用の圧縮装置として機能する2系統のMPEGエンコーダ(略号:HD_ENC_P/HD_ENC_S;末尾の“P”はPrimaryの略で現用系を表し、“S”はSecondaryの略で予備系を表す。以下同様とする。)11、12と、標準テレビジョン放送信号用の圧縮装置として機能する2系統のMPEGエンコーダ(略号:SD_ENC_P/SD_ENC_S)13、14と、2系統のマルチプレクサ(略号:MPX_P/MPX_S)15、16と、プロトコル変換用のネットワークインターフェース装置(略号:NIU)17と、それら各装置間の信号切り換えを行うためのルーティングスイッチ装置(略号:TS_SW)18と、サイト内機器の動作監視(ローカル監視)を行うと共にそのローカル監視情報をインターネット等のネットワーク19を介して中核サイト(サイトD)の出力するローカル監視端末20とを備える。
【0026】
サイトB及びサイトC(放送素材の中継サイト)は、サイトAとサイトDの間の中継点に位置し、少なくとも、伝送データの中継を行うための機器(たとえば、不図示のATMルータなど)を備えると共に、サイト内機器の動作監視(ローカル監視)を行い、そのローカル監視情報をインターネット等のネットワーク19を介して中核サイト(サイトD)に出力するローカル監視端末21、22を備える。
【0027】
サイトD(放送素材の利用サイト)は、最終中継サイト(図ではサイトC)から高速ネットワーク回線23を介して伝送されたデータを受け取り、それをデマルチプレクスして、各々2系統(現用系/予備系)のMPEGハイビジョン放送信号と標準テレビジョン放送信号に分離し、各信号をデコードしてベースバンドのハイビジョン放送信号(HDTV−1、HDTV−2)と標準テレビジョン放送信号(SDTV−1、SDTV−2)を再生するための各種機器を備える。
【0028】
すなわち、図示の例においては、サイトD(放送素材の利用サイト)は、プロトコル変換用のネットワークインターフェース装置(略号:NIU)24と、2系統のデマルチプレクサ(略号:DEMPX_P/DEMPX_S)25、26と、ハイビジョンテレビジョン放送信号用の伸張装置として機能する2系統のMPEGデコーダ(略号:HD_DEC_P/HD_DEC_S)27、28と、標準テレビジョン放送信号用の伸張装置として機能する2系統のMPEGデコーダ(略号:SD_DEC_P/SD_DEC_S)29、30と、それら各装置間の信号切り換えを行うためのルーティングスイッチ装置(略号:TS_SW)31と、サイト内機器の動作監視(ローカル監視)を行うと共に、自サイト以外の他サイトから送られてきたローカル監視情報に基づいてそれら他サイトの動作監視(リモート監視)も行うローカル/リモート監視端末(端末、サイト状態監視装置)32とを備える。
【0029】
図2は、リモート端末20〜22及びローカル/リモート監視端末32の概念構成図である。以下、ローカル/リモート監視端末32で代表して説明する。ローカル/リモート監視端末32は、特に限定しないが、たとえば、IBM PC/AT互換アーキテクチャのコンピュータである。同アーキテクチャのコンピュータにおけるハードウェア構成は、概略的に、CPU(受信手段、生成手段、表示手段)32a、RAM32b、ディスクコントローラ32c、ディスク装置32d、ディスプレイコントローラ32e、ディスプレイ装置32f、キーボードコントローラ32g、キーボード装置32h、ポインティングデバイス装置32i、ネットワーク用インターフェース32j、自サイト内各機器用インターフェース32k、メインバス32m、バスインターフェース32n及び内部バス32pなどを有する。
【0030】
ローカル/リモート監視端末32は、ディスク装置32dにあらかじめ格納されたオペレーティングシステムや各種のアプリケーションプログラムなどのソフトウェアリソースを、RAM32bにロードしてCPU32aで実行することにより、そのソフトウェアリソースと上記の各ハードウェアリソースとの有機的結合によって様々な処理機能を実現する。
【0031】
機能の一つは、自サイト及び他サイトに設置された各機器の状態監視を行う機能である。すなわち、ローカル/リモート監視端末32は、当該機能により、
▲1▼ 自サイト内各機器用インターフェース32kを介して自サイトの各機器(NIU24、DEMPX_P25、DEMPX_S26、HD_DEC_P27、HD_DEC_S28、SD_DEC_P29、SD_DEC_S30、TS_SW31など)の動作制御、及び、動作情報の収集、並びに、それらの自サイト機器の状態監視を行うことができると共に、
▲2▼ ネットワーク用インターフェース32jを介して他サイトのローカル監視端末20と他サイトの各機器(たとえば、放送素材の生成サイトであるサイトAのHD_ENC_P11、HD_ENC_S12、SD_ENC_P13、SD_ENC_S14、MPX_P15、MPX_S16、NIU17、TS_SW18や、放送素材の中継サイトであるサイトB、Cの伝送データ中継機器など)の動作制御、及び、動作情報の収集、並びに、それらの他サイト機器の状態監視を行うことができるものであり、且つ、
