JP2004324433A - 内燃機関用点火装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガスの移動を阻害しないが,水の移動は防止できるガス通路を有する内燃機関用点火装置を提供すること。
【解決手段】シール板1の上面105は複数の独立した水溜部を有し,水溜部の少なくとも1つはシリンダヘッド外部に通じる外部通路を有し,外部通路を有しない水溜部の中の少なくとも1つはプラグホール20内部に通じる内部通路を有し,コイルフランジ部4の下面41は複数の水溜部間をガスが通過できるよう連結する連結溝を有し,複数の水溜部と連結部とを用いて,コイルフランジ部4とシール板1との間に,プラグホール20内部とシリンダヘッド2外部との間でガス交換を可能とするガス通路を形成してなる。
【選択図】 図1
【解決手段】シール板1の上面105は複数の独立した水溜部を有し,水溜部の少なくとも1つはシリンダヘッド外部に通じる外部通路を有し,外部通路を有しない水溜部の中の少なくとも1つはプラグホール20内部に通じる内部通路を有し,コイルフランジ部4の下面41は複数の水溜部間をガスが通過できるよう連結する連結溝を有し,複数の水溜部と連結部とを用いて,コイルフランジ部4とシール板1との間に,プラグホール20内部とシリンダヘッド2外部との間でガス交換を可能とするガス通路を形成してなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は,内燃機関の燃焼室において点火動作を行う点火プラグと該点火プラグに通電する点火コイルとを有する内燃機関用点火装置に関する。
【0002】
【従来技術】
後述する図1,図2等に示すごとく,内燃機関のシリンダヘッドに設けたプラグホールは,底面に点火プラグが取り付けてあり,該点火プラグはプラグホールに挿入した点火コイルとプラグホール内において電気的に接続される。
プラグホールはシリンダヘッド外部に開口する開口部を有し,該開口部はコイル頭部の下方に設けたコイルフランジ部によって閉塞され,そしてゴミや水が入らないようにコイルフランジ部とプラグホール開口部周縁のシリンダヘッド外部表面との間に円盤状のシール板を設けて,プラグホールを閉鎖する。
【0003】
しかしながら,プラグホール内のガスは,内燃機関の燃焼室における燃焼や点火コイル作動時の発熱等によって熱せられ膨張することがあり,プラグホールの完全密閉は問題がある。
更に,点火コイルと点火プラグとの間の通電等は高圧電流により行うことが多いため,オゾンが発生することもあり,プラグホール内の換気が必要となることもある。
従って,プラグホール内部とシリンダヘッド外部との間でガス交換ができるように,シール板とコイルフランジ部との間等にガス通路を設けるのが一般的である。
【0004】
ガス通路の具体例として,従来知られている構成を図17,図18に記載する。
図17,図18に示すごとく,シール板9のコイルフランジ部側と対面する上面105に周溝部90を設けて,コイルフランジ部とシール板9とを密接させる。これにより周溝部90をガス通路として利用できる。
すなわち,図17,図18に示すごとく,上記周溝部90は,環状のシール板9の上面105に設けた,複数の水溜部91と各水溜部91を連結する連結溝92とからなる。
水溜部91の深さは連結溝92より深く,ある連結溝92の内周側にプラグホール内部に通じる内部通路122を,また内部通路122を設けてない別の連結溝92の外周側にシリンダヘッド外部に通じる外部通路121を設ける。
この構成にかかるシール板9をコイルフランジ部と密接することでガス通路となす。
【0005】
プラグホール内部のガスは内部通路122を設けた連結溝92,該連結溝92と隣接する水溜部91・・・を隔てて,外部通路121を設けた連結溝92に入り,外部通路121を通過してシリンダヘッド外部に抜けることができる。
シリンダヘッド外部からの被水で,ガス通路に水が入った場合,水は連結溝92より深い水溜部91に溜まって勢いが抑えられ,プラグホール内部に到達し難くなる。
【0006】
【特許文献1】
特許第03145880号公報
【0007】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来構成の場合,水溜部91に溜まった水が自然と移動して,プラグホール内部に浸入することがあった。
【0008】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,ガスの移動を阻害しないが,水の移動は防止できるガス通路を有する内燃機関用点火装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】
第1の発明は,点火プラグを底部に取り付けシリンダヘッド外部に開口した開口部を備えたプラグホールに対し上記開口部から挿入して点火プラグと電気的に導通する点火コイルを有する内燃機関用点火装置であって,
上記点火コイルは,上記プラグホールの開口部を閉塞するコイルフランジ部を有し,
上記コイルフランジ部の下面と上記開口部の縁との間にシール板を介装し,
上記シール板の上面は,複数の独立した水溜部を有し,
上記複数の水溜部の少なくとも1つはシリンダヘッド外部に通じる外部通路を有し,上記外部通路を有しない水溜部の中の少なくとも1つはプラグホール内部に通じる内部通路を有し,
上記コイルフランジ部の下面は,上記シール板が有する複数の水溜部間をガスが通過できるよう連結して,上記シール板の上面に対して開口する連結溝を有し,
上記複数の水溜部と上記連結部とを用いて,上記コイルフランジ部と上記シール板との間に,上記プラグホール内部と上記シリンダヘッド外部との間でガス交換を可能とするガス通路を形成してなることを特徴とする内燃機関用点火装置にある(請求項1)。
【0010】
第1の発明にかかる内燃機関用点火装置において,プラグホール内部とシリンダヘッド外部との間でガス交換を可能とするガス通路をシール板とコイルフランジ部との間に形成する。すなわちシール板の上面に設けた複数の独立した水溜部を,コイルフランジ部の下面に設けた連結溝が連結することで,ガス通路を得ることができる。
【0011】
シール板はコイルフランジ部の下方にあり,シリンダヘッド外部に通じる外部通路,プラグホール内部に通じる内部通路はそれぞれ別の水溜部に連結するよう設けてなる。そして,シール板とコイルフランジ部とを密接した際は,連結溝は水溜部より上側に位置する(後述する図2,図6)。
そのため,後述する図6に示すごとく,ガスは水溜部から連結溝を通って隣接する水溜部に移動することができるが,水は,少なくとも水溜部が水没してここから水が溢れない限り,連結溝を通じて隣接する水溜部に移動できない。
よって,第1の発明にかかる構成とすることで,ガスの移動を妨げないが,水の移動は妨げるガス通路を得ることができる。
【0012】
また,第2の発明は,点火プラグを底部に取り付けシリンダヘッド外部に開口した開口部を備えたプラグホールに対し上記開口部から挿入して点火プラグと電気的に導通する点火コイルを有する内燃機関用点火装置であって,
上記点火コイルは,上記プラグホールの開口部を閉塞するコイルフランジ部を有し,
上記コイルフランジ部の下面と上記開口部の縁との間にシール板を介装し,
上記シール板の上面,または上記コイルフランジ部の下面のいずれか一方に突出部を有し,他方に上記突出部よりも断面積の広い溝部を有し,
上記溝部に上記突出部を挿入することで,上記溝部を複数の溝空間を分割すると共に,該複数の溝空間の少なくとも1つはシリンダヘッド外部に通じる外部通路を有し,該複数の溝空間の少なくとも1つはプラグホール内部に通じる内部通路を有し,
さらに,上記複数の溝空間を連結して一連に繋がった状態となすための連結路を有することで,
