JP2004325753A - ズームレンズ - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的高変倍なコンパクトで低コストを実現した、レンズシャッターカメラ等に最適なズームレンズを得る。
【解決手段】物体側から順に正の第1レンズ群、負の第2レンズ群を有し、前記各レンズ群の空気間隔を変えて変倍を行うズームレンズにおいて、第1レンズ群は物体側から正、負、正のレンズを含み第2レンズ群は物体側から正、負の2枚で構成され、該光学系中全ての正レンズの平均屈折率と全ての負レンズの平均屈折率及び第1レンズ群の焦点距離が所定の条件を満たす。
【選択図】 図1
【解決手段】物体側から順に正の第1レンズ群、負の第2レンズ群を有し、前記各レンズ群の空気間隔を変えて変倍を行うズームレンズにおいて、第1レンズ群は物体側から正、負、正のレンズを含み第2レンズ群は物体側から正、負の2枚で構成され、該光学系中全ての正レンズの平均屈折率と全ての負レンズの平均屈折率及び第1レンズ群の焦点距離が所定の条件を満たす。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はズームレンズに関し、特にレンズシャッターカメラ等の比較的バックフォーカスの短いカメラに最適な、簡易な構成で低コスト且つコンパクトを実現したズームレンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、カメラの小型化、軽量化、低コスト化の要望が高まるにつれ、そこに搭載される撮影光学系にも光学性能を良好に維持したままで更に小型で軽量且つ低コストなものが要求されている。また、より広範な撮影条件に対応するために、同時にその撮影光学系は高い変倍比を持ったズームレンズであることも要求されている。
【0003】
一般に光学系の小型化を進め且つ高い変倍比を持たせるためには各レンズ群の屈折力を強めれば良いが、屈折力を強めると光学性能が劣化してくる。光学性能を良好に維持するためには所定枚数のレンズが必要となり、小型化が難しくなってくる。
【0004】
一方近年では非球面レンズの加工技術の発展に伴い、非球面レンズを多用しレンズ枚数を削減し、光学系の小型化を図ったズームレンズが種々提案されている。通常の球面レンズを非球面レンズに置き換えれば光学性能をより高くすることが可能であり、この光学性能の余裕分と、レンズ枚数の削減及び小型化に伴う性能劣化とを相殺することにより光学性能を維持しつつ小型化を図ることが考えられる。
【0005】
しかしながら、単に球面レンズを非球面レンズに置き換えただけでは小型化を十分に達成することが難しく、最適なレンズタイプ、レンズ形状等を設定する必要がある。
【0006】
また、非球面レンズは球面レンズに比べ製造が難しくなる為、いたずらに球面レンズを非球面レンズに置き換えてレンズの枚数の削減を行っても光学系全体での製造が容易にならずにコストが高くなってしまうこともある。そのため、非球面レンズの枚数を必要最小限に留め効率的に非球面の効果を得ることが望ましい。
【0007】
ズームレンズとして最も簡素であるレンズタイプとしては、2つのレンズ群より成り、双方のレンズ群の間隔を変えて変倍(ズーミング)を行う2群ズームレンズが知られている。
【0008】
この内、長いバックフォーカスを必要としないレンズシャッターカメラ用等のズームレンズとして、物体側より順に正の屈折力の第1レンズ群と負の屈折力の第2レンズ群から成り、2つのレンズ群の軸上空気間隔を変化させて変倍を行う2群ズームレンズが、従来より種々提案されている。
【0009】
例えば特開平7−234361号公報、特開2000−221396号公報では、物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群の2つのレンズ群で構成し、両レンズ群の間隔を変えて変倍する小型のズームレンズが提案されている。
【0010】
これらで提案されているズームレンズは、第1レンズ群を正、負、正、正レンズの4つのレンズで構成し、第2レンズ群を正、負レンズの2つのレンズで構成してレンズ系全体の簡素化を図っている。
【0011】
また、例えば特開平7−225337号公報、特開平8−338946号公報では、物体側から順に正の屈折力を有し、負、正レンズの2枚構成の第1レンズ群、負の屈折力を有し、正、負レンズの2枚構成の第2レンズ群の2つのレンズ群で構成し、両レンズ群の間隔を変えて変倍する、変倍比2から3倍程度の小型のズームレンズが提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前述の特開平7−234361号公報、特開2000−221396号公報公報では比較的簡易な構成で高い光学性能を維持したズームレンズを提案しているが、光学系の中で一番大きな径を有している最終レンズに、一般的にコストの高くなる比較的高い屈折率の硝材を使用しており、低コスト化という面でまだ検討の余地がある。また、最終レンズだけでなく他のレンズも全体的に高い屈折率の硝材が用いられており、更なる低コスト化の検討の余地がある。
【0013】
