JP2004325938A - 現像ロール及び現像装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転軸としての導電性軸体1と、該導電性軸体1の外側に位置する少なくとも一層の弾性半導電体層2と、該弾性半導電体層2の外側に位置するトナー担持層3を備え、該トナー担持層3と層形成部材31との当接部において、該当接部にかかる層形成部材31からの圧力を解除した時点で、トナー担持層3の表面に残留しているくぼみ変形の曲率Rrと層形成部材31の曲率Rbとの関係がRr/Rb≧1であることとする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、導電性軸体とその外側に位置する少なくとも一層の弾性半導電体層からなるトナー担持層を具備し、このトナー担持層上に薄層状態で担持された摩擦帯電トナーを層形成部材によって所定のトナー層厚に層形成した後、潜像担持体上に形成された静電潜像を可視化する現像装置において、現像ロールとして用いられる半導電性ロール及びそれを用いた現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
導電体とその外側に位置する弾性半導電体層とを備えたトナー担持層を具備し、このトナー担持層上に薄層状態で担持された摩擦帯電トナーによって、潜像担持体上に形成された静電潜像を可視化する電子写真方式をはじめとする現像装置において、現像ロールとして用いられる半導電性ロールに対しては、導電性、耐環境性、低硬度、摩擦帯電特性、トナー搬送性等の特性が要求される。
【0003】
このような要求に対して、ウレタンゴム、NBR、シリコーンゴム等を素材とし、導電性付与剤として、イオン伝導性物質又は電子伝導性物質を添加することにより半導電性としたロールが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0004】
そして、現像ロールには、高温・高湿下での放置や長時間印字された後のプリンター内に放置された際の印字特性の安定性もまた要求される。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−286024号公報(第1図)
【発明が解決しようとする課題】
上記、従来の半導電性の現像ロールの表面が感光体、現像ブレード、トナー層形成部材等の部品とトナーを介在して、或いは単独で当接されることにより、現像ロールの表面が変形し、それによるトナー層厚の均一性の低下のために、スジ状の印字濃度異常が発生することがあった。
【0006】
この発明は、以上のような従来の問題を解決するものであり、トナー担持層と層形成部材との当接部においてロールの表面に発生するくぼみ変形の少ない半導電性の現像ロール、及びそれを用いた現像装置を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上のような課題を解決すべく、請求項1に記載の発明は、ロール表面のトナー担持層の上に薄層状態で担持された摩擦帯電トナーを層形成部材によって所定のトナー層厚に層形成した後、潜像担持体の上に形成された静電潜像を可視化する現像装置に用いられる現像ロールにおいて、回転軸としての導電性軸体と、該導電性軸体の外側に位置する少なくとも一層の弾性半導電体層と、該弾性半導電体層の外側に形成された熱硬化性ポリマー或いは熱可塑性ポリマーからなるトナー担持層を備え、該トナー担持層と前記層形成部材との当接部において、該当接部にかかる前記層形成部材からの圧力を解除した時点で、前記トナー担持層の表面に残留しているくぼみ変形の曲率Rrと層形成部材の曲率Rbとの関係がRr/Rb≧1であることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加えて、前記弾性半導電体層が、ビニル基をポリマー全体の平均値として0.3〜10mol%含有するポリオルガノシロキサン100質量%に対して、非補強性の無機充填材1〜50質量%を添加した組成物であって、該組成物の硬化後の前記弾性半導電体層の表面硬度がAsker C硬度30〜80であることを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載の現像装置の発明は、請求項1又は2に記載の半導電性の現像ロールを用いたことを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図1及び2を用いて説明する。
【0011】
まず、この発明の実施の形態に係るに半導電性の現像ロールついて説明する。
【0012】
図1は、この発明の実施の形態に係る半導電性の現像ロールを示す断面図である。
【0013】
