JP2004323960A - 延性に優れた高強度ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】延性に優れた高強度ステンレス鋼板を提供する。
【解決手段】900 ℃以上の温度域でフェライトとオーステナイトの二相域を呈する組成を有するステンレス鋼板に、好ましくは 900〜1200℃の範囲内の二相域の温度に加熱したのち、5℃/s以上の冷却速度で冷却し、好ましくは体積率で20〜80%のマルテンサイト相と残部フェライト相の混合組織とする第一の熱処理と、圧下率が30%以上の冷間圧延と、400 ℃以上 Ac1変態点未満の温度で加熱する第二の熱処理とを順次施す。これにより、TS:800MPa 以上の高強度で、延性に優れた高強度ステンレス鋼板となる。
【選択図】 図1
【解決手段】900 ℃以上の温度域でフェライトとオーステナイトの二相域を呈する組成を有するステンレス鋼板に、好ましくは 900〜1200℃の範囲内の二相域の温度に加熱したのち、5℃/s以上の冷却速度で冷却し、好ましくは体積率で20〜80%のマルテンサイト相と残部フェライト相の混合組織とする第一の熱処理と、圧下率が30%以上の冷間圧延と、400 ℃以上 Ac1変態点未満の温度で加熱する第二の熱処理とを順次施す。これにより、TS:800MPa 以上の高強度で、延性に優れた高強度ステンレス鋼板となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自転車のリム、自動車のインパクト・ビームなどの補強部品、建築物の柱や梁等の構造部材に用いられる、高強度ステンレス鋼板に係り、とくに曲げ加工を施される使途に好適な、延性に優れた高強度ステンレス鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、高強度ステンレス鋼板としては、焼入れにより高い強度としたマルテンサイト系ステンレス鋼板が知られているが、このマルテンサイト系ステンレス鋼板は、延性が低いという問題がある。一方、SUS 304 を代表とするオーステナイト系ステンレス鋼板は延性に優れているが、強度が低い。オーステナイト系ステンレス鋼板の強度増加方法としては、鋼板に調質圧延を施すことが考えられる。しかし、調質圧延を施してもオーステナイト系ステンレス鋼板は、ヤング率が低いため、構造部品として重要な特性である剛性が低く、さらに高価なNiを8質量%以上含有しており、製造コストが高くなり、経済的に不利となるという問題がある。
【0003】
このような問題に対し、例えば、特許文献1には、必須成分として0.10重量%以下の炭素と10.0〜18.0重量%のクロムを含有するクロムステンレス鋼の冷延鋼板に、フェライト+オーステナイトの二相域となる温度に加熱しこの温度から5℃/s以上、1000℃/s以下の冷却速度で冷却する仕上熱処理を施す、面内異方性の小さい高延性高強度の複相組織クロムステンレス鋼板の製造方法が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、Cr:10.0〜14.0%、Ni:3.0 %以下と、さらに、Cu:3.0 %以下を含有し、C+N:0.01〜0.12%、{Ni+(Mn+Cu)/3}:0.5 〜3.0 を満足する鋼スラブに、熱延、冷延を施したのち、Ac1点以上1100℃以下のフェライト+オーステナイトの二相域温度に加熱したあと、1〜500 ℃/sの冷却速度で100 ℃まで冷却する連続仕上熱処理を施す、面内異方性の小さい高延性高強度のクロムステンレス鋼帯の製造方法が記載されている。
【0005】
また、特許文献3には、Cr:10.0〜20.0%、Ni:4.0 %以下と、さらに、Cu:4.0 %以下を含有し、C+N:0.01〜0.20%、{Ni+(Mn+Cu)/3}:0.5 〜5.0 を満足する鋼スラブに、熱延、冷延を施したのち、Ac1点以上1100℃以下のフェライト+オーステナイトの二相域温度に加熱したあと、1〜500 ℃/sの冷却速度で100 ℃まで冷却する連続仕上熱処理を施す、延性に優れた高強度クロムステンレス鋼帯の製造法が記載されている。
【0006】
