JP2004325863A - 光ファイバの接続方法及び接続部を有する光ファイバ - Google Patents
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Abstract
【課題】融着点と加熱温度分布の最高温度点の位置のずれによる接続損失を低減した光ファイバの接続方法、及びこの方法により接続された接続部を有する光ファイバを提供すること。
【解決手段】第1のMFDを有する第1の光ファイバと、前記第1のMFDより大きい第2のMFDを有する第2の光ファイバとを融着する工程と、前記第1および第2の光ファイバの融着点を加熱処理して、融着点における前記第1および第2の光ファイバのMFDを接近させる加熱処理工程とを具備する光ファイバの接続方法において、前記加熱処理工程における光ファイバの軸方向の加熱温度分布が最大となる位置を、前記融着点から前記第2の光ファイバ側にずらすことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】第1のMFDを有する第1の光ファイバと、前記第1のMFDより大きい第2のMFDを有する第2の光ファイバとを融着する工程と、前記第1および第2の光ファイバの融着点を加熱処理して、融着点における前記第1および第2の光ファイバのMFDを接近させる加熱処理工程とを具備する光ファイバの接続方法において、前記加熱処理工程における光ファイバの軸方向の加熱温度分布が最大となる位置を、前記融着点から前記第2の光ファイバ側にずらすことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ接続方法、及びこの接続方法により接続して得られた光ファイバに関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信の分野では、部品系、線路系を問わず、様々なモードフィールド径(以下、MFDと略す)を有する光ファイバが用いられているため、それらの光通信デバイスを接続する際には、異なるMFDを有するファイバを融着接続しなければならない。
【0003】
例えば、分散補償光ファイバ(以下、DCFと略す)においては、モジュールの入出力部はシングルモード光ファイバのコネクターとなるため、両端にシングルモード光ファイバを接続する必要がある。
【0004】
一方、通信用石英系光ファイバでは、ドーパントとしてGe(ゲルマニウム)、P(リン)、B(ボロン)やF(ふっ素)等が用いられているが、これらドーパントを加熱処理によりファイバ中に拡散させて、MFDを拡大する技術が既に知られている(特許第2530823号)。このようなMFD拡大技術を用い、図3に示すように、光ファイバの融着点をマイクロバーナーやヒーターで加熱し、異種ファイバ間のMFDをマッチングさせることにより、接続損失を低減することが出来る。
【0005】
その際、最小の接続損失を得るため、接続したファイバの損失をリアルタイムで測定しながら加熱処理を行う方法が発明されている(特許第2804355号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
光ファイバ1は標準のシングルモードファイバ(以下、SMFと略す)で、光ファイバ2はDCFである。図4に示すように、大きいMFDを有する光ファイバ1と小さいMFDを有する光ファイバ2とを融着により接続する場合、融着点で急激にMFDが変化しているため、接続損失が大きくなる。しかし、この融着点を加熱処理することにより、図3に示すように、MDFをなめらかにすることができ、それによって接続損失を減少させることが可能である。なお、図4において位置aは融着点を示し、図3と図4とは、MFDの大きい光ファイバと小さい光ファイバの位置が逆になっている。光ファイバ1,2は共に、コアにはGeがドープされ、クラッドはシリカより成る光ファイバが用いられている。光ファイバ1は比屈折率差ΔがΔ=0.3〜0.4%、MFDが8〜12μmのものが用いられている。光ファイバ2は比屈折率差ΔがΔ=1.5〜3%、MFDが4〜5μmのものが用いられている。
【0007】
その際、図5に示すように、加熱位置の温度分布の最高温度点を融着点に合わせて加熱処理を行うことが理想であるが、光ファイバ1,2のセット時の位置ずれ、加熱源の位置ずれ、火炎の揺らぎ等の加熱温度分布の位置ずれなどの要因により、実際には、光ファイバ1側と光ファイバ2側のいずれかに、微小距離(0.1〜1mm程度)、加熱温度分布の最高温度点の位置bがずれてしまう。
【0008】
しかし、図6に示すように、加熱温度分布の最高温度点位置bが、融着点からMFDの小さな光ファイバ2側にずれると、加熱の温度分布により、光ファイバにドープされたドーパントの拡散速度は光ファイバの長手方向で異なるので、光ファイバの径方向の拡散速度が最高温度点で最も速くなるため、位置bのMFDが領域cのような変化を生じてしまい、その結果、接続損失が大きくなってしまうことがあった。
【0009】
このように、最高温度点がMFDの小さな光ファイバ2(ドーパント濃度の高い)側にずれることで、ドーパントの拡散速度分布の変化が、光ファイバ1から光ファイバ2に向かって滑らかに変化せず、位置b付近で凹凸を有する分布になり、それに伴い、MFDの変化も位置b付近で領域cのように変化の乱れを生じ、接続損失を十分に低減することができないことが度々起きた。