▲3▼ 上記の動作制御、動作情報の収集、及び、状態監視の各機能を実現するためのユーザインターフェース、たとえば、図4の全体ネットワーク構成表示用GUI画面50及び図5の伝送経路切り換え用GUI画面70並びに図6(b)のステータスメッセージ画面110参照)をディスプレイ装置32fに表示することができるものである。
【0032】
図3は、中核サイト(サイトD)に設置されたローカル/リモート監視端末32と、放送素材の生成サイト(サイトA)や放送素材の中継サイト(サイトB、サイトC)に設置されたそれぞれのローカル監視端末20、21、22のアプリケーション構造図である。ローカル/リモート監視端末32は、自サイト及び他サイト内の各機器32〜36(サイトDにあってはNIU24、DEMPX_P25、DEMPX_S26、HD_DEC_P27、HD_DEC_S28、SD_DEC_P29、SD_DEC_S30、TS_SW31など、サイトAにあってはHD_ENC_P11、HD_ENC_S12、SD_ENC_P13、SD_ENC_S14、MPX_P15、MPX_S16、NIU17、TS_SW18など、サイトBやサイトCにあっては伝送データ中継機器など)に対応した複数のデバイスコントローラ37〜39と、それらのデバイスコントローラ37〜39を制御して自サイト内及び他サイト内各機器32〜36の動作状態の情報を収集すると共に、その収集情報を他サイトのローカル監視端末(たとえば、サイトAのローカル監視端末20など)に配信するホストプログラム40と、ホストプログラム40で収集した情報をビジュアルに表示するグラフィカルユーザインターフェース部41とを有する。
【0033】
放送素材の生成サイト(図示の例ではサイトA)のローカル監視端末20は、ローカル/リモート監視端末32から配信された情報を受け取るホストプログラム42と、その配信情報をビジュアルに表示するグラフィカルユーザインターフェース部43とを有する。また、放送素材の中継サイト(図示の例ではサイトBやサイトC)に設置されたローカル監視端末21、22も、放送素材の生成サイト(図示の例ではサイトA)のローカル監視端末20と同様の構成、すなわち、ローカル/リモート監視端末32から配信された情報を受け取るホストプログラム42と、その配信情報をビジュアルに表示するグラフィカルユーザインターフェース部43とを有する。
【0034】
ローカル/リモート監視端末32のデバイスコントローラ37〜39と他サイト(図ではサイトA)の各機器35、36との間の通信は、たとえば、IETF(Internet Engineering Task Force)で標準化されたTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)ネットワーク環境での管理プロトコルの一つであるSNMP(Simple Network Management Protocol)によって行う。
【0035】
SNMP部44は、上記SNMPの「SNMPマネージャ」として機能するものである。SNMP部44は、他サイト内各機器35、36に実装された「SNMPエージェント」からのSNMP−TRAPを受付けてデバイスコントローラ37〜39に通知し、この通知を受けたデバイスコントローラ37〜39は、SNMP−TRAP発生元の機器との間でMIB(Management Information Base)と呼ばれる管理情報を交換し、当該機器の動作情報を収集する。SNMP部44は、ホストプログラム40の一機能(ホストプログラム40の実装機能)であってもよいが、ホストプログラム40の負荷を軽減する点で、図示のようにホストプログラム40から分離独立させておく方が好ましい。
【0036】
2.ユーザインターフェースの構成
<全体ネットワーク構成表示用GUI画面>
図4は、ローカル/リモート監視端末32のディスプレイ装置32fに表示されるGUI(グラフィカルユーザインターフェース)画面を示す図である。図示のGUI画面は、グラフィカルユーザインターフェース部41によって提供されるいくつかのGUI画面のうちの一つ(以下「全体ネットワーク構成表示用GUI画面50」という)である。この全体ネットワーク構成表示用GUI画面50は、縦横固定サイズ又は可変サイズのウィンドウオブジェクト51の上端にタイトルバーオブジェクト52を配置すると共に、タイトルバーオブジェクト52の下にクライアントエリアオブジェクト53を配置した一般的なウィンドウレイアウト構成を有している。
【0037】
クライアントエリアオブジェクト53は、監視対象伝送ネットワークの全体構成をビジュアルに表示するための領域として用いられる。すなわち、このクライアントエリアオブジェクト53は、監視対象伝送ネットワークを構成するすべてのサイトを表す図形(矩形オブジェクト54〜58)を適当な場所に配置し、且つ、各々の矩形オブジェクト54〜58の間をデータ伝送経路を表す直線オブジェクト59〜69で接続することにより、監視対象伝送ネットワークの実際の構成を模式化して表示する。たとえば、左端の矩形オブジェクト54は“サイトA”を表し、左から2番目の矩形オブジェクト55は“サイトB”を表し、中央の矩形オブジェクト56は“サイトC”を表し、右から2番目の矩形オブジェクト57は“サイトD”を表し、右端の矩形オブジェクト58は“サイトE”を表している。
【0038】
