JP2004325267A - 薄膜の残留応力測定装置並びに薄膜の残留応力測定方法 - Google Patents
薄膜の残留応力測定装置並びに薄膜の残留応力測定方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】高温度雰囲気中でX線回折を活用し側傾法を用いて測定する薄膜の残留応力測定装置及び薄膜の残留応力測定方法を提供する。
【解決手段】薄膜試料の回折X線を測定して格子面間隔と試料測定傾斜角から残留応力を算出する残留応力測定装置において、X線源と、X線源の光軸上に配置されX線源を収束する収束部と、前記薄膜試料に照射して回折されたX線波を所定の角度で検出するように移動可能に配置される検出部と、前記薄膜試料を搭載する搭載平面の法線方向を含む直交3軸それぞれを中心として回転可能に構成されてかつ前記薄膜試料を加熱するヒータを備えて前記X線源と前記検出部から所定の距離を設けて配置されるステージと、これらのX線源と回転軸とヒータを制御して検出部の検出した回折X線信号を測定する測定プログラムと、所定の強度の回折X線信号から格子面間隔を算出する格子面間隔算出プログラムと試料傾斜角度と格子面間隔から残留応力を算出する演算プログラムを含む中央演算部を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】薄膜試料の回折X線を測定して格子面間隔と試料測定傾斜角から残留応力を算出する残留応力測定装置において、X線源と、X線源の光軸上に配置されX線源を収束する収束部と、前記薄膜試料に照射して回折されたX線波を所定の角度で検出するように移動可能に配置される検出部と、前記薄膜試料を搭載する搭載平面の法線方向を含む直交3軸それぞれを中心として回転可能に構成されてかつ前記薄膜試料を加熱するヒータを備えて前記X線源と前記検出部から所定の距離を設けて配置されるステージと、これらのX線源と回転軸とヒータを制御して検出部の検出した回折X線信号を測定する測定プログラムと、所定の強度の回折X線信号から格子面間隔を算出する格子面間隔算出プログラムと試料傾斜角度と格子面間隔から残留応力を算出する演算プログラムを含む中央演算部を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、薄膜の残留応力測定装置並びに薄膜の残留応力測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
材料中の残留応力は、X線回折法を用いて行なわれている。X線回折法は、単色化して波長λのX線を材料の試料表面に対して入射角θで入射した時に散乱角2θの角度に回折したX線を観測し、得られた回折線の散乱角2θから、
【数1】
2d・sinθ=λ
の式(数1)に従って、回折に寄与した原子面の面間隔dを測定する手法である。入射角θは、X線源と試料面の角度を変えることで変更可能である。一方、X線の波長は、X線管のターゲットに使用する素材を、銅、銀、金、クロム、コバルト、タングステン、モリブデン、鉄等に変えることで変更可能である。さらに、シンクロトロン放射光等を使用することで連続的に変更させることも可能である。
【0003】
図4を用いて、残留応力測定方法について示す。図4の水平方向をx及びy方向とし、鉛直方向をz方向とする。試料面内の応力σxは、材料の曲げ剛性であるヤング率Eと、縦歪と横歪の比であるポアソン比ν、(φ、ψ)方向の歪εφ , ψと、2次元方向の各応力である主応力σ1、σ2を用いると次式(数2)で示される。
【0004】
【数2】
【0005】
また、歪εφ , ψはその方向の結晶面間隔dφ , ψと無歪状態の結晶面間隔d0を用いて(dφ , ψ−d0)/d0で求められるため、dφ , ψは次式(数3)のように示される。
【0006】
【数3】
【0007】
ここで、d0は未知数であるが、一般的な面内均一等方応力の場合はσ1=σ2=σxとなり式(数3)よりsin2ψ=2ν/(1+ν)におけるdφ , ψをd0とみなして式(数3)よりσxが求められる。
【0008】
従来、X線回折を用いた残留応力解析は、被測定試料をX線回折計に対して入射X線と平行に傾ける手法(並傾法)や入射X線と直行する方向に試料を傾ける手法(側傾法)を用いて評価されてきた。しかし、高温度雰囲気中で残留応力の解析においてX線回折法を用いて行なう場合、装置の制限から手法が並傾法に限られていた。
【0009】
例えば、X線回折における高温度雰囲気中の解析装置として特許文献1が提案されている。特許文献1は、高温ステージの概念や示差熱分析計とX線回折装置を組み合わせ、主に試料の熱の吸収具合とX線回折から被測定試料の結晶の形態の変体に関する調査を行なう装置が開示されている。
【0010】
また、特許文献2は、試料の表面近傍のみの残留応力を定量性よく評価するための手法が開示されている。試料の表面近傍ではX線が全反射する臨界角度があり、これによりX線が屈折するため見かけ上回折角度がシフトする。この影響を除去する手法が開示される。
【0011】
さらに、特許文献3は、試料と温度制御装置を介在させた場合でも散乱X線の影響を受けることなく精度の高いX線回折測定を行なうことのできるX線応力装置である。X線窓が金属膜で被覆されてX線が散乱されるが散乱X線を除去する手法が示されている。また、X線残留応力測定については並傾法のみが実施可能である。
【0012】
【特許文献1】
特開平10−19815号公報(全項、全図)
【特許文献2】
特開2000−275113号公報(全項、全図)
【特許文献3】
特開平5−187937号公報(全項、全図)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
以上の特許文献1乃至3を含め、側傾法は並傾法に対して有利な点を3点有している。
【0014】
第一の有利な点は、試料を90°まで傾斜させることができる点である。従来の並傾法を用いた場合は試料表面に対してX線の入射角度による制限のため、試料の傾斜角を入射角度以上に傾斜させることができない。しかし、薄膜材料のように回折に寄与する原子数が極端に少ない場合は、散乱X線の強度が十分測定可能となる散乱角度2θの低角度領域での測定を行なう必要がある。このため散乱角度2θの低角度領域の測定のできない並傾法では、薄膜の残留応力測定が困難である。残留応力測定は、式(数3)に示すとおり、傾き角度ψにおけるsin2ψに対する格子面間隔dの変化から評価する手法であるがゆえ、大きな傾き角度の取れる側傾法は残留応力測定を可能とすると共に、測定精度を向上させることができる手法である。
