JP2004325900A - フォトニック結晶を用いた光回路およびその製造方法 - Google Patents

フォトニック結晶を用いた光回路およびその製造方法 Download PDF

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彰二郎 川上
Yasuo Odera
康夫 大寺
Hiroyuki Okubo
博行 大久保
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Abstract

【課題】コア同士の接続部に空隙が無くかつ断面形状の変化部が無いように光学的に接続し、接続損失を低減できるフォトニック結晶を用いた光回路およびその製造方法を提供する。
【解決手段】基板101上に、コア102−1,102−2を形成すると共に、少なくとも一部がフォトニック結晶からなる閉曲線パターンの他のコア103を、スパッタデポジッションとスパッタエッチングとの比率を最適化する自己クローニング法により、コア102−1,102−2と局所的に平行かつ近接させて形成した後、クラッド104で覆って光回路を形成する。これにより、接続部に空隙や断面形状の変化部を発生することなく光共振器を製造できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光導波路で形成される光回路およびその製造方法に係り、特にコア材料としてフォトニック結晶を用いた光回路およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
まず、フォトニック結晶について簡単に説明する。
【0003】
フォトニック結晶とは、屈折率が異なる2種類の透明媒質を媒質内平均波長の1/2程度の格子間隔で1から3次元の周期構造で積層した結晶である。
【0004】
図5(a)から図5(c)は1次元、2次元、3次元のフォトニック結晶の模式図である。図中、屈折率が異なる2種類の透明媒質は、低屈折率媒質501と高屈折率媒質502である。
【0005】
図5(a)に示すように、1次元の周期構造は、Z方向にのみ屈折率の周期性(低屈折率媒質501と高屈折率媒質502とで1周期Tとする。)を有する。また、図5(b)に示すように、2次元の周期構造は、X,Z方向に屈折率の周期性を有する。また、図5(c)に示すように、3次元の周期構造は、X,Y,Z方向に屈折率の周期性を有し、いわゆるナノスケールの3次元市松模様を有している。
【0006】
このようなフォトニック結晶を用いた光導波路として、本発明者らは、先に2次元のフォトニック結晶をコアとする光導波路を用いて、基板上に光共振器を形成し、この光共振器を出願した(特願2002−051641号参照。以下「先願の発明」という。)。
【0007】
図6は先願の発明にかかる光導波路の斜視図であり、図7は図6の光回路の部分拡大図である。
【0008】
図6に示すように、この光導波路は、基板601上に4μm×4μmの矩形断面を有する直線状コアが形成され、さらにこのコアを覆うようにクラッド604が形成されている。さらに、コアは、中央部に形成された誘電体単層膜コア603と、この誘電体単層膜コア603の両端側に形成された2次元フォトニック結晶コア602−1,602−2とからなる。なお、必要であればフォトニック結晶として、3次元フォトニック結晶を用いることもできる。
【0009】
図6の光導波路を製造するに際しては、先ず、基板601上の所定の位置に1次元初期格子を形成しておき、その1次元初期格子上に屈折率の異なる2種類の膜を交互に複数周期分成膜し、2次元のフォトニック結晶を形成する。
【0010】
そして、この2次元フォトニック結晶部を2箇所で断面矩形化してコア602−1,602−2とする。次に、2箇所に作製されたフォトニック結晶コア602−1,602−2を、断面矩形化した誘電体単層膜からなるコア603で接続する。フォトニック結晶コア602−1,602−2と誘電体単層膜コア603の側面及び上面の全てはSiO クラッド604により覆われる。
【0011】
最後に、光入力側のフォトニック結晶コア602−1に光入力用光ファイバ605−1を接続し、光出力側のフォトニック結晶コア602−2に光出力用光ファイバ605−2を接続する。
【0012】
このような構成によって、フォトニック結晶コア602−1,602−2は誘電体多層膜フィルタのDBR(Distributed Bragg Reflecter:分布ブラッグ反射器)に相当し、誘電体単層膜コア603はキャビティ(cavity)に相当することにより、基板面内伝搬型の光フィルタとして機能する。すなわち、入射光を光導波路の一方の端面aから入射させ、光導波路の他方の端面bから出射された出力光を測定すると、ある波長の光のみ透過する光フィルタ特性が得られる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先願の発明は、図7に示すように、フォトニック結晶コア702(602−1,602−2)と誘電体単層膜コア703(603)とを、接続部に空隙705が無くかつ断面形状が変化した変化部706が無いように両コア702,703(602−1,602−2,603)を接続することが難しかった。
