JP2002350668A - 光ファイバ融着接続方法 - Google Patents

光ファイバ融着接続方法

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JP2002350668A
JP2002350668A JP2001152766A JP2001152766A JP2002350668A JP 2002350668 A JP2002350668 A JP 2002350668A JP 2001152766 A JP2001152766 A JP 2001152766A JP 2001152766 A JP2001152766 A JP 2001152766A JP 2002350668 A JP2002350668 A JP 2002350668A
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fusion
fusion splicing
discharge
fiber
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Osamu Kakazu
修 嘉数
Tomoki Sano
知己 佐野
Motonori Nakamura
元宣 中村
Tomomi Moriya
知巳 守屋
Shinji Kayo
真治 加用
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 融着接続すべき部位の近傍でのファイバ長手
方向における光ファイバの温度分布の平坦化を図り、フ
ァイバ長手方向におけるモードフィールド径分布が平坦
化して接続損失を低減することが可能な光ファイバ融着
接続方法を提供すること。 【解決手段】 光ファイバ融着接続装置1を用いて、光
ファイバAおよびBを融着接続した後に、光ファイバA
およびBの融着接続部を放電加熱する。この放電加熱の
際に、ガス供給口10aより筐体10内にアルゴンガス
が供給されて、筐体10内はアルゴンガス雰囲気とされ
る。1対の電極棒13,14は、電極棒移動ステージ1
5,16により少なくともファイバ長手方向(z軸に平
行な方向)に移動しながら、光ファイバAおよびBの融
着接続部を放電加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第1の光ファイバ
および第2の光ファイバそれぞれの端面を互いに融着接
続する光ファイバ融着接続方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】第1の光ファイバおよび第2の光ファイ
バそれぞれの端面を光学的に接続する方法として、光コ
ネクタによる接続の他、融着による接続がある。融着接
続は、第1の光ファイバおよび第2の光ファイバそれぞ
れの端面を予加熱して互いに押し込み、さらに加熱して
融着することで、両光ファイバを互いに接続するもので
ある。この融着接続は接続損失が小さい点で好適である
とされている。
【0003】しかし、融着接続される第1の光ファイバ
および第2の光ファイバそれぞれのモードフィールド径
が異なっていると、融着接続部においてモードフィール
ド径が不連続となり、これに因り接続損失が大きくな
る。そこで、このような問題点を解決すべく、融着接続
後に融着接続部の近傍をTEC(Thermally-diffused E
xpanded Core)処理する、すなわち融着接続部の近傍を
加熱処理することで、第1の光ファイバおよび第2の光
ファイバそれぞれの融着接続部の近傍の添加元素を拡散
させ、融着接続部においてモードフィールド径が連続的
に変化するようにして、モードフィールド径を整合さ
せ、接続損失を低減させることが行われている。
【0004】TEC処理には、プロパンおよび酸素を供
給したマイクロトーチを用いた方法、電気ヒータを用い
た方法、放電を用いた方法が存在するが、加熱幅が小さ
く、制御(電流制御)し易いという点から、一般には、
放電が用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本発明者等
は、調査研究の結果、光ファイバの融着接続に関し、モ
ードフィールド径の整合のみならず、ファイバ長手方向