また、左端の矩形オブジェクト54と左から2番目の矩形オブジェクト55との間が2本の直線オブジェクト59、60で接続されており、これにより、サイトA−B間が2系統のデータ伝送経路で接続されていることを表している。同様に、左から2番目の矩形オブジェクト55と中央の矩形オブジェクト56との間が2本の直線オブジェクト61、62で接続されており、これにより、サイトB−C間が2系統のデータ伝送経路で接続されていることを表し、中央の矩形オブジェクト56と右から2番目の矩形オブジェクト57との間が3本の直線オブジェクト63〜65で接続されており、これにより、サイトC−D間が3系統のデータ伝送経路で接続されていることを表し、右から2番目の矩形オブジェクト57と右端の矩形オブジェクト58との間が4本の直線オブジェクト66〜69で接続されており、これにより、サイトD−E間が4系統のデータ伝送経路で接続されていることを表している。なお、以上のサイト間接続レイアウトに特段の意味はない。説明の便宜のための一例に過ぎない。
【0039】
<伝送経路切り換え用GUI画面>
図5は、ローカル/リモート監視端末32のディスプレイ装置32fに表示されるGUI(グラフィカルユーザインターフェース)画面を示す図である。図示のGUI画面は、グラフィカルユーザインターフェース部41によって提供されるいくつかのGUI画面のうちの他の一つ(以下「伝送経路切り換え用GUI画面70」という)である。この伝送経路切り換え用GUI画面70は、縦横固定サイズ又は可変サイズのウィンドウオブジェクト71の上端にタイトルバーオブジェクト72を配置すると共に、タイトルバーオブジェクト72の下にクライアントエリアオブジェクト73を配置した一般的なウィンドウレイアウト構成を有している。
【0040】
クライアントエリアオブジェクト73は、伝送路の“現況構成表示”兼“切り換え制御”パネルとして用いられるものであり、特に、現況構成の確認と切り換え操作を“直感的”に行うことができるようにそのデザインに工夫が凝らされているものである。
【0041】
すなわち、このクライアントエリアオブジェクト73は、監視対象伝送ネットワークを構成するすべてのサイト(便宜的にサイトA〜サイトE)を表す文字オブジェクトまたは任意形状の図形オブジェクト(以下、サイトオブジェクト74〜78という。)を上端付近(または下端付近でもよい)に横一列に並べて配置すると共に、構成可能な全ての回線名(便宜的に第1回線と第2回線)を表す文字オブジェクトまたは任意形状の図形オブジェクト(以下、回線名オブジェクト79、80という。)を左端付近(または右端付近でもよい)に縦に並べて配置し、さらに、利用可能な信号種別(便宜的にHD:ハイビジョンテレビ放送信号とSD:標準テレビジョンテレビ放送信号)を表す文字オブジェクトまたは任意形状の図形オブジェクト(以下、信号種別オブジェクト81、82という。)を右端付近(または左端付近でもよい)に縦に並べて配置する。
【0042】
サイトオブジェクト74〜78の各々からは、個別の縦線オブジェクト83〜87が引き出されており、また、回線名オブジェクト79、80の各々と信号種別オブジェクト81、82の各々との間には、個別の横線オブジェクト88、89が引かれている。
【0043】
そして、縦線オブジェクト83〜87と横線オブジェクト88、89との各交差点には、ユーザイベント受付領域90(88)、91(88)、92(88)、93(88)、94(88)、95(89)、96(89)、97(89)、98(89)、99(89)が設けられており、これらの領域に対するユーザ操作、たとえば、ポインティングデバイス装置32iのダブルクリック操作に応答して、所定のイベント(以下「伝送経路切り換えイベント」という。)を発生するようになっている。なお、各領域符号の括弧付き添え字内の数字は、その領域上の横線オブジェクトの符号を表している。たとえば、ユーザイベント受付領域90(88)、91(88)、92(88)、93(88)、94(88)は、いずれも上段の横線オブジェクト88の上に設定されたものものであり、また、ユーザイベント受付領域95(89)、96(89)、97(89)、98(89)、99(89)は、いずれも下段の横線オブジェクト89の上に設定されたものものである。
【0044】
ユーザイベント受付領域90(88)、91(88)、92(88)、93(88)、94(88)、95(89)、96(89)、97(89)、98(89)、99(89)の一つをクリックすると、伝送経路切り換えイベントが発生する。そして、そのイベントに応答して、伝送経路の切り換え制御(図10参照)が実行されると共に、当該クリック位置の交差点に回線構成を示す所定形状(図では円形)の図形オブジェクト(以下、回線構成オブジェクト100、101という。)が表示される。
【0045】
図6(a)は、伝送経路の切り換え操作例を示す図である。ここでは、便宜的にサイトBで使用されていた第1回線をサイトCに切り換える時の様子を例示している。この例において、切り換え操作前は、サイトB直下の交差点に回線オブジェクト100が表示されているが、切り換え先のサイトC直下のユーザイベント受付領域92(88)をクリックすることにより、当初の回線オブジェクト100が消え、新たに当該ユーザイベント受付領域92(88)に回線オブジェクト100′が表示される。かかる回線オブジェクト100の消滅と回線オブジェクト100′の新規表示は、あたかも、回線構成ポイントが移動した如き感覚でユーザに受け止められるから、直感性に優れた伝送経路切り換えユーザインターフェースを提供することができる。
