JP2004327054A - 誘導加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱コイルに含まれる低周波磁界を減少させる誘導加熱装置を提供する。
【解決手段】負荷2と前記負荷と磁気的に結合する加熱コイル5と前記加熱コイルに電力を供給するインバータ回路11と前記インバータに電力を供給する電源を備え、前記インバータ回路11に一次側巻き線13が接続され前記加熱コイルに二次側巻き線14が接続される高周波トランス12を接続することにより、低周波成分をカットすることができ、電源の周波数成分を持った電流が加熱コイルに印可されることを減少させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】負荷2と前記負荷と磁気的に結合する加熱コイル5と前記加熱コイルに電力を供給するインバータ回路11と前記インバータに電力を供給する電源を備え、前記インバータ回路11に一次側巻き線13が接続され前記加熱コイルに二次側巻き線14が接続される高周波トランス12を接続することにより、低周波成分をカットすることができ、電源の周波数成分を持った電流が加熱コイルに印可されることを減少させることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波磁界による誘導加熱を利用して被加熱物の加熱を行う電磁調理器などの誘導加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、誘導加熱装置について図面を用いて説明する。図8は、従来の誘導加熱装置(例えば、特許文献1参照)のものと同構成である。交流電源1は整流するダイオードブリッジ2に接続され、ダイオードブリッジ2は、平滑コンデンサ4に接続される。この平滑コンデンサ4は、電圧を平滑するとともにインバータ回路が高周波動作を行う際の直流電源としての役割を持つことになる。平滑コンデンサ4は直列に配置された加熱コイル5と第1の半導体スイッチ6の直列回路と接続され、加熱コイル5には並列に共振コンデンサ10とクランプコンデンサ3と第2の半導体スイッチ7の直列回路が接続される。また、加熱コイル5は自身と磁気的に結合する負荷8が接続され、第1及び第2の半導体スイッチ6、7には、制御手段9が接続される構成をとる。
【0003】
図9は図8の動作波形を示す図である。I6は第1の半導体スイッチ6を流れる電流を、V6はそのコレクタ−エミッタ間電圧を、I6は第2の半導体スイッチ7を流れる電流を、V7はそのコレクタ−エミッタ間電圧を、I5は加熱コイル5を流れる電流を示している。
【0004】
続いて、図8及び図9を用いて従来の誘導加熱装置の動作を説明する。まず、制御手段9は第1の半導体スイッチ6を導通状態にすることで直流電源としての役割を持つ平滑コンデンサ4から加熱コイル5を通して加熱コイル5と磁気的に結合する負荷8に電力を供給する。この際、図9のI6に示すようにほぼ直線上に電流が流れることになる。
【0005】
次に制御手段9は所定の時間で第1の半導体スイッチ6を非導通状態にする。すると加熱コイル5に貯えられたエネルギーはまず第3のコンデンサ10を充電し、図9のV6に示すように第1の半導体スイッチ6のコレクタ電位は緩やかに上昇させる。そして第1の半導体スイッチ6のコレクタの電位がクランプコンデンサ3の電位と等しなった時に第2の半導体スイッチ7内の逆導通素子が導通状態になり、加熱コイル5のエネルギーはクランプコンデンサ3に蓄えられる。この逆導通素子が導通状態の時に第2の半導体スイッチ7を導通状態にしておくことで、今度は図9のI7に示すようにクランプコンデンサ3を電源として加熱コイル5と磁気的に結合する負荷9に電力を供給することになる。制御手段9は所定の時間が経過したところで、第2の半導体スイッチを非導通状態にする。すると加熱コイル5に蓄えられたエネルギー及び共振コンデンサ10に蓄えられたエネルギーを第1の半導体スイッチ6に内蔵された逆導通素子を通して平滑コンデンサ4に回生する。この回生期間に第1の半導体スイッチ6を導通状態にすることで、再び平滑コンデンサ4から負荷8に電力が供給されることになる。この動作を20〜50kHz程度で行うことで、I5に示すような電流が加熱コイル5に流れることで、加熱コイル5と磁気的に結合する負荷8に高周波磁界が発生し、その高周波磁界により負荷8の表層部に渦電流が生じ負荷8が加熱されることになる。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−262666号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこのような従来の誘導加熱装置においては、図9のI5に示すように、加熱コイル5に流れる電流は、高周波成分に直流成分が重畳した形となる。そのため、商用電源1を整流した成分(商用電源の2倍成分)が、負荷8に必要な高周波成分以外に加熱コイル5に供給される。この商用電源成分は負荷8に吸収されないため加熱コイル5から外部に放射されることになる。このような不要な電磁界の放射は周囲に雑音などを発生させる原因となる可能性がある。
【0008】
本発明は上記の課題を解決するもので、商用周波数成分の電磁界を加熱コイルから放射を減少させることができ、不要な雑音を減少させる誘導加熱装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、負荷と磁気的に結合する加熱コイルと、前記加熱コイルに電力を供給するインバータ、と前記インバータに電力を供給する電源とを備え、前記インバータに一次側巻き線が接続され前記加熱コイルに二次側巻き線が接続される高周波トランスを備えることを特徴とする誘導加熱装置としている。
【0010】
