JP2004327620A - 多層基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】下層、中間層、上層の3つの絶縁シートのそれぞれに形成されたグランド電極以外の電極が多層基板の厚み方向に重なり、且つ前記絶縁シートの面に対して垂直に見たときに上層および下層の電極の少なくとも一方が中間層の電極の外周よりはみ出すように配置され、中間層と上層との電極間または中間層と下層との電極間の少なくとも一方が電気的に直結されていない領域で、上層と下層の電極間の不要な結合を回避する。
【解決手段】下層、中間層、上層の3つの絶縁シート10i,10j,10kのそれぞれに形成された電極パターンa,b,cは多層基板の厚み方向に重なり、上層の電極cから下層の電極aを見た時、下層の電極aの外周が中間層の電極bの外周よりはみ出して見えないように、これら3つの電極a,b,cを配置する。
【選択図】 図1
【解決手段】下層、中間層、上層の3つの絶縁シート10i,10j,10kのそれぞれに形成された電極パターンa,b,cは多層基板の厚み方向に重なり、上層の電極cから下層の電極aを見た時、下層の電極aの外周が中間層の電極bの外周よりはみ出して見えないように、これら3つの電極a,b,cを配置する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、それぞれに電極パターンを形成した複数の絶縁シートを積層して所定の回路を構成した多層基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
多層基板において、下層の電極と中間層の電極との間、または中間層の電極と上層の電極との間の少なくとも一方が電気的に直結されていない場合で、グランド電極以外の3つの電極が基板の厚み方向に重なって配置される場合、直結されていない電極間に意図した容量を生じさせるとともに、上層と下層の電極間に不要な容量 (ストレー容量)が発生しないように設計する必要がある。図9はその多層基板の断面部分を示している。ここでa,b,cは絶縁シート10i,10j,10kの上面にそれぞれ形成された電極パターン(以下、単に「電極」という。)、10Lは絶縁シート10kの上部の絶縁シートである。これらのシートが積層された構造において、基板の面に対して垂直に見た時、上層の電極cおよび下層の電極aが、中間層の電極bの外周よりそれぞれはみ出さないようにこれらを配置している。このことによって下層と上層の電極a−c間に不要な容量が生じることがない。
【0003】
なお、下層の電極と中間層の電極との間、または中間層の電極と上層の電極との間の両方が電気的に直結されている場合は、元々ストレー容量が生じる心配はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、多層基板の断面において中間層の電極bの近傍で、その周囲に位置するビアホールに下層の電極aや上層の電極cを接続しなければならない場合がある。図10の(A)はその場合の例について示している。このような構造では、上層の電極cからビアホールまで延びる引出し電極部分c′が基板に垂直な方向から見た時、中間層の電極bの範囲外にはみ出すことになる。その結果、この引出し電極c′から電極aが見える場合があり、その場合には下層の電極aと上層の電極cとが容量結合してしまう。
【0005】
図10の(B)に示すように、電極a,cを同一の絶縁層10iに設け、その上部に電極bを配置することによって、電極a−b間およびb−c間にそれぞれ容量を生じさせる構造を採れば、結合を避けようとする電極a−cの対向関係は回避できる。ところが、電極a,cと電極bとの間でそれぞれ容量を生じさせる必要がある場合、電極bの必要面積が増大してしまう。
【0006】
また、多層基板の表面に実装部品実装用の電極(ランド)を形成する場合、その電極は、実装部品の端子配置の制約を受ける。例えば図10の(A)において、電極cを実装部品実装用の電極とする場合、この電極cは実装部品の端子配置の制約を受けるため、その下層に存在する電極bを電極a−c間の不要結合を抑制できる程度まで広げられない場合も生じる。
【0007】
そこで、この発明の目的は、上述の問題を解消し、下層、中間層、上層の3つの絶縁シートのそれぞれに形成されたグランド電極以外の電極が多層基板の厚み方向に重なり、且つ前記絶縁シートの面に対して垂直に見たときに上層および下層の電極の少なくとも一方が中間層の電極の外周よりはみ出すように配置され、中間層と上層との電極間または中間層と下層との電極間の少なくとも一方が電気的に直結されていない領域で、上層と下層の電極間の不要な結合を回避した多層基板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、電極パターンを形成した複数の絶縁シートを積層してなる多層基板において、下層、中間層、上層の3つの絶縁シートのそれぞれに形成されたグランド電極以外の電極パターンが多層基板の厚み方向に重なり、且つ前記絶縁シートの面に対して垂直に見たときに上層および下層の電極の少なくとも一方が中間層の電極の外周よりはみ出すように配置され、中間層と上層との電極間または中間層と下層との電極間の少なくとも一方は電気的に直結されておらず、さらに上層または下層の一方の電極から他方の電極を見たとき他方の電極の外周が中間層の電極の外周よりはみ出して見えないようにしたことを特徴としている。