上記コイルフランジ部と上記シール板との間に,上記プラグホール内部と上記シリンダヘッド外部との間でガス交換を可能とするガス通路を形成してなることを特徴とする内燃機関用点火装置にある(請求項6)。
【0013】
第2の発明にかかる内燃機関用点火装置において,プラグホールとシリンダヘッド外部との間でガス交換を可能とするガス通路をシール板とコイルフランジ部との間に形成する。
すなわちコイルフランジ部の下面にと上記シール板の上面のいずれか一方に溝部を他方に突出部を設けて,溝部に突出部を入れることで,溝部を複数の溝空間に分割する。また,溝空間に内部通路や外部通路を設け,更に溝空間を連結して一連に繋がった状態となすための連結路を設ける。これにより,内部通路,溝空間,連結路,外部通路からなるガス通路を得ることができる。
このガス通路においてガスは溝空間が一連に繋がった状態となっているため,自由に行き来することができる。
しかしながら水は外部通路から入った後,内部通路に到達するまでの間に連結路を通過する必要があり,連結路の位置まで溝空間において水位が上昇する必要がある。
よって,第2の発明にかかる構成とすることで,ガスの移動を妨げないが,水の移動は妨げるガス通路を得ることができる。
【0014】
このように,第1,第2の発明によれば,ガスの移動を阻害しないが,水の移動は防止できるガス通路を有する内燃機関用点火装置を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
第1の発明において,上記コイルフランジ部の下面に設けた連結溝は水溜部と同数以上あり,上記水溜部間にあってガス通路の形成にあたる上記連結溝の長さは,各々対応する水溜部の端部同士の最短距離よりも長く構成してなることが好ましい(請求項2)。
【0016】
第1の発明において,上記コイルフランジ部の下面に設けた複数の連結溝はすべて繋がっているよう構成することができる(請求項3)。また,上記コイルフランジ部の下面に設けた連結溝は複数個形成され,それぞれが独立してなることができる(請求項4)。
連結溝は隣接する水溜部を連結してガスの移動ができるように構成する必要がある。基本的にその形状,大きさは問わないが,水をより通過させ難くするためには,連結溝の断面積を水溜部の断面積と比較してより小さくするとよい(請求項5参照)。
また,複数の連結溝がすべて繋がっている構成は(図7参照),コイルフランジ部に対するシール板の位置合わせを不要とできるため,より好ましい。
【0017】
第1の発明において,上記コイルフランジ部の下面に設けた連結溝は,上記シール板に設けた水溜部よりも幅細であることが好ましい(請求項5)。
連結溝の断面積を幅細とすることで,連結溝の断面積を水溜部の断面積と比較してより小さくすることができ,よって連結溝を水が通過し難くすることができ,ある水溜部から別の水溜部への水の移動を防止することができる。
【0018】
第1の発明では,シール板のみでなく,コイルフランジ部の下面を利用して水の移動や通過を生じ難くさせている点に特徴がある。コイルフランジ部の下面は,シール板の上面に設けた水溜部より高い位置にあるため,両者の高低差を利用することで,水を更に通過させ難くすることができる。
なお,コイルフランジ部は一般に樹脂からなるため,一般にゴムからなるシール面を加工して細溝を得るより高い精度で所望の溝を得ることができる。よって,シール板のみでガス通路を形成するよりは,第1の発明にかかる構成のほうが製造容易である。
【0019】
第2の発明において,連結路は突出部を貫通する貫通穴から構成することができる。また,シール板に突出部を設けた場合は,突出部の頂面に凹部を設けてこれを連結路として用いることができる(実施例1参照)。
第2の発明において,上記連結路は上記ガス通路においてより高い位置に形成することが好ましい(請求項7)。
より高い位置にある連結路は水が届き難くなるため,水が溝空間から連結路を経て他の溝空間に移動することを防ぐことができる。
【0020】
第2の発明において,上記連結路の断面積は,上記溝空間の断面積よりも小さく形成することが好ましい(請求項8)。
このように連結路を小さく構成することで,連結路に水が浸入し難くなる。
【0021】
また,溝空間や突出部,溝部の具体的な構成としては,例えば上記突出部によって上記溝部は,2つの溝空間に分割されてなることがある(請求項9)。
更に,上記シール板は上記突出部を有し,上記コイルフランジ部は上記溝部を有することがある(請求項10)。更に,上記突出部及び上記溝部は円周状となることがある。(請求項11)。更に上記溝部に上記突出部を挿入することで,2つの溝空間を形成すると共に2つの溝空間のより外周側に位置する外周溝空間が外部通路を有し,より内周側に位置する内周溝空間が内部通路を有することが好ましい(請求項12)。
更に具体的な構成については実施例2に記載した。
【0022】
第2の発明において,上記連結路は2つ以上設けてなることが好ましい(請求項13)。
水を通り難くするために連結路の断面積は可能な限り小さくすることが多い。従って,ごみ,成形くず等の影響で連結路が塞がった場合,または1つの連結路の周囲まで水が浸入してしまった場合等を考慮して,連結路を2つ以上設けることが好ましい。
【0023】
第2の発明において,上記連結路は上記ガス通路における略中央付近に設けてなることが好ましい(請求項14)。
すなわち,外側通路のすぐ近くに連結路がある場合は,内部通路を有する溝空間に浸入した水が入りやすくなる。従って,上記連結路は,ガス通路の全経路長さのほぼ中央に設けることが好ましい。
【0024】
また,本発明にかかる内燃機関用点火装置は,各種車両や自動車等のエンジンに用いることが好ましい。
各種車両や自動車等は洗車や降雨等でしばしばシリンダヘッドに対する被水が発生するため,本発明に記載するようなプラグホール内部への水,水蒸気の浸入防止機構を必要とするためである。
【0025】
【実施例】
以下に,図面を用いて本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本例にかかる内燃機関用点火装置200は,図1〜図8に示すごとく,点火プラグ35を底部25に取り付けシリンダヘッド2外部に開口した開口部21を備えたプラグホール20に対し上記開口部21から挿入して点火プラグ35と電気的に導通する点火コイル3を有する。
【0026】
上記点火コイル35は,上記プラグホール20の開口部21を閉塞するコイルフランジ部4を有し,上記コイルフランジ部4の下面41と上記開口部21の縁210との間にシール板1を介装する。
上記シール板1の上面105は4個の独立した水溜部111〜114を有する。
水溜部112はシリンダヘッド2外部に通じる外部通路121を有し,上記外部通路121と持たない水溜部114はプラグホール20内部に通じる内部通路122を有する。
【0027】
上記コイルフランジ部4の下面41は,上記シール板1が有する4個の水溜部111〜114間をガスが通過できるよう連結して,上記シール板1の上面105に対して開口する連結溝411〜414を有する。
上記4個の水溜部111〜114と上記連結部411〜414とを用いて,上記コイルフランジ部4と上記シール板1との間に,上記プラグホール20内部と上記シリンダヘッド2外部との間でガス交換を可能とするガス通路を形成してなる。
【0028】
また,上記コイルフランジ部4の下面41に設けた連結溝411〜414は水溜部111〜114と同数であり,上記水溜部111〜114間にあってガス通路の形成にあたる上記連結溝411〜414の長さは,各々対応する(すなわち,ガスが移動可能なように連結することを意味する。)水溜部411〜414の端部同士の最短距離よりも長く構成してなる。
なお,例えば連結溝411においては水溜部111,112とが「対応する水溜部」となる。
