JP2004327197A - 表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機ELディスプレイ等の表示装置を製造するのにあたって、発光領域を封止する構成であっても、そのための封止樹脂の外部電極側へ拡散を防止するとともに、その拡散防止によって高品質化や生産性向上等が阻害されてしまうことがないようにする。
【解決手段】パネル基板1上に、発光領域2と、その発光領域2の一辺に隣接して配された電極領域3とを形成し、前記発光領域2上に封止樹脂7を塗布した後、当該封止樹脂7を挟み込む状態で前記パネル基板1に対向させて封止基板4を貼り付け、これにより前記発光領域2が前記封止樹脂7および前記封止基板4によって封止されてなる表示装置を構成する、表示装置の製造方法において、前記封止基板4として、前記電極領域3が隣接する辺と略直交方向の発光領域2における大きさと略同等の幅を有した短冊形状基板を用いる。
【選択図】 図7
【解決手段】パネル基板1上に、発光領域2と、その発光領域2の一辺に隣接して配された電極領域3とを形成し、前記発光領域2上に封止樹脂7を塗布した後、当該封止樹脂7を挟み込む状態で前記パネル基板1に対向させて封止基板4を貼り付け、これにより前記発光領域2が前記封止樹脂7および前記封止基板4によって封止されてなる表示装置を構成する、表示装置の製造方法において、前記封止基板4として、前記電極領域3が隣接する辺と略直交方向の発光領域2における大きさと略同等の幅を有した短冊形状基板を用いる。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パネル基板上に発光素子が配されてなる表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、平面型の表示装置として、有機電界発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子;以下「有機EL素子」という)を発光素子としたもの(以下「有機ELディスプレイ」という)が注目を集めている。この有機ELディスプレイは、バックライトが不要な自発光型のフラットパネルディスプレイであり、自発光型に特有の視野角の広いディスプレイを実現できるという利点を有する。また、必要な画素のみを点灯させればよいため消費電力の点でバックライト型(液晶ディスプレイ等)に比べて有利であるとともに、今後実用化が期待されている高精細度の高速のビデオ信号に対して十分な応答性能を具備すると考えられている。
【0003】
有機ELディスプレイに用いられる有機EL素子は、一般に、有機材料を上下から電極(陽極および陰極)で挟み込む構造を持つ。そして、有機材料からなる有機層に対して、陽極から正孔が、陰極から電子がそれぞれ注入され、その有機層にて正孔と電子が再結合して発光が生じるようになっている。このとき、有機EL素子では、10V以下の駆動電圧で数百〜数万cd/m2の輝度が得られる。また、有機材料(蛍光物質)を適宜選択することによって、所望する色彩の発光も得ることができる。これらのことから、有機EL素子は、マルチカラーまたはフルカラーの表示装置を構成するための発光素子として、非常に有望視されている。ただし、有機EL素子では、水分や酸素の侵入等によって有機層が結晶化すると、ダークスポットと呼ばれる非発光点が発生する要因になってしまう。ダークスポットは、経時的に成長し、またその成長によって有機EL素子を短寿命化することが知られている。したがって、有機ELディスプレイを構成する上で、有機EL素子への水分や酸素の侵入等については、これを極力抑制する必要がある。
【0004】
このことから、有機ELディスプレイとしては、有機EL素子が設けられているパネル基板上の領域である発光領域を、封止樹脂で覆うとともにその封止樹脂を挟み込む状態でパネル基板に対向させてガラス板等からなる封止基板を貼り付け、これによって有機EL素子を封止するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような構成の有機ELディスプレイでは、発光領域に隣接してその発光領域から外方に突出するように駆動電極が配されており、しかもその駆動電極からなる電極領域は発光領域のように封止樹脂等に封止されていないことから、その駆動電極を通じて駆動電圧を印可することによって、有機EL素子を駆動することとなる。
【0005】
ところで、発光領域を封止する封止樹脂は、例えば紫外線硬化型または熱硬化型の樹脂が用いられ、封止基板の貼り付け後に硬化される。そのため、有機ELディスプレイの製造工程においては、事前に電極領域に例えばマスキングテープを貼付しておき、封止樹脂の硬化後にそのマスキングテープを剥離する、といった手順を経ることが一般的である。これは、封止基板を貼り付ける際にパネル基板と封止基板との間で生じる毛細管現象により、封止樹脂が未硬化の状態で電極領域まで流出して駆動電極に付着し、その結果駆動電極における電気的導通を確保するのが困難になってしまうのを未然に防止するためである。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−216950号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マスキングテープを貼付すると、そのマスキングテープを剥離する作業が必要である。また、剥離しきれずに電極領域上に残存したマスキングテープについては、例えばアセトン、アルコールモノエタノールアミンとジメチルスルホキシドの混合液といった洗浄液を用いて、その電極領域上から除去する必要がある。これらのことから、マスキングテープの貼付によって電極領域への封止樹脂の流出を防止することは、有機ELディスプレイの製造工程を高効率化してその生産性を向上させる上で、必ずしも好適であるとはいえない。しかも、マスキングテープの剥離の如何によっては、例えばテープ滓が汚れとなって残存してしまうといったように、有機ELディスプレイの製品としての良否の度合いが変化してしまい、その歩留まりに悪影響を及ぼすことも考えられる。