【0009】
この構成により、下層、中間層、上層の3つの層に形成された3つの電極パターンが多層基板の厚み方向に重なる部分において、基板に垂直な方向から見た時の重なり具合ではなく、上層の電極から下層の電極を見た時、下層の電極の外周が中間層の電極の外周よりはみ出して見えない関係としたことにより、上層の電極から下層の電極を見た時、下層の電極は中間層の電極で完全に覆われる。この関係は可逆性である。すなわち、下層の電極から上層の電極を見た時、上層の電極は中間層の電極で完全に覆われる。その結果、下層の電極と上層の電極間で不要な容量が生じることが無い。
【0010】
また、この発明は、上層または下層の電極のいずれかを多層基板の表面に形成した実装部品実装用の電極とする場合も含む。この構造により、多層基板の表面に実装部品を実装した多層基板へも適用する。
【0011】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態に係る多層基板について図1を基に説明する。
図1の(A)は構成しようとする回路の回路図、(B)はその多層基板の分解斜視図、(C)は多層基板の主要部の断面図である。この(A)に示す回路は、フィルタを組み合わせることによって2つの周波数帯域を減衰させる場合などに用いられる回路構成である。(B)は2つのコンデンサC1,C2を構成する部分の電極パターンを示している。また(C)は、断面における電極a,cの位置が相対的に最もずれる関係となる部分での断面図である。
【0012】
ここで、電極a,bによって図1の(A)に示したコンデンサC1を構成していて、電極b,cによってコンデンサC2を構成している。
この図1の(C)から明らかなように、絶縁シートに垂直な方向から見ると上層の電極aおよび下層の電極cは中層の電極bの外周からはみ出しているにもかかわらず、上層の電極cから下層の電極aを見たとき、電極aの外周は中間層の電極bの外周よりはみ出して見えない関係としている。このことは、下層の電極aから上層の電極cを見た時、上層の電極cの外周が中間層の電極bの外周よりはみ出して見えないようにしていることと等価である。
その結果、電極a−c間には不要な容量が生じないので、フィルタの減衰特性が劣化しない。
【0013】
次に、第2の実施形態に係るトリプルバンドスイッチプレクサについて図2〜図7を基に説明する。
図2はトリプルバンドスイッチプレクサの等価回路図、図3〜図5は同トリプルバンドスイッチプレクサを構成した多層基板の各層の構成を示す図(積図)である。
【0014】
この例は、GSM(Global System for Mobile Communication)とDCSおよびPCSの3つの周波数帯域を用いるGSM/DCS/PCSトリプルバンドのスイッチプレクサである。図2においてGSMTxはGSMの送信信号入力端子、GSMRxはGSMの受信信号出力端子である。DCS/PCSTxはDCSおよびPCSの送信信号入力端子である。PCSRxはPCSの受信信号出力端子、DCSRxはDCSの受信信号出力端子である。さらにANTはアンテナ接続端子である。
【0015】
LPF1はGSMの送信信号を通過させるローパスフィルタである。このローパスフィルタLPF1はキャパシタGCu1,GCu2,GCc1および線路GLt1によって構成している。
【0016】
SW3はGSMの送信信号と受信信号の切り換えを行う高周波スイッチ回路である。この高周波スイッチ回路SW3は、ダイオードGD1,GD2とキャパシタGC5と線路GSL2とで構成している。インダクタGSL1と抵抗GRは制御信号の通電経路を構成している。
【0017】
LPF2はDCS/PCS信号の送信信号を通過させるローパスフィルタである。このローパスフィルタLPF2はキャパシタDCu2,DCc1,DCc2および線路DLt1,DLt2によって構成している。
【0018】
SW1はDCS/PCS送信信号とDCS/PCS受信信号の切り替えを行う高周波スイッチ回路である。ここでキャパシタDPCt1とインダクタDPSLtの直列回路とダイオードDD1との並列回路によってスルースイッチ部TSを構成している。高周波スイッチSW1は、このスルースイッチ部TS、インダクタDPSL1、線路DSL2、ダイオードDD2、キャパシタDC5および抵抗DRによって構成している。抵抗DR、インダクタDSL2,DPSL1は制御信号の通電経路を構成している。
【0019】
SW2はPCS受信信号とDCS受信信号の切り替えを行う高周波スイッチ回路である。この高周波スイッチSW2は、インダクタPSL1、線路PSL2、ダイオードPD1,PD2、キャパシタCj,PC5および抵抗PRによって構成している。なお、キャパシタDC6は制御信号入力端子Vc1,Vc2から入力される制御電圧信号間の直流カットのために挿入している。抵抗PR、インダクタPSL2,PSL1は制御信号の通電経路を構成している。
【0020】