また前述の特開平7−225337号公報、特開平8−338946号公報では更に少枚数の構成で変倍比が2〜3倍程度のズームレンズを提案しているが、やはり光学系の中で一番大きな径を有している最終レンズに比較的高い屈折率の硝材を使用しており、更に少枚数化のために非球面レンズの硝材にも屈折率が非常に高いものを使用しており、レンズ枚数は減っているものの光学系全体のコストは高くなっており、低コスト化の面で不十分である。
【0014】
以上のことを鑑み、本発明では、レンズシャッターカメラ等に最適な正、負の2群を含むズームレンズにおいて、各レンズ群のレンズ構成を適切に設定することにより、比較的高変倍でありながらコンパクトで低コストを達成したズームレンズを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明によるズームレンズは以下の特徴を備えている。
【0016】
(1)物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群と負の屈折力を有する第2レンズ群を有し、前記各レンズ群間の空気間隔を変化させて変倍を行うズームレンズにおいて、前記第1レンズ群は、物体側から順に正の第11レンズ、負の第12レンズ、正の第13レンズを含み、前記第2レンズ群は、物体側から順に、少なくとも1面の非球面を有する正の第21レンズ、負の第22レンズで構成され、該光学系中全ての正レンズの硝材の平均屈折率をNp、全ての負レンズの硝材の平均屈折率をNn、第1レンズ群の焦点距離をf1、望遠端における全系の焦点距離をftとしたとき、以下の条件を満足する。
Np<1.57
1.03<Nn/Np<1.13
0.1<f1/ft<0.3
(2)前記第2レンズ群の広角端での結像倍率をβ2w、望遠端での結像倍率をβ2tとしたとき、以下の条件式を満足する。
1.9<β2t/β2w<3.7
(3)前記第2レンズ群の焦点距離をf2としたとき、以下の条件式を満足する。
0.1<|f2|/ft<0.3
(4)前記第1レンズ群は、物体側から順に正の第11レンズ、負の第12レンズ、正の第13レンズ、正の第14レンズにて構成される。
【0017】
(5)前記第21レンズは樹脂材質で成形された非球面レンズである。
【0018】
(6)前記第1レンズ群中の正レンズの焦点距離の平均値をfp1、前記第1レンズ群中の正レンズの硝材の平均屈折率をNp1としたとき、以下の条件を満足する。
30<Np1・fp1<60
(7)前記第11レンズは物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ、前記第12レンズは両凹形状の負レンズ、前記第13レンズは両凸形状の正レンズ、前記第14レンズは正レンズ、前記第21レンズは非球面を含み、中心付近の形状が像面側に凸面を向けた正メニスカスレンズ、前記第22レンズは像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態を具体的に示す。
【0020】
図1は本発明の実施形態1のズームレンズのレンズ断面図、図2、図3は本発明の実施形態1に対応する数値実施例1の広角端、望遠端における収差図である。
【0021】
図4は本発明の実施形態2のズームレンズのレンズ断面図、図5、図6は本発明の実施形態2に対応する数値実施例2の広角端、望遠端における収差図である。
【0022】
図7は本発明の実施形態3のズームレンズのレンズ断面図、図8、図9は本発明の実施形態3に対応する数値実施例3の広角端、望遠端における収差図である。
【0023】
図10は本発明の実施形態4のズームレンズのレンズ断面図、図11、図12は本発明の実施形態4に対応する数値実施例4の広角端、望遠端における収差図である。
【0024】
図13は本発明の実施形態5のズームレンズのレンズ断面図、図14、図15は本発明の実施形態5に対応する数値実施例5の広角端、望遠端における収差図である。
【0025】
図1、図4、図7、図10、図13のレンズ断面図において、L1は正の屈折力の第1レンズ群、L2は負の屈折力の第2レンズ群である。各実施形態では、両レンズ群の間隔を減少させつつ、双方のレンズ群を矢印の如く物体側へ移動させて広角端から望遠端への変倍を行なっている。
【0026】
SPは絞りであり、第1レンズ群L1中に設けている。IPは像面であり、撮像素子やフィルム等が配置されている。
【0027】
収差図の球面収差において実線はd線、二点鎖線はg線、鎖線は正弦条件であり、収差図の非点収差において実線はサジタル光線、点線はメリディオナル光線を表し、収差図の倍率色収差において二点鎖線はg線を表す。Yは像高を表す。
【0028】
尚、広角端と望遠端とは変倍用レンズ群が機構上光軸上移動可能な範囲の両端に位置したときのズーム位置をいう。
【0029】
各実施形態では、広角端から望遠端への変倍に際しては第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の間隔が減少するように、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2を共に光軸上を物体側へ移動している。このように、ズームレンズを構成する2つのレンズ群L1、L2が共に光軸上を移動して変倍を行う構成とすることで、広角端での光学全長が短い光学系にすると同時に、携帯時にレンズ群を沈胴させるメカ構造にするコンパクトカメラ等において最適な形態としている。
