JP2004324313A - 水洗便器用薬剤供給装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液体の流入により弾性変形する弾性変形体8を用い、洗浄水(薬剤水溶液)をこの弾性変形体8内に直接流入させることによって、洗浄水(薬剤水溶液)が取り込まれると速やかに弾性変形する構成としている。また、膨張変形した際の膨張量を規制する膨張量規制部材としての本体ケース3内に弾性変形体8を配設し、本体ケース3によって膨張量が規制されることで洗浄水の流入量を一定にした構成である。従って、洗浄水供給管の内圧が減少すれば、膨張変形した弾性変形体8の復元力によって薬剤水溶液を返送できるため、連通管2の取り付け位置の制約が小さくなり、水洗便器薬剤供給装置の形状も、トイレスペース、便器形状等に合わせて種々の形状で形成でき、設計の自由度が高い。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水洗便器用薬剤供給装置に関し、特に、洗浄水供給装置から水洗便器に洗浄水が供給されると、水洗便器に消毒、消臭、洗浄などを目的とした必要量の薬剤を自動的に供給する水洗便器用薬剤供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水洗便器に洗浄水を供給する洗浄水供給管と組み合わせて使用され、水洗便器に洗浄水が流れる度に水洗便器内に消毒、消臭、洗浄などを目的とした薬剤を自動的に供給する水洗便器用薬剤供給装置が知られている。このような水洗便器薬剤供給装置は、これまでに種々の構造のものが知られているが、基本的には、特許文献1に示された構造を利用したものである。すなわち、ケース内に、薬剤を浸出可能な薬剤容器とフロートとを配設すると共に、ケースに弁室を付設し、さらに、弁室内に配設した弁体と上記フロートとを連結し、該弁室と洗浄水供給管とを連通管により接続した構造である。洗浄水供給管内を洗浄水が流れると、その一部が連通管を介して弁室内に取り込まれ、さらに、弁室からケース内に両者の連絡孔を介して取り込まれることにより、薬剤が洗浄水と混合され、フロートが所定量浮き上がると弁体が連絡孔を閉じ、洗浄水の流入量を制限する。そして、洗浄水供給管内を流れる洗浄水量が少なくなって、その水圧が小さくなると、弁体が下降して連絡孔を開き、薬剤が混合された状態の洗浄水が連通管及び洗浄水供給管を介して水洗便器に供給される。
また、特許文献2に開示されているように、ケースの一部をゴムなどの弾性体から形成したり、ケース内に密封されたゴム袋のような圧力可変体を配置して、ゴムの弾性変形による圧力変化を利用して薬剤が混合された洗浄水を、洗浄水供給管に返送する構造のものもある。
【0003】
【特許文献1】
特公昭49−21541号公報
【特許文献2】
特許2599070号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示され装置においては、薬剤が混合された洗浄水(薬剤水溶液)は、洗浄水供給管内の洗浄水の流量が少なくなった際に、重力によって洗浄水供給管へ返送されるに過ぎない。従って、洗浄水供給管と水洗便器薬剤供給装置とを結ぶ連通管は、ほぼ水平か、洗浄水供給管との連結部が水洗便器薬剤供給装置の弁室との連結部より若干低くなるように設け、水洗便器薬剤供給装置に対しては、ケースの底部から洗浄水を取り込むように連結する必要があり、水洗便器薬剤供給装置の設計の自由度の点で制約があった。
【0005】
特許文献2に開示された装置の場合には、ケース内に取り込まれる水により、ゴム袋等の圧力可変体を変形させ、その復元力を利用して薬剤水溶液を押圧する構成であるため、連通管の配設方法については、理論的には、特許文献1に開示された装置よりも若干の自由度がある。ところが、特許文献2に開示された装置において、洗浄水が取り込まれるのは、あくまで、ケース内である。従って、ケースは気密に作られることが必要なるが、薬剤容器は交換したり、あるいは薬剤を補充したりする必要があるため、このケースは、開閉可能に設けられることも必要であり、その上で、気密性の高い構造とするのは構造が複雑となり、コストやメンテナンス面において不利で、実用性に乏しかった。また、ケースの一部を弾性体から形成するにしても、薬剤容器を倒立状態で設置する部分は、硬質の部材でなければならず、このようなケースを作ること自体、コスト的に見合わず、また、弾性体部分の変形量を一定に制御することも難しく、実用性に乏しかった。