また、DPXはGSM信号とDCS/PCS信号とのトリプルバンドでアンテナを共用するためのダイプレクサである。このダイプレクサDPX内のキャパシタCu1,Ct1と線路Lt1によって、GSM信号を通過させるローパスフィルタを構成している。また、キャパシタCc1,Cc2,Ct2と線路Lt2によって、DCS/PCS信号を通過させるバンドパスフィルタを構成している。なお、キャパシタCantおよびインダクタLantはアンテナ整合回路を構成している。
【0021】
またSAWgはGSMの受信信号を通過させるSAWフィルタからなるバンドパスフィルタである。GLr,GCrはその入出力部の整合回路を構成している。またSAWdはDCSの受信信号を通過させるSAWフィルタからなるバンドパスフィルタである。DLrはその出力部の整合回路を構成している。
【0022】
図2において、SW3はVc3→GR→GD2→GSL2→GD1→GSL1が制御信号の通電経路となる。すなわち、GSMTx信号の送信時には、制御信号入力端子Vc3に制御電圧信号を印加してダイオードGD2,GD1をともにオンさせる。このことにより、ダイプレクサDPXからGSMRx端子へのGSMRx信号が遮断され、GSMTx端子からダイプレクサDPXへのGSMTx信号が通過する。GSMRx信号の受信時には、ダイオードGD1,GD2をともにオフさせる。このことにより、GSMTx端子からダイプレクサDPXへのGSMTx信号が遮断され、ダイプレクサDPXからGSMRx端子へのGSMRx信号が通過する。
【0023】
また、SW1はVc1→DR→DD2→DSL2→DD1→DPSL1が制御信号の通電経路となる。すなわち、DCS/PCSTx信号の送信時には、制御信号入力端子Vc1に正電圧を印加して、ダイオードDD1,DD2のいずれもオンさせる。このことにより、DCS/PCSTx信号がスルースイッチ部TSを経由してダイプレクサDPXへ通過する。
【0024】
また、SW2はVc2→PR→PD2→PSL2→PD1→PSL1が制御信号の通電経路となる。すなわち、PCSRx信号の受信時には、制御信号入力端子Vc2に正電圧を印加して、ダイオードPD1,PD2のいずれもオンさせる。このことにより、SW1からDCSRx端子へのDCSRx信号が遮断され、SW1からPCSRx端子へのPCSRx信号が通過する。DCSRx信号の受信時には、制御信号入力端子Vc2に0電圧または負電圧を印加して、ダイオードPD1,PD2のいずれもオフさせる。このことにより、SW1からPCSRx端子へのPCSRx信号が遮断され、SW1からDCSRx端子へのDCSRx信号が通過する。
【0025】
図3〜図5は、図2に示したスイッチプレクサを多層基板を用いて構成した時の、各層の構成を示す平面図である。図3〜図5において括弧付の番号は層番号を表していて、値の小さなものほど下層であり、図3の(1) が最下層、図5の(17)が最上層に相当する。図3の(1) に示す各端子の名称のうち、GNDはグランド端子、D/PTxはDCS/PCSTx端子である。その他は図2に示した記号に対応している。(2) の層と(4) の層にはグランド電極GNDを形成している。(3) で示す層には、(2) の層および(4) の層に形成したグランド電極GNDとの間でそれぞれキャパシタを構成する電極パターンを形成している。(5) の層には、(4) の層に形成したグランド電極GNDとの間でそれぞれキャパシタを構成する電極パターンを形成している。(7) 〜(11)で示す各層には、それぞれインダクタとして作用する電極パターン(線路)を形成している。これらの図中の記号は図2に示した各回路素子の記号に対応している。
【0026】
図4の(12)〜(15)で示す層にはキャパシタ用電極をそれぞれ形成している。また、図5の(17)で示す最上層には、ダイオードDD1,DD2,PD1,PD2,GD1,GD2、チップキャパシタCant、チップインダクタGSL1,GLr,Lant,DLr、チップ抵抗GR,DR,PR、デュアルのSAWフィルタSAWをそれぞれ搭載している。
【0027】
図4において(13),(14),(15)の各層にそれぞれ形成した電極DCc2,(DCc1・DCc2),DCc1のそれぞれの関係は、第1の実施形態で示した場合と同様である。すなわち、上層の電極DCc1から下層の電極DCc2を見た時、下層の電極DCc2の外周が中間層の電極(DCc1・DCc2)の外周よりはみ出して見えないように、これらの3つの電極を配置している。この関係は、下層の電極DCc2から上層の電極DCc1を見た時、DCc1の外周が中間層の電極(DCc1・DCc2)の外周よりはみ出して見えないようにしていることと等価である。この構造により、(13)と(15)の層の2つの電極DCc1−DCc2間に不要な容量が生じることが無く、図2に示したポイントa−c間に不要なストレー容量は生じない。
【0028】