【0014】
すなわち、手順としてはフォトニック結晶コア702(602−1,602−2)を形成した後に誘電体単層膜コア703(603)を作製するが、そのプロセス中でフォトニック結晶コア702(602−1,602−2)を形成した後、誘電体単層膜コア703(603)を成膜する際に両コア702,703(602−1,602−2,603)の接続部で空隙705が発生したり、断面形状が変化した変化部706が形成されてしまうという問題があった。そのため、光導波路に良好な特性の光共振器を作製することが難しかった。
【0015】
そこで、本発明の目的は、コア同士の接続部に空隙が無くかつ断面形状の変化部が無いように光学的に接続し、接続損失を低減できるフォトニック結晶を用いた光回路およびその製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1の発明は、コアをクラッドで覆った光導波路と、少なくとも一部がフォトニック結晶からなるコアをクラッドで覆った他の光導波路とが光学的に接続された光回路であって、他の光導波路のコアは、光導波路のコアと局所的に平行かつ近接した部分を有する閉曲線パターンで形成されているものである。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成に加え、光導波路のコアはフォトニック結晶からなることが好ましい。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、閉曲線パターンは円形であることが好ましい。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の構成に加え、フォトニック結晶は誘電体多層膜型フォトニック結晶であることが好ましい。
【0020】
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の構成に加え、他の光導波路のコアのフォトニック結晶以外のコア部分は、透明な誘電体の単層膜で形成されていることが好ましい。
【0021】
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の構成に加え、クラッドは透明な誘電体の単層膜で形成されていることが好ましい。
【0022】
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の構成に加え、光導波路と他の光導波路のいずれか一方或いは両方に、コアのフォトニック結晶部分の光軸方向の長さが光信号の遅延量に応じて決められていることが好ましい。
【0023】
請求項8の発明は、基板上に、コアを形成すると共に、少なくとも一部がフォトニック結晶からなる閉曲線パターンの他のコアを、スパッタデポジッションとスパッタエッチングとの比率を最適化する自己クローニング法により、コアと局所的に平行かつ近接させて形成した後、コアと他のコアとを覆うようにクラッドを形成する方法である。
【0024】
上記請求項1及び請求項2の構成によれば、光導波路と他の光導波路との近接部に、局所的に方向性結合器が形成され、良好な光学的接続ができるために、コア同士の直接接続による方法で課題となっていた接続部における空隙の発生及び断面形状の変化などを回避することができると共に、フォトニック結晶導波路を用いたリング共振器を形成することができる。
【0025】
請求項3に記載の構成によれば、損失が少ないリング共振器を形成することができる。
【0026】
請求項4に記載の構成によれば、光回路のコアの屈折率を石英系光ファイバのコアの屈折率と同程度にすることができるので、光回路と光ファイバとの接続損失を低減することができる。
【0027】
請求項5に記載の構成によれば、フォトニック結晶よりも誘電体単層膜の方が伝搬損失が小さいので、光回路の伝搬損失を低減することができる。
【0028】
請求項6に記載の構成によれば、クラッドを石英系光ファイバのクラッドと同じ材料にすることで、接続性が向上すると共に強度が増し、接続損失を低減することができる。
【0029】
請求項7に記載の構成のよれば、波長分散の制御を実現することができる。
【0030】
請求項8に記載の構成によれば、工業的に量産が容易な光回路を作製することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0032】