【0008】
そこで、本発明は、発光領域を封止する構成であっても、そのための封止樹脂の外部電極側へ拡散を防止するとともに、その拡散防止によって高品質化や生産性向上等が阻害されてしまうことのない表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために案出された表示装置の製造方法である。すなわち、パネル基板上に、発光素子からなる発光領域と、前記発光素子を駆動するために前記発光領域の一辺に隣接して配された駆動電極からなる電極領域とを形成し、前記発光領域上に封止樹脂を塗布した後、当該封止樹脂を挟み込む状態で前記パネル基板に対向させて封止基板を貼り付け、これにより前記発光領域が前記封止樹脂および前記封止基板によって封止されてなる表示装置を構成する、表示装置の製造方法において、前記封止基板として、前記電極領域が隣接する辺と略直交方向の発光領域における大きさと略同等の幅を有した短冊形状基板を用いることを特徴とする。
【0010】
上記手順の表示装置の製造方法によれば、封止基板として短冊形状基板を用いるので、発光領域を封止する際における封止基板の幅と発光領域の大きさとが略同等となる。そのため、例えば封止基板の貼り付け後に封止樹脂を硬化する場合であっても、電極領域上には封止基板が存在していないことから、その封止基板による毛細管現象が生じることがなく、発光領域から流出しようとする封止樹脂に対して表面張力が働くことになる。したがって、電極領域をマスキングテープの貼付等によって覆わなくても、未硬化の封止樹脂が電極領域へ流出してしまうことがなく、駆動電極に封止樹脂が付着するのを回避し得るようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明に係る表示装置の製造方法について説明する。ここでは、本発明を、有機ELディスプレイの製造方法に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0012】
はじめに、本実施形態で例に挙げる有機ELディスプレイについて、簡単に説明する。ここで説明する有機ELディスプレイは、パネル基板上に形成された有機EL素子からなる略矩形状の発光領域と、その発光領域の一辺に隣接して配された駆動電極からなる電極領域とを備えるとともに、その発光領域が封止樹脂およびガラス板等からなる封止基板によって封止されてなるものである。そして、これら封止樹脂および封止基板の封止によって有機EL素子への水分や酸素の侵入等を抑制しつつ、駆動電極を通じて駆動電圧を印可することによって有機EL素子を駆動し得るように構成されたものである。
【0013】
次に、以上のような構成の有機ELディスプレイの製造方法について説明する。図1〜10は、本発明に係る表示装置の製造方法の一具体例を説明するための模式図である。
【0014】
有機ELディスプレイの製造工程では、先ず、図1に示すように、パネル基板1上に、有機EL素子からなる略矩形状の発光領域2と、その有機EL素子を駆動するための駆動電極からなる電極領域3とを形成する。このとき、電極領域3は、発光領域2の一方向のみに駆動電極が突出する有機ELディスプレイを構成すべく、発光領域2の一辺に隣接して配設されるものとする。また、これら発光領域2および電極領域3は、一枚の大きなパネル基板1から複数の有機ELディスプレイを生産し得るように、いわゆる多面取り(多数個取り)に対応して形成されるものとする。具体的には、複数(図例では4つ)の発光領域2および電極領域3が、各電極領域3を同方向に配して各発光領域2が隣接するように、列状に形成されているとともに、その列がパネル基板1上に複数(図例では2列)並べて形成されている。なお、パネル基板1や発光領域2および電極領域3の形成手法等については、従来と略同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0015】
一方、パネル基板1とは別の箇所(例えば、パネル基板1上への発光領域2および電極領域3の形成が行われるテーブルとは別のテーブル上)では、図2に示すように、発光領域2を封止するための封止基板4のセットを行う。このとき、封止基板4としては、図例のように、短冊形状に形成されたガラス基板を用いる。そして、その短冊形状は、その幅(短手方向の大きさ)が、発光領域2における電極領域3との隣接辺と直交する辺の大きさと略同等であるものとする。ただし、短冊形状の幅は、発光領域2が略矩形状であれば隣接辺と直交する辺と略同等の大きさとなるが、例えば発光領域2が他の多角形状であれば、電極領域3が隣接する辺と略直交方向の発光領域2の全体の大きさと略同等であるものとする。
【0016】
封止基板4のセットは、その封止基板4がセットされるテーブル上に配された専用治具を用いて行う。専用治具としては、例えば、テーブル上に配設された位置決めピン5aと、封止基板4の位置出しのために所定寸法に形成された捨てガラス5bとを用いることが考えられる。これらを専用治具として用いれば、封止基板4を形成した際に生じる端材を有効活用し得るようになる。このような専用治具を用いることによって、テーブル上では、パネル基板1上における発光領域2の各列に対応して複数(図例では2枚)の封止基板4が、その幅方向の位置が発光領域2の各列の形成位置と合致するように、それぞれ位置決めされた状態でセットされることになる。
【0017】
その後は、図3に示すように、発光領域2および電極領域3が形成されたパネル基板1に対して、所定箇所(図例では、発光領域2の各列の両端近傍2箇所ずつ、計4箇所)に、例えば紫外線硬化型の樹脂材6を塗布する。この樹脂材6は、後述するように、パネル基板1と封止基板4との仮留めのために用いられるものである。