【0006】
また、洗浄水が、ケース内に直接取り込まれる構造であるため、まず、ケース内の空気が圧縮された後に、圧力可変体が弾性変形する構造であり、圧力可変体が弾性変形するまでケース内の圧力を高めることは、通常の水洗便器システムでは困難であった。すなわち、特許文献2に開示された装置においても、連通管はケースの底部に連結し、洗浄水供給管との間でほぼ水平に配設しないと、薬剤水溶液を供給することは実質的に難しく、実際には、特許文献1と比較して、設計の自由度において大差なかった。
【0007】
本発明は上記した点に鑑みなされたものであり、連通管の取り付け位置の制約が少なく、設計の自由度が高いと共に、フロートにより洗浄水の流入量を制御することなく、洗浄水の流入量を確実に制御でき、希釈割合を簡易な構成でほぼ均一にすることができる水洗便器薬剤供給装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するため、本発明者は、フロートに代えて、液体の流入により弾性変形する弾性変形体を用い、洗浄水(薬剤水溶液)をこの弾性変形体内に直接流入させることによって、洗浄水(薬剤水溶液)が取り込まれると即座に弾性変形する構成とする一方、膨張変形した際の膨張量を規制することにより、洗浄水の流入量を一定にすることに着目した。これにより、洗浄水供給管の内圧が減少すれば、膨張変形した弾性変形体の復元力によって薬剤水溶液を返送できるため、連通管の取り付け位置の制約が小さくなり、水洗便器薬剤供給装置の形状も、トイレスペース、便器形状等に合わせて種々の形状で形成でき、設計の自由度が増す。
【0009】
すなわち、請求項1記載の本発明では、水洗便器に洗浄水を供給する洗浄水供給管から連通管を介して本体ケース内に洗浄水を取り込み、本体ケース内に配置された薬剤供給手段から供給される薬剤を本体ケース内に取り込まれた洗浄水により希釈して薬剤水溶液とし、この薬剤水溶液を前記連通管を介して洗浄水供給管内に流出させて水洗便器へ供給する水洗便器用薬剤供給装置において、
前記本体ケース内に設けられる洗浄水流入路形成部材に開口部を密接させて配設され、該開口部を経由しての液体の流入により膨張し、前記洗浄水供給管の内圧の減少に伴って弾性復帰する弾性変形体と、
前記弾性変形体の周囲に設けられ、弾性変形体の膨張量を制限することにより、水の流入量を規制し、前記薬剤の希釈率を安定化させる膨張量規制部材とを具備することを特徴とする水洗便器用薬剤供給装置を提供する。
請求項2記載の本発明では、前記本体ケースが、前記膨張量規制部材を構成していることを特徴とする請求項1記載の水洗便器用薬剤供給装置を提供する。
請求項3記載の本発明では、前記洗浄水流入路形成部材は、洗浄水流入路の中途に、薬剤水溶液の薬液溜まり部を有し、該薬液溜まり部に、薬剤容器に設けた薬液供給手段を介して薬剤を供給可能に設け、前記弾性変形体内に、薬剤容器が配設されていることを特徴とする請求項1又は2記載の水洗便器薬剤供給装置を提供する。
請求項4記載の本発明では、前記弾性変形体は、開口部が一つの袋状に形成され、薬剤容器をその内側に位置させて、前記洗浄水流入路形成部材の周壁部に密着されており、薬剤容器及び弾性変形体を洗浄水流入路形成部材と共に、着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項3記載の水洗便器薬剤供給装置を提供する。