におけるモードフィールド径分布の平坦化が接続損失低
減に効果を有することを見出した。このため、本発明者
等は、第1の光ファイバおよび第2の光ファイバそれぞ
れの端面を互いに融着接続する融着接続工程と、この融
着接続工程により融着接続される融着接続部を挟んで対
向して設けられた1対の電極棒を少なくともファイバ長
手方向に移動させながら、1対の電極棒により融着接続
部を放電加熱する放電加熱工程と、を備えた光ファイバ
融着接続方法を発案するに至った。
【0006】しかしながら、本発明者等の更なる調査研
究の結果、以下の事実を新たに見出した。放電加熱では
マイクロトーチや電気ヒータ等と比較して温度分布が急
峻であり、放電電極を折り返して移動させてしまうと折
り返し部分が必要以上に加熱される。これにより、融着
接続部の近傍でのファイバ長手方向における温度分布が
平坦とならず、ファイバ長手方向におけるモードフィー
ルド径分布が平坦化しなくなる。特に、折り返し部分で
のモードフィールド径が急激に大きくなり、この部分で
の放射損失が増大して、接続損失低減効果が低くなって
しまう。
【0007】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、融着接続すべき部位の近傍でのファイバ長手方向に
おける光ファイバの温度分布の平坦化を図り、ファイバ
長手方向におけるモードフィールド径分布が平坦化して
接続損失を低減することが可能な光ファイバ融着接続方
法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光ファイバ
融着接続方法は、第1の光ファイバおよび第2の光ファ
イバそれぞれの端面を互いに融着接続する融着接続工程
と、この融着接続工程により融着接続される融着接続部
を挟んで対向して設けられた1対の電極棒を少なくとも
ファイバ長手方向に移動させながら、1対の電極棒によ
り融着接続部を放電加熱する放電加熱工程と、を備え、
放電加熱工程は、1対の電極棒による融着接続部の放電
加熱を分子量が空気の平均分子量よりも大きいガス雰囲
気中で行うことを特徴としている。
【0009】本発明に係る光ファイバ融着接続方法で
は、融着接続工程により融着接続される融着接続部を挟
んで1対の電極棒が対向して設けられており、放電加熱
工程においては、これら1対の電極棒を少なくともファ
イバ長手方向に移動させながら、これら1対の電極棒に
より融着接続部を放電加熱する。融着接続工程と放電加
熱工程とは何れが先に行われてもよい。このように1対
の電極棒を少なくともファイバ長手方向に移動させなが
ら融着接続部を放電加熱することで、モードフィールド
径の整合のみならず、ファイバ長手方向におけるモード
フィールド径分布を平坦化することができる。
【0010】また、本発明では、1対の電極棒による放
電加熱を分子量が空気の平均分子量よりも大きいガス雰
囲気中で行っており、放電による温度が低減し、融着接
続すべき部位の近傍でのファイバ長手方向における光フ
ァイバの温度分布を平坦化することができる。これは、
空気中にて放電を行うよりも、分子量が空気の平均分子
量よりも大きいガス雰囲気中にて放電を行うほうが、放
電により発生するプラズマ内での分子の運動速度が低下
することによるものと考えられる。
【0011】これらの結果、ファイバ長手方向における
モードフィールド径分布をより一層平坦化することが可
能となり、接続損失を極めて低くすることができる。
【0012】また、本発明に係る光ファイバ融着接続方
法は、分子量が空気の平均分子量よりも大きいガスとし
てアルゴンガスを用いることが好ましい。また、アルゴ
ンガスの流量を200〜800ml/分の範囲内に設定
することが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
による光ファイバ融着接続方法の好適な実施形態につい
て詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は
同一機能を有する要素には、同一符号を用いることと
し、重複する説明は省略する。
【0014】まず、本実施形態に係る光ファイバ融着接
続方法を好適に適用することができる光ファイバ融着接
続装置について説明する。図1は、光ファイバ融着接続