【0018】
また、そのパネル基板1上に形成された発光領域2に対しては、例えば2液性の熱硬化型の樹脂材7を塗布する。この樹脂材7は、後述するように、発光領域2の封止のために用いられるものである。このとき、塗布する樹脂材7は、その塗布量が予め定められており、貼り合わせた後のキュアーの時点で延びるために必要以上に塗布しない。具体的には、後述するように、封止基板4の幅方向の端面からやや内側にまで樹脂材7が広がる量であるものとする。樹脂材7の塗布量制御は、塗布ノズルと被塗布面とのギャップ、塗布速度、塗布間隔、塗布長さ、塗布切りの待機時間、吐出量等をコントロールすることによって行えばよい。なお、樹脂材7の塗布手法や制御手法等については、公知技術を利用して行えばよいため、ここではその説明を省略する。また、発光領域2と隣接する電極領域3に対しては、従来のようなマスキングテープの貼付等を一切行わない。
【0019】
樹脂材6,7の塗布後は、続いて、図4に示すように、テーブル上に位置決めセットされた複数の封止基板4を、その両端近傍を例えば専用の移載装置8a,8bを用いて吸着する。そして、複数の封止基板4だけを、位置決めされた状態のまま、発光領域2および電極領域3が形成されたパネル基板1上まで移載する。
【0020】
封止基板4をパネル基板1上まで移載したら、その後は、図5に示すように、そのパネル基板1上における発光領域2の列の位置に合わせて、封止基板4を下ろして貼り合わせる。このときの貼り合わせは、図例のように、移載装置の一端側8aを下ろした後、封止基板4をパネル基板1側に押し付けながら(図中矢印B参照)、移載装置の他端側8bを順に下ろす、といったように行うことが考えられる。ただし、封止基板4と樹脂材7との間への気泡混入等を防ぎ得れば、例えば先ず中央近傍を下ろし、その後両端側を順に下ろすようにしても構わない。なお、このような貼り合わせを実現するための機構は、公知技術を利用すればよいため、ここではその説明を省略する。
【0021】
この封止基板4の貼り合わせ、特にその際の封止基板4への加圧によって、樹脂材7は、図6に示すように、押し広げられる。このときに、封止基板4の端縁から樹脂材7がはみださないように、その樹脂材7は、発光領域2上への塗布量が定められているものとする。具体的には、樹脂材7の延びが、封止基板4の端縁から5mm程度内側に入ったあたりで留まるように、その樹脂材7の塗布量を設定することが考えられる。
【0022】
そして、封止基板4を貼り合わせたら、その後直ちに封止基板4のアライメント、すなわちパネル基板1に対する封止基板4の位置合わせを行う。アライメントは、短冊形状の封止基板4が複数貼り合わされていることから、各封止基板4毎に個別に行う。したがって、例えばパネル基板1上における発光領域2の各列間で位置形成精度に相違が生じていても、その相違を吸収して的確な位置合わせを行うことが可能である。そして、アライメントが終了したら、樹脂材6に紫外線を照射し、その樹脂材6を硬化させて、パネル基板1と封止基板4とのズレが起こらないように、仮留めを行う。
【0023】
パネル基板1と封止基板4との仮留めを行った後は、そのパネル基板1や封止基板4等の全体をキュアー炉に入れ、例えば60℃の高温下に置き、樹脂材7の硬化を促す。このとき、樹脂材7は、図7に示すように、熱硬化に伴って毛細管現象により外側へと広がっていく。この広がりによって、回りきれないであろう部分にも樹脂材7が到達し、封止基板4の十分な接着が行われるようになるのである。
【0024】
ただし、ここで、仮に電極領域3の上方を封止基板4が覆っているとすると、その間に作用する毛細管現象により、樹脂材7が未硬化の状態で電極領域3まで流出して駆動電極に付着してしまう。ところが、封止基板4は、短冊形状に形成されており、その幅が発光領域2の列の幅(発光領域2における電極領域3との隣接辺と直交する辺の大きさ)と略同等である。したがって、電極領域3上には封止基板4が存在していないことから、その封止基板4による毛細管現象が生じることはない。しかも、封止基板4が存在していないことから、その封止基板4の端縁近傍では、発光領域2から流出しようとする樹脂材7に対して表面張力が働くことになる。これらの理由によって、熱硬化に伴って樹脂材7が広がる場合であっても、その樹脂材7は、図7(c)に示すように、封止基板4の端縁から0.5mm程度にじみ出るのに留まり、電極領域3上へ流出してしまうことがない。つまり、電極領域3をマスキングテープの貼付等によって覆わなくても、樹脂材7が電極領域3へ流出してしまうことがなく、駆動電極に樹脂材7が付着するのを回避し得るようになる。
【0025】
樹脂材7の熱硬化が終わったら、その後は、パネル基板1の一時分割を行う。一時分割は、パネル基板1上に並べて形成された各列を列毎に分割するためのものである。具体的には、図8に示すように、電極領域3の外側端縁(図中矢印F参照)およびこれと対向する側の発光領域2における外側端縁(図中矢印G参照)に、それぞれ例えばダイヤモンドのスクライバを用いてキズを入れて、パネル基板1の分割を行う。このときの分割は、封止基板4が短冊形状に形成されていることから、パネル基板1にキズを入れるだけで済み、パネル基板1と封止基板4との両方を分割する場合に比べて非常に容易に行うことができ、特殊な専用装置を必要とすることもない。
【0026】
さらに、一時分割後は、パネル基板1の二時分割を行う。二時分割は、各列毎に並ぶ有機ELディスプレイを単体の状態に分割するためのものである。具体的には、図9に示すように、各有機ELディスプレイの境界部分(図中矢印H参照)にて、例えばダイヤモンドのスクライバを用いてパネル基板1と封止基板4との両方にキズを入れ、ブレイクの衝撃を与えて分割を行う。このブレイクの衝撃は、専用の衝撃付与装置(ブレイク装置)を用いて行えばよい。ただし、ブレイク装置自体については、公知であるため、ここではその説明を省略する。
