JP2004328237A - アンテナ構造およびそれを備えた通信機 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工精度に起因した放射電極3と補助エレメント4の接続不良問題の発生を防止する。
【解決手段】基体2には放射電極3を形成し、基体2の放射電極形成部分には弾性体5を設ける。補助エレメント4は、弾性体5に接続し当該弾性体5を介して放射電極3に導通する。加工精度の問題から、基体2の上面と、基体2上に配置される補助エレメント4との間の間隔はばらつくが、弾性体5の弾性変位を利用することで、その基体2と補助エレメント4間の間隔がばらついても、補助エレメント4を弾性体5に接続させることが可能であり、これにより、補助エレメント4を弾性体5を介して確実に放射電極3に導通させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】基体2には放射電極3を形成し、基体2の放射電極形成部分には弾性体5を設ける。補助エレメント4は、弾性体5に接続し当該弾性体5を介して放射電極3に導通する。加工精度の問題から、基体2の上面と、基体2上に配置される補助エレメント4との間の間隔はばらつくが、弾性体5の弾性変位を利用することで、その基体2と補助エレメント4間の間隔がばらついても、補助エレメント4を弾性体5に接続させることが可能であり、これにより、補助エレメント4を弾性体5を介して確実に放射電極3に導通させることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基体に形成された放射電極に板状の補助エレメントが導通されて成るアンテナ構造およびそれを備えた通信機に関するものである。
【0002】
【背景技術】
図7にはアンテナ構造の一例が示されている(例えば特許文献1参照)。このアンテナ構造20は、誘電体の基体21と、この基体21の側面から上面に掛けて形成された放射電極22と、この放射電極22に接続している板状の導体から成る補助エレメント23とを有して構成されている。
【0003】
このアンテナ構造20の基体21は例えば通信機の回路基板25の予め定められた部分に搭載される。これにより、放射電極22が例えば通信機の通信用の高周波回路26に接続する。ところで、放射電極22は、例えば、その通信用の高周波回路26から無線送信用の信号が供給されると、その信号の供給によって共振して無線送信用の信号を無線により送信する(つまり、アンテナ動作を行う)ものである。しかし、近年の通信機の小型化に起因して回路基板25における基体21の占有面積の削減の要求があり、この要求に応えて基体21の小型化が推し進められている。この基体21の小型化によって、その基体21に形成される放射電極22の電気長が不足し、このため、放射電極22は設定の周波数で共振できない(つまり、設定の周波数で信号の無線通信を行うことができない)という問題が発生する。
【0004】
そこで、このアンテナ構造20では、その電気長不足を解消するために、放射電極22の電気長の不足分を補う補助エレメント23を放射電極22に接続している。このため、このアンテナ構造20では、例えば、高周波回路26から無線送信用の信号が放射電極22に供給されると、その信号は放射電極22および補助エレメント23に通電し、これにより、それら放射電極22と補助エレメント23の接続体は設定の周波数でもって共振して無線送信用の信号を無線により送信できるようになっている。なお、補助エレメント23は、例えば回路基板25に搭載された部品の上方側の空きスペースに配置することができるので、補助エレメント23を配設するためのスペースをわざわざ確保する必要が無い。このため、補助エレメント23を設けても、通信機の小型化の妨げにはならない。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−339226号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図7に示すようなアンテナ構造20は、次に示すような作業手順でもって作製されることがある。例えば、放射電極22が形成された基体21と、補助エレメント23とをそれぞれ用意する。そして、図8のモデル図に示されるように、放射電極22が形成された基体21を通信機の回路基板25に実装し、また、補助エレメント23は通信機の筐体27の内壁面に取り付ける。その後、筐体27内に回路基板25を収容することにより、回路基板25上の基体21の放射電極22と、筐体27の内壁面上の補助エレメント23とが接触接続して、筐体27内に収容されたアンテナ構造20が作り出される。
【0007】
このように作り出されるアンテナ構造20の場合には、次に示すような問題が発生し易い。つまり、通信機の筐体等の加工精度の問題から、回路基板25と、筐体27の補助エレメント取り付け内壁面との間の間隔hは、設計通りになるとは限らず、ばらついてしまう。このため、その回路基板25と筐体の補助エレメント取り付け内壁面との間の間隔hが設定の間隔よりも広くなってしまった場合には、補助エレメント23が基体21の放射電極22に対して浮いた状態となってしまい、補助エレメント23が放射電極22に接続することができないという問題が発生する。
