JP2004328067A - 平面アンテナ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この平面アンテナ50は、金属により構成され且つ上面が開放した箱状の金属筐体1と、この金属筐体1の内底面にネジ12により固定された誘電体基板2と、誘電体基板2上に導体パターンとして形成された複数の円形のパッチアンテナ3と、同じく誘電体基板2上に形成され、複数のパッチアンテナ3を接続するように導体パターンとして形成されたマイクロストリップライン4と、複数の無給電パッチ5が導体6により夫々接続されるように一体形成された金属のパッチユニット14と、マイクロストリップライン4に接続され、外部から電力を供給する同軸コネクタ8とを備えて構成される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、平面アンテナに関し、さらに詳しくは、パッチアンテナに対向して配置される無給電パッチの構成並びに製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図15は従来の平面アンテナの構成を示す外観斜視図である。この平面アンテナは、テフロン(登録商標)系あるいはガラスエポキシ系の素材等で構成される誘電体基板214と、この誘電体基板214全体を覆い且つこれを支持する金属筐体216と、誘電体基板214に形成された放射素子213から放射される電波により励振される複数の無給電パッチ210を構成する第2の誘電体基板211と、誘電体基板214の4隅に形成され、前記第2の誘電体基板211を所定の間隔で支持するスペーサ212とを備えて構成される。尚、誘電体基板214上には、電波を放射する複数の放射素子213と、これらの放射素子間を接続するマイクロストリップライン215がパターンにより形成され、このパターンと誘電体基板214の裏面全体に形成された図示しない導体によりマイクロストリップアレイアンテナを構成する。また各放射素子213の対向する位置に無給電パッチ210が夫々形成されている。
次にこの平面アンテナの動作について説明する。一般に、無給電素子を有しないマイクロストリップパッチアンテナは、入力インピ−ダンスの周波数帯域が狭帯域である。通常、1〜2%の帯域しか得られない。このため、広い周波数帯域で用いる場合は、図15のように無給電素子を付加して広帯域化する方法が用いられる。しかし、図15のような方法は、プリント基板が2枚必要になる。通常、パッチアンテナが用いられるようなマイクロ波帯以上の周波数では、プリント基板の誘電体損失がアンテナの能率を劣化させるため、誘電正接、すなわちtanδが小さな低損失の基板を用いることが多い。この場合、低損失のプリント基板は高価になるため、2枚用いることによりアンテナな価格が高価となってしまう。さらに、図15の構成では、組立等にも工数がかかり、アンテナの価格を安くすることは難しい。
また従来技術として、特開平10−154909号公報には、走行車線の利得を高くし、隣接車線での干渉を低減した車載機アンテナ装置について開示されている。それによると、マイクロストリップアンテナを保護するレドームの裏面あるいは表面に無給電素子を設け、より小型化が可能な平面アンテナを提供するとしている。
また特開平11−31914号公報には、より小型化が可能な無給電素子付き平面アンテナについて開示されている。これには、給電パッチと同一平面上に配置される給電回路及び給電点を、無給電パッチが占有する平面領域が投影する領域内、即ち無給電素子の下に配置し、より小型化が可能な無給電素子付き平面アンテナが開示されている。
【特許文献1】特開平10−154909号公報
【特許文献2】特開平11−31914号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図15の従来例として説明した平面アンテナでは、無給電素子210と放射素子213との間に所定のギャップを形成するために、第2の誘電体基板211とスペーサ212を必要とし、部品コストが高くなると共に、第2の誘電体基板211を金属筐体216に固定するために製造コストも高くなるといった問題がある。特に、誘電体基板は高価であり、2枚使用することは、価格面で大きなコストアップ要因となる。
また特許文献1の発明は、無給電素子をレドームに形成して誘電体基板として兼用することによりコストダウンを図るものであるが、誘電体基板と比較して製造コストを下げることは可能であるが、レドームに無給電素子を形成するための加工が必要であるため、レドームの製造コストが上昇するといった問題がある。さらに、レド−ムは、風等の影響により振動したり、筐体に取り付ける際の寸法公差による歪みが生じ易いため、レド−ムに付けた無給電素子と給電素子との距離が不安定になったり、バラツキが大きくなり、特性が安定しにくいという問題もある。