また、図4および図5において(14),(15),(16)の各層にそれぞれ形成した電極GCc1,GCc1,ダイオードGD1のカソード電極接続用電極(ランド)(図5の(16)において下方側の電極)のそれぞれの関係も第1の実施形態で示した場合と同様である。すなわち、上層のダイオードGD1のカソード電極接続用電極から下層側の電極GCc1を見た時、下層の電極GCc1の外周が中間層の電極GCc1の外周よりはみ出して見えないように、これらの3つの電極を配置している。この構造により、ダイオードGD1のカソード電極接続用電極と下層の電極GCc1間に不要な容量が生じることが無く、図2に示したポイントd−f間に不要なストレー容量は生じない。
【0029】
さらに、図3および図4において(7) 〜(10)層に形成したインダクタ用電極DPSLtと、(12)〜(15)層に形成したキャパシタ用電極DPCt1の関係も第1の実施形態で示した場合と同様である。すなわち、(15)層と(13)層に形成した電極DPSt1同士が導通していて、(14)層と(12)層に形成した電極DPSt1同士が導通している。この上層側の(15)層と(13)層に形成した電極DPSt1から(7) 〜(10)層の電極DPSLtを見た時、下層の電極DPSLtの外周が(12)層に形成した電極DPCt1の外周よりはみ出して見えないように、これらの電極を配置している。この構造により、図2に示したポイントg−i間に不要なストレー容量は生じない。
【0030】
図6は図2に示したトリプルバンドスイッチプレクサのDCS/PCSの送信部の経路について解析するためのシミュレーション回路である。ここでCSC1は図2に示したポイントa−c間に生じるストレー容量である。またCSC2,CSC3は図2に示したポイントa,cとグランドとの間に生じるストレー容量である。また図6においてLdd1は図2におけるダイオードDD1の導通時に相当するインダクタである。その他の各素子は図2に示したものと同様である。
【0031】
図7は図6におけるポートPin−Pout間の通過特性を示している。上記ストレー容量CSC1が0の時、(A)の特性となり、CSC1が大きくなるにつれて(B)に示すように、通過帯域の高域側に現れる2つの減衰極が無くなり、通過帯域高域側の減衰特性が悪化する。このことにより、本発明の構成が優れた効果を奏するものであることがわかる。
【0032】
次に、第3の実施形態に係る多層基板の例を図8に示す。図8は2つの例について多層基板の主要部の構造を分解斜視図として示している。(A)に示す例では、絶縁シート10i,10jにインダクタ用電極パターンd,eを形成している。また絶縁シート10k,10Lにはキャパシタ用電極パターンf,gを形成している。絶縁シート10mには実装部品11実装用の電極パターン(ランド)hを形成している。これらの電極のうちf,g,hは第1の実施形態に示したものと同様の関係にあるが、電極e,g,hも第1の実施形態に示したものと同様の関係にある。すなわち、上層の電極hから下層側の電極eを見た時、下層の電極eの外周が中間層の電極gの外周よりはみ出して見えないように、これらの3つの電極を配置している。この構造により、電極hと電極eとの間に不要な容量が生じることが無い。
【0033】
(B)に示す例では、中間層の電極k、上層の電極L、下層の電極iおよびjが第1の実施形態に示したものと同様の関係にある。すなわち、上層の電極Lから下層側の電極iおよびjを見た時、下層の電極iおよびjの外周が中間層の電極kの外周よりはみ出して見えないように、これらの3つの電極を配置している。この構造により、電極Lと電極iおよびjとの間に不要な容量が生じることが無い。
【0034】
【発明の効果】
この発明によれば、下層、中間層、上層の3つの層に形成された3つの電極パターンが多層基板の厚み方向に重なる部分において、基板に垂直な方向から見た時の重なり具合ではなく、上層の電極から下層の電極を見た時、下層の電極の外周が中間層の電極の外周よりはみ出して見えない関係としたことにより、上記3つの電極パターンから例えばビアホールまで引出し電極部分が延びる構造であっても、下層の電極と上層の電極間での不要な容量発生を防止できる。
【0035】
また、この発明によれば、上層または下層の電極のいずれかを多層基板の表面に形成した実装部品実装用の電極としたことにより、多層基板の表面に実装部品実装用の比較的面積の大きな電極を備えた多層基板の場合でも、その実装用の電極を一方の電極とする不要な容量の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る多層基板の構成を示す回路図、分解斜視図および断面図
【図2】第2の実施形態に係るトリプルバンドスイッチプレクサの等価回路図
【図3】同トリプルバンドスイッチプレクサを構成する多層基板各層の構成を示す平面図
【図4】同トリプルバンドスイッチプレクサを構成する多層基板各層の構成を示す平面図
【図5】同トリプルバンドスイッチプレクサを構成する多層基板各層の構成を示す平面図
【図6】同トリプルバンドスイッチプレクサのローパスフィルタLPF2部分に生じるストレー容量の影響をシミュレーションするための回路図
【図7】図6におけるストレー容量CSC1の有無による特性変化の例を示す図
【図8】第3の実施形態に係る多層基板の構成を示す分解斜視図
【図9】従来の多層基板の構造を示す断面図
【図10】従来の多層基板の構成例を示す分解斜視図
【符号の説明】
10−絶縁シート