【0015】
第二の有利な点は、薄膜試料を用いた場合、大きな入射角度に対するX線の回折強度が著しく弱いため、通常は極低角度であり、入射角度で30度程度までの回折線のみが観測される。ここで、並傾法を用いると試料は30度までしか傾けることができないが、側傾法ではさらなる傾斜が可能であるため精度が向上する。
【0016】
第三の有利な点は、薄膜の測定にはさらに大きな傾斜角度のみで回折線が観測される場合があり、その場合は、側傾法でのみ測定可能となる。
【0017】
しかしながら、従来は加熱装置と側傾法の両立は困難であった。
【0018】
例えば、特許文献1では、残留応力の測定手法や側傾法の具体的な実現方法は開示されていない。また、特許文献2の提案では、温度印加や、薄膜の残留応力の変化の評価を対象としておらず、入射角度を正確に制御するため側傾法の適用ができないという課題を有している。
【0019】
さらに、特許文献3は、並傾法のみが対応可能であり、側傾法についての対応ができないものである。
【0020】
そこで、本発明の目的は、高温度雰囲気中でX線回折を活用して側傾法を用いて測定する薄膜の残留応力測定装置及び薄膜の残留応力測定方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明に係る薄膜の残留応力測定装置は、薄膜試料の回折X線を測定して格子面間隔と試料測定傾斜角から残留応力を算出する残留応力測定装置において、X線源と、X線源の光軸上に配置されX線源を収束する収束部と、前記薄膜試料に照射して回折されたX線波を所定の角度で検出するように移動可能に配置される検出部と、前記薄膜試料を搭載する搭載平面の法線方向を含む直交3軸それぞれを中心として回転可能に構成されてかつ前記薄膜試料を加熱するヒータを備えて前記X線源と前記検出部から所定の距離を設けて配置されるステージと、これらのX線源と回転軸とヒータを制御して検出部の検出した回折X線信号を測定する測定プログラムと、所定の強度の回折X線信号から格子面間隔を算出する格子面間隔と試料傾斜角度とから残留応力を算出する演算プログラムを含む中央演算部を備える。
【0022】
請求項2に記載の発明は、前記ステージが、直交3軸方向への平行移動を可能にする駆動装置と接合されることを特徴とする。
【0023】
本発明に係る薄膜の残留応力測定方法は、薄膜の残留応力測定装置を用いて、予め定めた温度で前記薄膜試料を搭載する搭載平面の法線方向を含む直交3軸を回転させて回折X線を測定する工程と、試料の傾斜角と回折X線から算出される格子面間隔とから残留応力を算出する。
【0024】
請求項4に記載の発明は、薄膜の配向度測定装置を用いて、予め定めた温度で特定の時間経過後に薄膜試料を搭載する搭載平面の法線方向を含む直交3軸を回転させて回折X線を測定する工程と、試料の傾斜角と回折X線から算出される格子面間隔とから残留応力を算出する工程と、算出された残留応力と時間当たりの変化率から時間当たりの残留応力変化率を算出する。
【0025】
請求項5に記載の発明は、X線反射率を測定する工程において、前記ステージを直交3軸方向への平行移動させることで面分布測定することを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について添付の図1により説明する。
【0027】
図1に示す本発明に係る薄膜の残留応力測定装置1は、円盤状の試料ステージ2と、試料ステージ2の中央に備えられて試料3を試料ステージ2に固定する試料固定具4とを有する。
【0028】
試料ステージ2は、試料を搭載して固定する保持構造と試料を加熱及び保温する加熱構造と試料を搭載した状態で所定の方向に平行移動させる平行移動構造と所定の軸の周りに回転させる回転移動構造を備える。
【0029】
保持構造は、試料ステージ2上に設けられる試料固定具4によって達成される。この試料固定具4は、試料3を固定するための熱伝導率の高い固定装置であり試料ステージ2の移動によって試料3の落下等が発生しないよう固定する機能を備える。また、ステージ2上には試料3を有機材料PEEK48で覆われる。この有機材料PEEK48によって覆われることでX線が散乱されない効果を有する。
【0030】
加熱構造は、ヒータ6によって達成され、電熱ヒータ又はセラミックヒータによって実現される。ヒータ6は、試料ステージ2内に埋め込まれて配置され、試料ステージ2の回転動作に支障をきたすことなく試料3を加熱できるように構成される。
【0031】
平行移動構造は、X線源10と検出器12を結ぶ線分を試料の水平面に投影した方向をX軸とし、X軸に垂直な水平方向をY軸方向とし鉛直方向をZ軸とした際に、試料及び試料ステージ2をX軸方向に移動するよう駆動するのがX軸平行移動モータ5であり、同じく試料及び試料ステージ2をY軸方向に移動するよう駆動するのがY軸平行移動モータ7であり、Z軸方向に移動するよう駆動するのがZ軸平行移動モータ9である。このX軸平行移動モータ5と、Y軸平行移動モータ7と、Z軸平行移動モータ9により試料上の異なる複数の点で測定が可能となり面分布測定が可能となる。
【0032】
回転移動構造は、試料ステージ2の水平面の法線軸(φ軸)を中心として試料ステージ2を駆動させるφ軸回転駆動用モータ8と、X線を照射するX線源10と、試料ステージ2に対してX線源10とほぼ対称となる位置に移動可能に配置される検出器12対して、X線源10と検出器12を結ぶ方向と平行な軸(χ軸)を中心として試料ステージ2を駆動させるχ軸回転駆動用モータ14と、φ軸とχ軸と何れにも垂直な軸(θ軸)を中心として試料ステージ2を駆動させるθ軸回転駆動用モータ16から構成される。
【0033】
φ軸回転駆動用モータ8は、試料3の結晶方位を制御するためのモータである。好適にはステッピングモータで構成され、任意の回転角への設定が可能となるよう制御される。
【0034】
X線源10は、X線管球から採取される構成とされる。X線管球のターゲット金属は、銅、鉄、コバルト、クロム、タングステン、モリブデン、金、銀等から構成される。X線源10から出射されたX線は、さらに予め配置されるX線導波路19を通過して収束される。
【0035】
検出器12は、プロポーショナルカウンターから構成され、検出器用モータ18で駆動されて試料3に対する回折角が任意に設定されるように回動可能に配置される。但し、本発明では、入射角θに対して散乱角2θとなる角度で検出するように配置される。