【0030】
また、正の屈折力の第1レンズ群L1を物体側より順に正の屈折力で物体側に凸面を向けたメニスカス形状の第11レンズG11、負の屈折力で両レンズ面が凹面形状の第12レンズG12、正の屈折力で両レンズ面が凸面形状の第13レンズG13、正の屈折力を持ち両レンズ面が凸面形状の第14レンズG14で構成している。又、負の屈折力の第2レンズ群L2を、物体側より順に非球面を有し像側に凸面を向けたメニスカス形状の正の第21レンズG21、負の屈折力で像側に凸面を向けたメニスカス形状の第22レンズG22で構成している。
【0031】
各実施形態のズームレンズは、ズームタイプとして最小構成である2群ズームタイプにおいて高い変倍比を得るために各レンズ群に強い屈折力を必要としている。そのため正の屈折力の第1レンズ群L1には正レンズを3枚配置して、十分な正の屈折力を確保すると共に収差の発生を抑える様に屈折力の分配をしている。また、負レンズを1枚配置することで、正の屈折力のレンズで発生する収差をキャンセルしている。
【0032】
一方、負の屈折力を有する第2レンズ群は、レンズ径が大きくなる傾向にあることから構成レンズ枚数が多いとレンズ重量が増大したりレンズコストが高くなるため、正、負レンズの2枚構成としている。そしてレンズ枚数を少なくしたことによる収差補正を容易に行なう為に、正の第21レンズに非球面を設けて収差補正を良好に行なっている。これにより光学性能を良好に維持しながらも構成レンズ枚数を少なくし、簡易な光学系を実現している。
【0033】
また各実施形態において、非球面を有する第21レンズを樹脂材料で成形している。
【0034】
各実施形態のズームレンズでは、第21レンズの持つ正の屈折力は比較的弱くすることが可能である。そのため材料の屈折率が小さい樹脂材料を使用しても面の曲率が強くなってしまうことが少ない。また、製造上の観点から考えると該非球面は研磨ではなく成形により作り出す方が望ましく、一般には成形によりレンズを作り出す材料としては硝子材料より樹脂材料の方が製造しやすく、コストも安い。よって、第21レンズを樹脂材料により成形している。
【0035】
各実施形態では非球面は第21レンズの物体側の面のみであるが、より収差補正能力を上げるために像面側の面にも配置しても良く、更には他のレンズに非球面を配置しても良い。特に第1レンズ群L1内に非球面を配置することで、より全ての変倍域で良好な性能を得ることができる。またその際には、非球面を含むレンズは樹脂材料により成形すると製造が容易で且つ低コスト化に有利な形態となる。
【0036】
そして各実施形態においては、光学系中全ての正レンズの硝材の平均屈折率をNp、全ての負レンズの硝材の平均屈折率をNn、第1レンズ群の焦点距離をfNp<1.57・・・(1)
1.03<Nn/Np<1.13・・・(2)
0.1<f1/ft<0.3・・・(3)
なる条件式を満足するようにしている。
【0037】
(1)式は光学系全体の低コスト化のための条件であり、正レンズに使用している硝材の屈折率を平均的に小さいものとすることで、材料費として高くなる傾向にある高屈折率の硝材の使用を制限している。
【0038】
(2)式は光学系全体の低コスト化と屈折力配置のバランスを取る条件である。下限を超えて負レンズの硝材の平均屈折率が小さいと、光学系全体の中で十分な負の屈折力を得ることが難しくなり収差補正能力が弱まるため望ましくない。上限を超えて負レンズの硝材の平均屈折率が大きいと、レンズのコストが高くなる傾向となるため望ましくない。特に本発明のズームレンズでは最も径の大きくなる最終レンズが負レンズであり、その負レンズに使用する硝材は光学系全体の低コスト化に大きく影響する。
【0039】
(3)式は(1)式の条件と合わせて光学系全体の性能と小型化のバランスを取る条件である。下限を超えて第1レンズ群の屈折力が強まると、各正レンズを平均的に低屈折率の硝材で構成している為にレンズ各面の曲率が非常に強くなり、諸収差が大きく発生するため望ましくない。また、上限を超えて第1レンズ群の屈折力が弱まると光学系全体が大型化するため望ましくない。
【0040】
また更に各実施形態においては、前記第2レンズ群の広角端での結像倍率をβ2w、望遠端での結像倍率をβ2tとしたとき、
1.9<β2t/β2w<3.7・・・(4)
なる条件式を満足するようにしている。
【0041】
(4)式の下限を超えて広角端と望遠端の結像倍率の比が小さくなると、変倍効果が小さくなりズームレンズとして画角変化が不十分である。また上限を超えて広角端と望遠端の結像倍率の比が大きくなると変倍による諸収差の変動を補正するのが困難となる。
【0042】
また更に各実施形態においては、前記第2レンズ群の焦点距離をf2としたとき、
0.1<|f2|/ft<0.3・・・(5)
なる条件を満足するようにしている。
【0043】
(5)式は光学系全体の性能と小型化のバランスを取る条件であり、下限を超えて第2レンズ群の屈折力が強まると、第2レンズ群中1枚の負レンズで十分な負の屈折力を確保することが困難となり、同時にレンズ面の曲率も強くなり諸収差が大きく発生するため望ましくない。また、上限を超えて第2レンズ群の屈折力が弱まると、特に広角端での光学系の全長が大きくなるため望ましくない。
