JP2004327155A - ランプハウス - Google Patents
ランプハウス Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004327155A JP2004327155A JP2003118317A JP2003118317A JP2004327155A JP 2004327155 A JP2004327155 A JP 2004327155A JP 2003118317 A JP2003118317 A JP 2003118317A JP 2003118317 A JP2003118317 A JP 2003118317A JP 2004327155 A JP2004327155 A JP 2004327155A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lamp
- anode
- house
- cap
- positive electrode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Fastening Of Light Sources Or Lamp Holders (AREA)
- Arrangement Of Elements, Cooling, Sealing, Or The Like Of Lighting Devices (AREA)
Abstract
【課題】ランプ点灯時の温度上昇を抑え、ランプ耐熱温度以上に温度上昇しないランプハウスの提供。
【解決手段】筒部の両端に取り付けられたランプ陽極およびランプ陰極を有し、前記筒部の一方端から光を取り出すランプと、前記ランプ陽極およびランプ陰極と接触してランプに電力を供給し、内部に冷却液流路を備えた絶縁材によって支持されるランプハウス陽極およびランプハウス陰極と、前記ランプ陽極を装着した導電性のランプキャップと、前記ランプキャップと接触する導電性の陽極ホルダとを備えるランプハウスにおいて、前記ランプキャップと陽極ホルダの接触面積を、ランプ陽極側総底面積の1/3以上とする。
【選択図】 図1
【解決手段】筒部の両端に取り付けられたランプ陽極およびランプ陰極を有し、前記筒部の一方端から光を取り出すランプと、前記ランプ陽極およびランプ陰極と接触してランプに電力を供給し、内部に冷却液流路を備えた絶縁材によって支持されるランプハウス陽極およびランプハウス陰極と、前記ランプ陽極を装着した導電性のランプキャップと、前記ランプキャップと接触する導電性の陽極ホルダとを備えるランプハウスにおいて、前記ランプキャップと陽極ホルダの接触面積を、ランプ陽極側総底面積の1/3以上とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ランプを収納するランプハウスに係り、特に、蛍光顕微鏡用のキセノンランプのように、発熱の大きなランプに用いて好適なランプハウスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、キセノンランプに用いられる空冷式のランプハウスでは、ランプからの発熱を除去するために、ランプの陰極および陽極に接続固定される金属部品に大型の放熱フィンを取り付け、ファンから供給される空気流をこの放熱フィンに吹き付けることにより、ランプからの発熱を強制空冷するようにしている。
【0003】
ところで、前記した空冷式のランプハウスにおいて、ランプ交換に際しては、ランプハウスを分解し、放熱フィンをランプから取り外してランプを交換し、新しいランプに再度放熱フィンを取り付けてランプハウスを組み立てる必要があり、ランプの交換作業が容易でない。特に、宇宙ステーション等の宇宙空間の実験設備で用いられる蛍光顕微鏡用のキセノンランプでは、宇宙ステーション自体は10年以上の長期に亘って使用され、一方、キセノンランプを連続通電した場合の寿命は200時間程度であることから、キセノンランプが寿命となる比較的短期間毎にランプ交換作業が必要となる。
【0004】
これに対し、本出願人は、先に、ランプハウスを分解しなくともランプの交換ができる、下記の特許文献1に示すランプハウスを提案した。
【0005】
特許文献1に記載の技術によれば、ランプハウスを分解しなくともランプの交換ができ、ランプの交換作業に高い技量を求められない利点を有するものであって、なお特許文献1では、液冷式のランプハウスを採用した。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−319517号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、液冷式のランプハウスは、ランプ交換に際し、空冷式のランプハウスのように、放熱フィンをランプから取り外してランプを交換し、新しいランプに再度放熱フィンを取り付けてランプハウスを組み立てる必要がなく、ランプの交換作業が容易である。