図1は本発明の一実施の形態を示すフォトニック結晶を用いた光回路の斜視図である。本実施の形態では、光信号の通信波長帯が1.3μm〜1.7μmであり、基板として、透明な石英(SiO )基板(Si基板でも良い)101を用いた場合について述べる。
【0033】
図1に示すように、本光回路は、SiO 基板101と、例えば約4μm×4μmの矩形断面を有する円状の閉曲線パターンで形成された2次元あるいは3次元のフォトニック結晶コア103と、このフォトニック結晶コア103を2μmの距離を隔てて挟むように、例えば約4μm×4μmの矩形断面を有する直線パターンで形成されたほぼ平行な2本の誘電体単層膜コア102−1,102−2と、これらコア全体(コアの側面及び上面の全ての面)を覆うように形成された誘電体の単層膜であるSiO 膜からなるクラッド104とで主に構成されている。以下、図1中、フォトニック結晶コア103をクラッド104で覆った光導波路を第3導波路といい、第3導波路の右側に配置された誘電体単層膜コア102−1をクラッド104で覆った光導波路を第1導波路、左側に配置された誘電体単層膜コア102−2をクラッド104で覆った光導波路を第2導波路という。
【0034】
さらに、これらフォトニック結晶コア103と誘電体単層膜コア102−1,102−2との最近接部105−1,105−2は局所的に方向性結合器を形成している。
【0035】
フォトニック結晶に用いる材料としては、Ta 、Nb 、SiO などの酸化物や、Ge、Siなどの半導体を用いることが好ましい。現在すでに製品化されている誘電体多層膜フィルタに用いられている材料はTa /SiO ,Nb /SiO などの酸化物の組み合わせであるので、低損失化のためにはそれらの材料を用いた方が好ましい。
【0036】
次に、図1に示したフォトニック結晶を用いた光回路の製造方法を、図1から図3を用いて作用と共に説明する。
【0037】
図2(a)は図1のフォトニック結晶コアを形成する前の基板の斜視図であり、図2(b)は図2(a)のIIb部分の部分拡大図である。
【0038】
図2(a)に示すように、フォトニック結晶を用いた光回路を製造するに際しては、まず、基板201(101)上のフォトニック結晶が形成される円形の部分に、電子ビーム露光によるフォトリソグラフィーとドライエッチングにより、ライン&スペース(Line&Space)パターンを加工する。
【0039】
ここで、ライン&スペースパターンとは、フォトニック結晶が形成される円の周方向(図2(b)ではx方向)に対して垂直な凸部(ライン)202と凹部(スペース)203とが交互に形成された形状のことである。
【0040】
図2(b)に示すように、x方向のピッチ間隔Lxはライン&スペースパターンの一つのライン幅と一つのスペース幅とを加えた値であり、x方向のライン幅をLine−x、スペース幅をSpace−xとすれば、下記数1式に示す関係になる。
【0041】
【数1】Lx=(Line−x)+(Space−x)
本実施の形態ではLx=0.5μmとした。
【0042】
そして、このチップ(基板201)にバイアススパッタリング法により、Ta 膜とSiO 膜とが交互に積層される。
【0043】
バイアススパッタリング法を簡単に説明すると、ターゲット(図示せず)にR.F.(高周波)電力を印加させるだけではなく、基板201(101)にもR.F.電力を印加しながらスパッタリングデポジッションと基板201(101)のスパッタエッチングを可能とする方法である。
【0044】
膜厚は目的とするデバイスの仕様により決められる。それぞれの膜を堆積させる際、後述する自己クローニング法により、ある一定の断面形状を保ちながら膜が堆積される。
【0045】
自己クローニング法を簡単に述べると、デポジッションとエッチングの比率を適正化する方法であり、ある一定の断面形状を維持しながら膜を堆積していくということである。自己クローニング法については、例えば、川上彰二郎、花泉 修、佐藤 尚、大寺康夫、川嶋貴之:信学論(C),vol.J80−C−I,pp.296−297,1997や、特開平10−335758号公報「3次元周期構造体及びその作製方法並びに膜の製造方法」に詳しく記載されている。
【0046】
次に、自己クローニング法を用いてフォトニック結晶用基板201(101)上にコア層をスパッタリング成膜する。図3は図1のフォトニック結晶コアのIII−III線断面図である。
【0047】
図3に示すように、フォトニック結晶コア103を形成するに際しては、まず基板101上に下部クラッド膜を形成する。下部クラッド膜として、第1膜のSiO 膜302の膜厚を約527nm、第2膜のTa 膜303の膜厚を約369.2nmとし、第1膜と第2膜とを合わせて1周期(約896.2nm)として3周期分成膜する。