【0008】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、補助エレメントを基体の放射電極に確実に導通させることができるアンテナ構造およびそれを備えた通信機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決するための手段としている。すなわち、この発明は、基体に形成されたアンテナ動作を行う放射電極と、この放射電極に高周波的に導通し放射電極と共にアンテナ動作を行う板状の補助エレメントとを有するアンテナ構造において、基体の放射電極形成部分には、導電性を持つ弾性体が設けられており、補助エレメントはその弾性体に接続し当該弾性体を介して放射電極に導通していることを特徴としている。また、この発明のアンテナ構造は、放射電極が基体の上面から角部を介し側面に掛けて伸長形成されている構成と成し、補助エレメントは、間隔を介して放射電極の上側に配置されており、当該補助エレメントは、端部分が折り曲げられ当該折り曲げられた端部分が弾性を有する構成と成し、この補助エレメントは、その弾性を有する端部分が基体の前記放射電極が形成されている角部に押し当てられて放射電極に導通していることも特徴としている。さらに、この発明の通信機は、この発明において特有な構成を持つアンテナ構造が設けられていることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1(a)には第1実施形態例のアンテナ構造が模式的な斜視図により示され、図1(b)にはその第1実施形態例のアンテナ構造が模式的な分解状態によって示されている。また、図2には、この第1実施形態例のアンテナ構造を組み込んだ通信機の一例が断面図により部分的に示されている。
【0012】
第1実施形態例のアンテナ構造1は、基体2と、放射電極3と、補助エレメント4と、導電性を持つ弾性体5とを有して構成されている。すなわち、この第1実施形態例では、基体2は、誘電体、あるいは、磁性体、あるいは、誘電体としての性質と磁性体としての性質との両方を持つ材料によって、構成されている。この基体2は、例えば、通信機の回路基板7の予め定められたアンテナ設置部分に搭載される。
【0013】
放射電極3は基体2に形成されてアンテナ動作を行うものである。この第1実施形態例では、この放射電極3の形状は特に限定されるものではないが、ここでは、放射電極3は、基体2の少なくとも上面に形成されているものとする。
【0014】
補助エレメント4は導体から成る板状の部材により構成され、基体2の小型化に起因した放射電極3の電気長不足を解消するためのものである。つまり、放射電極3が、無線通信用に予め設定されている周波数でもって共振してアンテナ動作を行うためには、放射電極3は、その設定の周波数に対応する電気長を持つ必要があるが、例えば基体2の小型化によってその必要な電気長を持つことができない場合がある。このような場合に、補助エレメント4は、その放射電極3の電気長の不足分を補う電気長を有するように作製される。そして、この補助エレメント4を放射電極3に導通させることで、放射電極3は補助エレメント4と共に設定の周波数でもって共振してアンテナ動作を行うことができるようになる。
【0015】
弾性体5は、基体2の上面における放射電極3の形成部分において放射電極3と補助エレメント4の接続体(放射電極)が設定の電気長を確保できる位置に、配設されている。この弾性体5は、図1(c)の弾性体5の断面図に示されるように、基部5aと、ばね部5bと、可動部5cとを有して構成されている。基部5aは導体により構成されており、この基部5aは、導電性を持つ接合材料(導電性接合材料(例えばはんだや導電性接着剤等))によって、基体2における設定の弾性体配設位置に接合されて、放射電極3と導電性接合材料を介して導通する。
【0016】
ばね部5bと可動部5cも導体により構成されており、ばね部5bは、可動部5cが基部5aに対して進退方向に弾性変位可能となるように、可動部5cを基部5aに接続させている。この第1実施形態例では、補助エレメント4は、例えば図2に示されるような通信機10の筐体11の内壁面に取り付けられる。その筐体11内に回路基板7を設計通りに収容することにより、補助エレメント4が弾性体5の可動部5cの頂部に当接し、ばね部5bの付勢力に抗して可動部5cを基部5a側に押し下げる。回路基板7と、筐体11における補助エレメント取り付け面との間の間隔hは、加工精度の問題からばらつくが、この第1実施形態例では、その寸法ばらつきを考慮し、例えば、可動部5cが予め想定される寸法ばらつき幅以上に弾性変位できるようにばね部5b等が設計されている。このように、加工精度に起因した前記間隔hのばらつきを考慮して弾性体5を設計することによって、回路基板7と筐体11を組み合わせた際に前記したように補助エレメント4が弾性体5の可動部5cに当接し当該可動部5cを押し下げることができる。
【0017】
この第1実施形態例のアンテナ構造1では、そのような弾性体5の可動部5cの頂部に補助エレメント4が接触接続することにより、補助エレメント4が弾性体5の可動部5cとばね部5bと基部5aを介して放射電極3に高周波的に導通する構成となっている。
【0018】
この第1実施形態例のアンテナ構造1は上記のように構成されている。このアンテナ構造1においては、例えば、通信機10の通信用の高周波回路(図示せず)から無線送信用の信号が放射電極3に供給されると、その信号が放射電極3および補助エレメント4に通電し、放射電極3が補助エレメント4と共に共振して無線送信用の信号が設定の周波数でもって無線により送信される。
【0019】
この第1実施形態例のアンテナ構造1では、補助エレメント4は弾性体5を介して放射電極3に導通する構成としたので、例えば、筐体11と回路基板7を組み合わせたときに、筐体11に取り付けられている補助エレメント4が、回路基板7に実装されている基体2の放射電極3に弾性体5を介して導通してアンテナ構造1が作り出される場合に、回路基板7と、筐体11の補助エレメント取り付け面との間の間隔hがばらついても、そのばらつき分を考慮した弾性変位可能な弾性体5を設けることによって、補助エレメント4を弾性体5に確実に接触接続させることが可能となる。また、補助エレメント4には弾性体5の可動部5cからばね部5bの付勢力に基づいた押圧力が加えられる。これらのことから、補助エレメント4を弾性体5を介して確実に放射電極3に導通させることができる。
【0020】