【0008】
その反面、従来提案されている液冷式のランプハウスは、ランプを短時間使用するのに問題はないものの、実験によれば、ランプから冷却液までの熱伝導が十分ではなく、ランプの長時間連続点灯に際しては、耐熱温度以上に温度上昇する虞れがあり、点灯時間が制限される。
【0009】
これに対し、近時、ランプを長時間連続点灯して使用したいという要求があり、特に、顕微鏡の蛍光観察などに使用されるランプハウスでは、点灯後に供試体の設置、観察準備作業、観察目標物へのステージの移動、撮影などの作業があり、点灯時間に制限があると必要な観察を実施することができない。
【0010】
本発明の目的は、ランプ点灯時の温度上昇を抑え、ランプ耐熱温度以上に温度上昇しないランプハウスを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的は、ランプ陽極を導電性のランプキャップで装着し、前記ランプキャップと導電性の陽極ホルダとが接触する液冷式のランプハウスにおいて、前記ランプキャップと陽極ホルダの接触面積を、ランプ陽極側総底面積の1/3以上とすることによって達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図1を用いて、本発明のランプハウスについて説明する。
【0013】
図1は本発明の一実施形態によるランプハウス構成を示す部分断面図である。
【0014】
本実施形態によるランプハウスは、ケーシング100と、ケーシング100に収納された絶縁材のセラミックス200,210,220、陽極301A,301B、ランプハウス陰極401、ランプ500などから構成される。
【0015】
ランプ500は円筒形状であり、円筒部の両端部にリング状の導電性材料からなるランプ陽極500Aとランプ陰極500Kとが取り付けられている。ランプ500を点灯させる際は、ランプ陽極500Aおよびランプ陰極500Kの間に高電圧を印加することにより、キセノンランプが発光する。発光した光は、ランプ500側端部から矢印L方向に出射する。ランプ500のランプ陽極500A側は、予め、ランプキャップ501に装着されている。ランプキャップ501は、導電性かつ伝熱性の材料で形成され、外周は円筒形状である。ランプキャップ501は、ランプ陽極500Aと接触している。
【0016】
なお、ランプ陽極500Aとランプキャップ501との取付面間aの一部に、弾性を有する薄膜伝熱シート、または伝熱性を有する接着剤を挟むなど、前記ランプ陽極500Aとランプキャップ501とが振動、温度変化による熱膨張差などによって離間するのを防止する離間防止材を施すことにより、外部から振動が加わることが考えられる環境での輸送後やランプ点灯時の温度上昇などで熱膨張した状態などでランプを使用しても、ランプ陽極500Aとランプキャップ501間の伝熱作用を安定的に行わしめることができる。その場合、ランプ陽極500Aとランプキャップ501間の電気的接触抵抗は、離間防止材を施さない場合に比べて若干上がることになるが、蛍光顕微鏡用のキセノンランプのように発熱の大きなランプの場合、電気的条件(抵抗)よりも熱的条件の方が厳しいため、若干電気的接触抵抗が上がっても熱抵抗を下げることが重要である。
【0017】
ランプ500のランプ陰極500Kには、陰極ホルダ400が取り付けられている。
【0018】
ランプ500を収納、保持する側のケーシング100は、金属製の容器であり、ケーシング100の内部には、絶縁材のセラミックス200,210,220が収納されている。
【0019】
セラミックス210の外周には、冷却液流路213,214,216が設けられている。セラミックス220の内部には、冷却液流路225が設けられている。なお、図示していないが、セラミックス220の内部には、冷却液流路225以外に、もう一本の冷却液流路が設けられている。
【0020】
各冷却液流路213,214,216,225、および図示を省略したもう一本の冷却液流路は、セラミックス210,220の単体加工時に、例えばNiなどの金属によるメッキ、またはテフロン(登録商標)などの高分子によるコーティングを接液面に施す、すなわち侵食防止材を施すことにより、セラミックス210,220が冷却液により侵食されるのを防ぎ、冷却液の材料選択度を増すことができ、またセラミックス210,220(必要があればセラミックス200も)を他の絶縁材に替えることができる。