【0036】
χ軸回転駆動用モータ14は、試料3がX線源10と検出器12を結ぶ方向と平行な軸(χ軸)を中心として回転するよう試料ステージ2を駆動させる駆動源であり、試料ステージ2を回転させる。
【0037】
さらに、これらの各要素機器はコンピュータ20と接続される。コンピュータ20は、X線の光源の制御を行なう線源制御部22を介してX線源10と電気的に接続される。さらに試料面に接続される熱電対等の温度計24の測定電圧をデジタル化するADコンバータ26を介してコンピュータ20に接続される。また、ヒータ6と接続されてヒータ温度を制御するヒータコントローラ28もコンピュータ20と接続される。さらに、モータ8、14、16、18もコンピュータ20と接続される。検出器12は、モータ18がコンピュータ20と接続されると共に、検出器12の出力を増幅する増幅器30と、増幅器30の出力信号をAD変換するADコンバータ32と接続されてコンピュータ20と接続される。
【0038】
一方、コンピュータ20は、その内部メモリに、試料3と検出器12の位置を制御し計測値を収集する計測プログラム34と、計測値から応力を算出する応力算出プログラム36が搭載される。
【0039】
さらに、コンピュータ20は、X線の波長などの測定に依存しない基本データを記録する基本データベース40と、測定の際の測定温度や、測定角度等の入力情報を記録する入力値データベース42と、計測された回折強度値と温度値を記録する計測値データベース44と、計測値から算出したψと、sin2ψと、dφ , ψと、ψ−sin2ψグラフにおける傾きと、σxとからなるデータが記録される残留応力データベース46がいずれも接続される。
【0040】
以下、上記構成により成る薄膜の残留応力測定装置1の動作について説明する。先ず温度変化による残留応力測定のフローを図2に示す。残留応力測定装置1の試料ステージ2にサンプルを試料固定具4で固定する(A2)。本実施例では、測定対象は、シリコン基板上に堆積した50nmの膜厚の白金薄膜である。測定温度は、30、200、400、600、800℃である。本白金薄膜の面方位は(111)面である。散乱角度2θは40°であり、入射角θ=20°である。
【0041】
次にコンピュータ20の図示されないモニタに測定メニュ画面が表示されて、温度変化と時間経過変化のいずれを観察するかを設定し、測定すべき温度及び測定すべき角度等の入力項目が用意されてこの測定を行なうオペレータが測定条件を入力する(A4)。測定条件は、試料を構成する原子および原子番号、試料面上の測定範囲、すなわち、1点のみの測定か、複数点の測定なのかを入力する。1点のみの測定の場合は、測定ポイントの座標を入力する。一方、複数点の場合は、測定すべき点全ての座標か、第1測定点とそれ以降の測定点までの距離と方向とを指定してその旨予め定められた形式で入力する。または、予め定めた形状を特定間隔毎にグリッドを定めて測定する等の選択及び入力を行なう。これら入力された条件は、計測プログラム34がコンピュータ20から全て入力値データベース42に記録する。
【0042】
続いて、入力された条件を元に加熱、または保温工程が開始される(A6)。計測プログラム34がコンピュータ20よりヒータコントローラ28を制御してヒータ6を電圧制御する。例えば常温の測定場合は、加熱せずに温度を維持し、高温の場合はヒータ6で加熱させて所定の温度に到達させて維持する。その温度は、温度計24で温度を測定し、ヒータ制御へ測定温度情報をフィードバックして、設定温度からの高温へ上昇した場合はヒータ8への電源供給を停止し、設定温度より低下した場合は、ヒータ8への供給電流を増大させて温度低下を防止する。
【0043】
そこで、計測予定温度に到達すると、計測プログラム34が、コンピュータ20よりモータ5、7、9、8、14、16、18で試料ステージ2と検出器12を入力された条件に基づいてその位置(X、Y、Z、及びθ、φ、χ)を設定し、傾斜角であるχを−71°から+71°に変更して測定する。線源制御部22を駆動してX線源10からX線の照射を開始させ、検出器12が測定を開始する(A8)。検出器12からの検出信号は、増幅器30で増幅されて、ADコンバータ32でデジタル変換されて、コンピュータ20を経由して測定値データベース44に記録される。測定は、(図1に示すように)X線を試料に全反射臨界角度(入射角度スケールで約0.3°程度)で入射し、入射角度(θ)と散乱角度(2θ)を1:2の走査速度比で走査し、試料表面からの反射X線の強度信号を検出器で観測する(図1)。
【0044】
ここで、並傾法により残留応力を測定するために試料ステージ2は、その入射角θと散乱角2θを固定して、X線源10と検出器12を結ぶ方向と平行な軸(χ軸)をχ軸を中心として±71度回転させて煽り測定する。回折線の散乱角2θから、式(数1)を用いて計算された格子面間隔dを縦軸として、横軸をsin2χとするプロットを生成し、このd−sin2χグラフを生成する。残留応力は、このd−sin2χグラフの傾きに比例する。そこで、残留応力データベース46に記録される。
【0045】
残留応力は、d−sin2χグラフの傾きに比例するため、この傾きが0の場合は残留応力も0であり、傾きが大きくなるに従って残留応力も大きいものとなる。
【0046】
さらに、残留応力が+の値を、試料結晶に対する引っ張り応力と定義する。
【0047】
特定の温度測定が終了すると、先ず他の測定ポイントの測定の必要性の有無を判定する。この判定は、入力時に定められた測定ポイントと測定完了した測定ポイントを比較してCPUによって決定される。その結果全ての測定ポイントでの測定が終了していない場合は測定すべきポイントへ試料ステージ2をCPUがX軸平行移動モータ5と、Y軸平行移動モータ7と、Z軸平行移動モータ9を制御して移動させ測定を行なう。全ての測定ポイントでの測定が終了した場合は、入力条件に基づいて温度上昇の必要性を計測プログラム34が判定して(A10)、温度上昇の必要性がある場合は工程A6へ戻る。温度上昇の必要性がない場合すなわち、図5のように30、100、200、400、600、800度における測定及び全ての測定ポイントでの測定が完了した場合は、次工程の応力測定の算出を開始する。
【0048】
