JP2004325033A - 空調制御装置、空調制御プログラム、空調制御方法、および空調制御システム - Google Patents

空調制御装置、空調制御プログラム、空調制御方法、および空調制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、緑化などされて空調負荷が比較的不均一になっているようなビル60などにおいても十分な省エネルギー効果を得ることができる空調制御装置30、空調制御プログラム31および空調制御方法を提供することにある。
【解決手段】空調制御装置30は、複数の空間を有する建造物60において所定の空間を空気調和する空気調和機10または空気調和システムを制御するための空調制御装置30であって、躯体温度取得手段33、および空調制御パラメータ導出手段31を備える。躯体温度取得手段33は、所定の空間に属する空間100a,100b,110a,110bを部分的に又は全体的に区画する躯体151,152の一部または全部の温度を、少なくとも空間100a,100b,110a,110b単位で取得する。空調制御パラメータ導出手段31は、躯体151,152の一部または全部の温度を利用して空調制御パラメータを導出する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和機または空気調和システムを制御する空調制御装置、空調制御プログラム空調制御方法、および空調制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、社会の省エネルギー化の促進が要望されている。この要望を受けて、近年製造される空気調和機、空気調和システムまたはその制御装置などには、省エネルギー制御機能が付加されるようになってきている。この省エネルギー制御機能の例としては、外気導入機能(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)や圧縮機の発停頻度低減機能(例えば、特許文献3参照。)、体感温度を考慮した設定温度制御機能(例えば、特許文献4参照。)などが挙げられる。これらの機能は、非常に優れており、快適性を維持しながらも空気調和機または空気調和システムの消費電力量をかなり低減することができる。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−141725号公報(第2−4項、図1)
【0004】
【特許文献2】
特開平7−167477号公報(第2−4項、図4)
【0005】
【特許文献3】
特開2002−61925号公報(第3−21項、図1)
【0006】
【特許文献4】
特許第3139079号明細書(第2−5項、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、ヒートアイランド現象の緩和およびビルなどの空調負荷を低減する目的で、ビルなどの屋上などの一部を緑化する試みが行われている。このように屋上などの一部を緑化すれば実際にそのビルの空調負荷を低減できるといわれている。しかし、その空調負荷の低減率は、そのビルなどにおいて決して均一というわけではなく、その緑化場所や緑化面積などに大きく依存するとされている。ところが、従来の省エネルギー制御機能は、このように空調負荷が比較的不均一になりやすいビルなどを想定して設計されていない。つまり、ビルなどに複数の空気調和機が設置されていてもそれらはほとんど同じタイミングで同じように制御される。このため、空調負荷が比較的不均一になるようなビルでは、特許文献1から特許文献4に係る制御機能が適切なタイミングで発現しないおそれがある。したがって、これらの制御機能をそのまま用いたのでは、そのようなビルにおいて十分な省エネルギー効果を得ることができないおそれがある。
【0008】
本発明の課題は、緑化などされて空調負荷が比較的不均一になっているようなビルなどにおいても十分な省エネルギー効果を得ることができる空調制御装置、空調制御プログラム、空調制御方法、および空調制御システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の空調制御装置は、複数の空間を有する建造物において所定の空間を空気調和する空気調和機または空気調和システムを制御するための空調制御装置であって、躯体温度取得手段、および空調制御パラメータ導出手段を備える。なお、ここにいう「空気調和機」とは、個別パッケージ式空気調和機やマルチ式空気調和機などである。また、ここにいう「空気調和システム」とは、空気調和機と他種の空気調和機とが連動して運転されるようなシステム(例えば、全熱交換器ユニット、内気排出装置、外気冷房装置、地下熱利用空気調和機などのうちの少なくとも1つと空気調和機とから構成されるシステムなど。)などである。さらに、ここにいう「空間」とは、部屋、または空調区画(空気調和機、あるいは空気調和機の室内機が空気調和することが可能な範囲。)などである。躯体温度取得手段は、所定の空間に属する空間を部分的に又は全体的に区画する躯体の一部または全部の温度を、少なくともその空間単位で取得する。なお、ここにいう「躯体」とは、建造物の部屋(場合によっては、部屋上の天井裏の空間も含む。)の壁(窓を含む場合もある。)、床、または天井などである。さらに、ここにいう「空間を全体的に区画する躯体」とは部屋の床、天井および壁(窓を含む場合もある。)などであり、「空間を部分的に区画する躯体」とは空調区画の床および天井、または床、天井および壁(窓を含む場合もある。)などである。加えて、ここにいう「躯体の温度」とは、躯体そのものの温度、躯体の表面温度または躯体の放射温度などである。空調制御パラメータ導出手段は、躯体の一部または全部の温度を利用して空調制御パラメータを導出する。
【0010】
ここでは、躯体温度取得手段が、所定の空間に属する空間を部分的に又は全体的に区画する躯体の一部または全部の温度を、少なくともその空間単位で取得する。そして、空調制御パラメータ導出手段が、その躯体の一部または全部の温度を利用して空調制御パラメータを導出する。このため、所定の空間に複数の空間が属しておりそれぞれの空間に少なくとも1台の空気調和機が設置されるような場合、その空間ごとに空気調和機の空調制御パラメータを導出することができる。また、空気調和機がマルチ式空気調和機である場合、その室内機が設置される空間ごとにその室内機の制御パラメータを導出することができる。したがって、緑化などされて空調負荷が不均一になっているようなビルなどにおいても十分な省エネルギー効果を得ることができる。
【0011】
請求項2に記載の空調制御装置は、請求項1に記載の空調制御装置であって、空調制御パラメータ導出手段は、躯体の一部または全部の温度を利用して、空調制御パラメータを導出する基準となる基準値を修正し、その修正された基準値に基づいて空調制御パラメータを導出する。
ここでは、空調制御パラメータ導出手段が、躯体の一部または全部の温度を利用して、空調制御パラメータを導出する基準となる基準値を修正し、その修正された基準値に基づいて空調制御パラメータを導出する。このため、所定の空間に属する空間それぞれに適切なタイミングで空調制御パラメータを導出することができる。したがって、緑化などされて空調負荷が不均一になっているようなビルなどにおいても十分な省エネルギー効果を得ることができる。
【0012】
請求項3に記載の空調制御装置は、請求項1に記載の空調制御装置であって、空気調和機または空気調和システムは、所定の空間に属する空間それぞれに対して、外気導入手段を有する。外気導入手段は、外気を導入する。なお、ここにいう「外気導入手段」とは、給気ファン、ダンパ、全熱交換器ユニットの給気ファン、または地下熱利用空気調和機の給気ファンなどである。ここで、所定の空間に属する空間それぞれに対して給気ファン、全熱交換器ユニットまたは地下熱利用空気調和機が設けられる場合、「外気導入手段」は、給気ファン(全熱交換器ユニットの給気ファン、または地下熱利用空気調和機の給気ファンを含む。)およびダンパ、または給気ファン(全熱交換器ユニットの給気ファン、または地下熱利用空気調和機の給気ファンを含む。)のみ(この場合、ダンパは固定されるか取り外される。なお、ダンパが取り外される場合、風量は給気ファンの回転数のみで調節する。)である。また、所定の空間に属する空間複数に対して給気ファン、全熱交換器ユニットまたは地下熱利用空気調和機が1つしかないがそれぞれの空間にダンパが設けられる場合、「外気導入手段」は、給気ファン(全熱交換器ユニットの給気ファン、または地下熱利用空気調和機の給気ファンを含む。)およびダンパ、またはダンパのみ(この場合、給気ファン(全熱交換器ユニットの給気ファン、または地下熱利用空気調和機の給気ファンを含む。)は常時運転。)である。さらに、「外気導入手段」が全熱交換器ユニットであり外気温度が室内の温度よりも十分に低い場合は、熱交換エレメントを通さずに給気を行うのが好ましい。また、空調制御パラメータ導出手段は、躯体の一部または全部の温度を利用して外気導入手段の制御パラメータを導出する。なお、ここにいう「外気導入手段の制御パラメータ」とは、給気ファン(全熱交換器ユニットまたは地下熱利用空気調和機の給気ファンも含む。)の運転/停止、給気ファンの回転数(全熱交換器ユニットまたは地下熱利用空気調和機の給気ファンも含む。)、またはダンパの開閉度などである。
【0013】
ここでは、空調制御パラメータ導出手段が、躯体の一部または全部の温度を利用して外気導入手段の制御パラメータを導出する。外気導入手段の消費エネルギー量は、空気調和機のそれと比べると十分に小さい。このため、ビルなどをさらに効率的に省エネルギー化することができる。また、例えば、冷房時において、躯体温度が空気調和機の設定温度よりも低いときは従来よりも早いタイミングで外気導入などすることができ、また躯体温度が室温よりも高いときは外気導入を行わないように空調制御パラメータを導出するようにすることができれば、緑化などされて空調負荷が不均一になっているようなビルなどをさらに効率よく省エネルギー化することができる。
【0014】
請求項4に記載の空調制御装置は、請求項3に記載の空調制御装置であって、外気導入手段は、地中に設けられる配管を介して外気を導入する。なお、このような技術は、特許文献5に詳しい。