【0021】
冷却液および絶縁材の材料選択度が増すということは、特殊な環境、例えば宇宙空間のように、冷却液、絶縁材の使用材料に可燃性、発生ガス(臭気、有害ガス)などで制限があるランプハウスの製作に好適である。
【0022】
各冷却液流路213,214,216,225、および図示を省略したもう一本の冷却液流路は、ケーシング110の外部に取り付けられた配管部材226の配管継手221,222に連通されている。配管継手221から流入した冷却液は、冷却液流路225,214,216,213、および図示を省略したもう一本の冷却液流路を経て、配管継手222から流出することにより、セラミックス210,220の内部を冷却液が循環する。
【0023】
セラミックス210とセラミックス220との接合面sを段付き構造としたセラミックス220の内筒底部には、導電性の材料からなる陽極ホルダ300が取り付けられている。陽極ホルダ300には、弾力性を有するランプハウス陽極301A,301Bが取り付けられている。
【0024】
ランプ500が図の左方から挿入されると、ランプハウス陽極301Bは、弾力性によって変形しながら、ランプ500に取り付けられたランプキャップ501と係合してランプキャップ501を固定支持すると共に、ランプキャップ501と電気的に導通する。このとき、ランプキャップ501は、陽極ホルダ300と直接接触することにより、ランプ500の発熱を放熱する。また、ランプハウス陽極301Aは、弾力性によって変形しながら、ランプ500に取り付けられたランプ陽極500Aと係合してランプ陽極500Aを固定支持すると共に、ランプ陽極500Aと電気的に導通する。
【0025】
陽極ホルダ300には、端子303が取り付けられている。端子303に通電することにより、陽極ホルダ300、ランプハウス陽極301A,301Bを介して、ランプ陽極500Aに電圧を印加することができる。本実施形態では、陽極の電気的接触を確実にし、かつランプ500からの発熱を効率よく陽極ホルダ300に逃がすために、2個のランプハウス陽極301A,301Bを設けている。
【0026】
本発明者等は、蛍光顕微鏡用のキセノンランプのように、発熱の大きなランプの温度上昇抑制について種々検討・実験を繰り返した結果、図2に示すように、ランプキャップ501と陽極ホルダ300の接触面積を、ランプ陽極500Aの底部500A−aの総底面積の1/3以上とすることにより、ランプ500の温度をランプ破損温度以下に抑制できることを確認した。
【0027】
また、本発明者等は、前記ランプキャップ501と陽極ホルダ300の接触面積を、ランプ陽極500Aの底部500A−aの総底面積の1/2以上とすることにより、ランプ500の連続点灯が可能であることを確認した。
【0028】
次にランプの冷却方法について説明する。
【0029】
ランプ500が点灯すると、ランプ500から発熱する。ランプ500の発熱は、ランプ陽極500Aおよびランプ陰極500Kから外部に伝達される。ガスを封入し、電極間の放電を利用するランプ500の場合、ランプ陽極500Aからの伝熱量は、ランプ陰極500Kからの伝熱量に比べて大きい。ランプ陽極500Aからの発熱は、主としてランプ500に取り付けられたランプキャップ501から直接陽極ホルダ300に伝わり、セラミックス210およびセラミックス220に伝わり、冷却液流路213,214,216を流れる冷却液により除熱される。
【0030】
一方、ランプ500のランプ陰極500Kからの発熱は、陰極ホルダ400、陰極ホルダ400と接するセラミックス200を経て、一部はケーシング100へ、残りの熱はセラミックス210に伝わり、冷却液流路213,214,216を流れる冷却液により除熱される。
【0031】
なお、ランプ500で発光した光は、図3に示されるように、ランプハウス12の前に設置された顕微鏡11内に導かれ、蛍光観察に使用される。
【0032】
図3中、13は顕微鏡背面パネル、14は顕微鏡台、15は顕微鏡受光部を示している。
【0033】
以上説明したように本実施形態によれば、ランプ500の点灯時にランプ温度の上昇を抑えることができ、温度上昇によるランプ500の破損を防ぐことができる。
【0034】
また、外部から振動が加わった後や温度変化による熱膨張差などでランプキャップとランプ陽極が離間することが考えられる環境下でランプを使用しても、ランプ陽極500Aとランプキャップ501間の伝熱作用を安定的に行わしめることができる。
【0035】