【0029】
以下,詳細に説明する。
図1,図2に示すごとく,自動車エンジンにて用いる内燃機関用点火装置200において,シリンダヘッド2に設けた円筒型のプラグホール20の底部25には点火プラグ35が点火部がプラグホール20外部のエンジン内に露出するよう取り付けてある。
シリンダヘッド2の外部に開口した開口部21から該開口部21より径大のコイル頭部31が露出するよう点火コイル3をプラグホール20に挿入し,点火コイル3のコイル円筒部32の先端に設けた筒型の取付部322の内部に,点火プラグ35のプラグ頭部351を挿入する。プラグ頭部351は取付部322の内部でコイル321と接触し,ここで点火プラグ35と点火コイル3が電気的に導通する。
【0030】
取付部322とプラグ頭部351とプラグホール20の内壁面251との間の絶縁性が確保できるように,絶縁性のプラグキャップ33を取付部322とプラブ頭部351の外周を覆うように設ける。
そして点火コイル3におけるコイル頭部31の下方は開口部21より径大のコイルフランジ部4が設けてあり,コイルフランジ部4とシリンダヘッド2の開口部21の縁210との間にシール板1を介装する。
【0031】
シール板1は,図2〜図5に示すごとく,中央に点火コイル3のコイル円筒部32を挿通する挿通穴190を備えたリング状部材である。挿通穴190の周辺は挿通穴190に向かって傾斜した傾斜面191からなる。
シール板1で,開口部21と向き合う下面103は,開口部21の縁210側に突出して環状のシール板1の周方向に沿って形成した環状脚部104を有し,該環状脚部104の先端と開口部21の縁210とが当接することで,シール板1とシリンダヘッド2との間がシールされる。
なお,上記シール板1は,シリコーンゴム等の耐熱弾性体の耐熱ゴム等の成型品からなる。
【0032】
そして,上記シール板1のコイルフランジ部4側を向いた上面105とコイルフランジ部4との間にガス通路が形成され,ここを通じて,プラグホール20内部とシリンダヘッド2外部とのガス交換が行われる。
【0033】
コイルフランジ部4とシール板1とについてそれぞれ説明する。
図2,図3に示すごとく,コイルフランジ部4は円形で,中央からコイル円筒部32がプラグホール20側に向かって延設される。上面41に設けた円弧状の連結溝411〜414は,略同一円周上にあり,各端部において隣接する別の連結溝411〜414と部分的に隣接して2本位置する二重構成となるよう配置する。二重となる部分の幅はW1であり,本例の構成はW1が略同一である。
【0034】
図4に示すごとく,シール板1は,4つの扇形の水溜部111〜114が等間隔に周方向に沿って配置され,各水溜部111〜114の間が境界部131〜134となる。上記境界部131〜134はコイルフランジ部4とシール板1とが当接した際は,上記コイルフランジ部4の下面41と密接する。
【0035】
水溜部112は外部通路121と連結され,水溜部114は内部通路122と連結される。水溜部111〜114は全て独立し,シール板1にこれらの水溜部111〜114間を連結する手段は設けない。各境界部131〜134の幅はW2であり,この幅W2が水溜部411〜414の端部同士の最短距離となる。
そして,本例は各水溜部411〜414におけるW2が略同一となるように構成し,そしてW1>W2が成立する。
なお,本例は各連結溝411〜414における幅W1を略同一としたが異なっていてもよい。各水溜部111〜114における幅W2も異なっていてもよい。
【0036】
そして図5に示すごとく,コイルフランジ部4の下方にシール板1を配置する際に,連結溝411〜414が二重に重なった部分を境界部131〜134の位置に合わせる。これにより,水溜部111〜114と連結溝411〜414からなるガス通路がコイルフランジ部4とシール板1との間に形成される。
このガス通路は,(1)内部通路122−水溜部114−連結溝414,413−水溜部113−連結溝413,412−水溜部112−外部通路121,(2)内部通路122−水溜部114−連結溝414,411−水溜部111−連結溝411,412−水溜部112−外部通路121という2つの経路でガスの交換が可能である。
【0037】
図6に示すごとく,水溜部112と111の間を連結溝414が連結することで,ガスは同図に示す矢線のように連結溝414を経由して水溜部112,111間を移動することができるが,水は水溜部112,111が水没しないと移動することはできない。
【0038】
以下,本例にかかる作用効果について説明する。
本例にかかる内燃機関用点火装置200において,プラグホール20内部とシリンダヘッド2外部とでガス交換を可能とするガス通路は,シール板1の上面105の独立した4つの水溜部111〜114と,外部通路121,内部通路122,コイルフランジ部4の下面41の4つの連結溝411〜414からなる。
【0039】
図1,図2に示すごとく,シール板1はコイルフランジ部4の下方にあり,シリンダヘッド2外部に通じる外部通路121は水溜部112に,プラグホール20内部に通じる内部通路122は水溜部114に連絡する。各水溜部111〜114を連結する連結溝411〜414は図6に示すごとく水溜部111〜114の上方に位置する。
【0040】
そのため,ガスは水溜部111〜114から連結溝411〜414を通って隣接する水溜部111〜114に移動することができるが,水は,少なくとも水溜部111〜114が水没してここから水が溢れない限り,連結溝411〜414を通じて隣接する水溜部111〜114に移動できない。
予め予備試験でシリンダヘッドに対する被水の発生確率,被水の状態を確認し,外部通路121から入る水量を調査する等して,連結溝411〜414に水が達しないように,水溜部111〜114や連結溝411〜414を構成することで,ガスの移動を妨げないが,水の移動は妨げるガス通路を得ることができる。
【0041】
また,本例は連結溝411〜414は水溜部111〜114よりも幅細で,連結溝411〜414の断面積が水溜部111〜114より小さくなる。そのため,水溜部から他の水溜部へ連結溝411〜414による水の移動が発生し難くなる,
【0042】
図7に示すごとく,周方向に沿って一周した環状の連結溝415を有するコイルフランジ部4や,図8に示すごとく,シール板1の境界部131〜134の位置に合わせて構成し,更に境界部131〜134よりも長い周長さを有する連結溝416を持つコイルフランジ部4を用いた場合も,上記と同様の効果を得ることができる。
また,図7に示すような環状の連結溝415は,コイルフランジ部4にシール板1を密接させる際に位置合わせをする必要がないため,組立作業等が楽になる。
【0043】
(実施例2)
実施例1と同様の構成にかかる内燃機関用点火装置において,図9〜図15に示すごとく,コイルフランジ部4の下面41はシール板1に向かって開口したフランジ側環状溝45を有し,シール板1の上面105はコイルフランジ部4に向かって突出したシール側環状突出部15を有する場合について説明する。
【0044】
すなわち,点火コイルは,上記プラグホールの開口部を閉塞するコイルフランジ部4を有し,上記コイルフランジ部4の下面41と上記開口部の縁との間にシール板1を介装する。
上記シール板1の上面105は突出部を有する。この突出部が図11におけるシール側環状突出部15である。
また,上記コイルフランジ部4の下面41は上記突出部よりも断面積の広い溝部を有する。この溝部が図10におけるフランジ側環状溝45である。
【0045】
上記溝部に上記突出部を挿入することで,上記溝部を2つの溝空間を分割すると共に,2つの溝空間の1つはシリンダヘッド外部に通じる外部通路121を有し,他方はプラグホール内部に通じる内部通路122を有する。この溝空間が,本例にかかる外周溝451と内周溝452である。