装置1の説明図である。
【0015】光ファイバ融着接続装置1は、筐体10内
に、一方の光ファイバA(第1の光ファイバ)を把持す
る把持部11、他方の光ファイバB(第2の光ファイ
バ)を把持する把持部12、1対の電極棒13および1
4、電極棒13を移動させる電極棒移動ステージ15、
ならびに、電極棒14を移動させる電極棒移動ステージ
16を備える。また、筐体10は、分子量が空気の平均
分子量(29.0)よりも大きいガスとしてアルゴン
(Ar)ガス(分子量39.95)を内部へ供給するた
めのガス供給口10a、および、内部のガスを外へ排気
するためのガス排気口10bを有する。ここで、図中に
示したような直交座標系(xyz)を考え、光ファイバ
AおよびBそれぞれの光軸に平行な方向をz軸とする。
【0016】続いて、図2に基づいて、上述した光ファ
イバ融着接続装置1を用いた光ファイバ融着接続方法に
ついて説明する。図2は、本実施形態に係る光ファイバ
融着接続方法を説明するフローチャートである。
【0017】初めに、光ファイバAおよびBそれぞれの
被覆を一部除去し(ステップS11)、その被覆除去部
で切断する(ステップS12)。そして、光ファイバA
を把持部11で把持し、光ファイバBを把持部12で把
持する(ステップS13)。このとき、光ファイバAお
よびBそれぞれは、被覆除去された各々の端面が対向す
るよう配置され、各々の光軸が一致するよう位置調整さ
れる。
【0018】続いて光ファイバAおよびBを融着接続す
る(ステップS14:融着接続工程)。このとき、光フ
ァイバAおよびBそれぞれの端面近傍は、1対の電極棒
13および14による放電加熱により溶融され、光ファ
イバAおよびBそれぞれの端面は、把持部11,12に
より互いに押し込まれて融着される。このようにして、
光ファイバA,Bは融着接続される。
【0019】続いて融着接続部を放電加熱する(ステッ
プS15:放電加熱工程)。このとき、ガス供給口10
aより筐体10内にアルゴンガスが供給されて、筐体1
0内はアルゴンガス雰囲気とされる。そして、1対の電
極棒13,14は、電極棒移動ステージ15,16によ
り少なくともファイバ長手方向(z軸に平行な方向)に
移動しながら、融着接続部を放電加熱する。また、1対
の電極棒13,14は、電極棒移動ステージ15,16
によりx軸またはy軸に平行な方向にも移動してもよ
い。このときの1対の電極棒13,14の移動パターン
(すなわち各位置での加熱時間)、および、1対の電極
棒13および14に供給される電流(すなわち加熱量)
それぞれは、予め求められた光ファイバAおよびBそれ
ぞれの添加元素の拡散係数に基づいて決定することがで
きる。
【0020】なお、光ファイバ融着接続装置1におい
て、1対の電極棒13および14を融着接続工程と放電
加熱工程とも兼用してもよく、融着接続工程と放電加熱
工程とで異なる電極棒を用いるようにしてもよい。1対
の電極棒13および14を融着接続工程と放電加熱工程
とで兼用した場合、放電電流を制御して、融着接続工程
に対して放電加熱工程での放電電流を低い値、たとえば
絶縁破壊を生じさせるトリガー電流程度に設定する必要
がある。これは、融着接続を行うための放電電流にて放
電加熱を行った場合、放電パワーが強すぎて光ファイバ
AおよびBの加熱温度が高くなりすぎるためである。
【0021】以上のように、本実施形態に係る光ファイ
バ融着接続方法では、放電加熱工程(ステップS15)
において、1対の電極棒13,14を少なくともファイ
バ長手方向(z軸に平行な方向)に移動させながら融着
接続部を放電加熱することで、モードフィールド径の整
合のみならず、ファイバ長手方向におけるモードフィー
ルド径分布を平坦化することができる。また、放電加熱
工程(ステップS15)では、1対の電極棒13,14
による放電加熱をアルゴンガス雰囲気中で行っており、
放電による温度が低減し、融着接続部の近傍でのファイ
バ長手方向における光ファイバの温度分布を平坦化する
ことができる。これらの結果、ファイバ長手方向におけ
るモードフィールド径分布をより一層平坦化することが
可能となり、接続損失を極めて低くすることができる。
【0022】また、放電加熱工程(ステップS15)に
おいて放電による温度が低減することで、融着接続部が