【0010】
本発明は、このような事情の下になされ、融着点と加熱処理位置具体的には加熱温度分布の最高温度点の位置のずれによる接続損失のばらつきを低減した光ファイバの接続方法、及びこの方法により接続された接続部を有する光ファイバを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、第1のMFDを有する第1の光ファイバと、前記第1のMFD以上の第2のMFDを有する第2の光ファイバとを融着する工程と、前記第1および第2の光ファイバの融着点を加熱処理して、融着点における前記第1および第2の光ファイバのMFDを接近させる加熱処理工程とを少なくとも具備する光ファイバの接続方法において、前記加熱処理工程における光ファイバの軸方向の加熱温度分布が最大となる位置を、前記融着点から前記コアのドーパント濃度の低い光ファイバ側にずらすことを特徴とする光ファイバの接続方法を提供する。
【0012】
本発明において、加熱温度分布が最大となる位置を融着点からコアのドーパント濃度の低い光ファイバ側、即ちMFDが大きい光ファイバ側にずらす距離は、0mmより大きく、1mm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜0.6mmである。ずらす距離が1mmを越えると、接続損失が増加する傾向となる。また、処理時間も長くなる傾向となった。
【0013】
また、本発明は、第1のMFDを有する第1の光ファイバと、前記第1のMFD以上の第2のMFDを有する第2の光ファイバとを融着する工程と、前記第1および第2の光ファイバの融着点を加熱処理して、融着点における前記第1および第2の光ファイバのMFDを接近させる加熱処理工程とを具備する光ファイバの接続方法において、加熱熱源の最高温度位置を、前記融着点からコアのドーパント濃度の低い光ファイバ側にずらすことを特徴とする光ファイバの接続方法を提供する。
【0014】
更に、本発明は、第1のMFDを有する第1の光ファイバと、前記第1のMFD以上の第2のMFDを有する第2の光ファイバとを融着する工程と、前記第1および第2の光ファイバの融着点を加熱処理して、融着点における前記第1および第2の光ファイバのMFDを接近させる加熱処理工程とを少なくとも具備する光ファイバの接続方法において、前記加熱処理工程における光ファイバの軸方向の加熱温度分布が最大となる位置を、前記融着点から熱処理によるMFDの変化の少ない光ファイバ側にずらすことを特徴とする光ファイバの接続方法を提供する。
【0015】
更にまた、本発明は以上のような光ファイバの接続方法により接続された接続部を有することを特徴とする光ファイバを提供する。
【0016】
以下、本発明の原理について説明する。
従来の方法では融着点を加熱処理する際、最高温度点または加熱源の中心位置で融着点を加熱していたが、接続損失がばらついて再現性がわるいという問題があった。
【0017】
本発明者は、MFDの異なる2つの光ファイバを融着接続し、加熱処理して両者のMFDを合わせる際に、融着点のファイバ把持装置(図2におけるファイバホルダ)や加熱源の位置と融着点との相対位置のずれ、加熱源の温度分布に大気の流れや乱れ等により揺らぎが発生したり、また、最高温度の位置ずれにより、加熱温度分布が光ファイバの軸方向や径方向にずれ、それによってドーパントの拡散が変化することによりMFDの時間的・位置的変化に乱れが生じ、接続損失のばらつきが大きくなって、接続損失の再現性が悪いという問題が生じていたことをつきとめた。
【0018】
本発明者は、このような接続損失の増大は、特に、加熱温度分布、即ち最高温度点がMFDの小さい光ファイバの側にずれた際に生ずることを見出した。
本発明は、このような知見の下になされ、あらかじめ最高温度点をMFDの大きい光ファイバ(コアのドーパント濃度の低い光ファイバ)の側にずらしておくことにより、接続損失を十分に低減しようとするものである。
【0019】
即ち、図1に示すように、加熱温度分布の最高温度点の位置bを、融着点の位置aよりもd2だけMFDの大きい光ファイバの側にずらしておくことにより、MFDの変化の乱れを少なくし、それによって接続損失を十分に低減することが可能となった。なお、図1の(a)は、急峻な加熱温度分布の場合、(b)ピーク温度が幅を持った加熱温度分布の場合、(c)は、2つのピークを持った加熱温度分布の場合をそれぞれ示す。
【0020】
このように、加熱温度分布の最高温度点の位置あるいは加熱熱源の最高温度位置(加熱源の温度分布が極大となる位置)をMFDの大きい光ファイバの側にずらしておくことにより、MFDの変化の乱れを少なくすることが出来るのは、次のような理由による。
【0021】
即ち、一般に、MFDの大きな光ファイバは、ドーパントの濃度が低く、温度変化による拡散スピードの変化が小さい。そのため、加熱温度分布の最高温度点の位置をずらし、MFDの大きな光ファイバの融着点近傍の加熱温度を上げても、その部分におけるMFDの変化は大きくならず、そのため、MFDの軸方向の変化の乱れは小さい。また、コアのドーパント濃度の高い光ファイバは融着点が長手方向位置で最高温度となり、融着点から離れるに従い温度が下がるため、光ファイバの軸方向、径方向のドーパントの拡散速度は徐々に変化することになる。その結果、MFDは長手方向になだらかに変化する。よって、図6に示すような分布となることはなく、接続損失の低減を十分にはかることが可能となる。