【0044】
また更に各実施形態においては、前記第1レンズ群中の正レンズの焦点距離の平均値をfp1、前記第1レンズ群中の正レンズの硝材の平均屈折率をNp1としたとき、
30<Np1・fp1<60・・・(6)
なる条件を満足するようにしている。
【0045】
(6)式は(1)式の条件と合わせて、光学系全体の性能のバランスをとる条件であり、下限を超えて第1レンズ群中正レンズの焦点距離の平均値と該硝材の平均屈折率の積が小さくなると、正レンズで発生する収差が過剰になって補正が困難になり望ましくない。また下限を超えて第1レンズ群中正レンズの焦点距離の平均値と該硝材の平均屈折率の比が大きくなると、負レンズで発生する収差を正レンズで補正する能力が弱くなり望ましくない。
【0046】
また(6)式と合わせて各実施形態では、第1レンズ群L1内の全ての正レンズを低屈折率の材料で構成する為に、強い正の屈折力を持つ第1レンズ群L1の中で各正レンズに正の屈折力を均等に分配し、それにより極端に強い曲面を持たせずに光学系を構成し、収差補正も有利な形態としている。
【0047】
(数値実施例)
以下に、本発明によるズームレンズの実施例の数値データを示す。これらの数値実施例において、riは物体側から順に第i番目のレンズ面の曲率半径、diは物体側から順に第i番目の面から第i+1番目の面の間隔(レンズ厚又は空気間隔)、niとνiはそれぞれ物体側から順に第i番目のレンズのd線における屈折率とアッベ数である。
【0048】
各実施例において*で示す面は非球面であり、非球面形状は、次式によって定義している。
X=(h2/R)/[1+√{1−(1+K)(h/R)2}
+B・h4+C・h6+D・h8 +E・h10+F・h12
但し、Xは光軸からhだけ離れたレンズ面上の光軸方向への変位量、Rは曲率半径、B、C、D、E、Fはそれぞれ4次、6次、8次、10次、12次の非球面係数である。
【0049】
又、各数値実施例における上述した条件式との対応を表1に示す。
【0050】
数値実施例1
【外1】
【0051】
数値実施例2
【外2】
【0052】
数値実施例3
【外3】
【0053】
数値実施例4
【外4】
【0054】
数値実施例5
【外5】
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、レンズシャッターカメラ等に最適な簡易な構成で、コンパクトでありながら低コストを達成したズームレンズを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のレンズ断面図。
【図2】本発明の実施形態1に対応する数値実施例1の広角端における収差図。
【図3】本発明の実施形態1に対応する数値実施例1の望遠端における収差図。
【図4】本発明の実施形態2のレンズ断面図。
【図5】本発明の実施形態2に対応する数値実施例2の広角端における収差図。
【図6】本発明の実施形態2に対応する数値実施例2の望遠端における収差図。
【図7】本発明の実施形態3のレンズ断面図。
【図8】本発明の実施形態3に対応する数値実施例3の広角端における収差図。
【図9】本発明の実施形態3に対応する数値実施例3の望遠端における収差図。
【図10】本発明の実施形態4のレンズ断面図。
【図11】本発明の実施形態4に対応する数値実施例4の広角端における収差図。
【図12】本発明の実施形態4に対応する数値実施例4の望遠端における収差図。
【図13】本発明の実施形態5のレンズ断面図。
【図14】本発明の実施形態5に対応する数値実施例5の広角端における収差図。
【図15】本発明の実施形態5に対応する数値実施例5の望遠端における収差図。
【符号の説明】
d d線
g g線
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
M メリディオナル像面
IP 像面
SP 絞り
S.C 正弦条件
S サジタル像面
【発明の属する技術分野】
本発明はズームレンズに関し、特にレンズシャッターカメラ等の比較的バックフォーカスの短いカメラに最適な、簡易な構成で低コスト且つコンパクトを実現したズームレンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、カメラの小型化、軽量化、低コスト化の要望が高まるにつれ、そこに搭載される撮影光学系にも光学性能を良好に維持したままで更に小型で軽量且つ低コストなものが要求されている。また、より広範な撮影条件に対応するために、同時にその撮影光学系は高い変倍比を持ったズームレンズであることも要求されている。
【0003】
一般に光学系の小型化を進め且つ高い変倍比を持たせるためには各レンズ群の屈折力を強めれば良いが、屈折力を強めると光学性能が劣化してくる。光学性能を良好に維持するためには所定枚数のレンズが必要となり、小型化が難しくなってくる。
【0004】
一方近年では非球面レンズの加工技術の発展に伴い、非球面レンズを多用しレンズ枚数を削減し、光学系の小型化を図ったズームレンズが種々提案されている。通常の球面レンズを非球面レンズに置き換えれば光学性能をより高くすることが可能であり、この光学性能の余裕分と、レンズ枚数の削減及び小型化に伴う性能劣化とを相殺することにより光学性能を維持しつつ小型化を図ることが考えられる。