ところで、周波数切り換え可能タイプのアンテナ構造の一例が図3(a)に模式的に示されている。この図3(a)のアンテナ構造1においては、2つの放射電極3a,3bが間隔を介して基体2の側面から上面に掛けて並列的に形成されている。補助エレメント4の端部には切り込みが形成されて当該端部分は2つに分かれており、その一方の端部4aは放射電極3aに、また、他方の端部4bは放射電極3bに、それぞれ、接続される。すなわち、放射電極3a,3bと補助エレメント4の接続体は、基体2の側面から上面と補助エレメント4を通って再び基体2の側面に戻る形態の一つの放射電極体を構成している。
【0021】
この例では、基体2が通信機の回路基板7の設定の搭載位置に実装されることにより、放射電極3aの端部はグランドに接地される。また、放射電極3bの端部はスイッチ部12を介してグランドに接続されている。そのスイッチ部12のオン・オフのスイッチング動作によって、放射電極3bがグランドに接地されている状態とグランドから浮いている状態との何れか一方に切り換え制御できる構成となっている。そのスイッチ部12のスイッチング動作によって、放射電極3a,3bと補助エレメント4の接続体の電気長が可変する(切り換わる)。このため、その放射電極3a,3bと補助エレメント4の接続体の共振周波数、つまり、無線送信用の信号を無線送信する際の周波数が切り換わる。
【0022】
図3(a)のアンテナ構造1は上記のような構成を有していることから、異なる複数の周波数帯でもって無線通信を行うことが可能となっている。なお、図3(a)中の符号13は通信機の通信用の高周波回路を示し、符号14は高周波回路13に導通し当該高周波回路13からの信号を放射電極3に給電する給電電極を示している。
【0023】
上記のような周波数切り換え可能タイプのアンテナ構造1では、補助エレメント4は、放射電極3a,3bのそれぞれに接続する必要がある。図7に示されるような構成では、補助エレメント4と放射電極3の接続箇所が1箇所だけでも補助エレメント4と放射電極3の接続不良が発生し易いのに、図3(a)に示されるような構成のものに図7に示す構成を適用すると、補助エレメント4を2つの放射電極3a,3bの両方に接続させなければならないために、放射電極3(3a,3b)と、補助エレメント4との接続不良の発生確率がさらに高くなってしまう。
【0024】
これに対して、基体2の放射電極形成部分において、補助エレメント4の端部4a,4bのそれぞれに対応する位置に、この第1実施形態例に示した弾性体5を設け、補助エレメント4の各端部4a,4bをそれぞれ弾性体5を介して放射電極3a,3bに導通させる構成とする。このような構成とすることにより、補助エレメント4を複数箇所でもって放射電極3に接続させなければならない場合であっても、放射電極3(3a,3b)と、補助エレメント4との接続不良を回避することができる。このように、補助エレメント4を複数箇所でもって放射電極3に接続させなければならない場合に、この第1実施形態例の構成は非常に有効である。
【0025】
なお、周波数切り換え可能タイプのアンテナ構造には様々な形態があり、図3(a)の形態に限定されるものではない。例えば、図3(b)に示すように、補助エレメント4と放射電極3の接続部分が1箇所である周波数切り換え可能タイプのアンテナ構造1もある。
【0026】
また、この第1実施形態例では、弾性体5として、図1に示すような構成のものを挙げたが、放射電極3と補助エレメント4の接続部分に設けられる弾性体5は、図1の形態に限定されるものではない。例えば、図4(a)〜(c)には、それぞれ、弾性体5のその他の形態例が示されている。例えば、図4(a)の例では、弾性体5は、折り曲げにより弾性を持たせた導体板16によって構成されている。図4(b)の例では、弾性体5は、導体板の一部を切り起こして弾性を持たせた弾性導体部17により構成されている。図4(c)の例では、弾性体5は、導電性ゴム18により構成されている。
【0027】
図4(a)〜(d)に示されるような図1とは異なる形態の導電性を有する弾性体5を用いても、もちろん、この第1実施形態例と同様の効果を得ることができる。
【0028】
以下に、第2実施形態例を説明する。なお、この第2実施形態例の説明において、第1実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0029】
図5(a)には第2実施形態例のアンテナ構造が分解状態により示され、図5(b)には第2実施形態例のアンテナ構造の側面図が示されている。この第2実施形態例では、放射電極3は、基体2の上面から角部Kを介し側面に掛けて伸長形成されている。
【0030】
補助エレメント4は、端部分4αが折り曲げられ当該折り曲げられた端部分4αが弾性を有する構成と成している。この第2実施形態例では、その補助エレメント4の弾性を持つ端部分4αは他の部分4βよりも幅が狭くなっている。また、補助エレメント4における端部分4α以外の部分4βは、基体2の上方側に間隔を介して基体2の上面とほぼ平行に配設されている。この第2実施形態例では、補助エレメント4は、弾性を有する端部分4αが基体2の前記放射電極3が形成されている角部Kに押し当てられて放射電極3に高周波的に導通している。
【0031】
上記した構成以外のアンテナ構造1の構成は第1実施形態例と同様である。この第2実施形態例のアンテナ構造1も第1実施形態例と同様に通信機に組み込むことができる。つまり、放射電極3が形成された基体2を回路基板7に実装し、また、補助エレメント4は通信機の筐体11の内壁面に取り付ける。そして、回路基板7を筐体11に収容することにより、筐体11に取り付けられた補助エレメント4の端部4αが、回路基板7上の基体2における放射電極形成角部Kに弾性力を利用して押圧接触して、補助エレメント4が放射電極3に導通する。このようにして第2実施形態例のアンテナ構造1を通信機に組み込むことができる。