低温で加熱されることになる。これにより、融着接続部
の熱歪みを除去することができ、融着接続部の破断強度
を向上することができる。
【0023】なお、これまでの説明では放電加熱工程を
融着接続工程の後に設けたが、図3に示すように、放電
加熱工程を融着接続工程の前に設けてもよい。図3は、
他の実施形態に係る光ファイバ融着接続方法を説明する
フローチャートである。
【0024】この図に示す光ファイバ融着接続方法で
は、光ファイバAおよびBそれぞれの被覆を一部除去し
(ステップS21)、そして、ここで、融着接続後に融
着接続部となるべき光ファイバAおよびBそれぞれの部
位を放電加熱する(ステップS22:放電加熱工程)。
このときも、アルゴンガス雰囲気中で、移動する1対の
電極棒13,14により放電加熱される。このときの1
対の電極棒13,14の移動パターン(すなわち各位置
での加熱時間)、および、1対の電極棒13および14
に供給される電流(すなわち加熱量)それぞれは、予め
求められた光ファイバAおよびBそれぞれの添加元素の
拡散係数に基づいて決定することができる。
【0025】この放電加熱の後に、光ファイバAおよび
Bそれぞれを被覆除去部で切断する(ステップS2
3)。そして、光ファイバAを把持部11で把持し、光
ファイバBを把持部12で把持して(ステップS2
4)、光ファイバAおよびBを融着接続する(ステップ
S25:融着接続工程)。なお、その後、1対の電極棒
13,14をx軸方向、y軸方向又はz軸方向のいずれ
かの方向に移動しながら融着接続部を低温で加熱して、
融着接続部の熱歪みを除去してもよい。
【0026】このようにしても、放電加熱工程(ステッ
プS22)において、1対の電極棒13,14を少なく
ともファイバ長手方向(z軸に平行な方向)に移動させ
ながら融着接続すべき光ファイバAおよびBそれぞれの
部位を放電加熱することで、モードフィールド径の整合
のみならず、ファイバ長手方向におけるモードフィール
ド径分布を平坦化することができる。また、放電加熱工
程(ステップS22)では、1対の電極棒13,14に
よる放電加熱をアルゴンガス雰囲気中で行っており、放
電による温度が低減し、融着接続すべき光ファイバAお
よびBそれぞれの部位の近傍でのファイバ長手方向にお
ける光ファイバの温度分布を平坦化することができる。
これらの結果、ファイバ長手方向におけるモードフィー
ルド径分布をより一層平坦化することが可能となり、接
続損失を極めて低くすることができる。
【0027】本発明の光ファイバ融着接続方法におい
て、1対の電極棒による前記融着接続部の放電加熱を分
子量が空気の平均分子量よりも大きいガス雰囲気中で行
うことによって得られる接続損失低減効果を確認する各
種実験を行った。これらの実験は、上述した構成の光フ
ァイバ融着接続装置1を用い、1対の電極棒13,14
を3mmに設定した。アルゴンガスの流量は、マスフロ
ーコントローラ(MFC)にて制御した。また、光ファ
イバAとして、通常のものよりモードフィールド径が拡
大された(12μm)純シリカコア光ファイバを用い、
光ファイバBとして、モードフィールド径が5μm以下
の波長分散補償光ファイバ(Dispersion Compensation
optical-Fiber)を用いた。
【0028】放電電流の制御は抵抗デバイスを用いて行
い、放電電流を13〜35mAの範囲に調節して実験を
行った。放電電流は、低圧側の電極棒に電流プローブ
(ソニーテクトロニクス社製P6021型)を用いて測
定した。予備実験として放電電流の安定性について評価
した。この予備実験では、絶縁体表面を流れる漏れ電流
は完全に抑えることは不可能であるが、漏れ電流を低く
抑えることができ、放電電流の値は最小電流で13.0
±0.02mA、最大電流で33.3±0.041mA
と安定していることが確認できた。
【0029】損失(接続損失)は、モードフィールド径
が大きい端部から波長1.5μmの光を入射して、他端
に接続したパワーメータにより測定した。
【0030】なお、添加元素の拡散が生じているか否か
は、それぞれの光ファイバAおよびBを放電加熱した後
で切断し、その切断端面でのモードフィールド径を測定
することで、確認することができる。そこで、非測定部
を含む光ファイバにコネクタを取り付け、端部を0.1