また、特許文献4には、Cr:10.0〜20.0%、Ni:4.0 %以下、さらに、Cu:4.0 %以下、Mo:1.0 超〜2.5 %を含有し、C+N:0.010 〜0.20%、{Ni+(Mn+Cu)/3}:5.0 以下を満足する鋼スラブに、熱延、冷延を施したのち、Ac1点以上1100℃以下のフェライト+オーステナイトの二相域温度に加熱したあと、1〜500 ℃/sの冷却速度で100 ℃まで冷却する連続仕上熱処理を施す、延性に優れた高強度クロムステンレス鋼帯の製造法が記載されている。
【0007】
【特許文献1】
特公平5−72449号公報
【特許文献2】
特公平7−100822号公報
【特許文献3】
特公平7−107178号公報
【特許文献4】
特公平8− 14004号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1〜特許文献4に記載された技術で製造されたクロムステンレス鋼板は、いずれも鋼板の組織が、延性の低い焼入れままのマルテンサイトを含む組織であり、主として曲げ加工を施される使途に適用される鋼板としては延性が十分でないという問題が残されていた。
【0009】
本発明は、このような従来技術の問題に鑑み、とくに曲げ加工を施される使途に好適な、延性に優れ、かつ強度−延性バランスに優れた高強度ステンレス鋼板を提供することを目的とする。なお、本発明でいう「延性に優れた高強度ステンレス鋼板」とは、引張強さTSが800MPa以上で、伸びElが10%以上であるステンレス鋼板をいうものとする。引張強さTSが800MPa以上あれば構造用としては十分な強度であるが、より好ましくは900 MPa 以上1200MPa 以下である。
【0010】
また、本発明でいう「強度−延性バランスに優れた」とは、強度−延性バランス、すなわち(引張強さTS×伸びEl)値が10000MPa%以上である場合をいうものとする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を達成するために、ステンレス鋼板の強度および延性に及ぼす各種要因の影響について詳細に検討した。その結果、フェライトとオーステナイトの二相域から冷却する第一の熱処理工程と、冷間圧延工程と、さらに Ac1変態点未満の温度で加熱する第二の熱処理工程とをこの順序で組み合わせることにより、焼入れままの鋼板と同等の強度で、延性がより向上し、強度−延性バランスに優れた高強度ステンレス鋼板となることを新たに見出した。
【0012】
本発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
(1)900 ℃以上の温度域でフェライトとオーステナイトの二相域を呈する組成を有するステンレス鋼板に、前記二相域の温度に加熱したのち、5℃/s以上の冷却速度で冷却する第一の熱処理工程と、圧下率が30%以上の冷間圧延を行う冷延工程と、400 ℃以上 Ac1変態点未満の温度で加熱する第二の熱処理工程と、を順次施すことを特徴とする高強度ステンレス鋼板の製造方法。
(2)(1)において、前記二相域の加熱温度を900 〜1200℃の範囲内の温度とし、好ましくは該温度で15s以上保持することを特徴とする高強度ステンレス鋼板の製造方法。
(3)(1)または(2)において、前記第一の熱処理工程後の鋼板の組織が、体積率で20〜80%のマルテンサイト相と残部フェライト相の混合組織であることを特徴とする高強度ステンレス鋼板の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、出発素材とするステンレス鋼板に、二相域の温度に加熱し冷却して、好ましくは鋼板の組織をマルテンサイト相とフェライト相の混合組織とする第一の熱処理工程と、冷延工程と、第二の熱処理工程とを順次施す、高強度ステンレス鋼板の製造方法である。なお、本発明でいう鋼板は、鋼板および鋼帯を含むものとする。
【0014】
本発明で出発素材として使用するステンレス鋼板は、900 ℃以上の温度域でフェライトとオーステナイトの二相域を呈する組成を有するステンレス鋼板であればよく、とくにその組成範囲を限定する必要はない。
なお、900 ℃以上の温度域でフェライトとオーステナイトの二相域を呈するステンレス鋼板としては、例えば、質量%で、C+N:0.01〜0.02%、Si:0.5 %以下、Mn:0.5 %以下、Al:0.05%以下、Cr:10〜18%を含み、あるいはさらにNi:1.5 〜2.5 %、Mo:0.5 〜1.5 %、Cu:2%以下、のうちの1種または2種以上を含み、好ましくは残部実質的にFeからなる組成のステンレス鋼板が例示できる。