応力測定プログラム36は、図5に示すように各温度で計測されたd及びsin2χについて先ずその傾きを決定するための各温度におけるd−sin2χグラフを定める。図5は、(a)が残留応力測定装置によって計測された30℃におけるd−sin2χグラフであり、(b)が残留応力測定装置によって計測された200℃におけるd−sin2χグラフであり、(c)が残留応力測定装置によって計測された400℃におけるd−sin2χグラフであり、(d)が残留応力測定装置によって計測された600℃におけるd−sin2χグラフであり、(e)が残留応力測定装置によって計測された800℃におけるd−sin2χグラフである。
【0049】
次に応力測定プログラム36は、d−sin2χグラフで求まった傾き情報と、温度より、温度対残留応力の依存性を示すグラフ図6を算出して図示されないモニターに表示すことができる(A12)。
【0050】
続いて、同じ温度において残留応力変化を測定する時分割測定について図3を利用して説明する。残留応力測定装置1の試料ステージ2にサンプルを試料固定具4で固定する(B2)。
【0051】
次にコンピュータ20の図示されないモニタに測定メニュ画面が表示されて、温度変化と時間経過変化のいずれを観察するかを設定し、測定すべき時間間隔及び測定すべき角度等の測定条件を入力する(B4)。これら入力された条件は、計測プログラム34がコンピュータ20から全て入力値データベース42に記録する。
【0052】
続いて、入力された条件より設定温度まで加熱して保温する工程が開始される(B6)。例えば常温の測定場合は、加熱せずに温度を維持し、高温の場合はヒータ8で加熱させて所定の温度に到達させて維持する。その温度は、温度計24で温度を測定し、ヒータ制御へ測定温度情報をフィードバックして、設定温度からの高温へ上昇した場合はヒータコントローラ8を駆動させてヒータ6への電源供給を停止し、設定温度より低下した場合は、ヒータ6への供給電流を増大させて温度低下を防止する。
【0053】
そこで、計測予定温度に到達すると、計測プログラム34が、コンピュータ20よりモータ5、7、9、8、14、16、18で試料ステージ2と検出器12を入力された条件に基づいてその位置(X、Y、Z、及びθ、φ、χ)を設定し、線源制御部22を駆動してX線の照射を開始させ、検出器12が測定を開始する(B8)。検出器12からの検出信号は、増幅器30で増幅されて、ADコンバータ32でデジタル変換されて、コンピュータ20を経由して測定値データベース44に記録される。
【0054】
そこで、計測予定温度に到達すると、計測プログラム34が、コンピュータ20よりモータ5、7、9、8、14、16、18で試料ステージ2と検出器12を入力された条件に基づいてその位置(X、Y、Z、及びθ、φ、χ)を設定し、傾斜角であるχを−71°から+71°に変更して測定する。線源制御部22を駆動してX線源10からX線の照射を開始させ、検出器12が測定を開始する。
【0055】
入射角を変化させる測定が終了すると、入力条件に基づいて更なる時間経過後に測定する必要性を入力条件より計測プログラム34が判定して、時間経過後に測定する必要性がある場合は工程B6を行い、時間経過後に測定する必要性がない場合すなわち、各時間経過後ごとの測定が完了した場合は、次工程の配向性の算出を開始する(B10)。
【0056】
応力測定プログラム36は、各時刻で計測されたd及びsin2χについて先ずその傾きを決定するための各経過時間におけるd−sin2χグラフを定める。
【0057】
次に応力測定プログラム36は、d−sin2χグラフで求まった傾き情報と、経過時間より、時間対残留応力の依存性を示すグラフ図6を算出して図示されないモニタに表示すことができる(B12)。
【0058】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれるものである。例えば、X線源として複数のターゲットを提案したが、さらにシンクロトロン放射光施設のビームラインから取り出される連続した周波数成分を有するX線源に対して本発明を適用することも十分可能である。
【0059】
また、本発明では検出器として電離ガス内をX線の通過することで発生する電流を計測するプロポーショナルカウンタ使用されているが、このカウンタに限定されるものではなく、X線の通過により発生するシンチレーション光を光電子検出するシンチレーションカウンタや、pin接合型の半導体素子をX線が通過することで検出される半導体検出器や、複数の検出器または陽極等を1次元または2次元方向に配列することで同時に複数の信号を位置情報を含めて検出可能なプロポーショナルカウンタ型位置敏感型検出器を使用することでも本発明を実現することができる。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、高温度雰囲気中でX線回折を活用して側傾法を用いて測定する薄膜の残留応力測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜の残留応力測定装置のシステム構成図である。
【図2】本発明に係る薄膜の残留応力温度依存性測定方法のフローチャートである。
【図3】本発明に係る薄膜の残留応力変化率測定方法のフローチャートである。
【図4】本発明に係る薄膜の残留応力測定の概念図である。
【図5】(a)は残留応力測定装置によって計測された30℃におけるd−sin2χグラフであり、(b)は残留応力測定装置によって計測された200℃におけるd−sin2χグラフであり、(c)は残留応力測定装置によって計測された400℃におけるd−sin2χグラフであり、(d)は残留応力測定装置によって計測された600℃におけるd−sin2χグラフであり、(e)は残留応力測定装置によって計測された800℃におけるd−sin2χグラフである。
【図6】本発明に係る薄膜の残留応力測定方法によるd−sin2χグラフで求まった傾き情報と、温度より、温度対残留応力の依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 残留応力測定装置
2 試料ステージ
3 試料
4 試料固定具
5 X軸平行移動モータ
6 ヒータ
7 Y軸平行移動モータ
8 φ軸回転駆動用モータ
9 Z軸平行移動モータ
10 X線源
12 検出器
14 χ軸回転駆動用モータ
16 θ軸回転駆動用モータ
18 検出器用モータ
19 X線導波路
20 コンピュータ
22 線源制御部
24 温度計
26 ADコンバータ
28 ヒータコントローラ
30 増幅器
32 ADコンバータ
34 計測プログラム
36 残留応力算出プログラム
