JP2004324933A - 木材の乾燥方法 - Google Patents

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Gyokuko To
董玉庫
Shuzo Aoki
修三 青木
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Abstract

【課 題】被乾燥材の木材の乾燥を熱風を供給する送風機の駆動を定期的に停止させて乾燥時間を延長させることなく行い、これにより動力を軽減すると共に、乾燥をマイルドに行ってひねりや表面割れによる不良品発生率を減少させる。
【解決手段】送風機の回転を15分間の停止時間を挟んで正逆に45分間ずつ切り換えて乾燥を行い、15分間停止後、1分毎に温度を上げ、5分間で元の設定温度に戻す操作を行う。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、木材の乾燥方法に関し、ことに木材乾燥時の乾燥装置の動力を軽減し、乾燥材の品質を向上させた木材の乾燥方法に関する。
【0002】
【従来技術】
図1は、木材乾燥方法の一例を示すもので、乾燥室1内に被乾燥材の木材3を木材間に間隙を存するようにしてスペーサ2を介在させて積み重ね、乾燥室1上に設置したヒータ4により加熱されたエア、例えば80℃に設定されたエアをモータ6により駆動される送風機5の回転を図2に示すように一定時間ごとに正逆に切り換えて図1の実線で示す方向に、或いは点線で示す方向に送風し、これにより乾燥室内の木材3の含水率を平準化し、また乾燥の進行状況によって送風機5の回転数を変え、乾燥速度を制御していた。
【0003】
図4は、木材3を上述する方法によって乾燥させた場合、図3に示す木材の中心oから表面aまでの含水率のイメージを示すもので、乾燥日数がn−3日、n−2日、n−1日、n日と経過するにつれ含水率が次第に逓減し、また木材乾燥時には、表層部において含水率が急激に低下する傾向にある。こうした表層部の含水率の低下、すなわち乾燥は収縮による表面割れを生じがちである。こうした表面割れは大断面の木材ほど生じ易い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、送風機の動力を軽減することを意図し、その一環として送風機の駆動を定期的に停止させることを考え、実際に送風機の回転を正逆に切り換える際、図5に示すように正逆に切り換えるときに送風機を一定時間停止させて動力の軽減を図ったところ、全体の乾燥時間をほとんど延長させることなく、初期の含水率を有する乾燥材を得ることができたうえ、乾燥がマイルドに行われ、ひねりや表面割れを減少させることができる、という当初予測していなかった効果が得られることを見出した。
【0005】
本発明者らは更に送風機の停止後、運転を再開する際、熱風の温度を設定値、例えば80℃に一気に戻すよりも徐々に戻すと、ひねりや表面割れを生じにくいことを見出した。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものである。
【0006】
【課題の解決手段】
すなわち本発明は、乾燥室内に被乾燥材の木材をスペーサを介在させて積み重ね、送風機の回転を一定時間ごとに正逆に切り換えて積み重ねた木材の一側より或いは他側より設定温度の熱風を交互に供給して行う木材の乾燥方法において、送風機の回転を正逆に切り換える際、送風機を一定時間停止させて送風機の動力を軽減させることを特徴とし、別の発明は、停止後、再開するときに供給される熱風の温度を設定温度まで一定時間掛けて徐々に上げて乾燥によって生ずる木材の変形、割れなどを防止することを特徴とする。
【0007】
【実施例】
実施例1
表1に示す長さ、厚さ、幅の被乾燥材の木材を図1に示すように乾燥室1に入れてスペーサ2を介在させて積み重ね、80℃に設定されたエアを供給する送風機5の回転を図5に示すように15分間の停止時間を挟んで、正逆に45分間ずつ切り換えて乾燥を行い、切換時には、15分間の停止後、1分毎に温度を1℃上げ、5分後に元の80℃に戻す操作を行った。乾燥終了までの乾燥時間は平均373時間で、乾燥材の含水率は平均14.8%であった。また個々の乾燥材のひねりを測定し、表面割れを目視により観察して不良なものを摘出した。ひねりによる不良品質と表面割れによる不良品率を表1に併記した。また、図7は、乾燥を繰返し行ったときの不良品率を示す。