これにより、加熱コイルを流れる電流は高周波トランスを介することで大幅に低周波成分が減少するため、加熱コイルから電源の周波数成分を持った磁界が外部に放射されることを減少させることが可能な誘導加熱装置を実現するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、負荷と磁気的に結合する加熱コイルと、前記加熱コイルに電力を供給するインバータ、と前記インバータに電力を供給する電源とを備え、前記インバータに一次側巻き線が接続され前記加熱コイルに二次側巻き線が接続される高周波トランスを備える誘導加熱装置としている。
【0012】
これにより、加熱コイルを流れる電流は高周波トランスを介することで大幅に低周波成分が減少するため、加熱コイルから電源の周波数成分を持った磁界が外部に放射されることを減少させることが可能な誘導加熱装置を実現するものである。
【0013】
請求項2に記載の発明は、上記に加え、高周波トランスは、磁性体コアと前記一次側巻き線と前記二次側巻き線を有し、前記磁性体コアは、空隙をなくし密結合させるとともに前記負荷と前記加熱コイル間に空隙を設けた誘導加熱装置としている。
【0014】
これにより、加熱コイルを流れる電流は高周波トランスを介することで大幅に低周波成分が減少するため、加熱コイルから電源の周波数成分を持った磁界が外部に放射されることを減少させることが可能な誘導加熱装置を実現するものである。
【0015】
請求項3に記載の発明は、上記に加え、高周波トランスは、磁性体コアと前記一次側巻き線と前記二次側巻き線を有し、前記磁性体コアは、空隙を備えた誘導加熱装置としている。
【0016】
これにより、負荷変動を吸収するために設けられている加熱コイルと負荷の空隙に自由度を持たせることが可能になり加熱コイルをトッププレート近傍に配置することが可能になり、負荷により多くの磁束を吸収させることが可能になり加熱効率の良い誘導加熱装置を実現できるものである。
【0017】
請求項4に記載の発明は、上記に加え、負荷を設置するプレートを備え、加熱コイルを前記プレートと略密着させる誘導加熱装置としている。
【0018】
これにより、負荷変動を吸収するために設けられている加熱コイルと負荷の空隙に自由度を持たせることが可能になり加熱コイルをトッププレート近傍に配置することが可能になり、負荷により多くの磁束を吸収させることが可能になり加熱効率の良い誘導加熱装置を実現できるものである。
【0019】
請求項5に記載の発明は、上記に加え、磁性体コアは、空隙を少なくとも4箇所有する誘導加熱装置としている。
【0020】
これにより、負荷変動を吸収するために設けられている加熱コイルと負荷の空隙に自由度を持たせることが可能になり加熱コイルをトッププレート近傍に配置することが可能になり、負荷により多くの磁束を吸収させることが可能になり加熱効率の良い誘導加熱装置を実現できるものである。
【0021】
請求項6に記載の発明は、上記に加え、一次側巻き線及び二次側巻き線は、空隙を覆うように配置する誘導加熱装置としている。
【0022】
これにより、負荷変動を吸収するために設けられている加熱コイルと負荷の空隙に自由度を持たせることが可能になり加熱コイルをトッププレート近傍に配置することが可能になり、負荷により多くの磁束を吸収させることが可能になり加熱効率の良い誘導加熱装置を実現できるものである。
【0023】
請求項7に記載の発明は、上記に加え、高周波トランスの外郭に磁性体を配置する誘導加熱装置としている。
【0024】
これにより、負荷変動を吸収するために設けられている加熱コイルと負荷の空隙に自由度を持たせることが可能になり加熱コイルをトッププレート近傍に配置することが可能になり、負荷により多くの磁束を吸収させることが可能になり加熱効率の良い誘導加熱装置を実現できるものである。
【0025】
請求項8に記載の発明は、上記に加え、高周波トランスは、電流検知用の巻き線を備えた誘導加熱装置としている。
【0026】
これにより、加熱コイル電流を検出するカレントセンサを改めて配置する必要がなくなり、安価な構成で加熱コイル電流を使った制御をすることができる誘導加熱装置を実現できるものである。
【0027】
請求項9に記載の発明は、上記に加え、高周波トランスの巻き線比を負荷に応じて切り替え可能な誘導加熱装置としている。
【0028】
これにより、負荷に応じて加熱コイルに印可する電圧を変えることが可能となるため、負荷に適した加熱を行うことができ、インバータ回路の熱的負担、耐圧負担を抑制した誘導加熱装置を実現できるものである。
【0029】
請求項10に記載の発明は、上記に加え、高周波トランスの2次側コイルと加熱コイル間にコンデンサを接続する誘導加熱装置としている。
【0030】
これにより、加熱コイルを流れる電流は高周波トランスを介することで大幅に低周波成分が減少させるとともにコンデンサが加熱コイルに直列に入ることでより低周波成分を減少させることができるため、加熱コイルから電源の周波数成分を持った磁界が外部に放射されることを減少させることが可能な誘導加熱装置を実現するものである。
【0031】
【実施例】
(実施例1)
本発明の第1の実施例について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項1に係わる。
【0032】
図1は本実施例の誘導加熱装置の回路構成を示す図である。交流電源1は交流電力を高周波電力に変換するインバータ回路11に接続される。インバータ回路11には高周波トランス12の一次巻き線13が接続され、高周波トランス12の二次次巻き線14には加熱コイル5が接続される。加熱コイル5の直上には負荷8が加熱コイル5と磁気的に結合する形で配置される。
【0033】
本実施例ではインバータ回路2は、交流電源1に接続され交流電圧を整流するダイオードブリッジ2と、ダイオードブリッジ2接続され整流された電圧を平滑するとともにインバータ回路が高周波動作を行う際の直流電源としての役割を持つ平滑コンデンサ4と、平滑コンデンサ4に直列に配置された第1の半導体スイッチ6と共振コンデンサ5の直列回路と、共振コンデンサ10と並列に接続されたクランプコンデンサ3と第2の半導体スイッチ7の直列回路から構成されてる。この共振コンデンサ10には高周波トランス12の一次側巻き線11が接続され、高周波トランス12の2次側には加熱コイル5が接続される。