【0027】
これらの一時分割および二時分割を経ることで、図10に示すように、多面取りに対応して形成された各有機ELディスプレイ10は、それぞれが個別に分割されることになる。
【0028】
以上に説明したように、本実施形態で例に挙げて説明した有機ELディスプレイの製造方法によれば、封止基板4として短冊形状に形成されたものを用いることから、その封止基板4と封止すべき発光領域2との幅方向における大きさが略同等となる。そのため、封止基板4の貼り付け後に樹脂材7を硬化させても、電極領域3上には封止基板4が存在していないことから、その封止基板4による毛細管現象が生じることがなく、また発光領域2から流出しようとする樹脂材7に対しては表面張力が働くことになる。したがって、電極領域3をマスキングテープの貼付等によって覆わなくても、樹脂材7が電極領域3へ流出してしまうことがなく、駆動電極に樹脂材7が付着するのを回避し得るようになる。
【0029】
つまり、本実施形態で説明した有機ELディスプレイの製造方法によれば、電極領域3へ樹脂材7が流出してしまうのを防止するためにマスキングテープ等を貼付したり、その貼付したマスキングテープ等を剥離する作業が不要である。したがって、煩わしい作業を行う必要がないので、有機ELディスプレイの製造工程を高効率化してその生産性を向上させる上で、非常に好適であるといえる。しかも、例えばテープ滓が汚れとなって残存してしまうといったことも無く、有機ELディスプレイの歩留まりの点においても非常に好適であるといえる。
【0030】
さらには、マスキングテープ等を要さないことから、樹脂材7の厚さが限りなく「0」に近づくように当該樹脂材7の圧延を行うことができ、結果として有機ELディスプレイの視野角の点においても良好なものとなる。
【0031】
また、本実施形態で説明した有機ELディスプレイの製造方法では、単に短冊形状の封止基板4を用いるだけではなく、パネル基板1上に複数の発光領域2を複数列に分けて並べ、各列毎に個別の封止基板4を用いて当該発光領域2を封止するようにしている。したがって、多面取りの実現によって収率が向上し、これにより有機ELディスプレイの生産性向上が図れるようになる。さらには、例えばいずれか一つの短冊形状の封止基板4に不具合(アライメント不良等)が生じても、各列毎に個別の封止基板4を用いているため、全体を一つの基板で覆う場合のようにパネル基板1上の全ての有機ELディスプレイが不良品となってしまうのを回避することができ、結果として有機ELディスプレイの歩留まり向上も期待できるようになる。
【0032】
なお、上述した実施形態では、主に有機ELディスプレイの多面取りを行う場合を例に挙げて説明したが、本発明は多面取りを行わない場合についても全く同様に適用することが可能であり、その場合であっても上述したような効果を得ることができる。
【0033】
さらに、上述した実施形態では、発光素子として有機EL素子を用いた表示装置である有機ELディスプレイに本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば無機電界発光素子のような自発光型の発光素子を用いた表示装置についても広く適用可能である。
【0034】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る表示装置の製造方法では、封止基板として短冊形状に形成されたものを用いることから、その封止基板と封止すべき発光領域との幅方向における大きさが略同等となる。したがって、発光領域を封止する構成の表示装置を製造する場合において、電極領域上に毛細管現象が生じることがなく、また電極領域へ流出しようとする封止樹脂に対しては表面張力が働くことになるので、封止樹脂の外部電極側へ拡散を有効に防止することができ、しかもその拡散防止によって表示装置の高品質化や生産性向上等が阻害されてしまうこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示装置の製造方法の一具体例を説明するための模式図(その1)であり、発光領域および電極領域の形成工程を示す図である。
【図2】本発明に係る表示装置の製造方法の一具体例を説明するための模式図(その2)であり、封止基板のセット工程を示す図である。
【図3】本発明に係る表示装置の製造方法の一具体例を説明するための模式図(その3)であり、樹脂材の塗布工程を示す図である。
【図4】本発明に係る表示装置の製造方法の一具体例を説明するための模式図(その4)であり、封止基板の移載工程を示す図である。
【図5】本発明に係る表示装置の製造方法の一具体例を説明するための模式図(その5)であり、封止基板の貼り合わせ工程を示す図で、(a)は正面から見た図、(b)はA−A′断面図である。
【図6】本発明に係る表示装置の製造方法の一具体例を説明するための模式図(その6)であり、封止基板の加圧工程を示す図で、(a)は平面から見た図、(b)はC−C′断面図である。
【図7】本発明に係る表示装置の製造方法の一具体例を説明するための模式図(その7)であり、樹脂材の硬化工程を示す図で、(a)は平面から見た図、(b)はD−D′断面図、(c)はE部拡大図である。
【図8】本発明に係る表示装置の製造方法の一具体例を説明するための模式図(その8)であり、パネル基板の一時分割工程を示す図である。
【図9】本発明に係る表示装置の製造方法の一具体例を説明するための模式図(その9)であり、パネル基板の二時分割工程を示す図で、(a)は平面から見た図、(b)は正面から見た図である。
【図10】本発明に係る表示装置の製造方法の一具体例を説明するための模式図(その10)であり、分割後の有機ELディスプレイを示す図である。