【0046】
さらに,上記2つ溝空間を連結して一連に繋がった状態となすための連結路150を有することで,上記コイルフランジ部4と上記シール板1との間に,上記プラグホール内部と上記シリンダヘッド外部との間でガス交換を可能とするガス通路を形成してなる
【0047】
図9,図10に示すごとく,上記コイルフランジ部4の下面41は上記シール板1に向かって開口したフランジ側環状溝45を有し,図11に示すごとく,上記シール板1の上面105はコイルフランジ部4に向かって突出したシール側環状突出部15を有し,該シール側環状突出部15は,外周側154及び内周側153との間でガス交換可能に構成した連結路150を有する。
また,上記シール板1の上面105は,凹部からなり上記シール側環状突出部15の外周側154に設けたシリンダヘッド2外部に通じる外部通路121と,同じく凹部からなり上記シール側環状突出部15の内周側153に設けたプラグホール20内部に通じる内部通路122とを有する。
【0048】
図9,図14,図15に示すごとく,上記シール側環状突出部15は,その頂面151が上記フランジ側環状溝45の天井面450に当接するように嵌入し,この嵌入により上記フランジ側環状溝45を外周溝451と内周溝452とに区画して,上記外周溝451と上記外部通路121が通じ,上記内周溝452と上記内部通路122が通じる。また,上記外周溝451と上記内周溝452との間は上記連結路150においてのみガス交換が可能となるよう構成する。
【0049】
本例にかかるコイルフランジ部4は,図10に示すごとく,下面41に周方向に沿って一周したフランジ側環状溝45を有する。符号453は環状溝45の外周面,符号454は内周面で,符号450は環状溝45の底で,後述する頂面151が当接する天井面450となる。
本例にかかるシール板1は,図11に示すごとく,上面105に周方向に沿って一周したシール側環状突出部15を有する。外周側154は上面105に設けた凹部からなる外部通路121が,内周側153は同じく凹部からなる内部通路122が,図12に示すごとく,シール側環状突出部15の頂面151に凹部からなる連結路150が2つ設けてある。
また,外部通路121,内部通路122,連結路150は相互に略等間隔に位置し,角度にして相互に90度離れた位置にある。
【0050】
図13,図14,図15にコイルフランジ部4の下面41とシール板1の上面105を密接させ,フランジ側環状溝45の内部にシール側環状突出部15を嵌入させ,天井面450と頂面151とを当接させた状態を示す。
これによりフランジ側環状溝45は,外周溝451と内周溝452とに分割される。外周溝451はシール板1に設けた外部通路121と連通し,内周溝452は内部通路122と連通する。外周溝451と内周溝452との間はシール側環状突出部15にて区画されており,上記連結路150以外の部分でガス交換できない。
従って,内部通路122−内周溝452−連結路150−外周溝451−外部通路121という状態でガスはプラグホール内部からシリンダヘッド外部へ(あるいはその反対に)移動することができる。
【0051】
外部通路121から入った水は外周溝451に入ることができるが,外周溝421から内周溝452に移動するには連結路150を通過する必要があり,連結路150の位置まで外周溝421において水位が上昇する必要がある。
予め予備試験でシリンダヘッドに対する被水の発生確率,被水の状態を確認し,外部通路から入る水量を調査する等して,連結路150まで水が達しないように,フランジ側環状溝45やシール側環状突出部15を構成することで,ガスの移動を妨げないが,水の移動は妨げるガス通路を得ることができる。
【0052】
また,外部通路121,内部通路122,連結路150を設ける位置を,図16に示すように略同一直線上とすることができる。外部通路121と内部通路122は同じ側に,これらと対向する位置に連結路150を設ける。
この構成で,ガスは内部通路122から内周溝を半周回って連結路から外周溝に入り,そこから更に半周回って外部通路121に到達する(外部からガスが入る場合は移動方向が反対となる)。この構成の場合も本例と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,内燃機関用点火装置の全体を示す説明図。
【図2】実施例1における,コイルフランジ部とシール板との密接状態を示す説明図。
【図3】実施例1における,コイルフランジ部の平面図。
【図4】実施例1における,シール板の平面図。
【図5】実施例1における,コイルフランジ部とシール板とからガス通路が形成された状態の説明図。
【図6】図5におけるA−A矢視断面図。
【図7】実施例1における,環状溝からなる連結溝を有するシール板の平面図。
【図8】実施例1における,独立した溝からなる連結溝を有するシール板の平面図。
【図9】実施例2における,コイルフランジ部とシール板との密接状態を示す説明図。
【図10】実施例2における,フランジ側環状溝を有するコイルフランジ部の平面図。
【図11】実施例2における,シール側環状突出部を有するシール板の平面図。
【図12】図11におけるB−B矢視断面図。
【図13】実施例2における,コイルフランジ部とシール板とからガス通路が形成された状態の説明図。
【図14】図13におけるC−C矢視断面図。
【図15】図13におけるD−D矢視断面図。
【図16】実施例2における,外部通路,内部通路及び連結路が直線状に並んだシール板の平面図。
【図17】従来における,シール板の平面図。
【図18】従来における,シール板のE−E矢視断面図。
【符号の説明】
1...シール板,
100...底面,
105...上面,
111〜114...水溜部,
131〜134...境界部,
121...外部通路,
122...内部通路,
15...シール側環状突出部,
150...連結路,
151...頂面,
153...内周側,
154...外周側,
2...シリンダヘッド,
200...内燃機関用点火装置,
21...開口部,
210...縁,
25...底部,
3...点火コイル,
35...点火プラグ,
4...コイルフランジ部,
41...下面,
411〜414...連結溝,
45...フランジ側環状溝,
450...天井面,
【技術分野】
本発明は,内燃機関の燃焼室において点火動作を行う点火プラグと該点火プラグに通電する点火コイルとを有する内燃機関用点火装置に関する。
【0002】
【従来技術】
後述する図1,図2等に示すごとく,内燃機関のシリンダヘッドに設けたプラグホールは,底面に点火プラグが取り付けてあり,該点火プラグはプラグホールに挿入した点火コイルとプラグホール内において電気的に接続される。
プラグホールはシリンダヘッド外部に開口する開口部を有し,該開口部はコイル頭部の下方に設けたコイルフランジ部によって閉塞され,そしてゴミや水が入らないようにコイルフランジ部とプラグホール開口部周縁のシリンダヘッド外部表面との間に円盤状のシール板を設けて,プラグホールを閉鎖する。
【0003】
しかしながら,プラグホール内のガスは,内燃機関の燃焼室における燃焼や点火コイル作動時の発熱等によって熱せられ膨張することがあり,プラグホールの完全密閉は問題がある。
更に,点火コイルと点火プラグとの間の通電等は高圧電流により行うことが多いため,オゾンが発生することもあり,プラグホール内の換気が必要となることもある。
従って,プラグホール内部とシリンダヘッド外部との間でガス交換ができるように,シール板とコイルフランジ部との間等にガス通路を設けるのが一般的である。
【0004】
ガス通路の具体例として,従来知られている構成を図17,図18に記載する。