【0032】
この第2実施形態例では、補助エレメント4は、弾性を持たせた端部分4αでもって放射電極3に弾性力を利用して押圧接触するので、第1実施形態例と同様に、例えば筐体等の加工精度の悪影響を受けずに、補助エレメント4を確実に放射電極3に導通させることができる。また、補助エレメント4の端部分4αを折り曲げて弾性を持たせるだけの簡単な構成で、弾性力を利用して補助エレメント4を放射電極3に押圧接触させて導通できるので、補助エレメント4の製造工程の煩雑化を招くことなく、また、部品点数の増加を抑制しながら、第1実施形態例と同様の優れた効果を得ることができる。
【0033】
なお、第2実施形態例に示した特有な構成は、周波数切り換え可能タイプのアンテナ構造にも適用することができるものである。例えば、その一例が図6のモデル図に示されている。なお、この図6では、図3(a)に示した周波数切り換え可能タイプのアンテナ構造と同一構成部分には同一符号を付してある。
【0034】
この図6の例では、補助エレメント4の端部4a,4bがそれぞれ折り曲げられて弾性を持つ構成となっており、それら弾性を持つ各端部4a,4bがそれぞれ基体2における放射電極3a,3bの形成角部Kに押し当てられて放射電極3a,3bに導通している。
【0035】
なお、この発明は第1や第2の各実施形態例の形態に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、第1と第2の各実施形態例では、基体2は直方体状であったが、基体2は円柱状でもよいし、また、三角柱状や五角以上の多角柱状でもよい。さらに、例えば、第2実施形態例の場合には、基体2は、補助エレメント4の端部4αが押圧接触する角部Kに丸みを持たせた形状としてもよい。このように、基体2は直方体状に限定されるものではない。
【0036】
【発明の効果】
基体に形成された放射電極に補助エレメントが高周波的に導通されて成るアンテナ構造においては、加工精度の問題から、基体と補助エレメント間の間隔がばらついて設計通りにならない場合があり、放射電極と補助エレメントの接続不良問題が発生し易い。これに対して、この発明では、基体の放射電極形成部分に導電性の弾性体を設け、その弾性体を介して補助エレメントを放射電極に導通させる構成、あるいは、補助エレメントの端部分を折り曲げて当該端部分に弾性を持たせ、その弾性を持つ補助エレメント端部分を基体における放射電極が形成されている角部に押し当てて補助エレメントを放射電極に導通させる構成を備えている。
【0037】
このように、この発明では、弾性体の弾性変位、あるいは、補助エレメントの端部分の弾性変位を利用して、補助エレメントを基体上の放射電極に導通させる構成であるので、例えば、基体と補助エレメント間の間隔の予め想定されるばらつき幅以上に弾性変位することができるように、弾性体、又は、補助エレメントの弾性を有する端部分を作製しておけば、加工精度に起因して基体と補助エレメント間の間隔がばらついても、弾性体、又は、補助エレメントの弾性を有する端部分によって、補助エレメントはほぼ確実に放射電極に導通することが可能となる。
【0038】
また、この発明では、弾性体と補助エレメント、あるいは、補助エレメントの弾性を有する端部分と放射電極は、ただ接触するのではなく、弾性力によって押圧接触するので、補助エレメントと放射電極との導通をより確実なものとしている。
【0039】
このように、この発明の構成を備えることによって、補助エレメントと放射電極との接続不良問題の発生を回避することができるので、この発明のアンテナ構造およびそれを備えた通信機は予め定められた周波数でもって無線通信動作を行うことができる。これにより、通信に対する信頼性が高いアンテナ構造および通信機を提供することができる。
【0040】
また、補助エレメントの端部分を折り曲げて当該端部分に弾性を持たせ、その補助エレメントの端部分を基体の角部の放射電極に押圧接触させることで補助エレメントを放射電極に導通させる構成のものにあっては、補助エレメント自身の端部に弾性を持たせているので、部品点数の増加を抑制しながら、補助エレメントを確実に放射電極に導通させることができる。また、補助エレメントの端部を折り曲げるだけで当該端部に弾性を持たせているので、補助エレメントの製造工程の煩雑化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態例のアンテナ構造を説明するための図である。
【図2】第1実施形態例のアンテナ構造を組み込んだ通信機の一例を説明するための通信機の部分的な断面図である。
【図3】周波数の切り換えが可能なアンテナ構造の一例を示すモデル図である。
【図4】基体に設ける弾性体のその他の形態例を示すモデル図である。
【図5】第2実施形態例を説明するための図である。
【図6】第2実施形態例の特有な構成を周波数切り換え可能タイプのアンテナ構造に適用した場合のアンテナ構造の一例を説明するためのモデル図である。
【図7】特許文献1に記載されているアンテナ構造の一つを説明するためのモデル図である。
【図8】基体に形成された放射電極に補助エレメントを導通させるための工程の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 アンテナ構造
2 基体
3 放射電極
4 補助エレメント
5 弾性体
7 回路基板
10 通信機
【発明の属する技術分野】
本発明は、基体に形成された放射電極に板状の補助エレメントが導通されて成るアンテナ構造およびそれを備えた通信機に関するものである。
【0002】
【背景技術】
図7にはアンテナ構造の一例が示されている(例えば特許文献1参照)。このアンテナ構造20は、誘電体の基体21と、この基体21の側面から上面に掛けて形成された放射電極22と、この放射電極22に接続している板状の導体から成る補助エレメント23とを有して構成されている。