【符号の説明】
1…パネル基板、2…発光領域、3…電極領域、4…封止基板、6,7…樹脂材、10…有機ELディスプレイ
【発明の属する技術分野】
本発明は、パネル基板上に発光素子が配されてなる表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、平面型の表示装置として、有機電界発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子;以下「有機EL素子」という)を発光素子としたもの(以下「有機ELディスプレイ」という)が注目を集めている。この有機ELディスプレイは、バックライトが不要な自発光型のフラットパネルディスプレイであり、自発光型に特有の視野角の広いディスプレイを実現できるという利点を有する。また、必要な画素のみを点灯させればよいため消費電力の点でバックライト型(液晶ディスプレイ等)に比べて有利であるとともに、今後実用化が期待されている高精細度の高速のビデオ信号に対して十分な応答性能を具備すると考えられている。
【0003】
有機ELディスプレイに用いられる有機EL素子は、一般に、有機材料を上下から電極(陽極および陰極)で挟み込む構造を持つ。そして、有機材料からなる有機層に対して、陽極から正孔が、陰極から電子がそれぞれ注入され、その有機層にて正孔と電子が再結合して発光が生じるようになっている。このとき、有機EL素子では、10V以下の駆動電圧で数百〜数万cd/m2の輝度が得られる。また、有機材料(蛍光物質)を適宜選択することによって、所望する色彩の発光も得ることができる。これらのことから、有機EL素子は、マルチカラーまたはフルカラーの表示装置を構成するための発光素子として、非常に有望視されている。ただし、有機EL素子では、水分や酸素の侵入等によって有機層が結晶化すると、ダークスポットと呼ばれる非発光点が発生する要因になってしまう。ダークスポットは、経時的に成長し、またその成長によって有機EL素子を短寿命化することが知られている。したがって、有機ELディスプレイを構成する上で、有機EL素子への水分や酸素の侵入等については、これを極力抑制する必要がある。
【0004】
このことから、有機ELディスプレイとしては、有機EL素子が設けられているパネル基板上の領域である発光領域を、封止樹脂で覆うとともにその封止樹脂を挟み込む状態でパネル基板に対向させてガラス板等からなる封止基板を貼り付け、これによって有機EL素子を封止するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような構成の有機ELディスプレイでは、発光領域に隣接してその発光領域から外方に突出するように駆動電極が配されており、しかもその駆動電極からなる電極領域は発光領域のように封止樹脂等に封止されていないことから、その駆動電極を通じて駆動電圧を印可することによって、有機EL素子を駆動することとなる。
【0005】
ところで、発光領域を封止する封止樹脂は、例えば紫外線硬化型または熱硬化型の樹脂が用いられ、封止基板の貼り付け後に硬化される。そのため、有機ELディスプレイの製造工程においては、事前に電極領域に例えばマスキングテープを貼付しておき、封止樹脂の硬化後にそのマスキングテープを剥離する、といった手順を経ることが一般的である。これは、封止基板を貼り付ける際にパネル基板と封止基板との間で生じる毛細管現象により、封止樹脂が未硬化の状態で電極領域まで流出して駆動電極に付着し、その結果駆動電極における電気的導通を確保するのが困難になってしまうのを未然に防止するためである。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−216950号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マスキングテープを貼付すると、そのマスキングテープを剥離する作業が必要である。また、剥離しきれずに電極領域上に残存したマスキングテープについては、例えばアセトン、アルコールモノエタノールアミンとジメチルスルホキシドの混合液といった洗浄液を用いて、その電極領域上から除去する必要がある。これらのことから、マスキングテープの貼付によって電極領域への封止樹脂の流出を防止することは、有機ELディスプレイの製造工程を高効率化してその生産性を向上させる上で、必ずしも好適であるとはいえない。しかも、マスキングテープの剥離の如何によっては、例えばテープ滓が汚れとなって残存してしまうといったように、有機ELディスプレイの製品としての良否の度合いが変化してしまい、その歩留まりに悪影響を及ぼすことも考えられる。
【0008】
そこで、本発明は、発光領域を封止する構成であっても、そのための封止樹脂の外部電極側へ拡散を防止するとともに、その拡散防止によって高品質化や生産性向上等が阻害されてしまうことのない表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために案出された表示装置の製造方法である。すなわち、パネル基板上に、発光素子からなる発光領域と、前記発光素子を駆動するために前記発光領域の一辺に隣接して配された駆動電極からなる電極領域とを形成し、前記発光領域上に封止樹脂を塗布した後、当該封止樹脂を挟み込む状態で前記パネル基板に対向させて封止基板を貼り付け、これにより前記発光領域が前記封止樹脂および前記封止基板によって封止されてなる表示装置を構成する、表示装置の製造方法において、前記封止基板として、前記電極領域が隣接する辺と略直交方向の発光領域における大きさと略同等の幅を有した短冊形状基板を用いることを特徴とする。
【0010】