【0022】
また、熱処理をするためには、装置に融着後のファイバをセットする必要があり、また、融着され一体となった2本のファイバをセットする際に、加熱源が邪魔になるために、加熱源はセット時には十分に待避させている。ファイバをセットする時、融着点は一定の位置にくるとは限らず、加熱範囲の位置ずれが生じる可能性があり、又、火炎の揺らぎ等の加熱温度分布の位置ずれなどの要因で加熱温度分布の最高温度点位置が0.1mm〜1mm程度ずれてしまう場合があるが、このような場合でも、最高温度点の位置あるいは加熱熱源の最高温度位置(加熱源の温度分布が極大となる位置)をMFDの大きい光ファイバの側にずらしておくことにより、最高温度点が融着点を超えて光ファイバ2側にずれることはなく、接続損失を十分に小さくすることが出来た。
【0023】
なお、本方法において、加熱温度分布を左右対称とする必要はなく、また、最高温度点が幅をもった場合や2つ以上ある場合等にも適用可能であった。
以上のように、本発明によると、融着されて一体となった光ファイバの融着点の取付け装置や加熱源の温度分布に揺らぎが発生したり位置ずれが多少あっても、安定して接続損失を低減することが再現性よく出来、またそれによって低接続損失で融着されたMFDの異なる光ファイバを得ることが出来た。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
加熱手段として図2に示す構成の接続装置を用いて、MFDの異なる光ファイバを接続した。この接続装置は、ノズルの内径がφ0.5mm〜φ1.2mmである2本のバーナーを用いている。これら2本のバーナーは、4〜8mmの間隔で水平に対向して配置されている。
【0025】
互いにMFDの異なる光ファイバ1と光ファイバ2が、クランプによりファイバホルダー5にまっすぐに固定される。バーナー4は、光ファイバ融着点3の近傍を加熱することができる位置に置かれている。バーナー4は、アクチュエーター8によってファイバ1,2の長手方向と、長手方向に垂直な方向の任意の場所に移動可能である。
【0026】
接続損失測定装置7は、光ファイバ1,2の任意の端部からレーザ光を入射し、他端から出射するレーザ光の強度をパワーメータまたはOTDR(Optical Time Domain Reflectometer)で監視し、接続損失を測定するものである。ガス供給装置11は、燃焼ガスであるプロパン(C3 H8 )、メタン(CH4 )、エタン(C2 H6 )あるいは都市ガスと、O2 またはエアの流量制御を行いつつ、これらガスをバーナー4に供給する。本実施形態において、C3 H8 の流量は7〜10リットル/分、O2 の流量は4〜17リットル/分とした。
【0027】
ロードセル5は、ファイバ1,2のセット時及び加熱処理中の張力を測定するものである。また、ファイバ1,2は張力計に固定されており、張力計はXYZ方向に移動することの可能なステージを有しており、このステージを調整することにより、ファイバの芯出しとファイバの張力を調整することが出来る。
【0028】
参照符号10は制御装置を示し、この制御装置10により、バーナー位置、接続損失値、ガス流量、張力の各データーを収集し、記録し、表示することが出来る。それらのデータに基づいて、既定のプログラムに従い、アクチュエータードライバー9、接続損失測定装置7、ガス供給装置11に指令を出し、レーザー光のON−OFF、バーナー位置、ガス流量を制御することが出来る。
【0029】
次に、以上説明した図2に示す接続装置を用いて、MFDの異なる2本の光ファイバ1,2の接続を行う手順について説明する。
【0030】
まず、光ファイバ1,2の端部樹脂被覆を取り除き、放電融着接続機を用いて光ファイバ1,2を融着接続した。次いで、OTDRを用いて、融着部の接続損失を計測した。次に、融着接続された光ファイバ1,2をファイバフォルダー5にセットし、クランプにて固定した。この時、一方の固定部は張力計に固定され、光ファイバがファイバフォルダー5の溝部に対し、真っ直ぐになるように調整した後、セット時の張力が毎回一定となるように、張力計のXYZステージを調整した。
【0031】
バーナー4はあらかじめ点火してあり、アクチュエーター8を用いて既定の位置まで光ファイバ1,2に接近させて、ファイバ融着点付近を加熱した。この加熱により、光ファイバ1,2中のドーパントが拡散し、接続された光ファイバ1,2のMFDが近づいていき、接続損失が減少するようになる。この時、目視によりバーナー先端が融着点よりMFDの大きいコアのドーパント濃度の低い光ファイバ側にずれていることを確認した。
【0032】
加熱処理中は、接続損失を接続損失測定装置7により監視し、接続損失が十分下がったところで加熱を中止した。
【0033】
その後、接続処理後の融着部の接続損失を、OTDRを用いて測定した。
【0034】
以上の接続処理に用いた光ファイバとして以下のものを用いた。
【0035】
(1)シングルモード光ファイバ
屈折率分布:矩形型
外径:125μm
MFD:10μm
センタ比屈折率差:0.34%
(2)DCF(分散補償光ファイバ)
屈折率分布:W型又はW−セグメント型
外径:125μm
MFD:5μm
センタ比屈折率差:2.09%