40 基本データベース
42 入力値データベース
44 計測値データベース
46 残留応力データベース
48 有機材料PEEK
【産業上の利用分野】
本発明は、薄膜の残留応力測定装置並びに薄膜の残留応力測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
材料中の残留応力は、X線回折法を用いて行なわれている。X線回折法は、単色化して波長λのX線を材料の試料表面に対して入射角θで入射した時に散乱角2θの角度に回折したX線を観測し、得られた回折線の散乱角2θから、
【数1】
2d・sinθ=λ
の式(数1)に従って、回折に寄与した原子面の面間隔dを測定する手法である。入射角θは、X線源と試料面の角度を変えることで変更可能である。一方、X線の波長は、X線管のターゲットに使用する素材を、銅、銀、金、クロム、コバルト、タングステン、モリブデン、鉄等に変えることで変更可能である。さらに、シンクロトロン放射光等を使用することで連続的に変更させることも可能である。
【0003】
図4を用いて、残留応力測定方法について示す。図4の水平方向をx及びy方向とし、鉛直方向をz方向とする。試料面内の応力σxは、材料の曲げ剛性であるヤング率Eと、縦歪と横歪の比であるポアソン比ν、(φ、ψ)方向の歪εφ , ψと、2次元方向の各応力である主応力σ1、σ2を用いると次式(数2)で示される。
【0004】
【数2】
【0005】
また、歪εφ , ψはその方向の結晶面間隔dφ , ψと無歪状態の結晶面間隔d0を用いて(dφ , ψ−d0)/d0で求められるため、dφ , ψは次式(数3)のように示される。
【0006】
【数3】
【0007】
ここで、d0は未知数であるが、一般的な面内均一等方応力の場合はσ1=σ2=σxとなり式(数3)よりsin2ψ=2ν/(1+ν)におけるdφ , ψをd0とみなして式(数3)よりσxが求められる。
【0008】
従来、X線回折を用いた残留応力解析は、被測定試料をX線回折計に対して入射X線と平行に傾ける手法(並傾法)や入射X線と直行する方向に試料を傾ける手法(側傾法)を用いて評価されてきた。しかし、高温度雰囲気中で残留応力の解析においてX線回折法を用いて行なう場合、装置の制限から手法が並傾法に限られていた。
【0009】
例えば、X線回折における高温度雰囲気中の解析装置として特許文献1が提案されている。特許文献1は、高温ステージの概念や示差熱分析計とX線回折装置を組み合わせ、主に試料の熱の吸収具合とX線回折から被測定試料の結晶の形態の変体に関する調査を行なう装置が開示されている。
【0010】
また、特許文献2は、試料の表面近傍のみの残留応力を定量性よく評価するための手法が開示されている。試料の表面近傍ではX線が全反射する臨界角度があり、これによりX線が屈折するため見かけ上回折角度がシフトする。この影響を除去する手法が開示される。
【0011】
さらに、特許文献3は、試料と温度制御装置を介在させた場合でも散乱X線の影響を受けることなく精度の高いX線回折測定を行なうことのできるX線応力装置である。X線窓が金属膜で被覆されてX線が散乱されるが散乱X線を除去する手法が示されている。また、X線残留応力測定については並傾法のみが実施可能である。
【0012】
【特許文献1】
特開平10−19815号公報(全項、全図)
【特許文献2】
特開2000−275113号公報(全項、全図)
【特許文献3】
特開平5−187937号公報(全項、全図)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
以上の特許文献1乃至3を含め、側傾法は並傾法に対して有利な点を3点有している。
【0014】
第一の有利な点は、試料を90°まで傾斜させることができる点である。従来の並傾法を用いた場合は試料表面に対してX線の入射角度による制限のため、試料の傾斜角を入射角度以上に傾斜させることができない。しかし、薄膜材料のように回折に寄与する原子数が極端に少ない場合は、散乱X線の強度が十分測定可能となる散乱角度2θの低角度領域での測定を行なう必要がある。このため散乱角度2θの低角度領域の測定のできない並傾法では、薄膜の残留応力測定が困難である。残留応力測定は、式(数3)に示すとおり、傾き角度ψにおけるsin2ψに対する格子面間隔dの変化から評価する手法であるがゆえ、大きな傾き角度の取れる側傾法は残留応力測定を可能とすると共に、測定精度を向上させることができる手法である。
【0015】
第二の有利な点は、薄膜試料を用いた場合、大きな入射角度に対するX線の回折強度が著しく弱いため、通常は極低角度であり、入射角度で30度程度までの回折線のみが観測される。ここで、並傾法を用いると試料は30度までしか傾けることができないが、側傾法ではさらなる傾斜が可能であるため精度が向上する。
【0016】
第三の有利な点は、薄膜の測定にはさらに大きな傾斜角度のみで回折線が観測される場合があり、その場合は、側傾法でのみ測定可能となる。
【0017】
しかしながら、従来は加熱装置と側傾法の両立は困難であった。
【0018】
例えば、特許文献1では、残留応力の測定手法や側傾法の具体的な実現方法は開示されていない。また、特許文献2の提案では、温度印加や、薄膜の残留応力の変化の評価を対象としておらず、入射角度を正確に制御するため側傾法の適用ができないという課題を有している。
【0019】
さらに、特許文献3は、並傾法のみが対応可能であり、側傾法についての対応ができないものである。
【0020】
そこで、本発明の目的は、高温度雰囲気中でX線回折を活用して側傾法を用いて測定する薄膜の残留応力測定装置及び薄膜の残留応力測定方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明に係る薄膜の残留応力測定装置は、薄膜試料の回折X線を測定して格子面間隔と試料測定傾斜角から残留応力を算出する残留応力測定装置において、X線源と、X線源の光軸上に配置されX線源を収束する収束部と、前記薄膜試料に照射して回折されたX線波を所定の角度で検出するように移動可能に配置される検出部と、前記薄膜試料を搭載する搭載平面の法線方向を含む直交3軸それぞれを中心として回転可能に構成されてかつ前記薄膜試料を加熱するヒータを備えて前記X線源と前記検出部から所定の距離を設けて配置されるステージと、これらのX線源と回転軸とヒータを制御して検出部の検出した回折X線信号を測定する測定プログラムと、所定の強度の回折X線信号から格子面間隔を算出する格子面間隔と試料傾斜角度とから残留応力を算出する演算プログラムを含む中央演算部を備える。