ここでは、外気導入手段が、地中に設けられる配管を介して外気を導入する。一般に、地中は常にほぼ一定の温度に保たれている。つまり、比較的暑い時期では地中の温度が外気の温度よりも低く、比較的寒い時期では地中の温度が外気の温度よりも高い。このため、外気が地中の配管を通る際に地中の熱と熱交換を起こすようにすることができれば、比較的暑い時期では外気が冷却され、比較的寒い時期では、外気が加熱される。したがって、そのような時期では、比較的低い空調能力で空気調和機を運転することができる。その結果、ビルなどをさらに効率的に省エネルギー化することができる。
【0015】
(特許文献5) 特開2003−35433号公報(第3−21項、図1)
請求項5に記載の空調制御装置は、請求項3に記載の空調制御装置であって、外気導入手段は、第1外気導入手段、および第2外気導入手段を有する。第1外気導入手段は、地中に設けられる配管を介して外気を導入する。第2外気導入手段は、地中に設けられる配管を介さずに外気を導入する。なお、ここにいう「第1外気導入手段」とは地下熱利用空気調和機の給気ファンなどである。また、ここにいう「第2外気導入手段」とは給気ファン、ダンパ、または全熱交換器ユニットの給気ファンなどである。そして、空調制御パラメータ導出手段は、躯体の一部または全部の温度を利用して第1外気導入手段の制御パラメータおよび第2外気導入手段の制御パラメータを導出する。なお、ここにいう「外気導入手段の制御パラメータ」とは、第1外気導入手段および第2外気導入手段の給気ファンの運転/停止、給気ファンの回転数や給気側ダンパの開閉度などである。
【0016】
ここでは、空調制御パラメータ導出手段が、躯体の一部または全部の温度を利用して第1外気導入手段の制御パラメータおよび第2外気導入手段の制御パラメータを導出する。ところで、第1外気導入手段は、夏や冬などには非常に有効である。しかし、例えば、秋や春などにおいて外気温度が地中の温度よりも低い状態で空気調和機または空気調和システムが冷房運転している場合は、空間の空調負荷を大きくしてしまう可能性がある。しかし、先のような状況になったときに、外気導入手段を第1外気導入手段から第2外気導入手段に切り替えるように制御パラメータを導出することができれば、空間の空調負荷を大きくしてしまうことを防止することができる。また、空気調和機または空気調和システムの設定温度が、外気温度と地中の温度との間にある場合は、第1外気導入手段と第2外気導入手段とを適当な割合で運転させることにより、外気導入手段のみでその空間を空気調和することができる。したがって、さらに効率よくビルなどの省エネルギー化を行うことができる。
【0017】
請求項6に記載の空調制御装置は、請求項3から5のいずれかに記載の空調制御装置であって、決定手段をさらに備える。決定手段は、制御パラメータに基づいて空気調和機または空気調和システムの運転/停止を決定する。
ここでは、決定手段が、制御パラメータに基づいて空気調和機または空気調和システムの運転/停止を決定する。このため、外気導入手段が運転されているときに、空気調和機または空気調和システムを停止することができれば、在室者の快適感を損なうことなくさらに省エネルギー化することができる。
【0018】
請求項7に記載の空調制御装置は、請求項1に記載の空調制御装置であって、空気調和機または空気調和システムは、所定の空間に属する空間それぞれに対して、内気排出手段を複数有する。内気排出手段は、内気を排出する。なお、ここにいう「内気排出手段」とは、排気ファン、ダンパ、または全熱交換器ユニットの排気ファンおよびダンパなどである。ここで、所定の空間に属する空間それぞれに対して排気ファンまたは全熱交換器ユニットが設けられる場合、「内気排出手段」は、排気ファン(全熱交換器ユニットの排気ファンを含む。)およびダンパ(全熱交換器ユニットのダンパを含む。)、または排気ファン(全熱交換器ユニットの排気ファンを含む。)のみ(この場合、ダンパは固定されるか取り外される。なお、ダンパが取り外される場合、風量は排気ファンの回転数のみで調節する。)である。また、所定の空間に属する空間複数に対して排気ファンまたは全熱交換器ユニットが1つしかないがそれぞれの空間にダンパが設けられる場合、「内気排出手段」は、排気ファン(全熱交換器ユニットの排気ファンを含む。)およびダンパ(全熱交換器ユニットのダンパを含む。)、またはダンパのみ(この場合、排気ファン(全熱交換器ユニットの排気ファンを含む。)は常時運転。)である。また、空調制御パラメータ導出手段は、躯体の一部または全部の温度を利用して複数の内気排出手段それぞれの制御パラメータを導出する。なお、ここにいう「内気排出手段それぞれの制御パラメータ」とは、排気ファン(全熱交換器ユニットの排気ファンも含む。)の運転/停止、排気ファンの回転数(全熱交換器ユニットの排気ファンも含む。)、またはダンパ(全熱交換器ユニットのダンパも含む。)の開閉度などである。
【0019】
ここでは、空調制御パラメータ導出手段が、躯体の一部または全部の温度を利用して複数の内気排出手段それぞれの制御パラメータを導出する。このため、例えば、温度が高い空間の順に内気排出手段を運転させるように制御パラメータを導出させることができれば、空間に蓄積される熱を効率的に排出することができる。したがって、冷房時のビルなどをさらに効率的に省エネルギー化することができる。
【0020】
請求項8に記載の空調制御装置は、請求項1から7のいずれかに記載の空調制御装置であって、躯体の一部または全部の温度は、空間の内気の温度、空間の位置情報、および建造物の緑化情報に基づいて推定される推定値である。なお、ここにいう「空間の内気の温度」は、空気調和機または空気調和システムが有する空気吸込口の温度であってもよい。また、ここにいう「緑化情報」とは、緑化場所、緑化面積、または緑化密度などである。
【0021】
ここでは、新たに計測器を導入することなく躯体の一部または全部の温度を得ることができる。
請求項9に記載の空調制御装置は、請求項1から7のいずれかに記載の空調制御装置であって、躯体の一部または全部の温度は、計測値である。なお、躯体の一部の温度は温度センサなどを用いて測定することが可能であり、躯体の全部の温度はサーモトレーサーなどを用いて測定することが可能である。
【0022】
ここでは、若干の設備費や工事費などはかかるが、精度よく躯体の温度を測定できる。
請求項10に記載の空調制御プログラムは、複数の空間を有する建造物において所定の空間を空気調和する空気調和機または空気調和システムを制御するための空調制御プログラムであって、躯体温度取得ステップ、および空調制御パラメータ導出ステップを備える。躯体温度取得ステップでは、所定の空間に属する空間を部分的に又は全体的に区画する躯体の一部または全部の温度が、少なくともその空間単位で取得される。空調制御パラメータ導出ステップでは、その躯体の一部または全部の温度が利用されて空調制御パラメータが導出される。
【0023】
ここでは、この空調制御プログラムが実行されると、躯体温度取得ステップで、所定の空間に属する空間を部分的に又は全体的に区画する躯体の一部または全部の温度が、少なくともその空間単位で取得される。そして、空調制御パラメータ導出ステップで、その躯体の一部または全部の温度が利用されて空調制御パラメータが導出される。このため、所定の空間に複数の空間が属しておりそれぞれの空間に少なくとも1台の空気調和機が設置されるような場合、その空間ごとに空気調和機の空調制御パラメータを導出することができる。また、空気調和機がマルチ式空気調和機である場合、その室内機が設置される空間ごとにその室内機の制御パラメータを導出することができる。したがって、緑化などされて空調負荷が不均一になっているようなビルなどにおいても十分な省エネルギー効果を得ることができる。
【0024】
請求項11に記載の空調制御方法は、複数の空間を有する建造物において所定の空間を空気調和する空気調和機または空気調和システムを制御するための空調制御方法であって、躯体温度取得ステップ、および空調制御パラメータ導出ステップを備える。躯体温度取得ステップでは、所定の空間に属する空間を部分的に又は全体的に区画する躯体の一部または全部の温度が、少なくともその空間単位で取得される。空調制御パラメータ導出ステップでは、その躯体の一部または全部の温度が利用されて空調制御パラメータが導出される。
【0025】
ここでは、この空調制御方法が実施されると、躯体温度取得ステップで、所定の空間に属する空間を部分的に又は全体的に区画する躯体の一部または全部の温度が、少なくともその空間単位で取得される。そして、空調制御パラメータ導出ステップで、その躯体の一部または全部の温度が利用されて空調制御パラメータが導出される。このため、所定の空間に複数の空間が属しておりそれぞれの空間に少なくとも1台の空気調和機が設置されるような場合、その空間ごとに空気調和機の空調制御パラメータを導出することができる。また、空気調和機がマルチ式空気調和機である場合、その室内機が設置される空間ごとにその室内機の制御パラメータを導出することができる。したがって、緑化などされて空調負荷が不均一になっているようなビルなどにおいても十分な省エネルギー効果を得ることができる。
【0026】
請求項12に記載の空調制御システムは、空調制御装置と空気調和機または空気調和システムとを備える。空調制御装置は、請求項1から8のいずれかに記載の空調制御装置である。空気調和機または空気調和システムは、空調制御装置により制御される。なお、ここにいう「空気調和機」とは、個別パッケージ式空気調和機やマルチ式空気調和機などである。また、ここにいう「空気調和システム」とは、空気調和機と他種の空気調和機とが連動して運転されるようなシステム(例えば、全熱交換器ユニット、内気排出装置、外気冷房装置、地下熱利用空気調和機などのうちの少なくとも1つと空気調和機とから構成されるシステムなど。)などである。
【0027】