請求項5記載の本発明では、前記弾性変形体は、開口部が二つの筒状に形成され、薬剤容器をその内側に位置させた状態で、一方の開口部が、前記洗浄水流入路形成部材の周壁部に密着され、他方の開口部が、前記薬剤容器の上端付近に密着されており、薬剤容器の上端に、蓋部材が装着され、該蓋部材を介して、薬剤容器を取り外すことなく、薬剤を補充可能であることを特徴とする請求項3記載の水洗便器薬剤供給装置を提供する。
請求項6記載の本発明では、前記本体ケースが、薬剤容器を配設する容器収容室と、弾性変形体を収容する変形体収容室との2つの室を有して形成されていることを特徴とする請求項1記載の水洗便器薬剤供給装置を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を更に詳しく説明する。
図1および図2に基づき本発明の第1の実施形態に係る水洗便器用薬剤供給装置を説明する。この装置は、水洗便器に洗浄水を供給する洗浄水供給管1から連通管2を介して本体ケース3内に洗浄水を取り込み、供給される薬剤を本体ケース3内に取り込まれた水により希釈して薬剤水溶液とし、洗浄水供給管1内の内圧減少に伴って、該薬剤水溶液を前記連通管2を介して再び洗浄水供給管1内に排水して、水洗便器内へと排流するように構成されている。
洗浄水供給管1は、例えば、上下縦方向に延びて配管されており、上端部は図示しない洗浄水タンクに接続され、下端部は図示しない水洗便器に接続されている。
かかる洗浄水供給管1の途中には、連通管2の一端部が接続され、他端部は本体ケース3に連結されている。
【0011】
本体ケース3は、下側に位置するベース部材4と、上側に位置する開閉蓋5とから構成され、中空に形成されている。ベース部材4は、下端が閉じられ、上端が開放された筒形状に形成されている。開閉蓋5は、下端が開放され、上端が閉じられた筒形状に形成され、上端は半円球のドーム状に形成されている。ベース部材4と開閉蓋5とは、ベース部材4の上端周部に形成された係合爪4Aと係合孔4Bとに、開閉蓋5の下端周部に形成された係合溝5Aと係合爪5Bとを、開閉蓋5の下端周部を弾性変形させて係脱させることで、ベース部材4に対して開閉蓋5を着脱して開閉できるようになっている。
【0012】
かかる本体ケース3の内部には、薬剤容器7と弾性変形体8とが、洗浄水流入路形成部材を構成するホルダ10に支持されて配設されている。
まず、ホルダ10は、有底の筒状に形成され、底部側から順に内径の小さい第1の筒部10Aと内径の大きい第2の筒部10Bとから構成されている。そして、内径の小さい第1の筒部10Aの周壁部に取り囲まれた内周部が薬液溜まり部6を構成する。また、第1の筒部10Aの周壁部には、厚み方向に貫通する貫通孔10Cが形成されており、この貫通孔10Cが、本体ケース3のベース部材4の厚み方向に貫通され、連通管2に連結される孔部4Cに連通するように設けられている。
【0013】
薬剤容器7は、外径の小さなヘッド部7Aと胴部7Bとを備えた縦長の筒形状に形成されており、内部に薬剤が充填され、洗浄水流入路形成部材を構成する上記のホルダ10によって支持される。具体的には、ヘッド部7Aを倒立させ、下側に向けた状態で、該ヘッド部7Aが第1の筒部10Aの薬液溜まり部6に臨み、胴部7Bのヘッド部7A寄りの部位が第2の筒部10B内に位置するように配設される。装着方法としては、ヘッド部7A又は胴部7Bのうちのヘッド部7A寄りの部位のいずれかが、第1の筒部10Aの周壁部の内周又は第2の筒部10Bの周壁部の内周に螺合等の手段により固定されるように配置される。
【0014】
この場合、ホルダ10は、洗浄水流入路を形成する部材であるため、いずれにしても、第1の筒部10A の周壁部の内周と第2の筒部10Bの周壁部の内周とに、洗浄水を流通させる縦溝部10Dを円周方向に適宜間隔をおいて複数形成しておく。なお、ホルダ10に形成される貫通孔10C、縦溝部10D及び薬液溜まり部6が、洗浄水流入路となる。また、薬液溜まり部6に臨むように配設される薬剤容器7には、薬液供給手段が設けられている。薬液供給手段は、例えば、薬剤容器7のヘッド部7A内に配設された海綿からなり、海綿に薬剤が浸透して、薬液溜まり部6にしみ出させるものである。