また特許文献2の発明は、無給電パッチを誘電体基板にパターンとして形成するため、無給電パッチの製造コストが高くなるといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑み、無給電パッチを金属導体により一体形成して製造することにより、製造コストを低減して量産性を高めた平面アンテナを提供することを目的する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、誘電体基板上に形成されたパッチアンテナと、該パッチアンテナと対向する位置に配置される無給電パッチと、前記パッチアンテナ及び無給電パッチを支持する金属筐体とを備えた平面アンテナであって、前記無給電パッチの周縁部から延びた導体は、前記金属筐体に接続された状態にて固定され、且つ前記パッチアンテナの給電点と該パッチアンテナの中心を結ぶ直線と直交するように形成されていることを特徴とする。
平面アンテナは、誘電体基板上に形成されたパッチアンテナの給電点から電力を供給すると、給電パッチを励振して電波が放射される。そして放射された電波は無給電パッチを励振して、この無給電パッチより電波が放射されてアンテナとして機能する。そのときパッチアンテナの偏波の方向は給電点とパッチアンテナの中心を結ぶ直線の方向となる。従って、無給電パッチも当然同じ方向に偏波が発生するので、この方向に偏波を妨害する導体を配置するのを避けなければならない。そこで本発明では、無給電パッチの導体を形成する方向を、パッチアンテナの給電点とパッチアンテナの中心を結ぶ直線と直交する方向に形成して、金属筐体に固定するものである。
かかる発明によれば、無給電パッチの導体を導出する方向を、パッチアンテナの給電点とパッチアンテナの中心を結ぶ直線と直交するように形成するので、無給電パッチを固定する導体に影響されずにアンテナの機能を果たし、且つ無給電パッチを筐体に固定することができる。
なお、上記の場合において、無給電パッチとパッチアンテナの位置関係は、必ずしもその中心が一致している必要はなく、故意に中心をずらせて配置する場合もある。これは、主に入力インピ−ダンスの調整や、所望のサイズにアンテナを収納するための手段としてとられる。
【0005】
請求項2は、前記無給電パッチの形状は、円形、四角形、若しくはダイポールの何れかであることを特徴とする。
パッチアンテナの形状は、円形と四角形が一般的であり、無給電パッチの形状もそれと同じにする場合が多いが、異なる組み合わせでも問題ない。すなわち、円形のパッチアンテナに円形の無給電素子を用いる場合もあれば、円形のパッチアンテナに四角の無給電素子を用いる場合もある。このように、無給電パッチの形状は円形、四角形を備え、またパッチアンテナの形状に関係なく無給電パッチをダイポールにしても同じ機能を果たすことができる。
かかる発明によれば、無給電パッチの形状を、円形、四角形、若しくはダイポールの何れかにするので、各種パッチアンテナの形状に対応することができる。
請求項3は、前記無給電パッチの導体は、前記金属筐体と1箇所で接続された状態により固定されることを特徴とする。
無給電パッチの導体は金属筐体に電気的には接続されて固定されるが、電気的には、電界面が直交している方向には高周波電流が流れない為、周囲の金属筐体と接続されていない状態と同じである。従って、無給電パッチが少ない場合は1箇所で固定しても十分保持が可能である。
かかる発明によれば、無給電パッチの固定を1箇所で行うので、固定方法が簡略化されて更にコストダウンとなる。
請求項4は、前記無給電パッチの導体は、前記金属筐体と複数箇所で接続された状態にて固定されることを特徴とする。
無給電パッチの数がある程度多くなると、1箇所では固定しきれなくなる。そこで、無給電パッチの導体を複数に設け、その導体を金属筐体に固定する。
かかる発明によれば、無給電パッチの固定を複数箇所で行うので、無給電パッチの固定が堅固になり、アンテナの特性を安定化することができる。
請求項5は、前記無給電パッチ及び導体は一体形成により構成され、且つ前記導体が前記無給電パッチの一つの周縁部から導出されていることを特徴とする。
以下、無給電パッチの周縁とは、所定の厚さを有するパッチの厚さ方向を指す。金属の無給電パッチを製造する場合、最も安価で大量生産に向いている方法は、板金を金型で打ち抜くことである。そのとき無給電パッチを1箇所で固定する場合、無給電パッチの金型の段階で導体を1方向のみに形成して製造する。