【0003】
このアンテナ構造20の基体21は例えば通信機の回路基板25の予め定められた部分に搭載される。これにより、放射電極22が例えば通信機の通信用の高周波回路26に接続する。ところで、放射電極22は、例えば、その通信用の高周波回路26から無線送信用の信号が供給されると、その信号の供給によって共振して無線送信用の信号を無線により送信する(つまり、アンテナ動作を行う)ものである。しかし、近年の通信機の小型化に起因して回路基板25における基体21の占有面積の削減の要求があり、この要求に応えて基体21の小型化が推し進められている。この基体21の小型化によって、その基体21に形成される放射電極22の電気長が不足し、このため、放射電極22は設定の周波数で共振できない(つまり、設定の周波数で信号の無線通信を行うことができない)という問題が発生する。
【0004】
そこで、このアンテナ構造20では、その電気長不足を解消するために、放射電極22の電気長の不足分を補う補助エレメント23を放射電極22に接続している。このため、このアンテナ構造20では、例えば、高周波回路26から無線送信用の信号が放射電極22に供給されると、その信号は放射電極22および補助エレメント23に通電し、これにより、それら放射電極22と補助エレメント23の接続体は設定の周波数でもって共振して無線送信用の信号を無線により送信できるようになっている。なお、補助エレメント23は、例えば回路基板25に搭載された部品の上方側の空きスペースに配置することができるので、補助エレメント23を配設するためのスペースをわざわざ確保する必要が無い。このため、補助エレメント23を設けても、通信機の小型化の妨げにはならない。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−339226号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図7に示すようなアンテナ構造20は、次に示すような作業手順でもって作製されることがある。例えば、放射電極22が形成された基体21と、補助エレメント23とをそれぞれ用意する。そして、図8のモデル図に示されるように、放射電極22が形成された基体21を通信機の回路基板25に実装し、また、補助エレメント23は通信機の筐体27の内壁面に取り付ける。その後、筐体27内に回路基板25を収容することにより、回路基板25上の基体21の放射電極22と、筐体27の内壁面上の補助エレメント23とが接触接続して、筐体27内に収容されたアンテナ構造20が作り出される。
【0007】
このように作り出されるアンテナ構造20の場合には、次に示すような問題が発生し易い。つまり、通信機の筐体等の加工精度の問題から、回路基板25と、筐体27の補助エレメント取り付け内壁面との間の間隔hは、設計通りになるとは限らず、ばらついてしまう。このため、その回路基板25と筐体の補助エレメント取り付け内壁面との間の間隔hが設定の間隔よりも広くなってしまった場合には、補助エレメント23が基体21の放射電極22に対して浮いた状態となってしまい、補助エレメント23が放射電極22に接続することができないという問題が発生する。
【0008】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、補助エレメントを基体の放射電極に確実に導通させることができるアンテナ構造およびそれを備えた通信機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決するための手段としている。すなわち、この発明は、基体に形成されたアンテナ動作を行う放射電極と、この放射電極に高周波的に導通し放射電極と共にアンテナ動作を行う板状の補助エレメントとを有するアンテナ構造において、基体の放射電極形成部分には、導電性を持つ弾性体が設けられており、補助エレメントはその弾性体に接続し当該弾性体を介して放射電極に導通していることを特徴としている。また、この発明のアンテナ構造は、放射電極が基体の上面から角部を介し側面に掛けて伸長形成されている構成と成し、補助エレメントは、間隔を介して放射電極の上側に配置されており、当該補助エレメントは、端部分が折り曲げられ当該折り曲げられた端部分が弾性を有する構成と成し、この補助エレメントは、その弾性を有する端部分が基体の前記放射電極が形成されている角部に押し当てられて放射電極に導通していることも特徴としている。さらに、この発明の通信機は、この発明において特有な構成を持つアンテナ構造が設けられていることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1(a)には第1実施形態例のアンテナ構造が模式的な斜視図により示され、図1(b)にはその第1実施形態例のアンテナ構造が模式的な分解状態によって示されている。また、図2には、この第1実施形態例のアンテナ構造を組み込んだ通信機の一例が断面図により部分的に示されている。
【0012】
第1実施形態例のアンテナ構造1は、基体2と、放射電極3と、補助エレメント4と、導電性を持つ弾性体5とを有して構成されている。すなわち、この第1実施形態例では、基体2は、誘電体、あるいは、磁性体、あるいは、誘電体としての性質と磁性体としての性質との両方を持つ材料によって、構成されている。この基体2は、例えば、通信機の回路基板7の予め定められたアンテナ設置部分に搭載される。
【0013】
放射電極3は基体2に形成されてアンテナ動作を行うものである。この第1実施形態例では、この放射電極3の形状は特に限定されるものではないが、ここでは、放射電極3は、基体2の少なくとも上面に形成されているものとする。
【0014】