【0015】
弾性変形体8は、例えばゴムなどの弾性変形可能な材質から袋状に形状され、薬液溜まり部6に対して上記した縦溝部10Dを介して連通するように設けられる。すなわち、本実施形態の弾性変形体8は、開口部が一つの袋状に形成され、該開口部8をホルダ10の第2の筒部10Bの周壁部の外周面に密着固定して設けられる。これにより、上記した貫通孔10C、薬液溜まり部6及び縦溝部10Dを介して洗浄水が直接弾性変形体8内に流入する。従って、弾性変形体8は、洗浄水が流入せずにその水圧が加わらないときには薬剤容器7の外面に密着するように収縮変形し、洗浄水が流入してその水圧が加わったときに膨張変形する。なお、弾性変形体8が膨張し、図2に示したように、本体ケース3の開閉蓋5の内面に当接すると膨張変形が止まる構成となっており、本実施形態においては、かかる本体ケース3の開閉蓋5が、弾性変形体8の膨張量を規制する膨張量規制部材として機能する。
【0016】
また、本実施形態の弾性変形体8は、開口部にシール部材としてのOリング部11が一体に形成されており、このOリング部11がホルダ10の第2の筒部10Bの外周面に形成された周溝10Eに嵌合され、シールされている。さらに、ホルダ10の第1の筒部10Aは、本体ケース3のベース部材4の内側に嵌め込まれて、動かないように保持され、第2の筒部10Bに装着される弾性変形体8とベース部材4の周壁部上端付近との間には、パッキン12が配設され、上記した弾性変形体8のOリング部11に圧接し、シールしている。
【0017】
上記したように、本実施形態においては、薬剤容器7と弾性変形体8とが、ホルダ10を介して一体化されており、本体ケース3の開閉蓋5をベース部材4から取り外して、一体化された薬剤容器7、弾性変形体8及びホルダ10を、ベース部材4に対して着脱できる構成となっている。従って、薬剤容器7内の薬剤を消費した場合には、薬剤容器7を弾性変形体8及びホルダ10と共に、一体化した状態で、新たなものと交換することになる。
【0018】
次に、本実施形態の水洗便器用薬剤供給装置の作用について説明する。
洗浄水供給管1に洗浄水が供給されると、この洗浄水は洗浄水供給管1を介して水洗便器内に供給される。また、洗浄水供給管1を流れる洗浄水の一部は連通管2及び孔部4Cを介して本体ケース3内に流入する。
このようにして、本体ケース3内に洗浄水が取り込まれると、この洗浄水は洗浄水流入路形成部材を構成するホルダ10の貫通孔10Cを介して薬液溜まり部6に流れ込んで、薬液溜まり部6に既に溜まっている薬剤と混じり、薬剤水溶液となって洗浄水流入路である縦溝部10Dを介して、弾性変形体8内へ直接流入する。
【0019】
薬剤の混じった洗浄水(薬剤水溶液)が流入する前は、弾性変形体8は薬剤容器7の外面に密着しているが、薬剤水溶液が流入すると、図2に示すように、弾性変形体8が速やかに膨張して、本体ケース3の開閉蓋5の内周面に接触する。弾性変形体8が開閉蓋5の内周面に接触することで、これ以上の薬剤水溶液は入らないため、弾性変形体8の膨張が停止して、洗浄水の本体ケース3内への流入がストップされる。
【0020】
この場合、薬液溜まり部6には、前回、薬剤水溶液が水洗便器内へと排流された際に、薬剤水溶液が所定量溜まっており、さらに、薬剤容器7底部のヘッド部7A内の海綿から薬剤が緩やかにしみ出して、この薬剤水溶液と混じり、薬液溜まり部6内には高い濃度の薬剤水溶液が既に溜まっている。従って、本体ケース3内に流入した洗浄水は薬液溜まり部6内の高い濃度の薬剤水溶液と混じって希釈し、所定の濃度の薬剤水溶液が弾性変形体8内に溜まる。
【0021】
水洗便器への洗浄水の供給が終わり近くなって、洗浄水供給管内の圧力が低下すると、弾性変形体8の弾性復元力が勝り、弾性変形体8が収縮変形し、その圧力で弾性変形体8内の薬剤水溶液が押し出される。この薬剤水溶液は、洗浄水流入路を構成する縦溝部10D、貫通孔10C及び孔部4Cを介して、さらに連通管2を経由して洗浄水供給管1に至り、洗浄水供給管1から水洗便器内に流下する。