【0034】
次に本実施例における動作を説明する。図2は本実施例の動作波形を示す図である。I6は第1の半導体スイッチ6を流れる電流を、V6はそのコレクタ−エミッタ間電圧を、I6は第2の半導体スイッチ7を流れる電流を、V7はそのコレクタ−エミッタ間電圧を、I13は高周波トランス12の一次巻き線を流れる電流を、I5は加熱コイル5を流れる電流を示している。
【0035】
図示していない制御手段は第1の半導体スイッチ6を導通状態にすることで直流電源としての役割を持つ平滑コンデンサ4から高周波トランス12を通して高周波トランスの2次側巻き線に接続された加熱コイル5に電力を供給し、更に加熱コイル5から加熱コイル5と磁気的に結合する負荷8に電力を供給する。この際、図2のI6に示すようにほぼ直線上に電流が流れることになる。
【0036】
次に制御手段は所定の時間で第1の半導体スイッチ6を非導通状態にする。すると一次巻き線13に貯えられたエネルギーはまず共振コンデンサ10を充電し、図2のV6に示すように第1の半導体スイッチ6のコレクタ電位は緩やかに上昇させる。そして第1の半導体スイッチ6のコレクタの電位がクランプコンデンサ3の電位と等しなった時に第2の半導体スイッチ7内の逆導通素子が導通状態になり、一次巻き線13のエネルギーはクランプコンデンサ3に蓄えられる。この逆導通素子が導通状態の時に制御手段は、第2の半導体スイッチ7を導通状態にすることで、図2のI7に示すようにクランプコンデンサ3を電源として、高周波トランス12を通して高周波トランス12の二次巻き線14に接続された加熱コイル5に電力を供給し、更に加熱コイル5から加熱コイル5と磁気的に結合する負荷8に電力を供給する。制御手段は所定の時間が経過したところで、第2の半導体スイッチ7を非導通状態にする。すると一次巻き線13に蓄えられたエネルギー及び共振コンデンサ10に蓄えられたエネルギーを第1の半導体スイッチ6に内蔵された逆導通素子を通して平滑コンデンサ4に回生する。この回生期間に第1の半導体スイッチ6を導通状態にすることで、再び平滑コンデンサ4から負荷8に電力が供給されることになる。この動作を20〜50kHz程度で繰り返し行うことで、I13に示すような電流が一次巻き線に連続的に流れることになる。
【0037】
また、I13には第1の半導体スイッチ6が導通する際に交流電源1を整流した電圧がかかるため、電源周波数の2倍の成分を持った電流が流れる。但し、高周波トランス12の2次側には低周波成分が大きく減衰した形で電力が供給されるために、二次巻き線14及び加熱コイル5には高周波電流が伝達することになる。よって図2のI5に示すように加熱コイルに高周波電流が流れ、この高周波電流により生じる高周波磁界が負荷8に吸収され、負荷8自身がもつ高周波抵抗と高周波磁界により生じる渦電流により負荷8自身が発熱することになる。このような構成をとることで、加熱コイル5には直流成分(低周波成分)があまり流れず、加熱に必要とされる高周波成分のみが加熱コイル5に供給されており、不要な周波成分が外部に放射されることを防止することができる。ここで、高周波トランス12の大きな空隙がある場合はそこから、漏れ磁束が発生する可能性があるため高周波トランス12はトロイダルコアなどでギャップがないものが望ましく、また負荷8の変動を吸収するリーケージインダクタは加熱コイル5と負荷8の間に十分な空隙を設けることで対応させることができる。
【0038】
なお、本実施例以外のインバータ回路2の構成としてはクランプコンデンサ3及び第2の半導体スイッチ7がない構成など、スイッチング素子が導通時に一次巻き線13と交流電源1が短絡される構成があり、実施例と同様の効果が期待できる。
【0039】
以上のように本実施例によれば、加熱コイル5を流れる電流は常にコンデンサを通過することになり、電源の周波数成分を持った電流が加熱コイル5に印可されることが減少するため、加熱コイル5から電源の周波数成分を持った磁界が外部に放射されることを減少させることが可能な誘導加熱装置を実現するものである。
【0040】
(実施例2)
本発明の誘導加熱装置の第2の実施例について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項3〜7に係わる。
【0041】
図3は本実施例の高周波トランスの構成を示す図である。本実施例が実施例1の構成と異なるのは高周波トランス12の磁性体コア16のコア間に空隙17を設けている点である。
【0042】
本実施例における動作を説明する。高周波トランス12に空隙を設けることで図4に示すように、加熱コイル5を負荷8を配置するプレート20の近傍まで配置することが可能にある。このことにより、加熱コイル5と負荷8の間の空隙が大きい場合に生じる、加熱効率の低下を減少させることができる。また、負荷8の変動を吸収するためのリーケージインダクタは高周波トランス12側で作られるため、インバータ回路11から見た動作は実施例1と同様になる。
【0043】
ここで、高周波トランス13に空隙17を設けることで漏れ磁束が発生することが懸念させる。そこで、図3に示すように空隙の箇所を複数箇所(4カ所)以上に分散させることで、漏れ磁束が複数箇所に分散し、漏れ磁束そのものも小さく抑えることが可能となる。また、空隙の上部に一次巻き線13及び二次巻き線14を配置することで、空隙から発生する漏れ磁束を抑えることができる。
【0044】
更に一次巻き線13及び二次巻き線14の外周に磁性体シールド21を巻くことにより、漏れ磁束を抑えることが可能となる。ここで、磁性体コア16は高周波損失が少ないフェライトなどが望ましく、また磁性体シールド21としては珪素鋼板やパーマロイなどがあるが特に限定するものではない。
【0045】
以上本実施例によれば、高周波トランス12の磁性体コア16に空隙を設けることで、負荷変動を吸収するために設けられている加熱コイルと負荷の空隙に自由度を持たせることが可能になり加熱コイルをトッププレート近傍に配置することが可能になり、負荷により多くの磁束を吸収させることが可能になり加熱効率の良い誘導加熱装置を実現できるものである。