補助エレメント4は導体から成る板状の部材により構成され、基体2の小型化に起因した放射電極3の電気長不足を解消するためのものである。つまり、放射電極3が、無線通信用に予め設定されている周波数でもって共振してアンテナ動作を行うためには、放射電極3は、その設定の周波数に対応する電気長を持つ必要があるが、例えば基体2の小型化によってその必要な電気長を持つことができない場合がある。このような場合に、補助エレメント4は、その放射電極3の電気長の不足分を補う電気長を有するように作製される。そして、この補助エレメント4を放射電極3に導通させることで、放射電極3は補助エレメント4と共に設定の周波数でもって共振してアンテナ動作を行うことができるようになる。
【0015】
弾性体5は、基体2の上面における放射電極3の形成部分において放射電極3と補助エレメント4の接続体(放射電極)が設定の電気長を確保できる位置に、配設されている。この弾性体5は、図1(c)の弾性体5の断面図に示されるように、基部5aと、ばね部5bと、可動部5cとを有して構成されている。基部5aは導体により構成されており、この基部5aは、導電性を持つ接合材料(導電性接合材料(例えばはんだや導電性接着剤等))によって、基体2における設定の弾性体配設位置に接合されて、放射電極3と導電性接合材料を介して導通する。
【0016】
ばね部5bと可動部5cも導体により構成されており、ばね部5bは、可動部5cが基部5aに対して進退方向に弾性変位可能となるように、可動部5cを基部5aに接続させている。この第1実施形態例では、補助エレメント4は、例えば図2に示されるような通信機10の筐体11の内壁面に取り付けられる。その筐体11内に回路基板7を設計通りに収容することにより、補助エレメント4が弾性体5の可動部5cの頂部に当接し、ばね部5bの付勢力に抗して可動部5cを基部5a側に押し下げる。回路基板7と、筐体11における補助エレメント取り付け面との間の間隔hは、加工精度の問題からばらつくが、この第1実施形態例では、その寸法ばらつきを考慮し、例えば、可動部5cが予め想定される寸法ばらつき幅以上に弾性変位できるようにばね部5b等が設計されている。このように、加工精度に起因した前記間隔hのばらつきを考慮して弾性体5を設計することによって、回路基板7と筐体11を組み合わせた際に前記したように補助エレメント4が弾性体5の可動部5cに当接し当該可動部5cを押し下げることができる。
【0017】
この第1実施形態例のアンテナ構造1では、そのような弾性体5の可動部5cの頂部に補助エレメント4が接触接続することにより、補助エレメント4が弾性体5の可動部5cとばね部5bと基部5aを介して放射電極3に高周波的に導通する構成となっている。
【0018】
この第1実施形態例のアンテナ構造1は上記のように構成されている。このアンテナ構造1においては、例えば、通信機10の通信用の高周波回路(図示せず)から無線送信用の信号が放射電極3に供給されると、その信号が放射電極3および補助エレメント4に通電し、放射電極3が補助エレメント4と共に共振して無線送信用の信号が設定の周波数でもって無線により送信される。
【0019】
この第1実施形態例のアンテナ構造1では、補助エレメント4は弾性体5を介して放射電極3に導通する構成としたので、例えば、筐体11と回路基板7を組み合わせたときに、筐体11に取り付けられている補助エレメント4が、回路基板7に実装されている基体2の放射電極3に弾性体5を介して導通してアンテナ構造1が作り出される場合に、回路基板7と、筐体11の補助エレメント取り付け面との間の間隔hがばらついても、そのばらつき分を考慮した弾性変位可能な弾性体5を設けることによって、補助エレメント4を弾性体5に確実に接触接続させることが可能となる。また、補助エレメント4には弾性体5の可動部5cからばね部5bの付勢力に基づいた押圧力が加えられる。これらのことから、補助エレメント4を弾性体5を介して確実に放射電極3に導通させることができる。
【0020】
ところで、周波数切り換え可能タイプのアンテナ構造の一例が図3(a)に模式的に示されている。この図3(a)のアンテナ構造1においては、2つの放射電極3a,3bが間隔を介して基体2の側面から上面に掛けて並列的に形成されている。補助エレメント4の端部には切り込みが形成されて当該端部分は2つに分かれており、その一方の端部4aは放射電極3aに、また、他方の端部4bは放射電極3bに、それぞれ、接続される。すなわち、放射電極3a,3bと補助エレメント4の接続体は、基体2の側面から上面と補助エレメント4を通って再び基体2の側面に戻る形態の一つの放射電極体を構成している。
【0021】
この例では、基体2が通信機の回路基板7の設定の搭載位置に実装されることにより、放射電極3aの端部はグランドに接地される。また、放射電極3bの端部はスイッチ部12を介してグランドに接続されている。そのスイッチ部12のオン・オフのスイッチング動作によって、放射電極3bがグランドに接地されている状態とグランドから浮いている状態との何れか一方に切り換え制御できる構成となっている。そのスイッチ部12のスイッチング動作によって、放射電極3a,3bと補助エレメント4の接続体の電気長が可変する(切り換わる)。このため、その放射電極3a,3bと補助エレメント4の接続体の共振周波数、つまり、無線送信用の信号を無線送信する際の周波数が切り換わる。
【0022】
図3(a)のアンテナ構造1は上記のような構成を有していることから、異なる複数の周波数帯でもって無線通信を行うことが可能となっている。なお、図3(a)中の符号13は通信機の通信用の高周波回路を示し、符号14は高周波回路13に導通し当該高周波回路13からの信号を放射電極3に給電する給電電極を示している。
【0023】