【0022】
請求項2に記載の発明は、前記ステージが、直交3軸方向への平行移動を可能にする駆動装置と接合されることを特徴とする。
【0023】
本発明に係る薄膜の残留応力測定方法は、薄膜の残留応力測定装置を用いて、予め定めた温度で前記薄膜試料を搭載する搭載平面の法線方向を含む直交3軸を回転させて回折X線を測定する工程と、試料の傾斜角と回折X線から算出される格子面間隔とから残留応力を算出する。
【0024】
請求項4に記載の発明は、薄膜の配向度測定装置を用いて、予め定めた温度で特定の時間経過後に薄膜試料を搭載する搭載平面の法線方向を含む直交3軸を回転させて回折X線を測定する工程と、試料の傾斜角と回折X線から算出される格子面間隔とから残留応力を算出する工程と、算出された残留応力と時間当たりの変化率から時間当たりの残留応力変化率を算出する。
【0025】
請求項5に記載の発明は、X線反射率を測定する工程において、前記ステージを直交3軸方向への平行移動させることで面分布測定することを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について添付の図1により説明する。
【0027】
図1に示す本発明に係る薄膜の残留応力測定装置1は、円盤状の試料ステージ2と、試料ステージ2の中央に備えられて試料3を試料ステージ2に固定する試料固定具4とを有する。
【0028】
試料ステージ2は、試料を搭載して固定する保持構造と試料を加熱及び保温する加熱構造と試料を搭載した状態で所定の方向に平行移動させる平行移動構造と所定の軸の周りに回転させる回転移動構造を備える。
【0029】
保持構造は、試料ステージ2上に設けられる試料固定具4によって達成される。この試料固定具4は、試料3を固定するための熱伝導率の高い固定装置であり試料ステージ2の移動によって試料3の落下等が発生しないよう固定する機能を備える。また、ステージ2上には試料3を有機材料PEEK48で覆われる。この有機材料PEEK48によって覆われることでX線が散乱されない効果を有する。
【0030】
加熱構造は、ヒータ6によって達成され、電熱ヒータ又はセラミックヒータによって実現される。ヒータ6は、試料ステージ2内に埋め込まれて配置され、試料ステージ2の回転動作に支障をきたすことなく試料3を加熱できるように構成される。
【0031】
平行移動構造は、X線源10と検出器12を結ぶ線分を試料の水平面に投影した方向をX軸とし、X軸に垂直な水平方向をY軸方向とし鉛直方向をZ軸とした際に、試料及び試料ステージ2をX軸方向に移動するよう駆動するのがX軸平行移動モータ5であり、同じく試料及び試料ステージ2をY軸方向に移動するよう駆動するのがY軸平行移動モータ7であり、Z軸方向に移動するよう駆動するのがZ軸平行移動モータ9である。このX軸平行移動モータ5と、Y軸平行移動モータ7と、Z軸平行移動モータ9により試料上の異なる複数の点で測定が可能となり面分布測定が可能となる。
【0032】
回転移動構造は、試料ステージ2の水平面の法線軸(φ軸)を中心として試料ステージ2を駆動させるφ軸回転駆動用モータ8と、X線を照射するX線源10と、試料ステージ2に対してX線源10とほぼ対称となる位置に移動可能に配置される検出器12対して、X線源10と検出器12を結ぶ方向と平行な軸(χ軸)を中心として試料ステージ2を駆動させるχ軸回転駆動用モータ14と、φ軸とχ軸と何れにも垂直な軸(θ軸)を中心として試料ステージ2を駆動させるθ軸回転駆動用モータ16から構成される。
【0033】
φ軸回転駆動用モータ8は、試料3の結晶方位を制御するためのモータである。好適にはステッピングモータで構成され、任意の回転角への設定が可能となるよう制御される。
【0034】
X線源10は、X線管球から採取される構成とされる。X線管球のターゲット金属は、銅、鉄、コバルト、クロム、タングステン、モリブデン、金、銀等から構成される。X線源10から出射されたX線は、さらに予め配置されるX線導波路19を通過して収束される。
【0035】
検出器12は、プロポーショナルカウンターから構成され、検出器用モータ18で駆動されて試料3に対する回折角が任意に設定されるように回動可能に配置される。但し、本発明では、入射角θに対して散乱角2θとなる角度で検出するように配置される。
【0036】
χ軸回転駆動用モータ14は、試料3がX線源10と検出器12を結ぶ方向と平行な軸(χ軸)を中心として回転するよう試料ステージ2を駆動させる駆動源であり、試料ステージ2を回転させる。
【0037】
さらに、これらの各要素機器はコンピュータ20と接続される。コンピュータ20は、X線の光源の制御を行なう線源制御部22を介してX線源10と電気的に接続される。さらに試料面に接続される熱電対等の温度計24の測定電圧をデジタル化するADコンバータ26を介してコンピュータ20に接続される。また、ヒータ6と接続されてヒータ温度を制御するヒータコントローラ28もコンピュータ20と接続される。さらに、モータ8、14、16、18もコンピュータ20と接続される。検出器12は、モータ18がコンピュータ20と接続されると共に、検出器12の出力を増幅する増幅器30と、増幅器30の出力信号をAD変換するADコンバータ32と接続されてコンピュータ20と接続される。
【0038】
一方、コンピュータ20は、その内部メモリに、試料3と検出器12の位置を制御し計測値を収集する計測プログラム34と、計測値から応力を算出する応力算出プログラム36が搭載される。
【0039】
さらに、コンピュータ20は、X線の波長などの測定に依存しない基本データを記録する基本データベース40と、測定の際の測定温度や、測定角度等の入力情報を記録する入力値データベース42と、計測された回折強度値と温度値を記録する計測値データベース44と、計測値から算出したψと、sin2ψと、dφ , ψと、ψ−sin2ψグラフにおける傾きと、σxとからなるデータが記録される残留応力データベース46がいずれも接続される。
【0040】
以下、上記構成により成る薄膜の残留応力測定装置1の動作について説明する。先ず温度変化による残留応力測定のフローを図2に示す。残留応力測定装置1の試料ステージ2にサンプルを試料固定具4で固定する(A2)。本実施例では、測定対象は、シリコン基板上に堆積した50nmの膜厚の白金薄膜である。測定温度は、30、200、400、600、800℃である。本白金薄膜の面方位は(111)面である。散乱角度2θは40°であり、入射角θ=20°である。