そして、弾性変形体8内の薬剤水溶液が押し出された後では、上記したように、薬液溜まり部6に薬剤水溶液が流れずに所定量残っており、さらに、ヘッド部7A内の海綿から薬剤が緩やかにしみ出て、薬液溜まり部6内の薬剤水溶液と混じり、薬液溜まり部6内には、次の洗浄水の流入に備えて高い濃度の薬剤水溶液が溜まることになる。
次にまた洗浄水供給管1に洗浄水が供給されると、上記の作用が繰り返される。
薬剤容器7内の薬剤がなくなったときには、ホルダ10を本体ケース3内部から取り出して、ホルダ10と薬剤容器7と弾性変形体8の全部を新しいものと交換すれば良い。
【0022】
上記の水洗便器用薬剤供給装置によると、洗浄水供給管1を介して水洗便器内に供給される洗浄水の一部で薬剤を希釈し、薬剤と洗浄水とが混じった薬剤水溶液で弾性変形体8を膨張させつつその内部に流入させて、一時的に貯留し、弾性変形体8の弾性的な収縮により薬剤水溶液を押し出す構成である。このため、本体ケース3内に薬剤水溶液を一時的に溜めたり、水洗便器への薬剤水溶液の供給量を制御するためにフロートを用いる必要がなく、構造が簡単となり、装置の製造コストを安価に抑えることができる。
【0023】
特に、本体ケース3によって、弾性変形体8の膨張変形量を規制することで、弾性変形体8の破裂を防止できると共に、洗浄水の流入量の制御を行え、しかも、常にほぼ一定量の薬剤水溶液を水洗便器に供給でき、水洗便器の消毒、消臭、洗浄などの作用が安定している。
【0024】
また、弾性変形体8内部に貯留した薬剤水溶液を、弾性変形体8の弾性的な収縮力(復元力)により押し出して、洗浄水供給管へ返送しているため、連通管2を必ずしも本体ケース3の底部付近にほぼ水平にして連結する必要がなく、例えば、図1の2点鎖線で示すように、連通管2を上向きに延ばして洗浄水供給管1に連結しても、貯留した薬剤水溶液を洗浄水供給管へ返送することができる。従って、トイレスペース、便器形状等との関係から、連通管2を上側に配設したい場合にも容易に対応でき、レイアウトの制約を受けず、設計の自由度が高いという利点がある。
【0025】
図3および図4は、本発明の第2の実施形態に係る水洗便器用薬剤供給装置である。
この実施形態は、薬剤容器15として、薬剤補充式のものを適用している点で上記第1の実施形態と異なり、本体ケース16は、筒状のベース部材17と、該ベース部材17の上部に装着され、略中央部に開口部18Aが形成された開閉蓋18とを備えてなる。
【0026】
本体ケース16内には、上記実施形態と同様の構造のホルダ10が装着され、補充式の薬剤容器15及び弾性変形体21がこのホルダ10に支持される。薬剤容器15は、上部に薬剤の補充口15Aが開口されており、該補充口15Aには、蓋部材15Bが装着され、該蓋部材15Bが開閉蓋18の開口部18Aを介して外部に臨むように設けられている。
【0027】
なお、薬剤容器15のヘッド部15Cに設ける薬液供給手段は、補充口15Aを備えているため、薬剤容器15内は大気圧雰囲気であり、第1の実施形態のように海綿を使用すると、洗浄水が薬剤容器15内に浸入するおそれがある。このため、本実施形態では、ヘッド部15C内に、弁機構を介して薬剤容器15の胴部15D内と連通する薬剤滴下室(図示せず)を設けると共に、ダイヤフラム15Eと薬剤滴下室に連通する薬剤吐出口15Fとを設けた構成としている。洗浄水が流入せず、薬液溜まり部6内の水圧が低い状態(図3の状態)では、ダイヤフラム15Eが下降しているため、ヘッド部15C内の弁機構が開弁状態で薬剤滴下室に薬剤容器15の胴部15D内の薬剤が滴下され、図4に示したように洗浄水が流入して薬液溜まり部6内の水圧が高くなると、ダイヤフラム15Eが上昇して薬剤滴下室内を圧縮し、薬剤吐出口15Fから薬剤が薬液溜まり部6に滴下される。もちろん、かかる薬液供給手段はあくまで一例であり、薬剤容器15内が大気圧雰囲気であっても該薬剤容器15内への洗浄水の流入を防止できる構造であればどのような構造であってもよい。
【0028】