図1において、半導電性の現像ロールは、導電性軸体1と、この導電性軸体1の上に形成されたゴム及び/又はエラストマーによる弾性半導電体層2と、この弾性半導電体層2の上に形成された熱硬化性ポリマー或いは熱可塑性ポリマーからなるトナー担持層3とを有している。
【0014】
また、第2図は、半導電性の現像ロールを用いた電子写真方式の現像装置の一例である。
【0015】
第2図において、10は潜像担持体としての感光ドラム、11は帯電ロール、12は現像ロール、13はトナー搬送ロール、14は転写ロール、15はクリーニングロール、21は撹はん機、31は層形成部材としての摩擦帯電ブレード、41はLEDアレイ、51は筐体、61は記録紙を示している。
【0016】
また、この発明の半導電性の現像ロールの弾性半導電体層2の体積抵抗率を1×102〜1×107Ω・cmの範囲とし、かつトナー担持層3の体積抵抗率を1×107〜1×1011Ω・cmの範囲とし、かつトナー担持層3の10点平均粗さRzを1〜10μmの範囲とすることで、より好ましい印字特性が得られるものである。上記範囲外の体積抵抗率では、いわゆる「かぶり」の発生、現像効率の低下、印字濃度の不適合、有機感光体の絶縁破壊等の不具合が発生しやすいことが、その理由である。
【0017】
この発明の半導電性の現像ロールは、上記のように、導電性軸体1の上に、ゴム及び/又はエラストマー組成物の弾性半導電体層2を、適宜の条件下でロール状に成形した後、所望の表面状態に仕上げることにより得られる。
【0018】
導電性軸体1は、導電性材質として、特に材質を限定するものではないが、鉄、アルミ、SUS、真鍮で構成された、いわゆる「芯金」或いは熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の芯体にメッキ処理したもの、又は、熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂に導電性付与剤として、カーボンブラック、金属粉末等を配合した芯体等が用いられる。
【0019】
半導電性の現像ロールの弾性半導電体層2は、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ポリウレタン、クロロプレンゴム、天然ゴム、ブチルゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、アクリルゴム、及びこれらの混合物のゴム、或いはエラストマーのいずれか一つ以上に煙霧質シリカ、沈降性シリカ、補強性カーボンブラック、等の充填材及び導電性カーボンブラック、ニッケル、アルミニウム、銅等の金属粉末、酸化亜鉛、酸化錫等の金属酸化物、硫酸バリウム、酸化チタン或いはチタン酸カリウム等の芯材に酸化錫をコーティングした導電性充填材等を配合し、パーオキサイド、白金触媒存在下でのハイドロジェンシロキサン、イソシアネート等の加硫剤と一緒に混練したものが用いられる。
【0020】
なお、充填材については、補強性充填材に比べて非補強性充填材の方がより好ましく、非補強充填材としては、珪藻土、結晶シリカ等の表面活性の低いものが用いられる。
【0021】
成形にあたっては、導電性軸体1とゴム及び/又はエラストマーの組成物の弾性半導電体層2を、押出し機でクロスヘッドを用いて、一体化して分出しした後、ギヤーオーブン或いはIR炉で一次加硫する方法、導電性軸体1を金型にセットした後、シリコーンゴム組成物を注入し、常温或いは加熱下で一次加硫する方法、導電性軸体1とシリコーンゴム組成物の弾性半導電体層2を同時に金型内で加熱、圧縮成形する方法等が用いられる。その後、ギヤーオーブン等で一定時間二次加硫を実施することにより、物性の安定化を図ることもできる。
【0022】
以上のようにして製作した成形品は、必要により円筒研削盤、ショットブラスター、サンドブラスター、ラッピング機、バフ等により所望の表面状態(好適には、Rz3〜15μm、Sm3〜30μm)に処理することもできる。
【0023】
トナー担持層3に用いられる熱硬化性ポリマー或いは熱可塑性ポリマーの材質としては、特に制限はないが、アミノ基及び/又は水酸基を有するものが好適である。一例を示せばアルキッド樹脂、フェノール変性・シリコーン変性等のアルキッド樹脂変性物、オイルフリーアルキッド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂及びこれらの混合物が挙げられる。また、その架橋には、イソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物、過酸化物、フェノール化合物、ハイドロジェンシロキサン化合物等の架橋剤が用いられる。
【0024】