さらに、特殊な環境、例えば宇宙空間のように、冷却液、絶縁材の使用材料に制限があるランプハウスを製作することもできる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、ランプ点灯時の温度上昇を抑え、ランプ耐熱温度以上に温度上昇しないランプハウスを得ることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるランプハウスの構成を示す部分断面図である。
【図2】ランプキャップと陽極ホルダの接触面積/ランプ陽極側総底面積と、ランプ点灯時温度との関係を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によるランプハウスの使用形態を示す図である。
【符号の説明】
100…ケーシング、101…カバー、200,210,220,230…セラミックス、300…陽極ホルダ、301A,301B…ランプハウス陽極、400…陰極ホルダ、401…ランプハウス陰極、500…ランプ、500A…ランプ陽極、500K…ランプ陰極、501…ランプキャップ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ランプを収納するランプハウスに係り、特に、蛍光顕微鏡用のキセノンランプのように、発熱の大きなランプに用いて好適なランプハウスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、キセノンランプに用いられる空冷式のランプハウスでは、ランプからの発熱を除去するために、ランプの陰極および陽極に接続固定される金属部品に大型の放熱フィンを取り付け、ファンから供給される空気流をこの放熱フィンに吹き付けることにより、ランプからの発熱を強制空冷するようにしている。
【0003】
ところで、前記した空冷式のランプハウスにおいて、ランプ交換に際しては、ランプハウスを分解し、放熱フィンをランプから取り外してランプを交換し、新しいランプに再度放熱フィンを取り付けてランプハウスを組み立てる必要があり、ランプの交換作業が容易でない。特に、宇宙ステーション等の宇宙空間の実験設備で用いられる蛍光顕微鏡用のキセノンランプでは、宇宙ステーション自体は10年以上の長期に亘って使用され、一方、キセノンランプを連続通電した場合の寿命は200時間程度であることから、キセノンランプが寿命となる比較的短期間毎にランプ交換作業が必要となる。
【0004】
これに対し、本出願人は、先に、ランプハウスを分解しなくともランプの交換ができる、下記の特許文献1に示すランプハウスを提案した。
【0005】
特許文献1に記載の技術によれば、ランプハウスを分解しなくともランプの交換ができ、ランプの交換作業に高い技量を求められない利点を有するものであって、なお特許文献1では、液冷式のランプハウスを採用した。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−319517号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、液冷式のランプハウスは、ランプ交換に際し、空冷式のランプハウスのように、放熱フィンをランプから取り外してランプを交換し、新しいランプに再度放熱フィンを取り付けてランプハウスを組み立てる必要がなく、ランプの交換作業が容易である。
【0008】
その反面、従来提案されている液冷式のランプハウスは、ランプを短時間使用するのに問題はないものの、実験によれば、ランプから冷却液までの熱伝導が十分ではなく、ランプの長時間連続点灯に際しては、耐熱温度以上に温度上昇する虞れがあり、点灯時間が制限される。
【0009】
これに対し、近時、ランプを長時間連続点灯して使用したいという要求があり、特に、顕微鏡の蛍光観察などに使用されるランプハウスでは、点灯後に供試体の設置、観察準備作業、観察目標物へのステージの移動、撮影などの作業があり、点灯時間に制限があると必要な観察を実施することができない。
【0010】
本発明の目的は、ランプ点灯時の温度上昇を抑え、ランプ耐熱温度以上に温度上昇しないランプハウスを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的は、ランプ陽極を導電性のランプキャップで装着し、前記ランプキャップと導電性の陽極ホルダとが接触する液冷式のランプハウスにおいて、前記ランプキャップと陽極ホルダの接触面積を、ランプ陽極側総底面積の1/3以上とすることによって達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図1を用いて、本発明のランプハウスについて説明する。
【0013】
図1は本発明の一実施形態によるランプハウス構成を示す部分断面図である。
【0014】