【0015】
また、本発明では、出発素材として使用するステンレス鋼板は、上記したような高温で二相域を呈し、所定の板厚を有する鋼板であればよく、とくに冷延板であっても熱延板であっても問題はなく、出発素材の製造方法はとくに限定されない。本発明では、出発素材であるステンレス鋼板の製造方法は、通常の、製鋼、熱延、冷延等の製造工程がいずれも好適に適用できる。なお、製造工程は、つぎのような工程とすることがより好ましい。
【0016】
例えば、製鋼工程では、所定の組成を有する溶鋼を、転炉あるいは電気炉等による一次精錬と、VOD(Vacuum Oxygen Decarburization )あるいはAOD(Argon Oxygen Decarburization)による2次製錬とにより溶製し、通常の連続鋳造法等でスラブ等の鋼素材とすることが好ましい。
また、熱延工程では、上記した製鋼工程で得られた鋼素材に、好ましくは1000〜1250℃の温度範囲で加熱したのち、一般的に採用されている通常の熱間圧延により、所望の板厚の熱延板とすることが好ましい。
【0017】
また、冷延工程では、上記した工程で製造された熱延板に、ついで好ましくは600 〜800 ℃のバッチ式焼鈍を施し、酸洗等により脱スケールしたのち、通常の冷間圧延を施し所定板厚の冷延板とする。ここまでは、上記したような、一般的に採用されている製造工程と同じ工程を適用できる。
本発明では、ステンレス鋼板、好ましくは上記したような工程で製造されたステンレス冷延鋼板、を出発素材として、第一の熱処理工程を施す。
【0018】
第一の熱処理工程は、好ましくは連続炉で、二相域の温度に加熱したのち、5℃/s以上の冷却速度で冷却する処理とする。これにより、鋼板の組織は、冷却中にオーステナイトから変態した強度の高いマルテンサイト相と延性に優れたフェライト相との混合組織となる。なお、第一の熱処理工程後の鋼板の組織は、体積率で20〜80%のマルテンサイト相と残部フェライト相の混合組織とすることが好ましい。
【0019】
二相域の加熱温度としては、900 〜1200℃の範囲とすることが好ましい。加熱温度が900 ℃未満の場合には、たとえ Ac1変態点を超えていたとしても、生成するオーステナイト相の比率が少なくなり、マルテンサイト相の形成量が少なく鋼板の強度が低下する。また、加熱温度が900 ℃未満の低温では、変態速度が小さいため、十分に均質化されない場合がある。また、1200℃を超えて高くなると、 Ac4変態点(加熱中にオーステナイトからフェライトに変態しはじめる温度)を超える場合があり、マルテンサイト相の形成量が少なく鋼板の強度が低下する。また、1200℃を超える加熱は、加熱炉を損耗させるとともに、鋼板表面に形成されるスケールの厚さが増し、脱スケール処理を困難にし、生産性を低下させる。このようなことから、第一の熱処理工程における加熱温度は900 〜1200℃の範囲に限定した。なお、均質化という観点からは950 ℃以上、生産性の観点からは1100℃以下とすることが好ましい。第一の熱処理工程後の鋼板の組織はフェライトと20〜80体積%マルテンサイトの混合組織とすることが好ましい。マルテンサイト相の体積率が20%未満では、冷延工程−第二の熱処理工程後の強度が十分に確保できない場合がある。また、マルテンサイト相の体積率が80%を超えると、冷延工程−第二の熱処理工程後に、所望の延性が十分には確保できなくなる。
【0020】
また、第一の熱処理工程では、上記した加熱温度に15s以上保持することが好ましい。保持時間が15s未満では、 Ac1変態点を超えていても、フェライトからオーステナイトへの変態が十分に進まず、所望のフェライト+オーステナイトの二相組織を得ることができず、高強度化が十分に達成できなくなる場合がある。なお、生産性向上の観点からは保持時間は120 s以下とすることが好ましい。
【0021】
上記した二相域の温度に加熱されたステンレス鋼板は、ついで5℃/s以上の冷却速度で、Ms点以下、好ましくは200 ℃以下の冷却停止温度まで冷却される。加熱温度から冷却停止温度までの平均の冷却速度(平均冷却速度)が5℃/s未満では、オーステナイト相の一部が冷却中にフェライト相に変態するため、所望のフェライトとマルテンサイトの混合組織が得られず目標の高強度化が達成できなくなる。なお、加熱温度からの冷却速度の上限はとくに限定されないが、鋼板形状の観点から概ね100 ℃/s以下とすることが好ましい。