【0046】
さて、先にも説明したとおり、とりわけ複数の中継サイトを経由した伝送経路を構成する場合、途中のサイトでトラブルが発生することがある。このため、トラブルの早期発見と対策(迂回経路の構築等)は重要である。この点において、上記の「伝送経路切り換えユーザインターフェース(伝送経路切り換え用GUI画面70)」だけでは不十分である。伝送経路を切り換えている最中の状況表示(特にトラブル表示)がまったく考慮されていないからである。
【0047】
そこで、本実施の形態では、伝送経路を切り換えている最中、以下にその詳細を説明する別画面(以下「ステータスメッセージ画面」という。)を表示する。
【0048】
<ステータスメッセージ画面>
図6(b)は、ローカル/リモート監視端末32のディスプレイ装置32fに表示されるステータスメッセージ画面110(ユーザインターフェース)を示す図である。図示のステータスメッセージ画面110は、グラフィカルユーザインターフェース部41によって提供されるいくつかのGUI画面のうちのさらに他の一つである。ステータスメッセージ画面110は、縦横固定サイズのウィンドウオブジェクト111の上端にタイトルバーオブジェクト112を配置すると共に、タイトルバーオブジェクト112の下にクライアントエリアオブジェクト113を配置したウィンドウレイアウト構成を有している。
【0049】
ウィンドウオブジェクト111には作業固定属性(またはポップアップ属性)が設定されており、ステータスメッセージ画面110を表示中、他の画面(たとえば、伝送経路切り換え用GUI画面70等)を選択できないように(つまり、フォーカスを移動できないように)なっている。これは、伝送経路を切り換えている最中に、誤って他の伝送経路の切り換え操作を行わないようにするための安全対策である。
【0050】
クライアントエリアオブジェクト113には、たとえば、現在の状況を文字等(図示の例では“伝送経路切り換え中です.....”)でユーザに告知するための主メッセージエリア114、その他の告知メッセージ(図示の例では“お待ち下さい”)を表示するための予備メッセージエリア115、切り換え中の詳細経過情報(図示の例では“サイト*切り換え中”;*はサイト記号A、B、C、・・・・を示す。)を文字等で告知する詳細経過情報メッセージエリア116(コントロール)、及び、伝送経路切り換え進捗状況表示用グラフィックオブジェクト(図ではプログレスバーコントロール)117(コントロール)などが適当にレイアウトされている。
【0051】
なお、“プログレスバーコントロール”とは、棒グラフのような外観を有する汎用のコントロール部品である。棒のことをプログレスバーまたは単にバーという。バーの長さはプログラムで逐一制御できる。たとえば、図示の例に用いられているプログレスバーコントロールは、そのバー117aの長さを最小値(0%)から最大値(100%)までの間で任意に変化させることができる。具体的には、切り換え対象伝送経路中のサイト数を分母、切り換え完了サイト数を分子とする100分率表示でバー117aの長さを可変表示する。
【0052】
今、切り換え対象伝送経路中のサイト数を便宜的に“5”とするとき、切り換え制御開始直後では、切り換え完了サイト数が“0”であるから、バー117aの長さは最小(0%)であるが、切り換え完了サイト数が“1”になると、バー117aの長さは“1/5×100〔%〕”(=20%)となり、切り換え完了サイト数が“2”になると、バー117aの長さは“2/5×100〔%〕”(=40%)となる。さらに、切り換え完了サイト数が“3”になると、バー117aの長さは“3/5×100〔%〕”(=60%)となり、切り換え完了サイト数が“4”になると、バー117aの長さは“4/5×100〔%〕”(=80%)となり、最終的に、切り換え完了サイト数が“5”になると、バー117aの長さは“5/5×100〔%〕”(=100%)となる。したがって、かかる「伝送経路切り換え進捗状況表示用グラフィックオブジェクト117」を一瞥するだけで、伝送経路の切り換え進捗具合を直感的に把握することができる。
【0053】
さて、伝送経路を切り換えている最中に、途中のどこかのサイトでトラブルが発生した場合、プログレスバーコントロール(伝送経路切り換え進捗状況表示用グラフィックオブジェクト117)のバー117aは、その時点の長さを保持して停止するため、この「バー117aの長さ変化の停止」状態を以てトラブルの発生を知ることも可能であるが、確実さに欠けるきらいがある。バー117aの長さは、上記例示の場合、0%→20%→40%→60%→80%→100%と段階的に変化するため、非トラブル発生時でも各段階で多少の停止状態を生じ、この停止状態(切り換え制御中の正当な停止状態)と、トラブルに伴う停止状態とを正確に区別できないからである。
【0054】
そこで、本実施の形態においては、オペレータに対して積極的にトラブルの発生を告知するために、たとえば、予備メッセージエリア115に“トラブルが発生しました!”などのメッセージを表示する。なお、そのメッセージをブリンク(点滅)させたり、警告色で表示したり、警告音を発したりすれば、なお確実な告知を行うことができるので望ましい。