上記手順の表示装置の製造方法によれば、封止基板として短冊形状基板を用いるので、発光領域を封止する際における封止基板の幅と発光領域の大きさとが略同等となる。そのため、例えば封止基板の貼り付け後に封止樹脂を硬化する場合であっても、電極領域上には封止基板が存在していないことから、その封止基板による毛細管現象が生じることがなく、発光領域から流出しようとする封止樹脂に対して表面張力が働くことになる。したがって、電極領域をマスキングテープの貼付等によって覆わなくても、未硬化の封止樹脂が電極領域へ流出してしまうことがなく、駆動電極に封止樹脂が付着するのを回避し得るようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明に係る表示装置の製造方法について説明する。ここでは、本発明を、有機ELディスプレイの製造方法に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0012】
はじめに、本実施形態で例に挙げる有機ELディスプレイについて、簡単に説明する。ここで説明する有機ELディスプレイは、パネル基板上に形成された有機EL素子からなる略矩形状の発光領域と、その発光領域の一辺に隣接して配された駆動電極からなる電極領域とを備えるとともに、その発光領域が封止樹脂およびガラス板等からなる封止基板によって封止されてなるものである。そして、これら封止樹脂および封止基板の封止によって有機EL素子への水分や酸素の侵入等を抑制しつつ、駆動電極を通じて駆動電圧を印可することによって有機EL素子を駆動し得るように構成されたものである。
【0013】
次に、以上のような構成の有機ELディスプレイの製造方法について説明する。図1〜10は、本発明に係る表示装置の製造方法の一具体例を説明するための模式図である。
【0014】
有機ELディスプレイの製造工程では、先ず、図1に示すように、パネル基板1上に、有機EL素子からなる略矩形状の発光領域2と、その有機EL素子を駆動するための駆動電極からなる電極領域3とを形成する。このとき、電極領域3は、発光領域2の一方向のみに駆動電極が突出する有機ELディスプレイを構成すべく、発光領域2の一辺に隣接して配設されるものとする。また、これら発光領域2および電極領域3は、一枚の大きなパネル基板1から複数の有機ELディスプレイを生産し得るように、いわゆる多面取り(多数個取り)に対応して形成されるものとする。具体的には、複数(図例では4つ)の発光領域2および電極領域3が、各電極領域3を同方向に配して各発光領域2が隣接するように、列状に形成されているとともに、その列がパネル基板1上に複数(図例では2列)並べて形成されている。なお、パネル基板1や発光領域2および電極領域3の形成手法等については、従来と略同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0015】
一方、パネル基板1とは別の箇所(例えば、パネル基板1上への発光領域2および電極領域3の形成が行われるテーブルとは別のテーブル上)では、図2に示すように、発光領域2を封止するための封止基板4のセットを行う。このとき、封止基板4としては、図例のように、短冊形状に形成されたガラス基板を用いる。そして、その短冊形状は、その幅(短手方向の大きさ)が、発光領域2における電極領域3との隣接辺と直交する辺の大きさと略同等であるものとする。ただし、短冊形状の幅は、発光領域2が略矩形状であれば隣接辺と直交する辺と略同等の大きさとなるが、例えば発光領域2が他の多角形状であれば、電極領域3が隣接する辺と略直交方向の発光領域2の全体の大きさと略同等であるものとする。
【0016】
封止基板4のセットは、その封止基板4がセットされるテーブル上に配された専用治具を用いて行う。専用治具としては、例えば、テーブル上に配設された位置決めピン5aと、封止基板4の位置出しのために所定寸法に形成された捨てガラス5bとを用いることが考えられる。これらを専用治具として用いれば、封止基板4を形成した際に生じる端材を有効活用し得るようになる。このような専用治具を用いることによって、テーブル上では、パネル基板1上における発光領域2の各列に対応して複数(図例では2枚)の封止基板4が、その幅方向の位置が発光領域2の各列の形成位置と合致するように、それぞれ位置決めされた状態でセットされることになる。
【0017】
その後は、図3に示すように、発光領域2および電極領域3が形成されたパネル基板1に対して、所定箇所(図例では、発光領域2の各列の両端近傍2箇所ずつ、計4箇所)に、例えば紫外線硬化型の樹脂材6を塗布する。この樹脂材6は、後述するように、パネル基板1と封止基板4との仮留めのために用いられるものである。
【0018】
また、そのパネル基板1上に形成された発光領域2に対しては、例えば2液性の熱硬化型の樹脂材7を塗布する。この樹脂材7は、後述するように、発光領域2の封止のために用いられるものである。このとき、塗布する樹脂材7は、その塗布量が予め定められており、貼り合わせた後のキュアーの時点で延びるために必要以上に塗布しない。具体的には、後述するように、封止基板4の幅方向の端面からやや内側にまで樹脂材7が広がる量であるものとする。樹脂材7の塗布量制御は、塗布ノズルと被塗布面とのギャップ、塗布速度、塗布間隔、塗布長さ、塗布切りの待機時間、吐出量等をコントロールすることによって行えばよい。なお、樹脂材7の塗布手法や制御手法等については、公知技術を利用して行えばよいため、ここではその説明を省略する。また、発光領域2と隣接する電極領域3に対しては、従来のようなマスキングテープの貼付等を一切行わない。
【0019】
樹脂材6,7の塗布後は、続いて、図4に示すように、テーブル上に位置決めセットされた複数の封止基板4を、その両端近傍を例えば専用の移載装置8a,8bを用いて吸着する。そして、複数の封止基板4だけを、位置決めされた状態のまま、発光領域2および電極領域3が形成されたパネル基板1上まで移載する。
【0020】