【0022】
第一の熱処理工程を施されたステンレス鋼板は、ついで冷間圧延を行う冷延工程を施される。冷間圧延時に導入される歪は、その後に施される第二の熱処理工程による延性向上効果を高める作用を有する。なお、冷間圧延の圧下率は30%以上とする。冷間圧延の圧下率が30%未満では、第二の熱処理を施しても、延性向上効果が十分に得られない。なお、延性向上の観点からは50%以上の冷間圧延の圧下率とすることが好ましい。
【0023】
冷間圧延を施されたステンレス鋼板は、ついで、第二の熱処理工程を施される。第二の熱処理工程は、400 ℃以上 Ac1変態点未満の温度で加熱する処理とする。第二の熱処理工程の加熱温度が、400 ℃未満では、冷間圧延時に導入される歪の回復が十分に行われず、延性向上効果が認められない。一方、加熱温度が、Ac1 変態点以上では、オーステナイト相が新たに生じ、それが冷却中にマルテンサイト相へ変態するため、延性が低下する。なお、延性向上の観点から好ましくは500 ℃以上、より好ましくは600 ℃以上である。
【0024】
第二の熱処理工程を施されたステンレス鋼板は、必要に応じて、ついで酸洗を施されて、製品となる。
上記した工程では、出発素材として、ステンレス冷延鋼板を用いた場合を説明したが、本発明では出発素材は、ステンレス冷延鋼板に限定されない。出発素材は所定の板厚を有するステンレス熱延鋼板としてもよい。
【0025】
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明する。
【0026】
【実施例】
表1に示す組成および変態点を有するステンレス冷延鋼板、またはステンレス熱延鋼板を出発素材として、該出発素材に、表2に示す条件で、連続炉で第一の熱処理工程を施し、ついで冷間圧延を行う冷延工程を施し、連続炉で第二の熱処理工程、を順次施し、酸洗して薄鋼板(板厚:1.0 mm)とした。得られた薄鋼板について、引張試験、曲げ試験を実施した。なお、第一の熱処理工程を施したのちの鋼板について、板厚断面のミクロ組織観察を行った。試験方法はつぎのとおりとした。
(1)ミクロ組織観察
第一の熱処理後に鋼板からミクロ組織観察試験片を採取し、板厚断面の組織を村上試薬(赤血塩のアルカリ溶液(赤血塩10g、カセイカリ10g、水100cc ))でエッチングし光学顕微鏡(倍率:1000倍)を用いて各5視野撮像し、画像解析装置を用いてマルテンサイト相の体積率を求めた。
(2)引張試験
得られた薄鋼板から引張方向が圧延方向となるようにJIS13号B引張試験片を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して引張試験を実施し、引張強さTS、伸びElを求めた。
(3)曲げ試験
得られた薄鋼板から圧延方向が試験片の長手方向となるようにJIS3号曲げ試験片を採取し、JIS Z 2248の規定に準拠して密着曲げ試験を実施し、各試験片の曲げ面の外側の頂に発生する割れの有無を拡大鏡(10倍)で観察し、各鋼板の曲げ加工性を評価した。
【0027】
得られた結果を表2に示す。ミクロ組織の一例を図1に示す。
黒い部分がフェライト相、白い部分がマルテンサイト相であり、マルテンサイト相の体積率は70%である。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
本発明例はいずれも、引張強さTS:800MPa以上の高強度と、伸びEl:12%以上の優れた延性と、TS×El:10000MPa%以上の優れた強度−延性バランスを有し、強度と延性がともに優れた薄鋼板となっている。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、引張強さが800MPa未満であるか、伸びが低く延性が低下して、TS×Elが10000MPa%未満となっている。