【0046】
(実施例3)
本発明の誘導加熱装置の第3の実施例について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項8に係わる。
【0047】
図5は本実施例の高周波トランスの構成を示す図である。本実施例が実施例2の構成と異なるのは高周波トランス12に第三の巻き線18を設け、加熱コイル5に流れる電流を検出できる様な構成を取っている点である。
【0048】
本実施例における動作を説明する。負荷8は鉄などの磁性体から非磁性ステンレスあるいはアルミなど様々な材質が置かれる可能性がある。その際、加熱コイル5の電流を検出することにより、負荷8を判別することが可能である。しかし、新たに加熱コイル5の電流検出用のカレントセンサを付けるとコストアップにつながることになる。そこで、磁性体コア16に第三の巻き線18を配置することで磁性体コア16で発生する磁束を検出することで加熱コイル5に流れる電流を低コストで検出することが可能なる。
【0049】
以上本実施例によれば、前記高周波トランスに電流検知用の巻き線を備えたことにより、加熱コイル5の電流を検出するカレントセンサを改めて配置する必要がなくなり、安価な構成で加熱コイル電流を使った制御をすることができる誘導加熱装置を実現できるものである。
【0050】
(実施例4)
本発明の誘導加熱装置の第4の実施例について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項9に係わる。
【0051】
図6は本実施例の回路構成を示す図である。本実施例が実施例1の構成と異なるのは高周波トランス12から巻き線比の異なる複数個の巻き線を設け、負荷8の種類に応じて切り替え手段22により巻き線比を切り替える点である。
【0052】
本実施例における動作を説明する。負荷8には鉄などの磁性体から非磁性ステンレスあるいはアルミなど様々な材質が置かれる可能性がある。その際、負荷8の種類に応じて切り替え手段22により巻き線比を切り替える。こうすることにより、インバータ回路11内の半導体スイッチの損失を防止することができる、あるいは発生電圧を抑制することができるなどのメリットを得ることがに可能になる。なお、切り替え手段22はリレーや半導体スイッチなど特に限定するものではない。
【0053】
以上本実施例によれば、高周波トランス12の巻き線比を負荷に応じて切り替え手段22により切り替えることにより、負荷8に応じて加熱コイル5に印可する電圧を変えることが可能となるため、負荷8に適した加熱を行うことができ、インバータ回路11の熱的負担及び耐圧負担を抑えた誘導加熱装置を実現できるものである。
【0054】
(実施例5)
本発明の誘導加熱装置の第5の実施例について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項10に係わる。
【0055】
図7は本実施例の回路構成を示す図である。本実施例が実施例1の構成と異なるのは加熱コイル5と二次巻き線14の直列回路の間に直流カットコンデンサ15が配置している点である。
【0056】
本構成における動作を説明する。本実施例の動作は実施例1と同様な動作を行うが、高周波トランス12を介して加熱コイル5に高周波電流が流れる際に、確実に直流カットコンデンサを通ることからより低周波成分を減衰させることが可能になる。
【0057】
以上のように本実施例によれば、加熱コイル5に並列に第3のコンデンサ10を配置することで、半導体スイッチのターンオフ時の損失を大幅に軽減でき、冷却構成を簡易化でき、安価な誘導加熱装置を実現できるものである。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜10に記載の本発明によれば、加熱コイルを流れる電流の低周波成分を大幅に減少させることができ、加熱コイルから電源の周波数成分を持った磁界が外部に放射されることを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の誘導加熱装置の回路構成を示す図
【図2】本発明の第1の実施例の誘導加熱装置の動作波形を示す図
【図3】本発明の第2の実施例の誘導加熱装置の構成を示す図
【図4】本発明の第2の実施例の誘導加熱装置の構成を示す図
【図5】本発明の第3の実施例の誘導加熱装置の構成を示す図
【図6】本発明の第4の実施例の誘導加熱装置の回路構成を示す図
【図7】本発明の第5の実施例の誘導加熱装置の回路構成を示す図
【図8】従来の誘導加熱装置の回路構成を示す図
【図9】従来の誘導加熱装置の動作波形を示す図
【符号の説明】
1 交流電源
2 ダイオードブリッジ
3 クランプコンデンサ
4 平滑コンデンサ
5 加熱コイル
6 第1の半導体スイッチ
7 第2の半導体スイッチ
8 負荷
9 制御手段
10 共振コンデンサ
11 インバータ回路
12 高周波トランス
13 一次巻き線
14 二次巻き線
15 直流カットコンデンサ
16 磁性体コア
17 空隙
18 第三の巻き線
20 プレート
21 磁性体シールド
22 切り替え手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波磁界による誘導加熱を利用して被加熱物の加熱を行う電磁調理器などの誘導加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、誘導加熱装置について図面を用いて説明する。図8は、従来の誘導加熱装置(例えば、特許文献1参照)のものと同構成である。交流電源1は整流するダイオードブリッジ2に接続され、ダイオードブリッジ2は、平滑コンデンサ4に接続される。この平滑コンデンサ4は、電圧を平滑するとともにインバータ回路が高周波動作を行う際の直流電源としての役割を持つことになる。平滑コンデンサ4は直列に配置された加熱コイル5と第1の半導体スイッチ6の直列回路と接続され、加熱コイル5には並列に共振コンデンサ10とクランプコンデンサ3と第2の半導体スイッチ7の直列回路が接続される。また、加熱コイル5は自身と磁気的に結合する負荷8が接続され、第1及び第2の半導体スイッチ6、7には、制御手段9が接続される構成をとる。