熱硬化性ポリマー或いは熱可塑性ポリマーを主成分とする樹脂層への充填材としては、湿式シリカ、珪藻土、酸化アルミ、酸化亜鉛、炭酸カルシウム等の無機充填材及びシリコーンレジンパウダー、メタクリル酸メチルパウダー等の有機充填材等を用いることができる。
【0025】
また、トナー担持層3は導電性の粉体やイオン伝導性の物質を加えてコート材自体も半導電化するとさらに良い。
【0026】
この発明に用いられる導電性軸体1は、その一端を接地或いはバイアス電圧を印加することにより、トナーへの電荷の注入、トナーの吸着、静電潜像担持体へのトナーの搬送による静電潜像の現像や帯電及び転写の性能を得るものであり、外周に形成される弾性半導電体層2の支持体である。
【0027】
この発明の半導電性の現像ロールに用いられる弾性半導電体層2は、現像工程の電極、トナーへの接触帯電及び電荷注入用の電極として作用するものであり、そのゴム弾性により、感光体との間で均一な現像電界を形成するものである。また、弾性半導電体層2の上に形成されたトナー担持層3は、その表面の凹凸及びファンデルワールス力、鏡像力、クーロン力等によりロール表面にトナーを担持・搬送するものである。
【0028】
この発明の実施の形態においては、潜像担持体としての感光ドラム10及び層形成部材としての摩擦帯電ブレード31、トナー層を形成する部材等の部品とトナーを介在して或いは単独で当接されることにより、現像ロール12の表面がくぼみ変形し、それによるトナー層厚の均一性低下のために、スジ状の印字濃度異常が発生する問題を、トナー担持層3と層形成部材31との当接部において、該当接部にかかる層形成部材31からの圧力を解除した時点で、トナー担持層3の表面に残留しているくぼみ変形の曲率Rrと層形成部材の曲率Rbとの関係がRr/Rb≧1である半導電性の現像ロール12とすることで、解決するものである。
【0029】
これにより、長期に渡って安定した印字特性(初期印字特性及び経時印字特性)をもつ、半導電性の現像ロールが得られる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例に基づいて、この発明を更に具体的に説明するが、この発明は、以下に示した実施例によって限定されるものではない。
【0031】
[実施例1]
導電性軸体1として、SUM22に無電解ニッケルメッキした直径10mm、長さ250mmのシャフトを用い、これにシリコーン系プライマー・プライマーNo.16(信越化学(株)製)を塗布し、ギヤーオーブン中で150℃、10分間焼き付け処理を実施した。
【0032】
また、導電性ゴム組成物としては、メチルビニルシリコーン生ゴム(ビニル基:0.5mol%)100質量部にカーボンブラック・アサヒサーマル(旭カーボン(株)商品名)10質量部、珪藻土系充填材30質量部、白金触媒・C−19A(信越化学(株)商品名)0.5部、ハイドロジェンシロキサン・C−19B(信越化学(株)商品名)2.0部を添加し、加圧ニーダーで混練して、シリコーンゴム組成物を調整した。
【0033】
次に、このシリコーンゴム組成物を押出し機でクロスヘッドを用いて、一体化して分出しした後、ギヤーオーブンで300℃、15分間加熱加硫し、上記直径10mmのシャフトに対してその直径が20mmになるように加硫接着成形した。その後、ギヤーオーブン中で200℃、4時間二次加硫を行い、円筒研削盤で研磨して、直径16mm、ゴム部長さ210mm、硬度70(Asker C)のロール基材とした。
【0034】
続いて、上記ロールの表面にウレタン系塗料・タケラックE−553(三井武田ケミカル(株)製、不揮発分50%)塗料100質量部に充填材として無水シリカ・AEROSIL 200(日本アエロジル(株)製)15質量部及び導電性付与剤として、カーボンブラック・アサヒサーマル(旭カーボン(株)製)10質量部を添加し、ポットミルで8時間攪拌・分散した後、ポリイソシアネート系架橋剤・タケラックD140N(三井武田ケミカル(株)製)20質量部を添加し、スプレーコーティングした後、150℃、30分間加熱硬化し、実施例1のサンプルとした。
【0035】
[実施例2]
導電性ゴム組成物として、メチルビニルシリコーン生ゴム(ビニル基:0.5mol%)100質量部に、ジメチルシリコーン生ゴム(ビニル基:0.025mol%)10質量部にカーボンブラック・アサヒサーマル(旭カーボン(株)製)10質量部、珪藻土系充填材20質量部、白金触媒・C−19A(信越化学(株)製)0.5質量部、ハイドロジェンシロキサン・C−19B(信越化学(株)製)2.0質量部を添加し、加圧ニーダーで混練して、シリコーンゴム組成物を調整した。
【0036】