11−実装部品
a〜L−電極パターン
a′,b′,c′−引出し電極
【発明の属する技術分野】
この発明は、それぞれに電極パターンを形成した複数の絶縁シートを積層して所定の回路を構成した多層基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
多層基板において、下層の電極と中間層の電極との間、または中間層の電極と上層の電極との間の少なくとも一方が電気的に直結されていない場合で、グランド電極以外の3つの電極が基板の厚み方向に重なって配置される場合、直結されていない電極間に意図した容量を生じさせるとともに、上層と下層の電極間に不要な容量 (ストレー容量)が発生しないように設計する必要がある。図9はその多層基板の断面部分を示している。ここでa,b,cは絶縁シート10i,10j,10kの上面にそれぞれ形成された電極パターン(以下、単に「電極」という。)、10Lは絶縁シート10kの上部の絶縁シートである。これらのシートが積層された構造において、基板の面に対して垂直に見た時、上層の電極cおよび下層の電極aが、中間層の電極bの外周よりそれぞれはみ出さないようにこれらを配置している。このことによって下層と上層の電極a−c間に不要な容量が生じることがない。
【0003】
なお、下層の電極と中間層の電極との間、または中間層の電極と上層の電極との間の両方が電気的に直結されている場合は、元々ストレー容量が生じる心配はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、多層基板の断面において中間層の電極bの近傍で、その周囲に位置するビアホールに下層の電極aや上層の電極cを接続しなければならない場合がある。図10の(A)はその場合の例について示している。このような構造では、上層の電極cからビアホールまで延びる引出し電極部分c′が基板に垂直な方向から見た時、中間層の電極bの範囲外にはみ出すことになる。その結果、この引出し電極c′から電極aが見える場合があり、その場合には下層の電極aと上層の電極cとが容量結合してしまう。
【0005】
図10の(B)に示すように、電極a,cを同一の絶縁層10iに設け、その上部に電極bを配置することによって、電極a−b間およびb−c間にそれぞれ容量を生じさせる構造を採れば、結合を避けようとする電極a−cの対向関係は回避できる。ところが、電極a,cと電極bとの間でそれぞれ容量を生じさせる必要がある場合、電極bの必要面積が増大してしまう。
【0006】
また、多層基板の表面に実装部品実装用の電極(ランド)を形成する場合、その電極は、実装部品の端子配置の制約を受ける。例えば図10の(A)において、電極cを実装部品実装用の電極とする場合、この電極cは実装部品の端子配置の制約を受けるため、その下層に存在する電極bを電極a−c間の不要結合を抑制できる程度まで広げられない場合も生じる。
【0007】
そこで、この発明の目的は、上述の問題を解消し、下層、中間層、上層の3つの絶縁シートのそれぞれに形成されたグランド電極以外の電極が多層基板の厚み方向に重なり、且つ前記絶縁シートの面に対して垂直に見たときに上層および下層の電極の少なくとも一方が中間層の電極の外周よりはみ出すように配置され、中間層と上層との電極間または中間層と下層との電極間の少なくとも一方が電気的に直結されていない領域で、上層と下層の電極間の不要な結合を回避した多層基板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、電極パターンを形成した複数の絶縁シートを積層してなる多層基板において、下層、中間層、上層の3つの絶縁シートのそれぞれに形成されたグランド電極以外の電極パターンが多層基板の厚み方向に重なり、且つ前記絶縁シートの面に対して垂直に見たときに上層および下層の電極の少なくとも一方が中間層の電極の外周よりはみ出すように配置され、中間層と上層との電極間または中間層と下層との電極間の少なくとも一方は電気的に直結されておらず、さらに上層または下層の一方の電極から他方の電極を見たとき他方の電極の外周が中間層の電極の外周よりはみ出して見えないようにしたことを特徴としている。
【0009】
この構成により、下層、中間層、上層の3つの層に形成された3つの電極パターンが多層基板の厚み方向に重なる部分において、基板に垂直な方向から見た時の重なり具合ではなく、上層の電極から下層の電極を見た時、下層の電極の外周が中間層の電極の外周よりはみ出して見えない関係としたことにより、上層の電極から下層の電極を見た時、下層の電極は中間層の電極で完全に覆われる。この関係は可逆性である。すなわち、下層の電極から上層の電極を見た時、上層の電極は中間層の電極で完全に覆われる。その結果、下層の電極と上層の電極間で不要な容量が生じることが無い。
【0010】
また、この発明は、上層または下層の電極のいずれかを多層基板の表面に形成した実装部品実装用の電極とする場合も含む。この構造により、多層基板の表面に実装部品を実装した多層基板へも適用する。
【0011】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態に係る多層基板について図1を基に説明する。