【0005】
しかしながら、単に球面レンズを非球面レンズに置き換えただけでは小型化を十分に達成することが難しく、最適なレンズタイプ、レンズ形状等を設定する必要がある。
【0006】
また、非球面レンズは球面レンズに比べ製造が難しくなる為、いたずらに球面レンズを非球面レンズに置き換えてレンズの枚数の削減を行っても光学系全体での製造が容易にならずにコストが高くなってしまうこともある。そのため、非球面レンズの枚数を必要最小限に留め効率的に非球面の効果を得ることが望ましい。
【0007】
ズームレンズとして最も簡素であるレンズタイプとしては、2つのレンズ群より成り、双方のレンズ群の間隔を変えて変倍(ズーミング)を行う2群ズームレンズが知られている。
【0008】
この内、長いバックフォーカスを必要としないレンズシャッターカメラ用等のズームレンズとして、物体側より順に正の屈折力の第1レンズ群と負の屈折力の第2レンズ群から成り、2つのレンズ群の軸上空気間隔を変化させて変倍を行う2群ズームレンズが、従来より種々提案されている。
【0009】
例えば特開平7−234361号公報、特開2000−221396号公報では、物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群の2つのレンズ群で構成し、両レンズ群の間隔を変えて変倍する小型のズームレンズが提案されている。
【0010】
これらで提案されているズームレンズは、第1レンズ群を正、負、正、正レンズの4つのレンズで構成し、第2レンズ群を正、負レンズの2つのレンズで構成してレンズ系全体の簡素化を図っている。
【0011】
また、例えば特開平7−225337号公報、特開平8−338946号公報では、物体側から順に正の屈折力を有し、負、正レンズの2枚構成の第1レンズ群、負の屈折力を有し、正、負レンズの2枚構成の第2レンズ群の2つのレンズ群で構成し、両レンズ群の間隔を変えて変倍する、変倍比2から3倍程度の小型のズームレンズが提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前述の特開平7−234361号公報、特開2000−221396号公報公報では比較的簡易な構成で高い光学性能を維持したズームレンズを提案しているが、光学系の中で一番大きな径を有している最終レンズに、一般的にコストの高くなる比較的高い屈折率の硝材を使用しており、低コスト化という面でまだ検討の余地がある。また、最終レンズだけでなく他のレンズも全体的に高い屈折率の硝材が用いられており、更なる低コスト化の検討の余地がある。
【0013】
また前述の特開平7−225337号公報、特開平8−338946号公報では更に少枚数の構成で変倍比が2〜3倍程度のズームレンズを提案しているが、やはり光学系の中で一番大きな径を有している最終レンズに比較的高い屈折率の硝材を使用しており、更に少枚数化のために非球面レンズの硝材にも屈折率が非常に高いものを使用しており、レンズ枚数は減っているものの光学系全体のコストは高くなっており、低コスト化の面で不十分である。
【0014】
以上のことを鑑み、本発明では、レンズシャッターカメラ等に最適な正、負の2群を含むズームレンズにおいて、各レンズ群のレンズ構成を適切に設定することにより、比較的高変倍でありながらコンパクトで低コストを達成したズームレンズを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明によるズームレンズは以下の特徴を備えている。
【0016】
(1)物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群と負の屈折力を有する第2レンズ群を有し、前記各レンズ群間の空気間隔を変化させて変倍を行うズームレンズにおいて、前記第1レンズ群は、物体側から順に正の第11レンズ、負の第12レンズ、正の第13レンズを含み、前記第2レンズ群は、物体側から順に、少なくとも1面の非球面を有する正の第21レンズ、負の第22レンズで構成され、該光学系中全ての正レンズの硝材の平均屈折率をNp、全ての負レンズの硝材の平均屈折率をNn、第1レンズ群の焦点距離をf1、望遠端における全系の焦点距離をftとしたとき、以下の条件を満足する。
Np<1.57
1.03<Nn/Np<1.13
0.1<f1/ft<0.3
(2)前記第2レンズ群の広角端での結像倍率をβ2w、望遠端での結像倍率をβ2tとしたとき、以下の条件式を満足する。
1.9<β2t/β2w<3.7
(3)前記第2レンズ群の焦点距離をf2としたとき、以下の条件式を満足する。
0.1<|f2|/ft<0.3
(4)前記第1レンズ群は、物体側から順に正の第11レンズ、負の第12レンズ、正の第13レンズ、正の第14レンズにて構成される。
【0017】
(5)前記第21レンズは樹脂材質で成形された非球面レンズである。
【0018】
(6)前記第1レンズ群中の正レンズの焦点距離の平均値をfp1、前記第1レンズ群中の正レンズの硝材の平均屈折率をNp1としたとき、以下の条件を満足する。
30<Np1・fp1<60