ここでは、所定の空間に複数の空間が属しておりそれぞれの空間に少なくとも1台の空気調和機が設置されるような場合、その空間ごとに空気調和機の空調制御パラメータを導出することができ、またそれらの空気調和機を空間単位で制御することができる。したがって、緑化などされて空調負荷が不均一になっているようなビルなどにおいても十分な省エネルギー効果を得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本実施の形態では、ビルに設置される空気調和機を制御する空調制御システムについて説明する。なお、本実施の形態に示す空調制御システムは、空気調和機が冷房運転しているという前提の元に説明される。暖房の場合は温熱指標を変更したり各パラメータの関係を逆転させたりさせる必要があり得るが、本質的な考え方は冷房の場合と同様であることに留意されたい。
【0029】
<空調制御システムについて>
[構成]
図1には、本実施の形態に係る空調制御システム400のブロック図を示す。本空調制御システム400は、複数台のマルチ式空気調和機10、ステーション20、コンピュータ30および気象情報管理サーバ80から構成される。なお、マルチ式空気調和機10およびステーション20は、ビル60に設置される。また、そのステーション20は、その管理室70に設置される。コンピュータ30は、情報管理センター50に設置される。気象情報管理サーバ80は、気象情報配信センター90に設置される。
【0030】
[システム構成要素の接続形態]
マルチ式空気調和機10は、伝送線を介してステーション20に接続される。ステーション20は、ネットワーク40を介してコンピュータ30に接続される。そして、コンピュータ30は、ネットワーク40を介して気象情報管理サーバ80に接続される。
【0031】
[構成要素]
(1)マルチ式空気調和機10
マルチ式空気調和機10は、複数の室内機11に対して1台の室外機12を備える。なお、室内機11と室外機12とは、冷媒配管および伝送線を介して接続される。また、その室内機11は、伝送線を介して全熱交換器ユニット15に接続される。なお、本実施の形態では、このマルチ式空気調和機10は、冷房運転をしているものとする。
【0032】
(2)ステーション20
ステーション20は、制御部21およびモデム23を備える。制御部21は、朝の4時55分から15分間隔でマルチ式空気調和機10の運転情報(室内機11の設定温度および室内機温度センサの値など。)やビル60の内壁の放射温度を測定する温度センサの値などを収集し、それらの情報をコンピュータ30に送信する。また、制御部21は、コンピュータ30から空調制御テーブルを受信した場合、その空調制御テーブルを既存の空調制御テーブルに上書きし更新する。そして、制御部21は、その空調制御テーブルに基づいてマルチ式空気調和機10の運転を制御する。モデム23は、ステーション20とコンピュータ30との接続に用いられる。
【0033】
(3)コンピュータ30
コンピュータ30は、空調制御パラメータ導出プログラム31、管理データベース32およびモデム33を備える。空調制御パラメータ導出プログラム31は、外気導入ルーチン31a、冷凍サイクルルーチン31bおよび設定温度ルーチン31cを備える。外気導入ルーチン31aは、室内機11の設定温度、およびビル60の部屋を区画する壁の一部または空調区画を部分的に区画する壁の一部の放射温度を利用して全熱交換器ユニット15のオン/オフ制御パラメータおよびマルチ式空気調和機10の室内機11のオン/オフ制御パラメータを導出する。冷凍サイクルルーチン31bは、気象予報情報、室内機11の設定温度、およびビル60の部屋を区画する壁の一部または空調区画を部分的に区画する壁の一部の放射温度を利用して冷凍サイクルの運転抑制制御機能のオン/オフ制御パラメータを導出する。なお、この「冷凍サイクルの運転抑制制御機能」とは、例えば、室外機の能力制御(圧縮機の上限値の設定や蒸発温度の変更など。)や圧縮機の運転/停止間隔制御(間隔の固定化や閾値の変更など。)である。これらの制御に関しては、特許文献6に詳しい。設定温度ルーチン31cは、気象予報情報、室内機11の設定温度、およびビル60の部屋を区画する壁の一部または空調区画を部分的に区画する壁の一部の放射温度を利用して設定温度パラメータを導出する。また、この空調制御パラメータ導出プログラム31は、外気導入ルーチン31a、冷凍サイクルルーチン31bおよび設定温度ルーチン31cにおいて導出された制御パラメータから空調制御テーブルを作成する。そして、コンピュータ30は、この空調制御テーブルを前回の空調制御テーブルと比較して空調制御テーブルに変更が加えてられている場合、ネットワーク40を介してステーション20にその空調制御テーブルを送信する。管理データベース32は、ステーション20または気象情報管理サーバ80から送信されてくる情報を蓄積する。モデム33は、コンピュータ30と気象情報管理サーバ80との接続に用いられる。
【0034】
(特許文献6) 特願2002−21728号公報(図1)
(4)気象情報管理サーバ80
気象情報管理サーバ80は、気象データベース81およびモデム82を備える。気象データベース81は、様々な気象予報情報、例えば、地域・時間別の予想気温や予想湿度などを保持する。モデム82は、気象情報管理サーバ80とコンピュータ30との接続に用いられる。
【0035】
<ビル60について>
[ビル60の外的構成]
図2には、制御対象となるマルチ式空気調和機10が設置されるビル60の斜視図を示す。ビル60の屋上には、貯水タンク64、屋上出口63およびマルチ式空気調和機10の室外機12が設けられている。なお、貯水タンク64、屋上出口63および室外機12により占有されていないスペースには、緑化スペース61,62が設けられている。なお、この緑化スペース61,62は、ヒートアイランド現象の緩和、およびビル60の空調負荷の低減を目的として設けられている。また、その空調負荷の低減効果は、緑化スペース61,62に近いほど大きくなるといわれている。このビル60では、緑化スペース61,62がその屋上全体を覆っていない。このため、このビル60には、Z軸方向だけでなくX軸方向およびY軸方向にも比較的不均一な空調負荷が発生すると推察される(各軸に関しては、図2の右下を参照)。
【0036】
[ビル60の内的構成]
図2において図番100で示す区画および図番110で示す区画の空調設備の態様を図3および図4にそれぞれ示す。
図3において、区画100には、部屋100a,100bが2つある。それぞれの部屋100a,100bには1台の室内機11が設けられる。この室内機11は、伝送線および冷媒配管203a,203bを介して、屋上に設置されている室外機12と接続される。なお、冷媒配管(液管)203aには、電子膨張弁202が設けられる。また、この室内機11は、伝送線を介してコントローラ204と接続される。さらに、このコントローラ204には、温度センサ205が設けられる。その温度センサ205は、その近傍にある壁152の放射温度を測定する。また、各室内機11は、伝送線を介して全熱交換器ユニット15と接続される。そして、この全熱交換器ユニット15の片端はダクト配管302a,302bを介して各部屋100a,100bに接続され、その反対側の片端は外壁151を貫通するダクト配管302a,302bを介して外空間に接続される。なお、この全熱交換器ユニット15は、ステーション20から発せられる指令に従って運転/停止を行う。
【0037】
図4において、区画110には、部屋が1つある。その部屋には2台の室内機11が設けられる。この場合、室内機11の制御は、部屋単位で行われず空調区画単位で行われる。ここで、空調区画110a,110bは、天井、床、壁151,152および空調領域の境界面500(図2において、奥方向に広がっている。)により仕切られていると考える。もちろん、境界面500は、視覚的に認識することはできない。つまり、この境界面500は、各室内機11がその空調能力を十分に発揮できる領域の目安に過ぎない。なお、もし室内機11の空調能力がその部屋の大きさなどに対して十分でない場合、その空調区画は、天井、床および複数の境界面により仕切られると考えることがあり得る。これは、一部屋に1台の室内機11が設置される場合でも同様である。このような場合には、天井または床の放射温度を測定する必要がある。
<空調制御パラメータの導出について>
[空調制御パラメータ導出の流れ]
図5には、空調制御パラメータ導出の流れを表すフローチャートを示す。
【0038】
図5において、ステップS11からステップS16に示す処理は、あらかじめスケジュールされた日の5:00から22:00まで15分間隔で実行される。ステップS11では、コンピュータ30が、現時刻が第1処理時刻であるかを確認する。なお、ここで、第1処理時刻は、5:00である。ステップS11の確認の結果、現時刻が第1処理時刻である場合は、ステップS12に移る。ステップS11の確認の結果、現時刻が第1処理時刻でない場合は、ステップS14に移る。ステップS12では、コンピュータ30が、ステーション20から送信されるビル60の各部屋の放射温度Tkmを受信し、その放射温度情報を管理データベース32に格納する。ステップS13では、コンピュータ30が、気象情報管理サーバ80から送信される気象予報情報を受信し、その気象予報情報を管理データベース32に記憶する。なお、ここで、気象予報情報とは、ビル60が存在する地域のその日の15分おきの予想気温および予想湿度などである。冷凍サイクルルーチンR1では、コンピュータ30が、気象予報情報、室内機11の設定温度、およびビル60の部屋100a,100bを区画する壁151,152の一部または空調区画110a,110bを部分的に区画する壁151,152の一部の放射温度を利用して冷凍サイクルの運転抑制制御機能のオン/オフ制御パラメータを導出する。ステップS14では、現時刻が第2処理時刻であるかを確認する。なお、ここで、第2処理時刻は、5:00から22:00までの15分間隔の時刻である。ステップS14の確認の結果、現時刻が第2処理時刻である場合は、外気導入ルーチンR2に移る。ステップS14の確認の結果、現時刻が第2処理時刻でない場合は、ステップS15に移る。外気導入ルーチンR2では、コンピュータ30が、室内機11の設定温度、およびビル60の部屋100a,100bを区画する壁151,152の一部または空調区画110a,110bを部分的に区画する壁151,152の一部の放射温度を利用して全熱交換器ユニット15のオン/オフ制御パラメータおよびマルチ式空気調和機10の室内機11のオン/オフ制御パラメータを導出する。設定温度ルーチンR3では、コンピュータ30が、気象予報情報(外気温や外気絶対湿度の情報など。)、室内機11の設定温度、およびビル60の部屋100a,100bを区画する壁151,152の一部または空調区画110a,110bを部分的に区画する壁151,152の一部の放射温度を利用して設定温度パラメータを導出する。ステップS15では、空調制御パラメータ導出プログラム31が、冷凍サイクルルーチンR1、外気導入ルーチンR2および設定温度ルーチンR3において導出された各制御パラメータから空調制御テーブルを作成する。ステップS16では、コンピュータ30が、その空調制御テーブルを前回の空調制御テーブルと比較して空調制御テーブルに変更が加えられているかを確認する。ステップS16の確認の結果、その空調制御パラメータに変更が加えられている場合は、ステップS17に移る。ステップS16の確認の結果、空調制御パラメータに変更が加えられていない場合は、コンピュータ30は、次の処理時刻まで待機する。ステップS17では、コンピュータ30が、その変更が加えられた空調制御テーブルをステーション20に送信する。