【0048】
その下部クラッド膜上にコア膜を成膜する。コア膜としては、第3膜のSiO 膜304の膜厚を約263.5nm、第4膜のTa 膜305の膜厚を約184.6nmとし、第3膜と第4膜とを合わせて1周期(約448.1nm)として9周期分成膜する。コア膜の膜厚は約4.033μmとなる。
【0049】
このフォトニック結晶を上述したフォトリソグラフィとドライエッチングによって加工し、断面が約4μm×4μmとなるように矩形化する。そのフォトニック結晶部が断面矩形化された部分がコア103となる。
【0050】
次に、誘電体単層膜のコアを作製する。誘電体単層膜コア膜はGeO −SiO 膜とし、数2式で示される基板101との屈折率比Δは1.5%となるようにGeO 量を制御する。
【0051】
【数2】Δ=(n core−n sub.)/n core
ここで、n coreは誘電体単層膜コアの屈折率であり、n sub.は石英基板の屈折率である。
【0052】
この誘電体単層膜コア膜をフォトリソグラフィーとドライエッチングによって加工し、断面が約4μm×4μmとなるように矩形化する。その誘電体単層膜が断面矩形化された部分が誘電体単層膜コア102−1,102−2となる。
【0053】
これにより、第3導波路のコア103と第1導波路のコア102−1及び第2導波路のコア102−2との間に、局所的に平行かつ近接した部分(方向性結合器)105−1,105−2が形成される。この最近接部105−1,105−2における両コアの間隔は本実施の形態ではそれぞれ2μmとした。
【0054】
最後に、誘電体単層膜コア102−1,102−2とフォトニック結晶コア103との側面及び上面の全ての面とコア近接部を、クラッド104となるSiO 単層膜で覆う。クラッド104としてSiO 単層膜を用いることにより、コア102−1,102−2,103とクラッド104との屈折率比を大きくすることができ、それによって光閉じ込めし易い構造とすることができる。
【0055】
このように構成された光回路は、図1に示したように、第1導波路の端面Aから入射された光信号が近接部105−1により第3導波路内に入射されてフォトニック結晶コア103中を基板101面と平行方向に伝搬する。伝搬中、エネルギーが高められ、他の近接部105−2により、第2導波路内に出射され、端面Bより出射される光共振器となる。この光共振器は、様々な光回路の基本パーツとなるものである。
【0056】
このように、本実施の形態は、光学的な結合を行うためにコア近接部105−1,105−2を用いることによって、先願の発明で問題となっていたフォトニック結晶コアと誘電体単層膜コアとの接続部で空隙が発生したり、断面形状が変化するという問題は解消される。それによって、良好な特性の光共振器を容易に作製することができる。
【0057】
次に、本発明の他の実施の形態について述べる。
【0058】
図4は本発明の他の実施の形態を示すフォトニック結晶を用いた光回路の斜視図である。
【0059】
図4に示すように、この光回路は、石英基板401上に、円状の閉曲線パターンを有する第3導波路のコア403がフォトニック結晶で形成されているのに加え、直線パターンを有する第1導波路のコア402−1及び第2導波路のコア402−2も同じ構造のフォトニック結晶で形成されている以外は、図1に示した光回路と同様のものである。
【0060】
すなわち、この光回路には、第1及び第2導波路のコア402−1,402−2と第3導波路のコア403とが局所的に平行かつ近接する部分405−1,405−2が形成されており、その近接する部分405−1,405−2を有するコア402−1,402−2,403の側面及び上面が全てSiO からなるクラッド404で覆われて、方向性結合器となっている。
【0061】
このように、第1及び第2導波路のコア402−1,402−2をフォトニック結晶で構成することにより、第1及び第2導波路内で光共振器などの光機能を持たせることができる。例えば、光共振器は、様々な光回路の基本パーツとなるものである。
【0062】
尚、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。
【0063】
本実施の形態にあっては、閉曲線パターン有する第3導波路のコア103,403は全体がフォトニック結晶で形成されているが、コア103,403の一部のみをフォトニック結晶で形成しても良い。
【0064】