【0055】
かかるトラブル発生時において、詳細経過情報メッセージエリア116には、その時点の詳細情報、たとえば、“サイトA切り換え中”などのメッセージが表示されている、したがって、本実施の形態のステータスメッセージ画面110によれば、上記の告知メッセージ(“サイトA切り換え中”)から、どのサイト(この場合はサイトA)でトラブルが発生しているのかを正しく知ることができる。
【0056】
なお、上記の説明では、プログレスバー(伝送経路切り換え進捗状況表示用グラフィックオブジェクト117)を用いて伝送経路切り替えの進捗状況を表示すると共に、その詳細経過情報を、詳細経過情報メッセージエリア116に表示しているが、この態様に限定されない。
【0057】
図7は、他の構成を有する伝送経路切り換え用GUI画面70の要部レイアウト図である。(a)は伝送経路切り換え中の表示状態図、(b)はトラブル発生時の表示状態図である。(a)において、クライアントエリアオブジェクト113には、図6(b)と同様の、たとえば、現在の状況を文字等(図示の例では“伝送経路切り換え中です.....”)でユーザに告知するための主メッセージエリア114、及び、その他の告知メッセージ(図示の例では“お待ち下さい”)を表示するための予備メッセージエリア115が設けられている他、この例に特有の構成要素として、伝送経路の切り換え進捗具合と、その詳細経過を同時に表示するためのイメージコントロール120(コントロール)が設けられている。
【0058】
イメージコントロール120は、伝送経路を構成する各サイトを模した複数の任意形状(以下「矩形」とする。)オブジェクト120a〜120dを含み、それぞれの矩形オブジェクト120a〜120dの間に配置された矢印記号によって、矩形オブジェクト120a〜120d同士(つまり、伝送経路を構成する各サイト同士)の前後関係が明示されている。
【0059】
今、切り換え対象伝送経路中のサイトを便宜的に“サイトa”、“サイトb”、“サイトc”、“サイトd”の4サイトとし、回線接続の順番を“サイトa”→“サイトb” →“サイトc” →“サイトd”とすると、左端の矩形オブジェクト120aはサイトaを表し、左から二番目の矩形オブジェクト120bはサイトbを表し、左から三番目の矩形オブジェクト120cはサイトcを表し、右端の矩形オブジェクト120dはサイトdを表す。
【0060】
それぞれの矩形オブジェクト120a〜120dの前面には、各サイトを明示する文字列等(図示の例の場合“a”、“b”、“c”、“d”)が表示されており、且つ、それぞれの矩形オブジェクト120a〜120dは、切り換え制御過程における少なくとも四つの状態(切り換え前/切り換え中/切り換え完了/トラブル発生)に対応した表示色(たとえば、切り換え前→白/切り換え中→黄色/切り換え完了→緑/トラブル発生→赤)に変化するようになっている。
【0061】
図面上では“色”を表現できないため、便宜的に、黄色をクロスハッチング、緑色を左下がりハッチング、赤色を黒色で表すことにすると、図7(a)の表示例においては、左側二つの矩形オブジェクト120a、120bが左下がりハッチング(つまり緑色)、左端から三番目の矩形オブジェクト120cがクロスハッチング(つまり黄色)、右端の矩形オブジェクト120dが白色になっている。したがって、オペレータは、現在、サイトaとサイトbが切り換えを完了し、さらに、サイトcが切り換え中であって、サイトdが切り換え待ちであり、且つ、どこにもトラブルが発生していないことを一目で判断することができる。
【0062】
一方、図7(b)の表示例においては、左端から三番目の矩形オブジェクト120cが黒色(つまり赤色)になっている。この赤色はトラブル発生を示す警告色である。したがって、オペレータは、現在、サイトcに何らかのトラブルが発生していることを一目で判断することができる。なお、トラブル発生の告知をより確実に行うために、トラブル発生サイト(図示の例では“サイトc”を示す矩形オブジェクト120c)の警告色(赤色)をブリンクさせたり、同時に警告音を発したり、また、主メッセージエリア114または予備メッセージエリア115の一方もしくはその双方に任意の警告文字を表示させたり、それらをブリンクさせたりしてもよい。
【0063】
このように、ステータスメッセージ画面110のレイアウトや動作については、様々な態様が考えられる。要は、伝送路切り換え中の進捗状況やその詳細情報を、オペレータに対して直感的に与えることができるものであればよい。たとえば、アニメーション画面を使ってもよいし、合成音声等でその状況を告知するようにしてもよい。
【0064】
3.伝送路切り換え中の情報収集
図8は、ステータスメッセージ画面110において、伝送路切り換え中の進捗状況やその詳細情報を得るための通信概念図である。この図において、“HOST”とは、中核サイトに設置されたローカル/リモート監視端末32上のホストプログラム40(図3参照)のことであり、“DC”とは、同ローカル/リモート監視端末32上のデバイスコントローラ37〜39のことである。また、“TS_SW等”とは、伝送切り換え対象サイトのルーティングスイッチ装置やATMルータなどのことである。
【0065】