【0008】
比較例1
表1に示す長さ、厚さ、幅の被乾燥材の木材を実施例1と同様にして乾燥室1内に積み重ね、従来法と同様、80℃に設定されたエアを供給する送風機5の回転を図2に示すように60分ごと正逆に切り換えて乾燥を行った。乾燥時間は平均363時間であり、乾燥材の含水率は平均14.5%であった。表1にはまた、ひねりによる不良品率と表面割れによる不良品率を併記した。
【0009】
【表1】
Figure 2004324933
【0010】
ここでひねりの測定は、コンベア上に乾燥材を載せて搬送し、幅方向に一定の間隔を存するレーザ測定装置で乾燥材までの距離を測定し、この測定値から図6に示すように乾燥材先端の歪み量δ、後端の歪み量δを求めることにより行い、δ+δが設定値より大きなものを不良品とした。
【0011】
比較例1に示す従来法に比べ、実施例1に示す方法では、平均乾燥時間及び平均含水率共、ほとんど差異はない。このことは、送風機5の駆動時間を従来法の3/4にしても従来法のものと同程度の乾燥材が得られることを意味するもので、送風機の動力を軽減することができるものである。因みに比較例による月間の電力使用量に比べ、実施例による月間の電力使用量は12%減少した。
また表1に見られるように、ひねりによる不良品発生率、表面割れによる不良品発生率は共にほゞ減少した。
【0012】
比較例2
実施例1において、送風機5の運転停止後、エアの温度を80℃に維持して直ちに送風を開始した。図8は、ひねりによる不良品発生率と、表面割れによる不良品発生率を示す。
図7に示すように、温度を徐々に上げる方法に比べ、不良品発生率が大幅に増加した。
【0013】
【発明の効果】
請求項1に係わる発明によると、送風機の駆動を定期的に停止させても、乾燥時間を延長させることなく所期の含水率を有する乾燥材を得ることができ、送風機を連続運転して乾燥していた従来法に比べ、動力が軽減できると共に、乾燥がマイルドに行われ、表面割れやひねりによる不良品発生率を減少させることができる。
請求項2に係わる発明によると、送風停止後、室温温度まで温度を徐々に上げることにより、表面割れやひねりによる不良品発生率を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乾燥装置の概略図。
【図2】従来の乾燥方法を示す図。
【図3】木材の断面図。
【図4】図3に示す木材の中心oから表面aまでの含水率を示す図。
【図5】本発明に係わる乾燥方法を示す図。
【図6】木材のひねりを示す斜視図。
【図7】実施例のグラフ。
【図8】比較例2のグラフ。
【符号の説明】
1・・乾燥室
2・・スペーサ
3・・木材
4・・ヒータ
5・・送風機
6・・モータ

Claims (2)

  1. 乾燥室内に被乾燥材の木材をスペーサを介在させて積み重ね、送風機の回転を一定時間ごとに正逆に切り換えて積み重ねた木材の一側より或いは他側より設定温度の熱風を交互に供給して行う木材の乾燥方法において、送風機の回転を正逆に切り換える際、送風機を一定時間停止させて送風機の動力を軽減させることを特徴とする木材の乾燥方法。
  2. 停止後、再開するときに供給される熱風の温度を設定温度まで一定時間掛けて徐々に上げて乾燥によって生ずる木材の変形、割れなどを防止することを特徴とする請求項1記載の木材の乾燥方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101668781B1 (ko) 2015-02-26 2016-10-25 한국에너지기술연구원 고점도 물질용 복합 건조장치
CN108278860A (zh) * 2018-01-16 2018-07-13 昆明霍尔金科技有限公司 一种匀流热风物料干燥方法

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