mmずつ研磨してモードフィールド径の測定を繰り返す
ことで、モードフィールド径の変化を調べることができ
る。また、それぞれの光ファイバAおよびBの切断端面
をEPMA(Electron Probe Micro Analyzer:電子線
マイクロアナライザ)等の分析装置を用いて、放電加熱
前後の元素分布を直接確認することで、添加元素の拡散
が生じているか否かを確認することができる。
【0031】まず、アルゴンガスによる放電温度低減効
果を確認するための実験を行った。アルゴンガスの流量
を0〜1000ml/分の範囲内で変化させて、放電を
行った。放電電流は、最小電流となる13.1mAとし
た。目視において、空気に対応する0ml/分に対し、
200〜800ml/分ではアーク放電のビーム幅が拡
大していることを確認した。これは、空気よりもアルゴ
ンガスの量が増加するにしたがって、空気の平均分子量
よりもアルゴンの分子量が大きいために、放電により発
生するプラズマ内での分子の運動速度が低下している現
象が生じているためと考えられる。そして、プラズマ内
での分子の運動速度が低下する結果、放電温度が低くな
ると考えられる。また、1000ml/分以上では、放
電しなくなることも確認した。更に、放電電流は、アル
ゴンガスの流量に拘わらず略一定であることを確認し
た。
【0032】続いて、アルゴンガスの流量を変化させた
放電に対する光ファイバB(波長分散補償光ファイバ)
の損失増の変化を確認する実験を行った。波長分散補償
光ファイバは加熱に対してモードフィールド径が拡大し
易く損失が増し易い光ファイバである。実験は、光ファ
イバBの被覆を十数mm除去し、被覆を除去した部位が
把持部11および12間の中央に位置するように把持部
12にて把持して、放電加熱を行った。このとき、1対
の電極棒13,14のファイバ長手方向(z軸に平行な
方向)でのストローク速度を250〜2000pps
(1μm/パルス)の範囲で変化させて、ファイバ長手
方向(z軸に平行な方向)に5mmの範囲を放電加熱し
た。結果を図4に示す。図4から分かるように、アルゴ
ンガスの流量が増加するにしたがって、損失増は低減し
ている。これは、アルゴンガスの流量を増やすことによ
り、放電による光ファイバBの加熱温度が低下している
ためと考えられる。なお、損失増のバラツキは、地絡等
の漏れ電流による放電電流のバラツキの影響を示してい
るものではないことを確認した。
【0033】次に、図4に示された結果が、放電ビーム
と光ファイバBの位置ずれによるものであると仮定し
て、上下方向(y軸に平行な方向)に1対の電極棒1
3,14の中心軸位置をずらして、損失増の変化を確認
する実験を行った。これは、複数回放電していると、1
対の電極棒13,14の汚れにより放電位置が上下方向
(y軸に平行な方向)にずれることがあるのが確認され
たからである。実験前の調整では、1対の電極棒13,
14の高さが光ファイバBの高さと同じになるように調
節しており、この位置を位置ずれ0の位置として、1対
の電極棒13,14の位置を上下方向(y軸に平行な方
向)に±0.1mmの範囲で変化させて放電加熱を行っ
た。結果を図5に示す。図5から分かるように、アルゴ
ンガスの流量が増加するにしたがって、アルゴンガスの
流量が200〜800ml/分の範囲において、1対の
電極棒13,14と光ファイバBとの上下方向(y軸に
平行な方向)での位置ずれに対して平坦となり、位置ず
れに対しても強くなり、損失増及びモードフィールド径
のバラツキが小さくなっていることがわかる。
【0034】次に、本発明による実施例1と、本発明に
よる実施例との対比のために行った比較例1における実
験結果について説明する。
【0035】(実施例1)光ファイバAおよびBを融着
接続して、アルゴンガス雰囲気中にて加熱放電を行っ
た。放電電流は最小電流となる13.1mAに設定し、
光ファイバAおよびBの融着点を中心にしてファイバ長
手方向(z軸に平行な方向)に±5mmの範囲を放電加
熱した。このときのアルゴンガスの流量は、500ml
/分とした。
【0036】融着接続後の接続損失を測定したところ、
1.35±0.02dBであった。これに対し、放電加
熱後の接続損失を測定したところ、0.2±0.05d
Bであった。