【0003】
図9は図8の動作波形を示す図である。I6は第1の半導体スイッチ6を流れる電流を、V6はそのコレクタ−エミッタ間電圧を、I6は第2の半導体スイッチ7を流れる電流を、V7はそのコレクタ−エミッタ間電圧を、I5は加熱コイル5を流れる電流を示している。
【0004】
続いて、図8及び図9を用いて従来の誘導加熱装置の動作を説明する。まず、制御手段9は第1の半導体スイッチ6を導通状態にすることで直流電源としての役割を持つ平滑コンデンサ4から加熱コイル5を通して加熱コイル5と磁気的に結合する負荷8に電力を供給する。この際、図9のI6に示すようにほぼ直線上に電流が流れることになる。
【0005】
次に制御手段9は所定の時間で第1の半導体スイッチ6を非導通状態にする。すると加熱コイル5に貯えられたエネルギーはまず第3のコンデンサ10を充電し、図9のV6に示すように第1の半導体スイッチ6のコレクタ電位は緩やかに上昇させる。そして第1の半導体スイッチ6のコレクタの電位がクランプコンデンサ3の電位と等しなった時に第2の半導体スイッチ7内の逆導通素子が導通状態になり、加熱コイル5のエネルギーはクランプコンデンサ3に蓄えられる。この逆導通素子が導通状態の時に第2の半導体スイッチ7を導通状態にしておくことで、今度は図9のI7に示すようにクランプコンデンサ3を電源として加熱コイル5と磁気的に結合する負荷9に電力を供給することになる。制御手段9は所定の時間が経過したところで、第2の半導体スイッチを非導通状態にする。すると加熱コイル5に蓄えられたエネルギー及び共振コンデンサ10に蓄えられたエネルギーを第1の半導体スイッチ6に内蔵された逆導通素子を通して平滑コンデンサ4に回生する。この回生期間に第1の半導体スイッチ6を導通状態にすることで、再び平滑コンデンサ4から負荷8に電力が供給されることになる。この動作を20〜50kHz程度で行うことで、I5に示すような電流が加熱コイル5に流れることで、加熱コイル5と磁気的に結合する負荷8に高周波磁界が発生し、その高周波磁界により負荷8の表層部に渦電流が生じ負荷8が加熱されることになる。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−262666号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこのような従来の誘導加熱装置においては、図9のI5に示すように、加熱コイル5に流れる電流は、高周波成分に直流成分が重畳した形となる。そのため、商用電源1を整流した成分(商用電源の2倍成分)が、負荷8に必要な高周波成分以外に加熱コイル5に供給される。この商用電源成分は負荷8に吸収されないため加熱コイル5から外部に放射されることになる。このような不要な電磁界の放射は周囲に雑音などを発生させる原因となる可能性がある。
【0008】
本発明は上記の課題を解決するもので、商用周波数成分の電磁界を加熱コイルから放射を減少させることができ、不要な雑音を減少させる誘導加熱装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、負荷と磁気的に結合する加熱コイルと、前記加熱コイルに電力を供給するインバータ、と前記インバータに電力を供給する電源とを備え、前記インバータに一次側巻き線が接続され前記加熱コイルに二次側巻き線が接続される高周波トランスを備えることを特徴とする誘導加熱装置としている。
【0010】
これにより、加熱コイルを流れる電流は高周波トランスを介することで大幅に低周波成分が減少するため、加熱コイルから電源の周波数成分を持った磁界が外部に放射されることを減少させることが可能な誘導加熱装置を実現するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、負荷と磁気的に結合する加熱コイルと、前記加熱コイルに電力を供給するインバータ、と前記インバータに電力を供給する電源とを備え、前記インバータに一次側巻き線が接続され前記加熱コイルに二次側巻き線が接続される高周波トランスを備える誘導加熱装置としている。
【0012】
これにより、加熱コイルを流れる電流は高周波トランスを介することで大幅に低周波成分が減少するため、加熱コイルから電源の周波数成分を持った磁界が外部に放射されることを減少させることが可能な誘導加熱装置を実現するものである。
【0013】
請求項2に記載の発明は、上記に加え、高周波トランスは、磁性体コアと前記一次側巻き線と前記二次側巻き線を有し、前記磁性体コアは、空隙をなくし密結合させるとともに前記負荷と前記加熱コイル間に空隙を設けた誘導加熱装置としている。
【0014】
これにより、加熱コイルを流れる電流は高周波トランスを介することで大幅に低周波成分が減少するため、加熱コイルから電源の周波数成分を持った磁界が外部に放射されることを減少させることが可能な誘導加熱装置を実現するものである。
【0015】
請求項3に記載の発明は、上記に加え、高周波トランスは、磁性体コアと前記一次側巻き線と前記二次側巻き線を有し、前記磁性体コアは、空隙を備えた誘導加熱装置としている。
【0016】
これにより、負荷変動を吸収するために設けられている加熱コイルと負荷の空隙に自由度を持たせることが可能になり加熱コイルをトッププレート近傍に配置することが可能になり、負荷により多くの磁束を吸収させることが可能になり加熱効率の良い誘導加熱装置を実現できるものである。
【0017】
請求項4に記載の発明は、上記に加え、負荷を設置するプレートを備え、加熱コイルを前記プレートと略密着させる誘導加熱装置としている。
【0018】
これにより、負荷変動を吸収するために設けられている加熱コイルと負荷の空隙に自由度を持たせることが可能になり加熱コイルをトッププレート近傍に配置することが可能になり、負荷により多くの磁束を吸収させることが可能になり加熱効率の良い誘導加熱装置を実現できるものである。
【0019】