今、サイトa→サイトb→サイトc・・・・の順番で伝送経路の切り換えを行う場合を考える。HOSTは、まず、切り換え順最初のサイト(サイトa)のTS_SW等に対してそのTS_SW等に対応したDC経由で「切り換え指示」を出力する。そして、その指示を受けたTS_SW等は、切り換え制御を実行し、切り換えを完了するとDC経由でHOSTに「切り換え完了応答」を返す。
【0066】
HOSTは、この応答を受け取ると、ステータスメッセージ画面110の表示を更新する。たとえば、図6(b)のステータスメッセージ画面110であれば、詳細経過情報の表示を更新すると共に、プログレスバーを1段長くする。または、図7(a)のステータスメッセージ画面110であれば、サイトaの矩形オブジェクト120aの表示色を黄色(切り換え中)から緑色(切り換え完了)に変更する。
【0067】
次に、HOSTは、切り換え次順サイト(サイトb)のTS_SW等に対してそのTS_SW等に対応したDC経由で「切り換え指示」を出力する。そして、その指示を受けたTS_SW等は切り換え制御を実行し、切り換えを完了するとDC経由でHOSTに「切り換え完了応答」を返す。
【0068】
HOSTは、この応答を受け取ると、上記と同様にステータスメッセージ画面110の表示を更新する。たとえば、図6(b)のステータスメッセージ画面110であれば、詳細経過情報の表示を更新すると共に、プログレスバーをさらに1段長くする。または、図7(a)のステータスメッセージ画面110であれば、サイトbの矩形オブジェクト120bの表示色を黄色(切り換え中)から緑色(切り換え完了)に変更する。
【0069】
このようにして、HOSTは、伝送経路切り換え対象の各サイトに対して、順次に「切り換え指示」の出力と、それに対する「切り換え完了応答」の受信を繰り返し、最終的に最後のサイトから「切り換え完了応答」を受信すると、たとえば、図6(b)のステータスメッセージ画面110であれば、プログレスバーの長さを100%にし、または、図7(a)のステータスメッセージ画面110であれば、最終サイト(サイトd)の矩形オブジェクト120dの表示色を黄色(切り換え中)から緑色(切り換え完了)に変更し、これらの状態変化を以てオペレータに対して伝送経路切り換えの正常終了を告知する。
【0070】
一方、いずれかのサイトでトラブルが生じた場合、そのサイトのTS_SW等は、上記の「切り換え完了応答」の代わりに、トラブル発生を示す「エラー応答」を返す。
【0071】
図9は、サイトcでトラブルが発生した場合の通信概念図である。この場合、HOSTは、サイトcからの「エラー応答」を受信し、所定のエラーイベントを発生して、たとえば、図6(b)のステータスメッセージ画面110であれば、詳細経過情報の表示を更新すると共に、プログレスバーをその時点の長さで停止する。または、図7(a)のステータスメッセージ画面110であれば、サイトcの矩形オブジェクト120cの表示色を黄色(切り換え中)から赤色(トラブル発生)に変更する。
【0072】
したがって、任意のサイトでトラブルが発生したときは、その状況が即座にステータスメッセージ画面110の表示に反映されるため、オペレータは、遅滞なくその状況(トラブル発生)を知ることができ、迂回回線の構成等、必要な処置を速やかに講じることができる。
【0073】
4.アルゴリズム
図10は、中核サイトに設置されたローカル/リモート監視端末32の動作プログラムの要部フローチャート(伝送経路切り換え制御)を示す図である。このフローチャートを開始すると、まず、切り換えGUI(伝送経路切り換え用GUI画面70;図5参照)を起動し(ステップS11)、当該画面の初期化(ステップS12)などを行った後、伝送経路切り換えイベントの発生の有無を判定する(ステップS13)。
【0074】
“伝送経路切り換えイベント”とは、伝送経路切り換え用GUI画面70(図5参照)のユーザイベント受付領域90(88)、91(88)、92(88)、93(88)、94(88)、95(89)、96(89)、97(89)、98(89)、99(89)に対するユーザ操作、たとえば、ポインティングデバイス装置32iのダブルクリック操作に応答して発生するイベントのことである。伝送経路切り換えイベントが発生していない場合は、次に、伝送経路切り換え用GUI画面70の終了操作(たとえば、同画面70のタイトルバーオブジェクト72の右端に配置された閉じるボタンをクリックする操作)が行われたか否かを判定し(ステップS14)、終了操作が行われていれば、伝送経路切り換え用GUI画面70を閉じて(ステップS15)フローチャートを終了する一方、終了操作が行われていなければ、ステップS13の処理(伝送経路切り換えイベント発生有無の判定)を繰り返す。
【0075】
そして、ステップS13で伝送経路切り換えイベントの発生を判定すると、次に、OKボタンとキャンセルボタン付の確認ダイアログを表示して、本当に伝送経路切り換えを行ってよいか否かをオペレータに問い合わせる(ステップS16)。キャンセルボタンが押されたときは、当該イベントを無視して、ステップS13の処理(伝送経路切り換えイベント発生有無の判定)を繰り返し、OKボタンが押されたときは、たとえば、図6(a)に示すような回線オブジェクト100→100′の移動制御と、図8に示すような通信制御とを含む切り換え制御を開始する(ステップS17)とともに、ステータスメッセージ表示処理を実行する(ステップS18)。