【0039】
[冷凍サイクルルーチン31b]
図6には、冷凍サイクルルーチン31bの処理の流れを表すフローチャートを示す。
図6において、ステップS21では、コンピュータ30が、外気不快指数Asを求める。ステップS22では、コンピュータ30が、室内機11(接続されている室外機12が同じものに限る。)が設置される各部屋100a,100bまたは各空調区画110a,110bに対して設けられる温度センサ205から放射温度Tkmを収集し、それらの放射温度Tkmの最小値Tkm(Min)を出力する。ステップS23では、コンピュータ30が、最小値Tkm(Min)に該当する部屋100a,100bまたは空調区画110a,110bの室内機11の設定温度Trがその最小値Tkm(Min)以上であるかを確認する。ステップS23の確認の結果、その室内機11の設定温度Trがその最小値Tkm(Min)以上である場合は、ステップS25に移る。ステップS23の確認の結果、その室内機11の設定温度Trがその最小値Tkm(Min)未満である場合は、ステップS24に移る。ステップS24では、コンピュータ30が、比較不快指数Acが限界不快指数Asに等しいとする処理を行う。ステップS25では、コンピュータ30が、限界不快指数Asに補正項C(Tr−Tkm(Min))を足したものを比較不快指数Acとする処理を行う。ステップS26では、コンピュータ30が、外気不快指数Asが比較不快指数Ac以下であるかを確認する。ステップS26の確認の結果、外気不快指数Asが比較不快指数Ac以下である場合は、ステップS27に移る。ステップS26の確認の結果、外気不快指数Asが比較不快指数Acよりも大きい場合は、ステップS28に移る。ステップS27では、コンピュータ30が、冷凍サイクルの運転抑制制御機能オン/オフ制御パラメータを「オン」とする。ステップS28では、コンピュータ30が、冷凍サイクルの運転抑制制御機能オン/オフ制御パラメータを「オフ」とする。
【0040】
[外気導入ルーチン31a]
図7には、外気導入ルーチン31aの処理の流れを表すフローチャートを示す。
図7において、ステップS31では、コンピュータ30が、室内機11の設定温度Trがその室内機11が設置されている部屋100a,100bを区画する壁151,152または空調区画110a,110bを部分的に区画する壁151,152の放射温度Tkm以上であるかを確認する。ステップS31の確認の結果、設定温度Trがその壁151,152の放射温度Tkm以上である場合は、ステップS33に移る。ステップS31の確認の結果、設定温度Trがその壁151,152の放射温度Tkm未満である場合は、ステップS32に移る。ステップS32では、コンピュータ30が、比較温度差ΔTcが基準温度差ΔTbに等しいとする処理を行う。ステップS33では、コンピュータ30が、基準温度差ΔTbに補正項−(Tr−Tkm)/2を足したものを比較温度差ΔTcとする処理を行う。ステップS34では、コンピュータ30が、設定温度Trと外気温度Tomとの差(Tr−Tom)が比較温度差ΔTc以上であるかを確認する。ステップS34の確認の結果、差(Tr−Tom)が比較温度差ΔTc以上である場合は、ステップS35に移る。ステップS34の確認の結果、差(Tr−Tom)が比較温度差ΔTc未満である場合は、ステップS38に移る。ステップS35では、コンピュータ30が、全熱交換器ユニット15のオン/オフ制御パラメータを「オン」とする。ステップS36では、コンピュータ30が、室内機11の室内ファンのオン/オフ制御パラメータを「オフ」とする。ステップS37では、コンピュータ30が、電子膨張弁202の開閉制御パラメータを「閉」とする。ステップS38では、コンピュータ30が、全熱交換器ユニット15のオン/オフ制御パラメータを「オフ」とする。ステップS39では、コンピュータ30が、室内機11の室内ファンのオン/オフ制御パラメータを「オン」とする。ステップS40では、コンピュータ30が、電子膨張弁202の開閉制御パラメータを「開」とする。
【0041】
なお、このとき、給気は、全熱交換器ユニット15の熱交換エレメントを介さずに行われる。
[設定温度ルーチン31c]
図8には、設定温度ルーチン31cの処理の流れを表すフローチャートを示す。
【0042】
図8において、ステップS41では、コンピュータ30が、気象予報情報(外気温や外気湿度の情報など。)を利用してその部屋100a,100bまたは空調区画110a,110bの体感温度Taを求める。ステップS42では、コンピュータ30が、室内機11の設定温度Trがその室内機11が設置されている部屋100a,100bを区画する壁151,152または空調区画110a,110bを部分的に区画する壁151,152の放射温度Tkm以上であるかを確認する。ステップS42の確認の結果、設定温度Trがその壁151,152の放射温度Tkm以上である場合は、ステップS44に移る。ステップS42の確認の結果、設定温度Trがその壁151,152の放射温度Tkm未満である場合は、ステップS43に移る。ステップS43では、コンピュータ30が、設定温度Trが新設定温度Tsに等しいとする処理を行う。ステップS33では、コンピュータ30が、新設定温度Tsが2Ta−Tkmに等しいとする処理を行う。なお、このTs=2Ta−Tkmという式は標準作用温度を表す[式1]から導き出される式である。
【0043】
[式1] Ta=(Ts+Tkm)/2
ステップS45では、コンピュータ30が、設定温度パラメータを「Ts」に変更する。
<空調制御システム400の特徴>
(1)
本実施の形態に係る空調制御システム400では、ビル60において部屋100a,100bまたは空調区画110a,110bごとに、その部屋100a,100bを区画する壁151,152または空調区画を部分的に区画する壁151,152の放射温度が考慮されて室内機11の室内ファンの運転/停止、電子膨張弁202の開閉および全熱交換器ユニット15の運転/停止の判断が行われる。例えば、冷房時において、設定温度と外気温との間に十分な差がない場合であっても壁151,152の放射温度が低ければ、マルチ式空気調和機10の室内機11の室内ファンが停止し、膨張弁202が閉まり、全熱交換器15が積極的に外気導入を行う。また、それ以外の場合は、マルチ式空気調和機10の室内機11の室内ファンが運転し、膨張弁202が開き、全熱交換器ユニット15が停止する。このため、本実施の形態に示したビル60のようにその空調負荷が比較的不均一な建造物であっても外気導入のタイミングを適切に判断することができる。したがって、従来技術を用いるよりも長く外気導入を行うことができる。また、外気導入が長くなることにより、マルチ式空気調和機10が消費する消費エネルギー量を小さくすることができる。
【0044】
(2)
本実施の形態に係る空調制御システム400では、ビル60において部屋100a,100b,または空調区画110a,110bごとに、その部屋100a,100bを区画する壁151,152または空調区画110a,110bを部分的に区画する壁151,152の放射温度が考慮されて冷凍サイクルの運転が制御される。このため、本実施の形態に示したビル60のようにその空調負荷が比較的不均一な建造物であっても圧縮機の発停頻度をトータルとして簡便かつ適切に抑制することができる。
【0045】
(3)
本実施の形態に係る空調制御システム400では、ビル60において部屋100a,100bまたは空調区画110a,110bごとに、放射温度が室内機11の設定温度よりも低いときはその設定温度を高くし、放射温度が室内機11の設定温度よりも高いときはその設定温度を維持するように空調制御パラメータが導出される。このため、本実施の形態に示したビル60のようにその空調負荷が比較的不均一な建造物であっても、空気調和機の消費電力量を、在室者の快適感を損なうことなく十分に低減することができる。
【0046】
<変形例>
(1)
先の実施の形態に係る空調制御システム400では、制御対象の空気調和機がマルチ式空気調和機10であったが、これに代えて、制御対象を個別パッケージ式空気調和機としてもよい。この場合、冷凍サイクルルーチン31bにおける冷凍サイクルの運転抑制制御機能パラメータの導出を各部屋100a,100bまたは各空調区画110a,110bに対して行うことができる。また、外気導入ルーチン31aにおいては、外気のみで冷房可能な場合は、外気を取り込むと同時にその空気調和機(圧縮機など。)を停止させてもよい。このようにすれば、マルチ式空気調和機10よりも大きな省エネルギー効果を得ることができる可能性がある。
【0047】
(2)
先の実施の形態に係る空調制御システム400では、温度センサ205によりビル60の部屋100a,100bを区画する壁151,152の一部または空調区画110a,110bを部分的に区画する壁151,152の一部の放射温度を測定したが、これに代えて、温度センサ205によりビル60の部屋100a,100bを区画する天井もしくは床の一部、または空調区画110a,110bを部分的に区画する天井もしくは床の一部の放射温度を測定してもよい。
【0048】
(3)