請求項5に記載の発明は、上記に加え、磁性体コアは、空隙を少なくとも4箇所有する誘導加熱装置としている。
【0020】
これにより、負荷変動を吸収するために設けられている加熱コイルと負荷の空隙に自由度を持たせることが可能になり加熱コイルをトッププレート近傍に配置することが可能になり、負荷により多くの磁束を吸収させることが可能になり加熱効率の良い誘導加熱装置を実現できるものである。
【0021】
請求項6に記載の発明は、上記に加え、一次側巻き線及び二次側巻き線は、空隙を覆うように配置する誘導加熱装置としている。
【0022】
これにより、負荷変動を吸収するために設けられている加熱コイルと負荷の空隙に自由度を持たせることが可能になり加熱コイルをトッププレート近傍に配置することが可能になり、負荷により多くの磁束を吸収させることが可能になり加熱効率の良い誘導加熱装置を実現できるものである。
【0023】
請求項7に記載の発明は、上記に加え、高周波トランスの外郭に磁性体を配置する誘導加熱装置としている。
【0024】
これにより、負荷変動を吸収するために設けられている加熱コイルと負荷の空隙に自由度を持たせることが可能になり加熱コイルをトッププレート近傍に配置することが可能になり、負荷により多くの磁束を吸収させることが可能になり加熱効率の良い誘導加熱装置を実現できるものである。
【0025】
請求項8に記載の発明は、上記に加え、高周波トランスは、電流検知用の巻き線を備えた誘導加熱装置としている。
【0026】
これにより、加熱コイル電流を検出するカレントセンサを改めて配置する必要がなくなり、安価な構成で加熱コイル電流を使った制御をすることができる誘導加熱装置を実現できるものである。
【0027】
請求項9に記載の発明は、上記に加え、高周波トランスの巻き線比を負荷に応じて切り替え可能な誘導加熱装置としている。
【0028】
これにより、負荷に応じて加熱コイルに印可する電圧を変えることが可能となるため、負荷に適した加熱を行うことができ、インバータ回路の熱的負担、耐圧負担を抑制した誘導加熱装置を実現できるものである。
【0029】
請求項10に記載の発明は、上記に加え、高周波トランスの2次側コイルと加熱コイル間にコンデンサを接続する誘導加熱装置としている。
【0030】
これにより、加熱コイルを流れる電流は高周波トランスを介することで大幅に低周波成分が減少させるとともにコンデンサが加熱コイルに直列に入ることでより低周波成分を減少させることができるため、加熱コイルから電源の周波数成分を持った磁界が外部に放射されることを減少させることが可能な誘導加熱装置を実現するものである。
【0031】
【実施例】
(実施例1)
本発明の第1の実施例について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項1に係わる。
【0032】
図1は本実施例の誘導加熱装置の回路構成を示す図である。交流電源1は交流電力を高周波電力に変換するインバータ回路11に接続される。インバータ回路11には高周波トランス12の一次巻き線13が接続され、高周波トランス12の二次次巻き線14には加熱コイル5が接続される。加熱コイル5の直上には負荷8が加熱コイル5と磁気的に結合する形で配置される。
【0033】
本実施例ではインバータ回路2は、交流電源1に接続され交流電圧を整流するダイオードブリッジ2と、ダイオードブリッジ2接続され整流された電圧を平滑するとともにインバータ回路が高周波動作を行う際の直流電源としての役割を持つ平滑コンデンサ4と、平滑コンデンサ4に直列に配置された第1の半導体スイッチ6と共振コンデンサ5の直列回路と、共振コンデンサ10と並列に接続されたクランプコンデンサ3と第2の半導体スイッチ7の直列回路から構成されてる。この共振コンデンサ10には高周波トランス12の一次側巻き線11が接続され、高周波トランス12の2次側には加熱コイル5が接続される。
【0034】
次に本実施例における動作を説明する。図2は本実施例の動作波形を示す図である。I6は第1の半導体スイッチ6を流れる電流を、V6はそのコレクタ−エミッタ間電圧を、I6は第2の半導体スイッチ7を流れる電流を、V7はそのコレクタ−エミッタ間電圧を、I13は高周波トランス12の一次巻き線を流れる電流を、I5は加熱コイル5を流れる電流を示している。
【0035】
図示していない制御手段は第1の半導体スイッチ6を導通状態にすることで直流電源としての役割を持つ平滑コンデンサ4から高周波トランス12を通して高周波トランスの2次側巻き線に接続された加熱コイル5に電力を供給し、更に加熱コイル5から加熱コイル5と磁気的に結合する負荷8に電力を供給する。この際、図2のI6に示すようにほぼ直線上に電流が流れることになる。
【0036】
次に制御手段は所定の時間で第1の半導体スイッチ6を非導通状態にする。すると一次巻き線13に貯えられたエネルギーはまず共振コンデンサ10を充電し、図2のV6に示すように第1の半導体スイッチ6のコレクタ電位は緩やかに上昇させる。そして第1の半導体スイッチ6のコレクタの電位がクランプコンデンサ3の電位と等しなった時に第2の半導体スイッチ7内の逆導通素子が導通状態になり、一次巻き線13のエネルギーはクランプコンデンサ3に蓄えられる。この逆導通素子が導通状態の時に制御手段は、第2の半導体スイッチ7を導通状態にすることで、図2のI7に示すようにクランプコンデンサ3を電源として、高周波トランス12を通して高周波トランス12の二次巻き線14に接続された加熱コイル5に電力を供給し、更に加熱コイル5から加熱コイル5と磁気的に結合する負荷8に電力を供給する。制御手段は所定の時間が経過したところで、第2の半導体スイッチ7を非導通状態にする。すると一次巻き線13に蓄えられたエネルギー及び共振コンデンサ10に蓄えられたエネルギーを第1の半導体スイッチ6に内蔵された逆導通素子を通して平滑コンデンサ4に回生する。この回生期間に第1の半導体スイッチ6を導通状態にすることで、再び平滑コンデンサ4から負荷8に電力が供給されることになる。この動作を20〜50kHz程度で繰り返し行うことで、I13に示すような電流が一次巻き線に連続的に流れることになる。