(7)前記第11レンズは物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ、前記第12レンズは両凹形状の負レンズ、前記第13レンズは両凸形状の正レンズ、前記第14レンズは正レンズ、前記第21レンズは非球面を含み、中心付近の形状が像面側に凸面を向けた正メニスカスレンズ、前記第22レンズは像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態を具体的に示す。
【0020】
図1は本発明の実施形態1のズームレンズのレンズ断面図、図2、図3は本発明の実施形態1に対応する数値実施例1の広角端、望遠端における収差図である。
【0021】
図4は本発明の実施形態2のズームレンズのレンズ断面図、図5、図6は本発明の実施形態2に対応する数値実施例2の広角端、望遠端における収差図である。
【0022】
図7は本発明の実施形態3のズームレンズのレンズ断面図、図8、図9は本発明の実施形態3に対応する数値実施例3の広角端、望遠端における収差図である。
【0023】
図10は本発明の実施形態4のズームレンズのレンズ断面図、図11、図12は本発明の実施形態4に対応する数値実施例4の広角端、望遠端における収差図である。
【0024】
図13は本発明の実施形態5のズームレンズのレンズ断面図、図14、図15は本発明の実施形態5に対応する数値実施例5の広角端、望遠端における収差図である。
【0025】
図1、図4、図7、図10、図13のレンズ断面図において、L1は正の屈折力の第1レンズ群、L2は負の屈折力の第2レンズ群である。各実施形態では、両レンズ群の間隔を減少させつつ、双方のレンズ群を矢印の如く物体側へ移動させて広角端から望遠端への変倍を行なっている。
【0026】
SPは絞りであり、第1レンズ群L1中に設けている。IPは像面であり、撮像素子やフィルム等が配置されている。
【0027】
収差図の球面収差において実線はd線、二点鎖線はg線、鎖線は正弦条件であり、収差図の非点収差において実線はサジタル光線、点線はメリディオナル光線を表し、収差図の倍率色収差において二点鎖線はg線を表す。Yは像高を表す。
【0028】
尚、広角端と望遠端とは変倍用レンズ群が機構上光軸上移動可能な範囲の両端に位置したときのズーム位置をいう。
【0029】
各実施形態では、広角端から望遠端への変倍に際しては第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の間隔が減少するように、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2を共に光軸上を物体側へ移動している。このように、ズームレンズを構成する2つのレンズ群L1、L2が共に光軸上を移動して変倍を行う構成とすることで、広角端での光学全長が短い光学系にすると同時に、携帯時にレンズ群を沈胴させるメカ構造にするコンパクトカメラ等において最適な形態としている。
【0030】
また、正の屈折力の第1レンズ群L1を物体側より順に正の屈折力で物体側に凸面を向けたメニスカス形状の第11レンズG11、負の屈折力で両レンズ面が凹面形状の第12レンズG12、正の屈折力で両レンズ面が凸面形状の第13レンズG13、正の屈折力を持ち両レンズ面が凸面形状の第14レンズG14で構成している。又、負の屈折力の第2レンズ群L2を、物体側より順に非球面を有し像側に凸面を向けたメニスカス形状の正の第21レンズG21、負の屈折力で像側に凸面を向けたメニスカス形状の第22レンズG22で構成している。
【0031】
各実施形態のズームレンズは、ズームタイプとして最小構成である2群ズームタイプにおいて高い変倍比を得るために各レンズ群に強い屈折力を必要としている。そのため正の屈折力の第1レンズ群L1には正レンズを3枚配置して、十分な正の屈折力を確保すると共に収差の発生を抑える様に屈折力の分配をしている。また、負レンズを1枚配置することで、正の屈折力のレンズで発生する収差をキャンセルしている。
【0032】
一方、負の屈折力を有する第2レンズ群は、レンズ径が大きくなる傾向にあることから構成レンズ枚数が多いとレンズ重量が増大したりレンズコストが高くなるため、正、負レンズの2枚構成としている。そしてレンズ枚数を少なくしたことによる収差補正を容易に行なう為に、正の第21レンズに非球面を設けて収差補正を良好に行なっている。これにより光学性能を良好に維持しながらも構成レンズ枚数を少なくし、簡易な光学系を実現している。
【0033】
また各実施形態において、非球面を有する第21レンズを樹脂材料で成形している。
【0034】
各実施形態のズームレンズでは、第21レンズの持つ正の屈折力は比較的弱くすることが可能である。そのため材料の屈折率が小さい樹脂材料を使用しても面の曲率が強くなってしまうことが少ない。また、製造上の観点から考えると該非球面は研磨ではなく成形により作り出す方が望ましく、一般には成形によりレンズを作り出す材料としては硝子材料より樹脂材料の方が製造しやすく、コストも安い。よって、第21レンズを樹脂材料により成形している。
【0035】
各実施形態では非球面は第21レンズの物体側の面のみであるが、より収差補正能力を上げるために像面側の面にも配置しても良く、更には他のレンズに非球面を配置しても良い。特に第1レンズ群L1内に非球面を配置することで、より全ての変倍域で良好な性能を得ることができる。またその際には、非球面を含むレンズは樹脂材料により成形すると製造が容易で且つ低コスト化に有利な形態となる。