【0031】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、引張強さ:800MPa以上を有し、延性に優れ、強度−延性バランスに優れた高強度ステンレス鋼を容易に提供することが可能となり、産業上格段の効果を有する。本発明によれば、曲げ加工などを施したのち、強度部材として使用される自動車のインパクト・ビームや自転車リムなどの車両構造部品や建造物の柱や梁などを、容易にしかも安価に提供できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼板のミクロ組織の一例を示す光学顕微鏡組織写真である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、自転車のリム、自動車のインパクト・ビームなどの補強部品、建築物の柱や梁等の構造部材に用いられる、高強度ステンレス鋼板に係り、とくに曲げ加工を施される使途に好適な、延性に優れた高強度ステンレス鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、高強度ステンレス鋼板としては、焼入れにより高い強度としたマルテンサイト系ステンレス鋼板が知られているが、このマルテンサイト系ステンレス鋼板は、延性が低いという問題がある。一方、SUS 304 を代表とするオーステナイト系ステンレス鋼板は延性に優れているが、強度が低い。オーステナイト系ステンレス鋼板の強度増加方法としては、鋼板に調質圧延を施すことが考えられる。しかし、調質圧延を施してもオーステナイト系ステンレス鋼板は、ヤング率が低いため、構造部品として重要な特性である剛性が低く、さらに高価なNiを8質量%以上含有しており、製造コストが高くなり、経済的に不利となるという問題がある。
【0003】
このような問題に対し、例えば、特許文献1には、必須成分として0.10重量%以下の炭素と10.0〜18.0重量%のクロムを含有するクロムステンレス鋼の冷延鋼板に、フェライト+オーステナイトの二相域となる温度に加熱しこの温度から5℃/s以上、1000℃/s以下の冷却速度で冷却する仕上熱処理を施す、面内異方性の小さい高延性高強度の複相組織クロムステンレス鋼板の製造方法が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、Cr:10.0〜14.0%、Ni:3.0 %以下と、さらに、Cu:3.0 %以下を含有し、C+N:0.01〜0.12%、{Ni+(Mn+Cu)/3}:0.5 〜3.0 を満足する鋼スラブに、熱延、冷延を施したのち、Ac1点以上1100℃以下のフェライト+オーステナイトの二相域温度に加熱したあと、1〜500 ℃/sの冷却速度で100 ℃まで冷却する連続仕上熱処理を施す、面内異方性の小さい高延性高強度のクロムステンレス鋼帯の製造方法が記載されている。
【0005】
また、特許文献3には、Cr:10.0〜20.0%、Ni:4.0 %以下と、さらに、Cu:4.0 %以下を含有し、C+N:0.01〜0.20%、{Ni+(Mn+Cu)/3}:0.5 〜5.0 を満足する鋼スラブに、熱延、冷延を施したのち、Ac1点以上1100℃以下のフェライト+オーステナイトの二相域温度に加熱したあと、1〜500 ℃/sの冷却速度で100 ℃まで冷却する連続仕上熱処理を施す、延性に優れた高強度クロムステンレス鋼帯の製造法が記載されている。
【0006】
また、特許文献4には、Cr:10.0〜20.0%、Ni:4.0 %以下、さらに、Cu:4.0 %以下、Mo:1.0 超〜2.5 %を含有し、C+N:0.010 〜0.20%、{Ni+(Mn+Cu)/3}:5.0 以下を満足する鋼スラブに、熱延、冷延を施したのち、Ac1点以上1100℃以下のフェライト+オーステナイトの二相域温度に加熱したあと、1〜500 ℃/sの冷却速度で100 ℃まで冷却する連続仕上熱処理を施す、延性に優れた高強度クロムステンレス鋼帯の製造法が記載されている。
【0007】
【特許文献1】
特公平5−72449号公報
【特許文献2】
特公平7−100822号公報
【特許文献3】
特公平7−107178号公報
【特許文献4】
特公平8− 14004号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1〜特許文献4に記載された技術で製造されたクロムステンレス鋼板は、いずれも鋼板の組織が、延性の低い焼入れままのマルテンサイトを含む組織であり、主として曲げ加工を施される使途に適用される鋼板としては延性が十分でないという問題が残されていた。
【0009】