図1の(A)は構成しようとする回路の回路図、(B)はその多層基板の分解斜視図、(C)は多層基板の主要部の断面図である。この(A)に示す回路は、フィルタを組み合わせることによって2つの周波数帯域を減衰させる場合などに用いられる回路構成である。(B)は2つのコンデンサC1,C2を構成する部分の電極パターンを示している。また(C)は、断面における電極a,cの位置が相対的に最もずれる関係となる部分での断面図である。
【0012】
ここで、電極a,bによって図1の(A)に示したコンデンサC1を構成していて、電極b,cによってコンデンサC2を構成している。
この図1の(C)から明らかなように、絶縁シートに垂直な方向から見ると上層の電極aおよび下層の電極cは中層の電極bの外周からはみ出しているにもかかわらず、上層の電極cから下層の電極aを見たとき、電極aの外周は中間層の電極bの外周よりはみ出して見えない関係としている。このことは、下層の電極aから上層の電極cを見た時、上層の電極cの外周が中間層の電極bの外周よりはみ出して見えないようにしていることと等価である。
その結果、電極a−c間には不要な容量が生じないので、フィルタの減衰特性が劣化しない。
【0013】
次に、第2の実施形態に係るトリプルバンドスイッチプレクサについて図2〜図7を基に説明する。
図2はトリプルバンドスイッチプレクサの等価回路図、図3〜図5は同トリプルバンドスイッチプレクサを構成した多層基板の各層の構成を示す図(積図)である。
【0014】
この例は、GSM(Global System for Mobile Communication)とDCSおよびPCSの3つの周波数帯域を用いるGSM/DCS/PCSトリプルバンドのスイッチプレクサである。図2においてGSMTxはGSMの送信信号入力端子、GSMRxはGSMの受信信号出力端子である。DCS/PCSTxはDCSおよびPCSの送信信号入力端子である。PCSRxはPCSの受信信号出力端子、DCSRxはDCSの受信信号出力端子である。さらにANTはアンテナ接続端子である。
【0015】
LPF1はGSMの送信信号を通過させるローパスフィルタである。このローパスフィルタLPF1はキャパシタGCu1,GCu2,GCc1および線路GLt1によって構成している。
【0016】
SW3はGSMの送信信号と受信信号の切り換えを行う高周波スイッチ回路である。この高周波スイッチ回路SW3は、ダイオードGD1,GD2とキャパシタGC5と線路GSL2とで構成している。インダクタGSL1と抵抗GRは制御信号の通電経路を構成している。
【0017】
LPF2はDCS/PCS信号の送信信号を通過させるローパスフィルタである。このローパスフィルタLPF2はキャパシタDCu2,DCc1,DCc2および線路DLt1,DLt2によって構成している。
【0018】
SW1はDCS/PCS送信信号とDCS/PCS受信信号の切り替えを行う高周波スイッチ回路である。ここでキャパシタDPCt1とインダクタDPSLtの直列回路とダイオードDD1との並列回路によってスルースイッチ部TSを構成している。高周波スイッチSW1は、このスルースイッチ部TS、インダクタDPSL1、線路DSL2、ダイオードDD2、キャパシタDC5および抵抗DRによって構成している。抵抗DR、インダクタDSL2,DPSL1は制御信号の通電経路を構成している。
【0019】
SW2はPCS受信信号とDCS受信信号の切り替えを行う高周波スイッチ回路である。この高周波スイッチSW2は、インダクタPSL1、線路PSL2、ダイオードPD1,PD2、キャパシタCj,PC5および抵抗PRによって構成している。なお、キャパシタDC6は制御信号入力端子Vc1,Vc2から入力される制御電圧信号間の直流カットのために挿入している。抵抗PR、インダクタPSL2,PSL1は制御信号の通電経路を構成している。
【0020】
また、DPXはGSM信号とDCS/PCS信号とのトリプルバンドでアンテナを共用するためのダイプレクサである。このダイプレクサDPX内のキャパシタCu1,Ct1と線路Lt1によって、GSM信号を通過させるローパスフィルタを構成している。また、キャパシタCc1,Cc2,Ct2と線路Lt2によって、DCS/PCS信号を通過させるバンドパスフィルタを構成している。なお、キャパシタCantおよびインダクタLantはアンテナ整合回路を構成している。
【0021】
またSAWgはGSMの受信信号を通過させるSAWフィルタからなるバンドパスフィルタである。GLr,GCrはその入出力部の整合回路を構成している。またSAWdはDCSの受信信号を通過させるSAWフィルタからなるバンドパスフィルタである。DLrはその出力部の整合回路を構成している。
【0022】
図2において、SW3はVc3→GR→GD2→GSL2→GD1→GSL1が制御信号の通電経路となる。すなわち、GSMTx信号の送信時には、制御信号入力端子Vc3に制御電圧信号を印加してダイオードGD2,GD1をともにオンさせる。このことにより、ダイプレクサDPXからGSMRx端子へのGSMRx信号が遮断され、GSMTx端子からダイプレクサDPXへのGSMTx信号が通過する。GSMRx信号の受信時には、ダイオードGD1,GD2をともにオフさせる。このことにより、GSMTx端子からダイプレクサDPXへのGSMTx信号が遮断され、ダイプレクサDPXからGSMRx端子へのGSMRx信号が通過する。