弾性変形体21は、例えばゴムなどの弾性変形可能な材質から形成され、両端が開放された二つの開口部を有する筒状に形状される。かかる弾性変形体21は、両側の開口部にシール部材としてのOリング部21A,21Bがそれぞれ一体に形成されており、下側のOリング部21Aがホルダ10の第2の筒部10Bの外周面に形成された周溝10Eに嵌合され、上側のOリング部21Bが薬剤容器15の上部に形成された周溝15Gに嵌合されている。そして、開閉蓋18との間に装着されたリング状のパッキン19により上側のOリング部21Bが薬液容器15の上部に押し付けられ、シールされている。
【0029】
本実施形態の水洗便器用薬剤供給装置においても、上記実施形態と同様に、本体ケース16内に洗浄水が取り込まれると、この洗浄水は薬液溜まり部6に流れ込んで、該薬液溜まり部6に残存している前回の薬剤と混じり希釈する。そして、希釈された薬剤水溶液は、弾性変形体21内に直接流入し、図4に示すように、弾性変形体21が膨張して、本体ケース16の内周面に接触する。弾性変形体21が本体ケース16の内周面に接触することで、弾性変形体21の膨張が停止して、洗浄水の本体ケース16内への流入がストップされる。
この場合、薬液溜まり部6には、上記のように前回、薬剤水溶液が水洗便器内へと排流された際の薬剤が所定量残っている一方、さらに、新たに流入した洗浄水の水圧でダイヤフラム15Eの作用により薬剤吐出口15Fから薬剤が薬液溜まり部6に滴下され、所望の希釈濃度に調整される。
【0030】
洗浄水の供給が終わり近くなって、洗浄水の水圧が低下すると、ダイヤフラム15Eは元の状態に戻る一方、洗浄水供給管内の圧力よりも弾性変形体21の弾性復元力が勝ると、その圧力で弾性変形体21内の薬剤水溶液が押し出され、連通管2を介して洗浄水供給管に至り、洗浄水供給管から水洗便器内に流下する。
【0031】
本実施形態においても、弾性変形体21の弾性復元力によって薬剤水溶液を押し出すことができるため、連通管2の配設の仕方等に対する制約が小さく、設計の自由度が高いという利点がある。また、本実施形態では、薬剤容器15内の薬剤がなくなったときには、薬剤容器15の蓋部材15Bを外して、補充口15Aから薬剤を容易に補充することができるという利点がある。
【0032】
図5及び図6は、本発明の第3の実施形態に係る水洗便器用薬剤供給装置である。この実施形態は、上記第第1及び2の実施形態を応用して、水洗便器の上部中央に連結される洗浄水供給管1に対して、左右に偏ることなく、装着でき、外観の向上を図ったタイプである。すなわち、本体ケース100を、薬剤容器を収容する容器収容室110と、弾性変形体を収容する変形体収容室120との2つの室に区分し、両者間に上記実施形態の連通管に相当する連通室130を設け、該連通室130を洗浄水供給管1が上下に貫通し、洗浄水供給管1からの洗浄水を容器収容室110側と変形体収容室120側に供給される構造としたものである。
【0033】
容器収容室110に配設する薬液容器111は、上記第2の実施形態と同様に薬液供給手段としてダイヤフラムを用いたものであり、連通室130から取り入れられた洗浄水は、薬液容器111のヘッド部112が位置する薬液溜まり部113まで至り、所定の濃度に希釈する。
【0034】
連通室130から取り入れられる洗浄水は、また、変形体収容室120側へ流れる。変形体収容室120内には、上記第1の実施形態と同様の袋状の弾性変形体121が収容されており、連通室130を経た洗浄水は、そのまま、あるいは、薬剤と混ざって該弾性変形体121内に直接流入する。そして、変形体収容室120の内周面に接触するまで弾性変形体121は膨張していく。
【0035】
洗浄水供給管1内の圧力が低下すると、上記各実施形態と同様に、弾性変形体121の弾性復元力により、該弾性変形体121内に溜まった洗浄水(薬剤水溶液)が連通室130に排出され、ここで、再び、薬液溜まり部113に滴下された薬剤が混ざり、所定の濃度の薬剤水溶液として、洗浄水供給管1に流出する。その他の作用は、上記第1及び第2の実施形態と同様である。
【0036】
【発明の効果】