(3)DSCF(分散及び分散スロープ補償光ファイバ)
屈折率分布:W型又はW−セグメント型
外径:125μm
MFD:5μm
センタ比屈折率差:2.05%
(3)EDF(エルビウムドープ光ファイバ)
屈折率分布:矩形型
外径:125μm
MFD:6.5μm
センタ比屈折率差:1.4%
Erドープ量:1000ppm
バーナー4の位置を種々ずらして、加熱処理前および加熱処理後のそれぞれの接続損失を測定した。その結果を下記表1に示す。
なお、バーナー4の位置は、融着点の位置を0とし、MFDの大きいファイバ(シングルモードファイバ)側にずらした場合をプラスとし、MFDの小さいファイバ側にずらした場合をマイナスとする。接続損失の値は、それぞれ10回測定した値の平均値である。
【0036】
【表1】
【0037】
上記表1から、バーナー位置を接続点よりMFDの大きいファイバ側に0〜+1mmずらすことにより、より低い接続損失を得ることが出来ることがわかる。バーナー位置0での接続損失の平均値が、バーナー位置+0.5、バーナー位置+1mmの場合より若干悪いのは、人によるファイバの固定位置のばらつきによるものであり、加熱中心がMFDの小さなファイバ側にずれる場合があるためである。
【0038】
融着点のセット時のずれは、人がセットするため、±0.3mm程度はある。従って、0.3〜0.6mm以上、MFDの大きいファイバ側にずらすことが好ましい。
【0039】
CCDカメラや光学式のセンサを用いる場合は、融着点と加熱源との位置ずれを0.1mm以下に低減することができるが、加熱源による光ファイバの温度分布は細径(φ0.25mm)の熱電対で測定したが、熱電対を挿入することにより温度場が乱れたり、熱電対を介して熱が逃げたりしてしまうため、最高温度位置を厳密に求めることが困難なことや、周囲の環境あるいは部品の交換等により温度分布のずれは0.1mm程度は生ずるので、このような場合も0.1mm〜0.5mm程度、MFDの大きいファイバ側にずらすことが好ましい。また、好ましくは加熱源により作られる温度分布、あるいは光ファイバの最高温度位置を融着点よりも0.1〜0.5mmMFDの大きいファイバ側にずらすことがよい。
【0040】
本実施形態においては、目視でのファイバのセットが容易となり、従来10分程度必要だったファイバセット等の処理準備時間を5分以下に短縮することが出来た。また、処理後の接続損失のばらつきを半分以下とすることが出来、接続損失がまだ大きい場合の再接続、再処理等のやり直しが大幅に少なくなり、一ヵ所の接続部当りの処理時間を従来の1/2以下にすることが可能となった。
【0041】
尚、本実施形態において、加熱処理工程におけるバーナー先端は、融着点よりMFDの大きい光ファイバ側にずらしたが、複雑なプロファイルや複数のドーパントが用いられている光ファイバを接続する場合は、バーナー先端を、加熱処理によるMFDの変化の少ない光ファイバ側にずらすようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によると、光ファイバの融着点の取付け装置や加熱源の位置と融着点との相対位置がずれたり、加熱源としてバーナー火炎を用いた時の炎の揺らぎや位置ずれが多少あっても、安定して接続損失を低減することが出来、またそれによって低接続損失で融着されたMFDの異なる光ファイバを得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における、加熱温度分布最高点を融着点からd2 だけ光ファイバ1側にずらした場合のMFDの変化を示す特性図。
【図2】本発明の一実施形態において用いた接続装置を示す図。
【図3】加熱処理によるMFD拡大処理の説明図。
【図4】MFDの異なる光ファイバの軸方向におけるMFDの変化を示す図。
【図5】加熱温度分布最高点を融着点に合わせた場合のMFDの変化を示す図。
【図6】加熱温度分布最高点を融着点からd1 だけ光ファイバ2側にずらした場合のMFDの変化を示す図。
【符号の説明】
1・・・第1の光ファイバ
2・・・第2の光ファイバ
3・・・光ファイバ融着点
4・・・バーナー
5・・・ファイバフォルダー
6・・・聴力測定用ロードセル
7・・・接続損失測定装置
8・・・バーナー移動用アクチュエーター
9・・・アクチュエータードライバー
10・・・制御装置
11・・・ガス供給装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ接続方法、及びこの接続方法により接続して得られた光ファイバに関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信の分野では、部品系、線路系を問わず、様々なモードフィールド径(以下、MFDと略す)を有する光ファイバが用いられているため、それらの光通信デバイスを接続する際には、異なるMFDを有するファイバを融着接続しなければならない。
【0003】
例えば、分散補償光ファイバ(以下、DCFと略す)においては、モジュールの入出力部はシングルモード光ファイバのコネクターとなるため、両端にシングルモード光ファイバを接続する必要がある。
【0004】