【0041】
次にコンピュータ20の図示されないモニタに測定メニュ画面が表示されて、温度変化と時間経過変化のいずれを観察するかを設定し、測定すべき温度及び測定すべき角度等の入力項目が用意されてこの測定を行なうオペレータが測定条件を入力する(A4)。測定条件は、試料を構成する原子および原子番号、試料面上の測定範囲、すなわち、1点のみの測定か、複数点の測定なのかを入力する。1点のみの測定の場合は、測定ポイントの座標を入力する。一方、複数点の場合は、測定すべき点全ての座標か、第1測定点とそれ以降の測定点までの距離と方向とを指定してその旨予め定められた形式で入力する。または、予め定めた形状を特定間隔毎にグリッドを定めて測定する等の選択及び入力を行なう。これら入力された条件は、計測プログラム34がコンピュータ20から全て入力値データベース42に記録する。
【0042】
続いて、入力された条件を元に加熱、または保温工程が開始される(A6)。計測プログラム34がコンピュータ20よりヒータコントローラ28を制御してヒータ6を電圧制御する。例えば常温の測定場合は、加熱せずに温度を維持し、高温の場合はヒータ6で加熱させて所定の温度に到達させて維持する。その温度は、温度計24で温度を測定し、ヒータ制御へ測定温度情報をフィードバックして、設定温度からの高温へ上昇した場合はヒータ8への電源供給を停止し、設定温度より低下した場合は、ヒータ8への供給電流を増大させて温度低下を防止する。
【0043】
そこで、計測予定温度に到達すると、計測プログラム34が、コンピュータ20よりモータ5、7、9、8、14、16、18で試料ステージ2と検出器12を入力された条件に基づいてその位置(X、Y、Z、及びθ、φ、χ)を設定し、傾斜角であるχを−71°から+71°に変更して測定する。線源制御部22を駆動してX線源10からX線の照射を開始させ、検出器12が測定を開始する(A8)。検出器12からの検出信号は、増幅器30で増幅されて、ADコンバータ32でデジタル変換されて、コンピュータ20を経由して測定値データベース44に記録される。測定は、(図1に示すように)X線を試料に全反射臨界角度(入射角度スケールで約0.3°程度)で入射し、入射角度(θ)と散乱角度(2θ)を1:2の走査速度比で走査し、試料表面からの反射X線の強度信号を検出器で観測する(図1)。
【0044】
ここで、並傾法により残留応力を測定するために試料ステージ2は、その入射角θと散乱角2θを固定して、X線源10と検出器12を結ぶ方向と平行な軸(χ軸)をχ軸を中心として±71度回転させて煽り測定する。回折線の散乱角2θから、式(数1)を用いて計算された格子面間隔dを縦軸として、横軸をsin2χとするプロットを生成し、このd−sin2χグラフを生成する。残留応力は、このd−sin2χグラフの傾きに比例する。そこで、残留応力データベース46に記録される。
【0045】
残留応力は、d−sin2χグラフの傾きに比例するため、この傾きが0の場合は残留応力も0であり、傾きが大きくなるに従って残留応力も大きいものとなる。
【0046】
さらに、残留応力が+の値を、試料結晶に対する引っ張り応力と定義する。
【0047】
特定の温度測定が終了すると、先ず他の測定ポイントの測定の必要性の有無を判定する。この判定は、入力時に定められた測定ポイントと測定完了した測定ポイントを比較してCPUによって決定される。その結果全ての測定ポイントでの測定が終了していない場合は測定すべきポイントへ試料ステージ2をCPUがX軸平行移動モータ5と、Y軸平行移動モータ7と、Z軸平行移動モータ9を制御して移動させ測定を行なう。全ての測定ポイントでの測定が終了した場合は、入力条件に基づいて温度上昇の必要性を計測プログラム34が判定して(A10)、温度上昇の必要性がある場合は工程A6へ戻る。温度上昇の必要性がない場合すなわち、図5のように30、100、200、400、600、800度における測定及び全ての測定ポイントでの測定が完了した場合は、次工程の応力測定の算出を開始する。
【0048】
応力測定プログラム36は、図5に示すように各温度で計測されたd及びsin2χについて先ずその傾きを決定するための各温度におけるd−sin2χグラフを定める。図5は、(a)が残留応力測定装置によって計測された30℃におけるd−sin2χグラフであり、(b)が残留応力測定装置によって計測された200℃におけるd−sin2χグラフであり、(c)が残留応力測定装置によって計測された400℃におけるd−sin2χグラフであり、(d)が残留応力測定装置によって計測された600℃におけるd−sin2χグラフであり、(e)が残留応力測定装置によって計測された800℃におけるd−sin2χグラフである。
【0049】
次に応力測定プログラム36は、d−sin2χグラフで求まった傾き情報と、温度より、温度対残留応力の依存性を示すグラフ図6を算出して図示されないモニターに表示すことができる(A12)。
【0050】
続いて、同じ温度において残留応力変化を測定する時分割測定について図3を利用して説明する。残留応力測定装置1の試料ステージ2にサンプルを試料固定具4で固定する(B2)。
【0051】
次にコンピュータ20の図示されないモニタに測定メニュ画面が表示されて、温度変化と時間経過変化のいずれを観察するかを設定し、測定すべき時間間隔及び測定すべき角度等の測定条件を入力する(B4)。これら入力された条件は、計測プログラム34がコンピュータ20から全て入力値データベース42に記録する。
【0052】
続いて、入力された条件より設定温度まで加熱して保温する工程が開始される(B6)。例えば常温の測定場合は、加熱せずに温度を維持し、高温の場合はヒータ8で加熱させて所定の温度に到達させて維持する。その温度は、温度計24で温度を測定し、ヒータ制御へ測定温度情報をフィードバックして、設定温度からの高温へ上昇した場合はヒータコントローラ8を駆動させてヒータ6への電源供給を停止し、設定温度より低下した場合は、ヒータ6への供給電流を増大させて温度低下を防止する。
【0053】
そこで、計測予定温度に到達すると、計測プログラム34が、コンピュータ20よりモータ5、7、9、8、14、16、18で試料ステージ2と検出器12を入力された条件に基づいてその位置(X、Y、Z、及びθ、φ、χ)を設定し、線源制御部22を駆動してX線の照射を開始させ、検出器12が測定を開始する(B8)。検出器12からの検出信号は、増幅器30で増幅されて、ADコンバータ32でデジタル変換されて、コンピュータ20を経由して測定値データベース44に記録される。