【0037】
また、I13には第1の半導体スイッチ6が導通する際に交流電源1を整流した電圧がかかるため、電源周波数の2倍の成分を持った電流が流れる。但し、高周波トランス12の2次側には低周波成分が大きく減衰した形で電力が供給されるために、二次巻き線14及び加熱コイル5には高周波電流が伝達することになる。よって図2のI5に示すように加熱コイルに高周波電流が流れ、この高周波電流により生じる高周波磁界が負荷8に吸収され、負荷8自身がもつ高周波抵抗と高周波磁界により生じる渦電流により負荷8自身が発熱することになる。このような構成をとることで、加熱コイル5には直流成分(低周波成分)があまり流れず、加熱に必要とされる高周波成分のみが加熱コイル5に供給されており、不要な周波成分が外部に放射されることを防止することができる。ここで、高周波トランス12の大きな空隙がある場合はそこから、漏れ磁束が発生する可能性があるため高周波トランス12はトロイダルコアなどでギャップがないものが望ましく、また負荷8の変動を吸収するリーケージインダクタは加熱コイル5と負荷8の間に十分な空隙を設けることで対応させることができる。
【0038】
なお、本実施例以外のインバータ回路2の構成としてはクランプコンデンサ3及び第2の半導体スイッチ7がない構成など、スイッチング素子が導通時に一次巻き線13と交流電源1が短絡される構成があり、実施例と同様の効果が期待できる。
【0039】
以上のように本実施例によれば、加熱コイル5を流れる電流は常にコンデンサを通過することになり、電源の周波数成分を持った電流が加熱コイル5に印可されることが減少するため、加熱コイル5から電源の周波数成分を持った磁界が外部に放射されることを減少させることが可能な誘導加熱装置を実現するものである。
【0040】
(実施例2)
本発明の誘導加熱装置の第2の実施例について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項3〜7に係わる。
【0041】
図3は本実施例の高周波トランスの構成を示す図である。本実施例が実施例1の構成と異なるのは高周波トランス12の磁性体コア16のコア間に空隙17を設けている点である。
【0042】
本実施例における動作を説明する。高周波トランス12に空隙を設けることで図4に示すように、加熱コイル5を負荷8を配置するプレート20の近傍まで配置することが可能にある。このことにより、加熱コイル5と負荷8の間の空隙が大きい場合に生じる、加熱効率の低下を減少させることができる。また、負荷8の変動を吸収するためのリーケージインダクタは高周波トランス12側で作られるため、インバータ回路11から見た動作は実施例1と同様になる。
【0043】
ここで、高周波トランス13に空隙17を設けることで漏れ磁束が発生することが懸念させる。そこで、図3に示すように空隙の箇所を複数箇所(4カ所)以上に分散させることで、漏れ磁束が複数箇所に分散し、漏れ磁束そのものも小さく抑えることが可能となる。また、空隙の上部に一次巻き線13及び二次巻き線14を配置することで、空隙から発生する漏れ磁束を抑えることができる。
【0044】
更に一次巻き線13及び二次巻き線14の外周に磁性体シールド21を巻くことにより、漏れ磁束を抑えることが可能となる。ここで、磁性体コア16は高周波損失が少ないフェライトなどが望ましく、また磁性体シールド21としては珪素鋼板やパーマロイなどがあるが特に限定するものではない。
【0045】
以上本実施例によれば、高周波トランス12の磁性体コア16に空隙を設けることで、負荷変動を吸収するために設けられている加熱コイルと負荷の空隙に自由度を持たせることが可能になり加熱コイルをトッププレート近傍に配置することが可能になり、負荷により多くの磁束を吸収させることが可能になり加熱効率の良い誘導加熱装置を実現できるものである。
【0046】
(実施例3)
本発明の誘導加熱装置の第3の実施例について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項8に係わる。
【0047】
図5は本実施例の高周波トランスの構成を示す図である。本実施例が実施例2の構成と異なるのは高周波トランス12に第三の巻き線18を設け、加熱コイル5に流れる電流を検出できる様な構成を取っている点である。
【0048】
本実施例における動作を説明する。負荷8は鉄などの磁性体から非磁性ステンレスあるいはアルミなど様々な材質が置かれる可能性がある。その際、加熱コイル5の電流を検出することにより、負荷8を判別することが可能である。しかし、新たに加熱コイル5の電流検出用のカレントセンサを付けるとコストアップにつながることになる。そこで、磁性体コア16に第三の巻き線18を配置することで磁性体コア16で発生する磁束を検出することで加熱コイル5に流れる電流を低コストで検出することが可能なる。
【0049】
以上本実施例によれば、前記高周波トランスに電流検知用の巻き線を備えたことにより、加熱コイル5の電流を検出するカレントセンサを改めて配置する必要がなくなり、安価な構成で加熱コイル電流を使った制御をすることができる誘導加熱装置を実現できるものである。
【0050】
(実施例4)
本発明の誘導加熱装置の第4の実施例について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項9に係わる。
【0051】
図6は本実施例の回路構成を示す図である。本実施例が実施例1の構成と異なるのは高周波トランス12から巻き線比の異なる複数個の巻き線を設け、負荷8の種類に応じて切り替え手段22により巻き線比を切り替える点である。
【0052】
本実施例における動作を説明する。負荷8には鉄などの磁性体から非磁性ステンレスあるいはアルミなど様々な材質が置かれる可能性がある。その際、負荷8の種類に応じて切り替え手段22により巻き線比を切り替える。こうすることにより、インバータ回路11内の半導体スイッチの損失を防止することができる、あるいは発生電圧を抑制することができるなどのメリットを得ることがに可能になる。なお、切り替え手段22はリレーや半導体スイッチなど特に限定するものではない。