上記のような周波数切り換え可能タイプのアンテナ構造1では、補助エレメント4は、放射電極3a,3bのそれぞれに接続する必要がある。図7に示されるような構成では、補助エレメント4と放射電極3の接続箇所が1箇所だけでも補助エレメント4と放射電極3の接続不良が発生し易いのに、図3(a)に示されるような構成のものに図7に示す構成を適用すると、補助エレメント4を2つの放射電極3a,3bの両方に接続させなければならないために、放射電極3(3a,3b)と、補助エレメント4との接続不良の発生確率がさらに高くなってしまう。
【0024】
これに対して、基体2の放射電極形成部分において、補助エレメント4の端部4a,4bのそれぞれに対応する位置に、この第1実施形態例に示した弾性体5を設け、補助エレメント4の各端部4a,4bをそれぞれ弾性体5を介して放射電極3a,3bに導通させる構成とする。このような構成とすることにより、補助エレメント4を複数箇所でもって放射電極3に接続させなければならない場合であっても、放射電極3(3a,3b)と、補助エレメント4との接続不良を回避することができる。このように、補助エレメント4を複数箇所でもって放射電極3に接続させなければならない場合に、この第1実施形態例の構成は非常に有効である。
【0025】
なお、周波数切り換え可能タイプのアンテナ構造には様々な形態があり、図3(a)の形態に限定されるものではない。例えば、図3(b)に示すように、補助エレメント4と放射電極3の接続部分が1箇所である周波数切り換え可能タイプのアンテナ構造1もある。
【0026】
また、この第1実施形態例では、弾性体5として、図1に示すような構成のものを挙げたが、放射電極3と補助エレメント4の接続部分に設けられる弾性体5は、図1の形態に限定されるものではない。例えば、図4(a)〜(c)には、それぞれ、弾性体5のその他の形態例が示されている。例えば、図4(a)の例では、弾性体5は、折り曲げにより弾性を持たせた導体板16によって構成されている。図4(b)の例では、弾性体5は、導体板の一部を切り起こして弾性を持たせた弾性導体部17により構成されている。図4(c)の例では、弾性体5は、導電性ゴム18により構成されている。
【0027】
図4(a)〜(d)に示されるような図1とは異なる形態の導電性を有する弾性体5を用いても、もちろん、この第1実施形態例と同様の効果を得ることができる。
【0028】
以下に、第2実施形態例を説明する。なお、この第2実施形態例の説明において、第1実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0029】
図5(a)には第2実施形態例のアンテナ構造が分解状態により示され、図5(b)には第2実施形態例のアンテナ構造の側面図が示されている。この第2実施形態例では、放射電極3は、基体2の上面から角部Kを介し側面に掛けて伸長形成されている。
【0030】
補助エレメント4は、端部分4αが折り曲げられ当該折り曲げられた端部分4αが弾性を有する構成と成している。この第2実施形態例では、その補助エレメント4の弾性を持つ端部分4αは他の部分4βよりも幅が狭くなっている。また、補助エレメント4における端部分4α以外の部分4βは、基体2の上方側に間隔を介して基体2の上面とほぼ平行に配設されている。この第2実施形態例では、補助エレメント4は、弾性を有する端部分4αが基体2の前記放射電極3が形成されている角部Kに押し当てられて放射電極3に高周波的に導通している。
【0031】
上記した構成以外のアンテナ構造1の構成は第1実施形態例と同様である。この第2実施形態例のアンテナ構造1も第1実施形態例と同様に通信機に組み込むことができる。つまり、放射電極3が形成された基体2を回路基板7に実装し、また、補助エレメント4は通信機の筐体11の内壁面に取り付ける。そして、回路基板7を筐体11に収容することにより、筐体11に取り付けられた補助エレメント4の端部4αが、回路基板7上の基体2における放射電極形成角部Kに弾性力を利用して押圧接触して、補助エレメント4が放射電極3に導通する。このようにして第2実施形態例のアンテナ構造1を通信機に組み込むことができる。
【0032】
この第2実施形態例では、補助エレメント4は、弾性を持たせた端部分4αでもって放射電極3に弾性力を利用して押圧接触するので、第1実施形態例と同様に、例えば筐体等の加工精度の悪影響を受けずに、補助エレメント4を確実に放射電極3に導通させることができる。また、補助エレメント4の端部分4αを折り曲げて弾性を持たせるだけの簡単な構成で、弾性力を利用して補助エレメント4を放射電極3に押圧接触させて導通できるので、補助エレメント4の製造工程の煩雑化を招くことなく、また、部品点数の増加を抑制しながら、第1実施形態例と同様の優れた効果を得ることができる。
【0033】
なお、第2実施形態例に示した特有な構成は、周波数切り換え可能タイプのアンテナ構造にも適用することができるものである。例えば、その一例が図6のモデル図に示されている。なお、この図6では、図3(a)に示した周波数切り換え可能タイプのアンテナ構造と同一構成部分には同一符号を付してある。
【0034】
この図6の例では、補助エレメント4の端部4a,4bがそれぞれ折り曲げられて弾性を持つ構成となっており、それら弾性を持つ各端部4a,4bがそれぞれ基体2における放射電極3a,3bの形成角部Kに押し当てられて放射電極3a,3bに導通している。
【0035】
なお、この発明は第1や第2の各実施形態例の形態に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、第1と第2の各実施形態例では、基体2は直方体状であったが、基体2は円柱状でもよいし、また、三角柱状や五角以上の多角柱状でもよい。さらに、例えば、第2実施形態例の場合には、基体2は、補助エレメント4の端部4αが押圧接触する角部Kに丸みを持たせた形状としてもよい。このように、基体2は直方体状に限定されるものではない。
【0036】
【発明の効果】