本実施形態によるランプハウスは、ケーシング100と、ケーシング100に収納された絶縁材のセラミックス200,210,220、陽極301A,301B、ランプハウス陰極401、ランプ500などから構成される。
【0015】
ランプ500は円筒形状であり、円筒部の両端部にリング状の導電性材料からなるランプ陽極500Aとランプ陰極500Kとが取り付けられている。ランプ500を点灯させる際は、ランプ陽極500Aおよびランプ陰極500Kの間に高電圧を印加することにより、キセノンランプが発光する。発光した光は、ランプ500側端部から矢印L方向に出射する。ランプ500のランプ陽極500A側は、予め、ランプキャップ501に装着されている。ランプキャップ501は、導電性かつ伝熱性の材料で形成され、外周は円筒形状である。ランプキャップ501は、ランプ陽極500Aと接触している。
【0016】
なお、ランプ陽極500Aとランプキャップ501との取付面間aの一部に、弾性を有する薄膜伝熱シート、または伝熱性を有する接着剤を挟むなど、前記ランプ陽極500Aとランプキャップ501とが振動、温度変化による熱膨張差などによって離間するのを防止する離間防止材を施すことにより、外部から振動が加わることが考えられる環境での輸送後やランプ点灯時の温度上昇などで熱膨張した状態などでランプを使用しても、ランプ陽極500Aとランプキャップ501間の伝熱作用を安定的に行わしめることができる。その場合、ランプ陽極500Aとランプキャップ501間の電気的接触抵抗は、離間防止材を施さない場合に比べて若干上がることになるが、蛍光顕微鏡用のキセノンランプのように発熱の大きなランプの場合、電気的条件(抵抗)よりも熱的条件の方が厳しいため、若干電気的接触抵抗が上がっても熱抵抗を下げることが重要である。
【0017】
ランプ500のランプ陰極500Kには、陰極ホルダ400が取り付けられている。
【0018】
ランプ500を収納、保持する側のケーシング100は、金属製の容器であり、ケーシング100の内部には、絶縁材のセラミックス200,210,220が収納されている。
【0019】
セラミックス210の外周には、冷却液流路213,214,216が設けられている。セラミックス220の内部には、冷却液流路225が設けられている。なお、図示していないが、セラミックス220の内部には、冷却液流路225以外に、もう一本の冷却液流路が設けられている。
【0020】
各冷却液流路213,214,216,225、および図示を省略したもう一本の冷却液流路は、セラミックス210,220の単体加工時に、例えばNiなどの金属によるメッキ、またはテフロン(登録商標)などの高分子によるコーティングを接液面に施す、すなわち侵食防止材を施すことにより、セラミックス210,220が冷却液により侵食されるのを防ぎ、冷却液の材料選択度を増すことができ、またセラミックス210,220(必要があればセラミックス200も)を他の絶縁材に替えることができる。
【0021】
冷却液および絶縁材の材料選択度が増すということは、特殊な環境、例えば宇宙空間のように、冷却液、絶縁材の使用材料に可燃性、発生ガス(臭気、有害ガス)などで制限があるランプハウスの製作に好適である。
【0022】
各冷却液流路213,214,216,225、および図示を省略したもう一本の冷却液流路は、ケーシング110の外部に取り付けられた配管部材226の配管継手221,222に連通されている。配管継手221から流入した冷却液は、冷却液流路225,214,216,213、および図示を省略したもう一本の冷却液流路を経て、配管継手222から流出することにより、セラミックス210,220の内部を冷却液が循環する。
【0023】
セラミックス210とセラミックス220との接合面sを段付き構造としたセラミックス220の内筒底部には、導電性の材料からなる陽極ホルダ300が取り付けられている。陽極ホルダ300には、弾力性を有するランプハウス陽極301A,301Bが取り付けられている。
【0024】
ランプ500が図の左方から挿入されると、ランプハウス陽極301Bは、弾力性によって変形しながら、ランプ500に取り付けられたランプキャップ501と係合してランプキャップ501を固定支持すると共に、ランプキャップ501と電気的に導通する。このとき、ランプキャップ501は、陽極ホルダ300と直接接触することにより、ランプ500の発熱を放熱する。また、ランプハウス陽極301Aは、弾力性によって変形しながら、ランプ500に取り付けられたランプ陽極500Aと係合してランプ陽極500Aを固定支持すると共に、ランプ陽極500Aと電気的に導通する。
【0025】