一方、通信用石英系光ファイバでは、ドーパントとしてGe(ゲルマニウム)、P(リン)、B(ボロン)やF(ふっ素)等が用いられているが、これらドーパントを加熱処理によりファイバ中に拡散させて、MFDを拡大する技術が既に知られている(特許第2530823号)。このようなMFD拡大技術を用い、図3に示すように、光ファイバの融着点をマイクロバーナーやヒーターで加熱し、異種ファイバ間のMFDをマッチングさせることにより、接続損失を低減することが出来る。
【0005】
その際、最小の接続損失を得るため、接続したファイバの損失をリアルタイムで測定しながら加熱処理を行う方法が発明されている(特許第2804355号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
光ファイバ1は標準のシングルモードファイバ(以下、SMFと略す)で、光ファイバ2はDCFである。図4に示すように、大きいMFDを有する光ファイバ1と小さいMFDを有する光ファイバ2とを融着により接続する場合、融着点で急激にMFDが変化しているため、接続損失が大きくなる。しかし、この融着点を加熱処理することにより、図3に示すように、MDFをなめらかにすることができ、それによって接続損失を減少させることが可能である。なお、図4において位置aは融着点を示し、図3と図4とは、MFDの大きい光ファイバと小さい光ファイバの位置が逆になっている。光ファイバ1,2は共に、コアにはGeがドープされ、クラッドはシリカより成る光ファイバが用いられている。光ファイバ1は比屈折率差ΔがΔ=0.3〜0.4%、MFDが8〜12μmのものが用いられている。光ファイバ2は比屈折率差ΔがΔ=1.5〜3%、MFDが4〜5μmのものが用いられている。
【0007】
その際、図5に示すように、加熱位置の温度分布の最高温度点を融着点に合わせて加熱処理を行うことが理想であるが、光ファイバ1,2のセット時の位置ずれ、加熱源の位置ずれ、火炎の揺らぎ等の加熱温度分布の位置ずれなどの要因により、実際には、光ファイバ1側と光ファイバ2側のいずれかに、微小距離(0.1〜1mm程度)、加熱温度分布の最高温度点の位置bがずれてしまう。
【0008】
しかし、図6に示すように、加熱温度分布の最高温度点位置bが、融着点からMFDの小さな光ファイバ2側にずれると、加熱の温度分布により、光ファイバにドープされたドーパントの拡散速度は光ファイバの長手方向で異なるので、光ファイバの径方向の拡散速度が最高温度点で最も速くなるため、位置bのMFDが領域cのような変化を生じてしまい、その結果、接続損失が大きくなってしまうことがあった。
【0009】
このように、最高温度点がMFDの小さな光ファイバ2(ドーパント濃度の高い)側にずれることで、ドーパントの拡散速度分布の変化が、光ファイバ1から光ファイバ2に向かって滑らかに変化せず、位置b付近で凹凸を有する分布になり、それに伴い、MFDの変化も位置b付近で領域cのように変化の乱れを生じ、接続損失を十分に低減することができないことが度々起きた。
【0010】
本発明は、このような事情の下になされ、融着点と加熱処理位置具体的には加熱温度分布の最高温度点の位置のずれによる接続損失のばらつきを低減した光ファイバの接続方法、及びこの方法により接続された接続部を有する光ファイバを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、第1のMFDを有する第1の光ファイバと、前記第1のMFD以上の第2のMFDを有する第2の光ファイバとを融着する工程と、前記第1および第2の光ファイバの融着点を加熱処理して、融着点における前記第1および第2の光ファイバのMFDを接近させる加熱処理工程とを少なくとも具備する光ファイバの接続方法において、前記加熱処理工程における光ファイバの軸方向の加熱温度分布が最大となる位置を、前記融着点から前記コアのドーパント濃度の低い光ファイバ側にずらすことを特徴とする光ファイバの接続方法を提供する。
【0012】
本発明において、加熱温度分布が最大となる位置を融着点からコアのドーパント濃度の低い光ファイバ側、即ちMFDが大きい光ファイバ側にずらす距離は、0mmより大きく、1mm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜0.6mmである。ずらす距離が1mmを越えると、接続損失が増加する傾向となる。また、処理時間も長くなる傾向となった。
【0013】
また、本発明は、第1のMFDを有する第1の光ファイバと、前記第1のMFD以上の第2のMFDを有する第2の光ファイバとを融着する工程と、前記第1および第2の光ファイバの融着点を加熱処理して、融着点における前記第1および第2の光ファイバのMFDを接近させる加熱処理工程とを具備する光ファイバの接続方法において、加熱熱源の最高温度位置を、前記融着点からコアのドーパント濃度の低い光ファイバ側にずらすことを特徴とする光ファイバの接続方法を提供する。
【0014】
更に、本発明は、第1のMFDを有する第1の光ファイバと、前記第1のMFD以上の第2のMFDを有する第2の光ファイバとを融着する工程と、前記第1および第2の光ファイバの融着点を加熱処理して、融着点における前記第1および第2の光ファイバのMFDを接近させる加熱処理工程とを少なくとも具備する光ファイバの接続方法において、前記加熱処理工程における光ファイバの軸方向の加熱温度分布が最大となる位置を、前記融着点から熱処理によるMFDの変化の少ない光ファイバ側にずらすことを特徴とする光ファイバの接続方法を提供する。