基体に形成された放射電極に補助エレメントが高周波的に導通されて成るアンテナ構造においては、加工精度の問題から、基体と補助エレメント間の間隔がばらついて設計通りにならない場合があり、放射電極と補助エレメントの接続不良問題が発生し易い。これに対して、この発明では、基体の放射電極形成部分に導電性の弾性体を設け、その弾性体を介して補助エレメントを放射電極に導通させる構成、あるいは、補助エレメントの端部分を折り曲げて当該端部分に弾性を持たせ、その弾性を持つ補助エレメント端部分を基体における放射電極が形成されている角部に押し当てて補助エレメントを放射電極に導通させる構成を備えている。
【0037】
このように、この発明では、弾性体の弾性変位、あるいは、補助エレメントの端部分の弾性変位を利用して、補助エレメントを基体上の放射電極に導通させる構成であるので、例えば、基体と補助エレメント間の間隔の予め想定されるばらつき幅以上に弾性変位することができるように、弾性体、又は、補助エレメントの弾性を有する端部分を作製しておけば、加工精度に起因して基体と補助エレメント間の間隔がばらついても、弾性体、又は、補助エレメントの弾性を有する端部分によって、補助エレメントはほぼ確実に放射電極に導通することが可能となる。
【0038】
また、この発明では、弾性体と補助エレメント、あるいは、補助エレメントの弾性を有する端部分と放射電極は、ただ接触するのではなく、弾性力によって押圧接触するので、補助エレメントと放射電極との導通をより確実なものとしている。
【0039】
このように、この発明の構成を備えることによって、補助エレメントと放射電極との接続不良問題の発生を回避することができるので、この発明のアンテナ構造およびそれを備えた通信機は予め定められた周波数でもって無線通信動作を行うことができる。これにより、通信に対する信頼性が高いアンテナ構造および通信機を提供することができる。
【0040】
また、補助エレメントの端部分を折り曲げて当該端部分に弾性を持たせ、その補助エレメントの端部分を基体の角部の放射電極に押圧接触させることで補助エレメントを放射電極に導通させる構成のものにあっては、補助エレメント自身の端部に弾性を持たせているので、部品点数の増加を抑制しながら、補助エレメントを確実に放射電極に導通させることができる。また、補助エレメントの端部を折り曲げるだけで当該端部に弾性を持たせているので、補助エレメントの製造工程の煩雑化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態例のアンテナ構造を説明するための図である。
【図2】第1実施形態例のアンテナ構造を組み込んだ通信機の一例を説明するための通信機の部分的な断面図である。
【図3】周波数の切り換えが可能なアンテナ構造の一例を示すモデル図である。
【図4】基体に設ける弾性体のその他の形態例を示すモデル図である。
【図5】第2実施形態例を説明するための図である。
【図6】第2実施形態例の特有な構成を周波数切り換え可能タイプのアンテナ構造に適用した場合のアンテナ構造の一例を説明するためのモデル図である。
【図7】特許文献1に記載されているアンテナ構造の一つを説明するためのモデル図である。
【図8】基体に形成された放射電極に補助エレメントを導通させるための工程の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 アンテナ構造
2 基体
3 放射電極
4 補助エレメント
5 弾性体
7 回路基板
10 通信機
Claims (3)
- 基体に形成されたアンテナ動作を行う放射電極と、この放射電極に高周波的に導通し放射電極と共にアンテナ動作を行う板状の補助エレメントとを有するアンテナ構造において、基体の放射電極形成部分には、導電性を持つ弾性体が設けられており、補助エレメントはその弾性体に接続し当該弾性体を介して放射電極に導通していることを特徴とするアンテナ構造。
- 基体に形成されたアンテナ動作を行う放射電極と、この放射電極に高周波的に導通し放射電極と共にアンテナ動作を行う板状の補助エレメントとを有するアンテナ構造において、放射電極は基体の上面から角部を介し側面に掛けて伸長形成されている構成と成し、補助エレメントは、間隔を介して放射電極の上側に配置されており、当該補助エレメントは、端部分が折り曲げられ当該折り曲げられた端部分が弾性を有する構成と成し、この補助エレメントは、その弾性を有する端部分が基体の前記放射電極が形成されている角部に押し当てられて放射電極に導通していることを特徴とするアンテナ構造。
- 請求項1又は請求項2記載のアンテナ構造が設けられていることを特徴とする通信機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003118601A JP2004328237A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | アンテナ構造およびそれを備えた通信機 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7564424B2 (en) | 2005-05-10 | 2009-07-21 | Sharp Kabushiki Kaisha | Antenna having multiple radiating elements |
-
2003
- 2003-04-23 JP JP2003118601A patent/JP2004328237A/ja active Pending
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US7564424B2 (en) | 2005-05-10 | 2009-07-21 | Sharp Kabushiki Kaisha | Antenna having multiple radiating elements |
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