【0053】
以上本実施例によれば、高周波トランス12の巻き線比を負荷に応じて切り替え手段22により切り替えることにより、負荷8に応じて加熱コイル5に印可する電圧を変えることが可能となるため、負荷8に適した加熱を行うことができ、インバータ回路11の熱的負担及び耐圧負担を抑えた誘導加熱装置を実現できるものである。
【0054】
(実施例5)
本発明の誘導加熱装置の第5の実施例について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項10に係わる。
【0055】
図7は本実施例の回路構成を示す図である。本実施例が実施例1の構成と異なるのは加熱コイル5と二次巻き線14の直列回路の間に直流カットコンデンサ15が配置している点である。
【0056】
本構成における動作を説明する。本実施例の動作は実施例1と同様な動作を行うが、高周波トランス12を介して加熱コイル5に高周波電流が流れる際に、確実に直流カットコンデンサを通ることからより低周波成分を減衰させることが可能になる。
【0057】
以上のように本実施例によれば、加熱コイル5に並列に第3のコンデンサ10を配置することで、半導体スイッチのターンオフ時の損失を大幅に軽減でき、冷却構成を簡易化でき、安価な誘導加熱装置を実現できるものである。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜10に記載の本発明によれば、加熱コイルを流れる電流の低周波成分を大幅に減少させることができ、加熱コイルから電源の周波数成分を持った磁界が外部に放射されることを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の誘導加熱装置の回路構成を示す図
【図2】本発明の第1の実施例の誘導加熱装置の動作波形を示す図
【図3】本発明の第2の実施例の誘導加熱装置の構成を示す図
【図4】本発明の第2の実施例の誘導加熱装置の構成を示す図
【図5】本発明の第3の実施例の誘導加熱装置の構成を示す図
【図6】本発明の第4の実施例の誘導加熱装置の回路構成を示す図
【図7】本発明の第5の実施例の誘導加熱装置の回路構成を示す図
【図8】従来の誘導加熱装置の回路構成を示す図
【図9】従来の誘導加熱装置の動作波形を示す図
【符号の説明】
1 交流電源
2 ダイオードブリッジ
3 クランプコンデンサ
4 平滑コンデンサ
5 加熱コイル
6 第1の半導体スイッチ
7 第2の半導体スイッチ
8 負荷
9 制御手段
10 共振コンデンサ
11 インバータ回路
12 高周波トランス
13 一次巻き線
14 二次巻き線
15 直流カットコンデンサ
16 磁性体コア
17 空隙
18 第三の巻き線
20 プレート
21 磁性体シールド
22 切り替え手段
Claims (10)
- 負荷と磁気的に結合する加熱コイルと、前記加熱コイルに電力を供給するインバータ、と前記インバータに電力を供給する電源とを備え、前記インバータに一次側巻き線が接続され前記加熱コイルに二次側巻き線が接続される高周波トランスを備える誘導加熱装置。
- 高周波トランスは、磁性体コアと前記一次側巻き線と前記二次側巻き線を有し、前記磁性体コアは、空隙をなくし密結合させるとともに前記負荷と前記加熱コイル間に空隙を設けた請求項1に記載の誘導加熱装置。
- 高周波トランスは、磁性体コアと前記一次側巻き線と前記二次側巻き線を有し、前記磁性体コアは、空隙を備えた請求項1に記載の誘導加熱装置。
- 負荷を設置するプレートを備え、加熱コイルを前記プレートと略密着させる請求項3に記載の誘導加熱装置。
- 磁性体コアは、空隙を少なくとも4箇所有する請求項3または4に記載の誘導加熱装置。
- 一次側巻き線及び二次側巻き線は、空隙を覆うように配置する請求項3〜5のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
- 高周波トランスの外郭に磁性体を配置する請求項3〜6のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
- 高周波トランスは、電流検知用の巻き線を備えた請求項1〜7のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
- 高周波トランスの巻き線比を負荷に応じて切り替え可能な請求項1〜8のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
- 高周波トランスの2次側コイルと加熱コイル間にコンデンサを接続する請求項1〜9のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
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Cited By (2)
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WO2010053011A1 (ja) * | 2008-11-07 | 2010-05-14 | 株式会社Inax | 非接触給電装置付き誘導加熱装置及び暖房便座装置 |
CN102331004A (zh) * | 2011-06-21 | 2012-01-25 | 太仓南极风能源设备有限公司 | 磁疗电磁炉 |
-
2003
- 2003-04-21 JP JP2003115543A patent/JP2004327054A/ja active Pending
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WO2010053011A1 (ja) * | 2008-11-07 | 2010-05-14 | 株式会社Inax | 非接触給電装置付き誘導加熱装置及び暖房便座装置 |
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