次に、このシリコーンゴム組成物を押出し機でクロスヘッドを用いて、一体化して分出しした後、ギヤーオーブンで300℃、15分間加熱加硫し、上記直径10mmのシャフトに対して直径が20mmになるように加硫接着成形した。その後、ギヤーオーブン中で200℃、4時間二次加硫を行い、円筒研削盤で研磨して、直径16mm、ゴム部長さ210mm、硬度50(Asker C)のロール基材とした。
【0037】
続いて、実施例1と同様のコーティングを施して、実施例2のロールを製作した。
【0038】
[実施例3]
導電性ゴム組成物として、メチルビニルシリコーン生ゴム(ビニル基:0.5mol%)100質量部に、ジメチルシリコーン生ゴム(ビニル基:0.025mol%)20質量部にカーボンブラック・アサヒサーマル(旭カーボン(株)製)10質量部、珪藻土系充填材10質量部、白金触媒・C−19A(信越化学(株)製)0.5質量部、ハイドロジェンシロキサン・C−19B(信越化学(株)製)2.0質量部を添加し、加圧ニーダで混練して、シリコーンゴム組成物を調整した。
【0039】
次に、このシリコーンゴム組成物を押出し機でクロスヘッドを用いて、一体化して分出しした後、ギヤーオーブンで300℃、15分間加熱加硫し、上記直径10mmのシャフトに対して直径が20mmになるように加硫接着成形した。その後、ギヤーオーブン中で200℃、4時間二次加硫を行い、円筒研削盤で研磨して、直径16mm、ゴム部長さ210mm、硬度30(Asker C)のロール基材とした。
【0040】
続いて、実施例1と同様のコーティングを施して、実施例3のロールを製作した。
【0041】
[実施例4]
導電性ゴム組成物として、メチルビニルシリコーンオイル(ビニル基:0.5mol%)100質量部にカーボンブラック・アサヒサーマル(旭カーボン(株)製)10質量部、珪藻土系充填材20質量部、ヘキサクロロ白金酸塩系触媒0.01質量部、メチルハイドロジェンシリコーンオイル8.0質量部を添加し、3本ロールで混練して、シリコーンオイル組成物を調整した。
【0042】
次に、このシリコーンオイル組成物を予め、シャフトを挿入した金型内に注入し、ギヤーオーブンで150℃、30分間加熱加硫し、上記直径10mmのシャフトに対して直径が18mmになるように加硫接着成形した。その後、脱型し、ギヤーオーブン中で200℃、4時間二次加硫を行い、円筒研削盤で研磨して、直径16mm、ゴム部長さ210mm、硬度50(Asker C)のロール基材とした。
【0043】
続いて、実施例1と同様のコーティングを施して、実施例4のロールを製作した。
【0044】
[実施例5]
導電性ゴム組成物として、メチルビニルシリコーン生ゴム(ビニル基:0.5mol%)100質量部に、メチルシリコーン生ゴム(ビニル基:10mol%)10質量部にカーボンブラック・アサヒサーマル(旭カーボン(株)製)10質量部、珪藻土系充填材20質量部、ヘキサクロロ白金酸塩系触媒0.01質量部、メチルハイドロジェンシリコーンオイル15質量部を添加し、加圧ニーダで混練して、シリコーンゴム組成物を調整した。
【0045】
次に、このシリコーンゴム組成物を押出し機でクロスヘッドを用いて、一体化して分出しした後、ギヤーオーブンで300℃、15分間加熱加硫し、上記直径10mmのシャフトに対して直径が20mmになるように加硫接着成形した。その後、ギヤーオーブン中で200℃、4時間二次加硫を行い、円筒研削盤で研磨して、直径16mm、ゴム部長さ210mm、硬度70(Asker C)のロール基材とした。
【0046】
続いて、実施例1と同様のコーティングを施して、実施例5のロールを製作した。
【0047】
次に、それぞれのロールを、市販の負帯電トナーを用いた電子写真式プリンターに現像ロール12として装着し、印字試験を実施した。
【0048】
その際に、現像ロール12と感光ドラム10(直径30mm)との当て込み量0.2mm、摩擦帯電ブレード31(先端角Rが0.275mm、0.3mm、0.35mm)の線圧25g/cmとした。
【0049】
その結果、実施例1乃至4において、初期印字から2万枚印字後の印字特性を確認した結果、トナー担持層3の磨耗が抑制され、初期及び経時において高品位の印字画像を得た(表1を参照)。
【0050】
[比較例1]
比較例1として、導電性ゴム組成物として、メチルビニルシリコーン生ゴム(ビニル基:0.15mol%)100質量部にカーボンブラック・アサヒサーマル(旭カーボン(株)製)10質量部、珪藻土系充填材40質量部、白金触媒・C−19A(信越化学(株)製)0.5部、ハイドロジェンシロキサン・C−19B(信越化学(株)製)2.0部を添加し、加圧ニーダーで混練して、シリコーンゴム組成物を調整した。
【0051】