【0015】
更にまた、本発明は以上のような光ファイバの接続方法により接続された接続部を有することを特徴とする光ファイバを提供する。
【0016】
以下、本発明の原理について説明する。
従来の方法では融着点を加熱処理する際、最高温度点または加熱源の中心位置で融着点を加熱していたが、接続損失がばらついて再現性がわるいという問題があった。
【0017】
本発明者は、MFDの異なる2つの光ファイバを融着接続し、加熱処理して両者のMFDを合わせる際に、融着点のファイバ把持装置(図2におけるファイバホルダ)や加熱源の位置と融着点との相対位置のずれ、加熱源の温度分布に大気の流れや乱れ等により揺らぎが発生したり、また、最高温度の位置ずれにより、加熱温度分布が光ファイバの軸方向や径方向にずれ、それによってドーパントの拡散が変化することによりMFDの時間的・位置的変化に乱れが生じ、接続損失のばらつきが大きくなって、接続損失の再現性が悪いという問題が生じていたことをつきとめた。
【0018】
本発明者は、このような接続損失の増大は、特に、加熱温度分布、即ち最高温度点がMFDの小さい光ファイバの側にずれた際に生ずることを見出した。
本発明は、このような知見の下になされ、あらかじめ最高温度点をMFDの大きい光ファイバ(コアのドーパント濃度の低い光ファイバ)の側にずらしておくことにより、接続損失を十分に低減しようとするものである。
【0019】
即ち、図1に示すように、加熱温度分布の最高温度点の位置bを、融着点の位置aよりもd2だけMFDの大きい光ファイバの側にずらしておくことにより、MFDの変化の乱れを少なくし、それによって接続損失を十分に低減することが可能となった。なお、図1の(a)は、急峻な加熱温度分布の場合、(b)ピーク温度が幅を持った加熱温度分布の場合、(c)は、2つのピークを持った加熱温度分布の場合をそれぞれ示す。
【0020】
このように、加熱温度分布の最高温度点の位置あるいは加熱熱源の最高温度位置(加熱源の温度分布が極大となる位置)をMFDの大きい光ファイバの側にずらしておくことにより、MFDの変化の乱れを少なくすることが出来るのは、次のような理由による。
【0021】
即ち、一般に、MFDの大きな光ファイバは、ドーパントの濃度が低く、温度変化による拡散スピードの変化が小さい。そのため、加熱温度分布の最高温度点の位置をずらし、MFDの大きな光ファイバの融着点近傍の加熱温度を上げても、その部分におけるMFDの変化は大きくならず、そのため、MFDの軸方向の変化の乱れは小さい。また、コアのドーパント濃度の高い光ファイバは融着点が長手方向位置で最高温度となり、融着点から離れるに従い温度が下がるため、光ファイバの軸方向、径方向のドーパントの拡散速度は徐々に変化することになる。その結果、MFDは長手方向になだらかに変化する。よって、図6に示すような分布となることはなく、接続損失の低減を十分にはかることが可能となる。
【0022】
また、熱処理をするためには、装置に融着後のファイバをセットする必要があり、また、融着され一体となった2本のファイバをセットする際に、加熱源が邪魔になるために、加熱源はセット時には十分に待避させている。ファイバをセットする時、融着点は一定の位置にくるとは限らず、加熱範囲の位置ずれが生じる可能性があり、又、火炎の揺らぎ等の加熱温度分布の位置ずれなどの要因で加熱温度分布の最高温度点位置が0.1mm〜1mm程度ずれてしまう場合があるが、このような場合でも、最高温度点の位置あるいは加熱熱源の最高温度位置(加熱源の温度分布が極大となる位置)をMFDの大きい光ファイバの側にずらしておくことにより、最高温度点が融着点を超えて光ファイバ2側にずれることはなく、接続損失を十分に小さくすることが出来た。
【0023】
なお、本方法において、加熱温度分布を左右対称とする必要はなく、また、最高温度点が幅をもった場合や2つ以上ある場合等にも適用可能であった。
以上のように、本発明によると、融着されて一体となった光ファイバの融着点の取付け装置や加熱源の温度分布に揺らぎが発生したり位置ずれが多少あっても、安定して接続損失を低減することが再現性よく出来、またそれによって低接続損失で融着されたMFDの異なる光ファイバを得ることが出来た。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
加熱手段として図2に示す構成の接続装置を用いて、MFDの異なる光ファイバを接続した。この接続装置は、ノズルの内径がφ0.5mm〜φ1.2mmである2本のバーナーを用いている。これら2本のバーナーは、4〜8mmの間隔で水平に対向して配置されている。
【0025】
互いにMFDの異なる光ファイバ1と光ファイバ2が、クランプによりファイバホルダー5にまっすぐに固定される。バーナー4は、光ファイバ融着点3の近傍を加熱することができる位置に置かれている。バーナー4は、アクチュエーター8によってファイバ1,2の長手方向と、長手方向に垂直な方向の任意の場所に移動可能である。
【0026】
接続損失測定装置7は、光ファイバ1,2の任意の端部からレーザ光を入射し、他端から出射するレーザ光の強度をパワーメータまたはOTDR(Optical Time Domain Reflectometer)で監視し、接続損失を測定するものである。ガス供給装置11は、燃焼ガスであるプロパン(C3 H8 )、メタン(CH4 )、エタン(C2 H6 )あるいは都市ガスと、O2 またはエアの流量制御を行いつつ、これらガスをバーナー4に供給する。本実施形態において、C3 H8 の流量は7〜10リットル/分、O2 の流量は4〜17リットル/分とした。