図17,図18に示すごとく,シール板9のコイルフランジ部側と対面する上面105に周溝部90を設けて,コイルフランジ部とシール板9とを密接させる。これにより周溝部90をガス通路として利用できる。
すなわち,図17,図18に示すごとく,上記周溝部90は,環状のシール板9の上面105に設けた,複数の水溜部91と各水溜部91を連結する連結溝92とからなる。
水溜部91の深さは連結溝92より深く,ある連結溝92の内周側にプラグホール内部に通じる内部通路122を,また内部通路122を設けてない別の連結溝92の外周側にシリンダヘッド外部に通じる外部通路121を設ける。
この構成にかかるシール板9をコイルフランジ部と密接することでガス通路となす。
【0005】
プラグホール内部のガスは内部通路122を設けた連結溝92,該連結溝92と隣接する水溜部91・・・を隔てて,外部通路121を設けた連結溝92に入り,外部通路121を通過してシリンダヘッド外部に抜けることができる。
シリンダヘッド外部からの被水で,ガス通路に水が入った場合,水は連結溝92より深い水溜部91に溜まって勢いが抑えられ,プラグホール内部に到達し難くなる。
【0006】
【特許文献1】
特許第03145880号公報
【0007】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来構成の場合,水溜部91に溜まった水が自然と移動して,プラグホール内部に浸入することがあった。
【0008】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,ガスの移動を阻害しないが,水の移動は防止できるガス通路を有する内燃機関用点火装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】
第1の発明は,点火プラグを底部に取り付けシリンダヘッド外部に開口した開口部を備えたプラグホールに対し上記開口部から挿入して点火プラグと電気的に導通する点火コイルを有する内燃機関用点火装置であって,
上記点火コイルは,上記プラグホールの開口部を閉塞するコイルフランジ部を有し,
上記コイルフランジ部の下面と上記開口部の縁との間にシール板を介装し,
上記シール板の上面は,複数の独立した水溜部を有し,
上記複数の水溜部の少なくとも1つはシリンダヘッド外部に通じる外部通路を有し,上記外部通路を有しない水溜部の中の少なくとも1つはプラグホール内部に通じる内部通路を有し,
上記コイルフランジ部の下面は,上記シール板が有する複数の水溜部間をガスが通過できるよう連結して,上記シール板の上面に対して開口する連結溝を有し,
上記複数の水溜部と上記連結部とを用いて,上記コイルフランジ部と上記シール板との間に,上記プラグホール内部と上記シリンダヘッド外部との間でガス交換を可能とするガス通路を形成してなることを特徴とする内燃機関用点火装置にある(請求項1)。
【0010】
第1の発明にかかる内燃機関用点火装置において,プラグホール内部とシリンダヘッド外部との間でガス交換を可能とするガス通路をシール板とコイルフランジ部との間に形成する。すなわちシール板の上面に設けた複数の独立した水溜部を,コイルフランジ部の下面に設けた連結溝が連結することで,ガス通路を得ることができる。
【0011】
シール板はコイルフランジ部の下方にあり,シリンダヘッド外部に通じる外部通路,プラグホール内部に通じる内部通路はそれぞれ別の水溜部に連結するよう設けてなる。そして,シール板とコイルフランジ部とを密接した際は,連結溝は水溜部より上側に位置する(後述する図2,図6)。
そのため,後述する図6に示すごとく,ガスは水溜部から連結溝を通って隣接する水溜部に移動することができるが,水は,少なくとも水溜部が水没してここから水が溢れない限り,連結溝を通じて隣接する水溜部に移動できない。
よって,第1の発明にかかる構成とすることで,ガスの移動を妨げないが,水の移動は妨げるガス通路を得ることができる。
【0012】
また,第2の発明は,点火プラグを底部に取り付けシリンダヘッド外部に開口した開口部を備えたプラグホールに対し上記開口部から挿入して点火プラグと電気的に導通する点火コイルを有する内燃機関用点火装置であって,
上記点火コイルは,上記プラグホールの開口部を閉塞するコイルフランジ部を有し,
上記コイルフランジ部の下面と上記開口部の縁との間にシール板を介装し,
上記シール板の上面,または上記コイルフランジ部の下面のいずれか一方に突出部を有し,他方に上記突出部よりも断面積の広い溝部を有し,
上記溝部に上記突出部を挿入することで,上記溝部を複数の溝空間を分割すると共に,該複数の溝空間の少なくとも1つはシリンダヘッド外部に通じる外部通路を有し,該複数の溝空間の少なくとも1つはプラグホール内部に通じる内部通路を有し,
さらに,上記複数の溝空間を連結して一連に繋がった状態となすための連結路を有することで,
上記コイルフランジ部と上記シール板との間に,上記プラグホール内部と上記シリンダヘッド外部との間でガス交換を可能とするガス通路を形成してなることを特徴とする内燃機関用点火装置にある(請求項6)。
【0013】
第2の発明にかかる内燃機関用点火装置において,プラグホールとシリンダヘッド外部との間でガス交換を可能とするガス通路をシール板とコイルフランジ部との間に形成する。
すなわちコイルフランジ部の下面にと上記シール板の上面のいずれか一方に溝部を他方に突出部を設けて,溝部に突出部を入れることで,溝部を複数の溝空間に分割する。また,溝空間に内部通路や外部通路を設け,更に溝空間を連結して一連に繋がった状態となすための連結路を設ける。これにより,内部通路,溝空間,連結路,外部通路からなるガス通路を得ることができる。
このガス通路においてガスは溝空間が一連に繋がった状態となっているため,自由に行き来することができる。
しかしながら水は外部通路から入った後,内部通路に到達するまでの間に連結路を通過する必要があり,連結路の位置まで溝空間において水位が上昇する必要がある。
よって,第2の発明にかかる構成とすることで,ガスの移動を妨げないが,水の移動は妨げるガス通路を得ることができる。
【0014】
このように,第1,第2の発明によれば,ガスの移動を阻害しないが,水の移動は防止できるガス通路を有する内燃機関用点火装置を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
第1の発明において,上記コイルフランジ部の下面に設けた連結溝は水溜部と同数以上あり,上記水溜部間にあってガス通路の形成にあたる上記連結溝の長さは,各々対応する水溜部の端部同士の最短距離よりも長く構成してなることが好ましい(請求項2)。
【0016】
第1の発明において,上記コイルフランジ部の下面に設けた複数の連結溝はすべて繋がっているよう構成することができる(請求項3)。また,上記コイルフランジ部の下面に設けた連結溝は複数個形成され,それぞれが独立してなることができる(請求項4)。
連結溝は隣接する水溜部を連結してガスの移動ができるように構成する必要がある。基本的にその形状,大きさは問わないが,水をより通過させ難くするためには,連結溝の断面積を水溜部の断面積と比較してより小さくするとよい(請求項5参照)。
また,複数の連結溝がすべて繋がっている構成は(図7参照),コイルフランジ部に対するシール板の位置合わせを不要とできるため,より好ましい。
【0017】
第1の発明において,上記コイルフランジ部の下面に設けた連結溝は,上記シール板に設けた水溜部よりも幅細であることが好ましい(請求項5)。
連結溝の断面積を幅細とすることで,連結溝の断面積を水溜部の断面積と比較してより小さくすることができ,よって連結溝を水が通過し難くすることができ,ある水溜部から別の水溜部への水の移動を防止することができる。
【0018】