次に、このシリコーンゴム組成物を押出し機でクロスヘッドを用いて、一体化して分出しした後、ギヤーオーブンで300℃、15分間加熱加硫し、上記直径10mmのシャフトに対して直径が20mmになるように加硫接着成形した。その後、ギヤーオーブン中で200℃、4時間二次加硫を行い、円筒研削盤で研磨して、直径16mm、ゴム部長さ210mm、硬度70(Asker C)のロール基材とした。 続いて、実施例1と同様のコーティングを施して、比較例1のロールを作成した。
【0052】
[比較例2]
比較例1において、珪藻土系充填材の添加量を25質量部としたロールを作成して、比較例2とした。
【0053】
[比較例3]
同様に、珪藻土系充填材の添加量を15質量部として比較例3とした。その後、実施例1と同様の試験を実施した。
【0054】
【表1】
【0055】
ここで、表1に記載した各項目について、その測定方法を説明する。 弾性半導電体層2及びトナー担持体層3の体積抵抗率については、JIS−K6271「平行端子電極法」に基づき、それぞれ測定した。
【0056】
また、サンプルは以下の方法により、作成した。
【0057】
弾性半導電体層2については、弾性半導電体層2となるゴム組成物又はオイル組成物を金型で、加熱圧縮成形を行い、シート状サンプルを作成した。
【0058】
トナー担持層3については、トナー担持層3となるコート剤をキャスティングにより製膜し、シート状サンプルを作成した。
【0059】
・現像ロール12の変形部の曲率Rrについては、放置試験後の現像ロール12の層形成ブレード との当接部を真円度測定器を用いて測定し、チャートから現像ロール12の変形部の曲率Rrを求めた。
【0060】
・印字濃度については、実施例のロールサンプルを、初期及び耐久試験後に電子写真式プリンターに組み込み、黒べた、網点m、5%デューティー、白地印字等を繰り返し、黒べた印字部のマクベス濃度をマクベス濃度計を用いて測定した。
【0061】
・「かぶり」については、実施例のロールサンプルを、初期及び耐久試験後に電子写真式プリンターに組み込み、黒べた、網点、5%デューティー、白地印字等を繰り返し、5%デューティーの白地部のマクベス濃度をマクベス濃度計を用いて測定した。
【0062】
・黒ベタむらについては、実施例のロールサンプルを、初期及び耐久試験後に電子写真式プリンターに組み込み、黒べた、網点、5%デューティー、白地印字等を繰り返し、黒ベタ部の印字濃度むらの有無を目視判定した。
【0063】
・高温・高湿放置後印字ムラについては、実施例のロールサンプルを現像カートリッジに組み込み、初期印字で印字に問題ないことを確認した後、高温・高湿下(55℃、80RH%、7日間)に放置し、その後印字を行って初期状態と比べて、摩擦帯電ブレード31及び感光ドラム10との接触部での異常の有無を目視で確認した。
【0064】
・トナー固着については、高温・高湿放置試験後の現像ローラ表面を目視で確認した。
【0065】
・スジ不良については、実施例のロールサンプルを現像カートリッジに組み込み、初期印字で印字に問題ないことを確認した後、高温・高湿下(55℃、80RH%、7日間)に放置し、その後印字を行って初期状態と比べて、摩擦帯電ブレード31及び感光ドラム10との接触部でのスジ状の濃度異常の有無を目視で確認した。
【0066】
印刷濃度の合否判定については、初期、耐久後濃度とも、1.3未満のものについては不合格とした。
【0067】
・「かぶり」の合否判定については、初期、耐久後濃度とも、0.015を超えたのものについては不合格とした。
【0068】
・黒ベタむらの合否判定については、初期、耐久後ともに、黒ベタ濃度にむらが見られたものについては不合格とした。
【0069】
・高温・高湿放置後印字ムラの合否判定については、現像ブレード及び感光体との接触部での異常の有無を目視で確認し、例えば、濃度ムラ等の異常が見られたものについては不合格とした。
【0070】
・トナー固着の合否判定については、現像ロール12の表面にトナーが固着しているものについては不合格とした。
【0071】
・スジ不良の合否判定としては、スジ状の濃度ムラが確認されたものは不合格とした。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、回転軸としての導電性軸体と、該導電性軸体の外側に位置する少なくとも一層の弾性半導電体層と、該弾性半導電体層の外側に形成された熱硬化性ポリマー或いは熱可塑性ポリマーからなるトナー担持層を備え、該トナー担持層と層形成部材との当接部において、該当接部にかかる層形成部材からの圧力を解除した時点で、トナー担持層の表面に残留しているくぼみ変形の曲率Rrと層形成部材の曲率Rbとの関係がRr/Rb≧1であるので、感光体及び現像ブレード、トナー層形成部材等の部品とトナーを介在して或いは単独で当接されることにより、現像ロールの表面がくぼみ変形し、それによるトナー層厚の均一性低下のために、スジ状の印字濃度異常が発生する問題を解決することができた。