かかる発明によれば、無給電パッチを金型で打ち抜く場合、導体を1方向のみに形成するので、金型が簡略化され型代を安くすることができる。
【0006】
請求項6は、前記無給電パッチ及び導体は一体形成により構成され、且つ前記導体が前記無給電パッチの2つの対向する周縁部から導出されていることを特徴とする。
ここで、2つの対向する周縁部とは、無給電パッチの中心を通る直線上の2つの周縁部を指す。金属の無給電パッチを製造する場合、最も安価で大量生産に向いている方法は、板金を金型で打ち抜くことである。そのとき無給電パッチを両方向で固定する場合、無給電パッチの金型の段階で導体を両方向に形成して製造する。
かかる発明によれば、無給電パッチを金型で打ち抜く場合、導体を両方向に形成するので、無給電パッチの位置精度を高くすることができる。
請求項7は、前記金属筐体は箱状の形状を成し、該金属筐体の側面により前記無給電パッチを支持固定することを特徴とする。
金属筐体が箱状の場合、その箱の側面を利用して無給電パッチを固定するのが最も簡単である。その場合、側面の内側に固定するか、外側に固定するかのいずれの方法でも可能であるが、内側に固定する場合は、パッチアンテナと無給電パッチとの距離を任意に形成することができ、外側に固定する場合は、箱状の側面の高さで規制されるので、その点を考慮してどちらかの方法を選択する必要がある。
かかる発明によれば、無給電パッチを金属筐体の箱状の側面を利用して固定するので、固定方法が簡単で且つパッチアンテナとの距離を任意に設定することができる。
請求項8は、前記金属筐体は箱状の形状を成し、該金属筐体の側面の一部を底面と略水平に屈曲させ、該屈曲部分により前記無給電パッチを支持固定することを特徴とする。
前記請求項7の方法は、無給電パッチの固定部分を折り曲げる必要があった。その分加工の手間がかかっていた。そこで板金打ち抜きの無給電パッチを加工せずにそのまま固定するには、箱状の金属筐体側に何らかの工夫が必要である。その一つの方法として金属筐体の側面の一部を水平に折り曲げて、そこに板状の無給電パッチを載せて固定する方法がある。
かかる発明によれば、金属筐体の側面の一部を水平に折り曲げて、そこに板状の無給電パッチを載せて固定するので、無給電パッチを加工する必要がなく、加工費が不要となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の第1の実施形態に係る平面アンテナの構成を示す図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は側断面図である。この平面アンテナ50は、金属により構成され且つ上面が開放した箱状の金属筐体1と、この金属筐体1の内底面にネジ12により固定された誘電体基板2と、誘電体基板2上に導体パターンとして形成された複数の円形のパッチアンテナ3と、同じく誘電体基板2上に形成され、複数のパッチアンテナ3を接続するように導体パターンとして形成されたマイクロストリップライン4と、複数の無給電パッチ5が導体6により夫々接続されるように一体形成された金属のパッチユニット14と、マイクロストリップライン4に接続され、外部から電力を供給する同軸コネクタ8とを備えて構成される。尚、パッチユニット14は両側面部9が上側に折り曲げられてネジ7により金属筐体1と固定され、円形の各無給電パッチ5が誘電体基板2上に形成されたパッチアンテナ3と対向するように配置される。またマイクロストリップライン4は、この例では各パッチアンテナ3の1つの給電点Qから給電される構成になっている。また誘電体基板2の裏面には銅箔11が全面に形成され、金属筐体1と電気的に接続されている。
【0008】
次に本発明の平面アンテナの動作について図14を参照して説明する。図14(a)は従来の平面アンテナの偏波が発生する様子を説明する図であり、図14(b)は本発明の平面アンテナの偏波が発生する様子を説明する図である。従来の平面アンテナは、誘電体基板104上に形成されたパッチアンテナ102の給電点103から電力を供給すると、パッチアンテナ102を励振して電波が放射される。そして放射された電波は無給電パッチ100を励振して、この無給電パッチ100より電波が放射されてアンテナとして機能する。そのときパッチアンテナ102の偏波の方向は給電点103とパッチアンテナ102の中心を結ぶ直線の方向105となる。従って、無給電パッチ100も当然同じ方向106に偏波が発生するので、この方向に偏波を妨害する導体を配置するのを避けなければならない。そこで本発明では、図14(b)のように無給電パッチ200の導体202を導出する方向を、パッチアンテナ206の給電点203とパッチアンテナの中心を結ぶ直線205と直交する方向に導出して、金属筐体1に固定するものである。これにより、無給電パッチ200を固定する導体202に影響されずにアンテナの機能を果たし、且つ無給電パッチ200を導体202により金属筐体1に固定することができる。