陽極ホルダ300には、端子303が取り付けられている。端子303に通電することにより、陽極ホルダ300、ランプハウス陽極301A,301Bを介して、ランプ陽極500Aに電圧を印加することができる。本実施形態では、陽極の電気的接触を確実にし、かつランプ500からの発熱を効率よく陽極ホルダ300に逃がすために、2個のランプハウス陽極301A,301Bを設けている。
【0026】
本発明者等は、蛍光顕微鏡用のキセノンランプのように、発熱の大きなランプの温度上昇抑制について種々検討・実験を繰り返した結果、図2に示すように、ランプキャップ501と陽極ホルダ300の接触面積を、ランプ陽極500Aの底部500A−aの総底面積の1/3以上とすることにより、ランプ500の温度をランプ破損温度以下に抑制できることを確認した。
【0027】
また、本発明者等は、前記ランプキャップ501と陽極ホルダ300の接触面積を、ランプ陽極500Aの底部500A−aの総底面積の1/2以上とすることにより、ランプ500の連続点灯が可能であることを確認した。
【0028】
次にランプの冷却方法について説明する。
【0029】
ランプ500が点灯すると、ランプ500から発熱する。ランプ500の発熱は、ランプ陽極500Aおよびランプ陰極500Kから外部に伝達される。ガスを封入し、電極間の放電を利用するランプ500の場合、ランプ陽極500Aからの伝熱量は、ランプ陰極500Kからの伝熱量に比べて大きい。ランプ陽極500Aからの発熱は、主としてランプ500に取り付けられたランプキャップ501から直接陽極ホルダ300に伝わり、セラミックス210およびセラミックス220に伝わり、冷却液流路213,214,216を流れる冷却液により除熱される。
【0030】
一方、ランプ500のランプ陰極500Kからの発熱は、陰極ホルダ400、陰極ホルダ400と接するセラミックス200を経て、一部はケーシング100へ、残りの熱はセラミックス210に伝わり、冷却液流路213,214,216を流れる冷却液により除熱される。
【0031】
なお、ランプ500で発光した光は、図3に示されるように、ランプハウス12の前に設置された顕微鏡11内に導かれ、蛍光観察に使用される。
【0032】
図3中、13は顕微鏡背面パネル、14は顕微鏡台、15は顕微鏡受光部を示している。
【0033】
以上説明したように本実施形態によれば、ランプ500の点灯時にランプ温度の上昇を抑えることができ、温度上昇によるランプ500の破損を防ぐことができる。
【0034】
また、外部から振動が加わった後や温度変化による熱膨張差などでランプキャップとランプ陽極が離間することが考えられる環境下でランプを使用しても、ランプ陽極500Aとランプキャップ501間の伝熱作用を安定的に行わしめることができる。
【0035】
さらに、特殊な環境、例えば宇宙空間のように、冷却液、絶縁材の使用材料に制限があるランプハウスを製作することもできる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、ランプ点灯時の温度上昇を抑え、ランプ耐熱温度以上に温度上昇しないランプハウスを得ることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるランプハウスの構成を示す部分断面図である。
【図2】ランプキャップと陽極ホルダの接触面積/ランプ陽極側総底面積と、ランプ点灯時温度との関係を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によるランプハウスの使用形態を示す図である。
【符号の説明】
100…ケーシング、101…カバー、200,210,220,230…セラミックス、300…陽極ホルダ、301A,301B…ランプハウス陽極、400…陰極ホルダ、401…ランプハウス陰極、500…ランプ、500A…ランプ陽極、500K…ランプ陰極、501…ランプキャップ。
Claims (3)
- 筒部の両端に取り付けられたランプ陽極およびランプ陰極を有し、前記筒部の一方端から光を取り出すランプと、
前記ランプ陽極およびランプ陰極と接触してランプに電力を供給し、内部に冷却液流路を備えた絶縁材によって支持されるランプハウス陽極およびランプハウス陰極と、
前記ランプ陽極を装着した導電性のランプキャップと、
前記ランプキャップと接触する導電性の陽極ホルダと
を備えるランプハウスにおいて、
前記ランプキャップと陽極ホルダの接触面積を、ランプ陽極側総底面積の1/3以上としたことを特徴とするランプハウス。 - 請求項1において、ランプ陽極とランプキャップとの取付面間の一部に、前記ランプ陽極とランプキャップとが離間するのを防止する離間防止材を施したこと特徴とするランプハウス。