封止基板4をパネル基板1上まで移載したら、その後は、図5に示すように、そのパネル基板1上における発光領域2の列の位置に合わせて、封止基板4を下ろして貼り合わせる。このときの貼り合わせは、図例のように、移載装置の一端側8aを下ろした後、封止基板4をパネル基板1側に押し付けながら(図中矢印B参照)、移載装置の他端側8bを順に下ろす、といったように行うことが考えられる。ただし、封止基板4と樹脂材7との間への気泡混入等を防ぎ得れば、例えば先ず中央近傍を下ろし、その後両端側を順に下ろすようにしても構わない。なお、このような貼り合わせを実現するための機構は、公知技術を利用すればよいため、ここではその説明を省略する。
【0021】
この封止基板4の貼り合わせ、特にその際の封止基板4への加圧によって、樹脂材7は、図6に示すように、押し広げられる。このときに、封止基板4の端縁から樹脂材7がはみださないように、その樹脂材7は、発光領域2上への塗布量が定められているものとする。具体的には、樹脂材7の延びが、封止基板4の端縁から5mm程度内側に入ったあたりで留まるように、その樹脂材7の塗布量を設定することが考えられる。
【0022】
そして、封止基板4を貼り合わせたら、その後直ちに封止基板4のアライメント、すなわちパネル基板1に対する封止基板4の位置合わせを行う。アライメントは、短冊形状の封止基板4が複数貼り合わされていることから、各封止基板4毎に個別に行う。したがって、例えばパネル基板1上における発光領域2の各列間で位置形成精度に相違が生じていても、その相違を吸収して的確な位置合わせを行うことが可能である。そして、アライメントが終了したら、樹脂材6に紫外線を照射し、その樹脂材6を硬化させて、パネル基板1と封止基板4とのズレが起こらないように、仮留めを行う。
【0023】
パネル基板1と封止基板4との仮留めを行った後は、そのパネル基板1や封止基板4等の全体をキュアー炉に入れ、例えば60℃の高温下に置き、樹脂材7の硬化を促す。このとき、樹脂材7は、図7に示すように、熱硬化に伴って毛細管現象により外側へと広がっていく。この広がりによって、回りきれないであろう部分にも樹脂材7が到達し、封止基板4の十分な接着が行われるようになるのである。
【0024】
ただし、ここで、仮に電極領域3の上方を封止基板4が覆っているとすると、その間に作用する毛細管現象により、樹脂材7が未硬化の状態で電極領域3まで流出して駆動電極に付着してしまう。ところが、封止基板4は、短冊形状に形成されており、その幅が発光領域2の列の幅(発光領域2における電極領域3との隣接辺と直交する辺の大きさ)と略同等である。したがって、電極領域3上には封止基板4が存在していないことから、その封止基板4による毛細管現象が生じることはない。しかも、封止基板4が存在していないことから、その封止基板4の端縁近傍では、発光領域2から流出しようとする樹脂材7に対して表面張力が働くことになる。これらの理由によって、熱硬化に伴って樹脂材7が広がる場合であっても、その樹脂材7は、図7(c)に示すように、封止基板4の端縁から0.5mm程度にじみ出るのに留まり、電極領域3上へ流出してしまうことがない。つまり、電極領域3をマスキングテープの貼付等によって覆わなくても、樹脂材7が電極領域3へ流出してしまうことがなく、駆動電極に樹脂材7が付着するのを回避し得るようになる。
【0025】
樹脂材7の熱硬化が終わったら、その後は、パネル基板1の一時分割を行う。一時分割は、パネル基板1上に並べて形成された各列を列毎に分割するためのものである。具体的には、図8に示すように、電極領域3の外側端縁(図中矢印F参照)およびこれと対向する側の発光領域2における外側端縁(図中矢印G参照)に、それぞれ例えばダイヤモンドのスクライバを用いてキズを入れて、パネル基板1の分割を行う。このときの分割は、封止基板4が短冊形状に形成されていることから、パネル基板1にキズを入れるだけで済み、パネル基板1と封止基板4との両方を分割する場合に比べて非常に容易に行うことができ、特殊な専用装置を必要とすることもない。
【0026】
さらに、一時分割後は、パネル基板1の二時分割を行う。二時分割は、各列毎に並ぶ有機ELディスプレイを単体の状態に分割するためのものである。具体的には、図9に示すように、各有機ELディスプレイの境界部分(図中矢印H参照)にて、例えばダイヤモンドのスクライバを用いてパネル基板1と封止基板4との両方にキズを入れ、ブレイクの衝撃を与えて分割を行う。このブレイクの衝撃は、専用の衝撃付与装置(ブレイク装置)を用いて行えばよい。ただし、ブレイク装置自体については、公知であるため、ここではその説明を省略する。
【0027】
これらの一時分割および二時分割を経ることで、図10に示すように、多面取りに対応して形成された各有機ELディスプレイ10は、それぞれが個別に分割されることになる。
【0028】
以上に説明したように、本実施形態で例に挙げて説明した有機ELディスプレイの製造方法によれば、封止基板4として短冊形状に形成されたものを用いることから、その封止基板4と封止すべき発光領域2との幅方向における大きさが略同等となる。そのため、封止基板4の貼り付け後に樹脂材7を硬化させても、電極領域3上には封止基板4が存在していないことから、その封止基板4による毛細管現象が生じることがなく、また発光領域2から流出しようとする樹脂材7に対しては表面張力が働くことになる。したがって、電極領域3をマスキングテープの貼付等によって覆わなくても、樹脂材7が電極領域3へ流出してしまうことがなく、駆動電極に樹脂材7が付着するのを回避し得るようになる。
【0029】
つまり、本実施形態で説明した有機ELディスプレイの製造方法によれば、電極領域3へ樹脂材7が流出してしまうのを防止するためにマスキングテープ等を貼付したり、その貼付したマスキングテープ等を剥離する作業が不要である。したがって、煩わしい作業を行う必要がないので、有機ELディスプレイの製造工程を高効率化してその生産性を向上させる上で、非常に好適であるといえる。しかも、例えばテープ滓が汚れとなって残存してしまうといったことも無く、有機ELディスプレイの歩留まりの点においても非常に好適であるといえる。