【0073】
また、長期に渡って安定した印字特性(初期印字特性及び経時印字特性)を持つ半導電性の現像ロールが得られた。
【0074】
請求項2に記載の発明によれば、弾性半導電体層が、ビニル基をポリマー全体の平均値として0.3〜10mol%含有するポリオルガノシロキサン100質量%に対して、非補強性の無機充填材1〜50質量%を添加した組成物であって、該組成物の硬化後の弾性半導電体層の表面硬度がAsker C硬度30〜80であるので、請求項1に効果に加えて、より安定したくぼみ変形の発生を防止することができる。
【0075】
請求項3に記載の発明によれば、印刷面にスジ状の印字濃度異常が認められない印刷品質の高い印刷物が仕上げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る現像ロールの断面図である。
【図2】同現像ロールが組み込まれる現像装置の概念図である。
【符号の説明】
1 導電性軸体
2 弾性半導電体層
3 トナー担持層
10 感光ドラム(潜像担持体)
12 現像ロール
31 摩擦帯電ブレード(層形成部材)
Claims (3)
- ロール表面のトナー担持層の上に薄層状態で担持された摩擦帯電トナーを層形成部材によって所定のトナー層厚に層形成した後、潜像担持体の上に形成された静電潜像を可視化する現像装置に用いられる現像ロールにおいて、
回転軸としての導電性軸体と、該導電性軸体の外側に位置する少なくとも一層の弾性半導電体層と、該弾性半導電体層の外側に形成された熱硬化性ポリマー或いは熱可塑性ポリマーからなるトナー担持層を備え、該トナー担持層と前記層形成部材との当接部において、該当接部にかかる前記層形成部材からの圧力を解除した時点で、前記トナー担持層の表面に残留しているくぼみ変形の曲率Rrと層形成部材の曲率Rbとの関係がRr/Rb≧1であることを特徴とする半導電性の現像ロール。 - 前記弾性半導電体層が、ビニル基をポリマー全体の平均値として0.3〜10mol%含有するポリオルガノシロキサン100質量%に対して、非補強性の無機充填材1〜50質量%を添加した組成物であって、該組成物の硬化後の前記弾性半導電体層の表面硬度がAsker C硬度30〜80であることを特徴とする請求項1記載の半導電性の現像ロール。
- 請求項1又は2に記載の半導電性の現像ロールを用いた現像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003122357A JP2004325938A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | 現像ロール及び現像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003122357A JP2004325938A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | 現像ロール及び現像装置 |
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JP2004325938A true JP2004325938A (ja) | 2004-11-18 |
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ID=33500613
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2004325938A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9947803B2 (en) | 2004-03-12 | 2018-04-17 | Japan Science And Technology Agency | Amorphous oxide and thin film transistor |
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2003
- 2003-04-25 JP JP2003122357A patent/JP2004325938A/ja active Pending
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US9947803B2 (en) | 2004-03-12 | 2018-04-17 | Japan Science And Technology Agency | Amorphous oxide and thin film transistor |
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