【0027】
ロードセル5は、ファイバ1,2のセット時及び加熱処理中の張力を測定するものである。また、ファイバ1,2は張力計に固定されており、張力計はXYZ方向に移動することの可能なステージを有しており、このステージを調整することにより、ファイバの芯出しとファイバの張力を調整することが出来る。
【0028】
参照符号10は制御装置を示し、この制御装置10により、バーナー位置、接続損失値、ガス流量、張力の各データーを収集し、記録し、表示することが出来る。それらのデータに基づいて、既定のプログラムに従い、アクチュエータードライバー9、接続損失測定装置7、ガス供給装置11に指令を出し、レーザー光のON−OFF、バーナー位置、ガス流量を制御することが出来る。
【0029】
次に、以上説明した図2に示す接続装置を用いて、MFDの異なる2本の光ファイバ1,2の接続を行う手順について説明する。
【0030】
まず、光ファイバ1,2の端部樹脂被覆を取り除き、放電融着接続機を用いて光ファイバ1,2を融着接続した。次いで、OTDRを用いて、融着部の接続損失を計測した。次に、融着接続された光ファイバ1,2をファイバフォルダー5にセットし、クランプにて固定した。この時、一方の固定部は張力計に固定され、光ファイバがファイバフォルダー5の溝部に対し、真っ直ぐになるように調整した後、セット時の張力が毎回一定となるように、張力計のXYZステージを調整した。
【0031】
バーナー4はあらかじめ点火してあり、アクチュエーター8を用いて既定の位置まで光ファイバ1,2に接近させて、ファイバ融着点付近を加熱した。この加熱により、光ファイバ1,2中のドーパントが拡散し、接続された光ファイバ1,2のMFDが近づいていき、接続損失が減少するようになる。この時、目視によりバーナー先端が融着点よりMFDの大きいコアのドーパント濃度の低い光ファイバ側にずれていることを確認した。
【0032】
加熱処理中は、接続損失を接続損失測定装置7により監視し、接続損失が十分下がったところで加熱を中止した。
【0033】
その後、接続処理後の融着部の接続損失を、OTDRを用いて測定した。
【0034】
以上の接続処理に用いた光ファイバとして以下のものを用いた。
【0035】
(1)シングルモード光ファイバ
屈折率分布:矩形型
外径:125μm
MFD:10μm
センタ比屈折率差:0.34%
(2)DCF(分散補償光ファイバ)
屈折率分布:W型又はW−セグメント型
外径:125μm
MFD:5μm
センタ比屈折率差:2.09%
(3)DSCF(分散及び分散スロープ補償光ファイバ)
屈折率分布:W型又はW−セグメント型
外径:125μm
MFD:5μm
センタ比屈折率差:2.05%
(3)EDF(エルビウムドープ光ファイバ)
屈折率分布:矩形型
外径:125μm
MFD:6.5μm
センタ比屈折率差:1.4%
Erドープ量:1000ppm
バーナー4の位置を種々ずらして、加熱処理前および加熱処理後のそれぞれの接続損失を測定した。その結果を下記表1に示す。
なお、バーナー4の位置は、融着点の位置を0とし、MFDの大きいファイバ(シングルモードファイバ)側にずらした場合をプラスとし、MFDの小さいファイバ側にずらした場合をマイナスとする。接続損失の値は、それぞれ10回測定した値の平均値である。
【0036】
【表1】
【0037】
上記表1から、バーナー位置を接続点よりMFDの大きいファイバ側に0〜+1mmずらすことにより、より低い接続損失を得ることが出来ることがわかる。バーナー位置0での接続損失の平均値が、バーナー位置+0.5、バーナー位置+1mmの場合より若干悪いのは、人によるファイバの固定位置のばらつきによるものであり、加熱中心がMFDの小さなファイバ側にずれる場合があるためである。
【0038】
融着点のセット時のずれは、人がセットするため、±0.3mm程度はある。従って、0.3〜0.6mm以上、MFDの大きいファイバ側にずらすことが好ましい。
【0039】
CCDカメラや光学式のセンサを用いる場合は、融着点と加熱源との位置ずれを0.1mm以下に低減することができるが、加熱源による光ファイバの温度分布は細径(φ0.25mm)の熱電対で測定したが、熱電対を挿入することにより温度場が乱れたり、熱電対を介して熱が逃げたりしてしまうため、最高温度位置を厳密に求めることが困難なことや、周囲の環境あるいは部品の交換等により温度分布のずれは0.1mm程度は生ずるので、このような場合も0.1mm〜0.5mm程度、MFDの大きいファイバ側にずらすことが好ましい。また、好ましくは加熱源により作られる温度分布、あるいは光ファイバの最高温度位置を融着点よりも0.1〜0.5mmMFDの大きいファイバ側にずらすことがよい。
【0040】
本実施形態においては、目視でのファイバのセットが容易となり、従来10分程度必要だったファイバセット等の処理準備時間を5分以下に短縮することが出来た。また、処理後の接続損失のばらつきを半分以下とすることが出来、接続損失がまだ大きい場合の再接続、再処理等のやり直しが大幅に少なくなり、一ヵ所の接続部当りの処理時間を従来の1/2以下にすることが可能となった。