【0054】
そこで、計測予定温度に到達すると、計測プログラム34が、コンピュータ20よりモータ5、7、9、8、14、16、18で試料ステージ2と検出器12を入力された条件に基づいてその位置(X、Y、Z、及びθ、φ、χ)を設定し、傾斜角であるχを−71°から+71°に変更して測定する。線源制御部22を駆動してX線源10からX線の照射を開始させ、検出器12が測定を開始する。
【0055】
入射角を変化させる測定が終了すると、入力条件に基づいて更なる時間経過後に測定する必要性を入力条件より計測プログラム34が判定して、時間経過後に測定する必要性がある場合は工程B6を行い、時間経過後に測定する必要性がない場合すなわち、各時間経過後ごとの測定が完了した場合は、次工程の配向性の算出を開始する(B10)。
【0056】
応力測定プログラム36は、各時刻で計測されたd及びsin2χについて先ずその傾きを決定するための各経過時間におけるd−sin2χグラフを定める。
【0057】
次に応力測定プログラム36は、d−sin2χグラフで求まった傾き情報と、経過時間より、時間対残留応力の依存性を示すグラフ図6を算出して図示されないモニタに表示すことができる(B12)。
【0058】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれるものである。例えば、X線源として複数のターゲットを提案したが、さらにシンクロトロン放射光施設のビームラインから取り出される連続した周波数成分を有するX線源に対して本発明を適用することも十分可能である。
【0059】
また、本発明では検出器として電離ガス内をX線の通過することで発生する電流を計測するプロポーショナルカウンタ使用されているが、このカウンタに限定されるものではなく、X線の通過により発生するシンチレーション光を光電子検出するシンチレーションカウンタや、pin接合型の半導体素子をX線が通過することで検出される半導体検出器や、複数の検出器または陽極等を1次元または2次元方向に配列することで同時に複数の信号を位置情報を含めて検出可能なプロポーショナルカウンタ型位置敏感型検出器を使用することでも本発明を実現することができる。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、高温度雰囲気中でX線回折を活用して側傾法を用いて測定する薄膜の残留応力測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜の残留応力測定装置のシステム構成図である。
【図2】本発明に係る薄膜の残留応力温度依存性測定方法のフローチャートである。
【図3】本発明に係る薄膜の残留応力変化率測定方法のフローチャートである。
【図4】本発明に係る薄膜の残留応力測定の概念図である。
【図5】(a)は残留応力測定装置によって計測された30℃におけるd−sin2χグラフであり、(b)は残留応力測定装置によって計測された200℃におけるd−sin2χグラフであり、(c)は残留応力測定装置によって計測された400℃におけるd−sin2χグラフであり、(d)は残留応力測定装置によって計測された600℃におけるd−sin2χグラフであり、(e)は残留応力測定装置によって計測された800℃におけるd−sin2χグラフである。
【図6】本発明に係る薄膜の残留応力測定方法によるd−sin2χグラフで求まった傾き情報と、温度より、温度対残留応力の依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 残留応力測定装置
2 試料ステージ
3 試料
4 試料固定具
5 X軸平行移動モータ
6 ヒータ
7 Y軸平行移動モータ
8 φ軸回転駆動用モータ
9 Z軸平行移動モータ
10 X線源
12 検出器
14 χ軸回転駆動用モータ
16 θ軸回転駆動用モータ
18 検出器用モータ
19 X線導波路
20 コンピュータ
22 線源制御部
24 温度計
26 ADコンバータ
28 ヒータコントローラ
30 増幅器
32 ADコンバータ
34 計測プログラム
36 残留応力算出プログラム
40 基本データベース
42 入力値データベース
44 計測値データベース
46 残留応力データベース
48 有機材料PEEK
Claims (5)
- 薄膜試料の回折X線を測定して格子面間隔と試料測定傾斜角から薄膜の残留応力を算出する残留応力測定装置において、X線源と、X線源の光軸上に配置されX線源を収束する収束部と、前記薄膜試料に照射して回折されたX線波を所定の角度で検出するように移動可能に配置される検出部と、前記薄膜試料を搭載する搭載平面の法線方向を含む直交3軸それぞれを中心として回転可能に構成されてかつ前記薄膜試料を加熱するヒータを備えて前記X線源と前記検出部から所定の距離を設けて配置されるステージと、これらのX線源と回転軸とヒータを制御して検出部の検出した回折X線信号を測定する測定プログラムと、所定の強度の回折X線信号から格子面間隔を算出する格子面間隔と試料傾斜角度とから残留応力を算出する演算プログラムを含む中央演算部を備える薄膜の残留応力測定装置。
- 前記ステージは、直交3軸方向への平行移動を可能にする駆動装置と接合されることを特徴とする請求項1記載の薄膜の残留応力測定装置。
- 請求項1記載の薄膜の残留応力測定装置を用いて、予め定めた温度で前記薄膜試料を搭載する搭載平面の法線方向を含む直交3軸を回転させて回折X線を測定する工程と、試料の傾斜角と回折X線から算出される格子面間隔とから残留応力を算出する薄膜の残留応力測定方法。
- 請求項1記載の薄膜の配向度測定装置を用いて、予め定めた温度で特定の時間経過後に薄膜試料を搭載する搭載平面の法線方向を含む直交3軸を回転させて回折X線を測定する工程と、試料の傾斜角と回折X線から算出される格子面間隔とから残留応力を算出する工程と、算出された残留応力と時間当たりの変化率から時間当たりの残留応力変化率を算出する薄膜の残留応力測定方法。
- X線反射率を測定する工程は、前記ステージを直交3軸方向への平行移動させることで面分布測定することを特徴とする請求項4に記載の薄膜の残留応力測定方法。
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