第1の発明では,シール板のみでなく,コイルフランジ部の下面を利用して水の移動や通過を生じ難くさせている点に特徴がある。コイルフランジ部の下面は,シール板の上面に設けた水溜部より高い位置にあるため,両者の高低差を利用することで,水を更に通過させ難くすることができる。
なお,コイルフランジ部は一般に樹脂からなるため,一般にゴムからなるシール面を加工して細溝を得るより高い精度で所望の溝を得ることができる。よって,シール板のみでガス通路を形成するよりは,第1の発明にかかる構成のほうが製造容易である。
【0019】
第2の発明において,連結路は突出部を貫通する貫通穴から構成することができる。また,シール板に突出部を設けた場合は,突出部の頂面に凹部を設けてこれを連結路として用いることができる(実施例1参照)。
第2の発明において,上記連結路は上記ガス通路においてより高い位置に形成することが好ましい(請求項7)。
より高い位置にある連結路は水が届き難くなるため,水が溝空間から連結路を経て他の溝空間に移動することを防ぐことができる。
【0020】
第2の発明において,上記連結路の断面積は,上記溝空間の断面積よりも小さく形成することが好ましい(請求項8)。
このように連結路を小さく構成することで,連結路に水が浸入し難くなる。
【0021】
また,溝空間や突出部,溝部の具体的な構成としては,例えば上記突出部によって上記溝部は,2つの溝空間に分割されてなることがある(請求項9)。
更に,上記シール板は上記突出部を有し,上記コイルフランジ部は上記溝部を有することがある(請求項10)。更に,上記突出部及び上記溝部は円周状となることがある。(請求項11)。更に上記溝部に上記突出部を挿入することで,2つの溝空間を形成すると共に2つの溝空間のより外周側に位置する外周溝空間が外部通路を有し,より内周側に位置する内周溝空間が内部通路を有することが好ましい(請求項12)。
更に具体的な構成については実施例2に記載した。
【0022】
第2の発明において,上記連結路は2つ以上設けてなることが好ましい(請求項13)。
水を通り難くするために連結路の断面積は可能な限り小さくすることが多い。従って,ごみ,成形くず等の影響で連結路が塞がった場合,または1つの連結路の周囲まで水が浸入してしまった場合等を考慮して,連結路を2つ以上設けることが好ましい。
【0023】
第2の発明において,上記連結路は上記ガス通路における略中央付近に設けてなることが好ましい(請求項14)。
すなわち,外側通路のすぐ近くに連結路がある場合は,内部通路を有する溝空間に浸入した水が入りやすくなる。従って,上記連結路は,ガス通路の全経路長さのほぼ中央に設けることが好ましい。
【0024】
また,本発明にかかる内燃機関用点火装置は,各種車両や自動車等のエンジンに用いることが好ましい。
各種車両や自動車等は洗車や降雨等でしばしばシリンダヘッドに対する被水が発生するため,本発明に記載するようなプラグホール内部への水,水蒸気の浸入防止機構を必要とするためである。
【0025】
【実施例】
以下に,図面を用いて本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本例にかかる内燃機関用点火装置200は,図1〜図8に示すごとく,点火プラグ35を底部25に取り付けシリンダヘッド2外部に開口した開口部21を備えたプラグホール20に対し上記開口部21から挿入して点火プラグ35と電気的に導通する点火コイル3を有する。
【0026】
上記点火コイル35は,上記プラグホール20の開口部21を閉塞するコイルフランジ部4を有し,上記コイルフランジ部4の下面41と上記開口部21の縁210との間にシール板1を介装する。
上記シール板1の上面105は4個の独立した水溜部111〜114を有する。
水溜部112はシリンダヘッド2外部に通じる外部通路121を有し,上記外部通路121と持たない水溜部114はプラグホール20内部に通じる内部通路122を有する。
【0027】
上記コイルフランジ部4の下面41は,上記シール板1が有する4個の水溜部111〜114間をガスが通過できるよう連結して,上記シール板1の上面105に対して開口する連結溝411〜414を有する。
上記4個の水溜部111〜114と上記連結部411〜414とを用いて,上記コイルフランジ部4と上記シール板1との間に,上記プラグホール20内部と上記シリンダヘッド2外部との間でガス交換を可能とするガス通路を形成してなる。
【0028】
また,上記コイルフランジ部4の下面41に設けた連結溝411〜414は水溜部111〜114と同数であり,上記水溜部111〜114間にあってガス通路の形成にあたる上記連結溝411〜414の長さは,各々対応する(すなわち,ガスが移動可能なように連結することを意味する。)水溜部411〜414の端部同士の最短距離よりも長く構成してなる。
なお,例えば連結溝411においては水溜部111,112とが「対応する水溜部」となる。
【0029】
以下,詳細に説明する。
図1,図2に示すごとく,自動車エンジンにて用いる内燃機関用点火装置200において,シリンダヘッド2に設けた円筒型のプラグホール20の底部25には点火プラグ35が点火部がプラグホール20外部のエンジン内に露出するよう取り付けてある。
シリンダヘッド2の外部に開口した開口部21から該開口部21より径大のコイル頭部31が露出するよう点火コイル3をプラグホール20に挿入し,点火コイル3のコイル円筒部32の先端に設けた筒型の取付部322の内部に,点火プラグ35のプラグ頭部351を挿入する。プラグ頭部351は取付部322の内部でコイル321と接触し,ここで点火プラグ35と点火コイル3が電気的に導通する。
【0030】
取付部322とプラグ頭部351とプラグホール20の内壁面251との間の絶縁性が確保できるように,絶縁性のプラグキャップ33を取付部322とプラブ頭部351の外周を覆うように設ける。
そして点火コイル3におけるコイル頭部31の下方は開口部21より径大のコイルフランジ部4が設けてあり,コイルフランジ部4とシリンダヘッド2の開口部21の縁210との間にシール板1を介装する。
【0031】
シール板1は,図2〜図5に示すごとく,中央に点火コイル3のコイル円筒部32を挿通する挿通穴190を備えたリング状部材である。挿通穴190の周辺は挿通穴190に向かって傾斜した傾斜面191からなる。
シール板1で,開口部21と向き合う下面103は,開口部21の縁210側に突出して環状のシール板1の周方向に沿って形成した環状脚部104を有し,該環状脚部104の先端と開口部21の縁210とが当接することで,シール板1とシリンダヘッド2との間がシールされる。
なお,上記シール板1は,シリコーンゴム等の耐熱弾性体の耐熱ゴム等の成型品からなる。
【0032】
そして,上記シール板1のコイルフランジ部4側を向いた上面105とコイルフランジ部4との間にガス通路が形成され,ここを通じて,プラグホール20内部とシリンダヘッド2外部とのガス交換が行われる。
【0033】
コイルフランジ部4とシール板1とについてそれぞれ説明する。
図2,図3に示すごとく,コイルフランジ部4は円形で,中央からコイル円筒部32がプラグホール20側に向かって延設される。上面41に設けた円弧状の連結溝411〜414は,略同一円周上にあり,各端部において隣接する別の連結溝411〜414と部分的に隣接して2本位置する二重構成となるよう配置する。二重となる部分の幅はW1であり,本例の構成はW1が略同一である。
【0034】
図4に示すごとく,シール板1は,4つの扇形の水溜部111〜114が等間隔に周方向に沿って配置され,各水溜部111〜114の間が境界部131〜134となる。上記境界部131〜134はコイルフランジ部4とシール板1とが当接した際は,上記コイルフランジ部4の下面41と密接する。
【0035】