本発明の水洗便器用薬剤供給装置は、液体の流入により弾性変形する弾性変形体を用い、洗浄水(薬剤水溶液)をこの弾性変形体内に直接流入させることによって、洗浄水(薬剤水溶液)が取り込まれると速やかに弾性変形する構成としている。また、膨張変形した際の膨張量を規制する膨張量規制部材を設け、洗浄水の流入量を一定にした構成である。従って、洗浄水供給管の内圧が減少すれば、膨張変形した弾性変形体の復元力によって薬剤水溶液を返送できるため、連通管の取り付け位置の制約が小さくなり、水洗便器薬剤供給装置の形状も、トイレスペース、便器形状等に合わせて種々の形状で形成でき、設計の自由度が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る水洗便器用薬剤供給装置を説明するための正面断面図である。
【図2】図2は、上記第1の実施形態に係る水洗便器薬剤供給装置の作用を説明するための正面断面図である。
【図3】図3は、本発明の第2の実施形態に係る水洗便器用薬剤供給装置を説明するための正面断面図である。
【図4】図4は、上記第2の実施形態に係る水洗便器薬剤供給装置の作用を説明するための正面断面図である。
【図5】図5は、本発明の第3の実施形態に係る水洗便器用薬剤供給装置を説明するための概略斜視図である。
【図6】図6は、上記第3の実施形態に係る水洗便器用薬剤供給装置を説明するための正面断面図である。
【符号の説明】
1 洗浄水供給管
2 連通管
3,16,100 本体ケース
4,17 ベース部材
5,18 開閉蓋
6,113 薬液溜まり部
7,15,111 薬剤容器
8,21,121 弾性変形体
10 ホルダ
113 連通室
Claims (6)
- 水洗便器に洗浄水を供給する洗浄水供給管から連通管を介して本体ケース内に洗浄水を取り込み、本体ケース内に配置された薬剤供給手段から供給される薬剤を本体ケース内に取り込まれた洗浄水により希釈して薬剤水溶液とし、この薬剤水溶液を前記連通管を介して洗浄水供給管内に流出させて水洗便器へ供給する水洗便器用薬剤供給装置において、
前記本体ケース内に設けられる洗浄水流入路形成部材に開口部を密接させて配設され、該開口部を経由しての液体の流入により膨張し、前記洗浄水供給管の内圧の減少に伴って弾性復帰する弾性変形体と、
前記弾性変形体の周囲に設けられ、弾性変形体の膨張量を制限することにより、水の流入量を規制し、前記薬剤の希釈率を安定化させる膨張量規制部材と
を具備することを特徴とする水洗便器用薬剤供給装置。 - 前記本体ケースが、前記膨張量規制部材を構成していることを特徴とする請求項1記載の水洗便器用薬剤供給装置。
- 前記洗浄水流入路形成部材は、洗浄水流入路の中途に、薬剤水溶液の薬液溜まり部を有し、該薬液溜まり部に、薬剤容器に設けた薬液供給手段を介して薬剤を供給可能に設け、前記弾性変形体内に、薬剤容器が配設されていることを特徴とする請求項1又は2記載の水洗便器薬剤供給装置。
- 前記弾性変形体は、開口部が一つの袋状に形成され、薬剤容器をその内側に位置させて、前記洗浄水流入路形成部材の周壁部に密着されており、薬剤容器及び弾性変形体を洗浄水流入路形成部材と共に、着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項3記載の水洗便器薬剤供給装置。
- 前記弾性変形体は、開口部が二つの筒状に形成され、薬剤容器をその内側に位置させた状態で、一方の開口部が、前記洗浄水流入路形成部材の周壁部に密着され、他方の開口部が、前記薬剤容器の上端付近に密着されており、薬剤容器の上端に、蓋部材が装着され、該蓋部材を介して、薬剤容器を取り外すことなく、薬剤を補充可能であることを特徴とする請求項3記載の水洗便器薬剤供給装置。
- 前記本体ケースが、薬剤容器を配設する容器収容室と、弾性変形体を収容する変形体収容室との2つの室を有して形成されていることを特徴とする請求項1記載の水洗便器薬剤供給装置。
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