【0030】
さらには、マスキングテープ等を要さないことから、樹脂材7の厚さが限りなく「0」に近づくように当該樹脂材7の圧延を行うことができ、結果として有機ELディスプレイの視野角の点においても良好なものとなる。
【0031】
また、本実施形態で説明した有機ELディスプレイの製造方法では、単に短冊形状の封止基板4を用いるだけではなく、パネル基板1上に複数の発光領域2を複数列に分けて並べ、各列毎に個別の封止基板4を用いて当該発光領域2を封止するようにしている。したがって、多面取りの実現によって収率が向上し、これにより有機ELディスプレイの生産性向上が図れるようになる。さらには、例えばいずれか一つの短冊形状の封止基板4に不具合(アライメント不良等)が生じても、各列毎に個別の封止基板4を用いているため、全体を一つの基板で覆う場合のようにパネル基板1上の全ての有機ELディスプレイが不良品となってしまうのを回避することができ、結果として有機ELディスプレイの歩留まり向上も期待できるようになる。
【0032】
なお、上述した実施形態では、主に有機ELディスプレイの多面取りを行う場合を例に挙げて説明したが、本発明は多面取りを行わない場合についても全く同様に適用することが可能であり、その場合であっても上述したような効果を得ることができる。
【0033】
さらに、上述した実施形態では、発光素子として有機EL素子を用いた表示装置である有機ELディスプレイに本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば無機電界発光素子のような自発光型の発光素子を用いた表示装置についても広く適用可能である。
【0034】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る表示装置の製造方法では、封止基板として短冊形状に形成されたものを用いることから、その封止基板と封止すべき発光領域との幅方向における大きさが略同等となる。したがって、発光領域を封止する構成の表示装置を製造する場合において、電極領域上に毛細管現象が生じることがなく、また電極領域へ流出しようとする封止樹脂に対しては表面張力が働くことになるので、封止樹脂の外部電極側へ拡散を有効に防止することができ、しかもその拡散防止によって表示装置の高品質化や生産性向上等が阻害されてしまうこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示装置の製造方法の一具体例を説明するための模式図(その1)であり、発光領域および電極領域の形成工程を示す図である。
【図2】本発明に係る表示装置の製造方法の一具体例を説明するための模式図(その2)であり、封止基板のセット工程を示す図である。
【図3】本発明に係る表示装置の製造方法の一具体例を説明するための模式図(その3)であり、樹脂材の塗布工程を示す図である。
【図4】本発明に係る表示装置の製造方法の一具体例を説明するための模式図(その4)であり、封止基板の移載工程を示す図である。
【図5】本発明に係る表示装置の製造方法の一具体例を説明するための模式図(その5)であり、封止基板の貼り合わせ工程を示す図で、(a)は正面から見た図、(b)はA−A′断面図である。
【図6】本発明に係る表示装置の製造方法の一具体例を説明するための模式図(その6)であり、封止基板の加圧工程を示す図で、(a)は平面から見た図、(b)はC−C′断面図である。
【図7】本発明に係る表示装置の製造方法の一具体例を説明するための模式図(その7)であり、樹脂材の硬化工程を示す図で、(a)は平面から見た図、(b)はD−D′断面図、(c)はE部拡大図である。
【図8】本発明に係る表示装置の製造方法の一具体例を説明するための模式図(その8)であり、パネル基板の一時分割工程を示す図である。
【図9】本発明に係る表示装置の製造方法の一具体例を説明するための模式図(その9)であり、パネル基板の二時分割工程を示す図で、(a)は平面から見た図、(b)は正面から見た図である。
【図10】本発明に係る表示装置の製造方法の一具体例を説明するための模式図(その10)であり、分割後の有機ELディスプレイを示す図である。
【符号の説明】
1…パネル基板、2…発光領域、3…電極領域、4…封止基板、6,7…樹脂材、10…有機ELディスプレイ
Claims (2)
- パネル基板上に、発光素子からなる発光領域と、前記発光素子を駆動するために前記発光領域の一辺に隣接して配された駆動電極からなる電極領域とを形成し、前記発光領域上に封止樹脂を塗布した後、当該封止樹脂を挟み込む状態で前記パネル基板に対向させて封止基板を貼り付け、これにより前記発光領域が前記封止樹脂および前記封止基板によって封止されてなる表示装置を構成する、表示装置の製造方法において、
前記封止基板として、前記電極領域が隣接する辺と略直交方向の発光領域における大きさと略同等の幅を有した短冊形状基板を用いる
ことを特徴とする表示装置の製造方法。 - 前記パネル基板上に複数の前記発光領域を複数列に分けて並べ、各列毎に個別の前記短冊形状基板を用いて当該発光領域を封止する
ことを特徴とする請求項1記載の表示装置の製造方法。
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-
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- 2003-04-24 JP JP2003119406A patent/JP2004327197A/ja active Pending
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