【0023】
また、SW1はVc1→DR→DD2→DSL2→DD1→DPSL1が制御信号の通電経路となる。すなわち、DCS/PCSTx信号の送信時には、制御信号入力端子Vc1に正電圧を印加して、ダイオードDD1,DD2のいずれもオンさせる。このことにより、DCS/PCSTx信号がスルースイッチ部TSを経由してダイプレクサDPXへ通過する。
【0024】
また、SW2はVc2→PR→PD2→PSL2→PD1→PSL1が制御信号の通電経路となる。すなわち、PCSRx信号の受信時には、制御信号入力端子Vc2に正電圧を印加して、ダイオードPD1,PD2のいずれもオンさせる。このことにより、SW1からDCSRx端子へのDCSRx信号が遮断され、SW1からPCSRx端子へのPCSRx信号が通過する。DCSRx信号の受信時には、制御信号入力端子Vc2に0電圧または負電圧を印加して、ダイオードPD1,PD2のいずれもオフさせる。このことにより、SW1からPCSRx端子へのPCSRx信号が遮断され、SW1からDCSRx端子へのDCSRx信号が通過する。
【0025】
図3〜図5は、図2に示したスイッチプレクサを多層基板を用いて構成した時の、各層の構成を示す平面図である。図3〜図5において括弧付の番号は層番号を表していて、値の小さなものほど下層であり、図3の(1) が最下層、図5の(17)が最上層に相当する。図3の(1) に示す各端子の名称のうち、GNDはグランド端子、D/PTxはDCS/PCSTx端子である。その他は図2に示した記号に対応している。(2) の層と(4) の層にはグランド電極GNDを形成している。(3) で示す層には、(2) の層および(4) の層に形成したグランド電極GNDとの間でそれぞれキャパシタを構成する電極パターンを形成している。(5) の層には、(4) の層に形成したグランド電極GNDとの間でそれぞれキャパシタを構成する電極パターンを形成している。(7) 〜(11)で示す各層には、それぞれインダクタとして作用する電極パターン(線路)を形成している。これらの図中の記号は図2に示した各回路素子の記号に対応している。
【0026】
図4の(12)〜(15)で示す層にはキャパシタ用電極をそれぞれ形成している。また、図5の(17)で示す最上層には、ダイオードDD1,DD2,PD1,PD2,GD1,GD2、チップキャパシタCant、チップインダクタGSL1,GLr,Lant,DLr、チップ抵抗GR,DR,PR、デュアルのSAWフィルタSAWをそれぞれ搭載している。
【0027】
図4において(13),(14),(15)の各層にそれぞれ形成した電極DCc2,(DCc1・DCc2),DCc1のそれぞれの関係は、第1の実施形態で示した場合と同様である。すなわち、上層の電極DCc1から下層の電極DCc2を見た時、下層の電極DCc2の外周が中間層の電極(DCc1・DCc2)の外周よりはみ出して見えないように、これらの3つの電極を配置している。この関係は、下層の電極DCc2から上層の電極DCc1を見た時、DCc1の外周が中間層の電極(DCc1・DCc2)の外周よりはみ出して見えないようにしていることと等価である。この構造により、(13)と(15)の層の2つの電極DCc1−DCc2間に不要な容量が生じることが無く、図2に示したポイントa−c間に不要なストレー容量は生じない。
【0028】
また、図4および図5において(14),(15),(16)の各層にそれぞれ形成した電極GCc1,GCc1,ダイオードGD1のカソード電極接続用電極(ランド)(図5の(16)において下方側の電極)のそれぞれの関係も第1の実施形態で示した場合と同様である。すなわち、上層のダイオードGD1のカソード電極接続用電極から下層側の電極GCc1を見た時、下層の電極GCc1の外周が中間層の電極GCc1の外周よりはみ出して見えないように、これらの3つの電極を配置している。この構造により、ダイオードGD1のカソード電極接続用電極と下層の電極GCc1間に不要な容量が生じることが無く、図2に示したポイントd−f間に不要なストレー容量は生じない。
【0029】
さらに、図3および図4において(7) 〜(10)層に形成したインダクタ用電極DPSLtと、(12)〜(15)層に形成したキャパシタ用電極DPCt1の関係も第1の実施形態で示した場合と同様である。すなわち、(15)層と(13)層に形成した電極DPSt1同士が導通していて、(14)層と(12)層に形成した電極DPSt1同士が導通している。この上層側の(15)層と(13)層に形成した電極DPSt1から(7) 〜(10)層の電極DPSLtを見た時、下層の電極DPSLtの外周が(12)層に形成した電極DPCt1の外周よりはみ出して見えないように、これらの電極を配置している。この構造により、図2に示したポイントg−i間に不要なストレー容量は生じない。
【0030】