本発明は、このような従来技術の問題に鑑み、とくに曲げ加工を施される使途に好適な、延性に優れ、かつ強度−延性バランスに優れた高強度ステンレス鋼板を提供することを目的とする。なお、本発明でいう「延性に優れた高強度ステンレス鋼板」とは、引張強さTSが800MPa以上で、伸びElが10%以上であるステンレス鋼板をいうものとする。引張強さTSが800MPa以上あれば構造用としては十分な強度であるが、より好ましくは900 MPa 以上1200MPa 以下である。
【0010】
また、本発明でいう「強度−延性バランスに優れた」とは、強度−延性バランス、すなわち(引張強さTS×伸びEl)値が10000MPa%以上である場合をいうものとする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を達成するために、ステンレス鋼板の強度および延性に及ぼす各種要因の影響について詳細に検討した。その結果、フェライトとオーステナイトの二相域から冷却する第一の熱処理工程と、冷間圧延工程と、さらに Ac1変態点未満の温度で加熱する第二の熱処理工程とをこの順序で組み合わせることにより、焼入れままの鋼板と同等の強度で、延性がより向上し、強度−延性バランスに優れた高強度ステンレス鋼板となることを新たに見出した。
【0012】
本発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
(1)900 ℃以上の温度域でフェライトとオーステナイトの二相域を呈する組成を有するステンレス鋼板に、前記二相域の温度に加熱したのち、5℃/s以上の冷却速度で冷却する第一の熱処理工程と、圧下率が30%以上の冷間圧延を行う冷延工程と、400 ℃以上 Ac1変態点未満の温度で加熱する第二の熱処理工程と、を順次施すことを特徴とする高強度ステンレス鋼板の製造方法。
(2)(1)において、前記二相域の加熱温度を900 〜1200℃の範囲内の温度とし、好ましくは該温度で15s以上保持することを特徴とする高強度ステンレス鋼板の製造方法。
(3)(1)または(2)において、前記第一の熱処理工程後の鋼板の組織が、体積率で20〜80%のマルテンサイト相と残部フェライト相の混合組織であることを特徴とする高強度ステンレス鋼板の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、出発素材とするステンレス鋼板に、二相域の温度に加熱し冷却して、好ましくは鋼板の組織をマルテンサイト相とフェライト相の混合組織とする第一の熱処理工程と、冷延工程と、第二の熱処理工程とを順次施す、高強度ステンレス鋼板の製造方法である。なお、本発明でいう鋼板は、鋼板および鋼帯を含むものとする。
【0014】
本発明で出発素材として使用するステンレス鋼板は、900 ℃以上の温度域でフェライトとオーステナイトの二相域を呈する組成を有するステンレス鋼板であればよく、とくにその組成範囲を限定する必要はない。
なお、900 ℃以上の温度域でフェライトとオーステナイトの二相域を呈するステンレス鋼板としては、例えば、質量%で、C+N:0.01〜0.02%、Si:0.5 %以下、Mn:0.5 %以下、Al:0.05%以下、Cr:10〜18%を含み、あるいはさらにNi:1.5 〜2.5 %、Mo:0.5 〜1.5 %、Cu:2%以下、のうちの1種または2種以上を含み、好ましくは残部実質的にFeからなる組成のステンレス鋼板が例示できる。
【0015】
また、本発明では、出発素材として使用するステンレス鋼板は、上記したような高温で二相域を呈し、所定の板厚を有する鋼板であればよく、とくに冷延板であっても熱延板であっても問題はなく、出発素材の製造方法はとくに限定されない。本発明では、出発素材であるステンレス鋼板の製造方法は、通常の、製鋼、熱延、冷延等の製造工程がいずれも好適に適用できる。なお、製造工程は、つぎのような工程とすることがより好ましい。
【0016】
例えば、製鋼工程では、所定の組成を有する溶鋼を、転炉あるいは電気炉等による一次精錬と、VOD(Vacuum Oxygen Decarburization )あるいはAOD(Argon Oxygen Decarburization)による2次製錬とにより溶製し、通常の連続鋳造法等でスラブ等の鋼素材とすることが好ましい。
また、熱延工程では、上記した製鋼工程で得られた鋼素材に、好ましくは1000〜1250℃の温度範囲で加熱したのち、一般的に採用されている通常の熱間圧延により、所望の板厚の熱延板とすることが好ましい。
【0017】