【0076】
図11は、ステータスメッセージ表示処理プログラムのフローチャートである。このフローチャートでは、まず、ステータスメッセージ画面110(図6(b)または図7参照)を表示し(ステップS18a)、次いで、DC経由で各サイトの切り換え経過情報を収集する(ステップS18b)。そして、収集した切り換え経過情報が最後のサイトの切り換え完了を示していれば、図10のフローチャートに戻り、そうでなければ、次に、その切り換え経過情報がエラーを示しているか否かを判定する(ステップS18d)。エラーがなければ正常経過メッセージを生成し(ステップS18e)、エラーがあればエラー表示メッセージを生成し(ステップS18f)、いずれの場合も、それらのメッセージを用いてステータスメッセージ画面110の表示を更新する(ステップS18g)。
【0077】
正常経過メッセージとは、たとえば、図6(b)のステータスメッセージ画面110であれば、“サイト*切り換え中”などの詳細経過情報やプログレスバーの長さ更新情報のことをいう。または、図7(a)のステータスメッセージ画面110であれば、任意サイト(たとえば、サイトc)の矩形オブジェクト120cの表示色を黄色(切り換え中)から緑色(切り換え完了)に変更するための情報のことをいう。
【0078】
また、エラー表示メッセージとは、たとえば、図6(b)のステータスメッセージ画面110であれば、“サイト*にトラブル発生”などの詳細経過情報やプログレスバーの長さ停止情報のことをいう。または、図7(b)のステータスメッセージ画面110であれば、エラーサイト(たとえば、サイトc)の矩形オブジェクト120cの表示色を黄色(切り換え中)から赤色(トラブル発生)に変更するための情報のことをいう。
【0079】
5.まとめ
以上のとおりであるから、本実施の形態においては、以下の効果を奏することができる。
(A)伝送経路切り換え操作の容易化と確実性の向上(伝送経路切り換え用GUI画面70):たとえば、図6(a)に示すように、サイトBで使用されていた第1回線をサイトCに切り換える際には、サイトC直下のユーザイベント受付領域92(88)をダブルクリックするだけでよい。切り換え操作をワンタッチで行うことができ、操作の容易化を図ることができる。加えて、サイトC直下のユーザイベント受付領域92(88)をクリックすると、当初の回線オブジェクト100が消え、新たに当該クリック位置(ユーザイベント受付領域92(88))に回線オブジェクト100′が表示されるが、このような回線オブジェクト100の消滅と回線オブジェクト100′の新規表示は、あたかも、回線構成ポイントが移動した如き感覚でユーザに受け止められるから、操作ミスのない直感性に優れた伝送経路切り換えユーザインターフェースを提供することができる。
【0080】
(B)伝送経路切り換え中のトラブル発生の早期把握(ステータスメッセージ画面110):伝送経路の切り換え中には、その進捗状況と詳細情報を表示するための別画面(ステータスメッセージ画面110)をオープンする。このステータスメッセージ画面110は、伝送経路中の各サイトの動作状態(切り換え前/切り換え中/切り換え完了/トラブル発生)を文字列または図形等で表示するための適切なコントロール、たとえば、主メッセージエリア114や予備メッセージエリア115などのテキストボックスコントロール、プログレスバーコントロール(伝送経路切り換え進捗状況表示用グラフィックオブジェクト117)、あるいは、伝送経路を構成する各サイトを模した複数の任意形状(以下「矩形」とする。)オブジェクト120a〜120dからなるイメージコントロール120を含む。オペレータは、これらのコントロールの表示から、伝送経路中の各サイトの動作状態をタイムロスなく正しく把握することができ、とりわけトラブル発生時の適切な対処を遅滞なくとることができる。
【0081】
なお、本実施の形態の主要な機能は、マイクロコンピュータを含むハードウェアリソースと、OSや各種プログラムなどのソフトウェアリソースとの有機的結合によって機能的に実現されるものであるが、ハードウェアリソースおよびOSは汎用のものを利用できるから、本発明にとって欠くことのできない必須の事項は、実質的に、前記のグラフィカルユーザインターフェース(伝送経路切り換え用GUI画面70/ステータスメッセージ画面110)に集約されているということがいえる。したがって、本発明は、前記グラフィカルユーザインターフェースを実現するためのプログラムのすべてまたはその要部を包含し、さらに、それらのプログラムのすべて又は一部を格納した、フレキシブルディスク、光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体(それ自体が流通経路に乗るものはもちろん、ネットワーク上にあって記録内容だけを提供するものも含む)を包含する。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、一のサイトと二のサイトの間の伝送路を構成する際に、それらのサイトを含む各サイトの動作状態が逐一、ユーザインターフェースに表示される。したがって、仮に、伝送経路中のどこかのサイトでトラブルが発生した場合でも、その状況を速やかに把握することができるから、迂回回線の構成等、所要の対策を遅滞なく講じることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の映像情報ネットワークの概念構成図である。