図6は図2に示したトリプルバンドスイッチプレクサのDCS/PCSの送信部の経路について解析するためのシミュレーション回路である。ここでCSC1は図2に示したポイントa−c間に生じるストレー容量である。またCSC2,CSC3は図2に示したポイントa,cとグランドとの間に生じるストレー容量である。また図6においてLdd1は図2におけるダイオードDD1の導通時に相当するインダクタである。その他の各素子は図2に示したものと同様である。
【0031】
図7は図6におけるポートPin−Pout間の通過特性を示している。上記ストレー容量CSC1が0の時、(A)の特性となり、CSC1が大きくなるにつれて(B)に示すように、通過帯域の高域側に現れる2つの減衰極が無くなり、通過帯域高域側の減衰特性が悪化する。このことにより、本発明の構成が優れた効果を奏するものであることがわかる。
【0032】
次に、第3の実施形態に係る多層基板の例を図8に示す。図8は2つの例について多層基板の主要部の構造を分解斜視図として示している。(A)に示す例では、絶縁シート10i,10jにインダクタ用電極パターンd,eを形成している。また絶縁シート10k,10Lにはキャパシタ用電極パターンf,gを形成している。絶縁シート10mには実装部品11実装用の電極パターン(ランド)hを形成している。これらの電極のうちf,g,hは第1の実施形態に示したものと同様の関係にあるが、電極e,g,hも第1の実施形態に示したものと同様の関係にある。すなわち、上層の電極hから下層側の電極eを見た時、下層の電極eの外周が中間層の電極gの外周よりはみ出して見えないように、これらの3つの電極を配置している。この構造により、電極hと電極eとの間に不要な容量が生じることが無い。
【0033】
(B)に示す例では、中間層の電極k、上層の電極L、下層の電極iおよびjが第1の実施形態に示したものと同様の関係にある。すなわち、上層の電極Lから下層側の電極iおよびjを見た時、下層の電極iおよびjの外周が中間層の電極kの外周よりはみ出して見えないように、これらの3つの電極を配置している。この構造により、電極Lと電極iおよびjとの間に不要な容量が生じることが無い。
【0034】
【発明の効果】
この発明によれば、下層、中間層、上層の3つの層に形成された3つの電極パターンが多層基板の厚み方向に重なる部分において、基板に垂直な方向から見た時の重なり具合ではなく、上層の電極から下層の電極を見た時、下層の電極の外周が中間層の電極の外周よりはみ出して見えない関係としたことにより、上記3つの電極パターンから例えばビアホールまで引出し電極部分が延びる構造であっても、下層の電極と上層の電極間での不要な容量発生を防止できる。
【0035】
また、この発明によれば、上層または下層の電極のいずれかを多層基板の表面に形成した実装部品実装用の電極としたことにより、多層基板の表面に実装部品実装用の比較的面積の大きな電極を備えた多層基板の場合でも、その実装用の電極を一方の電極とする不要な容量の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る多層基板の構成を示す回路図、分解斜視図および断面図
【図2】第2の実施形態に係るトリプルバンドスイッチプレクサの等価回路図
【図3】同トリプルバンドスイッチプレクサを構成する多層基板各層の構成を示す平面図
【図4】同トリプルバンドスイッチプレクサを構成する多層基板各層の構成を示す平面図
【図5】同トリプルバンドスイッチプレクサを構成する多層基板各層の構成を示す平面図
【図6】同トリプルバンドスイッチプレクサのローパスフィルタLPF2部分に生じるストレー容量の影響をシミュレーションするための回路図
【図7】図6におけるストレー容量CSC1の有無による特性変化の例を示す図
【図8】第3の実施形態に係る多層基板の構成を示す分解斜視図
【図9】従来の多層基板の構造を示す断面図
【図10】従来の多層基板の構成例を示す分解斜視図
【符号の説明】
10−絶縁シート
11−実装部品
a〜L−電極パターン
a′,b′,c′−引出し電極
Claims (2)
- 電極を形成した複数の絶縁シートを積層してなる多層基板において、
下層、中間層、上層の3つの絶縁シートのそれぞれに形成されたグランド電極以外の電極が多層基板の厚み方向に重なり、且つ前記絶縁シートの面に対して垂直に見たときに上層および下層の電極の少なくとも一方が中間層の電極の外周よりはみ出すように配置され、中間層と上層との電極間または中間層と下層との電極間の少なくとも一方は電気的に直結されておらず、さらに上層または下層の一方の電極から他方の電極を見たとき他方の電極の外周が中間層の電極の外周よりはみ出して見えないようにした多層基板。 - 前記上層の電極または前記下層の電極のいずれかが多層基板の表面に形成された、実装部品実装用の電極である請求項1に記載の多層基板。
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2003
- 2003-04-23 JP JP2003118762A patent/JP2004327620A/ja active Pending
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