水溜部112は外部通路121と連結され,水溜部114は内部通路122と連結される。水溜部111〜114は全て独立し,シール板1にこれらの水溜部111〜114間を連結する手段は設けない。各境界部131〜134の幅はW2であり,この幅W2が水溜部411〜414の端部同士の最短距離となる。
そして,本例は各水溜部411〜414におけるW2が略同一となるように構成し,そしてW1>W2が成立する。
なお,本例は各連結溝411〜414における幅W1を略同一としたが異なっていてもよい。各水溜部111〜114における幅W2も異なっていてもよい。
【0036】
そして図5に示すごとく,コイルフランジ部4の下方にシール板1を配置する際に,連結溝411〜414が二重に重なった部分を境界部131〜134の位置に合わせる。これにより,水溜部111〜114と連結溝411〜414からなるガス通路がコイルフランジ部4とシール板1との間に形成される。
このガス通路は,(1)内部通路122−水溜部114−連結溝414,413−水溜部113−連結溝413,412−水溜部112−外部通路121,(2)内部通路122−水溜部114−連結溝414,411−水溜部111−連結溝411,412−水溜部112−外部通路121という2つの経路でガスの交換が可能である。
【0037】
図6に示すごとく,水溜部112と111の間を連結溝414が連結することで,ガスは同図に示す矢線のように連結溝414を経由して水溜部112,111間を移動することができるが,水は水溜部112,111が水没しないと移動することはできない。
【0038】
以下,本例にかかる作用効果について説明する。
本例にかかる内燃機関用点火装置200において,プラグホール20内部とシリンダヘッド2外部とでガス交換を可能とするガス通路は,シール板1の上面105の独立した4つの水溜部111〜114と,外部通路121,内部通路122,コイルフランジ部4の下面41の4つの連結溝411〜414からなる。
【0039】
図1,図2に示すごとく,シール板1はコイルフランジ部4の下方にあり,シリンダヘッド2外部に通じる外部通路121は水溜部112に,プラグホール20内部に通じる内部通路122は水溜部114に連絡する。各水溜部111〜114を連結する連結溝411〜414は図6に示すごとく水溜部111〜114の上方に位置する。
【0040】
そのため,ガスは水溜部111〜114から連結溝411〜414を通って隣接する水溜部111〜114に移動することができるが,水は,少なくとも水溜部111〜114が水没してここから水が溢れない限り,連結溝411〜414を通じて隣接する水溜部111〜114に移動できない。
予め予備試験でシリンダヘッドに対する被水の発生確率,被水の状態を確認し,外部通路121から入る水量を調査する等して,連結溝411〜414に水が達しないように,水溜部111〜114や連結溝411〜414を構成することで,ガスの移動を妨げないが,水の移動は妨げるガス通路を得ることができる。
【0041】
また,本例は連結溝411〜414は水溜部111〜114よりも幅細で,連結溝411〜414の断面積が水溜部111〜114より小さくなる。そのため,水溜部から他の水溜部へ連結溝411〜414による水の移動が発生し難くなる,
【0042】
図7に示すごとく,周方向に沿って一周した環状の連結溝415を有するコイルフランジ部4や,図8に示すごとく,シール板1の境界部131〜134の位置に合わせて構成し,更に境界部131〜134よりも長い周長さを有する連結溝416を持つコイルフランジ部4を用いた場合も,上記と同様の効果を得ることができる。
また,図7に示すような環状の連結溝415は,コイルフランジ部4にシール板1を密接させる際に位置合わせをする必要がないため,組立作業等が楽になる。
【0043】
(実施例2)
実施例1と同様の構成にかかる内燃機関用点火装置において,図9〜図15に示すごとく,コイルフランジ部4の下面41はシール板1に向かって開口したフランジ側環状溝45を有し,シール板1の上面105はコイルフランジ部4に向かって突出したシール側環状突出部15を有する場合について説明する。
【0044】
すなわち,点火コイルは,上記プラグホールの開口部を閉塞するコイルフランジ部4を有し,上記コイルフランジ部4の下面41と上記開口部の縁との間にシール板1を介装する。
上記シール板1の上面105は突出部を有する。この突出部が図11におけるシール側環状突出部15である。
また,上記コイルフランジ部4の下面41は上記突出部よりも断面積の広い溝部を有する。この溝部が図10におけるフランジ側環状溝45である。
【0045】
上記溝部に上記突出部を挿入することで,上記溝部を2つの溝空間を分割すると共に,2つの溝空間の1つはシリンダヘッド外部に通じる外部通路121を有し,他方はプラグホール内部に通じる内部通路122を有する。この溝空間が,本例にかかる外周溝451と内周溝452である。
【0046】
さらに,上記2つ溝空間を連結して一連に繋がった状態となすための連結路150を有することで,上記コイルフランジ部4と上記シール板1との間に,上記プラグホール内部と上記シリンダヘッド外部との間でガス交換を可能とするガス通路を形成してなる
【0047】
図9,図10に示すごとく,上記コイルフランジ部4の下面41は上記シール板1に向かって開口したフランジ側環状溝45を有し,図11に示すごとく,上記シール板1の上面105はコイルフランジ部4に向かって突出したシール側環状突出部15を有し,該シール側環状突出部15は,外周側154及び内周側153との間でガス交換可能に構成した連結路150を有する。
また,上記シール板1の上面105は,凹部からなり上記シール側環状突出部15の外周側154に設けたシリンダヘッド2外部に通じる外部通路121と,同じく凹部からなり上記シール側環状突出部15の内周側153に設けたプラグホール20内部に通じる内部通路122とを有する。
【0048】
図9,図14,図15に示すごとく,上記シール側環状突出部15は,その頂面151が上記フランジ側環状溝45の天井面450に当接するように嵌入し,この嵌入により上記フランジ側環状溝45を外周溝451と内周溝452とに区画して,上記外周溝451と上記外部通路121が通じ,上記内周溝452と上記内部通路122が通じる。また,上記外周溝451と上記内周溝452との間は上記連結路150においてのみガス交換が可能となるよう構成する。
【0049】
本例にかかるコイルフランジ部4は,図10に示すごとく,下面41に周方向に沿って一周したフランジ側環状溝45を有する。符号453は環状溝45の外周面,符号454は内周面で,符号450は環状溝45の底で,後述する頂面151が当接する天井面450となる。
本例にかかるシール板1は,図11に示すごとく,上面105に周方向に沿って一周したシール側環状突出部15を有する。外周側154は上面105に設けた凹部からなる外部通路121が,内周側153は同じく凹部からなる内部通路122が,図12に示すごとく,シール側環状突出部15の頂面151に凹部からなる連結路150が2つ設けてある。
また,外部通路121,内部通路122,連結路150は相互に略等間隔に位置し,角度にして相互に90度離れた位置にある。
【0050】
図13,図14,図15にコイルフランジ部4の下面41とシール板1の上面105を密接させ,フランジ側環状溝45の内部にシール側環状突出部15を嵌入させ,天井面450と頂面151とを当接させた状態を示す。
これによりフランジ側環状溝45は,外周溝451と内周溝452とに分割される。外周溝451はシール板1に設けた外部通路121と連通し,内周溝452は内部通路122と連通する。外周溝451と内周溝452との間はシール側環状突出部15にて区画されており,上記連結路150以外の部分でガス交換できない。