先の実施の形態に係る空調制御システム400では、温度センサ205によりビル60の部屋100a,100bを区画する壁151,152の一部または空調区画110a,110bを部分的に区画する壁151,152の一部の放射温度を測定したが、これに代えて、温度センサ205によりビル60の部屋100a,100bを区画する躯体全体または空調区画110a,110bを部分的に区画する躯体全体の放射温度を測定してもよい。このような測定は、サーモトレーサーなどを用いることにより可能となる。この場合、若干の設備費や工事費などがかかるが、精度よく躯体の温度を測定できる。
【0049】
(4)
先の実施の形態に係る冷凍サイクルルーチン31bでは、ビル60の部屋100a,100bを区画する壁151,152の一部または空調区画110a,110bを部分的に区画する壁151,152の一部の放射温度を考慮して冷凍サイクルの運転抑制制御機能オン/オフ制御パラメータを導出したが、さらにその部屋100a,100bまたは空調区画110a,110bの発熱量を考慮して冷凍サイクルの運転抑制制御機能オン/オフ制御パラメータを導出してもよい。このようにすれば、部屋100a,100bを区画する躯体や空調区画110a,110bを部分的に区画する躯体などの周りから生じる空調負荷だけでなく部屋100a,100bの内部に存在する物体から生じる空調負荷をも制御パラメータに反映させることができる。なお、発熱量は、計測値であっても推定値であってもよい。また、発熱量の推定は、人数検知センサ、赤外線カメラ、サーモトレーサー、在不在に応じてON/OFFする照明(ON/OFF状態の時間からの推定)および部屋100a,100bの消費電力量などにより可能である。この場合、図9および図10に示されるフローチャートのように冷凍サイクルの運転抑制制御機能オン/オフ制御パラメータが導出される。
【0050】
図9および図10において、ステップS51では、コンピュータ30が、外気不快指数Asを求める。ステップS52では、コンピュータ30が、室内機11(同じ室外機12に接続されているものに限る。)が設置される各部屋100a,100bまたは各空調区画110a,110bに対して設けられる温度センサ205から放射温度Tkmを収集し、それらの放射温度Tkmの最小値Tkm(Min)を出力する。ステップS53では、コンピュータ30が、その部屋100a,100bまたは空調区画110a,110bの発熱量Qcを求める。ステップS54では、最小値Tkm(Min)に該当する部屋100a,100bまたは空調区画110a,110bの室内機11の設定温度Trがその最小値Tkm(Min)以上であるかを確認する。ステップS54の確認の結果、その室内機11の設定温度Trがその最小値Tkm(Min)以上である場合は、ステップS56に移る。ステップS54の確認の結果、その室内機11の設定温度Trがその最小値Tkm(Min)未満である場合は、ステップS55に移る。ステップS55では、コンピュータ30が、第1比較不快指数Ac1が限界不快指数Asに等しいとする処理を行う。ステップS56では、コンピュータ30が、限界不快指数Asに補正項C(Tr−Tkm(Min))を足したものを第1比較不快指数Ac1とする処理を行う。ステップS57では、コンピュータ30が、基準発熱量Qbがその部屋100a,100bまたは空調区画110a,110bの発熱量Qc以上であるかを確認する。ステップS57の確認の結果、基準発熱量Qbがその部屋100a,100bまたは空調区画110a,110bの発熱量Qc以上である場合は、ステップS59に移る。ステップS57の確認の結果、基準発熱量Qcがその部屋100a,100bまたは空調区画110a,110bの発熱量Qc未満である場合は、ステップS58に移る。ステップS58では、コンピュータ30が、第2比較不快指数Ac2が第1比較不快指数Ac1に等しいとする処理を行う。ステップS59では、コンピュータ30が、第1比較不快指数Ac1に補正項D(Qb−Qc)を足したものを第2比較不快指数Ac2とする処理を行う。ステップS60では、コンピュータ30が、外気不快指数Asが第2比較不快指数Ac2以下であるかを確認する。ステップS60の確認の結果、外気不快指数Asが第2比較不快指数Ac2以下である場合は、ステップS61に移る。ステップS60の確認の結果、外気不快指数Asが第2比較不快指数Ac2よりも大きい場合は、ステップS62に移る。ステップS61では、コンピュータ30が、冷凍サイクルの運転抑制制御機能オン/オフ制御パラメータを「オン」とする。ステップS62では、コンピュータ30が、冷凍サイクルの運転抑制制御機能オン/オフ制御パラメータを「オフ」とする。
【0051】
(5)
先の実施の形態に係る外気導入ルーチン31aでは、図7に示すステップS31からステップS40までの処理が行われたが、これに代えて、図11に示すステップS71からステップS80までの処理が行われてもよい。なお、このとき、給気は、全熱交換器ユニット15の熱交換エレメントを介さずに行われる。
【0052】
図11において、ステップS71では、コンピュータ30が、室内機11の設定温度Trがその室内機11が設置されている部屋100a,100bを区画する壁151,152または空調区画110a,110bを部分的に区画する壁151,152の放射温度Tkm以上であるかを確認する。ステップS71の確認の結果、その設定温度Trがその壁151,152の放射温度Tkm以上である場合は、ステップS73に移る。ステップS71の確認の結果、その設定温度Trがその壁151,152の放射温度Tkm未満である場合は、ステップS72に移る。ステップS72では、コンピュータ30が、比較外気温度Tcが基準外気温度Tbに等しいとする処理を行う。ステップS73では、コンピュータ30が、基準外気温度Tbに補正項−(Tr−Tkm)/2を足したものを比較外気温度Tcとする処理を行う。ステップS74では、コンピュータ30が、その部屋100a,100bまたは空調区画110a,110bの室内温度Trmがその設定温度Trよりも大きく且つ外気温度Tomが比較温度Tc未満であるかを確認する。ステップS74の確認の結果、その部屋100a,100bまたは空調区画110a,110bの室内温度Trmがその設定温度Trよりも大きく且つ外気温度Tomが比較温度Tc未満である場合は、ステップS75に移る。ステップS74の確認の結果、その部屋100a,100bまたは空調区画110a,110bの室内温度Trmがその設定温度Trよりも大きく且つ外気温度Tomが比較温度Tc未満でない場合は、ステップS78に移る。ステップS75では、コンピュータ30が、全熱交換器ユニット15のオン/オフ制御パラメータを「オン」とする。ステップS76では、コンピュータ30が、室内機11の室内ファンのオン/オフ制御パラメータを「オフ」とする。ステップS77では、コンピュータ30が、電子膨張弁202の開閉制御パラメータを「閉」とする。ステップS78では、コンピュータ30が、全熱交換器ユニット15のオン/オフ制御パラメータを「オフ」とする。ステップS79では、コンピュータ30が、室内機11の室内ファンのオン/オフ制御パラメータを「オン」とする。ステップS80では、コンピュータ30が、電子膨張弁202の開閉制御パラメータを「開」とする。
【0053】
(6)
先の実施の形態に係る空調制御システム400では、全熱交換器ユニット15が直接外気を室内に取り込んだが、これに代えて、全熱交換器ユニット15が、その一部が地中に設けられる配管を介して外気を取り込んでもよい。一般に、地中は常にほぼ一定の温度に保たれている。つまり、比較的暑い時期では地中の温度が外気の温度よりも低く、比較的寒い時期では地中の温度が外気の温度よりも高い。このため、外気は地中の配管を通る際に、地中の熱と熱交換を起こす。したがって、比較的暑い時期では外気が冷却され、比較的寒い時期では、外気が加熱される。このようにすれば、ビル60をさらに効率的に省エネルギー化することができる。
【0054】
(7)
先の実施の形態に係る空調制御システム400では、区画100に、図3に示すような空調設備が導入されたが、これに代えて、区画100に、図12に示すような空調設備が導入されてもよい。図12に示す区画100では、各部屋100a,100bに対して1台の給気ファン311が設けられている。また、複数の排気ファン313が、天井裏に設けられている。さらに、各排気ファン313の位置に対応するように温度センサ205が設けられる。なお、この温度センサ205は、天井の放射温度を測定する。加えて、外気導入経路が2つ(外気を直接取り込む経路、および外気をその一部が地中に設けられる配管320を介して取り込む経路。)設けられており、その分岐点には三方電磁弁319が設けられる。この場合、図13および図14に示されるフローチャートのように制御パラメータが導出される。
【0055】