また、方向性結合器を用いた応用デバイスとしては、光合分波器、光スイッチ、分散制御デバイス等がある。特に分散制御デバイスについては、フォトニック結晶部を内部に有する第1導波路、第2導波路あるいは第3導波路は、遅延量の波長依存性を持つために、第1導波路及び第2導波路と第3導波路のいずれか一方或いは両方に、コアにおけるフォトニック結晶部分の割合が光信号の遅延量に応じて決められた部分を形成するなど、光回路の構成を工夫することにより、遅延量が波長依存性を持つような波長分散を制御するデバイスを実現することができる。
【0065】
さらに、フォトニック結晶からなるコアを分散配置し、それぞれ分散配置されたフォトニック結晶部で様々な光学的機能部品を形成し、それらを次の1)から3)の3パーツで光学的に接続するといった光機能部品への展開が可能である。
【0066】
1)誘電体単層膜コアからなる光導波路
2)閉曲線パターンのフォトニック結晶コアを含む光導波路
3)誘電体単層膜コアからなる光導波路とフォトニック結晶コアからなる光導波路との近接部
一例として、このフォトニック結晶を用いた光導波路で、共振器、分散制御器、レンズ、ミラー、モードフィールド変換器等の光機能部品を構成し、それら光学的機能部品を光配線で結ぶという光回路が考えられる。すなわち、光機能部品のモノリシック化に道を開くものである。
【0067】
尚、本実施の形態では、第1及び第2導波路のコア102−1,102−2,402−1,402−2は直線パターンで形成されており、第3導波路のコア103,403は閉曲線パターンで形成されているが、光導波路の形状はこれらに限定されず、様々な形状の光導波路同士の接続部に本発明を適用することで、本実施の形態と同様に低損失で接続することが可能になる。
【0068】
また、本実施の形態では、第3導波路のコア103,403は円形に形成されているが、長円形や楕円形などでも良い。
【0069】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、コア同士の接続部に空隙が無くかつ断面形状の変化部が無いように光学的に接続し、接続損失を低減できるフォトニック結晶を用いた光回路およびその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すフォトニック結晶を用いた光回路の斜視図である。
【図2】(a)は図1のフォトニック結晶コアを形成する前の基板の斜視図であり、(b)は(a)のIIb部分の部分拡大図である。
【図3】図1のフォトニック結晶コアのIII−III線断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態を示すフォトニック結晶を用いた光回路の斜視図である。
【図5】(a)から(c)は1次元、2次元、3次元のフォトニック結晶の模式図である。
【図6】先願の発明にかかる光導波路の斜視図である。
【図7】図6の光回路の部分拡大図である。
【符号の説明】
101 石英基板
102−1,102−2 誘電体単層膜コア
103 フォトニック結晶コア
104 クラッド
105−1,105−2 近接部

Claims (8)

  1. コアをクラッドで覆った光導波路と、少なくとも一部がフォトニック結晶からなるコアをクラッドで覆った他の光導波路とが光学的に接続された光回路であって、上記他の光導波路のコアは、上記光導波路のコアと局所的に平行かつ近接した部分を有する閉曲線パターンで形成されていることを特徴とするフォトニック結晶を用いた光回路。
  2. 上記光導波路のコアはフォトニック結晶からなる請求項1に記載のフォトニック結晶を用いた光回路。
  3. 上記閉曲線パターンは円形である請求項1に記載のフォトニック結晶を用いた光回路。
  4. 上記フォトニック結晶は誘電体多層膜型フォトニック結晶である請求項1から3のいずれかに記載のフォトニック結晶を用いた光回路。
  5. 上記他の光導波路のコアのフォトニック結晶以外のコア部分は、透明な誘電体の単層膜で形成されている請求項1から4のいずれかに記載のフォトニック結晶を用いた光回路。
  6. 上記クラッドは透明な誘電体の単層膜で形成されている請求項1から5のいずれかに記載のフォトニック結晶を用いた光回路。
  7. 上記光導波路と上記他の光導波路のいずれか一方或いは両方に、上記コアのフォトニック結晶部分の光軸方向の長さが光信号の遅延量に応じて決められている請求項1から6のいずれかに記載のフォトニック結晶を用いた光回路。
  8. 基板上に、コアを形成すると共に、少なくとも一部がフォトニック結晶からなる閉曲線パターンの他のコアを、スパッタデポジッションとスパッタエッチングとの比率を最適化する自己クローニング法により、上記コアと局所的に平行かつ近接させて形成した後、上記コアと上記他のコアとを覆うようにクラッドを形成することを特徴とするフォトニック結晶を用いた光回路の製造方法。
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