この原理に基づいて図1の一つのパッチアンテナについて説明すると、同軸コネクタ8から供給された電力はマイクロストリップライン4を介してパッチアンテナ3に給電される。そのときの偏波の方向は給電点Qとパッチアンテナ3の中心Pを結ぶ直線の矢印13の方向となる。そして無給電パッチ5はパッチアンテナ3に対向して上面に配置され、所定の距離を保持するように金属筐体1と固定される。このとき無給電パッチ5の側面から延びる導体6は、各無給電パッチ5同士を接続すると共に、両側面部9により金属筐体1と固定され、且つ導体6の延びる方向が給電点Qとパッチアンテナ3の中心Pを結ぶ直線の矢印13の方向と必ず直交する方向に延びている。
図2は図1の第1の実施形態の平面アンテナの斜視図である。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。図のように、箱状の金属筐体1の内部にパッチアンテナを形成した誘電体基板2と、無給電パッチ5と導体6が一体形成されたパッチユニット14が収納され、パッチユニット14は両側面部9により外部からネジ7により固定されている。そして外部に同軸コネクタ8がネジ10により固定されここから電波が供給される。
【0009】
図3は本発明の第2の実施形態の平面アンテナの斜視図である。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。図3が図2と異なる点は、パッチユニット27が板金により一体形成され、しかも固定方法が上面から可能となっている点と、そのために金属筐体24の上部を底面に対して平行に折り曲げている点である。このような構成にすることにより、板金打ち抜きのパッチユニット27の周辺部26を、金属筐体24の上部を底面に対して平行に折り曲げた折り曲げ部25に重ねて、ネジ23により固定するものである。
図4は本発明の第3の実施形態の平面アンテナの斜視図である。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。図4が図2と異なる点は、パッチユニット32の無給電パッチ30が円形ではなくダイポールになった点である。この無給電パッチ30の長さは、使用する周波数の約1/2波長の長さに構成される。この場合、パッチアンテナ3の形状は円形でも四角形でも構わない。
図5は本発明の第4の実施形態の平面アンテナの斜視図である。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。図5が図2と異なる点は、パッチユニット37の無給電パッチ35が円形ではなく四角形になった点である。この場合はパッチアンテナの形状も四角形で構成されているが、円形でも構成が可能である。
図6は無給電パッチの第1の支持方法を説明するための模式図である。この支持方法は、金属筐体40上に、銅箔47を底面に形成した誘電体基板46が配置され、その誘電体基板46上にパッチアンテナ43が形成されている。このパッチアンテナ43にはマイクロストリップライン44が形成されている。更にその上面の対向する位置に、無給電パッチ42が配置され、この無給電パッチ42の一方の端から導体41が延び、所定の部分から直角に曲げられてネジ45により金属筐体40に固定されている。このようにこの支持方法は無給電パッチ42が1箇所で固定されているものである。
【0010】
図7は無給電パッチの第2の支持方法を説明するための模式図である。この支持方法は、金属筐体50の両側面の上部58を折り曲げ、その金属筐体50上に、銅箔57を底面に形成した誘電体基板56が配置され、その誘電体基板56上にパッチアンテナ53が2つ形成されている。このパッチアンテナ53にはマイクロストリップライン54により各パッチアンテナ53が接続されるように形成されている。更にその上面の対向する位置に、無給電パッチ52が2つ配置され、両者を導体59が接続し、且つこれら無給電パッチ52の両端から導体51がそれぞれ延び、金属筐体50の両側面の上部58にネジ55で固定されている。このようにこの支持方法は無給電パッチ52が2箇所で固定されているものである。