【図2】リモート端末20〜22及びローカル/リモート監視端末32の概念構成図である。
【図3】アプリケーション構造図である。
【図4】全体ネットワーク構成表示用GUI画面50を示す図である。
【図5】伝送経路切り換え用GUI画面70を示す図である。
【図6】伝送経路の切り換え操作例を示す図である。
【図7】他の構成を有する伝送経路切り換え用GUI画面70の要部レイアウト図である。
【図8】伝送路切り換え中の進捗状況やその詳細情報を得るための通信概念図である。
【図9】サイトcでトラブルが発生した場合の通信概念図である。
【図10】伝送経路切り換え制御のフローチャートを示す図である。
【図11】ステータスメッセージ表示処理のフローチャートを示す図である。
【図12】映像情報伝送ネットワークの概念図である。
【図13】伝送経路切り換えの概念図である。
【符号の説明】
32……ローカル/リモート監視端末(端末、サイト状態監視装置)、32a……CPU(受信手段、生成手段、表示手段)、110……ステータスメッセージ画面(ユーザインターフェース)、116……詳細経過情報メッセージエリア(コントロール)、117……伝送経路切り換え進捗状況表示用グラフィックオブジェクト(コントロール)、120……イメージコントロール(コントロール)。
Claims (6)
- 一のサイトと二のサイトの間の伝送路を構成する際に、前記一及び二のサイト並びに一のサイトと二のサイトの間に介在する他のサイトの状態を監視するサイト状態監視方法であって、
前記各サイトへの機器制御指示に対応して各サイトから順次に返送される応答を文字列または図形で表示することにより、オペレータに視覚化して提示するユーザインターフェースを該オペレータの端末上に表示する工程を含むことを特徴とするサイト状態監視方法。 - 前記ユーザインターフェースは、任意のサイトでトラブルが発生したときに、通常とは異なる態様で表示を行うコントロールを含むことを特徴とする請求項1記載のサイト状態監視方法。
- 一のサイトと二のサイトの間の伝送路を構成する際に、前記一及び二のサイト並びに一のサイトと二のサイトの間に介在する他のサイトの状態を監視するサイト状態監視装置であって、
前記各サイトへの機器制御指示に対応して各サイトから順次に返送される応答を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された応答を文字列または図形で表示するためのユーザインターフェースを生成する生成手段と、
前記ユーザインターフェースをオペレータの端末上に表示する表示手段とを備えたことを特徴とするサイト状態監視装置。 - 前記ユーザインターフェースは、任意のサイトでトラブルが発生したときに、通常とは異なる態様で表示を行うコントロールを含むことを特徴とする請求項3記載のサイト状態監視装置。
- 伝送路切り換えイベントに応答させて伝送経路切り換え制御中のステータスメッセージ画面をオペレータの端末上に表示し、該ステータスメッセージ画面は、伝送路切り換え中に、該伝送路を構成する各サイトの動作状態を逐次に表示するコントロールを含み、該コントロールは、少なくとも、任意のサイトの動作状態がトラブルを示しているときに、通常とは異なる態様で表示を行うものであることを特徴とするサイト状態監視方法。
- 前記伝送路切り換えイベントを発生させるための伝送経路切り換え用GUI画面をオペレータの端末上に表示し、該伝送経路切り換え用GUI画面は、各サイトを表す文字列または図形と、回線を表す文字列または図形との間を縦線及び横線オブジェクトで結び、これらの線オブジェクトの交差点に対するオペレータ操作に応答させて前記伝送路切り換えイベントを発生させることを特徴とする請求項5記載のサイト状態監視方法。
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JP2003120552A JP2004328402A (ja) | 2003-04-24 | 2003-04-24 | サイト状態監視方法及びサイト状態監視装置 |
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WO2016147855A1 (ja) * | 2015-03-18 | 2016-09-22 | 株式会社リコー | 情報処理装置、画面切り替え方法、プログラム、伝送システム |
CN110048878A (zh) * | 2019-03-08 | 2019-07-23 | 国网河南省电力公司郑州供电公司 | 一种输电线路三跨可视化管理系统 |
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2003
- 2003-04-24 JP JP2003120552A patent/JP2004328402A/ja active Pending
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