図13および図14において、ステップS101では、コンピュータ30が、室内機11の設定温度Trがその室内機11が設置されている部屋100a,100bを区画する壁151,152の放射温度Tkm以上であるかを確認する。ステップS101の確認の結果、設定温度Trがその壁151,152の放射温度Tkm以上である場合は、ステップS103に移る。ステップS101の確認の結果、設定温度Trがその壁151,152の放射温度Tkm未満である場合は、ステップS102に移る。ステップS102では、コンピュータ30が、第1比較温度差ΔTc1が第1基準温度差ΔTb1に等しいとする処理を行う。ステップS103では、コンピュータ30が、第1基準温度差ΔTb1に補正項−(Tr−Tkm)/2を足したもの第1比較温度差ΔTc1とする処理を行う。ステップS104では、コンピュータ30が、第2比較温度差ΔTc2が第2基準温度差ΔTb2に等しいとする処理を行う(なお、第1基準温度差ΔTb1と第2基準温度差ΔTb2とは、ΔTb1<ΔTb2となるように設定される。)。ステップS105では、コンピュータ30が、第2基準温度差ΔTb2に補正項−(Tr−Tkm)/2を足したもの第2比較温度差ΔTc2とする処理を行う。ステップS106では、コンピュータ30が、室内機11の設定温度Trと外気温度Tomの差(Tr−Tom)、第1比較温度差ΔTc1、および第2比較温度差ΔTc2に基づいて判断を行う。ステップS106の判断の結果、差(Tr−Tom)が第1比較温度ΔTc1未満である場合は、ステップS107に移る。ステップS106の判断の結果、差(Tr−Tom)が第1比較温度ΔTc1以上であり且つ第2比較温度ΔTc2未満である場合は、ステップS111に移る。ステップS106の判断の結果、差(Tr−Tom)が第2比較温度差ΔTc2以上である場合は、ステップS116に移る。ステップS107では、コンピュータ30が、給気ファン311のオン/オフ制御パラメータを「オフ」とする。ステップS108では、コンピュータ30が、すべての排気ファン313のオン/オフ制御パラメータを「オフ」とする。ステップS109では、コンピュータ30が、室内機11の室内ファンのオン/オフ制御パラメータを「オン」とする。ステップS110では、コンピュータ30が、電子膨張弁202の開閉制御パラメータを「開」とする。ステップS111では、コンピュータ30が、外気を、地下配管320を介して取り込むように三方電磁弁319の制御パラメータを設定する。ステップS112では、コンピュータ30が、給気ファン311のオン/オフ制御パラメータを「オン」とする。ステップS113では、コンピュータ30が、最も高い温度を示している温度センサ205の位置に対応する排気ファン313のオン/オフ制御パラメータを「オン」とする。ステップS114では、コンピュータ30が、室内機11の室内ファンのオン/オフ制御パラメータを「オフ」とする。ステップS115では、コンピュータ30が、電子膨張弁202の開閉制御パラメータを「閉」とする。ステップS116では、コンピュータ30が、外気を直接取り込むように三方電磁弁319の制御パラメータを設定する。ステップS117では、コンピュータ30が、給気ファン311のオン/オフ制御パラメータを「オン」とする。ステップS118では、コンピュータ30が、最も高い温度を示している温度センサ205の位置に対応する排気ファン313のオン/オフ制御パラメータを「オン」とする。ステップS119では、コンピュータ30が、室内機11の室内ファンのオン/オフ制御パラメータを「オフ」とする。ステップS120では、コンピュータ30が、電子膨張弁202の開閉制御パラメータを「閉」とする。
【0056】
このようにすれば、ビル60を、在室者の快適感を損なうことなくさらに効率よく省エネルギー化することができる。
また、図15に示すように、排気ダクト302bに一つしか排気ファン317が設けられていないような場合には、排気ダンパ315の開閉または開閉度を制御してもかまわない。さらに、温度センサ205を撤去して、緑化情報(緑化場所からの距離など。)のみから排気ファン313の運転の優先順位を定めておいてもよい。
【0057】
(8)
先の実施の形態に係る設定温度ルーチン31cでは、図8に示すステップS41からステップS45までの処理が行われたが、これに代えて、図16に示すステップS91からステップS96までの処理が行われてもよい。
ここでは、図16に示すフローチャートの説明を行う前に、ステップS93およびステップS94の処理内容を理解するための基礎事項について説明する。本変形例に係る設定温度ルーチンには、あらかじめ図17に示すようなテーブルが用意されている。このテーブルにおいて室内絶対湿度Aiは、いずれの快適限界温度Tmにおいても不快指数が74.6になるように定められている。また、この室内絶対温度Aiと外気絶対湿度Aoとは直線関係で表されることが本願出願人の検証によって明らかにされている。なお、外気絶対湿度Aoは、気象情報から得ることができる。このため、この関係を利用すれば、気象情報から室内絶対湿度Aiを予測することができる。そして、予測された室内絶対湿度Aiに基づいて室内の不快指数が74.6を保つように設定温度を変更することができる。このため、例えば、室内の湿度が低くなれば、快適限界温度が上昇する。したがって、設定温度を上げることができる。このため、この方法は、空気調和機の省エネルギー化に貢献する。なお、この方法に関しては、特許文献7に詳しい。しかしながら、この特許文献7に示された方法では、ビル60のように不均一な温度分布が発生しやすい場合であっても均一にしか設定温度を変更することができない。なぜなら、気象情報から得られる外気絶対湿度Aoが1つだからである。そこで、そのようなビル60にも対応できるように、先のテーブルを図18に示すように改良した。ここで、外気絶対湿度Aoには、補正項A(Tm)が加えられる。なお、この補正項A(Tm)の内容は、図16に示すフローチャートのステップS93とステップS94に示されている。つまり、部屋100a,100bを区画する躯体の温度または空調区画110a,110bを部分的に区画する躯体の温度が設定温度よりも低い場合にその躯体の温度に即したテーブルを作成するわけである。このため、不均一な温度分布が発生しやすいビル60であっても、部屋100a,100bまたは空調区画110a,110bごとにその躯体温度に応じてその設定温度を変更することができる。なお、このとき、その部屋100a,100bまたは空調区画110a,110bにおける体感温度は、図18の最右列の値になる。
【0058】
(特許文献7) 特開2003−74943号公報(第6項、表1)
図16において、ステップS91では、コンピュータ30が、気象予報情報から外気絶対湿度Aobを求める。ステップS92では、コンピュータ30が、室内機11の設定温度Trがその室内機11が設置されている部屋100a,100bを区画する壁151,152または空調区画110a,110bを部分的に区画する壁151,152の放射温度Tkm以上であるかを確認する。ステップS92の確認の結果、その設定温度Trがその壁151,152の放射温度Tkm以上である場合は、ステップS94に移る。ステップS92の確認の結果、設定温度Trがその壁151,152の放射温度Tkm未満である場合は、ステップS93に移る。ステップS93の処理は、快適限界温度Tmが18℃から30℃まで1℃ずつ行われる。ステップS93では、コンピュータ30が、補正項A(Tm)がすべて0に等しいとする処理を行う。ステップS94の処理も、快適限界温度Tmが18℃から30℃まで1℃ずつ行われる。ステップS94では、コンピュータ30が、補正項A(Tm)がC(Tm)×(Tm−Tkm)に等しいとする処理を行う。ステップS95では、コンピュータ30が、Ao(Tm)≦Aob<Ao(Tm+1)の条件を満たす快適限界温度Tmを導出する。ステップS96では、コンピュータ30が、設定温度パラメータを「Tm」とする。
【0059】
このようにすれば、間接的に体感温度を考慮したような空調制御を行うことができる
(9)
先の実施の形態に係る空調制御システム400では、図5に示すステップS11からステップS17までの処理が行われたが、これに代えて、図19に示すステップS131からステップS139までの処理が行われてもよい。
【0060】
図19において、ステップS131からステップS139に示す処理は、あらかじめスケジュールされた日の5:00から22:00まで15分間隔で実行される。ステップS131では、コンピュータ30が、現時刻が第1処理時刻であるかを確認する。なお、ここで、第1処理時刻は、5:00である。ステップS131の確認の結果、現時刻が第1処理時刻である場合は、ステップS132に移る。ステップS131の確認の結果、現時刻が第1処理時刻でない場合は、ステップS134に移る。ステップS132では、コンピュータ30が、ステーション20から送信されるビル60の各部屋の放射温度Tkmを受信し、その放射温度情報を管理データベース32に格納する。ステップS133では、コンピュータ30が、現時刻が第3処理時刻であるかを確認する。なお、ここで、第3処理時刻は、5:00から22:00までの1時間間隔の時刻である。ステップS133の確認の結果、現時刻が第3処理時刻である場合は、ステップS134に移る。ステップS132の確認の結果、現時刻が第3処理時刻でない場合は、ステップS135に移る。ステップS134では、コンピュータ30が、気象情報管理サーバ80から送信される気象情報を受信し、その気象情報を管理データベース32に記憶する。なお、ここで、気象情報とは、ビル60が存在する地域のその日の15分おきの予想気温および予想湿度などである。ステップS135では、コンピュータ30が、現時刻が第4処理時刻であるかを確認する。なお、ここで、第4処理時刻は、5:00である。ステップS135の確認の結果、現時刻が第4処理時刻である場合は、冷凍サイクルルーチンR1に移る。ステップS135の確認の結果、現時刻が第4処理時刻でない場合は、ステップS136に移る。冷凍サイクルルーチンR1では、コンピュータ30が、気象情報、室内機11の設定温度、およびビル60の部屋100a,100bを区画する壁151,152の一部または空調区画110a,110bを部分的に区画する壁151,152の一部の放射温度を利用して冷凍サイクルの運転抑制制御機能のオン/オフ制御パラメータを導出する。ステップS136では、コンピュータ30が、現時刻が第2処理時刻であるかを確認する。なお、ここで、第2処理時刻は、5:00から22:00までの15分間隔の時刻である。ステップS136の確認の結果、現時刻が第2処理時刻である場合は、外気導入ルーチンR2に移る。ステップS136の確認の結果、現時刻が第2処理時刻でない場合は、ステップS138に移る。外気導入ルーチンR2では、コンピュータ30が、室内機11の設定温度、およびビル60の部屋100a,100bを区画する壁151,152の一部または空調区画110a,110bを部分的に区画する壁151,152の一部の放射温度を利用して全熱交換器ユニット15のオン/オフ制御パラメータおよびマルチ式空気調和機10の室内機11のオン/オフ制御パラメータを導出する。設定温度ルーチンR3では、コンピュータ30が、気象情報(外気温や外気絶対湿度の情報など。)、室内機11の設定温度、およびビル60の部屋100a,100bを区画する壁151,152の一部または空調区画110a,110bを部分的に区画する壁151,152の一部の放射温度を利用して設定温度パラメータを導出する。ステップS137では、空調制御パラメータ導出プログラム31が、冷凍サイクルルーチンR1、外気導入ルーチンR2および設定温度ルーチンR3において導出された各制御パラメータから空調制御テーブルを作成する。ステップS138では、コンピュータ30が、その空調制御テーブルを前回の空調制御テーブルと比較して空調制御テーブルに変更が加えてられているかを確認する。ステップS138の確認の結果、その空調制御パラメータに変更が加えられている場合は、ステップS139に移る。ステップS138の確認の結果、空調制御パラメータに変更が加えられていない場合は、コンピュータ30は、処理時刻まで待機する。ステップS139では、コンピュータ30が、その空調制御テーブルをステーション20に送信する。