図8は無給電パッチの第3の支持方法を説明するための模式図である。この支持方法は、図示しない金属筐体上に、銅箔67を底面に形成した誘電体基板66が配置され、その誘電体基板66上にパッチアンテナ63が2つ形成されている。このパッチアンテナ63にはマイクロストリップライン64により各パッチアンテナ63が接続されるようにが形成されている。更にその上面の対向する位置に、無給電パッチ62が2つ配置され、両者を導体68が接続し、且つこれら無給電パッチ62の両端から導体61が延び、所定の部分から直角に曲げられてネジ65により誘電体基板66に固定されている。このようにこの支持方法は無給電パッチ62が2箇所で固定されているものである。
図9は円形のパッチユニット73が1つの金型により打ち抜かれた図である。この金型では無給電パッチ72が6つ形成され、各無給電パッチ72は導体71により接続されると共に、型枠70に接続されて保持されている。このように本発明の無給電パッチは金属の板を金型により打ち抜くことで、簡単にどのような型でも形成することができる。そして量産効果により大量に製造することにより、部品単価を安くすることができる。
【0011】
図10はパッチユニットが1つの金型により打ち抜かれた図である。図10(a)の金型ではパッチユニット83の無給電パッチ82が2つ形成され、各無給電パッチ82は導体81により接続されると共に、型枠80に接続されて保持されている。この例では導体81が中心で十字形に形成されているので、無給電パッチ82がより強固に保持される。また図10(b)の金型ではパッチユニット88の無給電パッチ87が2つ形成され、各無給電パッチ87は導体86により接続されると共に、型枠85に接続されて保持されている。この例では導体86が各無給電パッチ87の片側から型枠85に接続されて保持されている。これにより導体が最小限に形成されているので、電界の影響を最小限に抑えることができる。
図11は、本発明のアンテナのリターンロス特性を示す図である。縦軸にリターンロス(dB)、横軸に周波数(GHz)を示す。目的としている4.9〜5.1GHzの周波数範囲で、リターンロスは約−18dB得られており(矢印1)、整合がよくとれているといえる。また、このリタ−ンロス特性は、周波数4.75GHz〜5.15GHzの範囲で2共振(2山)の形状のカーブであり、いわゆる広帯域な整合が得られていることがわかる。またリターンロス−15dB以下の帯域は、約420MHz得られており、約8.6%の帯域となる。通常、無給電素子のないパッチ素子の帯域は、1〜2%程度であり、本発明においても、同様に広帯域化されていることがわかる。
図12は、5GHz帯における水平面内の放射パタ−ンの測定値を示す図である。縦軸に電界は垂直偏波で、電界面とは直交する面でのスイープになっている。周波数4.9〜5.1GHzにおいて、利得が14dBi前後得られており、サイドローブレベルも−16dB以下に抑えられているのがわかる。
図13は、5GHz帯における垂直面内の放射パタ−ンの測定値を示す図である。水平面内の放射パターン同様に、サイドローブレベルも−16dB以下に抑えられているのがわかる。
【0012】
【発明の効果】
以上記載のごとく請求項1の発明によれば、無給電パッチの導体を導出する方向を、パッチアンテナの給電点とパッチアンテナの中心を結ぶ直線と直交するように形成するので、無給電パッチを固定する導体に影響されずにアンテナの機能を果たし、且つ無給電パッチを筐体に固定することができる。
また請求項2では、無給電パッチの形状は、円形、四角形、若しくはダイポールの何れかにするので、各種パッチアンテナの形状に対応することができる。
また請求項3では、無給電パッチの固定を1箇所で行うので、固定方法が簡略化されて更にコストダウンとなる。
また請求項4では、無給電パッチの固定を複数箇所で行うので、無給電パッチの固定が堅固になり、アンテナの特性を安定化することができる。
また請求項5では、無給電パッチを金型で打ち抜く場合、導体を1方向のみに形成するので、金型が簡略化され型代を安くすることができる。
また請求項6では、無給電パッチを金型で打ち抜く場合、導体を両方向に形成するので、無給電パッチの位置精度を高くすることができる。
また請求項7では、無給電パッチを金属筐体の箱状の側面を利用して固定するので、固定方法が簡単で且つパッチアンテナとの距離を任意に設定することができる。