【0036】
そして各実施形態においては、光学系中全ての正レンズの硝材の平均屈折率をNp、全ての負レンズの硝材の平均屈折率をNn、第1レンズ群の焦点距離をfNp<1.57・・・(1)
1.03<Nn/Np<1.13・・・(2)
0.1<f1/ft<0.3・・・(3)
なる条件式を満足するようにしている。
【0037】
(1)式は光学系全体の低コスト化のための条件であり、正レンズに使用している硝材の屈折率を平均的に小さいものとすることで、材料費として高くなる傾向にある高屈折率の硝材の使用を制限している。
【0038】
(2)式は光学系全体の低コスト化と屈折力配置のバランスを取る条件である。下限を超えて負レンズの硝材の平均屈折率が小さいと、光学系全体の中で十分な負の屈折力を得ることが難しくなり収差補正能力が弱まるため望ましくない。上限を超えて負レンズの硝材の平均屈折率が大きいと、レンズのコストが高くなる傾向となるため望ましくない。特に本発明のズームレンズでは最も径の大きくなる最終レンズが負レンズであり、その負レンズに使用する硝材は光学系全体の低コスト化に大きく影響する。
【0039】
(3)式は(1)式の条件と合わせて光学系全体の性能と小型化のバランスを取る条件である。下限を超えて第1レンズ群の屈折力が強まると、各正レンズを平均的に低屈折率の硝材で構成している為にレンズ各面の曲率が非常に強くなり、諸収差が大きく発生するため望ましくない。また、上限を超えて第1レンズ群の屈折力が弱まると光学系全体が大型化するため望ましくない。
【0040】
また更に各実施形態においては、前記第2レンズ群の広角端での結像倍率をβ2w、望遠端での結像倍率をβ2tとしたとき、
1.9<β2t/β2w<3.7・・・(4)
なる条件式を満足するようにしている。
【0041】
(4)式の下限を超えて広角端と望遠端の結像倍率の比が小さくなると、変倍効果が小さくなりズームレンズとして画角変化が不十分である。また上限を超えて広角端と望遠端の結像倍率の比が大きくなると変倍による諸収差の変動を補正するのが困難となる。
【0042】
また更に各実施形態においては、前記第2レンズ群の焦点距離をf2としたとき、
0.1<|f2|/ft<0.3・・・(5)
なる条件を満足するようにしている。
【0043】
(5)式は光学系全体の性能と小型化のバランスを取る条件であり、下限を超えて第2レンズ群の屈折力が強まると、第2レンズ群中1枚の負レンズで十分な負の屈折力を確保することが困難となり、同時にレンズ面の曲率も強くなり諸収差が大きく発生するため望ましくない。また、上限を超えて第2レンズ群の屈折力が弱まると、特に広角端での光学系の全長が大きくなるため望ましくない。
【0044】
また更に各実施形態においては、前記第1レンズ群中の正レンズの焦点距離の平均値をfp1、前記第1レンズ群中の正レンズの硝材の平均屈折率をNp1としたとき、
30<Np1・fp1<60・・・(6)
なる条件を満足するようにしている。
【0045】
(6)式は(1)式の条件と合わせて、光学系全体の性能のバランスをとる条件であり、下限を超えて第1レンズ群中正レンズの焦点距離の平均値と該硝材の平均屈折率の積が小さくなると、正レンズで発生する収差が過剰になって補正が困難になり望ましくない。また下限を超えて第1レンズ群中正レンズの焦点距離の平均値と該硝材の平均屈折率の比が大きくなると、負レンズで発生する収差を正レンズで補正する能力が弱くなり望ましくない。
【0046】
また(6)式と合わせて各実施形態では、第1レンズ群L1内の全ての正レンズを低屈折率の材料で構成する為に、強い正の屈折力を持つ第1レンズ群L1の中で各正レンズに正の屈折力を均等に分配し、それにより極端に強い曲面を持たせずに光学系を構成し、収差補正も有利な形態としている。
【0047】
(数値実施例)
以下に、本発明によるズームレンズの実施例の数値データを示す。これらの数値実施例において、riは物体側から順に第i番目のレンズ面の曲率半径、diは物体側から順に第i番目の面から第i+1番目の面の間隔(レンズ厚又は空気間隔)、niとνiはそれぞれ物体側から順に第i番目のレンズのd線における屈折率とアッベ数である。
【0048】
各実施例において*で示す面は非球面であり、非球面形状は、次式によって定義している。
X=(h2/R)/[1+√{1−(1+K)(h/R)2}
+B・h4+C・h6+D・h8 +E・h10+F・h12
但し、Xは光軸からhだけ離れたレンズ面上の光軸方向への変位量、Rは曲率半径、B、C、D、E、Fはそれぞれ4次、6次、8次、10次、12次の非球面係数である。
【0049】
又、各数値実施例における上述した条件式との対応を表1に示す。
【0050】
数値実施例1
【外1】
【0051】
数値実施例2
【外2】
【0052】
数値実施例3
【外3】
【0053】
数値実施例4
【外4】
【0054】
数値実施例5
【外5】
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、レンズシャッターカメラ等に最適な簡易な構成で、コンパクトでありながら低コストを達成したズームレンズを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のレンズ断面図。