【0061】
このようにすれば、逐次更新されるような気象情報を有効に活用することが可能となる。
(10)
先の実施の形態に係る空調制御システム400では、温度センサ205を用いて壁151,152の放射温度を計測したが、これに代えて、放射温度を推測してもよい。ここで、放射温度は[式2]により推算される。
【0062】
[式2] Tks=f(Trm(t))
(tは0時から23時までの1時間おきの時刻)
[式2]において、推定放射温度Tksは、ある時刻tにおける部屋100a,100bの温度Trm(室内機11の温度センサで測定できる。)の関数で表現される。例えば、5時における温度Trmから推定躯体温度Tksを推算することが考えられる。また、夜間の温度Trmの平均値から推定躯体温度Tksを推算することも考えられる。
【0063】
このようにすれば、新たな計測器を導入することなく躯体の温度を得ることができる。
(11)
先の実施の形態に係る空調制御システム400では、温度センサ205を用いて壁151,152の放射温度を計測したが、これに代えて、放射温度を推測してもよい。ここで、放射温度は[式3]により推算される。
【0064】
[式3] Tks=f(Trm(t))−g(部屋の位置,緑化情報)
(tは0時から23時までの1時間おきの時刻)
[式3]において、推定放射温度Tksは、ある時刻tにおける部屋100a,100bの温度Trm(室内機11の温度センサで測定できる。)の関数から得られる値と、その部屋100a,100bの位置情報(日当たりなども考慮できる。)および緑化情報(緑化場所や緑化面積、緑化密度など)の関数から得られる値との差により表現される。なお、f(Trm(t))の項は、例えば、5時における温度Trmから推算することが考えられる。また、夜間の温度Trmの平均値から推算することも考えられる。g(部屋の位置,緑化情報)の項に関しては、ビル60を図20のように区画しておくことが考えられる(以下、この区画を緑化影響分類区画111,112,113,114,115,116,117,118という。)。最も単純な例としては、図番111の緑化影響分類区画においてg(部屋の位置,緑化情報)=2とし、図番112の緑化影響分類区画においてg(部屋の位置,緑化情報)=1.5とし、図番113の緑化影響分類区画においてg(部屋の位置,緑化情報)=1.5とし、図番114の緑化影響分類区画においてg(部屋の位置,緑化情報)=1とし、図番115の緑化影響分類区画においてg(部屋の位置,緑化情報)=2とし、図番116の緑化影響分類区画においてg(部屋の位置,緑化情報)=0.5とし、図番117の緑化影響分類区画においてg(部屋の位置,緑化情報)=0とし、図番118の緑化影響分類区画においてg(部屋の位置,緑化情報)=1とすることなどが考えられる。なぜなら、冷房の場合、緑化場所に近ければ近いほど外からの熱負荷の影響が低減されると予測されるからである。あらかじめビル60の温度ムラについて調査をし、その調査の知見に基づいてこのような値を決定することができれば、さらに正確に躯体温度の推算を行うことができると考えられる。
【0065】
(12)
先の実施の形態に係る空調制御システム400では、主に作用温度を採用したが、これに代えて、他の温熱指標、例えば、有効温度、修正有効温度、不快指数、作用温度、冷風指数、等価冷却温度、WBGT指数、または新有効温度などを採用してもよい。また、エンタルピなどの物理量を用いてもよい。
【0066】
(13)
先の実施の形態に係る空調制御システム400では、壁151,152の放射温度を測定したが、これに代えて、天井または床の放射温度を測定してもよい。また、壁151,152の表面温度を測定もよい。
(14)
先の実施の形態に係る空調制御システム400では、地下配管320がビル60の外に設けられていたが、これに代えて、地下配管320をビル60内に設けてもよい。このようにすれば、地下を通った外気の放熱を抑制することができる。
【0067】
(15)
先の実施の形態に係る空調制御システム400では、5:00に躯体温度を取得したが、これに加えて、5:00から22:00までの数分刻みの時刻に躯体温度を取得してもよい。このようにすれば、よりきめ細かく制御パラメータを導出することができる。したがって、省エネルギー効果をさらに向上させることができる。
【0068】
(16)
先の実施の携帯に係る空調制御システム400では、コンピュータ30に空調制御パラメータ導出プログラム31をインストールしたが、これに代えて、ステーション20に空調制御パラメータ導出プログラム31をインストールしてもかまわない。ただし、この場合、気象情報管理サーバ80とステーション20との接続を確立する必要がある。
【0069】
【発明の効果】
請求項1に係る空調制御装置では、躯体温度取得手段が、所定の空間に属する空間を部分的に又は全体的に区画する躯体の一部または全部の温度を、少なくともその空間単位で取得する。そして、空調制御パラメータ導出手段が、その躯体の一部または全部の温度を利用して空調制御パラメータを導出する。このため、所定の空間に複数の空間が属しておりそれぞれの空間に少なくとも1台の空気調和機が設置されるような場合、その空間ごとに空気調和機の空調制御パラメータを導出することができる。また、空気調和機がマルチ式空気調和機である場合、その室内機が設置される空間ごとにその室内機の制御パラメータを導出することができる。したがって、緑化などされて空調負荷が不均一になっているようなビルなどにおいても十分な省エネルギー効果を得ることができる。
【0070】
請求項2に係る空調制御装置では、空調制御パラメータ導出手段が、躯体の一部または全部の温度を利用して、空調制御パラメータを導出する基準となる基準値を修正し、その修正された基準値に基づいて空調制御パラメータを導出する。このため、所定の空間に属する空間それぞれに適切なタイミングで空調制御パラメータを導出することができる。したがって、緑化などされて空調負荷が不均一になっているようなビルなどにおいても十分な省エネルギー効果を得ることができる。
【0071】
請求項3に係る空調制御装置では、空調制御パラメータ導出手段が、躯体の一部または全部の温度を利用して外気導入手段の制御パラメータを導出する。外気導入手段の消費エネルギー量は、空気調和機のそれと比べると十分に小さい。このため、ビルなどをさらに効率的に省エネルギー化することができる。また、例えば、冷房時において、躯体温度が空気調和機の設定温度よりも低いときは従来よりも早いタイミングで外気導入などすることができ、また躯体温度が室温よりも高いときは外気導入を行わないように空調制御パラメータを導出するようにすることができれば、緑化などされて空調負荷が不均一になっているようなビルなどをさらに効率よく省エネルギー化することができる。
【0072】
請求項4に係る空調制御装置では、外気導入手段が、地中に設けられる配管を介して外気を導入する。一般に、地中は常にほぼ一定の温度に保たれている。つまり、比較的暑い時期では地中の温度が外気の温度よりも低く、比較的寒い時期では地中の温度が外気の温度よりも高い。このため、外気が地中の配管を通る際に地中の熱と熱交換を起こすようにすることができれば、比較的暑い時期では外気が冷却され、比較的寒い時期では、外気が加熱される。したがって、そのような時期では、比較的低い空調能力で空気調和機を運転することができる。その結果、ビルなどをさらに効率的に省エネルギー化することができる。
【0073】
請求項5に係る空調制御装置では、空調制御パラメータ導出手段が、躯体の一部または全部の温度を利用して第1外気導入手段の制御パラメータおよび第2外気導入手段の制御パラメータを導出する。ところで、第1外気導入手段は、夏や冬などには非常に有効である。しかし、例えば、秋や春などにおいて外気温度が地中の温度よりも低い状態で空気調和機または空気調和システムが冷房運転している場合は、空間の空調負荷を大きくしてしまう可能性がある。しかし、先のような状況になったときに、外気導入手段を第1外気導入手段から第2外気導入手段に切り替えるように制御パラメータを導出することができれば、空間の空調負荷を大きくしてしまうことを防止することができる。また、空気調和機または空気調和システムの設定温度が、外気温度と地中の温度との間にある場合は、第1外気導入手段と第2外気導入手段とを適当な割合で運転させることにより、外気導入手段のみでその空間を空気調和することができる。したがって、さらに効率よくビルなどの省エネルギー化を行うことができる。
【0074】
請求項6に係る空調制御装置では、決定手段が、制御パラメータに基づいて空気調和機または空気調和システムの運転/停止を決定する。このため、外気導入手段が運転されているときに、空気調和機または空気調和システムを停止することができれば、在室者の快適感を損なうことなくさらに省エネルギー化することができる。
【0075】
請求項7に係る空調制御装置では、空調制御パラメータ導出手段が、躯体の一部または全部の温度を利用して複数の内気排出手段それぞれの制御パラメータを導出する。このため、例えば、温度が高い空間の順に内気排出手段を運転させるように制御パラメータを導出させることができれば、空間に蓄積される熱を効率的に排出することができる。したがって、冷房時のビルなどをさらに効率的に省エネルギー化することができる。
【0076】
請求項8に係る空調制御装置を用いると、新たに計測器を導入することなく躯体の一部または全部の温度を得ることができる。
請求項9に係る空調制御装置を用いると、若干の設備費や工事費などはかかるが、精度よく躯体の温度を測定できる。