【0041】
尚、本実施形態において、加熱処理工程におけるバーナー先端は、融着点よりMFDの大きい光ファイバ側にずらしたが、複雑なプロファイルや複数のドーパントが用いられている光ファイバを接続する場合は、バーナー先端を、加熱処理によるMFDの変化の少ない光ファイバ側にずらすようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によると、光ファイバの融着点の取付け装置や加熱源の位置と融着点との相対位置がずれたり、加熱源としてバーナー火炎を用いた時の炎の揺らぎや位置ずれが多少あっても、安定して接続損失を低減することが出来、またそれによって低接続損失で融着されたMFDの異なる光ファイバを得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における、加熱温度分布最高点を融着点からd2 だけ光ファイバ1側にずらした場合のMFDの変化を示す特性図。
【図2】本発明の一実施形態において用いた接続装置を示す図。
【図3】加熱処理によるMFD拡大処理の説明図。
【図4】MFDの異なる光ファイバの軸方向におけるMFDの変化を示す図。
【図5】加熱温度分布最高点を融着点に合わせた場合のMFDの変化を示す図。
【図6】加熱温度分布最高点を融着点からd1 だけ光ファイバ2側にずらした場合のMFDの変化を示す図。
【符号の説明】
1・・・第1の光ファイバ
2・・・第2の光ファイバ
3・・・光ファイバ融着点
4・・・バーナー
5・・・ファイバフォルダー
6・・・聴力測定用ロードセル
7・・・接続損失測定装置
8・・・バーナー移動用アクチュエーター
9・・・アクチュエータードライバー
10・・・制御装置
11・・・ガス供給装置
Claims (5)
- 第1のMFDを有する第1の光ファイバと、前記第1のMFD以上の第2のMFDを有する第2の光ファイバとを融着する工程と、前記第1および第2の光ファイバの融着点を加熱処理して、融着点における前記第1および第2の光ファイバのMFDを接近させる加熱処理工程とを少なくとも具備する光ファイバの接続方法において、前記加熱処理工程における光ファイバの軸方向の加熱温度分布が最大となる位置を、前記融着点から前記コアのドーパント濃度の低い光ファイバ側にずらすことを特徴とする光ファイバの接続方法。
- 前記加熱温度分布が最大となる位置を前記融着点からコアのドーパント濃度の低い光ファイバ側にずらす距離は、0mmより大きく、1mm以下であることを特徴とする請求項2に記載の光ファイバの接続方法。
- 第1のMFDを有する第1の光ファイバと、前記第1のMFD以上の第2のMFDを有する第2の光ファイバとを融着する工程と、前記第1および第2の光ファイバの融着点を加熱処理して、融着点における前記第1および第2の光ファイバのMFDを接近させる加熱処理工程とを具備する光ファイバの接続方法において、加熱熱源の最高温度位置を、前記融着点からコアのドーパント濃度の低い光ファイバ側にずらすことを特徴とする光ファイバの接続方法。
- 第1のMFDを有する第1の光ファイバと、前記第1のMFD以上の第2のMFDを有する第2の光ファイバとを融着する工程と、前記第1および第2の光ファイバの融着点を加熱処理して、融着点における前記第1および第2の光ファイバのMFDを接近させる加熱処理工程とを少なくとも具備する光ファイバの接続方法において、前記加熱処理工程における光ファイバの軸方向の加熱温度分布が最大となる位置を、前記融着点から熱処理によるMFDの変化の少ない光ファイバ側にずらすことを特徴とする光ファイバの接続方法。
- 請求項1〜4のいずれかの光ファイバの接続方法により接続された接続部を有することを特徴とする光ファイバ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003121528A JP2004325863A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | 光ファイバの接続方法及び接続部を有する光ファイバ |
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CN106443885A (zh) * | 2016-07-05 | 2017-02-22 | 中国航空工业集团公司西安飞行自动控制研究所 | 一种实现光子晶体光纤与实心光纤低损耗熔接的方法 |
WO2023210404A1 (ja) * | 2022-04-26 | 2023-11-02 | 住友電気工業株式会社 | 光増幅用伝送路 |
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2003
- 2003-04-25 JP JP2003121528A patent/JP2004325863A/ja active Pending
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CN106443885B (zh) * | 2016-07-05 | 2019-02-15 | 中国航空工业集团公司西安飞行自动控制研究所 | 一种实现光子晶体光纤与实心光纤低损耗熔接的方法 |
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