- 請求項1または2において、絶縁材の冷却液流路内面に侵食防止材を施したことを特徴とするランプハウス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003118317A JP2004327155A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | ランプハウス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003118317A JP2004327155A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | ランプハウス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004327155A true JP2004327155A (ja) | 2004-11-18 |
Family
ID=33497890
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003118317A Pending JP2004327155A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | ランプハウス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004327155A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101946108B1 (ko) | 2012-08-28 | 2019-02-08 | 케이엘에이-텐코 코포레이션 | 램프 작동 온도의 조절 및 제어에 의해 열응력을 감소시키는 방법 및 장치 |
-
2003
- 2003-04-23 JP JP2003118317A patent/JP2004327155A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101946108B1 (ko) | 2012-08-28 | 2019-02-08 | 케이엘에이-텐코 코포레이션 | 램프 작동 온도의 조절 및 제어에 의해 열응력을 감소시키는 방법 및 장치 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI383424B (zh) | High pressure discharge lamp and high pressure discharge lamp device | |
JP4042588B2 (ja) | 放電ランプ | |
JP6371275B2 (ja) | 放電ランプ | |
JP4895075B2 (ja) | 放電ランプ | |
JP2004327155A (ja) | ランプハウス | |
JP2006280151A (ja) | 熱電変換ユニット | |
JP2011034785A (ja) | 超高圧水銀ランプおよび超高圧水銀ランプ点灯装置 | |
JP2008016389A (ja) | ショートアークランプ | |
US8519623B2 (en) | High-pressure discharge lamp having a cooling element | |
JP2018200744A (ja) | ランプユニット | |
JP7207244B2 (ja) | ショートアーク型放電ランプおよび光照射装置 | |
JP7251420B2 (ja) | ショートアーク型放電ランプおよび光照射装置 | |
JP4888590B2 (ja) | ショートアーク型放電ランプ | |
CN109585240B (zh) | 低压汞灯及其制造方法 | |
JP2006236756A (ja) | ショートアーク型放電灯 | |
JP2006107803A (ja) | 閃光放電管 | |
JP5691417B2 (ja) | ランプ装置 | |
JP2001319517A (ja) | ランプハウス | |
JP3758516B2 (ja) | 直流放電ランプ | |
JP2015122209A (ja) | ショートアーク型放電ランプ | |
JP2006179421A (ja) | ショートアーク型高圧放電ランプ | |
JP2010010043A (ja) | ランプ装置 | |
JP2008251254A (ja) | 放電ランプ点灯装置 | |
JP2009099902A (ja) | 放電励起ガスレーザ装置の冷却機構 | |
JP2011065939A (ja) | 超高圧放電ランプ |