請求項10に係る空調制御プログラムが実行されると、躯体温度取得ステップで、所定の空間に属する空間を部分的に又は全体的に区画する躯体の一部または全部の温度が、少なくともその空間単位で取得される。そして、空調制御パラメータ導出ステップで、その躯体の一部または全部の温度が利用されて空調制御パラメータが導出される。このため、所定の空間に複数の空間が属しておりそれぞれの空間に少なくとも1台の空気調和機が設置されるような場合、その空間ごとに空気調和機の空調制御パラメータを導出することができる。また、空気調和機がマルチ式空気調和機である場合、その室内機が設置される空間ごとにその室内機の制御パラメータを導出することができる。したがって、緑化などされて空調負荷が不均一になっているようなビルなどにおいても十分な省エネルギー効果を得ることができる。
【0077】
請求項11に係る空調制御方法が実施されると、躯体温度取得ステップで、所定の空間に属する空間を部分的に又は全体的に区画する躯体の一部または全部の温度が、少なくともその空間単位で取得される。そして、空調制御パラメータ導出ステップで、その躯体の一部または全部の温度が利用されて空調制御パラメータが導出される。このため、所定の空間に複数の空間が属しておりそれぞれの空間に少なくとも1台の空気調和機が設置されるような場合、その空間ごとに空気調和機の空調制御パラメータを導出することができる。また、空気調和機がマルチ式空気調和機である場合、その室内機が設置される空間ごとにその室内機の制御パラメータを導出することができる。したがって、緑化などされて空調負荷が不均一になっているようなビルなどにおいても十分な省エネルギー効果を得ることができる。
【0078】
請求項12に係る空調制御システムでは、所定の空間に複数の空間が属しておりそれぞれの空間に少なくとも1台の空気調和機が設置されるような場合、その空間ごとに空気調和機の空調制御パラメータを導出することができ、またそれらの空気調和機を空間単位で制御することができる。したがって、緑化などされて空調負荷が不均一になっているようなビルなどにおいても十分な省エネルギー効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】空調制御システム400のブロック図。
【図2】ビル60の斜視図。
【図3】空調設備を表す図(一部屋に1台の室内機11が設置される場合。)。
【図4】空調設備を表す図(一部屋に複数台の室内機11が設置される場合。)。
【図5】空調制御パラメータ導出の流れを表すフローチャート
【図6】冷凍サイクルルーチン31bの処理の流れを表すフローチャート。
【図7】外気導入ルーチン31aの処理の流れを表すフローチャート。
【図8】設定温度ルーチン31cの処理の流れを表すフローチャート。
【図9】変形例(4)に係る冷凍サイクルルーチンの処理の流れを表すフローチャート(1)。
【図10】変形例(4)に係る冷凍サイクルルーチンの処理の流れを表すフローチャート(2)。
【図11】変形例(5)に係る外気導入ルーチンの処理の流れを表すフローチャート。
【図12】変形例(7)に係る空調設備を表す図。
【図13】変形例(7)に係る外気導入ルーチン31aの処理の流れを表すフローチャート(1)。
【図14】変形例(7)に係る外気導入ルーチン31aの処理の流れを表すフローチャート(2)。
【図15】変形例(7)に係る他の空調設備を表す図。
【図16】変形例(8)に係る設定温度ルーチン31cの処理の流れを表すフローチャート。
【図17】外気絶対湿度、室内絶対湿度および設定温度の関係を説明するための表。
【図18】設定温度ルーチンにおいて作成される制御パラメータの概念図。
【図19】変形例(9)に係る空調制御パラメータの導出を表すフローチャート。
【図20】変形例(10)に係るビル60の緑化影響分類区画111,112,113,114,115,116,117,118を表す図。
【符号の説明】
10 マルチ式空気調和機
11 室内機
12 室外機
15 全熱交換器ユニット
20 ステーション
21 制御部
23,33,82 モデム
30 コンピュータ
31 空調制御パラメータ導出プログラム
31a 外気導入ルーチン
31b 冷凍サイクルルーチン
31c 設定温度ルーチン
32 管理データベース
40 ネットワーク
50 情報管理センター
60 緑化ビル
61,62 緑化スペース
63 屋上出口
64 貯水タンク
70 管理室
80 気象情報管理サーバ
81 気象データベース
90 気象情報配信センター
100,110 区画
100a,100b 部屋
110a,110b 空調区画
111,112,113,114,115,116,117,118
緑化影響分類区画
151 外壁
152 壁
202 電子膨張弁
203a 冷媒配管(液管)
203b 冷媒配管(ガス管)
204 コントローラ
205 温度センサ
302a ダクト配管(給気側)
302b ダクト配管(排気側)
311 給気ファン
313,317 排気ファン
315 排気ダンパ
319 三方電磁弁
320 地下配管
400 空調制御システム
500 空調領域の境界面

Claims (12)

  1. 複数の空間を有する建造物(60)において所定の前記空間(100a,100b,110a,110b)を空気調和する空気調和機(10)または空気調和システムを制御するための空調制御装置(30)であって、
    前記所定の前記空間に属する前記空間(100a,100b,110a,110b)を部分的に又は全体的に区画する躯体(151,152)の一部または全部の温度を、少なくとも前記空間(100a,100b,110a,110b)単位で取得する躯体温度取得手段(33)と、
    前記躯体(151,152)の一部または全部の温度を利用して空調制御パラメータを導出する空調制御パラメータ導出手段(31)と、
    を備える、空調制御装置(30)。
  2. 前記空調制御パラメータ導出手段(31)は、前記躯体(151,152)の一部または全部の温度を利用して、空調制御パラメータを導出する基準となる基準値を修正し、その修正された前記基準値に基づいて前記空調制御パラメータを導出する、
    請求項1に記載の空調制御装置(30)。
  3. 前記空気調和機(10)または前記空気調和システムは、前記所定の前記空間に属する前記空間(100a,100b,110a,110b)それぞれに対して、外気を導入する外気導入手段(15,311)を有し、
    前記空調制御パラメータ導出手段(31)は、前記躯体(151,152)の一部または全部の温度を利用して前記外気導入手段(15,311)の制御パラメータを導出する、
    請求項1に記載の空調制御装置(30)。
  4. 前記外気導入手段(311)は、地中に設けられる配管(320)を介して外気を導入する、
    請求項3に記載の空調制御装置(30)。
  5. 前記外気導入手段は、地中に設けられる配管(320)を介して外気を導入する第1外気導入手段と、地中に設けられる配管を介さずに外気を導入する第2外気導入手段とを有し、
    前記空調制御パラメータ導出手段(31)は、前記躯体(151,152)の一部または全部の温度を利用して前記第1外気導入手段の制御パラメータおよび前記第2外気導入手段の制御パラメータを導出する、
    請求項3に記載の空調制御装置(30)。
  6. 前記制御パラメータに基づいて前記空気調和機(10)または前記空気調和システムの運転/停止を決定する決定手段をさらに備える、
    請求項3から5のいずれかに記載の空調制御装置(30)。
  7. 前記空気調和機(10)または前記空気調和システムは、前記所定の前記空間に属する前記空間(100a,100b,110a,110b)それぞれに対して、内気を排出する内気排出手段(313,315,317)を複数有し、
    前記空調制御パラメータ導出手段(31)は、前記躯体(151,152)の一部または全部の温度を利用して前記複数の内気排出手段(313,315,317)それぞれの制御パラメータを導出する、
    請求項1に記載の空調制御装置(30)。
  8. 前記躯体(151,152)の一部または全部の温度は、前記空間(100a,100b,110a,110b)の内気の温度、前記空間(100a,100b,110a,110b)の位置情報、および前記建造物(60)の緑化情報に基づいて推定される推定値である、
    請求項1から7のいずれかに記載の空調制御装置(30)。
  9. 前記躯体(151,152)の一部または全部の温度は、計測値である、
    請求項1から7のいずれかに記載の空調制御装置(30)。
  10. 複数の空間を有する建造物(60)において所定の前記空間を空気調和する空気調和機(10)または空気調和システムを制御するための空調制御プログラム(31)であって、
    前記所定の前記空間に属する前記空間(100a,100b,110a,110b)を部分的に又は全体的に区画する躯体(151,152)の一部または全部の温度を、少なくとも前記空間(100a,100b,110a,110b)単位で取得する躯体温度取得ステップと、
    前記躯体(151,152)の一部または全部の温度を利用して空調制御パラメータを導出する空調制御パラメータ導出ステップと、
    を備える、空調制御プログラム(31)。
  11. 複数の空間を有する建造物(60)において所定の前記空間を空気調和する空気調和機(10)または空気調和システムを制御するための空調制御方法であって、
    前記所定の前記空間に属する前記空間(100a,100b,110a,110b)を部分的に又は全体的に区画する躯体(151,152)の一部または全部の温度を、少なくとも前記空間(100a,100b,110a,110b)単位で取得する躯体温度取得ステップと、
    前記躯体(151,152)の一部または全部の温度を利用して空調制御パラメータを導出する空調制御パラメータ導出ステップと、
    を備える、空調制御方法。
  12. 請求項1から8のいずれかに記載の空調制御装置(20,30)と、
    前記空調制御装置(20,30)により制御される空気調和機(10)または空気調和システムと、
    を備える、空調制御システム。
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