また、冷延工程では、上記した工程で製造された熱延板に、ついで好ましくは600 〜800 ℃のバッチ式焼鈍を施し、酸洗等により脱スケールしたのち、通常の冷間圧延を施し所定板厚の冷延板とする。ここまでは、上記したような、一般的に採用されている製造工程と同じ工程を適用できる。
本発明では、ステンレス鋼板、好ましくは上記したような工程で製造されたステンレス冷延鋼板、を出発素材として、第一の熱処理工程を施す。
【0018】
第一の熱処理工程は、好ましくは連続炉で、二相域の温度に加熱したのち、5℃/s以上の冷却速度で冷却する処理とする。これにより、鋼板の組織は、冷却中にオーステナイトから変態した強度の高いマルテンサイト相と延性に優れたフェライト相との混合組織となる。なお、第一の熱処理工程後の鋼板の組織は、体積率で20〜80%のマルテンサイト相と残部フェライト相の混合組織とすることが好ましい。
【0019】
二相域の加熱温度としては、900 〜1200℃の範囲とすることが好ましい。加熱温度が900 ℃未満の場合には、たとえ Ac1変態点を超えていたとしても、生成するオーステナイト相の比率が少なくなり、マルテンサイト相の形成量が少なく鋼板の強度が低下する。また、加熱温度が900 ℃未満の低温では、変態速度が小さいため、十分に均質化されない場合がある。また、1200℃を超えて高くなると、 Ac4変態点(加熱中にオーステナイトからフェライトに変態しはじめる温度)を超える場合があり、マルテンサイト相の形成量が少なく鋼板の強度が低下する。また、1200℃を超える加熱は、加熱炉を損耗させるとともに、鋼板表面に形成されるスケールの厚さが増し、脱スケール処理を困難にし、生産性を低下させる。このようなことから、第一の熱処理工程における加熱温度は900 〜1200℃の範囲に限定した。なお、均質化という観点からは950 ℃以上、生産性の観点からは1100℃以下とすることが好ましい。第一の熱処理工程後の鋼板の組織はフェライトと20〜80体積%マルテンサイトの混合組織とすることが好ましい。マルテンサイト相の体積率が20%未満では、冷延工程−第二の熱処理工程後の強度が十分に確保できない場合がある。また、マルテンサイト相の体積率が80%を超えると、冷延工程−第二の熱処理工程後に、所望の延性が十分には確保できなくなる。
【0020】
また、第一の熱処理工程では、上記した加熱温度に15s以上保持することが好ましい。保持時間が15s未満では、 Ac1変態点を超えていても、フェライトからオーステナイトへの変態が十分に進まず、所望のフェライト+オーステナイトの二相組織を得ることができず、高強度化が十分に達成できなくなる場合がある。なお、生産性向上の観点からは保持時間は120 s以下とすることが好ましい。
【0021】
上記した二相域の温度に加熱されたステンレス鋼板は、ついで5℃/s以上の冷却速度で、Ms点以下、好ましくは200 ℃以下の冷却停止温度まで冷却される。加熱温度から冷却停止温度までの平均の冷却速度(平均冷却速度)が5℃/s未満では、オーステナイト相の一部が冷却中にフェライト相に変態するため、所望のフェライトとマルテンサイトの混合組織が得られず目標の高強度化が達成できなくなる。なお、加熱温度からの冷却速度の上限はとくに限定されないが、鋼板形状の観点から概ね100 ℃/s以下とすることが好ましい。
【0022】
第一の熱処理工程を施されたステンレス鋼板は、ついで冷間圧延を行う冷延工程を施される。冷間圧延時に導入される歪は、その後に施される第二の熱処理工程による延性向上効果を高める作用を有する。なお、冷間圧延の圧下率は30%以上とする。冷間圧延の圧下率が30%未満では、第二の熱処理を施しても、延性向上効果が十分に得られない。なお、延性向上の観点からは50%以上の冷間圧延の圧下率とすることが好ましい。
【0023】
冷間圧延を施されたステンレス鋼板は、ついで、第二の熱処理工程を施される。第二の熱処理工程は、400 ℃以上 Ac1変態点未満の温度で加熱する処理とする。第二の熱処理工程の加熱温度が、400 ℃未満では、冷間圧延時に導入される歪の回復が十分に行われず、延性向上効果が認められない。一方、加熱温度が、Ac1 変態点以上では、オーステナイト相が新たに生じ、それが冷却中にマルテンサイト相へ変態するため、延性が低下する。なお、延性向上の観点から好ましくは500 ℃以上、より好ましくは600 ℃以上である。
【0024】