従って,内部通路122−内周溝452−連結路150−外周溝451−外部通路121という状態でガスはプラグホール内部からシリンダヘッド外部へ(あるいはその反対に)移動することができる。
【0051】
外部通路121から入った水は外周溝451に入ることができるが,外周溝421から内周溝452に移動するには連結路150を通過する必要があり,連結路150の位置まで外周溝421において水位が上昇する必要がある。
予め予備試験でシリンダヘッドに対する被水の発生確率,被水の状態を確認し,外部通路から入る水量を調査する等して,連結路150まで水が達しないように,フランジ側環状溝45やシール側環状突出部15を構成することで,ガスの移動を妨げないが,水の移動は妨げるガス通路を得ることができる。
【0052】
また,外部通路121,内部通路122,連結路150を設ける位置を,図16に示すように略同一直線上とすることができる。外部通路121と内部通路122は同じ側に,これらと対向する位置に連結路150を設ける。
この構成で,ガスは内部通路122から内周溝を半周回って連結路から外周溝に入り,そこから更に半周回って外部通路121に到達する(外部からガスが入る場合は移動方向が反対となる)。この構成の場合も本例と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,内燃機関用点火装置の全体を示す説明図。
【図2】実施例1における,コイルフランジ部とシール板との密接状態を示す説明図。
【図3】実施例1における,コイルフランジ部の平面図。
【図4】実施例1における,シール板の平面図。
【図5】実施例1における,コイルフランジ部とシール板とからガス通路が形成された状態の説明図。
【図6】図5におけるA−A矢視断面図。
【図7】実施例1における,環状溝からなる連結溝を有するシール板の平面図。
【図8】実施例1における,独立した溝からなる連結溝を有するシール板の平面図。
【図9】実施例2における,コイルフランジ部とシール板との密接状態を示す説明図。
【図10】実施例2における,フランジ側環状溝を有するコイルフランジ部の平面図。
【図11】実施例2における,シール側環状突出部を有するシール板の平面図。
【図12】図11におけるB−B矢視断面図。
【図13】実施例2における,コイルフランジ部とシール板とからガス通路が形成された状態の説明図。
【図14】図13におけるC−C矢視断面図。
【図15】図13におけるD−D矢視断面図。
【図16】実施例2における,外部通路,内部通路及び連結路が直線状に並んだシール板の平面図。
【図17】従来における,シール板の平面図。
【図18】従来における,シール板のE−E矢視断面図。
【符号の説明】
1...シール板,
100...底面,
105...上面,
111〜114...水溜部,
131〜134...境界部,
121...外部通路,
122...内部通路,
15...シール側環状突出部,
150...連結路,
151...頂面,
153...内周側,
154...外周側,
2...シリンダヘッド,
200...内燃機関用点火装置,
21...開口部,
210...縁,
25...底部,
3...点火コイル,
35...点火プラグ,
4...コイルフランジ部,
41...下面,
411〜414...連結溝,
45...フランジ側環状溝,
450...天井面,
Claims (14)
- 点火プラグを底部に取り付けシリンダヘッド外部に開口した開口部を備えたプラグホールに対し上記開口部から挿入して点火プラグと電気的に導通する点火コイルを有する内燃機関用点火装置であって,
上記点火コイルは,上記プラグホールの開口部を閉塞するコイルフランジ部を有し,
上記コイルフランジ部の下面と上記開口部の縁との間にシール板を介装し,
上記シール板の上面は,複数の独立した水溜部を有し,
上記複数の水溜部の少なくとも1つはシリンダヘッド外部に通じる外部通路を有し,上記外部通路を有しない水溜部の中の少なくとも1つはプラグホール内部に通じる内部通路を有し,
上記コイルフランジ部の下面は,上記シール板が有する複数の水溜部間をガスが通過できるよう連結して,上記シール板の上面に対して開口する連結溝を有し,
上記複数の水溜部と上記連結部とを用いて,上記コイルフランジ部と上記シール板との間に,上記プラグホール内部と上記シリンダヘッド外部との間でガス交換を可能とするガス通路を形成してなることを特徴とする内燃機関用点火装置。 - 請求項1において,上記コイルフランジ部の下面に設けた連結溝は水溜部と同数以上あり,上記水溜部間にあってガス通路の形成にあたる上記連結溝の長さは,各々対応する水溜部の端部同士の最短距離よりも長く構成してなることを特徴とする内燃機関用点火装置。
- 請求項1または2において,上記コイルフランジ部の下面に設けた複数の連結溝はすべて繋がっていることを特徴とする内燃機関用点火装置。
- 請求項1または2において,上記コイルフランジ部の下面に設けた連結溝は複数個形成され,それぞれが独立してなることを特徴とする内燃機関用点火装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項において,上記コイルフランジ部の下面に設けた連結溝は,上記シール板に設けた水溜部よりも幅細であることを特徴とする内燃機関用点火装置。
- 点火プラグを底部に取り付けシリンダヘッド外部に開口した開口部を備えたプラグホールに対し上記開口部から挿入して点火プラグと電気的に導通する点火コイルを有する内燃機関用点火装置であって,
上記点火コイルは,上記プラグホールの開口部を閉塞するコイルフランジ部を有し,
上記コイルフランジ部の下面と上記開口部の縁との間にシール板を介装し,
上記シール板の上面,または上記コイルフランジ部の下面のいずれか一方に突出部を有し,他方に上記突出部よりも断面積の広い溝部を有し,
上記溝部に上記突出部を挿入することで,上記溝部を複数の溝空間を分割すると共に,該複数の溝空間の少なくとも1つはシリンダヘッド外部に通じる外部通路を有し,該複数の溝空間の少なくとも1つはプラグホール内部に通じる内部通路を有し,
さらに,上記複数の溝空間を連結して一連に繋がった状態となすための連結路を有することで,
上記コイルフランジ部と上記シール板との間に,上記プラグホール内部と上記シリンダヘッド外部との間でガス交換を可能とするガス通路を形成してなることを特徴とする内燃機関用点火装置。 - 請求項6において,上記連結路は上記ガス通路においてより高い位置に形成することを特徴とする内燃機関用点火装置。
- 請求項6または7において,上記連結路の断面積は,上記溝空間の断面積よりも小さく形成することを特徴とする内燃機関用点火装置。
- 請求項6〜8のいずれか1項において,上記突出部によって上記溝部は,2つの溝空間に分割されてなることを特徴とする内燃機関用点火装置。
- 請求項6〜9のいずれか1項において,上記シール板は上記突出部を有し,上記コイルフランジ部は上記溝部を有することを特徴とする内燃機関用点火装置。
- 請求項6〜10のいずれか1項において,上記突出部及び上記溝部は円周状であることを特徴とする内燃機関用点火装置。
- 請求項6〜11のいずれか1項において,上記溝部に上記突出部を挿入することで,2つの溝空間を形成すると共に2つの溝空間のより外周側に位置する外周溝空間が外部通路を有し,より内周側に位置する内周溝空間が内部通路を有することを特徴とする内燃機関用点火装置。
- 請求項6〜12のいずれか1項において,上記連結路は2つ以上設けてなることを特徴とする内燃機関用点火装置。
- 請求項6〜13のいずれか1項において,上記連結路は上記ガス通路における略中央付近に設けてなることを特徴とする内燃機関用点火装置。
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