【図2】本発明の実施形態1に対応する数値実施例1の広角端における収差図。
【図3】本発明の実施形態1に対応する数値実施例1の望遠端における収差図。
【図4】本発明の実施形態2のレンズ断面図。
【図5】本発明の実施形態2に対応する数値実施例2の広角端における収差図。
【図6】本発明の実施形態2に対応する数値実施例2の望遠端における収差図。
【図7】本発明の実施形態3のレンズ断面図。
【図8】本発明の実施形態3に対応する数値実施例3の広角端における収差図。
【図9】本発明の実施形態3に対応する数値実施例3の望遠端における収差図。
【図10】本発明の実施形態4のレンズ断面図。
【図11】本発明の実施形態4に対応する数値実施例4の広角端における収差図。
【図12】本発明の実施形態4に対応する数値実施例4の望遠端における収差図。
【図13】本発明の実施形態5のレンズ断面図。
【図14】本発明の実施形態5に対応する数値実施例5の広角端における収差図。
【図15】本発明の実施形態5に対応する数値実施例5の望遠端における収差図。
【符号の説明】
d d線
g g線
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
M メリディオナル像面
IP 像面
SP 絞り
S.C 正弦条件
S サジタル像面
Claims (7)
- 物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群と負の屈折力を有する第2レンズ群を有し、前記各レンズ群間の空気間隔を変化させて変倍を行うズームレンズにおいて、
前記第1レンズ群は、物体側から順に正の第11レンズ、負の第12レンズ、正の第13レンズを含み、
前記第2レンズ群は、物体側から順に、少なくとも1面の非球面を有する正の第21レンズ、負の第22レンズで構成され、
該光学系中全ての正レンズの硝材の平均屈折率をNp、
全ての負レンズの硝材の平均屈折率をNn、
第1レンズ群の焦点距離をf1、望遠端における全系の焦点距離をftとしたとき、
以下の条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
Np<1.57
1.03<Nn/Np<1.13
0.1<f1/ft<0.3 - 前記第2レンズ群の広角端での結像倍率をβ2w、望遠端での結像倍率をβ2tとしたとき、以下の条件式を満足することを特徴とした請求項1に記載のズームレンズ。
1.9<β2t/β2w<3.7 - 前記第2レンズ群の焦点距離をf2としたとき、以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から2に記載のズームレンズ。
0.1<|f2|/ft<0.3 - 前記第1レンズ群は、物体側から順に正の第11レンズ、負の第12レンズ、正の第13レンズ、正の第14レンズにて構成されることを特徴とする請求項1から3に記載のズームレンズ。
- 前記第21レンズは樹脂材質で成形された非球面レンズであることを特徴とする請求項1から4に記載のズームレンズ。
- 前記第1レンズ群中の正レンズの焦点距離の平均値をfp1、前記第1レンズ群中の正レンズの硝材の平均屈折率をNp1としたとき、以下の条件を満足するとこを特徴とする請求項1から5に記載のズームレンズ。
30<Np1・fp1<60 - 前記第11レンズは物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ、前記第12レンズは両凹形状の負レンズ、前記第13レンズは両凸形状の正レンズ、前記第14レンズは正レンズ、前記第21レンズは非球面を含み、中心付近の形状が像面側に凸面を向けた正メニスカスレンズ、前記第22レンズは像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズであることを特徴とした請求項1から6に記載のズームレンズ。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106249385A (zh) * | 2016-08-31 | 2016-12-21 | 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 | 一种适用于远距离成像的长焦距复消色差光学镜头 |
TWI679445B (zh) * | 2016-05-19 | 2019-12-11 | 大陸商信泰光學(深圳)有限公司 | 成像鏡頭(十一) |
CN114047596A (zh) * | 2021-10-25 | 2022-02-15 | 福建福光股份有限公司 | 一种车内监控光学镜头 |
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2003
- 2003-04-24 JP JP2003119883A patent/JP2004325753A/ja not_active Withdrawn
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