第二の熱処理工程を施されたステンレス鋼板は、必要に応じて、ついで酸洗を施されて、製品となる。
上記した工程では、出発素材として、ステンレス冷延鋼板を用いた場合を説明したが、本発明では出発素材は、ステンレス冷延鋼板に限定されない。出発素材は所定の板厚を有するステンレス熱延鋼板としてもよい。
【0025】
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明する。
【0026】
【実施例】
表1に示す組成および変態点を有するステンレス冷延鋼板、またはステンレス熱延鋼板を出発素材として、該出発素材に、表2に示す条件で、連続炉で第一の熱処理工程を施し、ついで冷間圧延を行う冷延工程を施し、連続炉で第二の熱処理工程、を順次施し、酸洗して薄鋼板(板厚:1.0 mm)とした。得られた薄鋼板について、引張試験、曲げ試験を実施した。なお、第一の熱処理工程を施したのちの鋼板について、板厚断面のミクロ組織観察を行った。試験方法はつぎのとおりとした。
(1)ミクロ組織観察
第一の熱処理後に鋼板からミクロ組織観察試験片を採取し、板厚断面の組織を村上試薬(赤血塩のアルカリ溶液(赤血塩10g、カセイカリ10g、水100cc ))でエッチングし光学顕微鏡(倍率:1000倍)を用いて各5視野撮像し、画像解析装置を用いてマルテンサイト相の体積率を求めた。
(2)引張試験
得られた薄鋼板から引張方向が圧延方向となるようにJIS13号B引張試験片を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して引張試験を実施し、引張強さTS、伸びElを求めた。
(3)曲げ試験
得られた薄鋼板から圧延方向が試験片の長手方向となるようにJIS3号曲げ試験片を採取し、JIS Z 2248の規定に準拠して密着曲げ試験を実施し、各試験片の曲げ面の外側の頂に発生する割れの有無を拡大鏡(10倍)で観察し、各鋼板の曲げ加工性を評価した。
【0027】
得られた結果を表2に示す。ミクロ組織の一例を図1に示す。
黒い部分がフェライト相、白い部分がマルテンサイト相であり、マルテンサイト相の体積率は70%である。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
本発明例はいずれも、引張強さTS:800MPa以上の高強度と、伸びEl:12%以上の優れた延性と、TS×El:10000MPa%以上の優れた強度−延性バランスを有し、強度と延性がともに優れた薄鋼板となっている。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、引張強さが800MPa未満であるか、伸びが低く延性が低下して、TS×Elが10000MPa%未満となっている。
【0031】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、引張強さ:800MPa以上を有し、延性に優れ、強度−延性バランスに優れた高強度ステンレス鋼を容易に提供することが可能となり、産業上格段の効果を有する。本発明によれば、曲げ加工などを施したのち、強度部材として使用される自動車のインパクト・ビームや自転車リムなどの車両構造部品や建造物の柱や梁などを、容易にしかも安価に提供できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼板のミクロ組織の一例を示す光学顕微鏡組織写真である。
Claims (3)
- 900 ℃以上の温度域でフェライトとオーステナイトの二相域を呈する組成を有するステンレス鋼板に、前記二相域の温度に加熱したのち、5℃/s以上の冷却速度で冷却する第一の熱処理工程と、圧下率が30%以上の冷間圧延を行う冷延工程と、400 ℃以上 Ac1変態点未満の温度で加熱する第二の熱処理工程と、を順次施すことを特徴とする、高強度ステンレス鋼板の製造方法。
- 前記二相域の加熱温度を900 〜1200℃の範囲内の温度とすることを特徴とする請求項1に記載の高強度ステンレス鋼板の製造方法。
- 前記第一の熱処理工程後の鋼板の組織が、体積率で20〜80%のマルテンサイト相と残部フェライト相の混合組織であることを特徴とする請求項1または2に記載の高強度ステンレス鋼板の製造方法。
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