また請求項8では、金属筐体の側面の一部を水平に折り曲げて、そこに板状の無給電パッチを載せて固定するので、無給電パッチを加工する必要がなく、加工費が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る平面アンテナの構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の平面アンテナの斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の平面アンテナの斜視図である。
【図4】本発明の第3の実施形態の平面アンテナの斜視図である。
【図5】本発明の第4の実施形態の平面アンテナの斜視図である。
【図6】本発明の無給電パッチの第1の支持方法を説明するための模式図である。
【図7】本発明の無給電パッチの第2の支持方法を説明するための模式図である。
【図8】本発明の無給電パッチの第3の支持方法を説明するための模式図である。
【図9】本発明の円形のパッチユニット73が1つの金型により打ち抜かれた図である。
【図10】本発明のパッチユニットが1つの金型により打ち抜かれた図である。
【図11】本発明の平面アンテナにおける5GHz帯のリターンロス特性を表す図である。
【図12】本発明の平面アンテナにおける5GHz帯の水平面放射パターンの特性を表す図である。
【図13】本発明の平面アンテナにおける5GHz帯の垂直面放射パターンの特性を表す図である。
【図14】本発明の平面アンテナの動作を説明するための図である。
【図15】従来の平面アンテナの構成を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
1 金属筐体、2 誘電体基板、3 パッチアンテナ、4 マイクロストリップライン、5 無給電パッチ、6 導体、8 同軸コネクタ、14 パッチユニット
Claims (8)
- 誘電体基板上に形成されたパッチアンテナと、該パッチアンテナと対向する位置に配置される無給電パッチと、前記パッチアンテナ及び無給電パッチを支持する金属筐体とを備えた平面アンテナであって、
前記無給電パッチの周縁部から延びた導体は、前記金属筐体に接続された状態にて固定され、且つ前記パッチアンテナの給電点と該パッチアンテナの中心を結ぶ直線と直交するように形成されていることを特徴とする平面アンテナ。 - 前記無給電パッチの形状は、円形、四角形、若しくはダイポールの何れかであることを特徴とする請求項1に記載の平面アンテナ。
- 前記無給電パッチの導体は、前記金属筐体と1箇所で接続された状態により固定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の平面アンテナ。
- 前記無給電パッチの導体は、前記金属筐体と複数箇所で接続された状態にて固定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の平面アンテナ。
- 前記無給電パッチ及び導体は一体形成により構成され、且つ前記導体が前記無給電パッチの一つの周縁部から導出されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の平面アンテナ。
- 前記無給電パッチ及び導体は一体形成により構成され、且つ前記導体が前記無給電パッチの対向する2つの周縁部から導出されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の平面アンテナ。
- 前記金属筐体は箱状の形状を成し、該金属筐体の側面により前記無給電パッチを支持固定することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の平面アンテナ。
- 前記金属筐体は箱状の形状を成し、該金属筐体の側面の一部を底面と略水平に屈曲させ、該屈曲部分により前記無給電パッチを支持固定することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の平面アンテナ。
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CN108346853A (zh) * | 2016-09-14 | 2018-07-31 | 株式会社村田制作所 | 天线装置 |
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2003
- 2003-04-21 JP JP2003115966A patent/JP3998598B2/ja not_active Expired - Fee Related
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