【0037】(比較例1)光ファイバAおよびBを融着
接続して、空気中にて加熱放電を行った。放電電流は最
小電流となる13.1mAに設定し、光ファイバAおよ
びBの融着点を中心にしてファイバ長手方向(z軸に平
行な方向)に±5mmの範囲を放電加熱した。
【0038】融着接続後の接続損失を測定したところ、
1.35±0.02dBであった。これに対し、放電加
熱後の接続損失を測定したところ、0.6±0.12d
Bであった。
【0039】以上のように、実施例1においては、放電
加熱後の接続損失が0.2±0.05dBとなり、比較
例1における放電加熱後の接続損失が0.6±0.12
dBと比べて、接続損失を大幅に低減できるとともに、
バラツキも抑えられることが確認された。
【0040】本発明は、前述した実施形態に限定される
ものではない。たとえば、本実施形態においては、アル
ゴンガスを用いているが、分子量が空気の平均分子量よ
りも大きいガスであり、光ファイバガラスに悪影響を及
ぼすものでなければ、アルゴンガス以外のガス、たとえ
ばCO2(分子量44.01)又はO2(分子量32.
0)等を用いるようにしてもよい。
【0041】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、融着接続すべき部位の近傍でのファイバ長手方
向における光ファイバの温度分布の平坦化を図り、ファ
イバ長手方向におけるモードフィールド径分布が平坦化
して接続損失を低減することが可能な光ファイバ融着接
続方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバ融着接続装置の説明図である。
【図2】本実施形態に係る光ファイバ融着接続方法の一
例を説明するフローチャートである。
【図3】本実施形態に係る光ファイバ融着接続方法の一
例を説明するフローチャートである。
【図4】アルゴンガスの流量と損失増との相関を示す線
図である。
【図5】電極棒と光ファイバとの上下方向(y軸に平行
な方向)での位置ずれと損失増との相関を示す線図であ
る。
【符号の説明】
1…光ファイバ融着接続装置、10…筐体、10a…ガ
ス供給口、10b…ガス排気口、11,12…把持部、
13,14…電極棒、15,16…電極棒移動ステー
ジ、A,B…光ファイバ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 元宣 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 守屋 知巳 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 加用 真治 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 2H036 KA01 KA02 MA17

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の光ファイバおよび第2の光ファイ
    バそれぞれの端面を互いに融着接続する融着接続工程
    と、 この融着接続工程により融着接続される融着接続部を挟
    んで対向して設けられた1対の電極棒を少なくともファ
    イバ長手方向に移動させながら、前記1対の電極棒によ
    り前記融着接続部を放電加熱する放電加熱工程と、を備
    え、 前記放電加熱工程は、前記1対の電極棒による前記融着
    接続部の放電加熱を分子量が空気の平均分子量よりも大
    きいガス雰囲気中で行うことを特徴とする光ファイバ融
    着接続方法。
  2. 【請求項2】 前記分子量が空気の平均分子量よりも大
    きいガスとしてアルゴンガスを用いることを特徴とする
    請求項1に記載の光ファイバ融着接続方法。
  3. 【請求項3】 前記アルゴンガスの流量を200〜80
    0ml/分の範囲内に設定することを特徴とする請求項
    2に記載の光ファイバ融着接続方法。
JP2001152766A 2001-05-22 2001-05-22 光ファイバ融着接続方法 Pending JP2002350668A (ja)

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